JP5891874B2 - 撮像装置及びプログラム - Google Patents
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Description
このような画像処理の一種として、ハイダイナミックレンジ合成が知られている(特許文献1参照)。ハイダイナミックレンジ合成とは、それぞれ露出値を異ならせた略同一画角の複数の画像のデータを画素加算合成することで、幅広いダイナミックレンジを表現する画像のデータを生成する画像処理をいう。
なお、以下、特段の説明がない場合、このような合成処理を加えた画像を、「ハイダイナミックレンジ合成画像(High Dinamic Range合成画像)」、又は、「HDR合成画像」と呼ぶ。
撮像装置1は、例えばデジタルカメラとして構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を一定時間蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、ディジタル信号が生成され、撮像部17の出力信号として出力される。
このような撮像部17の出力信号を、以下、「撮像画像のデータ」と呼ぶ。撮像画像のデータは、CPU11や画像処理部14等に適宜供給される。
表示部19は、ディスプレイ等で構成され、画像を出力する。
記憶部20は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部21は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
表情対応画像生成処理とは、撮像画像のデータに基づいて、当該撮像画像に被写体として写り込んだ人物の表情を検出し、当該撮像画像のデータを、検出した表情に応じて変換することで、当該表情から判断される感情を自然な色味で表した画像のデータを生成するまでの一連の処理をいう。
ただし、図2は例示であり、CPU11の機能の少なくとも一部を画像処理部14に委譲してもよいし、逆に、画像処理部14の機能の少なくとも一部をCPU11に委譲してもよい。
この場合、記憶部20の一領域として設けられた画像記憶部61が用いられる。
画像記憶部61には、撮像部17から出力された撮像画像のデータが記憶されている。
本実施形態では、ハイダイナミックレンジ合成が行われるため、撮像制御部31は、露光条件設定部41により露光条件の設定を変化させて、即ち露光時間を変化させて、露光条件の設定が変化する毎に撮像部17に繰り返し撮像させる。
具体的には、合成比率決定部32は、表情が明るい(笑顔に近い表情)という判断結果の場合には、撮像画像内の顔の領域については、露光時間の長い方の画像の割合が高くなるように、合成比率を決定する。これにより、HDR合成画像における顔の領域は、(多くの光が当たっているという意味で)トーンが高くなるとともに発色も良くなり、結果的に明るくなる。
これに対して、合成比率決定部32は、表情が暗いという判断結果の場合には、撮像画像内の顔の領域については、露光時間の短い方の画像の割合が高くなるように、合成比率を決定する。これにより、HDR合成画像における顔の領域は、(光が当たらずに影になっているという意味で)トーンが低くなるとともに発色も抑えられ、結果的に暗くなる。
なお、合成比率決定部32は、合成比率を変更する要素となる夜間撮影の場合、動きのある被写体を撮影した場合、手振れが生じた場合等のその他の場合には、それぞれの場合を考慮して(補正する等して)、合成比率を適宜決定する。
また、合成比率決定部32は、合成比率を変更する要素となる夜間撮影の場合、動きのある被写体を撮影した場合、手振れが生じた場合等のその他の場合には、それぞれの場合に応じた露光時間の画像の合成比率を決定する。
ここで、撮像装置1は、被写体の感情に対応する色味になるように単純に色調を変えた画像処理をするわけではなく、露光条件の異なる複数の撮像画像のデータを画素加算合成しているため、その結果として、被写体の感情を自然なトーンや色味(発色状態)で表した表情対応画像のデータが得られることになる。
図3は、表情対応画像生成処理により生成された表情対応画像の例を示した模式図である。
図3(A)は、喜んでいる表情の人物が被写体として写っている場合の撮像画像の一例を示す模式図である。図3(B)は、図3(A)の撮像画像から得られた表情対応画像の一例を示す模式図である。
図3(C)は、哀しんでいる表情の人物が被写体として写っている場合の撮像画像の一例を示す模式図であり、図3(D)は、図3(C)の撮像画像に基づいて生成される表情対応画像の一例を示す模式図である。
即ち、図3(A)及び図3(C)の撮像画像が、中間の明るさのため、中間の濃度で示されている。
図3(B)の表情対応画像が、明るい表情の人物を含んでおり、実際には明るい画像となるため、一番薄い濃度で示されている。なお、実際には、人物の顔画像領域が特に明るくなるが、同図では、本発明の理解をイメージ的に容易なものとすべく、画像全体があえて同一の薄い濃度で示されている。
逆に、図3(B)の表情対応画像が、暗い表情の人物を含んでおり、実際には暗い画像となるため、一番濃い濃度で示されている。なお、実際には、人物の顔画像領域が暗くなるが、同図では、本発明の理解をイメージ的に容易なものとすべく、画像全体があえて同一の濃い濃度で示されている。
このため、撮像装置1では、女性の顔画像領域が顔検出部52で検出され、明るい表情であることが表情判断部53により判断される。
このようにして、明るい表情という判断が表情判断部53により示されたことにより、顔の領域が明るく派手になるように、即ち、露光時間が長い方の画像の割合が高くなるように、合成比率が合成比率決定部32により決定される。
そして、その決定された合成比率に従って、露光条件の異なる撮像画像のデータが画素加算合成されることにより、図3(B)に示すような表情対応画像のデータが生成される。
ユーザは、このような図3(B)に示す表情対応画像から、被写体の女性の喜んだ表情を直感的に視認し、喜びの表情が強調された画像であるという印象を頭に残すことになる。
このため、撮像装置1では、男性の顔画像領域が顔検出部52で検出され、暗い表情であることが表情判断部53により判断される。
このようにして、暗い表情という判断が表情判断部53により示されたことにより、顔の領域が暗くになるように、即ち、露光時間が短い方の画像の割合が高くなるように、合成比率が合成比率決定部32により決定される。
そして、その決定された合成比率に従って、露光条件の異なる撮像画像のデータが画素加算合成されることにより、図3(D)に示すような表情対応画像のデータが生成される。
ユーザは、このような図3(D)に示す表情対応画像から、被写体の男性の哀しい表情を直感的に視認し、哀しい表情が強調された画像であるという印象を頭に残すことになる。
ただし、表情対応画像は、上述したように、被写体の感情を自然なトーンや色味で表した画像となっているため、違和感のある画像だという理由で、当該表情対応画像の印象がユーザの頭に残るわけではない。即ち、ユーザは、当該表情対応画像そのものに対して、違和感を覚えることがない。
図4は、図2の機能構成を有する図1の撮像装置1が実行する表情対応画像生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
例えば操作部18の図示せぬシャッタボタンが押下操作される等して記録指示が検出された場合には、ステップS1においてYESであると判断されて、処理はステップS2に進む。
その後、撮像画像取得部51により、複数の撮像画像のデータのうち、例えば露光時間が中間の撮像画像のデータが画像記憶部61から読み出されて取得されると、処理はステップS3に進む。
ステップS2の処理で撮像された撮像画像のデータから顔画像領域が検出されなかった場合には、ステップS3においてNOであると判断され、処理はステップS4に進む。
その後、処理はステップS8に進む。ステップS8以降の処理については後述する。
ステップS5において、表情判断部53は、撮像画像のデータから検出された顔画像領域について、表情を判断する。
具体的には例えば、図3(A)に示す、明るい表情の顔をした女性が被写体として写り込んでいる撮像画像のデータが処理対象となっている場合には、表情が明るいと判断される。このような場合には、ステップS5において明るいと判断されて、処理はステップS6に進む。
ステップS7において、合成比率決定部32は、顔画像領域について露光条件において露光時間が短い方の撮像画像の割合が高くなるように、合成比率を決定する。
撮像制御部31は、撮像部17に対し、露光時間を変えて撮像された複数の画像のデータを出力するよう制御する。
顔検出部52は、撮像部17により出力された画像から顔画像領域を検出する。
表情判断部53は、顔検出部52によって検出された顔画像領域における表情を判断する。
画像合成部54は、表情判断部53によって判断された表情に基づいて、撮像部17によって出力された複数の画像のデータにおける合成比率を変更して合成する。
従って、撮像装置1では、表情判断部53によって判断された表情に基づいて、撮像部17によって出力された複数の画像のデータにおける合成比率を変更して合成するため、撮像画像に被写体として含まれていた人物について、被写体として含まれている人物の感情に適した、自然な色味で表現された画像を得ることができる。
また、従来より知られるような、顔画像領域を優先する露光時間制御(顔優先のAE)とは異なり、比較的露光時間の短い連写を行なって画素加算合成するので、被写対象(人物)が動いていても、被写体ブレを防ぐことができるというメリットもある。
従って、撮像装置1では、検出された顔画像領域について、感情に基づいて、複数の画像のデータにおける合成比率を変更して合成することにより、感情の判断の元となる顔画像領域のトーンや色味が変更されるため、より感情の表現が強調された画像を生成することができる。
従って、撮像装置1では、笑顔については、長い露光時間で撮像された画像の比率が高くなるように合成比率を変更して合成するために、楽しい感情や嬉しい感情を直感的に表した画像を生成することができる。
例えば、本発明は、表情対応画像生成機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
換言すると、図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が撮像装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
[付記1]
撮像手段と、
前記撮像手段に対し、露光時間を変えて撮像された複数の画像のデータを出力するよう制御する撮像制御手段と、
前記撮像手段により出力された前記画像のデータから顔画像領域を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記顔画像領域における表情を判断する表情判断手段と、
前記表情判断手段によって判断された表情に基づいて、前記撮像手段によって出力された複数の前記画像のデータにおける合成比率を変更して複数の前記画像のデータを合成する画像合成手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
[付記2]
前記画像合成手段は、前記検出手段によって検出された顔画像領域について、前記撮像手段によって出力された複数の前記画像のデータにおける合成比率を変更して合成することを特徴とする付記1に記載の撮像装置。
[付記3]
前記画像合成手段は、前記表情判断手段により笑顔に近い表情であると判断された場合に、前記露光時間を変えて出力された複数の画像のうちより長い露光時間で撮像された画像の比率が高くなるように合成比率を変更して合成することを特徴とする付記1又は2に記載の撮像装置。
[付記4]
撮像手段を備える撮像装置を制御するコンピュータを、
前記撮像手段に対し、露光時間を変えて撮像された複数の画像のデータを出力するよう制御する撮像制御手段、
前記撮像手段により出力された前記画像のデータから顔画像領域を検出する検出手段、
前記検出手段によって検出された前記顔画像領域における表情を判断する表情判断手段、
前記表情判断手段によって判断された表情に基づいて、前記撮像手段によって出力された複数の前記画像のデータにおける合成比率を変更して複数の前記画像のデータを合成する画像合成手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
Claims (4)
- 撮像手段と、
この撮像手段に対し、露光時間を変えて撮像させて複数の画像のデータを出力するよう制御する撮像制御手段と、
前記撮像手段から出力された前記画像のデータから顔画像領域を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された前記顔画像領域における表情を判断する表情判断手段と、
この表情判断手段によって判断された表情に基づいて、前記撮像手段によって出力された複数の前記画像のデータにおける合成比率を変更して複数の前記画像のデータを合成する画像合成手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記画像合成手段は、前記検出手段によって検出された前記顔画像領域について、前記撮像手段によって出力された複数の前記画像のデータにおける合成比率を変更して合成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記画像合成手段は、前記表情判断手段により笑顔に近い表情であると判断された場合に、前記露光時間を変えて出力された複数の前記画像のデータのうち、より長い露光時間で撮像された画像の割合が高くなるように合成比率を変更して合成する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 撮像手段を備える撮像装置を制御するコンピュータを、
この撮像手段に対し、露光時間を変えて撮像させて複数の画像のデータを出力するよう制御する撮像制御手段、
前記撮像手段から出力された前記画像のデータから顔画像領域を検出する検出手段、
この検出手段によって検出された前記顔画像領域における表情を判断する表情判断手段、
この表情判断手段によって判断された表情に基づいて、前記撮像手段によって出力された複数の前記画像のデータにおける合成比率を変更して複数の前記画像のデータを合成する画像合成手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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