JP5889641B2 - スプレーノズル - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴出口から噴出するスプレー液を気体噴出口から噴出する噴霧化気体によってミスト化して被処理物に噴霧するスプレーノズルに関し、特に粉粒体の造粒又はコーティング処理用に好適なスプレーノズルに関する。
粉粒体の造粒又はコーティング処理では、原料粒子の運動状態、給排気条件、スプレー液の成分や噴霧条件等によって、製品粒子の性状、品質、粒度分布等に大きな違いが生じることが知られている。そのうち、スプレー液の噴霧条件は、スプレー液の性質(粘性、展延性、浸透性等)や原料粒子の性質(粒子径、吸湿性、表面濡れ性等)などに応じて最適かつ均一なミスト径のスプレー液ミストを噴霧することが重要であり、この噴霧条件を適切に実行できるか否かはスプレーノズルの性能に大きく依存する。
造粒又はコーティング処理に用いるスプレーノズルには多くの種類があるが、液管とインサートとの接続体を、外管とエアーキャップとの接続体の内部に収容した構造のスプレーノズルとして、下記の特許文献1の段落0003〜0008及び図21に記載されているスプレーノズルが知られている。このスプレーノズルは、空気管95と、空気管95の先端部に接続され、噴霧化気体が噴出する小径穴100を先端部に有するキャップ96と、空気管95の内周部に挿通され、スプレー液が通過する穴を中心部に有する液供給管97と、液供給管97の先端部に装着され、スプレー液が通過する穴103aを中心部に有すると共に、スプレー液が噴出する穴103cを先端部に有するインサート98と、空気管95及びキャップ96の内面と液供給管97及びインサート98の外面との管に形成される空気通路とを備えている。インサート98の後端部は液供給管97の先端部に螺子部で螺合接続され、液供給管97の穴とインサート98の穴103aとが相互に連通して、全体として比較的長い液体通路を形成している。この液体通路は、インサート98の穴103aの部分が液供給管97の穴の部分よりも小径になっていると共に、インサート98の穴103aの先端部分が先端側に向かって漸次縮径して先端部の穴103cに繋がっている。また、空気管95と液供給管97の後端部は、空気及び液体の供給口92、93を有する本体94にそれぞれ螺子部で螺合接続されている。
特開2007−181802号公報、段落0003〜0008及び図21
上記のスプレーノズルでは、スプレー液が通過する液体通路に径変化があり、径変化する部分でスプレー液の流れが変化するため、特に懸濁液のような粘性が比較的高いスプレー液を噴霧する場合、径変化する部分でスプレー液の滞留が生じ易いという問題がある。
また、インサート98の後端部を液供給管97の先端部に螺子部で螺合接続する構造であるため、組立作業に手間が掛かる上に、螺合接続部分を介して液体通路内に空気が混入し、液体噴出口(穴103c)から噴出するスプレー液に脈動が発生する原因となる。スプレー液に脈動が発生すると、スプレー液のミスト径分布がブロードになり、処理品質低下につながる。また、インサート98の液体噴出口(穴103c)とキャップ96の気体噴出口(小径穴100)との同心度が部品の加工精度によって決まるため、加工精度によっては、液体噴出口が気体噴出口の中心からずれることがある。これにより、スプレー液に脈動が発生し、ミスト径分布がブロードになることにより、処理品質低下につながる。一方、部品の加工精度を過度に高めることは、コスト上昇につながり好ましくない。
本発明の課題は、懸濁液のような粘性が比較的高いスプレー液を噴霧する場合でも、液体通路内にスプレー液の滞留が生じ難く、スプレー液の種類の制約を受け難いスプレーノズルを提供することである。
本発明の他の課題は、液体噴出口から噴出するスプレー液に脈動が発生し難いスプレーノズルを提供することである。
本発明の更なる課題は、部品に加工精度を過度に高めることなく、液体噴出口と気体噴出口との良好な同心度を確保することができるスプレーノズルを提供することである。
本発明の更なる課題は、組立作業が容易なスプレーノズルを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、外管と、外管の先端部に接続され、噴霧化気体が噴出する気体噴出口を先端部に有するエアーキャップと、外管の内部に挿通され、スプレー液が通過する第1液体通路を中心部に有する液管と、液管の先端部に装着され、スプレー液が通過する第2液体通路を中心部に有すると共に、スプレー液が噴出する液体噴出口を先端部に有するインサートと、外管及びエアーキャップの内面と液管及びインサートの外面とのに形成される気体通路とを備え、第1液体通路及び第2液体通路を通過して液体噴出口から噴出するスプレー液を、気体通路を通過して気体噴出口から噴出する噴霧化気体によってミスト化して噴霧するスプレーノズルであって、第1液体通路と第2液体通路が、全長に亘って、液体噴出口と同一径を有し、インサートの後端部が液管の先端部に嵌合隙間をもって嵌合され、かつ、該嵌合部が弾性シール部材によってシールされ、インサートは、液管に対して前記弾性シール部材で弾性支持された状態で、前記嵌合部の嵌合隙間の範囲内で液管に対して変位可能であり、エアーキャップの内面がインサートの先端部に押し当てられることにより、エアーキャップの気体噴出口とインサートの液体噴出口とが調心される構成を提供する。
第1液体通路と第2液体通路を全長に亘って液体噴出口と同一径に形成することにより、液体噴出口を含めてスプレー液が通過する液体通路に径変化がなくなり、スプレー液は第1液体通路及び第2液体通路を一定の流速で通過して液体噴出口から噴出するので、懸濁液のような粘性が比較的高いスプレー液を噴霧する場合でも、液体通路内にスプレー液の滞留が生じ難い。また、インサートの後端部と液管の先端部とを嵌合接続することで、従来の螺合接続に比べて、組立作業が簡素化されると共に、嵌合部を弾性シール部材によってシールすることにより、嵌合部を介して液体通路内に気体が混入して、スプレー液に脈動が発生する現象を防止又は抑制することができる。さらに、インサートは、液管に対して弾性シール部材で弾性支持された状態で、嵌合部の嵌合隙間の範囲内で液管に対して変位可能であり、エアーキャップの内面がインサートの先端部に押し当てられることにより、エアーキャップの気体噴出口とインサートの液体噴出口とが調心される構成とすることにより、部品の加工精度を過度に高めることなく、液体噴出口と気体噴出口との良好な同心度を確保して、スプレー液の脈動を効果的に防止することができる。
第1液体通路、第2液体通路4a、および液体噴出口の径は、φ0.5〜3mm、好ましくはφ0.5〜2.5mm、より好ましくはφ0.5〜2mm、さらに好ましくはφ0.8〜2mmの範囲内の所定の小径に形成することにより、第1液体通路及び第2液体通路を通過するスプレー液に対する通路抵抗が高まり、気体噴出口から噴出する噴霧化気体のエゼクター効果に起因する負圧力によってスプレー液が吸引されて脈動が発生する現象が防止又は抑制される。
上記構成において、噴霧化気体が供給される気体供給口を有する配管部材が外管の後端部に接続されており、液管は配管部材の内部に挿通され、液管の外面と配管部材の内面との間に弾性シール部材が介装されている構成とすることが好ましい。これにより、液管と配管部材との接続作業が簡素化されると共に、液管と配管部材との間が弾性シール部材によって効果的にシールされる。
上記構成において、インサートの外面に、噴霧化気体を渦流化する渦流化手段が設けられている構成とすることが好ましい。これにより、より小さいミスト径のスプレー液ミストを生成することができる。
本発明によれば、懸濁液のような粘性が比較的高いスプレー液を噴霧する場合でも、液体通路内にスプレー液の滞留が生じ難く、スプレー液の種類の制約を受け難いスプレーノズルを提供することができる。
また、本発明によれば、液体噴出口から噴出するスプレー液に脈動が発生し難いスプレーノズルを提供することができる。
また、本発明によれば、部品に加工精度を過度に高めることなく、液体噴出口と気体噴出口との良好な同心度を確保することができるスプレーノズルを提供することができる。
また、本発明によれば、組立作業が容易なスプレーノズルを提供することができる。
実施形態に係るスプレーノズルを示す断面図である。 エアーキャップの断面図である。 インサートの部分断面図である。 比較例のスプレーノズルを示す断面図である。 比較例のスプレーノズルにおけるスプレー液のミスト径変化を示す図である。 実施例のスプレーノズルにおけるスプレー液のミスト径変化を示す図である。 比較例のスプレーノズルにおけるスプレー液のCV値変化を示す図である。 実施例のスプレーノズルにおけるスプレー液のCV値変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、この実施形態に係るスプレーノズルを示している。この実施形態のスプレーノズルは、流動層装置(粉粒体粒子の転動、噴流、攪拌等を伴う所謂「複合型流動層装置」を含む)や回転ドラム式のコーティング装置(所謂「パンコーティング装置」)等の粉粒体処理装置に設置され、装置内で運動する粉粒体粒子に結合剤液や膜剤液等を噴霧して造粒又はコーティング処理を行うために用いられる。
この実施形態のスプレーノズルは、外管1と、外管1の先端部に接続され、噴霧化気体が噴出する気体噴出口2aを先端部に有するエアーキャップ2と、外管1の内部に挿通され、スプレー液が通過する第1液体通路3aを中心部に有する液管3と、液管3の先端部に装着され、スプレー液が通過する第2液体通路4aを中心部に有すると共に、スプレー液が噴出する液体噴出口4bを先端部に有するインサート4と、外管1及びエアーキャップ2の内面と液管3及びインサート4の外面とのに形成される気体通路5と、噴霧化気体が供給される気体供給口6aを有する配管部材6とを備えている。
外管1は、エアーキャップ2を螺合接続するための螺子部1aを先端部内周に有し、配管部材6を螺合接続するための螺子部1bを後端部外周に有している。
液管3は、インサート4を嵌合接続するための有底状の嵌合穴3bと、嵌合穴3bよりも大径で、弾性シール部材7(同図に示す例ではOリング)を装着するためのシール装着部3cとを先端部に有している。また、液管3の後方部外周には、弾性シール部材8(同図に示す例ではOリング)を装着するためのシール装着溝3dが形成され、液管3の小径になった後端部には、図示されていない液配管(配管ホース等)を接続するための接続部3e(同図に示す例ではタケノコニップル部)が形成されている。液管3の第1液体通路3aは、全長に亘って同一径φD1を有し、その先端は嵌合穴3bの底部に開口し、その後端は外部に開口している。図示されていないポンプ等の圧送手段により圧送されるスプレー液は、第1液体通路3aの後端開口から第1液体通路3aに供給される。
図2に示すように、エアーキャップ2は、外管1の螺子部1aに螺合接続される螺子部2bを後端部外周に備えている。また、エアーキャップ2の内面は、後端側から、第1円筒面2cと、第1円筒面2cよりも小径で、かつ、第1円筒面2bよりも軸方向長さが小さい第2円筒面2dと、第2円筒面2dと気体噴出口2aとを繋ぐ2段の円錐テーパ面2eとを備えている。第1円筒面2cと第2円筒面2dは、半径方向の段面2fを介して連続する。気体噴出口2aの径はφD2である。
図3に示すように、インサート4の外面は、後端側から、第1円筒状面4cと、第1円筒状面4cから先端側に向かって漸次縮径した円錐テーパ状面4dと、第1円筒状面4cよりも大径で、かつ、第1円筒状面4cよりも軸方向長さが小さい第2円筒状面4eと、第2円筒状面4eよりも小径で、かつ、第2円筒状面4eと軸方向長さが同程度又は少し大きい第3円筒状面4fと、液体噴出口4bの外周側の第4円筒状面4gと、第3円筒状面4fと第4円筒状面4gとを繋ぐ2段の円錐テーパ状面4hとを有している。第1円筒状面4cの後端部には、液管3の嵌合穴3bに僅かな嵌合隙間をもって嵌合される嵌合面4c1が形成され、この嵌合面4c1と先端側に隣接して、弾性シール部材7を装着するためのシール装着溝4c2が形成されている。第2円筒状面4eと第3円筒状面4fは、半径方向の段面4iを介して連続する。また、第2円筒状面4eと第3円筒状面4fには、それぞれ、噴霧化気体を渦流化するための渦流形成溝4e1、4f1が傾斜溝状又はスパイラル状に切欠形成されている。インサート4の第2液体通路4aは、液管3の第1液体通路3aと同一径φD1を有し、その先端は液体噴出口4bと連通し、その後端は後端面に開口している。液体噴出口4bは、第2液体通路4aと同一径φD1を有している。液体噴出口4bの外周側に位置する第4円筒状面4gの径φD3は、気体噴出口2aの径φD2に対して所定寸法だけ小さく設定されている(φD3<φD2)。
図1に示すように、配管部材6は、外管1の後端部外周の螺子部1bを螺合接続するための螺子部6bを先端部内周に有し、固定ナット9の螺子部9aを螺合させるための螺子部6cを後端部内周に有している。
外管1の後端部外周の螺子部1bと配管部材6の先端部内周の螺子部6bとが螺合接続され、外管1と配管部材6の内部に液管3が挿通される。液管3の外面と配管部材6の内面との間は弾性体シール8によってシールされる。配管部材6の内部に挿通された液管3は、配管部材6の後端部内周の螺子部6cに螺合させた固定ナット9により位置固定される。
液管3の先端部の嵌合穴3bにインサート4の後端部の嵌合面4c1が僅かな嵌合隙間をもって嵌合され、この嵌合部は、シール装着部3cとシール装着溝4c2に圧接する弾性シール部材7によってシールされる。インサート4は液管3に対して上記嵌合隙間の範囲内で変位可能であり、実質的には、インサート4は液管3に対して弾性シール部材7で弾性支持された状態になる。
エアーキャップ2の後端部外周の螺子部2bを外管1の先端部内周の螺子部1aに螺合させ、エアーキャップ2を絞め込むと、エアーキャップ2の内面の第1円筒面2c、第2円筒面2d、段面2f(図2を参照)が、それぞれ、インサート4の外面の第2円筒状面4e、第3円筒状面4f、段面4iと当接する。インサート4は液管3に対して上記嵌合隙間の範囲内で変位可能であり、上記の態様でエアーキャップ2の内面がインサート4の外面に当接することにより、エアーキャップ2に対するインサート4の半径方向及び軸方向の位置が矯正され、エアーキャップ2の気体噴出口2aとインサート4の液体噴出口4とが良好な同心度を有するように調心される。尚、この実施形態において、液体噴出口4の先端は、気体噴出口2aから先端側に所定寸法だけ突出している。
液管3の第1液体通路3aに供給されたスプレー液は、第1液体通路3aを通過してインサート4の第2液体通路4aに入り、第2液体通路4aを通過して液体噴出口4bから噴出する。一方、配管部材6の気体供給口6aから供給された噴霧化気体(空気等)は、外管1及びエアーキャップ2の内面と液管3及びインサート4の外面との間に形成される気体通路5を通過し、インサート4の外面の円錐テーパ状面4dの領域で通路幅が漸次拡大することに伴う気流安定化作用を受けた後、第2円筒状面4eと第3円筒状面4fの渦流形成溝4e1、4f1によって渦流に変換され、エアーキャップ2の気体噴出口2aとインサート4の液体噴出口4bの外周側に位置する第4円筒状面4gとの間の環状隙間から噴出する。液体噴出口4bから噴出するスプレー液は、上記環状隙間から噴出する噴霧化気体によってミスト化され、装置内で運動する粉粒体粒子に噴霧される。
上記のように、この実施形態のスプレーノズルは、液管3の第1液体通路3aとインサート4の第2液体通路4aを全長に亘って液体噴出口4bと同一径φD1に形成しているので、液体噴出口4bを含めてスプレー液が通過する液体通路に径変化がなくなり、スプレー液は第1液体通路3a及び第2液体通路4aを一定の流速で通過して液体噴出口4bから噴出する。そのため、懸濁液のような粘性が比較的高いスプレー液を噴霧する場合でも、液体通路内にスプレー液の滞留が生じ難い。
第1液体通路3a、第2液体通路4a及び液体噴出口4bの径φD1は、0.5〜3mm、好ましくは0.5〜2.5mm、より好ましくは0.5〜2mm、さらに好ましくは0.8〜2mmの範囲内の所定の小径に形成するのが良い。これにより、第1液体通路3a及び第2液体通路4aを通過するスプレー液に対する通路抵抗が高まり、気体噴出口4bから噴出する噴霧化気体のエゼクター効果に起因する負圧力によってスプレー液が吸引されて脈動が発生する現象が防止又は抑制される。このような効果をより一層高めると共に、清掃性を確保する観点から、第1液体通路3a、第2液体通路4a及び液体噴出口4bの合計長さLと径φD1と比L/Dは、80〜140、好ましくは90〜130、より好ましくは100〜120とするのが良い。また、第1液体通路3aでのスプレー液の平均液送り速度は0.01〜0.05m/secの範囲とするのが好ましい。この平均送り速度が0.01m/secよりも小さい場合、脈動の抑制が十分でなく、また、スプレー液として懸濁液等を使用する場合に、液体通路内で沈殿が問題になることがある。一方、この平均送り速度が0.05m/secよりも大きくなっても、脈動の抑制効果は向上せず、また、液送に過剰なエネルギーを消費するため好ましくない。この平均送り速度は、0.01〜0.05m/secの範囲でできるだけ大きくするのがより好ましい。
インサート4と液管3との接続を嵌合接続にしているので、従来の螺合接続に比べて、組立作業が簡素化されると共に、嵌合部を弾性シール部材7によってシールすることにより、嵌合部を介して液体通路内に気体が混入して、スプレー液に脈動が発生する現象を防止又は抑制することができる。
また、上述のように、エアーキャップ2の内面をインサート4の先端部に押し当てることにより、エアーキャップ2の気体噴出口2aとインサート4の液体噴出口4bとが調心されるので、部品の加工精度を過度に高めることなく、液体噴出口4bと気体噴出口2aとの良好な同心度を確保して、スプレー液の脈動を効果的に防止又は抑制することができる。
上述した実施形態のスプレーノズルと図4に示す比較例のスプレーノズルを流動層装置に設置し、装置内に仕込んだ原料粒子にスプレー液を噴霧してコーティング処理を行った。比較例のスプレーノズルが実施形態のスプレーノズルと異なる点は、主に、インサート4’の後端部が液管3’の先端部に螺合接続されている点、液管3’の第1液体通路とインサート4’の第2液体通路が比較的大きい径φD’1(φD1<φD’1)を有する点、インサート4’の第2液体通路の先端部は先端側に向かって漸次縮小して液体噴出口に繋がっている点にある。比較例のスプレーノズルは、このような構成を有するため、液体噴出口から噴出するスプレー液に脈動が発生する。
[試験条件]
流動層装置:株式会社パウレック製の転動流動層装置「MP−01」
液体通路の径:φD1=1.2mm、φD’1=4mm
液体噴出口の径:φ1.2mm(実施形態・比較例共に同じ)
スプレー液:4wt%HPC−L水溶液
スプレー液量:200g
スプレー液速度:5g/min
噴霧化気体量:50L/min
流動層装置の給気温度:50℃、70℃、90℃の3種類の条件で実施
流動層装置の給気風量:0.7m3/min
流動層装置のロータ回転数:300rpm
原料粒子:セルフィアCP−102(平均粒子径150μm)
原料仕込量:1kg
評価方法:原料に含まれていない粒子径300μm以上の粒子{60M(300μm) の篩を通過しなかった粒子}を凝集粒子と判断し、処理済み品の全重量に占 める凝集粒子の重量割合(凝集率)を求めた。
[試験結果]
給気温度50℃の場合:比較例 凝集率9.81%
実施例 凝集率0.22%
給気温度70℃の場合:比較例 凝集率18.67%
実施例 凝集率2.4%
給気温度50℃の場合:比較例 凝集率6.39%
実施例 凝集率0.39%
上記の試験結果から分かるように、実施例のスプレーノズルでは、凝集率が顕著に小さくなり、比較例のスプレーノズルに比べて、コーティング品質と製品収率を高めることができる。これは、下記の測定結果に示すように、実施例のスプレーノズルでは、比較例のスプレーノズルに比べて、噴霧されるスプレー液のミスト径分布が狭くなったことによるものであり、このミスト径分布の縮小化は脈動の発生が防止又は抑制されたことに起因する。
実施形態のスプレーノズルと比較例のスプレーノズルから噴霧されるスプレー液のミスト径をスプレーミスト測定器(LDSA3400A)で測定して、ミスト径の変化とCV値を求めた。スプレー液は精製水を使用し、スプレー液速度5g/min、噴霧化気体量50L/min、測定距離(ノズル先端と測定ポイントとの間の距離)150mmの条件で測定を行った。測定結果を図5〜図8に示す。
図5〜図8に示す測定結果から分かるように、実施例のスプレーノズルでは、比較例のスプレーノズルに比べて、噴霧されるスプレー液のミスト径分布が狭くなると共に、ミスト径の経時変化も少なくなり、かつ、CV値も安定する。ここで、CV値はミスト径の変動係数であり、CV値=標準偏差/平均値(平均径)で算出される値である。
1 外管
2 エアーキャップ
2a 気体噴出口
3 液管
3a 第1液体通路
4 インサート
4a 第2液体通路
4b 液体噴出口
5 気体通路
6 配管部材
6a 気体供給口
7 弾性シール部材
8 弾性シール部材

Claims (4)

  1. 外管と、該外管の先端部に接続され、噴霧化気体が噴出する気体噴出口を先端部に有するエアーキャップと、前記外管の内部に挿通され、スプレー液が通過する第1液体通路を中心部に有する液管と、該液管の先端部に装着され、前記スプレー液が通過する第2液体通路を中心部に有すると共に、前記スプレー液が噴出する液体噴出口を先端部に有するインサートと、前記外管及びエアーキャップの内面と前記液管及びインサートの外面とのに形成される気体通路とを備え、前記第1液体通路及び第2液体通路を通過して前記液体噴出口から噴出するスプレー液を、前記気体通路を通過して前記気体噴出口から噴出する噴霧化気体によってミスト化して噴霧するスプレーノズルであって、
    前記第1液体通路と前記第2液体通路が、全長に亘って、前記液体噴出口と同一径を有し、
    前記インサートの後端部が前記液管の先端部に嵌合隙間をもって嵌合され、かつ、該嵌合部が弾性シール部材によってシールされ、
    前記インサートは、前記液管に対して前記弾性シール部材で弾性支持された状態で、前記嵌合部の嵌合隙間の範囲内で前記液管に対して変位可能であり、前記エアーキャップの内面が前記インサートの先端部に押し当てられることにより、前記エアーキャップの気体噴出口と前記インサートの液体噴出口とが調心されることを特徴とするスプレーノズル。
  2. 前記第1液体通路、前記第2液体通路、および前記液体噴出口の直径が0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1に記載のスプレーノズル。
  3. 前記噴霧化気体が供給される気体供給口を有する配管部材が前記外管の後端部に接続されており、前記液管は前記配管部材の内部に挿通され、前記液管の外面と前記配管部材の内面との間に弾性シール部材が介装されていることを特徴と請求項1又は2に記載のスプレーノズル。
  4. 前記インサートの外面に、前記噴霧化気体を渦流化する渦流化手段が設けられていることを特徴とする請求項1からの何れかに記載のスプレーノズル。
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