JP5888509B2 - 対物レンズ及び顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、対物レンズ及び顕微鏡に関する。
落射暗視野照明(「エピダーク照明」とも称される)とは、落射照明型顕微鏡において標本からの反射光を結像するレンズ系の周囲から当該レンズ系の光軸に中心が一致するリング状光束を供給し、この光束をレンズ系の先端付近に設けられた集光部材(例えば穴あき放物面鏡)によって標本上に導く落射暗視野観察のための照明である。ここでは、暗視野用照明光学系も含んだ全体を「対物レンズ」と称し、結像に寄与する内側のレンズ系を「対物光学系」と称する。近年では、対物レンズの高開口数化や長作動距離化が進んでおり、これに伴って対物光学系のレンズの外径がより大きくなる傾向にあるため、従来の落射照明型顕微鏡において標準的に装備されている照明系(リング状光束の供給系)では有効な落射暗視野照明を行うことが難しい。そこで、大口径を有する対物光学系に対応した落射暗視野照明を可能にすべく、対物光学系の光軸と同心円状に配置された外方偏向部材、内方偏向部材、及び集光部材を備えた落射暗視野照明用の対物レンズが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、対物光学系は高開口数や長作動距離化のためその径が太くなっているが、外側の鏡筒は制限があるので、暗視野用の光束に使える空間は制限されるため、狭い空間に暗視野用照明光学系の光学部材を配置する必要があり、配置が困難であるとともに、対物光学系の周囲に配置する光学部材(偏向部材、集光部材)間での光路中で入射角度を持つ光線(入射時に光軸に平行な光束以外の光線)が光学部材の周囲に設けられた鏡筒の内壁面に当たって光路外へ反射されることで光量ロスが生じる。特に暗視野用照明光学系では入射光束の瞳位置は対物レンズから離れた位置にあることが一般的で、例えば、照明光と結像光を分離する穴あきミラー近辺にある絞りが開口絞りに相当することが多い。この場合、径方向のアフォーカル系では瞳位置が離れているため、角度を持つ光線は広がってしまい、光量ロスになりやすい。
特公平4−048203号公報
顕微鏡における暗視野観察では、その観察方法の特性上、強い照明光を供給することが必要となるため、照明光の光量を十分に確保できないと、良好な落射暗視野観察ができなくなるという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高開口数、長作動距離の対物光学系に対しても、光量ロスを低減して有効な落射暗視野照明を供給することが可能な構成の対物レンズ、及び、この対物レンズを備えた顕微鏡を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る対物レンズは、対物光学系の光軸に対して略平行な光を、この対物光学系を囲むように配置された光路を介して標本に照射する暗視野用照明光学系を有する対物レンズであって、暗視野用照明光学系は、少なくとも対物光学系の光軸を中心とする円の径方向に正の屈折力を有し、この径方向に光を集光し、集光点を形成する第1光学部材と、この集光点から発散した光を光軸方向に偏向して標本に照射する第2光学部材と、を有することを特徴とする。
このような対物レンズにおいて、第1光学部材は、光軸を含む任意の断面内において、前記光のうち最も光軸側の光を、最も光軸から離れた光よりも大きく径方向に屈折させるとともに、最も光軸側の光を光軸から離れるように径方向に屈折させるように構成されている。
また、このような対物レンズは、次式の条件を満足することが好ましい。
1/3 ≦ fr/(fp−WD) < 1
但し、
fr:第1光学部材の径方向の焦点距離
fp:対物レンズの同焦点距離
WD:対物レンズの作動距離
また、このような対物レンズにおいて、第2光学部材は、反射面が高次非球面形状に形成された凹面であって、光軸を含む部分に円筒状の開口部を有する穴あきミラーであることが好ましい。
また、このような対物レンズにおいて、第2光学部材は、少なくとも1つのレンズ面が非球面形状に形成され、光軸を含む部分に開口部を有する穴あきレンズであることが好ましい。
また、このような対物レンズにおいて、第2光学部材は、反射面が、対物レンズの光軸に対して長軸が傾いた楕円の一部を光軸周りに回転させて形成された凹面であって、光軸を含む部分に円筒状の開口部を有する穴あきミラーであることが好ましい。
また、本発明に係る顕微鏡は、上述の対物レンズいずれかを有することを特徴とする。
本発明によると、高開口数、長作動距離の対物光学系に対しても、光量ロスを低減して有効な落射暗視野照明を供給することが可能な構成の対物レンズ、及び、この対物レンズを備えた顕微鏡を提供することができる。
顕微鏡の構成を示す説明図である。 顕微鏡の構成の一部を示す説明図である。 第1実施例に係る対物レンズの構成を示す説明図である。 第1光学部材の構成を示す説明図であって、(a)は正面図を示し、(b)はIIIb−IIIb断面図を示す。 第2実施例に係る対物レンズの構成を示す説明図である。 第3実施例に係る暗視野照明系の構成を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る顕微鏡1は、光源が格納されたランプハウス11と、照明光学系12と、レボルバー19と、このレボルバー19に取り付けられた対物レンズ30と、この対物レンズ30に格納された対物光学系31及び第2対物レンズ23を有する結像光学系17と、照明光学系12と結像光学系17との間の光路に挿脱可能に配置された暗視野用レンズ21及び暗視野観察用のミラーを含むミラーブロック13(以下、「暗視野ブロック13」と呼ぶ)と、結像光学系17により結像された像を観察する接眼レンズ18と、標本16が載置されるステージ15と、を有して構成されている。
図2に示すように、ランプハウス11からの照明光は照明光学系12と暗視野ブロック13に含まれる暗視野用レンズ21によりリング状の光束に変換され、暗視野用中空ミラー22に入射する。そして、この暗視野用中空ミラー22で反射された光束は、対物レンズ30内の対物光学系31を囲むように配置された暗視野用照明光学系35を介して対物レンズ30の先端部から、標本16に対して外周部から斜めに照射される。また、標本16からの観察光は、対物光学系31により略平行光束となり、第2対物レンズ23で集光されて一次像面24上に結像され、さらに、接眼レンズ18により観察される。なお、暗視野ブロック13の代わりに、ハーフミラー42を有する明視野観察用のミラーブロック41をこの顕微鏡1に取り付けることにより、明視野観察が可能となる。
それでは、このような対物レンズ30、及び、この対物レンズ30内に配置された暗視野用照明光学系35の構成について、図3〜図5を合わせて用いて説明する。本実施形態に係る対物レンズ30は、図2、図3及び図5に示すように、内部に対物光学系31が格納された円筒形状の遮光部材32と、遮光部材32を囲むように配置され、この遮光部材32の周りに空間(以下、「暗視野用光路33」と呼ぶ)を形成する対物レンズ筐体34と、暗視野用光路33内に配置された暗視野用照明光学系35と、から構成される。また、暗視野用照明光学系35は、光源側に配置された第1光学部材36と、標本側先端部に配置された第2光学部材37と、から構成されている。上述した暗視野用中空ミラー22で反射されたリング状の照明光束は、この対物レンズ30の光源側から暗視野用光路33内に導かれ、暗視野用照明光学系35の第1光学部材36に入射する。
第1光学部材36は、図4(a)に示すように、光源側から見たときにリング状であって、対物レンズ30の対物光学系31の光軸AX(結像光学系17の光軸でもある)を含む断面において、光軸AXを円の中心とするときに、この円の径方向に広がる2つの面R1,R2のうちの少なくとも一方の面が正の屈折力を有するように構成されており、全体として正の屈折力を持っている。例えば、これらの面R1,R2は、図4(b)においては、対物光学系31の光軸AXから距離h2離れて略平行に延びる対称軸SAX上に頂点を持つ2つの円弧で構成され、これらの円弧を光軸AXを中心に回転させた軌跡として形成されるトロイダルレンズが用いられる。また、図3に示す第1光学部材36は、光源側の面が凸面で、標本側の面が平面に形成されている場合を示している。これ以外にも、光源側の面を凸面にし、標本側の面を凹面とする、或いは光源側の面を凹面にし、標本側の面を凸面としても良い。さらに、この第1光学部材36の面R1,R2の断面形状は、円弧以外でも軸SAXに対して線対称であればよく、双曲線や放物線、楕円形状、高次非球面形状であれば良い。
このように、第1光学部材36は、少なくとも対物光学系31の光軸AXを中心とする円の径方向に正の屈折力を有し、暗視野光路33に入射した照明光束(リング状の光束)を、径方向に集光する。なお、この第1光学部材36は、図4(b)に示す断面形状を光軸を中心に回転させた軌跡の形状を有しているため、その周方向の屈折力は無い(焦点距離が無限大)。ここで、本実施形態に係る対物レンズ30は、図3に示すように、照明光束の大部分が、リング状の第1光学部材36の内側部分(光軸側の部分)を通過するように構成されている。すなわち、距離h2が、リング状の光束の中心半径(光軸AXからリング状光束の中心までの距離)より大きくなるように構成されている。そのため、この第1光学部材36は、対物光学系31の光軸AXを含む任意の断面において、光束のうち最も光軸AX側の光を、最も光軸AXから離れた光よりも大きく径方向に屈折させるとともに、最も光軸側(内側)の光を光軸AXから離れるように径方向に屈折させる。これにより、図3または図5に示すように、対物光学系31の中間部分に口径の大きいレンズが配置されている場合などの理由により、遮光部材32が二重円筒形状に形成されて段差32aがあり、暗視野光路33が狭くなっていたとしても、光束は、この段差32aと干渉することなく、狭くなった暗視野用光路33を通過させることが可能となる。
一方、第2光学部材37は、第1光学部材36から出射した光束を光軸AXの方向に偏向して標本16の標本面16a上の光軸AXを含む所定の照明領域に照射するように構成されている。この第2光学部材37は、図3に示すように、対物光学系31の光軸AXを中心軸とする高次非球面形状の凹面である反射面37aを有する穴あきミラー(反射面37aが高次非球面形状に形成された凹面であって、光軸を含む部分に円筒状の開口部37bが形成されたミラー)、または、図5に示すように、少なくとも1つのレンズ面が非球面形状に形成されたレンズであって、光軸を含む部分に円筒状の開口部を有する穴あきレンズが用いられる。なお、この第2光学部材37は、対物レンズ30(対物光学系31)の作動距離や開口数に合わせて設計する必要があるため、倍率の異なる対物レンズ間で共通化することは難しい。
このような構成の暗視野用照明光学系35によると、第1光学部材36で径方向に集光された照明光は、この第1光学部材36の径方向の集光位置Bで一旦集光して発散光となって第2光学部材37に入射する。そして、この第2光学部材37で反射または屈折されて対物光学系31の光軸AXの方向に偏向されて標本面16aに照射される。
なお、この暗視野用照明光学系35を小型化するためには、第1光学部材36で集光される照明光の径方向の集光位置Bが、第1光学部材36と第2光学部材37との間であって、第1光学部材36を基点として、この第1光学部材36から第2光学部材37までの距離の1/3より離れていることが望ましい。一般に第1光学部材36は胴付面近辺に配置され、第2光学部材37は作動距離が確保できるぎりぎりの位置に配置される。そのため、この暗視野用照明光学系35は、次式(1)の条件を満足することが望ましい。このように対物レンズ30を構成すると、対物光学系31の径が大きくなる部分に、照明光束が最も細くなり、且つ、光軸AXから離れる集光位置Bが位置することにより、照明光を効率良く標本面16aに導くことができるからである。
1/3 ≦ fr/(fp−WD) < 1 (1)
但し、
fr:第1光学部材36の径方向の焦点距離
fp:対物レンズ30の同焦点距離
WD:対物レンズ30の作動距離
なお、この条件式(1)において、作動距離は、対物レンズ30の先端から標本面16aまでの距離を示し、同焦点距離は、胴付面34a(この対物レンズ30がレボルバー19に取り付けられるときの取付面)から標本面16aまでの距離を示す。また、焦点距離(同焦点距離及び径方向の焦点距離)は、対物レンズ30で使用される主波長に対する値である。すなわち、対物レンズ30を可視光用として使用する場合は主波長はd線であり、近赤外用や紫外用として使用する場合はそれに応じた主波長となる。また、第1光学部材36の径方向の焦点距離frは、次式(2)の関係を有している。
Figure 0005888509
但し、
Rr1:光源側面R1の径方向の曲率半径
Rr2:標本側面R2の径方向の曲率半径
d:面R1,R2の軸SAX上の距離
n:媒質の主波長に対する屈折率
また、上述したように、リング状の照明光の通過領域は、リング状の第1光学部材36の内側領域(光軸側の部分)に偏っているため、この第1光学部材36を、光の通過しない外側の部分(図4の破線の部分)が削り取られた形状とすることにより、小型化することができる。
なお、以上の説明では、第1光学部材36及び第2光学部材37のそれぞれを、対物レンズ30の対物光学系31の光軸AXを回転軸とする回転対称形状として構成した場合について説明したが、これは、暗視野用照明光学系35に入射する照明光束がリング形状を有しているためである。しかしながら、照明光束は、このリング形状に限定されることはない。例えば、複数の光源(例えば、LEDや、光源装置からの光を導く光ファイバーの端面)とこの光源からの照明光を平行光にするマイクロレンズとの組を、対物レンズ30の暗視野用光路33のリング状の開口部に沿って並べ、それぞれの光源からの照明光を、第1光学部材36及び第2光学部材37からなる暗視野用照明光学系35で標本面16aに照射するように構成しても良い。この場合、第1及び第2光学部材36,37は、回転対称形状の部材のうち、照明光が通過する部分だけに円周上に複数並べた構成とすることができる。
なお、前述のように、第2光学部材37を複数の光学部材により構成した場合であっても、後述する実施例1,2における穴あきミラー、又は穴あきレンズに含まれる。
以下、対物レンズ30に設けられた暗視野用照明光学系35の実施例を、図面に基づいて説明する。なお、図3、図5及び図6は、第1〜第3実施例の構成を示している。
[第1実施例]
図3は第1実施例に係る暗視野用照明光学系35を有する対物レンズ30の構成を示す断面図である。この第1実施例に係る対物レンズ30は高倍率の対物レンズである。この対物レンズ30において、暗視野用照明光学系35は、光源側から順に、光源側の面(図4(b)における面R1)から入射したリング状の照明光束を径方向(光軸AXを円の中心とするときに、この円の径方向)に集光する第1光学部材36と、この第1光学部材36で集光された照明光束を、対物光学系31の光軸方向に偏向させ、標本面16aの所定の照明領域に照射する第2光学部材37と、から構成されている。ここで、第1光学部材36は、照明光束を、径方向の内側の光線が対物光学系31の光軸AXから離れるように屈折させ、この第1光学部材36と第2光学部材37との間の集光位置Bで一旦集光させるように構成されている。また、第2光学部材37は、対物光学系31の光軸AX上に頂点を有する高次非球面の一部により構成された穴あきミラーである。この第1実施例に係る対物レンズ30は高倍率の対物レンズであるため、標本面16a上の狭い照明領域に照明光を集光するため、第2光学部材37としては、上述した高次非球面形状のミラーを用いて、上述の焦点位置Bより発散光となった照明光束を集光して標本面16a上に照射するように構成されている。
以下の表1に、この第1実施例に係る暗視野用照明光学系35の諸元の値を示す。なお、この表1において、f、NA、WD、βはそれぞれ対物レンズ30(対物光学系31)の焦点距離、開口数、作動距離及び倍率を示す。また、h2は、対物光学系31(結像光学系17)の光軸AXから第1光学部材35の面R1,R2の対称軸SAXまでの距離を示す。また、mは光線の進行する方向に沿った各光学面の番号(面番号)を示し、rは各光学面の曲率半径(径方向の曲率半径の場合もある)を示し、dは各光学面から次の光学面までの光軸AX上(対称軸SAX上の場合もある)の距離を示し、ndは媒質のd線に対する屈折率を示し、νdはアッベ数(=(nd−1)/(nF−nC))を示す。ここで、nF及びnCはそれぞれF線及びC線に対する屈折率を表す。
ここで、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をKとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(3)で表される。従って、以降の諸元表においては、非球面については、非球面データ、すなわち円錐定数K及び各非球面定数A4〜A8の値を示す。ここで、「E−n」は「×10-n」を示す。
S(y)=(y2/r)/[1+{1−(1+K)(y2/r2)}1/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8 (3)
なお、各実施例の表中において、非球面(その形状が上記非球面式(3)で表される面)には面番号の右側に*を付している。
また、以下の全ての諸元値において掲載されている曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、空気の屈折率1.000000は省略してある。以上の説明は、以降の諸元表においても同様である。
(表1)
f=2mm
NA=0.8
WD=4.5mm
β=100x
h2=14.2mm

m r d nd νd
光源面 ∞ ∞
1 17.00000 3.500000 1.5251 56
2 ∞ 62.900000
3* -9.20000 -4.400000
標本面 ∞

非球面データ
K A4 A6 A8
第3面 -0.900000 0.100000E-03 -0.340000E-06 0.350000E-09
この表1に示す面番号1〜3は、図3に示す番号1〜3に対応している。具体的には、第1面は第1光学部材36の光源側の面(図4(b)の面R1)に対応し、第2面は第1光学部材36の標本側の面(図4(b)の面R2)に対応する。この第1面及び第2面における曲率半径rは、対物光学系31の光軸AXから距離h2だけ離れて略平行に延びる対称軸SAX上に中心がある円弧として示されており、面間隔dは、対称軸SAX上にある各面の頂点を光軸AXに対して垂直に下ろした位置からの距離として示されている。なお、この表1の第1面及び第2面に示す曲率半径rは、光軸AXを中心とする円の径方向の値であり、周方向は無限大である。また、第3面は第2光学部材36の反射面37bに対応している。この第3面は、表1に示す非球面データと非球面式(3)とにより表される曲線を対物光学系31の光軸AXを中心軸として回転させた面の一部であり、この非球面の基準球面の頂点は、光軸AX上の標本面16よりも光源から離れた位置にある。なお、図3において、その一部が第3面を形成する非球面を破線で示す。また、標本面16aも平面(曲率半径r=∞)である。
この第1実施例に係る暗視野用照明光学系35及びこの照明光学系を有する対物レンズ30を以上のように構成すると、照明光の光量ロスを最小限に留め効率的な照明が可能となる。また、部品点数が少なく、低コスト化が可能となる。
[第2実施例]
図5は第2実施例に係る暗視野用照明光学系35を有する対物レンズ30の構成を示す断面図である。この第2実施例に係る対物レンズ30は低倍率の対物レンズである。この対物レンズ30において、暗視野用照明光学系35は、光源側から順に、光源側の面(図4(b)における面R1)から入射したリング状の照明光束を径方向に集光する第1光学部材36と、この第1光学部材36で集光された照明光束を、対物光学系31の光軸方向に偏向させ、標本面16aの所定の照明領域に照射する第2光学部材37と、から構成されている。ここで、第1光学部材36は、第1実施例と同一の部材であり、対物光学系31の光軸AXを含む任意の断面において、光束のうち最も光軸AX側の光を、最も光軸AXから離れた光よりも大きく径方向に屈折させるとともに、最も光軸側(内側)の光(径方向の内側の光)を対物光学系31の光軸AXから離れるように屈折させ、この第1光学部材36と第2光学部材37との間の集光位置Bで一旦集光させるように構成されている。また、第2光学部材37は、そのレンズ面が対物光学系31の光軸AX上に頂点を有するレンズの一部であり、光源側の面が高次非球面形状を有した穴あきレンズである(標本側の面は放物面である)。
以下の表2に、この第2実施例に係る暗視野用照明光学系35の諸元の値を示す。
(表2)
f=10mm
NA=0.4
WD=19mm
β=20x
h2=14.2mm

m r d nd νd
光源面 ∞ ∞
1 17.00000 3.500000 1.5251 56
2 ∞ 28.100000
3* 17.00000 12.000000 1.5251 56
4* -41.00000 18.400000
標本面 ∞

非球面データ
K A4 A6 A8
第3面 -1.000000 -0.200000E-05 -0.200000E-07 0.000000E+00
第4面 -1.000000 0.000000E+00 0.000000E+00 0.000000E+00
この表2に示す面番号1〜4は、図5に示す番号1〜4に対応している。具体的には、第1面及び第2面は第1光学部材36の面に対応する(第1実施例と同じである)。また、第3面は第2光学部材37の光源側の面であり、表2に示す非球面データと非球面式(3)とにより表される曲線を対物光学系31の光軸AXを中心軸として回転させた面の一部であって、この非球面の基準球面の頂点は、対物光学系31の光軸AX上にある。また、第4面は第2光学部材37の標本面側の面であり、表2に示す非球面データと非球面式(3)とにより表される曲線を対物光学系31の光軸AXを中心軸として回転させた面の一部であって、この非球面の基準球面の頂点は、対物光学系31の光軸AX上にある。なお、図5において、第3面及び第4面を形成する第2光学部材37のレンズ面のうち、切り欠かれた部分を破線で示す。その他の説明は第1実施例と同じである。
この第2実施例に係る暗視野用照明光学系35及びこの照明光学系を有する対物レンズ30を以上のように構成すると、照明光の光量ロスを最小限に留め効率的な照明が可能となる。また、部品点数が少なく、低コスト化が可能となる。なお、本第2実施例の第1光学部材36は第1実施例の第1光学部材36と同一形状であり、異なる倍率でも同じ第1光学部材36を使用することでさらなる低コスト化が可能となる。
[第3実施例]
上述の第1実施例では、第2光学部材37として、対物光学系31の光軸AX上に基準球面の頂点を有する高次非球面の一部を穴あきミラーとして用いた場合について説明したが、この形状に反射面が限定されることはない。例えば、図6に示すように、対物光学系31の光軸AXに対して長軸を傾けた楕円であって、その2つの焦点のうちの一方(焦点Fa)を第1光学部材36による照明光束の集光位置でかつ、第1光学部材36の対称軸SAX上に配置し、他方(焦点Fb)を標本面と光軸AXとが交わる位置に配置した楕円を、光軸AXの周り回転させた回転対称面の一部(凹面)を第2光学部材37の反射面とすることもできる。
この図6に示す第3実施例では、第1光学部材36は、その対称軸SAXの光軸AXからの高さh2が13.9mmであり、面R1の曲率半径が17.2mmの円弧、面R2が平面で構成され、面R1と面R2との対称軸SAX上の距離dが3.5mmに設定されている。また、この第1光学部材36の媒質はd線に対する屈折率ndが1.5251で、アッベ数νdが56である。また、第2光学部材37の反射面を構成する楕円は、その長軸半径aが19.17831mm、短軸半径bが10.72451mmで、光軸AXに対して長軸の傾き角θが25.9204°である。
この第3実施例に係る暗視野用照明光学系35及びこの照明光学系を有する対物レンズ30でも、照明光の光量ロスを最小限に留め効率的な照明が可能となる。また、部品点数が少なく、低コスト化が可能となる。
なお、図6では、対称軸SAX上にその焦点Faを配置しているが、1mm以下の範囲であれば、この焦点Faを図6の位置から光軸AXの垂直方向にずらしてもかまわない。この第3実施例において、照明光は半角1°程度の広がり角を持っており、トロイダルレンズである第1光学部材36の径方向の集光位置は1mm程度の幅を持つからである。具体的には、第1光学部材36に対する照明光の入射角が1°であって、この第1光学部材36の径方向の焦点距離frが32.375mmであるとすると、集光位置での光軸に垂直方向のずれ量はfr×tan(1°)=0.565mmとなり、幅で1mm程度になる。
1 顕微鏡 30 対物レンズ 31 対物光学系
35 暗視野用照明光学系 36 第1光学部材 37 第2光学部材

Claims (6)

  1. 対物光学系の光軸に対して略平行な光を、前記対物光学系を囲むように配置された光路を介して標本に照射する暗視野用照明光学系を有する対物レンズであって、
    前記暗視野用照明光学系は、
    少なくとも前記対物光学系の光軸を中心とする円の径方向に正の屈折力を有し、前記径方向に前記光を集光し、集光点を形成する第1光学部材と、
    前記集光点から発散した前記光を前記光軸方向に偏向して前記標本に照射する第2光学部材と、を有
    前記第1光学部材は、前記光軸を含む任意の断面内において、前記光のうち最も光軸側の光を、最も光軸から離れた光よりも大きく前記径方向に屈折させるとともに、最も光軸側の光を前記光軸から離れるように前記径方向に屈折させるように構成されていることを特徴とする対物レンズ。
  2. 次式の条件を満足することを特徴とする請求項に記載の対物レンズ。
    1/3 ≦ fr/(fp−WD) < 1
    但し、
    fr:前記第1光学部材の前記径方向の焦点距離
    fp:前記対物レンズの同焦点距離
    WD:前記対物レンズの作動距離
  3. 前記第2光学部材は、反射面が高次非球面形状に形成された凹面であって、光軸を含む部分に円筒状の開口部を有する穴あきミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
  4. 前記第2光学部材は、少なくとも1つのレンズ面が非球面形状に形成され、光軸を含む部分に開口部を有する穴あきレンズであることを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
  5. 前記第2光学部材は、反射面が、前記対物レンズの光軸に対して長軸が傾いた楕円の一部を前記光軸周りに回転させて形成された凹面であって、光軸を含む部分に円筒状の開口部を有する穴あきミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の対物レンズを有することを特徴とする顕微鏡。
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