本実施形態の遊技機は、遊技機のRAMクリアを報知する第1報知手段と、遊技機の前扉の開放を報知する第2報知手段と、前記第1報知手段の報知期間と前記第2報知手段の報知期間とが重複する場合、前記第1報知手段による報知を優先する報知制御手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記第1報知手段による報知が行われている第1期間内に前記前扉の開放が検知され、該第1期間内に該前扉の開放の検知が解消した場合には、前記第2報知手段による報知を該第1期間の経過後まで継続するように制御することを特徴とする。
本実施形態の遊技機によれば、複数の異常が同時期に発生して異常検知手段により異常が検知された場合、異常報知制御手段は、予め定められた優先順位に従い異常の報知を制御する。
ここで、「優先順位」とは、遊技機に発生した異常の深刻度や緊急度を考慮して予め定められた順位である。また、「報知」とは、その異常報知の優先順位が低いために実際に遊技者等に認識されていない状態であっても、異常報知信号の出力、すなわち報知の制御が行われている状態をいうものである。
ここで、「第1期間内」とは、第1期間の開始時および終了時を含む。
特に、異常報知制御手段は、前記第1期間内に前記優先順位の低い異常が発生し、前記第1期間内に解消した場合には、該優先順位の低い異常の発生の報知を、該解消時から該第1期間の経過後まで継続する。
すなわち、異常報知制御手段は、第1期間内に発生した優先順位の低い異常が、同期間内に解消した場合には、その解消時から開始した異常の報知を第1期間の経過後まで継続させることで、その報知が認識可能となるように異常報知手段を制御する。これにより、第1期間の経過後に優先順位の低い異常の報知がより確実に認識されることとなる。
ここで、「報知を継続させる」とは、音声やランプによる報知が第1期間の経過後まで途切れず継続することに限られるものではない。すなわち、短期間の報知を一定の時間間隔をおいて断続的に行う場合も含まれる。
また、本実施形態の遊技機は、遊技機のRAMクリアを報知する第1報知手段と、遊技機の前扉の開放を報知する第2報知手段と、前記第1報知手段の報知期間と前記第2報知手段の報知期間とが重複する場合、前記第1報知手段による報知を優先する報知制御手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記第1報知手段による報知が行われている第1期間内に前記前扉の開放が検知された場合には、前記第1期間より長い第2期間、前記第2報知手段による報知を継続し、該第1期間の経過後から該第2報知手段の報知が認識可能となるよう制御することを特徴とする。
異常報知制御手段は、第1期間に優先順位の低い異常が発生した場合には、その発生時にその異常の異常報知手段の制御を開始する。異常報知手段は、第1期間より長い期間(第2期間)、制御が継続される。すなわち、異常報知制御手段は、異常発生時に、異常報知信号を出力し(遊技者等が実際の報知を認識できない状態)、この状態を継続して、第1期間の経過後にその報知が認識可能となるように異常報知手段を制御する。
具体的には、第1期間に優先順位の低い異常が発生した場合は、その異常が第1期間に解消したか否かに関わらず、予め定められた第1期間より長い第2期間異常報知を行う。
これにより、第1期間中に優先順位の低い異常が発生した場合は、その後の異常の継続・解消に関わらず、その異常報知が確実に行われ、遊技機に発生した複数の異常の全てが認識可能となる。
また、本実施形態の弾球遊技機において、前記第1期間内に発生した前記優先順位の低い異常の報知は、前記優先順位の高い異常の報知が行われていないときに発生した前記優先順位の低い異常の報知と異なる態様で行われることが好ましい。
また、報知の態様は、少なくとも報知期間であることがさらに好ましい。
優先順位の高い異常の報知が行われていないときに優先順位の低い異常が発生した場合は、優先順位の低い異常の発生時にその報知が開始される。そして、この場合の報知と、第1期間に優先順位の低い異常が発生した場合に行われる報知とでは、報知の態様が異なる。
ここで、「報知の態様」とは、音声のボリュームやランプの発光パターン、またはそれらの組合せ等様々な態様が含まれる概念である。また、報知期間が異なる場合も含まれる。例えば、優先順位の高い異常の報知が行われていないときに発生した優先順位の低い異常の報知期間は、第1期間に発生した優先順位の低い異常の報知期間より短くしてもよい。
これにより、優先順位の低い異常が、第1期間内に発生した場合か、または優先順位の高い異常の報知が行われていないときに発生した場合かを区別して認識可能となる。
以下、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面を参照して説明する。
図1は、パチンコ遊技機1の外観を示す正面側の斜視図である。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。
前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図4参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、スピーカ7は、パチンコ遊技機1に異常が発生した場合に、警告音や音声をパチンコ遊技機1の外部に出力することができ、本発明の異常報知手段の一例となっている。
前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光・点滅する発光装飾部である。また、枠装飾LED8は、パチンコ遊技機1に異常が発生した場合に、演出時とは異なる態様でLEDを発光・点滅させることができ、本発明の異常報知手段の一例となっている。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。両演出ボタン13、14は、遊技中に操作の機会が与えられ、ボタンを押下することにより演出を変化させることができる。
両演出ボタン13、14の内蔵ランプは、パチンコ遊技機1に異常が発生した場合にも点灯させることができ、本発明の異常報知手段の一例となっている。
図2は、パチンコ遊技機1の外観を示す背面側の斜視図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。
この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示せず)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端に接続して、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の上部の隅部には、パチンコホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHC(図5参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられており、この裏カバー23内に、演出制御基板24を収納した透明の演出制御基板ケース24aと、液晶制御基板25を収納した透明の液晶制御基板ケース25aとが設けられている。
演出制御基板ケース24aの下方には、その内部に主制御基板26を収納した透明な主制御基板ケース26aが設けられている。
主制御基板26は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板26は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して演算処理を行う。
主制御基板26は、パチンコ遊技機1に異常が発生した場合、各異常検知センサより検知信号を受信し、この検知信号を基に演出制御基板24へエラーコマンドを送信する。
また、主制御基板26には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。なお、詳細は後述するが、RAMクリアスイッチ27は、その操作が不正行為に結びつくことがあるため、本発明の異常検知手段の一例となっている。
演出制御基板24は、主制御基板26から送信される各種コマンドを受信し、コマンドに応じて盤面装飾LED35等の部材、液晶制御基板25へさらにコマンドを送信して演出に関する制御を行う。
また、演出制御基板24は、主制御基板26から送信されたパチンコ遊技機1に発生した異常に関するエラーコマンドを受信する。そして、演出制御基板24は、そのエラーコマンドが複数ある場合には優先順位を判定し、何れの異常に対する報知を行うかを制御する。したがって、演出制御基板24は、本発明の異常報知制御手段に相当する。
主制御基板ケース26aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示せず)の後側に発射制御基板30が設けられている。
図3は、パチンコ遊技機1の前扉5を開放した状態の上面図である。図3に示すように、前面枠3は、金属製のヒンジ31と接合され外枠2に縦軸廻りに枢着されている。これにより、前面枠3は、外枠2に対し開閉可能となっている。また、前扉5は、ヒンジ31の前扉用回転軸31aに枢着され、前面枠3に対し開閉可能となっている。
前面枠3の上辺中央部には、前扉5の開放を検知する前扉開放センサ32が設けられている。前扉開放センサ32は、センサ本体部32aと、センサ突起部32bとで構成された押圧センサである。
前扉5が閉鎖された状態ではセンサ突起部32bは押圧された状態である。一方、前扉5が開放された状態ではセンサ突起部32bが手前側に突出するため、開放を検知することができる。
前扉開放センサ32は、遊技者が前扉5を開放することにより遊技球を入賞させて賞球を獲得したり、遊技釘等の部材を勝手に調整したりする不正が起きないように設けられており、本発明の異常検知手段の一例となっている。
図4は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技盤4の正面図である。
図4に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示にともない発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる発光装飾部である。
また、盤面装飾LED35は、パチンコ遊技機1に異常が発生した場合に、異常の内容に応じ、予め定められたパターンでLEDを点灯・点滅させることができ、本発明の異常報知手段の一例となっている。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36に変動表示される図柄は、後述する特別図柄に対応した擬似的な図柄である。
また、液晶表示装置36は、パチンコ遊技機1に異常が発生した場合に、その内容やエラー番号、遊技者および遊技機管理者に対する指示を表示可能としており、本発明の異常報知手段の一例となっている。
なお、本実施形態では液晶表示装置36を設けているが、これに限らず、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型ディスプレイ、電子ペーパを用いた画像表示装置等であってもよい。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした右可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の中央可動役物37bが配置されている。可動役物37a、37bは、共に遊技における演出や大当り期待度に応じて可動する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞することにより、特別図柄の抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて変動表示される。
また、第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。
遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となっている。なお、第2大入賞装置39bは、大当り遊技の途中で第1大入賞装置39aに代えて使用するものである。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用作動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
普通図柄用作動ゲート40aは、後述する普通図柄の抽選契機(始動契機)となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用作動ゲート40aを通過することにより普通図柄の抽選が行われ、この抽選に当選したとき、第2特別図柄始動口38bの開閉部材が所定時間開放される。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右作動ゲート40bが配置されている。右作動ゲート40bは、右打ち遊技をする場合の普通図柄用の作動(始動)ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43aおよび普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、3個の7セグメントLEDから構成される表示器であり、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用作動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
また、遊技領域4aの左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a,44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44aおよび44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール45の最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図5は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図5では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板26と、主制御基板26からコマンド受けて演出の制御をする演出制御基板24を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板26をはじめとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板26は、その内部に、主制御基板側CPU261と、ROM262と、RAM263を備えている。主制御基板側CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板24に送信する等の処理を行う。
ROM262は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM263は、主制御基板側CPU261の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板26には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、作動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42a、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52の異常検知センサが接続され、各検知信号を受信可能となっている。
また、主制御基板26には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU261が抽選処理により取得した乱数情報は、各表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板26には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板26から外部端子基板21を介してホールコンピュータ(HC)に送信される。
さらに、主制御基板26には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12aおよび前扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29から主制御基板26に送信されるようになっている。
なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射ハンドル10と接続)が接続している。
次に、演出制御基板24は、その内部に、演出制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。演出制御基板側CPU241はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板26から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM242は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、演出制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板24には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続され、各部材に制御信号を送信可能となっている。これにより、演出制御基板24はスピーカ7の効果音、各LEDおよび内蔵ランプの動作を制御し、演出効果を高めている。
また、遊技者が有効期間にこれら演出ボタン13、14を押下げすることで、検知信号が演出制御基板24に送信され、例えば液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
また、演出制御基板24には、可動役物異常センサ37cが接続され、これが異常を検知すると、検知信号は演出制御基板24に送信されるようになっている。
さらに、演出制御基板24には、液晶制御基板25が接続されている。液晶制御基板25は、演出制御基板24からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板25は、その内部に、液晶制御CPU251と、液晶制御ROM252と、液晶制御RAM253と、映像表示プロセッサVDP254と、画像データROM255と、VRAM256を備えている。
液晶制御CPU251は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP254に出力する。
液晶制御ROM252は、液晶制御CPU251の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM253は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP254は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM255は、映像表示プロセッサVDP254が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM256は、映像表示プロセッサVDP254が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板25は、演出制御基板24から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
図6は、パチンコ遊技機1に発生する異常内容、優先順位、異常の報知内容等を示した図である。演出制御基板24は、主制御基板26からエラーコマンドを受信したとき、図6の優先順位に従い、何れの異常に対する報知を行うかを制御する。以下、各異常内容についてその詳細を説明する。
(1)RAMクリア
最も報知の優先順位が高い異常として、「RAMクリア」がある。ここで、「RAMクリア」とは、RAMクリアスイッチ27を操作することにより、RAM領域の記憶内容を全て消去する行為である。
パチンコ遊技機1では、主制御基板側CPU261が始動入賞時に抽選用乱数を取得して当否判定を行っている。しかし、RAMをクリアすることにより乱数カウンタを初期状態に戻し、大当り乱数を狙い撃ちする不正行為が行われることがある。そこで、このような不正行為を防止するため、RAMクリアスイッチ27が操作された場合、異常として報知することとしている。
「RAMクリア」が行われた場合の報知内容は、枠装飾LED8、2種類の盤面装飾LED35、左演出ボタン13および中央演出ボタン14の内蔵ランプが全点灯する。さらに、スピーカ7からボリュームを最高出力として警告音(RAMクリア音)が発せられる。
「RAMクリア」の報知は、主制御基板26から送信されるRAMクリアコマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。そして、RAMクリアスイッチ27の操作から一定時間(例えば、30秒間)報知を継続させた後に終了する。これにより、周囲の顧客や遊技店の店員はRAMクリアスイッチ27が操作されたことを認識することができる。
次に、「RAMクリア」の次に異常報知の優先順位が高いグループとして、「磁気異常」、「電波異常」、「振動異常」がある。以下、これらの異常について説明する。
(2)磁気異常
「磁気異常」は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気センサ50により検知される異常である。磁石等を近づけることによりパチンコ遊技機1の電子機器を誤動作させる、または盤面上を流下する遊技球を何れかの入賞口に誘導する等の不正が行われることがある。このため、磁気を検知した場合、異常として報知することとしている。
「磁気異常」の報知内容は、まず枠装飾LED8の点灯がある。さらに、液晶表示装置36には「磁気センサエラー」との表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音(磁気検知エラー音)が発せられる。
この「磁気異常」の報知は、主制御基板26から送信される磁気検知コマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。ここで想定される磁気異常は、実際に発生している時間がごく短時間(例えば1〜2秒)であることが多いので、異常報知は、磁気センサ50から磁気が検知されなくなってから一定期間(例えば、30秒間)行われる。
そして、この期間の経過後に主制御基板26は、演出制御基板24へ解除コマンドを送信する。演出制御基板24は、主制御基板26から解除コマンドを受信したとき、異常の報知を終了する。
(3)電波異常
「電波異常」は、パチンコ遊技機1に対し強い電波が発せられた場合に、電波センサ51により検知される異常である。パチンコ遊技機1の外部から強い電波を発してパチンコ遊技機1内部のセンサを誤動作させる等の不正が行われることがある。このため、電波を検知した場合、異常として報知することとしている。
「電波異常」の報知内容は、まず枠装飾LED8の点灯がある。さらに、液晶表示装置36には「電波センサエラー」との表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音(電波検知エラー音)が発せられる。
この「電波異常」の報知も、主制御基板26から送信される電波検知コマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。電波異常も、実際の発生はごく短時間(例えば1〜2秒)であることが多いため、異常報知は、電波センサ51から電波が検知されなくなってから一定期間(例えば、30秒間)行われる。
そして、この期間の経過後に主制御基板26は、演出制御基板24へ解除コマンドを送信する。演出制御基板24は、主制御基板26から解除コマンドを受信したとき、異常の報知を終了する。
(4)振動異常
「振動異常」は、パチンコ遊技機1に対し強い振動が与えられた場合に、振動センサ52により検知される異常である。パチンコ遊技機1に強い振動を与えてパチンコ遊技機1内部の電子機器、部品を故障させる、または盤面上を流下する遊技球を強引に入賞させる等の不正が行われることがある。このため、振動を検知した場合、異常として報知することとしている。
「振動異常」の報知内容は、まず枠装飾LED8の点灯がある。さらに、液晶表示装置36には「振動センサエラー」との表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音(振動検知エラー音)が発せられる。
この「振動異常」の報知も、主制御基板26から送信される振動検知コマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。振動異常も、実際の発生はごく短時間(例えば1〜2秒、もしくは一瞬)であることが多いため、異常報知は、振動センサ52から振動が検知されなくなってから一定期間(例えば、30秒間)行われる。
そして、この期間の経過後に主制御基板26は、演出制御基板24へ解除コマンドを送信する。演出制御基板24は、主制御基板26から解除コマンドを受信したとき、異常の報知を終了する。
(5)前扉・枠(受け皿)開放
「振動異常」の次に報知の優先順位が高い異常として、「前扉・枠(受け皿)開放」がある。「前扉開放」は、パチンコ遊技機1の前扉5を開放したとき前扉開放センサ32により検知される異常である。前扉5を開放して、遊技球を第1大入賞装置39a等の入賞口に遊技球を入賞させる等の不正が行われることがある。このため、前扉5の開放を検知した場合、異常として報知することとしている。
また、「枠開放」であるが、パチンコ遊技機1の前面枠3を外枠2から開放することで主制御基板26を交換する、または不正基板(ぶら下がり基板)を取付ける等の不正が行われることがある。実際には、前扉開放センサ32とは別に枠開放センサが設けられており(図示省略)、これによって枠の開放を検知する。
また、「受け皿開放」は、上貯留皿11および下貯留皿12を備えた前面板9の開放のことである。前面板9は、前扉5を開放した後でなければ開放できない構造となっているため、前扉5の開放が検知すれば足りてしまう。そこで、以下では、「前扉開放」が検知された場合について説明する。
「前扉開放」の報知内容は、まず枠装飾LED8、盤面装飾LED35および左演出ボタン13が点滅する。さらに、液晶表示装置36には「扉が開いています」との表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音(扉開放エラー音)として「扉が開いています」との音声が5回発せられる。
この「前扉開放」の報知は、主制御基板26から送信される前扉開放検知コマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。そして、上記の音声5回が発せられると終了する。「前扉開放」の報知は、その報知中に前扉開放センサ32が前扉5の閉鎖を感知したとしても、音声5回が終了するまでは継続して行われる。
(6)可動役物異常
「前扉・枠(受け皿)開放」の次に報知の優先順位が高い異常として、「可動役物異常」がある。「可動役物異常」は、可動役物37a、37bが何らかの不具合で可動しなくなった場合等に、可動役物異常センサ37cにより検知される異常である。「可動役物異常」は、通常、電源投入時に報知される異常である。不正行為とは直接的に結びつかないが、異常が発生している場合は遊技が開始できないため、報知することとしている。
「可動役物異常」の報知内容は、液晶表示装置36に、例えば、「右側役物エラー」というように異常が検知された役物を特定する表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音(可動役物異常エラー音)が発せられる。
この「可動役物異常」の報知は、可動役物異常センサ37cが検知した可動役物異常信号を演出制御基板24が受信した後に開始する。そして、「可動役物異常」の報知は、報知開始から30秒経過後に終了する。
(7)右・左打ち指示
「可動役物異常」の次に報知の優先順位が高い異常として、「右・左打ち指示」がある。以下では、「右打ち指示」の例を説明する。
遊技状態が変化して発射を「右打ち」に切替えて遊技を行う場合がある。このような場合、「右打ち指示」をしなければ遊技者の持ち球が著しく消費する場合がある。したがって、報知を行う必要はあるが、正確には異常の報知ではない。
「右打ち指示」の報知内容は、液晶表示装置36に「→右打ち」の表示がなされ、スピーカ7からは固有の音声(右打ち指示音)として「右打ちしてください」との音声が発せられる。
「右打ち指示」の報知は、右打ちをする遊技状態に移行したときに開始し、右作動ゲート40bの作動ゲート通過センサ40cが遊技球の通過を検知すると、すなわち演出制御基板24が主制御基板26から解除コマンドを受信したとき終了する。
(8)球詰まり(下貯留皿満杯)異常
「右・左打ち指示」の次に報知の優先順位が高い異常として、「球詰まり(下貯留皿満杯)異常」がある。「球詰まり異常」は、大当り遊技中等に下貯留皿12が遊技球で溢れると、下貯留皿満杯センサ12a(図5参照)により検知される異常である。この異常も不正行為とは直接的に結びつかないが、異常が発生している場合には賞球を払出せないこともあり、報知することとしている。
「球詰まり異常」の報知内容は、まず液晶表示装置36に「球を抜いて下さい」との表示がなされ、スピーカ7からは固有の音声(球詰まりエラー音)として「球を抜いて下さい」との音声が発せられる。
この「球詰まり異常」の報知は、主制御基板26から送信される球詰まり異常検知コマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。そして、「球詰まり異常」の報知は、下貯留皿12の遊技球をドル箱に移す等して下貯留皿満杯センサ12aから異常が検知されなくなったとき、すなわち演出制御基板24が主制御基板26から解除コマンドを受信したとき終了する。
次に、「球詰まり異常」の次に異常報知の優先順位が高いグループとして、「入賞異常検知」、「大入賞口不正入賞」、「普通電動役物不正入賞」がある。以下、これらの異常について説明する。
(9)入賞異常
「入賞異常」は、例えば、一般入賞口42の一般入賞口センサ42aにより検知される異常である。一般入賞口センサ42aに通常より大きな遊技球が挟まった状態となると、その期間、一般入賞口センサ42aが遊技球の通過信号を出力し続けることがある。このため、異常として報知することとしている。なお、第1特別図柄始動口38a等の他の入賞口でも同じ異常が発生する場合があるが、各入賞口の球検出センサで検知される。
「入賞異常」の報知内容は、液晶表示装置36に「入賞口スイッチエラー」との表示がなされるのみである。また、その報知は、主制御基板26から送信される入賞異常検知コマンドを演出制御基板24が受信した後に開始する。
ここで想定される入賞異常も、実際の発生はごく短時間(例えば1〜2秒)であることが多いため、この異常報知は、一般入賞口センサ42aから異常が検知されなくなってから一定期間(例えば、30秒間)行われる。
そして、この期間の経過後に主制御基板26は、演出制御基板24へ解除コマンドを送信する。演出制御基板24は、主制御基板26から解除コマンドを受信したとき、異常の報知を終了する。
(10)大入賞口不正入賞
「大入賞口不正入賞」は、大当り中以外に第1大入賞装置39a、または第2大入賞装置39bに遊技球が入賞した場合、大入賞口センサ39cの遊技球検出をもって検知される異常である。また、第1大入賞装置39aによる大当り遊技中に、第2大入賞装置39bに遊技球が入賞した場合も同様に異常である。
パチンコ遊技機1の外部よりワイヤや針金等を挿入し、上記入賞装置39a、39bの開閉扉を強制的に開放して入賞させる等の不正が行われることがあるため、異常として報知することとしている。
「大入賞口不正入賞」については、外部端子への報知のみを行うが、不正入賞を無効とするため賞球の払出しは行われない。
(11)普通電動役物不正入賞
「普通電動役物不正入賞」は、普通電動役物(開閉部材を備えた第2特別図柄始動口38b)の閉鎖時に遊技球が入賞した場合、始動入賞口センサ38cの遊技球検出をもって検知される異常である。
上述の「大入賞口不正入賞」の場合と同様に、パチンコ遊技機1の外部よりワイヤ、針金等を挿入し、開閉部材を強制的に開放させる等の不正が行われることがある。このため、異常として報知することとしている。
「普通電動役物不正入賞」についても、外部端子への報知のみを行うが、不正入賞を無効とするため賞球の払出しは行われない。
(12)通常状態
「通常状態」は、異常が起きていない状態のため、当然異常の報知は行われない。
ここで、図6において「外部端子への報知」とは、各異常を示す信号が外部端子基板21に送信されることを意味する。(5)前扉開放に関しては、前扉開放センサ32の出力信号の全てが外部端子に出力されているため、実際に前扉5が開放していた時間が報知されるようにしてもよい。
また、前扉開放報知が認識可能な期間中、前扉開放センサ32の出力信号を外部端子へ出力するようにしてもよい。その他、外部端子への報知を行う異常に関しても、同様である。
図7Aおよび7Bは、本発明の実施形態の異常報知について、従来の方式と比較して示す図である。まず、図7Aにより、従来の異常報知の方式について簡潔に説明する。
図7Aには、電源投入と同時にRAMクリアが行われ、RAMクリアの報知が30秒間継続して行われる様子が示されている。従来の異常報知の方式では、「RAMクリア」の報知期間に「RAMクリア」より優先順位の低い「前扉開放」があったとしても、前扉開放報知が実行されないこととなっている。
また、RAMクリア報知の期間に前扉開放報知を重ねて行う遊技機の場合も、RAMクリア報知はスピーカのボリュームを最大にして警告音を発生させる等、最も目立つ態様としている。このため、RAMクリア報知の期間中は、前扉開放報知を認識することが困難である。
特に、RAMクリアの報知が継続している期間に前扉が開放され、さらに閉鎖した場合、前扉の開放があったことを後に確認する術はないといえる。
[実施例1]
次に、図7Bを参照して、実施例1の異常報知の方式について説明する。
図7Bでは、上記図7Aと同じく、RAMクリア報知が継続している期間に前扉5が開放されて、さらに閉鎖されることで、前扉開放検知が解除されている。
ここで、前扉5の開放から閉鎖までは前扉開放報知の期間であるが、「前扉開放」は「RAMクリア」より異常報知の優先順位が低いため(図6参照)、パチンコ遊技機1周囲の顧客や店員は、即座に前扉開放報知を認識することはできない。
しかし、この期間中、前扉開放報知は認識できない態様であるものの、前扉5の開放時から報知が開始されており、前扉5が閉鎖した後も前扉開放報知(30秒間)が行われる。
図7Bに示すように、前扉5の閉鎖時に開始する前扉開放報知の期間は、30秒間と定めているため、必ずRAMクリア報知の期間(30秒間)の経過後にも報知が継続して行われるようになっている。すなわち、遅くともRAMクリア報知の期間経過後には、前扉5の開放が認識可能となる態様である。
これにより、パチンコ遊技機1周囲の顧客や店員は、RAMクリアが発生したことだけでなく、その報知期間中に前扉5の開放が発生したことを認識することができ、異常に対応することもできる。
実施例1における各基板の制御は、以下の通りである。まず、RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放が検知されると、主制御基板26が演出制御基板24へ前扉開放検知コマンドを送信する。
次に、前扉開放検知コマンドを受信した演出制御基板24(正確には、演出制御基板側CPU241)は、各コマンドの優先順位を判定し、さらに演出制御基板24がスピーカ7等の異常報知手段に制御信号を送信する。
すなわち、従来の方式と同じく前扉5が開放している期間について、前扉開放報知の制御信号を出力しておくことで、前扉5の開放中にRAMクリア報知が終了した場合、即座に扉開放報知を開始することができる。
実施例1では、RAMクリア報知が優先して行われるので、扉開放報知は即座に認識されないが、RAMクリア報知の期間中に何れかの異常報知手段で認識できるように前扉開放報知を重ねて行うようにしてもよい。
例えば、図6に示したようにRAMクリア報知の期間中でも、液晶表示装置36によって、「扉が開いています」とのメッセージを表示させるようにすることができる。また、特定の1つのランプ(LED)だけは、前扉開放報知の態様で点滅させることもできる。
また、前扉5の開放を検知して開始する扉開放報知の態様と、前扉5の閉鎖を検知して開始する扉開放報知との態様を異ならせて、区別できるようにしてもよい。
例えば、前扉5の開放時の扉開放報知は、音声報知に加え、ランプ(LED)の点滅を200ms間隔でON/OFFするのに対し、閉鎖時の扉開放報知は、ランプ(LED)の点滅を800ms間隔でON/OFFすることができる。なお、閉鎖時の扉開放報知は、前扉5が閉鎖した状態であるときに「扉が開いています」等の音声が出力されるのは不自然であるので、音声による報知はしない。
次に、図8を参照して、実施例1に係るパチンコ遊技機の演出制御基板24で行われるコマンド判定制御処理について説明する。
この処理は、具体的には演出制御基板側CPU241により実行されるものであるが、以下では演出制御基板24が処理を実行する主体であるとして説明する。
図7Bでは、優先順位の高いRAMクリア報知(30秒間)の期間に、これより優先順位の低い前扉5が開放され、さらに前扉5が閉鎖した場合を説明した。ここでは、発生した異常の種類に関係なく、実施例1を一般化したフローチャートの説明をする。
ここで、エラーコマンド(a)の異常は、エラーコマンド(b1)の異常より優先順位が高いものと仮定する。また、エラー解除コマンド(b2)は、エラーコマンド(b1)の異常の解除コマンドである。なお、図8の処理では、エラーコマンド(a)の受信後に、エラーコマンド(b1)以外の複数の異常が発生する場合を考慮していない。
また、図7Bの異常報知を図8のフローチャートに対応させると、RAMクリア報知(30秒間)が「異常報知パターンA」、前扉開放報知が「異常報知パターンB1」、前扉開放報知(閉鎖後)が「異常報知パターンB2」となる。
図8に示すエラーコマンド判定処理では、まず、演出制御基板24がエラーコマンド(a)を受信したか否かを判定する(ステップS101)。エラーコマンド(a)を受信した場合は、ステップS102に進み、受信していない場合は、ステップS103に進む。
エラーコマンド(a)を受信した場合、エラーコマンド(a)による異常報知として異常報知パターンA(30秒間)を設定する(ステップS102)。その後、ステップS103に進む。
ここで、「エラーコマンドによる異常報知の設定」とは、エラーコマンドを受信した演出制御基板24が、そのエラーコマンドに応じた異常報知を出力するため、RAM243に異常報知に関する制御命令を一定期間格納することをいう。
ステップS103では、新たにエラーコマンド(b1)を受信したか否かを判定する。エラーコマンド(b1)を受信した場合は、ステップS104に進み、受信していない場合は、ステップS105に進む。
ステップS104では、エラーコマンド(b1)による異常報知として異常報知パターンB1(エラー解除コマンド(b2)受信まで継続する報知)を設定する。その後、ステップS105に進む。
次に、演出制御基板24は、優先順位の高い異常(エラーコマンド(a))の異常報知の設定中か否か判定する(ステップS105)。エラーコマンド(b1)を受信した場合でも、既にエラーコマンド(a)を受信し、その異常報知が設定されていた場合には、「YES」の判定となり、ステップS106に進む。また、エラーコマンド(a)による異常報知の設定中でない場合は、「NO」の判定となり、ステップS107に進む。
ステップS105の判定が「YES」である場合、エラーコマンド(a)による異常報知である異常報知パターンAを出力する(ステップS106)。その後、ステップS111に進む。
次に、ステップS105の判定が「NO」である場合、すなわち、エラーコマンド(a)を受信していない場合、エラーコマンド(b1)による異常報知の設定中であるか否かを判定する(ステップS107)。エラーコマンド(b1)による異常報知の設定中である場合、ステップS108に進む。また、エラーコマンド(b1)による異常報知の設定中でない場合、ステップS109に進む。
ステップS108では、エラーコマンド(b1)による異常報知である異常報知パターンB1を出力する。その後、ステップS111に進む。
次に、ステップS109では、エラー解除コマンド(b2)による異常報知の設定中か否かを判定する。ここでは、前回処理のステップS115でエラー解除コマンド(b2)による異常報知が設定されていた場合に、判定が「YES」となる。すなわち、1回目の処理では「NO」の判定となる。
ステップS109の判定が「YES」である場合は、ステップS110に進み、異常報知パターンB2を出力する。ステップS109の判定が「NO」である場合は、エラーコマンド(a)、(b1)、エラー解除コマンド(b2)のいずれも受信していない場合であるから、この処理を終了する。
次に、演出制御基板24は、スピーカ7等の各異常報知手段に異常報知の制御信号を送信する(ステップS111)。これにより、設定した異常報知パターンによる報知が各異常報知手段で開始される。その後、ステップS112に進む。
次に、演出制御基板24は、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS112)。設定時間が経過した場合は、ステップS113に進み、まだ経過していない場合(エラーコマンド(a)を受信していない場合を含む)は、ステップS114に進む。
ステップS113では、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したため、エラーコマンド(a)による異常報知を解除する。その後、ステップS114に進む。
ステップS114では、エラー解除コマンド(b2)を受信したか否かを判定する。エラー解除コマンド(b2)を受信した場合は、ステップS115に進み、受信していない場合は、ステップS116に進む。
ステップS115では、異常報知パターンB1の報知の設定時間が経過したため、エラーコマンド(b1)による異常報知を解除する。また、エラーコマンド(b2)による異常報知として異常報知パターンB2(30秒間)を設定する。その後、ステップS116に進む。
ステップS116では、異常報知パターンB2の報知の設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS116)。設定時間が経過した場合は、ステップS117に進み、まだ経過していない場合(そもそもエラーコマンド(b1)を受信していない場合を含む)は、この処理を終了する。
ステップS117では、異常報知パターンB2の報知の設定時間が経過したため、エラー解除コマンド(b2)による異常報知を解除する。その後、この処理を終了する。
このように、実施例1では、演出制御基板24がエラー解除コマンド(b2)を受信すると、異常報知パターンB2が設定される。そして、異常報知パターンB1に続いて、異常報知パターンB2が実行されることが特徴となっている。
[実施例2]
次に、図9を参照して、実施例2の異常報知の方式について説明する。
図9に示す場合も、上記図7Aと同じく、RAMクリア報知が継続している期間に前扉5が開放されて、さらに閉鎖されることで、前扉開放検知がRAMクリア報知の期間中に解除されている。また、「前扉開放」は「RAMクリア」より異常報知の優先順位が低いため、即座に前扉開放報知が認識されない点も同じである。
実施例2では、RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放があった場合、前扉開放報知の開始タイミングは、RAMクリア報知の期間の経過時としている。すなわち、RAMクリア報知の期間経過後に前扉5の開放が発生したことが認識可能となる態様である。
実施例2は、RAMクリア報知の期間中には前扉開放報知を行わないため、重複する期間がなく、実施例1と同じ30秒間の前扉開放報知であっても、認識可能な報知の期間が長くなる。
これにより、パチンコ遊技機1周囲の顧客や店員は、RAMクリアだけでなく、その報知期間に前扉5の開放が発生したことを認識することができ、異常に対応することもできる。
実施例2における各基板の制御は、以下の通りである。まず、RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放が検知されると、主制御基板26が演出制御基板24へ前扉開放検知コマンドを送信する。
次に、前扉開放検知コマンドを受信した演出制御基板24は、各コマンドの優先順位を判定する。ここで、前扉開放検知は優先順位が低いため、演出制御基板24は、この時点では、スピーカ7等の異常報知手段に制御信号の送信を行わない。そして、演出制御基板24は、RAMクリア報知の期間経過時に扉開放報知が開始するようにスピーカ7等の異常報知手段に制御信号を送信する。
実施例2の前扉開放報知は、予め定めた一定期間行うようにしてもよいし、前扉5が開放していた期間と同期間だけ報知を行うようにしてもよい。
次に、図10を参照して、実施例2に係るパチンコ機の演出制御基板24で行われるコマンド判定制御処理について説明する。
図9では、優先順位の高いRAMクリア報知(30秒間)の期間に、これより優先順位の低い前扉5が開放され、さらに前扉5が閉鎖した場合を説明した。ここでは、発生した異常の種類に関係なく、実施例2を一般化したフローチャートとして説明する。
ここで、エラーコマンド(a)の異常は、エラーコマンド(c1)の異常より優先順位が高いものと仮定する。また、図10の処理では、エラーコマンド(a)の受信後に、エラーコマンド(c1)以外の複数の異常が発生する場合を考慮していない。
なお、図9の異常報知を図10の処理に対応させると、RAMクリア報知(30秒間)が「異常報知パターンA」、前扉開放報知が「異常報知パターンC1」となる。
図10に示すエラーコマンド判定処理では、まず、演出制御基板24が、エラーコマンド(a)を受信したか否かを判定する(ステップS201)。エラーコマンド(a)を受信した場合は、ステップS202に進み、受信していない場合は、ステップS203に進む。
エラーコマンド(a)を受信した場合、エラーコマンド(a)による異常報知として異常報知パターンA(30秒間)を設定する(ステップS202)。その後、ステップS203に進む。
ステップ203では、新たにエラーコマンド(c1)を受信したか否かを判定する。エラーコマンド(c1)を受信した場合は、ステップS204に進み、受信していない場合は、ステップS205に進む。
ステップS204では、エラーコマンド(c1)による異常報知フラグをONする。その後、ステップS205に進む。
ここで、「異常報知フラグをONする」とは、エラーコマンドを受信した演出制御基板24が、このコマンド中の異常報知についてのビットを判定して、異常報知フラグを立てることをいう。「異常報知フラグON」は、「異常報知の設定」とは異なるものであり、異常報知フラグをONしただけでは直ちに異常報知が出力されない。
次に、演出制御基板24は、優先順位の高い異常(エラーコマンド(a))の異常報知の設定中か否か判定する(ステップS205)。エラーコマンド(c1)を受信した場合でも、既にエラーコマンド(a)を受信し、その異常報知が設定されていた場合には、「YES」の判定となり、ステップS206に進む。また、エラーコマンド(a)異常報知の設定中でない場合は、「NO」の判定となり、ステップS207に進む。
ステップS205の判定が「YES」である場合、エラーコマンド(a)による異常報知である異常報知パターンAを出力する(ステップS206)。その後、ステップS211に進む。
次に、ステップS205の判定が「NO」である場合、すなわち、エラーコマンド(a)を受信していない場合、エラーコマンド(c1)による異常報知の設定中であるか否かを判定する(ステップS207)。ここでは、前回処理のステップS209でエラーコマンド(c1)による異常報知が設定されていた場合に、判定が「YES」となる。すなわち、1回目の処理では「NO」の判定となる。
ステップS207の判定が「YES」である場合、ステップS210に進む。また、ステップS207の判定が「NO」である場合は、ステップS208に進む。
ステップS208では、エラーコマンド(c1)による異常報知フラグがONであるか否かを判定する。エラーコマンド(c1)による異常報知フラグがONである場合には、「YES」の判定となり、ステップS209に進む。異常報知フラグがONでない場合は、エラーコマンド(a)、(c1)のいずれも受信していない場合であるから、この処理を終了する。
ステップS209では、エラーコマンド(c1)による異常報知フラグをOFFし、エラーコマンド(c1)による異常報知として異常報知パターンC1(30秒間)を設定する。その後、ステップS210に進む。
ステップS210では、エラーコマンド(c1)による異常報知である異常報知パターンC1を出力する。その後、ステップS211に進む。
次に、演出制御基板24は、スピーカ7等の各異常報知手段に異常報知の制御信号を送信する(ステップS211)。これにより、設定した異常報知パターンによる報知が各異常報知手段で開始される。その後、S212に進む。
次に、演出制御基板24は、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS212)。設定時間が経過した場合は、ステップS213に進み、まだ経過していない場合(エラーコマンド(a)を受信していない場合を含む)は、ステップS214に進む。
ステップS213では、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したため、エラーコマンド(a)による異常報知を解除する。その後、ステップS214に進む。
ステップS214では、異常報知パターンC1の報知の設定時間が経過したか否かを判定する。設定時間が経過した場合、ステップS215に進み、まだ経過していない場合(エラーコマンド(c1)を受信していない場合を含む)は、この処理を終了する。
ステップS215では、異常報知パターンC1の報知の設定時間が経過したため、エラーコマンド(c1)による異常報知を解除する。その後、この処理を終了する。
このように、実施例2では、演出制御基板24がエラーコマンド(c1)を受信しても直ちに異常報知の設定を行わない。そして、エラーコマンド(a)による異常報知の終了後にエラーコマンド(c1)による異常報知を設定し、異常報知パターンC1が実行されることが特徴となっている。
[実施例3]
次に、図11を参照して、実施例3の異常報知の方式について説明する。
図11に示す場合も、図7Bの場合と同様に、RAMクリア報知が継続している期間に前扉5が開放されて、閉鎖されることで、前扉開放検知がRAMクリア報知の期間中に解除されている。また、「前扉開放」は「RAMクリア」より異常報知の優先順位が低いため、即座に前扉開放報知が認識されない点も同じである。
実施例3では、RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放があった場合、前扉開放報知を前扉5の開放時に開始する。演出制御基板24は、RAMクリア報知の期間(30秒間)より長い、例えば60秒の期間を設定した扉開放報知パターンを選択する。したがって、仮にRAMクリアと前扉5の開放が同時に検知された場合も、前扉開放報知が少なくとも30秒間は行われることとなる。
これにより、パチンコ遊技機1周囲の顧客や店員は、RAMクリア報知の期間経過後に、確実に前扉5の開放があったことが認識可能となる。
他の利点として、遊技場の閉店後に前扉5を開放して遊技釘等の調整を行う場合が考えられる。この場合、前扉5は長時間開放していることになるが、この期間異常を報知し続けるのは騒音等の点で問題がある。これに対し、本実施形態の遊技機では、所定時間が経過すると前扉5の開放、閉鎖に関わらず異常の報知が終了するため、警告音が鳴り続けているような事態は回避できる。
実施例3における各基板の制御は、以下の通りである。まず、RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放を検知すると、主制御基板26が演出制御基板24へ前扉開放検知コマンドを送信する。
次に、前扉開放検知コマンドを受信した演出制御基板24は、各コマンドの優先順位を判定し、さらに演出制御基板24がスピーカ7等の異常報知手段に制御信号を送信する。
このとき、演出制御基板24は、報知期間がRAMクリア報知の期間より長い前扉開放報知パターンを選択するため、RAMクリア報知の期間中に前扉5が閉鎖されても、所定期間(ここでは60秒間)はスピーカ7等の異常報知手段に制御信号を送信し続ける。
実施例3の扉開放報知の期間は60秒に限られず、RAMクリア報知の期間より長く、誰でも報知を認識可能な十分な長さの期間であれば変更が可能である。
例えば、RAMクリア報知の期間(30秒間)に、これより優先順位の低い「前扉開放」が発生し、さらに優先順位の低い「大入賞口不正入賞」が発生した場合を想定して、前扉開放報知の期間を40秒、大入賞口不正入賞の報知の期間を50秒のように定めることができる。
また、扉開放報知が開始してから所定時間経過後に報知の態様を変化させるようにしてもよい。例えば、扉開放報知の期間60秒のうち、最初の30秒間は音声による報知に加えてランプ(LED)の点滅を200ms間隔でON/OFFするのに対し、残りの30秒間は音声の報知はせず、ランプ(LED)の点滅を800ms間隔でON/OFFするようにすることができる。
次に、図12を参照して、実施例3に係るパチンコ機の演出制御基板24で行われるコマンド判定制御処理について説明する。
図11では、優先順位の高いRAMクリア報知(30秒間)の期間に、これより優先順位の低い前扉5が開放され、さらに前扉5が閉鎖した場合を説明した。ここでは、発生した異常の種類に関係なく実施例3を一般化したフローチャートとして説明する。
ここで、エラーコマンド(a)の異常は、エラーコマンド(d1)の異常より優先順位が高いものと仮定する。また、図12の処理では、エラーコマンド(a)の受信後に、エラーコマンド(d1)以外の複数の異常が発生する場合を考慮していない。
なお、図11の異常報知を図12の処理に対応させると、RAMクリア報知(30秒間)が「異常報知パターンA」、前扉開放報知(60秒間)が「異常報知パターンD1」となる。
図12に示すエラーコマンド判定処理では、まず、演出制御基板24が、エラーコマンド(a)を受信したか否かを判定する(ステップS301)。エラーコマンド(a)を受信した場合は、ステップS302に進み、受信していない場合は、ステップS303に進む。
エラーコマンド(a)を受信した場合、エラーコマンド(a)による異常報知として異常報知パターンA(30秒間)を設定する(ステップS302)。その後、ステップS303に進む。
ステップ303では、新たにエラーコマンド(d1)を受信したか否かを判定する。エラーコマンド(d1)を受信した場合は、ステップS304に進み、受信していない場合は、ステップS305に進む。
エラーコマンド(d1)を受信した場合、エラーコマンド(d1)による異常報知として異常報知パターンD1(60秒間)を設定する(ステップS304)。その後、ステップS305に進む。
次に、演出制御基板24は、優先順位の高い異常(エラーコマンド(a))の異常報知の設定中か否か判定する(ステップS305)。エラーコマンド(d1)を受信した場合でも、既にエラーコマンド(a)を受信し、その異常報知が設定されていた場合には、「YES」の判定となり、ステップS306に進む。また、エラーコマンド(a)による異常報知の設定中でない場合は、「NO」の判定となり、ステップS307に進む。
ステップS305の判定が「YES」である場合、エラーコマンド(a)による異常報知である異常報知パターンAを出力する(ステップS306)。その後、ステップS309に進む。
次に、ステップS305の判定が「NO」である場合、エラーコマンド(d1)による異常報知の設定中であるか否かを判定する(ステップS307)。ステップS307の判定が「YES」である場合、ステップS308に進む。また、ステップS307の判定が「NO」である場合は、エラーコマンド(a)、(d1)のいずれも受信していない場合であるから、この処理を終了する。
ステップS308では、エラーコマンド(d1)による異常報知である異常報知パターンD1を出力する。その後、ステップS309に進む。
次に、演出制御基板24は、スピーカ7等の各異常報知手段に異常報知の制御信号を送信する(ステップS309)。これにより、設定した異常報知パターンによる報知が各異常報知手段で開始される。その後、S310に進む。
次に、演出制御基板24は、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS310)。設定時間が経過した場合は、ステップS311に進み、まだ経過していない場合(エラーコマンド(a)を受信していない場合を含む)は、ステップS312に進む。
ステップS311では、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したため、エラーコマンド(a)による異常報知を解除する。その後、ステップS312に進む。
ステップS312では、異常報知パターンD1の報知の設定時間が経過したか否かを判定する。設定時間が経過した場合は、ステップS313に進み、まだ経過していない場合は、この処理を終了する。
ステップS313では、異常報知パターンD1の報知の設定時間が経過したため、エラーコマンド(d1)による異常報知を解除する(ステップS313)。その後、この処理を終了する。
このように、実施例3では、演出制御基板24がエラーコマンド(d1)によって設定される異常報知パターンD1は、エラーコマンド(a)によって設定される異常報知パターンAより報知の期間が長いため、確実に報知が行われることが特徴となっている。
[実施例4]
次に、図13を参照して、実施例4の異常報知の方式について説明する。実施例4は、図11に示す実施例3の変更形態ということができる。
前述した実施例3は、RAMクリア報知の期間中に開始される扉開放報知を、RAMクリア報知の期間(30秒間)より長い期間設定した報知パターン(図11の前扉開放報知:60秒間)であるのに対し、実施例4は、扉開放報知より優先順位の高い報知が行われていない期間について、上記とは異なる報知パターンとするものである。
例えば、扉開放報知より優先順位の高い報知が行われていない期間については、扉開放報知が即座に行われるため、前扉5の開放が発生した時点で、パチンコ遊技機周囲の顧客や店員は、その報知を認識することができる。
このため、実施例3のようにRAMクリア報知の期間より長い期間を設定した報知パターンを選択する必要はない。演出制御基板24は、このような場合、RAMクリア報知の期間と同期間の報知パターン(図13の前扉開放報知P2:30秒間)を選択することができる。
したがって、実施例4では、前扉5の開放がRAMクリア中に発生したものか、またはRAMクリア報知以外の期間に発生したものかを区別して認識させることができる。
RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放が発生した場合と、RAMクリア報知の期間以外に前扉5の開放が発生した場合とで、報知の態様を異ならせるようにしてもよい。
例えば、RAMクリア報知の期間中に前扉5の開放が発生した場合は、60秒の報知期間で音声30秒とランプ(LED)60秒で構成する報知とすることができる。
一方で、RAMクリア報知の期間以外に前扉5の開放が発生した場合は、30秒の報知期間で音声10秒とランプ(LED)30秒で構成する報知とすることができる。これにより、前扉5の開放の発生時期を認識させることが可能となる。
次に、図14を参照して、実施例4に係るパチンコ機の演出制御基板24で行われるコマンド判定制御処理について説明する。
図13では、優先順位の高いRAMクリア報知(30秒間)の期間に、これより優先順位の低い前扉5が開放され、さらに前扉5が閉鎖した場合を説明した。ここでは、発生した異常の種類に関係なく実施例4を一般化したフローチャートとして説明する。
ここで、エラーコマンド(a)の異常は、エラーコマンド(e1)の異常より優先順位が高いものと仮定する。また、図13の処理では、エラーコマンド(a)の受信後に、エラーコマンド(e1)以外の複数の異常が発生する場合を考慮していない。
なお、図13の異常報知を図14の処理に対応させると、RAMクリア報知(30秒間)が「異常報知パターンA」、前扉開放報知P1(60秒間)が「異常報知パターンE1」、前扉開放報知P2(30秒間)が「異常報知パターンE1’」である。
図14に示すエラーコマンド判定処理では、まず、演出制御基板24はエラーコマンド(a)を受信したか否かを判定する(ステップS401)。エラーコマンド(a)を受信した場合は、ステップS402に進み、受信していない場合は、ステップS403に進む。
エラーコマンド(a)を受信した場合、エラーコマンド(a)による異常報知として異常報知パターンA(30秒間)を設定する(ステップS402)。その後、ステップS403に進む。
ステップS403では、新たにエラーコマンド(e1)を受信したか否かを判定する。エラーコマンド(e1)を受信した場合は、ステップS404に進み、受信していない場合は、ステップS407に進む。
次に、演出制御基板24は、優先順位の高い異常(エラーコマンド(a))の異常報知の設定中か否か判定する(ステップS404)。エラーコマンド(e1)を受信した場合でも、既にエラーコマンド(a)を受信し、その異常報知が設定されていた場合には、「YES」の判定となり、ステップS405に進む。また、エラーコマンド(a)による異常報知の設定中でない場合は、「NO」の判定となり、ステップS406に進む。
ステップS404の判定が「YES」である場合、エラーコマンド(e1)による異常報知である異常報知パターンE1(60秒間)を設定する(ステップS405)。その後、ステップS407に進む。
ここで、異常報知パターンE1は、エラーコマンド(a)による異常報知パターンAより長い60秒の期間が設けられているので、必ず異常報知パターンAの終了後に異常報知パターンE1の報知期間が残るようになっている。
次に、ステップS404の判定が「NO」である場合、すなわち、エラーコマンド(a)を受信していない場合、エラーコマンド(e1)による異常報知である異常報知パターンE1’(30秒間)を設定する。その後、ステップS407に進む。
ここで、異常報知パターンE1’は、異常の発生後、即座に報知されるパターンであるため異常報知パターンE1より短い30秒の期間が設けられている。
これは、異常報知が30秒間であっても確実に認識されるからである。
次に、演出制御基板24は、再度、優先順位の高い異常(エラーコマンド(a))の異常報知の設定中か否か判定する(ステップS407)。ステップS404では、異常報知パターンを選択するために、今回は設定した異常報知パターンを出力するためにこの判定を行っている。
ステップS407の判定が「YES」である場合、ステップS408に進む。また、ステップS407の判定が「NO」である場合は、ステップS409に進む。
ステップS408では、エラーコマンド(a)による異常報知である異常報知パターンAを出力する。その後、ステップS413に進む。
次に、ステップS407の判定が「NO」である場合、すなわち、エラーコマンド(a)を受信していない場合、エラーコマンド(e1)による異常報知である異常報知パターンE1の設定中であるか否かを判定する(ステップS409)。ステップS409の判定が「YES」である場合、ステップS410に進み、この判定が「NO」である場合は、ステップS411に進む。
ステップS410では、エラーコマンド(e1)による異常報知である異常報知パターンE1を出力する。その後、ステップS413に進む。
ステップS411では、エラーコマンド(e1)による異常報知である異常報知パターンE1’の設定中であるか否かを判定する。ステップS411の判定が「YES」である場合、ステップS412に進み、この判定が「NO」である場合は、エラーコマンド(a)、(e1)のいずれも受信していない場合であるから、この処理を終了する。
ステップS412では、エラーコマンド(e1)による異常報知である異常報知パターンE1’を出力する。その後、ステップS413に進む。
次に、演出制御基板24は、スピーカ7等の各異常報知手段に異常報知の制御信号を送信する(ステップS413)。これにより、設定した異常報知パターンによる異常報知が各異常報知手段で開始されるようになる。その後、S414に進む。
次に、演出制御基板24は、異常報知パターンAの報知の設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS414)。異常報知パターンAの報知の設定時間が経過した場合、ステップS415に進み、まだ経過していない場合(エラーコマンド(a)を受信していない場合を含む)は、ステップS416に進む。
ステップS415では、エラーコマンド(a)による異常報知を解除する(ステップS415)。また、経過していない場合(エラーコマンド(a)を受信していない場合を含む)は、ステップS416に進む。
ステップS416では、異常報知パターンE1またはE1’の報知の設定時間が経過したか否かを判定する。異常報知パターンE1またはE1’の報知の設定時間が経過した場合、エラーコマンド(e1)による異常報知を解除する(ステップS417)。また、経過していない場合(エラーコマンド(e1)を受信していない場合を含む)は、この処理を終了する。
このように、実施例4では、優先順位の高い異常の報知が行われている期間に設定される異常報知パターンE1と、優先順位の高い異常の報知が行われていない期間に設定される異常報知パターンE1’は、報知の態様が異なり、区別できることが特徴となっている。
以上、各実施形態で様々な異常報知の方式を説明したが、本発明を実施することができ、かつ本発明の趣旨を逸脱しない限り、各実施形態の具体例に限定されるものではない。
異常内容の優先順位は、それぞれ遊技機で異なっていてもよい。今回、具体例として、「RAMクリア」と「前扉開放」の関係を取り上げたが、現実に起こり得る如何なる異常の組合せであってもよい。
異常報知の内容について、液晶表示装置での表示内容、ランプの発光態様、スピーカによる音声内容は、各異常が区別できれば如何なる内容、組合せであってもよい。
また、異常報知の期間についても、各実施形態で設定した異常報知の期間は一例に過ぎず、本発明が実施可能である如何なる期間であってもよい。
また異常報知の手段は、遊技に用いられる液晶表示装置やランプ等の部材に限られるものではなく、異常報知専用ランプまたは専用の小型表示器を採用するようにしてもよい。
また、以上では弾球遊技機を例に様々な異常報知の方式を説明したが、弾球遊技機に限られず、アレンジボール、雀球式遊技機、封入式遊技機、回胴式遊技機にも適用が可能である。