JP5884960B2 - 位置検出システム - Google Patents

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Description

本発明は、位置検出システム、位置検出センサー等に関する。
崖崩れ、地震、構造物の崩落等の予兆検出を行うために、発信器を測定の対象物(例えば崖崩れが発生し得る地面)に設置する監視システムが用いられることがある。受信器側では、発信器からの信号の変化に基づいてこれらの災害の予兆を検知し、防災に役立たせることが可能である。例えば、特許文献1の発明は、超音波を発する発信器と受信器からなるシステムを開示している。
特開平9−243412号公報
ここで、崖などに発信器を設置する場合を考慮するとケーブルなどの有線でなく、無線での送受信が望ましい。すると、特許文献1の発明のシステムでは音波を用いており、その周波数は人の可聴域より上である必要がある。そして、位相差分別分解能により定まる上限周波数は現実的には50kHzとしている(特許文献1の0036段落)。従って、20kHz〜50kHzの非常に狭い周波数帯域しか使用できず使い勝手に問題がある。また、超音波回路と無線回路の両方を備える必要があるためシステム構成が複雑でコストが高くなるとの問題がある。
また、避難などの時間を確保するために、崖崩れ、地震、構造物の崩落等の予兆はできるだけ早期に検知されることが重要である。例えば、崩落直前の急激な変化のみならず、崩落の数日前に生じ得る非常に緩やかな地滑りなども検知できることが望ましい。ここで、このような監視システムの中には、発信器が加速度センサー等のモーションセンサーを含み、その出力が送信されるものもある。しかし、非常に緩やかな地滑りでは、動きを検出することができずに予兆を見逃す恐れがある。そのため、高い精度で対象物の位置検出が可能なシステムが望ましい。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、低コストで設置が容易であり、高い検出感度を有する位置検出システム、位置検出センサー等を提供する。
(1)本発明は、第1の原子発振器とセンサー側送信手段とを含みセンサー出力信号を出力する位置検出センサーと、前記センサー出力信号を無線受信する基地局側受信手段と第2の原子発振器とを含む基地局装置と、前記第1の原子発振器からの出力信号の位相と前記第2の原子発振器からの出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する比較手段と、前記位相比較信号の規定値を記憶する記憶手段と、前記位相比較信号と前記規定値とを比較して前記位置検出センサーの変位を検出する変位検出手段と、を含む位置検出システムである。
(2)この位置検出システムにおいて、前記基地局装置は、前記比較手段と、前記記憶手段と、前記変位検出手段と、を含んでもよい。
(3)この位置検出システムにおいて、前記位置検出センサーは、前記基地局装置からの基準信号を無線受信するセンサー側受信手段と、前記基準信号と前記第1の原子発振器からの出力信号を比較して前記位相比較信号を出力する前記比較手段と、前記変位検出手段と、前記記憶手段と、前記センサー出力信号として前記変位検出手段の出力信号を無線送信するセンサー側送信手段と、を含み、前記基地局装置は、前記センサー出力信号を無線受信する基地局側受信手段と、前記第2の原子発振器からの出力に基づいて前記基準信号を生成して無線送信する基地局側送信手段と、を含んでもよい。
(4)この位置検出システムにおいて、前記位置検出センサーは、前記比較手段と、前記センサー出力信号として前記位相比較信号を無線送信する前記センサー側送信手段とを、含み、前記基地局装置は、前記記憶手段と、前記センサー側送信手段から無線送信された前記位相比較信号を無線受信する前記基地局側受信手段と、前記基地局側受信手段により無線受信された前記位相比較信号と前記位相比較信号の規定値を比較して前記位置検出センサーの変位を検出する変位検出手段と、を含んでもよい。
これらの発明によれば、高精度な原子発振器を用いることで位相比較の精度を高め、微小な変位を測定可能な高い検出感度の位置検出システムを実現することができる。また、送受信は無線で行われるので設置が容易である。そして、無線に用いられる周波数帯域の信号を例えば比較手段を実現する回路等でそのまま扱うことが可能である。特許文献1の発明のように別途超音波回路を必要とすることはないため、低コストの位置検出システムを提供できる。
原子発振器は特にCPT(Coherent Population Trapping)方式が好ましい。小型、低コストで消費電力は小さく、太陽電池駆動も可能である。原子発振器は精度が高く安定しているため、これらの発明においては基地局装置と位置検出センサーのそれぞれで独立した周波数源として用いられ、これらの出力の位相比較により対象物の変位が測定される。原子発振器以外の発振器(例えば水晶、セラミック、RC等)では、特に周波数安定度が劣るために、微小な変位を正確に測定することが難しい。
前記の位相比較の結果である信号(位相比較信号)を位相比較信号の規定値と比較することで、変位を正確に測定することができる。位相比較信号の規定値とは、計算で求められた、又は過去に測定した位相比較信号に基づくデータを指す。例えば、製造ばらつきにより位置検出センサーと基地局装置の原子発振器の周波数にずれが存在する場合には、そのずれを表すデータを位相比較信号の規定値として記憶手段に保存しておくことができる。
ここで、基地局装置が、比較手段と、記憶手段と、変位検出手段と、を含んでいてもよい。
このとき、位置検出センサーは第1の原子発振器とセンサー側送信手段の比較的小規模の回路で構成されているため、位置検出センサーの小型化や低コストでの製造が可能になる。
また、基地局装置が、センサー出力信号を無線受信する基地局側受信手段と、第2の原子発振器からの出力に基づいて基準信号を生成して無線送信する基地局側送信手段と、を含んでいてもよい。
このとき、第1の原子発振器からの出力信号と第2の原子発振器からの出力に基づく基準信号との位相比較を位置検出センサーで行うために、基地局装置の処理負担を低減することができる。従って、将来的に位置検出センサーの数が増えるような用途においてこのシステムを用いれば、基地局装置に処理が集中することで全体の処理が滞るような事態を回避することができる。
そして、位置検出センサーが、比較手段と、センサー出力信号として位相比較信号を無線送信するセンサー側送信手段とを、含み、基地局装置は、記憶手段と、センサー側送信手段から無線送信された位相比較信号を無線受信する基地局側受信手段と、基地局側受信手段により無線受信された位相比較信号と位相比較信号の規定値を比較して位置検出センサーの変位を検出する変位検出手段と、を含んでいてもよい。
前記の位相比較の結果を表す位相比較信号と位相比較信号の規定値とを比較する処理は、位置検出センサー側で行なわれてもよいし、基地局装置で行われてもよい。位置検出センサー側で同処理を行う場合には、基地局装置の処理負担を低減できる。
なお、基地局装置で同処理を行う場合には、位置検出センサーは位相比較信号の規定値を保存する記憶手段が不要になる。そのため、位置検出センサー側で同処理を行う場合に比べて、位置検出センサーの小型化や低コストでの製造が可能になる。
(5)この位置検出システムにおいて、前記位置検出センサーを複数備えていてもよい。
本発明によれば、位置検出センサーを複数設置することにより、広い範囲で崖崩れ、地震、構造物の崩落等の予兆検出が可能になる。位置検出センサーを複数設置することで、これらの災害の予兆を見逃すことを防ぎ、防災に役立たせることができる。
(6)この位置検出システムにおいて、前記センサー側送信手段は、前記センサー出力信号を位置検出センサーごとに異なる周波数に変調する変調手段を含み、前記基地局側受信手段は、変調された前記センサー出力信号を復調する復調手段を含んでもよい。
本発明によれば、周波数変調により位置検出センサーごとに異なる周波数で送信することにより、基地局装置は複数の位置検出センサーをそれぞれ区別することが可能になる。
(7)この位置検出システムにおいて、前記位置検出センサーは、前記第1の原子発振器からの出力に基づいて計時を行うタイマーを含み、前記センサー側送信手段のそれぞれは、前記タイマーの出力に基づいて、互いに異なるタイミングで前記センサー出力信号を無線送信させるように送信タイミングを制御する送信タイミング制御部を含んでもよい。
本発明によれば、時分割された送信タイミングを各位置検出センサーに割り当てることにより、基地局装置は複数の位置検出センサーをそれぞれ区別することが可能になる。ここで、位置検出センサーと基地局装置はそれぞれ原子発振器を含み、原子発振器の出力に基づいて計時を行うタイマーを持つ。原子発振器は高精度で安定しているため、例えば出荷時にタイマーに時刻を設定すれば、その後も正確な時刻を計時し続ける。よって、複数の位置検出センサーからの出力信号が衝突することなく基地局装置に送信される。
(8)この位置検出システムにおいて、前記基地局装置は、前記位置検出センサーに前記センサー出力信号の送信の許可を与える送信開始信号を無線送信する基地局側送信手段を含み、前記各位置検出センサーは、前記送信開始信号を無線受信するセンサー側受信手段を含み、前記各センサー側送信手段は、前記各センサー側受信手段から前記送信開始信号を受け取り、前記送信開始信号に基づいて、他の位置検出センサーとは異なるタイミングで前記センサー出力信号を無線送信させるように送信タイミングを制御する送信タイミング制御部を含んでもよい。
これらの発明によれば、基地局装置は、指定するタイミングで位置検出センサーからの出力信号を受信することができる。基地局装置は、基地局側送信手段を有しており、位置検出センサーに送信許可を与える送信開始信号を送信する。一方、位置検出センサーは、それぞれセンサー側送信手段を有しており、送信開始信号を受け取って所与の時間の経過後にセンサー出力信号を無線送信する。各位置検出センサーは、固有のタイミング情報(送信可能時間)を例えば不揮発性メモリーに保持しており、送信開始信号を受け取ったと判断した場合にはそのタイミング情報で指定された時間の経過後に無線送信を開始してもよい。基地局装置は、センサー出力信号が送信されたタイミングから、複数の位置検出センサーをそれぞれ区別することができる。
(9)本発明は、前記の位置検出システムで使用される位置検出センサーであってもよい。
本発明によれば、位置検出の対象物に固定されて、その対象物の位置検出に用いられるセンサー出力信号を送信する。このセンサー出力信号によって対象物の位置検出を行い、例えば崖崩れ、地震、構造物の崩落等の予兆検出を行うことができる。
第1実施形態の位置検出システムのブロック図。 図2(A)はCPT方式の原子発振器のブロック図、図2(B)は二重共鳴方式の原子発振器のブロック図。 第1実施形態の比較手段のブロック図。 第1実施形態の位置検出システムにおける処理のフローチャート。 第2実施形態の位置検出システムのブロック図。 第2実施形態の位置検出システムにおける処理のフローチャート。 第3実施形態の位置検出システムのブロック図。 第1変形例のブロック図。 第2変形例のブロック図。 第3変形例のブロック図。 図11(A)は位置検出システムの使用例を示す図、図11(B)は位置検出センサーと基地局装置との間の信号の位相変化の例を示す図。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図4、図11(A)〜図11(B)を参照して説明する。
1.1.第1実施形態の位置検出システムの使用例
本実施形態の位置検出システムの使用例を図11(A)〜図11(B)を参照して説明する。図11(A)は位置検出システムを崖崩れの予兆検出に用いた例を示す図である。位置検出センサー20は、崖の一部(地面)に杭などで固定され、基地局装置30にセンサー出力信号を無線送信している。崖崩れの予兆があると、点線のように位置検出センサー20は地面と共に移動するため基地局装置30との距離が変化する。
図11(B)は、センサー出力信号の変化を示す図である。崖崩れの予兆がある前は、図11(A)の実線の位置に位置検出センサー20があり、図11(B)の「移動前」と書かれたセンサー出力信号を基地局装置30は受信する。しかし、位置検出センサー20が地面と共に移動した後は、図11(B)の「移動後」と書かれたセンサー出力信号を受信することになる。基地局装置30は、例えば移動前と移動後のセンサー出力信号の位相差Δθを検出することによって位置検出センサー20がどれだけ移動したかを知ることができ、結果に基づいて崖崩れへの対応をとることが可能である。このような位置検出システムには、例えば、センサー出力信号の安定性や、位相の変化を検出する高い精度、予兆の見逃しや誤検出を行わないための対策が求められる。本実施形態の位置検出システムは、原子発振器を用いることによって信号の安定性、高い精度を実現する。また、加速度等でなく位置を検出することで予兆の見逃しをなくし、規定値との比較を行うことで検出精度を高める。
1.2.第1実施形態の位置検出システムの構成
図1は本実施形態の位置検出システム10のブロック図である。位置検出システム10は、位置検出センサー20、基地局装置30を含む。
位置検出センサー20は、センサー側送信手段21と、第1の原子発振器22を含む。センサー側送信手段21は、センサー出力信号を無線送信する。本実施形態では、センサー出力信号は第1の原子発振器の出力200であってもよい。第1の原子発振器の出力200は所定の周波数のクロック信号である。第1の原子発振器22は、CPT(Coherent Population Trapping)方式の原子発振器であり、小型、低コストで消費電力が小さいため、位置検出センサー20を構成するのに適している。第1の原子発振器22の詳細については後述する。
基地局装置30は、基地局側受信手段31と、第2の原子発振器32と、比較手段33と、記憶手段34と、変位検出手段35を含む。
基地局側受信手段31は、位置検出センサー20からのセンサー出力信号を無線受信する。第2の原子発振器32は第1の原子発振器22と同じ原子発振器であり、小型、低コストで消費電力が小さい。本実施形態では、第2の原子発振器の出力232は、第1の原子発振器の出力200と同じ周波数のクロック信号であるが、必ずしも周波数が同じである必要はない。比較手段33は、基地局側受信手段31からセンサー出力信号230を受け取り、第2の原子発振器の出力232と位相を比較して、その結果である位相比較信号234を出力する。比較手段33の処理の具体例については後述する。
ここで、位相比較信号234は、位置検出センサー20の移動距離に応じた位相差を与えるが、位置検出センサー20の個体差やエージングなどのセンサー固有の情報を考慮すると、さらに検出精度を向上させる手段を有することが望ましい。変位検出手段35は、位相比較信号234をさらに記憶手段34に保存された位相比較信号の規定値236と比較することで、正確な対象物の変位を表す信号238を出力する。位相比較信号の規定値236については後述する。
1.3.原子発振器
ここで、CPT方式の原子発振器について比較例の二重共鳴方式の原子発振器と対比しながら説明する。図2(A)は、第1の原子発振器22、すなわちCPT方式の原子発振器のブロック図である。第1の原子発振器22は、半導体レーザー40、ガスセル41、光検出器42、電圧制御水晶発振器43、周波数制御回路44を含み、例えば第1の原子発振器の出力200は電圧制御水晶発振器43の出力であってもよい。
ガスセル41には、ルビジウム原子やセシウム原子といった量子吸収体となるアルカリ金属原子が封入されている。半導体レーザー40は周波数の異なる2種類のレーザー光を生成しガスセル41に入射する。第1の原子発振器22は、ガスセル41に入射された入射光260がアルカリ金属原子のガスによりどれだけ吸収されたかを、反対側に設けられた光検出器42で透過光261を検出することで知ることができる。光検出器42は、透過光261の検出量に応じて制御電圧262を変化させることにより電圧制御水晶発振器43の発振周波数を調整する。周波数制御回路44は、電圧制御水晶発振器43の発振周波数に基づいて変調信号263を出力し、半導体レーザー40に変調がかかったレーザー光を出力させる。
ガスセル41の量子吸収体は入射されたレーザー光を吸収するが、2種類のレーザー光の周波数差に応じて光吸収特性(透過率)が変化する。2種類のレーザー光の周波数差が特定の値のときに、2種類の光のいずれも吸収されず透過するEIT(Electromagnetically Induced Transparency)現象が知られている。CPTはこのEIT現象を利用して、2種類のレーザー光の一方或いは両方の周波数を変化させたときに、ガスセル41での光吸収が停止する状態を検出して発振器として利用するものである。
一方、図2(B)は、比較例である二重共鳴方式の原子発振器のブロック図を示す。比較例の原子発振器522は、ルビジウム(Rb)ランプ540、共鳴セル541、光検出器542、電圧制御水晶発振器543、周波数合成器544を含み、例えば原子発振器の出力500は電圧制御水晶発振器543の出力であってもよい。
光検出器542は透過光561を検出し、検出量に応じて制御電圧562を変化させ電圧制御水晶発振器543の発振周波数を調整することは、第1の原子発振器22と同じである。しかし、入射光560はルビジウム原子を用いたルビジウム(Rb)ランプ540から発せられ、共鳴セル541にはルビジウム原子が封入されている。入射光560がない状態では、ルビジウムの基底準位はF=1、F=2の2つがほぼ均等の確率で存在する。例えばフィルター(図外)を用いて、F=1準位と励起準位間のエネルギー差に等しい中心波長が795nmの光のみをポンピング光として照射すると、F=1準位に存在していたルビジウム原子のみが励起準位に遷移する。その後、励起準位のルビジウム原子は、光を放出してほぼ均等の確率でF=1、F=2の基底準位に遷移する。ポンピング光の照射を繰り返すと、ルビジウム原子はF=2の状態だけになり、入射光560が吸収されなくなる。このとき、最大の透過光561が検出されることになる。この状態で、周波数合成器544が電圧制御水晶発振器543の出力に基づいて生成した6.8GHzのマイクロ波563を照射すると、多数のルビジウム原子がF=1の状態に遷移して透過光561が減少する。比較例の原子発振器522は、この変化を発振器として利用するものである。
ここで、比較例の原子発振器522の共鳴セル541は、ルビジウム原子が封入されたガスセルであると共に、原子を励起するのに適切なマイクロ波を発生させるためのマイクロ波共振器である必要がある。共振器の中に定常波が生じるためには、マイクロ波の波長をλとして最低でもλ/2の大きさが必要となる。具体的には、共鳴セル541は、2cm程度の大きさが最低でも必要になる。
一方、第1の原子発振器22、すなわちCPT方式の原子発振器では、マイクロ波を使う必要がないため前記のような小型化の限界はない。また、ルビジウムランプの代わりに半導体レーザーを用いており電池による駆動が可能である。よって、CPT方式の原子発振器は小型で低消費電力である。従って、地面などに杭で固定される位置検出センサーにも内蔵可能であり、その精度の高さから本願発明のような位置検出システムに適している。
なお、ここでは第1の原子発振器22として説明したが、第2の原子発振器32についても同様にCPT方式の原子発振器を採用する。
1.4.比較手段
図3は、第1実施形態の比較手段33のブロック図である。第1実施形態では、基地局装置30が比較手段33によって、センサー出力信号230と第2の原子発振器の出力232と位相を比較して、その結果である位相比較信号234を出力する。比較手段33は、ミキサー(混合器)50とローパスフィルター(LPF)51を含む。
例えば、第1の原子発振器の出力200(すなわち、センサー出力信号230)と第2の原子発振器の出力232の周波数が同じであるとすると、出力信号230(V)と第2の原子発振器の出力232(V)は例えば下記の式(1)、式(2)のように表記できる。ここで、A、Bはそれぞれの振幅を表し、dは位相差を示す。
Figure 0005884960
ミキサー50によって、下記の式(3)に示される信号(V)が得られる。
Figure 0005884960
ローパスフィルター51によって、高周波成分は除去されるため、位相比較信号234(V)は下記の式(4)のような直流成分の式で表される。
Figure 0005884960
ここで、位置検出センサー20が設置された場所から変位した場合には、位置検出センサー20と基地局装置30との距離が変化することによりセンサー出力信号230の位相が変化する(図11(B)の位相差Δθ参照)。つまり、式(4)のdが変化することになる。この変化を変位検出手段35が検出することで、位置検出センサー20の移動があったことを判断することが可能である。
1.5.記憶手段と変位検出手段
再び図1を用いて説明する。第1実施形態の記憶手段34には、対象物の移動量を正確に測定するためのデータが記憶されており、位相比較信号の規定値236として変位検出手段35に入力される。例えば、変位検出手段35は、得られた位相比較信号234と位相比較信号の規定値236とを比較して、これらの差が閾値以上ある場合には対象物が移動したと判断して変位の計算を行い、閾値未満であれば移動はないと判断してもよい。記憶手段と変位検出手段により、対象物の移動について正確な判断が可能になり、後述するようにエージング等の補正を行うこともできる。
記憶手段34に記憶されるデータとは、例えば式(4)で求められる期待値であってもよいし、位置検出センサー20を最初に設置したときの位相比較信号234に基づく値であってもよい。また、一定の時間毎に位相比較信号234の実測値によって記憶手段34のデータを上書きしてもよい。これらのデータが複数保存されていて、その一部が選択されて位相比較信号の規定値236として変位検出手段35に入力されてもよい。
第1実施形態の変位検出手段35は、位相比較信号の規定値236と位相比較信号234とを比較して、対象物の変位を表す信号238を出力する。対象物の変位を表す信号238は、変位量に対応する値をもつ信号であってもよいし、対象物の変位の有無を示す2値の信号であってもよい。そして、対象物の変位を表す信号238は、基地局装置30の外部に出力されてもよいし、基地局装置30の内外の記憶装置等に保存されてもよいし、さらに閾値と比較するなどの処理結果に基づいて基地局装置30が災害の警報を出したり、所定の機関に連絡をしたりしてもよい。
1.6.エージング補正
記憶手段34と変位検出手段35を備えることにより、エージング(経年変化)等による周波数のずれに対応することも可能である。例えば、エージングにより、又は製造ばらつきにより周波数のずれが存在する場合には、式(1)の代わりに出力信号230(V)を下記の式(5)のように表記できる。
Figure 0005884960
すると、位相比較信号234(V)は式(4)においてdをpt+dで置き換えたものになるから、下記の式(6)のようなコサイン波になる。
Figure 0005884960
本実施形態の位置検出システム10では、位相比較信号234の変化だけで対象物の変位を判断するのではなく、変位検出手段35において位相比較信号234の規定値との比較を行う。そのため、出力信号230(V)と第2の原子発振器の出力232(V)との間で周波数のずれが存在する場合でも正しく対象物の変位を判断することができる。この例においては位相比較信号234が式(6)のコサイン波となることを記憶手段34にデータとして保存しておくことで、変位検出手段35は正しい判断を行うことが可能である。
この例において、記憶手段34に記憶されるデータは、例えば式(6)において波形が正の傾きをもって0Vを横切るような時間tの集合であってもよい。例えば、下記の式(7)のデータDである。ただし、Nは自然数である。
Figure 0005884960
具体例として、第1の原子発振器の出力200(すなわち、センサー出力信号230)と第2の原子発振器の出力232の周波数が相対的に10−10のずれを有する場合、Vは66秒周期の信号となり、式(7)の要素(データ)は66秒の間隔を有する。ここで、対象物が移動すると位相比較信号234の位相がずれるために、位相比較信号234が正の傾きをもって0Vを横切る間隔が変化する。例えば、変位検出手段35は、前記0Vを横切る時刻毎に位相比較信号234の電圧を測定し、この電圧の0Vからの変化を測定することにより、対象物の変位を測定できる。
このように本実施形態では、エージングや製造ばらつきにより第1の原子発振器の出力200と第2の原子発振器の出力232の周波数に差がある場合でも、対象物の変位について正確な判断を行うことができる。
1.7.第1実施形態のフローチャート
図4は、第1実施形態におけるフローチャートを示す。第1実施形態の位置検出システムは図4に従って例えば崖崩れの予兆検出を行う。
まず、位置検出センサー20を例えば崖などに設置する(S2)。そして、基地局装置30は位置検出センサー20から設置時におけるセンサー出力信号を無線受信して、その位相比較信号234から位相比較信号の規定値236を取得して記憶手段34に記憶する(S4)。
システムによる監視が開始され、位置検出センサー20はセンサー出力信号を送信し(S6)、それを基地局装置30が受信する(S8)。基地局装置30は、センサー出力信号230と第2の原子発振器の出力232とを比較して位相比較信号234を生成する(S10)。そして、基地局装置30は、位相比較信号234と位相比較信号の規定値236を比較することで対象物の変位の有無を判断し、変位の大きさを測る(S12)。
もし、測定の対象物が移動していないと判断した場合には、再びS6に戻り監視を継続する(S14N)。測定の対象物が移動したと判断した場合には(S14Y)、基地局装置30は避難のための警報を行ったり、所定の防災機関などに連絡を行ったりしてもよい(S16)。そして、監視の終了指示があった場合には一連の処理を終了し(S18Y)、そうでなければ再びS6に戻り監視を継続する(S18N)。本実施形態の位置検出システムは、原子発振器を用いることによって信号の安定性、高い精度を実現する。また、加速度等でなく位置を検出することで予兆の見逃しをなくし、規定値との比較を行うことで検出精度を高める。そして、特にCPT方式の原子発振器を用いることにより、小型で低消費電力のシステムを実現する。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態について図5〜図6、図11(A)〜図11(B)を参照して説明する。
2.1.第2実施形態の位置検出システムの使用例
本実施形態の位置検出システムの使用例を図11(A)〜図11(B)を参照して説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略する。図11(A)は位置検出システムを崖崩れの予兆検出に用いた例を示す図である。崖崩れの予兆があると、点線のように位置検出センサー20は地面と共に移動するため基地局装置30との距離が変化する。
図11(B)は、基地局装置からの基準信号の変化を示す図である。崖崩れの予兆がある前は、図11(A)の実線の位置に位置検出センサー20があり、図11(B)の「移動前」と書かれた基準信号を位置検出センサー20は受信する。しかし、位置検出センサー20が地面と共に移動した後は、図11(B)の「移動後」と書かれた基準信号を受信することになる。第1実施形態と異なり、位置検出センサー20側で図11(B)の移動前と移動後のセンサー出力信号の位相差Δθを検出することによって位置検出センサー20がどれだけ移動したかを知ることができる。
2.2.第2実施形態の位置検出システムの構成
図5は本実施形態の位置検出システム10Aのブロック図である。なお、図1〜図3と同じ要素については同じ番号を付しており、説明は省略する。
第2実施形態の位置検出システム10Aは、位置検出センサー20A、基地局装置30Aを含む。第1実施形態と異なり、位置検出センサー20Aは基地局装置30Aから基準信号210を無線受信するセンサー側受信手段26を含む。また、第1実施形態では基地局装置が含む比較手段23、記憶手段24、変位検出手段25も位置検出センサー20Aに含まれる。一方、第2実施形態の基地局装置30Aは、第1実施形態と異なり、基準信号を無線送信する基地局側送信手段36を含む。このように、第2実施形態では、第1実施形態では基地局装置が行っていた信号の比較や変位検出を位置検出センサー20Aが行うので、基地局装置に処理が集中することがない。例えば将来的に位置検出センサーの数が増えるような用途で位置検出システム10Aを用いた場合、基地局装置に処理が集中することで全体の処理が滞るような事態を回避することができる。
位置検出センサー20Aは、センサー側受信手段26、比較手段23、記憶手段24、変位検出手段25、センサー側送信手段21、第1の原子発振器22を含む。センサー側受信手段26は、基準信号210を無線受信する。そして、比較手段23は基準信号210と第1の原子発振器の出力200の位相を比較して、その結果である位相比較信号204を出力する。ここで、第2実施形態における基準信号210は、基地局装置30Aの第2の原子発振器の出力232である。よって、比較手段23は第1実施形態における比較手段33と同じであり、位相比較信号204も第1実施形態における位相比較信号234と同じである。
そして、記憶手段24、変位検出手段25、位相比較信号の規定値206、対象物の変位を表す信号208は、それぞれ第1実施形態における記憶手段34、変位検出手段35、位相比較信号の規定値236、対象物の変位を表す信号238と同じである。第2実施形態では、位置検出センサー20Aは、対象物の変位を表す信号208をセンサー側送信手段21で基地局装置30Aに無線送信する。
基地局装置30Aは、基地局側受信手段31、第2の原子発振器32、基地局側送信手段36を含む。基地局側受信手段31はセンサー出力信号を無線受信する。本実施形態では、センサー出力信号230は、第1実施形態とは異なり、対象物の変位を表す信号208である。つまり、対象物の変位の有無を判定した最終結果が基地局装置30Aに無線送信されるので、基地局装置30Aは、例えば災害警報や所定の機関への連絡などの対応を直ちに行うことが可能である。そして、基地局側送信手段36は、前記の通り第2の原子発振器の出力232を基準信号として無線送信する。
2.3.第2実施形態のフローチャート
図6は、第2実施形態におけるフローチャートを示す。第2実施形態の位置検出システムは図6に従って例えば崖崩れの予兆検出を行う。なお、図4と同じステップについては同じ記号を付しており、説明は省略する。
第2実施形態では、位置検出センサー20Aが基地局装置30Aから設置時に基準信号を無線受信して、その時の位相比較信号204から位相比較信号の規定値206を取得して記憶手段24に記憶する(S4A)。
システムによる監視が開始され、基地局装置30Aは基準信号を無線送信し(S20)、それを位置検出センサー20Aが受信する(S22)。第2実施形態では、位置検出センサー20Aが、基準信号210と第1の原子発振器の出力200とを比較して位相比較信号204を生成する(S10A)。そして、位置検出センサー20Aが、位相比較信号204と位相比較信号の規定値206を比較することで対象物の変位の有無を判断し、変位の大きさを測る(S12A)。そして、位置検出センサー20Aはその結果をセンサー出力信号として送信し(S6)、基地局装置30Aが受信する(S8)。
基地局装置30Aは、測定の対象物が移動していないと判断した場合には再びS20に戻り監視を継続する(S14N)。測定の対象物が移動したと判断した場合には(S14Y)、基地局装置30Aは警報、連絡を行う(S16)。そして、監視の終了指示があった場合には一連の処理を終了し(S18Y)、そうでなければ再びS20に戻り監視を継続する(S18N)。第2実施形態では、信号の比較や変位検出を位置検出センサーが行うので、基地局装置に処理を集中させない分散処理が可能になる。
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。なお、第3実施形態の位置検出システムの使用方法は第2実施形態と同じである(図11(A)〜図11(B)参照)。
3.1.第3実施形態の位置検出システムの構成
図7は本実施形態の位置検出システム10Bのブロック図である。なお、図1〜図3、図5と同じ要素については同じ番号を付しており、説明は省略する。
第3実施形態の位置検出システム10Bは、位置検出センサー20B、基地局装置30Bを含む。第2実施形態と異なり、位置検出センサー20Bは変位検出手段や記憶手段を持たず、これらの機能は第1実施形態のように基地局装置30Bが有している。
本実施形態では、比較手段23は位置検出センサー20Bに含まれており、第1実施形態のように基地局装置30Bに処理の負担が集中することはない。また位置検出センサー20Bは記憶手段34を含まないので回路規模と消費電力を小さくすることができる。また、位置検出センサー20Bはメモリーなどの記憶手段を含まないので、第2実施形態に比べると位置検出センサー20Bのコストを低くできる。
本実施形態の位置検出センサー20Bは、位相比較信号204をセンサー側送信手段21で基地局装置30Bに無線送信する。本実施形態の基地局装置30Bでは、基地局側受信手段31が位相比較信号204であるセンサー出力信号230を受信する。そして、変位検出手段35は、センサー出力信号230と記憶手段34に保存された位相比較信号の規定値236と比較して、正確な対象物の変位を表す信号238を出力する。
4.変形例
第1実施形態から第3実施形態の説明では、位置検出センサーが1つである場合について例示したが、これらの実施形態において位置検出センサーが複数であってもよい。このとき、基地局側ではどの位置検出センサーからの送信であるかを判断する必要が生じる。以下に述べる変形例は、基地局側が位置検出センサーを区別するための手段を付加した位置検出システム、位置検出センサーに関するものである。なお、説明の都合上、第1実施形態をベースとして変形例の説明を行うが、第1実施形態から第3実施形態の全てについて後述する全ての変形例を適用することができる。このとき、位相比較信号の規定値は各位置検出センサーについて取得されることになる。また、図に示されている位置検出センサーは2つであるが、位置検出センサーの数は2つに限られるものではない。
4.1.第1変形例
本発明の第1変形例について図8を参照して説明する。なお、図1〜図7と同じ要素には同じ番号を付しており説明は省略する。第1変形例の位置検出システム10は、変調手段60、復調手段61を備えることで、基地局装置30が位置検出センサー20−1、20−2を区別できるようにする。例えば振幅変調や周波数変調などを用いることが可能であるが、特定の方式に限られるものではない。この例では周波数変調であるとして説明する。なお、位置検出センサー20−2は内部の図示を省略しているが位置検出センサー20−1と構成は同じである。
複数の位置検出センサー20−1、20−2は、センサー側送信手段21に変調手段60をそれぞれ含む。変調手段60によって、センサー出力信号はそれぞれの位置検出センサーに固有の周波数で送信される。基地局装置30では、基地局側受信手段31に復調手段61を含む。例えば、基地局装置30は第2の原子発振器の出力232に基づいて時間を計時する基地局側タイマー37をもっていてもよい。復調手段61は、基地局側タイマー37からの時刻信号240に応じて受信可能な周波数を切り換え、時分割で位置検出センサー20−1、20−2からのセンサー出力信号を受け取ってもよい。この変形例では、少しの回路を追加するだけで基地局装置30が複数の位置検出センサーを区別することが可能になる。
4.2.第2変形例
本発明の第2変形例について図9を参照して説明する。なお、図1〜図8と同じ要素には同じ番号を付しており説明は省略する。第2変形例の位置検出システム10は、位置検出センサー20−1、20−2と基地局装置30とが共通の時刻情報に基づいて時分割で送受信を行う。なお、位置検出センサー20−2は内部の図示を省略しているが位置検出センサー20−1と構成は同じである。
位置検出センサー20−1、20−2と基地局装置30は、精度が高くて安定しているそれぞれの原子発振器の出力に基づいて計時を行う、センサー側タイマー27、基地局側タイマー37を含む。例えば、これらのタイマーから現在時刻情報が出力されてもよい。原子発振器を用いているため、例えば製造時、又は出荷時に、一度これらのタイマーの時刻を合わせるだけで長期にわたって狂いのない現在時刻情報を得ることが可能である。
位置検出センサー20−1、20−2は、不揮発性メモリー28を含んでいてもよい。不揮発性メモリー28には各位置検出センサーに固有に割り当てられた送信可能時間が記録されていてもよい。例えば、位置検出センサー20−1の送信可能時間は秒桁が0〜4秒の間で、位置検出センサー20−2の送信可能時間は秒桁が5〜9秒の間であると記録されていてもよい。
位置検出センサー20−1、20−2は、センサー側タイマー27の現在時刻情報と、不揮発性メモリー28の送信可能時間に基づいて、送信のタイミングを制御する送信タイミング制御部63を、それぞれセンサー側送信手段21に含む。そして、時分割でセンサー出力信号を無線送信する。
基地局装置30の基地局側受信手段31は、どの位置検出センサーからのセンサー出力信号かを識別するセンサー識別手段64を含む。センサー識別手段64は、基地局側タイマー37の現在時刻情報240と、各位置検出センサーの送信可能時間とを照合することで、位置検出センサーを区別する。なお、センサー識別手段64は、例えば不揮発性メモリー(図外)を含み、不揮発性メモリーに各位置検出センサーの送信可能時間の情報を記憶していてもよい。
この変形例は、位置検出センサーも基地局装置も高精度の原子発振器を含むことから、正確な共通の現在時刻情報を容易に得ることができるというシステムの特徴を利用したものである。また、不揮発性メモリー28で送信可能時間を設定可能であることは、位置検出センサーの増減に容易に対応できる柔軟なシステムを可能にする。
4.3.第3変形例
本発明の第3変形例について図10を参照して説明する。なお、図1〜図9と同じ要素には同じ番号を付しており説明は省略する。第3変形例の位置検出システム10は、位置検出センサー20−1、20−2が基地局装置30から送信開始信号を受け取り、各位置検出センサーに固有の時間の経過後に送信を行うことで、位置検出センサーの区別を可能にする。なお、位置検出センサー20−2は内部の図示を省略しているが位置検出センサー20−1と構成は同じである。
基地局装置30の送信開始信号生成部38は、図10のように基地局側タイマー37の時刻信号242に基づいて、または手動のボタン操作等の外部からの指示(図外)により、送信開始信号244を生成する。基地局側送信手段36は、位置検出センサー20−1、20−2にセンサー出力信号の送信を開始させるために、送信開始信号244を無線送信する。
位置検出センサー20−1、20−2は、送信開始信号244を受信するセンサー側受信手段26を含む。なお、センサー側受信手段26は送信開始信号244を他の信号から分離するための分離手段を含んでいてもよい。そして、位置検出センサー20−1、20−2は不揮発性メモリー28を含み、不揮発性メモリー28には第2変形例のように各位置検出センサーに固有に割り当てられた送信可能時間が記録されていてもよい。第3変形例での送信可能時間は、例えば送信開始信号を受け取った時刻から0〜4秒後、のように定義されていてもよい。送信タイミング制御部63は、センサー側受信手段から送信開始信号を受信したタイミング信号を受け取り、また、不揮発性メモリー28から送信可能時間を受け取って、センサー出力データの送信のタイミングを制御する。
受信局30も、例えば時刻情報240に基づいて送信開始信号の送信からの経過時間を計時して、位置検出センサー20−1、20−2から送信された信号を区別することが可能である。
この変形例では、基地局装置30が都合のよいタイミングで、位置検出センサーからのデータ送信を要求することできる。また、不揮発性メモリー28で送信可能時間を設定可能であることは、位置検出センサーの増減に容易に対応できる柔軟なシステムを可能にする。なお、位置検出センサーは、送信開始信号を受け取るまでは不要な回路の動作を停止して消費電力を低減させてもよい。
なお、前記の各実施形態や各変形例において、センサー出力信号には各位置検出センサーに固有のヘッダー情報が含まれていてもよい。固有のヘッダー情報とは、例えばIDや送信時の時刻情報であってもよい。基地局装置は、ヘッダー情報に基づいて各位置検出センサーを区別したり、ヘッダー情報を受信時のエラーチェックに用いたりしてもよい。また、第3変形例では、基地局装置30が位置検出センサーを個別に指定するためのヘッダー情報を含む送信開始信号を送信してもよい。このとき、各位置検出センサーはヘッダー情報に基づいてセンサー出力信号を送信するか否かを判断できる。
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10、10A、10B…位置検出システム、20、20−1、20−2、20A、20B…位置検出センサー、21…センサー側送信手段、22…第1の原子発振器、23、33…比較手段、24、34…記憶手段、25、35…変位検出手段、26…センサー側受信手段、27…センサー側タイマー、28…不揮発性メモリー、30、30A、30B…基地局装置、31…基地局側受信手段、32…第2の原子発振器、36…基地局側送信手段、37…基地局側タイマー、38…送信開始信号生成部、40…半導体レーザー、41…ガスセル、42、542…光検出器、43、543…電圧制御水晶発振器、44…周波数制御回路、50…ミキサー(混合器)、51…ローパスフィルター(LPF)、60…変調手段、61…復調手段、63…送信タイミング制御部、64…センサー識別手段、200…第1の原子発振器の出力、204、234…位相比較信号、206、236…位相比較信号の規定値、208、238…対象物の変位を表す信号、210…基準信号、230…センサー出力信号、232…第2の原子発振器の出力、240、242…(現在)時刻信号、244…送信開始信号、260…入射光、261…透過光、262…制御電圧、263…変調信号、500…原子発振器の出力、522…比較例の原子発振器、540…ルビジウム(Rb)ランプ、541…共鳴セル、544…周波数合成器、560…入射光、561…透過光、562…制御電圧、563…マイクロ波

Claims (5)

  1. 第1の原子発振器、およびセンサー出力信号を出力するセンサー側送信手段を有する位置検出センサーと、
    第2の原子発振器、および前記センサー出力信号を受信する基地局側受信手段を有する基地局装置と、を備え、
    前記位置検出センサーは、
    前記基地局装置からの基準信号を受信するセンサー側受信手段と、
    前記基準信号の位相と前記第1の原子発振器からの出力信号の位相とを比較して位相比較信号を出力する比較手段と、をさらに有し、
    前記センサー側送信手段は、
    前記センサー出力信号として前記位相比較信号を送信し、
    前記基地局装置は、
    位相比較信号の規定値を記憶する記憶手段と、
    前記基地局側受信手段により受信された前記センサー出力信号である前記位相比較信号と前記規定値とを比較して前記位置検出センサーの変位を検出する変位検出手段と、
    前記第2の原子発振器からの出力に基づいて前記基準信号を生成して送信する基地局側送信手段と、さらに有し、
    前記規定値は、一定時間毎に前記位相比較信号の実測値に基づいて更新される、位置検出システム。
  2. 前記位置検出センサーを複数備えている請求項に記載の位置検出システム。
  3. 前記センサー側送信手段は、
    前記センサー出力信号を位置検出センサーごとに異なる周波数に変調する変調手段を含み、
    前記基地局側受信手段は、
    変調された前記センサー出力信号を復調する復調手段を含む請求項に記載の位置検出システム。
  4. 前記位置検出センサーは、
    前記第1の原子発振器からの出力に基づいて計時を行うタイマーを備え、
    前記複数の位置検出センサーのそれぞれは、
    前記タイマーの出力に基づいて、互いに異なるタイミングで前記センサー出力信号を送信させるように送信タイミングを制御する送信タイミング制御部を備えている請求項またはに記載の位置検出システム。
  5. 前記基地局装置は、
    前記位置検出センサーに前記センサー出力信号の送信の許可を与える送信開始信号を送信する手段を含み、
    前記各位置検出センサーは、
    前記送信開始信号を受信する手段と、
    前記送信開始信号に基づいて、他の位置検出センサーとは異なるタイミングで前記センサー出力信号を送信させるように送信タイミングを制御する送信タイミング制御部を備えている請求項またはに記載の位置検出システム。
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