以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態における撮像装置100のブロック図である。図1において、撮像部101は、被写体を撮影し、動画データを出力する。音声入力部102は、マイクロフォンを含み、撮影中に取得した音声データを出力する。
メモリ103は、動画データや音声データを記憶する。撮像装置100の各ブロックは、メモリ103に対してアクセスすることにより、必要な動画データや音声データを処理する。また、メモリ103は、動画データや音声データの他に、ファイルシステムの情報や、動画ファイルの管理情報など、各種の情報を記憶し、更に、制御部107による制御のためのワークメモリ等の役割を果たす。
信号処理部104は、記録時においては、撮像部101により入力された動画データや音声入力部102からの音声データをH.264(MPEG4 AVC)等の公知の符号化形式に従って符号化して、その情報量を圧縮する。また、信号処理部104は、動画データや音声データを記録するために必要な処理を施す。さらに、信号処理部104は、再生時においては、再生された動画データや音声データを復号し、その情報量を伸張する。
表示部105は、液晶パネル等の表示装置を含む。表示部105は、撮像部101により撮影された動画像や、メニュー画面、或いは、後述のシナリオ情報に基づく撮影指南情報などを表示する。記憶部106は不揮発メモリを含み、後述のシナリオデータを記憶する。
制御部107は、操作部108からの入力に応じて撮像装置100の動作全体を制御する。制御部107はマイクロコンピュータやメモリ等を含み、不図示のROMに記憶されたプログラムに従って撮像装置100を制御する。例えば、不図示のROMには、後述の図6に示すような処理をマイクロコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されている。操作部108は、ユーザにより操作可能な各種のスイッチを含む。操作部108は、ユーザによる各種の指示などを受理して制御部107へ通知する。また、操作部108は、電源スイッチや記録の開始、停止を指示するためのスイッチ、撮像装置100のモードを切り替えるためのスイッチ等を含む。
シナリオ処理部109は、シナリオ撮影モードにおける撮影時に記憶部106よりシナリオデータを読み出し、撮影指南情報を表示部105に送る。また、シナリオ処理部109は、ユーザの操作情報に基づいて撮影指南情報と異なる操作を検出し、シナリオデータの変更処理を実行する。
記録再生部110は、記録媒体111に動画データや音声データ、或いは、各種の情報を記録すると共に、記録媒体111からこれらのデータを読み出して再生する。記録再生部110は、記録時においては、メモリ103に蓄積された管理情報や動画データ、或いは音声データを記録媒体111に記録する。また、記録再生部110は、再生時においては、記録媒体111から動画ファイルの管理情報や動画データ、音声データを読み出して再生する。本実施形態では、記録媒体111はハードディスク(HDD)、フラッシュメモリカード等、ランダムアクセスの記録媒体である。
また、記録再生部110は、記録媒体111に記録する動画ファイルや、各種の情報を、FAT(File Allocation Table)等のファイルシステムに従い、ファイルとして管理する。また、本実施形態では、不図示の装着、排出機構により、撮像装置100に対して記録媒体111を容易に装着、排出することができるように構成されるものとするが、データ処理装置としての撮像装置100に記録媒体111が内蔵された構成でもよい。
次に、通常撮影モード時の処理について説明する。操作部108の操作によりユーザは通常撮影モードかシナリオ撮影モードかを切り替えることができる。ユーザが撮像装置100の電源をオンにすると、制御部107は撮像部101による撮影動作を開始する。操作部108により通常撮影モードが設定されていると、撮影された動画が表示部105に表示され、撮影待機状態となる。
この撮影待機状態において、操作部108より撮影開始の指示を受けると、制御部107は各部を制御して撮影を開始する。信号処理部104は、撮影開始の指示があると、メモリ103に記憶された動画データと音声データを読み出して符号化し、再びメモリ103に記憶する。記録再生部110は、メモリ103に記憶された、符号化済みの動画データと音声データを読み出し、記録媒体111に記録する。この様に記録を開始した後、操作部108より記録停止の指示を受けると、制御部107は各部に記録停止を指示する。記録再生部110は、記録停止の指示があると、記録媒体111に対する動画データと音声データの記録を停止する。そして、撮像装置100は再び撮影待機状態となる。
次に、シナリオ撮影モードについて説明する。ユーザが撮像装置100の電源をオンにし、操作部108を介してシナリオ撮影モードを設定すると、制御部107は以下のように動作する。
本実施形態では、記憶部106が予め複数のシナリオデータを記憶している。図2は、記憶部106に記憶されたシナリオデータの構成を説明する図である。図2(a)は一つのシナリオデータの構成例を示す図である。シナリオデータ201は、シナリオID202、シナリオ名203、シーン情報204を含む。シナリオID202は各シナリオデータを識別するための情報である。シナリオ名203は各シナリオデータの名前の情報である。また、各シナリオは複数のシーンから構成される。シーン情報204は、シナリオに含まれるこれら複数のシーンの情報を示しており、シナリオに含まれるシーン数に対応した数のシーン情報204が含まれている。
図2(b)はシーン情報204の構成例を示している。シーン情報204は、シーン番号205、撮影指南情報206、撮影操作情報209を含む。撮影指南情報206は、具体的な撮影イメージを示すための画像情報207と、各シーンにおけるユーザへ撮影動作を指示する文字情報208を含む。撮影操作情報209は、ズーム倍率、シャッタースピードなどの推奨設定値や、推奨記録時間などの情報である。一つのシナリオデータ201には、このようなシーン情報204が複数含まれている。
ユーザは、撮影待機状態において、記憶部106に記憶された複数のシナリオデータの中から所望のシナリオデータを選択することができる。操作部108よりシナリオ選択画面の表示の指示を受けると、制御部107は、シナリオ処理部109と表示部105に対し、記憶部106に記憶された各シナリオデータのシナリオ名を表示する様に指示する。シナリオ処理部109は、記憶部106に記憶された各シナリオデータのシナリオ名203を検出し、表示部105に送る。表示部105は、各シナリオデータのシナリオ名の一覧を含む、シナリオ選択画面を表示する。
図3は、シナリオ選択画面を示す図である。図3(a)はシナリオの選択画面である。図3(b)は、図3(a)で選択したシナリオが更にいくつかの種類に分かれている場合に表示される選択画面である。図3(b)では、運動会シナリオがスタンダード、ダイナミック、シネマに分かれ、更にそれぞれのシナリオに上級、中級、初級編があることを示している。スタンダード、ダイナミック、シネマでは、同じ名前のシナリオであっても、該シナリオを構成する撮影シーン、撮影指南情報、撮影操作情報が異なる。また、上級、中級、初級では、シナリオを構成する撮影シーンの割り当ては同じであるが、撮影操作の内容(難易度など)が違うものであるとする。例えば、同じシーンについて、中級ではズームレバーの操作が広角端から望遠端へ行うよう指南されるのに対して、初級では広角端で固定とするように指南される。図2(c)は、シナリオデータ201の具体的な構成例を示す図である。
次に、シナリオを用いた撮影について説明する。ユーザが操作部108を操作して、例えば図3(a)(b)のような選択画面から所望のシナリオを選択すると、制御部107は選択されたシナリオが有するシーンを選択するための画面を表示する。制御部107は、例えば、運動会のシナリオが選択されると、運動会のシナリオが有するシーン(入場シーン、徒競走など)の一覧を表示し、ユーザに選択させる。したがってユーザは所望のシナリオを選択した後、選択したシナリオの複数のシーンから撮影したいシーンを選択する。制御部107は、ユーザによりシーンが選択されると、撮像装置100を撮影待機状態とする。制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南情報を表示部105に表示する様に指示する。シナリオ処理部109は、記憶部106に記憶されたシナリオデータから、ユーザに選択されたシナリオデータを読み出す。そして、シナリオ処理部109は読み出したシナリオデータのうち、選択されたシーンの撮影指南情報を取得して表示部105に送る。なお、本実施形態では、図2(c)に示される撮影指南情報のうちの「画像情報」「文字情報」「撮影時間」が用いられる。表示部105は、シナリオ処理部109から提供された撮影指南情報を、撮像部101からの動画に多重して表示する。図5は、シナリオ撮影モードにおいて表示部105に表示される画面の一例を示す図である。表示部105には、シーン番号とシーン名の情報501、撮影時間502(図2(c)の撮影操作情報における撮影時間)、選択されたシーンのイメージ503(図2(c)の画像情報)、撮影指南504(図2(c)の文字情報)が表示される。
この状態で撮影開始が指示されると、制御部107は、前述の様に動画と音声の記録を開始する。また、制御部107は、撮影開始に応じて、撮影操作情報の記録時間から残りの記録時間を算出し、表示部105による撮影時間502の表示を更新する。その後、操作部108より撮影停止の指示があると、制御部107は、動画と音声の記録を停止する。なお、撮影を開始した後、撮影停止の指示があるまでに、選択されたシーンに対応する撮影時間(図5の例では10秒)が経過した場合、残り時間0のままで表示を停止する。或いは、選択されたシーンに対応する撮影時間が経過してしまったことをユーザに認識させるような情報を表示する。そして、制御部107は、選択されたシナリオにおける次のシーンの撮影指南情報と撮影時間の情報を表示するように、シナリオ処理部109に指示する。シナリオ処理部109は、次のシーンの撮影指南情報と撮影時間の情報を取得して表示部105に送る。ここで、次のシーンとは、シナリオデータに登録されているシーン番号の順でシーンを並べた場合の、撮影を終えたシーンの次のシーンである。なお、このタイミングで、ユーザが所望のシーンを選択可能とする画面が表示されてもよい。
また、制御部107は、シナリオ撮影モードにおいて、新たにシナリオが選択されたことに応じて再生制御データを生成し、記憶部106に記憶する。制御部107は、一つのシーンの撮影が完了する度に、撮影したシーン番号と動画ファイルのファイル名とを対応付けて再生制御データに格納する。
図4は再生制御データ401の構成例を示す図である。再生制御データ401は、シナリオ名402と、シーン情報404を含む。シーン情報404は、選択されたシナリオの各シーンに対応したシーン番号405と、対応する動画ファイル名406とを含む。シーン情報404は、一つのシナリオが選択された状態で新たなシーンの動画が撮影される度に、再生制御データ401に追加される。
次に、シナリオ撮影モードにおけるシナリオデータの変更処理について説明する。図6は、シナリオデータの変更処理を示すフローチャートである。なお、図6の処理は制御部107が所定のプログラムを実行して各部を制御することにより実現される。
本実施形態では、制御部107は、シナリオ撮影モードにおける撮影中に撮像装置100の動作状態を検出し、メモリ103に記憶している。例えば、制御部107は、撮影中における操作部108の操作に基づいてズーム操作の有無や操作タイミング、撮影時間を検出する。制御部107は、撮像装置100のこれらの検出された動作状態をメモリ103に記憶する。以下、このようにしてメモリ103に記憶された情報を、撮影状態の情報と称する。そして、操作部108より撮影停止の指示を受けると図6のフローが開始する。
一つの選択されたシーンに対応した撮影が停止されると、まず、制御部107は、メモリ103より撮影状態の情報を読み出す(S601)。次に、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南情報を送るように指示する。このとき、なお、図2(c)に示される撮影指南情報の全てではなく、撮影指南情報のうちの撮影操作情報(撮影操作と撮影時間の指示を含む)がシナリオ処理部109から制御部107に提供されるようにしてもよい。そして、制御部107は、メモリ103から読み出した撮影状態の情報と、シナリオ処理部109から取得した撮影操作情報(撮影操作と撮影時間の指示)とを比較する。制御部107は、この比較の結果から、シナリオに記述された撮影指南と異なる操作の有無と、ユーザによる実際の操作を示す異操作情報を作成し、メモリ103に記憶する(S602)。
異操作情報の例を図7(a)に示す。図7(a)の異操作情報は、シーン番号、実際の操作、撮影指南と異なる操作を行った回数の情報を含む。なお、異操作か否かの判定は、たとえば、メモリ103に記憶されている実際の撮影状態とシナリオデータが有する撮影操作情報との差が所定量を超えるか否かで行われる。例えば、
・撮影操作情報において指定されているすべての撮影操作が行われていること、
・撮影操作情報において指定されている撮影時間と実際の撮影時間との差が3秒以内であること、等の条件が挙げられる。制御部107は、撮影指南情報と撮影状態の情報がこれらの条件に合致すれば撮影指南と同じ操作であったと判定する。
次に、制御部107は、作成した異操作情報に基づいて、撮影指南と異なる操作が行われたか否かを判別する(S603)。本実施形態では、異操作が1回以上発生していた場合に、撮影指南と異なる操作が行なわれたと判定するものとするが、これに限られるものではない。たとえば、異操作が2回以上発生していた場合に撮影指南と異なる操作が行なわれたと判定するようにしてもよい。実際の操作が撮影指南と同じであった場合、S602で生成された異操作情報は空データとなっており、制御部107は、メモリ103よりこの異操作情報を消去して本処理を終了する(S606)。そして、制御部107は、次のシーンの撮影指南情報を表示部105に表示する。以上のような処理によれば、シナリオデータが有する複数のシーンの各々の撮影終了時に、シナリオデータが含む撮影操作の指示と異なる操作の有無が判定され、シーン毎にシナリオデータの変更を行なうことが可能となる。
他方、撮影指南と異なる操作が行われていた場合、すなわちS603で異操作ありと判定された場合、制御部107は、ユーザに対し、シナリオを変更するか否かを問い合わせるための問い合わせ画面を表示部105により表示する(S604)。図9(a)は問い合わせ画面の例を示す図である。なお、制御部107は、問い合わせ画面において、どのように撮影指南情報が変更されるかを合わせて表示する。後述のように、記憶部106には、各シーンの撮影指南情報に合わせて予測されるユーザの操作に対応した撮影指南のための文字情報、画像情報、撮影操作の組み合わせや撮影時間が記憶されている。制御部107は、これらの情報からユーザ操作に近いものを読み出し、図9(a)に示されるように、表示を行う。
この問い合わせの結果、ユーザによる変更指示があった場合、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南と撮影時間とを、メモリ103に記憶された異操作情報に従って変更するように指示する。シナリオ処理部109は、制御部107からの指示に従い、記憶部106より選択中のシナリオデータを読み出し、選択中のシーンの文字情報と時間情報を変更し、記憶部106に記憶する(S605)。本実施形態では、各シーンの撮影指南情報に合わせて、予測されるユーザの操作に対応した撮影指南のための文字情報、画像情報、撮影操作の組み合わせや撮影時間を予め記憶部106に記憶している。そして、シナリオ処理部109は、記憶部106に記憶されている組み合わせ及び/または撮影時間のうち、実際のユーザの操作に近いものを読み出して、元の文字情報、画像情報および撮影操作、及び/または撮影時間と置き換える。
この様に、本実施形態では、一つのシーンの撮影が終了する度に、実際の操作に応じてシナリオを変更するか否かをユーザに問い合わせる。そして、変更の指示があった場合、シナリオを変更している。S605の処理を終えると、制御部107はメモリ103よりこの異操作情報を消去して本処理を終了する(S606)。こうして、シナリオが変更されると、以降のシナリオ撮影モードでは変更後のシナリオデータが用いられることになる。なお、記憶部106には初期のシナリオデータが保持されており、ユーザはいつでもシナリオデータを初期状態に復帰させることができる。
次に、この様に記録された動画ファイルの再生処理を説明する。操作部108より再生モードへの切り替え指示があると、制御部107は、撮像装置100を再生モードに切り替える。そして、制御部107は、表示部105により、通常撮影モードとシナリオ撮影モードの何れのモードで撮影された動画を再生するかを問い合わせる画面を表示する。ユーザは操作部108を操作して、何れかを選択する。通常撮影モードによる動画再生が指示されると、制御部107は、記録媒体111に記録された動画ファイルのうち通常撮影モードで撮影された動画ファイルを検出する。そして、制御部107は、各動画ファイルの先頭部分を再生、復号することによりサムネイル画像を作成するよう、各部に指示する。そして、制御部107は、各動画ファイルのサムネイル画像一覧画面を表示部105に表示する。ユーザは操作部108により所望のサムネイル画像を選択し、再生を指示する。制御部107は、再生指示があった動画ファイルを再生し、再生された動画を表示部105に表示するよう、各部に指示する。
一方、シナリオ撮影モードによる動画の再生が指示された場合、制御部107は、記憶部106に記憶された再生制御データ401(図4)を読み出す。そして、各再生制御データに格納されたシナリオ名の一覧画面を表示部105に表示する。ユーザは操作部108を操作し、表示されたシナリオ名の一覧画面から所望のシナリオ名を選択する。制御部107は、選択されたシナリオ名に対応する再生制御データに基づいて、この再生制御データにより指定されている動画ファイルを検出し、シーン番号の順に記録媒体111から読み出して復号、表示するように各部に指示する。
以上説明したように、第1実施形態によれば、シーンの撮影を終える毎に、撮影指南と実際の撮影状態とが一致するか否かが判定され、一致しない場合にはユーザの同意のもとでシナリオデータが実際の撮影状態に合うように変更される。したがって、ユーザによるシナリオデータへの直接的な編集を行うことなく、装置を使用するユーザの好みや技量に応じてシナリオデータが変更されていき、そのユーザにとって好ましいシナリオデータが構築されていく。
次に、第2実施形態を説明する。第2の実施形態では、一つのシナリオの最終シーンの撮影が完了したときに、実際の操作に応じてシナリオを変更するか否かをユーザに問い合わせる。図8は本実施形態のシナリオデータの変更処理を示すフローチャートである。操作部108より撮影停止の指示を受けると図8のフローに示される処理が開始する。
まず、制御部107は、メモリ103より撮影状態の情報を読み出す(S801)。次に、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南情報を送るように指示する。そして、制御部107は、撮影状態の情報と、撮影指南情報(撮影操作情報)とを比較し、シナリオに記述された撮影指南と異なる操作の有無と、ユーザによる実際の操作を示す異操作情報を作成し、メモリ103に記憶する(S802)。
第2実施形態による異操作情報の例を図7(b)に示す。本実施形態では、一つのシナリオについての最終シーンの撮影が終了するまで、異操作情報が記憶部106に記憶されている。そのため、一つのシーンの撮影が完了する度に、そのシーンに関する異操作情報が追加される。
次に、制御部107は、今回のシーンが最終シーンであるか否かを判別する(S803)。なお、最終シーンか否かの判別は、例えば、当該シーンがシナリオデータの最終シーンであった場合のほか、適用するシナリオが変更された場合や、当該シナリオでの撮影の終了が指示された場合などがあげられる。最終シーンでなかった場合には、制御部107は、そのまま今回の撮影を終了し、次のシーンの撮影指南情報を表示部105に表示する。他方、最終シーンであった場合、制御部107は、S802で作成した異操作情報に基づいて、撮影指南と異なる操作が行われたか否かを判別する(S804)。すべてのシーンにおいて撮影指南と同じ操作であった場合、すなわち、異操作がない場合、制御部107は、メモリ103よりその異操作情報を消去して終了する(S807)。なお、撮影指南と実際の撮影操作との相違の判定は、第1実施形態と同様である。
また、撮影指南と異なる操作が行われていた場合、制御部107は、ユーザに対し、シナリオを変更するか否かを問い合わせるための問い合わせ画面を表示部105により表示する(S805)。図9(b)は、第2実施形態による問い合わせ画面の例を示す図である。本実施形態では、一つのシナリオにおいて、撮影指南と異なる操作を行ったすべてのシーンについて、各シーンがどのように変更されるかを表示し、シナリオの変更をするか否かを問い合わせる。ユーザは、シナリオに変更を加えたいシーンについては「はい」を選択し、変更を加えたくないシーンについては「いいえ」を選択し、不図示のOKボタンを操作する。
制御部107は、OKボタンの操作時に「はい」が選択されたシーンがあれば、変更指示があったものと判断する。問い合わせの結果、変更指示があった場合、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南と撮影時間とを、メモリ103に記憶された異操作情報に従って変更するように指示する(S806)。そして、制御部107は、メモリ103よりその異操作情報を消去して終了する(S807)。
以上のように、第2実施形態によれば、シナリオの変更指示を、シナリオの撮影を終えた後に行えるので、シーンの終了ごとに問い合わせが発生する第1実施形態と比べて操作の煩わしさがなくなる。
次に、第3実施形態を説明する。本実施形態では、記憶部106に記憶されたシナリオデータを変更するのではなく、ユーザ操作を反映したシナリオを新たに作成する。図10は本実施形態のシナリオデータの変更処理を示すフローチャートである。操作部108より撮影停止の指示を受けると図10のフローが開始する。
まず、制御部107は、メモリ103より撮影状態の情報を読み出す(S1001)。次に、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南情報を送るように指示する。そして、制御部107は、撮影状態の情報と、撮影指南情報とを比較し、シナリオに記述された撮影指南と異なる操作の有無と、ユーザによる実際の操作を示す異操作情報を作成し、メモリ103に記憶する(S1002)。
次に、制御部107は、今回のシーンが最終シーンであるか否かを判別する(S1003)。最終シーンでなかった場合にはそのまま今回の撮影を終了し、制御部107は、次のシーンの撮影指南情報を表示部105に表示する。他方、今回のシーンが最終シーンであった場合、制御部107は、S1002で作成した異操作情報に基づいて、撮影指南と異なる操作が行われたか否かを判別する(S1004)。撮影指南と異なる操作の回数が閾値よりも少ない場合、制御部107は、メモリ103より異操作情報を消去して本処理を終了する(S1007)。また、撮影指南と異なる操作の回数が閾値以上であった場合、制御部107は、ユーザに対し、新たにシナリオを作成するか否かを問い合わせるための問い合わせ画面を表示部105により表示する(S1005)。なお、本実施形態では、閾値を「2」とし、撮影指南と異なる操作が2回以上発生した場合に、問い合わせ画面が表示されるものとする。
図11は問い合わせ画面の例を示す図である。問い合わせの結果、ユーザからの作成指示があった場合、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、使用されたシナリオデータとメモリ103に記憶された異操作情報に基づいて、別個に新たなシナリオデータを作成するように指示する(S1006)。シナリオ処理部109は、使用されたシナリオデータのうち、異操作情報が存在するシーンについて撮影指南情報を異操作情報に基づいて変更したものを新たに作成する。そして、制御部107は、新たに作成したシナリオデータに対し、シナリオ名とIDを付加して、記憶部106に記憶する。そして、制御部107は、メモリ103より異操作情報を消去して本処理を終了する(S1007)。
例えば、図7(b)の異操作情報に基づいて作成されたシナリオデータは、図2(c)のシナリオデータ201の「1−2入場シーン」の撮影操作情報において、「テレ端への操作を行う」を「ワイド端固定」へ変更したものとなる。また、同様に撮影時間を「15秒」から「10秒」へ変更し、「2−1徒競争」の撮影操作情報における撮影時間を「30秒」から「15秒」へ変更したものとなる。
以上のように、第3実施形態によれば、カスタマイズされたシナリオデータが新たに生成され、オリジナルのシナリオデータと、これとは別個の新たなシナリオデータが選択可能に保持されることになる。
次に、第4の実施形態を説明する。本実施形態では、シナリオ撮影モードにおいて、異操作の回数が所定値以上となった場合に、ユーザに対してシナリオ変更、或いは、シナリオ撮影の中止を問い合わせる。
図12は第4実施形態におけるシナリオ撮影モードの処理を示すフローチャートである。操作部108より撮影停止の指示を受けると図12のフローが開始する。
制御部107は、メモリ103より撮影状態の情報を読み出す(S1201)。次に、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南情報を送るように指示する。そして、制御部107は、撮影状態の情報と、撮影指南情報とを比較し、シナリオに記述された撮影指南と異なる操作の有無と、ユーザによる実際の操作を示す異操作情報を作成し、メモリ103に記憶する(S1202)。
次に、制御部107は、作成した異操作情報に基づいて、今回のシナリオに従う撮影を開始してから今までで、撮影指南と異なる操作が行われた回数(異操作の発生回数)を検出し、この発生回数が閾値以上であるか否かを判別する(S1203)。異操作回数が閾値よりも少ない場合はそのまま処理を終了する。この場合、制御部107は、次のシーンの撮影指南情報を表示部105に表示する。
また、異操作回数が閾値以上であった場合、制御部107は、ユーザに対し、別のシナリオに変更するか否かを問い合わせるための問い合わせ画面を表示部105により表示する(S1204)。ユーザは操作部108を操作して、他のシナリオに変更するか否かを指示する。問い合わせの結果、変更指示があった場合、制御部107は、シナリオ処理部109、表示部105に対し、記憶部106に記憶されたシナリオデータの一覧画面(図3)を表示するように指示する(S1205)。これにより、他のシナリオが選択された場合は、以降の処理は、選択された他のシナリオデータに基づいて行われることになる。そして、制御部107は、メモリ103より異操作情報を消去する(S1206)。
別のシナリオへの変更指示がなかった場合、制御部107は、表示部105により、シナリオ撮影モードの中止を問い合わせる画面を表示する(S1207)。ユーザは操作部108を操作して、シナリオ撮影モードを中止するか否かを指示する。シナリオ撮影モードの中止が指示された場合、制御部107は、撮像装置100のモードを通常撮影モードに変更し、撮影待機状態とする(S1208)。そして、制御部107は異操作情報をメモリ103から消去する(S1206)。
以上のように、第4実施形態によれば、シナリオ撮影モードにおいて不適切なシナリオデータで撮影が継続されることを防止でき、操作性が向上する。
次に、第5実施形態を説明する。本実施形態では、一つのシーンの撮影中に異操作の回数が多い場合、実際の操作に基づいて異操作となっている内容をユーザに伝えるとともに、そのような異操作を正すために撮影指南の情報をシナリオに追加する。
図13は第5の実施形態の処理を示すフローチャートである。操作部108より撮影停止の指示を受けると図13のフローが開始する。まず、制御部107は、メモリ103より撮影状態の情報を読み出す(S1301)。次に、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、選択されたシーンの撮影指南情報を送るように指示する。そして、制御部107は、撮影状態の情報と、撮影指南情報とを比較し、シナリオに記述された撮影指南と異なる操作の有無と、ユーザによる実際の操作を示す異操作情報を作成し、メモリ103に記憶する(S1302)。
次に、制御部107は、作成した異操作情報に基づいて、撮影指南と異なる操作が行われた回数が閾値以上であるか否かを判別する(S1303)。ここで、制御部107は、図14の「異操作内容」に示される異操作項目(「画角が異なる」、「操作タイミングが異なる」など)毎に異操作の回数をカウントする。異操作内容のすべての異操作項目において異操作回数が閾値よりも少ない場合、制御部107は、メモリ103より異操作情報を消去して本処理を終了する(S1307)。この場合、上述の様に、制御部107は、次のシーンの撮影指南情報を表示部105に表示する。
また、異操作回数が閾値以上の異操作項目が存在する場合、制御部107は、ユーザに対し、指南情報をシナリオに追加するか否かを問い合わせるための問い合わせ画面を表示部105により表示する(S1304)。図15は問い合わせ画面の例を示す図である。この画面は、入場シーン1−2において、テレ端へのズームレバー操作に関する異操作が所定数を超えて検出され、その結果、異操作項目「操作方向が異なる」についての異操作の回数が所定数を超えた場合に提示される。なお、図15の画面で表示されている異操作の内容のコメント(『W端からT端への操作』)は、各シーンの撮影操作情報に含まれる撮影操作毎に、予め用意しておけばよい。
問い合わせの結果、追加指示があった場合、制御部107は、シナリオ処理部109に対し、撮影指南情報を追加するように指示する(S1305)。シナリオ処理部109は、制御部107からの指示に従い、現在のシーンの撮影指南情報と、異操作情報(異操作内容)とを比較し、どのような指南を行うかを決定する。そして、決定した指南に応じた撮影指南情報を選択中のシナリオデータに追加して記憶部106に記憶する。本実施形態では、異操作の要因に対応した撮影指南のための文字情報を予め記憶部106に記憶している。そして、シナリオ処理部109は、記憶された文字情報のうち、実際のユーザの操作に近いものを読み出して、元の文字情報と置き換える。もし、近いものが無い場合には追加を停止する。
図14は、異操作の要因に対して追加される撮影指南(指南情報)の例を示す図である。撮影時の状態に関連した項目と、各項目に対する異操作の内容に対応した指南情報が格納される。たとえば、「W端からT端への操作」に関して異操作と判定された回数が多い場合、「W端からT端への操作」は「ズームレバー操作」の項目の「操作方向が異なる」という異操作項目に該当する。そのため、「ズームレバーを押し間違えないように」という指南情報が選択され、図15の画面で「はい」が選択されると、この選択された指南情報が、図2に示した撮影指南情報の文字情報に追加される。
以上のように、第5実施形態によれば、シナリオデータが指定する撮影操作のうちユーザが操作を誤りやすい撮影指南に関しては、さらなる指南情報が追加されてユーザに提示されるようになる。
なお、上記第1〜第5実施形態において、シナリオデータの変更、新規作成、変更とシナリオ撮影の中断を行うかどうかをユーザに選択させる構成を示したが、これに限られるものではない。ユーザによる選択操作なしで、シナリオデータの変更、新規作成、変更とシナリオ撮影の中断を実行するようにしてもよい。
また、撮影状態として、ワイド端撮影などのズーム倍率操作と撮影時間を例に挙げたが、これらに限られないことは言うまでもない。例えば、フォーカス、シャッタースピード、絞り値、ホワイトバランス、手ぶれ補正の有無、ISO感度、などのカメラ系の設定や、記録ビットレート、ワイプなどのエフェクト、フレームレート、解像度、アスペクト、顔認識の有無、日時、保存先メモリ、エリア情報、2ch、5.1chなどのオーディオチャンネル数などの状態を検出する構成でもよい。
また、上記各実施形態において、シナリオデータの変更、新規作成はシナリオの途中もしくはシナリオ終了後であるとしたが、次回のシナリオ利用開始時に行ってもよい。
また、S602,S802、S1002,S1202,S1302で生成された異操作情報を各動画ファイルのメタデータとしても記録するようにしてもよい。これにより、異操作を行った箇所を検索して再生することや、編集において異操作を行った箇所だけを削除するなどにも利用することができる。
また、異操作回数は、シナリオの各シーンの回数、シナリオ全体での総回数としたが、これに限るものではない。たとえば、「ズームレバー操作」などの撮影操作別で異操作回数をカウントしてもよいし、シーン構成が同じシナリオ(例えば運動会・スタンダードのシナリオ)の上級、中級、初級を全てまとめてカウントするなどグループで異操作回数をカウントしてもよい。
また、第5実施形態において、図14の追加指南情報の指南情報は文字情報のみを示したが、画像情報が追加されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。また、上述した各実施形態は、組み合わせて用いることが可能であることは明らかである。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。