JP5881627B2 - 内燃機関の異常燃焼検出システム - Google Patents

内燃機関の異常燃焼検出システム Download PDF

Info

Publication number
JP5881627B2
JP5881627B2 JP2013013333A JP2013013333A JP5881627B2 JP 5881627 B2 JP5881627 B2 JP 5881627B2 JP 2013013333 A JP2013013333 A JP 2013013333A JP 2013013333 A JP2013013333 A JP 2013013333A JP 5881627 B2 JP5881627 B2 JP 5881627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
cylinder pressure
pressure line
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013013333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014145270A (ja
Inventor
四辻 修道
修道 四辻
吉栖 博史
博史 吉栖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2013013333A priority Critical patent/JP5881627B2/ja
Publication of JP2014145270A publication Critical patent/JP2014145270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5881627B2 publication Critical patent/JP5881627B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は、燃料ガスを空気と混合して、エンジンの燃焼室内で燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関の異常燃焼検出システムに関し、特にエンジンの燃焼室内で発生する過早着火の検出に関する。
内燃機関、特に都市ガス等の清浄ガスを主燃料とするガスエンジンにおいては、燃焼室内における失火や消炎及び混合気濃度の不均一等によるノッキングの発生を確実に検知して速やかに対応処置を行うことが要求される。また、ガスエンジン、ガソリンエンジン、デイーゼルエンジン等の内燃機関については、失火や消炎、ノッキングに加えて、燃焼室内の最高圧力即ち筒内最高圧力の過大な上昇や圧縮圧力の低下を確実に検知してエンジンの耐久性、性能の安定性を維持することが要求される。
かかる内燃機関の燃焼室内における燃焼状態を検知、診断する燃焼診断システムの従来技術として、特許文献1には、筒内圧力検出の異常発生を迅速に検知して、エンジンの運転を停止することなく燃焼トラブルに対処可能な燃焼診断・制御装置が開示されている。本燃焼診断・制御装置では、燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサでの検出結果から、筒内最高圧力Ppと圧縮行程における任意点の圧縮圧力P0との最高圧力比Pp/P0を算出し、当該最高圧力比に基づいて、燃焼室内の燃焼状態の診断を行っている。
再表2002−079629号公報
予混合であるガスエンジンでは、点火プラグによる着火、又はマイクロパイロット軽油燃料による着火のタイミングの前に、点火タイミングが進角する過早着火と呼ばれる異常燃焼が発生することがある。過早着火が発生した場合は、著しく筒内圧が上昇して、内燃機関が損傷する可能性があるので、過早着火の防止が必須となる。
特許文献1に開示されている燃焼診断装置では、コンプレッション圧Pcと筒内最高圧Pmaxの比を運転サイクル毎に求めて、各運転サイクルで前の運転サイクルと当該圧力比を比較して、内燃機関の異常燃焼の発生を検知している。しかしながら、本燃焼診断装置による異常燃焼の検知方法は、過早着火等の異常燃焼を実現象としてタイミングが進角したものを検知しているわけではないため、途中消炎等の何らかの理由で判定条件に該当しない場合は、過早着火の発生を認識できない可能性がある。すなわち、本来の過早着火の現象を考慮すると、全運転サイクルを対象としてタイミング進角か否かの判定をダイレクトに行うべきである。
また、本燃焼診断装置による過早着火を含む異常燃焼の判定方法は、コンプレッション圧や筒内最高圧等の電圧信号の演算により、異常燃焼を簡易判定で検知しており、過早着火の発生を直接的に認識するものでなく、過早着火の発生や頻度を検知するのに時間を要する。さらに、ガスエンジンの開発過程において、軽微なものも含めて過早着火の発生具合を確実に検出するニーズがあるが、従来の異常燃焼の検知方法では、一定の閾値の大きさ以上の筒内圧を誘発する過早着火のみを検出して、その数をカウントしていた。このため、途中消炎や弱い軽微な過早着火の場合、ロジックに引っかからない可能性があり、その検出が困難であった。
本発明は、従来の燃焼診断・制御装置が有する上記課題に鑑みてなされたものであり、より正確かつ迅速に過早着火の発生やその頻度を検出することの可能な、新規かつ改良された内燃機関の異常燃焼検出システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、少なくとも筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づいて、燃焼室内の燃焼状態を診断して過早着火を検出する内燃機関の異常燃焼検出システムであって、筒内圧力線が通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線の範囲から外れた部分を、少なくとも前記内燃機関の点火タイミング、または前記内燃機関の負荷若しくは負荷を表すブースト圧に基づいて前記過早着火が発生する過早着火領域として事前に設定する過早着火領域設定部と、前記筒内圧力検出器からの筒内圧力検出値及びクランク角検出器からのクランク角検出値に基づいて筒内圧力線を生成する筒内圧力線生成部と、前記筒内圧力線生成部によって生成された前記筒内圧力線が前記過早着火領域設定部によって設定された前記過早着火領域に含まれているか否かに基づいて前記過早着火の発生を判定する過早着火判定部と、少なくとも前記過早着火領域のデータ、前記通常の燃焼サイクル時の筒内圧波形線のデータ、及び前記過早着火の発生時の筒内圧力線のデータを保存する記憶部と、を備えることを特徴とする内燃機関の異常燃焼検出システムに関係する。
本発明の一態様によれば、内燃機関の点火タイミング、または内燃機関の負荷若しくは負荷を表すブースト圧に基づいて定まる過早着火領域に筒内圧力線が含まれれば、過早着火の発生が検出されるので、より正確かつ迅速に過早着火の発生やその頻度を検出できる。
このとき、本発明の一態様では、前記過早着火領域設定部は、前記点火タイミングの前に前記筒内圧力線が前記通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線より進角する部分を前記過早着火領域として設定することとしてもよい。
このようにすれば、過早着火として検出される領域を過早着火領域として設定するので、過早着火の程度の大きさを問わずに、より確実に検出できるので、過早着火の検出の取りこぼしを低減できる。
また、本発明の一態様では、前記過早着火領域設定部は、前記負荷若しくは負荷を表すブースト圧の大きさに応じて前記過早着火領域を設定し、前記記憶部は、前記負荷若しくは負荷を表すブースト圧の大きさに応じて設定される過早着火領域のデータをそれぞれ保存することとしてもよい。
このように、エンジンの負荷若しくは負荷を表すブースト圧の大きさに応じて、段階的に過早着火領域データを保存することによって、エンジンの使用状況の変化に対応した過早着火を確実に検出できるので、その取りこぼしが低減される。
また、本発明の一態様では、前記過早着火領域設定部は、前記点火タイミングに応じて前記過早着火領域を設定し、前記記憶部は、前記点火タイミングに応じて設定される各過早着火領域のデータをそれぞれ保存することとしてもよい。
このようにすれば、点火タイミングに応じて筒内圧力線が進角又は遅角しても、確実に過早着火を検出できるので、その取りこぼしが低減される。
また、本発明の一態様では、少なくとも前記筒内圧力線、前記過早着火領域、及び前記過早着火判定部の判定結果を表示する表示部と、前記表示部で表示される前記筒内圧力線、前記過早着火領域、及び前記過早着火判定部の判定結果を撮像する視覚センサと、を更に備え、前記過早着火判定部は、前記視覚センサで撮像した画像データに基づき、前記過早着火の発生を判定することとしてもよい。
このようにすれば、視覚センサで撮像した圧力波形画像を用いることによって、より正確に過早着火の発生やその頻度を検出することができる。
以上説明したように本発明によれば、燃焼診断装置で筒内圧力線を用いて異常燃焼を検出する際に、内燃機関の点火タイミング、または内燃機関の負荷若しくは負荷を表すブースト圧に基づいて定まる過早着火領域を事前に設定してから、筒内圧力線を生成する。このため、生成される筒内圧力線が過早着火領域に含まれるか否かに基づいて、過早着火の発生やその頻度を正確に検出することができ、また軽微な過早着火を含めて、その検出の取りこぼしも低減される。
本発明の内燃機関の異常燃焼検出システムの第1の実施形態の概略構成図である。 本実施形態における内燃機関の異常燃焼検出システムによる過早着火検出の動作を説明するフローチャートである。 通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線と、過早着火が発生したときの筒内圧力線を示す図である。 本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムにおける負荷、ブースト圧の変化に伴う過早着火領域設定の動作説明図である。 本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムにおける点火タイミングの変化に伴う過早着火領域設定の動作説明図である。 本発明の内燃機関の異常燃焼検出システムの第2の実施形態の概略構成図である。 本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムにおける画像撮像の動作説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の内燃機関の異常燃焼検出システムの第1の実施形態の構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の内燃機関の異常燃焼検出システムの第1の実施形態の概略構成図である。
本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムは、燃料ガスを空気と混合して、エンジンの燃焼室内で燃焼せしめるように構成されたガスエンジンを含む内燃機関の異常燃焼検出システムであり、エンジンの燃焼室内で発生する過早着火を検出するものである。図1に示すように、本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムは、ガスエンジン20と、燃焼診断装置110と、記憶部120と、表示装置130と、燃焼制御装置150とを備える。
ガスエンジン20は、吸気弁41、排気弁42、排気管43、燃焼室44、ピストン45、クランク軸46を備える。吸気弁41は、吸気管9に通じており、該吸気管9の管路の途中に該吸気管路9内を通流する空気(吸気)中に燃料ガスを噴射するガス噴射装置10が設けられている。ガス噴射装置10は、ガス供給管8を介して、燃料ガスを収容する燃料ガスタンク(図示省略)と接続されている。ガス供給電磁弁7は、ガス供給管8のガス噴射装置10入口に設けられ、図示しない電磁弁制御装置からの制御信号により開閉せしめられて、ガス供給管路8の流路面積を調整すると共に、後述する燃焼制御装置12からの制御信号により遮断あるいは開度制御される。なお、本実施形態では、吸気管9には、ブースト圧を検出するブースト圧検出器3が設けられ、検出されたブースト圧値の検出信号は、燃料診断装置110に送信され、燃焼室内44の燃焼状態の診断に使用される。
点火装置11は、ガスエンジン20の起動時に、不図示の副室内にパイロット燃料噴射弁12からパイロット燃料を噴射してトーチ着火させて、主燃焼室側の希薄混合ガスの燃焼を促進する。筒内圧力検出器1は、燃焼室44内のガス圧力即ち筒内圧力を検出し、クランク角検出器2は、クランク軸46のクランク角を検出する。筒内圧力検出器1で検出される筒内圧力値の検出信号と、クランク角検出器2で検出されるクランク角値の検出信号は、燃料診断装置110に送信され、燃焼室内44の燃焼状態の診断に使用される。
燃焼診断装置110は、エンジン20の燃焼室44における失火や消炎、ノッキング等の異常燃焼の有無を検出するために、燃焼室44の燃焼状態を診断する。本実施形態では、燃焼診断装置110は、過早着火領域設定部112と、筒内圧力線生成部114と、過早着火判定部116とを備える。
過早着火領域設定部112は、筒内圧力検出値に基づいて定まる筒内圧力線が通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線の範囲から外れた部分を過早着火が発生する過早着火領域として設定する。本実施形態では、エンジン(内燃機関)20の負荷、点火タイミング、及びブースト圧に基づいて過早着火が発生する過早着火領域を設定する。なお、過早着火領域設定部112による過早着火領域の設定動作の詳細については、後述する。
筒内圧力線生成部114は、筒内圧力検出器1からの筒内圧力検出値とクランク角検出器2からのクランク角検出値に基づいて、筒内圧力線を生成する。過早着火判定部116は、筒内圧力線が過早着火領域に含まれているか否かに基づいて、過早着火の発生を判定する。なお、過早着火判定部116による過早着火発生の判定動作の詳細については、後述する。
表示装置6は、燃焼診断装置110における診断結果を表示する。本実施形態では、表示装置6は、少なくとも上述の筒内圧力線、過早着火領域、及び過早着火判定部116の判定結果を表示する。なお、燃焼診断装置5に燃焼診断結果に基づく警報を発信する警報装置を接続してもよい。
記憶部130は、本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システム100で検出するエンジン20の燃焼室内44に発生する異常燃焼を検出するために必要な各種データを保存する。本実施形態では、記憶部130は、少なくとも過早着火領域のデータ、通常の燃焼サイクル時の筒内圧波形線のデータ、及び過早着火の発生時の筒内圧力線のデータをそれぞれマッピング化して保存している。
燃焼制御装置150は、燃焼診断装置110の過早着火判定部116における判定結果信号が入力され、判定結果信号に基づきガス供給電磁弁7を遮断あるいは開度制御すると共に、点火装置11の作動を制御する。本実施形態では、燃焼制御装置150は、点火装置11の作動を制御する点火タイミング制御部152と、ガス供給電磁弁7を遮断あるいは開度制御する負荷制御部154とを備える。
かかる構成からなるガスエンジンの運転時において、点火装置11においてトーチ着火がなされると共に、ガスバルブ(図示省略)が開かれると、燃料ガスタンク(図示省略)内の燃料ガスがガス圧力調整装置(図示省略)で圧力を調整されて、ガス噴射装置10に供給され、ガス供給電磁弁7の開弁により吸気管9内の空気中に噴出され該空気と混合される。そして、ガス噴射装置10からの混合気は、吸気弁41の開弁と共に点火装置11からの噴出火炎によって予燃焼がなされている燃焼室44内に導入されて燃焼し、所定の燃焼サイクルがなされる。
次に、本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムによる過早着火検出の動作について、図面を使用しながら説明する。図2は、本実施形態における内燃機関の異常燃焼検出システムによる過早着火検出の動作を説明するフローチャートである。
まず、筒内圧力検出値に基づいて定まる筒内圧力線が通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線の範囲から外れた部分を過早着火が発生する過早着火領域として設定する(工程S11)。ここで、筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づいて定まる筒内圧力線について、図面を使用しながら説明する。
図3は、通常の燃焼サイクル時、過早着火が発生したときの筒内圧力線を示し、M1が燃焼せずにピストンを動かした場合の筒内圧力線、N1が正常な燃焼が行われる通常燃焼サイクルでの筒内圧力線、P1が過早着火が発生した場合の筒内圧力線を示す。図3に示すように、エンジンが点火されると、燃焼室内の圧力が上昇するので、筒内圧力線は、点火タイミング点Psを境に、M1からN1を示すようになる。点火装置11による着火前に、点火タイミングが進角する過早着火が起きると、筒内圧力線は、P1に示すように、大幅に筒内圧が上昇する。
本発明は、過早着火が点火装置11による着火前に発生して、点火タイミングが進角することに基づいて考え出されたものである。すなわち、本実施形態では、過早着火領域設定部112は、図3に示すように、点火タイミングPsの前に筒内圧力線が通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線N1より進角する部分を過早着火領域R0として設定する。このように、過早着火が発生する領域を過早着火領域R0として設定するので、過早着火の大きさを問わずに、軽微なものも含めて、取りこぼしなく確実に過早着火を検出できるようになる。
また、本実施形態では、工程S11で過早着火領域を設定する際に、過早着火領域設定部112は、少なくともエンジン20負荷、点火タイミング、及びブースト圧に基づいて過早着火が発生する過早着火領域を設定することを特徴とする。本発明者は、過早着火領域がエンジン20の負荷、ブースト圧の大きさや、点火タイミングによって変動するものであることを確認した。
ここで、エンジンの負荷、ブースト圧の大きさや点火タイミングによる過早着火領域の変動について、図面を使用しながら説明する。図4は、本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムにおける負荷、ブースト圧の変化に伴う過早着火領域設定の動作説明図であり、図5は、本実施形態の内燃機関の異常燃焼検出システムにおける点火タイミングの変化に伴う過早着火領域設定の動作説明図である。
なお、図4において、Phは、高負荷・高ブースト圧の場合の筒内圧力線を示し、R1は、高負荷・高ブースト圧の場合の過早着火領域を示し、Plは、低負荷・低ブースト圧の場合の筒内圧力線を示し、R2は、低負荷・低ブースト圧の場合の過早着火領域を示す。また、図5において、Paは、進角して点火タイミングが早い場合の筒内圧力線を示し、R3は、当該進角時の過早着火領域を示し、Pdは、遅角して点火タイミングが遅い場合の筒内圧力線を示し、R4は、当該遅角時の過早着火領域を示す。
図4に示すように、高負荷・高ブースト圧の場合では、筒内圧力線Phの点火タイミングC1よりクランク角が進角する範囲に過早着火領域R1を設定する。このとき、過早着火領域R1のA1−B1間で示されるクランク角度範囲は、エンジン負荷やブースト圧の大きさに伴って変動する。一方、過早着火領域R1のA1−D1間で示される筒内圧力範囲もエンジン負荷やブースト圧の大きさに伴って変動する。なお、A1−D1間で示される筒内圧力範囲は、筒内圧力の最大値Pmaxの平均値に標準偏差分(例えば、3σ)を考慮した値としてもよい。
これに対して、低負荷・低ブースト圧の場合では、図4に示すように、筒内圧力線Plの点火タイミングC2よりクランク角が進角する範囲に過早着火領域R2を設定する。このとき、過早着火領域R2のA2−B2間で示されるクランク角度範囲は、エンジン負荷やブースト圧の大きさに伴って変動する。すなわち、低負荷・低ブースト圧の場合では、高負荷・高ブースト圧の場合の過早着火領域R1のA1−B1間よりも、クランク角度範囲が縮小される。また、過早着火領域R2のA2−D2間で示される筒内圧力範囲もエンジン負荷やブースト圧の大きさに伴って変動する。なお、A2−D2間で示される筒内圧力範囲も、筒内圧力の最大値Pmaxの平均値に標準偏差分(例えば、3σ)を考慮した値としてもよい。
一方、点火タイミングに関しては、図5に示すように、進角の場合では、筒内圧力線Paの点火タイミングC3よりクランク角が進角する範囲に過早着火領域R3を設定する。このとき、過早着火領域R3のA3−B3間で示されるクランク角度範囲は、点火タイミングに伴って変動する。一方、過早着火領域R3のA3−D3間で示される筒内圧力範囲も点火タイミングに伴って変動する。なお、A3−D3間で示される筒内圧力範囲は、筒内圧力の最大値Pmaxの平均値に標準偏差分(例えば、3σ)を考慮した値としてもよい。
また、点火タイミングを遅角した場合では、図5に示すように、筒内圧力線Pdの点火タイミングC4よりクランク角が進角する範囲に過早着火領域R4を設定する。このとき、過早着火領域R4のA4−B4間で示されるクランク角度範囲は、点火タイミングに伴って変動する。すなわち、遅角した場合では、進角の場合の過早着火領域R3のA3−B3間よりも、クランク角度範囲が拡大される。また、過早着火領域R4のA4−D4間で示される筒内圧力範囲も点火タイミングに伴って変動する。なお、A4−D4間で示される筒内圧力範囲も、筒内圧力の最大値Pmaxの平均値に標準偏差分(例えば、3σ)を考慮した値としてもよい。
本実施形態では、過早着火領域設定部112がエンジンの負荷、ブースト圧の大きさ、及び点火タイミングに応じて過早着火領域R1、R2、R3、R4を設定し、これら過早着火領域R1、R2、R3、R4のデータをそれぞれ記憶部120にマップ化して保存している。このように、エンジンの負荷やブースト圧の大きさ、点火タイミングに応じて、段階的に過早着火領域データを保存することによって、エンジンの使用状況の変化に対応した過早着火の検出が取りこぼしなく確実に実現される。なお、図4、図5では、エンジンの負荷及びブースト圧の大きさ、点火タイミングを2段階に分けて説明しているが、本実施形態では、2段階のみでなく、3段階以上の多段階で過早着火領域を設定し、マップ化して保存してもよい。
過早着火領域を設定後、次に、筒内圧力線生成部114が筒内圧力検出器1からの筒内圧力検出値及びクランク角検出器2からのクランク角検出値に基づいて筒内圧力線を生成する(工程S12)。その後、過早着火判定部116は、生成された筒内圧力線が過早着火領域に含まれているか否かに基づいて、過早着火の発生を判定する(工程S13)。すなわち、画面内に過早着火領域を指定し、その範囲に筒内圧力線の波形が現れた場合に、過早着火が発生したと判定する。このとき、過早着火が発生されると判定されると(工程S14)、過早着火の発生時の筒内圧力線のデータが記憶部120で保存される。
なお、記憶部120では、過早着火の発生時の筒内圧力線のデータ以外にも、少なくとも過早着火領域のデータや通常の燃焼サイクル時の筒内圧波形線のデータをエンジンの負荷、ブースト圧の大きさや点火タイミングごとに保存している。このように、負荷、ブースト圧、点火タイミングを元に過早着火の範囲をマップ化して保存することによって、PC等のコンピュータ上の信号処理、デジタル演算で過早着火の判定を行えるようになる。
このように、本実施形態の異常燃焼検出システム100によると、燃焼診断装置110で筒内圧力線を用いて異常燃焼を検出する際に、エンジン20の負荷、点火タイミング、及びブースト圧に基づいて定まる過早着火領域を事前に設定してから、筒内圧力線を生成する。これによって、連続した全サイクルの監視が可能となり、生成される筒内圧力線が過早着火領域に含まれるか否かに基づいて、過早着火の発生やその頻度を軽微なものも含めて漏れなく正確に検出できる。このため、燃焼制御装置150にフィードバックして、エンジンの点火タイミングや負荷、ブースト圧を調整して過早着火を防止することや、エンジンの開発段階での評価や商品仕様の決定にも役立てることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の内燃機関の異常燃焼検出システムの第2の実施形態の構成について、図面を使用しながら説明する。図6は、本発明の内燃機関の異常燃焼検出システムの第2の実施形態の概略構成図である。
本実施形態では、過早着火の発生を判定する方法が第1の実施形態と異なる。すなわち、第1の実施形態では、PC上の信号処理、デジタル演算で過早着火の判定を行っているが、本実施形態では、視覚センサ240で撮像した画像データに基づいて、過早着火の発生を判定する。
本実施形態の異常燃焼検出システム200では、図6に示すように、表示装置230で表示される筒内圧力線及び過早着火領域を撮像するOCR(Optical Character Reader)等の視覚センサ240が表示装置230の近傍に設けられている。そして、視覚センサ240で撮像した画像データに基づいて、過早着火判定部216が過早着火の発生を判定することを特徴とする。
このように、筒内圧力線の波形画像を視覚センサ240にて画像判定することによって、過早着火を実際の現象として、燃焼のタイミングが進角したサイクルを検知できるようになる。すなわち、視覚センサ240で撮像した圧力波形画像を用いることによって、連続した全サイクルの監視が可能となり、より直接的に過早着火の発生やその頻度を検出することができる。これによって、生成される筒内圧力線が過早着火領域に含まれるか否かに基づいて、過早着火の発生やその頻度を軽微なものも含めて漏れなく迅速に検出できる。なお、本実施形態の異常燃焼検出システム200に備わる他の構成要素に関しては、第1の実施形態と同様なので、その詳細な説明は、省略する。
なお、上記のように本発明の各実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、内燃機関の異常燃焼検出システムの構成、動作も本発明の各実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
1 筒内圧力検出器
2 クランク角検出器
3 ブースト圧検出器
11 点火装置
20 内燃機関(エンジン、ガスエンジン)
44 燃焼室
45 ピストン
46 クランク軸
100、200 異常燃焼検出システム
110、210 燃焼診断装置
112、212 過早着火領域設定部
114、214 筒内圧力線生成部
116、216 過早着火判定部
120、220 記憶部
130、230 表示装置
150、250 燃焼制御装置
240 視覚センサ

Claims (5)

  1. 少なくとも筒内圧力検出器により検出された筒内圧力検出値に基づいて、燃焼室内の燃焼状態を診断して過早着火を検出する内燃機関の異常燃焼検出システムであって、
    筒内圧力線が通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線の範囲から外れた部分を、少なくとも前記内燃機関の点火タイミング、または前記内燃機関の負荷若しくは負荷を表すブースト圧に基づいて前記過早着火が発生する過早着火領域として事前に設定する過早着火領域設定部と、
    前記筒内圧力検出器からの筒内圧力検出値及びクランク角検出器からのクランク角検出値に基づいて筒内圧力線を生成する筒内圧力線生成部と、
    前記筒内圧力線生成部によって生成された前記筒内圧力線が前記過早着火領域設定部によって設定された前記過早着火領域に含まれているか否かに基づいて前記過早着火の発生を判定する過早着火判定部と、
    少なくとも前記過早着火領域のデータ、前記通常の燃焼サイクル時の筒内圧波形線のデータ、及び前記過早着火の発生時の筒内圧力線のデータを保存する記憶部と、を備えることを特徴とする内燃機関の異常燃焼検出システム。
  2. 前記過早着火領域設定部は、前記点火タイミングの前に前記筒内圧力線が前記通常の燃焼サイクルにおける筒内圧力線より進角する部分を前記過早着火領域として設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常燃焼検出システム。
  3. 前記過早着火領域設定部は、前記負荷若しくは負荷を表すブースト圧の大きさに応じて前記過早着火領域を設定し、
    前記記憶部は、前記負荷若しくは負荷を表すブースト圧の大きさに応じて設定される過早着火領域のデータをそれぞれ保存することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の異常燃焼検出システム。
  4. 前記過早着火領域設定部は、前記点火タイミングに応じて前記過早着火領域を設定し、
    前記記憶部は、前記点火タイミングに応じて設定される各過早着火領域のデータをそれぞれ保存することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の異常燃焼検出システム。
  5. 少なくとも前記筒内圧力線、前記過早着火領域、及び前記過早着火判定部の判定結果を表示する表示部と、
    前記表示部で表示される前記筒内圧力線、前記過早着火領域、及び前記過早着火判定部の判定結果を撮像する視覚センサと、を更に備え、
    前記過早着火判定部は、前記視覚センサで撮像した画像データに基づき、前記過早着火の発生を判定することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の内燃機関の異常燃焼検出システム。
JP2013013333A 2013-01-28 2013-01-28 内燃機関の異常燃焼検出システム Active JP5881627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013013333A JP5881627B2 (ja) 2013-01-28 2013-01-28 内燃機関の異常燃焼検出システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013013333A JP5881627B2 (ja) 2013-01-28 2013-01-28 内燃機関の異常燃焼検出システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014145270A JP2014145270A (ja) 2014-08-14
JP5881627B2 true JP5881627B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=51425721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013013333A Active JP5881627B2 (ja) 2013-01-28 2013-01-28 内燃機関の異常燃焼検出システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5881627B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6848889B2 (ja) * 2018-01-22 2021-03-24 マツダ株式会社 エンジン
JP6848888B2 (ja) * 2018-01-22 2021-03-24 マツダ株式会社 強ノックの抑制が可能なエンジン
CN110284979B (zh) * 2019-06-27 2020-10-09 奇瑞汽车股份有限公司 早燃控制方法及装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2830012B2 (ja) * 1989-02-23 1998-12-02 三菱自動車工業株式会社 燃焼状態計測方法
KR20030036206A (ko) * 2001-03-30 2003-05-09 미츠비시 쥬고교 가부시키가이샤 내연기관의 연소 진단/제어장치 및 연소 진단/제어방법
JP4119796B2 (ja) * 2003-06-20 2008-07-16 三菱重工業株式会社 内燃機関の燃焼診断、燃焼制御方法及びその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014145270A (ja) 2014-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4138491B2 (ja) 内燃機関の燃焼診断・制御装置及び燃焼診断・制御方法
JP5705765B2 (ja) ガスエンジンの制御装置および方法
JP4412364B2 (ja) セタン価検出装置
CN107709956B (zh) 检测和缓解异常燃烧特性
JP4370338B2 (ja) 内燃機関の燃焼診断・制御装置及び燃焼診断・制御方法
CN110869596A (zh) 双燃料燃烧强度
EP2921679A2 (en) Detecting misfiring in a gaseous fuel operated internal combustion engine
KR20110003386A (ko) 엔진의 이상 연소 시 운전 방법 및 운전 제어 장치
KR101938014B1 (ko) 이중연료엔진의 노킹 제어 장치 및 방법
US9869262B2 (en) System and process for predicting and preventing pre-ignition
US11035334B1 (en) Engine ignition system and method using sparkplug dry firing to extend service life
JP5881627B2 (ja) 内燃機関の異常燃焼検出システム
US20150192497A1 (en) System and method for detecting fault in ignition system
US9212617B2 (en) Method for recognising irregular combustion processes in an internal combustion engine
EP3371436A1 (en) Engine control method and engine control device
JP2009203883A (ja) 内燃機関の故障原因推定方法および装置
JP2009203882A (ja) 発電用エンジンの燃焼診断方法、燃焼診断装置および燃焼診断システム
JP5496004B2 (ja) エンジンの失火検出装置及び方法
JP4823103B2 (ja) ガスエンジン及びこれの失火発生時運転方法
JP2009133284A (ja) 内燃機関の燃焼診断方法および燃焼診断装置
US11261814B1 (en) System and method for detecting engine misfire
JP6605362B2 (ja) 点火流体インジェクタを機能点検するための方法および制御装置
WO2024154596A1 (ja) 内燃機関の失火判定方法、内燃機関の制御方法および内燃機関の制御装置
JP2007032407A (ja) 内燃機関の燃焼診断方法及びその装置
JP2010014065A (ja) エンジンの燃焼状態判定方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160202

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5881627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151