JP5881010B2 - 残光性発光体 - Google Patents

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Description

本発明は、真偽判別に適した残光性発光体、これを使用した印刷物及びこの特性を利用した機械判別に関するものである。
有価証券類のようにセキュリティが必要とされる印刷物には、偽造及び改ざんの防止、真偽判別及び改ざん痕の特定等を目的に、偽造防止及び真偽判別要素の付与が不可欠となっている。
有価証券類の偽造防止や真偽判別要素の一つとして、蛍光及びりん光等の特定の発光体を一部又は全面に付与することが有効な手段の一つとして提案されている。
また、有価証券類の中には、切手等の例のようにそれ自身の有無や貼付位置、種類の判別又は識別等の目的で発光検知を利用しているものがある。
これらの発光インキ組成物が付与されたセキュリティ印刷物の真偽判別方法としては、印刷物に対し発光材料を励起できるエネルギーを含む光等の電磁波又は放射線の照射、電界印加あるいは化学反応による発光素子の発光現象及び/又はりん光体においては、励起エネルギーの印加停止後、減衰しながら放出していく残光現象を、センサで検知する方法が一般に用いられている。
発光体の中でも可視発光体は、ブラックライト等の簡易的な道具を励起源として使用して人の目で発光を認証する方法及び発光体の励起と発光の検知を機械的に行い、発光強度や残光時間を判別要素とする認証方法をとることができる。
近年、蛍光体や蛍光インキ等が比較的容易に入手できる状況にあることから、セキュリティ印刷物のようにより高度な検知及び判別が必要とされる用途には、容易に入手できる発光体とは異なる特徴の発光特性を持つ発光体の使用が必要となってきている。このような特徴的な発光特性を持つ発光体としては、電磁波等を照射する励起波長に応じて発光色が変化する発光体や、観測波長により発光強度が極端に異なる分布を持つ発光体等が一例として挙げられる。また、蛍光発光のみならず、りん光を有し、かつ、りん光においても特徴的な特性を有する発光体がより有効である。
上記特性を持つ発光体の例として、本出願人は、化学式((MBaa−xEu)(a+k)O・(Mgb−yMn)bO・c(SiO)で示され、(式中、Mはアルカリ土類金属のCa(カルシウム),Sr(ストロンチウム),Ba(バリウム)であり、励起光照射時における蛍光の発光色と、励起光停止後におけるりん光の発光色が異なり、励起光停止後における残光時間が、2msから5sであることを特徴とする残光性発光体とその製造方法及び発光印刷物を提示している(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−144244号公報
特許文献1の発光体は、機械読取性と目視認証性が良好な発光特性を有しているが、蛍光スペクトルのピーク波長間にも機械読取可能な発光ピークがあるため、発光現象を熟知した者が赤、青及び緑の発光体を混合することにより蛍光スペクトルの特徴を把握し、目視による発光色は異なるものの、機械検出可能な蛍光体を作製することによって、発光検知による真偽判別を揺るがしかねないおそれがある。
また、蛍光とりん光の発光スペクトルの特長を利用し機械判別を行う場合において、特定の波長域のみの発光検知で簡便に真偽判別を行う場合、蛍光及びりん光のピーク付近の波長域で検知を行うことになるが、特許文献1の発光体は、蛍光スペクトルにおいて可視光波長域全体において発光があるため、発光体を付与された被判別物の製造時の発光強度管理のばらつき及びセンサの検出波長における受光感度によっては誤判別を招く可能性を免れない。
本発明は、前述した課題の解決を目的とするための残光性の発光体であって、蛍光とりん光の発光スペクトルが異なる特性を有し、残光時間が目視される程度に長く、かつ、長波紫外線による励起では発光を目視することができず、蛍光及びりん光スペクトルにおいて可視波長域に発光がない波長域を有する発光体とその利用方法に関するものである。
本発明は、化学式:Mx+yMg1−zSi5+x+y;CeMn(式中のMはCa、Sr及びBaからなる群から選ばれる1種以上、xは1≦x≦3の範囲であり、yは0.01≦y≦1.0の範囲であり、zは、0.01≦z<1.0の範囲である。) で表される残光性発光体であって、残光性発光体は、230nmから380nmの励起光照射時における発光スペクトルが、400nmから430nmの波長域に第一のピーク波長と、620nmから700nmの波長域に第二のピーク波長を有し、かつ、第一のピーク波長と第二のピーク波長間に発光がない所定の波長域が存在し、励起光停止後におけるりん光のスペクトルは、620nmから700nmの波長域に第二のピーク波長とほぼ同じ発光波長を有し、残光の励起光停止後における残光時間が、2msから1sであることを特徴とする残光性発光体である。
本発明は、残光性発光体にバインダーを混合して成ることを特徴とする発光インキ組成物又は塗工組成物である。
本発明は、基材上の少なくとも一部に、残光性発光体を含む発光インキ組成物又は塗工組成物により形成された印刷画像を有する印刷物の真偽判別方法であって、印刷画像に励起光を照射する照射工程と、照射工程による第一のピーク波長域と第二のピーク波長域間の発光がない所定の波長域における発光特性を検出する蛍光発光検出工程と、励起光を停止した場合の第一のピーク波長域と第二のピーク波長域間の発光がない所定の波長域におけるりん光特性を検出するりん光検出工程と、発光特性に発光がない所定の波長域があり、かつ、検出したりん光特性をあらかじめ定めた真正なりん光特性と比較して所定の基準値である場合に真正と判定する判別工程から成ることを特徴とする印刷物の真偽判別方法である。
本発明の残光性発光体は、二つの蛍光のピーク波長域間に、発光がない波長域が存在しているため、蛍光スペクトルの特徴を把握することができず、かつ、使用している発光体を特定することが困難であることから、偽造抑止力が高い発光体を提供することができる。
また、本発明の残光性発光体は、蛍光発光色とりん光発光色が異なる、すなわち、両者の発光スペクトル形状が異なることから、スペクトル形状の特徴の違いによる精密な真偽判別をすることができる。
本発明の一実施例における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 本発明の一実施例における、残光性発光体の励起スペクトル。 残光時間の測定方法を示す一例図。 真偽判別方法の一例を示す工程図。 本発明の実施例1における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 本発明の実施例2における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 本発明の実施例3における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 本発明の実施例4における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 本発明の実施例5における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 本発明の実施例6における、残光性発光体の励起波長302nmのときの発光スペクトル。 実施例1の残光性発光体を使用した真偽判別印刷物の励起波長302nmのときの発光スペクトルと機械判別方法を示す図。 比較例1の比較印刷物の励起波長365nmのときの発光スペクトルと機械判別方法の一例を示す図。
本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思考の範囲であれば、その他の実施の形態も含まれる。
本発明の残光性発光体の、組成及び製造する工程を説明する。
本発明の残光性発光体は、化学式:Mx+yMg1−zSi5+x+y;CeMn (式中のMは、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれる1種以上、xは、1≦x≦3の範囲であり、yは、0.01≦y≦1.0の範囲であり、zは、0.01≦Z<1.0の範囲である。)で表される残光性発光体である。
(残光性発光体の組成)
本発明の残光性発光体は、上記化学式において、Mは、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素であり、xは、1≦x≦3の範囲である。x<1の場合は、後述するCe(セリウム)とMn(マンガン)の分散性が悪くなるので発光強度が低下する。なお、x>3の場合は、付活剤であるCe(セリウム)とMn(マンガン)の化合物中での割合が小さくなり過ぎるため発光が小さくなる。
付活剤であるCe(セリウム)とMn(マンガン)は、上記化学式において、yは、0.01≦y≦1.0の範囲であり、zは、0.01≦z<1.0の範囲である。y<0.01の場合は、付活剤量が少なすぎるため、発光が小さくなり、y>1.0の場合は、濃度消光のため、発光が小さくなる。また、z<0.01の場合は、付活剤量が少なすぎるため、発光が小さくなり、z≧1.0の場合は、濃度消光のため、発光が小さくなる。
(残光性発光体の原料)
Mで表されるCa(カルシウム)、Ba(バリウム)及びSr(ストロンチウム)の原料の一例としては、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化バリウム(BaO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)又は酸化ストロンチウム(SrO)等を使用することができる。
Mg(マグネシウム)の原料の一例としては、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化マグネシウム(MgO)等、nSiOについては、SiOをそのまま使用することができる。
付活剤であるCe(セリウム)とMn(マンガン)の原料としては、二酸化セリウム(CeO)、二酸化マンガン(MnO)等を使用することができる。
次に、本発明の残光性発光体の製造工程について説明する。本発明の残光性発光体の製造工程は、原料を配合する配合工程と、配合された原料を混合する混合工程と、混合工程終了後に乾燥させた混合物を還元雰囲気下において焼成する焼成工程と、焼成工程後の混合物を洗浄した後に粉砕し、分級する後処理工程から成る。
(配合工程)
配合工程は、残光性発光体の各原料を、目的の化学組成が得られるよう正確に秤量し、全体が均一になるよう十分に混合する。この場合、溶媒等を使用して湿式混合を行うことができる。具体的には、化学式Ba、Ca、Sr、Mg及びSiOを含む母体材料と、Ce及びMnである付活剤の各原料を配合する。なお、本発明の残光性発光体の製造に際して、発光中心となる金属及び母体材料となる化合物の原料は、高温焼成を行った後に酸化物となり得る材料であればよく、炭酸塩、水酸化物及び酸化物等を使用することができる。
(混合工程)
混合工程は、配合工程終了後の原材料を比較的に沸点が低いエタノ−ル又はメタノ−ル等のアルコ−ルを加えてかくはん混合する。なお、比較的に沸点が低いエタノ−ル又はメタノ−ル等のアルコール類を使用するのは、混合後、速やかに溶剤を揮発させることが必要なためである。
(焼成工程)
焼成工程は、混合工程終了後に乾燥させた混合物を還元雰囲気下において焼成温度1200℃〜1450℃で、0.5時間〜5時間焼成する。具体的には、原料混合物をアルミナ坩堝等の耐熱容器に入れ、水素ガスを含む窒素ガス及びアルゴンガス等の還元性雰囲気中、1250℃〜1450℃の高温で0.5時間以上、好ましくは1時間以上の焼成時間により作製することができる。特に、原材料の溶融温度未満の高温で焼成したときに蛍光及びりん光両者の発光強度が高い残光性発光体が得られる。また、上記残光性発光体を焼成する際、粒子成長をコントロールする目的でフッ素やホウ素を含む化合物を加えてもよく、本発明の発光輝度の向上等に関する効果又は発光印刷物の作製の妨げにならない範囲内で使用することができる。この場合、焼成温度を粒子成長剤の特性に応じて調整することができる。
なお、還元性雰囲気中で焼成する前に、自然酸化雰囲気中600℃〜1100℃で0.5時間以上焼成する工程を含んでもよいが、この工程を行わなくても本発明の残光性発光体を作製することができる。
(後処理工程)
後処理工程は、作製した残光性発光体を用途に応じて公知の方法で洗浄、粉砕及び分級を行う。残光性発光体を印刷インキとして基材に付与する場合、残光性発光体は、平均粒子径20μm以下とすることが望ましい。ただし、無機発光体の粉砕は、発光強度を低下させるので、印刷方式によって粒子径を調整し、細かくなり過ぎないように注意する必要がある。
図1は、本発明の実施の形態の一例における残光性発光体に対し、励起波長302nmの紫外線を照射したときの蛍光及びりん光スペクトルを示す図である。図1に示すように、本発明の残光性発光体は、蛍光とりん光の発光スペクトルが異なっている。図1(a)に示すように、励起波長302nmにおける蛍光の発光スペクトルの第一のピーク波長は、415nmであり、第二のピーク波長は、628nmである。また、第一のピーク波長と第二のピーク波長間の510nmから550nmの領域には、発光がない波長域を有する。さらに、図1(b)に示すように、りん光のスペクトルのピークは、627nmである。これらは、蛍光とりん光のスペクトルの違いを利用した機械判別に利用できることを示しており、目視上においては、観測される発光色が異なることを示している。なお、本発明の発光体は、母体におけるアルカリ土類金属の種類や組合せを変えることによって、第一のピーク波長を400nmから430nmの波長域内でシフトし、第二のピーク波長を620nmから700nmの波長域内でシフトすることができる。
本発明の残光性発光体は、前述した図1に示したとおり、蛍光スペクトルにおいて、第一のピーク波長と第二のピーク波長の二つの発光ピークの間に発光しない所定の波長域がある。発光しない所定の波長域の幅は、10nm以上、好ましくは30nmである。10nm未満では、波長域の検出が困難となる。このことから、機械検知において、それぞれの波長域における発光出力値の検出を行う場合、バンドパスフィルタにより検知波長域を限定する方法の他に、ロングパスフィルタ及び/又はショートパスフィルタにより切り分けを行ってもよい。残光性発光体の付与面積や付与量の制限のため、高い出力値が得られない場合に感度の改善に有効な方法である。図11は、本発明の残光性発光体におけるスペクトルの波長域の検知例を図示しているが、ロングパスフィルタ及びショートパスフィルタのようなシャープカットフィルタを使用して520〜530nmの間で切り分けて検知することができる。
図2は、本発明の発光体の、励起スペクトルを示す一例図である。図2に示すように、本発明の残光性発光体は、第一のピーク波長と第二のピーク波長の各発光波長における励起光吸収特性が異なっていることから、例えばLED光源のように照射光の波長を限定した励起条件により、異なった発光スペクトルを得ることができる。なお、本発明の残光性発光体の励起スペクトルは、図2に示すように、230nmから380nmの波長であり、この特性を利用した機械判別をすることができる。
本発明の残光性発光体における残光時間(寿命)とその測定方法の一例について説明する。励起光源は、中心波長312nmのLED光源を使用した。発光検知には、シリコンフォトダイオード検出器を使用した。励起光の点灯時間及び消灯時間は、パルスジェネレータで制御し、図3(a)に示すように、照射時間を400ms、その後の停止時間を最大1sとした。図3(b)に示すように、シリコンフォトダイオード検出器を通して電気信号に変換されたシグナルは、AD変換器によりAD変換し、励起光のシグナルが0Vになった時間を0sとし、残光性発光体のシグナルが0Vになった時間(Xs)を残光時間(寿命)とする。なお、視認可能な残光時間は、10ms以上であり、より好ましいのは20ms以上の残光時間を持つことが視認性の観点から有効である。さらに、秘匿性を考慮した場合は、1s以下が好ましい。
(発光インキ組成物)
発光インキ組成物の作製について説明する。作製した残光性発光体を付与する方法に応じて、バインダー及び助剤等と十分に混合し付与に適した特性を持つよう粘度等を調整し、インキ化又はペースト化する。インキ化又はペースト化した組成物を付与する方式によって異なるが、残光性発光体の配合割合は、1〜60重量%程度とすればよい。発光強度と経済性の観点から見ると、10〜40重量%にすることがより望ましい。
発光インキ組成物に使用するバインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、アマニ油、オリーブ油、ヒマシ油及びヒマワリ油等の油脂類、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリアワックス及びモンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、エステルワックス及び低分子量ポリエチレン等の合成ワックス類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロメン酸及びヘベニン酸等の高級脂肪酸類、ステアリルアルコール及びヘベニルアルコール等の高級アルコール類、グルコース、エチレングルコース及びアミロース等の炭化水素類、脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリンアミド及びオレインアミド等のアミド類、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニル系樹脂、石油系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン変性樹脂及びテルビン樹脂等の樹脂類、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム及びクロロプレンゴム等のエラストマー類、アクリレート、メタクリレートのオリゴマー及びモノマーからなる紫外線硬化樹脂、水添石油樹脂、シリコーン、流動パラフィン及びフッ素樹脂等のタッキファイヤー類等を単独又は含有されたものから成るバインダーを使用することができる。
発光インキ組成物は、発光を妨げない範囲で他の色材又は機能性材料を混合してインキ化又はペースト化してもよく、あらかじめ基材上に付与された下地上に重ねて付与してもよい。
発光インキ組成物を基材に印刷又はコーティング等により付与する方式としては、一般に公知の凹版、凸版、オフセット、スクリーン、グラビア及びフレキソ等による印刷もしくはインキジェット印刷又はコーティング等の方式を用いることができ、また、これらの印刷方式の組み合わせにより付与してもよい。このように作製した発光インキ組成物又は塗工組成物を基材に印刷又は塗工したものを真偽判別印刷物とする。
例えば、本発明の発光インキ組成物は、特定の紫外線を照射することにより可視発光するため、当該インキ組成物を使用して第1の画線と第2の画線をそれぞれ異なる角度で配置して背景部と潜像部を形成し、当該印刷物を傾けることにより潜像画像を視認することができる印刷物(例えば、特許第4374446号公報)等に使用し、潜像による偽造防止効果と、特定の紫外線を照射することにより可視発光と残光の有無を目視により判別するか、又は機械読取により判別することができるため、真偽判別性の優れた印刷物を作製することができる。
また、本発明の発光インキ組成物に光輝性顔料を配合した場合は、当該インキを使用して第1の画線と第2の画線をそれぞれ異なる角度で配置して背景部と潜像部を形成し、当該印刷物を傾けることにより任意の階調の潜像画像を視認することができる印刷物(例えば、WO2003/013871号公報)等に使用し、潜像による偽造防止効果と、特定の紫外線を照射することにより可視発光とりん光の有無を目視により判別するか、又は機械読取により判別することができるため、真偽判別性に優れた印刷物を作製することができる。
(真偽判別方法)
作製した真偽判別印刷物の機械判別方法について説明する。単純には、真偽判別印刷物に紫外光を照射し、紫外線照射中の発光の有無及び照射停止後の残光の有無を検知する方法がある。真偽判別印刷物の発光強度に応じて、あらかじめ定めておいた閾値範囲の出力を検知することで判別精度が向上する。残光の検知には、残光検出装置等を使用することができる。残光の有無を検知する方法の例として、特開平8−3785に示されたような切手検出装置で判別を行うこともできる。
本発明の残光性発光体の使用方法として、例えば、郵便切手の自動処理システムにおける蛍光マークとして使用する方法が考えられる。残光を読み取ることで蛍光増白剤と区別することができることは勿論であるが、色相が赤色系であるため、増白剤の発光色である青色とは色相が大きく異なるために切り分けが容易である。さらに、本発明の残光性発光体は、通常機械検知に使用されている残光性発光体の残光寿命より長いため、通常検知が行われている検知タイミング(5〜30ms)よりも遅いタイミングでの検出が可能であり、検出タイミングを遅くするだけでも既存の発光マークと差別化が図られ、真偽判別として利用することができる。
さらに、より精度の高い機械判別方法として、蛍光分光光度計等で蛍光及びりん光のスペクトル測定を行い、真偽判別することもできるが、高価な装置を必要とするとともに、測定に時間がかかる。安価な装置で短時間に精度の高い機械判別をすることができる方法として、例えば、特開2006−266810号公報で提案されている装置で判別することができる。この装置による判別方法は、一つの波長域の励起光を照射し、異なる波長域(λ、λ及びλ)を三つの受光部で、それぞれ励起光照射中(T)及び励起光照射停止後数十msec後(T)に受光し、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ及びTλの発光強度をあらかじめ指定しておいた発光強度値と比較することで判別する方法である。
特に、本発明の残光性発光体は、蛍光スペクトルにおいても可視光域に発光しない所定の波長域を有するため、この領域における任意の波長域のTλを判別に利用することで、さらに精度の高い判別を行うことができる。例えば、図1に示した残光性発光体を例として、ピークの位置のみ検知するとしてλ=415nm、λ=628nmとした場合、検知しない波長域(例えば480〜580nm)に何らかの発光があったとしても、λとλの発光強度が管理値内に入っていれば、真とみなされる可能性がある。ピーク位置に限らず、発光がある部分の検知においては、個体のばらつきや外的な要因で発光取得値が変動するおそれがある。一方、発光がない部分においては、発光があるかないか、0か1かの判定になるため、数値範囲の判別よりも明確な判定が行える。よって、図1に示した残光性発光体の例においては、λ=415nm、λ=628nmの他にλ=520nmを検知波長として設定することで、判別精度が飛躍的に高まる。
図4は、本発明の印刷物の真偽判別方法を示す一例図である。図4に示すように、印刷画像に励起光を照射する照射工程(S1)と、照射工程(S1)による第一のピーク波長域と第二のピーク波長域及び第一のピーク波長域と第二のピーク波長域の間の発光がない波長域における蛍光発光特性を検出する蛍光発光検出工程(S2)と、励起光を停止した場合による第一のピーク波長域と第二のピーク波長域及び第一のピーク波長域と第二のピーク波長域の間の発光がない波長域におけるりん光特性を検出するりん光検出工程(S3)と、蛍光発光検出工程(S2)により検出された蛍光発光特性とりん光検出工程により検出されたりん光特性を、あらかじめ定めた基準値と比較演算して真偽判別を行う判別工程(S4)から成る。
照射工程(S1)は、一例として315nmを中心波長としたLEDにより紫外線を印刷画像に照射する。蛍光発光検出工程(S2)は、受光器としてシリコンフォトダイオード検出器に、シャープカットフィルタ又はバンドパスフィルタを取り付け、第一のピーク波長(λ)、発光がない波長域(λ)及び第二のピーク波長(λ)の波長域における発光出力を三つの受光部で取得する。りん光検出工程(S3)は、シリコンフォトダイオード検出器により、蛍光と同様に照射光停止後、第一のピーク波長(λ)、発光がない波長域(λ)及び第二のピーク波長(λ)における出力電圧を検知する。判別工程(S4)は、蛍光発光検出工程(S2)により検出された蛍光発光特性と、りん光検出工程(S3)により検出されたりん光特性をそれぞれ光電変換により電圧に変換し、あらかじめ定めた基準値と比較演算して真偽判別を行う。一例として、発光がない波長域(λ)には、出力電圧がないことと、りん光特性の出力電圧が、あらかじめ定めた真正なりん光特性の基準値と比較演算して基準値内か否かの双方により判別する。
また、本発明の残光性発光体の特性を利用した、シンプルな装置で高精度に判別することができる他の例として、特許第4673509号に示された装置を使用することができる。該装置は、多分割カラーセンサーにより発光波長の特徴を検出することができることから、本発明の残光性発光体のように発光スペクトルの特徴を活用した残光性発光体の検知に使用可能である。
本発明の残光性発光体は、高精度な機械判別に適した材料であるが、器具を用いて目視で判別することもできるため、その方法を説明する。ハンディ型の紫外線ランプで350nm以下の波長の紫外線を真偽判別印刷物に照射し、蛍光発光を目視によって観察する。このときの照射条件を静的照射条件と称する。次に紫外線ランプを瞬時的に消灯するか、点灯状態で真偽判別印刷物面上を素早く走査するか、又は真偽判別印刷物をランプの照射範囲内外に素早く移動し、蛍光色と異なった色のりん光を目視で確認する。このときの照射条件を動的照射条件と称する。静的照射条件及び動的照射条件で観察される発光色の違いにより真偽判別を行う。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。まず、残光性発光体の製造方法について説明する。
表1に示す配合の原料を正確に秤量し、エタノール溶媒中で十分に混合し乾燥させた。十分に混合した粉体をアルミナ製容器に入れ、還元雰囲気(N+H(4%) )中において、1350℃で3時間焼成した。この反応により得られた焼成物を残光性発光体1とする。残光性発光体1は、モル比で2.95Ba・0.75Mg・Si:0.05Ce・0.25Mnで表される。
Figure 0005881010
残光性発光体1をメノウ乳鉢で粗粉砕し、分光蛍光光度計((株)日立製作所製F−4500)で発光特性を測定した。図5(a)に302nmの紫外光励起時の発光特性における蛍光を、図5(b)にりん光スペクトルを示した。蛍光は、第一のピーク波長として415nm及び第二のピーク波長として628nmに発光ピークを示した。302nmの紫外光励起において、りん光は627nmにピークを示した。目視で観察された蛍光色は、濃い桃色に、りん光色は、赤色に観察された。
残光性発光体1の残光測定を行った。励起光源を中心波長315nmのLED光源とし、照射時間を400msとして残光測定を行った結果、励起光照射停止50ms後も目視による残光の検出が可能であり、残光時間(寿命)は70.2msであった。
残光性発光体1をエタノール溶媒中、ジルコニアビーズとともに140分間振とうかくはんすることにより粉砕した。粉砕後、複数回水洗浄し乾燥後の粉体の粒子径をCILAS粒度分布計1064Lで測定した結果、中央値3.4μmであった。
表2に示す配合の原料を正確に秤量し、エタノール溶媒中で十分に混合し乾燥させた。十分に混合した粉体をアルミナ製容器に入れ、還元雰囲気(N+H(4%) )中において、1350℃で3時間焼成した。この反応により得られた焼成物を残光性発光体2とする。残光性発光体2は、モル比で2.65Ba・0.3Sr・0.75Mg・Si:0.05Ce・0.25Mnで表される。
Figure 0005881010
残光性発光体2をメノウ乳鉢で粗粉砕し、分光蛍光光度計((株)日立製作所製F−4500)で発光特性を測定した。図6(a)に蛍光スペクトルを、図6(b)にりん光スペクトルを示した。蛍光は、第一のピーク波長として412nm及び第二のピーク波長として634nmに強度の高い蛍光発光ピークを示した。りん光は、634nmにピークを示した。目視で観察された蛍光色は、濃い桃色であり、りん光色は、赤色であった。
同様に、化学式:Mx+yMg1−zSi5+x+y;CeMnにおける各値を表3のように変化させた他は、残光性発光体1と同一の条件で、残光性発光体3〜5を作製して発光特性を測定し、実施例1から実施例6までの残光性発光体の特性を表3に示し、各実施例の蛍光及びりん光スペクトルを図7から図10までに示した。表3と図7から図10に示すように、母体におけるアルカリ土類金属の種類や組み合わせを変えることで、ピーク波長をシフトさせることができた。
Figure 0005881010
また、実施例1から実施例6までの残光性発光体における発光しない所定の波長域を測定した結果を表4に示した。表4に示すように、10nm以上の発光しない領域を確認することができた。
Figure 0005881010
次に、本発明の残光性発光体を使用した発光体インキ組成物の調整方法及び真偽判別
印刷物の作製方法について説明する。
(発光インキ組成物)
実施例1の残光性発光体1を使用し、表5に示す配合で発光体グラビアインキ組成物を遊星型ボールミル(フリッチュ社製)で作製した。高濃度インキ作製後、希釈溶媒を外割で30%添加し、印刷に供した。
Figure 0005881010
(真偽判別印刷物の作製と評価)
グラビア印刷方式にて、線数70Line/cmの版面を使用し、べた部分を含む線画状の図柄で蛍光増白されていない上質紙に発光体グラビアインキ組成物を付与した後、インキを乾燥させて真偽判別印刷物を作製した。
次に、本発明の発光体を使用した真偽判別印刷物の認証方法について説明する。
真偽判別印刷物にハンディタイプの紫外線照射装置で365nmの紫外光を照射したところ、発光は観察されなかった。次に、302nmの紫外光を照射したところ、濃い桃色の蛍光を観察した。さらに、302nmの紫外光を照射している紫外線ランプを印刷物上に走査するように動かしたところ、発光体付与部が瞬時に赤色に変化するのを目視で確認した。すなわち、光源の静的及び動的照射状態で発光色が変化することを観察することができた。
真偽判別印刷物を、残光測定装置である発光測定器(株式会社東芝製THM−120)により、赤色測定モードで測定した結果、赤色基準板を100(相対値)に合わせた場合において、10.9(相対値)の残光出力が得られた。なお、同様な条件で一般のりん光印刷物を測定した結果、残光出力は4.1(相対値)であり、良好な輝度を有する残光を生じることを確認することができた。
真偽判別印刷物を特開2006−266810号公報記載の真偽判別装置及び判別方法を利用して判別を行った。図11に示すように、315nmを中心波長としたLEDの励起光を照射し、受光側に、シャープカットフィルタL39及び富士フィルム製バンドパスフィルタBPB-42、BPB-53及びシャープカットフィルタSC-58をそれぞれ挿入し、420nm(λ)、530nm(λ)を中心波長とした波長域及び580nm(λ)以上の波長域における発光出力を三つの受光部で取得した。発光スペクトルにおける発光出力の取得方法を図11に示した。λ、λ、λに対応する蛍光強度の取得値をそれぞれ、V、V、Vとし、りん光強度の取得値をそれぞれ、V、V、Vとした。励起光を400ms照射し、取得タイミングを励起光照射中(T)及び照射停止50ms後(T)としたとき、Tにおいてλ、λ及びλでそれぞれ67.3mV、0mV及び503mVの出力値が得られ、Tではλのみ28.8mVの出力値が得られ、λ及びλでの出力値は0Vであった。
真偽判別印刷物の発光を測定した結果を表6に示した。この結果から、λ、λ及びλの三つの蛍光発光ピークとλの一つのりん光ピークを有する発光体が付与されていることを確認することができた。真偽判別を行うに当たっては、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ及びTλの許容範囲を定め、全ての測定値がその範囲に入ったときに真正と判定する。ここで、Tλ、Tλについては、両方が0であることが必要である。基準値を表6に示したように定めた場合、真偽判別印刷物は、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ及びTλにおいて、全てこの基準を満たしており真正物と判定することができた。
Figure 0005881010
(比較例1)
比較例として、表7に示す配合の原料を正確に秤量し、エタノール溶媒中で十分に混合し乾燥させた。十分に混合した粉体をアルミナ製容器に入れ、還元雰囲気(N+H(4%) )中において、1400℃で2.5時間焼成して比較例1の発光体を作製した。比較例1の発光体は、モル比2.65Ba・0.3Ca・0.8Mg・Si:0.05Eu・0.2Mnで表される化合物を主として含む。
Figure 0005881010
比較例1の発光体をメノウ乳鉢で粗粉砕し、分光蛍光光度計((株)日立製作所製F−4500)で発光特性を測定した。図12(a)に蛍光及び図12(b)にりん光スペクトルを示した。蛍光は、第一のピーク波長として477nm及び第二のピーク波長として624nmにピークを示した。りん光は625nmにピークを示した。
(比較印刷物の作製と評価)
比較例1の発光体を使用し、表8に示す配合で発光グラビアインキ組成物を遊星型ボールミル(フリッチュ社製)で作製した。
Figure 0005881010
グラビア印刷方式にて、線数70Line/cmの版面を使用し、べた部分を含む線画状の図柄で蛍光増白されていない上質紙に比較例1の発光体グラビアインキ組成物を付与した後、インキを乾燥させて比較例1の比較印刷物を作製した。
比較例1の比較印刷物に365nmの紫外光を照射したところ、桃色の蛍光発光が観察され。汎用的な365nmの紫外線ランプによって、発光体が付与されていることが確認された。302nmの紫外光を照射した場合も同様に、桃色の蛍光発光を示した。302nmの紫外光において、動的照射条件で発光を観察したところ、桃色の蛍光発光から赤色のりん光に色相が変化していることを確認することができた。
比較例1の比較印刷物を特開2006−266810号公報記載の真偽判別装置及び判別方法を利用して判別を行った。365nmを中心波長としたLEDの励起光を照射し、受光側に、シャープカットフィルタL39及び富士フィルム製バンドパスフィルタBPB-45、BPB-53及びシャープカットフィルタSC−58を挿入し、450nm(λ)、530nm(λ)及び580nm(λ)を中心波長とした三つの波長域における発光出力を三つの受光部で取得した。発光スペクトルにおける発光出力の取得方法を図12に示した。励起光400msを照射し、取得タイミングを励起光照射中(T)及び照射停止50ms後(T)としたとき、Tにおいてλ、λ及びλでそれぞれ67.6mV、91mV及び200mVの値が得られ、Tでは、λのみ17.5mVの出力値が得られ、λ及びλでの出力値は0Vであった。その結果を表9に示した。
Figure 0005881010
比較例1の比較印刷物は、機械検知において、基準値を表9に示したように定めた場合、Tλ、Tλ、Tλ、Tλ及びTλにおいては基準値をクリアしているものの、出力があってはいけないTλに出力値が現れたことから真正物ではないという判定がなされた。このように、発光のない波長域をもつ本発明の残光性発光体は、真偽判別要素として使用し、検知に利用することで精度の高い、模倣が極めて困難な真偽判別が可能となった。

Claims (3)

  1. 化学式:Mx+yMg1−zSi5+x+y;CeMn(式中のMはCa、Sr及びBaからなる群から選ばれる1種以上、xは1≦x≦3の範囲であり、yは0.01≦y≦1.0の範囲であり、zは、0.01≦z<1.0の範囲である。) で表される残光性発光体であって、
    前記残光性発光体は、230nmから380nmの励起光照射時における発光スペクトルが、400nmから430nmの波長域に第一のピーク波長と、620nmから700nmの波長域に第二のピーク波長を有し、かつ、前記第一のピーク波長と前記第二のピーク波長間に発光がない所定の波長域が存在し、
    620nmから700nmの波長域に、励起光停止後における一つのりん光のスペクトルピークが存在し、前記りん光のピーク波長が、前記第二のピーク波長と同一又は前記第二のピーク波長に数nm近似する波長であり、
    前記残光の励起光停止後における残光時間が、2msから1sであることを特徴とする残光性発光体。

  2. 請求項1記載の残光性発光体にバインダーを混合して成ることを特徴とする発光インキ組成物又は塗工組成物。
  3. 基材上の少なくとも一部に、請求項1記載の残光性発光体を含む発光インキ組成物又は請求項2記載の塗工組成物により形成された印刷画像を有する印刷物の真偽判別方法であって、
    前記印刷画像に励起光を照射する照射工程と、
    前記照射工程による前記第一のピーク波長域と前記第二のピーク波長域間の発光がない所定の波長域における発光特性を検出する蛍光発光検出工程と、
    前記励起光を停止した場合の前記第一のピーク波長域と前記第二のピーク波長域間の発光がない所定の波長域におけるりん光特性を検出するりん光検出工程と、
    前記発光特性に前記発光がない所定の波長域があり、かつ、検出した前記りん光特性をあらかじめ定めた真正なりん光特性と比較して所定の基準値である場合に真正と判定する判別工程から成ることを特徴とする印刷物の真偽判別方法。
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