JP5878089B2 - モニタリング方法およびモニタリング装置 - Google Patents

モニタリング方法およびモニタリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、風車ブレードが風を受けることにより生じるトルクを増速機を介して発電機に伝える風力発電装置のモニタリング技術に関する。
近年の環境意識の高まりを受け、環境に優しいクリーンなエネルギへの需要が高まっている。そのようなクリーン・エネルギを代表するもののひとつに風力発電がある。風力発電では、風の力をトルクに変換し、そのトルクを使用して発電するので、環境への負荷が少ない。
風力発電装置は、風況に応じて最適な制御を行いながら運転・発電を行う。したがって、風力発電装置の増速機に入力される外力は時々刻々変化している。そのような状況においても風力発電装置を安定的に運用するために、増速機に入力される外力や発電機の回転数、出力などをできるだけ正確に把握し、風力発電装置を適切にモニタリングすることが必要となる。例えば特許文献1には、入力トルクの計算値・実測値を基に、それらの分布や累積値から増速機の寿命を予測する技術が開示されている。
特表2011−501172号公報
発電機の回転数は、運転状況の把握等のための重要なパラメータのひとつである。発電機の回転数を直接計測しようとする場合、大抵は回転センサを発電機に取り付けることとなる。しかしながら、そのような回転センサは回転物を検知対象とするので取り付けに危険性を伴い、手間がかかる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、風力発電装置の発電機の回転数をより容易に取得できるモニタリング技術の提供にある。
本発明のある態様はモニタリング方法に関する。このモニタリング方法は、風車ブレードが風を受けることにより生じるトルクを増速機を介して発電機に伝える風力発電装置のモニタリング方法であって、増速機は風力発電装置のナセルに対して相対変位可能に取り付けられており、本方法は、ナセルに対する増速機のケーシングの運動を測定するステップと、運動の測定結果に基づいて発電機の回転数を算出するステップと、を含む。
この態様によると、ナセルに対する増速機のケーシングの運動の測定結果から発電機の回転数が算出される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、風力発電装置のモニタリングにおいて、風力発電装置の発電機の回転数をより容易に取得できる。
実施の形態に係るモニタリング装置によってモニタリングされる風力発電装置の側面図である。 図1のナセルの内部を示す模式図である。 図2の増速機の斜視図である。 図2の増速機の正面図である。 図4に示される増速機の右側の支持機構の斜視図である。 図4に示される増速機の右側の支持機構の側面図である。 図2の制御部の機能および構成を示すブロック図である。 図8(a)、(b)は、図2の増速機の模式的な正面図である。 変位センサによって測定される変位の時系列データを示す図である。 図9に対応する入力トルクの時系列データを示す図である。 変位センサによって測定される変位の時系列データを示す図である。 図11に示される変位の時系列データをFFT分析した結果得られる周波数スペクトルを示す図である。 実施の形態に係るモニタリング装置の機能および構成を示すブロック図である。 図13の異常判定部における異常判定を説明するための模式的なグラフである。 ディスプレイに表示される寿命予測画面の代表画面図である。 ディスプレイに表示される異常通知画面の代表画面図である。 ディスプレイに表示されるステータス表示画面の代表画面図である。 風力発電システムにおける一連の処理の一例を示すフローチャートである。 出力トルクを介して変換則を導く場合の処理の流れを示すフローチャートである。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
実施の形態に係るモニタリング装置は、風車ブレードが風を受けることにより生じるトルクを増速機を介して発電機に伝える風力発電装置をモニタリングする。このモニタリング装置は風力発電装置内に設置されてもよいし、遠隔地に設置されてもよい。風力発電装置の増速機はナセルに設置・固定されておらず、トルクアームによってトルクを受け持つ構造を有する。このような構造の場合、増速機のケーシング(筐体とも称される)の変位や加速度を計測することで、入力シャフト(主軸とも称される)にかかるトルクおよび発電機の回転数を見積もることができる。増速機のケーシングの変位や加速度は入力シャフトにかかるトルクに応じて変わり、またその変化の態様は発電機の回転数を反映するからである。
なお、加速度を計測する多くの場合、計測された加速度を変位に変換して使用する。したがって、加速度、変位に代えてまたは加えて、速度を計測し、計測された速度を変位に変換してもよい。
以下、モニタリング装置によってモニタリングされる風力発電装置の一例を説明し、次にそのような風力発電装置の増速機のケーシングの、ナセルに対する変位と入力トルクとの関係およびその変位と発電機の回転数との関係を説明し、次にそれらの関係に基づき構成される実施の形態に係るモニタリング装置を説明する。
(風力発電装置)
図1は、実施の形態に係るモニタリング装置によってモニタリングされる風力発電装置1の側面図である。風力発電装置1は、基礎6上に立設される支柱2と、支柱2の上端に設置されるナセル3と、該ナセル3に対して回転自在に組付けられたロータヘッド4と、を備える。ロータヘッド4には、複数枚(例えば、3枚)の風車ブレード(風車翼とも称される)5が取り付けられている。ナセル3の内部には発電機(図1では不図示)が設けられている。風力発電装置1は、風車ブレード5が風を受けることにより生じるトルクを発電機で電力に変換する。
図2は、ナセル3の内部を示す模式図である。増速機10は、風車ブレード5から発電機20に至る動力伝達経路上に設けられる。増速機10はナセル3に対して相対変位可能に取り付けられている。ロータヘッド4と増速機10とは入力シャフト12によって機械的に接続されており、入力トルクQinは入力シャフト12の回転の形で増速機10に入力される。入力トルクQinは入力シャフト12にかかるトルクである。
増速機10と発電機20とは出力シャフト14によって機械的に接続されている。増速機10は出力シャフト14を、入力シャフト12を介して入力される入力トルクQinよりも低い出力トルクQoutおよび入力シャフト12の回転数よりも高い回転数で、回転させる。なお、出力シャフト14は入力シャフト12の後段のシャフト、すなわち動力伝達経路において入力シャフト12よりも発電機20側のシャフトである。一例では、出力トルクQoutに増速機10の増速比を掛けた値が、入力トルクQinの値となる。
発電機20は、出力シャフト14の回転を使用して発電する。
増速機10の動力伝達系に作用するトルクは、増速機10の本体を入力シャフト12の周りで回転させようとするトルクを発生させる。したがって、風力発電装置1は、増速機10をナセル3に対して機械的に支持する支持機構100を有し、この支持機構100は上記トルクに耐える、すなわちナセル3からの反力を増速機10に伝達する。
支持機構100は、増速機10を入力シャフト12側から見たときに増速機10の左右にそれぞれ取り付けられている第1アーム110および第2アーム112と、第1アーム110とナセル3との間に直列に設けられた第1ブッシュ102および第1アクチュエータ104と、第2アーム112とナセル3との間に直列に設けられた第2ブッシュ106および第2アクチュエータ108と、を含む。
第1ブッシュ102、第2ブッシュ106はいずれも衝撃吸収のためにゴムなどの比較的剛性の低い弾性材料により形成される。
第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は、入力トルクQinが比較的大きい場合に、協働して入力シャフト12に対する増速機10の姿勢を制御可能に構成される。第1アクチュエータ104、第2アクチュエータ108はいずれも、油圧シリンダ、空気シリンダなどのリニアアクチュエータであってもよい。
変位センサ142は、ナセル3に対する増速機10のケーシングの変位を測定する。変位センサ142は測定結果をモニタリング装置に無線または有線により送信する。変位センサ142は、磁界や光、音波を媒体とした非接触式の変位センサであってもよいし、ダイヤルゲージや差動トランスなどの接触式の変位センサであってもよい。
制御部114は、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108と接続される。制御部114は、モニタリング装置から入力トルクQinの大きさの計算値を取得する。制御部114は、入力トルクQinの大きさの計算値が所定の第1しきい値を上回る場合、入力シャフト12の回転の向きにしたがって増速機10が傾くよう第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108を制御する。
図3は、増速機10の斜視図である。増速機10のケーシングは、入力側ケーシング10aと出力側ケーシング10bとを含む。第1アーム110および第2アーム112は入力側ケーシング10aに取り付けられている。入力シャフト12の回転は、入力側ケーシング10aに収容される歯車等の変速機構により加速され、出力側ケーシング10bに含まれる変速機構に伝達され、図3では不図示の出力シャフト14の回転の形で発電機20に出力される。
入力側ケーシング10aは入力シャフト12を環囲するよう形成される。出力側ケーシング10bは入力側ケーシング10aから半径方向に突出するよう形成される。変位センサ142は、増速機10のケーシングのうち出力シャフト14を収納している部分の変位を測定する。すなわち、変位センサ142は出力側ケーシング10bに取り付けられている。入力側ケーシング10aおよび出力側ケーシング10bには、増速機10の振動の度合いを加速度の大きさとして測定するための複数の加速度センサ(不図示)が取り付けられている。
図4は、増速機10の正面図である。図5は、図4に示される増速機10の右側の支持機構の斜視図である。図6は、図4に示される増速機10の右側の支持機構の側面図である。
増速機10の右側の支持機構について、第1アーム110の一端は増速機10本体に取り付けられ、他端には入力シャフト12に沿った方向(以下、主軸方向と称す)に沿って離間した2つの矩形のリング部110a、110bが設けられている。矩形のリング状の部材である第1ブッシュ保持部116の内周面116a側には、2つの矩形のリング部110a、110bのそれぞれの底辺部分110aa、110baが挿通される。
第1ブッシュ保持部116の内周面116a側において、各底辺部分110aa、110baは、上下2つの第1ブッシュ102によって挟まれている。2つの第1ブッシュ102は第1ブッシュ保持部116の内周面116aに取り付けられている。第1ブッシュ保持部116は合計4つの第1ブッシュ102を保持する。増速機10の左側の支持機構についても同様に、合計4つの第2ブッシュ106を保持する第2ブッシュ保持部118が設けられる。
第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は入力シャフト12に対して実質的に対称となるよう配置されている。第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は、制御部114による制御の結果、互いに逆向きに駆動される。すなわち、第1アクチュエータ104が第1ブッシュ保持部116を鉛直上向きに動かすとき、第2アクチュエータ108は第2ブッシュ保持部118を鉛直下向きに動かす。この場合、増速機10は正面から見て入力シャフト12の周りで反時計回りに傾く。
増速機10がどちら周りに傾くかは入力シャフト12の回転の向きにしたがう。すなわち、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は、入力シャフト12が正面から見て時計回り(反時計回り)に回転する場合は増速機10を時計回り(反時計回り)に傾かせる。
図5および図6を参照すると、第1アクチュエータ104は第1前方アクチュエータ104aと第1後方アクチュエータ104bとを含み、主軸方向に沿って離間した2箇所で第1ブッシュ保持部116を支持する。第1前方アクチュエータ104aは増速機10の正面側で第1ブッシュ保持部116をナセル3に対して支持し、第1後方アクチュエータ104bは増速機10の背面側で第1ブッシュ保持部116をナセル3に対して支持する。第1ブッシュ保持部および第1ブッシュを第1アームの一部と見ると、第1アームの他端は第1アクチュエータ104に取り付けられ、第1アクチュエータ104は入力シャフト12に沿って離間した2箇所で第1アームを支持していると言える。第2アクチュエータ108も同様の構成を有する。
図7は、制御部114の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、マイコンやコンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
制御部114は、算出結果取得部130と、モード選択部134と、傾斜駆動部136と、を含む。
算出結果取得部130は、モニタリング装置から有線または無線により入力トルクQinの算出結果を取得する。
モード選択部134は、算出結果取得部130によって取得された入力トルクQinの算出結果に基づいて、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108の制御モードを選択する。制御モードは、入力トルクQinの突発的な増加に対応する突発トルク用制御モードと、定常運転時の定常トルク用制御モードと、を含む。
特にモード選択部134は、モニタリング装置において算出された入力トルクQinに第1アクチュエータ104や第2アクチュエータ108による寄与分があればそれを除去する。モード選択部134は、そのように処理された入力トルクQinの大きさと、所定のトルクしきい値と、を比較する。モード選択部134は、前者が後者より大きい場合は突発トルク用制御モードを選択し、突発トルク用制御モードを選択しない場合(例えば、後者が前者より大きい場合)は定常トルク用制御モードを選択する。
傾斜駆動部136は、モード選択部134において突発トルク用制御モードが選択された場合、入力シャフト12の回転の向きにしたがうよう(「入力シャフト12の回転の向きと同一方向に増速機10が傾くように」、あるいは「トルクが低減される方向に」と言い換えることもできる)、第1アクチュエータ104、第2アクチュエータ108それぞれの駆動の向きを決定する。例えば、入力シャフト12の回転の向きが増速機10の正面から見て時計回り(反時計回り)の場合、第1アクチュエータ104の駆動の向きを鉛直下向き(鉛直上向き)、第2アクチュエータ108の駆動の向きを鉛直上向き(鉛直下向き)、に決定する。傾斜駆動部136は、各アクチュエータを決定された向きに所定の速さで駆動する。第1アクチュエータ104の駆動の速さは第2アクチュエータ108の駆動の速さと同等に設定される。
各アクチュエータには伸縮量の限界値に基づく伸縮量の上限値が設定されている。傾斜駆動部136は、第1アクチュエータ104の伸縮量および第2アクチュエータ108の伸縮量のうちの少なくとも一方が対応する上限値に達すると、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108を、そのときの伸縮量が維持されるよう制御する。
傾斜駆動部136は、モード選択部134において定常トルク用制御モードが選択された場合、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108を制御しない。すなわち傾斜駆動部136は第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108を無制御状態とする。この無制御状態では、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は、入力シャフト12の周りでの増速機10の本体の回転に対する緩衝作用を有する。例えば、油圧シリンダや空気シリンダは制御されていない状態では外力に対して弾性的に応答する。第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108はこのようなシリンダの弾性を使用して緩衝作用を実現してもよい。
また、突発トルク用制御モードから定常トルク用制御モードに切り替わると、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は平衡位置すなわち伸縮量がゼロの位置に戻ろうとする。
図8(a)、(b)は、増速機10の模式的な正面図である。図8(a)は定常トルク用制御モードすなわち入力トルクQin<トルクしきい値Qthのときの増速機10の状態を示し、図8(b)は突発トルク用制御モードすなわち入力トルクQin≧トルクしきい値Qthのときの増速機10の状態を示す。
定常トルク用制御モードでは第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108はそれぞれ無制御状態にあり、平衡位置で第1アーム110および第2アーム112を支持する。第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108の緩衝作用により、本体トルクQbの変動は和らげられる。言い換えると、無制御状態の第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108は、本体トルクQbに対するローパスフィルタとして作用する。
突発トルク用制御モードでは、入力シャフト12の回転の向きにしたがって増速機10が傾くよう、第1アクチュエータ104および第2アクチュエータ108が駆動される。図8(b)の例では入力シャフト12は時計回りに回転しているので、第1アクチュエータ104は所定の速さで縮み第2アクチュエータ108は同じ速さで伸びる。その結果、増速機10は入力シャフト12を中心として時計回りに傾く。
(ケーシングの変位と入力トルクとの関係)
本発明者は独自の検討により以下の関連性を見出した。
定常トルク用制御モードにおいて、変位センサ142で測定されるケーシングの変位は、測定時の入力トルクQinの大きさを反映した値となる。すなわち、基本的には入力トルクQinが大きくなると測定される変位も大きくなり、入力トルクQinが小さくなると測定される変位も小さくなる。突発トルク用制御モードにおいても、第1アクチュエータ104や第2アクチュエータ108からの寄与分を除くことにより、同様な関連性を導くことができる。以下、説明をより明りょうとするため、入力トルクQinの大きさがトルクしきい値よりも小さい場合について説明する。
図9は、変位センサ142によって測定される変位の時系列データを示す。縦軸および横軸の単位は任意である。図10は、図9に対応する入力トルクQinの時系列データを示す。縦軸の単位は任意であり、横軸は図9の横軸と同じ時刻を示す。
図9および図10に示されるデータは、所定の統計処理が施された統計データであり、例えば10分間平均値をプロットしたものである。統計処理を施す前の生のデータには、変位に関しては高周波成分(例えば、出力シャフト14の回転成分)などの入力トルクQinの成分(すなわち、入力シャフト12側の回転に同期した値)以外の成分も含まれているため、入力トルクQinを算出するためにはそれを除去する必要がある。そこで、平均値とすることで、高周波成分の変動(出力シャフト14の回転数すなわち発電機20の回転数)を除去できる。また、ローパスフィルタなどを通してもよい。入力トルクQinの成分は主として低周波成分として表れる。
図9および図10を参照すると、変位センサ142によって測定される変位と入力トルクQinとには比較的強い相関があることが分かる。
(ケーシングの変位と発電機の回転数との関係)
本発明者は独自の検討により以下の関連性を見出した。
例えば入力トルクQinが略一定と見なせる期間や入力シャフト12の回転の1周期などの比較的短い期間におけるケーシングの変位の変動に注目すると、そのような変位の変動は発電機20の回転数成分を含む。言い換えると、ケーシングの変位の時系列データをFFT(Fast Fourier Transform)分析して周波数スペクトル化すると、発電機20の回転数に相当する周波数に比較的大きなピークが立つ。したがって、ケーシングの変位の周波数スペクトルを求め、ピークが立っている周波数を特定することにより、発電機20の回転数を推定することができる。
図11は、変位センサ142によって測定される変位の時系列データを示す。縦軸および横軸の単位は任意であるが、特に図11は図9の一部を縦軸、横軸共に拡大したデータに対応する。図12は、図11に示される変位の時系列データをFFT分析した結果得られる周波数スペクトルを示す。横軸は周波数を任意の単位で示し、縦軸は周波数成分の大きさを任意の単位で示す。図12のfは発電機20の回転数を示す。図11および図12を参照すると、変位の周波数スペクトルに現れるピークの中心周波数は、発電機20の回転数fとよく一致することが分かる。
このように、ケーシングの変位のレベルは入力トルクQinを反映し、その変位の周波数成分は発電機20の回転数を反映する。
(モニタリング装置)
図13は、実施の形態に係るモニタリング装置300の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、マイコンやコンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
モニタリング装置300は、マウスやキーボードなどの入力装置302およびディスプレイ304と接続される。モニタリング装置300は不図示のインターネットなどのネットワークと接続されていてもよい。
モニタリング装置300は、変位測定結果取得部306と、回転数算出部340と、入力トルク算出部308と、変換則取得部310と、出力算出部342と、ピッチ角推定部344と、風速推定部346と、寿命予測部312と、振動測定結果取得部314と、異常判定部316と、表示制御部318と、変換則保持部320と、を備える。
変位測定結果取得部306は、変位センサ142から変位の測定結果を取得する。
回転数算出部340は、変位測定結果取得部306によって取得された変位の測定結果に基づいて発電機20の回転数を算出する。回転数算出部340は、変位の測定結果にFFTを施すことにより周波数スペクトルを導出する。回転数算出部340は、導出された周波数スペクトルにおいてピークを探索し、発見されたピークの中心周波数を発電機20の回転数として特定する。
変換則保持部320は、変位センサ142によって測定される変位を入力トルクQinに変換するための変換則に関する情報を保持する。例えば変換則が一次式である場合は変換則保持部320はその一次式の切片と傾きとを保持する。変換則が二次以上の式である場合は変換則保持部320は各係数を保持する。
入力トルク算出部308は、変位測定結果取得部306によって取得された変位の測定結果に基づいて入力トルクQinを算出する。入力トルク算出部308は、変位の測定値を、変換則保持部320によって保持される変換則を使用して入力トルクQinに変換する。
なお、入力トルク算出部308は、入力トルクQinに限られず、増速機10の動力伝達系を構成する入力シャフト以外のシャフトを伝達されるトルクを、増速機10に入力されるトルクとして算出してもよい。
変換則取得部310は、変換則を取得し、変換則保持部320に登録する。変換則取得部310は、入力装置302を介してユーザから変換則を取得してもよい。変換則はコンピュータを使用したシミュレーションにより求められてもよい。あるいはまた、代表的な風力発電装置について入力シャフトにトルクセンサを取り付け、変位と入力トルクとの関係を実測し、そのような実測値に基づく変換則を他の同様の風力発電装置に適用してもよい。
あるいはまた、増速機10を支持する支持部材のばね定数と増速機変位と入力シャフト12から変位センサ142までの距離から入力トルクQinを算出してもよい。より具体的には、ばね定数と、増速機変位と、入力シャフト12から変位センサ142までの距離とを掛け合わせることで入力トルクQinを求めてもよい。
出力算出部342は、回転数算出部340によって算出された回転数および入力トルク算出部308によって算出された入力トルクQinに基づいて発電機20の出力(風車出力)を算出する。出力算出部342は、以下の式1にしたがって入力トルクQinから出力トルクQoutを算出する。
Figure 0005878089
ここでηは効率であり、iは増速比である。増速比iは入力シャフト12(低速軸)と出力シャフト14(高速軸)との回転の比であり、以下の式2で規定される。
Figure 0005878089
ここでNinは入力シャフト12の回転数を示し、Noutは出力シャフト14の回転数を示す。
出力算出部342は、算出された出力トルクQoutおよび算出された発電機20の回転数Ngを使用して、以下の式3から発電機20の出力Pを算出する。
Figure 0005878089
なお、出力算出部342は、算出された出力から発電量を算出してもよい。出力の単位は例えば「kW」であり、発電量の単位は例えば「kWh」である。出力トルクQoutと発電機20の回転数Ngからはその瞬間の出力が得られ、その出力「kW」から発電量「kWh」が算出できる。例えば、495kWの風力発電装置(一般的には定格出力495kWと称される)が、1時間発電を行うと、発電量は495kW×1時間=495kWhとなる。定格出力495kWの風力発電装置で設備利用率が30%とすると、1時間でおよそ150kWh(495kW×1時間×30%=148.5kWh)程度の発電量となる。
ピッチ角推定部344は、回転数算出部340によって算出された回転数に基づいて風車ブレード5のピッチ角を推定する。ピッチ角推定部344は、入力トルク算出部308によって算出された入力トルクQinに基づいてピッチ角を推定してもよい。
風速推定部346は、回転数算出部340によって算出された回転数に基づいて風車ブレード5が受ける風の風速を推定する。風速推定部346は、入力トルク算出部308によって算出された入力トルクQinに基づいて風速を推定してもよい。
寿命予測部312は、入力トルク算出部308によって算出された入力トルクQinに基づいて増速機10の部材の寿命を予測する。増速機10の部材は例えば歯車や軸受やシャフトである。寿命予測部312は、入力トルクQinの計算値・実測値を基に、それらの分布や累積値から増速機10の部材の寿命を予測する公知の手法(例えば、特許文献1参照)を使用して構成されてもよい。
振動測定結果取得部314は、増速機10のケーシングに取り付けられている加速度センサから加速度の測定結果を取得する。
異常判定部316は、振動測定結果取得部314によって取得された加速度の測定結果および入力トルク算出部308によって算出された入力トルクQinに基づいて、風力発電装置1に異常が生じているか否かを判定する。異常判定部316はまた、加速度の測定結果および出力算出部342によって算出された出力に基づいて、風力発電装置1に異常が生じているか否かを判定する。
表示制御部318は、寿命予測部312によって予測された各部材の寿命に関する情報や異常判定部316における判定結果をディスプレイ304に表示させる。表示制御部318は、ケーシングの変位の測定結果から導かれる各種パラメータをリアルタイムでディスプレイ304に表示させる。
図14は、異常判定部316における異常判定を説明するための模式的なグラフである。図14のグラフの横軸は入力トルクQinを任意の単位で示し、縦軸は加速度の大きさすなわち振動の度合いを任意の単位で示す。グラフの実線322は、風力発電装置1が正常に動作している場合の、入力トルクQinの変化に対する加速度の大きさの変化の傾向を示す。一般に、入力トルクQinが大きくなるほど振動も強くなる。
異常判定部316は、算出された入力トルクQinと加速度の大きさの測定値との組が実線322の周囲に存在する場合は風力発電装置1が正常に動作していると判定し、実線322から離れている場合は風力発電装置1に異常が生じていると判定する。異常判定部316は、算出された入力トルクQinと加速度の大きさの測定値との組を図14のグラフにプロットしたときの点324と実線322との距離が所定のしきい値を超える場合、風力発電装置1に異常が生じていると判定する。
異常判定部316が加速度および出力に基づいて異常判定を行う際も同様な判定処理が行われる。
図15は、ディスプレイ304に表示される寿命予測画面324の代表画面図である。寿命予測画面324には、寿命予測部312における寿命の予測結果が表示される。寿命予測画面324は、入力トルクQinの頻度の分布が表示されるトルク頻度分布表示領域326と、ある部材についての累積損傷度と時間との関係が表示される累積損傷度−時間グラフ表示領域328と、を有する。累積損傷度−時間グラフ表示領域328に表示されるグラフの実線は実績値を表し、破線は予想値を表す。累積損傷度が1.0に達するときの時間が余寿命である。
図16は、ディスプレイ304に表示される異常通知画面330の代表画面図である。異常判定部316において風力発電装置1に異常が生じていると判定された場合、表示制御部318は異常通知画面330をディスプレイ304に表示させることでユーザに警告する。異常通知画面330は、異常が生じていると判定された風力発電装置を特定する情報を表示する。
図17は、ディスプレイ304に表示されるステータス表示画面350の代表画面図である。ステータス表示画面350には、入力トルク算出部308によって算出された入力トルクQinと、出力算出部342によって算出された出力トルクQoutと、回転数算出部340によって算出された回転数と、出力算出部342によって算出された出力と、ピッチ角推定部344によって推定されたピッチ角と、風速推定部346によって推定された風速と、が表示される。表示制御部318は、ステータス表示画面350をディスプレイ304に表示させることで、ユーザに各種パラメータをリアルタイムで提示する。
以上のように構成されたモニタリング装置300および風力発電装置1を備える風力発電システムの動作を説明する。
図18は、風力発電システムにおける一連の処理の一例を示すフローチャートである。変位センサ142は、ナセル3に対する増速機10のケーシングの変位を測定する(S202)。変位センサ142は変位の測定結果をモニタリング装置300に送信し、モニタリング装置300はその情報を受信する(S204)。モニタリング装置300は、測定された変位に基づき発電機20の回転数を算出する(S206)。モニタリング装置300は、測定された変位を変換則に基づき入力トルクQinに変換する(S208)。モニタリング装置300は、ステップS206において算出された回転数およびステップS208において得られた入力トルクQinに基づき発電機20の出力を算出する(S210)。
本実施の形態に係るモニタリング手法では、変位センサ142によって測定された変位から間接的に発電機20の回転数が算出される。したがって、発電機20自体から回転数の情報を得られない状況においても、その回転数を推測することができる。例えば、発電機20に回転センサを設ける場合よりも簡易かつ廉価に回転数の情報を得ることができる。特に本実施の形態では、比較的高価な回転センサの代わりに比較的廉価な変位センサを使用して発電機20の回転数を概算する。回転センサと比較して変位センサは、回転物を対象としないので設置や取り扱いがより容易であり、安定した長期計測を可能とする。また、変位センサは既存の増速機にもより容易に取り付け可能である。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、変位センサ142によって測定された変位から間接的に入力トルクQinが算出される。したがって、入力シャフト12にトルクセンサを設ける場合よりも簡易かつ廉価に入力トルクQinの情報を得ることができる。特に本実施の形態では、比較的高価なトルクセンサの代わりに比較的廉価な変位センサを使用して入力トルクQinを概算する。トルクセンサと比較して変位センサは、回転物を対象としないので設置や取り扱いがより容易であり、安定した長期計測を可能とする。また、変位センサは既存の増速機にもより容易に取り付け可能である。
一般に、風力発電装置の増速機の入力シャフトの径は比較的大きい。トルクセンサは、測定対象のシャフトの径が大きいほど取り付けがより困難となり、また高価となる。したがって、風力発電装置をモニタリング対象とする場合に、本実施の形態に係る変位によるトルクの代替計測手法を採用するメリットはより大きい。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、算出された発電機20の回転数および算出された入力トルクQinから発電機20の出力が算出される。したがって、発電機20自体から出力の情報を得られない状況においても、その出力を推測することができる。例えば、発電機20に電力計を設ける場合よりも簡易かつ廉価に出力の情報を得ることができる。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、増速機10のケーシングの変位の時系列データから、発電機20の回転数および入力トルクQinの両方が算出される。すなわち、入力トルクQinを算出するための変位センサと発電機20の回転数を算出するための変位センサとは共通化されている。したがって、それぞれの目的のために個々にセンサを設ける必要はないので、コストやデータ量を削減できる。
特にこのような共通化は、ケーシングの変位と入力トルクQinとには相関があり、かつ、ケーシングの変位と発電機20の回転数とにも相関がある、という本発明者独自の気づきにより可能となるものである。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、ピッチ角や風速が推定される。したがって、変位センサ142の測定結果に基づいて風力発電装置1の稼動状態や運転状態や風況を把握することが可能となる。その結果、風況や風力発電装置1の運転状態などから増速機10の状態を適切に把握し、増速機10の故障診断に役立てることができる。
また、回転数や負荷が変動する対象物の故障診断を行う上で、状態を把握し、ある限られた条件で評価することが必要となる。本実施の形態に係るモニタリング手法によると、変位センサ142のデータを使用してそれらを行うことが可能となる。例えば、振動測定結果取得部314によって取得された加速度の測定結果のうち、出力が400kW〜1000kW、発電機20の回転数が1500rpm以上のときのデータのみを採用して異常を判定することが望まれる場合がある。そのようなデータの安定性は比較的高いからである。この場合、異常判定部316は、振動測定結果取得部314によって取得された加速度の測定結果から、出力が400kW〜1000kW、発電機20の回転数が1500rpm以上のときのデータを抽出して異常を判定すればよい。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、変位センサ142は増速機10のケーシングのうち発電機20側の部分に取り付けられる。したがって、そのような変位センサ142によって測定される変位は、発電機20の回転数をよりよく反映する。その結果、変位から算出される発電機20の回転数の精度が向上する。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、全てシミュレーションにより入力トルクQinや発電機20の回転数を算出するのではなく、増速機10のケーシングの変位を実際に測定した上でその測定結果に基づいて入力トルクQinや発電機20の回転数を算出する。したがって、得られる入力トルクQinや発電機20の回転数のデータの信頼性はより高い。
また、本実施の形態に係るモニタリング手法では、モニタリング装置300は、算出された入力トルクQinに基づいて増速機10の各部材の寿命を予測し、ユーザに提示する。したがって、ユーザは、予測された寿命に基づき適切なメンテナンス計画を立てることができる。したがって、風力発電装置1に予期せぬ不具合が生じる可能性を低減し、風力発電装置1の稼働率を高めることができる。また、修繕品のストックを前もって管理でき、発注、倉庫保管等の業務改善を図ることができる。
また、入力トルクQinの算出データを蓄積して利用することで、風力発電装置1が属するウインドファームにおける次期風力発電装置の設計に反映させることができる。すなわち、精度のよいサービスファクタまたは安全率を設定することができる。
同じウインドファームにある風力発電装置でも風力発電装置ごとに風況が異なるので、余寿命も風力発電装置ごとに異なる。そこで、ウインドファームの風力発電装置ごとに本実施の形態に係るモニタリング装置を含む余寿命システムを設置することで、風力発電装置ごとに余寿命を把握することが可能となる。
既設の風力発電装置の増速機の入力シャフトにトルクセンサを取り付ける場合、例えば、シャフトの歪みを測定し、それをテレメータやスリップリングを介して外部に送信するタイプのセンサを取り付けることが考えられる。しかしながら、テレメータは主にバッテリタイプのものが多く、長時間の連続計測には不向きである。誘導電源方式で、非接触で長時間計測するシステムを構築することも考えられるが、比較的高価となり、設置も複雑となりうる。特に設置や調整にノウハウが必要となる。また、周辺の環境の影響や設置状態により必要な電圧が供給できなくなる等の問題が発生する可能性がある。したがって、既設のシャフトにトルクセンサを取り付ける場合、総じて安定した計測が困難となりうる。
これに対して本実施の形態に係るモニタリング手法では、既設の風力発電装置に対して高々変位センサ142を取り付ける程度の変更で、入力トルクQinを取得することができるようになる。したがって、本実施の形態に係るモニタリング手法を採用することにより、既設の風力発電装置に入力トルクの取得手段を設ける際のコストや手間を削減することができる。
以上、実施の形態に係るモニタリング装置300およびモニタリング装置300によってモニタリングされる風力発電装置1について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、変位センサ142によって測定される、ナセル3に対する増速機10のケーシングの変位に基づいて入力トルクQinおよび発電機20の回転数を算出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、増速機10のケーシングの加速度や歪みに基づいて入力トルクQinおよび発電機20の回転数を算出してもよく、より一般的にはナセル3に対する増速機10のケーシングの運動を測定し、その測定結果に基づいて入力トルクQinおよび発電機20の回転数を算出すればよい。あるいはまた、入力トルクQinを算出するための変位センサと発電機20の回転数を算出するための変位センサとを別々に設けてもよい。あるいはまた、発電機20の回転数を増速機10のケーシングの変位から算出する一方、入力トルクQinを算出するために歪みゲージを設けてもよい。
なお、変位センサ142の代わりに加速度センサを設け、その加速度センサの測定結果に基づいて入力トルクQinを算出する場合、振動測定結果取得部は、その加速度センサの測定結果を振動の度合いの測定結果として取得してもよい。すなわち、入力トルクQinを算出するための加速度センサと振動の度合いを測定するための加速度センサとを共通化してもよい。この場合、それぞれの目的のために個々に加速度センサを設ける必要はないので、コストを削減できる。
実施の形態では、変位センサ142は出力側ケーシング10bに取り付けられる場合について説明したが、これに限られない。例えば、変位センサ142は第1アーム110または第2アーム112に取り付けられてもよい。
実施の形態における変換則の導出について、出力シャフト14にトルクセンサを設けて出力トルクQoutを測定し、出力トルクQoutと変位との相関関係から変換則を導いてもよい。
図19は、出力トルクQoutを介して変換則を導く場合の処理の流れを示すフローチャートである。図19に示される処理は変換則取得部310によって自動で行われてもよいし、ユーザにより実行されてもよい。
変位センサ142および出力シャフト14に取り付けられたトルクセンサを使用して、所定の較正期間の間、出力トルクQoutおよび増速機10のケーシングの変位の両方を測定する(S212)。その測定結果から、出力トルクQoutと増速機10のケーシングの変位との相関関係を導出する(S214)。増速機10の増速比などのパラメータやシミュレーション等を使用して、出力トルクQoutと入力トルクQinとの相関関係を取得する(S216)。出力トルクQoutと増速機10のケーシングの変位との相関関係および出力トルクQoutと入力トルクQinとの相関関係に基づいて、変換則を導出する(S218)。
所定の較正期間について、例えば、風力発電装置1の設置後に、所定の長さの較正期間を設けて実施してもよいし、試験用に設置した風力発電装置で計測し、その結果を同機種の風力発電装置1に適用してもよい。
ステップS216について、一例では、入力トルクQinは出力トルクQoutに増速機10の増速比を掛けることにより求められる。
実施の形態では、支持機構100がアクチュエータ104、108を含む場合について説明したが、これに限られず、支持機構はアクチュエータを含まず、ブッシュがナセルに直接設置されてもよい。
実施の形態では、異常判定部316は、算出された入力トルクQinと加速度の大きさの測定値とを使用して風力発電装置1の異常/正常を判定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、加速度の大きさとして最大値や平均値を採用してもよく、あるいはまた、様々な他の特徴量(変動率、突度、歪度、波高率など)を採用してもよい。また、複数の特徴量や複数の加速度計位置、方向などを考慮した判定を行ってもよく、特徴量それぞれで判定してもよく、または総合して評価してもよい。
1 風力発電装置、 2 支柱、 3 ナセル、 4 ロータヘッド、 5 風車ブレード、 6 基礎、 10 増速機、 12 入力シャフト、 14 出力シャフト、 20 発電機、 300 モニタリング装置。

Claims (8)

  1. 風車ブレードが風を受けることにより生じるトルクを増速機を介して発電機に伝える風力発電装置のモニタリング方法であって、前記増速機は前記風力発電装置のナセルに対して相対変位可能に取り付けられており、本方法は、
    前記ナセルに対する前記増速機のケーシングの変位を測定するステップと、
    変位の測定結果に基づいて前記発電機の回転数を算出するステップと、を含むことを特徴とするモニタリング方法。
  2. 前記増速機に入力されるトルクの値を取得するステップと、
    算出された回転数および取得されたトルクの値に基づいて前記発電機の出力を算出するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のモニタリング方法。
  3. 前記増速機のケーシングの加速度を測定するステップと、
    前記加速度の測定結果のうち、前記発電機の出力および回転数が所定範囲に属するときの測定結果を抽出するステップと、
    前記抽出された加速度の測定結果に基づいて、風力発電装置に異常が生じているか否かを判定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のモニタリング方法。
  4. 前記トルクの値を取得するステップは、変位の測定結果に基づいて前記増速機に入力されるトルクを算出するステップを含むことを特徴とする請求項2または3に記載のモニタリング方法。
  5. 算出された回転数に基づいて前記風車ブレードのピッチ角を推定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモニタリング方法。
  6. 算出された回転数に基づいて前記風車ブレードが受ける風の風速を推定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモニタリング方法。
  7. 前記増速機のケーシングは、入力側ケーシングと、出力シャフトを収納している出力側ケーシングと、を含み、
    前記測定するステップは、前記出力側ケーシングの変位を測定するステップを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のモニタリング方法
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のモニタリング方法を実行するモニタリング装置。
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