しかし、特許文献1に記載のテープ封緘システムでは、テープドラムのテープが消費され、テープドラムの交換が必要になった場合に、テープドラムを1つしか配置できないため、消費されたテープドラムを排除した後に、新しいテープドラムをテープ供給装置に配置しなければならない。
さらに、このテープ封緘システムでは、新しいテープドラムの配置後に、テープの始端をテープ案内装置に通す作業(テープの引き回し作業)が必要となる。また、テープ供給装置がテープ封緘装置の背後にあるため、テープの引き回し作業では、作業員がテープ封緘システムの背後に回り込む必要がある。よって、このテープ封緘システムでは、テープドラムの交換作業が迂遠となる問題があった。
特許文献2に記載のテープ封緘システムは、2つのテープドラムが配置されており、かつテープドラムがテープ封緘システムの前方から取り付けられるように構成されている。
しかし、特許文献2ではテープドラムの交換方法について何ら記載されておらず、テープドラムの交換において、テープの引き回し作業は必要と考えられる。特に、テープ案内装置がテープ封緘装置の上方奥に設けられ、このテープ封緘システムでは、テープの引き回し作業がテープ封緘システムの前方からできる構成になっていることから、テープの引き回し作業を容易にすることが考慮されている。
また、このテープ封緘システムのテープドラムは小さく、頻繁にテープの引き回し作業が行われると考えられる。したがって、テープドラムの交換作業の都度、テープの引き回し作業が必要となり、テープの引き回し作業を封緘システムの前方からできたとしても、テープドラムの交換作業が迂遠となる問題があった。
また、このテープ封緘装置は、テープ供給装置とテープ封緘装置が左右方向に並んで配置され、テープ案内装置は、前方から引き回し作業が可能となるように、それらの間を案内するように配置されるため、システムが大型化している問題もある。
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたもので、その目的は、テープ封緘システムのテープドラムの交換を容易にすることにある。
本発明に係る一のテープ封緘システムは、テープにより容器を封緘するテープ封緘装置と、前記テープ封緘装置へ前記テープを供給すべく、前記テープがテープドラムの軸方向にずらして巻かれたテープドラムが配置されるテープ供給装置と、前記テープ供給装置から前記テープ封緘装置へ前記テープを案内するテープ案内装置とを備え、前記テープ案内装置の少なくとも一部は、前記テープ封緘装置の後方に設けられているテープ封緘システムであって、前記テープ供給装置は、前記テープ封緘装置の前方から前記テープドラムを配置可能な少なくとも2つのテープドラム配置部を備えることを前提とする。
本発明に係る一のテープ封緘システムでは、テープ封緘部にテープを供給するテープ供給装置が少なくとも2つのテープ配置部を備えるため、少なくとも2つのテープドラムを同時に配置することができる。したがって、一のテープドラムがテープを供給しているときに、他のテープドラムは交換用の予備のテープドラムとすることができる。
一のテープドラムのテープが消費され、他のテープドラムに交換しようとするとき、このテープ封緘システムでは、一のテープドラムの一のテープの終端と、他のテープドラムの始端とを接続できるため、テープを連続して使用でき、テープドラム交換時にテープの引き回す作業を必要としない。特に、テープ案内装置がテープ封緘装置の後方にある場合にテープの引き回し作業は迂遠であるが、本発明に係るテープ封緘システムによれば、一のテープと他のテープとが接続され、連続してテープ案内装置に案内されることにより、テープの引き回し作業を必要としない。これにより、テープドラムの交換が非常に容易になる。
また、本発明にかかるテープ封緘システムでは、前記少なくとも2つのテープドラム配置部は、隣接しており、また配置される前記テープドラムの軸方向が平行になるように前記テープドラムを配置され、少なくとも一の前記テープドラム配置部は、前記テープドラムを軸方向に移動可能にされていることを特徴とする。
このテープ封緘システムでは、2つのテープドラムが、その軸方向に平行になるように配置され、かつ、少なくとも一のテープドラムが、その軸方向に移動可能にされている。これにより、一のテープドラムのテープの終端と、他のテープドラムのテープの始端との、軸方向の位置合わせを容易にできる。したがって、テープの接続作業が容易になり、ひいてはテープドラムの交換がさらに容易になる。
また、前記少なくとも2つのテープドラム配置部は隣接しており、一方の前記テープドラム配置部は、動力源に接続され、またテープドラムを上方から配置されていてもよい。
このテープ封緘システムでは、動力源に接続された一方のテープドラム配置部に配置された一のテープドラムがテープを供給する。テープドラムの交換において、一のテープドラムのテープの終端と、他のテープドラムのテープの始端が接続され、一のテープドラムが一方のテープドラム配置部から取り除かれ、他のテープドラムが一方のテープドラム配置部に移し替えられる。
このとき、一方のテープドラム配置部は上方からテープドラムを配置できるため、このテープ封緘システムによれば、テープ案内装置に案内されているテープを不用意に引っ張ることがなく、他のテープドラムの移し替えが容易になり、ひいてはテープドラムの交換がさらに容易になる。
また、他方のテープドラム配置部は、動力源に接続されておらず、配置されたテープドラムを、その軸方向に移動可能に配置されていてもよい。
このテープ封緘システムによれば、動力源に接続されていない他方のテープドラム配置部に配置された他のテープドラムは予備のテープドラムになる。他のテープドラムが、その軸方向に移動可能とされているため、他のテープドラムのテープの始端は、軸方向に自由に位置決めできる。
したがって、テープを供給していた一のテープドラムのテープの終端が、軸方向のいずれの位置にあっても、他のテープドラムのテープの始端を位置合わせすることができる。よって、テープの始端と終端の接続作業が容易になり、ひいてはテープドラムの交換がさらに容易になる。
さらに、一のテープの終端に接続する接続構造を始端に備える他のテープが巻かれたテープドラムが前記テープドラム配置部に配置される。
このテープ封緘システムによれば、他のテープが一のテープに接続する接続構造を備えるため、テープの接続作業が容易になり、ひいてはテープの交換が容易になる。
本発明に係る他のテープ封緘システムは、テープにより容器を封緘するテープ封緘装置と、前記テープ封緘装置の上方奥に位置し、前記テープ封緘装置に前記テープを供給すべく、前記テープがテープドラムの軸方向にずらして巻かれた一のテープドラムを前記テープ封緘装置の前方から配置可能な第1のテープドラム配置部と、前記第1のテープドラム配置部に隣接し、前記テープがテープドラムの軸方向にずらして巻かれた他のテープドラムを前記テープ封緘装置の前方から配置可能な第2のテープドラム配置部と、前記一のテープドラムから前記テープ封緘装置までテープを案内するテープ案内装置とを備え、前記第1のテープドラム配置部と第2のテープドラム配置部とは、隣接しており、また配置される前記テープドラムの軸方向が平行になるように前記テープドラムを配置され、少なくとも一の前記テープドラム配置部は、前記テープドラムを軸方向に移動可能にされており、前記一のテープドラムのテープの終端と前記他のテープドラムのテープの始端とが接続される。
本発明に係る他のテープ封緘システムでは、テープ封緘部にテープを供給するための第1のテープドラム配置部と、第2のテープドラム配置部とを備えるため、同時に少なくとも2つのテープドラムを配置することができる。したがって、第1のテープドラム配置部からテープを供給しているときに、第2のテープドラム配置部には、交換用の予備のテープドラムを配置できる。
第1のテープドラム配置部のテープドラムのテープが消費され、第2のテープドラム配置部のテープドラムに交換しようとするとき、一のテープドラムの終端と、他のテープドラムの始端とを接続するため、テープを連続して使用でき、テープドラム交換時にテープの引き回す作業を必要としない。よって、テープの引き回し作業を必要としないため、テープドラムの交換が非常に容易になる。
本発明に係るテープドラムの交換方法は、テープにより容器を封緘するテープ封緘装置と、前記テープ封緘装置へ前記テープを供給すべく、前記テープがテープドラムの軸方向にずらして巻かれたテープドラムが配置されるテープ供給装置とを備え、前記テープ供給装置は、前記テープドラムを配置可能な少なくとも2つのテープドラム配置部を備え、前記少なくとも2つのテープドラム配置部は、隣接しており、また配置される前記テープドラムの軸方向が平行になるように前記テープドラムを配置され、少なくとも一の前記テープドラム配置部は、前記テープドラムを軸方向に移動可能にされているテープ封緘システムを用い、前記少なくとも2つのテープ配置部のそれぞれにテープドラムを配置すること、一のテープ配置部に配置された一のテープドラムの一のテープの終端と、他のテープ配置部に配置された他のテープドラムのテープの始端とを接続することを含む。
本発明に係るテープドラムの交換方法では、テープ封緘システムが、少なくとも2つのテープドラム配置部を備えるため、同時に少なくとも2つのテープドラムを配置することができる。したがって、一方のテープドラム配置部からテープを供給しているときに、他方のテープドラム配置部には、予備のテープドラムを配置できる。
一方のテープドラム配置部のテープドラムのテープが消費され、他方のテープドラム配置部のテープドラムに交換しようとするとき、一のテープドラムのテープの終端と、他のテープドラムのテープの始端とを接続するため、テープを連続して使用でき、テープドラム交換時にテープの引き回す作業を必要としない。よって、テープの引き回し作業を必要としないため、テープドラムの交換が非常に容易になる。
本発明は、テープ封緘システムにおいて、テープドラムの交換を容易にすることができる。
本発明の実施の形態に係るテープ封緘システム及びテープドラムの交換方法について説明する。以下の説明では、鶏卵を充填された卵パックを粘着性のテープにより封緘する封緘システムS、及びテープ封緘システムSのテープドラムの交換方法について説明する。しかし、本発明の実施の形態に係るテープ封緘システムおよびテープドラムの交換方法は、他の容器の封緘に利用されてもよい。
鶏卵は、一般に、その大きさに基づいて選別(等級分け)され、選別された内容に応じて、鶏卵を収容する容器に充填される。このような容器は、卵パックと称される。卵パックPは、一般的に、図1に示すように、合成樹脂シート材料のような薄い透明の樹脂により形成されており、鶏卵が充填される本体と、本体P1に被せられる蓋体P2とを備える。本体P1は、一般に、矩形の平面形状を有し、これに対応して、蓋体P2は、本体P1と略同一の矩形の平面形状を有する。本実施の形態において、2行×5列に10個の鶏卵を充填される卵パックPを例示するが、テープ封緘システムSは、他の卵パックにも利用できる。
卵パックPは、図1〜3に示すように、矩形の本体の一辺と、これに対応する矩形の蓋体の一辺とが一体的に形成された一側P3をヒンジ部としている。卵パックPは、このヒンジ部を軸にして、本体P1に対して蓋体P2が開閉可能となっている。テープ封緘システムSは、卵パックPのヒンジ部と反対の一側P4、すなわち蓋体P2の開閉における自由端となる側をテープにより封緘する。
テープTは、長手方向に沿って、略半分に折り曲げられ、本体の一辺と蓋体の一辺とを挟み込むように封緘する。テープTは卵パックPの一側P4の両端からはみ出すように貼付され、そのはみ出した部分を引っ張ることにより、テープが卵パックから剥がされ、卵パックの封緘が解かれる。
また、卵パックPの本体P1は、鶏卵が充填される複数の卵座P5を有する(図1参照)。卵座P5に充填された鶏卵は、水平方向に安定して卵座P5に保持される。また、合成樹脂により形成された卵パックPは、柔軟性を有し、充填された鶏卵への衝撃を緩和できる。本体P1に蓋体P2が被せられることにより(図3参照)、鶏卵は本体P1及び蓋体P2に挟まれ、垂直方向にも安定して保持される。なお、図3に示す卵パックPは、表示用のラベルLが封入されている。
テープ封緘システムSは、図7〜図10に示すように、卵パックPを封緘するテープ封緘装置100と、テープ封緘装置100にテープを供給するテープ供給装置200と、テープ供給装置200からテープ封緘装置へテープを案内するテープ案内装置300とを含む。テープ供給装置200は、卵パックを封緘するテープTの巻かれたテープドラムDが配置される少なくとも2つのテープドラム配置部210を備える。
テープドラム配置部210に配置されるテープドラムDは、図4に示すように、円環状の筒状芯体D10に長尺の粘着性のテープTをドラム巻に巻かれている。たとえば、幅寸法が約15mmで、長さ寸法が10,000mのテープをドラム巻きにし、ドラム直径が約350mm、横幅(円環の軸方向の長さ)が約50mm、重さが約8〜10Kgといったテープドラムがある(特開2010−179936号公報参照)。テープドラムは、種々の重さのものがあるが、鶏卵のテープ封緘システムにおいては、主に約5〜20kgのテープドラムが多く利用される。
テープドラムDのテープTは、図5及び図6に示すように、基材層T10と基材層の一方の面に設けられた粘着層T20とを有し、粘着層T20が内側になるように巻かれている。テープTは筒状芯体D10に多層に巻かれるため、テープTの基材層T10の外側に重ねられる粘着層T20は、テープドラムDのテープの送出が円滑となるように基材層T10から容易に剥脱できる材料を選択される。また、筒状芯体D10に巻かれたテープTの始端T30には、他のテープTに接続するための接続構造T50が設けられている。
接続構造T50は、図5に示すように、テープTの始端T40に接続テープが接着されることにより形成されている。接続テープT52は、テープTと同一の幅寸法を有し、テープTと幅方向の位置を一致させた状態でテープTに接着されている。
接続テープT52は、図6に示すように、基材層T52aと、基材層T52aの一方の面に設けられた接着層T52bと、他方の面に設けられた粘着層T52cとを備え、いわゆる両面テープと同様の構造となる。接続テープT52は、接着層T52bをテープTの粘着層T20に接着されており、テープTに貼り付けられた貼付部T52Aと、テープTの始端T30から延在する延在部T52Bとを有する。
接続部T50は、粘着層T52cの全面を覆う剥離材T54と、延在部T52Bの接着層52bを覆う剥離材T56を備える。剥離材T54,T56は、作業者の作業により各層T52b,T52cから容易に剥離可能にされている。剥離材T54,T56とが各層T52b,T52cを覆うことにより、接続テープT52の粘着層T52cの粘着力又は延在部T52Bの接着層T52bの接着力の低下又は異物の付着を防止することができる。図5及び図6において、テープT、接続テープT52及び剥離材T54,T56は、それぞれ厚さ寸法を実際の厚さと異なる状態で強調して図示されている。
接続構造を用いて一のテープの終端と他のテープの終端とを接続することにより、接続構造が両面テープと同様の構造であることから、一のテープと他のテープの粘着面が連続し、かつ両テープの接続が強固になる。
本発明の実施の形態に係るテープ封緘システムSのテープ封緘装置100は、従来よく知られたテープ封緘システム(たとえば、特開昭62−235002号公報、特開2010−179936号公報、特開2010−36957号公報等参照)と同様に、卵パックPの一側にテープTを貼付し、卵パックPを封緘する。すなわち、テープ封緘装置100は、テープドラムDから供給されたテープTを卵パックPの一側に貼付する。
テープ封緘装置100は、図7に示すように、略T字状の本体110を備える。T字の鉛直部分112は、主に、テープ封緘装置100を支持する脚114、脚114が固定的に連結されたフレーム116、フレーム116に結合された制御ボックス118からなる。T字の水平部分120は、主に、図7の左右方向に延びるコンベアからなる。コンベアは、フレーム116に支持され、卵パックPを搬送する。コンベアは、従来よく知られたベルトコンベアであり、図の右から左(矢印aの方向)に卵パックを搬送する。さらに、テープ封緘装置100は、コンベアにより搬送される卵パックPにテープTを貼付するテープ貼付機構130を備える。
テープ貼付機構130は、コンベアで搬送される卵パックPの蓋体P2を本体P1に被せるように閉じる閉ガイド(図示しない)と、卵パックPが閉じられた状態を、卵パックの一側を上下から挟み込むことで維持する挟ガイド132と、蓋体P2が閉じられた状態で搬送される卵パックPを上下方向から押圧しながらテープTを貼付する一対の押圧ローラ134とを備える。
前記閉ガイドは、従来よく知られるように、狭ガイド132の上流側(図7の右側)に針金のような棒状部材を湾曲させて設けられ、卵パックPが搬送されることにより、蓋体P2が開いた状態で搬送される卵パックPの蓋体P2を閉じるように、蓋体P2の姿勢を変更する。狭ガイド132は、押圧ローラ134の上流に上下方向に間隔をおいた一対の板状部材として設けられている。
一対の板状部材の間隔は、下流程小さくなっており、押圧ローラに卵パックが到達するときに、自由端側の一側P4において、本体P1と蓋体P2とを閉合するように形成されている。すなわち、狭ガイド132は、卵パックPの一側P4が閉じられ、本体P1と蓋体P2の一側P4をテープTで貼付できる程度に近接した状態とし、その状態を押圧ローラ134まで維持する。
一対の押圧ローラ134は、各ローラRが上下方向に間隙をおいて配置され、テープTの貼付の際には、間隙が閉じられる。狭ガイド132で密着された卵パックPの一側P4が、その閉じられた間隙を通過する。卵パックが間隙を通過するとき、テープTが卵パックPの一側を挟み込むように2つに折り曲げられて供給されており、テープTが卵パックPの一側に上下から押圧された状態で、卵パックPが押圧ローラ134を通過する。このとき、テープTを押圧した状態でローラRが回転し、卵パックPの一側P4にテープが貼付される。
テープTは、卵パックPに貼付され際に、卵パックPの搬送方向(矢印aの方向)に引っ張られる。テープTの貼付において、テープTの皺や貼付ミスを防止するべく、後述するように、テープには適切な張力が付与される。
テープ封緘装置110は、テープ供給装置200から供給されたテープTを貼付することにより卵パックPを封緘できれば、他の構造、機構であってもよい。すなわち、テープの貼付は、様々な方法で実現できる(たとえば、たとえば、特開昭62−235002号公報、特開2010−179936号公報、特開2010−36957号公報等参照)。
テープ封緘装置100の制御ボックス118は、その内部にテープ封緘システムSを制御する制御部(制御基板)が備え付けられており、テープ封緘装置100の前方から開閉又は、制御部の操作ができるように配置されている。したがって、作業員は、前方からテープ封緘システムSの動作確認、主電源のON/OFFの切換等をすることができる。また、テープ封緘装置100の前方にあたる、コンベアの側部には、コンベアの起動スイッチが設けられており、作業員は、前方からスイッチをON/OFFする。さらに、卵パックPの搬送路の各種ガイドの調整等を含むその他の作業も、一般的に、テープ封緘システムSの前方、すなわち制御ボックス側から行われる。
テープ供給装置200は、図7〜10に示すように、テープ封緘装置100の上方奥に設けられており、テープ案内装置300を介してテープ封緘装置100の一対の押圧ローラ134にテープTを供給する。テープ供給装置200は、左右方向において、テープ封緘装置100のコンベアの延在する範囲内に設けられている。テープ供給装置200は、テープドラムDが配置される2つのテープドラム配置部210を備える。本実施の形態において、2つのテープドラム配置部210は、左右方向に並んで設けられている。
図7において右側に位置するテープドラム配置部(一方のテープドラム配置部)210Aは、動力源(図示しない)に接続されており、配置されたテープドラムDを回転させる。テープドラム配置部210の動力の接続は、種々の手段で行うことができる。動力源がテープドラムDを自動で回転させることにより、テープが送出される。前記動力源は、テープ封緘装置100の制御ボックス内に設けられた前記制御部により制御される。図示の例では、一方のテープドラム配置部210Aは、テープTがほとんど消費されて、直径の小さくなったテープドラムD1を配置されている。
また、一方のテープドラム配置部210Aは、円柱状で前後方向に延びて、左右方向に間隔をおいた2本のローラR1,R2を備える。円筒状のテープドラムDが、筒状芯体D10の軸方向をローラR1,R2に揃えて上方から2本のローラR1,R2の間におかれることで、テープドラムDがテープドラム配置部210Aに配置される。したがって、2本のローラR1,R2は、テープドラムDの筒状芯体D10を支持できる程度の間隔で配置されている。
2本のローラR1,R2の少なくとも一方は、前記動力源に接続されており、ローラR1,R2の側周方向に回転可能である。一方のテープドラム配置部210Aでは、2本のローラR1,R2の少なくとも一方が回転することにより、テープドラムDも回転し、テープTが引っ張られながら送出される。
一方のテープドラム配置部210Aに対して、図7における左側に位置するテープドラム配置部(他方のテープドラム配置部)210Bは、動力源に接続されておらず、テープTを自動で送出できない。図示の例では、一方のテープドラム配置部210Bは、テープのほとんどが使用されておらず、直径の大きいテープドラムD2を配置されている。
他方のテープドラム配置部210Bは、一方のテープドラム配置部210AのローラR1,R2と平行に設けられた2本の円柱部材Cを含む。テープドラムD2は、筒状芯体D10の軸を円柱部材Cの延在方向に合わせて、上方から2本の円柱部材Cの間におかれる。すなわち、2本の円柱部材Cは、間におかれたテープドラムDを下方から支持する。2本の円柱部材Cは、回転不能に設けられているが、テープドラムDと円柱部材Cの摩擦を小さくすることにより、作業員が他方のテープドラム配置部210Bに配置されたテープドラムDをテープドラムDの周方向に回転させることができる。
2本の円柱部材Cは、テープドラムDが複数配置できる程度に延在している。図示の例では、2本の円柱部材Cは、ローラR1,R2に対して前後方向に略3倍の寸法を有する。これにより、1つのテープドラムDは、他方のテープドラム配置部210Bにおいて、前後方向に自在に移動できる。また、複数のテープドラムDを他のテープドラム配置部200Bに前後方向に並べて配置することもできる。したがって、本実施の形態に係るテープ封緘システムは、3つ以上のテープドラムDを同時に配置することもできる。
テープドラム配置部210は、テープドラムを配置できれば、他の構成であってもよい。たとえば、従来よく知られるように、テープドラムの円環状の筒状芯体に対応して、円環状の軸部材を設け、テープドラムの筒状芯体を嵌め込むことによりテープドラムを配置してもよい(たとえば、特開2010−179936号公報参照)。この場合は、軸部材を回転させることにより、テープドラムを回転させることができる。
また、2つのテープドラム配置部210は、左右方向に並んで隣接している。したがって、他方のテープドラム配置部210Bに配置されたテープドラムを一方のテープドラム配置部210Aに移動することができる。しかし、他のテープドラム配置部210Bから一方のテープドラム配置部210Aにテープドラムを移動できれば、テープドラム配置部は、左右方向以外の関係で、たとえば上下方向に並んでいてもよい。また、テープドラム配置部210は、テープを送出、すなわち供給できれば、他の構造であってもよい。
テープ供給装置200は、さらに、一方のテープドラム配置部210Aに配置されたテープドラムD1のテープTの終端と、他方のテープドラム配置部210Bに配置されたテープドラムD2のテープTの先端とを接続するテープ接続部250を備えていてもよい。テープ接続部250は、図11に示すように、一のテープTの終端を配置する第1の部位252と、第1の部位252に配置されたテープを固定する第1の固定部位254と、他のテープTの始端を配置する第2の部位256と、第2の部位256に配置されたテープを固定する第2の固定部位258とを備える。
第1及び第2の部位252,256は、それぞれ、テープTを幅方向に規定する溝を備え、この溝に沿ってテープの先端及び終端が配置される。溝部に規定されたテープTは、重ね合わされて、幅方向の位置が同一になるように接続される。これにより、一のテープTと他のテープTを一体的なテープとして使用できる。テープ接続部250は、たとえば、2つのテープドラム配置部210の間に設けられる。
本実施の形態に係るテープ封緘システムSのテープ供給装置200において、テープドラムDが2本のローラR1,R2に支持された状態で、テープTが送出される。したがって、テープ封緘システムSは、特開昭62−235002号公報に記載のテープ封緘システム(パックシール機)のように、テープドラムDの筒状芯体D10を軸に通す必要がない。よって、テープドラムDの筒状芯体D10の大きさを任意に変更でき、又はテープドラムの筒状芯体を円環にしなくてもよい。したがって、本発明の実施の形態に係るテープ封緘システムSに用いるテープドラムDは、テープTを供給できれば、ドラム状に形成されていなくてもよい。
また、テープドラムDを軸に通すことなくテープ供給装置200に配置できるテープ封緘システムSでは、テープドラムDの筒状芯体を軸部材に挿抜する必要がないため、テープドラムDを前後方向に移動させることなく、テープドラムDをテープドラム配置部210に配置することができる。したがって、本実施の形態にかかるテープドラム配置部では、テープがテープ案内装置に案内された状態のテープドラムであっても容易に配置できる。
テープ案内装置300は、図7〜図10に示すように、テープドラム配置部210に配置されたテープドラムDのテープTからテープ封緘装置100の押圧ローラ134までテープTを案内する。
テープ案内装置300は、テープの送出速度を調整するためのダンサーユニット310と、テープの送出方向を変更する第1の支軸320と、テープの姿勢を水平方向から垂直方向に反転させる反転ローラ(図示しない)と、テープを2つの折り曲げるためのV字折曲具340とを備える。テープ供給装置200から送出されたテープTは、ダンサーユニット310を介して第1の支軸320に導かれ、第1の支軸から反転ローラ330により姿勢を変更され、V字折曲具340に導かれ、V字折曲具で長手方向に沿って2つに折り曲げられて押圧ローラ134に供給される。
ダンサーユニットは、図10に示すように、L字状に形成されたL字部材312と、L字部材312を支持する支持部材314と、支持部材314の内部に設けられた制御機構(図示しない)とを備える。L字部材312は、図12に示すように、テープ封緘システムSの後方から見て上下−左右の平面で回転可能に支持部材314に支持されている。前記制御機構は、L字部材312の回転位置を検出でき、またテープ封緘装置100の前記制御部に接続されている。
テープ封緘装置100で卵パックPの一側P4にテープTが貼付されるときに、L字部材312はテープTの張力により回転する。これにより、卵パックPにテープTが貼られていることを、ダンサーユニット312の前記制御機構が検出し、テープ封緘システムSの前記制御部に知らせる。テープ封緘システムの前記制御部は、卵パックPにテープが貼られている間、一方のテープドラム配置部210Aの前記動力源の速度を調整し、テープドラムDを回転させて、テープTを供給する。すなわち、ダンサーユニット310は、テープの張力が適切になるように機能する。
たとえば、卵パックPへのテープTの貼付に応じて、L字部材312は、図12に示すように、bの位置からcの位置まで回転する。その後、次の卵パックPへのテープTの貼付に備えて、L字部材312は再びbの位置まで戻る。卵パックPが順次封緘されるにしたがい、L字部材312の回転動作が繰り返される。
ダンサーユニット310は、L字部材312の回転部位312aが長い程、正確な回転位置、すなわち卵パックPのテープの貼り付けに関する情報を検出できる。したがって、L字部材312の回転部位312aは、ある程度の長さ寸法を確保された方がよい。本実施の形態におけるテープ封緘システムSは、ダンサーユニット310を後方に配置することにより、ダンサーユニット310の大きさを確保している。ダンサーユニットは、他の構造であってもよい。また、ダンサーユニットは、テープの供給速度ではなく、張力を制御するようにしてもよい。この場合もダンサーユニットは、寸法の大きい方が張力制御を確実にすることができる。
テープ案内装置300の第1の支軸320は、前後方向に延びる棒状部材である。本実施の形態において、第1の支軸320はテープ封緘装置100のフレーム116に固定して設けられている。反転ローラ330は、幅方向を水平方向に沿わせて送出されるテープTに対して、幅方向を垂直方向に沿わせるようにテープTの姿勢を反転させる。また、テープTの送出方向を水平面内で略90度回転させる。
V字折曲具340は、従来よくしられたV字の溝が形成された部材である(たとえば、特開2010−36957号公報参照)。テープTは、V字の溝に沿ってテープが送出されることでV字状に2つに折り曲げられる。V字状に折り曲げられたテープTは押圧ローラ134に送出され、卵パックPの一側P4を挟むように貼付される。
本実施の形態において、ダンサーユニット310、第1の支軸320、反転部材330は、テープ封緘装置100の背後に設けられており、テープTは、テープ封緘装置100の後方を通って一対の押圧ローラ134に供給される。テープTは、押圧ローラ134の直前でV字折曲具340により2つに折曲げられ、卵パックPの一側P4を挟み込むように貼付される。テープ案内装置300は、テープ封緘装置100が卵パックPを封緘するようにテープを案内できれば、他の構成であってもよい。
次に、本発明の実施の形態に係るテープドラムの交換方法について、先に説明したテープ封緘システムSを用いて説明する。しかし、テープドラムの交換方法は、他の封緘システムにより行われてもよい。
テープ封緘システムSは、一方のテープドラム配置部210AにテープドラムDが配置された状態でテープがテープ封緘装置100に送出され、卵パックPの一側P4にテープTが自動で貼付される。また、テープ封緘システムSの動作に関わりなく、作業員により他方のテープドラム配置部210BにテープドラムDが配置される。テープドラムDは、テープ封緘装置100の前方(図7の紙面方向)に位置する作業員により、一方のテープドラム配置部210Aの2本のローラR1,R2の間に上方から配置され、またテープ封緘装置100の前方に位置する作業員により、2本の円柱部材Cの間に上方から配置される。これにより、2つのテープドラム配置部210のそれぞれにテープドラムDが配置される。
次いで、一方のテープドラム配置部210Aに配置されたテープドラムDが終端に近づくと、テープ封緘システムSが警報を鳴らす。警報は、光学センサによりテープドラムDのテープTの巻数を検知させ、巻数が少なくなった場合に鳴るように構成される。
警報を聞いた作業者は、テープ封緘システムSを停止させる。このとき、作業員は、テープ封緘システムSの前方に設けられた制御ボックス118又は起動スイッチ136を操作すべく、テープ封緘システムSの前方に位置する。テープ封緘システムSを停止させた後、作業員は、一方のテープドラム配置部210Aに配置されたテープドラムDのテープ(一のテープ)Tを切断し、テープドラムDの筒状芯体D10から分離させる。この切断部分が一のテープTの終端となる。
次いで、この一のテープの終端と、他方のテープドラム配置部210Bに配置されたテープドラムDのテープ(他のテープ)Tの始端が接続される。テープTの接続は、テープ接続部250を用いて行われる。一のテープTの終端と他のテープTの始端との接続は、他のテープTの始端T30に設けられた接続構造T50を用いて行われる。テープ接続部は、テープの終端と始端を接続できれば、他の構造であってもよい。また、テープは、接続構造を設けず、一方のテープの粘着面を他方のテープの粘着面に接続してもよい。
テープTが接続された後、一方のテープドラム配置部210Aに置かれたテープドラムDが除去される。その後、他方のテープドラム配置部210Bに配置されたテープドラムDが一方のテープドラム配置部210Aに移し替えられる。この状態で再びテープ封緘システムSが起動される。このとき、テープの張力等を調整する作業が必要となる場合がある。この作業も作業員がテープ封緘システムSの前方から行われる。
テープ封緘システムSが起動されると、テープ供給装置200からテープ封緘装置100の押圧ローラ134にテープTが供給される。一のテープTの終端と他のテープTの始端が接続されているため、1つの連続したテープTとして、テープTがテープ案内装置300を介して押圧ローラ134まで導かれる。したがって、作業員は、他のテープTを押圧ローラ134まで導く作業、すなわちテープの引き回し作業をする必要がない。よって、本実施の形態に係るテープ封緘システムSでは、テープドラムDの交換において、テープ案内装置300の一部がテープ封緘装置100の後方にあっても、作業員はテープ封緘システムの後方に回り込む必要がなく、テープの交換作業が非常に容易になる。
テープ封緘装置100のコンベアは、卵パックPの搬送される上流に鶏卵選別装置(たとえば、特開2011−156518号公報参照)に接続され、また下流側に封緘された卵パックを搬送する他のコンベアに接続されることがある。コンベアが鶏卵選別装置や他のコンベアに接続されると、コンベアの前方にいる作業員がコンベアの後方に作業員が回り込むことが迂遠になる。しかし、本発明の実施の形態に係るテープ封緘システムでは、テープドラムの交換作業においてテープ封緘システムの後方に回り込む必要がないため、テープ封緘システムが他の装置等に接続されていても、テープドラム交換作業に支障を来さない。
本実施の形態に係るテープ供給装置200は、2つのテープドラム配置部210を備えるが、テープドラム配置部は3つ以上であってもよい。また、一方のテープドラム配置部210Aは動力に接続されており、他方のテープドラム配置部210Bは動力に接続されていない。しかし、いずれのテープドラム配置部は動力に接続され、自動でテープを送出できてもよい。
一方又は他方のテープドラム配置部210A,210Bは、テープドラムDの軸方向(筒状芯体の軸方向)に平行に移動可能である。これにより、一のテープTの終端と他のテープTの終端とを軸方向の同じ位置におき、テープTを接続できる。これにより、一のテープTと他のテープTとを一本のテープとして使用できるように、幅方向の位置を調整できる。
一方又は他方のテープドラム配置部210A,210Bは、上方からテープドラムDを配置できる。これにより、1つのテープドラムDのテープTがテープ案内装置300に案内された状態で、該テープドラムをテープドラム配置部210に配置できる。
上記の説明において、鶏卵を充填される卵パックの封緘について説明した。しかし、本発明の実施の形態に係るテープ封緘システム及びこれに用いるテープドラムの交換方法は、他の容器の封緘に利用されてもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。