JP5876578B2 - 航空機搭乗員の更衣室 - Google Patents

Description

この出願は、２０１１年９月１３日に出願された米国仮出願第６１／５３４，１８１号、および米国特許出願第１３／６０６，７４０号の優先権を要求し、その全体が参照により援用される。

多数の乗客を運ぶ旅客機の大半は、客室乗務員が乗客用の食品や飲料の調理に使用する「ギャレー」として知られる構造を備えている。ギャレーは、オーブンや冷蔵庫、ならびに食料貯蔵庫や調理設備などの、食品調理用の設備を備えている。食品および飲料の調理および提供に使用される、飲料メーカー、ごみ圧縮機、または他の種類の電気器具があってもよい。ギャレーは通常、ソーダや水が詰められ、飛行中の飲み物サービスの間に車輪で運ばれる飲料用カートを収納するのに十分な大きさである。乗客への提供中に食事を保温するために、他のカートも使用することができる。大洋横断飛行を行う大型航空機では、ギャレーの上方に搭乗員の休憩エリアが設けられていることが多い。

飛行中に、ギャレー／休憩エリアは、乱気流によっておよび通常の飛行中にも動くことがある。ギャレーおよび搭乗員休憩エリアの重量により隣接構造に損傷を与えるおそれがあるので、この移動のために、他の構造をギャレーに強固に取り付けることができない。そのため、ギャレーは通常、航空機の構造内でスタンドアロンの構造、すなわち「モニュメント（monument）」である。多くの航空機では、ギャレーに隣接して、追加のカート等を収納する空間を提供する収納コンソールがある。このコンソールおよびギャレーは、両者の間に１〜１．５ｍの隙間がある、二つの重く自由な起立したモニュメントとなっている。

航空機の空間、特に床面積は非常に重要であるので、様々な目的でこの隙間を利用する試みがなされてきた。このような目的の一つは、収納コンソールとギャレーの間の場所を、客室乗務員や搭乗員が服を着替えたりするなどのわずかなプライバシーを持つことができる搭乗員更衣室として使用することである。この目的のために、揺動可能でありギャレーに取り付けられるドアがコンソールに設けられ、ギャレーとコンソールの間に搭乗員更衣室として機能する四辺の「部屋」を構築する。

コンソールとギャレーの間に搭乗員休憩室を形成することの困難さおよび挑戦は、二つの側面がある。第１に、飛行時のギャレーの移動が、ドアと接合部に顕著な応力を生じさせるので、二つのモニュメントの間を強固に取り付けると問題が生じる点である。強固な接続は移動時のギャレーの慣性に適していないので、多くの場合ドアの破壊につながる。しかしながら、強固に接続しないと、ドアが予期せず開くことがあり、これは更衣室にとっては問題である。第２の問題は、隙間や視線がないようにして室内にいる人にプライバシーを提供する一方、外側からドアを開くという緊急時の対応策を提供する、信頼性の高い固定手段を考え出すことである。本発明は、これらの問題の両方に対処する。

本発明は、折り畳みおよび展開が可能な特別のドアと特殊な掛止手段とを利用して、航空機ギャレーとコンソールの間、または任意の二つのモニュメントの間に形成される航空機搭乗員の休憩室である。

ドアが開いた状態の本発明の更衣室の上方斜視図である。 ドアが閉じた状態の本発明の更衣室の上方斜視図である。 更衣室を見せるように離れて位置するコンソールとギャレーの側面図である。 ドアが閉じた状態のコンソールとギャレーの側面図である。 ドアが開いた位置および閉じた位置を示す更衣室の平面図である。 更衣室の内部を示す図である。 ギャレーの縁と結合するドアの上面図である。 掛止機構の拡大図である。 図８のドア掛止機構の反対側の図である。

図１および２は、ギャレー２０および他の航空機モニュメントとともに使用可能である折り畳み式搭乗員更衣室構造１０を示す。図１および２の例では、更衣室構造１０は、収納などに使用できるコンソール３０とギャレー２０との間に設けられる。他のモニュメントは、本発明のためのアンカーまたは遮蔽として機能する。折り畳み式搭乗員更衣室構造１０は、コンソール３０に固定される基礎壁４０を備える。基礎壁４０の高さは、搭乗員更衣室を部外者がのぞき込むのを防止するために、５〜６フィート以上であることが好ましく、基礎壁４０の幅は、コンソール３０とほぼ同一であってもよい。基礎壁４０は、上端、下端、第１側端および第２側端を有している。各側端に沿って、少なくとも一つのヒンジ４６、好ましくは連続ヒンジ（piano hinge）があり、基礎壁４０を側壁４２ａ、ｂにそれぞれ接続している。側壁は、基礎壁４０の周りに円弧状に約０°から約１６０°以上まで揺動するように、ヒンジ４６に接続されている。各側壁４２ａ、４２ｂは、好ましくは基礎壁４０と同一の高さであり、少なくとも５フィート、好ましくはさらに高い囲いを形成する。図２に示すように、側壁４２ａ、４２ｂは、ギャレー２０と接触するように回転する。ギャレー２０は、上部に搭乗員休憩区画５０（図３）を備えている。側壁４２ａ、４２ｂが回転してギャレー２０（および搭乗員休憩区画５０）と接触すると、側壁４２ａ、４２ｂ、基礎壁４０、およびギャレー２０が、一時的な搭乗員更衣室６０として機能する四辺の囲いを形成する。

図５および６は、側壁４２ａ、４２ｂ、基礎壁４０、ギャレー／搭乗員休憩区画５０の間に形成される搭乗員更衣室６０を示す。図５は、不使用時に側壁４２ａ、４２ｂを折り畳んで基礎壁４０に収納する方法についても示している。側壁４２ａ、４２ｂの独自の構造により、基礎壁４０にもたれるように側壁を収納することができる。側壁４２ａ、４２ｂは、ヒンジ４６によって基礎壁４０に直接ヒンジ止めされた内側パネル６１と、内側パネル６１の外面上をスライドする外側パネル６２と、で形成される。外側パネル６２は、内側パネル６１の外面上のノブまたは突起６７と係合する水平スロット６４を備えており、内側パネル６１に沿って外側パネルが水平方向にスライドできるようになっている。このようにして、側壁４２ａ、４２ｂの物理的長さを調節するように外側パネル６２を伸縮させることができる。長さが調節可能であるため、飛行中にギャレーが経験する振動および移動に搭乗員更衣室６０が適応することができ、応力または衝突が構造内に生じるのを防止する。

図６は、第１側壁４２ａを延ばし他方の側壁４２ｂを収納した状態の更衣室を示す。各側壁は、内側パネル６１と、外側パネル６２と、側壁が収納位置にあるときに基礎壁４０に向かう角度が付いた遠位スカート６３と、を備える。スカート６３および外側パネル６２は、収納位置にあるとき内側パネル６１を覆うように機能する。基礎壁４０は、スカート６３と側壁４２ａ、４２ｂとを基礎壁に固定し、不使用時に壁を収納位置に維持するためのラッチを備えている。ラッチ７０は、連続的な装飾を維持するために、キャビン内の外側ラッチと調和していてもよい。

図７は、側壁４２ａとギャレー２０の間の接合部の拡大図である。ギャレーは、側壁４２ａの遠位端の掛止機構８０によって掛止されるピン、ラグまたはキャッチ（図示せず）を備える。スカート６３は、ギャレー２０の正面端２３を越えて延び、更衣室の外側から更衣室内への視線が存在しないようにする。内側パネル６１と外側パネル６２の間のスライド構成によって種々の長さに延ばすことができるドア４２ａによって、ギャレー２０と基礎壁４０の間に適合させることが可能になり、飛行中にギャレーが振動するときに、側壁４２ａ、４２ｂ内の応力の発生を防止するいくらかの振動吸収特性を与える。側壁４２ａ、４２ｂの調節可能であるという特徴がないと、ギャレー２０および搭乗員休憩室５０の動きが側壁の接合部および接続部に過度の応力を与え、損傷につながるおそれがある。ドア４２ａ、４２ｂは、飛行中に生じうるギャレー２０上の搭乗員休憩区画５０の横方向のたわみに備える。図７は、スカート６３と搭乗員休憩室５０の間に隙間があることを示しているが、側壁４２はギャレー２０に接続されている。この隙間がないと、搭乗員休憩室５０が側壁４２に対して延びこれを損傷しうるが、スカート６３の角度の付いた位置により最大数インチまでの変形を阻む。

図８および９は、更衣室６０を閉鎖し掛止するための掛止機構を示す。外側パネル６２とスカート６３は、回転ダイアル８５を搭載するコネクタ８０によって接続される。回転ダイアル８５は、遠位端にフック８９を有するラッチバー８７を作動させる。フック８９がギャレー２０上のピンまたはラグ上に回転して側壁４２ａを適所に掛止する。回転ダイアルが掛止位置へと手動で回転される。ユーザの着替えが終わると、フック８９がギャレーから外れて側壁を解放するように回転ダイアル８５が回転され、人が更衣室６０から出られるようになる。好適な実施形態では、図９に示すようなスロット付きのカップリング９２などによって、更衣室の外側から掛止機構を操作することができる。好適な実施形態では、この掛止機構は、ロックを開放するためにねじ回しなどの工具を必要とする。したがって、外側からダイアルを回すだけでは、更衣室に入ることができない。このため、更衣室は比較的安全であり、更衣室内で着替えている人は、部外者がうっかりと更衣室内に入って来ることはないという安心感を持つことができる。

上述の実施形態および説明は、本発明を説明および図面に限定することなく、本発明を例示するように意図されている。むしろ、当業者であれば、上述の説明および実例に対する修正および変更を容易に認識することができ、本発明は、そのような修正および変更の全てを含むように意図されている。したがって、本発明の範囲は、文脈に即した明白かつ普通の意味で単語を用いた場合の請求項の単語に適切に限定されるべきであり、本明細書で提供される説明および例示に限定されるべきではない。

Claims (7)

1. 第１の面を規定するとともに第１側端および第２側端を有する基礎壁と、
   前記第１側端および第２側端にて前記基礎壁にヒンジによって取り付けられる第１および第２ドアであって、前記ヒンジは、前記基礎壁にもたれて前記第１の面と平行となる収納位置から隣接モニュメントにもたれる係合位置までヒンジの周りに第１および第２ドアを枢動させ、前記隣接モニュメントに係合するように円弧状に９０度より大きく反対方向へ揺動する第１および第２ドアと、
   前記第１ドアを隣接モニュメントに掛止する、手動操作式の掛止ユニットと、
   を備え、
   前記第１および第２ドアは、それぞれ、前記基礎壁に前記ヒンジの周りを回転するように接続される内側パネルと、前記内側パネルから放射状に延伸可能な外側パネルと、を備え、前記外側パネルは、主要部と、下端から上端まで遠位端に沿って延びるとともに前記隣接モニュメントにもたれるように前記第１および第２ドアが回転するときに下端から上端まで延びる前記隣接モニュメントの凹部に受け入れられる角度付きの遠位スカートと、を有し、前記角度付きの遠位スカートは、前記第１および第２ドアが前記収納位置にあるときに前記内側パネルを覆うために、前記第１および第２ドアが前記収納位置にあるときに前記基礎壁に向かう角度が付けられており、
   前記基礎壁、前記第１ドア、前記第２ドア、および前記隣接モニュメントの間に、前記手動操作式の掛止ユニットを使用して内側から掛止される閉鎖空間が形成される
   ことを特徴とする、航空機ギャレー用の折り畳み式更衣室。
2. 前記閉鎖空間の外側に、隣接モニュメントからドアを解放するための第２掛止機構をさらに備える請求項１に記載の折り畳み式更衣室。
3. 前記第２掛止機構は手動で操作されず工具を必要とすることを特徴とする請求項２に記載の折り畳み式更衣室。
4. 前記外側パネルの角度付きの遠位スカートは、前記閉鎖空間内への視線を防止するために前記隣接モニュメントと重なっていることを特徴とする請求項１に記載の折り畳み式更衣室。
5. 前記手動操作式の掛止ユニットは、隣接モニュメントの部品と結合するフックを備えることを特徴とする請求項１に記載の折り畳み式更衣室。
6. 前記フックは回転ダイアルに接続されることを特徴とする請求項５に記載の折り畳み式更衣室。
7. ドアを前記基礎壁に解放可能に固定する少なくとも一つのラッチをさらに備える請求項１に記載の折り畳み式更衣室。

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