JP5875451B2 - 散乱型偏光子、及びこれを備えてなる液晶表示装置 - Google Patents
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そこで、上記構成のように、偏光フィルムの光源側に輝度向上フィルムを配設することにより、偏光フィルムが透過する偏光方向の光量を増加させて液晶セルに供給し得る光量を増大させ、画像を明るくすることが行なわれている。
散乱型偏光子を輝度向上フィルムとして利用すると、輝度向上フィルムを通過する光の偏光方向と偏光フィルムを通過する光の偏光方向とを合致させれば、偏光フィルムに吸収される偏光方向の光が手前側の輝度向上フィルムで光源側に反射され、輝度向上フィルムと反射シートとの間で反射及び散乱が繰り返されるうちに光の偏光方向が変化して偏光フィルムを通過するようになり、偏光フィルムを通過する光の光量が増大して画像の輝度を向上させることができる。
このような散乱型偏光子は、延伸方向と垂直方向で偏光の散乱度合いが異なる散乱異方性を備えているため、特定の偏光方向の光を選択的に透過し、他の偏光方向の光を選択的に反射又は散乱させることができる。例えば、特許文献4及び5には、連続相と分散相からなり、連続相と分散相との屈折率の差が第1の軸に沿って0.05より大きく、第1の軸に直交した第2の軸に沿って0.05より小さく、偏光に対する拡散反射率が少なくとも30%である偏光子、及びその製造方法が開示されている。
さらに、特許文献6には、ポリエチレンナフタレート系樹脂を主成分とする分散相と、アクリル系樹脂及びゴムを主成分とする連続相とからなり、分散相の配向方向に垂直で光学フィルム面に平行な軸の、分散相と連続相との屈折率差が、0.05より大きく0.1より小さい光学フィルムが開示されている。
これらの偏光子は、連続相と分散相との界面での散乱反射を利用して偏光特性を発現することを特徴としており、先に述べた多層構造型の偏光子と比較し、生産上の制御が比較的安易であるため、生産性が高いといった特徴を有している。
本偏光子は、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を含有し、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する、1軸方向に配向したフィルムからなる散乱型偏光子である。
この時、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂(B)と称することとする。すなわち前記連続相(I)と前記分散相(II)は異なる熱可塑性樹脂を主成分とすることとなる。
前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)としては、本発明において規定する範囲を逸脱しなければ、特に限定されることはないが、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の固有複屈折率が共に正であることが好ましい。
例えば、ポリスチレン系樹脂やアクリル系樹脂といった固有複屈折率が負である熱可塑性樹脂も本発明に使用することができるが、これらは分子鎖の側鎖に嵩高い分子構造を有するため、機械的強度に不安が残る。従って、偏光子を形成した場合の機械的強度の低下を防ぐ観点から、固有複屈折率が正である熱可塑性樹脂を用いることが好適である。但し、機械的強度に優れた、固有複屈折率が負である熱可塑性樹脂を用いることを妨げるものではない。
前記熱可塑性組成物(A)と前記熱可塑性樹脂(B)の固有複屈折率がともに正である場合、前記(A)と前記(B)との平均屈折率差の絶対値が0.05以下であると、配向した際に、連続相(I)と分散相(II)の配向方向に平行な軸(S軸)における屈折率差が生じにくいと考えられる。
しかしながら、一軸方向に配向した本偏光子が、本発明の規定する範囲に属するのであれば、前記(A)と前記(B)との平均屈折率差の絶対値や、平均屈折率と複屈折率の大小関係の合致はこの限りではない。
なお、結晶性の熱可塑性樹脂とは、一般に結晶融解ピーク温度(融点)が存在するとされる熱可塑性樹脂を指し、より具体的にはJIS K7121に準拠して行う示差走査熱量測定(DSC)において融点が観測される熱可塑性樹脂であって、いわゆる半結晶性の状態のものを包含する。逆に、DSCにおいて融点が観測されない熱可塑性樹脂を「非晶性」と称する。
後述するが、本偏光子は一軸方向に配向した後、寸法安定性の観点から熱処理を行うことが好ましく、熱処理の際に、結晶性の熱可塑性樹脂は、配向結晶化しやすくなり、配向方向に平行な軸(S軸)、配向方向に垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)に対する屈折率の異方性が大きな状態で熱固定される。一方、非晶性の熱可塑性樹脂は熱処理の際に、配向が緩和しやすくなる傾向となり、結果的に、上記S軸に対する連続相(I)と分散相(II)の屈折率差を増大させやすくする傾向となるため、好ましい。
加えて、前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)が共にポリエステル系樹脂であり、かつ、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が異なる種類のポリエステル系樹脂である場合、(A)と(B)との相溶性が高い為、連続相(I)と分散相(II)が均一、かつ、微細な海島構造を形成しやすい。
そのため、一軸方向に配向した際に生じる分散相(II)の配向方向に伸長した島構造において、前記分散相(II)の配向方向に垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)方向の分散径が10nm以上、200nm以下の範囲となりやすくなり、本偏光子における輝度の向上を発現しやすくする効果をもたらす。
例えば、テオネックスTN8065S(ポリエチレンナフタレートのホモポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.71dl/g)、テオネックスTN8065SC(ポリエチレンナフタレートのホモポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.55dl/g)、テオネックスTN8756C(ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのコポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.65dl/g)などを好ましい例として挙げることができる。
本偏光子を構成する、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の混合質量比は、(A)/(B)=10質量%/90質量%〜90質量%/10質量%であることが好ましい。このような混合質量比とすることにより、分散相が少なくなり過ぎず、連続相と分散相との界面における散乱が小さくなり偏光反射特性が低下するなどのおそれがないため好ましい。
なお、本偏光子は、前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)を少なくとも1種ずつ含有していれば、さらに他の熱可塑性樹脂を含有しても構わず、例えば前記熱可塑性樹脂(B)に該当する熱可塑性樹脂を2種以上含んでいても構わない。
本偏光子には、前記分散相(II)の分散性を向上させる目的で、必要に応じて相溶化剤(C)などの添加剤を添加してもよい。
本偏光子は、前記連続相(I)の屈折率と前記分散相(II)の屈折率との差の絶対値が、配向方向に対して平行な軸(S軸)において0.05より大きく、かつ、配向方向に対して垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)において0.05より大きいことが重要である。
一方、前記連続相(I)の屈折率と前記分散相(II)の屈折率との差の絶対値は、0.1より小さいことが好ましい。0.1より小さいことにより、後述する分散相(II)のP軸方向の分散径が本発明の規定する範囲に場合において、連続相(I)と分散相(II)との界面における散乱が抑制され、前記P軸における透過特性を発現できるため好ましい。
また、前記連続相(I)の屈折率と前記分散相(II)の屈折率との差の絶対値を、配向方向に対して垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)において0.05より大きくする手段としては、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)との平均屈折率の差の絶対値が0.05より大きくなるよう、前記熱可塑性樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)を選択し、本発明の規定する範囲に調整する方法や、自由幅1軸延伸、一定幅1軸延伸、引っ張り延伸法、ロール間延伸法、ロール圧延法などの延伸により前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)、及び/又は、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)を配向させ、複屈折率の違いを利用して、本発明の規定する範囲に調整する方法、あるいは、前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)、及び/又は、前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)に、相溶する他の熱可塑性樹脂や屈折率調整剤などを添加し、本発明の規定する範囲に調整する方法などが挙げられる。
本偏光子は、前記分散相(II)のP軸方向の分散径が10nm以上、200nm以下であることが重要である。分散径は、後述する方法により測定される。
また、本偏光子において、前記P軸における偏光に対して、より高い偏光透過特性を発現させる為にも、前記分散相(II)のP軸方向の分散径が10nm以上、200nm以下であることが非常に重要である。中でも、前記分散相(II)のP軸方向の分散径が10nm以上、100nm以下であることが、前記P軸における偏光に対して、より高い透過特性を発現する為、好ましい。
本偏光子は、P軸における、測定波長400nm〜700nmの平均偏光透過率が80%以上であることが重要である。従来、高い輝度向上能力を発現させるためには、偏光に対する高い拡散反射特性が必要と考えられていたが、本発明者等は、その理由は定かではないものの、前記P軸における偏光に対する透過特性を十分に高めることにより、輝度向上能力向上への寄与が大きいことを見出した。
さらに、本偏光子はJIS K7128−3に準拠して測定したP軸方向の引き裂き強度が600N/cm以上であることが重要である。より具体的には、JIS K7128−3に準拠して試験片を作成し、温度23℃、試験速度200mm/分の条件で直角形引裂法により測定した引き裂き強度をもって評価する。
引き裂き強度が600N/cm以上であることにより、本偏光子は輝度向上フィルムとして使用する際に優れた機械的強度を有し、例えば液晶表示装置に組み込む場合のハンドリング時に破損するなどの問題が生じる可能性が極めて小さくなる。
これに対し、本偏光子は驚くべきことに、従来達成し得なかったような機械的強度を有するものであり、JIS K7128−3に準拠して測定したP軸方向の引き裂き強度は、700N/cm以上であることが好ましく、800N/cm以上であることがより好ましく、900N/cm以上であることがさらに好ましく、1000N/cm以上であることが特に好ましい。
本偏光子を製造する方法としては、まず、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を含有する混合樹脂組成物を、溶融してシート状に製膜すればよい。この時、製膜する方法としては特に限定されず、Tダイキャスト法、カレンダー法、インフレーション法などを例示できる。これらの中でも、製膜安定性や生産効率化の観点から、Tダイキャスト法が好ましい。
Tダイキャスト法を採用する場合には、例えば、少なくとも2種の熱可塑性樹脂を乾燥させ、押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。そして、溶融した組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成すればよい。
本偏光子は、前述の通り1軸方向に配向したフィルムからなる。配向させる方向としては、フィルムの引き取り(流れ)方向(MD)と、MDに直交する方向(TD)のいずれでもよいが、本偏光子の有する特性をより効果的に発現させるために、MDに配向することが好ましい。すなわち、本偏光子において、配向方向に対して平行な軸(S軸)がMDであり、配向方向に対して垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)がTDであることが好ましい。
また、配向させる方法としては特に限定されないが、例えば前記の通りTダイキャスト法によって製膜したシートを、MD又はTDに1軸延伸する方法や、Tダイキャスト法において製膜する際に、引き取り速度(キャストロールの速度)を速くすることによってMDにドラフトをかける方法、インフレーション法によって製膜する際に、引き取り速度を速くすることによってMDにドラフトをかける方法などを例示できる。
中でも、前記の通りTダイキャスト法によって製膜したシートを、MD又はTDに1軸延伸する方法が、製膜安定性や生産効率化の観点から好ましい。
ここで「1軸延伸」とは、積極的に一方向のみに行う延伸を意味するものであり、例えば、製膜、熱処理或いは巻き取りなどの過程で、前記一方向とは異なる方向に自然に延伸されるような場合も包含する意である。客観的には、一方向の延伸倍率が、これと直交する方向の延伸倍率の2倍以上である場合である。
1軸延伸によって、連続相(I)と分散相(II)との屈折率差は延伸方向に大きくなるとともに、分散相(II)が延伸方向に伸長され、分散相のP軸方向の分散径が、本発明の規定する範囲内に含まれてくる。そのため、前記S軸に対する屈折率差が大きくなる方向の偏光は散乱し、前記P軸に対しては、分散径が光の波長オーダーに対し、十分小さくなることから、偏光は透過する特性を備えた散乱型偏光素子を作製することができる。
延伸温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)程度から(Tg+50℃)の範囲内の温度とするのが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時に破断することなく安定して延伸を行うことができる。
延伸倍率は、特に限定するものではないが、例えば、MD又はTDに2倍以上、好ましくはMD又はTDに3〜6倍、特にMD又はTDに4〜5倍とするのが好ましい。中でも、製膜した未延伸シートにて形成されたと分散相(II)を伸長させることにより、前記分散相(II)のP軸方向の分散径を低減し、本発明の定める範囲に調整するために、MDに延伸することが特に好ましい。
例えば、ポリエチレンナフタレート系樹脂を使用する場合、熱処理温度は180〜230℃とするのが好ましく、180〜200℃とするのがさらに好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。
本偏光子の厚みは、特に限定するものではない。例えば輝度向上フィルムに用いる場合には、50μm〜250μm、特に100μm〜200μmとするのが好ましい。一般的に、散乱型偏光子は、厚みを増大させた場合、散乱回数が増大する為、配向方向に対して平行な軸(S軸)における偏光反射特性が向上するものの、相反して、配向方向に対して垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)における偏光透過特性が低下する傾向がある。
しかしながら、本発明のように、前記分散相(II)のP軸方向の分散径を10nm以上、200nm以下とすることにより、厚みの増大に対し、前記S軸における偏光反射特性は向上し、かつ、前記P軸における偏光透過特性の低下を抑制できる効果をもたらす。
本発明において、散乱型偏光子の形態は特に限定するものではなく、板状、シート状、フィルム状その他の形態を包含する。
この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
ここで、シート乃至フィルムを製造する際のシート乃至フィルムの引き取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
先ずは、実施例・比較例で得たサンプルの各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。
平均屈折率は、アタゴ製アッベ屈折率計を用い、ナトリウムD線(589nm)を光源とし、JIS K7124により、実施例、及び、比較例に用いた原料の平均屈折率を測定した。
固有複屈折率は、分子鎖の構成単位であるモノマー当たりの分極率を屈折率値で表したものであり、下記式(1)で表されるローレンツ−ローレンツの式により推定出来る。
代表的なポリマーの固有複屈折率の推定値を下記に記す。
・ポリエチレンナフタレート:0.33
・ポリエチレンテレフタレート:0.23
・ポリ1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート:0.17
・ポリメタクリル酸メチル:−0.0043
偏光透過率は、分光光度計((株)日立製作所製:U−4000)に積分球を取り付け、測定を行った。300nmから800nmの波長の光源の入射光側に偏光フィルムを取り付け、その光源側に吸収型偏光フィルムを挿入し、光源を鉛直方向に偏光する直線偏光のみにして実施例及び比較例の散乱型偏光子を挿入して、散乱型偏光子の偏光透過率を、延伸方向に対して垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)、延伸方向に対して平行軸(S軸)についてそれぞれ測定した。
前記P軸についての評価基準は、400nm〜700nmの偏光透過率の平均が80%以上の場合を「○」、80%未満の場合を「×」と評価した。
走査型電子顕微鏡(SEM)にて得られたフィルムの断面を観察し、下記基準にて判断した。
◎:分散相(II)を形成する樹脂のP軸方向の分散径が10nm以上、100nm以下。
○:分散相(II)を形成する樹脂のP軸方向の分散径が100nmより大きく、200nm以下。
×:分散相(II)を形成する樹脂のP軸方向の分散径が10nm未満、又は200nmより大きい。
バックライトユニット(センチュリー社製「plus one VGA」8インチ、型番: LCD−8000V)内に、反射シート、LED光源付き導光板、拡散シート、プリズムシート(2枚)、サンプル(輝度向上フィルム)及び偏光フィルムを順次積層して固定し、約50cm離れたその画面の中央輝度を輝度計(ミノルタ社製、型式:LS−100)によって測定した。
試料シートを組み込まないときの輝度(基準)を測定し、この輝度に対する割合を輝度向上率として算出した(下記式(2)参照)。この値が大きいほど、高輝度である。
式(2): 輝度向上率=(試料シート組み込済時の輝度/試料シート組み込前の輝度)
JIS K7128−3(1998年)に準拠して試験片を作成し、温度23℃、試験速度200mm/分の条件でP軸方向、及びS軸方向について、直角形引裂法による引き裂き強度測定を行い、下記基準にて判断した。
○:引き裂き強度が600N/cm以上である。
×:引き裂き強度が600N/cm未満である。
ポリエチレンナフタレート樹脂(平均屈折率:1.646、固有複屈折率:正、Tg:120℃、固有粘度0.71dl/g、以下、A−1と表記)と、非晶性ポリエステル樹脂(平均屈折率:1.568、固有複屈折率:正、Tg:109℃、ジカルボン酸ユニット:テレフタル酸100wt%、ジオールユニット:エチレングリコール30wt%、1,4−シクロヘキサンジメタノール45wt%、イソソルビド25%、以下、B−1と表記)とを表1に示す質量混合比で配合し、十分混合した後、定質量フィーダーにて供給しながら、φ40mm二軸押出機にて290℃で押出混練(吐出量Q(kg/h)とスクリュー回転数N(rpm)の比;Q/N=0.26(kg/h/rpm))し、冷却固化して厚さ600μmのシートを作製した。得られたシートを切り出して、90°傾けた後、予熱温度145℃、延伸温度130℃、熱処理温度180℃(熱処理時間32秒)に昇温したテンターに通紙し、MDに6倍延伸して、シート状の偏光子を得た。得られた偏光子の評価結果を表1に示す。
ポリエチレンナフタレート(A−1)と、ポリメタクリル酸メチル樹脂(クラレ社製、パラペットHR−1000L、平均屈折率:1.496、固有複屈折率:負、Tg:115℃、以下、C−1と表記)とを表1に示す重量混合比で配合した以外は、実施例1〜3と同様の手法により、シート状の偏光子を得た。得られた偏光子の評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- 少なくとも2種の熱可塑性樹脂を含有し、連続相(I)と分散相(II)による海島構造を有する、1軸方向に配向したフィルムからなる散乱型偏光子であって、前記連続相(I)の屈折率と前記分散相(II)の屈折率の差の絶対値が、配向方向に対して平行な軸(S軸)において0.05より大きく、かつ、配向方向に対して垂直でフィルム面に平行な軸(P軸)において0.05より大きく、前記分散相(II)のP軸方向の分散径が10nm以上、200nm以下であり、P軸における、測定波長400nm〜700nmの平均偏光透過率が80%以上であり、JIS K7128−3に準拠して測定したP軸方向の引き裂き強度が600N/cm以上であることを特徴とする散乱型偏光子。
- 前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の固有複屈折率が共に正であることを特徴とする請求項1に記載の散乱型偏光子。
- 前記分散相(II)のP軸方向の分散径が10nm以上、100nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の散乱型偏光子。
- 前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)の少なくとも一方がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散乱型偏光子。
- 前記連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(A)と前記分散相(II)を形成する熱可塑性樹脂(B)が共にポリエステル系樹脂であり、かつ、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が異なる種類のポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の散乱型偏光子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の散乱型偏光子を備えてなる液晶表示装置。
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