以下、本発明の実施形態に係る電源装置1の構成について、添付の図面に基づき説明する。
図1及び図2に示すように、電源装置1は、メインボディ2と、ハンドル3と、上蓋4と、インバータ装置5と、中蓋6と、アダプタ7と、バッテリ8と、から主に構成されている。図2に示すように、メインボディ2からハンドル3の延出する方向を上と定義し、逆を下と定義する。また、図3に示すように、メインボディ2に対してハンドル3が設けられている側を後と定義し、逆を前と定義する。上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向と定義する(図2)。
図21に示すように、メインボディ2の上面には開口2aが形成されており、上蓋4は開口2aを開閉可能である。メインボディ2には、インバータ装置5と、中蓋6と、アダプタ7と、バッテリ8とが収容されている。図2及び図3において、上蓋4の上にアダプタ7が装着されたインバータ装置5が点線で描写されているが、これは、インバータ装置5は上蓋4の上に固定可能であることを示している。同様に、図13及び図14において、中蓋6の上にインバータ装置5が点線で描写されアダプタ7が中蓋6内に点線で描写されているが、これは、インバータ装置5は中蓋6に載置可能でありアダプタ7は中蓋6に収容可能であることを示している。メインボディ2は本発明の本体部に相当し、上蓋4は本発明の蓋体に相当し、バッテリ8は本発明の電池に相当する。
図4及び図5に示すように、メインボディ2の下端部後面の左右方向両端には、2つの車輪21が設けられている。メインボディ2の上部の左右方向の側面には、作業者が電源装置1を持ち上げる際に把持する把持部22が左右対称に設けられている。メインボディ2の詳細な構成は後述する。
ハンドル3は、メインボディ2の後面に設けられ、図4に示す収納位置と図8に示す伸長位置との間を上下方向に移動可能に構成されている。ハンドル3と車輪21とはいずれもメインボディ2の背面に設けられており、作業者はハンドル3を伸長位置まで伸ばして電源装置1を斜めに倒すことで、電源装置1を容易に運搬することができる。ハンドル3の詳細な構成は後述する。
図2に示すように、上蓋4の右端にはヒンジ41が設けられていて、上蓋4はヒンジ41を中心にメインボディ2対して回動可能に構成される。上蓋4は、メインボディに設けられたラッチ42によってメインボディ2に固定される。上蓋4の詳細な構成は後述する。
インバータ装置5は、バッテリ8の直流12Vの入力を矩形波の交流100Vとして出力している。インバータ装置5に図24の点線で示す電池パック5C(電動工具用電池パック、例えば14.4V)を挿入することにより、インバータ装置5を電源装置1から取外して、インバータ装置5を単独で電源として使用することもできる。ただし、電動工具用電池パック5Cの容量(3.0Ah)は、バッテリ8の容量(38Ah)と比較して小さい。アダプタ7をインバータ装置5に装着し、後述の電源ケーブル56の一端をインバータ装置5に接続し、電源ケーブル56の他端を家庭用100V電源に接続することにより、インバータ装置5及びアダプタ7を介してバッテリ8を充電することができる。インバータ装置5は充電機能も備えている。インバータ装置の詳細な構成は後述する。
中蓋6は、図2及び図3に示すように、メインボディ2の上下方向略中央に配置されており、アダプタ7を収容可能に構成されている。中蓋6の上面は、インバータ装置5を載置可能である。中蓋6の詳細な構成は後述する。
アダプタ7は、アダプタ7から延出するアダプタケーブル71と、インバータ装置5と接続される接続部72とを備えている。アダプタ7は、アダプタケーブル71を介してバッテリ8と電気的に接続されており、アダプタ7を図示せぬ電動工具などに接続することにより、電源装置1を12Vの直流電源として使用することができる。なお、バッテリ8が12Vでも、アダプタ7内に昇圧回路や降圧回路を設ければ、例えば14,4Vや10,8Vの電動工具にも使用することができる。また、アダプタ7をインバータ装置5に装着し、インバータ装置5から出力を得ることにより、電源装置1を100Vの交流電源として電動工具等に使用することができる。接続部72は、端子部72Aと、レール部72Bと、ラッチ部72Cとから構成されている。
バッテリ8は、メインボディ2の下部に配置されており、電源装置1の電源としての役割を果たす。本実施の形態では、バッテリ8の一例として車載用の鉛蓄電池を採用している。バッテリ8は、端子81を備えていて、端子81及びアダプタケーブル71を介してアダプタ7と接続されている。バッテリ8の詳細な構成は後述する。
メインボディ2の下面には、4つの突起23が設けられており、図3に示すように、電源装置1を地面に置いた状態では、4つの突起23が地面と接地し、車輪21は地面と離間している。メインボディ2は、外殻を規定するアウターボディ24と、メインボディ2内の空間を画成するインナーボディ25と、を組み合わせることにより構成される。アウターボディ24は、電源装置1が転倒した際の衝撃を吸収する役割を果たす。本体部2には緩衝材2Aが設けられている。具体的には、アウターボディ24とインナーボディ25との間に設けられている。本実施の形態では、緩衝材2Aは充填材であり、一例としてウレタンを採用している。アウターボディ24及びインナーボディ25はそれぞれブロー成型の樹脂から成る。本実施の形態では、バッテリ8から希硫酸が漏れ出す可能性を考慮して、インナーボディ25及びアウターボディ24にポリエチレンを採用した。
アウターボディ24とインナーボディ25との間に緩衝材2Aを充填したため、バッテリ8が外気温度に影響され難くなるとともに、外部からの衝撃からバッテリ8等を保護することができる。仮にバッテリ8の温度が上昇した場合であっても、熱を後述する上蓋溝部47、及び中蓋溝部63等から外部に逃がすことができるため、メインボディ2内が高温になることを抑制することができる。また、バッテリ8から水素ガスが発生したとしても同様に溝部から外部に逃がすことができる。
なお、緩衝材2Aはインナーボディ25とアウターボディ24の間でなくてもよい。すなわち、バッテリ8を外力から保護できるのであれば、インナーボディ25とバッテリ8の間、あるいは、インナーボディ25に取り付けられていてもよい。さらに、本実施形態ではインナーボディ25とアウターボディ24をブロー成型としたが、二層成型とし、インナーボディ25の外側、あるいはアウターボディ24の外側に緩衝材2Aとしてエラストマを設けてもよい。
アウターボディ24には、図示せぬフックが着脱可能に設けられており、アダプタ7又はアダプタケーブル71を一時的に係止することができる。アウターボディ24には、さらに、図示せぬ端子収容部が着脱可能に設けられており、端子収容部にアダプタ7の端子を収容することができる。これにより、アダプタ7の端子が外部に曝されることが防止できる。
アウターボディ24の後面上部には、ハンドル3を保持する保持部31が設けられている。保持部31は複数のボルト又はネジ32によってメインボディ2に固定されている。保持部31の直下には、ハンドル3と当接可能な凸部24Aが設けられている。保持部31は、本発明のハンドル保持部に相当する。
メインボディ2の内部には、上から上室26、中室27、下室28がそれぞれ規定されていて、上室26にはインバータ装置5が、中室27には中蓋6及びアダプタ7が、下室28にはバッテリ8がそれぞれ配置されている。
図3に示すように、インナーボディ25には対向するアウターボディ24側に凹んでいる複数の凹部25aが形成されている。これにより、メインボディ2内の空間を広く確保することができるとともに、インナーボディ25の剛性を上げることができる。さらに、使用する緩衝材2Aの量を減らすことができるため、製造コストの削減が可能となる。
インナーボディ25の下面には、アウターボディ24とインナーボディ25とが当接している当接部25Aが規定されている。当接部25Aでは、アウターボディ24は上側に凹んでいて、インナーボディ25は下側に凸となっており、それらが互いに当接している。当接部25Aは、インナーボディ25の下面の左右方向全幅に(図2)、且つ前後方向の所定距離に(図3)亘って設けられた水平面である。当接部25Aは、前後方向の中央から前寄りに設けられている。
当接部25Aの右端には、アウターボディ24とインナーボディ25とを貫通する水抜き穴25bが形成されている(図2)。図3に示すように、当接部25Aの前後には、当接部25Aに向けて少なくとも1°以上下方に傾斜している傾斜部25Bが設けられている。これにより、メインボディ2の底面に落ちた水は傾斜部25Bの傾斜に沿って流れて当接部25Aに集まり、水抜き穴25bから外部へと排出される。
図3に示すように、インナーボディ25の下面には、後述のバッテリプレート82が配置されている。メインボディ2の下部には、アウターボディ24とインナーボディ25とを貫通し後述のバッテリシャフト83が挿入される貫通穴2bが形成されている。詳細な構成は後述する。
図6A及び図21に示すように、インナーボディ25には、内方に突出しバッテリ8を保持する4つのリブ25Cが設けられている。リブ25Cは上下方向に延び、下室28の略矩形を成すインナーボディ25の断面の4隅に設けられている。リブ25Cとバッテリ8との間には、バッテリ8がインナーボディ25に対して滑る(ずれる)ことを防止する滑り止め部材25Dがそれぞれ設けられている。滑り止め部材25Dは、バッテリ8とインナーボディ25との間の緩衝材としての役割も果たす。中蓋6は、4つのリブ25Cの上に載置される。
ハンドル3は、図4に示すように、作業者が把持する略U字状のハンドル把持部33と、ハンドル3が伸長位置にあるとき保持部31と当接する被当接部34と、ハンドル把持部33と被当接部34とを繋ぐ伸長部35と、被当接部34と平行な補強部材36と、から構成される。ハンドル3は、図7に示すように、断面形状が略半月形状の第1ハンドル部37と、第1ハンドル部37と同形状の第2ハンドル部38と、から構成される。詳細には、第1ハンドル部37の略半月形状の直線部分に規定された接合面37Aと、第2ハンドル部38の略半月形状の直線部分に規定された接合面38Aと、を図示せぬ複数のビスで固定することにより形成される。このように、ハンドル3の断面は、接合面37A、38Aに関して面対称形状の半割状をなしている。これにより、安価なブロー成形でハンドル3の強度を向上させることが可能となるが、強度上、特に問題がなければ中空円筒形状のハンドルとしても良い。なお、第1ハンドル部37及び第2ハンドル部38は中空となっている。
被当接部34は、水平方向に延び、円周方向全周に亘って緩衝材34Aが設けられている(図4)。緩衝材34Aの前側(メインボディ2側)は、収納位置において常時アウターボディ24と接触している。これにより、ハンドル3のがたつきが防止される。
本実施の形態では、緩衝材34Aの一例としてゴムダンパを採用している。伸長部35は、垂直方向に延び、保持部31に上下方向に移動可能に支持されている。ハンドル3が伸長位置に位置しているとき(図8)、緩衝材34Aは保持部31と当接している。図9Aに示すように、電源装置1が後方に転倒した場合であっても、緩衝材34Aが最初に接地するため、他の部分の損傷を防止することができる。補強部材36は、ハンドル3の補強のための部材であり、略U字状のハンドル把持部33の開口部分を塞ぐように設けられている。緩衝材34Aは、本発明の弾性部材に相当する。
図5に示すように、保持部31は、ハンドル3を移動可能に保持するハンドル保持部31Aと、被当接部34と平行な当接部31Bと、第1ダンパ31Cと、から構成される。ハンドル保持部31Aは金属製のプレス部品であって、左右方向に第1ダンパ31Cを挟むようにして2つ設けられており、ボルト32でメインボディ2に固定されている。当接部31Bには、緩衝材34Aと当接可能な第2ダンパ31Dが設けられている。第2ダンパ31Dによって、被当接部34と当接部31Bとの当接の衝撃の更なる緩和が可能となる。図8に示すように、当接部31B及び第2ダンパ31Dの左右方向の幅W1は、被当接部34の左右方向の幅W2(より詳細には、伸長部35間の距離)よりも小さくなるように設定される。これにより、被当接部34と伸長部35との接続箇所Rが当接部31Bに当たって損傷することを防止できる。第2ダンパ31Dは、本発明の弾性部材に相当する。当接部31Bは、ハンドル3の移動を規制するストッパとしての役割も果たす。
図9Bに示すように、第1ダンパ31Cは、メインボディ2から後方に最も離間した位置に設けられている。第1ダンパ31Cは、電源装置1が後方に転倒した場合であっても、第1ダンパ31Cが緩衝材34Aの次に接地してメインボディ2に与える衝撃を緩和するため、転倒時の機器の破損等を防止することが出来る。
ハンドル3が図3に示すように収納位置にあるとき、ハンドル把持部33は上蓋4又は上蓋4に固定されたインバータ装置5(点線)の最上端よりも上方に突出している。図3に示す位置に、電源装置1の重心Gが規定されていて、重心Gとハンドル3のハンドル把持部33とは、距離Lだけ離間している。この距離Lは、電源装置1を180°反転した状態を安定保持することが出来ない程度に定められる。本実施の形態では、バッテリ8の一例として車載用の鉛蓄電池を採用しているため、バッテリ8の状態によっては内部から電解液の希硫酸が漏れ出す可能性がある。図10Aに示すように、電源装置1が90°転倒した状態ではバッテリ8から希硫酸が漏れ出す可能性は低いが、バッテリ8が180°反転した場合には希硫酸が漏れ出す虞がある。本実施の形態では、距離Lが上述したように決定されているため、図10Bに示すように、ハンドル3が妨げになって電源装置1が180°反転した状態を維持できず、図10Aの状態になる。従って、たとえ電源装置1が前方に勢いよく転倒したとしても、バッテリ8から希硫酸が漏れ出すことを防止できる。ハンドル把持部33が、本発明の最突出部に相当する。
上蓋4は略長方形状をなし、図11及び図12に示すように、ラッチプレート43と、上蓋4の周縁に設けられた壁部44と、ラッチ42と係合可能なラッチ係合部45と、ヒンジ41が取付けられるヒンジ取付部46と、から構成される。上蓋4には、上面4Aと、上蓋4の周縁であって壁部44が設けられていない平坦部4Bと、下面4Cとが規定されている。上蓋4には、さらに、上下方向に直交する断面形状が略U字状の上蓋溝部47と、下面4Cに形成された第1窪部48と、第1窪部48に隣接する第2窪部49と、が形成されている。図2及び図3に示すように、上蓋4は軽量化のために内部が空洞となっている。ラッチプレート43は、本発明のインバータ装置固定部に相当する。
図13及び図14に示すように、上蓋4はインバータ装置5を固定可能である。図11に示すように、ラッチプレート43には、2つの上方に突出する係合部43Aが左右方向に所定距離離間して設けられている。係合部43Aと、インバータ装置5に設けられた着脱ボタン53の被係合部とが係合することにより、インバータ装置5は上蓋4に固定される。
ラッチプレート43は、複数のビスで上蓋4に固定されており、当該ビスを取外すことで上蓋4から取外すことができる。ラッチプレート43を上蓋4から取外した状態の上蓋4の上面図を図15に示す。図15のXVI−XVIに沿った断面図を図16に示す。上蓋4の上面4A及び平坦部4Bは、後方に向かって下方に少なくとも1°以上傾斜している。これにより、雨水が係合部43A周辺に溜まることがなく、後述する上蓋4の壁部44が存在しない箇所(平坦部4B)から雨水を排出することができる。
上蓋溝部47の全周に亘って、上面4A及び平坦部4Bよりも僅かに高い周縁部47Aが設けられている。図2に示すように、上蓋4の下面4Cは、第1窪部48及び第2窪部49が形成されている部分以外の少なくとも一部で、メインボディ2に収容されたインバータ装置5を押圧している。これにより、インバータ装置5はメインボディ2内で固定される。
壁部44は、上蓋4の周縁に略U字状であって略U字の開口が後側(ハンドル側)に位置するように設けられている。また、上蓋4の後側は、図11に示すように、壁部44と周縁部47Aとの間の周縁部分には壁部44が設けられていない平坦部4Bが存在している。これにより、作業者が電源装置1を運搬するために電源装置1を後方に倒すと、上蓋4に溜まった水が平坦部4Bを通って積極的に上蓋4から外部に排出される。なお、上蓋溝部47の周囲には周縁部47Aが設けられているため、電源装置1を後方に倒してもメインボディ2内への水の侵入を抑制することができる。図5及び図11に示すように、壁部44の高さは係合部43Aの高さよりも高く設定されている。これにより、上方から板状の部材が落ちてきた場合でも、壁部44の上面で当該部材を受けることができるため、係合部43Aが損傷することを防止できる。図14に示すように、壁部44の高さは、インバータ装置5の高さよりも低く設定されている。これにより、前方から壁部44に遮られることなくインバータ装置5が装着されているか否か及び表示パネル51の状態を確認することができる。
ラッチ係合部45は、上蓋4の左側面に設けられていて(図11)、ラッチ42と係合することにより上蓋4がメインボディ2に固定される。上蓋4の右側面にヒンジ取付部46が設けられていて(図12)、ヒンジ取付部46にヒンジ41が取付けられる。
上蓋溝部47は、上蓋4の後面に形成されており、上蓋溝部47を通じてメインボディ2内に収容された機器のケーブルを外部に引出すことができる。図11に示すように、上蓋溝部47は、上蓋4の後面に形成されており、アダプタ7はインバータ装置5の後方側に装着される。アダプタ7が装着される近傍に上蓋溝部47を形成することにより、アダプタ7等のケーブル等を容易にメインボディ2の外部に引出すことができると共に、アダプタ7の配線の露出を最小限に抑えることができ、配線をコンパクトにまとめることが可能になる。インバータ装置5が上蓋4に固定された状態の時、アダプタケーブル71が上蓋溝部47を通る。従って、上蓋溝部47の上下方向に直交する断面の断面積はアダプタケーブル71の断面積よりも十分大きくなるよう設定される。図12及び図16に示すように、上蓋溝部47の下側には、曲面部47Bが設けられている。曲面部47Bの曲率は、他の部分(例えば、上面4Aと壁部44との接続部分)の曲率よりも大きくなるように設定されている。これにより、上蓋溝部47を通過するケーブルが上蓋溝部47に引っ掛ることを防止している。
第1窪部48は、図2及び図3に示すように、上方に突出した後述のインバータ装置5の収容部54の形状に沿って上蓋4の内側に窪んでいる。これにより、第1窪部48は収容部54と係合可能となる。図14の点線で示されたインバータ装置5と実線で示されたインバータ装置5とを比較すると、実線で示されたインバータ装置5はアダプタ7が装着されているため、収容部54の後方にアダプタ7が突出している。インバータ装置5にアダプタ7を装着したままインバータ装置5を中蓋6上に載置し上蓋4を閉じようとしても、第1窪部48の周囲の下面4Cがアダプタ7と当接し上蓋4を閉じることができない。
バッテリ8は、使用時に中央部に配置されている弁から水素ガスが排出される構成になっている。この水素ガスがメインボディ2内部に溜まらないようにする目的から、本実施形態においては上蓋4の後面にU字形状の上蓋溝部47を設けており、水素ガスを容易に外部に排出できる構成としている。一方、アダプタ7の制御回路は、アダプタ7の端子が異物混入、或いは取付機器の故障によりショートが生じた場合、アダプタ7の制御回路に設置されているヒューズが切れる構成になっている。このヒューズが切れる際に火花が散ることになるため、インバータ装置5を収容部54に配置して、このインバータ装置5にアダプタ7を接続した状態で上蓋4が閉まった状態で、かつ、作業者が上蓋溝部47を塞いだ状態で製品を使用した場合、密閉状態の上室26で火花が散ることが懸念される。このため、アダプタ7を接続した状態でインバータ装置5を収容部54に配置した場合には、上蓋4が閉まらない構成とした。
本実施の形態では、メインボディ2内に水素ガスが充満してすることを防ぐために、中蓋6上にインバータ装置5を配置しアダプタ7又は電動工具用電池パック5Cをインバータ装置5に装着した状態で上蓋4を閉じることができないように構成されている。これより、仮に上蓋溝部47による換気口が塞がった状態で製品を使用された場合でも収容部54に配置した状態でインバータ装置5を使用できないため水素ガスによる不具合を防止できるようになる。なお、ヒューズが切れるとバッテリ8とインバータ装置5は遮断されるため、その状態では水素ガスは発生しない。主にバッテリ8の充電時に水素ガスが発生する。また、アダプタ7をインバータ装置5に装着したまま放置すると、インバータ装置5の回路等によってバッテリ8が消費されてしまうが、アダプタ7を装着した状態で上蓋4を閉まらなくすることでバッテリ8の無駄な電力消費を抑制することができる。
第2窪部49は、第1窪部48に隣接するように形成されており、上蓋4の剛性アップのために設けられる。
インバータ装置5は、上蓋4と中蓋6とに挟まれた状態でメインボディ2に収容されている。図24に示すように、インバータ装置5には、インバータ装置5の状態を表示する表示パネル51と、出力ケーブル52と、着脱ボタン53と、アダプタ7または点線で示した電動工具用電池パック5Cを収容する収容部54と、外部からの入力を受ける電力入力部55と(図3)、電力入力部55に着脱可能に設けられた電源ケーブル56と、バンド係止部57と、を有している。インバータ装置5には、側方に突出し中蓋6と係合可能な側方突出部5Aと、前方に突出し中蓋6と係合可能な前方突出部5Bとが規定されている。アダプタ7のインバータ装置5への接続部72は、電動工具用電池パック5Cと同じ形状となっている。これにより、インバータ装置5はアダプタ7と電動工具用電池パック5Cの夫々に対応した接続部を設ける必要がないため大型化することがない。
表示パネル51にはLEDランプが設けられていて、LEDランプの点灯あるいは点滅の状態によって、作業者はバッテリ8を電源として使用しているか、バッテリ8を充電しているか、あるいは、電源装置1に異常が発生しているかを判断することができる。出力ケーブル52からは、アダプタ7を介してバッテリ8から入力された直流電圧あるいは電動工具用電池パック5Cから入力された直流電圧を100Vの交流電圧として出力している。
着脱ボタン53は、左右方向両端に設けられており、着脱ボタン53を押すことで、インバータ装置5の上蓋4への着脱ができる。ラッチプレート43の係合部43Aと、着脱ボタン53の被係合部とが係合することにより、インバータ装置5は上蓋4に固定される。バンド係止部57は、インバータ装置5の前部の左右方向両端に設けられており、図示せぬ肩掛けバンドを係止することができる。これにより、インバータ装置5をメインボディ2から取り出し、肩掛けバンドをバンド係止部57に係止することにより、インバータ装置5を単独で使用することができる。この際、インバータ装置5の電源としては電動工具用電池パック5Cを使用すれば携帯性を向上することができる。また、アダプタ7を介してバッテリ8を使用したい場合でも、上蓋4からインバータ装置5を取外し肩掛けバンドで携帯すれば、上蓋4上面に、例えばドライバードリル等の電動工具や、電動工具用電池パック5Cを載置することができるため、使用用途を広げることができる。
中蓋6は、中室27に配置され、上室26と下室28とを区画している。中蓋6は、図17に示すように、周囲壁61を有し、底面6Aが規定されている。中蓋6の中央には、アダプタ7を収容するアダプタ収納部62が形成され、後側の周囲壁61には中蓋溝部63が形成されている(図18)。図2及び図3に示すように、中蓋6は軽量化のために内部が空洞となっている。メインボディ2は、重量のあるバッテリ8(15kg)を支えるため、アウターボディ24とインナーボディ25との間に緩衝材2Aを充填して剛性を高めているが、アダプタ7は、重量が軽い(1kg)ため、中蓋6の内部が空洞でもアダプタ7の支持が可能である。
底面6Aは水平な面であって、底面6Aを上下方向に貫通する2つの貫通穴6aが形成されている。2つの貫通穴6aは、右側の周囲壁61の近傍及び左側の周囲壁61の近傍に所定距離離間して位置している。上室26と下室28とは、2つの貫通穴6a及び中蓋溝部63によって連通している。2つの貫通穴6aは、アダプタ収納部62に溜まった水を抜く水抜き穴として機能するとともに、バッテリ8から発生した水素ガスを抜くガス抜き穴としての役割も果たす。これにより、アダプタ収納部62に水が溜まることを防止できるとともに、バッテリ8から発生した水素ガスが下室28に充満することを防止できる。
前、右、左の周囲壁61の上面には、周囲壁61が下方に凹んだ受入部64が設けられており、受入部64においてインバータ装置5を載置可能となっている。左右方向の受入部64にはインバータ装置5の側方突出部5Aが載置され、前方の受入部64にはインバータ装置5の前方突出部5Bが載置される。これにより、中蓋6にインバータ装置5を載置した状態では、インバータ装置5は中蓋6上で前後方向及び左右方向に移動不能となる。後面の周囲壁61には、下方向に凹んだケーブル受部65が設けられている。ケーブル受部65は、インバータ装置5を載置した際にインバータ装置5の背面から延びる出力ケーブル52などを支持するために設けられている。つまり、ケーブル受部65は、インバータ装置5を中蓋6に載置した時、それぞれのケーブルが延出している方向の周囲壁61に設けられている。
後側の周囲壁61に設けられたケーブル受部65と中蓋溝部63との接続部分には、第1曲面部66が設けられている。第1曲面部66では、ケーブル受部65の底面と、後側の周囲壁61と中蓋溝部63とを繋ぐ側面と、の曲率が大きく設定されている。これにより、アダプタ収納部62にアダプタ7を収容する際、周囲壁61にアダプタケーブル71が引っ掛ることを防止できる。
アダプタ収納部62は、上方から見て中蓋6の略中央部に設けられており(図18)、受入部64よりも下方に位置している(図17)。アダプタ収納部62は、アダプタ7及びアダプタケーブル71の一部を収容することができる容積を備えている。これにより、インバータ装置5を中蓋6上に載置した状態でアダプタ7をアダプタ収納部62に収容することができる(図2)。また、アダプタ7がインバータ装置5に装着されている等によってアダプタ収納部62にアダプタ7が収容されていない場合には、電動工具用電池パック5C等、収容部62に収容可能な大きさのものを収容しても良い。これにより、電源装置1を運搬する際に電源装置1以外の装置も一緒に運搬できるため運搬性を向上することができる。
中蓋溝部63は、図18に示すように、平面視略U字状をなしており、中蓋溝部63を通じてアダプタ収納部62に収容されたアダプタケーブル71を引出すことができる。図18に示すように、中蓋溝部63は後側の周囲壁61に形成されている。図3に示すように、バッテリ8も端子81が後側になるように下室28に配置されている。端子81が配置される側と同じ側に中蓋溝部63を形成することにより、アダプタ収納部62にアダプタ7を収容した際、アダプタケーブル71の引回し量を最小限とすることができる。
図19に示すように、中蓋溝部63の周縁には、底面6Aと中蓋溝部63とを繋ぐ部分に第2曲面部63Aが、第2曲面部63Aの直下に第3曲面部63Bが設けられている。第2曲面部63A及び第3曲面部63Bの曲率は同一であり、他の部分(例えば、周囲壁61と底面6A)の曲率よりも大きく設定されている。曲面部47Bの曲率よりも第2曲面部63A及び第3曲面部63Bの曲率のほうが大きくなるように設定されている。これは、中蓋6はバッテリ8の直上に位置していることから、アダプタケーブル71が中蓋溝部63に引っ掛る可能性が高くなるためである。
図3に示すように、保持部31は、中蓋6の後方かつ直上に位置している。保持部31では、ハンドル保持部31Aのメインボディ2への固定の補強のために、アウターボディ24とインナーボディ25との距離が近接している。これにより、インナーボディ25と上蓋4とインバータ装置5と中蓋6とによってケーブル収納空間6bが画成される。より詳細には、ケーブル収納空間6bはインバータ装置5が中蓋6に載置された状態において、インバータ装置5と対向する位置に画成されている。ケーブル収納空間6bには、インバータ装置5を中蓋6に載置した際のインバータ装置5の背面から延びる出力ケーブル52やアダプタケーブル71が収容される。これにより、ケーブルを収容する空間を形成するためにアウターボディ24等を出っ張らせる必要がないため、電源装置1が大型化することを抑制することができる。
バッテリ8は、図20から図22に示すように、メインボディ2に載置された略板状のバッテリプレート82と、バッテリプレート82の左右方向両端から上方に延出するバッテリシャフト83と、蝶ボルト84によってバッテリシャフト83に固定された支持プレート85と、バッテリシャフト83の一端に螺合するボルト86と、によってメインボディ2に固定されている。バッテリプレート82とバッテリ8との間には、滑り止め部材82Bが設けられている(図22)。本実施の形態では、滑り止め部材82Bの一例としてゴムダンパを採用している。バッテリプレート82は金属製であって、図23に示すように、前後方向端部が上方に向けて折り返されることにより2つの規制部82Aが設けられている。2つの規制部82A間の距離D1は、バッテリ8の前後方向の距離D2(図22)よりも僅かに大きく設定されている。これにより、バッテリ8の前後方向の移動が規制される。バッテリプレート82の前後方向中央から前方寄りの位置にバッテリシャフト83が挿通されるシャフト貫通孔82aが形成されている。シャフト貫通孔82aは、左右方向に所定距離離間して2つ形成されている。バッテリシャフト83は、シャフト貫通孔82a及びメインボディ2に形成された貫通穴2bを貫通してボルト86によってメインボディ2に固定される。バッテリ8は、バッテリプレート82の規制部82A及びバッテリシャフト83によってバッテリプレート82上に載置される際に容易に位置決めすることができる。
図3に示すように、バッテリ8は、下室28の前後方向中央から前方寄りの位置でバッテリシャフト83に支持されている。アウターボディ24及びインナーボディ25をブロー成型する際、車輪21を収容する凹みを形成する必要があるが、成型上の問題で当該凹みと当接部25Aとを近づけるとブロー成形では、その形状を保持することができない問題があった。一方、バッテリ8の中央部に水素ガスを放出する弁を配置し、バッテリプレート82の設置位置をバッテリ8の中央部にした場合、バッテリプレート82が弁を塞ぐ問題というがあった。これらを回避するためには単純にメインボディ2のサイズを大きくすれば良いが、本実施の形態のように車輪21を収容する凹みと当接部25Aとの距離を十分保ことができるようにバッテリ8をバッテリシャフト83によって前後方向中央から前方寄りで支持することで、メインボディ2のコンパクト化、およびコストダウンを実現した。
図2に示すように、バッテリ8は、下室28のメインボディ2の左右方向中央から左寄りの位置に固定されている。上蓋4はヒンジ41を支点として回動するため、上蓋4を開にしたときには電源装置1の重心が右に寄る。上蓋4を開とした時でも電源装置1の重心のバランスを左右方向の中心に近い位置に保つため、バッテリ8は中央から左寄りに固定されている。これによりバッテリ8の右側に空間が出来たため、当該空間の当接部25Aに水抜き穴25bが形成されている。
図2に示すように、バッテリ8は、左右方向両端から上方に延びるバッテリシャフト83によって左右方向の移動を規制されている。図22に示すように、支持プレート85とバッテリ8との間には、バッテリ8の表面保護の及びバッテリ8の滑り止めのための弾性材87が設けられている。蝶ボルト84で支持プレート85及び弾性材87をバッテリ8に押圧することにより、バッテリ8は上下方向の移動を規制される。これにより、バッテリ8はメインボディ2に完全に固定される。支持プレート85は、幅方向の距離D3に亘って、絶縁体85Aが設けられている(図20)。図6Aに示すように、距離D3は、端子81の間の距離D4よりも長く設定される。これにより、バッテリ8を交換する際に支持プレート85がバッテリ8の端子に接触してショートしてしまうことを抑制することができる。
図6Bに示すように、アダプタケーブル71から、各端子81にケーブル71A及びサーミスタケーブル88Aが延びている。ケーブル71Aの先端には、圧着端子71Bが設けられている。圧着端子71Bは、端子81と係合する端子係合部71Cと、ケーブル71Aが挿入されるケーブル受入部71Dとを備えている。端子係合部71Cと端子81とが繋がることで、アダプタ7とバッテリ8とが電気的に接続される。端子81は、図6Aに示す状態において、右側がプラス、左側がマイナスとなる。ボルトによって端子係合部71Cがプラス端子81に固定されているため、電源装置1の運搬時等に生じる振動等によってサーミスタ88がバッテリ8から外れることを確実に防止することができる。
圧着端子71B上であって、プラス側の端子81とケーブル71Aとが係合している近傍には、温度検出手段としてのサーミスタ88が設けられている。図6Bに示すように、サーミスタケーブル88Aの先端にサーミスタ88が固定されている状態で、サーミスタ88及びサーミスタケーブル88Aをケーブル受入部71Dに挿入し当該箇所を圧着して固定する。このとき、ケーブル受入部71Dの内周面にはエポキシが塗布されており、圧着によってサーミスタ88が破損することを防止している。サーミスタケーブル88Aはアダプタ7に接続されており、アダプタ7によりバッテリ8の温度を検出することができる。
また、図6Dに示すように、マイナス側の端子81にはサーマルプロテクタ89がボルトにより2つ固定されている。サーマルプロテクタのケーブルはアダプタ7に接続され、電池異常を検出できるようになっている。図6Cに示すように、2つのサーマルプロテクタ89は銅製ホルダ90で保持され、シリコン89Aによって銅製ホルダ90に固定されている。銅製ホルダ90はボルトにより鉛充電池7のマイナス側端子81に固定されている。一方のサーマルプロテクタ89は、アダプタ7に設けられ直流12Vを出力可能なシガーソケットとバッテリ8の出力経路に配置されている。他方のサーマルプロテクタ89はバッテリ8の充電経路及びインバータ装置4への電力供給経路に配置されている。
サーマルプロテクタ89は、電池異常等により電池温度が高温(例えば65℃以上)になると開状態となり、上記した経路が遮断される。これにより、電池異常時に充放電を停止することができる。通常、蓄電池の温度は、長時間連続で使用しても余り上昇しない。しかしながら、高温、或いは低温の温度環境で使用した場合、電池の性能劣化や電池故障が生じる場合がある。このため、本発明では、温度に関する使用条件を設けた構成にしている。温度制御の構成としてはインバータ装置4側への電源供給の温度制御のためにサーミスタ88を設け、シガーソケットプラグへの出力制御及び充電時の温度保護をするためにサーマルプロテクタを2個設けた。
また、温度制御の精度向上の目的から、1個のサーミスタ88はバッテリ8のプラス端子に、2個のサ−マルプロテクタはマイナス端子81に直付けの構成とした。なお、サーマルプロテクタ89についてはマイナス側の端子81に2個とも直付けし、かつ、温度を精度良く読み取ることができるように銅製のホルダに対してシリコンにより2個のサーマルプロテクタ89を直接接着させて、端子部にナット(ボルト)により固定している。これより、運搬時等に生じる振動等によるサーマルプロテクタ89やサーミスタ88の脱落、断線等を防止することが可能となり、かつ、温度制御の精度も向上することができる。
図6Aに示すように、アダプタケーブル71の端部が端子81に固定された後、結束バンドによって支持プレート85に固定されている。これにより、アダプタケーブル71が端子81と接続している部分に負荷が掛かって当該箇所が損傷あるいは切断することを防止している。
バッテリ8の上面には、バッテリ8の水素ガスを抜くための複数のガス抜き穴8aが形成されている。支持プレート85は、ガス抜き穴8aとずれた位置に設けられる。
本実施の形態の第1の変形例を、図25から図27に示す。本実施の形態の第1の変形例では、中蓋6に正弦波アダプタ9が載置されており、インバータ装置5は上蓋4に固定されている。
正弦波アダプタ9は、インバータ装置5から出力された矩形波の交流電圧を正弦波の交流電圧に変換可能な装置である。インバータ装置5の出力ケーブル52を正弦波アダプタ9に接続し、正弦波アダプタ9から出力を得ることにより、電源装置1を100Vの正弦波の交流電源として使用することが可能となる。
図27に示すように、正弦波アダプタ9は、インバータ装置5と係合可能な係合部91と、正弦波アダプタ9の設定状態を表示する表示部92と、正弦波アダプタ9の出力周波数を設定する設定部93と、出力ケーブル94と、外部からの入力を受ける入力部95(図26)と、を備えている。正弦波アダプタ9には、側方に突出し中蓋6と係合可能な側方突出部9Aと、前方に突出し中蓋6と係合可能な前方突出部9Bとが規定されている。係合部91は、ラッチプレート43に設けられた係合部43Aと略同一形状であり、上方に突出している。作業者は、インバータ装置5に設けられた着脱ボタン53の操作により、インバータ装置5を正弦波アダプタ9に着脱することができる。これにより、インバータ装置5と正弦波アダプタ9を携帯することが可能となり使用用途を広げることができる。
表示部92には、2つのLEDランプが設けられていて、設定部93が50Hzに設定されている時は一方のLEDランプが点灯し、設定部93が60Hzに設定されている時は他方のLEDランプが点灯する。出力ケーブル94の先端には差込プラグ94Aが設けられている。入力部95には、インバータ装置5からの出力が入力される。
ケーブル収納空間6bには、正弦波アダプタ9を中蓋6に載置した際の正弦波アダプタ9の背面から延びる出力ケーブル94などが収容される。左右方向の受入部64には正弦波アダプタ9の側方突出部9Aが載置され、前方の受入部64には正弦波アダプタ9の前方突出部9Bが載置される。これにより、中蓋6に正弦波アダプタ9を載置した状態では、正弦波アダプタ9は中蓋6上で前後方向及び左右方向に移動不能となる。
図25に示す状態の時、上蓋溝部47には最大で、正弦波アダプタ9が中蓋6に載置された状態のとき、アダプタケーブル71と、インバータ装置5から正弦波アダプタ9に接続される出力ケーブル52と、正弦波アダプタ9から出力される出力ケーブル94と、の3本のケーブルが通る可能性がある。上蓋溝部47の上下方向に直交する断面は、当該3本のケーブルが通ることができる程度の断面積を有している。
本実施形態の第2の変形例を、図28A及び図28Bに示す。本実施形態の第2の変形例では、ハンドル3に押圧部139が設けられている。上述の実施の形態では、緩衝材34Aの前方(メインボディ2側)の部材がアウターボディ24と当接することによって、ハンドル3のがたつきを防止していたが、第2の変形例では、押圧部139がアウターボディ24と当接することによりハンドル3のがたつきを防止している。
押圧部139は、上下方向に所定距離離間して2つ各伸長部35に設けられていて、ハンドル3全体では4つの押圧部139が備えられている。図28Bに示すように、押圧部139は前方(メインボディ2側)に突出している。ハンドル3が収納位置にあるときは、4つの押圧部139がすべてメインボディ2と当接する。これにより、4箇所でハンドル3とアウターボディ24とが当接するため、ハンドル3のがたつきを確実に防止できる。ハンドル3が伸長位置にあるときは、下の2つの押圧部139のみがアウターボディ24に当接する。これにより、ハンドル3が引出された状態でもハンドル3のがたつきを防止できる。
ハンドル把持部33には、ゴム製のグリップ部133が設けられていて、作業者がハンドル把持部33を把持し易い構成となっている。
本実施形態の第3の変形例を、図29から図31に示す。上述の実施形態では、ハンドル3のストッパとして当接部31Bを採用したが、第3の変形例では、凸部224Aがストッパとなる。
第3の変形例では、凸部224Aがアウターボディ24の後面に外方に突出するように設けられている。緩衝材34Aのアウターボディ24側の端部は、当該端部の上側に位置するアウターボディ24の凸部24Aから伸長部35と平行に引いた仮想ラインよりもアウターボディ24側に位置する。すなわち、アウターボディ24の凸部24Aは緩衝材34Aの端部より後方側に位置している。これにより、ハンドル3が伸長位置にあるとき凸部224Aと緩衝材34Aとが当接するため。メインボディ2に対するハンドル3の不意な伸長位置への移動を抑制することができる。
なお、強度上、問題がなければ、第3の変形例のように当接部31Bの代替としてメインボディ2に凸部224Aを設けて、この凸部と被当接部34を突き当てる構成とすれば、比較的安価な構成で被当接部34と伸長部35との接続箇所Rの損傷を防止することも可能である。また、被当接部34の形状のみ四角形状として、前記した凸部224Aと接触させる構成とすれば、メインボディ2に設けた凸部の高さを低くした状態でも突き当てを円滑に行うことができる。
本発明は、上述した電源装置1により以下のような効果を得ることができる。
電源装置1として、インバータ装置5及び容量の大きなバッテリ8をメインボディ2に収容して持ち運び可能としたことにより、商用交流電圧の電力の供給がない地域、例えば大地震による震災被災地においても、長時間にわたって交流電圧の電力の供給を行うことができる。また、充電可能なバッテリ8を備えているため、商用交流電圧の電力の供給がある地域においてインバータ装置に商用交流電源を接続することで、バッテリ8の充電を行うことができる。
インバータ装置5は上蓋4の上に固定可能であるため、メインボディ2内に正弦波アダプタが収容されているときには、インバータ装置を係合部43Aに固定して上蓋4の外面上に配置することができる。このため、メインボディ2の外径寸法を小さくすることができる。また、電源装置1は、インバータ装置5から出力された矩形波の交流電圧を正弦波の交流電圧に変換し出力する正弦波アダプタ9を備えているため、正弦波の交流電圧の電力を供給することができる。
バッテリ8は車載用の鉛蓄電池からなるため、バッテリ8の容量を大きなものとすることができる。また、インバータ装置5は電動工具用電池パック5Cも接続可能であるため、使用用途に応じてバッテリ8と電池パック5Cを使い分けることができる。バッテリ8を使用すれば電源装置1に接続された機器の動作時間を電動工具用電池パック5C使用時に比べて長くすることができる。逆に電動工具用電池パック5Cを使用すればインバータ装置5を肩等に掛けて携帯することができる。
メインボディ2にはメインボディ2を運搬するために把持可能なハンドル3が設けられ、ハンドル3はメインボディ2に設けられたハンドル保持部31Aにより保持されているため、電源装置の移動を容易とすることができる。
ハンドル3は、第1ハンドル部37と第2ハンドル部38とにより構成されているため、ハンドル3をブロー成形により製造しコスト削減を図るとともに、バッテリ8をメインボディ8内に収容した状態でハンドル3を把持して運搬することが可能な程度に、ハンドル3に強度を持たせることができる。また、第1ハンドル部37と第2ハンドル部38とは同一の形状であることから、同一の金型で製作可能であり製造コストを削減することができる。
メインボディ2には、ハンドル3の移動を規制する当接部31Bが設けられているため、ハンドル3をブロー成形により製造した場合であっても、ハンドル3の移動時にハンドル3が伸長位置において当接部31B以外の部分にハンドル3が接触してハンドル3が損傷してしまうことを防止することができる。また、当接部31Bとしてプレス部品を用いることで、安価な当接部31Bと安価なブロー成形品たるハンドル3とを組み合わせて用いることができ電源装置1にかかる製造コストの低減を図ることができる。
当接部31Bには第2ダンパ31Dが設けられており、被当接部34には緩衝材34Aが設けられているため、ハンドル3を収納位置から伸長位置へハンドル3を強引に移動させようとした場合に当接部31Bとハンドル3との間に発生する衝突荷重を低減できる。このため、ハンドル3及び当接部31Bの耐久性を向上させることができる。
緩衝材34Aは、被当接部34の全周に亘って設けられているため、メインボディ2が転倒され、ハンドル3が地面や床等に接近した場合であっても、緩衝材34Aが地面や床等に衝突することによりハンドル3が地面や床等に当接した際の衝撃を和らげることができ、ハンドル3を損傷することを防止することができる。
緩衝材34Aはゴムダンパからなるため、安価で簡単な材料で構成することができる。
メインボディ2には車輪21が設けられているため、電源装置1の移動を容易とすることができる。
上蓋4にはラッチプレート43が設けられており、上蓋4にインバータ装置5を固定することで、インバータ装置5の表示パネル51を見やすい状態として使用することができる。また、インバータ装置5へのアクセスが容易になる。
ラッチプレート43の係合部43Aは上蓋4から突出し、上蓋4には係合部43Aよりも突出する壁部44が設けられているため、係合部43Aに他の物が衝突することを防止することができ、係合部43Aの保護を図ることができる。
上蓋4の上面4Aは、平坦部4Bに向けて下方に傾斜しているため、傾斜面上に雨水等が滴下した場合に、当該雨水を上蓋4の平坦部4Bへ向かって流すことができる。このため、上蓋4の外面上に雨水等が溜まることを防止することができる。
上蓋4の上面4Aは、平坦部4Bに向けて下方に1°以上傾斜しているため、雨水等を効果的に流すことができる。
上蓋4には上蓋溝部47が形成されているため、インバータ装置5等に接続されたケーブルを上蓋溝部47を通してメインボディ2の外から内へ、又は内から外へと通すことができる。
上蓋溝部47の周囲には周縁部47Aが設けられている、雨水等が上蓋溝部47を通してメインボディ2内へと流れることを防止することができる。
第1窪部48は収容部54に沿った形状となっているため、収容部54にアダプタ7が接続されている状態では第1窪部48の周囲の下面4Cがアダプタ7に当接して上蓋4で開口2aを閉めることができないようにすることができる。
インバータ装置5が上室26に収容され、中蓋6が中室27に収容され、バッテリ8が下室28に収容されているため、バッテリ8とインバータ装置5と中蓋6とをメインボディ2にコンパクトに収容することができる。
インバータ装置5が中蓋6に載置されているとき、インバータ装置5に対向するようにケーブル収納空間6bが形成されているため、インバータ装置5とバッテリ8とを接続するためのアダプタケーブル71を収容することができ、アダプタケーブル71を無理に折り曲げたりすることを避けることができる。
上室26に収容可能な正弦波アダプタ9をさらに備えているため、電源装置1から正弦波の交流電圧の電力を供給することができる。
正弦波アダプタ9が中蓋6に載置されているとき、正弦波アダプタ9に対向するようにケーブル収納空間6bが形成されているため、正弦波アダプタ9とバッテリ8とを接続するためのケーブルを収容することができ、ケーブルを無理に折り曲げたりすることを避けることができる。
中蓋6には中蓋溝部63が形成されているため、バッテリ8に接続されたケーブル等を、中蓋溝部63を通して中蓋の下面側から上面側へ、又は上面側から下面側へと通すことができる。
中蓋6には、貫通穴6aが形成されているため、上室26に流入した雨水等を下室28へ流すことができる。また、万が一下室28のバッテリ8から水素ガスが発生したとしても、当該水素ガスを上室26へと排気することができる。
アウターボディ24とインナーボディ25との間に緩衝材2Aが充填されているため、メインボディ2内の温度変化を抑制することができ、バッテリ8の性能を安定化させることができる。また、アウターボディに他の物が衝突した際に受ける衝撃を緩衝材2Aが吸収することができ、メインボディ2に収容されているバッテリ8やインバータ装置5を保護することができる。
インナーボディ25には水抜き穴25bが形成され、水抜き穴2bに向かって下方へ傾斜する傾斜部25Bを有しているため、メインボディ2内に侵入した雨水を水抜き穴2bへ流して、外部へと排出することができる。
傾斜部25Bは水平に対して1°以上の角度をなして傾斜しているため、メインボディ2に侵入した雨水を効果的に水抜き穴2bへ流すことができる。
バッテリ8は、左右方向においてバッテリシャフト83に支持され、前後方向において規制部82Aと当接しているため、左右方向においてバッテリ8を安定して保持することができるのみならず、バッテリ8の端部を規制部82Aに当接させることにより、左右方向に交差する前後方向においてバッテリ8を安定して位置決めすることができる。
バッテリプレート82とリブ25C(インナーボディ25)との間には、バッテリプレート82がインナーボディ25に対して滑ることを防止する滑り止め部材25Dが設けられているため、バッテリプレート82をインナーボディ25に対して安定して保持することができる。
バッテリプレート82とバッテリ8との間には、バッテリ8がバッテリプレート82に対して滑ることを防止する滑り止め部材82Bが設けられているため、バッテリ8をバッテリプレート82に対して安定して保持することができる。
滑り止め部材25D、82Bはゴムダンパからなるため、インナーボディ25に対するバッテリプレート82の保持やバッテリプレート82に対するバッテリ8の保持を容易且つ効果的に行うことができる。
支持プレート85の表面には、端子81間距離よりも長い範囲で弾性材87が設けられているため、バッテリ8を交換しようとして支持プレート85をバッテリシャフト83から取り外したときに、誤って端子81に支持プレート85を落下させた場合であっても、ショートしてしまうことを防止することができる。
インバータ装置5を上蓋4に取り付けられるため、インバータ装置5を外気により冷却することができる。インバータ装置5の熱がメインボディ2内にこもることを防止することができる。
本発明による電源装置は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の改良や変形が可能である。
上述の実施の形態では、メインボディ2内にインバータ装置5又は正弦波アダプタ9のいずれかを収容できたが、メインボディ2の高さを高くしてメインボディ2内にインバータ装置5と正弦波アダプタ9の両方を収容可能にしても良い。この場合においても、上蓋4は収容部54にアダプタ7が装着された状態だと閉じることができないように構成することが好ましい。
上述の実施の形態では、当接部25Aに1つの水抜き穴25aが形成されていたが、複数の水抜き穴を形成してもよい。これにより、大量の水がメインボディ2内に浸入したとしても、迅速に外部に排出することができる。
上述の実施の形態では、緩衝材2Aとしてウレタンを採用したが、ポリスチレンなどの他の材料でも良い。また、緩衝材2Aを充填しなくても良い。
上述の実施の形態では、インナーボディ25にポリエチレンを採用したが、インナーボディ25はポリプロピレンでも良い。
上述の実施の形態では、第1ハンドル部37と第2ハンドル部38とを組み合わせてハンドル3としたが、ハンドル3を金属製としても良い。
上述の実施の形態では、ハンドル3に緩衝材34Aを設け当接部31Bに第2ダンパ31Dを設けたが、いずれか一方だけ設けてもよい。
また、補強部材36の下面に緩衝材を設けても良い。これにより、作業者がハンドル3を下に押下げたときに保持部31の上面と緩衝材とが当接して衝撃を緩和することができる。
上述の実施の形態では、上蓋溝部47は後面に設けられたが、ヒンジ取付部46が設けられている側面以外の面であれば良い。また、上蓋溝部47は複数設けられていていても良い。
上述の実施の形態では、インバータ装置5は中蓋6に載置可能であったが、中蓋6に係合部43Aに相当する部材を設けてインバータ装置5を中蓋6に固定可能にとしても良い。また、中蓋6に正弦波アダプタ9の底面と係合し正弦波アダプタ9を固定する係合部を設けてもいい。
上述の実施の形態では、アダプタ収納部62にアダプタ7及びアダプタケーブル71の一部を収容していたが、電池パック5Cを収容しても良い。また、アダプタ7及び電池パック5Cを同時に収容できるように構成しても良い。
上述の実施の形態では、中蓋6の底面6Aにアダプタ7を載置するようにアダプタ収納部62にアダプタ7を収容していたが、アダプタ収納部62にアダプタ7が移動しないようにする固定する部材を設けても良い。
上述の実施の形態では、中蓋6の底面6Aは水平面だったが、水抜き穴6aに向けて下方に傾斜させても良い。これにより、さらにアダプタ収納部62に水が溜まりにくい構造となる。
上述の実施の形態では、中蓋溝部63は後方の周囲壁61に設けられていたが、他の位置の周囲壁61に設けても良い。また、周囲壁61に複数の中蓋溝部63を設けても良い。
また、メインボディ2に冷却機能を持たせても良い。具体的には、メインボディ2の一の面に外気の吸入口を設け、一の面に対向する面に排気ファンを設ける。これにより、たとえバッテリ8や正弦波アダプタ9が発熱したとしても、メインボディ2内の温度上昇を抑えることができる。