以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。以下では、本発明を遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシン10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図3は前面扉12の背面図、図4は筐体11の正面図である。
図1から図4に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製のパネルを組み合わせて、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。尚、筐体11は木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。
また、前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置20が設けられ、前面扉12は、その施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ21を採用することができる。なお、本実施形態では、キーシリンダ21として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)が用いられている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図2に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個、具体的には、各リール32L,32M,32R毎に、21個の図柄が等間隔に描かれており、そのうち連続する3個の図柄が表示窓26L,26M,26Rの上段、中段、下段の位置にそれぞれ視認可能に構成されている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)するレバーであり、所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rの回転が一斉に(但し、同時である必要はない)開始されるようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられたセレクタ46によって取込用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。そして、取込用通路47に導かれたメダルは、筺体1の内部に収容されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。なお、メダル投入口45からホッパ装置51までのメダルの取込用経路およびメダル投入口45からメダル受け皿50までのメダルの排出用経路に設けられる各種構成については、図5から図10を参照して後述する。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とにより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55が操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59が操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、ボーナス状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行したり、電源投入時やエラー発生時に、その状態を報知するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
メダル受け皿50の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート66が装着されている。また、メダル受け皿50の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿69が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91(図11参照)を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、後述する主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ72は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ72を押しながら電源スイッチ71をオンすると、バックアップデータがリセット(初期化)されるようになっている。また、電源スイッチ71がオンされている状態でリセットスイッチ72を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(各入賞態様の当選確率の設定)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。そして、設定状態が「設定1」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も低くなるように入賞態様(役)の抽選を行い、設定状態が「設定6」に設定された場合、メダル払出枚数の期待値が最も高くなるように入賞態様の抽選を行うように構成されている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の設定状態を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。詳細については、図11を参照して後述するが、主制御装置101は、主たる制御を司るMPU(Micro Processing Unit)102、遊技プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)105、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)106、各種機器との連絡をとるポート104、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路103等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、図5から図10を参照して、メダル投入口45からホッパ装置51までのメダルの取込用経路およびメダル投入口45からメダル受け皿50までのメダルの排出用経路に設けられる各種構成について説明する。図5は、図3のVで示す部分を拡大した前面扉12の部分拡大背面図である。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた投入メダル検出センサ201によって検出された後、その投入メダル検出センサ201の下流側に設けられたセレクタ46によって取込用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。投入メダル検出センサ201の検出信号は主制御装置101に出力され、主制御装置101は、投入メダル検出センサ201から入力される検出信号に基づいて、投入されたメダルの数をカウントする。
投入メダル検出センサ201は、一対の発光素子および受光素子(いずれも図示せず)を有するフォトインタラプタによって構成されている。投入メダル検出センサ201は、受光素子が発光素子からの光を受光している受光状態では「ON」信号を、投入されたメダルによって発光素子からの光が遮蔽され受光素子が光を受光できない遮光状態では「OFF」信号を、それぞれ検出信号として主制御装置101に出力するように構成されている。即ち、メダルが投入されていない状態では、投入メダル検出センサ201から主制御装置101に常時「ON」信号が出力され、メダルが投入されると、投入されたメダルが投入メダル検出センサ201を通過し終わるまでの間、投入メダル検出センサ201から主制御装置101に「OFF」信号が出力される。これにより、投入メダル検出センサ201が取り外された場合や投入メダル検出センサ201の電気配線が切断された場合には、メダルが投入されていないにも関わらず、投入メダル検出センサ201から主制御装置101に常時「OFF」信号が出力されるので、投入メダル検出センサ201に対する不正行為を早期に発見することができる。その結果、投入メダル検出センサ201に不正を施して、取込用通路47に導かれたメダルを糸や針金などでメダル投入口45から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
セレクタ46には、通路切替ソレノイド46aが設けられており、その通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが取込用通路47側に導かれるように構成されている。そして、取込用通路47に導かれたメダルは、ホッパ装置51へと導かれる一方、排出用通路48に導かれたメダルは、メダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。なお、通路切替ソレノイド46aによってメダルが排出用通路48側に導かれる条件としては、例えば、クレジットされている仮想メダルが最大値(メダル50枚分)の状態で更にメダルが投入された場合や、リール32L,32M,32Rが回転している状態でメダルが投入された場合などが挙げられる。
また、セレクタ46には、投入されたメダルを規定のメダル(スロットマシン10での遊技を行うための遊技価値を有するメダル)と規定外のメダルとに選別するべく、規定のメダルよりも小径のメダルのみが通過可能な排出孔46bが設けられており、規定のメダルよりも小径の規定外のメダルが投入された場合には、そのメダルが排出孔46bから排出用通路48に排出されるように構成されている。但し、投入されたメダルを規定のメダルと規定外のメダルとに選別する方法としては、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、通路切替ソレノイド46aが励磁状態にあっても、規定外のメダルが投入された場合には、取込用通路47へメダルを導く案内通路(図示せず)からメダルが脱落して、排出用通路48に排出されるように構成しても良い。
取込用通路47には、その取込用通路47を通過するメダルを検出する第1取込メダル検出センサ202及び第2取込メダル検出センサ203が設けられている。各取込メダル検出センサ202,203の検出信号は主制御装置101に出力され、主制御装置101は、各取込メダル検出センサ202,203から入力される検出信号に基づいて、ホッパ装置51に取り込まれるメダルの数をカウントする。
各取込メダル検出センサ202,203は、一対の発光素子および受光素子(いずれも図示せず)を有するフォトインタラプタによって構成されている。各取込メダル検出センサ202,203は、取込用通路47を通過する1枚のメダルを同時に検出し得る程度に近接した位置で、それぞれ取込用通路47の上流側と下流側とに並設されている。各取込メダル検出センサ202,203は、受光素子が発光素子からの光を受光している受光状態では「ON」信号を、取込用通路47を通過するメダルによって発光素子からの光が遮蔽され受光素子が光を受光できない遮光状態では「OFF」信号を、それぞれ検出信号として主制御装置101に出力するように構成されている。即ち、メダルが取込用通路47を通過していない状態では、各取込メダル検出センサ202,203から主制御装置101に常時「ON」信号が出力され、メダルが取込用通路47を通過すると、取込用通路47を通過するメダルが各取込メダル検出センサ202,203を通過し終わるまでの間、各取込メダル検出センサ202,203から主制御装置101に「OFF」信号が出力される。
投入されたメダルがセレクタ46によって取込用通路47側に導かれると、そのメダルは各取込メダル検出センサ202,203を通過する。このとき、まず、取込用通路47の上流側に配設された第1取込メダル検出センサ202が先に遮光状態となって主制御装置101に「OFF」信号を出力し、次に取込用通路47の下流側に配設された第2取込検出センサ203が遮光状態となって主制御装置101に「OFF」信号を出力して、2つの取込メダル検出センサ202,203によって同時にメダルが検出される。そして、更にメダルが取込用通路47を下流側に流下していくと、取込用通路47の上流側に配設された第1取込メダル検出センサ202が先に受光状態となって主制御装置101に「ON」信号を出力し、次に取込用通路47の下流側に配設された第2取込メダル検出センサ203が受光状態となって主制御装置101に「ON」信号を出力する。
即ち、メダルが正常に取込用通路47を通過した場合、各取込メダル検出センサ202,203から主制御装置101に出力される信号は、まず第1取込メダル検出センサ202が「OFF」となり、次に第2取込メダル検出センサ203が「OFF」となる。そして、各取込メダル検出センサ202,203が同時に「OFF」となった後、第1取込メダル検出センサ202が「ON」となり、最後に第2取込メダル検出センサ203が「ON」となる。主制御装置101では、各取込メダル検出センサ202,203から出力される信号が、このようなタイミングで変化する場合にメダルが正常にホッパ51に取り込まれたことを判断し、ホッパ装置51に取り込まれるメダルの数をカウントする。
一方、メダルが取込用通路47を通過中に詰まったり、取込用通路47に導かれたメダルを糸や針金などでメダル投入口45やメダル排出口49(図1参照)から不正に取り出した場合は、2つの取込メダル検出センサ202,203から主制御装置101に出力される信号が、メダルが正常に取込用通路47を通過した場合とは異なるタイミングで変化する。主制御装置101は、各取込メダル検出センサ202,203から出力される検出信号の変化を監視し、その変化が、メダルが正常に取込用通路47を通過した場合の変化と異なる場合は、メダルの詰まりや、不正があったと判断して、エラーの発生をエラーコマンドによって後述する表示制御装置81に通知する。表示制御装置81では、主制御装置101からエラーの発生が通知されると、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65(いずれも図1参照)などから、エラーの発生を報知する。
排出用通路48には、その排出用通路48を通過するメダルを検出する排出メダル検出センサ204が設けられている。排出メダル検出センサ204の検出信号は主制御装置101に出力され、主制御装置101は、排出メダル検出センサ204から入力される検出信号に基づいてメダル受け皿50に排出されるメダルの数をカウントする。
排出メダル検出センサ204は、一対の発光素子204a及び受光素子204bを有するフォトインタラプタによって構成されている。排出メダル検出センサ204は、受光素子204bが発光素子204aからの光を受光している受光状態では「OFF」信号を、排出用通路48に設けられた弁体301によって発光素子204aからの光が遮蔽され受光素子204bが光を受光できない遮光状態では「ON」信号を、それぞれ検出信号として主制御装置101に出力するように構成されている。
ここで、図6及び図7を参照して、弁体301について説明する。図6は、図5のVIで示す部分を拡大した排出用通路48の部分拡大斜視図である。なお、図6では、排出メダル検出センサ204及び弁体301を排出用通路48から分解した状態を示している。図7(a)及び図7(b)は、図6のVII−VII線における排出用通路48の断面図であり、図7(a)は、メダル排出通路48bが閉塞された状態であって排出メダル検出センサ204の受光状態を、図7(b)は、メダル排出通路48bが開放された状態であって排出メダル検出センサ204の遮光状態を、それぞれ示している。なお、図7(b)では、メダルを二点鎖線で図示している。
図6に示すように、排出用通路48の最下部であってホッパ装置51からのメダルの排出口となる開口48aよりも下流側には、排出用通路48内に形成されたメダルの通路(以下「メダル排出通路」と称す)48b(図7(a)及び図7(b)参照)を開閉する弁体301が設けられている。弁体301は、メダル排出通路48bを閉塞可能な平板状に形成されており、その一側面に沿って支軸301aが設けられている。この弁体301は、排出用通路48に開口形成された挿入口48cから排出用通路48内に挿入されると共に、かかる挿入口48cに支軸301aが水平に支持されることにより、排出用通路48に対して支軸301aを中心として垂直方向へ揺動可能に取り付けられており、その揺動によって、メダル排出通路48bを開閉できるように構成されている。
このように、メダル排出通路48bを開閉する弁体301を設けることで、その弁体301によってメダル排出通路48bを閉塞することにより、メダル排出口49(図1参照)からメダル排出通路48bへの針金などの挿入を困難として、スロットマシン10の機内に対して行われる不正行為(例えば、取込用通路47に導かれたメダルを針金などでメダル排出口49から不正に取り出す不正行為)を抑制することができる。また、本実施の形態では、弁体301は、ホッパ装置51からのメダルの排出口となる開口48aよりも下流側に設けられているので、メダルを遊技者に払い出すホッパ装置51に対する不正行為(例えば、ホッパ装置51を針金などで操作してメダルを不正に払い出す不正行為)も防止することができる。
図7(a)に示すように、弁体301は、その上面が排出用通路48に当接することによって水平姿勢よりもメダル排出通路48bの上流側への揺動が規制されると共に、支軸301aに取り付けられたバネ302(図6参照)によってメダル排出通路48bの上流側に付勢されており、通常は(バネ302の付勢力に抗して外力が付与されない限りは)水平姿勢に保持されて、メダル排出通路48bを閉塞するように構成されている。
このように、メダル排出通路48bを閉塞した状態からメダル排出通路48bの上流側への弁体301の揺動が規制されるように構成することで、メダル排出口49からメダル排出通路48bに針金などを押し入れることを不可能にして、メダル排出通路48bへの針金などの挿入を困難とすることができる。
弁体301には、突起部301bが設けられており、弁体301が水平姿勢にある場合、即ち、メダル排出通路48bが閉塞された状態では、排出メダル検出センサ204の発光素子204aと受光素子204bとの間に突起部301bが介在して、発光素子204aからの光が遮蔽される。
バネ302の付勢力は、メダルの自重よりも小さく設定されており、メダル排出通路48bを流下するメダルが弁体301に到達した場合には、図7(b)に示すように、メダルの自重によって弁体301がメダル排出通路48bの下流側に揺動して、メダル排出通路48bが開放されるように構成されている。
弁体301がメダル排出通路48bの下流側に揺動した場合、即ち、メダル排出通路48bが開放された状態では、突起部301bが排出メダル検出センサ204の発光素子204a及び受光素子204bよりも上方に移動して、受光素子204bが発光素子204aからの光を受光することができる。
即ち、メダルが排出用通路48を通過していない状態では、弁体301が水平姿勢にあるため、排出メダル検出センサ204が遮光状態となって、排出メダル検出センサ204から主制御装置101に常時「ON」信号が出力され、排出用通路48を通過するメダルが弁体301に到達すると、メダルの自重によって弁体301が揺動するため、排出メダル検出センサ204が受光状態となって、メダルが弁体301を通過し終わるまでの間、排出メダル検出センサ204から主制御装置101に「OFF」信号が出力される。これにより、排出メダル検出センサ204が取り外された場合や排出メダル検出センサ204の電気配線が切断された場合には、メダルが排出されていないにも関わらず、排出メダル検出センサ204から主制御装置101に常時「OFF」信号が出力されるので、排出メダル検出センサ204に対する不正行為を早期に発見することができる。その結果、排出メダル検出センサ204に不正を施して、取込用通路47に導かれたメダルを針金などでメダル排出口49から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
このように、メダル排出通路48bを開閉する弁体301の動作によって排出用通路48を通過するメダルを検出することで、弁体302によって排出用通路48を通過するメダルの勢いを減じて、排出用通路48を通過するメダルの検出漏れを抑制することができるので、排出メダル検出センサ204によるメダルの検出不良を低減することができる。
弁体301の突起部301bは、弁体301が排出用通路48に取り付けられた状態で排出用通路48外に向けて突出されスロットマシン10の内部に位置するように構成されており、排出メダル検出センサ204は、排出用通路48外であってスロットマシン10の内部に取り付けられている。これにより、メダル排出通路48bからの排出メダル検出センサ204への接触を困難として、排出メダル検出センサ204の電気配線を不正に取り外したり排出メダル検出センサ204の電気配線を不正に切断する等の排出メダル検出センサ204に対する不正行為を抑制することができる。また、排出メダル検出センサ204の発光素子204aと受光素子204bとの間に物体を挿入することで、排出メダル検出センサ204を強制的に遮光状態として、不正に弁体301を動作させて排出用通路48を開放する行為も抑制することができる。その結果、排出メダル検出センサ204に不正を施して、取込用通路47に導かれたメダルを針金などでメダル排出口49から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
次に、図8及び図9を参照して、排出用通路48に設けられる回転体401及びメダル排出通路48bについて説明する。図8は、排出用通路48の背面斜視図である。図9(a)は、回転体401の正面図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb−IXb線における回転体401の断面図である。なお、図8及び図9では、メダルを二点鎖線で図示していると共に、図8では、メダル排出通路48bにメダルが連なって存在する状態を図示している。
図8に示すように、排出用通路48の内部であって弁体301の上方には、排出用通路48を通過するメダルを1枚ずつ弁体301に送り出すための回転体401が設けられている。回転体401は、メダルよりも大径の円板状に形成されており、その中心を回転中心として回転可能にネジ402によって排出用通路48に取り付けられている。
図9(a)に示すように、回転体401の前面には、メダルを1枚ずつ受け入れ可能な3つの凹部401aが設けられており、それら凹部401aが周方向にそれぞれ120度の中心角を隔てて等間隔に配置されている。凹部401aは、所定サイズのメダル(図9(a)の二点鎖線)の外形形状に対応して、中心側へ向けて凹となる円弧状に形成されている。このように、凹部401aを中心側へ向けて凹となる円弧状に形成することにより、凹部401aに受け入れたメダルの勢いを放射状に分散して減じることができ、凹部401aにメダルをスムーズに受け入れることができる。また、図9(b)に示すように、凹部401aは、メダルの厚みに対応した断面形状に形成されている。なお、回転体401には、必ずしも3つの凹部401aを設ける必要はなく、1つ又は2つ、或いは、4つ以上の凹部401aを設けても良い。
回転体401は、凹部401aに受け入れたメダルの自重によって図9(a)の矢印A方向へ回転することにより弁体301にメダルを送り出すものであり、凹部401aの矢印A方向側には、凹部401aにメダルを導き入れるための導入部401bが設けられると共に、凹部401aの反矢印A方向側には、回転体401の外周部でメダルを支えるための凸部401cが設けられている。導入部401b及び凸部401cは、外周側へ向けて凸となる円弧状に形成されており、導入部401bの円弧半径は、凸部401cの円弧半径よりも大きく構成されている。これにより、導入部401bによる凹部401aへのメダルの受け入れをスムーズに行うことができると共に、隣り合う凹部401a間の限られた範囲内に導入部401bを設けることができる。
回転体401と弁体301とは、回転体401の凹部401aにメダルを受け入れた状態において、凹部401aに受け入れたメダルが凹部401aと弁体301との両方に当接可能な相対位置で配置されている(図10(b)参照)。
図8に示すように、排出用通路48の内部には、排出用通路48を通過するメダルの通路となるメダル排出通路48bが形成されている。メダル排出通路48bは、メダルが1枚ずつ通過可能な断面形状に形成され、その下流部が回転体401の右上方に連通されている。メダル排出通路48bには、ホッパ装置51からのメダルの排出口となる開口48aが連通されており、ホッパ装置51から排出されたメダルがメダル排出通路48bに合流するように構成されている。
メダル排出通路48bと回転体401とは、回転体401の凹部401aの1つにメダルを受け入れた状態において、他の凹部401aがメダル排出通路48bの下流部に対向しないような相対位置で配置されている(図10(a)及び図10(b)参照)。これにより、回転体401の凹部401aに受け入れた1枚のメダルが弁体301に送り出されるまでの間、他の凹部401aに新たなメダルを受け入れることがないので、メダル排出通路48bにメダルが連なって存在する状態であっても、確実にメダルを1枚ずつ弁体301に送り出すことができる。
次に、図10を参照して、回転体401による弁体301へのメダルの送り出し動作について説明する。図10(a)から図10(d)は、図8のXで示す部分を拡大した排出用通路48の部分拡大背面図であり、回転体401によって弁体301にメダルを送り出す様子を時系列に示している。なお、図10(a)から図10(d)では、メダルを二点鎖線で図示していると共に、メダル排出通路48bにメダルが連なって存在する状態を図示している。
まず、図10(a)に示すように、メダル排出通路48bの下流部に回転体401の凹部401aの1つが対向すると、メダル排出通路48bの最も下流側に存在するメダルが凹部401aに受け入れられる。図10(a)に示す状態から、凹部401aに受け入れたメダルの自重によって回転体401が時計回りに回転すると、図10(b)に示すように、凹部401aに受け入れたメダルが弁体301に到達する。この場合、上述したように、回転体401と弁体301とは、凹部401aに受け入れたメダルが凹部401aと弁体301との両方に当接可能な相対位置で配置されると共に、弁体301はバネ302によってメダル排出通路48bの上流側に付勢されているので、凹部401aに受け入れたメダルが凹部401aと弁体301との間に挟まれて回転体401の回転を規制する。これにより、メダルが弁体301に到達する都度、回転体401の回転を一時的に停止できるので、メダル排出通路48bにメダルが連なって存在する状態であっても、メダルを1枚ずつ確実に弁体301に送り出すことができる。また、凹部401aと弁体301との間にメダルが挟まれるので、そのメダルに連なって排出用通路48の後方に存在するメダルの勢いも減じることができる。
凹部401aに受け入れたメダルが弁体301に到達すると、図10(c)に示すように、メダルの自重によって弁体301がメダル排出通路48bの下流側に揺動し、凹部401aに受け入れたメダルが弁体301に送り出される。これにより、1枚のメダルの排出用通路48の通過が排出メダル検出センサ204によって検出される。この場合、上述したように、弁体301はバネ302によってメダル排出通路48bの上流側に付勢されているので、1枚のメダルが弁体301に送り出される毎に、弁体301がメダル排出通路48bを1度だけ開閉するように揺動する。これにより、メダルを1枚ずつ確実に排出メダル検出センサ204によって検出することができる。また、上述したように、凹部401aはメダルの厚みに対応した断面形状に形成されているので、メダルを常に一定の姿勢(起立した状態)で弁体301に送り出すことができる。これにより、弁体301の突起部301bの動作範囲を常に一定とすることができるので、排出メダル検出センサ204によってメダルを確実に検出することができ、排出用通路48を通過するメダルの検出漏れを抑制して、排出メダル検出センサ204によるメダルの検出不良を低減することができる。このように、突起部301bの動作範囲を常に一定とすることは、弁体301が所定の範囲動作したことを検出する排出メダル検出センサ204の構成においては、特に有効となる。
なお、本実施の形態では、回転体401の凹部401aと前面扉12の背面とによってメダルが一定の姿勢(起立した状態)に保たれるが、回転体401の凹部401aを断面溝状に形成して、回転体401自体によってメダルを一定の姿勢に保たせるように構成しても良い。
1枚のメダルが弁体301に送り出されると、図10(d)に示すように、メダル排出通路48bの下流部に次の凹部401aが対向し、メダル排出通路48bの最も下流側に存在する新たなメダルが凹部401aに受け入れられる。このように、回転体401による弁体301へのメダルの送り出しは、回転体401が時計回りに120度回転する毎に1枚ずつ行われ、回転体401が1回転する間に合計3枚のメダルが弁体301に1枚ずつ送り出される。
次に、スロットマシン10の電気的構成について、図11を参照して説明する。図11は、スロットマシン10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基板としての機能を果たすものであり、演算処理手段であるMPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104等が内部バスを介して接続されている。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ201、取込用通路47を通過するメダルを検出する第1取込メダル検出センサ202及び第2取込メダル検出センサ203、排出用通路48を通過するメダルを検出する排出メダル検出センサ204、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してMPU102に出力されるように構成されている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとするスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや停電監視回路91b等が搭載されている。
停電監視回路91bは、電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。このため、停電監視回路91bは、電源部91aから出力される例えば直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下した場合に電源が遮断されたものと判断して、停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU102及び入出力ポート104のそれぞれに供給され、MPU102では、この停電信号を認識することにより停電時処理が実行される。また、この停電信号は、表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が例えば10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101等の制御系において駆動電圧として使用される例えば5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられた通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、ホール管理装置(図示せず)等に情報を送信するための外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、MPU、画像コントローラ、各種メモリ等(いずれも図示せず)が実装された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自にランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動制御する。従って、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基板たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基板となっている。なお、各表示部60,61,62も表示制御装置81によって駆動制御される構成としても良い。
MPU102には、このMPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105、そのROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106が内蔵されている。また、MPU102には、周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタ(いずれも図示せず)も内蔵されている。
ROM105及びRAM106は、記憶手段としてのメインメモリを構成するものであり、スロットマシン10における各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM105に記憶されている。RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断を含む)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入を含む)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、RAM106には、メダル数判定用タイマ106a、メダル認識用タイマ106b、メダルカウンタ106c、第1取込メダル検出センサフラグ106d、検出信号用タイマ106eも設けられている。
メダル数判定用タイマ106aは、後述する投入判定処理(図15参照)において、S17の処理の実行を待機するウエイト時間をカウントするためのタイマである。メダル投入口45からのメダルの投入が投入メダル検出センサ201によって検出されると、メダル数判定用タイマ106aの値が3355にセットされ、メダル数判定用タイマ106aの値が0となるまでS17の処理の実行が待機される。なお、メダル数判定用タイマ106aの値は、投入判定処理を実行する毎に1ずつ減算される。
メダル認識用タイマ106bは、第1取込メダル検出センサ202によってメダルが検出されてから第2取込メダル検出センサ203によってメダルが検出されるまでの時間をカウントするためのタイマである。第1取込メダル検出センサ202によってメダルが検出されると、メダル認識用タイマ106bの値が202にセットされ、第2取込メダル検出センサ203によってメダルが検出されると、その検出までの時間がメダル認識用タイマ106bの値に基づいて認識される。なお、メダル認識用タイマ106bの値は、投入判定処理(図15参照)を実行する毎に1ずつ減算される。
メダルカウンタ106cは、投入メダル検出センサ201、第1取込メダル検出センサ202及び第2取込メダル検出センサ203、排出メダル検出センサ204によって検出されたメダルの数を記憶するためのカウンタである。投入メダル検出センサ201によってメダルが検出されると、メダルカウンタ106cの値が1カウントアップされ、第1取込メダル検出センサ202及び第2取込メダル検出センサ203、排出メダル検出センサ204によってメダルが検出されると、メダルカウンタ106cの値が1カウントダウンされる。
第1取込メダル検出センサフラグ106dは、第1取込メダル検出センサ202によるメダルの検出が行われた状態であるかを示すフラグである。なお、本実施形態では、第1取込メダル検出センサフラグ106dがオンであれば、第1取込メダル検出センサ202によるメダルの検出が行われた状態であり、第1取込メダル検出センサフラグ106dがオフであれば、第1取込メダル検出センサ202によるメダルの検出は行われていない状態である。
検出信号用タイマ106eは、排出メダル検出センサ204の検出信号がOFFのままである時間をカウントするためのタイマである。排出メダル検出センサ204の検出信号がOFFのままである時間は、排出信号用タイマ106eの値に基づいて認識される。なお、検出信号用タイマ106eの値は、排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化すると0クリアされ、後述する検出信号判定処理(図16参照)において、排出メダル検出センサ204の検出信号がOFFであると1ずつ加算される。
MPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるように構成されている。
続いて、主制御装置101のMPU102により実行される各制御処理を図12から図21のフローチャートを参照しながら説明する。かかるMPU102の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図12はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bでは停電信号が生成され、主制御装置101に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置101では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101(以下、ステップS101を単に「S101」と略し、他のステップにおいても同様に略して表示する。)において、MPU102内に設けられた使用レジスタのデータをRAM106内に設けられたバックアップエリアに退避させる(S101)。続いて、停電フラグをRAM106内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする(S102)。その後、RAM106のバックアップエリアに退避させたデータを再びMPU102の使用レジスタに復帰させる(S103)。このS103の復帰処理を実行してNMI割込み処理が終了する。なお、MPU102の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理(S101、S103)を省くことができる。
図13は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のMPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、S201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる(S201)。その後、停電フラグがセットされているか否かを確認し(S202)、停電フラグがセットされているときに限って停電時処理を実行してから(S203)、処理をS204へ移行する。
ここで、停電時処理(S203)について図14を用いて説明する。この停電時処理(S203)は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
停電時処理(S203)では、まず、コマンド送信が終了しているか否かを判定する(S301)。送信が終了していない場合には(S301:No)、停電時処理(S203)を終了して図13のタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理(S203)を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM105の小容量化を図ることができる。
S301の処理においてコマンドの送信が完了している場合には(S301:Yes)、MPU102のスタックポインタの値をRAM106内のバックアップエリアに保存する(S302)。その後、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(S303)。更に、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する(S304)。RAM判定値とは、具体的にはRAM106の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM106のチェックサムは0となる。RAM106のチェックサムを0とすることにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する(S305)。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、図13のタイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
なお、電源装置91の電源部91aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
図13に戻って、タイマ割込み処理について説明する。S202の処理にて停電フラグがセットされていない場合、または、停電時処理(S203)が終了した後には、S204以降の各種処理を行う。
S204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う(S204)。S205では、MPU102自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う(S205)。S206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う(S206)。S207では、入出力ポート104に接続された各種センサ(図11参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う(S207)。S208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う(S208)。S209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う(S209)。
S210では、表示制御装置81へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う(S210)。S211では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61および払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う(S211)。S212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う(S212)。S213では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う(S213)。S214では、メダルの数の整合性を判定する投入判定処理を行う(S214)。S215では、先のS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU151内の対応するレジスタに復帰させる(S215)。その後、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(S216)、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
ここで、投入判定処理(S214)について図15を用いて説明する。図15は、投入判定処理(S214)を示すフローチャートである。
投入判定処理(S214)は、各メダル検出センサ201,202,203,204の検出信号に基づいて、メダル投入口45から投入されたメダルの数、取込用通路47を通過するメダルの数、排出用通路48を通過するメダルの数をそれぞれカウントし、それらカウントした各メダルの数に基づいて、スロットマシン10に投入されたメダルの数と、ホッパ装置51に取り込まれるメダルの数と、メダル受け皿50に排出されるメダルの数との整合性を判断する処理である。
投入判定処理(S214)では、まず、メダル数判定用タイマ106aの値を1減算すると共に、メダル認識用タイマ106bの値を1減算する(S1)。なお、本実施形態では、上述したように、1.49msec周期でタイマ割込み処理が実行されるので、メダル数判定用タイマ106a及びメダル認識用タイマ106bの各値は、1.49msec経過毎にそれぞれ1ずつ減算される。
続いて、投入メダル検出センサ201の検出信号がONからOFFに変化したかを判断し(S2)、投入メダル検出センサ201の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合には(S2:Yes)、メダル投入口45からメダルが投入されたと判断されるので、メダルカウンタ106cの値を1加算すると共に、メダル数判定用タイマ106aの値を3355にセットする(S3)。なお、上述したように、S1の処理では、1.49msec経過毎にメダル数判定用タイマ106aの値が1ずつ減算されるので、メダル数判定用タイマ106aの値を3355にセットすると、メダル数判定用タイマ106aの値が0となるのは、約5sec(=3355×1.49msec)経過後となる。
一方、S2の処理の結果、投入メダル検出センサ201の検出信号はONからOFFに変化していないと判断される場合には(S2:No)、メダルは投入されていないと判断されるので、S3の処理をスキップしてS4の処理に移行する。
続いて、第1取込メダル検出センサ202の検出信号がONからOFFに変化したかを判断し(S4)、第1取込メダル検出センサ202の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合には(S4:Yes)、第1取込メダル検出センサフラグ106cをオンすると共に、メダル認識用タイマ106bの値を202にセットする(S5)。なお、上述したように、S1の処理では、1.49msec経過毎にメダル認識用タイマ106bの値が1ずつ減算されるので、メダル認識用タイマ106bの値を202にセットすると、メダル認識用タイマ106bの値が0となるのは、約300msec(=202×1.49msec)経過後となる。
一方、S4の処理の結果、第1取込メダル検出センサ202の検出信号はONからOFFに変化していないと判断される場合には(S4:No)、S5の処理をスキップしてS6の処理に移行する。続いて、第2取込メダル検出センサ203の検出信号がONからOFFに変化したかを判断し(S6)、第2取込メダル検出センサ203の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合には(S6:Yes)、第1取込メダル検出センサフラグ106dがオンであるかを判断する(S7)。その結果、第1取込メダル検出センサフラグ106dがオフであると判断される場合には(S7:No)、第1取込メダル検出センサ202によるメダルの検出が行われていない状態であるにも関わらず、第2取込メダル検出センサ203によってメダルが検出された、即ち、メダルが正常に取込用通路47を通過していないと判断されるので、通過方向エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置81に通知して(S11)、この投入判定処理(S214)を終了する。なお、表示制御装置81では、主制御装置101から通過方向エラーの発生が通知されると、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65などから、通過方向エラーの発生を報知する。これにより、取込用通路47に導かれたメダルを糸や針金などでメダル投入口45やメダル排出口49から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
一方、S7の処理の結果、第1取込メダル検出センサフラグ106dがオンであると判断される場合には(S7:Yes)、メダル認識用タイマ106bの値が0よりも大きいかを判断し(S8)、メダル認識用タイマ106bの値が0以下であると判断される場合には(S8:No)、第1取込メダル検出センサ202によってメダルが検出されてから第2取込メダル検出センサ203によってメダルが検出されるまでに約300msec以上経過した、即ち、メダルが正常に取込用通路47を通過していないと判断されるので、通過時間エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置81に通知して(S10)、この投入判定処理(S214)を終了する。なお、表示制御装置81では、主制御装置101から通過時間エラーの発生が通知されると、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65などから、通過時間エラーの発生を報知する。これにより、糸などで吊るされたメダルを投入し、その後、取込用通路47に導かれたメダルをメダル投入口45から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。なお、S5の処理でメダル認識用タイマ106bにセットする値は、必ずしも202に限られるものではなく、第1取込メダル検出センサ202によってメダルが検出されてから第2取込メダル検出センサ203によってメダルが検出されるまでに要する時間を考慮して設定することが好ましい。
一方、S8の処理の結果、メダル認識用タイマ106bの値が0よりも大きいと判断される場合には(S8:Yes)、メダルが正常に取込用通路47を通過した、即ち、メダルがホッパ装置51に取り込まれたと判断されるので、メダルカウンタ106cの値を1減算すると共に、メダル認識用タイマ106bの値を0クリアして(S9)、S12以降の処理を実行する。
続いて、検出信号用タイマ106eの値が671よりも大きいかを判断する(S12)。なお、検出信号用タイマ106eの値は、投入判定処理と並行してタイマ割込み処理にて行われる検出信号判定処理によって更新される。ここで、検出信号判定処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。図16は、検出信号判定処理を示すフローチャートである。
検出信号判定処理では、まず、排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化したかを判断し(S30)、排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合には(S30:Yes)、検出信号用タイマ106eの値を0クリアして(S31)、この検出信号判定処理を終了する。
一方、S30の処理の結果、排出メダル検出センサ204の検出信号はONからOFFに変化していないと判断される場合には(S30:No)、排出メダル検出センサ204の検出信号がOFFであるかを判断し(S32)、排出メダル検出センサ204の検出信号がOFFであると判断される場合には(S32:Yes)、検出信号用タイマ106eの値を1加算して(S33)、この検出信号判定処理を終了する。なお、本実施形態では、上述したように、1.49msec周期でタイマ割込み処理が実行されるので、検出信号用タイマ106eの値は、1.49msec経過毎に1ずつ加算される。
一方、S32の処理の結果、排出メダル検出センサ204の検出信号がONであると判断される場合には(S32:No)、検出信号用タイマ106eの値を0クリアして(S34)、この検出信号判定処理を終了する。
図15に戻って説明する。上述したように、検出信号判定処理(図16参照)では、排出メダル検出センサ204の検出信号がOFFのままであると、1.49msec経過毎に検出信号用タイマ106eの値が1ずつ加算されるので、S12の処理において、検出信号用タイマ106eの値が671よりも大きいと判断される場合には(S12:Yes)、排出メダル検出センサ204の検出信号が約1sec(=671×1.49msec)以上OFFのままであるということを意味する。
続いて、S12の処理の結果、検出信号用タイマ106eの値が671よりも大きいと判断される場合には(S12:Yes)、排出メダル検出センサ204の検出信号が約1sec以上OFFのままであり、メダル排出口49から排出用通路48に針金などが挿入されて弁体301が開放されている可能性があると判断されるので、開放エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置81に通知して(S21)、この投入判定処理(S214)を終了する。なお、表示制御装置81では、主制御装置101から開放エラーの発生が通知されると、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65などから、開放エラーの発生を報知する。これにより、取込用通路47に導かれたメダルを針金などでメダル排出口49から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
一方、S12の処理の結果、検出信号用タイマ106eの値が671以下であると判断される場合には(S12:No)、排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化したかを判断し(S13)、排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化したかと判断される場合には(S13:Yes)、後述するメダル払出処理(S506)によってメダルの払い出しが行われているかを判断する(S14)。
続いて、S14の処理の結果、メダルの払い出しが行われていると判断される場合には(S14:Yes)、払い出しに伴ってメダル受け皿50にメダルが排出されたと判断されるので、S15以降の処理をスキップしてこの投入判定処理を終了する。一方、S14の処理の結果、メダルの払い出しは行われていないと判断される場合には(S14:No)、投入されたメダルがメダル受け皿50に排出されたと判断されるので、メダルカウンタ106cの値を1減算して(S15)、S16の処理に移行する。
一方、S13の処理の結果、排出メダル検出センサ204の検出信号はONからOFFに変化していないと判断される場合には(S13:No)、S14及びS15の処理をスキップしてS16の処理に移行する。
続いて、メダル数判定用タイマ106aの値が0であるかを判断し(S16)、メダル数判定用タイマ106aの値は0でないと判断される場合には(S16:No)、メダル投入口45から最後にメダルが投入されてから約5sec以上経過しておらず、最後に投入されたメダルが未だ排出メダル検出センサ204によって検出されていない可能性があると判断されるので、S17以降の処理をスキップしてこの投入判定処理(S214)を終了する。なお、S3の処理でメダル数判定用タイマ106aにセットする値は、必ずしも3355に限られるものではなく、投入メダル検出センサ201によってメダルが検出されてから排出メダル検出センサ204によってメダルが検出されるまでに要する時間を考慮して設定することが好ましい。
一方、S16の処理の結果、メダル数判定用タイマ106aの値が0であると判断される場合には(S16:Yes)、メダルカウンタ106cの値が0であるかを判断して(S17)、メダルカウンタ106cの値が0であると判断される場合には(S17:Yes)、スロットマシン10に投入されたメダルの数と、ホッパ装置51に取り込まれるメダルの数と、メダル受け皿50に排出されるメダルの数との整合性に矛盾はないと判断されるので、この投入判定処理を終了する。
一方、S17の処理の結果、メダルカウンタ106cの値は0でないと判断される場合には(S17:No)、メダルカウンタ106cの値が0よりも大きいかを判断して(S18)、メダルカウンタ106cの値が0よりも大きいと判断される場合には(S18:Yes)、ホッパ装置51に取り込まれるメダルの数およびメダル受け皿50に排出されるメダルの数の合算が、スロットマシン10に投入されたメダルの数よりも少ないと判断されるので、飲み込みエラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置81に通知して(S19)、この投入判定処理(S214)を終了する。なお、表示制御装置81では、主制御装置101から飲み込みエラーの発生が通知されると、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65などから、飲み込みエラーの発生を報知する。これにより、スロットマシン10に投入されたメダルが正常に認識されずにホッパ装置51に取り込まれること、いわゆるメダルの飲み込みが発生したことを報知して、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
一方、S18の処理の結果、メダルカウンタ106cの値が0よりも小さいと判断される場合には(S18:No)、ホッパ装置51に取り込まれるメダルの数およびメダル受け皿50に排出されるメダルの数の合算が、スロットマシン10に投入されたメダルの数よりも多いと判断されるので、取り出しエラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置81に通知して(S20)、この投入判定処理(S214)を終了する。なお、表示制御装置81では、主制御装置101から取り出しエラーの発生が通知されると、上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65などから、取り出しエラーの発生を報知する。これにより、取込用通路47に導かれたメダルを針金などでメダル排出口49から不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
図17は電源投入後に実行される主制御装置101でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ず、初期化処理として、スタックポインタの値をMPU102内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後MPU102内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う(S401)。
これらの初期化処理(S401)が終了すると、次にリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する(S402)。リセットスイッチ72がオン操作されている場合には(S402:Yes)、RAMクリア処理としてRAM106に記憶されたデータを全てクリアする(S403)。
S402にてリセットスイッチ72が操作されていないことを確認した後(S402:No)、またはRAMクリア処理(S403)を行った後には、設定キーが設定キー挿入孔73に挿入され回転操作がされているか否かを判定する(S404)。設定キーが挿入され回転操作がされている場合には設定変更処理(S405)を行う。設定変更処理(S405)では、先ずRAM106に記憶されたデータを全てクリアし、その後に予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
S406では停電フラグがセットされているか否かを確認する(S406)。停電フラグがセットされていない、すなわち先のS403又はS405にてRAM106のデータがクリアされている場合には(S406:No)、後述する通常処理(S407)を実行する。
S406において停電フラグがセットされた状態にあるときには(S406:Yes)、S408以降に示す復電処理に移行する。ここで、停電フラグがセットされた状態にあるということは、S403のRAMクリア処理、S405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていない場合である。従って、RAM106のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM106のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
そのためにまず、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(S408)。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する(S408)。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合(S408:Yes)、RAM106のデータは正常であると判定する。
S408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには(S408:No)、RAM106のデータが破壊された可能性が高いため、RAM106のデータを初期化するためにS403の処理へ移行し、RAM初期化処理を行う。その後、S404以降の処理を行うが、S403の処理において、RAM106が初期化されるため、次のS408の処理でRAM判定値が正常であると確認される(S408:Yes)。
S408においてRAM判定値が正常であると判定した場合には、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をMPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(S410)。次に、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置81に送信する(S411)。その後、遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い(S412)、スタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う(S413)。
以上の処理が終了した後には停電フラグをリセットし(S414)、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(S204)が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理(S407)について図18のフローチャートに基づき説明する。
通常処理(S407)においては、先ず、メダルがベットされているか否かを判定する(S501)。すなわち、クレジット投入スイッチ56〜58の操作により仮想メダルがベットされたか、又はメダル投入口45よりメダルが投入されたか否かを判定するのである。
S501の処理においてメダルがベットされていると判定された場合には(S501:Yes)、次にスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(S502)。S502の処理においてスタートレバー41が操作されたと判定された場合には(S502:Yes)、メダル投入不許可処理を行う(S503)。具体的には、セレクタ46の通路切替ソレノイド46aを非励磁とし、仮にメダル投入口45からメダルが投入されたとしても排出用通路48を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようにする。
その後、抽選処理(S504)、リール制御処理(S505)、メダル払出処理(S506)、特別遊技状態に関する各種処理を行う特別遊技状態処理(S507)を順に実行し、更にメダル投入許可処理(S508)を行う。かかる処理では、セレクタ46の通路切替ソレノイド46aを励磁し、メダル投入口45からメダルが投入された際に取込用通路47へ導かれるようにする。以上の処理を行った後、S501に戻る。一方、S501の処理にてメダルがベットされていないと判定された場合(S501:No)、またはS502にてスタートレバー41が操作されていないと判定された場合(S502:No)には、S501に戻って処理を繰り返す。
次に、S504の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。抽選処理(S504)では、まず、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する(S601)。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。なお、小役確率の乱数テーブルは1つに固定するものとしても良い。
S602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー41が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う(S602)。そして、いずれかの役に当選したか否かを判定し(S603)、いずれの役にも当選していない場合には(S603:No)そのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合には(S603:Yes)、その役に応じた当選フラグをセットし(S604)、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。S604の処理後、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し(S605)、これをRAM106のスベリテーブル格納エリアに格納する。
次に、S505のリール制御処理について、図20のフローチャートに基づき説明する。リール制御処理(S505)では、先ずウエイト処理(S701)を行う。このウエイト処理(S701)は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定のウエイト時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。この処理は、一定時間中に行われるゲームの回数を制限して、一定時間中に消費されるメダルの枚数を制限するために設けられており、ウエイト時間が経過していれば直ちに各リール32L,32M,32Rは回転開始され、一方、ウエイト時間が経過していなければ遊技者がメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、各リール32L,32M,32Rが回転しない。
S701のウエイト処理の後、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために、ステッピングモータを駆動させるリール回転処理を行う(S702)。各リール32L,32M,32Rの回転が開始されたら、各リール32L,32M,32Rが回転開始してからの経過時間を計測するために、RAM106のリール回転時間タイマに初期値を設定する(S720)。なお、リール回転時間タイマの値は、タイマ割込処理(図13参照)のタイマ減算処理(S208)において減算されるものであり、本実施の形態では、例えば、リール回転タイマの初期値を300秒後に「0」に更新される値を書き込み、その後のタイマ割込処理によって1ずつ減算して更新させる方法で行う。なお、公知の他の技術を使用して最大回転時間の計測を行うものとしても良い。
その後、左リール32Lが回転を開始してから所定のリール安定時間(例えば0.8秒)が経過したか否かを判定し(S703)、経過していない場合には(S703:No)、リール安定時間が経過するまで待機する(S703)。リール安定時間が経過した場合には(S703:Yes)S704へ処理を移行する。
リール安定時間は、各リール32L,32M,32Rが安定した回転速度に達するまで待機するために設けられた遅延タイマである。各リール32L,32M,32Rは、ステッピングモータにより回転駆動されており、その始動時および停止時には大きなトルクが発生する。そのため、各リール32L,32M,32Rの始動時に停止処理を行うと、ステッピングモータに大きな負荷がかかり寿命が低下してしまう場合がある。よって、リール安定時間を設けることにより、ステッピングモータの寿命が低下することを防止することができる。
S704の処理では、リール回転時間タイマの値が0であるか判定される。即ち、各リール32L,32M,32Rが回転開始しS720の処理において初期値が設定されてから所定時間(本実施の形態では300秒)が経過したか、或いは、後述する1のリールが停止しS723の処理で初期値が設定されてから所定時間が経過したかが判定され、リール回転時間タイマの値が0であれば、各リール32L,32M,32Rが回転開始してから所定時間が経過している、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過しているので、外部に所定時間が経過したことを示唆するために報知処理を行い(S721)、S710の処理へ移行する。
報知処理では、遊技者に視覚的な認識をさせるために上部ランプ63、補助表示部65による報知を行ったり(表示出力手段による報知)、遊技者に聴覚的な認識をさせるためにスピーカ64による報知を行う(音声出力手段による報知)。
本実施の形態では、上部ランプ63により報知を行う場合には、上部ランプ63が消灯の状態から点灯又は点滅の状態へ切り替わり、補助表示部65により報知を行う場合には、補助表示部65に通常遊技に伴う表示がなされている状態から少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していることを示唆する表示がなされる状態へ切り替わり、スピーカ64により報知を行う場合には、無音の状態から音声が出力された状態へ切り替わるものとする。即ち、報知処理は、各報知を行う装置の状態を第1の状態から第2の状態へ切り替えることで、少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していることを示唆する報知を行う。
なお、報知処理では、上部ランプ63や補助表示部65、スピーカ64のうち、いずれか1つにより報知を行うものとしても良いし、上部ランプ63と補助表示部65とスピーカ64とを組み合わせて報知を行うものとしても良い。
一方、S704の処理で判定した結果、リール回転時間タイマの値が0になっていなければ(S704:No)、各リール32L,32M,32Rが回転開始してから所定時間を経過していな、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過していないので、報知処理(S721)を行わずにS710の処理へ移行する。
S710の処理では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが押されてリール32L,32M,32Rの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ42a〜44aからのオン信号を受信しているか否かを判定する。なお、本実施の形態では、左リール32Lが回転を開始してからリール安定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ42〜44が押されても、ストップ検出センサ42a〜44aからのオン信号を無効化する。
S710の処理において、停止指令が発生していないと判定された場合には(S710:No)、S704の処理へ戻り、停止指令が発生するまで、リール回転タイマの値の確認(S704)、報知処理(S721)、停止指令が発生したか否かの確認(S710)を繰り返し行う。
一方、S710の処理において、ストップスイッチ42〜44のいずれかが押されて停止指令が発生したと判定された場合には(S710:Yes)、リール停止処理を行う(S713)。このリール停止処理(S713)では、押されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセット(S604)されている場合にはRAM106のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。
ストップスイッチ42〜44が操作されリール32L,32M,32Rが停止されると、各リール32L,32M,32Rのうち少なくとも1のリールが停止表示されているので、報知が行われている場合に一旦報知を停止するために報知停止処理を行う(S722)。報知停止処理を行うのは、1のリールが停止表示されている場合は、遊技者がストップスイッチ42〜44を押してリール32L,32M,32Rを停止させているので、その後、連続して他のストップスイッチ42〜44を操作することが考えられる。この場合に報知が継続して行われると、遊技者が他のストップスイッチ42〜44を押しているにも関わらず報知が行われるので、遊技者に対して不快感を与えてしまう。従って、遊技者に対して不快感を与えることを防止するために、報知停止処理が行われる。
ここで、報知停止処理とは、上部ランプ63により報知が行われていた場合には、上部ランプ63が点灯又は点滅している状態から消灯の状態へ切り替えることであり、補助表示部65により報知が行われていた場合には、少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していることを示唆する表示がなされる状態から通常遊技に伴う表示がなされている状態へ切り替えることであり、スピーカ64により報知が行われていた場合には、音声が出力されている状態から無音の状態へ切り替えることである。即ち、報知停止処理は、各報知を行う装置の状態を元の状態に戻す(切り替える)ことで報知を停止する。なお、少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していないことが示唆されれば良いので、各報知を行う装置の状態を元に戻さずに他の状態へ切り替えるものとしても良い。
報知停止処理が終わると、1のリールが停止されてからの所定時間を計測するために、リール回転時間タイマを初期値に設定する(S723)。具体的には、上述したように、300秒後に「0」に更新される値を書き込む。よって、1のリールが停止される毎にリール回転時間タイマが初期値に設定されるので、正確な時間を計測することができる。
リール回転時間タイマに初期値が設定されると、今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール32L,32M,32R全てが回転しているときにストップスイッチ42〜44が押下操作されたか否かを判定し(S714)、第1停止指令の場合には(S714:Yes)、スベリテーブル変更処理を行う(S715)。このスベリテーブル変更処理(S715)では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。なお、スベリテーブル変更処理(S715)は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、S714の処理で今回の停止指令が第1停止指令でないと判定された場合には(S714:No)、第2停止指令か否か、つまり3つのリール32L,32M,32Rのうち1のリールが停止し他の2のリールが回転しているときに、他の回転しているリールに対応したストップスイッチ42〜44が押下操作されたか否かを判定する(S716)。
その結果、第2停止指令のときには(S716:Yes)、2のリールが停止した状態となるので、その時の停止表示された図柄を判定するために停止目判定処理を行う(S717)。この停止目判定処理(S717)では、2つのリールが停止している場合にその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ64から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部65を用いた演出を行ってもよい。
スベリテーブル変更処理(S715)の後、S716の処理において今回の停止指令が第2停止指令でなかったと判定された場合(S716:No)、又は停止目判定処理(S717)の後には、各リール32L,32M,32Rの全ての回転が停止したか否かを判定する(S718)。いずれかのリールが回転していると判定された場合には(S718:No)、S704に戻ってS704〜S718までの処理を繰り返し行う。
全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止したと判定された場合には(S718:Yes)、払出判定処理を行い(S719)、リール制御処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM106の払出予定数格納エリアに0をセットし、一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。なお、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ63を点滅させる等してエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットするよう構成するものとしても良い。
次に、S506のメダル払出処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。メダル払出処理(S506)では、まず、払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する(S802)。払出数と払出予定数とが一致していないときには(S802:No)、遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する(S803)。クレジットモードであるときには(S803:Yes)、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する(S804)。上限に達していないときには(S804:No)、クレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする(S805)。これによりクレジット表示部61及び払出枚数表示部62の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき(S803:No)、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには(S804:Yes)、S806の処理にてメダル払出用回転板を駆動し、ホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へメダルを払い出す(S806)。また、ホッパ装置51に取り付けられた払出検出センサ51aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする(S807)。これにより払出枚数表示部62の枚数が1インクリメントされる。S805またはS807により払出数が1インクリメントされた後には、再びS801の処理を実行する。
S802の処理において払出数と払出予定数とが一致したときには(S802:Yes)、S808にてホッパ装置51のメダル払出用回転板を停止させてから、メダル払出処理(S506)を終了する。なお、払出数や払出枚数表示部62は、次回スタートレバー41が操作されたときにリセット(更新)される。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施形態では、第1取込メダル検出センサ202及び第2取込メダル検出センサ203の2つのセンサを取込用通路47に設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1取込メダル検出センサ202又は第2取込メダル検出センサ203のいずれか一方のセンサのみを取込用通路47に設けても良い。即ち、上記各実施形態では、投入判定処理(S214)において、スロットマシン10,1010に投入されたメダルの数と、ホッパ装置51に取り込まれたメダルの数と、メダル受け皿50に排出されたメダルの数との整合性を判断するので、第1取込メダル検出センサ202及び第2取込メダル検出センサ203の2つのセンサを用いてメダルの取込用通路47の通過方向を監視しなくても、取込用通路47に導かれたメダルを針金などでメダル排出口49から不正に取り出す不正行為を発見することができる。これにより、部品点数を低減して、スロットマシン10の製品コストを抑制することができる。
上記実施形態では、弁体301の動作(揺動)を排出メダル検出センサ204によって検出することにより、排出用通路48,1048を通過するメダルを検出する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、排出用通路48,1048を通過するメダルを排出メダル検出センサ204によって直接検出するように構成しても良い。この場合には、スロットマシン10の構造を簡素化できると共に、その分、スロットマシン10の製品コストを抑制することができる。
上記実施形態では、投入判定処理(S214)において、投入メダル検出センサ201の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合に(S2:Yes)、メダルカウンタ106cの値を1加算する一方、第2取込メダル検出センサ203又は排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合に(S6:Yes又はS13:Yes)、メダルカウンタ106cの値を1減算する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、投入メダル検出センサ201の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合に(S2:Yes)、メダルカウンタ106cの値を1減算する一方、第2取込メダル検出センサ203又は排出メダル検出センサ204の検出信号がONからOFFに変化したと判断される場合に(S6:Yes又はS13:Yes)、メダルカウンタ106cの値を1加算して、スロットマシン10,1010に投入されたメダルの数と、ホッパ装置51に取り込まれたメダルの数と、メダル受け皿50に排出されたメダルの数との整合性を判断しても良い。
上記実施形態では説明を省略したが、投入判定処理(S214)において、メダル数判定用タイマ106aの値が0でないと判断される場合には(S16:No)、ホッパ装置51の駆動を停止して、メダルの精算を中止するように構成しても良い。即ち、メダル数判定用タイマ106aの値が0でないと判断される場合には(S16:No)、メダル投入口45から最後にメダルが投入されてから約5sec以上経過しておらず、最後に投入されたメダルが未だ排出メダル検出センサ204によって検出されていない可能性があると判断されるので、メダル数判定用タイマ106aの値が0となるまで、メダルの精算を中止する。これにより、規定外のメダルが投入され、最後に投入された規定外のメダルが排出メダル検出センサ204によって検出されるまでに精算スイッチ59が操作された場合に、規定外のメダルにも関わらず、メダルが投入されたという事実のみで、投入されたメダルの数に対応してメダルを精算してしまうことを防止することができる。
上記実施形態では、投入メダル検出センサ201、第1及び第2取込メダル検出センサ202,203、排出メダル検出センサ204がそれぞれ主制御装置101に接続され、メイン基板としての主制御装置101によって、スロットマシン10に投入されたメダルの数と、ホッパ装置51に取り込まれたメダルの数と、メダル受け皿50に排出されたメダルの数との整合性を判断する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、各メダル検出センサ201,202,203,204を表示制御装置81に接続して、サブ基板としての表示制御装置81によって整合性を判断するように構成しても良い。或いは、例えば、投入メダル検出センサ201を主制御装置101に、他のメダル検出センサ202,203,204を表示制御装置81に、それぞれ接続して、主制御装置101と表示制御装置81とを組み合わせて整合性を判断するように構成しても良い。
上記各実施の形態では、排出メダル検出センサ204がホッパ装置51からのメダルの排出口となる開口48aよりも下流側に設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ホッパ装置51からのメダルの排出口となる開口48aよりも上流側に排出メダル検出センサ204を設けても良い。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技媒体が投入される投入部と、その投入部から投入された前記遊技媒体を検出する第1検出手段と、その第1検出手段の下流に設けられ、前記投入部に投入された前記遊技媒体の流下経路を、前記遊技媒体を機内に取り込む取込用経路または機外に排出する排出用経路のいずれかの経路に切り替える経路切替手段と、前記取込用経路を通過する前記遊技媒体を検出する第2検出手段と、前記排出用経路を通過する前記遊技媒体を検出する第3検出手段と、前記第1検出手段と前記第2検出手段と前記第3検出手段との検出結果に基づいて、前記投入部から投入された前記遊技媒体の数と前記取込用経路を通過して機内に取り込まれる前記遊技媒体の数と前記排出用経路を通過して機外に排出される前記遊技媒体の数との整合性を判断する判断手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、投入部から投入された遊技媒体は第1検出手段によって検出された後、その第1検出手段の下流に設けられた経路切替手段によって取込用経路または排出用経路のいずれかの経路へと導かれる。そして、取込用経路を通過する遊技媒体は第2検出手段によって検出され、排出用経路を通過する遊技媒体は第3検出手段によって検出される。また、第1検出手段と第2検出手段と第3検出手段との検出結果に基づいて、投入部から投入された遊技媒体の数と取込用経路を通過して機内に取り込まれる遊技媒体の数と排出用経路を通過して機外に排出される遊技媒体の数との整合性が判断手段によって判断される。
ここで、投入部から投入された遊技媒体が経路切替手段によって取込用経路または排出用経路のいずれかの経路へと導かれ、正常に取込用経路または排出用経路を通過した場合には、第2検出手段または第3検出手段のいずれか一方によって遊技媒体が検出される。これに対し、経路切替手段によって遊技媒体が取込用経路に導かれ、取込用経路を通過する遊技媒体が第2検出手段によって検出された後、即ち、機内への遊技媒体の取り込みが認識された後、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して不正に機外に取り出した場合には、排出用経路を通過する遊技媒体が第3検出手段によって検出され、第2検出手段および第3検出手段の両方によって遊技媒体が検出される。従って、この場合には、判断手段によって判断される整合性、即ち、投入部から投入された遊技媒体の数と取込用経路を通過して機内に取り込まれる遊技媒体の数と排出用経路を通過して機外に排出される遊技媒体の数との整合性に矛盾が生じる。よって、取込用経路に導かれた遊技媒体を不正に機外に取り出す不正行為を発見することができる。これにより、かかる不正行為を抑制することができる。
遊技機A1において、前記排出用経路に設けられ、前記排出用経路の上流側に付勢されて前記排出用経路を閉鎖可能かつ前記排出用経路を通過する前記遊技媒体の自重により動作して前記排出用経路を開放可能に構成される弁体を備え、前記第3検出手段は、前記弁体の動作を検出することにより前記排出用経路を通過する前記遊技媒体を検出可能に構成されていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、排出用経路を閉鎖する弁体を備えているので、排出用経路への針金などの挿入を困難として、機内に対して行われる不正行為(例えば、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して不正に機外に取り出す不正行為)を防止することができる。また、第3検出手段は、弁体の動作を検出することにより排出用経路を通過する遊技媒体を検出可能に構成されているので、弁体によって排出用経路を通過する遊技媒体の勢いを減じて、排出用経路を通過する遊技媒体の検出漏れを抑制することができ、第3検出手段による遊技媒体の検出不良を低減することができる。更に、弁体は排出用経路の上流側に付勢されて排出用経路を閉鎖する一方、排出用経路を通過する遊技媒体の自重により動作して排出用経路を開放可能に構成されているので、1の遊技媒体が弁体を通過する毎に、弁体が排出用経路を1度だけ開閉する。これにより、遊技媒体を1つずつ確実に第3検出手段によって検出することができる。
なお、「排出用経路を閉鎖可能」とは、排出用経路の経路断面の全てを閉塞する場合のみに限られず、弁体を格子状に構成することで、排出用経路の経路断面を部分的に塞ぐ場合を含む趣旨である。
遊技機A2において、前記排出用経路を介して前記遊技媒体を遊技者に払い出す払出手段を備え、前記弁体は、前記払出手段から前記排出用経路への前記遊技媒体の払出口の下流に設けられていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、弁体は、払出手段から排出用経路への遊技媒体の払出口の下流に設けられているので、遊技媒体を遊技者に払い出す払出手段に対する不正行為(例えば、払出手段を針金などで操作して遊技媒体を不正に払い出す不正行為)を弁体によって防止することができる。
遊技機A2又はA3において、前記弁体は、前記排出用経路を閉鎖した状態から、前記排出用経路の上流側への開放が規制されるように構成されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、弁体は、排出用経路を閉鎖した状態から、排出用経路の上流側への開放が規制されるように構成されているので、排出用経路の下流側から排出用経路に針金などを押し入れることを不可能にして、排出用経路への針金などの挿入を困難とすることができる。
遊技機A2からA4において、前記弁体の上流に設けられ、回転可能に構成されると共に前記遊技媒体を1つずつ受け入れ可能な凹部を有し、回転することにより前記凹部に受け入れた前記遊技媒体を1つずつ前記弁体に送り出す回転体を備えていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技媒体を1つずつ受け入れ可能な凹部を有し、その凹部に受け入れた遊技媒体を1つずつ弁体に送り出す回転体を備えているので、遊技媒体が排出用経路を連なって通過する場合でも、第3検出手段によって遊技媒体を1つずつ確実に検出することができる。これにより、排出用経路を通過する遊技媒体の検出漏れを抑制して、第3検出手段による遊技媒体の検出不良を低減することができる。
遊技機A5において、前記回転体と前記弁体とは、前記回転体の凹部に前記遊技媒体を受け入れた状態において、前記凹部に受け入れた前記遊技媒体が前記凹部と前記弁体とに当接可能な相対位置で配置されていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、回転体と弁体とは、回転体の凹部に遊技媒体を受け入れた状態において、凹部に受け入れた遊技媒体が凹部と弁体とに当接可能な相対位置で配置されているので、弁体が排出用経路の上流側に付勢されていることと相まって、凹部に受け入れた遊技媒体が凹部と弁体との間に挟まれて回転体の回転を規制する。これにより、遊技媒体が弁体に到達する都度、回転体の回転を一時的に停止できるので、遊技媒体が排出用経路に連なって存在する状態であっても、遊技媒体を1つずつ確実に弁体に送り出すことができる。また、凹部と弁体との間に遊技媒体が挟まれるので、その遊技媒体に連なって排出用経路の後方に存在する遊技媒体の勢いも減じることができる。
遊技機A6において、前記回転体の凹部は、前記遊技媒体の外形形状に対応した断面形状に形成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、回転体の凹部は遊技媒体の外形形状に対応した断面形状に形成されているので、遊技媒体を常に一定の姿勢で弁体に送り出すことができる。これにより、弁体の動作範囲を常に一定とすることができるので、第3検出手段によって遊技媒体を確実に検出することができ、排出用経路を通過する遊技媒体の検出漏れを抑制して、第3検出手段による遊技媒体の検出不良を低減することができる。このように、弁体の動作範囲を常に一定とすることは、弁体の動作を検出する第3検出手段の構成においては、特に有効となる。
なお、回転体の凹部の断面形状は、遊技媒体を一定の起立した状態に保つ形状とすることが好ましい。この場合には、弁体の動作が最も大きくなるので、第3検出手段によって遊技媒体を確実に検出することができる。
遊技機A2からA7において、前記第3検出手段は、前記弁体によって前記排出用経路が閉鎖された状態では、前記排出用経路が閉鎖されていることを示す信号を継続して出力するように構成されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、第3検出手段は、弁体によって排出用経路が閉鎖された状態では、排出用経路が閉鎖されていることを示す信号を継続して出力するように構成されているので、第3検出手段の電気配線が取り外された場合や第3検出手段の電気配線が切断された場合には、かかる信号の出力が遮断されることにより、第3検出手段に対する不正行為を早期に発見することができる。これにより、第3検出手段に不正を施して、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して不正に機外に取り出す不正行為を抑制することができる。
遊技機A2からA8において、前記弁体は、前記排出用経路の外部へ向けて突出する突起部を備え、前記第3検出手段は、前記排出用経路の外部に設けられ、前記突起部を介して前記弁体の動作を検出するように構成されていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、第3検出手段は排出用経路の外部に設けられているので、排出用経路からの第3検出手段への接触を困難として、第3検出手段の電気配線を不正に取り外したり第3検出手段の電気配線を不正に切断する等の第3検出手段に対する不正行為を抑制することができる。これにより、第3検出手段に不正を施して、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して機外に取り出す不正行為を抑制することができる。
遊技機A1からA9において、前記第1検出手段により前記遊技媒体が検出されてから所定時間が経過したかを判断する経過時間判断手段を備え、前記判断手段は、前記経過時間判断手段により所定時間が経過したと判断される場合に、前記投入部から投入された前記遊技媒体の数と前記取込用経路を通過して機内に取り込まれる前記遊技媒体の数と前記排出用経路を通過して機外に排出される前記遊技媒体の数との整合性を判断することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、経過時間判断手段によって、第1検出手段により遊技媒体が検出されてから所定時間が経過したと判断される場合に、判断手段によって、投入部から投入された遊技媒体の数と取込用経路を通過して機内に取り込まれる遊技媒体の数と排出用経路を通過して機外に排出される遊技媒体の数との整合性を判断するので、判断手段による整合性の判断精度を向上させることができる。即ち、投入部から最後に遊技媒体が投入されてから所定時間が経過していない場合には、最後に投入された遊技媒体が未だ第3検出手段によって検出されていない可能性があるので、判断手段によって正確に整合性を判断することができない。これに対し、経過時間判断手段により所定時間が経過したと判断されてから判断手段による整合性の判断を行うことで、投入部に最後に投入された遊技媒体が確実に第3検出手段によって検出された後に判断手段によって整合性を判断することができる。
なお、「経過時間判断手段」としては、図15に示す投入判定処理(S214)のフローチャートにおけるS16の処理が該当する。
遊技機A2からA10において、前記第3検出手段の検出結果に基づいて、前記弁体が所定時間よりも長く開放されているかを判断する開放判断手段と、その開放判断手段により前記弁体が所定時間よりも長く開放されていると判断される場合に、前記弁体が開放されていることを報知する開放報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、開放判断手段によって、弁体が所定時間よりも長く開放されていると判断される場合には、排出用経路に針金などが挿入されて弁体が不正に開放されている可能性があるので、報知手段によって弁体が開放されていることを報知することにより、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して不正に取り出す不正行為を抑制することができる。
なお、「開放判断手段」としては、図15に示す投入判定処理(S214)のフローチャートにおけるS12の処理が該当し、「開放報知手段」としては、図15に示す投入判定処理(S214)のフローチャートにおけるS21の処理が該当する。
遊技機A1からA11において、前記判断手段による整合性の判断の結果、前記取込用経路を通過して機内に取り込まれる前記遊技媒体の数と前記排出用経路を通過して機外に排出される前記遊技媒体の数との合算が、前記投入部から投入された前記遊技媒体の数よりも少ないと判断される場合に、前記遊技媒体が機内に過剰に取り込まれたことを報知する取込過剰報知手段を備えていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、取込過剰報知手段によって、遊技媒体が機内に過剰に取り込まれること(遊技機に投入された遊技媒体が正常に認識されずに機内に取り込まれること)を報知することにより、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
なお、「取込過剰報知手段」としては、図15に示す投入判定処理(S214)のフローチャートにおけるS19の処理が該当する。
〈その他〉
〈手段〉
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、遊技媒体が投入される投入部と、その投入部から投入された前記遊技媒体を検出する第1検出手段と、その第1検出手段の下流に設けられ、前記投入部に投入された前記遊技媒体の流下経路を、前記遊技媒体を機内に取り込む取込用経路または機外に排出する排出用経路のいずれかの経路に切り替える経路切替手段と、前記取込用経路を通過する前記遊技媒体を検出する第2検出手段と、前記排出用経路を通過する前記遊技媒体を検出する第3検出手段と、前記第1検出手段と前記第2検出手段と前記第3検出手段との検出結果に基づいて、前記投入部から投入された前記遊技媒体の数と前記取込用経路を通過して機内に取り込まれる前記遊技媒体の数と前記排出用経路を通過して機外に排出される前記遊技媒体の数との整合性を判断する判断手段とを備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記排出用経路に設けられ、前記排出用経路の上流側に付勢されて前記排出用経路を閉鎖可能かつ前記排出用経路を通過する前記遊技媒体の自重により動作して前記排出用経路を開放可能に構成される弁体を備え、前記第3検出手段は、前記弁体の動作を検出することにより前記排出用経路を通過する前記遊技媒体を検出可能に構成されている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記排出用経路を介して前記遊技媒体を遊技者に払い出す払出手段を備え、前記弁体は、前記払出手段から前記排出用経路への前記遊技媒体の払出口の下流に設けられている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想2又は3に記載の遊技機において、前記弁体は、前記排出用経路を閉鎖した状態から、前記排出用経路の上流側への開放が規制されるように構成されている。
技術的思想5記載の遊技機は、技術的思想2から4のいずれかに記載の遊技機において、前記弁体の上流に設けられ、回転可能に構成されると共に前記遊技媒体を1つずつ受け入れ可能な凹部を有し、回転することにより前記凹部に受け入れた前記遊技媒体を1つずつ前記弁体に送り出す回転体を備えている。
技術的思想6記載の遊技機は、技術的思想5記載の遊技機において、前記回転体と前記弁体とは、前記回転体の凹部に前記遊技媒体を受け入れた状態において、前記凹部に受け入れた前記遊技媒体が前記凹部と前記弁体とに当接可能な相対位置で配置されている。
〈発明の効果〉
技術的思想1記載の遊技機によれば、投入部から投入された遊技媒体は第1検出手段によって検出された後、その第1検出手段の下流に設けられた経路切替手段によって取込用経路または排出用経路のいずれかの経路へと導かれる。そして、取込用経路を通過する遊技媒体は第2検出手段によって検出され、排出用経路を通過する遊技媒体は第3検出手段によって検出される。また、第1検出手段と第2検出手段と第3検出手段との検出結果に基づいて、投入部から投入された遊技媒体の数と取込用経路を通過して機内に取り込まれる遊技媒体の数と排出用経路を通過して機外に排出される遊技媒体の数との整合性が判断手段によって判断される。
ここで、投入部から投入された遊技媒体が経路切替手段によって取込用経路または排出用経路のいずれかの経路へと導かれ、正常に取込用経路または排出用経路を通過した場合には、第2検出手段または第3検出手段のいずれか一方によって遊技媒体が検出される。これに対し、経路切替手段によって遊技媒体が取込用経路に導かれ、取込用経路を通過する遊技媒体が第2検出手段によって検出された後、即ち、機内への遊技媒体の取り込みが認識された後、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して不正に機外に取り出した場合には、排出用経路を通過する遊技媒体が第3検出手段によって検出され、第2検出手段および第3検出手段の両方によって遊技媒体が検出される。従って、この場合には、判断手段によって判断される整合性、即ち、投入部から投入された遊技媒体の数と取込用経路を通過して機内に取り込まれる遊技媒体の数と排出用経路を通過して機外に排出される遊技媒体の数との整合性に矛盾が生じる。よって、取込用経路に導かれた遊技媒体を不正に機外に取り出す不正行為を発見することができる。これにより、かかる不正行為を抑制することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、排出用経路を閉鎖する弁体を備えているので、排出用経路への針金などの挿入を困難として、機内に対して行われる不正行為(例えば、取込用経路に導かれた遊技媒体を針金などで排出用経路に誘導して不正に機外に取り出す不正行為)を防止することができるという効果がある。また、第3検出手段は、弁体の動作を検出することにより排出用経路を通過する遊技媒体を検出可能に構成されているので、弁体によって排出用経路を通過する遊技媒体の勢いを減じて、排出用経路を通過する遊技媒体の検出漏れを抑制することができ、第3検出手段による遊技媒体の検出不良を低減することができるという効果がある。更に、弁体は排出用経路の上流側に付勢されて排出用経路を閉鎖する一方、排出用経路を通過する遊技媒体の自重により動作して排出用経路を開放可能に構成されているので、1の遊技媒体が弁体を通過する毎に、弁体が排出用経路を1度だけ開閉する。これにより、遊技媒体を1つずつ確実に第3検出手段によって検出することができるという効果がある。
なお、「排出用経路を閉鎖可能」とは、排出用経路の経路断面の全てを閉塞する場合のみに限られず、弁体を格子状に構成することで、排出用経路の経路断面を部分的に塞ぐ場合を含む趣旨である。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、弁体は、払出手段から排出用経路への遊技媒体の払出口の下流に設けられているので、遊技媒体を遊技者に払い出す払出手段に対する不正行為(例えば、払出手段を針金などで操作して遊技媒体を不正に払い出す不正行為)を弁体によって防止することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、弁体は、排出用経路を閉鎖した状態から、排出用経路の上流側への開放が規制されるように構成されているので、排出用経路の下流側から排出用経路に針金などを押し入れることを不可能にして、排出用経路への針金などの挿入を困難とすることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想2から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技媒体を1つずつ受け入れ可能な凹部を有し、その凹部に受け入れた遊技媒体を1つずつ弁体に送り出す回転体を備えているので、遊技媒体が排出用経路を連なって通過する場合でも、第3検出手段によって遊技媒体を1つずつ確実に検出することができる。これにより、排出用経路を通過する遊技媒体の検出漏れを抑制して、第3検出手段による遊技媒体の検出不良を低減することができるという効果がある。
技術的思想6記載の遊技機によれば、技術的思想5記載の遊技機の奏する効果に加え、回転体と弁体とは、回転体の凹部に遊技媒体を受け入れた状態において、凹部に受け入れた遊技媒体が凹部と弁体とに当接可能な相対位置で配置されているので、弁体が排出用経路の上流側に付勢されていることと相まって、凹部に受け入れた遊技媒体が凹部と弁体との間に挟まれて回転体の回転を規制する。これにより、遊技媒体が弁体に到達する都度、回転体の回転を一時的に停止できるので、遊技媒体が排出用経路に連なって存在する状態であっても、遊技媒体を1つずつ確実に弁体に送り出すことができるという効果がある。また、凹部と弁体との間に遊技媒体が挟まれるので、その遊技媒体に連なって排出用経路の後方に存在する遊技媒体の勢いも減じることができるという効果がある。