以下、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態にかかる自動改札機の出場用ユニットの外観を示す概略図である。図2は、この自動改札機の主要部の構成を示すブロック図である。
図1に示す出場用ユニットは、駅構内から出場する利用者に対して改札処理を行う。また、図示していない入場用ユニットは、駅構内に入場する利用者に対して改札処理を行う。また、中立ユニットは、駅構内から出場する利用者、および駅構内に入場する利用者の双方に対して改札処理を行わない。自動改札機1は、出場用ユニット、入場用ユニット、中立ユニットの中から2つの異なるユニットを対向させて配置し、これら2つのユニット間に形成した改札通路における利用者の通行を制限(通行許可/通行禁止)する。自動改札機1は、出場用ユニットと、入場用ユニットとを対向させることで、駅構内から出場する利用者、および駅構内に入場する利用者の双方に対して改札処理が行える。自動改札機1は、出場用ユニットと、中立ユニットとを対向させることで、駅構内から出場する利用者に対してのみ改札処理が行える。自動改札機1は、入場用ユニットと、中立ユニットとを対向させることで、駅構内に入場する利用者に対してのみ改札処理が行える。
ここでは、図1に示す出場用ユニットと、図1に示していない入場用ユニットと、を改札通路を挟んで対向させて配置した自動改札機1を例にして説明する。
この例にかかる自動改札機1は、無線通信機能を有し、乗車券情報をメモリに記憶した非接触IC券、および券面に2次元バーコード(QRコード(登録商標))で乗車券情報を印刷したQR券を乗車券として受け付ける。自動改札機1は、乗車券として受け付けた非接触IC券、またはQR券から読み取った乗車券情報を用いて、改札通路における利用者の通行を制限する。
自動改札機1は、制御部2と、IC券情報読取部3と、QR券情報読取部4と、QR券回収部5と、利用者検知部6と、表示部7と、扉開閉部8と、通信部9と、を備えている。
制御部2は、自動改札機1本体の動作を制御する。
IC券情報読取部3は、改札通路を通行する利用者が無線通信エリア内に翳した非接触IC券との無線通信により、この非接触IC券に対する乗車券情報の読み取りや、乗車券情報の書き込みを行う。この自動改札機1は、2つのIC券情報読取部3を有する。一方のIC券情報読取部3は、駅構内に入場する利用者にとっての改札通路入口側(図1に示していない入場用ユニット)に取り付け、他方のIC券情報読取部3は、駅構内から出場する利用者にとっての改札通路入口側(図1に示す出場用ユニット)に取り付けている。
QR券情報読取部4は、改札通路を通行する利用者が光学読取エリア内に翳したQR券の券面に印刷されているQRコード(登録商標)を光学的に読み取る。この自動改札機1は、2つのQR券情報読取部4を有する。一方のQR券情報読取部4は、駅構内に入場する利用者にとっての改札通路入口側(図1に示していない入場用ユニット)に取り付け、他方のQR券情報読取部4は、駅構内から出場する利用者にとっての改札通路入口側(図1に示す出場用ユニット)に取り付けている。
なお、IC券情報読取部3、およびQR券情報読取部4は、中立ユニットに取り付けない。したがって、中立ユニットを利用した自動改札機1が備えるIC券情報読取部3、およびQR券情報読取部4は、それぞれ1つである。
QR券回収部5は、今回の使用で、使用済みになったQR券を回収する。このQR券回収部5は、図1に示す出場用ユニットに設けている(図1に示していない入場用ユニットや、中立ユニットは、QR券回収部5を設けていない。)。
利用者検知部6は、改札通路に沿って配置した複数のセンサにより、改札通路内に位置する利用者の位置を検知する。利用者検知部6は、改札通路を挟んで対向させて配置した一方のユニットに、この改札通路に沿って取り付けた複数の発光素子と、他方のユニットに、各発光素子が対向する位置に取り付けた複数の受光素子と、を有する。利用者検知部6は、発光素子から照射されている光を受光していない受光素子があれば、その受光素子に対応する位置に利用者がいると判断する。
表示部7は、改札通路を通行している利用者に対してメッセージを表示する表示器を2つ備えている。一方の表示器は、入場用ユニットに取り付けており、駅構内に入場する利用者に対するメッセージを表示する。他方の表示器は、出場用ユニットに取り付けており、駅構内から出場する利用者に対するメッセージを表示する。
なお、表示器は、中立ユニットに取り付けない。したがって、中立ユニットを利用した自動改札機1が備える表示器は1つである。
扉開閉部8は、改札通路における利用者の通行を許可しないときに、その利用者の出口側に設けた扉8a、8bを閉する。図1に示す扉8aは、駅構内に入場する利用者に対して開閉する扉であり、扉8bは、駅構内から出場する利用者に対して開閉する扉である。入場用ユニットや中立ユニットにも、対向する位置に扉8a、8bを設けている。
通信部9は、高速専用回線で接続されている、図示していない使用状態管理装置(上位装置)との間におけるデータ通信を制御する。この使用状態管理装置は、QR券の使用状態を管理する。
図3は、自動改札機の出場用ユニットの改札通路入口側の拡大図である。出場ユニットは、図3に示すように、改札通路入口側から、IC券情報読取部3の無線通信エリア、QR券情報読取部4の光学読取エリア、QR券投入口11を、この順に改札通路における利用者の通行方向に並べている。
図4は、この自動改札機の出場用ユニットが備えるQR券回収部の機構部を示す概略図である。QR券投入口11には、シャッタ12を設けている。このシャッタ12は、ソレノイド13により開閉される。QR券回収部5は、制御部2の指示にしたがって、ソレノイド13をオン/オフし、シャッタ12を開閉する。
また、QR券投入口11の内側には、このQR券投入口11に投入されたQR券を挟持して内部に取り込む一対の搬送ベルト14が設けられている。搬送ベルト14が、QR券の搬送路を形成する。搬送ベルト14は、無端ベルトであり、2つのローラに張架している。モータ15が、搬送ベルト14を張架している一方のローラを駆動する。搬送ベルト14によって内部に取り込まれたQR券は、回収ボックス16に収納される。QR券回収部5は、制御部2の指示にしたがって、搬送ベルト14を張架している一方のローラの駆動/停止を制御する(モータ15を制御する。)。
さらに、搬送ベルト14の端部と、回収ボックス16との間には、QR券が通過する通過路17を形成し、この通過路17を通過するQR券を検知する透過型の光電センサ18を設けている。また、QR券投入口11のシャッタ12付近にも、QR券の投入を検知する透過型の光電センサ19を設けている。
また、自動改札機1の入場ユニットは、上述したように、QR券回収部5を設けていないので、図5に示すように、改札通路入口側から、IC券情報読取部3の無線通信エリア、QR券情報読取部4の光学読取エリア、規制部材20を、この順に改札通路における利用者の通行方向に並べている。規制部材20は、上述したQR券投入口11のシャッタ12とほぼ同じ位置に設けている。規制部材20は、入場用ユニットの上面から突出し、QR券情報読取部4の光学読取エリア側を壁面にした形状である。
次に、QR券情報読取部4の光学読取エリアと、QR券投入口11のシャッタ12(または規制部材20)との相対的な位置関係について説明する。
図6は、乗車券として使用するQR券を示す図である。図6(A)は、乗車券情報を示すQRコード(登録商標)をQR券のほぼ中央部に印刷している例であり、図6(B)は、乗車券情報を示すQRコード(登録商標)をQR券の下側(一方の側)にずらして印刷している例である。
自動改札機1の出場ユニットに設けたQR券投入口11に対するQR券の投入方向は、長手方向である。図6(A)に示す、長さaと長さbとはほぼ同じ長さである。長さa、および長さbは、投入方向においてQR券の両側に存在するバーコードが印刷されていない領域の長さである。図6(B)に示す、長さAと長さBとは異なる長さ(A<B)である。長さA、および長さBも、投入方向においてQR券の両側に存在するバーコードが印刷されていない領域の長さである。
また、図6(A)に示す長さc、および、図6(B)に示す長さCは、投入方向における、QRコード(登録商標)の長さである。また、投入方向におけるQR券の長さはXである。
一般的な鉄道網において使用されているキップを例にすると、上述の長さXは、57mm程度である。また、QRコード(登録商標)の長さCは、17mm程度である。図6(A)に示す長さa、bは、20mm程度である。また、図6(B)に示す長さAは、30mm程度であり、長さBは10mm程度である。
通常、使用するQR券は、図6(A)に示すQR券、または図6(B)に示すQR券の一方に統一されるが、これらのQR券が混在して使用される場合を考慮し、この例にかかる自動改札機1の出場ユニットでは、図7に示すシャッタ12からQR券情報読取部4の光学読取エリア先端までの長さαをα<Bとし、シャッタ12からQR券情報読取部4の光学読取エリア後端までの長さβをβ>X−B(=A+C)にしている。すなわち、この条件が満足するように、QR券情報読取部4の光学読取エリアを形成している。
なお、使用するQR券を、図6(A)に示すQR券に統一した場合、図7に示すシャッタ12からQR券情報読取部4の光学読取エリア先端までの長さαをα<a(a=b)とし、シャッタ12からQR券情報読取部4の光学読取エリア後端までの長さβをβ>X−a(a+c=b+c)にすればよい。
上述した一般的なQR券であれば、QR券情報読取部4の光学読取エリアは、αが8mm程度、βが50mm程度になるように形成すればよい。
したがって、図6(A)、(B)に示すどちらのQR券でも、投入方向における一方の端部をシャッタ12に当接させたときに、そのQR券に印刷されているQRコード(登録商標)全体が光学読取エリア内に位置する。
このため、利用者は、QR券の投入方向の一方の端部をシャッタ12に押し当てることで、そのQR券に印刷されているQRコード(登録商標)全体をQR券情報読取部4の光学読取エリアに翳すことができる。また、投入方向の一方の端部をシャッタ12に押し当てているので、簡単にQR券をほぼ静止した状態にできる。
また、シャッタ12をQR券投入口11に設けない場合、このQR券投入口11に対向している搬送ベルト14の端部(この搬送ベルト14を張架しているローラ)が、この発明で言う規制部材(上述の説明におけるシャッタ12)として機能するように、R券投入口11に対向している搬送ベルト14の端部を基準にして上述のα、およびβを定めればよい。
なお、入場ユニットは、規制部材20と、QR券情報読取部4の光学読取エリアとの位置関係を、上述の出場ユニットにおけるシャッタ12と、QR券情報読取部4の光学読取エリアとの位置関係と同じにしているので、入場ユニットを使用する利用者、すなわち駅構内に入場する利用者、は、QR券の投入方向の一方の端部を規制部材20に押し当てることで、そのQR券に印刷されているQRコード(登録商標)全体をQR券情報読取部4の光学読取エリアに翳すことができるとともに、簡単にQR券をほぼ静止した状態にできる。
次に、この例にかかる自動改札機1の改札処理にかかる動作について説明する。図8は、駅構内に入場する入場処理を示すフローチャートである。
駅構内に入場する利用者は、非接触IC券、またはQR券を乗車券として所持している。利用者は、所持している乗車券が非接触IC券であれば、この非接触IC券を無線通エリアに翳す。利用者は、所持している乗車券がQR券であれば、このQR券に印刷されているQRコード(登録商標)を光学読取エリアに翳す。
自動改札機1は、IC券情報読取部3が無線通信エリア内に位置する非接触IC券の検知、および、QR券情報読取部4が光学読取エリア内に位置するQR券の検知を繰り返し行っている(s1、s2)。IC券情報読取部3における無線通信エリア内に位置する非接触IC券の検知は、このIC券情報読取部3が一定時間間隔(例えば、100ms間隔)で非接触IC券に応答を要求するポーリングを繰り返し、非接触IC券からの応答の受信の有無によって、無線通信エリア内に位置する非接触IC券を検知する処理である。また、QR券情報読取部20は、光学読取エリア内に位置する物体を検知するとQRコード(登録商標)の読み取りを行うことで、光学読取エリア内に位置するQR券を検知する。
なお、QR券情報読取部20は、一定時間間隔(例えば、100ms間隔)で、QRコード(登録商標)が撮像素子22に撮像されているかどうかによって、光学読取エリア内に位置するQR券を検知する構成としてもよい。
自動改札機1は、s1で無線通信エリア内に位置する非接触IC券を検知すると、この非接触IC券が記憶する乗車券情報を読み取る(s3)。s3にかかる乗車券情報の読み取りは、IC券情報読取部3による非接触IC券との無線通信により行われる。自動改札機1は、s3で読み取った乗車券情報に基づき駅構内への利用者の入場を許可するかどうかを判定する(s4)。s4では、s3で読み取った乗車券情報が適正であるかどうか、例えば乗車券の有効/無効や、サイクルエラー等、を判定している。自動改札機1は、s4で利用者の入場を許可しないと判定すると、扉開閉部8により扉8aを閉する(s5)。これにより、自動改札機1は、乗車券情報が適正でない非接触IC券で利用者が駅構内に入場するのを防止する。
一方、自動改札機1は、s4で駅構内への利用者の入場を許可すると判定すると、今回の利用にかかる入場情報(入場駅、入場時刻等)を乗車券情報として非接触IC券に書き込む(非接触IC券の乗車券情報を更新する。)(s6)。s6にかかる処理は、IC券情報読取部3による非接触IC券との無線通信により行われる。非接触IC券は、自動改札機1からの指示にしたがって、今回の入場情報を乗車券情報として書き込む(乗車券情報を更新する。)。また、自動改札機1は、扉開閉部8により扉8aを開する(s7)。これにより、自動改札機1は、利用者が駅構内に入場するのを許可する。
また、自動改札機1は、s2で光学読取エリア内に位置するQR券を検知すると、QRコード(登録商標)が示す乗車券情報を読み取る(s8)。上述したように、利用者は、所持しているQR券の一方の端部を、規制部材20に押し当てることにより、このQR券に印刷されているQRコード(登録商標)を光学読取エリア内に位置させることができる。また、利用者は、所持しているQR券の一方の端部を規制部材20に押し当てているので、QRコード(登録商標)を光学読取エリア内に位置させた状態で、QR券を簡単にほぼ静止させた状態にすることができる。したがって、自動改札機1は、s8にかかる乗車券情報の読み取りが、適正且つ速やかに行える。
自動改札機1は、QR券から読み取った乗車券情報に基づき、利用者の入場を許可するかどうかを判定する一次判定処理を行う(s9)。s8で読み取った乗車券情報には、QR券の識別番号、有効期間、有効区間等が含まれている。s9における一次判定処理は、今回乗車券情報を読み取ったQR券について、有効期間、および有効区間が適正であるかどうかを判定する処理である。したがって、この一次判定処理では、今回使用されたQR券がコピー等で作成された偽造券であるかどうかや、使い回しされているQR券であるかどうか等についての判定を行っていない。ただし、後述する二次判定処理において、上述のQR券の不正使用であるかどうかにかかる判定を行う。
自動改札機1は、s9における一次判定処理で、駅構内への利用者の入場を許可しないと判定すると(s10)、s5で扉開閉部8により扉8aを閉する。
一方、自動改札機1は、s9における一次判定処理で、利用者の入場を許可しないと判定しなければ(乗車券情報が適正であると判定すると)(s10)、通信部9において上位装置である使用状態管理装置(不図示)に対して、今回乗車券情報(QRコード(登録商標))を読み取ったQR券の使用状態を示す使用状態管理情報の通知要求を行う(s11)。この使用状態管理情報の通知要求には、s8で乗車券情報を読み取ったQR券の識別番号が含まれている。
使用状態管理装置は、発券したQR券毎に、そのQR券の識別番号と、使用状態(入場未/入場済や出場未/出場済等)と、を対応づけた使用状態管理情報を記憶している。使用状態管理装置は、自動改札機1から、QR券の使用状態管理情報の通知要求を受信すると、この通知要求に含まれているQR券の識別番号をキーにして、このQR券の使用状態管理情報を検索し、該当するQR券の使用状態管理情報を自動改札機1に返信する。
自動改札機1は、使用状態管理装置からの返信により、s8で乗車券情報を読み取ったQR券の使用状態管理情報を取得する(s12)。自動改札機1は、s12で取得したQR券の使用状態管理情報に基づき、利用者の入場を許可するかどうかを判定する二次判定処理を行う(s13)。s13では、s12で取得したQR券の使用状態管理情報が未入場を示している場合、利用者の入場を許可すると判定する。一方、s12で取得したQR券の使用状態管理情報が入場済を示している場合、利用者の入場を許可しないと判定する。自動改札機1は、s13の二次判定処理で、駅構内への利用者の入場を許可しないと判定すると(s14)、s5で扉開閉部8により扉8aを閉する。
したがって、上述の二次判定で、QR券の使い回しや、コピー等による偽造券の使用によって、利用者が駅構内に不正に入場するのを防止できる。
自動改札機1は、s13の二次判定処理で、利用者の入場を許可すると判定すると(s14)、扉開閉部8により扉8aを開する(s15)。また、自動改札機1は、今回の改札処理で使用されたQR券について、その使用状態管理情報の更新要求を使用状態管理装置に送信する(s16)。この使用状態管理情報の更新要求には、QR券の識別番号と、入場処理完了と、が含まれている。
使用状態管理装置は、いずれかの自動改札機1から、QR券の使用状態管理情報の更新要求を受信すると、この更新要求に基づき、該当するQR券の使用状態管理情報を更新する。したがって、使用状態管理装置は、自動改札機1が入場を許可したQR券については、略リアルタイムに使用状態管理情報を更新することができる。
次に、自動改札機1における出場処理について説明する。図9は、自動改札機における出場処理を示すフローチャートである。
駅構内から出場する利用者は、入場駅での入場時に使用した乗車券(非接触IC券、またはQR券)を所持している。利用者は、所持している乗車券が非接触IC券であれば、この非接触IC券を無線通エリアに翳す。利用者は、所持している乗車券がQR券であれば、このQR券に印刷されているQRコード(登録商標)を光学読取エリアに翳す。
自動改札機1は、IC券情報読取部3が無線通信エリア内に位置する非接触IC券の検知、および、QR券情報読取部4が光学読取エリア内に位置するQR券の検知を繰り返し行っている(s21、s22)。s21、s22にかかる処理は、上述のs1、s2と同じである。
自動改札機1は、s21で無線通信エリア内に位置する非接触IC券を検知すると、s23〜s27において、上述したs3〜s7と同様の処理を行う。ただし、s26では、出場駅や、出場時刻等を乗車券情報として非接触IC券に書き込む。また、s25では、扉8bを閉し、s27では扉8bを開する。
また、自動改札機1は、s22で光学読取エリア内に位置するQR券を検知すると、s28〜s33において、上述したs8〜s13と同様の処理を行う。ただしs33、s34の二次判定処理では、該当するQR券の使用状態が入場済で、且つ、未出場である場合に、利用者の出場を許可すると判定する。言い換えれば、該当するQR券の使用状態が未入場であれば、未出場であっても、利用者の出場を許可しないと判定する。
利用者は、所持しているQR券の一方の端部を、シャッタ12に押し当てることにより、このQR券に印刷されているQRコード(登録商標)を光学読取エリア内に位置させることができる。また、利用者は、所持しているQR券の一方の端部をシャッタ12に押し当てているので、QRコード(登録商標)を光学読取エリア内に位置させた状態で、QR券を簡単にほぼ静止させた状態にすることができる。したがって、自動改札機1は、s28にかかる乗車券情報の読み取りが、適正且つ速やかに行える。
自動改札機1は、s33の二次判定処理で、駅構内からの利用者の出場を許可しないと判定すると(s34)、s25で扉開閉部8により扉8bを閉する。
したがって、上述の二次判定で、QR券の使い回しや、コピー等による偽造券の使用によって、利用者が駅構内から不正に出場するのを防止できる。
自動改札機1は、s33の二次判定処理で、利用者の出場を許可すると判定すると(s34)、今回使用されたQR券の回収が必要であるかどうかを判定する(s35)。自動改札機1は、s35で回収が必要であると判定すると、QR券を回収する回収処理を行う(s36)。自動改札機1は、QR券が使い切りのキップであれば回収が必要であると判定し、何度も繰り返し使用できる1日乗車券であれば、回収が不要であると判定する。
s36では、QR券回収部5がソレノイド13をオンし、シャッタ12を開する。上述したように、利用者はQR券の一方の端部をシャッタ12に押し当てているので、シャッタ12が開したことで、このQR券が投入口11に投入される。QR券回収部5は、光電センサ19が投入されたQR券の先端を検知すると、モータ15を駆動し、投入されたQR券を回収ボックス16に搬送する。
このように、自動改札機1は、シャッタ12を開することで、乗車券情報を読み取ったQR券の回収が速やかに開始できる。したがって、利用者は、QR券に印刷されているQRコード(登録商標)をQR券情報読取部4の光学読取エリア内に翳す動作、および、このQR券を投入口11に投入する動作を、一連の流れで行うことができる、すなわち、操作性の向上が図れる。また、回収が必要でないと判定したときには、シャッタ12を開しない(s36にかかる回収処理を実行しない。)ので、回収が必要でないQR券を誤って回収することもない。
自動改札機1は、s35で回収が必要でないQR券であると判定した場合、またはs36で回収が必要なQR券を回収した場合に、扉開閉部8により扉8bを開する(s37)。自動改札機1は、光電センサ19が投入されたQR券の後端を検知したときに、QR券を回収したと判定してもよいし、光電センサ18が投入されたQR券の先端を検知したときに、QR券を回収したと判定してもよい。
また、自動改札機1は、s36で回収が必要なQR券が回収されなかったときには、s25で扉開閉部8により扉8bを閉し、利用者の通行を禁止すればよい。このようにすれば、回収が必要なQR券を、確実に回収することができる。
また、自動改札機1は、s37で扉8bを開して、利用者の通行を許可すると、今回の改札処理で使用されたQR券について、その使用状態管理情報の更新要求を使用状態管理装置に送信する(s38)。この使用状態管理情報の更新要求には、QR券の識別番号と、出場処理完了と、が含まれている。
使用状態管理装置は、上述したように、いずれかの自動改札機1から、QR券の使用状態管理情報の更新要求を受信すると、この更新要求に基づき、該当するQR券の使用状態管理情報を更新する。したがって、使用状態管理装置は、自動改札機1が出場を許可したQR券についても、略リアルタイムに使用状態管理情報を更新することができる。
このように、自動改札機1は、s8、およびs28にかかる乗車券情報の読み取りが、適正且つ速やかに行えるので、改札処理に要する時間の増大が抑えられる。
なお、乗車券情報は、QRコード(登録商標)に限らず、一次元のバーコード等で券面に印刷したものであってもよい。
また、上記の例では、自動改札機1は、上位装置である使用状態管理装置からQR券の使用状態管理情報を取得し、取得した使用状態管理情報を用いて、利用者の入場、または出場を許可するかどうかを判定する構成したが、この判定を使用状態管理装置に行わせ、判定結果を取得する構成としてもよい。
また、使用状態管理装置が、定期的(例えば数分毎)にQR券の使用状態管理情報を自動改札機1に通知する構成とし、自動改札機1が、使用状態管理装置にQR券の使用状態管理情報を問い合わせることなく、利用者の入場、または出場を許可するかどうかを判定する構成としてもよい。
また、本願発明は、駅の改札口に設置される自動改札機だけでなく、テーマパークの入出場口や、セキュリティエリアへの入出場口等に設置されるゲート装置としても利用できる。