JP5873588B1 - 薄片状炭素材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大がかりな設備を用いることなく、また、強酸や酸化剤と長時間反応させることなく、薄片状炭素材料を製造する方法を提供する。【解決手段】薄片状炭素材料の製造方法は、層状構造を有する炭素材料を非イオン性溶媒に浸す工程と、非イオン性溶媒中の炭素材料にマイクロ波を照射し、その炭素材料に接している非イオン性溶媒を気化させないように炭素材料を加熱し、その炭素材料の層間隔を広げることによって薄片状炭素材料を剥離する工程とを備える。【選択図】なし

Description

本発明は、非イオン性溶媒中の炭素材料にマイクロ波を照射することによる薄片状炭素材料の製造方法、及びその製造方法によって製造された薄片状炭素材料に関する。
従来、黒鉛などの炭素材料を薄片化してグラフェンにする技術としては、スコッチテープによる剥離方法がある(非特許文献1)。また、水中で黒鉛を長時間かけて酸化し、さらに還元して剥離する、Hummer法または改良Hummer法がある(非特許文献2)。しかし、これらの方法は剥離操作または剥離反応に長時間を要するので、効率的ではない。
黒鉛を溶媒中で抽出すると、様々な積層数の黒鉛が得られる(非特許文献3)。しかし、溶媒中の黒鉛濃度が1%以下と非常に低く、効率的な剥離とはいえない。
また、乱層構造を持つ黒鉛性構造体を酸化させ、マイクロ波を照射して、超音波分散処理するグラフェンシートの製造方法が知られている(特許文献1)。この方法では、硫酸/過マンガン酸カリウムまたはカルボン酸、ギ酸のような強酸化剤を使用したり、追加的な剥離作用のために環境に有害な有機溶剤を過多に使用したりすることはないが、あらかじめ炭素ナノ繊維を準備しなければならないという問題がある。
基材温度を500℃以下、圧力を50Pa以下に設定し、かつ含炭素ガスまたは含炭素ガスと不活性ガスからなる混合ガスに、基材表面の酸化を抑制するための酸化抑制剤を添加ガスとして加えた雰囲気中で、マイクロ波表面波プラズマ法により、基材表面上に透明導電性炭素膜を堆積させるという、グラフェン膜の製造方法も知られている(特許文献2)。この方法によれば、従来の熱CVDによるグラフェン膜成膜の課題である、高温プロセスであり、かつプロセス時間が長いという課題を解決して、より低温で短時間にグラフェン膜を成膜できるが、高真空を必要とするプラズマCVD反応器は、相変わらず必要である。
炭素源のプラズマ分解により、グラフェン膜を製造する方法として、少なくとも炭素と水素を有する化合物の原料気体を基板上に流し、その基板上にマイクロ波励起により原料気体の表面波プラズマを生成して、その基板上にグラフェン膜を製造するグラフェン膜の製造方法も知られている(特許文献3)。しかし、この方法でも高真空を必要とするプラズマCVD反応器は相変わらず必要である。
銅、コバルト、ニッケル、ルテニウムのうちのいずれかの金属材料の表面に導電性ポリマーの溶液または分散液を塗布して塗膜を形成した後、マイクロ波処理することで金属材料表面にグラフェン薄膜を形成するグラフェン薄膜の製造方法も知られている(特許文献4)。しかし、その方法では銅箔などの上に導電性ポリマーを溶媒に溶解または分散させた液状組成物を塗布して塗膜を形成させるコーティング設備が必要になる。
基材温度を200℃〜700℃、圧力を50Pa以下に設定し、含窒素ガスまたは含炭素ガスと酸化抑制剤からなる混合ガスに、ヘリウム(He)ガスを加えたガス雰囲気中で、マイクロ波表面波プラズマCVD法により、基材表面上にグラフェン膜を堆積させるグラフェン膜の製造方法も知られている(特許文献5)。しかし、この方法でも高真空を必要とするプラズマCVD反応器は、相変わらず必要である。
六角形の格子状に並んだ炭素原子で構成された炭素シートの積層体である黒鉛に、硫酸と、硝酸ナトリウムと、過マンガン酸カリウムを加えて酸化させることにより、黒鉛から剥離させた1層または複数層の炭素シートからなる酸化薄片化黒鉛において、酸化させる前の黒鉛にマイクロ波を照射している酸化薄片化黒鉛も知られている(特許文献6)。しかし、この方法では、酸化のために硫酸と硝酸ナトリウムと過マンガン酸カリウムが必要である。
グラフェン積層構造を有する炭素材料を、20℃における表面張力が50mN/m以下である液状物を含む液体に浸漬させる工程と、その液体に浸漬されている炭素材料に電磁波を照射して該炭素材料を加熱し、炭素材料に接触している液体を気化させることにより炭素材料を薄片化する工程とを備え、炭素材料を薄片化する工程において、炭素材料に反応性化合物を化学結合させる、薄片化黒鉛の製造方法も知られている(特許文献7)。しかし、この方法では、液体が気化するほど温度を上げなければならないので、炭素材料の薄片化と同時に炭素材料の熱による凝集も発生してしまう。
特表2012−509248号公報 特開2012−162442号公報 特開2013−159521号公報 特開2013−87023号公報 特開2013−249530号公報 特開2013−212948号公報 国際公開第2014/163127号
Nature Materials, (2007), 6(3), p. 183-191 Nature, (2006), 442(7100), p. 282-286 Nature Nanotechnology, (2009), 4(4), p. 217-224
上述のように、強酸や酸化剤と長時間反応させることなく、また高真空設備やコーティング装置などの大がかりな設備を用いないで、薄片状炭素材料を効率的に製造することが求められていた。
本発明は、上記状況に応じてなされたものであり、層状構造を有する炭素材料を、従来例より簡易で効率的な方法によって剥離することができる薄片状炭素材料の製造方法等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題に対して鋭意研究の末、非イオン性溶媒中の炭素材料にマイクロ波を照射し、その炭素材料に接している非イオン性溶媒を気化させないように加熱することによって薄片状炭素材料を製造できることを見いだし、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 非イオン性溶媒中の層状構造を有する前記炭素材料にマイクロ波を照射することによって、当該炭素材料に接している前記非イオン性溶媒を気化させないように当該炭素材料を加熱し、当該炭素材料の層間隔を広げることによって薄片状炭素材料を剥離する工程と、を備えた薄片状炭素材料の製造方法。
[2] 前記薄片状炭素材料を剥離する工程において、前記炭素材料の層状構造の端部に化合物を結合させる、[1]記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[3] 前記化合物と前記炭素材料の層状構造の端部とは、ディールス・アルダー反応により結合する、[2]記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[4] 前記化合物は、無水マレイン酸、テトラシアノエチレン、2,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン、9−メチルアントラセン、キナジメタン、5,6−ビスメチレン−1,3−シクロヘキサンジエン、3,6−ビスメチレン−1,4−シクロヘキサジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[3]記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[5] 前記非イオン性溶媒と混合される化合物の量は、前記炭素材料100重量部あたり、0.01重量部以上、60重量部以下である、[2]から[4]のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[6] 前記薄片状炭素材料を剥離する工程において、前記炭素材料に接している非イオン性溶媒の温度が、当該非イオン性溶媒の沸点未満となるように前記炭素材料を加熱する、[1]から[5]のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[7] 前記薄片状炭素材料を剥離する工程において、測定位置における前記非イオン性溶媒の温度が、当該非イオン性溶媒の沸点より5℃以上低くなるように前記炭素材料を加熱する、[6]記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[8] 前記非イオン性溶媒は、環式炭化水素溶媒または環式炭化水素誘導体溶媒を含む、[1]から[7]のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法。
[9] [1]から[8]のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法によって得られた薄片状炭素材料。
本発明による薄片状炭素材料、及びその製造方法によれば、非イオン性溶媒中の炭素材料にマイクロ波を照射し、薄片状炭素材料を剥離するため、高真空設備やコーティング装置などの大がかりな設備を用いることなく、また、強酸や酸化剤と長時間反応させることなく、薄片状炭素材料を効率的に製造することができる。また、炭素材料に接している非イオン性溶媒を沸騰させないため、剥離された薄片状炭素材料が凝集することを防止できる。また、非イオン性溶媒中で剥離を行うため、剥離しなかった層間に溶媒が入ったとしても、後から乾燥させることによって、不純物を残すことなく容易に除去することができる。
実施例の結果を示す表 比較例の結果を示す表 実施例2,5〜10,比較例6〜8に関する薄片状炭素材料の厚さと温度との関係を示すグラフ
層状構造を有する炭素材料を非イオン性溶媒に浸す工程と、その非イオン性溶媒中の炭素材料にマイクロ波を照射することによって、その炭素材料に接している非イオン性溶媒を気化させないように炭素材料を加熱し、その炭素材料の層間隔を広げることによって薄片状炭素材料を剥離する工程と、を備えた薄片状炭素材料の製造方法について説明する。
層状構造を有する炭素材料は、構成元素が実質的に炭素からなる固体材料であり、少なくとも一部に層状構造を有していればよい。その層状構造は、グラフェンの層状構造である。すなわち、層状構造を有する炭素材料は、少なくとも一部にグラフェン積層構造を有しているものであればよい。層状構造を有する炭素材料は特に限定されないが、例えば、黒鉛(グラファイト)、多層のグラフェン、カーボンブラック、カーボン繊維(カーボンファイバー)などであってもよい。なお、カーボンブラックやカーボン繊維のように非晶質の炭素材料であっても、その一部にグラフェン構造が含まれているため、そのグラフェンを剥離してもよい。炭素材料がカーボンブラックやカーボン繊維である場合には、その黒鉛化度の高い方が好適である。炭素材料として、黒鉛を用いることが好適である。黒鉛は、天然黒鉛であってもよく、人造黒鉛であってもよい。黒鉛は、層間の距離を広げた膨張黒鉛でもよい。
非イオン性溶媒は、イオン性を有しない溶媒である。非イオン性溶媒は、容易にイオン化する官能基を有しない溶媒であると考えてもよい。また、非イオン性溶媒は、共有結合性の溶媒であると考えてもよい。非イオン性溶媒は、炭素材料に対して親和性のあるものであってもよく、または、親和性の乏しいものであってもよい。また、非イオン性溶媒は、非イオン性有機溶媒であってもよく、非イオン性無機溶媒であってもよい。また、非イオン性有機溶媒は、例えば、環式化合物溶媒であってもよく、環式化合物溶媒を含んでいてもよく、または、そうでなくてもよい。環式化合物溶媒は、例えば、芳香族炭化水素や脂環式炭化水素などの環式炭化水素溶媒であってもよく、芳香族炭化水素誘導体や脂環式炭化水素誘導体などの環式炭化水素誘導体溶媒であってもよく、複素環式化合物溶媒であってもよく、または、それら以外であってもよい。芳香族炭化水素は特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、またはエチルベンゼンを挙げることができる。脂環式炭化水素は、例えば、シクロアルカンであってもよく、または、そうでなくてもよい。シクロアルカンは特に限定されないが、例えば、シクロヘキサンを挙げることができる。環式炭化水素誘導体溶媒は特に限定されないが、例えば、1,2−ジクロロベンゼン、またはベンジルアミンを挙げることができる。複素環式化合物溶媒は特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン、またはテトラヒドロフランを挙げることができる。また、環式化合物溶媒以外の非イオン性有機溶媒は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどのグリコール、アセトン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、またはヘキサメチルホスホアミドを挙げることができる。非イオン性無機溶媒は特に限定されないが、例えば、水を挙げることができる。非イオン性溶媒は、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、水、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホアミド、ベンジルアミンが好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、N−メチルピロリドン、ベンジルアミンがより好ましい。炭素材料に含まれるグラフェン構造における各層は、六角形セルの集合であるため、環式化合物溶媒のように環状構造を有している有機溶媒のほうが層間に浸入しやすいと考えられるためである。非イオン性溶媒は、単独で用いてもよく、または複数を混合して用いてもよい。非イオン性溶媒の量は問わないが、マイクロ波の照射対象となる炭素材料を完全に浸すことができることが好適である。なお、非イオン性溶媒の量が多い場合には、それだけ加熱効率が悪くなるため、非イオン性溶媒は必要以上に多くないことが好適である。
炭素材料を非イオン性溶媒に浸した後に、両者を混合してもよい。炭素材料と溶媒とを混合する方法としては、既知の方法を採用できる。その混合は、目視で均一状態を達成することができればよく、混合の方法は問わない。すなわち、混合機で両者を混合してもよく、ガラスビーズなどの媒体と一緒に撹拌混合してもよく、または、狭い隙間を高速で通過させることによって混合してもよく、超音波を用いて分散させてもよい。混合機は、例えば、撹拌羽根付きのものであってもよい。
炭素材料に照射するマイクロ波の周波数は特に限定されないが、例えば、2.45GHzであってもよく、5.8GHzであってもよく、24GHzであってもよく、915MHzであってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。すなわち、そのマイクロ波は、波長が1mm〜1mの電磁波であってもよい。そのマイクロ波の出力(強度)は特に限定されない。マイクロ波を照射する系の規模に応じて、具体的にはマイクロ波を照射される炭素材料の量と反応器のサイズに応じて、最適の出力を選定することが好適である。
マイクロ波の照射は、連続で行ってもよく、または照射と休止を繰り返す間欠で行ってもよい。炭素材料にマイクロ波を照射すると、炭素材料及び非イオン性溶媒の温度が上昇するが、その温度が一定になるようにマイクロ波照射の強度を調整してもよく、マイクロ波照射の強度を一定にして温度は変動させてもよく、または、小刻みにマイクロ波照射の強度を変更してもよい。剥離の効果が大きい照射方法を選定することが望ましい。ただし、いずれの場合であっても、炭素材料に接している非イオン性溶媒が気化しない範囲で炭素材料を加熱するものとする。なお、マイクロ波の照射は、シングルモードで行われてもよく、またはマルチモードで行われてもよい。また、マイクロ波の照射対象となる炭素材料は非イオン性溶媒に浸漬されているため、炭素材料に接している非イオン性溶媒の気化とは、非イオン性溶媒の沸騰を意味すると考えられる。したがって、炭素材料に接している非イオン性溶媒の温度が沸点以上とならないようにマイクロ波を照射することが好適である。
マイクロ波を非イオン性溶媒中の炭素材料に照射することによって、非イオン性溶媒の温度が上昇する。この温度は、例えば、熱電対方式の温度計、赤外線光ファイバー方式の温度計、水銀や有機液体のガラス製温度計などの既知の温度計を用いて測定してもよい。この温度計を用いて測定した溶媒の温度が溶媒の沸点以上であると、溶媒の気化がさかんに起こり、マイクロ波の照射によって剥離した炭素材料が凝集し、剥離の効果が薄れることになる。また、マイクロ波によって炭素材料が加熱され、その層間の溶媒が気化する場合には、通常、均一に気化するのではなく、その気化の程度にばらつきがあると考えられる。そのばらつきの結果、ある層の一部分では層間が大きくなり、他の部分では層間が大きくならないといった状況になり、一部分の剥離が起こることになって、剥離された薄片状炭素材料が細かいものになる可能性がありうる。したがって、炭素材料に接している非イオン性溶媒の温度が沸点未満となるように炭素材料を加熱することが好適である。なお、温度の測定は、炭素材料の近くで行われることが好適であるが、厳密には炭素材料に接している溶媒の温度を測定することは困難である。一方、溶媒が気化すると、炭素材料に接している溶媒に泡が発生する。したがって、炭素材料の表面に溶媒の泡、すなわち気化に起因する泡が存在するかどうかを目視で判断することによって、炭素材料に接している溶媒が気化しているかどうかを判定することができる。なお、反応器内に設置した撹拌機による撹拌の影響により、泡の発生の有無が見分けにくい場合には、その判断を行う間、一時的に撹拌機を停止することが好適である。この撹拌機の停止による剥離への影響は小さいと考えられる。そのようにして炭素材料に接している溶媒の気化が開始されたと判断される際の測定温度が、「溶媒の沸点−α」(℃)であったとする。その場合には、温度計で測定した温度が「溶媒の沸点−α」(℃)より低くなるようにマイクロ波を照射することが望ましい。なお、αは0以上の実数である。溶媒の種類にも依存するが、そのαは5℃より小さいと考えられるため、例えば、薄片状炭素材料を剥離する工程において、測定位置(例えば、温度計の位置)における非イオン性溶媒の測定温度が、その非イオン性溶媒の沸点より5℃以上低くなるように炭素材料を加熱してもよい。また、測定温度と、薄片状炭素材料に接している溶媒の温度との乖離がより大きくなる状況においては、例えば、非イオン性溶媒の測定温度が、その非イオン性溶媒の沸点より10℃以上低くなるように炭素材料を加熱してもよい。なお、撹拌等によって炭素材料に接している非イオン性溶媒の温度と、測定位置における非イオン性溶媒の測定温度との乖離をなくすことができている場合、すなわちαが実質的に0である場合には、測定位置における非イオン性溶媒の測定温度が沸点未満となるようにマイクロ波を照射することによって、炭素材料に接している非イオン性溶媒の温度が沸点未満となるように炭素材料を加熱することができる。このようにして溶媒の気化を抑えることによって、溶媒の気化に伴う薄片状炭素材料の凝集の可能性を低減することができ、剥離の効果がより大きくなる。
なお、溶媒の温度が高いほど、炭素材料の層間のファンデルワールス力に抗して剥離を促進しやすいため、剥離を促進する観点からは、炭素材料に接している非イオン性溶媒が気化しない範囲において、非イオン性溶媒が高い温度となるように加熱されることが望まれる。したがって、その観点からは、溶媒の温度は、室温よりも高いことが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。一方、後述するディールス・アルダー(Diels-Alder)反応は、平衡温度を境にして、温度が高いほど逆反応が進行するようになるため、ディールス・アルダー反応を促進する観点からは、溶媒の温度が平衡温度より高くならない方が好ましい。ここで、平衡温度とは、正反応と逆反応とが同程度となる温度のことである。後述する化合物が無水マレイン酸である場合には、その平衡温度は、120〜130℃である。
また、薄片状炭素材料を剥離する工程は、通常、常圧において行われるが、必要に応じて加圧下または減圧下において行われてもよい。取り扱いの観点からは、常圧が望ましい。また、圧力が常圧でない場合には、溶媒の沸点は、その圧力における沸点となる。
非イオン性溶媒中の炭素材料にマイクロ波が照射されると、炭素材料が加熱され、その結果、炭素材料の層間に浸入した非イオン性溶媒が加熱されることになる。そして、その加熱された溶媒の熱運動によって層間隔が広がり、層間のファンデルワールス力が弱まって、炭素材料から薄片状炭素材料が剥離されることになる。その際に、層間の溶媒が気化すると、炭素材料の薄片化と同時に、薄片化された炭素材料の熱による凝集が起こると考えられる。層間の溶媒が気化すると、層間に液相の溶媒が存在しなくなるため、マイクロ波の照射によって、炭素材料の温度が急激に上昇する可能性があり、その温度上昇に応じて凝集が促進されることになると考えられる。したがって、非イオン性溶媒が気化しないように、非イオン性溶媒中の炭素材料を加熱することが重要である。
なお、薄片状炭素材料は、グラフェンであってもよく、または、複数のグラフェンが積層されたものであってもよい。そのグラフェンは、1層であってもよく、複数層であってもよい。薄片状炭素材料の層数は、例えば、1000層以下であることが好ましく、500層以下であることがより好ましく、100層以下であることがさらに好ましい。薄片状炭素材料は、薄片化された黒鉛であると考えることもできる。また、薄片状炭素材料は、例えば、グラフェンシートであってもよく、またはグラフェンフレークであってもよい。
薄片状炭素材料を剥離する工程において、炭素材料の層状構造の端部に化合物を結合させてもよい。その化合物を層状構造の端部、すなわち炭素材料に含まれるグラフェンの端部に結合させることにより、そのグラフェンの端部におけるグラフェンの層間の距離を大きくすることができる。その結果、非イオン性溶媒が層間に浸入しやすくなり、炭素材料の剥離が促進される。炭素材料と反応する化合物としては、炭素材料中の二重結合と反応しうる化合物が好ましい。また、共有結合を形成させるために、その化合物も非イオン性のものが好適である。その化合物と炭素材料の層状構造の端部とは、ディールス・アルダー反応により結合するものであってもよい。すなわち、その化合物は、ディールス・アルダー反応性を有する化合物であってもよい。そのようなディールス・アルダー反応性を有する化合物は特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸、テトラシアノエチレン、2,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン、9−メチルアントラセン、キナジメタン、5,6−ビスメチレン−1,3−シクロヘキサンジエン、3,6−ビスメチレン−1,4−シクロヘキサジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。これらのディールス・アルダー反応性を有する化合物が炭素材料に含まれるグラフェンの端部に結合されることにより、その端部での黒鉛に含まれるグラフェンの層間距離(約0.3nm)が少し拡大され、剥離が促進される、と推定している。なお、例えば、無水マレイン酸、テトラシアノエチレン、2,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン、9−メチルアントラセン等は、炭素材料の層状構造に含まれるグラフェンの端部に結合しやすいことが知られている。
非イオン性溶媒と混合される化合物の量は、炭素材料100重量部あたり、100重量部以下であることが好ましく、60重量部以下であることがより好ましい。化合物の量が多いと、剥離された薄片状炭素材料がその化合物によってくっつく可能性があるからである。非イオン性溶媒と混合される化合物の量が、炭素材料100重量部あたり100重量部より多いと、剥離は一部進むと思われるが、過剰の化合物によって剥離後の薄片状炭素材料の大きな塊が発生するので好ましくない。また、非イオン性溶媒と混合される化合物の量を、炭素材料100重量部あたり0.01重量部以上にすると、マイクロ波を照射したときの炭素材料の剥離が促進される。その化合物の量を、炭素材料100重量部あたり10重量部以上にすると、マイクロ波を照射したときの炭素材料の剥離が促進される効果が大きいため好ましい。なお、その化合物は、例えば、炭素材料が非イオン性溶媒に浸される前に、非イオン性溶媒と混合されてもよく、または、炭素材料が非イオン性溶媒に浸された後に、非イオン性溶媒と混合されてもよい。非イオン性溶媒と化合物との混合は、その化合物が非イオン性溶媒に加えられることによって行われてもよい。その化合物と溶媒との混合は、マイクロ波による加熱の開始前であってもよく、または、開始後であってもよい。その混合は、例えば、撹拌混合や剪断混合によって実現されてもよい。
非イオン性溶媒を沸騰させないようにマイクロ波を照射するため、剥離した後の薄片状炭素材料は、非イオン性溶媒に分散した状態で得られることになる。その非イオン性溶媒に分散した薄片状炭素材料については、通常の取り扱いが可能である。例えば、非イオン性溶媒との分離は、ろ過や遠心分離、乾燥などの公知技術を用いて行うことができる。
以上のように、本発明による薄片状炭素材料の製造方法、及びその製造方法によって製造された薄片状炭素材料によれば、非イオン性溶媒中において薄片状炭素材料の剥離を行うため、剥離されなかった層間に非イオン性溶媒が入ったとしても、後から加熱することなどによって容易に除去することができる。例えば、リチウムイオン等を含むイオン性の溶媒を用いて剥離を行った場合には、剥離しなかった層間にリチウムイオンなどが残ることになり、剥離された薄片状炭素材料の特性が変わってしまうことになりうるが、非イオン性溶媒を用いることによって、そのようなことを回避でき、品質の高い薄片状炭素材料を得ることができる。また、炭素材料の層状構造の端部との結合性を有する化合物を用いることによって、その端部における層間隔を広げることができ、グラフェン構造の層間に非イオン性溶媒が浸入しやすくなる。その結果、薄片状炭素材料の剥離が促進されることになる。また、非イオン性溶媒と混合する化合物の量を多くしないことにより、剥離された薄片状炭素材料が化合物によって塊となることを防止できる。
なお、上記説明では、薄片状炭素材料の製造方法が、炭素材料を非イオン性溶媒に浸す工程を有する場合について説明したが、そうでなくてもよい。あらかじめ非イオン性溶媒に浸漬されている炭素材料が用意されている場合には、その炭素材料にマイクロ波を照射することによって、薄片状炭素材料を剥離してもよい。そのように、薄片状炭素材料の製造方法は、炭素材料を非イオン性溶媒に浸す工程を有していなくてもよい。
[実施例、比較例]
以下、本発明を実施例に基づいて詳しく説明するが、これらの実施例は例示的なものであり、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例、比較例における各値は、以下の方法によって求めた。また、実施例、比較例において、「部」とは重量で表した割合(重量部)を示すものとする。
(1)炭素材料からの剥離の評価
剥離前の炭素材料と、剥離後の炭素材料(薄片状炭素材料)とを、走査電子顕微鏡(装置:日本電子社製、JSM−IT300)で観察評価した。剥離前の炭素材料の形状は板状であり、剥離前の炭素材料の平均厚みと、剥離後の薄片状炭素材料の平均厚みとを比較した。ここで、平均厚みとは、各々10個の炭素材料の厚みを測定した平均値である。
(2)炭素材料との反応の評価
炭素材料と反応する化合物を添加して、マイクロ波を照射した反応の評価は、赤外線スペクトル(装置:島津製作所製、IRAffinity−1)により行った。サンプルを特級試薬アセトンで洗浄乾固して、測定した。
[実施例1]
膨張黒鉛10部と、トルエン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を2Wで10分間照射して、室温から100℃まで昇温した。100℃到達後、さらに1時間、内温を100℃に保つように、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生はみられなかった。トルエンの沸点は約111℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、マイクロ波照射を止め、室温まで冷却したのち、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例2]
膨張黒鉛10部と、o−キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を1.5Wで15分間照射して、室温から110℃まで昇温した。110℃到達後、さらに30分間、内温を110℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸5部を添加して、よく撹拌し、さらに内温110℃で1時間、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。o−キシレンの沸点は約144℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例3]
天然黒鉛10部と、エチルベンゼン10部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。915MHzのマイクロ波を5Wで30秒照射した。1分経過後に再び5Wで30秒照射した。この「5Wで30秒照射して1分休む」ことを1サイクルとして、計20サイクル行った。この間に内温は、室温から120℃まで上昇した。また、泡の発生は認められなかった。エチルベンゼンの沸点は約136℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。20サイクル終了後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例4]
合成黒鉛10部と、p−キシレン50部をよく混合して、さらに2,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン5部を加えて、撹拌機付きの反応器にいれた。915MHzのマイクロ波を2Wで20秒照射し、2分間休止することを1サイクルとして、計50サイクル行った。この間に、内温は100℃まで上昇した。さらに、内温を100℃に保つように、マイクロ波を1時間連続照射した。泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例5]
膨張黒鉛10部と、o−キシレン20部と、無水マレイン酸1部をよく混合して、撹拌機付きのジャケット付き反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を2Wで10分間連続照射して、内温を120℃まで上げた。内温が120℃に達した後に、無水マレイン酸2部を添加して、よく混合した。さらに、「1Wのマイクロ波を30秒照射して2分休止する」ことを1サイクルとして、計30サイクル繰り返した。この間、内温が130℃を越えた時には、ジャケットを冷却して、内温を120℃まで下げた。30サイクルの間、泡の発生は認められなかった。o−キシレンの沸点は約144℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。30サイクル終了後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例6]
膨張黒鉛10部と、p−キシレン20部と、無水マレイン酸1部をよく混合して、撹拌機付きの反応器に入れ、Nガスにて反応器内部圧力を0.3MPaまであげた。その後、2450MHzのマイクロ波を照射して、反応器内温を150℃に保った。150℃に保ったまま、1時間反応させた。この間、5分間撹拌機を止めて、泡立ちを観察したが、泡の発生は認められなかった。反応器内部圧力が0.3MPaであるため、p−キシレンの沸点は185℃付近であり、また、泡の発生が認められなかったことから、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたと考えられる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した、結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例7]
膨張黒鉛10部と、混合キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を1.5Wで10分間照射して、室温から80℃まで昇温した。80℃到達後、さらに30分間、内温を80℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸5部を添加して、よく撹拌し、さらに内温80℃で1時間、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。混合キシレンの沸点は約136℃であったため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。なお、この実施例で用いた混合キシレン100部は、o−キシレン12部、m−キシレン30部、p−キシレン15部、エチルベンゼン43部からなる。
[実施例8]
膨張黒鉛10部と、混合キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を2Wで10分間照射して、室温から100℃まで昇温した。100℃到達後、さらに20分間、内温を100℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸3部を添加して、よく撹拌し、さらに内温100℃で1.5時間、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。混合キシレンの沸点は約136℃であったため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。なお、この実施例で用いた混合キシレンは、実施例7と同様のものである。
[実施例9]
膨張黒鉛25部と、混合キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を2.5Wで20分間照射して、室温から120℃まで昇温した。120℃到達後、さらに30分間、内温を120℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸6部を添加して、よく撹拌し、さらに内温120℃で1時間、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。混合キシレンの沸点は約136℃であったため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。なお、この実施例で用いた混合キシレンは、実施例7と同様のものである。
[実施例10]
膨張黒鉛20部と、混合キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を3.5Wで10分間照射して、室温から130℃まで昇温した。130℃到達後、さらに20分間、内温を130℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸3部を添加して、よく撹拌し、さらに内温130℃で1.5時間、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。混合キシレンの沸点は約136℃であったため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。なお、この実施例で用いた混合キシレンは、実施例7と同様のものである。
[実施例11]
膨張黒鉛20部とp−キシレン200部をよく混合して、さらに0.6部の無水マレイン酸を加えて混合した後、2450MHzのマイクロ波を3Wで30分間照射して、室温から115℃まで昇温した。115℃到達後、さらに30分間、内温を115℃に保つようにマイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例12]
膨張黒鉛20部とp−キシレン200部をよく混合して、さらに2部の無水マレイン酸を加えて混合した後、2450MHzのマイクロ波を3Wで30分間照射して、室温から115℃まで昇温した。115℃到達後、さらに30分間、内温を115℃に保つようにマイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例13]
膨張黒鉛20部とp−キシレン200部をよく混合して、さらに4部の無水マレイン酸を加えて混合した後、2450MHzのマイクロ波を3Wで30分間照射して、室温から115℃まで昇温した。115℃到達後、さらに30分間、内温を115℃に保つようにマイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例14]
膨張黒鉛20部とp−キシレン200部をよく混合して、さらに12部の無水マレイン酸を加えて混合した後、2450MHzのマイクロ波を3Wで30分間照射して、室温から115℃まで昇温した。115℃到達後、さらに30分間、内温を115℃に保つようにマイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例15]
膨張黒鉛20部とp−キシレン200部をよく混合して、さらに20部の無水マレイン酸を加えて混合した後、2450MHzのマイクロ波を3Wで30分間照射して、室温から115℃まで昇温した。115℃到達後、さらに30分間、内温を115℃に保つようにマイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[実施例16]
膨張黒鉛20部とp−キシレン200部をよく混合して、2450MHzのマイクロ波を3Wで30分間照射して、室温から115℃まで昇温した。115℃到達後、さらに30分間、内温を115℃に保つようにマイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。p−キシレンの沸点は約138℃であるため、溶媒は沸点未満の範囲で加熱されたことになる。したがって、炭素材料の層間に存在する溶媒は気化していないと考えられる。その後、室温まで冷却して反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図1に示すが、剥離が進行していることが分かる。
[比較例1]
膨張黒鉛を撹拌機付きの反応器に入れて、よく撹拌しながら、内部に設置したハロゲンランプにより赤外線加熱を2時間行った。加熱終了後、固形物を取り出し、評価した。結果を図2に示すが、剥離は進行していないことが分かる。
[比較例2]
天然黒鉛10部に水100部を加えて、加熱用ジャケット付きの反応器に入れた。よく撹拌しながら、ジャケットに温度120℃に加熱した熱媒油を循環させて、内温を100℃まで上げた。反応器上部に取り付けた冷却器で蒸発気体を冷却液化させて反応器に還流させながら、1時間反応させた。反応終了後に、室温まで冷却して、固形物を取り出し、評価した。結果を図2に示すが、剥離はわずかしか進行していないことが分かる。
[比較例3]
膨張黒鉛10部に無水マレイン酸5部を加えて、よく混合した後、撹拌機付きの加熱用ジャケット付き反応器にいれた。よく撹拌しながら、ジャケットに温度120℃に加熱した熱媒油を循環させて、内温を80℃に保ちながら1時間反応させた。反応終了後に、室温まで冷却して、固形物を取り出し、評価した。結果を図2に示すが、剥離は進行せず、全体が大きな塊になった。
[比較例4]
膨張黒鉛10部にトルエン100部を加えて、よく混合した後、撹拌機付きの加熱用ジャケット付き反応器にいれた。よく撹拌しながら、ジャケットに温度130℃に加熱した熱媒油を循環させて、内温を110℃に保ちながら30分間反応させた。反応終了後に、室温まで冷却して固形物を取り出し、評価した。結果を図2に示すが、剥離の進行はわずかである。
[比較例5]
膨張黒鉛を静置した状態で、上部から2450MHzのマイクロ波を500Wで20分間照射した。黒鉛層の温度は、層内に挿入した温度計では220℃であった。20分後に反応器から取り出したところ、大きな塊になっていた。
[比較例6]
膨張黒鉛10部とp−キシレン20部と、無水マレイン酸1部をよく混合して、撹拌機付きの反応器に入れ、Nガスにて反応器内部圧力を0.3MPaまであげた。その後、2450MHzのマイクロ波を照射して、反応器内温を190℃まで上げた。190℃に保ったまま、30分間反応させた。さらに、温度を195℃に上げて5分反応させた。反応器内では、さかんに泡が発生していた。0.3MPaにおけるp−キシレンの沸点は185℃付近であること、また、さかんに泡が発生していたことから、炭素材料の層間に存在する溶媒も気化していたものと考えられる。このとき、p−キシレンの一部が気化するので、反応器上部に取り付けた冷却管を経て反応器外に取り出した。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した、結果を図2に示すが、剥離の進行はわずかである。
[比較例7]
膨張黒鉛10部と、混合キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を4.5Wで10分間照射して、室温から140℃まで昇温した。140℃到達後、さらに10分間、内温を140℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸10部を添加して、よく撹拌し、さらに内温140℃で0.5時間、マイクロ波を照射した。この間、大量の泡が発生した。混合キシレンの沸点は約136℃であったこと、また、大量の泡が発生していたことから、炭素材料の層間に存在する溶媒も気化していたものと考えられる。反応器上部に取り付けた冷却管で冷却したが、混合キシレンの50部が反応器外に留出した。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図2に示すが、剥離の進行はわずかである。なお、この比較例で用いた混合キシレンは、実施例7と同様のものである。
[比較例8]
膨張黒鉛40部と、混合キシレン100部をよく混合して、撹拌機付きの反応器にいれた。2450MHzのマイクロ波を1.5Wで1分間照射して、室温から30℃まで昇温した。30℃到達後、さらに5分間、内温を30℃に保つように、マイクロ波を照射した。その後、無水マレイン酸10部を添加して、よく撹拌し、さらに内温30℃で10分間、マイクロ波を照射した。この間、泡の発生は認められなかった。その後、室温まで冷却して、反応器内の固形物を取り出して、評価した。結果を図2に示すが、剥離が進行していないことが分かる。なお、この比較例で用いた混合キシレンは、実施例7と同様のものである。
図3は、混合キシレンと無水マレイン酸とを用いた実施例7〜10,比較例7,8の結果(菱形印)と、キシレンと無水マレイン酸とを用いた実施例2,5,6,比較例6の結果(×印)とを示すグラフである。なお、図3では、実施例5,比較例6に関して、温度範囲のうち、最も高い温度に対応する位置にプロットした。混合キシレンの沸点は約136℃であること、また、比較例7では、大量の泡が発生していたことを考慮すると、炭素材料の層間に浸入した混合キシレンは、140℃のときには気化しており、130℃のときには気化していないと考えられる。また、0.3MPaにおけるp−キシレンの沸点は185℃付近であること、また、比較例6では、さかんに泡が発生していたことを考慮すると、炭素材料の層間に浸入したキシレンは、190〜195℃のときには気化しており、150℃のときには気化していないと考えられる。そして、比較例7の剥離後の平均厚み(500nm)が、実施例7〜10の剥離後の平均厚み(10nm〜120nm)よりも極端に大きいこと、また、比較例6の剥離後の平均厚み(500nm)が、実施例2,5,6の剥離後の平均厚み(30nm〜70nm)よりも極端に大きいことから、より薄い薄片状炭素材料を剥離するためには、炭素材料の層間に浸入した非イオン性溶媒を気化させない範囲で加熱することが必要であることが分かる。また、混合キシレンの沸点が136℃であるとすると、実施例10では、溶媒の測定温度が溶媒の沸点より5℃以上低くなるように加熱していることになる。したがって、測定温度が溶媒の沸点より5℃以上低くなるように加熱することによって、炭素材料に接している溶媒が気化しないようにすることができると考えられる。また、図3から、無水マレイン酸の平衡温度(120〜130℃)より低い温度範囲では、温度が高くなるほどより薄い薄片状炭素材料を剥離でき、その平衡温度より高い温度範囲では、温度が低いほどより薄い薄片状炭素材料を剥離できることが分かる。したがって、その平衡温度で剥離を行うことが好適であることが分かる。
また、化合物を添加していない実施例1,3の剥離後の平均厚みは、化合物を添加している他の実施例と比較して、非常に大きくなっている。その結果、化合物を添加した方が、より薄く剥離を行うことができることが分かる。また、無水マレイン酸を添加した実施例11〜15と、そうでない実施例16とを比較すると、無水マレイン酸を添加した方が剥離後の平均厚みが小さいことが分かる。また、実施例11〜15から、より薄い薄片状炭素材料を剥離するためには、炭素材料100重量部あたり、60重量部より少ない無水マレイン酸を添加することが好適であり、10重量部より多い無水マレイン酸を添加することが好適であることが分かる。
また、非イオン性溶媒に化合物を添加した実施例2,4〜15では、薄片状炭素材料の赤外線スペクトルに新たなピークが出現していることから、その化合物が炭素材料に結合していることが分かる。なお、実施例2,5〜15と、実施例4とにおいて、その新たに出現したピークの波数が異なるのは、炭素材料に結合した化合物の種類が異なるからである。
また、比較例1〜4から、マイクロ波を照射しない場合には、剥離が促進されないことが分かる。また、比較例5から、溶媒のない状態でマイクロ波を照射しても、剥離が行われないことが分かる。
なお、本発明は、以上の実施例に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
本発明による薄片状炭素材料の製造方法によって得られた薄片状炭素材料は、例えば、プラスチックとの複合材料にして、導電材料、誘電材料、電磁波吸収材料、熱電材料などの用途や、プラスチックの機械強度特性改良材等として利用することができる。

Claims (8)

  1. 非イオン性溶媒中の層状構造を有する炭素材料にマイクロ波を照射することによって、当該炭素材料に接している前記非イオン性溶媒を気化させないように当該炭素材料を加熱し、当該炭素材料の層間隔を広げることによって薄片状炭素材料を剥離する工程を備えた薄片状炭素材料の製造方法。
  2. 前記薄片状炭素材料を剥離する工程において、前記炭素材料の層状構造の端部に化合物を結合させる、請求項1記載の薄片状炭素材料の製造方法。
  3. 前記化合物と前記炭素材料の層状構造の端部とは、ディールス・アルダー反応により結合する、請求項2記載の薄片状炭素材料の製造方法。
  4. 前記化合物は、無水マレイン酸、テトラシアノエチレン、2,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン、9−メチルアントラセン、キナジメタン、5,6−ビスメチレン−1,3−シクロヘキサンジエン、3,6−ビスメチレン−1,4−シクロヘキサジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項3記載の薄片状炭素材料の製造方法。
  5. 前記非イオン性溶媒と混合される化合物の量は、前記炭素材料100重量部あたり、0.01重量部以上、60重量部以下である、請求項2から請求項4のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法。
  6. 前記薄片状炭素材料を剥離する工程において、前記炭素材料に接している非イオン性溶媒の温度が、当該非イオン性溶媒の沸点未満となるように前記炭素材料を加熱する、請求項1から請求項5のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法。
  7. 前記薄片状炭素材料を剥離する工程において、測定位置における前記非イオン性溶媒の温度が、当該非イオン性溶媒の沸点より5℃以上低くなるように前記炭素材料を加熱する、請求項6記載の薄片状炭素材料の製造方法。
  8. 前記非イオン性溶媒は、環式炭化水素溶媒または環式炭化水素誘導体溶媒を含む、請求項1から請求項7のいずれか記載の薄片状炭素材料の製造方法。
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