JP5872042B2 - トランススプライシングリボザイム及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス及びこの用途 - Google Patents

トランススプライシングリボザイム及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス及びこの用途 Download PDF

Info

Publication number
JP5872042B2
JP5872042B2 JP2014525948A JP2014525948A JP5872042B2 JP 5872042 B2 JP5872042 B2 JP 5872042B2 JP 2014525948 A JP2014525948 A JP 2014525948A JP 2014525948 A JP2014525948 A JP 2014525948A JP 5872042 B2 JP5872042 B2 JP 5872042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
tumor
cancer
gene
spd1
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014525948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014524253A (ja
Inventor
サン ジン リー、
サン ジン リー、
ユン ヒ キム、
ユン ヒ キム、
イン ホ キム、
イン ホ キム、
キュン ホ チョイ、
キュン ホ チョイ、
キュン‐ヒ チュン、
キュン‐ヒ チュン、
Original Assignee
ナショナル キャンサー センター
ナショナル キャンサー センター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ナショナル キャンサー センター, ナショナル キャンサー センター filed Critical ナショナル キャンサー センター
Publication of JP2014524253A publication Critical patent/JP2014524253A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5872042B2 publication Critical patent/JP5872042B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/85Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for animal cells
    • C12N15/86Viral vectors
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • A61K48/005Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy characterised by an aspect of the 'active' part of the composition delivered, i.e. the nucleic acid delivered
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/76Viruses; Subviral particles; Bacteriophages
    • A61K35/761Adenovirus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2710/00MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA dsDNA viruses
    • C12N2710/00011Details
    • C12N2710/10011Adenoviridae
    • C12N2710/10041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、トランススプライシングリボザイム及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス及びこの用途に係り、さらに詳しくは、本発明は、癌特異遺伝子に作用するトランススプライシングリボザイム−HSVtk複合体をコードするポリヌクレオチド及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス、前記組換えアデノウィルスを有効成分として含む癌予防または治療用薬学組成物及び前記組換えアデノウィルスまたは薬学組成物を治療を必要とする個体に投与するステップを含む癌を治療する方法に関する。
癌は韓国内で死亡原因の1位を占める重大疾患であり、癌を克服するための数多くの研究がなされてきているが、未だに克服されていない難治病である。癌に対する既存の治療法としては、手術、化学療法及び放射線治療などが挙げられるが、それぞれの方法に限界が多いため、最近ではこれらの治療法とは概念が異なる治療法が研究されているが、中でも、遺伝子治療法に関する研究が盛んになされている。
遺伝子治療(gene therapy)とは、通常の方法では治療し難い先天的または後天的な遺伝子異常を遺伝工学的な方法により治療する方法のことをいう。具体的には、遺伝子治療は、先天的または後天的な遺伝子欠陥、ウィルス性疾病、癌または心血管系疾患などの慢性疾患の治療と予防のために、DNA及びRNAなどの遺伝物質を人体内に投与して治療タンパク質を発現させたり、特定のタンパク質の発現を抑制したりする治療方法であり、疾病の原因を遺伝子次元で解析して根本的に治療することができることから、難治病の克服はもとより、既存の医療方式の代替手段として期待されている方法である。
癌に対する遺伝子治療は、人体内の免疫反応を誘導する免疫学的遺伝子治療法と、用いられた遺伝子が直接的に癌細胞を破壊したり死滅を誘導したりする遺伝子治療法とに大別できる。後者の場合には、遺伝子を細胞内に運んで発現させるベクターの役割が非常に重要であるが、アデノウィルスベクターは、遺伝子伝達の高い効率、未分化細胞への遺伝子伝達能及び高い力価のウィルス貯蔵物の製造しやすを有することから、最も有望な遺伝子治療用ベクターのうちの一つとして認められている。
一般的に用いられる遺伝子治療用アデノウィルスベクターは、複製に欠かせない一連の遺伝子を削除し、プロモータ活性のレベルが高いサイトメガロウィルス(CMV)またはラウス肉腫ウィルス(RSV)プロモータを入れて治療目的タンパク質を生体内に高い効率で発現させる。
最近では、遺伝子治療に活用可能な標的遺伝子の多くが、活発な細胞分裂をする一般細胞にも発現することに起因して発生する副作用を低減するための努力の一環として、癌細胞に特異的な治療(cancer tissue targeted therapy)が試みられている(Fukuzawa et al.,Cancer Res 64: 363−369, 2004)。このために、CMVやRSVの代わりに組織特異的なプロモータを用いる方法が考えられているが、特異性が高まる代わりに治療効能が低下するという欠点があるため、未だ実用レベルに至っていないのが現状である。
上記の欠点を解決するために、最近、組織特異的プロモータ以外の因子を用いて組織特異的な癌治療用アデノウィルスを開発しようとする研究が行われているが、代表的なものとして、トランススプライシングリボザイムなどを用いる方法が開発されている。
前記トランススプライシングリボザイムを用いた組織特異的な癌治療用アデノウィルスの開発に関する研究は、テトラヒメナ・サーモフィラ(Tetrahymena thermophila)からのグループIイントロンリボザイムが実験管内だけではなく、バクテリア、さらには、人体細胞内でトランススプライシング反応を行うことにより別々に存在する二つの転写体を互いに連結することができるということが判明されて始めて注目を集めることになった。
具体的には、このようなグループIイントロンに基づくトランススプライシングリボザイムは、疾患と関連する遺伝子転写体または疾病細胞でのみ特異的に発現される特定のRNAを標的として、これらを正常なRNAに修正したり新たな治療用遺伝子転写体に置換するように再プログラムを誘発したりすることができて、疾患特異的であり、且つ、安全な遺伝子治療技術になり得る見込みである。なお、トランススプライシングリボザイムは、疾患特異RNAを除去するとともに、我々が希望する治療用遺伝子産物の発現を誘導することができるので、治療効果を倍加させることができる。
とりわけ、最近の研究において、癌組織において特異的に作用し得るヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT:human Telomerase reverse transcriptase)を標的とするトランススプライシングリボザイムが知られるに伴い、これを用いた癌治療剤を開発しようとする試みが盛んに行われているが、未だにこれといった結果は知られていない。
遺伝子治療方法に用いられる治療用遺伝子としては、単純ヘルペスウイルス由来チミジンキナーゼ(以下、HSVtkと略称する)、大腸菌のシトシンデアミナーゼ(CD)及び大腸菌のプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(以下、PNPと略称する)遺伝子などが知られている。これらを用いた遺伝子治療は、遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法(gene−directed enzyme prodrug therapy;GDEPT)と呼ばれ、いずれもプロドラッグを用いるという共通点がある。GDEPTに用いられるプロドラッグとしては、ガンシクロビル(GCV)、5−フルオロウラシル(5−FU)及び6−メチルフリン−2−デオキシリボシド(6−MeP−dR)がそれぞれHSV−TK、CD及びPNPと併用されている。細胞毒性がないプロドラッグは、導入された遺伝子によって細胞に毒性がある薬物に変換されるが、主としてリン酸化によって活性が生じる。自殺遺伝子を用いた遺伝子療法のメリットは、これらの遺伝子が導入された細胞で活性化された薬物によって隣の細胞も死滅させるいわゆる傍観者効果が大きいということであるが、これは、遺伝子の導入効率が低い状態で取り得る最善の戦略といわれる技術である。
このような遺伝子治療戦略においてHSVtkを用いることはかなり普遍化されている。具体的には、HSVtk/GCVシステムは、自殺遺伝子療法のうち最も広く用いられる方法の一つであり、WO90/07936、US5,837,510、US5,861,290、WO98/04290、WO97/37542及びUS5,631,236などに開示されている。HSVtk遺伝子を発現する細胞はガンシクロビル(GCV)をリン酸化させることができ、その結果、DNAを複製する作用を妨げて、細胞死滅を誘導することができる。この方法は、現在、様々なヒト癌の遺伝子治療時に、30種類以上の臨床試験に用いられている。しかしながら、これもまた増殖する細胞しか死滅させることができず、卓越した傍観者効果を有しておらず、多量使用時に細胞毒性問題も引き起こすことが懸念されるという問題点を有しているため、現在は、細胞死滅効果と傍観者効果を向上させるために2種類以上のプロドラッグを用いて癌を克服しようとする研究が盛んに行われている。
一方、プログラムされた細胞死1(PD−1:programmed death−1)は、55kDaの第I型硬膜タンパク質であって、Ig相関遺伝子の一部を構成しており、免疫グロブリン分子群に属するT細胞の補助阻害分子としてよく知られている。すなわち、PD−1は、活性化したB細胞、T細胞及び骨髄細胞上に発現される受容体のCD28群(例えば、CD28、CTLA−4、ICOS及びBTLAを含む)に属する抑制因子の一員である。PD−1に対するリガンドとしてはPD−L1及びPD−L2があり、これらはPD−1と結合するときにT細胞の活性化を下向き調節することが知られている。PD−1は、通常のT細胞では正常状態であるときに発現されておらず、前記細胞が活性化すると初めて発現が増大することが知られている。また、PD−L1は、多数のヒト癌で多量に発見され、PD−1とPD−L1との相互作用は、T細胞に刺激または抑制信号を伝達する。すなわち、PD−1とPD−L1との間の相互作用によって、腫瘍侵襲性リンパ球が減り、T細胞受容体媒介増殖が減少し、癌細胞による免疫回避現象が発生する。したがって、最近の研究において、PD−1またはPD−L1の信号伝達を遮断することにより、抗癌免疫反応を効果的に誘導して、癌を治療しようとする研究が行われている。
本発明者らは、組織特異性と治療効能が同時に向上した癌治療遺伝子治療方案を開発するために鋭意研究を重ねた結果、癌組織特異的トランススプライシングリボザイム−HSVtk(Herpes simplex virus−thymidine kinase)複合体をコードするポリヌクレオチド及び癌治療遺伝子であるsPD−1遺伝子を含むようにデザインした組換えアデノウィルスが、癌組織に特異的な優れた治療効果を示すだけではなく、遺伝子治療による副作用を顕著に低減することができるということを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一つの目的は、癌特異遺伝子に作用するトランススプライシングリボザイム−HSVtk複合体をコードするポリヌクレオチド及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルスを提供することである。
本発明の他の目的は、前記組換えアデノウィルスを有効成分として含む癌予防または治療用薬学組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記組換えアデノウィルスまたは薬学組成物を治療を必要とする個体に投与するステップを含む、ヒトを除く動物の癌を治療する方法を提供することである。
本発明の組換えアデノウィルスは、癌特異遺伝子に作用するトランススプライシングリボザイムによって、癌細胞に対する選択性を示すだけではなく、癌治療遺伝子による抗癌活性の向上を示すことから、癌の効果的な予防及び治療に広く活用することができる。
図1は、マウスTERTを標的とするトランススプライシングリボザイム(mTERT−TR)−HSVtkを示す概略図である。マウスTERT(mTERT)転写物の標的部位は、スプライシング部位辺りの配列で表示した。トランススプライシングリボザイムは、アンチセンスmTERT RNA配列を用いてmTERT RNAを特異的に認識し、内部案内塩基配列(IGS:internal−guided−sequence)の3’末端でmTERT RNAを切断する。トランススプライシングリボザイムのHSVtkコーディングRNA部分の5’末端は、mTERT RNAの切断された末端に連結される。mTERT標的mRNA及びリボザイム間の可能性ある塩基結合は、縦線で表示した。 図2aは、マウスTERT−TRによるアデノウィルスHSVtk遺伝子発現の調節効果を示す。(a)E1/E3−欠乏性アデノウィルスであるAd5mTRがマウスのTERT−TR調節下で、HSVtkを発現させた結果を示す。Ad5MOCKは、E1/E3−欠乏性アデノウィルスの対照群である。 図2bは、マウスTERT−TRによるアデノウィルスHSVtk遺伝子発現の調節効果を示す。(b)CT26細胞(3×10)を96ウェルプレートに接種した後、100μMのGCVの存在下で様々なMOIのAd5MOCKまたはAd5mTRに露出させた結果を示す。細胞増殖分析キットを用いて感染3日目に細胞毒性を測定した結果を示す。資料は、3回分析実験に対する平均±標準偏差値で表示した。 図2cは、マウスTERT−TRによるアデノウィルスHSVtk遺伝子発現の調節効果を示す。(c)5×10PFUのAd5MOCKまたはAd5mTRを注射し、GCV(75mg/kg)を一日につき2回ずつ腹腔注射したBALB/cマウスの両側面にCT26細胞(1×10)を皮下接種させた結果を示す。資料は、平均±SEM(n=5)で表示した。 図3aは、HSVtkによって誘導された向上したDC−媒介性抗原提示効果を示す。(a)C57/BL6マウスのE.G7腫瘍にAd5MOCKまたはAd5mTRを注射した。4日後に腫瘍を回収し、H&E染色によって組織学的な分析を行った。 図3bは、HSVtkによって誘導された向上したDC−媒介性抗原提示効果を示す。(b)アデノウィルスを注射してから2日が経過した後、抗−CD11cマイクロビードを用いたMACSクロマトグラフィによってE.G7腫瘍周りの吸収性リンパノードからDCs(5×10)を回収した後、OT−1形質転換マウスからOVA特異的CD8T細胞と共同培養した。72時間後に、培養上澄み液を回収し、IFN−γの量を測定した。DC−Ad5MOCKは、Ad5MOCKが注射されたマウスから得たDCsを示し、CD−Ad5mTRは、Ad5mTRが注射されたマウスから得たDCsを示す。資料は、平均±標準偏差値で表示した。 図4aは、mTERT−TR−調節性HSVtk及びsPD1−Igを発現させる二重−モジュールアデノウィルスの製造方法を示す。(a)Ad5mTR.sPD1は、E1領域のCMVプロモータの調節下でmTERT−TR−HSVtkをコードし、E3領域のEF1αプロモータの調節下でsPD1−Igをコードする。 図4bは、mTERT−TR−調節性HSVtk及びsPD1−Igを発現させる二重−モジュールアデノウィルスの製造方法を示す。(b)HEK293細胞(4×10)に48時間かけて2MOIのアデノウィルスを感染させ、RIPA緩衝液を用いて破砕した後、免疫ブロット分析を行った。Ad5mTR.sPD1(1レーン当たりにタンパク質80μg)によるsPD1−Ig発現は、抗−PD1抗体を用いて確認した。 図4cは、mTERT−TR−調節性HSVtk及びsPD1−Igを発現させる二重−モジュールアデノウィルスの製造方法を示す。(c)リン酸化GCVにおけるHSVtk酵素活性は、放射性同位元素で標識されたPCV(1μCi/ml)の蓄積量を測定することによってCT26細胞で評価した。資料は、3回分析実験に対する平均±標準偏差値で表示した。 図4dは、mTERT−TR−調節性HSVtk及びsPD1−Igを発現させる二重−モジュールアデノウィルスの製造方法を示す。(d)10MOIのアデノウィルスで感染された細胞から回収された培養上澄み液にOT−1マウスで精製されたOVA−特異的CD8T細胞(1×10)とMC38/OVA細胞(1×10)の共同培養物を混合した。72時間後に、培養上澄み液を回収し、IFN−γレベルを測定した。資料は、平均±標準偏差値で表示した。 図5aは、マウスのCT26大腸癌細胞の表面でPD−L1が発現されることを示す。a.総RNAは各細胞で製造され、PD−L1転写体はRT−PCRによって検出された。マウスの肝癌細胞(Hepa−1)を比較群として用いて分析した。 図5bは、マウスのCT26大腸癌細胞の表面でPD−L1が発現されることを示す。b.柔細胞分析によって各細胞の表面でPD−L1タンパク質を分析した。 図6aは、Ad5mTR.sPD1の生体外及び生体内抗−腫瘍活性を示す。(a)100μMGCVとともに、様々なMOIのAd5MOCK、Ad5mTRまたはAd5mTR.sPD1でCT26細胞を感染させた。3日後、細胞毒性を図1dの方法により測定した。資料は、3回分析実験に対する平均±標準偏差値で表示した。 図6bは、Ad5mTR.sPD1の生体外及び生体内抗−腫瘍活性を示す。(b)BALB/cマウスの両脇にCT26細胞(1×10)を皮下接種した。前記腫瘍に5×10PFUのAd5MOCK、Ad5EF1α.sPD1、Ad5mTRまたはAd5mTR.sPD1を処理した。GCV(75mg/kg)を一日につき2回ずつ腹腔注射した。腫瘍の体積は指定された時間に測定し且つ表示した。資料は、平均±SEM(n=10)で表示した。 図7aは、sPD1−Igによる腫瘍成長抑制がCD8T細胞によって媒介されることを示す。(a)BALB/cマウスの皮下CT26腫瘍にAd5MOCK、Ad5mTRまたはAd5mTR.sPD1(左側パネル)を注射した。sPD1−Igの抗−腫瘍活性でCD8T細胞の関連性を決定するために、C57/BL6マウスの皮下CT26腫瘍にAd5MOCK、Ad5mTRまたはAd5mTR.sPD1(右側パネル)を注射した。ウィルスを処理する2日前及び処理後5日おきにマウスに2.43α抗−CD8抗体(500μg)を静脈注射してCD8T細胞を枯渇させた(右側パネル)。矢印は、抗体を注射した時間を示す。腫瘍の体積は、指定された時間に測定し且つ表示した。 図7bは、sPD1−Igによる腫瘍成長抑制がCD8T細胞によって媒介されることを示す。(b)2.43α抗−CD8抗体の存在または不在時に、腫瘍成長の抑制を12日目頃にAd5MOCKに対する相対値として算出した。資料は、平均±SEMで表示した。 図8aは、T及びB細胞欠乏Rag1−/−マウスにおけるsPD1−Igによる腫瘍増殖の抑制効果を示す。(a)C57/BL6に皮下注射されたE.G7腫瘍にAd5MOCK、Ad5mTRまたはAd5mTR.sPD1(左側パネル)を注射した。sPD1−Igの抗−腫瘍活性でリンパ球の関連性を測定するために、Rag1−/−マウスに皮下注射されたE.G7腫瘍にAd5MOCK、Ad5mTR、またはAd5mTR.sPD1(右側パネル)を注射した。腫瘍成長は、指定された時間に算出し且つ表示した。 図8bは、T及びB細胞欠乏Rag1−/−マウスにおけるsPD1−Igによる腫瘍増殖の抑制効果を示す。(b)Rag1−/−マウスまたは野生型マウスにおける腫瘍成長の調節は、12日目のAd5MOCK値に対して相対的に算出した。 図8cは、T及びB細胞欠乏Rag1−/−マウスにおけるsPD1−Igによる腫瘍増殖の抑制効果を示す。(c)Rag1−/−マウスのE.G7腫瘍(1×10細胞)を5×10PFUのAd5MOCK、Ad5mTRまたはAd5mTR.sPD1で7日置きに2回注射した。OT−1マウスのCD8T細胞(5×10)を最初のアデノウィルス注射と同時に注射した。腫瘍成長は、指定された時間に算出し且つ表示した。資料は、平均±SEM(n=6)で表示した。 図8dは、T及びB細胞欠乏Rag1−/−マウスにおけるsPD1−Igによる腫瘍増殖の抑制効果を示す。(d)免疫細胞の生体外分析を行うために、Rag1−/−マウスのE.G7腫瘍をOT−1マウス由来CD8T細胞及び適切なアデノウィルスと共同培養した。最初のアデノウィルス注射後8日目頃に、末梢血単核球(PBMCs:peripheral blood mononuclear cells)をマウス眼球静脈から回収した。柔細胞分析を通じて全体の生存細胞からOT−1CD8T細胞の数を算出し、TCRVα2+、Vβ5+、T細胞(OT−1細胞)の割合を算出した。 図9aは、Ad5mTR.sPD1処理による2次腫瘍の抑制効果を示す。(a)CT26腫瘍をBALB/cマウスに皮下移植し、3日置きに3回5×10PFUのAd5mTR.sPD1を注射した。最初に処理してから2週後に、向こう側に1×10個の腫瘍細胞を導入した。最初にウィルスを注射してから1日後にGCV(75mg/kg)を腹腔注射し始め、12日間注射した。腫瘍の大きさは3日置きに測定した。 図9bは、Ad5mTR.sPD1処理による2次腫瘍の抑制効果を示す。(b)E.G7腫瘍をC57/BL6マウスに皮下移植し、上述した(a)と同じ方法を行った。 図9cは、Ad5mTR.sPD1処理による2次腫瘍の抑制効果を示す。(c)2次腫瘍が接種されてから7日後に、Ad5mTR.sPD1で事前処理されたマウスと未処理マウスにおける接種部位の腫瘍の大きさを測定した。資料は、平均±標準偏差値で表示した。
上記の目的を達成するための本発明の一実施形態によれば、本発明は、癌特異遺伝子であるテロメア逆転酵素(TERT:Telomerase Reverse Transcriptase)mRNA(配列番号1)に作用する、トランススプライシングリボザイム−単純ヘルペスウイルス由来チミジンキナーゼ(HSVtk)複合体をコードするポリヌクレオチド及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルスを提供する。
本発明の用語「癌特異遺伝子」とは、癌細胞でのみ特異的に発現されるか、あるいは、顕著に過発現される遺伝子を意味する。前記癌特異遺伝子は、本発明によるリボザイムが癌特異的に作用し得る特徴を付加することができる。このような癌特異遺伝子としては、テロメア逆転酵素(TERT)のmRNA、AFP(α-フェトプロテイン)mRNA、癌胎児性抗原(CEA)mRNA、前立腺特異抗原(PSA)mRNA、または細胞骨格関連のプロテイン2(CKAP2)mRNAなどになり得るが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「テロメア逆転酵素(TERT)」とは、癌細胞の永続性(immortality)及び増殖(proliferation)能力を調節する最も重要な酵素のうちの一つであり、染色体に末端小粒構造を形成して染色体の末端を保護する役割を果たすことにより細胞の老化を抑制する酵素を意味する。正常的な細胞では細胞が分裂する度に末端小粒の長さが少しずつ短くなって結果的に遺伝物質が損失され、細胞が死滅するような機序を有する。しかしながら、癌細胞ではこの酵素が末端小粒を継続的に延長させるため細胞が死滅せず、癌細胞の不滅性に直接的に寄与することにより癌を治療するのに重大な障害要素であることが知られている。かようなテロメラーゼは無限に複製される生殖細胞、造血細胞及び癌細胞で80〜90%のテロメラーゼ活性を有しているが、癌細胞の周りの正常細胞はその活性を有さないという特徴を有する。本発明の目的からみて、前記TERTは本発明で提供する癌治療遺伝子の直接的な標的として使用可能であるが、特にこれに制限されない。
本発明の用語「リボザイム」とは、トランススプライシング活性及びセルフ−スプライシング活性を示す酵素活性があるRNA分子を意味する。本発明の目的からみて、前記リボザイムは、トランススプライシング反応を通じて癌特異的遺伝子の活性を阻害して、結果的に選択的な抗癌効果を示すだけではなく、癌治療遺伝子と接合された形で発現されて癌治療遺伝子を活性化させる役割を行うための手段として使用可能であるため、癌特異遺伝子を不活性化させ、癌治療遺伝子を活性化させ得る活性を示す限り、いかなる形のものでも使用可能である。好ましくは、癌に特異的なTERTのmRNAを認知してトランススプライシングする能力が検証されたhTERT標的トランススプライシンググループIリボザイムであるRib67リボザイムまたは配列番号2の塩基配列を有するポリヌクレオチドによってコードされるリボザイムになり得るが、特にこれに制限されない。
本発明の用語「HSVtk(Herpes simplex virus−thymidine kinase)」とは、単純ヘルペスウィルス由来のチミジンリン酸化酵素を意味する。この酵素は、毒性のない前駆体を毒性物質に転換することにより、その遺伝子が移入された細胞を死滅させる薬剤感受性遺伝子の代表例である。本発明の目的からみて、前記HSVtk遺伝子は、リボザイムに接合された形で発現されて抗癌活性を示す癌治療遺伝子として使用可能である。このようなHSVtk遺伝子は、好ましくは、配列番号3で表わされる塩基配列を有することができ、ジェンバンク(genbank)登録番号AAP13943、P03176、AAA45811、P04407、Q9QNF7、KIBET3、P17402、P06478、P06479、AAB30917、P08333、BAB84107、AAP13885、AAL73990、AAG40842、BAB11942、NP_044624、NP_044492、CAB06747などに記載のものになり得るが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「癌治療遺伝子(anti−cancer therapeutic gene)」とは、癌細胞内で発現時に治療学的な効果を示すポリペプチドを暗号化するポリヌクレオチド配列を意味する。本発明において、前記癌治療遺伝子は、前記リボザイムと接合された形で発現されるか、または、独立して発現されて抗癌活性を示す。本発明の目的からみて、前記癌治療遺伝子としては、薬剤感受性遺伝子、細胞死滅遺伝子、細胞増殖抑制遺伝子、細胞毒性遺伝子、腫瘍抑制因子遺伝子、抗原性遺伝子、サイトカイン遺伝子、抗新生血管生成遺伝子などが挙げられるが、これらに制限されないだけではなく、本発明では、前記癌治療遺伝子を単独的にまたは2以上を複合的に用いることができる。
本発明の用語「薬剤感受性遺伝子(drug−sensitizinggene)」とは、毒性のない前駆体を毒性物質に転換する酵素に対する遺伝子を意味するが、遺伝子の移入された細胞が死滅するため自殺遺伝子(suicide gene)とも呼ばれる。すなわち、正常細胞には毒性のない前駆体を全身的に投与したときに癌細胞にのみ前駆体が毒性代謝体(toxic metabolite)に転換されて薬剤に対する感受性を変化させることにより癌細胞を破壊する方法に用いられる遺伝子である。本発明の目的からみて、前記薬剤感受性遺伝子としては、HSVtk(Herpes simplex virus−thymidine kinase)遺伝子とガンシクロビル(ganciclovir)、大腸菌のシトシンデアミナーゼ(cytosine deaminase、CD)遺伝子、5−フルオロシトシン(5−fluorocytosine、5−FC)などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「細胞死滅遺伝子(proapoptotic gene)」とは、発現されてプログラムされた細胞死滅を誘導するヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記細胞死滅遺伝子としては、p53、アデノウィルスE3−11.6K(Ad2及びAd5由来)またはアデノウィルスE3−10.5K(Ad由来)、アデノウィルスE4遺伝子、p53経路遺伝子、カスパーゼをコードする遺伝子などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「細胞増殖抑制遺伝子(cytostatic gene)」とは、細胞内で発現されて細胞周期の途中に細胞周期を停止するヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記細胞増殖抑制遺伝子としては、p21、網膜芽細胞腫遺伝子、E2F−Rb融合タンパク質遺伝子、サイクリン従属性キナーゼ抑制因子をコードする遺伝子(例えば、p16、p15、p18及びp19)、成長中止特異性ホメオボックス(growth arrest specific homeobox、GAX)遺伝子などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「細胞毒性遺伝子(cytotoxic gene)」とは、細胞内で発現されて毒性効果を示すヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記細胞毒性遺伝子としては、シュードモナス外毒素(exotoxin)、リシン毒素、ジフテリア毒素などをコードするヌクレオチド配列などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「腫瘍抑制因子遺伝子(tumor suppressor gene)」とは、標的細胞内で発現されて腫瘍表現型を抑制できるか、あるいは、細胞死滅を誘導できるヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記腫瘍抑制因子遺伝子としては、腫瘍塊死因子(tumor necrosis factor−α、TNF−α)、p53遺伝子、APC遺伝子、DPC−4/Smad4遺伝子、BRCA−1遺伝子、BRCA−2遺伝子、WT−1遺伝子、網膜芽細胞腫遺伝子、MMAC−1遺伝子、腺腫様ポリープ症コイル蛋白質(adenomatous polyposis coil protein)、欠損された結腸腫瘍(DCC)遺伝子、MMSC−2遺伝子、NF−1遺伝子、染色体3p21.3に位置する鼻咽喉腫瘍抑制因子遺伝子、MTS1遺伝子、CDK4遺伝子、NF−1遺伝子、NF−2遺伝子、VHL遺伝子、sPD−1(soluble programmed death−1)などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「sPD−1(soluble programmed death−1)」とは、免疫グロブリン分子群に属するT細胞の補助阻害分子としてよく知られている55kDaの第I型硬膜タンパク質であるPD−1(programmed death−1)の細胞外ドメインを意味する。一般的に、PD−1とPD−L1との間の相互作用によって腫瘍侵襲性リンパ球が減り、T細胞受容体媒介増殖が減少し、癌細胞による免疫回避現象が発生するが、最近の研究においてPD−1の遊離された態様であるsPD−1がPD−1とPD−L1との間の相互作用による免疫回避現象を抑制して抗癌免疫反応を効果的に誘導することができるということが報告されている。従って、本発明の目的からみて、前記sPD−1遺伝子は、本発明によるリボザイムのトランススプライシング活性によって癌特異遺伝子に接合されて癌細胞に治療遺伝子として使用可能であり、好ましくは、配列番号4で表わされる塩基配列を有することができるが、特にこれに制限されない。
本発明の用語「抗原性遺伝子(antigenic gene)」とは、標的細胞内で発現されて免疫システムで認識可能な細胞表面抗原性タンパク質を産生するヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記抗原性遺伝子としては、癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen、CEA)、p53などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「サイトカイン遺伝子(cytokine gene)」とは、細胞内で発現されてサイトカインを生成するヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記サイトカイン遺伝子としては、GM−CSF、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−4、IL−12、IL−10、IL−19、IL−20)、インターフェロンα、β、γ(インターフェロンα−2b)、インターフェロンα−2α−1などの融合体が挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「抗新生血管生成遺伝子(anti−angiogenic gene)」とは、発現されて抗−新生血管生成因子を細胞外に放出するヌクレオチド配列を意味する。本発明の目的からみて、前記抗新生血管生成遺伝子としては、アンギオスタチン、血管内皮成長因子(VEGF)の抑制因子、エンドスタチンなどが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「アデノウィルス」とは、アデノウィルスベクターと同じ意味を有し、アデノビリダエ属に属するウィルスを意味する。前記アデノビリダエは、マストアデノウィルス属の動物性アデノウィルスをいずれも含む。特に、ヒトのアデノウィルスとしては、A−F亜属(subgenera)及びこの個々の血清型が挙げられ、A−F亜属は、ヒトのアデノウィルス第1型、第2型、第3型、第4型、第4a型、第5型、第6型、第7型、第8型、第9型、第10型、第11型(Ad11A及びAd11P)、第12型、第13型、第14型、第15型、第16型、第17型、第18型、第19型、第19a型、第20型、第21型、第22型、第23型、第24型、第25型、第26型、第27型、第28型、第29型、第30型、第31型、第32型、第33型、第34型、第34a型、第35型、第35p型、第36型、第37型、第38型、第39型、第40型、第41型、第42型、第43型、第44型、第45型、第46型、第47型、第48型、第91型などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の他の実施態様として、本発明は、前記組換えアデノウィルスを有効成分として含む癌予防または治療用薬学組成物を提供する。
本発明で提供する前記組換えアデノウィルスは、癌特異遺伝子であるTERTに作用する、トランススプライシングリボザイム−HSVtk複合体をコードするポリヌクレオチド及び癌治療遺伝子を含んでおり、TERTが発現される癌細胞に投与される場合にTERTによってトランススプライシングリボザイム−HSVtk複合体からHSVtkが解離され、解離されたHSVtkは細胞毒性を示すだけではなく、癌治療遺伝子によって免疫細胞に対する攻撃を誘導することができるので、癌治療剤としての役割を果たす。これに対し、TERTが発現されない正常細胞に投与される場合には、トランススプライシングリボザイム−HSVtk複合体からHSVtkが解離されないため、細胞毒性を示さない結果、本発明の前記組換えアデノウィルスは癌細胞に対する優れた選択性を示すので、より安全な癌治療に使用可能である。
本発明の用語「癌」とは、細胞の正常的な分裂、分化及び死滅の調節機能に問題が発生して非正常的に過多増殖して、周りの組織及び臓器に浸潤して塊を形成し、既存の構造を破壊したり変形した状態の細胞または組織を意味するが、その例として、膵臓癌、乳房癌、前立腺癌、脳腫瘍、頭頸部癌腫、黒色腫、骨髓腫、白血病、リンパ腫、肝癌、胃癌、結腸癌、骨癌、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、食道癌、小腸癌、肛門付近癌、結腸癌、卵管癌腫、子宮内膜癌腫、子宮頚部癌腫、膣癌腫、陰門癌腫、ホジキン病、膀胱癌、腎臓癌、輸尿管癌、腎臓細胞癌腫、腎臓骨盤癌腫及び中枢神経系腫瘍などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の用語「予防」とは、本発明による組換えアデノウィルスまたは組成物の投与で癌を抑制させたり発病を遅延させたりするあらゆる行為を意味する。
本発明の用語「治療」とは、本発明による組換えアデノウィルスまたは組成物の投与で癌を好転したり利したりするあらゆる行為を意味する。
さらに、本発明の癌予防または治療用薬学組成物は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の薬学組成物に使用可能な薬学的に許容可能な担体、賦形剤及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスファート、カルシウムシリケート、カルシウムカーボネート、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート、鉱物油などが挙げられる。
本発明の薬学組成物は、通常の方法に従って、散剤、顆粒剤、精製、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾールなどの経口型剤形、外用剤、座剤及び滅菌注射溶液の形に剤形化して使用可能である。剤形化する場合には、通常用いる充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固形製剤には、精製、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記キョウオウまたはウコン抽出物、これから分離されたリナロール化合物またはこの薬学的に許容可能な塩に少なくとも1以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混合して調製される。また、単純な賦形剤に加えて、マグネシウムステアレート、タルクなどの潤滑剤も用いられる。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが挙げられるが、頻用される単純希釈剤である水、液状パラフィンに加えて、種々の賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤、座剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、エチルオレアートなどの注射可能なエステルなどが使用可能である。座剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが使用可能である。
本発明のさらに他の態様として、本発明は、前記組換えアデノウィルスまたは薬学組成物を治療を必要とする個体に薬学的に有効な量で投与するステップを含む、癌を治療する方法を提供する。
本発明の用語「薬学的に有効な量」とは、医学的な治療に適用可能な合理的な受恵/危険の割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量レベルは、患者の性別、年齢、疾病の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出割合、治療期間、同時に用いられる薬物を含む要素及びその他の医学分野によく知られている要素に応じて決定され得る。本発明の薬学組成物は、個別治療剤として投与したり他の治療剤と併用して投与したりしてもよく、従来の治療剤と順次的にまたは同時に投与されてもよい。また、本発明の薬学組成物は、単一投与または多重投与されてもよい。前記要素をいずれも考慮に入れて副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、当業者によって容易に決定可能である。具体的に、本発明の薬学組成物としては、経口投与または静脈投与が好適に用いられる。
本発明の用語「投与」とは、ある適切な方法により動物に所定の物質を導入することを意味し、本発明による治療用組成物は、目的組織に達し得る限り、ある一般的な経路を介して経口または非経口で投与可能である。なお、本発明による治療用組成物は、有効成分が標的細胞に移動可能な任意の装置によって投与可能である。
本発明による治療用組成物の好適な投与量は、患者の状態及び体重、疾病の度合い、薬物の剤形、投与経路及び期間によるが、当業者によって適切に選択可能である。しかしながら、好適な効果を得るために、本発明の薬学組成物は、1日につき1〜10mg/kgで、好ましくは、1〜5mg/kgで投与することが好ましい。投与は、一日につき一回投与してもよく、数回に分けて投与してもよい。
本発明の治療用組成物は、単独で、または、外科的手術療法などの補助治療方法と並行して使用可能である。本発明の組成物と併用可能な化学療法剤(chemotherapeutic agent)は、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、プロカルバジン(procarbazine)、メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イホスファミド(ifosfamide)、メルファラン(melphalan)、クロランブシル(chlorambucil)、ビスルファン(bisulfan)、ニトロソウレア(nitrosourea)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、ブレオマイシン(bleomycin)、プリコマイシン(plicomycin)、マイトマイシン(mitomycin)、エトポシド(etoposide)、タモキシフェン(tamoxifen)、タキソール(taxol)、トランスプラチナ(transplatinum)、5−フルオロウラシル(5−fluorouracil)、ビンクリスチン(vincristin)、ビンブラスチン(vinblastin)、メトトレキサート(methotrexate)などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。なお、発明の組成物と併用可能な放射療法は、X線照射及びγ線照射などが挙げられるが、特にこれらに制限されない。
本発明の一態様によれば、本発明者らは、ヒトのTERT(hTERT)を認識し且つ切断するリボザイムがHSVtkmRNAと連結され、hTERT mRNAの3’末端で切断されるように設計されたトランススプライシングリボザイムを設計し(図1)、マウスで前記トランススプライシングリボザイムの効果を確認できるようにマウスのTERT mRNA(mTERT−TR)を標的とするトランススプライシングリボザイムを用いた類似のシステムを考案し、これをE1/E3−欠乏アデノウィルスゲノムに挿入してmTERT−TR−調節性HSVtk(mTERT−TR−HSVtk)を含むアデノウィルス(Ad5mTR)を製作し(図2a)、これをBALB/cマウス由来の大腸癌細胞株であるCT26細胞株に感染させた結果、2.5MOIで感染させたときに、ほとんどの細胞を死滅させることができ(図2b)、体外環境での細胞毒性とほとんど同様に、BALB/cマウスで皮下CT26腫瘍にAd5mTRを注射する場合に、腫瘍の成長が有意に抑制されることを確認した(図2c)。なお、本発明者らは、同系のB6マウスに皮下注射されたE.G7腫瘍で細胞死滅を誘導するAd5mTRの能力を試験した結果、ウィルス感染後に腫瘍抗原が放出されることを確認し(図3a)、Ad5mTRで処理されたマウス由来のDCsが、OVA抗原を十分なレベルで提供して、OVA特異的T細胞を刺激することができるということを確認した(図3b)。
一方、本発明者らは、アデノウィルスゲノムのE1領域で、mTERT−TRによって調節されるHSVtkとE3領域にあるsPD1−Igを含む二重−モジュールアデノウィルス(Ad5mTR.sPD1)を製作し(図4a)、その活性を試験した結果、腫瘍細胞攻撃に反応して抗原−特異的T細胞によるIFN−γ分泌が、sPD1−Igを含む上澄み液によって向上することを確認し(図4d)、腫瘍細胞の表面でのPD−L1の発現を柔細胞分析によって確認した(図5)。また、Ad5mTR.sPD1で感染されたCT26細胞は、Ad5mTRで感染されたものとほとんど同じレベルの生体外細胞毒性を示し(図6a)、Ad5mTR.sPD1は、Ad5mTRと比較して有意的に腫瘍退行を促し、実際にほとんど完全な腫瘍退行が発生することを確認した(図6b)。本発明において予想した通り、HSVtkはDCsによる抗原−特異的CD8T細胞反応を促し(図3b)、sPD1−Igは細胞外で抗−腫瘍CD8T細胞反応性を促す(図4d)。
このような二重−モジュールAd5mTR.sPD1による向上した腫瘍成長抑制効果は、CD8T細胞が枯渇したマウスではほとんど消失し(図7a)、抗−腫瘍活性に影響するCD8の枯渇は、Ad5mTRよりもAd5mTR.sPD1に対して一層高い効果を示し(1.9倍対4.76倍)(図7b)、CT26モデルでAd5mTRよりもAd5mTR.sPD1に対して一層強い効果を示した(1.61倍対6.58倍)(図8b)。E.G7を含むRag1−/−マウスに静脈注射されたOT−IT細胞によって抗原−特異的T細胞反応が形成されるとき、アデノウィルス投与の前記抗−腫瘍効果が修復され、前記効果は、Ad5mTRを投与した後よりもAd5mTR.sPD1を投与するときに一層顕著になり(図8c)、血中OT−IT細胞の数は、Ad5mTRと比較して、Ad5mTR.sPD1を投与したときに一層大幅に増大した(図8d)。
このようなアデノウィルスの効果を生体内で確認した結果、Ad5mTR.sPD1が投与されたマウスでは1次腫瘍が最小限に増殖され、2次腫瘍が成長せず(図9a及び9c)、同じ結果をE.G7腫瘍モデルを含むB6マウスで確認した(図9b及び9c)。
このような本発明の組換えアデノウィルスの効果は、マウスを対象として確認したが、前記アデノウィルスの効果を引き起こすTERTはマウスだけではなく、ヒトの腫瘍でも発現されるので、本発明で提供する組換えアデノウィルスはヒトの癌治療のために使用可能である。
以下、本発明の理解への一助となるために好適な実施例を例示する。下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、実施例によって本発明の内容が制限されることはない。
実施例1:材料及び方法
実施例1−1:細胞及びマウス
全ての細胞は、10%のウシ胎児血清(FBS:fetal bovine serum)と1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含むRPMI培地で培養した。6週齢の雌性BALB/c及びC57/BL6マウスをSLC(日本国)から購入した。OT−1マウス(B6 background)及びRag1−/−マウス(B6 background)はジャクソンラボラトリーから入手した。全ての動物実験は大韓民国の国立癌センター(National Cancer Center、Korea)の実験動物の使用と管理に関する管理規定(Guidelines for the Careand Use of Laboratory Animals)に基づいて行った。
実施例1−2:アデノウィルスの製作
CMVプロモータの調節下でマウスのTERT−TR−HSVtk遺伝子を含むAd5mTRを生成するためにAdenoZAPTMとAdenoQuickTMシステムを用いた。pAVQ−CMV−mTERT AS100 Rib(+67)TKにSpeI/SacIIを処理してCMV.mTR.HSVtkを含むDNA断片を得、前記断片をpZAP1.1のSpeI/EcoRV切断部位に挿入して、pZAP1.1.CMV.mTR.HSVtkを製作した。pZAP1.1.CMV.mTR.HSVtkをPacI/DraIIIで切断し、RightZAP1.2に連結した後、HEK293細胞に導入した。sPD1−Igを製作するために、PD−1の細胞外ドメインを下記のプライマーを用いたPCR方法により増幅した。
正方向プライマー:5’−CCG CTC GAG CTC ACC ATG TGG GTC CGG CAG GTA CCC TGG−3’(配列番号5)
逆方向プライマー: 5’−AGA TCT TCC TCC TCC TCC TTG AAA CCG GCC TTC TGG TTT GGG−3’(配列番号6)
前記増幅産物をpFUSE−mIgG2A.Fc1ベクター(Invitrogen、San Diego、CA)のXhoI/BglII座位に挿入して、pFUSE−mIgG2A.Fc1.EF1.sPD−1を製作した。pFUSE−mIgG2A.Fc1.EF1.sPD1−Ig由来のEF1.sPD1−IgをpE3.1ベクター(OD260)のEcoRI/SwaI座位に挿入して、pE3.1.EF1.sPD1−Igを製作した。pZAP1.1.CMV.mTR.HSVtkのCMV.mTR.HSVtk断片をpE1.2ベクター(OD260)のBamHI/SpeI座位に挿入して、pE1.2.CMV.mTR.HSVtkを製作した。Ad5mTR.sPD1を製作するために、pE1.2.CMV.mTR.HSVtkとpE3.1.EF1.sPD1−Igを制限酵素であるDraIII/PflMIで切断し、AdenoQuick13.1に連結した後、HEK293細胞に導入した。Ad5EF1.sPD1を製作するために、Ad5mTR.sPD1と同じ方式で、pE3.1.EF1.sPD1−IgとpE1.2空きベクターを制限酵素であるDraIII/PflMIで切断し、AdenoQuick13.1に連結した後、HEK293細胞に導入した。
実施例1−3:細胞外環境におけるGCV吸収及び細胞毒性の分析
HSVtk酵素活性は、細胞でリン酸化されたGCVの蓄積量を測定して決定した。細胞増殖分析(cell proliferation assay、Dojindo Laboratories、Rockville、MD)は、標準方法を用いてアデノウィルスの細胞毒性を評価する方式により行った。要するに、細胞(3×10)を96ウェルプレートに接種し、37℃で1晩中培養した。前記培養された細胞に様々な感染多重度(MOI:multiplicity of infection)のアデノウィルスを感染させた。1日後、GCVを最終濃度200μMになるように添加した後、3日間細胞増殖を測定した。全ての実験は3回繰り返し行った。
実施例1−4:抗体及び試薬
Ad5CMV.mTR.sPD1からsPD1−Igタンパク質発現を確認するために、HEK293細胞(4×10)に2MOIのアデノウィルスを感染させた。感染後24時間が経過した時点で、培養上澄み液と細胞残留物(80μg)を抗−Pdcd−1抗体(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)を用いた免疫ブロット方法により分析した。CD8T細胞を枯渇させるために、500μgの2.43α抗−CD8抗体を、アデノウィルスを感染させる2日前に腹腔注射し、その後に15日間5日置きに腹腔注射した。
実施例1−5:IFN−γ産生量を分析するためのCD8T細胞/DC共同培養分析
吸収性リンパノード由来のDCs(DLN−DCs)を17.5%のニコデンズ勾配を用いて増幅させ、抗−CD11cマイクロビード(Miltenyi Biotec、Auburn、CA)を用いたMACSカラムで精製した。OT−1マウス由来の純粋なCD8T細胞を抗−CD8マイクロビードを用いて分離した。96ウェルプレートで72時間かけてDLN−DCs(5×10)を純粋なCD8T細胞(1×10)とともに培養した。72時間後に培養上澄み液を得、IFN−γの含量をELISA(eBioscience、San Diego、CA)で測定した。
実施例1−6:細胞外環境OT−1T細胞活性化分析
安定的にオブアルブミン(OVA)を発現させるマウスの大腸癌細胞MC38、B6background)であるMC38/OVA細胞を6ウェルプレートで培養した。24時間かけて10MOIのアデノウィルスで感染させたHEK293の培養上澄み液からsPD1−Igを得た後、OT−1CD8Tリンパ球(1×10)が付加されたMC38/OVA細胞(1×10)に加えて72時間培養した。OT−1マウス由来の純粋なCD8+Tリンパ球を上述したMACSカラムを用いて分離した。CD8Tリンパ球から産生されたIFN−γの生成量は、マウスIFN−γCBAアッセイキット(BD bioscience、San Jose、CA)を用いて測定した。
実施例1−7:生体内動物研究及び生体外分析
6週齢の雌性BALB/cマウスの皮下に1×10個のCT26細胞を接種した。腫瘍が感知されるとき(7日経過)、5×10PFUのアデノウィルスを腫瘍内に注射し、GCV(75mg/kg)を14日間1日につき2回ずつ静脈注射した。アデノウィルスを7日置きに2回投与した。腫瘍の体積は、下記の公式を用いて決定した。
長さ×幅×0.5236
皮下腫瘍の形成とウィルス注射のための類似する過程をCD8T細胞枯渇実験で行った。E.G7細胞(C57/BL6 backgound;1×10)をRag1−/−マウスまたはC57/BL6マウスに注射し、アデノウィルスとGCVを上述した方法により処理した。生体外分析を行うために、Rag1−/−マウスのE.G7腫瘍に、OT−1マウスから分離されたCD8T細胞の静脈投入方法によりAd5mTR.sPD1を処理した。感染後8日が経過した時点で、末梢血単核球(PBMCs:peripheral blood mononuclear cells)を血液から得、柔細胞分析を行った。
実施例2:結果
実施例2−1:マウスのTERT−TR−HSVtkを含むアデノウィルスの製作
本発明者らは、公知の腫瘍マーカーであるTERTを用いて腫瘍特異的アデノウィルスを用いた新規なHSVtk発現戦略を開発した。前記戦略において、ヒトのTERT(hTERT)を認識し且つ切断するリボザイムを組換えアデノウィルスを用いて腫瘍細胞に伝達した。さらに、前記リボザイムはHSVtkmRNAと連結され、hTERT mRNAの3’末端で切断されるように設計したが、これは、腫瘍細胞でHSVtkmRNAの新規な解読を誘導した。この種のリボザイムは、トランススプライシングリボザイムと定義される(図1)。理論的に、トランススプライシングリボザイムによって調節されるHSVtkの発現は、腫瘍細胞を含むhTERT mRNAを高いレベルで発現させる細胞に制限される。このため、このようなシステムは、hTERTが低いレベルで発現される周りの正常組織の細胞に影響せずに、腫瘍細胞にHSVtkを伝達する効果的な方法により提案された。実際に、このような戦略は、異種移植マウスモデルに移植されたヒトの大腸癌細胞に高い効果を示す。免疫学的分析時におけるこのようなシステムの一つの問題点は、ヒトの腫瘍細胞を用いた実験が異種移植拒否反応の抑制された免疫欠乏マウスで行われたということである。このため、このようなシステムは、抗−腫瘍免疫化に対するHSVtkの効果を評価するには不向きである。このような制限点を解消するために、本発明者らは、マウスのTERT mRNA(mTERT−TR)を標的とするトランススプライシングリボザイムを用いた類似のシステムを考案し、同系のマウス腫瘍モデルを用いてTERT−TR−調節されたHSVtkの免疫学的効果を評価した。前記TERT認識配列は、HSVtkコーディング配列の近くに位置し、HSVtkの発現は、mTERT転写体の存在に依存的である(図1)。CMVプロモータによって調節されるこのような全体的な発現カセットは、E1/E3−欠乏アデノウィルスゲノムに挿入され、mTERT−TR−調節性HSVtk(mTERT−TR−HSVtk)を含むアデノウィルス(Ad5mTR)を製作した(図2a)。
また、対照群として、前記発現カセットを除くアデノウィルス(Ad5MOCK)を製作した。Ad5mTRによるHSVtkの発現が、マウスの腫瘍細胞に細胞毒性を示すか否かを確認するために、本発明者らは、BALB/cマウス由来の大腸癌細胞株であるCT26細胞を用いたが、前記細胞株は、mTERT mRNAを高いレベルで発現させる。CT26細胞をGCVの存在下で様々なMOIのAd5mTRに露出させた。2.5MOIがほとんどの細胞を死滅するのに十分であるのに対し、Ad5MOCKは50MOIでも細胞毒性を全く示さなかった(図2b)。体外環境での細胞毒性と同様に、BALB/cマウスで皮下CT26腫瘍にAd5mTRを注射する場合に、腫瘍の成長が有意に抑制された(図2c)。
このため、Ad5mTRは、ヒトのTERT−TR−HSVtkを含むアデノウィルスの抗−腫瘍効果とほとんど同じ効果を示し、これは、マウスで抗−腫瘍免疫性の研究に好適に使用可能であることが分かる。
実施例2−2:HSVtkによる向上したDC−媒介性腫瘍抗原の提示
DNA導入またはアデノウィルス感染による腫瘍細胞におけるHSVtkの発現は、細胞毒性CD8T細胞の抗原反応を増進させることが知られている。生体GCVの存在下でのHSVtkの発現は、たとえ腫瘍体積の全部ではないが、有意な部分で細胞死滅を誘導することができるため、死滅した細胞から誘導された腫瘍抗原は、DCsなどのAPCsによって検出可能であり、これらの細胞は、腫瘍抗原特異的T細胞に反応するリンパノードに移動する。このようなモデルが文献に提示されたが、本発明者らは、定義された抗原特異的T細胞を用いて、このような可能性を試験することにした。このような実験のために、本発明者らは、モデル腫瘍抗原としてマウスの腫瘍細胞株E.G7(オブアルブミンを安定的に発現するEL4細胞の誘導体)を用い、T細胞をモデル腫瘍−抗原(OVA)−特異的CD8T細胞群集として用いられたOVA特異的T細胞受容体形質転換マウスから精製した。OT−1マウスから精製された全てのCD8T細胞は、OVA特異的細胞毒性T細胞である。先ず、本発明者らは、同系のB6マウスに皮下注射されたE.G7腫瘍で、細胞死滅を誘導するAd5mTRの能力を試験した。腫瘍を分離し、Ad5mTRの投与後、組織学的に評価するときに、有意レベルの細胞死滅が観察され、これは、ウィルス感染後に腫瘍抗原が放出されることを意味する(図3a)。次いで、本発明者らは、腫瘍−吸収リンパノードからDCsを精製し、DC/CD8T細胞共同培養分析を用いて、IFN−γ生成のためにOVAがロードされたものであるか否かを評価した。Ad5mTRで処理された腫瘍含有マウス由来のDCsを用いて培養及び精製されたOT−IT細胞は、対照群ウィルスで処理された、腫瘍含有マウス由来のDCsを用いて培養されたOT−IT細胞よりも多量にIFN−γを産生した。このような結果は、Ad5mTRで処理されたマウス由来のDCsが、OVA抗原を十分なレベルで提供して、OVA特異的T細胞を刺激することができるということを示す(図3b)。このため、腫瘍でのHSVtkの発現と、これによるGCV誘導性細胞死滅は、腫瘍抗原の放出結果であり、これらの抗原は、腫瘍抗原特異的細胞毒性T細胞を刺激可能なDCsによって効率的に捕獲された。
これより、HSVtkの腫瘍特異的発現は、DCsを通じて抗−腫瘍T細胞活性を効果的に刺激することができるだけではなく、腫瘍細胞の細胞毒性を直接的に誘導することができるということが分かる。
実施例2−3:mTERT−TR−HSVtk及びsPD1−Igを両方とも含むアデノウィルスの製作
Ad5mTRは、興味深い可能性が増大する抗−腫瘍CD8T細胞反応性を刺激した。腫瘍が誘導された免疫抵抗性を不活性化させるための別の戦略を有するこれらの提案の組み合わせは、抗−腫瘍T細胞反応性をさらに向上させた。PD−L1は、腫瘍細胞の表面で発現される公知の免疫抑制剤である。本発明者らは、PD−L1を中和させる前記PD−L1受容体の受容性形態であるsPD1を製作し、PD−L1媒介性T細胞抑制を除去した。生体内でsPD1の安定性を増大させるために、sPD1をIgG2aのFc領域と融合させてsPD1−Igを製作した。本発明者らは、アデノウィルスゲノムのE1領域で、mTERT−TRによって調節されるHSVtkとE3領域にあるsPD1−Igを含む二重−モジュールアデノウィルス(Ad5mTR.sPD1)を製作した(図4a)。前記Ad5mTR.sPD1でHEK293細胞を感染させ、細胞外環境でsPD1−Igを発現させて分泌させ、免疫ブロット分析法により確認した(図4b)。Ad5mTR.sPD1感染細胞でのHSVtkの発現レベルは、酵素活性によって測定された方式によりAd5mTR感染細胞のそれと比較した(図4c)。なお、本発明者らは、生体外環境で分泌されたsPD1−Igが、腫瘍細胞表面のPD−L1を中和させることにより、抗−腫瘍T細胞反応性を向上させることができるか否かを試験した。Ad5EF1α.sPD1感染された293HEK細胞の培養上澄み液に、OVAを発現する腫瘍細胞とOVA特異的OT−IT細胞の共同培養物を加え、T細胞反応性をIFN−γ分泌量に基づいて測定した。期待の通り、腫瘍細胞攻撃に反応して、抗原−特異的T細胞によるIFN−γ分泌は、sPD1−Igを含む上澄み液によって向上した(図4d)。腫瘍細胞の表面でのPD−L1の発現は、柔細胞分析によって確認された(図5)。これらの結果は、前記二重−モジュールアデノウィルスが、生体内の腫瘍微細環境で抗−腫瘍T細胞の反応性を向上させることができるということを意味する。
実施例2−4:Ad5mTR.sPD1による腫瘍成長の効果的な抑制
sPD1−Igが、生体内でHSVtkの抗−腫瘍活性を増進させることができるか否かを確認するために、CT26大腸癌モデルを用いた(図2c)。CT26細胞は、それらの細胞表面にPD−L1を高いレベルで発現させるため、前記モデルを選択した(図5)。Ad5mTR.sPD1で感染されたCT26細胞は、Ad5mTRで感染された細胞とほとんど同じレベルの生体外細胞毒性を示し、これは、sPD1−IgがHSVtkによる細胞毒性の直接的な原因にならないことを予想させた(図6a)。これに比べて、Ad5mTR.sPD1はAd5mTRと比較して有意的に腫瘍退行を促し、実際にほとんど完全な腫瘍退行が観察された(図6b)。sPD1−Igを単独で含む対照群アデノウィルス(Ad5EF1α.sPD1)は、これらのモデルでいかなる抗−腫瘍効果も示さないが、これは、腫瘍組織でsPD1−Ig発現が腫瘍退行を誘導するには不十分であり、このようなsPD1−Igの効果のために生体内でHSVtkによる抗原反応が必要であることを意味する。
実施例2−5:sPD1−Igの腫瘍成長抑制効果はCD8T細胞によって媒介される
HSVtkは、DCsによる抗原−特異的CD8T細胞反応を促し(図3b)、sPD1−Igは、細胞外で抗−腫瘍CD8T細胞反応性を促す(図4d)。このような結果は、生体内で向上したCD8T細胞反応性が、Ad5mTR.sPD1の向上した抗−腫瘍効果の原因であることを提示した。これらの可能性を確認するために、CT26腫瘍保有マウスに抗−CD8抗体を投与して、CD8T細胞を枯渇させた。二重−モジュールAd5mTR.sPD1による向上した腫瘍成長抑制効果が、CD8T細胞の枯渇したマウスではほとんど消失した(図7a)。興味深いことに、Ad5mTRの抗−腫瘍活性もまた減少したが、これは、CT26マウス腫瘍モデルにおけるAd5mTRの効果が、CD8T細胞によって媒介された抗−腫瘍免疫反応に依存的であることを示す。しかしながら、抗−腫瘍活性に影響するCD8の枯渇は、Ad5mTRよりもAd5mTR.sPD1に対して一層高い効果を示す(1.9倍対4.76倍)(図7b)。腫瘍−特異的CD8T細胞の役割をより直接的に評価するために、E.G7腫瘍モデルとOVA−特異的OT−IT細胞を用いた。Ad5mTR.sPD1が投与された同系のB6マウスへのE.G7腫瘍の皮下注射は、CT26モデルで観察されたのと同様に、向上した腫瘍退行結果を示す。これに比べて、同じ実験が同系のリンパ球−欠乏Rag1−/−マウスで行われる場合には、2種類のウィルスの抗−腫瘍効果が顕著に減少した(図8a)。CT26モデルでCD8T細胞枯渇の効果と一致するように、減少の度合いはAd5mTRよりもAd5mTR.sPD1に対して一層強い効果を示す(1.61倍対6.58倍)(図8b)。E.G7を含むRag1−/−マウスに静脈注射されたOT−IT細胞によって抗原−特異的T細胞反応が形成されるとき、アデノウィルス投与の前記抗−腫瘍効果が修復され、前記効果は、Ad5mTRを投与した後よりもAd5mTR.sPD1を投与するときに一層顕著になった(図8c)。特に、血中OT−IT細胞の数は、Ad5mTRと比較して、Ad5mTR.sPD1を投与したときにさらに大幅に増大した(図8d)。このような結果は、Ad5mTR.sPD1が腫瘍特異的CD8T細胞の機能を直接的に向上させることによって腫瘍退行を促すということを示す。
実施例2−6:Ad5mTR.sPD1処理の抗癌効果
1次腫瘍部位へのウィルスの注射によってマウスの遠位部で2次腫瘍の成長を抑制する可能性が増大したAd5mTR.sPD1が投与されたマウスの血液内で、癌特異的T細胞が増大した。BALB/cマウスで発生したCT26腫瘍に、Ad5mTR.sPD1を3日置きに3回投与した。最初の投与日から14日後に、同じマウスの向こう側の部位で2次CT26腫瘍の発生が試みられた。このとき、Ad5mTR.sPD1が投与されたマウスでは、1次腫瘍が最小限に増殖されたのに対し、Ad5MOCKが投与されたマウスでは、大きなサイズ(>600mm)の1次腫瘍が発生した。このため、正常なBALB/cマウスの新たな集団が、2次腫瘍発生のための対照群として用いられた。対照群では2次腫瘍が順調に成長したが、Ad5mTR.sPD1が投与されたマウスでは成長しなかった(図9a及び9c)。同じ結果がE.G7腫瘍モデルを含むB6マウスで確認された(図9b及び9c)。したがって、二重モジュールアデノウィルスの注射は、抗癌免疫性を向上させて抗癌効果を導き出した。

Claims (5)

  1. 癌特異遺伝子であるテロメア逆転写酵素(TERT)mRNA(配列番号1)に作用する、トランススプライシングリボザイム−単純ヘルペスウイルス由来チミジンキナーゼ(HSVtk)複合体をコードするポリヌクレオチド及び可溶性プログラムされた細胞死1(sPD−1)をコードするポリヌクレオチドを含む組換えアデノウィルス。
  2. 前記複合体をコードするポリヌクレオチドは、トランススプライシングリボザイムをコードする配列番号2の塩基配列と、HSVtkをコードする配列番号3のポリヌクレオチドを含むものである請求項1に記載の組換えアデノウィルス。
  3. 前記可溶性プログラムされた細胞死1(sPD−1)をコードするポリヌクレオチドは、配列番号4の塩基配列を含むポリヌクレオチドである請求項1に記載の組換えアデノウィルス。
  4. 請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の組換えアデノウィルスを有効成分として含む癌予防または治療用薬学組成物。
  5. 薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含む請求項4に記載の組成物。
JP2014525948A 2011-08-19 2012-08-20 トランススプライシングリボザイム及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス及びこの用途 Expired - Fee Related JP5872042B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2011-0083150 2011-08-19
KR1020110083150A KR101293620B1 (ko) 2011-08-19 2011-08-19 트랜스-스플라이싱 라이보자임 및 암치료 유전자를 포함하는 재조합 아데노바이러스 및 이의 용도
PCT/KR2012/006610 WO2013027988A2 (ko) 2011-08-19 2012-08-20 트랜스-스플라이싱 라이보자임 및 암치료 유전자를 포함하는 재조합 아데노바이러스 및 이의 용도

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014524253A JP2014524253A (ja) 2014-09-22
JP5872042B2 true JP5872042B2 (ja) 2016-03-01

Family

ID=47746987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014525948A Expired - Fee Related JP5872042B2 (ja) 2011-08-19 2012-08-20 トランススプライシングリボザイム及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス及びこの用途

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20140286905A1 (ja)
EP (1) EP2746388A4 (ja)
JP (1) JP5872042B2 (ja)
KR (1) KR101293620B1 (ja)
CN (1) CN103732739A (ja)
BR (1) BR112014003423A2 (ja)
WO (1) WO2013027988A2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3020724A4 (en) * 2013-07-12 2017-01-18 Gemvax & Kael Co., Ltd. Cell-penetrating peptide and conjugate comprising same
US10350275B2 (en) * 2013-09-21 2019-07-16 Advantagene, Inc. Methods of cytotoxic gene therapy to treat tumors
KR101755431B1 (ko) * 2015-02-02 2017-07-12 단국대학교 산학협력단 키메릭 항원 수용체(Chimeric antigen receptor) 전달용 CTLA-4 타겟팅 트랜스-스플라이싱 라이보자임 및 이의 용도
US11517583B2 (en) 2016-04-01 2022-12-06 National University Of Singapore Trans-splicing RNA (tsRNA)
US20210275615A1 (en) * 2018-09-14 2021-09-09 Laura Evgin Materials and methods for treatment with oncolytic viruses and modified car t cells
CN109609505A (zh) * 2019-01-14 2019-04-12 中国科学院成都生物研究所 一种体内筛选的剪切rna的锤头状核酶
CN114521214A (zh) * 2020-07-24 2022-05-20 尔知渃米斯股份有限公司 视紫红质转录体特异性反式剪接核酶及其用途
WO2022158891A1 (ko) * 2021-01-25 2022-07-28 알지노믹스 주식회사 면역관문 억제제를 발현하는 암 특이적 트랜스-스플라이싱 리보자임 및 이의 용도

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE219519T1 (de) 1989-01-23 2002-07-15 Chiron Corp Rekombinanttherapien für infektionen und hyperproliferative störungen
JP2752788B2 (ja) 1989-01-23 1998-05-18 カイロン コーポレイション 感染および過剰増殖障害の為の組換え療法
US5631236A (en) 1993-08-26 1997-05-20 Baylor College Of Medicine Gene therapy for solid tumors, using a DNA sequence encoding HSV-Tk or VZV-Tk
EP0954222A4 (en) 1996-04-10 2003-01-15 Univ Southern California GENE THERAPY FOR PROLIFERATIVE VITREORETINOPATHY
AU3889197A (en) 1996-07-26 1998-02-20 Douglas V Faller Compositions comprising an inducing agent and an anti-viral agent for the treat ment of blood, viral and cellular disorders
KR101034811B1 (ko) * 2008-08-25 2011-05-16 단국대학교 산학협력단 조직 특이적 프로모터와 암 특이 유전자를 타겟팅하는트랜스-스플라이싱 라이보자임을 포함하는 재조합아데노바이러스 및 이의 용도

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013027988A3 (ko) 2013-05-16
CN103732739A (zh) 2014-04-16
KR101293620B1 (ko) 2013-08-13
US20140286905A1 (en) 2014-09-25
WO2013027988A2 (ko) 2013-02-28
EP2746388A2 (en) 2014-06-25
RU2014110406A (ru) 2015-09-27
KR20130020492A (ko) 2013-02-27
JP2014524253A (ja) 2014-09-22
EP2746388A4 (en) 2015-05-13
BR112014003423A2 (pt) 2017-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5872042B2 (ja) トランススプライシングリボザイム及び癌治療遺伝子を含む組換えアデノウィルス及びこの用途
US20230331786A1 (en) Adenovirus comprising an albumin-binding moiety
AU2011306845B2 (en) Oncolytic adenoviral vectors coding for monoclonal anti - CTLA - 4 antibodies
Jafari et al. Immunovirotherapy: The role of antibody based therapeutics combination with oncolytic viruses
RU2575620C2 (ru) Рекомбинантный аденовирус, который содержит рибозим, опосредующий транс-сплайсинг, и противораковый терапевтический ген, и его применение
US20220154218A1 (en) Oncolytic adenoviral vector expressing peptidylarginine deiminase and tissue inhibitor of metalloproteinase
Zhang et al. Recent advances of engineered oncolytic viruses-based combination therapy for liver cancer
CN112639084A (zh) 用于治疗实体癌症和微生物感染的方法和组合物
US20220152134A1 (en) Oncolytic adenoviral vector expressing a member of the b7 family of costimulatory ligands and ada
JP5580043B2 (ja) 放射線増感増強剤
Dhuri et al. Viral therapy for targeted drug delivery to cancers: Recent advances, clinical and regulatory perspectives
WO2020212500A1 (en) Oncolytic adenoviral vector expressing granzyme and perforin
Wongthida Understanding, and exploiting, the contribution of the immune system to the therapeutic efficacy of oncolytic virotherapy with vesicular stomatitis virus (VSV)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5872042

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees