JP5871548B2 - 製氷安定方法及び氷製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水の過冷却状態を利用してシャーベット状の氷を安定して製造する方法及び氷製造装置に関するものである。
従来から、水を0℃以下の過冷却状態にした過冷却水を生成し、当該過冷却水に振動、衝撃を付与して過冷却状態を解除することで相変化させ、シャーベット状の氷を製造することが行なわれてきている(特許文献1)。
前記過冷却水を生成する場合、過冷却水を製造する熱交換器(過冷却器)としては、通常、低温ブラインと熱交換する熱交換器が使用されており、この種の熱交換器としては、シェルアンドチューブ式熱交換器、ガスケットタイプのプレート式熱交換器等が挙げられるが、スペース、効率の点から、プレート式熱交換器が用いられることがある。ガスケットタイプのプレート式熱交換器では、二流体(水とブライン)間の混合と外部への漏洩を防止するために、プレートの外周部と二流体間の仕切りにガスケットが使用されており、両端に位置するエンドプレートを締め付けることによってガスケットを潰し、所定のシール能を得ている。
特開2009−204162号公報
しかしながら、発明者が調べた結果、ガスケットタイプのプレート式熱交換器を用いた場合、プレート式熱交換器の外表面の仕上げ方法によってはプレート式熱交換器の内部流路で凍結が頻発し、製氷運転が不安定になることがあることがわかった。従来、過冷却現象を利用した密閉型の製氷機で起こる凍結の原因は、全て配管や機器内部に存在すると考えられていたが、発明者の研究によれば、配管の外表面からの影響で凍結が発生することが知見できた。この凍結は屋内よりも屋外設置型の熱交換器によく見られた。
すなわち、プレート式熱交換器は一般の熱交換器と同様に、水漏れがなければ外部と内部とは全く遮断されていると考えられ、そのため外表面の相変化が内部に侵入することはなく、格別それを防止するための特別な対策は講じられていないのが実情である。
ところが、配管や過冷却器の外表面が濡れていたり結露したりすると、外表面は霜あるいは氷で覆われ、このとき、凍結が発生する。発明者が調べたところ、プレート式熱交換器(過冷却器)の凍結を引き起こす原因の1つに、機器や配管の外部での相変化、すなわち水から氷への変化が内部に伝播するという現象があることが分かった。
これは、機器や配管の内部が過冷却状態になる部位では、特に加熱等をしない限り外表面温度は0℃以下になるため、配管外表面が濡れていたり結露したりすると、外表面は霜あるいは氷で覆われることになる。このとき、外表面が霜、氷で覆われた区間に機械的接合部があると、接合面に存在する水分(起動時にガスケットに保持されていた管内冷水や周囲雰囲気が結露して凝縮した水)が配管内部の過冷却水によって過冷却状態となり、さらに外表面で氷に接触することになるので、接合面に存在する過冷却水は過冷却状態が解除されるためである。このようにして配管外表面の相変化が内部に伝播し、内部に凍結が発生する。なお、接合面を介して相変化が伝播するかどうかは、水漏れの有無では判別できない。
ここで、屋外に設置された機器や管の接合部の内部流路で凍結することが多い現象について発明者は次のように考えている。屋外設置機器は断熱被覆のうえステンレス板等の外装材でラッキングされることが一般的であるが、この外装材は風雨を遮断するが外気の侵入は防げない。外装材内部の断熱材は熱を遮断するが外気に同伴した水分の侵入は防げない。したがって前記凍結の原因は夏季に侵入した水分が管の外表面の氷点下の温度で凍結したものと推察できる。これに対し機械室等の屋内に設置された機器では、コストダウンのため断熱されないことも多く、屋内の空気温度が0℃を超えていて加熱側に働くことが多く、凍結に至ることが少ない。
本発明の目的は、このような機器や配管の外表面の相変化によって、配管や機器内部に凍結が発生するのを防止して、製氷の安定性を向上させることにある。
前記目的を達成するため、本発明の製氷安定方法は、熱交換器による冷媒との熱交換によって過冷却水を生成し、当該過冷却水の過冷却状態を、密閉配管系統で解除してシャーベット状の氷を製造する氷製造装置において、前記過冷却水が流れる区間にある機械的接合部を、気密カバーで封止し、前記気密カバー内部の水蒸気分圧を、水の状態図での昇華曲線で表わされる圧力よりも低い状態にすることで、前記機械的接合部またはその周辺の配管表面の相変化が内部に伝播することを防止することを特徴としている。
また本発明にかかる氷製造装置は、熱交換器による冷媒との熱交換によって過冷却水を生成し、当該過冷却水の過冷却状態を、密閉配管系統で解除してシャーベット状の氷を製造する氷製造装置において、前記過冷却水が流れる区間にある機械的接合部から続く外表面から機械的接合部を覆う気密カバーと、前記気密カバーに設けた開口と、前記開口に接続され前記気密カバーと連通した吸気手段を備え、前記機械的接合部はプレート式熱交換器のガスケットを介したプレート部分であり、前記気密カバーは、前記プレート式熱交換器の両端のエンドプレート間に張り渡されて固定されていることを特徴としている。吸気手段としては真空ポンプが例示でき、開口と吸気手段の接続は直接であってもパイプを介してもかまわない。
また前記機械的接合部は、前記過冷却水が流れる配管を構成する管と管の接続端部に形成されたフランジであり、前記気密カバーは、前記フランジの周面外周全周にわたって気密に覆っていてもよい。
既述したように、配管外表面の相変化が内部に伝播して内部が凍結する原因は、接合面に存在する水分が機器内部や配管内部の過冷却水によって過冷却状態となり、それが外表面で氷に接触することで、接合面に存在する過冷却状態となった水分の過冷却状態が解除されることであるから、本発明のように、機械的接合部から続く外表面を、気密カバーで封止し、気密カバー内部を真空状態、すなわち気密カバー内の水蒸気分圧が図8に示すような水の状態図での昇華曲線で表わされる圧力よりも低い状態にすることで、配管表面の相変化が機器内部や配管内部に伝播することを防止することが可能である。機器や管の内部をそのような真空状態にするには、内部雰囲気を吸引して負圧にするが、この過程で、ガスケットに保持されていた管内冷水や周囲雰囲気が結露して凝縮した水など余剰の水分も同伴して吸引、排出される。
すなわち、気密カバー内部を上記したような真空状態にしておくことで、相変化が内部に伝播しようとしても、元々当該機械的接合部に含まれる水分は除去されており、しかも気密カバー内部は、気密カバー内の水蒸気分圧が水の状態図での昇華曲線で表わされる圧力よりも低い状態にされているから、気密カバー内部で着霜することがなく、また気密カバー外の配管外表面からの相変化の伝播も防止され、接合面に存在する水分の過冷却状態が解除されることはない。したがって、機械的接合部から配管内や機器内部に凍結が頻発することを防止できる。
なおここで密閉配管系統で解除するとは、たとえば蓄熱槽水面より上に過冷却器を設置し過冷却水を水面に向けて吐出して解除する、いわゆる開放型の解除方式と対置される、大気に開放していない空間内で解除することをいう。この方式では過冷却水が管や装置内部から離脱せず、機械室等の空気と接触しない為熱ロスが少ない。また過冷却水が流れる区間にある機械的接合部とは、溶接、接着剤を使用することなく、機械的要素などで配管同士や、フランジ、プレート、ガスケットが接合されている部分をいう。さらにまた、真空状態とは、前記したように気密カバー内の水蒸気分圧が図8に示すような水の状態図での昇華曲線で表わされる圧力よりも低い状態をいう。例えば、−3℃のブラインが流入し、−2℃の過冷却水が生成されるプレート式過冷却器では、プレート圧着部等では、−3℃において昇華曲線の指す圧力以下(図8の「水蒸気」の領域)にする必要がある。また過冷却水の配管において、−2℃の過冷却水が流れるフランジ部においては、−2℃において昇華曲線の指す圧力以下(図8の「水蒸気」の領域)にする必要がある。
本発明によれば、配管外表面の相変化があっても、配管や機器内部に凍結が発生するのを防止して、製氷の安定性を向上させることができる。
実施の形態にかかる製氷安定方法が実施される氷蓄熱システムの概要を模式的に示した説明図である。 図1の氷蓄熱システムに使用した過冷却器の構成を模式的に示した説明図であり、左側の図は正面、右側の図は右側面を各々示している。 気密カバーのパイプ部を模式的に示した説明図であり、(a)はカバー内を真空状態にする様子を示し、(b)は溶着等でパイプ部の基部を閉止している様子を示し、(c)は閉止作業終了後のパイプ部の様子を示す。 他の形態におけるパイプ部を有する気密カバーの要部を拡大した様子を模式的に示した説明図であり、(a)はカバー内を真空状態にする様子を示し、(b)はパイプ部の基部を閉止している様子を示し、(c)は閉止作業終了後のパイプ部の様子を示す。 接続フランジ部の外表面を気密カバーで覆い、内部を真空状態にした例を模式的に示した説明図である。 パイプ部を有する気密カバーの要部を拡大した様子を模式的に示した説明図である。 凍結の有無を調べた実験の結果を示すグラフである。 水の状態図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、実施の形態にかかる製氷安定方法が実施される氷蓄熱システムの全体の概要を示しており、氷蓄熱槽1から取水した水は、取水配管2を通じ、予熱装置3によって氷核を融解して以降の流路内の氷核を完全に無くした後に、ポンプ4によって、過冷却器入口側接続部5を経由して、プレート式熱交換器で構成された過冷却器6に送られる。氷蓄熱槽1から取水され過冷却器6に送られた水は、冷凍機7からポンプ8によって送られた低温のブラインと熱交換されることで、0℃以下の過冷却水となる。
過冷却器6によって生成された過冷却水は、過冷却器出口側接続部9から、配管10を通じて伝播防止装置11を経て、例えば密閉系の過冷却解除装置12によってスラリー状の氷水に変換され、再び氷蓄熱槽1に戻される。シャーベット状の氷は、氷蓄熱槽1内で水の比重差から分離、浮上し、氷蓄熱槽1内に蓄えられる。このようなサイクルを繰り返すことで、氷蓄熱槽1内の水が氷に変換されて、冷熱が蓄熱される。なおブライン流路13に、配管14を介して設けられているタンクは、ブライン膨張タンク15である。
過冷却器6は、図2に示すようなプレート式熱交換器が用いられている。この過冷却器6は、多数のプレート21を、ガスケット22を挟んで両端のエンドプレート23、24間に積層した構造を有し、プレート21、ガスケット22を貫通したシャフト25の端部をエンドプレート24の外側からナット26で締め付けることによって一体化(機械的接合)されている。そして各プレート21を貫通する水流路27からの水と、各プレート21を貫通するブライン流路28からのブラインは、各プレート21とガスケット22とによって形成された空間内に交互に流れており、プレート21を介して両者が熱交換されるようになっている。なお図示の都合上、各プレート21とガスケット22との間の空隙は、誇張して描図している。なお、機械的接合は、上記のようなボルト、シャフト(あるいはナット等)による固定に限られない。すなわち本発明でいう機械的接合は、嵌め込みやねじ込み、かしめなど接合に供される母材同士に隙間を許容する接合をいい、接着剤で接合したり、溶接したりする固定方法を除くという意味である。少なくとも保守のために分離可能な接合法は本発明でいう機械的接合である。
次に、上記の過冷却器6についての、本発明の適用例について説明する。過冷却器(熱交換器)6におけるプレートとガスケットの接合部分は、外部表面の相変化によって内部凍結が発生しやすい部位の一つである。
そして図2の例では、多数のプレート21、ガスケット22を積層したプレート群全体を気密に覆う気密カバー32が、エンドプレート23、24間に設けられ、気密カバー32とエンドプレート23、24とで覆う空間は、ここでは予め、機械的接合部に含まれる水分を拭き取りや乾燥空気の吹き付けで除去した後、気密カバー32とエンドプレート23、24とで覆う空間を真空状態にして封止したものである。もっとも、後述する真空引きの際に空気に同伴して排出させても良い。
かかる構成によれば、プレート間外表面では水分が発生しないため霜、氷が生成せず、配管10内部からあらたに滲む等して機械的接合部に水分が含まれるに至っても、配管10の外表面に付着した霜、氷と接触するといった事態は発生しない。すなわち配管10外部の相変化は水分を除去された気密カバー32内側の配管外表面には影響を及ぼさず、過冷却器6等の機器内部に伝播することを防止することができる。また気密カバー32はカバー内外を遮断する機能も有し、気密カバー32外の配管10外表面に付着した霜、氷の融解水が機械的接合部に達することはない。
気密カバー32の設置の仕方をプレート式熱交換器の例で説明する。プレート式熱交換器には両端部にエンドプレート23、24と呼ばれる部位がある。エンドプレート23、24は器内に流出入する流体の導入口(配管の接続口)を備え、例えば5cmの厚みがあり角部が直角の矩形である。このエンドプレート23とエンドプレート24の間に沿って鉄板を張り渡す。鉄板はエンドプレート周面4面の面ごとに1枚、寸法取りをして渡される。寸法取りは若干幅に余裕をもって行い、辺を突き合わせ後に角部をかしめや溶接で接合する。こうして構成された気密カバー32とエンドプレート23、24は、後述のシール材を貼り付けて固定される。また鉄板が真空に耐えられるようにするためには、板圧を厚くしてもよいが、補強材を用いることが好適である。すなわちプレートの形状をくりぬいた発泡スチロール材や木材などのバックアップ材を数片用意し、これを嵌めたうえ前記鉄板を張り渡す。こうすることで鉄板を厚くせずに変形無く真空引きに耐えられる。
前記した図2に示したように、気密カバー32とエンドプレート23、24とで覆う空間を真空状態にするには、例えば次のような方法が提案できる。
図3(a)に示したように、例えば気密カバー32に開閉弁41を備えた空気吸引用管としてのパイプ部32aを用意する。あらかじめ前記鉄板で気密カバー32の頂部に位置する1枚に、加工しておくことが好適である。次いでこのパイプ部32aの弁41よりも先側(外側)に、真空ポンプ44を接続し、弁41を開の状態で当該真空ポンプ44を稼働させて気密カバー32内を真空状態にする。真空ポンプ44の稼働は、例えば真空ポンプ44のゲージ目盛りを目視しながら停止する。停止のタイミングは、図8の昇華曲線より下の蒸気圧を目安に行う。
その後、図3(b)に示したように、弁41を閉として、適宜の溶着装置42やかしめ手段によって、弁41よりもパイプ部32aの基部側の流路空間を溶着しまたは潰す。これによって、気密カバー32内が真空状態を維持したまま、図3(c)に示したように気密カバー32での封止状態にできる。なお「溶着」はパイプ部32aを樹脂で構成した場合の態様であり外側から加熱変形をさせる。図3(c)中、43は溶着部を示している。パイプ部32aが金属製であればかしめ等で、やはり外側から圧潰する手段が例示できる。
なお、図4に示すように、弁41を開状態で気密カバー32内を真空状態にした後、弁41を閉状態にし、次いでパイプ部32aの弁41よりも先端側(外側)を弁41から取り外すだけであっても良い。もっとも、例えば10年以上使用する場合の後述の保守のためには、開閉弁は残しておくことが望ましい。
気密カバー32の材質としては、気密カバー32内に水分を透過させないために低透湿性を有したものが好ましい。また、気密カバー32内を真空状態にしたときに変形、破損等が生じない程度の強度を有したものが好ましい。例えば前述の鉄板のほかアルミ等の金属が例示できる。また、気密カバー32と、エンドプレート23、24との接合部には不図示のシール材を貼り付けるが、このシール材にも、低透湿性を有した材質、例えばポリイソブチレンを主成分とした材質が例示できる。
以上はプレート式熱交換器における、本発明の適用例について説明したが、過冷却器出口側接続部9と伝播防止装置11との間の配管10における接続フランジ部16も、外部表面の相変化によって内部凍結が発生しやすい部位であり、本発明を適用できる。
図5は、接続フランジ部16の断面を拡大して模式的に示しており、配管10を構成する管10a、10bの接続端部には、各々に対応してフランジ10c、10dが形成されている。これらフランジ10c、10dは、リング状のガスケット31を挟んで、固定部材、たとえばボルト、ナット等(図示せず)によって接続固定(機械的接合)されている。機械的接合は、そのようなボルト、ナットによる固定に限られない。なおガスケット31とフランジ10c、10dとの間は、実際には密着しているが、構造をわかりやすく説明する都合上、空隙を描図している。
そして図5の例では、フランジ10c、10dの周面外周全周にわたって気密に覆う気密カバー32が設けられ、気密カバー32とフランジ10c、10dの周面外周との間の空間を真空状態にしたものである。
かかる構成によれば、機械的接合部に含まれる水分が霜34と接触するといった事態は発生せず、配管10外部の相変化が配管10内部に伝播することを防止することができる。なお、予め機械的接合部に含まれる水分を除湿してもよく、たとえば、接合前に乾燥雰囲気下で十分乾燥させてもよい。
前記した図5に示したように、機械的接合部に含まれる水分を必要に応じ予備的に除去した後、気密カバー32とフランジ10c、10dの周面外周との間の空間を真空状態にするには、図3、4を用いて前述したような、過冷却器6において気密カバー32とエンドプレート23、24とで覆う空間を真空状態にする場合と同様の方法を用いれば良い。
接続フランジ部16のフランジ10c、10dの周面外周全周にわたって設けられた気密カバー32においても、図6に示すように、気密カバー32にパイプ部32aを有する形状のものを使用し、過冷却器6の場合と同様に図3、4に示す方法で弁41、真空ポンプ44を用いて気密カバー32内を真空状態にする。なお、気密カバー32と、フランジ10c、10dとの接合部には、過冷却器6の場合と同様、例えばポリイソブチレンを主成分とした低透湿性を有した材質のシール剤(不図示)を塗布またはシール材を貼り付けると良い。
参考までに、図1に示した氷蓄熱システムにおいて使用した配管系のうち、接続フランジ部16において、凍結の発生有無を調べた実験について説明する。
本実験は、図7に示したように、まず2時間以上の連続運転を行い、安定運転を確認(装置の健全性を確認)した後、過冷却器〜伝播防止器11の接続フランジ部16外周部に氷を接触させたまま保持し、凍結の有無を確認する。ついで接続フランジ部16外周部の水分を拭き取り、フランジ外表面を乾燥剤と共に気密にした状態で凍結の有無を確認した。
図のグラフ中、水入口温度は、過冷却器6に導入される水の温度、過冷却水温度は、過冷却器6を出て配管10内を流れる過冷却水の温度、Br入口温度は、過冷却器6に導入される冷凍ブラインの温度、Br出口温度は、熱交換後に過冷却器6を出る冷凍ブラインの温度を意味し、各々グラフの左側の目盛温度を表示している。またBr流量は、過冷却器6を流れる冷凍ブラインの流量、水流量は、過冷却器6に導入される水の流量である。なお図中の下向き矢印は凍結が見られた時期を示す。この凍結の検知は、出願人の発明である特許第4451073号により行った。
この結果によれば、図7のグラフに示したように、接続フランジ部16外周部に氷を接触させたまま運転を続けると、接続フランジ部16外周部に氷を接触させた直後から連続凍結(数十分間隔の周期的凍結)が起こった。しかしながら、接続フランジ部16外周部の水分を拭取り、フランジ外表面を乾燥剤と共に気密すると連続凍結が止まり、正常な製氷状態に復帰した。なおこのとき、気密にした接続フランジ部16外表面以外の配管10の表面では着霜が起こっていた。
以上の結果から、過冷却水が流れる配管に機械的接続部があると、その種類(フランジ接続、ねじ込み、プレート圧着部)に関係なく、配管外部に氷を接触させることで凍結を再現できることを確認するとともに、機械的接続部が無い直管部で氷を接触させてもこのような凍結は起こらないことを確認した。以上のことから、本実験での凍結原因は、配管外表面に与える熱的なショックが熱伝導によって配管内部に伝わることではなく、機械的接合面に沿って相変化が内部に伝播することが凍結原因であると結論付けることができる。
そして前記実験では、フランジ外表面を乾燥剤と共に気密に封止したものであったが、本発明のように、機械的接合部から続く外表面を、当該機械的接合部に含まれる水分を除湿した後、気密カバーで封止し、気密カバー内部を真空状態にしても、そのような配管表面の相変化が配管内部に伝播することを防止することができることが十分に推認できる。
本発明は、接続フランジ部16や、過冷却器6として用いたプレート式熱交換器におけるプレートとガスケットの接合部分など、すなわち機械的接合部分の外表面について適用できるものである。
本発明は、熱交換器による冷媒との熱交換によって過冷却水を生成し、当該過冷却水の過冷却状態を、密閉配管系統で解除してシャーベット状の氷を製造する氷製造装置において有用である。
1 氷蓄熱槽
2 取水配管
3 予熱装置
4、8 ポンプ
5 過冷却器入口側接続部
6 過冷却器
7 冷凍機
9 過冷却器出口側接続部
10 配管
10a、10b 管
10c、10d フランジ
11 伝播防止装置
12 過冷却解除装置
13 ブライン流路
16 接続フランジ部
21 プレート
22 ガスケット
23、24 エンドプレート
31 ガスケット
32 気密カバー
32a パイプ部
34 霜
41 弁
44 真空ポンプ

Claims (5)

  1. 熱交換器による冷媒との熱交換によって過冷却水を生成し、当該過冷却水の過冷却状態を、密閉配管系統で解除してシャーベット状の氷を製造する氷製造装置において、
    前記過冷却水が流れる区間にある機械的接合部を、気密カバーで封止し、前記気密カバー内部の水蒸気分圧を、水の状態図での昇華曲線で表わされる圧力よりも低い状態にすることで、前記機械的接合部またはその周辺の配管表面の相変化が内部に伝播することを防止することを特徴とする、製氷安定方法。
  2. 前記気密カバーにあらかじめ空気吸引用管を設けておき、前記気密カバー内部が所定の真空度に至った後、前記空気吸引用管を密閉することを特徴とする、請求項1に記載の製氷安定方法。
  3. 熱交換器による冷媒との熱交換によって過冷却水を生成し、当該過冷却水の過冷却状態を、密閉配管系統で解除してシャーベット状の氷を製造する氷製造装置において、
    前記過冷却水が流れる区間にある機械的接合部から続く外表面から機械的接合部を覆う気密カバーと、前記気密カバーに設けた開口と、前記開口に接続され前記気密カバーと連通した吸気手段を備え、
    前記機械的接合部はプレート式熱交換器のガスケットを介したプレート部分であり、前記気密カバーは、前記プレート式熱交換器の両端のエンドプレート間に張り渡されて固定されていることを特徴とする、氷製造装置。
  4. 熱交換器による冷媒との熱交換によって過冷却水を生成し、当該過冷却水の過冷却状態を、密閉配管系統で解除してシャーベット状の氷を製造する氷製造装置において、
    前記過冷却水が流れる区間にある機械的接合部から続く外表面から機械的接合部を覆う気密カバーと、前記気密カバーに設けた開口と、前記開口に接続され前記気密カバーと連通した吸気手段を備え、
    前記機械的接合部は、
    前記過冷却水が流れる配管を構成する管と管の接続端部に形成されたフランジであり、前記気密カバーは、前記フランジの周面外周全周にわたって気密に覆っていることを特徴とする、氷製造装置。
  5. 前記気密カバーの開口と前記吸気手段の間に、吸引用管と開閉弁を設けることを特徴とする、請求項3または4に記載氷製造装置。
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