以下、図面を参照して、本発明のステープラの実施の形態について説明する。
<本実施の形態のステープラの構成例>
図1は、本実施の形態のステープラの一例を示す分解斜視図、図2は、本実施の形態のステープラの一例を示す斜視図である。本実施の形態のステープラ1Aの全体構成について説明すると、ステープラ1Aは、ステープル10が装填されるマガジン2Aを備える。
マガジン2Aに装填されるステープル10は、針クラウン10aと、針クラウン10aの両端から一の方向に略平行となるように折り曲げられて構成される2本の針足10bを備え、複数本のステープル10が接着で一体とされ、一連のステープル10として構成される。
ステープラ1Aは、マガジン2Aに装填されたステープル10を、針クラウン10aに直交する線幅方向に押圧するプッシャ3Aと、プッシャ3Aを付勢するプッシャバネ4を備える。
また、ステープラ1Aは、プッシャ3Aの移動をガイドするプッシャガイド5Aを備える。更に、ステープラ1Aは、マガジン2Aに装填されたステープル10を1本に分離して打ち出すドライバ6と、ドライバ6が設けられた上ハンドル7を備える。
また、ステープラ1Aは、用紙を貫通したステープル10の針足10bを折り曲げるクリンチャ80が設けられると共に、マガジン2A及び上ハンドル7が軸81により回転可能に支持される下ハンドル8を備える。更に、ステープラ1Aは、上ハンドル7を開く動作をプッシャ3Aに伝達して、プッシャ3Aを退避させるプッシャバンド9を備える。
マガジン2Aは、軸81により下ハンドル8に回転可能に取り付けられる。また、上ハンドル7は、軸81により下ハンドル8及びマガジン2Aに回転可能に取り付けられる。
ステープラ1Aは、上ハンドル7にドライバ6が取り付けられ、上ハンドル7と下ハンドル8を握る動作で、マガジン2Aと下ハンドル8のクリンチャ80との間に用紙Pが挟持されると共に、ドライバ6により1本のステープル10がマガジン2Aから打ち出される。
マガジン2Aから打ち出された1本のステープル10は、マガジン2Aと下ハンドル8のクリンチャ80との間に挟持された用紙Pを貫通し、クリンチャ80により折り曲げられることで、用紙Pが綴じられる。
また、ステープラ1Aは、プッシャ3Aと上ハンドル7側のドライバ6がプッシャバンド9で連結され、軸81を支点として上ハンドル7を開く動作で、プッシャバンド9によりプッシャバネ4を引っ張りながらプッシャ3Aが引かれて退避し、マガジン2Aに対してステープル10の装填が可能となる。
ステープラ1Aは、軸81を支点として上ハンドル7を閉じる動作で、プッシャバネ4が復元する力によってプッシャ3Aが押圧され、マガジン2Aに装填されたステープル10が押圧される。
上ハンドル7は、板状の金属材料をプレス等の折り曲げ加工によって所定の形状に構成した本体部70と、樹脂で構成されるカバー71a,71bを備える。上ハンドル7は、本体部70の下面に、ドライバ6が取り付けられる図示しない固定機構を備える。また、上ハンドル7は、本体部70の対向する側壁部に、マガジン2Aに係止される係止凸部72と、軸81が係止される軸穴部73を備える。上ハンドル7は、カバー71bが取り付けられることで、軸穴部73が覆われる。
下ハンドル8は、板状の金属材料をプレス等の折り曲げ加工によって所定の形状に構成した本体部82と、樹脂で構成されるカバー83を備える。下ハンドル8は、本体部82の先端側にクリンチャ80を備える。クリンチャ80は、ステープル10の針足10bを誘導する溝部を本体部82と一体に成型して構成される。
また、下ハンドル8は、本体部82の後端側に一対の側壁部84を備え、軸81が挿入される軸穴部84aが、対向する側壁部84を貫通して形成される。また、下ハンドル8は、対向する側壁部84の内側に、マガジン2Aに係止される係止凸部84bが突出形成される。
<本実施の形態のマガジン組立体の構成例>
図3〜図7は、本実施の形態のステープラを構成するマガジン組立体の一例を示し、次に、各図を参照して、本実施の形態のマガジン組立体11Aの概要について説明する。
ここで、図3は、本実施の形態のマガジン組立体の一例を示す平面図、図4は、本実施の形態のマガジン組立体の一例を示す側面図、図5は、本実施の形態のマガジン組立体の一例を示す側断面図である。また、図6は、本実施の形態のマガジン組立体の一例を示す正面図、図7は、本実施の形態のマガジン組立体の一例を示す背面図である。
マガジン組立体11Aは、プッシャ3A及びプッシャバネ4がプッシャガイド5Aに組み付けられ、プッシャ3A及びプッシャバネ4が組み付けられたプッシャガイド5Aが、マガジン2Aの内側に取り付けられる。
マガジン組立体11Aでは、プッシャ3Aの移動がプッシャガイド5Aでガイドされる。また、マガジン2Aに対してステープル10を装填あるいは取り出す動作によって、プッシャ3Aが後退している状態では、装填されるステープル10がプッシャガイド5Aでガイドされ、特に、残数の少ないステープル10の倒れが防止される。更に、ドライバ6で1本に分離されて打ち出されるステープル10が、プッシャガイド5Aでガイドされる。
<本実施の形態のマガジンの構成例>
図8〜図12は、本実施の形態のマガジン組立体を構成するマガジンの一例を示し、次に、各図を参照して、本実施の形態のマガジン2Aについて説明する。
ここで、図8は、本実施の形態のマガジンの一例を示す平面図、図9は、本実施の形態のマガジンの一例を示す側面図、図10は、本実施の形態のマガジンの一例を示す側断面図である。また、図11は、本実施の形態のマガジンの一例を示す正面図、図12は、本実施の形態のマガジンの一例を示す背面図である。
マガジン2Aは、ステープル10が載置されるマガジン底面20aを備える。また、マガジン2Aは、ステープル10の針クラウン10aに沿った幅方向の位置を規制するマガジン側壁20bと、ステープル10の線幅方向に沿った前後方向の位置を規制するマガジン前壁20cを備える。更に、マガジン2Aは、ステープル10の針足10bに沿った上下方向の位置を規制するステープルカバー20dを備える。
マガジン2Aは、板状の金属材料がプレス等の形抜き及び折り曲げ加工によって折り曲げられることで所定の形状に構成され、ステープル10が装填可能で上面が開口した空間が設けられる。すなわち、マガジン2Aは、マガジン底面20aの両側部が一の方向である上方に向けて折り曲げられることで、マガジン底面20aの両側部から立設される形態で一対のマガジン側壁20bが構成される。
マガジン2Aは、対向するマガジン側壁20bの内幅が、ステープル10が挿入可能な程度で、ステープル10の針クラウン10aの外幅と略同等に構成され、対向するマガジン側壁20bの間にステープル10が装填可能で、かつ、装填されたステープル10の幅方向の位置が規制される。
また、マガジン2Aは、それぞれのマガジン側壁20bの先端側の上端部が内側に向けて折り曲げられることで、マガジン側壁20bから内側に突出する形態でステープルカバー20dが構成される。
マガジン2Aは、対向するステープルカバー20dの内幅が、ステープル10の針クラウン10aの外幅より狭く構成される。また、マガジン2Aは、マガジン底面20aとステープルカバー20dとの間の間隔が、ステープル10が挿入可能な程度で、ステープル10の針足10bの長さと略同等に構成される。
更に、ステープルカバー20dの長さは、連結された一連のステープル10より長く構成される。マガジン2Aは、プッシャバネ4を引っ張ってプッシャ3Aを最後退位置近傍まで退避させた状態で、2連分のステープル10が装填可能となるように、プッシャ3Aの大きさ、マガジン2Aの長さ等が設定されている。このため、マガジン2Aに2連のステープル10が装填されると、1連目のステープル10の針クラウン10aの幅方向の両端が全長に亘り規制されると共に、2連目のステープル10の先端側の一部が規制される。
これにより、マガジン2Aでは、マガジン底面20aとステープルカバー20dとの間にステープル10が装填可能で、装填されたステープル10の上下方向の移動が規制され、かつ、対向するステープルカバー20dの間からステープル10が外れることが防止される。また、2連分のステープル10が装填されても、別のカバーを設けることなく、装填されたステープル10の上下方向の移動が規制される。
更に、マガジン2Aは、それぞれのマガジン側壁20bの先端側が内側に向けて折り曲げられることで、対向するマガジン側壁20bの先端を塞ぐ形態でマガジン前壁20cが構成される。また、マガジン2Aは、マガジン底面20aの先端側でマガジン前壁20cの下部に、1本に分離されたステープル10が通る寸法で開口部20eが設けられる。
これにより、マガジン2Aでは、ステープル10の線幅方向に沿った先端がマガジン前壁20cに押圧されることで、ステープル10の前後方向の位置が規制され、最先端の1本のステープル10の位置が規制される。
マガジン2Aは、上ハンドル7を閉位置で保持する係止凸部21を備える。係止凸部21は、対向するマガジン側壁20bから外側に向けて突出し、上ハンドル7の係止凸部72が係止される。
また、マガジン2Aは、下ハンドル8を閉位置で保持する係止凹部22を備える。係止凹部22は、対向するマガジン側壁20bに開口を設けて構成され、下ハンドル8の係止凸部84bが係止される。
更に、マガジン2Aは、上ハンドル7を係止凸部21に係止する動作で上ハンドル7に掛かる荷重を調整する開口部23を備える。開口部23は、マガジン側壁20bの係止凸部21が設けられる部位が、所望の荷重で変形するように、対向するマガジン側壁20bに開口を設けて構成される。
マガジン2Aは、ステープル10の装填の有無及び残数の目安を確認可能とする確認窓部24を備える。確認窓部24は、マガジン2Aに装填されたステープル10が見えるように、対向するマガジン側壁20bの先端側に、本例では長穴形状の開口を設けて構成される。
マガジン2Aは、軸81が挿入される穴部25を備える。穴部25は、対向するマガジン側壁20bの後端側に、軸81の径に合わせた円形の貫通穴を設けて構成される。
マガジン2Aは、プッシャガイド5Aを移動可能に支持する第1の支持部26aと第2の支持部26bを備える。第1の支持部26aは、マガジン2Aの先端側において、マガジン底面20aからマガジン2Aの内側に突出し、かつ、マガジン2Aの後方に向けて突出する突起が、マガジン底面20aと突起との間に所定の隙間が形成される形状で設けられ、本例では、マガジン底面20aを構成する板材の一部が曲げ起こされて一体に構成される。
第2の支持部26bは、マガジン2Aの後端側において、マガジン底面20aからマガジン2Aの内側に突出し、かつ、マガジン2Aの後方に向けて突出する突起が、マガジン底面20aと突起との間に所定の隙間が形成される形状で設けられ、本例では、マガジン底面20aを構成する板材の一部が曲げ起こされて一体に構成される。
マガジン2Aは、プッシャガイド5Aを固定する支持穴部27を備える。支持穴部27は、第2の支持部26bよりマガジン2Aの後端側において、マガジン底面20aに所定形状の穴部を設けて構成される。
<本実施の形態のプッシャの構成例>
図13〜図17は、本実施の形態のマガジン組立体を構成するプッシャの一例を示し、次に、各図を参照して、本実施の形態のプッシャ3Aについて説明する。
ここで、図13は、本実施の形態のプッシャの一例を示す平面図、図14は、本実施の形態のプッシャの一例を示す側面図、図15は、本実施の形態のプッシャの一例を示す側断面図である。また、図16は、本実施の形態のプッシャの一例を示す正面図、図17は、本実施の形態のプッシャの一例を示す背面図である。
プッシャ3Aは、ステープル10を押圧する押圧部30aと、プッシャバネ4が係止されるプッシャバネ係止部30bと、プッシャガイド5Aにガイドされるガイド溝31を備える。
また、プッシャ3Aは、プッシャバンド9が係止されるバンド係止部32と、バンド係止部32に係止されたプッシャバンド9がプッシャ3Aから外れることを防止するバンド抜け止め部33を備える。
押圧部30aは、プッシャ3Aの先端側の左右両側から前方に突出する形状で構成され、ステープル10の2本の針足10bを押圧する。プッシャバネ係止部30bは、プッシャ3Aの一方の側面の内側に、プッシャバネ4の一方の端部が掛けられる突起を設けて構成される。ガイド溝31は、プッシャガイド5Aを覆うプッシャ3Aの左右の側面の内側に、プッシャ3Aの移動方向に沿った凹状の溝を設けて構成される。
バンド係止部32は、プッシャ3Aの上面に突出し、プッシャバンド9の第1の係止穴部90が挿入される係止凸部32aと、係止凸部32aの上端から前方に突出し、プッシャバンド9の第1の係止穴部90が係止凸部32aから外れることを防止する抜け止め防止凸部32bを備える。
バンド抜け止め部33は、バンド係止部32より前方でプッシャ3Aの上面に突出し、プッシャバンド9が突き当てられる突き当て凸部33aと、突き当て凸部33aの上端から後方に突出し、プッシャバンド9の先端が突き当て凸部33aから外れることを防止する抜け止め防止凸部33bを備える。
<第1の実施の形態のプッシャガイドの構成例>
図18〜図23は、本実施の形態のマガジン組立体を構成するプッシャガイドの一例を示し、次に、各図を参照して、第1の実施の形態のプッシャガイド5Aについて説明する。
ここで、図18は、第1の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す平面図、図19は、第1の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す側面図、図20は、第1の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す側断面図である。
また、図21は、第1の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す底面図、図22は、第1の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す正面図、図23は、第1の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す背面図である。
プッシャガイド5Aは、プラスチック等の樹脂材料で構成され、マガジン2Aの長手方向に沿って延在する。プッシャガイド5Aは、マガジン2Aに対して長手方向に沿った前後方向に移動可能な可動部50と、マガジン2Aに対して固定される固定部51を備える。
また、プッシャガイド5Aは、プッシャ3Aをガイドするガイド凸部50aを備える。ガイド凸部50aはガイド部の一例で、プッシャガイド5Aの可動部50の左右の側部から外側に向けて突出し、プッシャ3Aのガイド溝31が移動可能に嵌まる凸部が、プッシャガイド5Aの長手方向に沿って一体に設けられる。
プッシャガイド5Aは、左右のガイド凸部50aの幅が、ステープル10の針クラウン10aの内幅より狭く構成され、ガイド凸部50aとマガジン側壁20bとの間に、ステープル10の針足10bが挿入可能な空間が設けられる。
プッシャガイド5Aは、ドライバ6で1本に分離されたステープル10を、マガジン前壁20cに押圧するステープルガイド部52を備える。ステープルガイド部52は、ステープル10の針クラウン10aの内幅より若干短い幅を有し、マガジン2Aのマガジン前壁20cと対向して、プッシャガイド5Aの可動部50の前端部に一体に設けられる。ステープルガイド部52は、マガジン前壁20cとの間隔が、ステープル10の打ち出し方向に沿って開口部20e側が狭くなる方向に傾斜する。
プッシャガイド5Aは、ステープル10の針足10bを幅方向にガイドする幅ガイド部52aを備える。幅ガイド部52aは、ステープルガイド部52の左右両側の下端に設けられる。幅ガイド部52aは、ステープルガイド部52から左右に突出し、左右一対の幅ガイド部52aの外寸が、ステープル10の針クラウン10aの内寸と略同じ幅あるいは若干広い幅で構成される。
プッシャガイド5Aは、マガジン2Aに対する移動を規制する軸当て部51aを備える。軸当て部51aは、プッシャガイド5Aの後端側の固定部51に、マガジン2Aの穴部25に挿入された軸81と当接する段差を設けて構成される。
プッシャガイド5Aは、ステープルガイド部52をマガジン前壁20c方向に押圧するバネ部53を備える。バネ部53は、プッシャガイド5Aの後端側で可動部50と固定部51の間に、樹脂材料で構成されるプッシャガイド5Aの一部が長手方向に沿って弾性変形し得る形状を設けて構成される。
プッシャガイド5Aは、マガジン2Aに可動部50を移動可能に係止する第1の係止部50b及び第2の係止部50cを備える。第1の係止部50bは、マガジン底面20aに設けられた第1の支持部26aに係止される突起を、プッシャガイド5Aの可動部50の前端側の底面に設けて構成される。また、第2の係止部50cは、マガジン底面20aに設けられた第2の支持部26bに係止される突起を、バネ部53より前方でプッシャガイド5Aの可動部50の後端側の底面に設けて構成される。
プッシャガイド5Aは、第1の係止部50bと第2の係止部50cが、プッシャガイド5Aの前方に向けて突出する形状で設けられる。プッシャガイド5Aは、第1の係止部50bが第1の支持部26aに係止され、第2の係止部50cが第2の支持部26bに係止されることで、マガジン2Aに対して可動部50が長手方向に沿った前後方向に移動可能な状態で取り付けられる。
プッシャガイド5Aは、マガジン2Aに固定部51を固定する係止凸部51bを備える。係止凸部51bは、マガジン底面20aに設けられた支持穴部27に挿入される突起を、バネ部53より後方でプッシャガイド5Aの後端側の固定部51の底面に設けて構成される。
プッシャガイド5Aは、プッシャバネ4が係止されるプッシャバネ係止部54aと、プッシャバネ4をガイドするプッシャバネガイド部54bを備える。プッシャバネ係止部54aは、プッシャガイド5Aの後端側の固定部51の一方の側面に、プッシャバネ4の他方の端部が掛けられる突起を設けて構成される。プッシャバネガイド部54bはバネガイド部の一例で、プッシャガイド5Aの可動部50の底面側に、可動部50の先端側でプッシャバネ4をU状に折り返す凸部を設けて構成される。
マガジン組立体11Aでは、プッシャガイド5Aの可動部50の第1の係止部50bが、マガジン2Aの第1の支持部26aに係止され、第2の係止部50cが、第2の支持部26bに係止される。また、プッシャガイド5Aの固定部51の係止凸部51bが、マガジン2Aの支持穴部27に挿入される。
そして、マガジン2Aの穴部25に軸81が挿入されると、プッシャガイド5Aの固定部51の軸当て部51aが軸81に当たる。これにより、プッシャガイド5Aの固定部51は、マガジン2Aに対して軸当て部51aで上下回転、係止凸部51bで前後左右への移動が規制され、マガジン2Aに固定される。
プッシャガイド5Aは、マガジン2Aの穴部25に挿入された軸81と軸当て部51aが当接する状態で、ステープルガイド部52の下端がマガジン前壁20cと接する。
また、プッシャガイド5Aは、マガジン2Aの穴部25に挿入された軸81と軸当て部51aが当接する状態では、バネ部53の変形で可動部50が前後方向に移動しても、第1の係止部50bがマガジン2Aの第1の支持部26aから外れることはない。同様に、第2の係止部50cがマガジン2Aの第2の支持部26bから外れることはない。
<本実施の形態のドライバの構成例>
次に、各図を参照して、本実施の形態のドライバ6について説明する。ドライバ6は、ステープル10を打ち出すドライバ部60と、上ハンドル7に対してマガジン2Aを復元させるマガジンリターンバネ61aと、上ハンドル7及びマガジン2Aに対して下ハンドル8を復元させる下ハンドルリターンバネ61bを備える。
また、ドライバ6は、プッシャバンド9が係止されるバンド係止部62と、バンド係止部62に係止されたプッシャバンド9がドライバ6から外れることを防止するバンド抜け止め部63を備える。
ドライバ6は、上ハンドル7の下面に取り付けられ、ドライバ部60が上ハンドル7の先端側から下方に突出する。ドライバ部60は、ステープル10の針クラウン10aの外幅と略同等の幅を有すると共に、ステープル10の線幅と略同等の板厚を有し、マガジン2Aの対向するマガジン側壁20bの間に、マガジン前壁20cに沿って挿入される。
ドライバ6は、マガジンリターンバネ61aと下ハンドルリターンバネ61bが、上ハンドル7の後端側から下方に突出する。マガジンリターンバネ61aは、上ハンドル7を閉じた状態でマガジン2Aの一方のマガジン側壁20bに接触し、上ハンドル7と下ハンドル8を握る動作で押圧される。また、下ハンドルリターンバネ61bは、下ハンドル8を閉じた状態で下ハンドル8の一方の側壁部84と接触し、上ハンドル7と下ハンドル8を握る動作で押圧される。
バンド係止部62は、ドライバ6を貫通する穴部64に突出し、プッシャバンド9の第2の係止穴部91が挿入される。バンド抜け止め部63は、穴部64の他の辺で構成され、バンド係止部62より前方でドライバ6の面から突出する。
<本実施の形態のマガジン組立体の組立工程例>
次に、各図を参照して、本実施の形態のマガジン組立体11Aの組立工程について説明する。
まず、プッシャガイド5Aにプッシャ3Aが取り付けられる。プッシャ3Aは、ガイド溝31がプッシャガイド5Aのガイド凸部50aに嵌められることで、プッシャガイド5Aに沿って移動可能に取り付けられる。
次に、プッシャガイド5Aとプッシャ3Aにプッシャバネ4が取り付けられる。プッシャバネ4は、一方の端部がプッシャ3Aのプッシャバネ係止部30bに掛けられる。また、プッシャバネ4は、プッシャガイド5Aのプッシャバネガイド部54bでU状に折り返され、他方の端部がプッシャガイド5Aのプッシャバネ係止部54aに掛けられる。
プッシャ3A及びプッシャバネ4が取り付けられたプッシャガイド5Aは、マガジン2Aに取り付けられる。プッシャガイド5Aは、マガジン2Aの後端側から入れられ、プッシャガイド5Aの可動部50の第1の係止部50bが、マガジン2Aの第1の支持部26aに係止され、第2の係止部50cが、第2の支持部26bに係止される。また、プッシャガイド5Aの固定部51の係止凸部51bが、マガジン2Aの支持穴部27に挿入される。
上述したように組み立てられたマガジン組立体11Aは、下ハンドル8の軸穴部84aとマガジン2Aの穴部25、及び上ハンドル7の軸穴部73の位置が合わせられ、各穴部を通して軸81が圧入される。
マガジン2Aの穴部25に軸81が挿入されると、プッシャガイド5Aの固定部51の軸当て部51aが軸81に当たる。これにより、プッシャガイド5Aは、固定部51が前後方向への移動が規制されて、マガジン2Aに固定される。
プッシャガイド5Aは、ステープルガイド部52が設けられた可動部50が、バネ部53を伸縮させることで前後に移動する。そして、プッシャガイド5Aは、マガジン2Aの穴部25に挿入された軸81と軸当て部51aが当接する状態で、ステープルガイド部52の下端がマガジン前壁20cと接し、バネ部53が圧縮されて、ステープルガイド部52がマガジン前壁20cに押圧される。
<本実施の形態のステープラの動作例>
図24は、本実施の形態のステープラにおけるステープルの打ち出し動作の一例を示す動作説明図であり、次に、各図を参照して、本実施の形態のステープラ1Aの動作について説明する。
ステープラ1Aは、マガジン2Aと下ハンドル8のクリンチャ80の間に用紙Pが入れられ、上ハンドル7と下ハンドル8を握る動作で、マガジン2Aとクリンチャ80の間に用紙Pが挟持される。マガジン2Aとクリンチャ80の間に用紙Pが挟持された状態で、更に上ハンドル7と下ハンドル8が握られると、ドライバ6のドライバ部60がマガジン2Aのマガジン前壁20cに沿って下降し、ドライバ部60でステープル10が押圧される。
マガジン2Aに装填されたステープル10がドライバ部60で押圧されると、ステープル10の先頭の1本は、マガジン2Aの開口部20e上に位置し、2本目以降はマガジン底面20a上に載置された状態であるので、1本目のステープル10にせん断力が加わり分離する。
ドライバ部60で押圧されて1本に分離されたステープル10は、図24(a)に示すように、マガジン前壁20cとステープルガイド部52との間に入る。プッシャガイド5Aは、ステープルガイド部52が設けられた可動部50が、バネ部53によって前方に押圧されており、ステープル10を打ち出している行程以外では、ステープルガイド部52の下端がマガジン前壁20cに接している。
これにより、ドライバ部60で押圧される1本に分離されたステープル10は、針クラウン10aでステープルガイド部52を押し、バネ部53を縮める方向に弾性変形させて、図24(b)に示すように、プッシャガイド5Aの可動部50を矢印R方向に後退させる。
プッシャガイド5Aの可動部50を後退させることで、ステープルガイド部52とマガジン前壁20cとの間に入るステープル10は、バネ部53によって、針クラウン10aがステープルガイド部52でマガジン前壁20cに押圧され、ステープルガイド部52とマガジン前壁20cとの間に、1本に分離されたステープル10の針クラウン10aが前後に動ける隙間は生じない。
これにより、ステープル10の針足10bの先端が、用紙Pに着地して貫通を始める前に、ステープル10の姿勢が変化して、針足10bの先端がクリンチャ80から外れる方向に流れる動きを抑えることができる。
また、ドライバ部60により打ち出される1本に分離されたステープル10には、針クラウン10aが押し上げられる方向の力が加えられ、ドライバ部60の押圧によって、針クラウン10aの中央付近が下方に向けて撓むような変形を防止することができる。
針クラウン10aがステープルガイド部52でガイドされる区間にあるステープル10は、2本の針足10bの間隔が、幅ガイド部52aでガイドされることで、左右方向のガイドを幅ガイド部52aで行うことができ、針足10bが内側に向けて撓むような変形を防ぐことができる。これにより、2本の針足10bの間隔が変化して、針足10bの先端がクリンチャ80から外れる方向に流れる動きを抑えることができる。
ドライバ部60で押圧されるステープル10は、図24(c)に示すように、プッシャガイド5Aの可動部50を更に後退させて、針クラウン10aがステープルガイド部52を通過する。
針クラウン10aがステープルガイド部52を通過する段階で、ステープル10は、針足10bが用紙Pを貫通するので、幅ガイド部52aでの幅方向のガイドが無くても、ステープル10の姿勢が変化することを防止できる。
用紙Pを貫通したステープル10は、針足10bがクリンチャ80で曲げられて、用紙Pが綴じられる。
<本実施のステープラの作用効果例>
本実施の形態のステープラ1Aでは、プッシャガイド5Aは、ステープルガイド部52とバネ部53が一体に構成される。これにより、単一の部品で、プッシャ3Aをガイドする機能と、ステープル10をガイドする機能を持たせることができ、コストダウンを図ることができる。また、上述したようにステープル10をガイドする機能を持つことで、ステープル10の針足10bがクリンチャ80から外れることが防止され、ステープル10で確実に用紙を綴じることができる。
更に、プッシャガイド5Aをマガジン2Aに取り付ける工程で、ステープルガイド部52及びバネ部53が一体で取り付けられることになるので、組立工数、組立時間も減少し、コストダウンを図ることができる。
ステープラ1Aは、軸81を支点として上ハンドル7を開く動作で、プッシャバンド9によりプッシャ3Aが引かれて退避し、プッシャ3Aとマガジン前壁20cとの間に、ステープル10が装填可能な空間が形成される。
プッシャバネ4は、プッシャガイド5Aのプッシャバネガイド部54bでガイドされることで、マガジン2A内のステープル10が装填される空間には、プッシャバネ4は露出しない。
これにより、マガジン2Aに対してステープル10を装填あるいは取り出す動作で、ステープル10の針足10bが、プッシャガイド5Aとマガジン側壁20bとの間の空間でガイドされ、ステープル10がプッシャバネ4に引っ掛かることが防止される。
また、プッシャガイド5Aは、第1の係止部50bがマガジン2Aの第1の支持部26aに係止され、第2の係止部50cが第2の支持部26bに係止される。これにより、上ハンドル7を開く動作でプッシャ3Aを退避させることで、プッシャガイド5Aが持ち上げられる方向の力が掛かっても、プッシャガイド5Aがマガジン2Aから外れることが防止されると共に、プッシャガイド5Aが大きく変形することが防止される。
一般的に、針足の短いステープルが装填される小型のステープラでは、マガジンの底面でステープルを支持して、ステープルにせん断力が与えられる構成であり、マガジンにステープルのガイドを設ける構成でも、ガイドに強度が要求されない。一方、針足の長いステープルと針足の短いステープルの両方を装填可能としたような中型以上のステープラでは、ステープルの針クラウンをガイドで支持している構成が多い。このため、ガイドに強度が要求される。
本実施の形態のステープラ1Aでは、ステープル10はマガジン底面20aで支持される構成で、ドライバ6による打ち出しで、ステープル10を1本に分離するせん断力が加わっても、プッシャガイド5Aには強い力が掛からない。このため、プッシャガイド5Aは、プラスチック等の樹脂材料で、ステープルガイド部52及びバネ部53等を一体に成型することが可能である。
<第2の実施の形態のプッシャガイドの構成例>
図25〜図30は、本実施の形態のマガジン組立体を構成するプッシャガイドの他の例を示し、次に、各図を参照して、第2の実施の形態のプッシャガイド5Bについて説明する。
ここで、図25は、第2の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す平面図、図26は、第2の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す側面図、図27は、第2の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す側断面図である。
また、図28は、第2の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す底面図、図29は、第2の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す正面図、図30は、第2の実施の形態のプッシャガイドの一例を示す背面図である。
上述した第1の実施の形態のプッシャガイド5Aでは、バネ部53を長手方向の後端側に設ける構成としたが、第2の実施の形態のプッシャガイド5Bでは、バネ部を前端側に設ける構成としたものである。
すなわち、プッシャガイド5Bは、プラスチック等の樹脂材料で構成され、図10等に示すマガジン2Aの長手方向に沿って延在する。プッシャガイド5Bは、マガジン2Aに対して長手方向に沿った前後方向に移動可能な可動部55と、マガジン2Bに対して固定される固定部56を備える。
また、プッシャガイド5Bは、図15等に示すプッシャ3Aをガイドするガイド凸部56aを備える。ガイド凸部56aはガイド部の一例で、プッシャガイド5Bの固定部56の左右の側部から外側に向けて突出し、プッシャ3Aのガイド溝31が移動可能に嵌まる凸部が、プッシャガイド5Bの長手方向に沿って一体に設けられる。
プッシャガイド5Bは、左右のガイド凸部56aの幅が、図1に示すステープル10の針クラウン10aの内幅より狭く構成され、ガイド凸部56aとマガジン側壁20bとの間に、ステープル10の針足10bが挿入可能な空間が設けられる。
プッシャガイド5Bは、図1に示すドライバ6で1本に分離されたステープル10を、マガジン前壁20cに押圧するステープルガイド部57を備える。ステープルガイド部57は、ステープル10の針クラウン10aの内幅より若干短い幅を有し、マガジン2Aのマガジン前壁20cと対向して、プッシャガイド5Bの可動部55の前端部に一体に設けられる。ステープルガイド部57は、マガジン前壁20cとの間隔が、ステープル10の打ち出し方向に沿って開口部20e側が狭くなる方向に傾斜する。
プッシャガイド5Bは、ステープル10の針足10bを幅方向にガイドする幅ガイド部57aを備える。幅ガイド部57aは、ステープルガイド部57の左右両側の下端に設けられる。幅ガイド部57aは、ステープルガイド部57から左右に突出し、左右一対の幅ガイド部57aの外寸が、ステープル10の針クラウン10aの内寸と略同じ幅あるいは若干広い幅で構成される。
プッシャガイド5Bは、マガジン2Aに対する移動を規制する軸当て部56bを備える。軸当て部56bは、プッシャガイド5Bの後端側の固定部56に、マガジン2Aの穴部25に挿入された軸81と当接する段差を設けて構成される。
プッシャガイド5Bは、ステープルガイド部57をマガジン前壁20c方向に押圧するバネ部58を備える。バネ部58は、プッシャガイド5Bの前端側で可動部55と固定部56の間に、樹脂材料で構成されるプッシャガイド5Bの一部が長手方向に沿って弾性変形し得る形状を設けて構成される。
プッシャガイド5Bは、マガジン2Aに固定部56を係止する第1の係止部56c及び第2の係止部56dcを備える。第1の係止部56cは、マガジン底面20aに設けられた第1の支持部26aに係止される突起を、バネ部58より後方でプッシャガイド5Bの固定部56の前端側の底面に設けて構成される。また、第2の係止部56dは、マガジン底面20aに設けられた第2の支持部26bに係止される突起を、プッシャガイド5Bの固定部56の後端側の底面に設けて構成される。
プッシャガイド5Bは、マガジン2Aに固定部56を固定する係止凸部56eを備える。係止凸部56eは、マガジン底面20aに設けられた支持穴部27に挿入される突起を、プッシャガイド5Bの後端側の固定部56の底面に設けて構成される。
プッシャガイド5Bは、プッシャバネ4が係止されるプッシャバネ係止部59aと、プッシャバネ4をガイドするプッシャバネガイド部59bを備える。プッシャバネ係止部59aは、プッシャガイド5Bの後端側の固定部56の一方の側面に、プッシャバネ4の他方の端部が掛けられる突起を設けて構成される。プッシャバネガイド部59bはバネガイド部の一例で、プッシャガイド5Bの固定部56の底面側に、固定部56の先端側でプッシャバネ4をU状に折り返す凸部を設けて構成される。
第2の実施の形態のプッシャガイド5Bでも、ステープルガイド部57とバネ部58が一体に構成される。これにより、単一の部品で、プッシャ3Aをガイドする機能と、ステープル10をガイドする機能を持たせることができ、コストダウンを図ることができる。また、ステープル10をガイドする機能を持つことで、ステープル10で確実に用紙を綴じることができる。
更に、プッシャガイド5Bをマガジン2Aに取り付ける工程で、ステープルガイド部57及びバネ部58が一体で取り付けられることになるので、組立工数、組立時間も減少し、コストダウンを図ることができる。