JP5870167B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空調装置及び空調システムに関する。
従来、データセンターには、サーバ等の情報処理装置を搭載したIT(Information Technology)ラックが設置されている。このITラックに搭載された情報処理装置は、電力を消費し、消費した電力に相当する熱を発生する。このような熱を放置した場合、情報処理装置の異常を招くことになるので、データセンターでは、空調装置によって情報処理装置を冷却している。
例えば、ITラックに搭載された情報処理装置は、ベース空調装置によって床下から送風された冷たい空気を吸入し、吸入した冷たい空気によって自装置を冷却する。そして、情報処理装置は、自装置から熱を奪うことで暖められた空気を排出する。続いて、空調装置は、情報処理装置から排出された暖められた空気を吸入し、吸入した空気を冷却して再び床下から冷たい空気を送風する。
近年、データセンターでは、処理能力が向上したブレードサーバ等を複数台搭載したITラックを設置する機会が増えている。ブレードサーバの発熱量は、処理能力向上に伴って高くなり、ベース空調装置だけではブレードサーバを充分に冷却しきれない場合がある。このようなブレードサーバ等を搭載したITラックの上部や側部などの近傍にタスク空調装置を設けることで発熱量の高い情報処理装置を冷却するデータセンターが開示されている。
図9を用いて、タスク空調装置による情報処理装置の冷却について説明する。図9は、従来技術に係る空調システムの構成を説明する図である。タスク空調装置は、ITラックから排出された空気を吸入し、吸入した空気を冷却する。そして、タスク空調装置は、冷却した空気を再びITラックに送風することで局所的に循環する空気流領域を形成する。このようにして、タスク空調装置は、ベース空調装置が送風する冷たい空気を補うことで、発熱量の高い情報処理装置を冷却する。
特表2006−526205号公報 特表2008−502082号公報 特開2006−114669号公報
しかしながら、従来の技術では、情報処理装置を効率的に冷却することができないという課題があった。具体的には、タスク空調装置は、吸入する空気の温度と排出する空気の温度差である吸排気温度差(ΔTlac)が10〜15℃になるような固定風量で運転されているので、吸入する空気の熱負荷が高い場合にはタスク空調装置の冷却能力を超える場合がある。
例えば、情報処理装置を搭載するITラックの吸排気温度差(ΔTit)は、7〜15℃で設計されているが、低騒音化や低消費電力化を意図して設計された情報処理装置を搭載するITラックの吸排気温度差(ΔTit)は15℃を超える場合がある。このようにΔTit>ΔTlacとなる場合、タスク空調装置が吸入する熱負荷は、タスク空調装置の冷却能力を超えてしまう。この結果、タスク空調装置は、吸入した空気を充分に冷却できず、排出する熱を局所的に滞留させるホットスポットを生じる。そして、ITラックは、通常よりも温度の高い空気を吸入することになり、情報処理装置を充分に冷却できない。
また、タスク空調装置の台数を増やし、発熱量が大きいITラックを冷却することで、ホットスポットの発生を回避することができる。しかし、この方法は、ベース空調装置の冷却能力に余力がある場合に、ベース空調装置の負荷率を下げてしまい、結果的に空調効率を悪化させることになる。すなわち、情報処理装置を効率的に冷却することができるとは言いがたい。
1つの側面では、情報処理装置を効率的に冷却することができる空調装置及び空調システムを提供することを目的とする。
第1の案では、空調装置は、情報処理装置から排出された空気を吸入し、吸入された空気を冷却して排出する。また、空調装置は、冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却能力が上限値を超えているか否かを判定し、冷却能力が上限値を超えていると判定された場合に、排出する空気量を減少させる。
情報処理装置を効率的に冷却することができる。
図1は、実施例1に係る空調システムの構成を説明する図である。 図2は、実施例1に係るタスク空調装置の構成を示すブロック図である。 図3は、実施例1に係るタスク空調装置による処理の処理手順を示すフローチャートである。 図4は、実施例2に係る空調システムの構成を説明する図である。 図5は、実施例2に係るタスク空調装置の構成を示すブロック図である。 図6は、実施例2に係るタスク空調装置による処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、実施例3に係る空調システムの構成を説明する図である。 図8は、空調制御プログラムを実行するコンピュータシステムを示す図である。 図9は、従来技術に係る空調システムの構成を説明する図である。
以下に、本願の開示する空調装置及び空調システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[空調システムの構成]
まず、図1を用いて、実施例1に係る空調システムの構成を説明する。図1は、実施例1に係る空調システムの構成を説明する図である。図1に示すように、空調システム1は、床下フロア2と床上フロア3と天井フロア4とを有する。
床下フロア2には、床下フロア2から床上フロア3への通気口である床下開口部2aが設けられる。また、天井フロア4には、床上フロア3から天井フロア4への通気口である天井開口部4aと開口部4bとが設けられる。そして、床上フロア3には、ITラック5と、高発熱型ITラック6と、ベース空調装置7と、タスク空調装置10とが配置される。
ITラック5は、内部に複数のサーバ5a〜5eを搭載する装置である。サーバ5aはベース空調装置7によって、送風された冷たい空気Aを吸入し、自装置が有する電子回路等を冷却する。そして、サーバ5aは、自装置から熱を奪うことで暖められた空気Bを排出する。なお、サーバ5b〜5eについては、サーバ5aと同様であるので説明を省略する。
高発熱型ITラック6は、内部に複数のブレードサーバ6a〜6cを搭載する装置である。ブレードサーバ6aは、筐体内に薄型のサーバを高密度に配置したサーバであり、サーバ5a〜5eよりも処理性能が高く、高い熱を発生する。このブレードサーバ6aは、ベース空調装置7によって冷却されるだけでなく、タスク空調装置10によっても冷却される。具体的には、ブレードサーバ6aは、ベース空調装置7によって送風された冷たい空気Cとタスク空調装置10によって形成された、局所的に循環する空気流領域から冷たい空気Dとを吸入し、自装置が有する電子回路等を冷却する。そして、ブレードサーバ6aは、自装置から熱を奪うことで暖められた空気Eを排出する。なお、ブレードサーバ6b〜6cについては、ブレードサーバ6aと同様であるので説明を省略する。
ベース空調装置7は、天井フロア4から送風された空気F及びGを吸入して冷却し、冷却した空気Hを床下フロア2に送風する。例えば、ベース空調装置7は、冷却能力の上限値以下の熱負荷で運転しており、熱負荷の増加に応じて冷却能力の上限値まで吸入した空気を冷却する。ベース空調装置7によって送風された空気Hは、床下開口部2aを通じて、床上フロア3に送風され、ITラック5及び高発熱型ITラック6へ送風される。また、ITラック5及び高発熱型ITラック6から排出された空気は、天井開口部4a及び4bを通じて天井フロア4からベース空調装置7へ吸入され、冷却される。このようにして、ベース空調装置7は、ITラック5が搭載するサーバ5a〜5eや高発熱型ITラック6が搭載するブレードサーバ6a〜6cを冷却する。ここで、ベース空調装置7は、請求項7における、複数のITラックに共通に設けられた第二の空調装置の一例である。
タスク空調装置10は、高発熱型ITラック6から排出される空気Eを吸入し、吸入した空気を冷却する。そして、タスク空調装置10は、冷却した空気Dを高発熱型ITラック6に送風することで局所的に循環する空気流領域を形成する。タスク空調装置10は、このよう局所的に循環する空気流領域を形成することで、ブレードサーバ6a〜6cを冷却する。
このような空調システム1において、タスク空調装置10は、ブレードサーバ6a〜6cから排出された空気を吸入し、吸入された空気を冷却して排出する。また、タスク空調装置10は、冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する。ここで、冷却能力が上限値を超えている場合とは、タスク空調装置10が吸入した空気から奪う熱量が冷却能力を超えた場合である。言い換えると、熱負荷が冷却能力を超えた場合である。そして、タスク空調装置10は、冷却能力が上限値を超えていると判定された場合に、排出する空気Dの量を減少させることで、ホットスポットの発生を抑止し、効率的にサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を冷却する。
具体的には、タスク空調装置10によって排出される空気量が減少させられた場合、ベース空調装置7が吸入する空気Fの温度が上昇することになる。ここで、ベース空調装置7は、冷却能力に余剰があるので、余剰の冷却能力を用いて吸入した空気Fを冷却する。すなわち、ベース空調装置7の熱負荷は増加する。そして、ベース空調装置7は、冷却した空気Hを排出し、床下開口部2aを通じて、ITラック5及び高発熱型ITラック6へ送風する。
そして、高発熱型ITラック6に搭載されたブレードサーバ6a〜6cは、ベース空調装置7から送風された空気Cとタスク空調装置10から送風された空気Dとを吸入する。ここで、空気Dの量が減少しているので、ブレードサーバ6a〜6cが吸入する空気C及び空気Dの温度は、冷却能力が上限値を超えていると判定された時よりも低下するので、ブレードサーバ6a〜6cが排出する空気Eの温度も低下する。したがって、タスク空調装置10が吸入する空気Eの温度も低下するので、タスク空調装置10は、熱負荷を軽減することができる。これによって、タスク空調装置10は、排出する空気の温度を低下させるので、ホットスポットの発生を抑止できる。
このようにして、空調システム1は、タスク空調装置10の冷却能力が上限値を超えた場合、すなわち、熱負荷が所定の閾値を超えると、排出する空気Dの量を減少させることで、タスク空調装置10が排出する空気の温度を低下させる。この結果、タスク空調装置10は、ホットスポットの発生を抑止するので、効率的にサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を冷却することができる。
[実施例1に係るタスク空調装置の構成]
次に、図2を用いて、実施例1に係るタスク空調装置の構成を説明する。図2は、実施例1に係るタスク空調装置10の構成を示すブロック図である。実施例1に係るタスク空調装置10は、吸入部11と冷却部12と排出部13と熱負荷設定受付部14と記憶部20と制御部30とを有する。
吸入部11は、所定の圧力で空気を吸引し、吸引した空気を冷却部12へ送入する。冷却部12は、吸入部11によって送入された空気を冷却し、冷却した空気を排出部13へ送入する。排出部13は、冷却部12によって冷却された空気を所定の圧力によって排出する。例えば、排出部13は、25.7m/minで空気を排出する。また、排出部13は、図示していない温度センサと風速計を有する。温度センサは、排出部13が排出する空気の温度を計測し、風速計は、排出部13が排出する単位時間当たりの空気量を計測する。同様に、吸入部11は、温度センサを有し、吸入部11が吸入する空気の温度を計測する。
熱負荷設定受付部14は、タスク空調装置10の運転開始と終了の受付ける。例えば、熱負荷設定受付部14は、運転の開始を利用者から受付けた場合、制御部30に通知してタスク空調装置10の運転を開始させる。同様に、熱負荷設定受付部14は、運転の終了を利用者から受付けた場合、制御部30に通知してタスク空調装置10の運転を終了させる。
また、また、熱負荷設定受付部14は、タスク空調装置10の冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する値の設定を受付ける。例えば、熱負荷設定受付部14は、冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する値として熱負荷を判定する所定の閾値の設定を利用者から受付ける。また、この場合、設定受付部14は、制御部30に所定の閾値の設定を受付けた旨を通知して、記憶部20に受付けた値を記憶させる。また、熱負荷設定受付部14は、熱負荷を判定する所定の閾値の設定を受付けたことを負荷判定部31へ通知する。ここで、熱負荷設定受付部14は、タスク空調装置10の熱負荷を判定する閾値として冷却能力(kW)の最大値を受付ける。
記憶部20は、例えば、半導体メモリ素子、又はハードディスクなどの記憶装置であり、タスク空調装置10の熱負荷を判定する所定の閾値として冷却能力(kW)の最大値を記憶する。例えば、記憶部20は、閾値として「7.5kW」を記憶する。なお、この閾値の値は利用者によって任意に変更可能である。例えば、記憶部20は、最大の冷却能力に80%を乗じた値を閾値として設定してもよい。
また、記憶部20は、空調システム1において排出される空気量についての情報を記憶する。例えば、記憶部20は、ベース空調装置7の熱負荷(kW)及び最大の冷却能力(kW)を記憶する。具体的には、記憶部20は、ベース空調装置7の熱負荷が「12.5kW」であり、最大の冷却能力が「15kW」であることを記憶する。
制御部30は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有する。制御部30は、負荷判定部31と排出空気量制御部32とを有する。例えば、制御部30は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、又は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
負荷判定部31は、冷却部12の冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却部12の冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する。例えば、負荷判定部31は、冷却状況として、排出部12が排出する空気量と、排出部12が排出する空気の温度と、吸入部11が吸入する空気の温度の差とを用いて熱負荷を算出する。そして、負荷判定部31は、算出した熱負荷が所定の閾値を超えた場合に、冷却部12の冷却能力が上限値を超えていると判定する。以下では、(1)負荷判定部31による熱負荷の算出、(2)負荷判定部31により算出した熱負荷が所定の閾値を超えたか否かの判定について順番に説明する。
(1)負荷判定部31による熱負荷の算出
例えば、負荷判定部31は、熱負荷を判定する所定の閾値の設定を受付けたことを熱負荷設定受付部14から通知された場合、熱負荷(Plac(W))を以下の式(1)にしたがって算出する。ここで、式(1)は、「Plac=ρ・Cp・Qlac・(Tlac_in−Tlac_out)」である。式(1)において、Qlac(m/s)は、タスク空調装置10が排出する空気量である。Tlac_out(℃)は、タスク空調装置10が排出する空気の温度である。Tlac_in(℃)は、タスク空調装置10が吸入する空気の温度である。また、ρ(kg/m)は、空気の密度である。また、Cp(J/kg・℃)は、空気の低圧比熱である。
式(1)において、ρ及びCpは定数であるので、タスク空調装置10は、QlacとTlac_outとTlac_inを計測することによって熱負荷を算出することができる。すなわち、タスク空調装置10は、排出する空気量と排出する空気の温度と吸入する空気の温度とを計測することによって熱負荷を算出する。
すなわち、負荷判定部31は、吸入部11が有する温度センサからTlac_inを計測し、排出部13が有する温度センサからTlac_outを計測する。また、負荷判定部31は、排出部13が有する風速計から、排出する空気量を計測する。負荷判定部31は、これらの計測値と式(1)とから熱負荷を算出する。
(2)負荷判定部31による算出した熱負荷が所定の閾値を超えたか否かの判定
続いて、負荷判定部31は、算出した熱負荷が所定の閾値を超えたか否かを判定する。例えば、負荷判定部31は、記憶部20に格納された所定の閾値を読み出し、算出した熱負荷と比較する。ここで、負荷判定部31は、算出した熱負荷が所定の閾値よりも大きい場合には、冷却能力が上限値を超えていると判定し、排出空気量制御部32に通知する。一方、負荷判定部31は、算出した熱負荷が所定の閾値よりも小さい場合には、冷却能力が上限値を超えていないと判定し、引き続き、熱負荷の算出を実行する。
また、負荷判定部31は、排出空気量制御部32によって排出する空気量を減少させた場合、所定の時間が経過したか否かを判定する。そして、負荷判定部31は、所定の時間が経過したと判定した場合、熱負荷が所定の閾値を超えたか否かを判定する処理を実行する。一方、負荷判定部31は、所定の時間が経過していないと判定した場合、所定の時間が経過するまで待機する。
排出空気量制御部32は、負荷判定部31によって冷却部12の冷却能力が上限値を超えていると判定された場合に、排出部13が排出する空気量を減少させる。例えば、排出空気量制御部32は、ベース空調装置7の熱負荷の余剰分に相当する空気量を減少させる。具体的には、排出空気量制御部32は、ベース空調装置7の熱負荷に2.5kWの余剰があった場合には、排出する空気量を2.5kWに相当する量だけ減少させる。
[実施例1に係る空調装置による処理の処理手順]
次に図3を用いて、実施例1に係るタスク空調装置による処理の処理手順を説明する。図3は、実施例1に係るタスク空調装置10による処理の処理手順を説明するフローチャートである。
熱負荷設定受付部14は、運転開始を受付けた場合(ステップS101、Yes)、熱負荷を判定する閾値の設定を受付けたか否かを判定する(ステップS102)。そして、熱負荷設定受付部14によって熱負荷を判定する閾値の設定を受付けたと判定された場合(ステップS102、Yes)、負荷判定部31は、熱負荷を算出する(ステップS103)。すなわち、負荷判定部31は、吸入温度と排出温度と排出する空気量とを計測して式(1)から熱負荷を算出する。一方、熱負荷設定受付部14は、熱負荷を判定する閾値の設定を受付けていないと判定した場合(ステップS102、No)、熱負荷を判定する閾値の設定を受付けるまで待機する。
続いて、負荷判定部31は、算出した熱負荷が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS104)。なお、負荷判定部31は、熱負荷を判定する閾値の設定を受付けた後には、常時、熱負荷を算出する。ここで、負荷判定部31によって、熱負荷が所定の閾値を超えたと判定された場合(ステップS104、Yes)、排出空気量制御部32は、排出する空気量を所定量に減少させる(ステップS105)。
続いて、負荷判定部31は、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS106)。そして、負荷判定部31は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS106、Yes)、ステップS103に戻り熱負荷を算出する処理を実行する。一方、負荷判定部31は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS106、No)、所定の時間が経過するまで待機する。
また、負荷判定部31は、ステップS104の処理で、熱負荷が所定の閾値を超えていないと判定した場合(ステップS104、No)、運転終了を受付けたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、負荷判定部31は、運転終了を受付けたと判定した場合(ステップS107、Yes)、処理を終了する。一方、負荷判定部31は、運転終了を受付けていないと判定した場合(ステップS107、No)、ステップS103の処理へ移行し、以降の処理を実行する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、本実施例1では、空調システム1において、タスク空調装置10は、自装置で冷却できる熱負荷を超えた場合、ベース空調装置7が有する余剰の冷却能力に基づいて空気量の排出を減少する。これによって、タスク空調装置10は、自装置の熱負荷を軽減することができる。
また、ベース空調装置7は、タスク空調装置10が軽減した熱負荷を負担する。すなわち、タスク空調装置10が熱負荷を軽減させても、空調システム1の冷却能力は変化せず一定である。この結果、タスク空調装置10は、空調システムとしての空調効率を悪化させることなく、タスク空調装置10の熱負荷を軽減することができる。
実施例1では、ベース空調装置7に熱負荷の制限がなく、冷却能力の上限値までの熱負荷を処理できる場合について説明した。ところで、ベース空調装置は、省エネを理由に、冷却能力が上限値を超えないように制限されている場合がある。すなわち、ベース空調装置は、余剰な熱負荷を有さないように排出する空気量を制限されている場合がある。そこで、実施例2では、ベース空調装置に余剰な熱負荷を有さないように排出する空気量の制限されている状況下で、タスク空調装置の熱負荷が所定の閾値を超えた場合を説明する。
[実施例2に係る空調システムの構成]
まず、図4を用いて、実施例2に係る空調システムの構成を説明する。図4は、実施例2に係る空調システム40の構成を説明する図である。図4に示すように、空調システム40は、床下フロア2と床上フロア3と天井フロア4とを有する。なお、ここでは、図1に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一符号を付すことにしてその詳細な説明を省略する。
床上フロア3には、ITラック5と、高発熱型ITラック6と、ベース空調装置47と、タスク空調装置50とが配置される。ここで、ベース空調装置47とタスク空調装置50とは、ネットワーク49を介して通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク49は、例えば、LAN(Local Area Network)である。
ベース空調装置47は、実施例1に係るベース空調装置7の機能に加えて、排出空気量制御部47aを有する。排出空気量制御部47aは、タスク空調装置50から通知を受信した場合、熱負荷の制限を解除することで排出する空気量を増加させる。ここで、ベース空調装置47は、請求項7における、複数のITラックに共通に設けられた第二の空調装置の一例である。
タスク空調装置50は、実施例1に係るタスク空調装置10の機能に加えて、減少させた排出する空気量についての情報をベース空調装置47に通知する機能を有する。なお、タスク空調装置50が有する機能については、後述するタスク空調装置の構成において説明する。
このような空調システム40において、タスク空調装置50は、ブレードサーバ6a〜6cから排出された空気を吸入し、吸入された空気を冷却して排出する。また、タスク空調装置50は、冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する。そして、タスク空調装置50は、冷却能力が上限値を超えていると判定された場合に、排出する空気Dの量を減少させる。さらにタスク空調装置50は、排出する空気Dの量を減少させたことをベース空調装置47の排出空気量制御部47aに通知し、熱負荷の制限を解除させる。このようにして、タスク空調装置50は、ホットスポットの発生を抑止するので、効率的にサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を冷却することができる。
具体的には、タスク空調装置50によって排出される空気Dの量を減少させられた場合、空調システム40の風量が不足し、別の場所にホットスポットが発生する。ここで、ベース空調装置47は、タスク空調装置50から排出する空気量を所定量に減少させた通知を受付けることで、減少された空気量に基づいて、排出する空気量を冷却能力の上限値まで増加させる。すなわち、ベース空調装置47は、余剰分の熱負荷に相当する空気量を排出する。そして、ベース空調装置47は、冷却した空気Hを排出し、床下開口部2aを通じて、ITラック5及び高発熱型ITラック6へ送風する。
高発熱型ITラック6に搭載されたブレードサーバ6a〜6cは、ベース空調装置47から送風された空気Cとタスク空調装置50から送風された空気Dとを吸入する。ここで、空気Dの量が減少しているので、ブレードサーバ6a〜6cが吸入する空気C及び空気Dの温度は、冷却能力が上限値を超えていると判定された時よりも低下するので、ブレードサーバ6a〜6cが排出する空気Eの温度も低下する。したがって、タスク空調装置50が吸入する空気Eの温度も低下するので、タスク空調装置50は、熱負荷を軽減することができる。これによって、タスク空調装置50は、排出する空気Dの温度も低下させるので、ホットスポットの発生を抑止できる。
このようにして、空調システム40は、タスク空調装置50の熱負荷が所定の閾値を超えた場合、排出する空気Dの量を減少させることで、タスク空調装置50が排出する空気の温度は低下する。この結果、タスク空調装置50は、ホットスポットの発生を抑止するので、効率的にサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を冷却することができる。
[タスク空調装置の構成]
次に、図5を用いて、実施例2に係るタスク空調装置の構成を説明する。図5は、実施例2に係るタスク空調装置50の構成を示すブロック図である。実施例2に係るタスク空調装置50は、吸入部11と冷却部12と排出部13と熱負荷設定受付部54と通信制御I/F部55と記憶部60と制御部70とを有する。なお、ここでは、図2に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一符号を付すことにしてその詳細な説明を省略する。
熱負荷設定受付部54は、実施例1で説明した熱負荷設定受付部14が有する機能に加えて、以下の機能を有する。熱負荷設定受付部54は、タスク空調装置50の冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する値として、温度閾値の設定を利用者から受付ける。そして、熱負荷設定受付部54は、温度閾値の設定を利用者から受付けた場合、制御部70に温度閾値の設定を受付けた旨を通知して受付けた値を記憶部60に記憶させる。そして、熱負荷設定受付部54は、負荷判定部71へ温度閾値の設定を受付けたことを通知する。
通信制御I/F部55は、少なくとも1つの通信ポートを有するインターフェースであり、タスク空調装置50とベース空調装置47との間でやり取りされる情報を制御する。例えば、通信制御I/F部55は、排出空気量制御部72から排出する空気量を減少させたことを示す通知を受信し、ネットワーク49で接続されたベース空調装置47に送信する。
記憶部60は、例えば、半導体メモリ素子、又はハードディスクなどの記憶装置であり、排出部13が排出する空気の温度の上限値として設定される設定値である温度閾値を記憶する。例えば、記憶部60は、温度閾値として「33℃」を記憶する。なお、この温度閾値の値は利用者によって任意に変更可能である。
また、記憶部60は、空調システム40において排出される空気量についての情報を記憶する。例えば、記憶部60は、ベース空調装置47の熱負荷(kW)と最大の冷却能力(kW)と排出する空気量(m/min)とを記憶する。
具体的には、記憶部60は、ベース空調装置47の熱負荷が「12.5kW」であり、最大の冷却能力が「15kW」であり、排出する空気量が「29.9m/min」であることを記憶する。
制御部70は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有する。制御部70は、負荷判定部71と排出空気量制御部72とを有する。例えば、制御部70は、ASICやFPGAなどの集積回路、又は、CPUやMPUなどの電子回路である。
負荷判定部71は、冷却部12の冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却部12の冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する。例えば、実施例1において、負荷判定部31は、冷却状況として、熱負荷を算出し、算出した値が所定の閾値を超えたか否かを判定した。ここで、タスク空調装置の熱負荷が所定の閾値を超えた場合には、タスク空調装置によって吸入される空気の温度が、冷却能力を超える温度にまで上昇する。この結果、タスク空調装置は、設定した温度まで空気を冷却することができないので、設定よりも高い温度の空気を排出する。したがって、タスク空調装置は、熱負荷を算出しなくても、排出する空気の温度が設定値よりも高いか否かを判定することによって、冷却状況が上限値を超えたか否かを判定することができる。
すなわち、負荷判定部71は、冷却状況として、排出部13が排出する空気の温度を計測し、計測した温度が設定値を超えた場合に、冷却部12の冷却能力が上限値を超えていると判定する。例えば、負荷判定部71は、熱負荷設定受付部54から通知を受付けた場合、排出部13が有する温度センサによって排出部13が排出する空気の温度を常時計測し、記憶部60に記憶された温度閾値を超えたか否かを判定する。
具体的には、負荷判定部71は、温度センサによって計測した温度の値が記憶部60に格納された温度閾値「33℃」よりも高い場合には、冷却能力が上限値を超えていると判定する。そして、負荷判定部71は、冷却能力が上限値を超えている旨を排出空気量制御部72へ通知する。一方、負荷判定部71は、計測した温度の値が記憶部60に格納された温度閾値「33℃」よりも小さい場合には、冷却能力が上限値を超えていないと判定し、引き続き、計測した温度が設定値を超えたか否かの判定を実行する。
排出空気量制御部72は、実施例1で説明した排出空気量制御部32が有する機能に加えて以下の機能を有する。排出空気量制御部72は、負荷判定部71によって、計測した温度が所定の温度閾値を超えたと判定された場合に、排出部13が排出する空気量を所定量に減少させる。
例えば、排出空気量制御部72は、記憶部60に記憶されたベース空調装置47の制限されている余剰分の冷却能力を読み出し、読み出した制限されている余剰分の冷却能力に相当する空気量を減少させる。具体的には、排出空気量制御部72は、ベース空調装置47に2.5kWの冷却能力の余剰分が制限されている場合には、排出する空気量を2.5kWに相当する量だけ減少させる。
また、排出空気量制御部72は、排出する空気量を減少させた場合、ネットワーク49で接続されたベース空調装置47に排出する空気量を減少させたことを通知する。この結果、ベース空調装置47は、余剰な冷却能力を有さないように排出する空気量の制限を解除し、冷却能力の上限値までの熱負荷を処理できる。
[実施例2に係るタスク空調装置による処理の処理手順]
次に図6を用いて、実施例2に係るタスク空調装置50による処理の処理手順を説明する。図6は、実施例2に係るタスク空調装置50による処理の処理手順を説明するフローチャートである。
熱負荷設定受付部54は、運転開始を受付けた場合(ステップS201、Yes)、温度閾値の設定を受付けたか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、熱負荷設定受付部54は、温度閾値を受付けたか否かを判定する。そして、熱負荷設定受付部54によって温度閾値の設定を受付けたと判定された場合(ステップS202、Yes)、負荷判定部71は、排出される空気の温度を計測する(ステップS203)。なお、負荷判定部71は、実施例1と同様に、吸入温度と排出温度と排出する空気量とを計測して式(1)から熱負荷を算出してもよい。
一方、熱負荷設定受付部54は、温度閾値の設定を受付けていないと判定した場合(ステップS202、No)、温度閾値の設定を受付けるまで待機する。
続いて、負荷判定部71は、計測した排出温度が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS204)。ここで、負荷判定部71は、温度閾値の設定を受付けた後には、常時、排出される空気の温度を計測する。ここで、負荷判定部71によって、閾値を超えたと判定された場合(ステップS204、Yes)、排出空気量制御部72は、排出する空気量を減少させる(ステップS205)。そして、排出空気量制御部72は、排出する空気量を減少したことをネットワーク49で接続されたベース空調装置47へ通知する(ステップS206)。
続いて、負荷判定部71は、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS207)。そして、負荷判定部71は、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS207、Yes)、ステップS203に戻り排出される空気の温度を計測する処理を実行する。一方、負荷判定部71は、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS207、No)、所定の時間が経過するまで待機する。
また、負荷判定部71は、ステップS204の処理で、閾値を超えていないと判定した場合(ステップS204、No)、運転終了を受付けたか否かを判定する(ステップS208)。ここで、負荷判定部71は、運転終了を受付けたと判定した場合(ステップS208、Yes)、処理を終了する。一方、負荷判定部71は、運転終了を受付けていないと判定した場合(ステップS207、No)、ステップS203の処理へ移行し、以降の処理を実行する。
[実施例2の効果]
上述したように、実施例2に係る空調システム40において、タスク空調装置50は、冷却能力の上限値を超えた場合、排出する空気量を減少させることで、熱負荷を軽減する。また、タスク空調装置50は、余剰な熱負荷を有さないように制限されたベース空調装置47の排出する空気量の制限を解除することで、空調システムとして不足する空気量をベース空調装置47に負担させる。この結果、タスク空調装置50は、冷却能力を超えた熱負荷を解消することができる。
また、タスク空調装置50は、排出する空気の温度を計測し、計測した温度が所定の設定値を超えたか否かを判定するだけで、熱負荷を算出することなく、冷却能力の上限値を超えたか否かを判定することができる。
実施例1及び2では、ベース空調装置とタスク空調装置によってITラックが搭載するサーバや高発熱型ITラックが搭載するブレードサーバを冷却する例について説明した。ところが、データセンターにおいて、タスク空調装置だけでITラックが搭載するサーバや高発熱型ITラックが搭載するブレードサーバを冷却する場合がある。そこで、実施例3では、データセンターにおいて、ベース空調装置を設けずに、タスク空調装置だけでITラックが搭載するサーバや高発熱型ITラックが搭載するブレードサーバを冷却する場合について説明する。
[実施例3に係る空調システムの構成]
次に、図7を用いて、実施例3に係る空調システムの構成を説明する。図7は、実施例3に係る空調システム80の構成を説明する図である。実施例3に係る空調システム80は、ITラック5と高発熱型ITラック6とタスク空調装置90とタスク空調装置100とを有する。なお、ここでは、図1に示した各部と同様の役割を果たす機能部については、同一符号を付すことにしてその詳細な説明を省略する。
タスク空調装置90は、高発熱型ITラック6から排出される空気Aを吸入し、吸入した空気を冷却する。そして、タスク空調装置90は、冷却した空気Bを高発熱型ITラック6に送風することで局所的に循環する空気流領域を形成する。タスク空調装置90は、このよう局所的に循環する空気流領域を形成することで、ブレードサーバ6a〜6cを冷却する。
タスク空調装置100は、ITラック5から排出される空気Cを吸入し、吸入した空気を冷却する。そして、タスク空調装置100は、冷却した空気DをITラック5に送風することで局所的に循環する空気流領域を形成する。タスク空調装置100は、このよう局所的に循環する空気流領域を形成することで、サーバ5a〜5eを冷却する。なお、タスク空調装置100は、冷却能力の余剰分を制限して運転しており、タスク空調装置90から通知を受信した場合に、冷却能力の余剰分の制限を解除して排出する空気量を増加させる。
また、タスク空調装置90とタスク空調装置100とは、ネットワーク89を介して通信可能に接続される。ここで、ネットワーク89は、例えば、LAN(Local Area Network)である。なお、タスク空調装置90及び100の構成については、タスク空調装置50と同様であるので説明を省略する。
このような空調システム80において、タスク空調装置90は、冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却能力が上限値を超えているか否かを判定する。そして、タスク空調装置90は、冷却能力が上限値を超えていると判定した場合に、排出する空気Bの量を所定量に減少させる。さらにタスク空調装置90は、排出する空気Bの量を減少させたことをタスク空調装置100に通知し、排出空気量を冷却能力の上限値まで増加させる。このようにして、タスク空調装置90は、ホットスポットの発生を抑止するので、効率的にサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を冷却することができる。
具体的には、タスク空調装置90によって排出される空気Bの量を減少させられた場合、空調システム80の風量が不足し、別の場所にホットスポットが発生する。ここで、タスク空調装置100は、タスク空調装置90から排出する空気量を所定量に減少させた通知を受付けることで、減少された空気量に基づいて、排出する空気量を冷却能力の上限値まで増加させる。すなわち、タスク空調装置100は、余剰分の熱負荷に相当する空気量を排出する。そして、タスク空調装置100は、冷却した空気Dを排出し、ITラック5及び高発熱型ITラック6へ送風する。
高発熱型ITラック6に搭載されたブレードサーバ6a〜6cは、タスク空調装置900から送風された空気Bとタスク空調装置100から送風された空気Dとを吸入する。ここで、空気Bの量が減少しているので、ブレードサーバ6a〜6cが吸入する空気B及び空気Dの温度は、冷却能力が上限値を超えていると判定された時よりも低下するので、ブレードサーバ6a〜6cが排出する空気Aの温度も低下する。したがって、タスク空調装置90が吸入する空気Aの温度も低下するので、タスク空調装置90は、熱負荷を軽減することができる。これによって、タスク空調装置90は、排出する空気Bの温度も低下するので、ホットスポットの発生を抑止できる。
このような空調システム80において、タスク空調装置90は、冷却状況を取得し、取得した冷却状況に基づいて冷却能力が上限値を超えている場合、排出する空気Aの量を減少させることで、タスク空調装置90が排出する空気Aの温度は低下する。この結果、タスク空調装置90は、ホットスポットの発生を抑止するので、効率的にサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を冷却することができる。
[実施例3の効果]
上述してきたように、本実施例3では、タスク空調装置は、熱負荷が冷却能力を超えた場合に、排出する空気量を減少させることで、熱負荷を軽減することができる。また、タスク空調装置は、熱負荷が冷却能力を超えた場合に、排出する空気量を減少させても、他のタスク空調装置の熱負荷を増加させることで、新たなホットスポットの発生を抑止できる。このようにして、タスク空調装置は、ベース空調装置を設けずに、タスク空調装置だけでサーバやブレードサーバ等の情報処理装置を効率的に冷却することができる。
ところで、本願の開示する空調装置は、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、実施例3では、本願の開示する空調装置の他の実施例について説明する。
(システム構成等)
本実施例において説明した各処理のうち自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した記憶部が記憶する情報は一例に過ぎず、必ずしも説明のごとく情報が格納される必要はない。また、記憶部が記憶する情報は、制御部が有する内部メモリに格納されてもよい。
また、タスク空調装置は、冷却能力が上限値を超えた場合に、排出する空気量を所定量に減少させるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、タスク空調装置は、段階的に排出する空気量を減少するように設計、構築されてもよい。具体的には、タスク空調装置は、2.5kWの冷却能力の余剰がある場合、一度の処理で2.5kWの冷却能力に相当する空気量を減少させるのではなく、0.5kWの冷却能力に相当する空気量を減少させる処理を繰り返し実行してもよい。
また、空調装置は、排出部が排出する空気量を所定量に減少させた後に、冷却部の冷却能力が上限値を下回った場合には、排出する空気量を増加させるように設計、構築されてもよい。例えば、タスク空調装置は、2.5kWの冷却能力に相当する空気量を減少させた後に、熱負荷が所定の閾値を下回った場合、2.5kWの冷却能力に相当する空気量を増加させてもよい。また、タスク空調装置が増加させる空気量は、一度の処理で増加させてもよく、また、減少させた冷却能力に相当する空気量の範囲内で段階的に増加するように設定することも可能である。
また、図示した各構成部は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のごとく構成されていることを要しない。例えば、タスク空調装置10は、負荷判定部31と排出空気量制御部32とは統合されてもよい。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(プログラム)
ところで、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。
図8は、空調制御プログラムを実行するコンピュータシステムを示す図である。図8に示すように、コンピュータシステム200は、RAM210とCPU220とHDD230と入出力インターフェース240とを有する。また、これらは、バス250を介して互いに接続される。入出力インターフェース240は、図2に示した熱負荷設定受付部14に対応する。
ここで、HDD230には、上記実施例と同様の機能を発揮するプログラムを予め記憶されている。つまり、図8に示すように、HDD230には、負荷判定プログラム231と排出空気量制御プログラム232とが予め記憶されている。
そして、CPU220は、負荷判定プログラム231と排出空気量制御プログラム232とを読み出してRAM210に展開し、負荷判定プログラム231を負荷判定プロセス221として実行する。またCPU220は、排出空気量制御プログラム232を排出空気量制御プロセス222として実行する。なお、負荷判定プロセス221は、図2に示した負荷判定部31に対応し、排出空気量制御プロセス222は、排出空気量制御部32に対応する。
ところで、上記したプログラム231〜232は、必ずしもHDD230に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータシステム200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておくようにしてもよい。また、コンピュータシステム200の外に備えられるHDDなどの「固定用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておいてもよい。さらに、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを介してコンピュータシステム200に接続される「他のコンピュータシステム」に各プログラムを記憶させておいてもよい。そして、コンピュータシステム200がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
すなわち、このプログラムは、上記した「可搬用の物理媒体」、「固定用の物理媒体」、「通信媒体」などの記録媒体に、コンピュータ読み取り可能に記憶されるものである。そして、コンピュータシステム200は、このような記録媒体からプログラムを読み出して実行することで上記した実施例と同様の機能を実現する。なお、この他の実施例でいうプログラムは、コンピュータシステム200によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータシステムまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
1 空調システム
2 床下フロア
2a 床下開口部
3 床上フロア
4 天井フロア
4a〜4b 天井開口部
5 ITラック
5a〜5e サーバ
6 高発熱型ITラック
6a〜6c ブレードサーバ
7 ベース空調装置
10 タスク空調装置
11 吸入部
12 冷却部
13 排気部
14 熱負荷設定受付部
20 記憶部
30 制御部
31 負荷判定部
32 排出空気量制御部
40 空調システム
47 ベース空調装置
47a 排出空気量制御部
49 ネットワーク
50 タスク空調装置
54 熱負荷設定受付部
55 通信制御I/F部
60 記憶部
70 制御部
71 負荷判定部
72 排出空気量制御部
80 空調システム
89 ネットワーク
90、100 タスク空調装置
200 コンピュータシステム
210 RAM
220 CPU
221 負荷判定プロセス
222 排出空気量制御プロセス
230 HDD
231 負荷判定プログラム
232 排出空気量制御プログラム
240 入出力インターフェース
250 バス

Claims (3)

  1. 情報処理装置を冷却する、第一の空調装置と第二の空調装置とを通信可能に接続した空調システムにおける第一の空調装置であって、
    前記第一の空調装置が排出する空気量が減少した場合には、前記第二の空調装置が前記第一の空調装置から排出される空気量が減少したことを示す通知を受け付けると前記第二の空調装置が排出する空気量を増加させるための前記通知を、前記第二の空調装置へ通知する通知部と、
    前記情報処理装置から排出された空気を吸入する吸入部と、
    前記吸入部によって吸入された空気を冷却する冷却部と、
    前記冷却部によって冷却された空気を排出する排出部と、
    前記冷却部の冷却状況を取得し、前記冷却状況として、前記排出部が排出する空気量と、前記排出部が排出する空気の温度と、前記吸入部が吸入する空気の温度の差とを用いて熱負荷を算出し、算出した熱負荷が所定の閾値を超えた場合に、前記冷却部の冷却能力が上限値を超えていると判定し、または、前記冷却状況として、前記排出部が排出する空気の温度を計測し、計測した温度が設定値を超えた場合に、前記冷却部の冷却能力が上限値を超えていると判定する判定部と、
    前記冷却部の冷却能力が上限値を超えていると判定された場合に、前記排出部が排出する空気量を減少させる制御部と、
    を有することを特徴とする空調装置。
  2. 前記制御部は、前記排出部が排出する空気量が減少した場合には、複数の前記情報処理装置を共通に冷却する前記第二の空調装置へ、減少した空気量を通知することを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記制御部は、前記排出部が排出する空気量が所定量に減少した後に、前記冷却部の冷却能力が上限値を下回った場合には、前記排出部が排出する空気量を所定量増加させることを特徴とする請求項1または2に記載の空調装置。
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