JP5869847B2 - 制震部材用ゴム組成物及びそれを用いた制震部材 - Google Patents
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Description
一方、制震構造は、上記免震構造と同様に建築物の応答制御を行う構造システムであり、建築物にダンパー等の制震部材を組み込み、大地震動により建築物に入力する地震動のエネルギーをそこで吸収する構造である。
制震部材に用いられるゴム材料には、繰り返し剪断によっても亀裂が発生しないことが必要である。
制震部材に用いられるゴム材料は、エネルギー吸収のため、カーボンブラック、オイル及び減衰付与剤等の種々の添加剤が多量に配合されるため、繰り返し剪断回数の早期に亀裂が発生し、亀裂の成長や破断も早くなる傾向がある。
これを改善するために、現状の制震部材においては、ゴム材料に、繰り返し耐久性に優れ、亀裂成長性の低い天然ゴム(NR)やスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を配合することが行われている。しかしながら、これらのNRやSBRを配合したゴム材料においては、上記NRやSBRのガラス転移温度(Tg)が高いために、常温対比で低温での弾性率の変化が大きくなり、さらに、該NRやSBRは伸張結晶性が高いために、大変形時に応力が高くなってしまい(ハードニング現象)、取り付け部材の強度を必要以上に大きくしなければならない。
一方、1,3−ブタジエン単量体単位中のシス−1,4結合含量が98%以上の超ハイシスブタジエン系重合体及びそれを用いたゴム組成物が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、耐オゾン性の更なる向上が求められていた。
本発明の制震部材用ゴム組成物は、少なくとも、(i)ゴム成分と、(ii)樹脂と、を含んでなり、さらに必要に応じて、(iii)その他の成分、を含んでなる。
前記ゴム成分は、少なくとも、共役ジエン系重合体と、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体とを含んでなり、さらに必要に応じて、その他のゴム成分を含んでなる。
前記共役ジエン系重合体は、モノマー単位成分(共重合体の一部)として非共役オレフィンを含まない重合体(ポリマー)を意味する。なお、スチレンは、非共役オレフィンに含まれないものとする。
前記共役ジエン系重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム(NR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が、亀裂成長性性の点で好適である。
前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン系重合体の含有量が、30質量部未満であると、亀裂成長性が低下することがある。一方、前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン系重合体の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、亀裂成長性の点で有利である。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体は、共重合体におけるモノマー単位成分として非共役オレフィンを含む。
前記共役ジエン化合物由来部分のシス1,4−結合量が、50%以上であれば、低いガラス転移点(Tg)を保持することができ、これにより、耐亀裂成長性や耐摩耗性等の物性が改良される。
一方、前記共役ジエン化合物由来部分のシス1,4−結合量を92%超とすることにより、耐亀裂成長性、耐候性(耐オゾン性)、耐熱性を向上させることが可能となる。また、前記共役ジエン化合物由来部分のシス1,4−結合量を95%以上とすることにより、耐亀裂成長性、耐候性(耐オゾン性)、耐熱性を一層向上させることが可能となる。
なお、前記シス−1,4結合量は、前記共役ジエン化合物由来部分中の量であって、共重合体全体に対する割合ではない。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体における前記共役ジエン化合物由来部分の含有量が、30mol%以上であると、加工性が十分に確保できるので好ましく、80mol%以下であると、非共役オレフィンの割合が多くなり、耐候性(耐オゾン性)が向上して好ましい。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体における前記非共役オレフィン由来部分の含有量が、20mol%以上であると、耐候性(耐オゾン性)を向上させることができ、70mol%以下であると、共役ジエン系重合体との相溶性を維持して、耐候性(耐オゾン性)及び耐亀裂成長性を向上することができる。
α−オレフィンはオレフィンのα位に二重結合を有するため、共役ジエンとの共重合を効率よく行うことができる。これら非共役オレフィンは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、オレフィンは、脂肪族不飽和炭化水素で、炭素−炭素二重結合を1個以上有する化合物を指す。
また、非共役オレフィンの単量体単位からなるブロック部分を備える場合には、静的結晶性を示すため、破断強度等の機械的性質に優れる。
また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。分子量分布が10を超えると物性が均質でなくなるためである。ここで、平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質として求めることができる。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の共役ジエン化合物由来部分における共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量が、5%以下であると、共重合体の耐候性(耐オゾン性)をさらに向上させることができる。
一方、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の共役ジエン化合物由来部分における共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量が、2.5%以下であると、共重合体の耐候性(耐オゾン性)をさらに向上させることができる。
前記1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量は、前記共役ジエン化合物由来部分中の量であって、共重合体全体に対する割合ではない。
なお、前記共役ジエン化合物由来部分における共役ジエン化合物の1,2付加体部分(3,4付加体部分を含む)含量は、共役ジエン化合物がブタジエンの場合、1,2−ビニル結合量と同じ意味である。
前記ブロック共重合体の構造は、(A−B)x、A−(B−A)x及びB−(A−B)x(ここで、Aは、非共役オレフィンの単量体単位からなるブロック部分であり、Bは、共役ジエン化合物の単量体単位からなるブロック部分であり、xは1以上の整数である)のいずれかである。なお、(A−B)又は(B−A)の構造を複数備えるブロック共重合体をマルチブロック共重合体と称する。
共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体がブロック共重合体である場合は、非共役オレフィンの単量体からなるブロック部分が静的結晶性を示すため、破断強度等の機械的性質に優れる。
共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体がランダム共重合体である場合は、非共役オレフィンの単量体単位の配列が不規則であるため、共重合体が相分離を起こすことなく、ブロック部分に由来する結晶化温度が観測されない。すなわち、耐熱性などの性質を有する非共役オレフィンを共重合体の主鎖中に導入することが可能になるため、耐熱性が向上する。
前記テーパー共重合体とは、ランダム共重合体とブロック共重合体とが混在してなる共重合体であり、共役ジエン化合物の単量体単位からなるブロック部分及び非共役オレフィンの単量体単位からなるブロック部分のうち少なくとも一方のブロック部分(ブロック構造ともいう)と、共役ジエン化合物及び非共役オレフィンの単量体単位が不規則に配列してなるランダム部分(ランダム構造という)とから構成される共重合体である。
前記テーパー共重合体の構造は、共役ジエン化合物成分と非共役オレフィン成分との組成が連続的又は不連続的に分布があることを示す。ここで、非共役オレフィン成分の連鎖構造としては、長鎖(高分子量)の非共役オレフィンブロック成分を多く含まず、短鎖(低分子量)の非共役オレフィンブロック成分を多く含むことが好ましい。
前記交互共重合体は、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとが交互に配列する構造(非共役オレフィンをAと、共役ジエン化合物をBとした場合の、−ABABABAB−の分子鎖構造)を有する重合体である。前記交互共重合体である場合は、柔軟性と接着性の両立が可能となる。
前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の含有量が、10質量部未満であると、耐オゾン性及び亀裂成長性が低下することがある。
一方、前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、耐オゾン性及び亀裂成長性の点で有利である。
次に、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体を製造することができる製造方法を詳細に説明する。但し、以下に詳述する製造方法は、あくまで例示に過ぎない。本発明に係る共重合体は、重合触媒または重合触媒組成物の存在下、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとを重合させることができる。
非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度 ≧ 1.0
さらに好ましくは下記式の関係を満たすことが好ましい。
非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度 ≧ 1.3
さらに好ましくは下記式の関係を満たすことが好ましい。
非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度 ≧ 1.7
次に、本発明に係る共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の製造方法において用いられる第一重合触媒組成物について説明する。
上記重合触媒組成物としては、下記一般式(I):
なお、重合反応系において、第一重合触媒組成物に含まれる錯体の濃度は0.1〜0.0001mol/Lの範囲であることが好ましい。
上記一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でランタノイドトリスハライド、スカンジウムトリスハライド又はイットリウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びシリルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(II)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
次に、本発明に係る共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の製造方法において用いられる第一重合触媒組成物について説明する。
また、上記重合触媒組成物としては、
(A)成分:希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物であって、希土類元素と炭素との結合を有さない該希土類元素化合物又は反応物と、
(B)成分:非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(B−1)、アルミノキサン(B−2)、並びにルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種のハロゲン化合物(B−3)よりなる群から選択される少なくとも一種とを含む重合触媒組成物(以下、第二重合触媒組成物ともいう)を好適に挙げることができる。
第二重合触媒組成物が、イオン性化合物(B−1)及びハロゲン化合物(B−3)の少なくとも一種を含む場合、該重合触媒組成物は、更に、
(C)成分:下記一般式(X):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物を含む。
(C)成分:下記一般式(X):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物を含むことを要する。上記イオン性化合物(B−1)及び上記ハロゲン化合物(B−3)は、(A)成分へ供給するための炭素原子が存在しないため、該(A)成分への炭素供給源として、上記(C)成分が必要となる。なお、上記重合触媒組成物が上記アルミノキサン(B−2)を含む場合であっても、該重合触媒組成物は、上記(C)成分を含むことができる。また、上記第二重合触媒組成物は、通常の希土類元素化合物系の重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含んでいてもよい。
なお、重合反応系において、第二重合触媒組成物に含まれる(A)成分の濃度は0.1〜0.0001mol/lの範囲であることが好ましい。
なお、ランタノイド元素の具体例としては、ランタニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムを挙げることができる。なお、上記(A)成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
M11X11 2・L11w ・・・ (XI)
M11X11 3・L11w ・・・ (XII)
[式中、M11は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、X11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基、アルデヒド残基、ケトン残基、カルボン酸残基、チオカルボン酸残基又はリン化合物残基を示し、L11は、ルイス塩基を示し、wは、0〜3を示す]で表されることができる。
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物であり、下記一般式(Xa):
AlR1R2R3 ・・・ (Xa)
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。式(X)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(C)成分としての有機アルミニウム化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記第二重合触媒組成物における有機アルミニウム化合物の含有量は、(A)成分に対して1〜50倍モルであることが好ましく、約10倍モルであることが更に好ましい。
次に、本発明に係る共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の製造方法において用いられる重合触媒について説明する。
重合触媒としては、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの重合用であり、下記式(A):
RaMXbQYb・・・(A)
[式中、Rはそれぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、該RはMに配位しており、Mはランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Xはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該XはM及びQにμ配位しており、Qは周期律表第13族元素を示し、Yはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示し、該YはQに配位しており、a及びbは2である]で表されるメタロセン系複合触媒が挙げられる。
上記メタロセン系重合触媒を用いることで、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体を製造することができる。また、上記メタロセン系複合触媒、例えば予めアルミニウム触媒と複合させてなる触媒を用いることで、共重合体合成時に使用されるアルキルアルミニウムの量を低減したり、無くしたりすることが可能となる。なお、従来の触媒系を用いると、共重合体合成時に大量のアルキルアルミニウムを用いる必要がある。例えば、従来の触媒系では、金属触媒に対して10当量以上のアルキルアルミニウムを用いる必要があるところ、上記メタロセン系複合触媒であれば、5当量程度のアルキルアルミニウムを加えることで、優れた触媒作用が発揮される。
置換インデニルとして、具体的には、2−フェニルインデニル、2−メチルインデニル等が挙げられる。なお、式(XV)における二つのCpRは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
また、上記重合触媒組成物は、上記メタロセン系複合触媒と、ホウ素アニオンとを含むことを特徴とし、更に、通常のメタロセン系触媒を含む重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含むことが好ましい。なお、上記メタロセン系複合触媒とホウ素アニオンとを合わせて2成分触媒ともいう。上記第三重合触媒組成物によれば、上記メタロセン系複合触媒と同様に、更にホウ素アニオンを含有するため、各単量体成分の共重合体中での含有量を任意に制御することが可能となる。
前記その他のゴムとしては、特に制限はなく、本発明の目的に反しない範囲で、コンベアベルトという用途に応じて、少量(例えば、ゴム成分100質量部に対して10質量部以下)の種々の他の合成ゴムを含むことができる。
前記他の合成ゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロプレンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するゴム組成物には、前述のゴム成分と共に、減衰特性付与のため、種々の樹脂を含有することができる。
この樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ロジン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪・脂環族C5系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、C9系石油樹脂、テルペン樹脂、並びにこれらの共重合体及び変性品、などが挙げられる。前記樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエステルポリオール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合物であって、1分子内に水酸基を2個以上有する樹脂、などが挙げられる。
前記多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合物であって、1分子内に水酸基を2個以上有する樹脂の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の二塩基酸と、モノ、ジ、トリエチレングリコールやモノ、ジプロピレングリコール等の二価アルコールとを縮合させて得られた両末端に水酸基を有するポリエステルジオール、などが挙げられる。
前記ジシクロペンタジエン樹脂は、ジシクロペンタジエンをAlCl3やBF3等のフリーデルクラフト触媒等を用いて重合させた樹脂である。
前記ジシクロペンタジエン樹脂の市販品の具体例としては、クイントン1920(日本ゼオン製)、マルカレッツM−890A(丸善石油化学製)、などが挙げられる。
前記ロジン樹脂は、生松やに、トール油等に含有されている樹脂であって、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンの3種が知られている。
前記ロジン樹脂の変性品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、重合ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジン、完全水添ロジン、重合ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジン、重合ロジン;などが挙げられる。
前記フェノール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、p−tert−ブチルフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、などが挙げられる。
前記キシレン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−キシレンとホルムアルデヒドを酸性触媒の存在下に反応させて得られた樹脂、などが挙げられる。
前記脂肪・脂環族C5系石油樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの二量体でC10であるが、C5系留分に包含される。)、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1−ペンテン、2−ペンテン等のC5系留分を原料とする共重合樹脂が挙げられる。
前記C5/C9系石油樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記C5系留分と、インデン、スチレン、メチルインデン、α−メチルスチレン等のC9系留分との混合物を原料とする共重合樹脂、などが挙げられる。
前記C9系石油樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記C9系留分を原料とする共重合樹脂、などが挙げられる。
前記テルペン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、などを挙げることができる。
前記導入される極性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記導入される極性基の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水酸基価(mgKOH/g)として、2〜400が好ましく、10〜300がより好ましい。前記石油樹脂中に存在する極性基の量は、JIS K0070に記載の方法により測定することができる。
前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量が、30質量部〜80質量部であると、十分な減衰が得られ、力学物性及び作業性の低下を防止することができる。
前記ゴム成分100質量部に対する前記樹脂の含有量が、30質量部未満であると、減衰性が低下することがあり、80質量部を超えると、亀裂成長性が低下することがある。一方、前記ゴム成分100質量部中における前記樹脂の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、減衰性と亀裂成長性を両立させる点で有利である。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック;シリカ;シランカップリング剤;硫黄系加硫剤;加硫促進剤;加硫促進助剤;加硫遅延剤(スコーチ防止剤);各種プロセスオイル;酸化亜鉛(亜鉛華);ステアリン酸等の硬化脂肪酸;各種軟化剤;ワックス;老化防止剤;クレーや炭酸カルシウム等の各種充填剤;などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、標準品種であるSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF(以上ゴム用ファーネス)、MTカーボンブラック(熱分解カーボン)、などが挙げられる。
前記カーボンブラックの使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、20質量部〜120質量部が好ましく、30質量部〜110質量部がより好ましい。
なお、カーボンブラックの他に、さらにセバシン酸ジオクチル等の可塑剤を加えてもよい。
前記硫黄系加硫剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末硫黄、高分散性硫黄、不溶性硫黄等、一般にゴム用加硫剤として用いられている硫黄、などが挙げられる。
前記硫黄系加硫剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1質量部〜10質量部が好ましく、1質量部〜5質量部がより好ましい。
前記加硫促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系加硫促進剤;DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系加硫促進剤;などが挙げられる。
前記加硫促進剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.2質量部〜3質量部がより好ましい。
前記プロセスオイルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系、などを挙げることができる。
前記老化防止剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜5質量部が好ましい。
本発明の制震部材用ゴム組成物は、前述した各成分を、ゴム工業において通常使用されるバンバリーミキサー、ロール、ニーダ等の混練装置を使用して、好ましくは100〜170℃で混練することにより調製することができる。
本発明で使用する制震部材用ゴム組成物は、シート状、直方体、長方形、多角体、円筒、球状等の種々の形状に、加硫成形可能である。シート状に加硫成形し、これを打ち抜いて使用することも可能である。使用目的に応じて変則的な形状とすることも可能である。
該制震部材用ゴム組成物は、ハードニング特性を抑えると共に、良好な耐亀裂成長特性と低温特性の両立を図ることができるため、制震部材のゴム材料として利用する。
本発明の制震部材は、本発明の制震部材用ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
前記制震部材は、建築物を大地震動から守るために、壁や土台等に組み込まれるダンパー等の部材であって、地震動のエネルギーを吸収する機能を有する。
このような機能を有する制震部材に使用されているゴム材料に、本発明の制震部材用ゴム組成物を用いることにより、該制震部材は、ハードニング特性が抑えられると共に、耐亀裂成長特性及び低温特性の良好なものとなる。
本発明の制震部材を用いることにより、大変形時に応力が高くなるハードニング特性が抑えられるので、該制震部材を取り付ける部材の強度を必要以上に高くする必要がない。また、耐亀裂成長特性が良好であることから、繰り返し剪断変形に対しても亀裂成長を抑えることができる。
図1は、地震エネルギーを吸収するための制震部材を建築物に組み込んだ状態を示す模式図であって、地震エネルギーは、ダンパー等の制震部材1によって吸収される。
なお、本発明の制震部材は、地震以外に、一般の各種振動に対しても適用することができる。
(1)共重合体のミクロ構造(1,2−ビニル結合量、シス−1,4結合量)
共重合体中のブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)を、1H−NMRスペクトル(100℃、d−テトラクロロエタン標準:6ppm)により1,2−ビニル結合成分(5.0−5.1ppm)と全体のブタジエン結合成分(5−5.6ppm)の積分比より求めた。また、共重合体中のブタジエン部分のミクロ構造(シス−1,4結合量)を、13C−NMRスペクトル(100℃、d−テトラクロロエタン標準:73.8ppm)によるシス−1,4結合成分(26.5−27.5ppm)と全体のブタジエン結合成分(26.5−27.5ppm+31.5−32.5ppm)の積分比より求めた。
共重合体中のエチレン由来部分の含有率(mol%)を13C−NMRスペクトル(100℃、d−テトラクロロエタン標準:73.8ppm)による全体のエチレン結合成分(28.5−30.0ppm)と全体のブタジエン結合成分(26.5−27.5ppm+
31.5−32.5ppm)の積分比より求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製HLC−8121GPC/HT、カラム:東ソー製GMHHR−H(S)HT×2本、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、測定温度は140℃である。
JIS K7121−1987に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を行い、DSC曲線を描き、ブロックポリエチレン融解温度(DSCピーク温度)を測定した。なお、測定は、単体ポリマーや触媒残渣等の不純物の影響をさけるため、共重合体を大量のテトラヒドロフランに48h浸漬し、テトラヒドロフランに溶解する成分を全て取り除いた後、乾燥したゴム成分をサンプルとして使用した。
文献(「高分子学会予稿集Vol.42,No.4,Page1347」)のオゾン分解−GPC法を応用して、連鎖分布の解析を行った。なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーは[GPC:東ソー製HLC−8121GPC/HT、カラム:昭和電工製GPC HT−803×2本、検出器:示差屈折率計(RI)、単分散ポリスチレンを基準、測定温度は140℃]を用いて測定した。
(1)等価減衰係数(Heq100%)
(a)等価減衰係数の測定サンプルの作製
得られた各ゴム組成物を、ゴム圧延用ロールを用いて2mm厚に圧延して、未加硫ゴムシートを作製した。この未加硫ゴムシートを用い、加硫処理して等価減衰係数測定用のサンプルを作製し、性能の評価を行った。なお、加硫処理条件は140℃、60分間である。
ゴムシートを25mm×25mmの方形状に打ち抜いた1枚の方形状ゴムシートを作製し、これを25mm×60mm×厚み2.3mmの2枚の鉄板で挟んだ。すなわち、図2(A)に示すように、接着剤を塗布した2枚の鉄板3の間に、ゴムシート2を、断面クランク状となるように挟んだ。このように、鉄板3とこれに接するゴムシート2の面とを接着した状態で加硫を行い、鉄板3とゴムシート面との接着を行った。これにより図2(B)に示す形状のサンプルを得た。
(b)等価減衰係数(Heq100%)の測定
サンプルを、バネ剛性、損失エネルギー測定装置[鷺宮製作所製、型式「EFH−26−8−10」]に配置した。上述の2枚の鉄板(図2(B))を介してゴムシートに、歪率±100%の剪断力を、周波数0.2Hzで付与する操作を3サイクル行い、各サイクルにおける測定値を平均して、Heq100%を算出した。なお、測定温度は20℃であった。
(2)亀裂発生回数
まず、得られた各ゴム組成物から未加硫ゴムシートを作製し、その後、加硫処理してサンプルを作製し、性能の評価を行った。なお、加硫処理条件は140℃、60分間である。
歪250%、0.3Hzで繰り返し剪断を加えた際にサンプルに亀裂が発生し
た回数を測定した。
(3)耐候性(耐オゾン性)
まず、得られた各ゴム組成物から未加硫ゴムシートを作製し、その後、加硫処理して20mm×100mm×1.0mmの試験片を作製し、性能の評価を行った。なお、加硫処理条件は140℃、60分間である。
前記耐候性(耐オゾン性)は、以下の方法により評価した。試験片を40%伸長させ、40℃、オゾン濃度100ppmの恒温槽中に7日間放置した。この試験片に肉眼でクラックが確認できたか否かを観察した。
なお、クラック評価基準を以下の通りとした。
大:3mm超
中:1mm〜3mm
小:1mm未満
<エチレン−ブタジエン−共重合体(EBR)の調製>
十分に乾燥した400mL耐圧ガラス反応器に、トルエン溶液160mLを添加した後、エチレンを0.8MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhC9H6)2GdN(SiHMe2)2]28.5μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]34.2μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド1.43mmolを仕込み、トルエン8mLに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で28.2μmolとなる量をモノマー溶液へ添加し、室温で5分間重合を行った。その後、エチレンの導入圧力を0.2MPa/minの速度で低下させながら、1,3−ブタジエン15.23g(0.28mol)を含むトルエン溶液100mLを添加した後、さらに90分間重合を行った。重合後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し、共重合体A(ブロック共重合体)を得た。得られた共重合体Aの収量は12.50gであった。
得られた共重合体Aについて、ミクロ構造、エチレン含有率、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ブロックポリエチレン融解温度(DSCピーク温度)及び連鎖構造を上記の方法で測定・評価した。共重合体Aの13C−NMRスペクトルチャートを図3に、DSC曲線を図4に示す。
共重合体A中のブタジエン部分のミクロ構造として、シス−1,4−結合量は98%、1,2−ビニル結合量は1.2%であった。
重量平均分子量Mwは350000であり、分子量分布Mw/Mnは、2.2であった。
エチレン含有率は7mol%(ブタジエン含有率は93mol%)であった。
ブロックポリエチレン融解温度(DSCピーク温度)は、121℃であり、連鎖構造はブロックであった。
<超ハイシスBRの調製>
−触媒の調製−
乾燥及び窒素置換された容積100mLのゴム栓付きガラスビンに、順次、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(ブタジエン濃度:15.2質量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(ネオジム濃度:0.56mol/L)0.59mL、PMAO[商品名、ポリメチルアルミノキサン、東ソーファインケム株式会社製]のトルエン溶液(アルミニウム濃度:3.23mol/L)10.32mL、水素化ジイソブチルアルミニウム[関東化学株式会社製]のヘキサン溶液(0.90mol/L)7.77mLを投入し、室温で2分間熟成した後、塩化ジエチルアルミニウム[関東化学株式会社製]のヘキサン溶液(0.95mol/L)1.45mLを加え、室温で時折撹拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジム濃度は、0.011mol/Lであった。
乾燥及び窒素置換された容積約1Lのゴム栓付きガラスビンに、乾燥精製された1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロヘキサンをそれぞれ投入し、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(ブタジエン濃度:5.0質量%)400gが投入された状態とし、10℃の水浴中で十分に冷却した。次に、上記のようにして調製した触媒溶液1.56mL(ネオジム換算で0.017mmol)を加え、10℃の水浴中で3.5時間重合を行った。引き続き、老化防止剤2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール溶液(NS−5の濃度:5質量%)2mLを加えて反応を停止させ、更に、微量のNS−5を含むイソプロパノール溶液中で再沈澱させた後、常法にて乾燥して、収率約100%で超ハイシスBR(数平均分子量205,000、分子量分布2.3)を得た。FT−IR(機種:IR Presfige−21、株式会社島津製作所製)によりミクロ構造を分析したところ、1,3−ブタジエン単量体単位中のシス−1,4結合含量は98.43%であり、ビニル結合含量は0.13%であった。また、0.25×[シス−1,4結合含量−97]=0.48であった。
表1−1〜表1−6に示す種類と量の第一ステージの配合成分を混練りしたのち、この混練物と、表1−1〜表1−6に示す種類と量の第二ステージの配合成分とを混練りすることにより、ゴム組成物を調製した。なお、表1−1〜表1−6に示されるゴム成分の内訳は、表2−1及び表2−2に示すとおりである。各評価結果を表2−1及び表2−2に示す。
NR:天然ゴム RSS#4
超ハイシスBR:調製例2で調製した超ハイシスBR
SBR:スチレンブタジエンゴム SBR1507(JSR社製)
EBR:調製例1で調製したエチレン−ブタジエン−共重合体
カーボンブラック:シースト6P(東海カーボン社製)
硬化脂肪酸:LUNAC RA(花王社製)
亜鉛華:3号亜鉛華(白水化学社製)
老化防止剤6C:サントフレックス13(MONSANTO社製)
老化防止剤SP/シリカ:ANTAGE SP−P(川口化学工業社製)
ワックス:サンタイト(精工化学社製)
ポリエステルポリオール樹脂:ゼオファイン(日本ゼオン社製)
ジシクロペンタジエン樹脂:ESCOREZ8180(EXXON CHEMICALS社製)
キシレン樹脂:ニカノールL5R(フドー社製)
DOS:セバシン酸ジオクチル、DOS(大八化学社製)
高分子硫黄、硫黄、石油系炭化樹脂の混合物:セイミサルファ−(日本乾溜工業社製)60%、セイミOT(日本乾溜工業社製)10%
加硫促進剤DPG:ノクセラ−DT(大内新興化学社製)
加硫促進剤CZ:ノクセラ−CZ−G(大内新興化学社製)
本発明の制震部材は、地震用及び他の一般の各種振動用(積層ゴムアイソレータ用途を除く。)として利用可能であり、各種建築物に組み込むことができる。
2 ゴムシート
3 鉄板
Claims (12)
- 共役ジエン系重合体及び共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体を含むゴム成分と、樹脂とを含む制震部材用ゴム組成物であって、前記ゴム成分100質量部に対し、前記樹脂を30質量部〜80質量部含むことを特徴とする制震部材用ゴム組成物。
- 前記共重合体において、前記共役ジエン化合物由来部分の割合が30mol%〜80mol%であることを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記共重合体は、前記共役ジエン化合物部分のシス−1,4結合量が50%以上である請求項1又は2に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、10,000〜10,000,000であることを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、10以下であることを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記非共役オレフィンは、非環状オレフィンであることを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記非共役オレフィンの炭素数は、2〜10であることを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記非共役オレフィンは、エチレン、プロピレン、及び1−ブテンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6又は7に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記非共役オレフィンは、エチレンであることを特徴とする請求項8に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部において、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体を10質量部〜90質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 前記樹脂が、ポリエステルポリオール樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ロジン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪・脂環族C5系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、C9系石油樹脂、テルペン樹脂、並びにこれらの共重合体及び変性品からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物。
- 請求項1に記載の制震部材用ゴム組成物を用いたことを特徴とする制震部材。
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