JP5869101B2 - 太陽電池用バックシート及びバックシート付き太陽電池 - Google Patents

太陽電池用バックシート及びバックシート付き太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、CIGS(銅−インジウム−ガリウム−セレン)系太陽電池、有機太陽電池又は色素増感太陽電池の裏面側に設置される太陽電池用バックシート及びこれを用いた太陽電池に関する。
CIGS系太陽電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池などの太陽電池の裏面側には一般に、太陽電池を構成するセル内に外部の水分が侵入することを抑制するために、裏面を覆って保護するバックシートが設置される。
このようなバックシートとして、例えば下記特許文献1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートが知られている。下記特許文献1には、カルボキシ末端基量が15モル/トン以下(15ミリモル/kg以下)であるポリエステル系樹脂からなる耐加水分解性フィルムと、耐加水分解性フィルムに接着され、金属薄膜からなるガスバリア層とを有する太陽電池モジュール用裏面保護シートが開示されている。
特開2007−150084号公報
ところで、太陽電池の中でも、CIGS系太陽電池、有機太陽電池又は色素増感太陽電池は、湿度によって大きく影響を受けるものである。このため、これらの太陽電池においては、外部からの水分の侵入により光電変換特性が低下して耐久性が低下する。従って、CIGS系太陽電池、有機太陽電池又は色素増感太陽電池において耐久性の低下を抑制するには、外部からの水分の侵入を抑制することが重要である。
しかし、上述した特許文献1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、太陽電池に十分な耐久性を付与することができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐久性を太陽電池に付与できる太陽電池用バックシート及びバックシート付き太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者は、特許文献1の太陽電池モジュール用裏面保護シートが太陽電池モジュールに十分な耐久性を付与できない原因について検討した。まず特許文献1と同様の構成の太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、耐加水分解性フィルムとガスバリア層との層間の状態を観察したところ、これらの層間に剥離が見られた。このことから、本発明者は、以下のことが原因で太陽電池モジュールの耐久性が不十分となっているのではないかと考えた。すなわち、層間剥離は、耐加水分解性フィルムとガスバリア層との間の接着層が劣化したことが原因ではないかと考えた。そして、層間剥離が生じると、層間の隙間に水分が取り込まれ易くなり、その結果、金属薄膜では水分の侵入を十分に抑制しきれなくなるのではないかと考えた。特に、金属薄膜がアルミニウムの蒸着膜で構成されていると、アルミニウムの蒸着膜にはナノスケールのピンホールが形成される。このため、水分が多量に取り込まれると、水分の侵入を十分に抑制することができなくなりやすい。そこで、本発明者はさらに研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、少なくとも1つの太陽電池セルを有するCIGS系太陽電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池からなる太陽電池に用いられる太陽電池用バックシートであって、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下であるポリエステル樹脂を含む耐候性層と、アルミニウムを含む金属材料からなる金属層と、前記耐候性層と前記金属層との間に設けられ、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む接着層とを備え、前記金属層と前記接着層とが直接接触しており、前記金属層が圧延アルミニウム箔である、太陽電池用バックシートである。
上記太陽電池用バックシートによれば、耐候性層が、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下のポリエステル樹脂を含むため、耐候性に優れると共に、耐候性層の加水分解が起こりにくく、耐候性層の劣化が起こりにくくなる。また金属層と耐候性層との間には、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む接着層が設けられている。ここで、酸変性ポリオレフィン樹脂は酸変性基を含んでおり、この酸変性基において金属層中のアルミニウムと強固に結合させることが可能となる。また接着層は、耐候性層に含まれるポリエステル樹脂とも強固に接着する。加えて、酸変性ポリオレフィン樹脂は加水分解されにくい。このため、接着層と金属層との間の層間剥離を長期間にわたって十分に抑制できると共に、接着層と耐候性層との間の層間剥離も長期間にわたって十分に抑制できる。従って、バックシート内に水分が取り込まれることが十分に抑制され、金属層で水分の侵入を十分に抑制することが可能となる。その結果、本発明の太陽電池用バックシートで、少なくとも1つの太陽電池セルを有する太陽電池の裏面を覆う場合に、太陽電池に対して、耐候性層が最も外側に配置されるようにバックシートを設置すると、太陽電池に含まれる太陽電池セルへの水分の侵入を十分に抑制できる。よって、本発明の太陽電池用バックシートによれば、優れた耐久性を太陽電池に付与することが可能となる。また、圧延アルミニウム箔は、アルミニウムの蒸着膜に比べて、ピンホールが形成されにくいため、水分の侵入をより効果的に抑制することが可能である。このため、接着層と耐候性層との間、又は、接着層と金属層との間で層間剥離が生じても、水分の侵入をより効果的に抑制できる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記末端カルボキシル基量が7ミリモル/kg以下であることが好ましい。
この場合、末端カルボキシル基量が7ミリモル/kgを超える場合に比べて、耐候性層の加水分解がより起こりにくくなり、耐候性層の劣化がより起こりにくくなる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記耐候性層に含まれる前記ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートであることが好ましい。
この場合、ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂である場合に比べて、耐候性層の耐加水分解性がより高くなるため、接着層と耐候性層との密着力をより長期間維持することが可能となり、接着層と耐候性層との間の層間剥離をより十分に抑制することができる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記接着層に含まれる前記酸変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリエチレンであることが好ましい。
この場合、酸変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリエチレン以外の酸変性ポリオレフィン樹脂である場合に比べて、より優れた接着性が得られるため、金属層及び耐候性層との接着がより強固になり、長期間両者の層間剥離がより十分に抑制される。その結果、本発明の太陽電池用バックシートによれば、より優れた耐久性を太陽電池に付与できる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記酸変性ポリエチレンが酸変性直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましい。
この場合、酸変性ポリエチレンが酸変性直鎖状低密度ポリエチレン以外の酸変性ポリエチレンである場合に比べて、引張強度、引裂強度および衝撃強度がより大きく、耐熱性がより高く、より耐ストレッチクラッキング性に優れるという利点が得られる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記金属層の厚さが12μm以上100μm以下であることが好ましい。
この場合、金属層の厚さが12μm未満である場合に比べて、ピンホールがより形成されにくく、水蒸気をより効果的に遮断することができる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記耐候性層の厚さが50μm以上であることが好ましい。
この場合、耐候性層の厚さが50μm未満である場合に比べて、耐候性層の耐突刺性がより向上し、金属層に穴が形成されることがより十分に抑制される。その結果、耐候性層の厚さが50μm未満である太陽電池用バックシートに比べて、より優れた耐久性を太陽電池に付与することが可能となる。
上記太陽電池用バックシートにおいて、前記耐候性層、前記接着層および前記金属層の合計の厚さが120μm以上であることが好ましい。
この場合、耐候性層、接着層および金属層の合計の厚さが120μm未満である場合に比べて、太陽電池用バックシートはより耐電圧性に優れることが可能となる。
また、上記太陽電池用バックシートは前記金属層に対し前記接着層と反対側に設けられる熱可塑性樹脂層をさらに備えることが好ましい。
また本発明は、少なくとも1つの太陽電池セルを有するCIGS系太陽電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池からなる太陽電池と、前記太陽電池の裏面を覆って保護するバックシートとを備え、前記バックシートが、上述した太陽電池用バックシートで構成され、前記太陽電池用バックシートにおいて、前記耐候性層が、前記金属層よりも前記太陽電池から遠い位置に配置されている、バックシート付き太陽電池である。
このバックシート付き太陽電池によれば、バックシートにおいて、耐候性層が、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下のポリエステル樹脂を含むため、耐候性に優れると共に、耐候性層の加水分解が起こりにくく、耐候性層の劣化が起こりにくくなる。また金属層と耐候性層との間に、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む接着層が設けられている。ここで、酸変性ポリオレフィン樹脂は酸変性基を含んでいるため、金属層のアルミニウムと強固に結合させることが可能となる。また接着層は、耐候性層に含まれるポリエステル樹脂とも強固に接着する。加えて、酸変性ポリオレフィン樹脂は加水分解されにくい。このため、接着層と金属層との間の層間剥離を長期間にわたって十分に抑制できると共に、接着層と耐候性層との間の層間剥離も長期間にわたって十分に抑制できる。従って、バックシート内に水分が取り込まれることが十分に抑制され、金属層で水分の侵入を十分に抑制することが可能となる。その結果、本発明のバックシート付き太陽電池のように、耐候性層が金属層よりも太陽電池から遠い位置に配置されるようにバックシートが設置されていると、太陽電池に含まれる太陽電池セルへの水分の侵入を十分に抑制できる。よって、バックシート付き太陽電池によれば、光電変換特性の低下が十分に抑制され、優れた耐久性を有することが可能となる。
なお、本発明において、末端カルボキシル基(CEG:Carboxyl End Group)量とは、ポリエステル樹脂の粉末をベンジルアルコールに230℃で10分間溶解させた溶液を、0.01Nの水酸化ナトリウム溶液で滴定して測定したポリエステル樹脂の単位重量当たりのカルボキシル基のモル数を言うものとする。
本発明によれば、優れた耐久性を太陽電池に付与できる太陽電池用バックシート及びバックシート付き太陽電池が提供される。
本発明に係る太陽電池用バックシートの一実施形態を適用したバックシート付き太陽電池を示す部分断面図である。 図1のバックシートを示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る太陽電池用バックシートの一実施形態を適用したバックシート付き太陽電池を示す部分断面図、図2は、図1のバックシートを示す部分断面図である。
図1に示すバックシート付き太陽電池はバックシート付き色素増感太陽電池300であり、色素増感太陽電池100と、色素増感太陽電池100の裏面100bを覆って保護するバックシート200とを備えている。
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、光入射側基板として機能する透明な共通基板10と、共通基板10上に設けられる複数の(図1では2つの)太陽電池セル20とを備えている。各太陽電池セル20は、共通基板10上に設けられる透明導電膜21と、透明導電膜21上に設けられる多孔質酸化物半導体層22と、多孔質酸化物半導体層22に対向配置される対極23と、対極23と共通基板10とを連結する封止部24と、共通基板10、対極23及び封止部24によって包囲されるセル空間に充填される電解質25とを有している。なお、図1において、共通基板10における太陽電池セル20と反対側の表面100aが光入射面である。
一方、図2に示すように、太陽電池用バックシート200は、金属層30と、耐候性層60と、金属層30と耐候性層60との間に設けられる接着層40と、金属層30に対し接着層40とは反対側に設けられる熱可塑性樹脂層50とを備えている。ここで、接着層40は、金属層30に直接接着されており、耐候性層60にも直接接着されている。
熱可塑性樹脂層50は、色素増感太陽電池100と太陽電池用バックシート200とを接着させるためのものであり、金属層30は、色素増感太陽電池100の太陽電池セル20内に入り込む水蒸気を遮断するためのものである。耐候性層60は、太陽光の照り返し光による接着層40及び熱可塑性樹脂層50の劣化を抑制するためのものである。耐候性層60は、バックシート200において、色素増感太陽電池100に対して最も外側に設けられている。すなわち、耐候性層60は、金属層30及び接着層40よりも色素増感太陽電池100から遠い位置に配置されている。別言すると、耐候性層60は色素増感太陽電池100とは反対側に向けられている。接着層40は、金属層30と耐候性層60とを接着させるためのものである。
金属層30はアルミニウムを含む金属材料で構成され、接着層40は酸変性ポリオレフィン樹脂を含む。また耐候性層60は、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下であるポリエステル樹脂を含む。
上記バックシート付き太陽電池300によれば、バックシート200において、耐候性層60が、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下のポリエステル樹脂を含むため、耐候性に優れると共に、耐候性層60の加水分解が起こりにくく、耐候性層60の劣化が起こりにくくなる。また金属層30と耐候性層60との間には、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む接着層40が設けられている。ここで、酸変性ポリオレフィン樹脂は酸変性基を含んでおり、この酸変性基において金属層30中のアルミニウムと強固に結合させることが可能となる。また接着層40は、耐候性層60に含まれるポリエステル樹脂とも強固に接着する。加えて、酸変性ポリオレフィン樹脂は加水分解されにくい。このため、接着層40と金属層30との間の層間剥離を長期間にわたって十分に抑制できると共に、接着層40と耐候性層60との間の層間剥離も長期間にわたって十分に抑制できる。従って、バックシート200内に水分が取り込まれることが十分に抑制され、金属層30で水分の侵入を十分に抑制することが可能となる。その結果、バックシート付き太陽電池300のように、耐候性層60が金属層30及び接着層40よりも色素増感太陽電池100から遠い位置に配置されるようにバックシート200が設置されていると、色素増感太陽電池100に含まれる太陽電池セル20への水分の侵入を十分に抑制できる。よって、バックシート付き太陽電池300においては、色素増感太陽電池100の光電変換特性の低下が十分に抑制され、バックシート付き太陽電池300は、優れた耐久性を有することが可能となる。
次に、バックシート200を構成する金属層30、接着層40、熱可塑性樹脂層50および耐候性層60について詳細に説明する。
(金属層)
金属層30は、アルミニウムを含む金属材料で構成されていればよい。金属材料は通常、アルミニウム単体で構成されるが、アルミニウムと他の金属との合金であってもよい。他の金属としては、例えば銅、マンガン、亜鉛、マグネシウム、鉛、及び、ビスマスが挙げられる。具体的には、98%以上の純アルミニウムにその他の金属が微量添加された1000系アルミニウムが望ましい。これは、この1000系アルミニウムが、他のアルミニウム合金と比較して、安価で、加工性に優れているためである。
金属層30の厚さT1は特に制限されるものではないが、好ましくは12μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。金属層30の厚さT1が上記範囲内にあると、12μm未満である場合に比べて、ピンホールが形成されにくく、水蒸気をより効果的に遮断することができる。但し、金属層30の厚さT1は好ましくは100μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。金属層30の厚さT1が100μm以下であると、100μmを超える場合に比べて、色素増感太陽電池100の裏面100bの形状に、より追従し易くなるほか、材料の使用量が削減できるため低コスト化が可能となる。
金属層30は、圧延加工してなる圧延アルミニウム層で構成されていることが好ましい。この場合、圧延アルミニウム層は、アルミニウムの蒸着膜に比べて、ピンホールが形成されにくいため、水分の侵入をより効果的に抑制することが可能である。このため、接着層40と耐候性層60との間、又は、接着層40と金属層30との間で層間剥離が生じても、水分の侵入をより効果的に抑制できる。ここで、圧延アルミニウム層の表面に凹部及び凸部又はそのいずれか一方が形成されていることが好ましい。この場合、凹部及び凸部がいずれも形成されていない場合に比べて、金属層30と接着層40との接着面積がより増大するため、接着層40と金属層30との密着性をより向上させることが可能となる。
(接着層)
接着層40は、酸変性ポリオレフィン樹脂を含むものであればよい。酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィンを酸変性させた樹脂であり、金属との優れた接着性を有する。ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、及び、ポリブチレン等が挙げられる。中でも、ポリエチレンが好ましい。この場合、酸変性ポリオレフィン樹脂は酸変性ポリエチレンとなる。このように酸変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリエチレンであると、酸変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリエチレン以外のもの(例えば酸変性ポリプロピレン)である場合に比べて、より優れた接着性が得られるため、接着層40と、金属層30及び耐候性層60との接着がより強固になり、長期間にわたって、接着層40と金属層40との間の層間剥離、及び、接着層40と耐候性層60との間の層間剥離がより十分に抑制される。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)又はこれらのシラン変性物のいずれであってもよいが、より柔軟性に優れた接着層40を実現することが可能であることから、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。中でも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。この場合、酸変性ポリエチレンは酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)となる。この酸変性直鎖状低密度ポリエチレンは、分岐状低密度ポリエチレンよりも、引張強度、引裂強度および衝撃強度がより大きく、耐熱性がより高く、より耐ストレッチクラッキング性に優れるという利点を有する。
接着層40中の酸変性ポリオレフィン樹脂の含有率は好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは70〜100質量%であり、さらに好ましくは100質量%である。
接着層40のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、高温下(例えば100℃以上)で接着層40の流動性をより低下させ、形状を十分に保持するという観点からは、10dg/分以下であることが好ましく、5dg/分以下であることがより好ましい。但し、0.2dg/分以上であることが、接着層40と耐侯性層60との間の接着性がより安定するという理由から好ましい。なお、MFRとは、190℃に加熱した接着層40の構成材料に2.16kgの荷重をかけて測定したときの値を言うものとする。
接着層40の厚さT2は特に制限されるものではないが、好ましくは20〜300μmである。厚さT2はバックシート200に要求される破壊電圧(要求破壊電圧)により異なり、要求破壊電圧が100Vを下回るような場合にはT2は20〜100μm程度であることが好ましく、要求破壊電圧が800Vを超えるような場合にはT2は150〜300μmであることが好ましい。接着層40の厚さT2が20〜300μmの範囲内にあると、20μm未満である場合と異なり、要求破壊電圧に対する耐性がより向上するという利点がある。また接着層40の厚さT2が上記範囲内にあると、300μmを超える場合に比べて、接着層40が色素増感太陽電池100の裏面100bの形状に、より追従しやすくなり、金属層30からの接着層40の剥離がより十分に抑制される。
なお、接着層40は、1層で構成されてもよいし、異なる材料からなる複数の層で形成されていてもよい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層50は、熱可塑性樹脂を含むものであればよく、このような熱可塑性樹脂としては、例えばアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、エチレンーアクリル酸共重合体などの酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂層50の厚さは好ましくは20〜1000μmであり、より好ましくは30〜500μmである。熱可塑性樹脂層50の厚さが20〜1000μmの範囲内にあると、20μm未満である場合に比べて、金属層30と色素増感太陽電池100との間でより強固な接着性を維持できる。また熱可塑性樹脂層50の厚さが上記範囲内にあると、1000μmを超える場合に比べて、熱可塑性樹脂層50がより熱的安定性に優れ、熱可塑性樹脂が変形することによるバックシート200全体の変形がより十分に抑えられる。
(耐候性層)
耐候性層60は、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下であるポリエステル樹脂を含む。ポリエステル樹脂が用いられるのは、優れた耐候性を有するためである。ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。中でも、PBTが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂がPBT以外のポリエステル樹脂である場合に比べて、耐加水分解性がより高くなるため、接着層40と耐候性層60との密着力をより長期間維持することができる。
末端カルボキシル基量が30ミリモル/kgを超えると、耐候性層60の加水分解が起こりやすくなるため、耐候性層60の劣化が起こり易くなる。その結果、太陽電池用バックシート200において、水分の侵入を十分に抑制できなくなり、色素増感太陽電池100の耐久性が低下する。
末端カルボキシル基量は好ましくは25ミリモル/kg以下であり、より好ましくは20ミリモル/kg以下である。特に、末端カルボキシル基量は7ミリモル/kg以下であることが好ましい。この場合、末端カルボキシル基量が7ミリモル/kgを超える場合に比べて、耐候性層60の加水分解がより起こりにくくなり、耐候性層60の劣化がより起こりにくくなる。なお、末端カルボキシル基量は、低ければ低いほど望ましく、0ミリモル/kgであってもよいが、通常は3ミリモル/kg以上である。
耐候性層60は、上記ポリエステル樹脂に加えて、カーボンなどの紫外線吸収剤、フェノール系などの酸化防止剤、カルボジイミドなどの耐加水分解性助剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
耐候性層60の厚さT3は特に制限されるものではないが、好ましくは50μm以上である。この場合、耐候性層60の厚さT3が50μm未満である場合に比べて、耐突刺性がより向上し、金属層30に穴が形成されることがより十分に抑制される。その結果、耐候性層60の厚さT3が50μm未満である場合に比べて、より優れた耐久性を色素増感太陽電池100に付与することが可能となる。また耐候性層60の厚さT3が50μm以上であると、50μm未満である場合と異なり、要求破壊電圧に対する耐性がより向上するという利点がある。但し、耐候性層60の厚さT3は300μm以下であることが好ましい。この場合、耐候性層60の厚さT3が300μmを超える場合に比べて、耐候性層60が色素増感太陽電池100の裏面100bの形状に、より追従しやすくなり、金属層30からの耐候性層60の剥離がより十分に抑制される。
耐候性層60、接着層40および金属層30の合計の厚さTは特に制限されるものではないが、好ましくは120μm以上であり、より好ましくは150μm以上である。但し、色素増感太陽電池100の裏面100bの形状に、より追従させやすくするという理由からは、耐候性層60、接着層40および金属層30の合計の厚さTは、好ましくは800μm以下であり、より好ましくは500μm以下である。
次に、バックシート200の製造方法の一例について説明する。
まず接着層40及び耐候性層60の積層フィルムを形成する。積層フィルムを形成する方法としては、例えばインフレーション法やキャスト法などの共押出法が用いられる。共押出法の中でもキャスト法が好ましく用いられる。これはキャスト法が接着層40及び耐候性層60の厚さを精度よく制御できるためである。キャスト法では、複層フィルムは、酸変性ポリオレフィン樹脂を含むペレットの溶融物と、耐候性層60を構成する材料であって、末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下である材料の溶融物とをそれぞれTダイの隙間から共にフィルム状に押し出すことで形成される。なお、上記溶融物は、必要に応じて、上述した紫外線吸収剤、酸化防止剤又は耐加水分解性助剤などの添加剤を含んでもよい。
次に、金属層30を用意する。そして、この金属層30と上記積層フィルムとを積層する。このとき、金属層30は、積層フィルムの接着層40と接着させる。金属層30と積層フィルムとの積層方法としては、例えば熱ラミネート法が挙げられる。
最後に、金属層30に熱可塑性樹脂層50を熱圧着する。こうしてバックシート200が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態においては、バックシート200が熱可塑性樹脂層50を有しているが、熱可塑性樹脂層50は必ずしも必要ではなく、省略が可能である。
また上記実施形態では、色素増感太陽電池100が2つの太陽電池セル20を有しているが、太陽電池は1つの太陽電池セル20で構成されてもよいし、3つ以上の太陽電池セル20で構成されてもよい。
さらにまた上記実施形態では、バックシート200の設置対象として色素増感太陽電池100が用いられているが、設置対象は有機薄膜太陽電池やCIGS系太陽電池であってもよい。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
はじめに、接着層及び耐候性層の複層フィルムを形成した。複層フィルムは、酸変性直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるペレット(商品名:バイネル4164、デュポン社製)を押出機に投入して溶融させる一方、末端カルボキシル基(以下、「CEG」と呼ぶ)量が7ミリモル/kgであるポリブチレンテレフタレート(PBT)からなるペレットを押出機に投入して溶融させ、これらをTダイの隙間から共押出しすることにより得た。こうして、酸変性LLDPEで構成される接着層と、PBTで構成される耐候性層とからなる複層フィルムを得た。このとき、接着層の厚さT2は50μmであり、耐候性層の厚さT3は100μmであった。
一方、金属層として、厚さT1が20μmである圧延アルミニウム箔(圧延Al)を用意した。そして、この圧延アルミニウム箔と上記複層フィルムとを熱ラミネートすることで、積層フィルムを得た。このとき、圧延アルミニウム箔が接着層に直接接着されるようにした。次に、積層フィルムの圧延アルミニウム箔に、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体であるバイネル(デュポン社製)からなる熱可塑性樹脂層を0.1MPa及び210℃の条件で1分熱圧着させた。こうしてバックシートを得た。
(実施例2〜4)
耐候性層におけるCEG量を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。
(実施例5〜6)
耐候性層の構成材料を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。なお、表1において、PETとしては、ベルペット(商品名、ベルポリエステルプロダクツ社製)を使用し、PENとしては、テオネックス(商品名、帝人化成社製)を使用した。
(実施例7〜10)
耐候性層の厚さT3を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。
(実施例11〜12)
接着層の構成材料を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。なお、表1において、酸変性HDPEとしては、アドマーHF500(商品名、三井化学社製)を使用し、酸変性PPとしては、ユーメックス1001(商品名、三洋化成工業社製)を使用した。
(実施例13〜16)
金属層の厚さT1を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。
(実施例17)
接着層の厚さT2を表1に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。
(比較例1〜2)
耐候性層におけるCEG量を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。
(比較例3)
接着層の構成材料を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。なお、表1において、LLDPEとしては、UB−106(商品名、タマポリ株式会社製)を使用した。
(比較例4)
接着層を使用せず、耐候性層と金属層とを直接接着させたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。なお、この時の耐候性層と金属層との接着は、耐侯性層を構成するペレットを金属層上にキャストさせることによって行った。
(比較例5)
耐候性層の構成材料として、CEG量が0ミリモル/kgのポリエチレン(PE)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてバックシートを作製した。なお、表1において、PEとしては、ノバテック(商品名、日本ポリエチレン社製)を使用した。
[特性評価]
上記のようにして得られた実施例1〜17及び比較例1〜5のバックシートについて、以下の(1)〜(3)の特性を評価した。
(1)耐久性
まず実施例1〜17及び比較例1〜5で得られたバックシートを用い、以下のようにしてバックシート付き色素増感太陽電池を作製した。
まず以下のようにして色素増感太陽電池を作製した。はじめに、10cm×10cm×4mmのFTO基板を準備した。続いて、FTO基板の上に、ドクターブレード法によって酸化チタンペースト(Solaronix社製、Ti nanoixide T/sp)を、その厚さが10μmとなるように5cm×5cmの範囲に塗布した後、熱風循環タイプのオーブンに入れて150℃で3時間焼成し、FTO基板上に多孔質酸化物半導体層を形成して作用極を得た。
一方、作用極と同様のFTO基板を対極基板として準備した。そして、この対極基板上に、スパッタリング法により、厚さ10nmの白金触媒層を形成し、対極を得た。
こうして作用極及び対極を準備した。
次に、アイオノマーであるハイミランからなる6cm×6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。そして、この樹脂シートを、作用極の多孔質酸化物半導体層を包囲する環状の部位に配置した。この樹脂シートを120℃の溶融温度で5分間加熱し溶融させることによって環状部位に接着した。
続いて、エチレン−メタクリル酸共重合体であるニュクレルからなる6cm×6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。
そして、このニュクレルからなる四角環状の樹脂シートを、ハイミランからなる四角環状の樹脂シートの直上に、110℃の溶融温度で貼り付けた。こうして第1封止部を形成した。
次に、この作用極を、光増感色素であるN719色素を0.2mM溶かした脱水エタノール液中に一昼夜浸漬して作用極の多孔質酸化物半導体層に光増感色素を担持させた。
一方、対極の白金触媒層上に、アイオノマーであるハイミランからなる6cm×6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。そして、この樹脂シートを対極の白金触媒層上における環状の部位に配置した。そして、この樹脂シートを110℃の溶融温度で5分間加熱し溶融させることによって環状部位に接着した。
続いて、エチレン−メタクリル酸共重合体であるニュクレルからなる6cm×6cm×30μmのシートの中央に、5cm×5cm×30μmの開口を形成した四角環状の樹脂シートを準備した。
そして、このニュクレルからなる四角環状の樹脂シートを、ハイミランからなる四角環状の樹脂シートの直上に、110℃の溶融温度で貼り付けた。こうして第2封止部を形成した。
次いで、第1封止部を設けた作用極を、FTO基板の多孔質酸化物半導体層側の表面が水平になるように配置し、第1封止部の内側に、アセトニトリルからなる揮発性溶媒を主溶媒とし、ヨウ化リチウムを0.05M、ヨウ化リチウムを0.1M、1,2−ジメチルー3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド(DMPII)を0.6M、4−tert−ブチルピリジンを0.5M含む電解質を注入し、電解質層を形成した。
次に、第2封止部を設けた対極を、作用極に対向させ、500hPa程度の減圧環境下で、第1封止部と第2封止部とを重ね合わせた。そして、減圧環境下で、第2封止部と同じ大きさの真鍮製の枠を加熱し、前記真鍮製の枠を対極の第2封止部とは反対側に配置した。そして、プレス機を用いて、5MPaで第1封止部及び第2封止部を、上記枠を介して加圧しながら160℃の温度で局所加熱して溶融させて封止部を形成し、積層体を得た。その後、この積層体を大気圧下に取り出した。こうして色素増感太陽電池を得た。
そして、この色素増感太陽電池の裏面(対極側表面)上に、対極を覆うように実施例1〜17及び比較例1〜5のバックシートを、熱可塑性樹脂層を色素増感太陽電池側に向けて重ね合わせ、0.2MPa、150℃で熱圧着した。このとき、加熱時間は60秒として、セルの熱劣化を予防した。こうしてバックシート付き色素増感太陽電池を得た。
上記のようにして得られたバックシート付き色素増感太陽電池について、光電変換効率(η)を測定した。続いて、バックシート付き色素増感太陽電池を85℃85%RHの環境下に2000時間静置した後、上記と同様にして、光電変換効率(η)を測定した。そして、下記式:
光電変換効率の保持率(%)=η/η×100
に基づき、光電変換効率の保持率(光電変換保持率)を算出した。結果を表1に示す。
(2)層間剥離の有無
実施例1〜17及び比較例1〜5のバックシートを、85℃85%RHの環境下に2000時間静置させた。そして、バックシートにおける層間に剥離がないかどうかを、以下の方法により調べた。
1.まず絵の具で着色した水溶液を準備し、そこに対象サンプルであるバックシートを浸漬させて、水溶液ごと0.05MPaまで減圧して5分間保持した。
2.次に、減圧を開放し、対象サンプルであるバックシートを水で洗浄した後に乾燥させた。
3.次に、バックシートの断面を光学顕微鏡にて観察し、絵の具によって着色された部分が観察されるかどうか調べた。
このとき、バックシートの断面において絵の具が観察された場合には、層間剥離有と判断し、絵具が観察されない場合には、層間剥離無と判断した。結果を表1に示す。表1において、「O」及び「X」はそれぞれ以下のことを意味する。
O・・・バックシートにおいて層間に剥離が生じなかった
X・・・バックシートにおいて層間に剥離が生じた
またバックシートにおいて、層間に剥離が生じた場合には、層間剥離が生じた場所を「a/b」のように表示した。ここで、「a/b」は、aとbとの間に層間剥離が生じたことを示す。
(3)バックシートの外観検査
実施例1〜17及び比較例1〜5のバックシートを、85℃85%RHの環境下に2000時間静置させた。そして、バックシートの外観にクラックなどの異常が見られるかどうかを調べた。結果を表1に示す。表1において、「O」及び「X」はそれぞれ以下のことを意味する。
O・・・バックシートの外観異常なし
X・・・バックシートの外観異常あり
なお、外観異常とは、バックシートにクラックが発生したり、バックシートの表面に亀裂ができていたりする状態である。変色については外観異常と判断しなかった。
Figure 0005869101
表1に示す結果より、実施例1〜17のバックシートでは、実施例3〜7において全体に変色が見られたものの、層間剥離は確認されなかった。これに対し、比較例3〜4のバックシートでは、層間剥離が確認された。また比較例1,2,5のバックシートでは層間剥離が確認されなかったが、比較例1及び2では、耐候性層にクラックが発生した。また比較例5では、耐候性層の表面に無数の亀裂ができていた。さらに、この耐候性層の表面の爪などでひっかいてみたところ、表面が剥がれ落ちる状態にまで劣化していた。
また実施例1〜17のバックシートを有するバックシート付き色素増感太陽電池は、比較例1〜5のバックシートを有するバックシート付き色素増感太陽電池に比べて、光電変換効率の保持率が高く、優れた耐久性を有していた。
以上のことから、本発明の太陽電池用バックシートによれば、優れた耐久性を太陽電池に付与できることが確認された。
30…金属層
40…接着層
60…耐候性層
100…色素増感太陽電池(太陽電池)
200…バックシート
300…バックシート付き太陽電池
T…耐候性層、接着層及び金属層の厚さの合計
T1…金属層の厚さ
T2…接着層の厚さ
T3…耐候性層の厚さ

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの太陽電池セルを有するCIGS系太陽電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池からなる太陽電池に用いられる太陽電池用バックシートであって、
    末端カルボキシル基量が30ミリモル/kg以下であるポリエステル樹脂を含む耐候性層と、
    アルミニウムを含む金属材料からなる金属層と、
    前記耐候性層と前記金属層との間に設けられ、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む接着層とを備え、
    前記金属層と前記接着層とが直接接触しており、
    前記金属層が圧延アルミニウム箔である、太陽電池用バックシート。
  2. 前記末端カルボキシル基量が7ミリモル/kg以下である請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
  3. 前記耐候性層に含まれる前記ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートである、請求項1又は2に記載の太陽電池用バックシート。
  4. 前記接着層に含まれる前記酸変性ポリオレフィン樹脂が酸変性ポリエチレンである、請求項1〜のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシート。
  5. 前記酸変性ポリエチレンが酸変性直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項に記載の太陽電池用バックシート。
  6. 前記金属層の厚さが12μm以上100μm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシート。
  7. 前記耐候性層の厚さが50μm以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシート。
  8. 前記耐候性層、前記接着層および前記金属層の合計の厚さが120μm以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシート。
  9. 前記金属層に対し前記接着層と反対側に設けられる熱可塑性樹脂層をさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシート。
  10. 少なくとも1つの太陽電池セルを有するCIGS系太陽電池、有機薄膜太陽電池又は色素増感太陽電池からなる太陽電池と、
    前記太陽電池の裏面を覆って保護するバックシートとを備え、
    前記バックシートが、請求項1〜9のいずれか一項に記載の太陽電池用バックシートで構成され、前記太陽電池用バックシートにおいて、前記耐候性層が、前記金属層よりも前記太陽電池から遠い位置に配置されている、バックシート付き太陽電池。
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