JP5868613B2 - 抗菌性吸水シート - Google Patents

抗菌性吸水シート Download PDF

Info

Publication number
JP5868613B2
JP5868613B2 JP2011113486A JP2011113486A JP5868613B2 JP 5868613 B2 JP5868613 B2 JP 5868613B2 JP 2011113486 A JP2011113486 A JP 2011113486A JP 2011113486 A JP2011113486 A JP 2011113486A JP 5868613 B2 JP5868613 B2 JP 5868613B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
antibacterial
absorbing
sheet
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011113486A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012241296A (ja
Inventor
秀人 古味
秀人 古味
肇 山田
肇 山田
一晴 鈴木
一晴 鈴木
貴宏 今井
貴宏 今井
尚平 上坂
尚平 上坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP2011113486A priority Critical patent/JP5868613B2/ja
Publication of JP2012241296A publication Critical patent/JP2012241296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5868613B2 publication Critical patent/JP5868613B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

本発明は、抗菌性吸水シートに関し、尿や血液の他、日常生活や生産活動に伴って生じる各種の液体を吸収する吸水シートに関し、吸水した液体による菌類の繁殖を抑制する抗菌性を有した抗菌性吸水シートに関する。
尿、肉や魚等の食物から出るドリップなど栄養源を含有する液体を吸水性樹脂で吸収すると液体を吸収した吸水性樹脂はゲル化する。ゲル化した吸水性樹脂内では、菌が時間の経過と共に増殖し、増殖した菌は匂い成分を生成する。このとき、吸水性樹脂に対して抗菌剤を適用させることによって、菌の増殖を抑え、匂い成分の生成を抑制することができる。
従来、吸水性樹脂を利用した吸水シートに抗菌性を付加した抗菌性吸水シートとして種々のものが知られている。例えば、抗菌性を有する物質と吸水性樹脂とを混合する構成の抗菌性吸水シート、あるいは、抗菌性を有する物質と高吸水性樹脂とを層状に分離した構成の抗菌性吸水シートが知られている。
抗菌性を有する物質と吸水性樹脂とを混合する構成の抗菌性吸水シートとして、例えば、抗菌性金属イオンを交換して保持したゼオライト系個体粒子と高吸水性樹脂と2枚の膜でサンドイッチ状に保持した構成の吸水性シート(特許文献1)、高吸水性ポリマーを含む不織布からなる殺菌マット(特許文献2)、抗菌性カルシウム系セラミック化合物の焼成物と吸水性樹脂とからなる抗菌性吸水シート(特許文献3)、吸水粒子の抗菌成分を含浸した吸水膜層を固定化した樹脂フィルム(特許文献4)等が知られている。
また、抗菌性を有する物質と高吸水性樹脂とを層状に分離した構成の抗菌性吸水シートとして、例えば、高吸水性樹脂を含浸させた不織布シートと抗菌性を有する物質を含有させたプラスチックフィルムとを点付けラミネート加工で一体化させた構成の吸水シート(特許文献5)、防湿性接着剤層の表面に粉粒状の鮮度保持剤を接着固定させ、鮮度保持剤の表面に吸水層をラミネートさせてなる鮮度保持シート(特許文献6)等が知られている。
特公平05−45292(第3欄37行-第4欄2行) 特開平01−313057(特許請求の範囲) 特開平04−138165号(特許請求の範囲) 特開平05−124702号(特許請求の範囲) 特開平07−195626号(特許請求の範囲) 特許第2640964号(特許請求の範囲)
本出願の発明者は、アルカリ性の抗菌剤を用いた場合には、抗菌剤のアルカリ性によって吸水性樹脂の吸水能力が低下することを見出した。そのため、アルカリ性の抗菌性物質と吸水性樹脂とを混合してなる構成の抗菌性吸水シートでは、抗菌性物質のアルカリ性によって吸水性樹脂の吸水能力が低下し、十分な吸水を行うことができないという問題がある。
一方、抗菌性吸水シートを、抗菌性を有する物質と吸水性樹脂とを層状に分離した構成とすれば、抗菌性物質と吸水性樹脂とを分離することができるため、抗菌性物質によって吸水性樹脂の吸水能力が低下するという問題を解決することができる。
しかしながら、従来提案されている、抗菌性物質と吸水性樹脂とを層状に分離する構成は、吸水性樹脂を上層に設け、抗菌性物質を下層に設ける構成である。このように、吸水性樹脂を上層に抗菌性物質を下層に設ける構成では、抗菌性吸水シートの表面部分は抗菌性を有していないという問題がある。そのため、上層の吸水性樹脂が栄養源を含有する液体を吸収すると、上層の下部側は下層の抗菌剤によって菌の増殖の抑制が期待できるが、上層の上部側である表面部分では菌の増殖の抑制効果は期待できないという問題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、アルカリ性の抗菌剤を用いた抗菌性吸水シートにおいて、抗菌性物質によって吸水性樹脂の吸水能力が低下することを防ぐと共に、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせることを目的とする。
本発明の抗菌性吸水シートは、アルカリ性の抗菌剤を主成分として含有する抗菌部と、吸水性樹脂を含有する吸水部と、抗菌部と吸水部とを分離する分離部とを備え、抗菌部の表面は通水性を有する構成とする。抗菌部と吸水部とを分離して配置することによって、抗菌性物質によって吸水性樹脂の吸水能力が低下することを防ぎ、抗菌部の表面に通水性を持たせる構成にすることによって、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせる。
本発明の抗菌性吸水シートは、抗菌部と吸水部との分離配置の構成、および抗菌部の表面に通水性を持たせる構成は、2つの態様とすることができる。
本発明の抗菌性吸水シートにおいて、第1の態様は抗菌部と吸水部とを層状に配置する構成であり、第2の態様は抗菌部と吸水部とを水平方向に配置する構成である。
本発明の第1の態様は、抗菌部、吸水部および分離部を、抗菌部と吸水部との間に分離部を挟んで層状に配置する。分離部は、抗菌部と吸水部との間に設けた通水性を有する通水性シート材を配置することで構成することができ、この通水性シート材によって抗菌部と吸水部とを通水可能に分離する。
また、抗菌性吸水シートの外表面の内、一方の表面は抗菌部が分離部に面する側と反対側の面であり、他方の表面は吸水部が分離部に面する側と反対側の面である。抗菌部の表面は通水性を有し、吸水部の表面は非通水性を有する。抗菌部の表面に通水性を持たせることによって、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせることができる。
本発明の第2の態様は、抗菌部と吸水部とを分離部を挟んで水平方向に配置する。分離部は、抗菌部と吸水部とを水平方向に分離する。また、抗菌部と吸水部は、水平方向に対して一方の同じ方向の表面は通水性を有し、他方の同じ方向の表面は非通水性を有する。
抗菌部と吸水部とを分離部を挟んで水平方向に配置し、水平方向に対して一方の側の表面を通水性とし、他方の側の表面を非通水性とすることによって、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせることができる。
第2の態様において、抗菌部および吸水部において、抗菌剤および吸水性樹脂の通水性を有する表面は通水性シート材を備え、抗菌剤および吸水性樹脂の非通水性を有する表面面は非通水性シート材を備える。分離部は、通水性シート材と非通水性シート材との接着部位により構成することができる。
本発明の第1の態様および第2の態様は、抗菌部および吸水部の構成において以下の形態とすることができる。
抗菌部は、アルカリ性の抗菌剤として、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性粒子を用いる。水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性粒子は、例えば、貝殻を粉砕して形成される焼成カルシウムを水和処理して得た抗菌性粒子を用いることができる。焼成カルシウムを水和処理して得た抗菌性粒子は、水酸化物イオンの抗菌効果によって菌類の増殖を抑制し、硫化水素などの酸性系の匂い成分や、アルデヒド類等の匂い成分を分解除去する。
水酸化カルシウムは、炭酸カルシウムを焼成して酸化カルシウムとした後、水和させることによって得ることができる。炭酸カルシウム源は、動物性由来のカルシウムを使用することができ、例えば、ホタテ貝殻、アワビ貝殻、サザエ貝殻、ホッキ貝殻、ウニ貝殻の天然あるいは養殖の貝類の他、珊瑚殻等を原料に使用することができる。
消臭効果は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性粒子の単位重量あたりの表面積が大きいほど効果が高まるため、粒度の小さい粉末が好適である。
吸水部は2つの形態とすることができる。吸水部の第1の形態は、吸水性樹脂の粒子とアルカリ性の抗菌剤の粒子とを混合して備える。この両粒子を混合させる構成において、抗菌剤の粒子の粒径を吸水性樹脂の粒子の粒径よりも大径とする。
アルカリ性の抗菌剤は、アルカリ性によって吸水性樹脂の吸水能力を低下させる性質があるが、高い吸水能力を必要としない用途においては、吸水性樹脂とアルカリ性の抗菌剤を直接混合して用いることができる。このような場合、アルカリ性の抗菌剤の粒径を吸水性樹脂の粒径よりも大きくすることによって抗菌剤の表面積を相対的に小さくし、吸水性樹脂の吸水能力を低下させる影響を低減させる。
吸水部の第1の形態の構成によって、吸水部内において、菌類の増殖の抑制、および匂い成分の分解除去の作用を奏することができると共に、アルカリ性の抗菌剤による吸水性樹脂の吸水能力低下を低減させることができる。
吸水部の第2の形態は、吸水性樹脂の粒子と非アルカリ性の抗菌剤の粒子とを混合して備える。この両粒子を混合させる構成において、吸水性樹脂の粒子の粒径と抗菌剤の粒子の粒径とを同程度に揃える。吸水性樹脂の粒子と抗菌剤の粒子の粒径を同程度にすることによって、両粒子の混錬性を高め、吸水部内における抗菌剤の偏りを防ぐことができる。
以上説明したように、本発明の抗菌性吸水シートによれば、アルカリ性の抗菌剤を用いた抗菌性吸水シートにおいて、抗菌性物質によって吸水性樹脂の吸水能力が低下することを防ぐと共に、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせることができる。
本発明の抗菌性吸水シートの第1の態様の第1の構成例を説明するための図である。 本発明の抗菌性吸水シートの第1の態様の第2の構成例を説明するための図である。 本発明の抗菌性吸水シートの第1の態様の第3の構成例を説明するための図である。 本発明の抗菌性吸水シートの第2の態様を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
本発明の抗菌性吸水シートは、吸水性樹脂と抗菌剤を備える。吸水性樹脂は、尿、肉や魚等の食物から出るドリップなど栄養源を含有する液体を吸収してゲル化する。抗菌剤は、ゲル化した吸水性樹脂内において、菌の増殖を抑え、増殖した菌による匂い成分の生成を抑制する。
本発明の抗菌性吸水シートは、第1の態様は抗菌部と吸水部とを層状に配置する構成であり、第2の態様は抗菌部と吸水部とを水平方向に配置する構成である。
図1〜図3は本発明の抗菌性吸水シートの第1の態様を説明するための図であり、図4は本発明の抗菌性吸水シートの第2の態様を説明するための図である。
[本発明の第1の形態]
本発明の第1の態様は、抗菌部と吸水部との間に通水性を有する通水性シート材を分離部として設け、この通水性シート材によって抗菌部と吸水部を上下方向で分離する。抗菌部と吸水部とを層状に配置し、抗菌部を上層又は下層とし、吸水部を下層又は上層とする。抗菌部と吸水部とを通水性シート材を介して層状に分離し、抗菌部を上層又は下層とすることによって抗菌部が表面になるようにする。抗菌部を表面にすることによって、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせる。
(第1の構成例)
図1は、第1の態様の抗菌性吸水シートの第1の構成例を説明するための図である。
図1において、抗菌性吸水シート1は、分離部4を挟んで上層に抗菌部2を設け下層に吸水部3を備える。なお、ここでは、抗菌部2を上層に設け、吸水部3を下層に設ける構成例を示しているが、抗菌部2を下層に設け、吸水部3を上層に設ける構成とすることもできる。液体は、抗菌部2の上層又は下層に設けられた通水性シート材の表面を通して、抗菌部2内に滲入し、さらに、分離部4の通水性シート材を通して吸水部3に滲入する。
抗菌部2は、水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性を有する抗菌性粒子を備える。水酸化カルシウムは、当業者に既知の方法によって得ることができる。例えば、炭酸カルシウムを焼成して酸化カルシウムとした後、水和させることによって得ることができる。
炭酸カルシウム源は、動物性由来のカルシウムを使用することができ、例えば、ホタテ貝殻、アワビ貝殻、サザエ貝殻、ホッキ貝殻、ウニ貝殻の天然あるいは養殖の貝類の他、珊瑚殻等を原料に使用することができる。これらの内、貝殻組成が均一である点および供給量が多いなどの点から、ホタテ貝殻を使用することが好適である。
これらの貝殻は、粉砕して貝殻粉末(あるいは粒状物)とし、800℃〜1500℃で、より好ましくは850℃〜1200℃で、例えば炭酸ガスを導入しながら焼成する。焼成は空気中で行ってもよいし、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。焼成時間は焼成温度等によって適宜設定されるが、通常、雰囲気温度が所定の焼成温度に到達した後、10〜120分、好ましくは15〜90分である。こうした焼成処理により、不要な有機物を熱分解によって除去する。
焼成後、水和させて水酸化カルシウム主体の微細粒子を得る。焼成又は水和の過程で、必要に応じてさらに粉砕を行う。粉砕により得られる粒子の初期粒度は最大で100μm以上となる。粒度調整は、貝化粉の粉砕、分級によって行い1μm以下の粒径とすることができ、例えば0.1〜500μmの粒径の微細粒子を得ることができる。
吸水部3は、吸水性樹脂によって形成することができる。吸水性樹脂は、例えば、アクリル酸塩重合体の架橋物、澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体の加水分解生成物の架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸部分中和物架橋体および酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物等が挙げられる。このうち、大量の液体を吸収することができ、多少の荷重をかけても吸収した液体を分子内に安定に保持可能なアクリル酸塩重合体の架橋物が好適である。
また、吸水性樹脂は一般に粉末状や顆粒状のものが好ましい。本発明では、粉末状や顆粒状のものを含めて、粒子の用語で表している。
吸水性樹脂は、代表的な製造方法である逆相懸濁重合法や水溶液重合法等の他、各種の重合法で製造したものを必要に応じて粉砕、造粒または分級等を行うことによって調製することができる。
分離部4は抗菌部2内の抗菌性粒子と吸水部3内の吸水性樹脂とを分離すると共に、液体を吸水部3内に通過させる。分離部4は、抗菌部2内の通過した液体を吸水部3内に通すために通水性シート材を備える。上部シート5の通水性シート材、および分離部4の通水性シート材は、例えば不織布を用いることができる。
また、抗菌部2の上方は上部シート5で覆われる、上部シート5を通過した液体は抗菌部2内に浸透する。抗菌部2内に浸透した液体は分離部4の通水性シート材を通過して、吸水部3内に浸透する。吸水部3内に浸透した液体は、吸水性樹脂に吸収される。抗菌部2は、吸水部3内に浸透した液体による菌の増殖を抑制し、匂い成分を分解する。
吸水部3の底部は底部シート6で覆われる。底部シート6は非通水性シート材で形成され、吸水部3内に浸透した液体が外部に漏れ出すことを防止する。非通水性シート材は、例えば樹脂フィルムで形成することができる。
抗菌性吸水シート1は上部に抗菌部2が設けられた構成であるため、表面の抗菌性を得ることができる。
分離部4および上部シート5の通水性シート材は、例えば不織布で形成することができる。
図1(a)〜(c)は抗菌性吸水シートの断面図であり、図1(d)は抗菌性吸水シートの上方部分の概略斜視面である。
図1(a)に示す構成例では、抗菌部2内に水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性を有する粒子を備える。ここで、抗菌性粒子の粒度を小さくすることによって、単位重さに対する表面積を大きくして、菌の増殖防止および匂い成分の分解除去の効果を高めることができる。
図1(b),(c)に示す構成例では、抗菌部2内に水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性を有する粒子を備えると共に、吸水部3内にも吸水性樹脂13と共に水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性粒子を備える。
図1(b)に示す構成例では、抗菌部2内に備える抗菌性粒子の粒度と、吸水部3内に備える抗菌性粒子の粒度を異ならせる。抗菌部2内に備える抗菌性粒子11の粒度は、図1(a)に示した構成と同様に、抗菌性粒子の粒度を小さくすることによって、単位重量あたりの表面積を大きくして、菌の増殖防止および匂い成分の分解除去の効果を高める。
一方、吸水部3内に備える抗菌性粒子12の粒度は、吸水部3内の吸水性樹脂13の粒子の粒度と比較した大きな粒度とする。アルカリ性の抗菌剤は、アルカリ性によって吸水性樹脂の吸水能力を低下させる性質がある。図1(b)の構成によれば、吸水部3内において、アルカリ性の抗菌性粒子12の粒径を吸水性樹脂13の粒径よりも大きくすることによって抗菌性粒子12の表面積を相対的に小さくし、吸水性樹脂13の吸水能力を低下させる影響を低減させる。
吸水部3内に、粒径の大きな抗菌性粒子12を配することによって、菌類の増殖の抑制、および匂い成分の分解除去の作用を奏すると共に、アルカリ性の抗菌性粒子による吸水性樹脂13の吸水能力低下を低減させることができる。
図1(c)に示す構成例では、非アルカリ性抗菌性粒子14を用い、吸水部3内に備える抗菌性粒子14の粒度と吸水性樹脂12の粒子の粒度を揃える。
吸水性樹脂12の粒子と非アルカリ性抗菌粒子14の粒子とを混合させる構成において、吸水性樹脂12の粒子の粒径(粒度)と非アルカリ性抗菌粒子14の粒子の粒径(粒度)とを揃えることによって、両粒子の混錬性を高め、吸水部3内における抗菌剤の偏りを防ぐことができる。
図1(b),(c)に示す構成例では、吸水部3内に設けた抗菌性粒子によって、吸水部3内での菌の増殖を抑制し、発生した匂い成分を分解することができる。
(第2の構成例)
図2は、第1の態様の抗菌性吸水シートの第2の構成例を説明するための図である。図2(a)は抗菌性吸水シートの断面図であり、図2(b)は抗菌性吸水シートの上方部分の概略斜視面である。
図2において、抗菌性吸水シート1は、分離部4を挟んで上層に抗菌部2を設け下層に吸水部3を備える。
非通水性シート材からなる底部シート6上に吸水部3を所定間隔で設ける。分離部4を形成する通水性シート材を所定間隔ごとに底部シート6と接着する。吸水部3は、接着部7と底部シート6と通水性シート材とで形成される収納空間内に吸水性樹脂を収納することによって形成することができる。
分離部4の通水性シート材の上方に上部シート5を設ける。抗菌部2は、分離部4の通水性シート材と上部シート5の間で形成される収納空間内に抗菌性粒子を収納することによって形成することができる。分離部4および上部シート5の通水性シート材は、例えば不織布で形成することができる。
上部シート5を通過した液体は抗菌部2内に浸透する。抗菌部2内に浸透した液体は分離部4の通水性シート材を通過して、吸水部3内に浸透する。吸水部3内に浸透した液体は、吸水性樹脂に吸収される。抗菌部2は、吸水部3内に浸透した液体による菌の増殖を抑制し、匂い成分を分解する。
また、第2の構成例においても、前記した図1(b),(c)の構成例と同様に、吸水部3内に抗菌性粒子を設ける構成としてもよい。
(第3の構成例)
図3は、第1の態様の抗菌性吸水シートの第3の構成例を説明するための図である。図3(a)は抗菌性吸水シートの断面図であり、図3(b)は抗菌性吸水シートの上方部分の概略斜視面である。
図3において、抗菌性吸水シート1は、分離部4を挟んで上層に抗菌部2を設け下層に吸水部3を備える。
非通水性シート材からなる底部シート6上に吸水部3を設け、分離部4を形成する通水性シート材上に抗菌部2を所定間隔で設けることによって、分離部4の通水性シート材の上方に上部シート5の通水性シート材を設ける。抗菌部2の上部シート5の通水性シート材は所定間隔ごとに分離部4の通水性シート材と接着させる。抗菌部2は、接着部7の通水性シート材と上部シート5の通水性シート材とで形成される収納空間内に抗菌性粒子を収納することによって形成される。
分離部4および上部シート5の通水性シート材は、例えば不織布で形成することができる。
上部シート5を通過した液体は抗菌部2内に浸透する。抗菌部2内に浸透した液体は分離部4の通水性シート材を通過して、吸水部3内に浸透する。吸水部3内に浸透した液体は、吸水性樹脂に吸収される。また、接着部7を通過した液体についても、分離部4の通水性シート材を通過して吸水部3内に浸透し、吸水性樹脂に吸収される。抗菌部2は、吸水部3内に浸透した液体による菌の増殖を抑制し、匂い成分を分解する。
また、第3の構成例においても、前記した図1(b),(c)の構成例と同様に、吸水部3内に抗菌性粒子を設ける構成としてもよい。
[本発明の第2の形態]
本発明の第2の態様は、抗菌部と吸水部とを水平方向に配置すると共に、両部の間に分離部を設ける。分離部は抗菌部と吸水部とを水平方向で分離する。抗菌部と吸水部とを分離部を挟んで水平方向に配置することによって、抗菌部が表面になるようにする。抗菌部を表面にすることによって、抗菌性吸水シートの表面に抗菌性を持たせる。
図4は、第2の態様の抗菌性吸水シートの構成例を説明するための図である。図4(a)は抗菌性吸水シートの断面図であり、図4(b)は抗菌性吸水シートの上方部分の概略斜視面である。
図4において、抗菌性吸水シート1は、分離部4´を挟んで水平方向に抗菌部2と吸水部3とを並べて備える。
抗菌性吸水シート1は、非通水性シート材からなる底部シート6上に上部シート5を設け、底部シート6と上部シート5との間で形成される収納空間内に抗菌性粒子および吸水性樹脂を収納することによって抗菌部2および吸水部3が形成される。抗菌部2と吸水部3との間の分離部4´は、底部シート6と上部シート5とを接着する接着部で形成することができる。上部シート5は例えば不織布等の通水性シート材によって形成することができる。
上部シート5を通過した液体は抗菌部2内および吸水部3内に浸透する。吸水部3内に浸透した液体は、吸水性樹脂に吸収される。抗菌部2は、吸水部3内に浸透した液体による菌の増殖で発生した匂い成分を分解する。
また、第2の態様においても、前記した第1の態様の第1〜第3の構成例と同様に、吸水部3内に抗菌性粒子を設ける構成としてもよい。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
1 抗菌性吸水シート
2 抗菌部
3 吸水部
4 分離部
5 上部シート
6 底部シート
7 接着部
11 抗菌性粒子
12 抗菌性粒子
13 吸水性樹脂
14 抗菌性粒子

Claims (5)

  1. 水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性粒子であるアルカリ性の抗菌剤を主成分として含有する抗菌部と、
    吸水性樹脂を含有する吸水部と、
    前記抗菌部と前記吸水部とを分離する分離部とを備え、
    前記抗菌部の表面は通水性を有し、
    前記抗菌部と前記吸水部とを前記分離部を挟んで水平方向に配置し、
    前記分離部は、前記抗菌部と前記吸水部とを水平方向に分離し、
    前記抗菌部と前記吸水部は、前記水平方向に対して垂直方向の2つの表面において、一方の側の表面は通水性を有し、他方の側の表面は非通水性を有することを特徴とする、抗菌性吸水シート。
  2. 前記抗菌部および前記吸水部は、通水性を有する表面に通水性シート材を備え、
    前記抗菌剤および前記吸水性樹脂の非通水性を有する表面に非通水性シート材を備え、
    前記分離部は、前記通水性シート材と前記非通水性シート材との接着部位により構成することを特徴とする、請求項に記載の抗菌性吸水シート。
  3. 前記吸水部は、吸水性樹脂の粒子とアルカリ性の抗菌剤の粒子とを混合して備え、
    前記抗菌剤の粒子の粒径は、吸水性樹脂の粒子の粒径よりも大であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗菌性吸水シート。
  4. 前記吸水部は、吸水性樹脂の粒子と非アルカリ性の抗菌剤の粒子とを混合して備え、
    前記吸水性樹脂の粒子の粒径と前記抗菌剤の粒子の粒径とを揃えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の抗菌性吸水シート。
  5. 前記水酸化カルシウムを主成分とする抗菌性粒子は、炭酸カルシウムを焼成してなる酸化カルシウムを水和して生成される生成物であることを特徴とする、請求項1から4の何れか一つに記載の抗菌性吸水シート。
JP2011113486A 2011-05-20 2011-05-20 抗菌性吸水シート Active JP5868613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011113486A JP5868613B2 (ja) 2011-05-20 2011-05-20 抗菌性吸水シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011113486A JP5868613B2 (ja) 2011-05-20 2011-05-20 抗菌性吸水シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012241296A JP2012241296A (ja) 2012-12-10
JP5868613B2 true JP5868613B2 (ja) 2016-02-24

Family

ID=47463321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011113486A Active JP5868613B2 (ja) 2011-05-20 2011-05-20 抗菌性吸水シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5868613B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6451842B2 (ja) * 2015-05-29 2019-01-16 王子ホールディングス株式会社 金属酸化物および/または金属水酸化物含有シート
TWI763519B (zh) * 2021-06-02 2022-05-01 臺灣塑膠工業股份有限公司 兼具抗結塊、提升白度、除臭及抑菌功效的吸水性聚合物及其製造方法暨其應用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63156540A (ja) * 1986-12-19 1988-06-29 Kanebo Ltd 抗菌性を有する吸水シ−ト
JPH066365B2 (ja) * 1988-03-01 1994-01-26 鐘紡株式会社 抗菌性を有する吸水性シート
DE69930551T2 (de) * 1999-12-09 2006-12-28 The Procter & Gamble Company, Cincinnati Absorbierender wegwerfartikel mit einer gemusterten geruchs- oder antimikrobiell vermindernden schicht
JP4382962B2 (ja) * 2000-05-02 2009-12-16 株式会社経営総合研究所 光触媒パルプ積層シート及び光触媒パルプ積層シートの製造方法
JP2002001878A (ja) * 2000-06-19 2002-01-08 Fuji Seal Inc 抗菌性を有する熱収縮性包装材及び包装材装着容器
JP4959310B2 (ja) * 2006-12-01 2012-06-20 バンドー化学株式会社 通気性粘着テープ
JP2010241704A (ja) * 2009-04-02 2010-10-28 Clear Office Kk 抗菌性シート
JP2011156714A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Shigeaki Maruo 抗菌消臭積層材及びこの積層材を使用する抗菌消臭靴

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012241296A (ja) 2012-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2399642C2 (ru) Тепловые ячейки, содержащие экзотермические композиции с поглощающим гелеобразующим материалом
KR100993659B1 (ko) 발열조성물 및 발열체
RU2422486C1 (ru) Способ изготовления тепловых ячеек, содержащих экзотермические композиции с поглощающим гелеобразующим материалом
RU2011148251A (ru) Генерирующий аэрозоль материал для курительного изделия
JPWO2006006652A1 (ja) 発熱体
WO2004061045A1 (ja) 発熱組成物及び発熱体
JP5868613B2 (ja) 抗菌性吸水シート
US11376539B2 (en) Multilayer film for air purification and method for manufacturing same
CN1738883A (zh) 发热组合物和发热体
JP2008221065A (ja) 有機系の酸素吸収剤
KR101872877B1 (ko) 인조잔디용 충전재의 제조 방법 및 그로부터 제조된 인조잔디 충전재
JP2862274B2 (ja) 吸水シートの製造方法
KR101654547B1 (ko) 천연광물을 포함하는 탈취, 제습 및 항균 효과가 있는 제품 및 이의 제조방법
CN101262925B (zh) 用于处理气体的筒
JPWO2006006649A1 (ja) 湿潤性発熱組成物圧縮体、発熱体及び湿潤性発熱組成物圧縮体の製造方法
JPS60235624A (ja) 調湿用具
CN113617340A (zh) 一种可变色杀菌凹土基除臭除湿剂及其制备方法
CN210100920U (zh) 一种抗菌透气的防臭海绵
JPS63162601A (ja) 切花用保水剤
JP2021024629A (ja) 収納袋
JP2004339338A (ja) ポリオレフィン炭化物およびその製造方法
KR20200058974A (ko) 고흡수성 제습 장치
CN117883243A (zh) 一种吸附结构及其加工方法以及含吸附结构的卫生用品
JP2009011166A (ja) 食品保存用マット
JP2915920B2 (ja) 機能性を有する吸水シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140512

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20140512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150812

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5868613

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250