JP5867663B1 - 圧電トランス - Google Patents

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Abstract

次数7の縦振動モードを利用してなる圧電トランスは、共振周波数での波長をλで表すと、7λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備える。圧電体素体は、3個の低電圧部と2個の高電圧部とを有し、長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ低電圧部が圧電体素体の両方の端部に位置するように配置されている。各低電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する3個の分極領域を有する。各高電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有する。第1低電圧部、第2低電圧部、及び第3低電圧部の厚み方向の端部に一対の第1の低電圧用電極および第2の低電圧用電極が形成されている。各高電圧部を構成する分極領域のうち互いに隣接する2つの分極領域の間にそれぞれ高電圧用電極が形成されている。

Description

本発明は、圧電トランスに関する。
特許文献1には、圧電トランスが開示されている。特許文献1の圧電トランスにおいては、圧電体板の両端部側の部分は圧電体板の長さ方向に平行な方向に分極され、それらの間の中間部分は圧電体板の厚み方向に平行な方向に分極されている。中間部分の互いに対向する側面にはそれぞれ入力用電極が設けられ、圧電体板の長さ方向の両端面にはそれぞれ出力用電極が設けられている。これにより、この圧電トランスは、昇圧用圧電トランスとして構成されている。
特開2003−230272号公報
電子機器等においては、入力インピーダンスが低い圧電トランスが要求される場合がある。
本発明は、入力インピーダンスを低くできる圧電トランスを提供する。
本発明の第1の態様の圧電トランスは、次数n(nは7以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスは、共振周波数での波長をλで表すと、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備える。圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ低電圧部が圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置されている。各低電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有する。各高電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有する。各低電圧部における、前記圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられている。各高電圧部を構成する分極領域のうち互いに隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられている。各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体の厚み方向に平行で、かつ圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定されている。各高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、圧電体素体の長さ方向に平行で、かつ圧電体素体の、その長さ方向において高電圧用電極により区分されたグループ内において、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなり、かつ圧電体素体の長さ方向の一端側から奇数番目のグループと偶数番目のグループとにおいて、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定されている。
本発明の第2の態様の圧電トランスは、次数n(nは6以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスは、共振周波数での波長をλで表すと、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有し、それぞれλ/2の長さを有するn個の分極領域が長さ方向に配置された圧電体素体を備える。圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ高電圧部が圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置されている。各低電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有している。各高電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、圧電体素体の両端部以外では、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有し、圧電体素体の両端部では、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有している。各低電圧部の圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられている。圧電体素体の長さ方向の一対の端部にそれぞれ高電圧用電極が設けられているとともに、両端の高電圧部を除く各高電圧部を構成する分極領域のうち互いに隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられている。各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体の厚み方向に平行で、かつ圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定されている。各高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、圧電体素体の長さ方向に平行で、かつ圧電体素体の、その長さ方向において高電圧用電極により区分されたグループ内において、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなり、かつ圧電体素体の長さ方向の一端側から奇数番目のグループと偶数番目のグループとにおいて、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定されている。
本発明の第3の態様の圧電トランスは、次数n(nは7以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスは、共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備える。圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ低電圧部が圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置されている。各低電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有する。各高電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有する。各低電圧部における、圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられている。各高電圧部を構成する分極領域のうち隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられている。 各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体の厚み方向に平行で、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定されている。各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体の長さ方向に平行で、かつ圧電体素体の、その長さ方向において高電圧用電極を境界として区分された各グループに、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目のグループと奇数番目のグループとで互いに逆向きの電界が生じるように交流電圧を印加したときに、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域において生じる応力の向きと奇数番目の分極領域において生じる応力の向きとが互いに逆向きとなるように設定されている。
本発明の第4の態様の圧電トランスは、次数n(nは6以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスは、共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備える。圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ高電圧部が圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置されている。各低電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有する。各高電圧部は、圧電体素体の長さ方向に沿って、圧電体素体の両端部以外では、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有し、圧電体素体の両端部では、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有する。各低電圧部の圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられている。圧電体素体の長さ方向の一対の端部にそれぞれ高電圧用電極が設けられているとともに、両端の高電圧部を除く各高電圧部を構成する分極領域のうち隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられている。各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体の厚み方向に平行で、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定されている。各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体の長さ方向に平行で、かつ圧電体素体の、その長さ方向において高電圧用電極を境界として区分された各グループに、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目のグループと奇数番目のグループとで互いに逆向きの電界が生じるように交流電圧を印加したときに、圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域において生じる応力の向きと奇数番目の分極領域において生じる応力の向きとが互いに逆向きとなるように設定されている。
本発明において、圧電トランスモジュールが提供される。圧電トランスモジュールは、本発明の圧電トランスと、一方の端部側の低電圧用電極同士を接続し、他方の端部側の低電圧用電極同士を接続する基板とを含む。
本発明において、電界結合型受電装置が提供される。電界結合型受電装置は、本発明の絶縁型圧電トランスを備え、絶縁型圧電トランスの高電圧用電極に受電電極が接続され、絶縁型圧電トランスの低電圧用電極に受電回路が接続されている。
本発明において、電界結合型送電装置が提供される。電界結合型送電装置は、本発明の絶縁型圧電トランスを備え、絶縁型圧電トランスの低電圧用電極に送電回路が接続され、絶縁型圧電トランスの高電圧用電極に送電電極が接続されている。
本発明の圧電トランスでは、複数の高電圧部と低電圧部とでなる変圧部を複数個構成可能である。これらの変圧部を並列接続することにより、圧電トランスの入力インピーダンスを低下させることができる。
本発明の実施形態1に係る圧電トランスが適用された電界結合型電力伝送システムの構成を示す図である。 電界結合型電力伝送システムを構成する受電装置の具体的構成の一例を示す図である。 実施形態1の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態1の圧電トランスの電極構造を説明した斜視図である。 実施形態1の圧電トランスを備えた圧電トランスモジュールの構成の一例を示す図である。 圧電トランスモジュールにおいて、圧電トランスの第1高電圧用電極及び第2高電圧用電極の面電極及び第1低電圧用電極及び第2低電圧用電極を、フレキシブル基板に半田により結合した例を示す図である。 実施形態1の圧電トランスの等価回路を示す図である。 参考例としての圧電トランスの構成を示す図である。 参考例としての圧電トランスの等価回路を示す図である。 実施形態2の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態2の圧電トランスの電極構造を説明した斜視図である。 実施形態3の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態4の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態5の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態5の圧電トランスの電極構造を説明した斜視図である。 実施形態6の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態7の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態8の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態9の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態10の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態11の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態12の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態13の圧電トランスの構成を示す図である。 実施形態14の圧電トランスの構成を示す図である。 本発明の圧電トランスが昇圧トランスとして利用された電界結合型電力伝送システムの構成を示す図である。
(実施形態1)
1.構成
1−1.電界結合型電力伝送システムの構成
図1は、本発明の圧電トランスが適用された電界結合型電力伝送システムの構成を示す図である。なお、図1においては、図示を簡略化する観点から降圧トランス(圧電トランス)Trの電極(各高電圧用電極、各低電圧用電極)の位置および数は実際とは異なる。
電界結合型電力伝送システムは、送電装置100と、受電装置200とを有する。
送電装置100は、送電回路110と、一対の送電電極Eta、Etp(以下、適宜「送電側アクティブ電極Eta」、「送電側パッシブ電極Etp」という)とを有する。送電回路110は、所定周波数の交流電圧を発生し、一対の送電電極Eta、Etp間に印加する。一対の送電電極Eta、EtpはキャパシタC1を構成する。
受電装置200は、一対の受電電極Era、Erp(以下、適宜「受電側アクティブ電極Era」、「受電側パッシブ電極Erp」という)と、一対の受電電極Era、Erp間に誘起された交流電圧を降圧する降圧トランスTrと、降圧された交流電圧が入力される負荷回路210(受電回路)とを有する。負荷回路210は、降圧された交流電圧を入力して所定の機能を実行する。
図2は、図1で示した受電装置200の具体的構成の一例を示す図である。本例の受電装置200は、前述した、一対の受電電極Era、Erp、降圧トランスTr、及び負荷回路210を有する。
送電側アクティブ電極Etaと受電側アクティブ電極Eraとが対向状態にあるとき、送電側アクティブ電極Etaと受電側アクティブ電極Eraとの間には、結合容量Caaが生じ、送電側パッシブ電極Etpと受電側パッシブ電極Erpとの間には、結合容量Cppが生じる。送電側アクティブ電極Etaと受電側アクティブ電極Eraとが対向状態にあるとき、送電装置100の一対の送電電極Eta、Etp間に交流電圧が印加されることにより、受電装置200の一対の受電電極Era、Erp間に交流電圧が誘起される。これにより、送電装置100から受電装置200に電力を伝送することができる。
一対の受電電極Era、Erpはそれら受電電極間に発生する静電容量であるキャパシタC2を構成する。
降圧トランスTrは、圧電トランスにより構成されている。詳細については後述する。なお、以後の説明においては、降圧トランスTrを圧電トランスTrと称する。
負荷回路210は、整流回路REC、レギュレータREG、及び負荷LDを有する。
整流回路RECは、複数のダイオードD1、D2、D3、D4、インダクタL3、及びキャパシタC3を含み、一対の入力端子間に印加された交流電圧を直流電圧に変換し、レギュレータREGの入力端子間に印加する。
レギュレータREGは、整流回路RECから出力される直流電圧を所定の直流電圧に変換して出力する。
負荷LDは、レギュレータREGから出力される直流電圧を用いて充電池への充電等の所定の機能を実行する。
1−2.圧電トランスの構成
図3は、実施形態1の圧電トランスTrの構成を示す図である。なお、図3においては、図示や説明の簡略化のために低電圧用電極の一部は圧電トランスTrの上下面(厚み方向の端部)に設けられるように図示しているが、後に説明する図4に示すように、圧電体素体PBの内部に積層状に構成され、かつ圧電トランスTrの側面(幅方向の端部)に引き出されて露出するように設けてもよい。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数7の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、7λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備えている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する7個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1低電圧部Lv1、第1高電圧部Hv1、第2低電圧部Lv2、第2高電圧部Hv2、及び第3低電圧部Lv3を有する。つまり、圧電体素体PBは、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ低電圧部が圧電体素体PBの長さ方向の両端部に位置するように配置されている。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有し、第3低電圧部Lv3は1個の分極領域Lv31を有する。
第1高電圧部Hv1は2個の分極領域Hv11、Hv12を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有する。
第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する分極領域Lv11、Lv21、Lv31における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部(圧電体素体PBの厚み方向において互いに対向する一対の面(側面)を含む部分。以後の各実施形態において同じ。)にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が設けられている。なお、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2の構造については後述する。
第1高電圧部Hv1において、互いに隣接する2つの分極領域Hv11、Hv12の間に第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている
本実施形態において、圧電トランスTrは、第1高電圧用電極EH1及び第2高電圧用電極EH2を入力電極とし、第1低電圧用電極おEL1および第2低電圧用電極EL2を出力電極とする降圧トランスとして用いられる。なお、圧電トランスTrは、後述するように昇圧トランスとして用いることもできる。
本実施形態では、領域Lv11の第1低電圧用電極EL1と領域Lv12の第1低電圧用電極EL1とは互いに電気的に接続され、領域Lv11の第2低電圧用電極EL2と領域Lv12の第2低電圧用電極EL2とは互いに電気的に接続された状態で使用される。領域Lv11の第1低電圧用電極EL1と領域Lv12の第1低電圧用電極EL1、および、領域Lv11の第2低電圧用電極EL2と領域Lv12の第2低電圧用電極EL2とは、例えば基板等への実装状態で電気的接続がなされるように配置される。
図3において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。
ここで、本発明の各実施形態に係る絶縁型圧電トランスを構成する各分極領域の分極方向の設定に関する考え方について説明する。
本発明の絶縁型圧電トランスTrは、前述のように、次数nの縦振動モードを利用して構成された圧電トランスであり、共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って、n個の分極領域を有する。n個の分極領域は、それぞれλ/2の長さを有する。縦振動モードでは、各分極領域は、圧電体素体PBに加えられている電界の大きさ及び方向の変化に応じて、圧電体素体PBの長さ方向に伸縮する。本発明では、n個の分極領域の伸縮状態が圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆の状態となるように、分極方向が設定されている。例えば、n個の分極領域を有する圧電体素体PBの長さ方向において1番目の分極領域は「伸び状態」、2番目の分極領域は「縮み状態」、3番目の分極領域は「伸び状態」、4番目の分極領域は「縮み状態」…というように、「伸び状態」と「縮み状態」とが交互に出現するように分極方向が設定される。換言すれば、圧電体素体PBに電界を印加したときの各分極領域における応力の向き(図3参照。図3では応力を正弦波状に示しているが、図3の正弦波において正のときに図上で例えば右向きの応力が生じ、負のときに例えば左向きの応力が生じることを示す)が、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向き(反対方向)となるように、各分極領域の分極方向が設定される。
ここで、本発明の絶縁型圧電トランスTrでは、圧電体素体PBは、圧電体素体PBの長さ方向において、複数の高電圧用電極により、λ/2の長さを有する複数の分極領域からなる複数のグループに区分されている。複数の高電圧用電極には、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目のグループと奇数番目のグループとにおいて互いに逆向きの電界が生じるように交流電圧が印加される。そのため、本発明の絶縁型圧電トランスTrでは、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の高電圧用電極と奇数番目の高電圧用電極とのうちの一方の電極を、交流電源の一方のラインに接続される正電極Haとして利用し、他方の電極を交流電源の他方のラインに接続される負電極Hbとして利用する。実施形態1では、図3に示すように、第1高電圧用電極EH1を正電極Haとし、第2高電圧用電極EH2を負電極Hbとしている。本実施形態では、これらの点を考慮した上で、圧電体素体PBに交流電圧つまり交番電界を印加したときの各分極領域における応力の向きが、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように、各分極領域の分極方向が設定される。これにより、各分極領域の伸縮状態が、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆の状態となり、縦振動モードでの縦振動(共振)が得られる。
具体的に、本実施形態の絶縁型圧電トランスTrでは、高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向に平行で、かつ、圧電体素体PBの、その長さ方向において高電圧用電極により区分されたグループ内において、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなり、かつ圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目のグループと偶数番目のグループとで、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定される。
上記分極方向設定の考え方に基づくと、高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、
(1)高電圧用電極により区分された上記のグループのうち、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目の分極領域と、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域とが互いに同じ向きとなり、
(2)高電圧用電極により区分された上記のグループのうち、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目のグループ内における、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目の分極領域とが互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る奇数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目の分極領域、及び偶数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と、(2)に係る奇数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域、及び偶数番目のグループにおける、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目の分極領域とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、低電圧部を構成する分極領域の分極方向は、圧電体素体PBの厚み方向に平行で、かつ圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定される。これは以下の理由による。すなわち、圧電体素体PBの隣接する分極領域間において圧電体素体PBの長さ方向の伸縮状態が逆となることは、圧電体素体PBの厚み方向の伸縮状態も逆となることである。これを考慮して、低電圧部においては、厚み方向の圧電効果により生じる電圧が同位相となるように、互いに隣接する分極領域の分極方向を、圧電体素体PBの厚み方向において逆方向に設定している。
より具体的には、低電圧部を構成する分極領域の分極方向は、
(1)圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目の分極領域において互いに同じ向きとなり、
(2)圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る奇数番目の分極領域と、(2)に係る偶数番目の分極領域とにおいて互いに逆向きとなるにように設定される。
上記構成の圧電トランスTrによれば、高電圧用電極EH1と高電圧用電極EH2との間に交流電圧を入力(印加)すると、各高電圧部を構成する各分極領域に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により、各低電圧部を構成する各分極領域に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、低電圧用電極間に、降圧された交流電圧が出力される。
上記分極方向設定の考え方に基づき、実施形態1の絶縁型圧電トランスTrでは、各分極領域の分極方向は、以下のように設定される。
ここで、本実施形態の絶縁型圧電トランスTrでは、圧電体素体PBは、高電圧用電極EH1、EH2を境界にして、圧電体素体PBの長さ方向において、第1のグループR1、第2のグループR2、第3のグループR3に区分されており、高電圧用電極EH1と、高電圧用電極EH2との間に交流電圧V1が印加される。本実施形態では上述のように複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2間に、高電圧が印加されると、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図3において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成され、第1のグループR1及び第3のグループR3に、第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3を迂回して(図3において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成される。この場合、第1のグループR1及び第3のグループR3に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記条件のもとに、本実施形態では、第1高電圧部Hv1及び第2高電圧部Hv2を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向を、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv11、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側(本実施形態において、「圧電体素体PBの長さ方向の一端側」という場合、原則的に図における左端側を指すものとする)から2番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv12、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目及び5番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11及びHv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び3番目のグループ(第3のグループR3)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv12、Hv21は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の各分極領域Hv11、Hv22、及び偶数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv12、Hv21において互いに同じ向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv31の分極方向は、圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向としている。ここで、分極領域Lv11、Lv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び7番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の各分極領域Lv11、Lv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(2)(1)に係る分極領域Lv11、Lv31と、偶数番目の分極領域Lv21とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
本実施形態の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2の各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により、各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の各分極領域、Lv11、Lv21、Lv31に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間に、降圧された交流電圧V2が出力される。
図4は、実施形態1の圧電トランスの電極構造を説明した斜視図である。本実施形態では、第1低電圧用電極EL1、第2低電圧用電極EL2、第1高電圧用電極EH1、及び第2高電圧用電極EH2は、圧電体素体PBの側面に露出させて設けられている。
図4(a)は各電極を構成する面電極を未形成の状態を示し、図4(b)は各電極を構成する面電極を形成後の状態を示す。図4(c)は、第1高電圧用電極EH1及び第2高電圧用電極EH2の厚み方向に沿った断面図、図4(d)は、第1低電圧用電極EL1、及び第2低電圧用電極EL2の厚み方向に沿った断面図である。図4(a)、(b)、(c)に示すように、第1高電圧用電極EH1及び第2高電圧用電極EH2は、それぞれ、圧電体素体PBの内部に所定の間隔で埋め込み形成された複数のシート状電極EHbを有する。これらのシート状電極EHbの両端部は、圧電体素体PBの対向する一対の側面にまで達している。これらの側面には、図4(b)、(c)に示すように、シート状電極EHbの両端部間を接続する面電極EHaが形成されている。
第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3の各第1低電圧用電極EL1は、図4(a)、(b)、(d)に示すように、側面に形成された面電極ELaと、各低電圧部の内部に埋め込み形成され、一端が面電極ELa1に接続された複数のシート状電極ELb1とを有する。また、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3の各第2低電圧用電極EL2は、面電極ELa1に対向する側面に形成された面電極ELa2と、低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の内部に埋め込み形成され、一端が面電極ELa2に接続された複数のシート状電極ELb2を有する。このような構成とすることにより、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間の容量を大きくして、取り出せる電力を大きくすることができる。
第1高電圧用電極EH1及び第2高電圧用電極EH2を構成する面電極EHaは、第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2が設けられた側面と同じ側面に形成されている。
図5は、実施形態1の圧電トランスを備えた圧電トランスモジュールの構成の一例を示す図である。図6は、圧電トランスモジュールにおいて、圧電トランスの第1高電圧用電極、第2高電圧用電極の面電極及び第1低電圧用電極及び第2低電圧用電極、及び第3高電圧用電極を、半田を用いてフレキシブル基板に結合した例を示す図である。本例の圧電トランスモジュールでは、圧電トランスTrは、固定枠B1に配置されたフレキシブル基板F1に取り付けられる。具体的に、固定枠B1には、圧電トランスTrを嵌め込み可能な取付孔Bhが設けられている。フレキシブル基板F1は、取付孔Bhの長手方向の両縁部のそれぞれに沿って配置されている。圧電トランスは、固定枠B1の取付孔Bhに配置され、その状態において、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2の面電極EHa及び第1低電圧用電極EL1、第2低電圧用電極EL2の面電極ELa1、ELa2は、図6にも示すように、フレキシブル基板F1に形成された導電パターン(図示せず)に半田X1によりそれぞれ接合される。なお、半田X1に代えて、導電性接着剤を利用してもよい。
図7は、本実施形態の圧電トランスの等価回路を示す図である。圧電トランスTrの電気的構成は、変圧部tr1と、変圧部tr1の一対の入力端子間に配置された4つのキャパシタンスCi、インダクタンスL11、キャパシタンスC11及び抵抗R11と、変圧部tr1の出力側のキャパシタンスC12とを有する回路として表すことができる。本実施形態では、第1高電圧部Hv1の2つの分極領域Hv11、Hv12の直列接続された2つのキャパシタンスCiと、第2高電圧部Hv2の2つの分極領域Hv21、Hv22の直列接続された2つのキャパシタンスCiとが並列になる。換言すれば、本実施形態の圧電トランスTrは、第1高電圧部Hv1の領域Hv12と、第2低電圧部Lv2の領域Lv21と、第2高電圧部Hv2の領域Hv21とで構成される第1の変圧部と、第2高電圧部Hv2の領域Hv22と、第3低電圧部Lv3の領域Lv31と、第1低電圧部Lv1の領域Lv11と、第1高電圧部Hv1の領域Hv11とで構成される第2の変圧部とを、並列接続した構成ということができる。そのため、圧電トランスTrの入力インピーダンスを低下させることができる。
図8は、参考例としての圧電トランスの構成を示す図である。この圧電トランスは、実施形態1の圧電トランスの中央部の3λ/2の部分のみからなる。本圧電トランスにおいては、長手方向に3つの分極領域を備えており、長手方向中央部の分極領域の対向する一対の側面に電極E21、E22が設けられ、長手方向両端部の端面に電極E11、E12が設けられている。
図9は、図8に示した参考例としての圧電トランスの等価回路を示す図である。この場合においては、分極領域は入力間に直列に設けられているので、分極領域のキャパシタンスCiは直列接続となる。そのため、分極領域のキャパシタンスCiが小さい場合、圧電トランスの入力インピーダンスが高くなる。一方、本実施形態(実施形態1)では、図7を用いて説明したように、第1高電圧部Hv1の2つの分極領域Hv11、Hv12の直列接続された2つのキャパシタンスC1と、第2高電圧部Hv2の2つの分極領域Hv21、Hv22の直列接続された2つのキャパシタンスC1とが並列接続されたことになる。そのため、圧電トランスTrの入力インピーダンスを低下させることができる。
実施形態1において、接地されていない第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧を印加することは、第1高電圧用電極EH1に+Vの電圧を印加し、第2高電圧用電極EH2に−Vの電圧を印加することである。第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2は、第1高電圧用電極EH1及び第2高電圧用電極EH2に対して絶縁された浮き電極であるので、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧が印加されると、互いに接続された第1低電圧用電極EL1及び互いに接続された第2低電圧用電極EL2を介して、前述のように、第1高電圧部Hv1及び第2高電圧部Hv2の分極領域に電界E1、E2が生成される(前述した図3に示す「ショート貫通」)。電界E1の方向が、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に印加される交流電圧の周期的変化に応じて変化すると、第1高電圧部Hv1(分極領域Hv11、Hv12)及び第2高電圧部Hv2(分極領域Hv21、Hv22)は交流電圧の周期的変化に応じて長さ方向に伸縮し、この伸縮に伴って第1低電圧部Lv1(分極領域Lv11)も長さ方向に伸縮される。この長さ方向への伸縮により、第1低電圧部Lv1(分極領域Lv11)、第2低電圧部Lv2(分極領域Lv21)、第3低電圧部Lv3(分極領域Lv31)は厚み方向に伸縮され、この厚み方向の伸縮による圧電効果により第1低電圧部Lv1(分極領域Lv11)、第2低電圧部Lv2(分極領域Lv21)、第3低電圧部Lv3(分極領域Lv31)の厚み方向に互いに同相の交流電圧が発生し、発生した交流電圧が第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から出力される。
その場合に、本実施形態では、第1高電圧部Hv1と第2高電圧部Hv2は、第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2から見て長さ方向において対称に形成されているので、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧を印加したときに、各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2において当該入力交流電圧V1の前記電界E1、E2により誘起される電位は0(ゼロ)となる。したがって、未分極領域を設けることなく、圧電トランスの入出力間の絶縁性が向上する。そのため、圧電体素体PBの圧電振動によって各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3に生じた電圧だけが、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から出力されることとなる。このように、本実施形態によれば、絶縁性を向上させた圧電トランスTrを提供することができる。
本実施形態の圧電トランスでは、以下の(1)〜(4)に示す効果も得られる。
(1)本実施形態の圧電トランスは、電力変換に寄与しない未分極領域を有していない。そのため、結合係数の低下や電力変換効率の低下が生じにくく、また、より小型にできる。
(2)本実施形態の圧電トランスでは、高電圧部と低電圧部とが圧電体素体PBの長さ方向において交互に、つまり分散して配置されている。また、圧電体素体PBを構成する複数の分極領域のうちの約半分が高電圧部を構成する分極領域となっている。これにより、高電圧部間に所定次数(本実施形態では7次)の縦振動を起こさせるための所定周波数の交流電圧を印加したときに、圧電体素体PBの長さ方向における振動が所定次数の縦振動で拘束されやすくなる。したがって、所定次数に近いその他の次数の縦振動が発生しにくい。そのため、効率的に電力変換を行うことができる。
(3)本実施形態の圧電トランスでは、圧電体素体PBは、高電圧用電極により区分(分割)された複数のグループ(電圧印加ブロック)を有する。換言すれば、複数の圧電トランスが、1つの圧電体素体PBにおいて長さ方向に沿って物理的に結合した状態で形成されている。そのため、各グループでの縦振動が連結される。これにより、各グループに寸法誤差等の加工誤差がある場合でも、振動の次数が所定次数に縮退され、換言すれば縦振動の周波数が所定次数に対応する所定の周波数に縮退され、駆動効率が向上する。したがって、電力変換効率が向上する。
(4)本実施形態の圧電トランスは、前述したように、高圧用電極と低圧用電極とが物理的に分離された絶縁型の圧電トランスである。そのため、基準電位の変動等の雑音が、一次側と二次側の間で伝達されるのを抑制できる。
なお、(1)〜(4)の効果は、後述する各実施形態においても奏される。
2.まとめ
本実施形態の圧電トランスTrは、次数7の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、7λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、3個の低電圧部Lv1、Lv2、Lv3と2個の高電圧部Hv1、Hv2とを有し、長さ方向に沿って低電圧部Lv1、Lv2、Lv3と高電圧部Hv1、Hv2とが交互に、かつ低電圧部Lv1、Lv3が圧電体素体PBの両方の端部に位置するように配置されている。各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3は、圧電体素体PBの長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する分極領域Lv11、Lv21、Lv31を有する。各高電圧部Hv1、Hv2は、圧電体素体PBの長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22を有する。第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3の厚み方向の端部に一対の第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。各高電圧部Hv1、Hv2を構成する分極領域のうち互いに隣接する2つの分極領域Hv11、Hv12の間、及び分極領域Hv21、Hv22の間にそれぞれ高電圧用電極EH1、EH2が形成されている。各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体PBの厚み方向に平行で、かつ圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定されている。各高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向に平行で、かつ圧電体素体PBの、その長さ方向において高電圧用電極EH1、EH2により区分されたグループ内において、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなり、かつ圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目のグループと偶数番目のグループとで、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定されている。
これにより、本実施形態の圧電トランスTrでは、2個の高電圧部Hv1、Hv2と3個の低電圧部Lv1、Lv2、Lv3とでなる2個の変圧部を構成可能である。これらの変圧部を並列接続することにより、圧電トランスTrとしての入力インピーダンスを低下させることができる。
本実施形態の圧電トランスTrでは、低電圧用電極EL1、EL2と高電圧用電極EH1、EH2とは物理的に分離されている。
これにより、圧電トランスTrの入出力間が電気的に絶縁される。
本実施形態の圧電トランスモジュールでは、圧電トランスと、一方の端部側の低電圧用電極同士を接続し、他方の端部側の低電圧用電極同士を接続するフレキシブル基板とを含む。
これにより、圧電トランスTrの複数個の変圧部を容易に並列接続することができる。
本実施形態では、圧電トランスを、電界結合型の受電装置に適用した。これにより、巻線トランスを用いる場合よりも、電界結合型の受電装置を小型化及び低背化することができる。
(実施形態2)
実施形態2〜4では、実施形態1同様に、低電圧部が圧電体素体PBの長さ方向の両方の端部に位置するように配置され、次数8〜10の縦振動モードを利用して構成された圧電トランスについて説明する。実施形態2では、圧電トランスTrが、次数8の縦振動モードを利用して構成されている。なお、本実施形態及び以下の各実施形態において、実施形態1と同様の構成要素の説明は適宜省略する。
図10は、実施形態2の圧電トランスの構成を示す図である。図11は、実施形態2の圧電トランスの電極構造を説明した斜視図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数8の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、8λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する8個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1低電圧部Lv1、第1高電圧部Hv1、第2低電圧部Lv2、第2高電圧部Hv2、及び第3低電圧部Lv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は2個の分極領域Lv21、Lv22を有し、第3低電圧部Lv3は1個の分極領域Lv31を有する。
第1高電圧部Hv1は2個の分極領域Hv11、Hv12を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有する。
第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv31における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。なお、第2低電圧部Lv2の各領域Lv21、Lv22に、個別に第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を設けているのは、各領域Lv21、Lv22において個別に分極処理を行うことを可能とするためである。各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv31の電極構造は、実施形態1と同一であり、説明を省略する。これらの点は、以下の実施形態において同様であり、以下において説明を省略する。
第1高電圧部Hv1において、互いに隣接する2つの分極領域Hv11、Hv12の間に第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。各分極領域の電極構造は、実施形態1と同一であり、説明を省略する。以下の実施形態において同様である。
図10において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、実施形態1で説明した分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1及び第2高電圧部Hv2を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv12、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目及び7番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11及びHv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び3番目のグループ(第3のグループR3)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv12、Hv21は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv11及び偶数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv12において互いに同じ向きとなり、
(2)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv22及び偶数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv21において同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Hv11、Hv12と、(2)に係る分極領域Hv21、Hv22とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv31は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv11、Lv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び5番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv21、Lv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目及び8番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の各分極領域Lv11、Lv22において互いに同じ向きとなり、
(2)偶数番目の各分極領域Lv21、Lv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Lv11、Lv22と、(2)に係る分極領域Lv21、Lv31とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2間に、高電圧が印加されると、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図10において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成され、第1のグループR1及び第3のグループR3に、第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3を迂回して(図10において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成される。この場合、第1のグループR1及び第3のグループR3に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2の各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の各分極領域、Lv11、Lv21、Lv31に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態1に比べて発電部としての第2低電圧部Lv2を構成する分極領域の数が2個に増加しているので、出力電力を増加させることができる。
(実施形態3)
実施形態3では、圧電トランスTrが、次数9の縦振動モードを利用して構成されている。
図12は、実施形態3の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数9の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、9λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する9個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1低電圧部Lv1、第1高電圧部Hv1、第2低電圧部Lv2、第2高電圧部Hv2、及び第3低電圧部Lv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は3個の分極領域Lv21、Lv22、Lv23を有し、第3低電圧部Lv3は1個の分極領域Lv31を有する。
第1高電圧部Hv1は2個の分極領域Hv11、Hv12を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有する。
第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv23、Lv31における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
第1高電圧部Hv1において、互いに隣接する2つの分極領域Hv11、Hv12の間に第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。
図12において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、実施形態1で説明した分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1及び第2高電圧部Hv2を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv11、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv12、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目及び7番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11及びHv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び3番目のグループ(第3のグループR3)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv12、Hv21は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の各分極領域Hv11、Hv22、及び偶数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv12、Hv21において互いに同じ向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv23、Lv31は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv11、Lv22、Lv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、5番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv21、Lv23は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の各分極領域Lv11、Lv22、Lv31において互いに同じ向きとなり、
(2)偶数番目の各分極領域Lv21、Lv23において互いに同じ向きとなり、かつ
(3)(1)に係る分極領域Lv11、Lv22、Lv31と、(2)に係る分極領域Lv21、Lv23とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2間に、高電圧が印加されると、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図12において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成され、第1のグループR1及び第3のグループR3に、第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3を迂回して(図12において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成される。この場合、第1のグループR1及び第3のグループR3に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2の各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv23、Lv31に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態2と比べて発電部としての第2低電圧部Lv2を構成する分極領域の数が3個に増加しているので、出力電力をさらに増加させることができる。
(実施形態4)
実施形態4では、圧電トランスTrが、次数10の縦振動モードを利用して構成されている。
図13は、実施形態4の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数10の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、10λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する10個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1低電圧部Lv1、第1高電圧部Hv1、第2低電圧部Lv2、第2高電圧部Hv2、及び第3低電圧部Lv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は3個の分極領域Lv21、Lv22、Lv23を有し、第3低電圧部Lv3は2個の分極領域Lv31、Lv32を有する。
第1高電圧部Hv1は2個の分極領域Hv11、Hv12を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有する。
第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv23、Lv31、Lv32における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
第1高電圧部Hv1において、互いに隣接する2つの分極領域Hv11、Hv12の間に第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。
図13において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、実施形態1で説明した分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1及び第2高電圧部Hv2を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv11、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv12、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目及び7番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11及びHv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び3番目のグループ(第3のグループR3)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv12、Hv21は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の各分極領域Hv11、Hv22及び偶数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv12、Hv21において互いに同じ向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv23、Lv31、Lv32は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv11、Lv22、Lv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、5番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv21、Lv23、Lv32は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、6番目及び10番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の各分極領域Lv11、Lv22、Lv31において互いに同じ向きとなり、
(2)偶数番目の各分極領域Lv21、Lv23、Lv32において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Lv11、Lv22、Lv31と、(2)に係る分極領域Lv21、Lv23、Lv32とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2間に、高電圧が印加されると、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図13において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成され、第1のグループR1及び第3のグループR3に、第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1及び第3低電圧部Lv3を迂回して(図13において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成される。この場合、第1のグループR1及び第3のグループR3に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2の各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の各分極領域Lv11、Lv21、Lv22、Lv23、Lv31、Lv32に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態3と比較して発電部としての第3低電圧部Lv3を構成する分極領域の数が2個に増加しているので、出力電力をさらに増加させることができる。
(実施形態5)
実施形態5〜9では、高電圧部が圧電体素体PBの両方の端部に位置するように配置されている場合について説明する。
1.構成
実施形態5では、圧電トランスTrが、次数6の縦振動モードを利用して構成されている。
図14は、実施形態5の圧電トランスの構成を示す図である。図15は、実施形態5の圧電トランスの電極構造を説明した斜視図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数6の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、6λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する6個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有する。
第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部(圧電体素体PBの長さ方向の一方の端部(圧電体素体PBの長さ方向の一端側の部分)。以後の各実施形態において同じ。)に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部(圧電体素体PBの長さ方向の他方の端部(圧電体素体PBの長さ方向の他端側の部分)。以後の各実施形態において同じ。)に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。なお、圧電体素体PBの高電圧部の端部に設けられた高電圧用電極は、図4(c)で説明した互いに隣接する2つの分極領域の間に設けられた高電圧用電極と同じ構造を有している。つまり、圧電体素体PBの長さ方向の端部に設けられた高電圧用電極についても、圧電体素体PBの側面のうちの長さ方向の端部部分の側面に面状の電極を有している。以下の実施形態において同じ。
図14において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、以下の分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv22、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び3番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv22、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv11、Hv21、及び偶数番目のグループに属する偶数番目の各分極領域Hv22、Hv31において互いに同じ向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から5番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv11は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の分極領域Lv21と、偶数番目の分極領域Lv11とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図14において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図14において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv21に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態の圧電トランスTrにおいても、その等価回路は、前述の図7と同じとなる。また、本実施形態の圧電トランスTrは、第1高電圧部Hv1の領域Hv11と、第1低電圧部Lv1の領域Lv11と、第2高電圧部Hv2の領域Hv21とで構成される第1の変圧部と、第2高電圧部Hv2の領域Hv22と、第2低電圧部Lv2の領域Lv21と、第3高電圧部Hv3の領域Hv31とで構成される第2の変圧部とを、並列接続した構成ということができる。そのため、実施形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、高電圧部に低電圧部が挟まれる構成としたため、高電圧用電極と低電圧用電極が互いに接続されていない。したがって、圧電体素体PBに未分極領域を設けることなく圧電トランスの入出力を絶縁することができる。そのため、圧電体素体PBの圧電振動によって各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3に生じた電圧だけが、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から出力されることとなる。このように、本実施形態によれば、絶縁性を向上させた圧電トランスTrを提供することができる。
2.まとめ
本実施形態の圧電トランスは、次数6の縦振動モードを利用してなる圧電トランスTrである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、6λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、2個の低電圧部Lv1、Lv2と3個の高電圧部Hv1、Hv2、Hv3とを有し、長さ方向に沿って低電圧部Lv1、Lv2と高電圧部Hv1、Hv2、Hv3とが交互に、かつ高電圧部Hv1、Hv3が圧電体素体PBの両端部に位置するように配置されている。各低電圧部Lv1、Lv2は、圧電体素体PBの長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する1個の分極領域Lv11、Lv21を有する。各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3は、圧電体素体PBの長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31有する。第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2の厚み方向の一対の端部に第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が設けられている。圧電体素体PBの長さ方向の一対の端部にそれぞれ高電圧用電極EH1、EH3が設けられているとともに、両端の高電圧部Hv1、Hv3を除く各高電圧部Hv2を構成する分極領域のうち互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に高電圧用電極EH1、EH2が形成されている。各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、圧電体素体PBの厚み方向に平行で、かつ圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定されている。各高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向に平行で、かつ圧電体素体PBの、その長さ方向において高電圧用電極EH1、EH2により区分されたグループ内において、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなり、かつ圧電体素体PBの長さ方向の一端側から奇数番目のグループと偶数番目のグループとで、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定されている。この分極方向設定の考え方に基づき、本実施形態では、奇数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv11、Hv21、及び偶数番目のグループに属する偶数番目の各分極領域Hv22、Hv31の分極方向が、互いに同じ方向に設定されている。
本実施形態の圧電トランスTrでは、図7を用いて説明したように、2個の高電圧部Hv1、Hv2と3個の低電圧部Lv1、Lv2、Lv3とでなる2個の変圧部を構成可能である。これらの変圧部を並列接続することにより、圧電トランスTrとしての入力インピーダンスを低下させることができる。
(実施形態6)
実施形態6では、圧電トランスTrが、次数7の縦振動モードを利用して構成されている。
図16は、実施形態6の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数7の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、7λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する7個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は2個の分極領域Lv11、Lv12を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv21における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図16において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。分極領域Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv22、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、5番目、及び7番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv22、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv21、及び偶数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv22、Hv31において互いに同じ向きとなり、かつ
(2)(1)に係る分極領域Hv21、Hv22、Hv31と、奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11の分極方向とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv21は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv12は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv11、Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)偶数番目の分極領域Lv11、Lv21において互いに同じ向きとなり、かつ、
(2)(1)に係る分極領域Lv11、Lv21と、奇数番目の分極領域Lv12とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図16において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図16において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv12、Lv21に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態5と比較して発電部としての第1低電圧部Lv1を構成する分極領域の数が2個に増加しているので、出力電力をさらに増加させることができる。
(実施形態7)
実施形態7では、圧電トランスTrが、次数8の縦振動モードを利用して構成されている。
図17は、実施形態7の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数8の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、8λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する8個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は2個の分極領域Lv11、Lv12を有し、第2低電圧部Lv2は2個の分極領域Lv21、Lv22を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv21、Lv22における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図17において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv21、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目及び5番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv22、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv21、及び偶数番目のグループに属する奇数番目の各分極領域Hv22において互いに同じ向きとなり、
(2)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、及び偶数番目のグループに属する偶数番目の各分極領域Hv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Hv21、Hv22と、(2)に係る分極領域Hv11、Hv31とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv21、Lv22は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv12、Lv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目及び7番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv11、Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の分極領域Lv12、Lv22において互いに同じ向きとなり、
(2)偶数番目の分極領域Lv11、Lv21において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Lv12、Lv22と、(2)に係る分極領域Lv11、Lv21とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図17において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図17において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv12、Lv21、Lv22に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態6に比べて発電部としての第2低電圧部Lv2を構成する分極領域の数が2個に増加しているので、出力電力をさらに増加させることができる。
(実施形態8)
実施形態8では、圧電トランスTrが、次数9の縦振動モードを利用して構成されている。
図18は、実施形態8の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数9の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、9λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する9個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は2個の分極領域Lv11、Lv12を有し、第2低電圧部Lv2は3個の分極領域Lv21、Lv22、Lv23を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv21、Lv22、Lv23における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部に、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図18において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv22、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、5番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv22、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv21、及び偶数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv22、Hv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(2)(1)に係る分極領域Hv21、Hv22、Hv31と、奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv21、Lv22、Lv23は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv12、Lv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目及び7番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv11、Lv21、Lv23は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目、6番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の分極領域Lv12、Lv22において互いに同じ向きとなり、
(2)偶数番目の分極領域Lv11、Lv21、Lv23において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Lv12、Lv22と、(2)に係る分極領域Lv11、Lv21、Lv23とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図18において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図18において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv12、Lv21、Lv22、Lv23に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態7に比べて発電部としての第2低電圧部Lv2を構成する分極領域の数が3個に増加しているので、出力電力をさらに増加させることができる。
(実施形態9)
実施形態9では、圧電トランスTrが、次数10の縦振動モードを利用して構成されている。
図19は、実施形態9の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数10の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、10λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する10個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は3個の分極領域Lv11、Lv12、Lv13を有し、第2低電圧部Lv2は3個の分極領域Lv21、Lv22、Lv23を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv13、Lv21、Lv22、Lv23における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図19において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv12、Hv21、Hv22の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv22、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から6番目及び10番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、及び5番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv22、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、Hv21及び偶数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv22、Hv31において互いに同じ向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv12、Lv13、Lv21、Lv22、Lv23は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv12、Lv21、Lv23は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目、7番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv11、Lv13、Lv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目、4番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の分極領域Lv12、Lv21、Lv23において互いに同じ向きとなり、
(2)偶数番目の分極領域Lv11、Lv13、Lv22において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Lv12、Lv21、Lv23と、(2)に係る分極領域Lv11、Lv13、Lv22とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図19において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図19において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv12、Lv13、Lv21、Lv22、Lv23に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態8に比べて発電部としての第1低電圧部Lv1を構成する分極領域の数が3個に増加しているので、出力電力をさらに増加させることができる。
(実施形態10)
実施形態1〜9では、低電圧部が、圧電体素体PBにおける、高電圧用電極で仕切られたグループ内において長さ方向の中央に位置している場合について説明したが、実施形態10〜13では、低電圧部が長さ方向の中央に位置していない場合について説明する。
実施形態10では、圧電トランスTrが、次数8の縦振動モードを利用して構成されている。
図20は、実施形態10の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数8の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、8λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する8個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は4個の分極領域Hv21、Hv22、Hv23、Hv24を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv22、Hv23の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図20において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv24、Hv31の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv22、Hv24、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、6番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21、Hv23は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、3番目、及び5番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv23、Hv24、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv22及び偶数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv23において互いに同じ向きとなり、
(2)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、Hv21及び偶数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv24、Hv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Hv22、Hv23と、(2)に係る分極領域Hv11、Hv21、Hv34、Hv31とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から7番目、つまり奇数番目の分極領域であり、分極領域Lv11は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目の分極領域Lv12と、偶数番目の分極領域Lv11とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図20において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループに、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図20において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv24、Hv31に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv21に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
なお、本実施形態では、第1低電圧部Lv1は、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2とにより区分されたグループ内において、圧電体素体PBの長さ方向の中央に配置されていない。そのため、第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2には、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間に入力された交流の高電圧成分による変動が現れる。しかし、第1低電圧用電極EL1に現れる高電圧成分と第2低電圧用電極EL2とに現れる高電圧成分とは、同じ大きさである。したがって、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間には高電圧成分による電位差は発生せず、低電圧部Lv1の第1の領域Lv11において圧電効果により生じた電圧のみが第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から出力されることとなる。また、第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2と、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2とは、物理的に分離されているので、圧電トランスTrの入出力間(第1高電圧用電極EH1及び第2高電圧用電極EH2と、第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2との間)の絶縁が良好に得られる。なお、第2低電圧部Lv2に関しても、第2高電圧用電極EH2と第3高電圧用電極EH3とにより区分されたグループ内において圧電体素体PBの長さ方向の中央に配置されていないが、第1低電圧部Lv1の場合同様の作用が得られる。以下の実施形態11〜14においても、低電圧部が、高電圧用電極により区分されたグループ内において圧電体素体PBの長さ方向の中央に配置されていないが、上記同様の作用が得られる。
(実施形態11)
実施形態11では、圧電トランスTrが、次数8の縦振動モードを利用して構成されている。
図21は、実施形態11の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数8の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、8λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する8個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は3個の分極領域Hv21、Hv22、Hv23を有し、第3高電圧部Hv3は2個の分極領域Hv31、Hv32を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv22、Hv23の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図21において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv31、Hv32の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。分極領域Hv22、Hv32は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21、Hv23、H31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、3番目、5番目、及び7番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv23、Hv24、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部Hv1を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv22及び偶数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv23、Hv31において互いに同じ向きとなり、
(2)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、Hv21及び偶数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv32において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Hv22、Hv23、Hv31と、(2)に係る分極領域Hv11、Hv21、Hv32とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。分極領域Lv11、Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)偶数番目の分極領域Lv11、21において互いに同じ向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図21において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図21において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv31、Hv32に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv21に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
(実施形態12)
実施形態12では、圧電トランスTrが、次数9の縦振動モードを利用して構成されている。
図22は、実施形態12の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数9の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、9λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する9個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は2個の分極領域Lv21、Lv22を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は3個の分極領域Hv21、Hv22、Hv23を有し、第3高電圧部Hv3は2個の分極領域Hv31、Hv32を有する。
第1低電圧部Lv1及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv22、Hv23の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第3高電圧部Hv3側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図22において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、及び第3高電圧部Hv3を構成する各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv31、Hv32の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。分極領域Hv22、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21、Hv23、H32は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、3番目、5番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv23、Hv31、Hv32は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv22及び偶数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv23、Hv32において互いに同じ向きとなり、
(2)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、Hv21及び偶数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Hv22、Hv23、Hv32と、(2)に係る分極領域Hv11、Hv21、Hv31とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv22は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。分極領域Lv11、Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Lv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から7番目、つまり奇数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)偶数番目の分極領域Lv11、21において互いに同じ向きとなり、かつ、
(2)(1)に係る分極領域Lv11、Lv21と、奇数番目の分極領域Lv22ととにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図22において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して(図22において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv31、Hv32に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2の各分極領域Lv11、Lv21、Lv22に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、実施形態11に比べて発電部としての第2低電圧部Lv2を構成する分極領域の数が2個に増加しているので、より出力電力を増加させることができる。
(実施形態13)
実施形態13では、圧電トランスTrが、次数9の縦振動モードを利用して構成されている。
図23は、実施形態13の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数9の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、9λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する9個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3、第3低電圧部Lv3、及び第4高電圧部Hv4を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有し、第3低電圧部Lv3は1個の分極領域Lv31を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は3個の分極領域Hv21、Hv22、Hv23を有し、第3高電圧部Hv3は1個の分極領域Hv31を有し、第4高電圧部Hv4は1個の分極領域Hv41を有する。
第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv31における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv22、Hv23の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。圧電体素体PBの第4高電圧部Hv4側の端部に、第3高電圧用電極EH3が形成されている。
図23において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、第3高電圧部Hv3、及び第4高電圧部Hv4を構成する各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv31、Hv41の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。分極領域Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21、Hv23、Hv31、Hv41は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、3番目、5番目、7番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21、Hv22は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv23、Hv31、Hv41は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv22、及び偶数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv23、Hv31、Hv41において互いに同じ向きとなり、
(2)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、Hv21において互いに同じ向きとなり、かつ、
(3)(1)に係る分極領域Hv22、Hv23、Hv31、Hv41と、(2)に係る分極領域Hv11、Hv21とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv31は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。分極領域Lv11、Lv21、Lv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目、6番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)偶数番目の分極領域Lv11、Lv21、Lv31の分極方向が互いに同じ方向となるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図23において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を迂回して(図23において「ショート貫通」と示す))電界E1が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3、Hv4の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv23、Hv31、Hv41に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の各分極領域Lv11、Lv21、Lv31に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
(実施形態14)
前記各実施形態では、低電圧部と高電圧部を有する変圧部を2並列した圧電トランスについて説明したが、本実施形態では、低電圧部と高電圧部を有する変圧部を3並列した圧電トランスの例について説明する。
実施形態14では、圧電トランスTrが、次数9の縦振動モードを利用して構成されている。
図24は、実施形態14の圧電トランスの構成を示す図である。
本実施形態の圧電トランスTrは、次数9の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスTrは、共振周波数での波長をλで表すと、9λ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体PBを備える。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って配置された、λ/2の長さを有する9個の分極領域を有する。
圧電体素体PBは、圧電セラミックスを用いて形成されている。圧電体素体PBは、長さ方向に沿って順に、第1高電圧部Hv1、第1低電圧部Lv1、第2高電圧部Hv2、第2低電圧部Lv2、及び第3高電圧部Hv3、第3低電圧部Lv3、及び第4高電圧部Hv4を有する。
第1低電圧部Lv1は1個の分極領域Lv11を有し、第2低電圧部Lv2は1個の分極領域Lv21を有し、第3低電圧部Lv3は1個の分極領域Lv31を有する。
第1高電圧部Hv1は1個の分極領域Hv11を有し、第2高電圧部Hv2は2個の分極領域Hv21、Hv22を有し、第3高電圧部Hv3は2個の分極領域Hv31、Hv32を有し、第4高電圧部Hv4は1個の分極領域Hv41を有する。
第1低電圧部Lv1、及び第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv31における、圧電体素体PBの厚み方向の一対の端部にそれぞれ、第1の低電圧用電極EL1および第2の低電圧用電極EL2が形成されている。
圧電体素体PBの第1高電圧部Hv1側の端部に、第1高電圧用電極EH1が形成されている。第2高電圧部Hv2において、互いに隣接する2つの分極領域Hv21、Hv22の間に第2高電圧用電極EH2が形成されている。第3高電圧部Hv3において、互いに隣接する2つの分極領域Hv31、Hv32の間に第3高電圧用電極EH3が形成されている。圧電体素体PBの第4高電圧部Hv4側の端部に、第4高電圧用電極EH4が形成されている。
図24において各分極領域を示すブロック内に示した矢印は各分極領域の分極方向を示す。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各分極領域の分極方向を設定している。
具体的に、第1高電圧部Hv1、第2高電圧部Hv2、第3高電圧部Hv3、及び第4高電圧部Hv4を構成する各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31、Hv32、Hv41の分極方向は、圧電体素体PBの長さ方向と平行な方向としている。ここで、分極領域Hv22、Hv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から4番目及び6番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Hv11、Hv21、Hv32、Hv41は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目、3番目、7番目、及び9番目、つまり奇数番目の分極領域である。また、分極領域Hv11、Hv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から1番目のグループ(第1のグループR1)つまり奇数番目のグループに属し、分極領域Hv22、Hv31は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目のグループ(第2のグループR2)つまり偶数番目のグループに属し、分極領域Hv32、Hv41は圧電体素体PBの長さ方向の一端側から3番目のグループ(第3のグループR3)つまり奇数番目のグループに属する。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)奇数番目のグループに属する奇数番目の分極領域Hv11、Hv21、Hv32、Hv41及び偶数番目のグループに属する偶数番目の分極領域Hv22、Hv31において互いに同じ向きとなるように設定される。
これに対し、第1低電圧部Lv1、第2低電圧部Lv2、及び第3低電圧部Lv3を構成する各分極領域Lv11、Lv21、Lv31は圧電体素体PBの厚み方向に平行な方向に分極されている。ここで、分極領域Lv11、Lv31は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から2番目、及び8番目、つまり偶数番目の分極領域であり、分極領域Lv21は、圧電体素体PBの長さ方向の一端側から5番目、つまり奇数番目の分極領域である。本実施形態では、上記分極方向設定の考え方に基づき、各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
(1)偶数番目の分極領域Lv11、Lv31において互いに同じ向きとなり、かつ、
(2)(1)に係る分極領域Lv11、Lv31と、奇数番目の分極領域Lv21とにおいて互いに逆向きとなるように設定される。
ここで、本実施形態では複数の第1低電圧用電極EL1が互いに接続され、複数の第2低電圧用電極EL2が互いに接続される。そのため、高電圧用電極EH1、EH2、EH3、EH4に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1が印加されると、第1のグループR1に、第1低電圧部Lv1の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第1低電圧部Lv1を迂回して(図24において「ショート貫通」と示す))電界E2が生成され、第2のグループR2に、第2低電圧部Lv2の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第2低電圧部Lv2を迂回して)電界E1が生成され、第3のグループR3に、第3低電圧部Lv3の第1低電圧用電極EL1及び第2低電圧用電極EL2を介して(第3低電圧部Lv3を迂回して(図24において「ショート貫通」と示す))電界E3が生成される。この場合、第1のグループR1に生じる電界E2の向きと、第3のグループR3に生じる電界E3の向きとは、同じ向きとなるが、これらの電界E2、E3の向きと、第2のグループR2に生じる電界E1の向きとは、逆向きとなる。
上記構成の圧電トランスTrによれば、第1高電圧用電極EH1、第2高電圧用電極EH2、第3高電圧用電極EH3、第4高電圧用電極EH4に、隣り合う高電圧用電極において互いに逆極性となるように交流電圧V1を入力(印加)すると、各高電圧部Hv1、Hv2、Hv3、Hv4の各分極領域Hv11、Hv21、Hv22、Hv31、Hv32、Hv41に逆圧電効果により伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)により各低電圧部Lv1、Lv2、Lv3の各分極領域Lv11、Lv21、Lv31に伸縮(応力)が生じ、この伸縮(応力)による圧電効果により、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間から、降圧された交流電圧V2が出力される。
本実施形態によれば、高電圧用電極への入力が3並列となり、前記各実施形態に比べて並列数が増加する。そのため、圧電トランスの入力インピーダンスをより低下させることができる。
(その他の実施の形態)
前記各実施形態では、圧電トランスTrを、次数6〜10の縦振動モードを利用して構成した場合について説明した。しかし、本発明の技術思想は、次数が11以上の場合にも適用可能である。
実施形態1〜4では、3個の低電圧部と2個の高電圧部とを有する圧電トランスについて説明し、実施形態5〜12では、2個の低電圧部と3個の高電圧部とを有する圧電トランスについて説明し、実施形態13、14では、3個の低電圧部と4個の高電圧部とを有する圧電トランスについて説明した。しかし、これらは一例であり、圧電トランスは、下記の(1)や(2)の構成であればよい。
(1)圧電トランスは、次数n(nは7以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスは、共振周波数での波長をλで表すと、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有し、それぞれλ/2の長さを有するn個の分極領域が長さ方向に配置された圧電体素体を備える。圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ低電圧部が圧電体素体の両端部に位置するように配置されている。
(2)圧電トランスは、次数n(nは6以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスである。圧電トランスは、共振周波数での波長をλで表すと、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有し、それぞれλ/2の長さを有するn個の分極領域が長さ方向に配置された圧電体素体を備える。圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、長さ方向に沿って低電圧部と高電圧部とが交互に、かつ高電圧部が圧電体素体の両端部に位置するように配置されている。
前記各実施形態では、圧電トランスTrを、降圧トランスとして利用した場合について説明した。しかし、本発明に係る各実施形態の圧電トランスTrは、昇圧トランスとしても利用することができる。昇圧トランスとして利用する場合、第1低電圧用電極EL1と第2低電圧用電極EL2との間に交流電圧を入力し、第1高電圧用電極EH1と第2高電圧用電極EH2との間、及び/または第2高電圧用電極EH2と第3高電圧用電極EH3との間から、及び/または第3高電圧用電極EH3と第4高電圧用電極EH4との間昇圧された交流電圧を出力する。図25は、本発明の圧電トランスを昇圧トランスとして利用した電界結合型電力伝送システムの構成を示す図である。図25の送電装置100では、送電回路110が発生した交流電圧を昇圧トランスTr1により昇圧し、一対の送電電極Eta、Etp間に印加する。この場合、本発明の圧電トランスの低電圧用電極に送電回路110の出力を接続し、高電圧用電極に一対の送電電極Eta、Etpを接続する。送電装置100において、圧電トランスを昇圧トランスとして用いることにより、巻線トランスを用いる場合よりも、送電装置100を小型化することができる。
本発明に係る圧電トランスは、種々の電子機器、電気機器において広く利用可能である。
100 送電装置
110 送電回路
200 受電装置
210 負荷回路
B1 固定枠
Bh 取付孔
Era 受電電極(受電側アクティブ電極)
Erp 受電電極(受電側パッシブ電極)
Eta 送電電極(送電側アクティブ電極)
Etp 送電電極(送電側パッシブ電極)
EL1 第1低電圧用電極
EL2 第2低電圧用電極
EH1 第1高電圧用電極
EH2 第2高電圧用電極
EH3 第3高電圧用電極
EH4 第4高電圧用電極
F1 フレキシブル基板
Hv1 第1高電圧部
Hv11 領域
Hv12 領域
Hv2 第2高電圧部
Hv21 領域
Hv22 領域
Hv23 領域
Hv24 領域
Hv3 第3高電圧部
Hv31 領域
Hv32 領域
Hv4 第4高電圧部
Hv41 領域
Lv1 第1低電圧部
Lv11 領域
Lv12 領域
Lv13 領域
Lv2 第2低電圧部
Lv21 領域
Lv22 領域
Lv23 領域
Lv3 第3低電圧部
Lv31 領域
Lv32 領域
PB 圧電体素体
Tr 降圧トランス(圧電トランス)
Tr1 昇圧トランス(圧電トランス)
X1 半田

Claims (11)

  1. 次数n(nは7以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスであって、
    共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備え、
    前記圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って前記低電圧部と前記高電圧部とが交互に、かつ前記低電圧部が前記圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置され、
    各低電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有し、
    各高電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有し、
    各低電圧部における、前記圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられ、
    各高電圧部を構成する分極領域のうち互いに隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられ、
    各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の厚み方向に平行で、
    前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定され、
    各高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の長さ方向に平行で、
    前記圧電体素体の、その長さ方向において前記高電圧用電極を境界として区分されたグループ内において、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定され、
    加えて前記圧電体素体の長さ方向の一端側から奇数番目の前記グループと偶数番目の前記グループとにおいて、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定されている、
    ことを特徴とする圧電トランス。
  2. 次数n(nは6以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスであって、
    共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備え、
    前記圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って前記低電圧部と前記高電圧部とが交互に、かつ前記高電圧部が前記圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置され、
    各低電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有し、
    各高電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、前記圧電体素体の両端部以外では、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有し、前記圧電体素体の両端部では、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有し、
    各低電圧部の前記圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられ、
    前記圧電体素体の長さ方向の一対の端部にそれぞれ高電圧用電極が設けられているとともに、
    両端の高電圧部を除く各高電圧部を構成する分極領域のうち互いに隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられ、
    各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の厚み方向に平行で、
    前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定され、
    各高電圧部を構成する分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の長さ方向に平行で、
    前記圧電体素体の、その長さ方向において前記高電圧用電極により区分されたグループ内において、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定され、
    加えて前記圧電体素体の長さ方向の一端側から奇数番目のグループと偶数番目のグループとにおいて、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域との分極の向きの関係が反転するように設定されている、
    ことを特徴とする圧電トランス。
  3. 前記低電圧用電極と前記高電圧用電極とは物理的に分離されている、
    請求項1または請求項2に記載の圧電トランス。
  4. 前記高電圧用電極に交流電圧が入力され、前記低電圧用電極から降圧された交流電圧が出力される、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧電トランス。
  5. 前記低電圧用電極に交流電圧が入力され、前記高電圧用電極から昇圧された交流電圧が出力される、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧電トランス。
  6. 前記圧電体素体の厚み方向の一方の端部側の低電圧用電極同士が接続され、
    かつ前記圧電体素体の厚み方向の他方の端部側の低電圧用電極同士が接続された状態で使用される、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧電トランス。
  7. 請求項6に記載の圧電トランスと、
    前記圧電体素体の厚み方向の一方の端部側の低電圧用電極同士を接続し、前記圧電体素体の厚み方向の他方の端部側の低電圧用電極同士を接続する基板と、を含む、
    圧電トランスモジュール。
  8. 請求項4に記載の圧電トランスを備え、
    前記圧電トランスの前記高電圧用電極に受電電極が接続され、
    前記圧電トランスの前記低電圧用電極に受電回路の入力が接続されている、
    電界結合型受電装置。
  9. 請求項5に記載の圧電トランスを備え、
    前記圧電トランスの前記低電圧用電極に送電回路の出力が接続され、
    前記圧電トランスの前記高電圧用電極に送電電極が接続されている、
    電界結合型送電装置。
  10. 次数n(nは7以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスであって、
    共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備え、
    前記圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って前記低電圧部と前記高電圧部とが交互に、かつ前記低電圧部が前記圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置され、
    各低電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有し、
    各高電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有し、
    各低電圧部における、前記圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられ、
    各高電圧部を構成する分極領域のうち隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられ、
    各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の厚み方向に平行で、
    前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定され、
    各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の長さ方向に平行で、
    かつ前記圧電体素体の、その長さ方向において前記高電圧用電極を境界として区分された各グループに、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目のグループと奇数番目のグループとで互いに逆向きの電界が生じるように交流電圧を印加したときに、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域において生じる応力の向きと奇数番目の分極領域において生じる応力の向きとが互いに逆向きとなるように設定されている、
    ことを特徴とする圧電トランス。
  11. 次数n(nは6以上の整数)の縦振動モードを利用してなる圧電トランスであって、
    共振周波数での波長をλとして、nλ/2の長さ、λ/2未満の幅、及びλ/2未満の厚みを有する圧電体素体を備え、
    前記圧電体素体は、複数の低電圧部と複数の高電圧部とを有し、当該圧電体素体の長さ方向に沿って前記低電圧部と前記高電圧部とが交互に、かつ前記高電圧部が前記圧電体素体の長さ方向の両端部に位置するように配置され、
    各低電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有し、
    各高電圧部は、前記圧電体素体の長さ方向に沿って、前記圧電体素体の両端部以外では、λ/2の長さを有する複数個の分極領域を有し、前記圧電体素体の両端部では、λ/2の長さを有する整数個の分極領域を有し、
    各低電圧部の前記圧電体素体の厚み方向の一対の端部にそれぞれ低電圧用電極が設けられ、
    前記圧電体素体の長さ方向の一対の端部にそれぞれ高電圧用電極が設けられているとともに、
    両端の高電圧部を除く各高電圧部を構成する分極領域のうち隣接するいずれか2つの分極領域の間に高電圧用電極が設けられ、
    各低電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の厚み方向に平行で、
    前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域どうし、および、奇数番目の分極領域どうしでは同じ向きとなるように設定され、かつ前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域と奇数番目の分極領域とで逆向きとなるように設定され、
    各高電圧部を構成する各分極領域の分極方向は、
    前記圧電体素体の長さ方向に平行で、
    かつ前記圧電体素体の、その長さ方向において前記高電圧用電極を境界として区分された各グループに、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目のグループと奇数番目のグループとで互いに逆向きの電界が生じるように交流電圧を印加したときに、前記圧電体素体の長さ方向の一端側から偶数番目の分極領域において生じる応力の向きと奇数番目の分極領域において生じる応力の向きとが互いに逆向きとなるように設定されている、
    ことを特徴とする圧電トランス。
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