JP5867586B2 - 炭化水素合成酵素遺伝子及びその利用 - Google Patents

炭化水素合成酵素遺伝子及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は、新規な特徴を有する炭化水素合成酵素遺伝子及び当該遺伝子の利用に関する。
アルカン等の炭化水素を合成できる微生物が知られている。この炭化水素合成能を有する微生物より炭化水素合成に関与する遺伝子を同定・単離することで、炭化水素合成能に優れた組み換え微生物の開発、当該組み換え微生物を利用した炭化水素合成系の開発など期待することができる。例えば、特許文献1(WO2006/109558)には、炭化水素生産能を有する新規微細藻類シュードコリシスチス・エリプソイディア(Pseudochoricystis ellipsoidea)や、シュードコリシスチス(Pseudochoricystis)属或いはコリシスチス(Choricystis)属に属する炭化水素生産能を有する微細藻類を培養することで、培養物から炭化水素を採取する方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2010-528627号公報)には、アルデヒドをアルカンに転換する遺伝子を酵母等に組み込んだ組換え酵母、及び当該組換え酵母を用いたアルカンの製造方法が開示されている。さらに、特許文献3(特表2011-520455号公報)には、Synechococcus elongatus由来のアルカン合成酵素遺伝子やアルデヒド合成酵素遺伝子が開示されており、これらを利用してアルカンやアルデヒドを製造する方法が開示されている。さらにまた、特許文献4(特開平09-322780号公報)には、アラビドプシス・サリアナ由来の脂肪アルデヒドデカルボニラーゼ活性に関与するタンパク質をコードする遺伝子が開示され、これを利用した改変エピクチクラ蝋組成を示す形質転換植物が開示されている。
さらに、非特許文献1(Process Biochemistry, 41, (2006), p.1001-1014)には、微生物における炭化水素合成パスウェイについて記載されている。また、非特許文献2(Appl. Microbiol. Biotechnol., (2005), 66: p.486-496)には、特許文献1と同様に、藻類の一種であるBotryococcus brauniiにおける炭化水素の生合成について記載されている。さらに、特許文献3(Proc. Natl. Acad. Sci., (1994), Vol. 91, p.10000-10004)には、ハエ由来の遺伝子であって、アルデヒドを炭化水素((Z)-9-トリコセン)に変換するシトクロムP450遺伝子が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に開示された微生物や、非特許文献3に開示されたハエではアルカン生産量が低く、実用レベルへの応用が期待できるものではない。また、非特許文献2や特許文献1に開示された藻類はアルカン生成反応の速度が遅く、また細胞内にアルカンを蓄積する。このため、非特許文献2や特許文献1に開示された藻類を利用しても、アルカン生産に長時間を要するとともに細胞内からアルカンを精製する工程が必要となり低コストにアルカンを合成できないといった問題がある。さらに、特許文献4に開示された遺伝子を利用した組換え体を作製してもアルカンを合成できた実例はなく、未知の遺伝子といった他の因子が必要となるため実用的ではない。また、植物由来の遺伝子を微生物に利用しても十分に機能しない可能性が高いといった問題もある。また、特許文献3に開示されてシアノバクテリア由来のアルカン合成酵素遺伝子を利用しても、アルカン合成の生産性が低く、実用性は非常に低い。
WO2006/109558 特開2010-528627号公報 特表2011-520455号公報 特開平09-322780号公報
Process Biochemistry, 41, (2006), p.1001-1014 Appl. Microbiol. Biotechnol., (2005), 66: p.486-496 Proc. Natl. Acad. Sci., (1994), Vol. 91, p.10000-10004
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、アルカン等の炭化水素合成能に優れた新規な機能を有する炭化水素合成酵素遺伝子及びその利用を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、所定のモチーフ配列を有する一群のタンパク質がアルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性に優れることを見いだし、当該タンパク質をコードする遺伝子を炭化水素合成に利用できることを見いだし本発明を完成するに至った。
(1)配列番号1に示したモチーフ配列を有するアミノ酸配列を含み、アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
(2)上記タンパク質は、上記配列番号1に示したモチーフ配列よりもC末端側に配列番号2に示したモチーフ配列を更に有することを特徴とする(1)記載の遺伝子。
(3)上記タンパク質は、下記(a)〜(d)のいずれかであることを特徴とする(1)記載の遺伝子。
(a)配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの偶数番号に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの偶数番号に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加したアミノ酸配列からなり、アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質
(c)配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの偶数番号に記載のアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質
(d)配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの奇数番号に記載の塩基配列の相補鎖からなるポリヌクレオチドの少なくとも一部に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質であって、アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質
(4)上記配列番号3〜32のうちいずれか1つの偶数番号は配列番号6又は12であり、上記配列番号3〜32のうちいずれか1つの奇数番号は配列番号5又は11であることを特徴とする(3)記載の遺伝子。
(5)Klebsiella属の微生物由来又は大腸菌由来であることを特徴とする(1)記載の遺伝子。
(6)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子を有する発現ベクター。
(7)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子を導入してなる形質転換体。
(8)大腸菌又は酵母を宿主とすることを特徴とする(7)記載の形質転換体。
(9)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子によりコードされたタンパク質。
(10)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子によりコードされるタンパク質と、上記タンパク質におけるアルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性に関与する補酵素と、上記タンパク質における上記活性の基質となるアルデヒド化合物とを共存させ、当該アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する、炭化水素の製造方法。
(11)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子を導入してなる形質転換体を、上記アルデヒド化合物を含む溶液にて培養することで、上記タンパク質と上記補酵素と上記アルデヒド化合物とを共存させることを特徴とする(10)記載の炭化水素の製造方法。
(12)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子を導入してなる形質転換体より抽出した酵素液を、上記アルデヒド化合物を含む溶液と混合することで、上記タンパク質と上記補酵素と上記アルデヒド化合物とを共存させることを特徴とする(10)記載の炭化水素の製造方法。
(13)上記(1)〜(5)いずれかに記載の遺伝子を導入してなる形質転換体から単離した上記タンパク質を、上記アルデヒド化合物及び上記補酵素を含む溶液に混合することで、上記タンパク質と上記補酵素と上記アルデヒド化合物とを共存させることを特徴とする(10)記載の炭化水素の製造方法。
(14)上記アルデヒド化合物は、炭素数11〜21のアルデヒド化合物であることを特徴とする(10)記載の炭化水素の製造方法。
(15)上記補酵素は、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)であることを特徴とする(10)記載の炭化水素の製造方法。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2012-040141号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
本発明によれば、従来公知のアルデヒドデカルボニラーゼ遺伝子と比較して、アルデヒド化合物を炭素数が1つ少ない炭化水素に変換する活性に優れた炭化水素合成酵素遺伝子を提供することができる。本発明に係る炭化水素合成酵素遺伝子を利用することで、アルデヒド化合物を基質として高効率且つ低コストに炭化水素を製造することができる。
Klebsiella sp.由来の10種類の遺伝子について作製した形質転換体の「アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性」を測定した結果を示す特性図である。 ベクターコントロール株とgene02導入株についてのGC/MS分析チャート図である。 E.coli W3110株の5種類の遺伝子について作製した形質転換体の「アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性」を測定した結果を示す特性図である。 Klebsiella sp.由来のgene02を導入した形質転換体の破砕液上清を用いて各種アルデヒド化合物を基質とした「アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性」を測定した結果を示す特性図である。 ベクターコントロール株とgene02導入株について、炭素数14のアルデヒド化合物を基質として炭素数13のアルカンを測定したGC/MS分析チャート図である。 形質転換大腸菌の破砕液、精製したHis-tagタンパク質溶液のSDS-PAGEの結果を示す写真である。 精製したHis-tagタンパク質を用いたin vitroにおけるアルカン合成の結果を示すGC/MS分析チャート図である。 補酵素としてNADH又はNADPHを使用したときのアルカン合成能を比較した結果を示す特性図である。 gene02遺伝子を導入した形質転換酵母についてのGC/MS分析チャート図である。 種々の生物種由来の53種類の遺伝子について作製した形質転換体の「アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性」を測定した結果を示す特性図である。 種々の生物種由来の53種類の遺伝子について作製した形質転換体の「アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性」を測定した結果を示す特性図である。
以下、本発明を図面及び実施例を用いてより詳細に説明する。
本発明に係る炭化水素合成遺伝子とは、配列番号1に示したモチーフ配列を有するアミノ酸配列を含み、「アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性(以下、本活性を炭化水素合成活性と称す)」を有するタンパク質をコードする遺伝子である。炭化水素合成活性とは、アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成できる酵素活性であって、アルデヒド化合物からカルボニル基を取り除く酵素活性と言い換えることができる。このとき、炭化水素合成活性には、副生成物として一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸、ギ酸及び水等を生成する反応が含まれていても良い。
ここで、配列番号1に示したモチーフ配列は、アルデヒドデヒドロゲナーゼのグルタミン酸活性部位(Description:Aldehyde dehydrogenases glutamic acid active site)と呼称される配列である。配列番号1に示すアミノ酸配列において、1番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でL、I、V、M、F、G又はAのいずれかである。また、配列番号1に示すアミノ酸配列において、3番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でL、I、M、S、T、A又はCのいずれかである。さらに、配列番号1に示すアミノ酸配列において、4番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でG又はSのいずれかである。さらにまた、配列番号1に示すアミノ酸配列において、6番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でK、N、L又はMのいずれかである。さらにまた、配列番号1に示すアミノ酸配列において、7番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でS、A、D又はNのいずれかである。さらにまた、配列番号1に示すアミノ酸配列において、8番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でT、A、P、F又はVのいずれかである。
特に、本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、配列番号1に示したモチーフ配列よりもC末端側に配列番号2に示したモチーフ配列を更に有するアミノ酸配列を含み、炭化水素合成活性を有するタンパク質をコードする遺伝子であることが好ましい。ここで、配列番号2に示したモチーフ配列は、本発明に係る炭化水素合成遺伝子であってクレブシエラ属微生物由来の遺伝子によりコードされる複数のタンパク質について、それらのアミノ酸配列をマルチプルアライメント解析したときに高度に保存されている領域のアミノ酸配列に対応している。配列番号2に示すアミノ酸配列において、1番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でP、A又はFのいずれかである。また、配列番号2に示すアミノ酸配列において、2番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でF、H又はVのいずれかである。さらに、配列番号2に示すアミノ酸配列において、3番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でG又はAのいずれかである。配列番号2に示すアミノ酸配列において、5番目のXaaは、如何なるアミノ酸でもよい。さらにまた、配列番号2に示すアミノ酸配列において、6番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でK、G又はRのいずれかである。さらにまた、配列番号2に示すアミノ酸配列において、7番目のXaaは、如何なるアミノ酸でもよい。さらにまた、配列番号2に示すアミノ酸配列において、10番目のXaaは、如何なるアミノ酸でもよい。さらにまた、配列番号2に示すアミノ酸配列において、11番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でG又はHのいずれかである。さらにまた、配列番号2に示すアミノ酸配列において、12番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でR、K又はGのいずれかである。さらにまた、配列番号2に示すアミノ酸配列において、13番目のXaaは、アミノ酸の一文字表記でF、D、P又はAのいずれかである。
さらに、本発明に係る炭化水素合成遺伝子としては、如何なる生物由来の遺伝子であっても良く、例えば、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、真菌、植物、動物から本発明に係る炭化水素合成遺伝子を同定・単離することができる。例えば、グラム陰性細菌としては、Escherichia coli(大腸菌)やPseudomonas putidaを挙げることができる。グラム陽性細菌としては、Bacillus subtilis(枯草菌)やCorynebacterium glutamicum、Lactobacillus reuteriを挙げることができる。また、真菌としては、Saccharomyces cerevisiaeやCandida tropicalis、Debaryomyces hansenii、Pichia pastoris、Aspergillus oryzaeを挙げることができる。さらに、植物としては、Zea maysやArabidopsis thalianaを挙げることができる。さらにまた、動物としては、Drosophila melanogasterやRattus norvegicus、Homo sapiensを挙げることができる。これら各種生物から本発明に係る炭化水素合成遺伝子を単離して適宜使用することができる。
より具体的に、上述した配列番号1に示したモチーフ配列を有するタンパク質をコードするアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子は、NCBI(National Center for Biotechnology Information)といった遺伝子情報を格納したデータベースから検索することができる。検索した遺伝子はACCESSION番号により以下のように特定できる。
すなわち、Escherichia coli K-12 W3110由来の遺伝子としてBAE77705、BAA35791、BAA14869、BAA14992、BAA15032、BAA16524、BAE77705、BAA15538及びBAA15073を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。また、Pseudomonas putida_F1由来の遺伝子としてYP_001268218、YP_001265586、YP_001267408、YP_001267629、YP_001266090、YP_001270490、YP_001268439、YP_001267367、YP_001267724、YP_001269548、YP_001268395、YP_001265936、YP_001270470、YP_001266779及びYP_001270298を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。
また、Bacillus subtilis 168株由来の遺伝子としてNP_388129、NP_389813、NP_390984、NP_388203、NP_388616、NP_391658、NP_391762、NP_391865及びNP_391675を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Corynebacterium glutamicum ATCC13032由来の遺伝子としてNP_599351、NP_599725、NP_601988、NP_599302、NP_601867及びNP_601908を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Lactobacillus reuteri DSM20016由来の遺伝子としてYP_001270647を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。
さらに、Saccharomyces cerevisiae由来の遺伝子としてNP_010996、NP_011904、NP_015264、NP_013828、NP_009560、NP_015019、NP_013893、NP_013892及びNP_011902を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Candida tropicalis MYA-3404由来の遺伝子としてXP_002548035、XP_002545751、XP_002547036、XP_002547030、XP_002550712、XP_002547024、XP_002550173、XP_002546610及びXP_002550289を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Debaryomyces hansenii CBS767由来の遺伝子としてXP_460395、XP_457244、XP_457404、XP_457750、XP_461954、XP_462433、XP_461708及びXP_462528を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Pichia pastoris GS115由来の遺伝子としてXP_002489360、XP_002493450、XP_002491418、XP_002493229、XP_002490175、XP_002491360及びXP_002491779を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Schizosaccharomyces pombe由来の遺伝子としてNP_593172、NP_593499、NP_594582を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Aspergillus oryzae RIB40由来の遺伝子としてXP_001822148、XP_001821214、XP_001826612、XP_001817160、XP_001817372、XP_001727192、XP_001826641、XP_001827501、XP_001825957、XP_001822309、XP_001727308、XP_001818713、XP_001819060、XP_001823047、XP_001817717及びXP_001821011を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。
さらにまた、Zea mays由来の遺伝子としてNP_001150417、NP_001105047、NP_001147173、NP_001169123、NP_001105781、NP_001157807、NP_001157804、NP_001105891、NP_001105046、NP_001105576、NP_001105589、NP_001168661、NP_001149126及びNP_001148092を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Arabidopsis thaliana由来の遺伝子としてNP_564204、NP_001185399、NP_178062、NP_001189589、NP_566749、NP_190383、NP_187321、NP_190400、NP_001077676及びNP_175812を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。
さらにまた、Drosophila melanogaster由来の遺伝子としてNP_733183、NP_609285、NP_001014665、NP_649099、NP_001189159、NP_610285及びNP_610107を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Rattus norvegicus由来の遺伝子としてNP_001006999、XP_001067816、XP_001068348、XP_001068253、NP_113919、XP_001062926、NP_071609、NP_071852、NP_058968、NP_001011975、NP_115792、NP_001178017、NP_001178707、NP_446348、NP_071992、XP_001059375、XP_001061872及びNP_001128170を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。Homo sapiens由来の遺伝子としてNP_036322、NP_001193826、NP_001029345、NP_000684、NP_000680、NP_000683、NP_000681、NP_001071、NP_000687、NP_001180409、NP_001173、NP_000682、NP_000373、NP_001154976、NP_000685及びNP_000686を本発明に係る炭化水素合成遺伝子として同定することができる。
一方、上述した配列番号1に示したモチーフ配列を有するタンパク質をコードする遺伝子は、NCBIといったデータベースに登録されていないゲノム配列が未知な生物のゲノム配列を明らかにし、ゲノム配列情報に基づいて特定することができる。より具体的に、Klebsiella sp. NBRC100048株のゲノム配列を定法に従って解析し、このゲノム配列情報に基づいて配列番号1に示したモチーフ配列を有するタンパク質をコードする遺伝子を特定することができる。
本発明に係る炭化水素合成遺伝子であって、Klebsiella sp.由来の遺伝子としては10種類の遺伝子を特定することができる。これら10種類の遺伝子を便宜的にgene01〜gene10と命名する。これらgene01〜10におけるコーディング領域の塩基配列及びこれによりコードされるアミノ酸配列を下記表1にまとめる。
Figure 0005867586
なお、表1に挙げたKlebsiella sp.由来の遺伝子は、上述した配列番号2に示したモチーフ配列を有するタンパク質をコードしている。
また、上述したNCBIデータベースに登録されている遺伝子の例として、Escherichia coli K-12 W3110由来の遺伝子であるBAA14869、BAA14992、BAA16524、BAE77705及びBAA15538の5種類について、コーディング領域の塩基配列及びこれによりコードされるアミノ酸配列を下記表2にまとめる。
Figure 0005867586
さらに、上述したNCBIデータベースに登録されている本発明に係る炭化水素合成遺伝子の例として、Corynebacterium glutamicum ATCC13032由来、Lactobacillus reuteri DSM20016由来、Saccharomyces cerevisiae由来、Candida tropicalis MYA-3404由来、Debaryomyces hansenii CBS767由来、Pichia pastoris GS115由来、Schizosaccharomyces pombe由来、Aspergillus oryzae RIB40由来、Zea mays由来、Arabidopsis thaliana由来、Drosophila melanogaster由来、Rattus norvegicus由来及びHomo sapiens由来の遺伝子について、コーディング領域の塩基配列及びこれによりコードされるアミノ酸配列を下記表3にまとめる。なお、表3において「遺伝子名」の欄にはKyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)におけるgene IDが記載されている。
Figure 0005867586
Figure 0005867586
ただし、本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、上述した遺伝子名、塩基配列及びアミノ酸配列にて特定されるものに限定されるものではない。
本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、上述した配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの偶数番号に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入又は付加したアミノ酸配列からなり、炭化水素合成活性を有するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。ここで、複数のアミノ酸とは、例えば2〜100個、好ましくは2〜80個、より好ましくは2〜50個、更に好ましくは2〜15個のアミノ酸を意味する。
また、本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの偶数番号に記載のアミノ酸配列に対して70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、炭化水素合成活性を有するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。配列間の同一性とは、BLAST、PSI-BLAST、HMMERといった配列類似性検索ソフトウェアをデフォルトの設定で使用して2つのアミノ酸配列間の一致度を示す値(割合)を意味する。
さらに、本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、配列番号3〜32及び65〜170のうちいずれか1つの奇数番号に記載の塩基配列の相補鎖からなるポリヌクレオチドの少なくとも一部に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質であって、炭化水素合成活性を有するタンパク質をコードする遺伝子であってもよい。ここでいう「ストリンジェントな条件」とはいわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件を意味し、例えばMolecular Cloning: A Laboratory Manual(Third Edition)を参照して適宜決定することができる。具体的には、サザンハイブリダイゼーションの際の温度や溶液に含まれる塩濃度、及びサザンハイブリダイゼーションの洗浄工程の際の温度や溶液に含まれる塩濃度によりストリンジェンシーを設定することができる。また、ポリヌクレオチドの少なくとも一部とは、所定の塩基配列の相補鎖からなるポリヌクレオチドの全部、当該相補鎖からなるポリヌクレオチドの全部の連続する部分の両者を含む意味である。
なお、所定のアミノ酸配列に対する変異の導入は、上記炭化水素合成遺伝子の塩基配列を、当該技術分野で公知の手法によって改変することによって行うことができる。塩基配列に変異を導入するには、Kunkel法またはGapped duplex法等の公知手法又はこれに準ずる方法により行うことができ、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-KやMutant-G(何れも商品名、TAKARA Bio社製))等を用いて、あるいはLA PCR in vitro Mutagenesisシリーズキット(商品名、TAKARA Bio社製)を用いて変異が導入される。また、変異導入方法としては、EMS(エチルメタンスルホン酸)、5-ブロモウラシル、2-アミノプリン、ヒドロキシルアミン、N-メチル-N’-ニトロ-Nニトロソグアニジン、その他の発ガン性化合物に代表されるような化学的変異剤を使用する方法でも良いし、X線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、イオンビームに代表されるような放射線処理や紫外線処理による方法でも良い。
所定の塩基配列からなる遺伝子が、炭化水素合成活性を有するタンパク質をコードしているかは、該遺伝子を適当なプロモーターとターミネーター等の間に組み込んだ発現ベクターを作製し、この発現ベクターを用いて適当な宿主を形質転換し、発現するタンパク質の炭化水素合成活性を測定すればよい。ここで炭化水素合成活性を測定するには、基質となるアルデヒド化合物を含む溶液にて上記形質転換体を培養し、上記アルデヒド化合物に由来する炭化水素(基質のアルデヒド化合物よりも炭素数が1つ少ない炭化水素)をガスクロマトグラフィー/質量分析装置により測定すればよい。なお、炭化水素合成活性を定量的に測定する場合には、生成した炭化水素をガスクロマトグラフィー/質量分析装置によって定量すればよい。アルデヒド化合物としては、詳細を後述するが、例えばテトラデカナール等を利用することができる。
以上で説明した本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、適当な発現ベクターに組み込まれ、宿主に導入される。ここで、宿主としては、本発明の炭化水素合成遺伝子を発現できる生物であれば特に限定されるものではない。宿主としては、例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)などのエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などのバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)などのシュードモナス属、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)などのリゾビウム属に属する細菌が挙げられ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母、糸状菌などを含む真菌が挙げられる。
大腸菌などの細菌を宿主とする場合、発現ベクターは、該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、上述した遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、発現ベクターには、プロモーター活性を制御する遺伝子が含まれていてもよい。
大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・コリBL21(DE3)株、K12株、DH1株、JM109株など従来公知の如何なる菌株を使用することができる。大腸菌としては、特にK12株及びK12株から作製された株などの所謂K株を使用することができる。また、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス168株などが挙げられる。
プロモーターとしては、大腸菌などの宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例えばtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーターなどの大腸菌由来のものやT7プロモーターなどのファージ由来のものが用いられる。さらに、tacプロモーターなどのように人為的に設計改変されたプロモーターを用いてもよい。
発現ベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法[Cohen, S.N.,et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69:2110-2114 (1972)]、エレクトロポレーション法などが挙げられる。
また、宿主として用いることができる酵母としては、特に限定するものではないがCandida Shehatae等のCandida属酵母、Pichia stipitis等のPichia属酵母、Pachysolen tannophilus等のPachysolen属酵母、Saccharomyces cerevisiae等のSaccharomyces属酵母及びSchizosaccharomyces pombe等のSchizosaccharomyces属酵母が挙げられ、特にSaccharomyces cerevisiaeが好ましい。
また、本発明に係る炭化水素合成遺伝子の発現を強化する際には、転写活性の高い適当なプロモーターを使用する。このようなプロモーターとしては、特に限定されないが、例えばグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(TDH3)のプロモーター、3-ホスホグリセレートキナーゼ遺伝子(PGK1)のプロモーター、高浸透圧応答7遺伝子(HOR7)のプロモーターなどが利用可能である。なかでもピルビン酸脱炭酸酵素遺伝子(PDC1)のプロモーターが下流の目的遺伝子を高発現させる能力が高いために好ましい。その他にも、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーターなどを使用することで、下流の遺伝子を強発現させることができる。
また、上述した遺伝子を導入する方法としては、酵母の形質転換方法として知られている従来公知のいかなる手法をも適用することができる。具体的には、例えば、エレクトロポレーション法“Meth. Enzym., 194, p182 (1990)”、スフェロプラスト法“Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75 p1929(1978)”、酢酸リチウム法“J.Bacteriology, 153, p163(1983)”、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75 p1929 (1978)、Methods in yeast genetics, 2000 Edition : A Cold Spring Harbor Laboratory Course Manualなどに記載の方法で実施可能であるが、これに限定されない。
以上のように、本発明に係る炭化水素合成遺伝子を導入した組み換え生物、例えば組み換え大腸菌、組み換え酵母は、上記炭化水素合成遺伝子が発現することによってアルデヒド化合物及びNADH等の補酵素が存在すれば、当該アルデヒド化合物から炭化水素を合成することができる。このとき、ここで、本発明に係る炭化水素合成遺伝子がコードするタンパク質は、炭化水素合成活性に補酵素としてNADHを利用することができる。NADHは細胞内に豊富に存在するため、補酵素の量が炭化水素合成反応の律速要因となることがない。したがって、本発明に係る炭化水素合成遺伝子を導入した組み換え生物、例えば組み換え大腸菌、組み換え酵母は、優れた反応効率で炭化水素を合成することができる。なお、本発明に係る炭化水素合成遺伝子がコードするタンパク質は、NADH及びNADPHのずれも補酵素として使用することができる。
ここで、合成可能な炭化水素は、鎖状構造からなる炭化水素(鎖式炭化水素)及び環構造からなる炭化水素(環式炭化水素)の両方である。なお、鎖状構造からなる炭化水素は、1以上の分岐を有する構造であってもよい。分岐としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基(tert-ブチル基を含む)等のアルキル基、アルキニル基、アルケニル基等を挙げることができる。また、分岐としては、クロロメチル基、アセチル基、2-ピリジル基、ヒドロキシフェニル基、アミノアセチル基。メトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基等を挙げることができる。さらに、合成対象の炭化水素は飽和炭化水素(アルカン)でもよいし、不飽和炭化水素(アルケン及びアルキン)でもよい。
一方、合成対象の炭化水素の炭素数としては、特に限定されないが、常温で液体である炭素数5〜20程度であることが好ましい。また、合成対象の炭化水素としては、ディーゼル燃料としての用途を考慮して炭素数10〜20の飽和炭化水素が好ましく、特に炭素数12〜14の飽和炭化水素がより好ましく、特に炭素数13の飽和炭化水素が最も好ましい。より具体的に、合成対象の炭化水素としは、炭素数12のドデカン、炭素数13のトリデカン及び炭素数14のテトラデカンを挙げることができる。
なお、上記で列挙したような特定の炭化水素を合成する場合、基質となるアルデヒド化合物を適宜選択すればよい。すなわち、炭化水素合成活性によりアルデヒド化合物を基質として炭化水素が合成されるため、目的とする炭化水素の構造に応じて適宜アルデヒド化合物を選択すればよい。
一方、本発明に係る炭化水素合成遺伝子は、in vitroにおける炭化水素の製造方法に利用することもできる。一例として、本発明に係る炭化水素合成遺伝子を導入した組み換え生物、例えば組み換え大腸菌や組み換え酵母を破砕して得られる破砕溶液、或いは、破砕溶液から当該炭化水素合成遺伝子がコードするタンパク質を含む画分を抽出した抽出液を用いて、in vitroにて炭化水素を合成できる。すなわち、上記破砕溶液や上記抽出液に対して基質となるアルデヒド化合物(必要であればNADH等の補酵素)を添加することで、in vitroにて炭化水素を合成できる。特に、上記破砕溶液や上記抽出液にはNADH等の補酵素が豊富に含まれているため、上記破砕溶液や上記抽出液に対しては基質となるアルデヒド化合物を添加するのみでNADH等の補酵素を添加しないでよい場合が多い。換言すれば、本発明に係る炭化水素合成遺伝子を利用する場合、高価なNADPH等の補酵素を必要とせず、効率良く炭化水素を合成することができる。
或いは、本発明に係る炭化水素合成遺伝子がコードするタンパク質を定法に従って粗精製若しくは精製し、粗精製若しくは精製されたタンパク質と基質となるアルデヒド化合物とNADH等の補酵素とを混合することで、in vitroにて炭化水素を合成できる。ここで、本発明に係る炭化水素合成遺伝子がコードするタンパク質は、炭化水素合成活性に補酵素としてはNADHを利用することができ、必ずしも高価なNADPHを利用する必要はない。よって、本発明に係る炭化水素合成遺伝子がコードするタンパク質を利用した場合、補酵素としてより安価なNADHを使用することでin vitroにて炭化水素を合成する際に低コスト化を達成することができる。
なお、合成した炭化水素は定法にしたがって単離することができる。例えば、上述した組み換え酵母を培地にて培養し、炭化水素を生産させる。合成された炭化水素は培地中に合成されるため、遠心分離等の手段によって培地から菌体を分離した後の上清画分から単離できる。上清画分から炭化水素を単離するには、例えば、上清画分に酢酸エチル及びメタノール等の有機溶媒を添加し、十分に撹拌する。水層と溶媒層とに分離し、溶媒層から炭化水素を抽出することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例では、アルカン合成能を有する微生物であるKlebsiella sp. NBRC100048株のゲノム配列を定法に従って解析し、このゲノム配列情報に基づいて配列番号1に示したモチーフ配列を有するタンパク質をコードする10種類の遺伝子を特定した。本実施例で特定した10種類の遺伝子についてgene01〜10と命名し、その機能を推定した。これら10種類の遺伝子について推定した機能及び配列に関する情報を表4にまとめた。
Figure 0005867586
本実施例では、これら10種類の遺伝子に加えて、E.coli W3110株のゲノム情報から配列番号1に示したモチーフ配列を有するタンパク質をコードする遺伝子を特定した。特に本実施例では、特定した遺伝子のうち表5に示す以下の5種類の遺伝子に着目した。
Figure 0005867586
これら15種類の遺伝子を含む核酸断片を、それぞれKlebsiella sp. NBRC100048株のゲノムDNA又はE.coli W3110株のゲノムDNAを鋳型としたPCRによって増幅した。PCRに使用したプライマーを表6に示した。なお、ゲノムDNAの抽出にはDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN社製)を使用した。
Figure 0005867586
なお、これらプライマーには、相同組換えのための配列(ベクターとの相同領域)が付加されている。また、PCRにはPfuUltra II Fusion HS DNA Polymerase(Stratagene's社製)を使用した。PCRによって増幅した核酸残片、BamHI処理したpUC118プラスミドを混合し、相同組換えによって増幅した核酸残片をベクターに組み込んだ。なお、PCR産物の精製にはQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)を使用し、PCR産物の連結にはIn-Fusion HD Cloning Kit(Clontech社製)を使用した。
得られた発現プラスミドでE.coli JM109を形質転換した。形質転換した大腸菌を1ml LB培地(アンピシリン 100μg/ml)で37℃、100rpmで一晩培養した。この培養液を、3ml LB培地(アンピシリン 100μg/ml、Triton X-100 0.1%、IPTG 0.5mM及びテトラデカナール 1mM)に10%容量接種し、30℃で100rpmで24時間培養した。
この培養液を集菌(室温,6000×g,5min)し、上清1mlをガラス製バイアルビン(Agilent Technologies社製)に入れ、GC/MS分析に供し、テトラデカナールから合成されたトリデカンを検出した。なお、GC/MS分析においてヘッドスペースサンプラーとしてHP7694(Hewlett-Packard社製)を使用し、ヘッドスペースサンプラー分析条件を表7に、GC/MS分析条件を表8に示した。
Figure 0005867586
Figure 0005867586
本実施例で特定したKlebsiella sp.由来の10種類の遺伝子を用いたときの分析結果を図1に示す。図1に示すように、本実施例で特定したKlebsiella sp.由来の10種類の遺伝子は全て炭化水素合成活性を有する遺伝子であることが明らかとなった。また、gene02及びgene05によりコードされるタンパク質は、特に優れた炭化水素合成活性を有することが明らかとなった。なお、GC/MS分析の分析チャートをベクターコントロール株とgene02導入株について例示的に図2に示した。
同様に、本実施例で特定したE.coli W3110株の5種類の遺伝子を用いたときの分析結果を図3に示す。図3に示すように、本実施例で特定したE.coli W3110株の5種類の遺伝子は全て炭化水素合成活性を有する遺伝子であることが明らかとなった。また、BAA14992及びBAA14869によりコードされるタンパク質は、特に優れた炭化水素合成活性を有することが明らかとなった。
〔実施例2〕
本実施例では、実施例1で炭化水素合成活性に優れたタンパク質をコードする遺伝子として特徴づけられたgene02を用いてin vitroにおけるアルカン合成を試みた。
具体的には、実施例1で作製した、gene02を導入した組み換え大腸菌を1ml LB培地(アンピシリン 100μg/ml)で37℃、100rpmで一晩培養した。その後、この培養液を1ml LB培地(アンピシリン 100μg/ml,IPTG 0.5mM)に1%容量接種し、30℃、120rpmで6時間培養した。次に、この培養液を集菌(4℃、6000×g、3分)し、菌体を500μlのリン酸Buffer(pH 7.2)で懸濁した後、超音波破砕機を用いて細胞を破砕(4℃、10分)した。次に、得られた破砕液を遠心分離(4℃、10000×g、5分)し、上清を採取した。採取した溶液を酵素アッセイに用いた。
酵素反応は表9に示す反応組成にて30℃で一晩行った。なお、本実施例では、アルデヒド化合物として炭素数11〜18の8種類をそれぞれ使用した。なお、合成されるアルカンはアルデヒド化合物の炭素数より1つ少ない炭素数となる。
Figure 0005867586
合成された炭素数10〜17のアルカン生成量を図4に示した。図4から判るように、gene02によりコードされるタンパク質は、特に炭素数12〜14のアルカンを合成する能力に優れることが明らかとなった。なお、ベクターコントロール株とgene02導入株について、炭素数14のアルデヒド化合物を基質として炭素数13のアルカンを測定したGC/MS分析の分析チャートを例示的に図5に示した。
〔実施例3〕
本実施例では、実施例1で特定されたgene04によりコードされるタンパク質を精製し、精製したタンパク質を用いてin vitroにおけるアルカン合成を試みた。
具体的には、実施例1と同様にして調整したKlebsiella sp. NBRC100048株のゲノムDNAを鋳型とし、一対のプライマー(フォワードプライマー:accacagccaggatccGCGTTATGCACACCCTGGCCAGCCCGGCGCCCTG(配列番号63)及びリバースプライマー:gctcgaattcggatccTCAGAACAGGCCCAGCGGCGCGGTGCCGTAGCT(配列番号64))を用いてPCRを行った。PCR産物をpRSFduet-1プラスミド(Novagen社製)のBamHIサイトに連結した。なお、PCR増幅キット、PCR産物の精製キット、PCR産物の連結キットは実施例1と同じ物を使用した。
次に、得られた発現ベクターで、E.coli BL21(DE3)を形質転換した。この大腸菌を2ml LB培地(カナマイシン 20μg/ml)で37℃、120rpmで一晩培養した。その後、この培養液を10ml LB培地(カナマイシン 20μg/ml,IPTG 0.5mM)に1%容量接種し、37℃で5時間培養した。この培養液を集菌(4℃、6000×g、3分)し、菌体を1mlのリン酸Buffer(pH7.2)で懸濁した後、超音波破砕機を用いて細胞を破砕(4℃、10分)した。
次に、得られた破砕液より、TALON CellThru Resin(Clontech社製)を用いてHis-tagタンパク質の精製を行った。gene04を連結したpRSFduet-1プラスミドで形質転換した大腸菌の破砕液、gene04を連結していないpRSFduet-1プラスミドで形質転換した大腸菌の破砕液、及び精製したHis-tagタンパク質を含む溶液について、SDS-PAGEの結果を図6に示す。図6中、レーン1はgene04を連結していないpRSFduet-1プラスミドで形質転換した大腸菌の破砕液であり、レーン2はgene04を連結したpRSFduet-1プラスミドで形質転換した大腸菌の破砕液であり、レーン3は精製したHis-tagタンパク質を含む溶液である。図6に示すように、gene04の塩基配列から予測されるタンパク質の分子量56.6kDaの位置にHis-tagタンパク質が精製できていることが明らかとなった。
次に、His-tagタンパク質を含む溶液を用いてin vitroにおけるアルカン合成反応を行った。酵素反応は表10に示す反応組成にて30℃で一晩行った。また、本実施例では、アルデヒド化合物としてテトラデカナールを使用した。なお、合成されるアルカンはトリデカンとなる。
Figure 0005867586
酵素反応の終了後、実施例1や2と同様に、合成されたアルカンをGC/MSによって測定した。GC/MS分析の分析チャートを図7に示した。図7中、(a)は上記反応液組成を使用したときのGC/MS分析の分析チャートであり、(b)は上記反応液組成においてHis-tagタンパク質溶出液を加えなかったときのGC/MS分析の分析チャートであり、(c)は上記反応液組成において補酵素を加えなかったときのGC/MS分析の分析チャートである。図7に示すように、本実施例によれば、gene04によりコードされるタンパク質は、細胞抽出液の状態ではなく精製されたタンパク質の状態で炭化水素合成活性を示すことが明らかとなった。
また、本実施例では、補酵素としてNADPHを使用した場合の炭化水素合成活性についても検討した。すなわち、補酵素としてNADPHを使用した以外は、上述した例と同様にした酵素反応を行い、合成されたアルカンをGC/MSによって測定した。その結果を図8に示す。図8から判るように、gene04によりコードされるタンパク質は、補酵素としてNADPH及びNADHのいずれも使用できることが明らかとなった。また、gene04によりコードされるタンパク質は、補酵素としてNADPHよりもNADHを使用したときの方が炭化水素合成活性に優れることも示された。
〔実施例4〕
本実施例では、実施例1で炭化水素合成活性に優れたタンパク質をコードする遺伝子として特徴づけられたgene02を酵母で発現させ、アルカン合成を試みた。
具体的には、実施例1と同様にして調整したKlebsiella sp. NBRC100048株のゲノムDNAを鋳型とし、一対のプライマー(フォワードプライマー:aacaaacaaaggatccaaaaaaATGCGTTATGCACACCCTGGCCAGC(配列番号171)及びリバースプライマー:gtcgtattacggatccttaTCAGAACAGGCCCAGCGGCGCGGTG(配列番号172))を用いてPCRを行った。PCRには、PfuUltra II Fusion HS DNA Polymerase(Stratagene's社製)を使用した。
PCRによって増幅した核酸断片をIn-Fusion HD Cloning Kit(Clontech社製)を使用してpESCpgkgap-HISベクター(国際公開公報 WO 2012/098662号参照)のBamHIサイトに連結した。得られた発現プラスミドでSaccharomyces cerevisiae YPH499株を形質転換した。酵母の形質転換は、Frozen-EZ Yeast Transformation II Kit(ザイモリサーチ社製)付属のプロトコルに沿って行った。
次に、得られた形質転換酵母のコロニーを1mlのSD-His液体培地に植菌し、30℃で一晩培養(オリエンタル技研工業製IFM型,130rpm)後、この前培養液を3mlのSD-His培地(テトラデカナール 1mM添加)に1%容量接種し、30℃、100rpmで2日間培養した。
培養終了後、実施例1に記載した方法によりGC/MS分析に供した。分析結果を図9に示した。図9に示すように、Klebsiella sp. NBRC100048株由来のgene02遺伝子は、宿主として酵母を利用した場合であっても、優れた炭化水素合成活性を示すタンパク質をコードする遺伝子として機能することが判った。
〔実施例5〕
本実施例では、様々な生物種由来のアルカン合成酵素遺伝子についてアルカン合成能を評価した。
具体的には、上述した表3に示した、Corynebacterium glutamicum ATCC13032由来、Lactobacillus reuteri DSM20016由来、Saccharomyces cerevisiae由来、Candida tropicalis MYA-3404由来、Debaryomyces hansenii CBS767由来、Pichia pastoris GS115由来、Schizosaccharomyces pombe由来、Aspergillus oryzae RIB40由来、Zea mays由来、Arabidopsis thaliana由来、Drosophila melanogaster由来、Rattus norvegicus由来及びHomo sapiens由来の53種類の遺伝子について、実施例1と同様にアルカン合成能を評価した。なお、本実施例では、宿主として大腸菌JM109株を使用した。
これら53種類の遺伝子の増幅には、下記表11に示した一対のプライマーを使用した。
Figure 0005867586
Figure 0005867586
Figure 0005867586
なお、表11に示した53種類の遺伝子のうち、Corynebacterium glutamicum ATCC13032由来(NCgl0098、NCgl0463、NCgl2698、NCgl0049、NCgl2578及びNCgl2619)、Lactobacillus reuteri DSM20016由来(Lreu_0034)及びSaccharomyces cerevisiae由来(YER073W、YHR037W、YHR039C、YMR169C、YMR170C、YOR374W、YBR006W、YMR110C及びYPL061W)の遺伝子については、各菌株から抽出したゲノムDNAを鋳型とした。また、表11に示した53種類の遺伝子のうち、Candida tropicalis MYA-3404由来(CTRG_04587、CTRG_01342及びCTRG_00532)、Debaryomyces hansenii CBS767由来(DEHA2G03740g、DEHA2G22572g及びDEHA2B10384g)、Pichia pastoris GS115由来(PAS_chr1-3_0024、PAS_chr2-1_0853及びPAS_chr4_0043)、Schizosaccharomyces pombe由来(SPAC139.05、SPAC1002.12c及びSPAC9E9.09c)、Aspergillus oryzae RIB40由来(AOR_1_1204144及びAOR_1_1330014)及びZea mays由来(100284047)の遺伝子については、KEGG上のアミノ酸配列に基づいて化学合成した人工遺伝子を鋳型とした。さらに、表11に示した53種類の遺伝子のうちArabidopsis thaliana由来の遺伝子(AT1G23800、AT1G74920、AT1G79440、AT2G24270、AT3G24503、AT3G48000及びAT1G54100)については、ATCC(American Type Culture Collection)から購入したcDNAライブラリー:ATCC77500を鋳型とした。さらにまた、表11に示した53種類の遺伝子のうちDrosophila melanogaster由来の遺伝子(Dmel_CG3752、Dmel_CG7145、Dmel_CG8665、Dmel_CG11140、Dmel_CG31075、Dmel_CG4685及びDmel_CG9629)については、ATCC(American Type Culture Collection)から購入したcDNAライブラリー:ATCC87285を鋳型とした。さらにまた、表11に示した53種類の遺伝子のうちRattus norvegicus由来の遺伝子(24188及び641316)については、ATCC(American Type Culture Collection)から購入したcDNAライブラリー:ATCC77403を鋳型とした。さらにまた、表11に示した53種類の遺伝子のうちHomo sapiens由来の遺伝子(216、219、223、224、501及び64577)については、ATCC(American Type Culture Collection)から購入したcDNAライブラリー:ATCC77402を鋳型とした。
なお、PCRの条件、形質転換体の培養条件及びアルカンの分析法は、実施例1と同様である。アルカン分析の結果を図10−1及び図10−2に示した。図10−1及び図10−2に示すように、上述した53種類の遺伝子は全て炭化水素合成活性を有する遺伝子であることが明らかとなった。特に、NCgl0098(試験No.1)、NCgl0049(試験No.4)、NCgl2619(試験No.6)、YER073W(試験No.8)、YOR374W(試験No.13)、YBR006W(試験No.14)、YMR110C(試験No.15)、CTRG_04587(試験No.17)、PAS_chr2-1_0853(試験No.24)、SPAC139.05(試験No.26)、AOR_1_1204144(試験No.29)及びDmel_CG7145(試験No.40)については、特に優れた炭化水素合成活性を有する遺伝子であることが明らかとなった。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (4)

  1. 下記(a)〜(c)のいずれかの、アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質と、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)又は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)からなる補酵素と、上記タンパク質における上記活性の基質となる、炭素数6〜21の鎖状構造アルデヒド化合物とを共存させ、当該アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する、炭化水素の製造方法。
    (a)配列番号6、12、26、66、72、76、80、90、92、94、98、112、116、122及び144のうちいずれか1つに記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b)配列番号6、12、26、66、72、76、80、90、92、94、98、112、116、122及び144のうちいずれか1つに記載のアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、炭素数6〜21の鎖状構造アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質
    (c)配列番号5、11、25、65、71、75、79、89、91、93、97、111、115、121及び143のうちいずれか1つに記載の塩基配列の相補鎖からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質であって、炭素数6〜21の鎖状構造アルデヒド化合物から炭素数が1つ少ない炭化水素を合成する活性を有するタンパク質
  2. 上記タンパク質をコードする遺伝子を導入してなる形質転換体を、上記アルデヒド化合物を含む溶液にて培養することで、上記タンパク質と上記補酵素と上記アルデヒド化合物とを共存させることを特徴とする請求項記載の炭化水素の製造方法。
  3. 上記タンパク質をコードする遺伝子を導入してなる形質転換体より抽出した酵素液を、上記アルデヒド化合物を含む溶液と混合することで、上記タンパク質と上記補酵素と上記アルデヒド化合物とを共存させることを特徴とする請求項記載の炭化水素の製造方法。
  4. 上記タンパク質をコードする遺伝子を導入してなる形質転換体から単離した上記タンパク質を、上記アルデヒド化合物及び上記補酵素を含む溶液に混合することで、上記タンパク質と上記補酵素と上記アルデヒド化合物とを共存させることを特徴とする請求項記載の炭化水素の製造方法。
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