JP5867545B2 - 液体噴射装置用制御ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、加圧した液体を生体組織に向けて噴射することにより、生体組織の切開または切除を行う技術に関する。
水あるいは生理食塩水などの液体を加圧して、噴射ノズルから細くしぼった状態で生体組織などに噴射することで、組織の切開や切除などを行う技術が開発されている(特許文献1)。この技術は、血管などの脈管構造を傷つけることなく臓器などの組織だけを切開することが可能であり、周囲の組織に与える損傷が少ないので、患者の負担を小さくすることが可能である。
また、液体を噴射するに際して、単に噴射ノズルから連続的に噴射するのではなく、パルス状の噴流を断続的に噴射するようにした技術も提案されている。この提案の技術では、噴射ノズルに接続された小さな液体室に液体を供給して、液体室の容積を瞬間的に減少させることで、噴射ノズルからパルス状に液体を噴射する。続いて、液体室の容積を元に戻して再び液体を供給する。こうした動作を繰り返して行うことで、パルス状の噴流を断続的に噴射することができる。このように、パルス状の噴流を噴射すると、噴流の圧力が衝撃的に生体組織に加わることになるので、少ない噴射量で生体組織を切開することができる。その結果、噴射した液体が溜まって、切開しようとする生体組織の視認が困難になったり、溜まった液体で噴流の勢いが弱められて、切開能力が低下したりすることを抑制することが可能となる(特許文献2)。
特開2005−152127号公報 特開2008−082202号公報
しかし、液体をパルス状に噴射する技術では、安定した切開能力を維持することが難しいという問題があった。すなわち、液体室の容積を瞬間的に減少させて、液体を加圧することによってパルス状の噴流を噴射している関係上、液体室内に気泡が混入すると、気泡が圧縮されてしまうので液体を十分に加圧することができなくなり、その結果、切開能力が低下する。もちろん、混入した気泡が多いために噴流の出方が明らかに悪くなった場合には、混入した気泡を取り除いて切開能力を回復させることもできるが、混入した気泡が僅かな場合には、気泡が混入していることに気が付かず、切開能力が低下したまま使用を継続することになる。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、パルス状の液体を噴射して生体組織の切開または切除を行う切除装置で、僅かな気泡が混入した場合でも、そのことを、精度良くしかも直ちに検出することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の切除装置は次の構成を採用した。すなわち、
生物組織に向けて液体を噴射することで、該生物組織の切除を行う切除装置であって、
噴射しようとする液体を供給する液体供給手段と、
前記供給された液体が充填される液体室と、
前記液体室に接続された前記噴射ノズルと、
駆動電圧が印加されると、該駆動電圧が印加されない場合よりも前記液体室の容積を減少させる方向に変形する駆動部材と、
前記液体室に前記供給された液体が充填された状態で前記駆動部材に前記駆動電圧を印加することにより、該液体室内の前記液体を前記噴射ノズルからパルス状に噴射させる液体噴射手段と、
前記駆動電圧を前記駆動部材に印加した時の、前記駆動部材に流れる電流を検出することで、前記液体室内の気泡を検出する気泡検出手段と
を備えることを要旨とする。
こうした構成を有する本発明の切除装置においては、液体室に液体を充填した状態で、駆動部材に駆動電圧を印加することにより、液体室内の液体を加圧して噴射ノズルから噴射することができる。このとき液体室内に気泡が混入していた場合には、駆動部材に駆動電圧を印加すると混入していた気泡が潰れるので、気泡が混入していなかった場合と比べると、駆動部材の変形の仕方が変化し、その結果、混入した気泡の有無に応じて、駆動部材に流れる電流波形にも相違が現れる。そこで、駆動部材に駆動電圧を印加した時に駆動部材に流れる電流を検出することによって、液体室内に混入した気泡の有無を検出する。
こうすれば、たとえ僅かな気泡が混入した場合でも直ちに検出することが可能となる。また、液体を噴射するために駆動部材に駆動電圧を印加した時に、駆動部材に流れる電流を検出しているだけなので、気泡を検出するための特別な装置を設ける必要がなく、たいへん容易に気泡を検出することが可能となる。加えて、気泡を検出するための特別な装置が不要であることから、切除装置が大型化することがなく、従って、生物組織を切開あるいは切除する作業の作業性を悪化させる虞もない。
また、上述した本発明の切除装置においては、駆動部材に流れる電流のピーク電流を検出することによって、液体室内の気泡を検出することとしてもよい。
液体室内に気泡が混入すると、駆動部材に流れる電流の変化は、ピーク電流に特徴的に現れる。従って、ピーク電流を検出することで、液体室内に混入した気泡の有無を、容易に且つ精度良く検出することが可能となる。
また、上述した本発明の切除装置においては、次のようにして液体室内の気泡を検出することとしても良い。先ず、液体を噴射するに際しては、所定の最大電圧まで増加した後、その最大電圧から減少する波形の駆動電圧を、駆動部材に印加する。そして、駆動部材に最大電圧が印加されたタイミングで、駆動部材に流れる電流を検出することによって、液体室内に混入した気泡を検出することとしてもよい。
液体を噴射するに際して、所定の最大電圧まで増加した後、その最大電圧から減少する波形の駆動電圧を駆動部材に印加すると、最大電圧が印加されたタイミングで駆動部材に流れる電流は、液体室内に混入した気泡の有無によって特徴的に変化する。従って、このタイミングでの電流を検出すれば、液体室内に混入した気泡の有無を、容易に且つ精度良く検出することが可能となる。
また、上述した本発明の切除装置においては、駆動部材に流れる電流と、駆動部材に応じて記憶された基準電流とを比較することによって、液体室内の気泡を検出することとしてもよい。
液体室内に気泡が混入した状態で駆動部材に電圧を印加した時に、駆動部材に流れる電流は、駆動部材毎の個体差が存在することが経験上、分かっている。従って、駆動部材に応じた適切な基準電流を予め記憶しておき、駆動部材に流れる電流と、駆動部材に応じた基準電流とを比較してやれば、駆動部材の個体差の影響を受けることなく、液体室内の気泡を精度良く検出することが可能となる。
また、本発明は、生物組織に向けて液体を噴射することで、該生物組織の切除を行う切除装置に適用して、液体室内の気泡を検出するための気泡検出方法として把握することも可能である。このような態様で把握された本発明の気泡検出方法は、
生物組織に向けて噴射するための液体が充填される液体室と、
前記液体室に接続された噴射ノズルと、
駆動電圧が印加されると、該駆動電圧が印加されない場合よりも前記液体室の容積を減少させる方向に変形する駆動部材と
を備えた切除装置に適用されて、前記液体室内の気泡を検出する気泡検出方法であって、
前記液体室内に前記液体を供給する工程と、
前記液体室に前記液体が充填された状態で前記駆動部材に前記駆動電圧を印加することにより、該液体室内の前記液体を前記噴射ノズルから噴射させる工程と、
前記駆動電圧を前記駆動部材に印加した時の、前記駆動部材に流れる電流を検出することで、前記液体室内の気泡を検出する工程と
を備えることを要旨とする。
このような本発明の気泡検出方法によれば、液体室内に混入した気泡を、簡単に且つ精度良く検出することができる。その結果、気泡の混入によって切除装置の切開あるいは切除能力が低下したまま、使用を続けてしまう事態を未然に回避することが可能となる。
本実施例の切除装置の大まかな構成を示した説明図である。 本実施例の切除装置に設けられた噴射ユニットの構成を示した説明図である。 噴射ユニットおよび供給ポンプの動作を制御する制御ユニットの構成を示した説明図である。 本実施例の噴射ユニットが液体を噴射する動作を示した説明図である。 本実施例の切除装置が噴射ユニット内に混入した気泡を検出する原理を示した説明図である。 第1実施例の気泡検出部の内部構成を示した説明図である。 第1実施例の気泡検出部が気泡を検出する様子を例示した説明図である。 第2実施例の気泡検出部の内部構成を示した説明図である。 第2実施例の気泡検出部が気泡を検出する様子を例示した説明図である。 変形例の制御ユニットの構成を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
B.液体の噴射動作:
C.気泡の検出原理:
D.第1実施例:
E.第2実施例:
F.変形例:
A.装置構成 :
図1は、本実施例の切除装置の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように本実施例の切除装置10は、大きく分けると、パルス状に液体を噴射する噴射ユニット100と、噴射ユニット100から噴射される液体を噴射ユニット100に向けて供給する供給ポンプ300と、噴射ユニット100および供給ポンプ300の動作を制御する制御ユニット200などから構成されている。
噴射ユニット100は、金属製で略長方形形状の前ブロック106に、同じく金属製の後ブロック108を重ねてネジ止めしたような構造となっており、前ブロック106の前面には円管形状の液体通路管104が立設され、液体通路管104の先端には噴射ノズル102が挿着されている。前ブロック106と後ブロック108との合わせ面には、薄い円板形状の液体室110が設けられており、液体室110は、液体通路管104を介して噴射ノズル102に接続されている。また、後ブロック108の内部には、積層型圧電素子によって構成されたアクチュエーター112が設けられており、アクチュエーター112を駆動することによって、液体室110を変形させて、液体室110の容積を変化させることが可能となっている。
供給ポンプ300は、噴射しようとする液体(水、生理食塩水、薬液など)が貯められた液体タンク306から、チューブ302を介して液体を吸い上げた後、チューブ304を介して噴射ユニット100の液体室110内に供給する。また、制御ユニット200は、噴射ユニット100に内蔵されたアクチュエーター112や、供給ポンプ300を制御することにより、切除装置10の動作を制御している。
図2は、噴射ユニット100の詳細な構造を示した説明図である。図2(a)には、噴射ユニット100の断面を取った分解組立図が示されており、図2(b)には、組み立て後の断面図が示されている。後ブロック108には、前ブロック106と合わさる面のほぼ中央に、大きな円形の浅い凹部108cが形成されており、凹部108cの中央位置には、後ブロック108を貫通して円形断面のする貫通穴108hが形成されている。
凹部108cの底部には、貫通穴108hを塞ぐような状態で金属製の薄いダイアフラム114が設けられ、ダイアフラム114の周縁部は、ロウ付けあるいは拡散接合などの手法によって、凹部108cの底部に対して気密に固着されている。更に、ダイアフラム114の上からは、円環形状をした金属製の補強板120が、凹部108cに緩く嵌め込まれるようになっている。そして、補強板120の板厚は、ダイアフラム114の上から補強板120を嵌めた時に、凹部108cが形成された後ブロック108の端面と、補強板120の端面とが面位置となるような厚さに設定されている。
ダイアフラム114によって塞がれた貫通穴108hには、アクチュエーター112(本実施例では積層型圧電素子)が収容され、アクチュエーター112の後側では、円板形状で金属製の底板118によって貫通穴108hが塞がれている。また、アクチュエーター112とダイアフラム114との間には、円形で金属製のシム116が収納される。そして、後ブロック108の貫通穴108hにアクチュエーター112を収納して、底板118で貫通穴108hを塞いだ時に、ダイアフラム114と、シム116と、アクチュエーター112と、底板118とがちょうど接した状態となるように、シム116の厚さが選択されている。
前ブロック106には、後ブロック108と合わさる側の面に、円形の浅い凹部106cが形成されている。この凹部106cの内径は、後ブロック108に嵌め込まれた補強板120の内径とほぼ同じ大きさに設定されている。そして、前ブロック106と後ブロック108とを合わせてネジ止めした時に、後ブロック108側に設けられたダイアフラム114および補強板120の内周面と、前ブロック106に設けられた凹部106cとによって、略円板形状の液体室110が形成されるようになっている。
また、前ブロック106には、前ブロック106の側方から液体室110に液体を供給するための供給通路106iが設けられている。更に、凹部106cの中央位置には、液体室110で加圧された液体が通過する細径の噴射通路106oが貫通している。この噴射通路106oが開口する部分には、液体通路管104が内径部分で挿着されている。そして、その液体通路管104の先端には噴射ノズル102が挿着されている。従って、液体室110から噴射される液体の通路は、噴射通路106oを通って液体通路管104に出ると通路断面積が広くなり、液体通路管104の先端の噴射ノズル102の部分で再び断面積が狭くなるようになっている。
図2(b)には、噴射ユニット100を組み立てた状態での断面図が示されている。図示されているように、補強板120の端面は後ブロック108の端面とちょうど面位置になっており、この面に前ブロック106を合わせることで、前ブロック106と後ブロック108との間に液体室110が形成されている。また、後ブロック108の貫通穴108hに、シム116およびアクチュエーター112を収納して底板118を取り付けると、ダイアフラム114と、シム116と、アクチュエーター112と、底板118とがちょうど接する状態となっている。
図3は、噴射ユニット100および供給ポンプ300の動作を制御する制御ユニット200の構成を示した説明図である。図示されるように制御ユニット200は、操作パネルなどによって構成される操作部202と、CPUなどによって構成される動作制御部204と、供給ポンプ300を駆動するポンプ駆動部206と、動作制御部204の制御の下でアクチュエーター112の駆動電圧波形を生成する駆動電圧生成部208と、駆動電圧波形を生成するための各種データが記憶されたデータ記憶部210と、駆動電圧生成部208で生成された駆動電圧波形を増幅する電圧増幅部212と、噴射ユニット100のアクチュエーター112に駆動電圧波形を印加した時に、アクチュエーター112に流れる駆動電流を検出することにより、噴射ユニット100内に混入した気泡を検出する気泡検出部250などから構成されている。
操作者が、操作部202の操作パネルを操作すると、この信号が動作制御部204に伝えられ、動作制御部204がポンプ駆動部206に駆動命令を出力する。すると、ポンプ駆動部206が供給ポンプ300を駆動する結果、噴射ユニット100内の液体室110に液体の供給が開始される。続いて動作制御部204は、駆動電圧生成部208に対して駆動電圧波形の生成命令を出力する。すると、駆動電圧生成部208は、データ記憶部210から必要なデータを読み出して、噴射ユニット100に内蔵されたアクチュエーター112の駆動電圧波形を生成した後、電圧増幅部212に出力する。電圧増幅部212は、受け取った駆動電圧波形の電圧値を増幅した後、噴射ユニット100のアクチュエーター112に駆動電圧波形を印加する。
気泡検出部250の詳細な構成については後述するが、気泡検出部250は、アクチュエーター112に駆動電圧波形が印加されるタイミングを示す信号(タイミング信号)を動作制御部204(あるいは駆動電圧生成部208)から受け取ると共に、アクチュエーター112に流れる駆動電流を検出することによって、噴射ユニット100内に混入した気泡を検出した後、検出結果を示す信号(気泡検出信号)を、動作制御部204に向かって出力する。気泡を検出する原理および検出方法については後ほど詳しく説明する。
B.液体の噴射動作 :
図4は、本実施例の噴射ユニット100が液体を噴射する動作を示した説明図である。図4(a)は、供給ポンプ300を駆動しているが、アクチュエーター112は駆動していない状態(駆動電圧を印加する前の状態)を表している。この状態では、図中に太い破線の矢印で示されるように、供給ポンプ300によって供給された液体で液体室110が満たされる。図中では、液体室110に斜線を付すことによって、液体室110が液体で満たされていることを表している。
続いて、駆動電圧を印加することにより、アクチュエーター112を駆動する。すると、アクチュエーター112は伸長する方向に変形し、ダイアフラム114を変形させて、液体室110の容積を減少させようとする。その結果、液体室110の液体が加圧されて、噴射通路106oおよび液体通路管104を介して、噴射ノズル102から噴射される。このとき噴射される液体の体積は、アクチュエーター112の変形によって生じた液体室110の容積減少分とほぼ等しくなる。
尚、液体室110には、噴射通路106oだけでなく、供給通路106iも接続されている。従って、液体室110で加圧された液体は、噴射通路106oからだけでなく、供給通路106iからも流出しようとするものと考えられる。しかし実際には、液体室110で加圧された液体は、専ら噴射通路106oから流出し、供給通路106iから流出することはない。これは、次のような理由による。先ず、供給通路106i内の液体は液体室110内に流入しようとしているので、液体室110で加圧された液体が供給通路106iから流出するためには、供給通路106i内の液体の流れを押し戻す必要がある。加えて、供給通路106i内の液体は、後方から供給ポンプ300によって圧送されているので、この圧力にも打ち勝つ必要がある。これに対して、噴射通路106oでは、液体室110からの流出を妨げるような液体の流れは存在せず、しかも供給ポンプ300が液体を圧送する圧力も、液体室110からの流出を妨げる方向には作用しない。このため、液体室110で加圧された液体は、供給通路106iではなく、専ら噴射通路106oから流出する。加えて、詳細なメカニズムについては説明を省略するが、噴射通路106oを出た部分で液体の通路の内径(すなわち、液体通路管104の内径)は大きくなっており、しかも、噴射通路106oの長さは、供給通路106iの長さよりも短く形成されていることも、液体室110で加圧された液体が噴射通路106oから流出し易くなる方向に作用する。これらの理由から、液体室110で加圧された液体は、専ら噴射通路106oから流出し、供給通路106iから流出することはない。
図4(b)には、アクチュエーター112に駆動電圧を印加することで、アクチュエーター112が変形して、液体室110の容積を減少させる結果、押し出された分の液体が噴射ノズル102からパルス状に噴射される様子が示されている。
尚、ここで「パルス状の液体を噴射する」とは、液体の噴射と停止とを繰り返しながら噴射する間欠噴射の態様が含まれるのはもちろんであるが、液体の流量または流速が変動する脈動流の態様で噴射する場合でも、間欠噴射する場合と同様の効果が得られる。従って、本明細書中では、脈動流の態様で噴射することも、「パルス状の液体を噴射する」ことに含まれている。
こうしてパルス状の液体を噴射したら、アクチュエーター112に印加した電圧を取り除く。すると、変形していたアクチュエーター112が元の長さに復元し、それに伴って減少していた液体室110の容積が元の容積に復元する。その動きと共に、供給ポンプ300から液体室110に液体が供給される結果、図4(a)に示したアクチュエーター112を駆動する前の状態に復帰する。そして、この状態から再びアクチュエーター112に駆動電圧を印加すると、図4(b)に示したようにアクチュエーター112が変形して、液体室110から押し出された分の液体が、噴射ノズル102からパルス状に噴射される。このように、本実施例の切除装置10では、アクチュエーター112に駆動電圧を印加する度に、噴射ノズル102からパルス状の液体を噴射することが可能となっている。
以上のようなメカニズムを用いて、パルス状の液体を噴射している関係上、液体室110に気泡が混入すると、アクチュエーター112を駆動して液体室110の容積を減少させた時に気泡が潰れてしまう。その結果、液体を十分に加圧することができなくなるので、噴射ノズル102から噴射される液体の流速が小さくなってしまう。また、液体室110から押し出される液体量も、気泡が潰れる分だけ減少するので、噴射ノズル102から噴射される液体量も少なくなってしまう。もちろん、液体室110にたいへん多くの気泡が混入した場合には、噴射ノズル102から噴出する液体の流速あるいは液体量が大幅に低下するので、操作者は、そのことに直ぐに認識することができる。そして、たとえばアクチュエーター112を駆動することなく、暫くの間、供給ポンプ300を動作させるなどして、気泡を排出することにより、噴射ノズル102から噴出する液体の流速や液体量を正常な状態に復帰させることができる。しかし、液体室110に混入した気泡がそれほど多くない場合は、噴射ノズル102から噴出する液体の流速あるいは液体量が低下したことに気付かないまま、使用し続けてしまうことも起こり得る。そこで、本実施例の切除装置10では、こうした事態を回避するために、噴射ユニット100内に混入した気泡を次のようにして検出することとしている。
C.気泡の検出原理 :
図5は、本実施例の切除装置10が噴射ユニット100内に混入した気泡を検出する原理を示した説明図である。図5には、アクチュエーター112に駆動電圧波形を印加した時に、アクチュエーター112に流れる駆動電流の電流波形が示されている。図5(a)は、噴射ユニット100内に気泡が混入していない場合の電流波形であり、図5(b)は、気泡が混入している場合の電流波形である。また、何れの場合も、アクチュエーター112には同じ駆動電圧波形が印加されている。
先ず、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形について説明する。本実施例の駆動電圧波形には、2つの正弦波を組み合わせて生成された電圧波形が用いられている。すなわち、電圧0から最高電圧まで電圧値が増加する部分の波形は、正弦波形の単調増加部分(角度範囲:−π/2〜π/2の部分)によって構成され、最高電圧から電圧0まで電圧値が減少する部分の波形は、正弦波形の単調減少部分(角度範囲:π/2〜3π/2の部分)によって構成されている。このように構成された駆動電圧波形は、電圧0から最高電圧まで滑らかに電圧値が上昇し、最高電圧から電圧0まで滑らかに電圧値が減少する波形となるので、アクチュエーター112を滑らかに変形させることができる。
また、電圧値が電圧0から最高電圧に達するまでに要する時間よりも、最高電圧から電圧0までに要する時間の方が、数倍(例えば5倍)程度、長めに設定されている。アクチュエーター112は、印加される電圧値が増加すると長さが伸びる方向(液体室110の容積を減少させる方向)に変形し、電圧値が減少すると長さが縮む方向(液体室110の容積を増加させる方向)に変形する。従って、このような駆動電圧波形をアクチュエーター112に印加することで、液体室110の容積を短時間で減少させた後、その5倍程度の時間を掛けて、ゆっくりと液体室110の容積を元の容積に復帰させることができる。
このとき液体室110が液体で満たされている場合には、アクチュエーター112は液体室110から反力を受けることになる。そして、アクチュエーター112は、ピエゾ素子などの電歪効果を有する圧電素子によって構成されているから、アクチュエーター112には反力に応じた逆起電力が発生する。その結果、アクチュエーター112には、印加される駆動電圧波形と、液体室110からの反力による逆起電力とによって決定される電流が流れ込む。当然ながら、液体室110内に気泡が混入している場合と、混入していない場合とでは、アクチュエーター112が受ける反力は異なるから、発生する逆起電力も異なって、アクチュエーター112に流れ込む電流も異なったものとなる。
実際に、アクチュエーター112に流れ込む電流(駆動電流)を検出すると、液体室110に気泡が混入していない場合と、気泡が混入している場合とで、得られる電流波形が相違する。このことから、アクチュエーター112に流れ込む駆動電流を検出して、その電流波形の違いから、混入した気泡の有無を判断することが可能となる。本実施例の切除装置10は、このような原理に基づいて、噴射ユニット100(液体室110や、供給通路106i、噴射通路106o)内に混入した気泡を検出している。
尚、ここでは、アクチュエーター112として、積層型圧電素子が用いられているものとして説明するが、アクチュエーター112としてソレノイドなどが用いられている場合にも、同様な現象が生じ得る。例えば、液体室110に気泡が混入している場合には、気泡が潰れるために、液体室110の容積が速やかに減少し、ソレノイドの中心に設けられた駆動軸が速やかに移動する。その結果、駆動軸の周囲に設けられたコイルを通過する磁束密度の変化速度が大きくなり、コイルに誘導起電力を発生させ、その影響で、アクチュエーター112に流れる電流(駆動電流)の波形に変化が現れる。このように、アクチュエーター112が、積層型圧電素子以外によって構成されている場合でも、同様な現象が生じ得る。従って、アクチュエーター112の駆動電流を検出することで、液体室110(あるいは噴射ユニット100)内に混入した気泡の有無を検出することが可能となる。
また、アクチュエーター112に流れる駆動電流波形の違いを検出する方法としては、どのような方法を用いても構わないが、次のような点に着目すれば、電流波形の違いを簡単に検出することが可能である。すなわち、図5(a)に示した気泡が混入していない場合の電流波形と、図5(b)に示した気泡が混入している場合の電流波形とを比較すると、気泡が混入することで、ピーク電流値が増加する。従って、ピーク電流値を検出することで、駆動電流波形の違いを直ちに検出することが可能となる。また、駆動電圧波形が増加から減少に転ずるタイミングでの電流値は、気泡が混入することで低下する。従って、このタイミングでの電流値を検出することによっても、駆動電流波形の違いを直ちに検出することが可能となる。以下では、こうした点に着目して、混入した気泡を検出する方法について具体的に説明する。
D.第1実施例 :
図6は、第1実施例の気泡検出部250の内部構成を示した説明図である。図示されるように、第1実施例の気泡検出部250は、電流検出部251や、ピークホールド部252、比較部253、遅延部254、ラッチ部255などの電気回路によって構成されている。このうち、電流検出部251は主にコイルによって構成されており、アクチュエーター112に向かって電流が流れると、その時にコイルに誘導起電力が生じることで、電流値に応じた電圧を発生させる。こうして発生した電圧は、ピークホールド部252に出力される。ピークホールド部252は主にICチップによって構成されており、入力された電圧値の最大値を保持する機能を有している。また、ピークホールド部252には、動作制御部204(あるいは駆動電圧生成部208)からのタイミング信号も入力されるようになっており、タイミング信号が入力されると、保持していた電圧値がリセットされるようになっている。
ピークホールド部252の出力(保持されている最大電圧値)は、比較部253に入力される。比較部253も主にICチップによって構成されており、入力された電圧と、予め設定された閾値電圧とを比較し、その結果に応じて、HiまたはLow何れかの電圧状態を出力する機能を有している。本実施例では、ピークホールド部252から入力された電圧が、閾値電圧よりも大きい場合には、Hiの電圧状態を出力し、閾値電圧よりも小さい場合には、Lowの電圧状態を出力するようになっている。
比較部253からの出力は、ラッチ部255に入力される。ラッチ部255も主にICチップによって構成されており、ラッチ信号を受け取った時に入力されている電圧値を出力すると共に、ラッチ信号を受け取る度に出力電圧を更新する機能を有している。ラッチ信号は、前述したタイミング信号を遅延部254で遅延させることによって生成されている。そしてラッチ部255は、ラッチ信号を受け取った時に、比較部253からHi状態の電圧を受け取っていた場合は、Hi状態の電圧を、気泡検出信号として動作制御部204に出力する。また、ラッチ信号を受け取った時に、比較部253からLow状態の電圧を受け取っていた場合は、Low状態の電圧を、気泡検出信号として動作制御部204に出力するようになっている。
図7は、第1実施例の気泡検出部250が気泡を検出する様子を例示した説明図である。図7の最上段には、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形と、それによってアクチュエーター112に流れる駆動電流波形とが示されている。図示した例では、アクチュエーター112に5回連続して駆動電圧波形が印加されており、駆動電圧波形が印加される度に、アクチュエーター112に流れ込む5回分の駆動電流波形が示されている。これらの駆動電流波形のうち、初めの2つおよび最後の1つの波形は、液体室110に気泡が混入していない場合の駆動電流波形となっており(図5(a)参照のこと)、3つめ及び4つめの2つの波形は、気泡が混入した場合の駆動電流波形となっている(図5(b)参照のこと)。
また、その駆動電流波形の下側には、動作制御部204(あるいは駆動電圧生成部208)から出力されるタイミング信号が示されている。図示した例では、アクチュエーター112に対して駆動電圧波形の印加を開始するタイミングで、タイミング信号が出力されている。
タイミング信号の下側には、ピークホールド部252の出力波形が示されている。ピークホールド部252の出力は、タイミング信号が入力されると電圧0にリセットされ、その後、電流検出部251の出力電圧が上昇すると共に上昇していく。しかし、電流検出部251の出力電圧が低下に転じても、ピークホールド部252の出力電圧は低下することなく、最高出力電圧が維持される。そして、タイミング信号が入力されると、再び電圧0にリセットされる。上述したように、タイミング信号はアクチュエーター112に駆動電圧波形を印加するタイミングで出力されているから、ピークホールド部252の出力波形は、アクチュエーター112に流れる駆動電流のピーク値が、駆動電圧波形を印加する度に変化する様子を表していることになる。図7に示した例では、アクチュエーター112を5回駆動した中で、初めの2回および最後の1回の駆動ではピークホールド部252の出力電圧は低く、3回目および4回目の駆動ではピークホールド部252の出力電圧が高くなっている。
こうして得られたピークホールド部252の出力波形と、予め設定しておいた閾値電圧との大小関係を、比較部253を用いて検出する。図7では、ピークホールド部252の出力波形と比較する閾値電圧が、一点鎖線によって示されている。また、ピークホールド部252の出力波形の下側には、比較部253の出力波形が示されている。図示されているように、ピークホールド部252の出力電圧が閾値電圧を下回っている場合は、比較部253の出力はLow状態となり、逆にピークホールド部252の出力電圧が閾値電圧を上回っている場合は、比較部253の出力はHi状態となる。図7に示した例では、アクチュエーター112を5回駆動した中で、初めの2回および最後の1回の駆動では比較部253の出力がLow状態となり、3回目および4回目の駆動では比較部253の出力がHi状態となっている。
ラッチ部255では、このような比較部253の出力を受け取って、ラッチ信号が入力される度に、その時点で比較部253が出力している電圧状態(Low状態またはHi状態の何れか)を、気泡検出信号として出力する。図7では、比較部253の出力波形の下側にラッチ信号が示されており、その下側に、ラッチ部255から出力される気泡検出信号が示されている。その結果、アクチュエーター112を5回駆動した中で、3回目の駆動時から4回目の駆動時までは、気泡検出信号がHi状態となって、液体室110に気泡が混入していることが検出されている。
このように、第1実施例の気泡検出部250では、アクチュエーター112を駆動した時の駆動電流のピーク値を検出することで、液体室110(あるいは噴射ユニット100)に混入した気泡の有無を、迅速に且つ確実に、しかもたいへん容易に検出することが可能となる。その結果、切除装置10の操作者が、噴射ユニット100に気泡が混入したことに気が付かず、切開能力あるいは切除能力が低下したことに気付かないまま、切除装置10の使用を継続してしまう事態を確実に回避することが可能となる。
E.第2実施例 :
以上に説明した第1実施例では、アクチュエーター112を駆動した時の駆動電流のピーク値に基づいて、噴射ユニット100に混入した気泡を検出した。しかし、図5を用いて前述したように、混入した気泡の有無に起因する駆動電流波形の変化は、ピーク電流値だけに現れるものではなく、異なる点に着目して駆動電流波形の変化を検出することで、混入した気泡の有無を検出することも可能である。例えば、図5を用いて前述したように、噴射ユニット100内に気泡が混入すると、アクチュエーター112に印加した駆動電圧波形が増加から減少に転ずるタイミングでの電流値が低下する。以下では、この点に着目して気泡を検出する第2実施例について説明する。
図8は、第2実施例の気泡検出部250の内部構成を示した説明図である。図示されるように、第2実施例の気泡検出部250は、電流検出部251や、サンプルホールド部256、比較部253などの電気回路によって構成されている。このうち、電流検出部251は、第1実施例で用いられているものと同様であり、アクチュエーター112に向かって電流が流れると、電流値に応じた電圧を発生させて、サンプルホールド部256に出力する。サンプルホールド部256は主にICチップによって構成されており、タイミング信号を受け取った時点で入力されていた電圧を、次のタイミング信号を受け取るまで保持する機能を有している。また、第2実施例においても、タイミング信号は、動作制御部204(あるいは駆動電圧生成部208)から出力されている。
サンプルホールド部256の出力は、比較部253に入力される。この比較部253も、第1実施例で用いられているものと同様であり、入力された電圧と、予め設定された閾値電圧とを比較して、その結果に応じて、HiまたはLow何れかの電圧状態を出力する機能を有している。第2実施例では、サンプルホールド部256から入力された電圧が、閾値電圧よりも小さい場合にはLowの電圧状態を出力し、閾値電圧よりも大きい場合にはHiの電圧状態を出力する。そして、第2実施例では、こうして得られた比較部253の出力を、記法検出信号として使用する。
図9は、第2実施例の気泡検出部250が気泡を検出する様子を例示した説明図である。図7を用いて前述した第1実施例と同様に、図9の最上段にも、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形と、それによってアクチュエーター112に流れる駆動電流波形とが示されている。また、図9においても、5つの駆動電圧波形のうち、初めの2つおよび最後の1つの波形が、気泡が混入していない場合の波形であり、3つめ及び4つめの波形が、気泡が混入した場合の波形となっている。
駆動電流波形の下側には、動作制御部204(あるいは駆動電圧生成部208)から出力されるタイミング信号が示されている。第2実施例では、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形が上昇から下降に転じるタイミングで、タイミング信号が出力されている。
また、タイミング信号の下側には、サンプルホールド部256の出力波形が示されている。前述したようにサンプルホールド部256は、タイミング信号を受け取った時に、電流検出部251から入力された電圧を出力する機能を有している。従って、図9に示されるように、初めの2つの駆動電流波形および最後の1つの駆動電流波形に対しては、サンプルホールド部256が出力する電圧は高くなり、3つめおよび4つめの駆動電流波形に対しては、サンプルホールド部256が出力する電圧は低くなる。
こうして得られたサンプルホールド部256の出力と、予め設定しておいた閾値電圧との大小関係を、比較部253を用いて検出する。図9においても、閾値電圧は一点鎖線で示されている。図9に示されているように、気泡が混入していない場合に該当する初めの2つの駆動電流波形および最後の1つの駆動電流波形に対しては、比較部253の出力はLow状態となる。また、気泡が混入した場合に該当する3つめおよび4つめの駆動電流波形に対しては、比較部253の出力はHi状態となる。従って、この比較部253の出力を気泡検出信号として用いることによっても、気泡の混入を迅速に且つ容易に検出することが可能となる。その結果、切除装置10の操作者が、噴射ユニット100に気泡が混入したことに気が付かず、切開能力あるいは切除能力が低下したことに気付かないまま、切除装置10の使用を継続してしまう事態を確実に回避することが可能となる。
F.変形例 :
上述した第1実施例あるいは第2実施例では、気泡検出部250内で気泡検出の為に用いられる閾値電圧が固定されているものとして説明した。しかし、気泡が混入した時にアクチュエーター112に流れる駆動電流波形は、アクチュエーター112毎に異なっており、従って、気泡検出の為に用いられる閾値電圧の最適値も、アクチュエーター112毎に異なっている。そこで、アクチュエーター112の個体差に応じて閾値電圧の値を変更するようにしてもよい。
図10は、変形例の制御ユニット200の構成を示した説明図である。変形例の制御ユニット200は、図3を用いて前述した第1実施例あるいは第2実施例の制御ユニット200に対して、動作制御部204が噴射ユニット100からアクチュエーター112の個体差情報を取得する点と、動作制御部204が気泡検出部250に対して閾値電圧を設定する点とが異なっている。ここでアクチュエーター112の個体差情報とは、気泡が混入した時の駆動電流波形を実測して、ピーク電流値あるいは駆動電圧が上昇から下降に転じるタイミングでの電流値などに関するデータである。噴射ユニット100には、アクチュエーター112の個体差情報を記憶したICチップが搭載されており、制御ユニット200の動作制御部204は、ICチップに記憶されたデータを読み出すことによって、アクチュエーター112の個体差情報を取得することが可能となっている。
尚、アクチュエーター112の個体差情報としては、ピーク電流値あるいは駆動電圧が上昇から下降に転じるタイミングでの電流値であっても良いし、それら電流値に基づいて決定された補正値であっても良い。あるいは、実測された電流値に基づいてアクチュエーター112を幾つかの類別に分類した時の類別を示す番号であっても構わない。
変形例においても、動作制御部204は、操作部202からの信号を受け取ると、ポンプ駆動部206に駆動命令を出力して供給ポンプ300を駆動するとともに、駆動電圧生成部208に駆動電圧波形の生成命令を出力して、噴射ユニット100に内蔵されたアクチュエーター112の駆動を開始する。このように、噴射ユニット100から液体を噴射するために行われる一連の動作は、前述した第1実施例あるいは第2実施例と全く同様であるため、ここでは説明を省略する。
しかし、気泡を検出するための動作は、変形例では、前述した第1実施例あるいは第2実施例とは若干異なっている。すなわち、変形例では、動作制御部204が噴射ユニット100からアクチュエーター112の個体差情報を取得する。そして、取得した個体差情報に応じて閾値電圧を決定した後、その結果を気泡検出部250に対して出力する。尚、動作制御部204が気泡検出部250に対して閾値電圧を設定するに際しては、閾値電圧の値を出力するようにしても良いし、気泡検出部250内に標準の閾値電圧を記憶しておき、その閾値電圧に対する補正値を出力するようにしてもよい。あるいは、気泡検出部250内に複数の閾値電圧を記憶しておき、その中の何れかの閾値電圧を指定するようにしても良い。変形例の気泡検出部250では、こうして設定された閾値電圧と、ピークホールド部252の出力あるいはサンプルホールド部256の出力とを比較することによって、気泡の有無を検出する。
こうすれば、アクチュエーター112の個体差を考慮した適切な閾値電圧を用いて気泡の有無を検出することができるので、アクチュエーター112の個体差に影響されることなく、僅かな気泡が混入した場合でも、迅速に且つ正確に、気泡の混入を検出することが可能となる。
尚、上述した変形例では、アクチュエーター112の個体差に応じて閾値電圧を変更するものとして説明したが、アクチュエーター112に印加する駆動電圧波形に応じて、閾値電圧を変更するようにしても構わない。
以上、本実施例の切除装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
10…切除装置、100…噴射ユニット、102…噴射ノズル、104…液体通路管、106…前ブロック、106c…凹部、106i…供給通路、106o…噴射通路、108…後ブロック、108c…凹部、108h…貫通穴、110…液体室、112…アクチュエーター、114…ダイアフラム、116…シム、118…底板、120…補強板、200…制御ユニット、202…操作部、204…動作制御部、206…ポンプ駆動部、208…駆動電圧生成部、210…データ記憶部、212…電圧増幅部、250…気泡検出部、251…電流検出部、252…ピークホールド部、253…比較部、254…遅延部、255…ラッチ部、256…サンプルホールド部、300…供給ポンプ、302…チューブ、304…チューブ、306…液体タンク。

Claims (6)

  1. 液体を供給可能な液体室と、前記液体室に接続され該液体室に連通する噴射ノズルと、
    駆動電圧が印加されると前記液体室の容積を変更するよう変形可能な駆動部材と、前記駆動部材に関する個体差情報保持部と、を含み、前記駆動部材に前記駆動電圧が印加されることにより前記液体室内の液体を前記噴射ノズルから生物組織に向けてパルス状に噴射させ、該生物組織の切開または切除を行うための液体噴射ユニットと、前記液体室に液体を供給可能な液体供給手段と、に接続して使用可能な液体噴射装置用制御ユニットであって、
    前記液体噴射装置用制御ユニットは、
    前記駆動部材へ印加する駆動電圧を生成可能な駆動電圧生成部と、
    前記駆動電圧を前記駆動部材に印加したときに前記駆動部材に流れる電流値に応じて出力される出力電圧と、所定の閾値電圧と比較することで、前記液体室内の気泡を検出するための気泡検出部と、
    を備え、
    前記液体噴射装置用制御ユニットは、
    前記液体噴射ユニットから前記個体差情報を取得して、前記閾値電圧を設定可能であることを特徴とする液体噴射装置用制御ユニット。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置用制御ユニットであって、
    前記気泡検出部は、
    前記駆動電圧を前記駆動部材に印加したときに前記駆動部材に流れる電流値に応じた電圧を出力する電圧出力部と、
    前記電圧出力部の出力電圧と、所定の閾値電圧とを比較する比較部と、を有することを特徴とする液体噴射装置用制御ユニット
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射装置用制御ユニットであって、
    前記気泡検出部が、前記駆動電圧が最大電圧から減少に転じるタイミングで前記駆動部材に流れる電流値に応じて出力される前記出力電圧に基づき、気泡の有無を検出することを特徴とする液体噴射装置用制御ユニット。
  4. 請求項1または2に記載の液体噴射装置用の制御ユニットであって、
    前記気泡検出部が、記駆動部材に流れるピーク電流値に応じて出力される前記出力電圧に基づき、気泡の有無を検出することを特徴とする液体噴射装置用制御ユニット。
  5. 請求項1ないしに記載の液体噴射装置用の制御ユニットであって、
    前記個体差情報が、所定の閾値電圧に対する補正値である液体噴射装置用制御ユニット。
  6. 請求項1ないしに記載の液体噴射装置用の制御ユニットであって、
    前記個体差情報が、複数の所定の閾値電圧のうちのいずれかを指定するための番号である液体噴射装置用制御ユニット。
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