JP5867429B2 - 温度測定方法および温度測定装置 - Google Patents

温度測定方法および温度測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5867429B2
JP5867429B2 JP2013042173A JP2013042173A JP5867429B2 JP 5867429 B2 JP5867429 B2 JP 5867429B2 JP 2013042173 A JP2013042173 A JP 2013042173A JP 2013042173 A JP2013042173 A JP 2013042173A JP 5867429 B2 JP5867429 B2 JP 5867429B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
measurement object
measurement
principal component
radiant energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013042173A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014169935A (ja
Inventor
貴彦 大重
貴彦 大重
津田 和呂
和呂 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013042173A priority Critical patent/JP5867429B2/ja
Publication of JP2014169935A publication Critical patent/JP2014169935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5867429B2 publication Critical patent/JP5867429B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)

Description

本発明は、測定対象物から発せられる放射エネルギーを分光測定し、得られた分光スペクトル情報を信号処理して測定対象物の表面温度を測定する温度測定方法および温度測定装置に関する。
測定対象物の温度を測定するための技術には様々なものがある。そのうち放射温度測定技術は、測定対象物からの放射光を利用して測定対象物の表面温度を非接触で測定する技術であり、放射温度計として実用化されている。放射温度計は、光電変換素子と光学フィルタとを備え、所定の波長帯域における測定対象物の放射エネルギーを測定し、測定した放射エネルギー値を温度に変換することによって、測定対象物の表面温度を測定する。このような放射温度計には、単一の波長で放射エネルギーを測定する単色放射温度計、2波長で放射エネルギーを測定する2波長式放射温度計(2色放射温度計)、さらに多くの波長で放射エネルギーを測定する多波長式放射温度計(多色放射温度計)がある。
測定対象物の放射エネルギーは、理想的な黒体からの放射エネルギーに測定対象物の放射率を乗じた値になるため、放射温度計を利用して測定対象物の表面温度を測定する際には、測定対象物の放射率の値が必要になる。このため、単色放射温度計では、測定対象物の放射率を予め測定しておき、予め測定した放射率を用いて測定対象物の表面温度を測定している。また、特許文献1には、放射源が測定対象物に放射する放射エネルギーの寄与率を変更しながら測定対象物の放射エネルギーを測定することにより、放射率と測定対象物の表面温度とを共に測定する技術が開示されている。
一方、上述のような放射源を有さない放射温度計として、以下のような2波長式放射温度計がある。すなわち、この2波長式放射温度計は、2波長での放射率の比を予め測定して設定しておくか、あるいは、近接した2波長では放射率が等しいと仮定し、その上で測定対象物の表面温度を測定する。しかしながら、放射率は測定対象物の状態に応じて変化するため、特に、測定対象物の放射率が時間的に変化する場合、温度測定誤差は大きくなる。このため、2波長式放射温度計および多波長式放射温度計では、温度測定誤差を小さくするために様々な提案がなされている。
具体的には、特許文献2〜4や非特許文献1には、測定対象物の放射率を動的に補正し、動的に補正された放射率を用いて測定対象物の表面温度を測定する技術が開示されている。詳しくは、これらの文献の技術では、実験による測定データから得られた実験式または分光放射率の理論式を用いて、一種の検量線を作る、あるいは、関係式(実験式、理論式)を満たすような放射率の組み合わせ解を決定するという方法によって、放射率を動的に補正している。
特開平2−245624号公報 特公平3−4855号公報 特開平2−85730号公報 特開平2−238333号公報
J.L.gardner, T.P.Jones and R.Davis, "A six-wavelength radiation pyrometer", High Temp-High pressure, vol.13, No.5, p.459-466(1981)
従来技術では、放射率の実際値に対して小さな誤差を有する放射率の初期値を関係式(実験式、理論式)に与えて繰り返し計算を行うことによって、放射率の組み合わせ解を決定することから、演算精度が放射温度計の測定精度を決定する。このため、測定精度が高い放射温度計を構成するためには、高精度の関係式を用いる必要がある。しかしながら、特に関係式として実験式を用いる場合には、高精度の実験式を求めるために多くの実験を行う必要があり、多くの時間と手間とを要する。また、放射率の組み合わせ解を求めるためには、ソフトウェアおよびハードウェアが必要であり、特に繰り返し計算は時間が掛かる演算であるために、高速処理が可能なソフトウェアおよびハードウェアが要求される。また、放射率が時間的に変化する場合には、繰り返し計算が必ず放射率の実際値に収束するという保証がない。
このように、従来技術には、放射率の組み合わせ解を計算によって決定することに起因する問題がある。このため、放射率の組み合わせ解を計算せずに、放射率の変動の影響を受けることなく測定対象物の表面温度を高精度に測定可能な技術の提供が期待されていた。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、放射率の組み合わせ解を計算せずに、放射率の変動の影響を受けることなく測定対象物の表面温度を高精度に測定可能な温度測定方法および温度測定装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる温度測定方法は、測定対象物から発せられる放射エネルギーを分光測定し、得られた分光スペクトル情報を信号処理して測定対象物の表面温度を測定する温度測定方法であって、測定対象物から発せられる放射エネルギーの分光スペクトル情報を測定する測定ステップと、前記測定対象物の分光スペクトル情報を基底分解し、該基底分解された基底に乗ぜられる係数を用いて前記測定対象物の表面温度を算出する温度推定ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記発明において、前記温度推定ステップは、前記測定対象物の分光スペクトル情報を2つ以上の基底に基底分解することを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記発明において、前記温度推定ステップは、主成分分析を用いて前記基底分解を行うことを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定方法は、上記発明において、前記温度推定ステップは、第2主成分以降の主成分に乗ぜられる係数を用いて前記測定対象物の表面温度を算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定装置は、測定対象物から発せられる放射エネルギーを分光測定し、得られた分光スペクトル情報を信号処理して測定対象物の表面温度を測定する温度測定装置であって、測定対象物から発せられる放射エネルギーの分光スペクトル情報を測定する測定手段と、前記測定対象物の分光スペクトル情報を基底分解し、該基底分解された基底に乗ぜられる係数を用いて前記測定対象物の表面温度を算出する温度推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記発明において、前記温度推定手段は、前記測定対象物の分光スペクトル情報を2つ以上の基底に基底分解することを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記発明において、前記温度推定手段は、主成分分析を用いて前記基底分解を行うことを特徴とする。
また、本発明にかかる温度測定装置は、上記発明において、前記温度推定手段は、第2主成分以降の主成分に乗ぜられる係数を用いて前記測定対象物の表面温度を算出することを特徴とする。
本発明に係る温度測定方法および温度測定装置によれば、放射率の組み合わせ解を計算せずに、放射率の変動の影響を受けることなく測定対象物の表面温度を高精度に測定することができる。
図1は、ある集団の構成員の身長と体重との関係を示す散布図である。 図2は、多点の波長情報と第1主成分との関係を示す図である。 図3Aは、7段階の温度に対する黒体放射エネルギースペクトルを示す図である。 図3Bは、図3Aに示す黒体放射エネルギースペクトルに対して対数演算を施した結果を示す図である。 図4は、図3Bに示す放射エネルギーの対数演算値に対して主成分分析を実行することによって得られた第1主成分および第2主成分を示す図である。 図5Aは、第1主成分を用いた黒体放射エネルギースペクトルの再構成例を示す図である。 図5Bは、第1主成分と第2主成分とを用いた黒体放射エネルギースペクトルの再構成例を示す図である。 図6は、放射率変動の一例を示す図である。 図7は、測定対象物から取得された分光エネルギースペクトルを示す図である。 図8は、理想的な黒体放射エネルギースペクトルに対して主成分分析を実行することによって得られた第2主成分に対するスコアと測定対象物の温度との関係を示す図である。 図9Aは、図8に示す関係に基づいて測定対象物の表面温度を測定した結果を示す図である。 図9Bは、従来技術を用いて測定対象物の表面温度を測定した結果を示す図である。 図10は、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成を示すブロック図である。 図11は、図11に示すFTIRの内部構成を示す模式図である。 図12は、本発明の一実施形態である回帰式作成処理の流れを示すフローチャートである。 図13は、本発明の一実施形態である温度推定処理の流れを示すフローチャートである。
〔本発明の概念〕
測定対象物の放射エネルギーを利用した測定対象物の表面温度測定においては、以下の数式(1)に示すように、黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)に予め仮定した放射率のスペクトルε(λ)を乗じた測定値L(λ,T)が測定される。なお、数式(1)中のパラメータλは放射エネルギーの測定波長を示し、パラメータTは測定対象物の表面温度を示している。
Figure 0005867429
ここで、数式(1)の両辺のlog(自然対数)を取り変形すると、以下に示す数式(2)が得られる。したがって、数式(2)の右辺に測定値L(λ,T)と放射率のスペクトルε(λ)とを代入することによって、黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)の推定値を算出することができる。なお、ここで“推定値”と表現する理由は、予め仮定した放射率のスペクトルε(λ)が正確かどうかわからないためである。すなわち、放射率のスペクトルε(λ)が仮定した値からずれている場合には、算出した黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)の値は正しい値ではない。
Figure 0005867429
ただし、黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)は、本来、以下の数式(3)に示すプランクの放射則で表現される。なお、数式(3)中のパラメータc,cは物理定数を示している。したがって、黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)に放射率のスペクトルε(λ)に起因する誤差が含まれていたとしても、本来取り得る黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)の形は決まっているので、放射率のスペクトルε(λ)に起因する誤差にかかわらず黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)の真の形を推定できる可能性がある。そこで、黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)の形に着目するための一手法として、主成分分析を例に挙げ、基底分解を行うことを考える。
Figure 0005867429
始めに、図1を参照して、一般的な主成分分析手法について説明をする。図1は、ある集団の構成員の身長Xと体重Xとの関係を示す散布図である。一般に、身長Xが大きい人は体重Xが重いと言えるので、図1に示す散布図は右上がりの分布を有している。図1中に挿入した右上がりの線分Lはこの分布の中心を通る線であり、いわば「体の大きさ」という尺度を表している。主成分分析手法とは、この身長Xと体重Xとの組合せデータ(2次元情報)の本質的解釈が、「体の大きさt」という1次元の尺度で代表されるということを統計的に導く手法である。数学的には、この「体の大きさ」は第1主成分であり、この第1主成分と直交する、第1主成分の次に本質的な情報が第2主成分となる。図1に示す例では、第2主成分は物理的には「肥満度t」なる尺度(線分L)と言える。
図1に示す例では、元々の2次元情報(身長、体重)が主成分分析によって「体の大きさ」という1次元情報に縮約される。したがって、この本質を抜き出すという情報処理を表面温度推定における放射エネルギースペクトル波形に適用すれば、多点の波長情報から本質を抽出することができる。この場合、多点の波長情報は、図2に示すように測定波長の数と同じ次元数の空間上の1点として表現される。例えば7つの温度に対するn波長(n=250)の分光スペクトルデータが与えられたとすると、n次元空間(250次元空間)上の7つの点が与えられることになる。したがって、この7つの点のn次元空間における分布の広がりを考えて、最も広がりの大きな方向が第1主成分の方向となり、これが前述の7つの点を区別する、つまり7つの温度を区別する最も有力な手がかりとなる。
ここで、図3Aに示す7つの温度に対する黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)(これは黒体炉を測定することにより得られる)に対数演算を施した結果であるlogL(λ,T)(図3B)に対して主成分分析を行ったときに得られた第1主成分および第2主成分を図4に示す。図4に示す第1主成分は、7つの温度に対する黒体放射エネルギースペクトルの自然対数logL(λ,T)を最も代表するスペクトル波形である。なお、黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)に対数演算を施した理由は、測定対象物の表面温度を実際に測定した場合に黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)に乗じた形で影響する放射率ε(λ)をlogε(λ)の加算という形で分離するためである。
次に、この第1主成分に直交するベクトル空間で7点のばらつきが2番目に大きな方向を取り出したものが第2主成分であり、これを同図に示す。直観的には、第1主成分が、温度とともに増大する平均的なエネルギーを表現する基底で、第2主成分が、細かな形を表現するための基底のように見える。以降、同様にして第3主成分以降の主成分も求めることができる。これら低次の主成分情報は、元の7つの黒体放射エネルギースペクトルlogL(λ,T)の本質的なスペクトル情報(基底スペクトル)である。
これら低次の主成分情報が、確かに元の7つの黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)の本質的なスペクトル情報(基底スペクトル)であるということを検証するため、基底スペクトルから元の7つの黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)を再構成した際の当てはまり具合を図5A、図5Bに示す。再構成とは、基底ベクトルを係数倍して足し合わせるという積和演算、つまり線形操作を行うことによって元のスペクトルを構成するものである。元の7つの黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)に、低次の基底ベクトル情報がどの位含まれているかにより再構成した際の当てはまり具合が変化する。図5Aは第1主成分のみで再構成した結果、図5Bは第2主成分までで再構成した結果を示している。
図5Bから明らかなように、第2主成分までを使用することによって、7つの黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)のどれもが非常に良く再構成されていることがわかる。これは、1つ1つの黒体放射エネルギースペクトルL(λ,T)はN点(N=250)の波長情報、つまりN次元(250次元)の各座標で表現する必要はなく、2つの基底ベクトルの線形和という2つの係数分の2点の情報だけで表現できるということを意味している。換言すれば、N次元データが2次元データに圧縮されたとも言える。この際、次元数は大幅に圧縮されてはいるが、「基底ベクトル」という本質的なスペクトル形で再構成されているということが重要で、先に述べた放射率変動といった外乱には影響されにくいことが想定される。
図3Bに示す対数演算結果を改めて数式の形で補足する。図3Bに示す対数演算結果は、例えば波長2〜10μmの波長範囲内で0.32μm毎に測定された波長方向(横軸)N点における放射エネルギーに対数演算を施したものである。ここで、放射エネルギーのlog値をx(i,j)として表すことにする。なお、パラメータi(=1〜250)は測定波長番号を表し、パラメータj(=1〜7)は温度番号を示す。パラメータjに対する温度はy(j)であるとする。さらに、放射エネルギーのlog値x(i,j)に対して主成分分析を実施した結果得られた主成分ベクトルをw(i,k)とする。主成分ベクトルw(i,k)の決め方の説明は主成分解析の一般的文献に譲るが、簡単に説明すると、以下に示す数式(4)中のパラメータjについてのばらつきが最大になるように第1主成分w(i,1)が決定され、第1主成分w(i,1)と直交するベクトルの中で以下に示す数式(5)中のパラメータjについてのばらつきが最大になるように第2主成分w(i,2)が決定されるといった具合である。
Figure 0005867429
Figure 0005867429
各主成分の大きさ(i=1〜250の各成分の二乗和の平方根)は1とする。なお、パラメータkは主成分番号を表す。主成分ベクトルw(i,k)において、パラメータiは1〜250の範囲、パラメータkは数学的には1〜7の範囲で考えることができるが、本例ではk=1,2の範囲で考える。一般に、パラメータkがより小さい(低次の主成分)場合がより放射エネルギーのlog値x(i,j)の本質を表すことになるが、パラメータkの範囲の選び方に関しては本発明では特に限定しない。なお、第1主成分w(i,1)のみで元の放射エネルギーデータを再構成した値は以下に示す数式(6)によって表される。
Figure 0005867429
数式(6)中のパラメータa(k,j)は数学的には主成分得点若しくはスコアと呼ばれる定数(スカラー)である。そして、数式(6)を対数演算を施す前の状態、すなわち、以下に示す数式(7)で表される値として表示したものが図5Aに示した再構成例である。なお、数式(7)中のeは自然対数の底を表している。
Figure 0005867429
同様に、第1主成分w(i,1)に第2主成分w(i,2)を加えて元の放射エネルギーデータを再構成した値は以下に示す数式(8)によって表される。そして、同様に、数式(8)を対数演算を施す前の状態で表示したものが図5Bに示した再構成例である。この第2主成分w(i,2)までを使って再構成した放射エネルギーデータでほぼ元の放射エネルギーのlog値x(i,j)を再現することができる。このことは、実温度y(j)を推定する場合、250点のデータから構成される放射エネルギーのlog値x(i,j)を使用する代わりに、たかだか2点のデータであるスコアa(k,j)を使用しても情報の質が落ちないということを意味している。
Figure 0005867429
なお、スコアa(k,j)は、主成分ベクトルw(i,k)と元の放射エネルギーのlog値x(i,j)との内積を算出することによって導出され、個々の成分は、以下に示す数式(9)によって導出される。
Figure 0005867429
上述の概念に基づいて、放射率の大きさが図6に示すように変化する測定対象物の温度測定シミュレーションを行った例について説明する。このように放射率が変化する場合、測定される放射エネルギーは、図3Aに示すような黒体放射エネルギーに放射率が乗じられた値として測定される。800℃の場合の各放射率に対応して測定される分光エネルギースペクトルを図7に示す。図から明らかなように、800℃で放射率が低い場合には、750℃で放射率が想定値通りであった場合と波形が類似しており、従来方式では、このように放射率が変化している測定対象物を精度よく測定することは難しい。
そこで、これらの波形を対数演算後、想定している放射率データであるlogε(λ)を減算した波形に対し、黒体放射エネルギースペクトルを表現するのに本質的な基底(第1主成分および第2主成分)を用いて表現する。そして、その基底に乗ぜられる係数に着目する。その理由は、第1主成分および第2主成分に対応する係数は、それぞれが黒体放射エネルギースペクトル波形を表現するために本質的な情報を有していると考えられるからである。ただし、本発明が想定しているのは放射率の増減という現象であるため、平均的なエネルギー量を表現していると考えられる第1主成分は、放射率の増減の影響を受け易いと考えられる。逆に、第1主成分と直行する第2主成分は、放射率の増減の影響は受け難いと考えられる。
そこで、ここでは、第2主成分の係数に注目して見る。すると、理想的な黒体放射エネルギースペクトルに主成分分析を適用した際の、第2主成分に対する係数(スコア)と測定対象物の温度との関係が図8に示すような関係であることがわかった。このため、図8に示す関係から、第2主成分に対する係数と測定対象物の温度との関係を表す検量線を計算しておき、放射率が増減した場合の測定放射エネルギースペクトルから計算した第2主成分に対する係数を用いて測定対象物の表面温度を推定した。その結果、図6に示したような放射率の増減があった場合でも、図9Aに示すような誤差に収まることが確認された。なお、単波長(この場合は波長2μm)で測定を行った場合の誤差は、図9Bに示すように大きいことが確認された。したがって、検量線は、第2主成分に対応する係数、あるいは、第2主成分以降に対応する係数を用いて計算するのがより望ましい。
以上説明したように、本発明の目的である温度推定のための元情報としては、多数の波長からなる分光情報に対して主成分分析を行い、低次の主成分で元分光情報を再構成した場合の、基底ベクトルの係数倍という情報(主成分得点)が有効であることが確認された。先の例に照らし合わせて換言すると、元の(オリジナルの)N点(250点)波長データから温度を推定する代わりに、N点波長データを第2主成分までの主成分得点である2点データに次元圧縮し、その2点情報から温度データを通常の重回帰手法で推定する。図5A、5Bで示したように、この2点情報から十分にN点波長データを再現できることを考えると、この2点情報には温度を推定するための十分な情報が入っているからである。
数式の形で補足すると、オリジナルのN点波長データから温度を推定する以下に示す数式(10)の代わりに、第2主成分までの主成分得点である2点データから温度を推定する以下に示す数式(11)を用いて温度を推定する。
Figure 0005867429
Figure 0005867429
以下、図面を参照して、上記の本発明の概念に基づき想到された本発明の一実施形態である温度測定装置およびその温度測定方法について詳しく説明する。
〔温度測定装置の構成〕
始めに、図10、図11を参照して、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成について説明する。
図10は、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成を示すブロック図である。図11は、図10に示すFTIRの内部構成を示す模式図である。図10に示すように、本発明の一実施形態である温度測定装置1は、FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)2、回帰式作成部3、および温度推定部4を備えている。
FTIR2は、測定手段として、測定対象物である鋼板5からの放射エネルギーの分光スペクトルを測定するものである。図11に示すように、FTIR2は、ミラー11、ハーフミラー12、可動ミラー13、ミラー14、ミラー15,16、および検出器17を備え、ミラー11、ハーフミラー12、可動ミラー13、およびミラー14〜16は干渉計18を構成している。鋼板5から発せられた放射光は干渉計18に導かれ、検出器17が干渉計18から出た光の光量を測定する。
このとき、干渉計18の可動ミラー13を移動しながら時系列的に測定した検出器17の信号をフーリエ変換することにより、鋼板5からの放射エネルギーの分光スペクトル情報が得られる。この場合、1つの分光スペクトル情報を得るために、可動ミラー13を移動させるだけの時間を要するが、その間の温度変動が十分小さければ問題ない。分光スペクトルを測定する方法は、これ以外にも、回折格子を利用する方法、波長選択フィルタを利用する方法など種々考えられるが、いずれの方法を利用しても構わない。また、波長域についても、一般的な放射温度計で行われているように、高温の測定対象物の場合にはより短波長の波長域、例えば可視域や近赤外域を使用することも可能である。
温度推定手段としての回帰式作成部3および温度推定部4は、マイクロコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。回帰式作成部3は、後述する回帰式作成処理を実行することによって、温度推定部4が鋼板5の表面温度を推定する際に使用する基礎データ(基底スペクトルおよび重回帰係数)を算出する。温度推定部4は、後述する温度推定処理を実行することによって、回帰式作成部3によって算出された基礎データを用いて鋼板5の表面温度を測定する。
このような構成を有する温度測定装置1は、以下に示す回帰式作成処理および温度推定処理を実行することによって、鋼板5の表面温度を推定する。以下、図13および図14に示すフローチャートを参照して、回帰式作成処理および温度推定処理を実行する際の温度測定装置1の動作について説明する。
〔回帰式作成処理〕
始めに、図12に示すフローチャートを参照して、回帰式作成処理を実行する際の温度測定装置1の動作について説明する。
図12は、本発明の一実施形態である回帰式作成処理の流れを示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、鋼板5の表面温度を測定する前の調整過程における所定のタイミングで開始となり、回帰式作成処理はステップS1の処理に進む。なお、この回帰式作成処理を実行する際、図10に示す鋼板5は黒体炉に置き換えられるものとする。
ステップS1の処理では、回帰式作成部3が、FTIR2を介して黒体炉から発せられる放射エネルギーの分光スペクトル情報を検量線作成用の分光スペクトル情報として取得する。これにより、ステップS1の処理は完了し、回帰式作成処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、回帰式作成部3が、ステップS1の処理によって取得された検量線作成用の分光スペクトル情報と予め記憶されている鋼板の放射率変動データとの対数演算を行う。ここで、放射率変動データは、例えば、種々条件の加熱サンプルの放射エネルギーの分光スペクトルと加熱サンプルに取り付けられた熱電対から把握した真温度に設定された黒体炉の放射エネルギーの分光スペクトルとの比演算を行うことにより蓄積した放射率データから得られる。これにより、ステップS2の処理は完了し、回帰式作成処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、回帰式作成部3が、ステップS2の処理によって算出された放射率変動データに対して主成分分析を実行する。予め、放射率変動の主成分が、おおよそ全ての成分の値が等しいいわゆる直流成分と仮定できる場合には、放射率変動データを用いずに、直流成分と決定してもよい。そして、さらに、回帰式作成部3は、同じくステップS2の処理によって算出された黒体炉の放射エネルギースペクトルに対して、放射率変動データの主成分と直交する条件のもとで主成分分析を実行する。これにより、ステップS3の処理は完了し、回帰式作成処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、回帰式作成部3が、ステップS3の処理によって得られた主成分分析の結果から、使用する主成分を基底として抽出する。また、回帰式作成部3は、既述の数式(9)を利用して、本発明に係る係数に対応する各基底スペクトルのスコアa(k,j)を算出する。これにより、ステップS4の処理は完了し、回帰式作成処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、回帰式作成部3が、ステップS4の処理によって算出されたスコアa(k,j)と検量線作成用の分光スペクトル情報に対応した黒体炉の温度とを既述の数式(11)に適用することによって既述の数式(11)の重回帰式における重回帰係数c(k)を算出する。そして、回帰式作成部3は、基底スペクトル(主成分w(i,k)、k=1,2)および重回帰係数(c(k)、k=1,2)のデータを基礎データとして温度推定部4に出力する。これにより、ステップS5の処理は完了し、一連の回帰式作成処理は終了する。
〔温度推定処理〕
次に、図13に示すフローチャートを参照して、温度推定作成処理を実行する際の温度測定装置1の動作について説明する。
図13は、本発明の一実施形態である温度推定処理の流れを示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、回帰式作成処理が終了した後の所定のタイミングで開始となり、温度推定処理はステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、温度推定部4が、FTIR2を介して鋼板5からの放射エネルギーの分光スペクトル情報を取得する。これにより、ステップS11の処理は完了し、温度推定処理はステップS12の処理に進む。
ステップS12の処理では、温度推定部4が、ステップS11の処理によって取得した分光スペクトル情報に対して対数演算処理を実行し、既述の数式(2)を利用して対数演算値から想定している放射率のスペクトルε(λ)の対数値を減算する。これにより、ステップS12の処理は完了し、温度推定処理はステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、温度推定部4が、ステップS12の減算処理結果x(i,j)と回帰式作成部3から入力された基底スペクトル(主成分w(i,k)、k=1,2)とを既述の数式(9)に代入することによって、測定対象物の基底スペクトルのスコアa(k,j)を算出する。これにより、ステップS13の処理は完了し、温度推定処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、温度推定部4が、ステップS13の処理によって算出されたスコアa(k,j)と回帰式作成部3から入力された重回帰係数(c(k)、k=1,2)とを既述の数式(11)に適用することによって回帰演算を行い、鋼板5の表面温度を推定する。これにより、ステップS14の処理は完了し、一連の温度推定処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である温度測定装置1では、FTIR2を介して取得した鋼板5からの放射エネルギーの分光スペクトル情報をもとに、温度変化による放射現象を表現するのに本質的な主成分を用いて取得する。これにより、放射率の組み合わせ解を計算せずに、放射率の変動の影響を受けることなく測定対象物の温度を高精度に測定することができる。
1 温度測定装置
2 FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)
3 回帰式作成部
4 温度推定部
5 鋼板
11,14,15,16 ミラー
12 ハーフミラー
13 可動ミラー
17 検出器
18 干渉計

Claims (2)

  1. 測定対象物から発せられる放射エネルギーを分光測定し、得られた分光スペクトル情報を信号処理して測定対象物の表面温度を測定する温度測定方法であって、
    測定対象物から発せられる放射エネルギーの分光スペクトル情報を測定する測定ステップと、
    前記測定対象物の分光スペクトル情報を基底分解し、該基底分解された基底に乗ぜられる係数を用いて前記測定対象物の表面温度を算出する温度推定ステップと、を含み、
    前記温度推定ステップは、主成分分析を用いて前記測定対象物の分光スペクトル情報を2つ以上の基底に基底分解し、予め計算された第2主成分以降の主成分に乗ぜられる係数と前記測定対象物の表面温度との関係を表す検量線を用いて、第2主成分以降の主成分に乗ぜられる係数から前記測定対象物の表面温度を算出することを特徴とする温度測定方法。
  2. 測定対象物から発せられる放射エネルギーを分光測定し、得られた分光スペクトル情報を信号処理して測定対象物の表面温度を測定する温度測定装置であって、
    測定対象物から発せられる放射エネルギーの分光スペクトル情報を測定する測定手段と、
    前記測定対象物の分光スペクトル情報を基底分解し、該基底分解された基底に乗ぜられる係数を用いて前記測定対象物の表面温度を算出する温度推定手段と、を備え、
    前記温度推定手段は、主成分分析を用いて前記測定対象物の分光スペクトル情報を2つ以上の基底に基底分解し、予め計算された第2主成分以降の主成分に乗ぜられる係数と前記測定対象物の表面温度との関係を表す検量線を用いて、第2主成分以降の主成分に乗ぜられる係数から前記測定対象物の表面温度を算出することを特徴とする温度測定装置。
JP2013042173A 2013-03-04 2013-03-04 温度測定方法および温度測定装置 Active JP5867429B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042173A JP5867429B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 温度測定方法および温度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042173A JP5867429B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 温度測定方法および温度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014169935A JP2014169935A (ja) 2014-09-18
JP5867429B2 true JP5867429B2 (ja) 2016-02-24

Family

ID=51692410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013042173A Active JP5867429B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 温度測定方法および温度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5867429B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113167653B (zh) 2018-11-21 2023-09-05 杰富意钢铁株式会社 温度测定装置的校准方法、温度测定装置的校准装置、物理量测定装置的校准方法和物理量测定装置的校准装置
US20220018717A1 (en) * 2018-11-21 2022-01-20 Jfe Steel Corporation Calibration method for temperature measurement device, calibration device for temperature measurement device, calibration method for physical quantity measurement device, and calibration device for physical quantity measurement device

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07280667A (ja) * 1994-04-11 1995-10-27 Sumitomo Light Metal Ind Ltd アルミニウム板材の熱間温度測定方法
JP2002082048A (ja) * 2000-09-07 2002-03-22 Shimadzu Corp 非接触式物性測定方法およびその装置
JP3559870B2 (ja) * 2001-08-07 2004-09-02 川崎重工業株式会社 温度測定方法および温度測定装置
JP4146697B2 (ja) * 2002-09-20 2008-09-10 株式会社堀場製作所 温度計測方法および温度計測装置
JP5471887B2 (ja) * 2010-06-28 2014-04-16 Jfeスチール株式会社 膜厚測定方法及びその装置
JP5987563B2 (ja) * 2011-09-07 2016-09-07 Jfeスチール株式会社 温度測定方法および温度測定装置
JP5884461B2 (ja) * 2011-12-16 2016-03-15 Jfeスチール株式会社 温度測定方法および温度測定装置
JP6035831B2 (ja) * 2012-04-13 2016-11-30 Jfeスチール株式会社 温度測定方法および温度測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014169935A (ja) 2014-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5987563B2 (ja) 温度測定方法および温度測定装置
Madura et al. Automatic compensation of emissivity in three-wavelength pyrometers
JP5884461B2 (ja) 温度測定方法および温度測定装置
JP2018503827A (ja) センサデータから入力スペクトルを推定する方法およびシステム
CN109100044B (zh) 基于单光路多光谱的气体温度概率密度分布拟合重建方法
EP3151725A1 (en) Method for rapid calculation of tear film lipid and aqueous layer thickness and ocular surface refractive index from interferometry spectra
JP6035831B2 (ja) 温度測定方法および温度測定装置
JP5737210B2 (ja) 放射温度計による温度測定方法および温度測定システム
JP5867429B2 (ja) 温度測定方法および温度測定装置
CN113167653B (zh) 温度测定装置的校准方法、温度测定装置的校准装置、物理量测定装置的校准方法和物理量测定装置的校准装置
Chehouani A simple Abel inversion method of interferometric data for temperature measurement in axisymmetric medium
US20160349113A1 (en) Characterization of absolute spectral radiance of an unknown ir source
Borgnat et al. Stationarization via surrogates
JP6693613B1 (ja) 温度測定装置の較正方法、温度測定装置の較正装置、物理量測定装置の較正方法、及び物理量測定装置の較正装置
Campos-Delgado et al. Blind deconvolution estimation of fluorescence measurements through quadratic programming
JP2019020419A (ja) 膜厚計算方法、膜厚計算プログラム及び膜厚計算装置
WO2023084216A1 (en) Raman spectroscopy method and apparatus
EP4260032A2 (en) Planck spectrometer
RU2775539C1 (ru) Способ калибровки устройства измерения температуры и калибровочное устройство для устройства измерения температуры
Dubrovkin Critical analysis of spectral deconvolution methods
Rusin Using spectral distribution of radiance temperature and relative emissivity for determination of the true temperature of opaque materials
Bjorgan et al. Application of smoothing splines for spectroscopic analysis in hyperspectral images
Yan et al. A simple and accurate wavelength calibration method for CCD-spectrometer
Chamberland et al. The instrument lineshape, an imperative parameter for the absolute spectral calibration of an FTS
Tzibizov et al. Novel conception of the terahertz-range spectrometer based on Fabry-Perot interferometer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20150929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5867429

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250