JP5867369B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、並びに、画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、並びに、画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、並びに、画像形成方法に関する。
近年、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、感光体(像保持体)を帯電装置により帯電させ、帯電した感光体上に周囲の電位とは電位が異なる静電潜像を形成することによってパターンの形成が行われることが多く、このようにして形成された静電潜像は、トナーで現像された後、最終的に記録用紙などの記録媒体上に転写される。
例えば、特許文献1には、「水性エマルション中で、小粒子を形成する工程と、小粒子を凝集させて複数のより大きな凝集体を形成する工程と、より大きな凝集体を覆う樹脂コーティングを形成する工程と、樹脂コーティング内のより大きな凝集体を合一させ、同時にまたは後に、より大きな凝集体及び/又は樹脂コーティングを架橋して、コアおよびシェルを有する複数の架橋粒子を形成する工程と、プロセス中で架橋粒子が形成される前のいずれかの段階で、少なくとも1つの水溶性開始剤を添加する工程と、架橋粒子を回収する工程とを含むプロセスにおいて、樹脂コーティングを架橋するために、イミダゾリン骨格を有する化合物を重合開始剤として使用して、負帯電トナーを得る方法」が開示されている。
特開2010−55092号公報
本発明の課題は、正帯電維持性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
多価アルコールとトリメリット酸を含む多価カルボン酸との重縮合体で構成され、且つエチレン性不飽和結合を持つポリエステル樹脂を含み、表層部に前記ポリエステル樹脂とイミダゾリン骨格を持つ化合物との反応物を含むトナー粒子を有し、
前記トリメリット酸のモル比が、前記ポリエステル樹脂の全重合成分に対して0.1mol%以上10mol%以下であり、
前記イミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比が、前記イミダゾリン骨格を持つ化合物を除く前記トナー粒子全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下である静電荷像現像用トナー。
請求項2に係る発明は、
前記イミダゾリン骨格を持つ化合物が、前記イミダゾリン骨格と共にアゾ基を同一分子中に含む化合物である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項6に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体上に形成されたトナー画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項7に係る発明は、
像保持体を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体上に形成されたトナー画像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1、2に係る発明によれば、上記範囲のモル比のトリメリット酸と、上記範囲の質量比のイミダゾリン骨格を持つ化合物と、を併用しない場合に比べ、正帯電維持性の低下が抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3、4、5,6、7に係る発明によれば、上記範囲のモル比のトリメリット酸と、上記範囲の質量比のイミダゾリン骨格を持つ化合物と、を併用しない静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、正帯電トナーを利用した画像形成を長期にわたって実現する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
(静電荷像現像用トナー)
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称することがある)は、多価アルコールとトリメリット酸を含む多価カルボン酸との重縮合体で構成され、且つエチレン性不飽和結合を持つポリエステル樹脂(以下、「特定のポリエステル樹脂」と称する)を含むトナー粒子を有している。
また、トナー粒子の表層部は、特定のポリエステル樹脂とイミダゾリン骨格を持つ化合物との反応物を含んで構成されている。
そして、トリメリット酸のモル比は、前記ポリエステル樹脂の全重合成分に対して0.1mol%以上10mol%以下とし、イミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比は、前記イミダゾリン骨格を持つ化合物を除く前記トナー粒子全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下としている。
なお、トリメリット酸には、トリメリット酸の無水物も含まれる。
ここで、従来、正帯電性のトナー(以下、「正帯電トナーと称する」)を作製する場合、トナー粒子の内部に帯電制御剤を配合することで実現している。
しかしながら、帯電制御剤をトナー粒子内部に配合して、正帯電トナーを実現すると、帯電制御剤がトナー粒子から離脱することがあり、正帯電維持性については、十分でないのが現状である。なお、正帯電維持性が十分でないとは正帯電トナーの帯電量について、帯電量分布が広く、またトナーの帯電量が適当でないこと意味し、その結果トナー粒子が非画像部に付着する所謂かぶりや、トナーが飛翔して装置内を汚染する機内汚染の発生が生じ、適当な画像濃度の低下を抑制し難い状態を示すものである。
これに対して、本実施形態に係るトナーでは、正帯電性の維持が実現される。
その理由は、定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
まず、特定のポリエステル樹脂は、重合成分として、トリメリット酸に由来する成分を含むと、その分子レベルでの極性が適度に高まると考えられる。そして、高い極性を持つ特定のポリエステル樹脂を含むトナー粒子の表層部に、イミダゾリン骨格を持つ化合物が特定のポリエステル樹脂(そのエチレン性不飽和結合部分)と反応した反応物を含むと、イミダゾリン骨格の部分がトナー粒子の外側に向かって配向し易くなると考えられる。
トナー粒子の表層部において、当該粒子の外側に向かってイミダゾリン骨格部分が配向すると、イミダゾリン骨格を構成する正帯電性の強い窒素原子がトナー粒子の表面に存在し易くなると考えられる。その結果、トナー粒子を正帯電化すると考えられる。加えて、この正帯電化が、イミダゾリン骨格を持つ化合物が特定のポリエステル樹脂と化学的に結合した状態で実現されることから、トナー粒子の正帯電維持性が抑制されると考えられる。
そして、トリメリット酸のモル比、及びイミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比を上記範囲とすると、トナー粒子の極性が過剰に高まるのを抑えられる。その結果、吸湿による帯電性の低下を抑えつつ、イミダゾリン骨格を持つ化合物によるトナー粒子の正帯電化が実現されると考えられる。
以上から、本実施形態に係るトナーでは、正帯電維持性が抑制されると考えられる。
そして、本実施形態に係るトナーを利用した画像形成装置(方法)等では、正帯電トナーを利用した画像形成が長期にわたって実現される。
なお、イミダゾリン骨格を有する化合物を重合開始剤として使用し、トナー粒子の表層部を架橋する技術(特許文献1等)が知られている。しかし、イミダゾリン骨格を有する化合物(特に、イミダゾリン骨格部分)は、疎水性の傾向が強く、重合時には重合性単量体、重合後はトナー粒子の樹脂との親和性が高く、このため、この技術で作製されるトナー粒子は、イミダゾリン骨格を有する化合物(特に、イミダゾリン骨格部分)が樹脂に引きずり込まれ、トナー粒子内部に存在する結果、好ましい正帯電トナーとはならない。
以下、本実施形態に係るトナーの構成について詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を有する。
まず、トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、結着樹脂としての特定のポリエステル樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
トナー粒子の表層部は、特定のポリエステル樹脂と、イミダゾリン骨格を持つ化合物と、の反応物を含んで構成されている。このトナー粒子の構成は、例えば、トナー粒子の表面をイミダゾリン骨格を持つ化合物で表面処理することにより実現される。
イミダゾリン骨格を持つ化合物について説明する。
イミダゾリン骨格を持つ化合物は、イミダゾリン骨格と共に、特定のポリエステル樹脂のエチレン性不飽和結合と反応する反応性基を同一分子内に有する化合物である。
イミダゾリン骨格を持つ化合物としては、具体的に、例えば、イミダゾリン骨格とアゾ基とを同一分子中に含む化合物、2−フェニル−2−イミダゾリン、1−(2−クロロフェニル)−イミダゾリン−2−チオン、2−(ニトロイミノ)−イミダゾリンが挙げられる。
これらの中でも、トナーの正帯電化の観点から、イミダゾリン骨格とアゾ基とを同一分子中に含む化合物がよい。なお、本化合物は重合開始剤として機能する化合物であり、本化合物によりトナー粒子の表面を処理すると、本化合物と特定のポリエステル樹脂(そのエチレン性不飽和結合部分)との反応、及び特定のポリエステル樹脂の鎖同士(そのエチレン性不飽和結合同士)の反応が生じると考えられ、トナー粒子の表層部には、架橋物が形成されると考えられる。
イミダゾリン骨格とアゾ基とを同一分子中に含む化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩・無水物、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
イミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比は、イミダゾリン骨格を持つ化合物を除くトナー粒子全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下であるが、望ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下、より望ましくは0.8質量%以上3.0質量%以下である。
イミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比を0.1質量%以上とすると、トナーの正帯電維持性が抑制される。
イミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比を10質量%以下とすると、トナー粒子の極性が過剰に高まるのが抑えられる結果、吸湿による帯電性の低下を抑え、トナーの正帯電性維持性が抑制される。
結着樹脂について説明する。
結着樹脂としては、少なくとも、特定のポリエステル樹脂が適用される。
特定のポリエステル樹脂は、多価アルコールとトリメリット酸を含む多価カルボン酸との重縮合体で構成され、且つエチレン性不飽和結合を持つポリエステル樹脂である。
具体的には、特定のポリエステル樹脂は、例えば、多価アルコールとトリメリット酸を含む多価カルボン酸との重縮合体であって、多価アルコール及び多価カルボン酸の少なくとも一方として、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基)を持つ単量体を用いたものがよい。
特に、特定のポリエステル樹脂は、例えば、多価アルコールとトリメリット酸を含む多価カルボン酸との重縮合体であって、多価カルボン酸として、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基)を持つ単量体を用いたものがよい。つまり、特定のポリエステル樹脂は、多価アルコールと、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基)を持つカルボン酸、及びトリメリット酸を含む多価カルボン酸と、の重縮合体であることがよい。
多価カルボン酸のうち、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基)を持つカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸、メサコン酸、2−ペンテン二酸、メチレンコハク酸、これらの低級(炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
他の多価カルボン酸としては、例えば、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、これらの無水物、及びこれらの低級(炭素数1以上5以下)アルキルエステル等の2価のカルボン酸が挙げられる。
他の多価カルボン酸としては、その他、例えば、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、これらの無水物、及びこれらの低級(炭素数1以上5以下)アルキルエステル等の3価以上のカルボン酸もが挙げられる。
これら多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの少なくとも一方の付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコールが挙げられる。
多価アルコールとしては、その他、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコールも挙げられる。
なお、多価アルコールと共に、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも併用してもよい。
これら多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、特定のポリエステル樹脂において、トリメリット酸のモル比は、特定のポリエステル樹脂の全重合成分(使用する全単量体:使用する全ての多価カルボン酸及び多価アルコール)に対して0.1mol%以上10mol%以下であるが、望ましくは0.5mol%以上5.0mol%以下、より望ましくは0.8mol%以上3.0mol%以下である。
トリメリット酸のモル比を0.1mol%以上とすると、トナーの正帯電化が実現される。
トリメリット酸のモル比を10mol%以下とすると、トナー粒子の極性が過剰に高まるのが抑えられる結果、吸湿による帯電性の低下を抑え、トナーの正帯電性の維持が実現される。
一方、エチレン性不飽和結合(例えばビニル基)を持つ単量体(例えばカルボン酸)のモル比は、トナーの正帯電性の維持の観点から、特定のポリエステル樹脂の全重合成分(使用する全単量体)に対して0.1mol%以上80mol%以下がよく、望ましくは1.0mol%以上50mol%以下、より望ましくは10mol%以上30mol%以下である。
特定のポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、多価カルボン酸と多価アルコールとを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造され、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
特定のポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、30,000以上300,000以下であることがよく、望ましく30,000以上200,000以下、より望ましくは35,000以上150,000以下である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行った。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。以下、同様である。
特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、50℃以上80℃以下がよく、より望ましくは50℃以上65℃以下である。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた値である。以下、同様である。
特定のポリエステル樹脂の含有量は、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下であることがよく、望ましく50質量%以上90質量%以下であり、より望ましくは60質量%以上85質量%以下である。
その他の結着樹脂について説明する。
その他の結着樹脂としては、例えば、特定のポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の周知の樹脂が挙げられる。
なお、これら、その他の結着樹脂は、トナー特性に影響しない範囲で配合される。
着色剤について説明する。
着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が挙げられる。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい。
離型剤について説明する。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、保存性の観点から、50℃以上であることが望ましく、60℃以上であることがより望ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが望ましく、100℃以下であることがより望ましい。
離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、例えば。2質量部以上30質量部以下の範囲が望ましい・
その他の添加剤について説明する。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、無機粉体等が挙げられる。
トナー粒子の特性について説明する。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯体(コア粒子)と芯体を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
コア・シェル構造のトナー粒子の場合、被覆層(シェル層)は、特定のポリエステル樹脂を含んで構成させ、一方、芯体(コア粒子)は、特定のポリエステル樹脂と共に、必要に応じてと、着色剤と、離型剤と、その他の添加剤と、を含んで構成させることがよい。
なお、芯体(コア粒子)を構成する結着樹脂は、特定のポリエステル樹脂を必ずしも適用する必要はなく、これに代えて、他の非晶性樹脂を適用してもよい。
トナー粒子の体積平均粒径は、例えば2.0μm以上10μm以下がよく、望ましくは4.0μm以上8.0μm以下である。
なお、トナー粒子の体積平均粒径の測定法としては、分散剤として界面活性剤、望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを前記電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000とする。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
外添剤について説明する。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられ、該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤の表面は、予め疎水化処理をしてもよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部程度である。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上2.5質量部以下がよい。
本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
まず、トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
そして、得られたトナー粒子の表層部に存在する特定のポリエステル樹脂(そのエチレン性不飽和結合)とイミダゾリン骨格を持つ化合物とを反応させ、トナー粒子の表層部に当該反応による反応物を形成する
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、例えば、
特定のポリエステル樹脂粒子が分散されたポリエステル樹脂粒子分散液を少なくとも準備し、少なくとも特定のポリエステル樹脂を凝集して、凝集粒子を形成する工程と、
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱をし、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
トナー粒子が分散されたトナー粒子分散液に対して、イミダゾリン骨格を持つ化合物を添加し、トナー粒子の表層部に存在する特定のポリエステル樹脂とイミダゾリン骨格を持つ化合物とを反応させトナー粒子の表層部に反応による反応物を形成する工程と、
を経て、トナー粒子を製造する。
なお、上記凝集粒子を第1凝集粒子とし、当該第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、特定のポリエステル樹脂粒子が分散されたポリエステル樹脂粒子分散液と、を混合し、第1凝集粒子の表面に特定のポリエステル樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成し、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成してもよい。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−第1凝集粒子形成工程−
まず、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
樹脂粒子分散液に分散される樹脂粒子は、特定のポリエステル樹脂の粒子である。
なお、樹脂粒子分散液は、2種以上の樹脂粒子を適用する場合、それぞれの樹脂粒子分散液を準備し、混合して一つの樹脂粒子分散液として準備してもよいし、それぞれの樹脂粒子分散泳を着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合する際に混合してもよい。
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用されてもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法が挙げられる。また、用いる樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲が挙げられ、0.08μm以上0.8μm以下であってもよく、0.1μm以上0.6μmであってもよい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定される。以下、他に断りがないかぎり、粒子の体積平均粒径は同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が挙げられ、10質量%以上40質量%以下であってもよい。
なお、樹脂粒子分散と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む第1凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ビカット軟化温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲内が挙げられ、0.1質量部以上3.0質量部未満であってもよい。
−第2凝集粒子形成工程−
次に、得られた第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、特定のポリエステル樹脂粒子が分散された特定のポリエステル樹脂粒子分散液と、を混合する。
そして、この混合分散液中で、第1凝集粒子の表面に特定のポリエステル樹脂の粒子を付着するように凝集して、第1凝集粒子の表面に特定のポリエステル樹脂粒子が付着した第2凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、第1凝集粒子形成工程において、第1凝集粒子が目的とする粒径(例えば体積平均粒径が1.5μm以上、望ましくは2.5μm以上6.5μm以下)に達したときに、第1凝集粒子分散液に、特定のポリエステル樹脂粒子分散液を混合し、この混合分散液に対して、第1凝集粒子及び特定のポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度のうち低い方のガラス転移温度以下で加熱を行う。
そして、混合分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
ここで、特定のポリエステル樹脂粒子分散液において、分散する特定のポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下の範囲が挙げられ、0.05μm以上0.8μm以下であってもよく、0.1μm以上0.6μmであってもよいが、特に、0.3μm(300nm)未満であることがよい。
これにより、第1凝集粒子の表面に特定のポリエステル樹脂粒子が付着するようにして凝集した第2凝集粒子が得られる。
−融合・合一工程−
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度以上(例えば特定のポリエステル樹脂のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
−反応物形成工程−
トナー粒子が分散されたトナー粒子分散液に対して、イミダゾリン骨格を持つ化合物を添加し、トナー粒子の表層部に存在した特定のポリエステル樹脂とイミダゾリン骨格を持つ化合物とを反応させ、トナー粒子の表層部に反応による反応物を形成する。
この反応物の形成は、例えば、反応温度が50℃以上100℃以下(望ましくは60℃以上 90℃以下)、反応時間1時間以上7時間以下(望ましくは2時間以上5時間以下)の条件で行うことがよい。
以上の工程を経て、特定のポリエステル樹脂及び他の添加剤を含む芯材と芯材を被覆する特定のポリエステル樹脂を含む被覆層とで構成されるトナー粒子(コア/シェル構造トナー粒子)が得られる。
そして、トナー粒子の表層部は、特定のポリエステル樹脂とイミダゾリル骨格を持つ化合物との反応物が形成される。
なお、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダーやヘンシェルミキサー、レディーゲミキサーなどによっておこなうことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機などを使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
(静電荷像現像剤)
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
また、一成分現像剤は、非磁性一成分現像剤(非磁性一成分トナー)であってもよいし、磁性一成分現像剤(磁性一成分トナー)であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、正帯電トナー用の公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
(画像形成装置/画像形成方法)
次に、本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー画像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を有する。そして、静電荷像現像剤として、上記本実施形態に係る静電荷像現像剤を適用する。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
本実施形態に係る画像形成方法は、像保持体を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体上に形成されたトナー画像を記録媒体上に転写する転写工程と、記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する。そして、そして、静電荷像現像剤として、上記本実施形態に係る静電荷像現像剤を適用する。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーが供給される。
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む本実施形態に係る静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録媒体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録媒体の表面も平滑であることが望ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー画像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー画像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は記録媒体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものである。
図2で示すプロセスカートリッジ200では、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に脱着され、少なくとも、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷像現像用トナーを収容するトナーカートリッジである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
(ポリエステル樹脂Aの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物: 40モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物: 60モル部
・テレフタル酸: 42.9モル部
・フマル酸: 40モル部
・ドデセニルコハク酸無水物: 15モル部
・トリメリット酸無水物: 2.1モル部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記単量体成分のうちフマル酸とトリメリット酸無水物以外と、ジオクタン酸スズを上記単量体成分の合計100質量部に対して0.25質量部投入した。窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、200℃に降温して、上記フマル酸とトリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。温度を更に220℃まで4時間かけて昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明なポリエステル樹脂Aを得た。
(ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製)
コンデンサー、温度計、水滴下装置、アンカー翼を備えたジャケット付き3リットル反応槽(東京理化器械(株)製:BJ−30N)を水循環式恒温槽にて40℃に維持しながら、該反応槽に酢酸エチル160質量部とイソプロピルアルコール100質量部との混合溶剤を投入し、これにポリエステル樹脂Aを300質量部投入して、スリーワンモーターを用い150rpmで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に10%アンモニア水溶液を、滴下時間5分間で14質量部滴下し、10分間混合した後、更にイオン交換水900質量部を毎分7質量部の速度で滴下して転相させて、乳化液を得た。
すぐに、得られた乳化液800質量部とイオン交換水700質量部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械(株))にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1,100質量部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これをポリエステル樹脂分散液Aとした。
(ポリエステル樹脂Bの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Bの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を44.8モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を0.2モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Bを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Bの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Cの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Cの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を44.2モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を0.8モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Cを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Cの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Dの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Dの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を43.6モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を1.4モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Dを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Dの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Eの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Eの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を41.4モル部、フマル酸40モル部を38モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を5.6モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Eを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Eの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Fの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Fの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を43.6モル部、フマル酸40モル部を35モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を6.4モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Fを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Fの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Gの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Gの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を40.6モル部、フマル酸40モル部を35モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を9.4モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Gを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Gの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Hの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Hの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を39.8モル部、フマル酸40モル部を35モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を10.2モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Hを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Hの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Iの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Iの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を34.6モル部、フマル酸40モル部を31モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を19.4モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Iを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Iの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Jの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Jの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を34.6モル部、フマル酸40モル部を30モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を20.4モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Jを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Jの調製を行った。
(ポリエステル樹脂Kの合成およびポリエステル樹脂粒子分散液Kの調製)
ポリエステル樹脂Aの合成に対してテレフタル酸42.9モル部を44.84モル部、トリメリット酸無水物2.1モル部を0.16モル部に変更した以外はポリエステル樹脂Aの合成と同様にしてポリエステル樹脂Kを合成し、ポリエステル樹脂粒子分散液Aの調製と同様にしてポリエステル樹脂粒子分散液Kの調製を行った。
(着色剤分散液の調製)
・カーボンブラック(キャボット社製:R330):200質量部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC):33質量部(有効成分60%。着色剤に対して10%)
・イオン交換水:750質量部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280質量部とアニオン系界面活性剤33質量部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記固溶体顔料すべてを投入し、攪拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して25パス相当行った。得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15%に調製した。この顔料分散液1中の粒子の体積平均粒径D50は135nmであった。
(離型剤分散液の調製)
・炭化水素系ワックス(日本精鑞(株)製、商品名:FNP0080、融解温度=80℃): 270質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、有効成分量:60%): 13.5質量部(有効成分として、離型剤に対して3.0%)
・イオン交換水: 21.6質量部
上記成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザ)で、内液温度120℃にて離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液1を得た。この離型剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50は225nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20.0%になるように調整した。
(硫酸アルミニウム水溶液の調製)
・硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業(株)製:17%硫酸アルミニウム): 35質量部
・イオン交換水: 1,965質量部
上記成分を2リットル容器へ投入し、30℃にて、沈殿物が消失するまで攪拌混合して硫酸アルミニウム水溶液を調製した。
[実施例1]
(トナー1の作製)
・ポリエステル樹脂分散液A: 750質量部
・着色剤分散液: 133質量部
・離型剤分散液: 100質量部
・イオン交換水: 350質量部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 2.9質量部
上記成分を、温度計、pH計、攪拌器を具備した3リットルの反応容器に入れ、温度25℃にて、1.0%硝酸を加えてpHを3.0にした後、ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)にて5,000rpmで分散しながら、調製した硫酸アルミニウム水溶液を130質量部添加して6分間分散した。
その後、反応容器に攪拌器、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌されるように攪拌器の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてからは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定した。体積平均粒径が5.0μmになったところで温度を保持し、ポリエステル樹脂分散液A:50質量部を5分間かけて投入した。
30分間保持した後、1%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHが9.0になるように同様にして調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。15分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、2.0時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水にて容器を30℃まで5分間かけて冷却した。
冷却後のスラリーを、目開き15μmのナイロンメッシュに通過させ粗大粉を除去し、メッシュを通過したトナースラリーに、硝酸を加えてpH6.0に調整した後、アスピレータで減圧ろ過した。
洗浄後のろ紙上に残ったトナーを手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃でトナー量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した後、温度80℃に60分で昇温した。イミダゾリン骨格を持つ化合物(「VA044(和光純薬工業(株)社製):2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩)」をトナー粒子全質量に対し1.0質量%になるように投入し、さらに180分間撹拌混合した。
冷却後、アスピレータで減圧ろ過し、ろ紙上に残ったトナーを手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃でトナー量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した後、再度アスピレータで減圧ろ過し、ろ液の電気伝導度を測定した。ろ液の電気伝導度が10μS/cm以下になるまでこの操作を繰り返し、トナー粒子を洗浄した。
洗浄されたトナー粒子を湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕いてから、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(TG820)0.5質量部を加え、サンプルミルを用いて13,000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して、トナー1を得た。
[評価]
各例で得られたトナー1を非磁性一分現像剤として、画像形成装置「DocuPrintD300d(富士ゼロックス社製):正帯電方式(ポジ帯電方式)で、非磁性一成分現像方式の画像形成装置」の現像器に収容した。
この画像形成装置を用いて、温度22℃、湿度50%の常温常湿環境下で、画像濃度100%の5cm×5cm画像をA4紙(P紙、富士ゼロックス株式会社製)に形成し、これを100枚出力し、100枚目(初期)の画像について、かぶり、画像濃度の評価を行った。また、機内汚染についても評価した。
また、続けて、温度28℃、湿度80%の高温高湿環境下で、同様の画像を1000枚出力し、1000枚目(経時)の画像について、かぶり、画像濃度の評価を行った。また、機内汚染についても評価した。
結果を表1に示す。
(かぶり評価)
かぶり評価は、非画像部の濃度を画像濃度計(X−Rite938:X−Rite社製)で測定を行い、印刷していない用紙とのΔEを測定した。
評価基準は、以下の通りであり、Bまでが使用に耐えうるものである。
A : ΔE0.1未満
B+ : ΔE0.1以上0.3未満
B : ΔE0.3以上0.5未満
C : ΔE0.5以上
(画像濃度評価)
画像濃度評価は、画像部の濃度を画像濃度計(X−Rite938:X−Rite社製)で測定を行った。
評価基準は、以下の通りであり、Bまでが使用に耐えうるものである。
A : 1.6以上
B+ : 1.5以上1.6未満
B : 1.4以上1.5未満
C : 1.4未満
(機内汚染評価)
機内汚染評価は、機内のトナーによる汚れを目視により判定して行った。
評価基準は、以下の通りであり、Cまでが使用に耐えうるものである。
A : 汚れが観測されない
B : 汚れが一部観測される
C : 汚れが半分程度観測される
CC : 汚れが全体的に観測される
[実施例2]
(トナー2の作製)
トナー1の作製においてVA044をトナー粒子全質量に対し0.9質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー2を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
(トナー3の作製)
トナー1の作製においてVA044をトナー粒子全質量に対し3質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー3を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
(トナー4の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Eにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し3質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー4を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
(トナー5の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Eにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.9質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー5を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
(トナー6の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Dにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し3質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー6を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。

[実施例7]
(トナー7の作製)
トナー1の作製においてVA044をトナー粒子全質量に対し4質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー7を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
(トナー8の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Eにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し4質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー8を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
(トナー9の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Fにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し3質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー9を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例10]
(トナー10の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Fにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.9質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー10を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
(トナー11の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Eにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.7質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー11を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例12]
(トナー12の作製)
トナー1の作製においてVA044をトナー粒子全質量に対し0.7質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー12を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例13]
(トナー13の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Dにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.9質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー13を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例14]
(トナー14の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Dにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し5質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー14を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例15]
(トナー15の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Gにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し5質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー15を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例16]
(トナー16の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Gにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.6質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー16を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例17]
(トナー17の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Dにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.6質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー17を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例18]
(トナー18の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Cにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し5質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー18を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例19]
(トナー19の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Dにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し6質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー19を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例20]
(トナー20の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Gにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し6質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー20を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例21]
(トナー21の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Hにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し5質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー21を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例22]
(トナー22の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Hにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.6質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー22を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例23]
(トナー23の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Gにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.4質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー23を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例24]
(トナー24の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Dにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.4質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー24を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例25]
(トナー25の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Cにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.6質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー25を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例26]
(トナー26の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Bにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し10質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー26を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例27]
(トナー27の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Iにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し10質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー27を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例28]
(トナー28の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Iにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.1質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー28を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例29]
(トナー29の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Bにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.1質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー29を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。

[比較例1]
(トナー30の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Kにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し10質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー30を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
(トナー31の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Bにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し12質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー31を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
(トナー32の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Iにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し12質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー32を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例4]
(トナー33の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Jにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し10質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー33を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例5]
(トナー34の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Jにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.1質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー34を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例6]
(トナー35の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Iにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.08質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー35を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例7]
(トナー36の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Bにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.08質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー36を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例8]
(トナー37の作製)
トナー1の作製においてポリエステル樹脂分散液Aをポリエステル樹脂分散液Kにし、かつVA044をトナー粒子全質量に対し0.1質量%にした以外はトナー1と同様にしてトナー37を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例30]
(トナー38の作製)
トナー1の作製においてVA044をイミダゾリン骨格を持つ化合物(「VA060(和光純薬工業(株)社製):2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩)にした以外はトナー1と同様にしてトナー38を得、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
上記結果から、本実施例のトナーは、正帯電トナーであり、比較例に比べ、かぶり、画像濃度、機内汚染の評価について、特に経時で良好な結果が得られたことがわかる。
以下、表中の略称の詳細を示す。
・VA044 :「VA044(和光純薬工業(株)社製):2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、
・VA060 :「VA060(和光純薬工業(株)社製):2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K 現像剤カートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(記録媒体)

Claims (7)

  1. 多価アルコールとトリメリット酸を含む多価カルボン酸との重縮合体で構成され、且つエチレン性不飽和結合を持つポリエステル樹脂を含み、表層部に前記ポリエステル樹脂とイミダゾリン骨格を持つ化合物との反応物を含むトナー粒子を有し、
    前記トリメリット酸のモル比が、前記ポリエステル樹脂の全重合成分に対して0.1mol%以上10mol%以下であり、
    前記イミダゾリン骨格を持つ化合物の質量比が、前記イミダゾリン骨格を持つ化合物を除く前記トナー粒子全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下である静電荷像現像用トナー。
  2. 前記イミダゾリン骨格を持つ化合物が、前記イミダゾリン骨格と共にアゾ基を同一分子中に含む化合物である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  4. 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  5. 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体上に形成されたトナー画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 像保持体を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体上に形成されたトナー画像を記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記記録媒体上に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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