<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
前扉枠14は、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として前方へ回動可能となるようにして内枠13に取り付けられており、裏パックユニット15は、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として後方へ回動可能となるようにして内枠13に取り付けられている。
ここで、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1及び図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。図3は前扉枠14の背面図である。
図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている(図3参照)。
図3に示すように、枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が形成されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容され、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われる構成となっている。
枠部には、ガラスパネル31,32を収容している側とは反対側に突出するようにして枠体20に対する取付部が複数形成されている。これら取付部は枠体20の背面に対向する板状をなしており、枠体20には、それら取付部を同枠体20との間に挟んで挟持するレバー部材23が設けられている。レバー部材23は、取付部を挟持する挟持位置と挟持しない解除位置とに回動可能な状態で取り付けられている。レバー部材23において取付部と対向している部分には同取付部側に突出する凸部が形成されており、同凸部が取付部に形成された凹部に嵌まることにより、上記挟持位置から解除位置への移動が規制された状態、すなわち挟持位置にて保持された状態となっている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部26が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28内側には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29内側には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
下側膨出部29並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路51と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路52とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54(図2参照)によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図3の右側)には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸61,62が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材63が複数設けられている。前扉用鉤部材76が鉤受け部材63に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19(図2参照)に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤ユニット80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤ユニット80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤ユニット80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤ユニット80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
遊技盤ユニット80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とによって構成された遊技盤80aを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80aの前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル32によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80aは木製に限定されるものではなく、合成樹脂材料を用いて形成することも可能である。
以下、図5に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤ユニット80(詳しくは遊技盤80a)には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤ユニット80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤ユニット80(詳しくは遊技盤80a)には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤ユニット80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口(抽選契機入球部)85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、左右一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
右作動口85の上方には、上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82,83についても、下作動口84及び右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下作動口84の下方)に配置された可変入賞装置82を「下側可変入賞装置82」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右作動口85の下方)に配置された可変入賞装置83を「右側可変入賞装置83」と称する。
下側可変入賞装置82は、遊技盤ユニット80の背面側へと通じる大入賞口82aを備えているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉82bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入賞装置83は、下側可変入賞装置82と同様に、遊技盤ユニット80の背面側へと通じる右側大入賞口83aと、当該右側大入賞口83aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉83bとを備えている。開閉扉83bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉83bは、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉83bは閉状態のまま維持され、右作動口85への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
ここで、抽選結果確定モードとは、右作動口85における抽選結果(特別当たり)が有効となって下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入賞装置83の開放態様としては、後述する右作動口用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(例えば3sec)が経過するまで開閉扉83bが開放されるように設定されている。
ここで、右側可変入賞装置83及びそれに付随する構成について補足説明する。
遊技盤80aにおいて可変表示ユニット88の右側となる部位には、遊技盤80aの厚さ方向に貫通して開口部が形成されており、この開口部に対して遊技機前方から右側可変入賞装置83が嵌まっている。このようにして右側可変入賞装置83が配置された状態では、当該右側可変入賞装置83によって同開口部が覆われている。
右側可変入賞装置83には上記右側大入賞口83aが形成されており、同右側大入賞口83aを遊技機前方から覆うようにして上記開閉扉83bが開閉可能な状態で取り付けられている。また、右側可変入賞装置83には、開閉扉83bを駆動させる動力源としての可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)が搭載されている。
右側大入賞口83aは、左右に延びる横長状をなしており、その一端部(詳しくは遊技領域PEの中央側となる端部)の奥側(詳しくは右側大入賞口83aの出口部分)には同右側大入賞口83aへ流入した遊技球を検知する検知センサ(詳しくは磁気センサ)が配設されている。
検知センサは後述する主制御装置に対して電気的に接続されており、当該検知センサからの検知信号(検知情報)が同主制御装置に出力される。主制御装置においては、その検知信号に基づいて右側大入賞口83aへの入賞の有無等を把握可能となっている。
また、右側可変入賞装置83には、右側大入賞口83aへ流入した遊技球であって上記検知センサによる検知領域を通過した遊技球を内枠13の背面側に設けられた回収通路へと案内する案内通路が設けられている。
案内通路は、上記右側大入賞口83aに連通する上流側通路を有している。上流側通路は、横長状をなしており、その一端部には上方に開放された入口部が形成されている。右側大入賞口83aを通じて遊技盤ユニット80の背面側に到達し、同右側大入賞口83aの出口部分から流出した遊技球は、上記入口部を通じて案内通路へ流入することとなる。
上流側通路は、当該上流側通路の入口部から反対側の端部へ向けて(詳しくは遊技領域PEの中央側へ向けて)下り傾斜している。同入口部から上流側通路に流入した遊技球は、上流側通路の底部を形成している部位に沿って流下する。
上流側通路における下流側の端部には、遊技球の流下方向を変化させるようにして第1下流側通路が連なっている。第1下流側通路は鉛直方向に延びており、上流側通路を経由して当該第1下流側通路に達した遊技球は、自重により同第1下流側通路に沿って落下することとなる。
第1下流側通路の出口部分には、当該第1下流側通路へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1下流側通路における第1検知領域を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサが設けられている。第1検知センサには、第1検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第1検知センサは主制御装置に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサからの検知信号(検知情報)が主制御装置に入力される。これにより、第1検知領域における遊技球通過の有無、すなわち第1下流側通路への入球の有無を主制御装置にて把握することが可能となっている。
また、案内通路は第1下流側通路の途中位置から分岐する第2下流側通路を有している。つまり、案内通路は、その途中位置にて2条に分岐している。右側大入賞口83aへ流入した遊技球はその流入タイミング等に応じてその移動先(振り分け先)が変化する構成となっている。
第1下流側通路を形成する壁部には、第2下流側通路への入口部としての開口が形成されている。この開口は、第1下流側通路及び第2下流側通路の両者に連通しており、同開口を通じた第1下流側通路から第2下流側通路への遊技球の流入が許容されている。
なお、第1下流側通路と分岐部分との関係について補足すれば、第1下流側通路において分岐部分よりも上流側となる部位は鉛直方向に延びており、同上流部位の出口部分が下方に開放されている。当該出口部分の下流側への延長上には一方の分岐通路としての下流部(第1分岐通路)の入口部分が位置しており、同入口部分は上記上流部位の出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の分岐通路としての第2下流側通路(第2分岐通路)の入口部分は、上流部位の延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向、具体的には両下流側通路の並設方向(詳しくは横方向)に開放されている。このため、上流部位に沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路の下流部へと流入し、第2下流側通路への流入が回避されることとなる。
第2下流側通路の途中位置には、当該第2下流側通路へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2下流側通路における第2検知領域を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサが設けられている。第2検知センサには、第2検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサは、主制御装置に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサからの検知信号(検知情報)が主制御装置に入力される。これにより、第2検知領域における遊技球通過の有無、すなわち第2下流側通路への遊技球流入の有無を主制御装置にて把握することが可能となっている。
右側大入賞口83aに流入した遊技球は先ず上流側の検知センサによって検知され、その後、下流側の第1検知センサ又は第2検知センサによって検知される。上流側の検知センサによって右側大入賞口83aへの入球が検知されると、同入球に応じて予め定められた数の遊技球が払い出される。このように、上流/下流の各検知センサのうち上流側の検知センサによる検知結果にもとづいて遊技球の払出しを行う構成とすることにより、下流側の検知センサによる検知結果に基づいて遊技球の払出しを行う構成と比較して、払出しの迅速化に貢献している。
右側大入賞口83aへ流入した遊技球の数は上流側の検知センサ及び下流側の検知センサによって検知され、それら各検知センサによって検知された遊技球の数を比較することにより案内通路内に遊技球が残存しているか否かを確認することが可能となっている。但し、このようにして上流・下流にそれぞれ検知センサを設ける必要は必ずしもなく、上流側の検知センサについては省略することも可能である。
また、上述した分岐位置(第1下流側通路の中間部)には、上流側通路から第1下流側通路に流入した遊技球を第2下流側通路へと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材が設けられている。切替部材は、非誘導状態においては案内通路(詳しくは第1下流側通路)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同第1下流側通路を塞ぎ上記第1検知領域への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する。
右側可変入賞装置に流入した遊技球は、何れかの下流側通路を流下し、上記検知センサによって検知された後は、右側可変入賞装置83から排出されることとなる。このようにして排出された遊技球は、一般入賞口81等を通じて遊技領域PEから排出された遊技球と同様に、内枠13の背面側に設けられた排出通路によって流入した後、遊技ホールの島設備等に返却されることとなる。
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下作動口84に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右作動口85に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動口84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動口84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入賞装置83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80aの前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット30(詳しくは後側のガラスパネル32)と対向しており、さらに後側のガラスパネル32との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。
主表示ユニット87においてガラスユニット30と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。
下作動口用表示部では、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部では、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
これら各表示部については、前扉枠14のガラスユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら表示部の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図4を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤収容部73(遊技盤ユニット80)の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に対してネジ止めされることで内枠13に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパ115が配されている。球ストッパ115よりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材108と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図4に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図2参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、樹脂ベース70には、遊技盤収容部73からの遊技盤ユニット80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤ユニット80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能(手動操作可能)な第1ロック装置79が複数設けられている。具体的には、第1ロック装置79は遊技盤ユニット80の右上部及び右下部に配置されている。
ここで、図6を参照して第1ロック装置79について説明する。図6はロック装置の縦断面図(図4のA−A線断面図)であり、図6(a)はロック状態を示し、図6(b)はアンロック状態を示している。
<第1ロック装置79>
第1ロック装置79は、遊技盤ユニット80の背面に当接する当接部が形成された受け部材121と、当該受け部材121と対をなし遊技盤ユニット80を遊技機前方から押さえる押え部が形成された押え部材122と、それら受け部材121及び押え部材122をそれぞれ動作可能に保持するベース部材123とを有し、ベース部材123が樹脂ベース70に固定されることで内枠13に一体化されている。受け部材121及び押え部材122によって遊技盤ユニット80を前後から挟み込むことで、遊技盤ユニット80の前後位置が既定される構成となっている。
受け部材121は回動可能となっており、受け部材121に取り付けられたコイルバネ124によって遊技盤ユニット80の背面側(押え部材122側)へ付勢されている。本実施の形態においては、受け部材121の回動中心が変位する構成となっており、コイルバネ124を受け部材121に取り付けることにより、回動中心が変位した場合あっても上記付勢力を安定して発揮させることが可能となっている。
また、第1ロック装置79は、受け部材121に連動するロック部材125を有している。ロック部材125は、受け部材121及び押え部材122の各動作を規制するロック位置と、当該動作規制を行わないロック解除位置とに移動可能となるようにしてベース部材123に取り付けられている。ベース部材123には、ロック部材125用のコイルバネ126が配設されており、このコイルバネ126によってロック部材125がロック解除位置に向けて付勢されている。
ロック部材125は、その上端部127がベース部材123に固定されたピン部材128に下側から当接しており、その当接状態がロック部材125の動作範囲全域にて維持される構成となっている。つまり、ピン部材128によって、ロック部材125の動きが規定されている。
ロック部材125(詳しくはその上端部127)には、ロック部材125がロック解除位置に到達した場合にピン部材128と係合する凹状の解除時用係合部127aと、ロック位置に到達した場合にピン部材128と係合する凹状のロック時用係合部127bとが形成されている。解除時用係合部127aとピン部材128とが係合することによりロック部材125がアンロック状態に維持され、ロック時用係合部127bとピン部材128とが係合することによりロック部材125がロック状態に維持されることとなる。
また、上端部127には解除時用係合部127aとロック時用係合部127bとの間でのピン部材128の摺動を許容するようして凸部127cが形成されている。凸部127cは、上方に滑らかに隆起しており、ピン部材128が係合部127a,127bから離脱した場合に同ピン部材128に対して強干渉する構成となっている。この凸部127cによって、各係合部127a,127bからのピン部材128の移動を妨げる抗力が発生する構成となっている。ロック部材125の回動時に上端部127及びピン部材128の間で発生する抗力(ロック部材125の回動を妨げる力)は、上記凸部127cの頂部にピン部材128が到達する直前に最大となる。
詳細については後述するが、遊技盤ユニット80を内枠13に装着する場合には、遊技盤ユニット80を装着完了位置へと押し込むことで、遊技盤ユニット80の背面が受け部材121(詳しくは当接部)に当たり、同遊技盤ユニット80が装着完了位置に向けて更に押し込まれることで、受け部材121が回動することとなる。これに連動して押え部材122及びロック部材125が動作し、第1ロック装置79がロック状態に切り替わることとなる。この際、ピン部材128がロック部材125の解除時用係合部127aからロック時用係合部127bへと移動する過程で凸部127cを乗り越えるため、遊技盤ユニット80の装着完了位置への移動に対して抗力が発生することとなる。
ロック部材125の前面部分には、指等を引っ掛けることができる指掛け部としての操作部129が形成されており、この操作部129に指を引っ掛けたり掴んだりしてロック部材125を回動させることで、ロック部材125がロック位置からロック解除位置へと移動して受け部材121及び押え部材122の動作規制が解除される。このようにしてロック解除操作が行われることで、遊技盤ユニット80が受け部材121によって後方から押され、遊技機前方へ押し出されることとなる。
再び図4の説明に戻り、樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には、樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔に通路形成部材131が配設されている。通路形成部材131は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路132と本体側下皿通路133とを有している。それら本体側上皿通路132及び本体側下皿通路133の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材131の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路132の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路133の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース70において通路形成部材131の下方には、本体側上皿通路132及び本体側下皿通路133からの遊技球の流出を規制するシャッタ134が設けられている。シャッタ134は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタ134を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ134が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路132又は本体側下皿通路133に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ134が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路132及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路133及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具136が取り付けられている。軸受け金具136には、上下に離間させて軸受け部137が形成されており、これら軸受け部137により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70における遊技盤収容部73の底部分(後述する対向板部251)には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口74が形成されており、その中央開口74が遊技盤収容部73に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。
遊技盤ユニット80の背面には、可変表示ユニット88を遊技盤ユニット80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤ユニット80側に開放された略箱状をなしており遊技盤ユニット80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース70の中央開口74を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置96と、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤ユニット80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
主制御装置162には、基板ボックス163から遊技機背面側に露出するようにして、RAM消去スイッチ166が設けられており、遊技機主部12を開放することで、当該RAM消去スイッチ166へのアクセスが許容される構成となっている。
本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤ユニット80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81、可変入賞装置82,83、下作動口84、右作動口85の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤ユニット80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口84,85に入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット88の左右両側には、スルーゲート86を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図8及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図8はパチンコ機10の背面図、図9は裏パックユニット15の正面図である。
図8に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図9に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する(図8参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部137に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバーが挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバーが挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に固定された遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29aの何れかに振り分けるための機能を有している。
再び図9の説明に戻り、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられており、この電源スイッチ247を手動でON/OFFに切り替えることで、電源・発射制御装置243から各種制御装置等への電力の供給がまとめて制御されることとなる。なお、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、上記RAM消去スイッチ166を押しながら電源スイッチ247をONに切り替えると(電源を投入すると)、RAMデータが初期化されるようになっている。
基板ボックス244,246については、内蔵された各基板を当該基板ボックス244,246の外部から視認可能となるように透明性を有する合成樹脂によって形成されている。そして、払出制御基板及び電源・発射制御基板は、一方の板面が各種素子等の搭載面となっており、他方の板面が半田面となっている。そして、搭載面が遊技機後方を向くように(半田面が内枠13側(遊技機前方)を向くように)して配置されることで、メンテナンス等の際に、各制御基板に異常が発生していないか等を目視で容易に確認できる構成となっている。
<遊技盤ユニット80の取付構造>
ここで、図4、図10及び図11に基づき遊技盤ユニット80の取付構造について説明する。図10は内枠13から遊技盤ユニット80を取り外した状態を示す斜視図、図11は図4のB−B線部分断面図である。
遊技盤ユニット80は、既に説明したように内枠13の遊技盤収容部73に対して同内枠13の正面側から嵌まっている(図4参照)。図10に示すように、遊技盤収容部73は、遊技盤ユニット80の背面に対向する平板状の対向板部251と、同対向板部251から起立し遊技盤ユニット80の周縁に沿って延びる周壁部261とによって構成されている。対向板部251は、その略中央に上述した中央開口74が形成されており、内枠13の正面視において略矩形枠状をなしている。周壁部261は、遊技盤ユニット80における上下左右の各端面に対して個々に対向する上側壁部262,下側壁部263,左側壁部264,右側壁部265が連なってなり、全体として遊技盤ユニット80を囲む環状をなしている。なお、周壁部261は中央開口74を囲むようにして形成されているとも言える。
内枠13の左側壁部264、すなわち前扉枠14を支持している側の壁部264には、遊技盤ユニット80の前方への変位を抑える複数のストッパ部271が設けられている。各ストッパ部271は、左側壁部264の内壁面から遊技盤収容部73側へ張り出しており、遊技盤ユニット80(詳しくは後述する第2レールカバー400)に対してパチンコ機10の前方から当接している。また、各ストッパ部271は、遊技盤収容部73内に収められており、前扉枠14側への突出が抑えられている。
それらストッパ部271は、遊技盤ユニット80の上端寄り及び下端寄りとなる位置に配置されており、遊技盤ユニット80の変位をバランスよく抑えることが可能となっている。ストッパ部271の配置に関して補足すれば、上端寄りのストッパ部271Uは、上記誘導レール100において遊技盤ユニット80の回動基端側に凸となっている部分よりも上側に配置されており、下端寄りのストッパ部271Lは同凸となっている部分よりも下側に配置されている。これにより、ストッパ部271及び誘導レール100を遊技盤ユニット80の前面側にて好適に共存させ、ストッパ部271の採用に起因した遊技領域PEの圧迫を抑制している。
内枠13には、左側壁部264の先端縁に沿うようにして金属製のプレート部材281が配設されている。プレート部材281は、内枠13の上側枠部13a及び下側枠部13bの両枠部に跨って延びる長尺状をなしており、同プレート部材281の両端部分が内枠13の左側枠部13cに対して固定(ネジ止め)されているとともに、同プレート部材281の中間部分が上述したストッパ部271に対して固定(ネジ止め)されている。これにより、内枠13において外枠11や前扉枠14に連結されている部分を補強し、更にはストッパ部271の変形を抑制している。
以上詳述したストッパ部271と対向板部251とによって、遊技盤ユニット80の一側部を挿入可能な挿入部290が構成されている(図11参照)。挿入部290は、前扉枠14の回動基端側に位置し、内枠13において同前扉枠14を支持している側とは反対側からの遊技盤ユニット80の挿入を許容すべく同内枠13の回動先端側(右側壁部265側)に開放されている。特にストッパ部271と対向板部251(詳しくは後述するリブを除いた部分)との隙間寸法は、遊技盤ユニット80の厚さ寸法よりも大きく設定されている。これにより、遊技盤ユニット80を挿入部290に対して斜め前方から挿入可能とするとともに、同挿入部290に挿入された遊技盤ユニット80を当該挿入部290を中心として回動可能としている。また、挿入部290の挿入口を斜め前方に向けることにより、遊技盤挿入時に遊技盤ユニット80が前扉枠14の後方への張出部分や内枠13の右側枠部13d(図10参照)等に干渉することを抑制している。
なお、ストッパ部271の先端部において遊技盤ユニット80と対向している部位には面取りが施されており、挿入部290の入口部分が拡張されている。これにより、上記隙間寸法を大きくし、遊技盤ユニット80を斜めに挿入する際のストッパ部271と遊技盤ユニット80との引っ掛かりを抑制している。
挿入部290(ストッパ部271群)の下方、詳しくは内枠13において左側壁部264と下側壁部263とが交わる位置には(図10参照)、挿入部290に挿入された遊技盤ユニット80を仮置き可能な仮置き部135が設けられている。仮置き部135は、上記通路形成部材131に形成され、挿入部290側(上方)を向く面状をなしている。なお、仮置き部135は、必ずしも通路形成部材131に形成する必要はなく、樹脂ベース70に形成することも可能である。
仮置き部135は、遊技盤収容部73の下側壁部263よりも上側に位置しているとともに、遊技盤ユニット80の下端部に対して対向している。一方、遊技盤ユニット80における回動基端側の下隅部にはこの仮置き部135に対応した切欠き部95が形成されている(図5参照)。遊技盤ユニット80を挿入部290に挿入し回動させる場合には、この仮置き部135に対して遊技盤ユニット80の切欠き部95が仮置き(一時的に載置)されることで同遊技盤ユニット80の重量の少なくとも一部が内枠13の樹脂ベース70によって支えられることとなる。これにより、遊技盤ユニット80を装着する際の作業負担を減らし、遊技盤ユニット80の回動操作の容易化を図っている。
また、仮置き部135は、挿入部290よりも同挿入部290の開放先側に延びている。これにより、挿入部290に挿入する前に遊技盤ユニット80を仮置き可能となっており、更なる作業の容易化に貢献している。
遊技盤ユニット80を着脱する際には、内枠13の正面側から作業が行われる。この際、言うまでも無く前扉枠14が開放された状態で作業が行われる。ここで、開放された前扉枠14と遊技盤ユニット80及び挿入部290との位置関係について図12に基づき補足説明する。図12は、開放された前扉枠14と遊技盤ユニット80及び挿入部290との位置関係を示す概略図である。
図12に示すように、前扉枠14は内枠13に設けられた上記支持金具71,72によって回動可能に軸支されており、この軸支された部分(回動中心軸線CL)を中心として開閉される構成となっている。支持金具72には前扉枠14の最大開放位置を規定する規定部72aが形成されている。前扉枠14が開放され、規定部72aに対して当たった場合には、それ以上の開放が不可となる。本実施の形態においては、前扉枠14の最大開放量が凡そ100°に設定されている。これは、パチンコ機10がホール等の島設備に設置された状態にて前扉枠14が開放された場合に、隣接して設けられた他の遊技機等に対して同前扉枠14が干渉しないように、また隣接する遊技機での遊技を妨げないようにするための工夫である。なお、前扉枠14の最大開放量は100°に限定されるものではない。少なくとも遊技盤ユニット80の着脱が許容される範囲であれば任意に設定してよい。
前扉枠14の回動中心軸線CLは同前扉枠14の前面寄りに位置しており、前扉枠14を閉じた状態にて内枠13の内側に当該前扉枠14の回動基端部分が嵌まり込む構成となっている。これにより、前扉枠14と内枠13との境界部位(特に前扉枠14の回動基端側の境界部位)を介して不正具が挿入されるといった不都合を生じにくくし、防犯機能の強化を図っている。
この回動中心軸線CLの後方に上記挿入部290が配置されている。前扉枠14は所定の厚さを有しているため、上述の如く最大開放位置まで開放された場合であってもその背面の一部が挿入部290よりも右側(前扉枠14を支持している側とは反対側)に張り出した状態となる。挿入部290は、その張出部分よりも奥まった位置に存在しているものの、遊技盤ユニット80を出し入れする際に当該遊技盤ユニット80の通過する軌道PLと前扉枠14との干渉が回避されるようにしてその挿入口の向きが定められている。これにより、遊技盤ユニット80を装着する際の前扉枠14の張り出し部分と遊技盤ユニット80との干渉が抑えられている。
<遊技盤ユニット80の支持機構>
本実施の形態においては特に、遊技盤ユニット80を着脱する際の同遊技盤ユニット80の姿勢を安定させて着脱軌道のばらつきを抑える工夫が施されている。以下、図10及び図13を参照して、当該工夫にかかる構成について説明する。図13は遊技盤ユニット80の部分拡大図である。なお、図13においては、内枠13にかかる構成を2点鎖線によって表示している。
遊技盤80aの前面側には、外レール102の一部を遊技領域PEとは反対側から覆うようにしてレールカバー300が設けられている。レールカバー300は、遊技盤80aの前面に面当たりするようにして形成された平板状のベース部301と、ベース部301から正面側へ起立し外レール102に沿って延びる起立部302とを有してなり、ベース部301が遊技盤80aにネジ止めされることで、当該遊技盤80aと一体化されている。レールカバー300のベース部301については、遊技盤ユニット80が内枠13に装着された状態にて、遊技盤80aの端部とともに上記挿入部290内に入り込んでおり、同ベース部301の前面がストッパ部271に当接している。
なお、本実施の形態においては、挿入部290の前後幅寸法が、遊技盤80aにおいて挿入部290に挿入されている部分の厚さ寸法とレールカバー300(詳しくはベース部301)の厚さ寸法との和よりも僅かに小さく設定されている。このため、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置した状態では、遊技盤ユニット80が挿入部290に対して強干渉した状態となる。このように、挿入部290に対して遊技盤ユニット80を強干渉させることにより、回動基端側での遊技盤ユニット80の前後位置のばらつきを抑えている。
レールカバー300(起立部302)の上端部は上側のストッパ部271Uよりも僅かに上方に位置しており、当該上端部には遊技機前方に延びるアーム部303が形成されている。アーム部303は上記ストッパ部271の上面272と若干の隙間を挟んで対向しており、その対向している部分にはストッパ部271側に凸となる突起304が形成されている。この突起304に対応させてストッパ部271の上面272には下方に凹んだ受け部275が形成されている。受け部275と突起304とが係合することで、遊技盤ユニット80が突起304(受け部275)を中心として回動可能となる。かかる構成とすることにより、遊技盤ユニット80を着脱する際の姿勢が安定し、着脱軌道のばらつきが抑えられている。
なお、突起304において挿入部290側を向いている部分にはアーム部303の先端部分から根元部分に向けて下り傾斜する傾斜面305が形成されており、遊技盤ユニット80を挿入部290に挿入する際には傾斜面305がストッパ部271の上面272及び側面273の境界部位に当たる。これにより、アーム部303がその根元部分(起立部302と繋がっている部分)を基端として撓み変形し、突起304がストッパ部271の上面272へと導かれる。この後、アーム部303が弾性力によって変形前の状態に復帰することにより、突起304が受け部275に係合することとなる(引っ掛かることとなる)。このようにして突起304が受け部275に引っ掛かることにより、挿入部290からの遊技盤ユニット80の脱落が阻止される。
既に説明したように、突起304が受け部275に対して引っ掛かっている状態では、遊技盤ユニット80がそれら突起304及び受け部275の引っ掛かり位置よりも回動先端側にて仮置き部135に載っている。つまり、遊技盤ユニット80が仮置き部135によって支えられた状態にて、遊技盤ユニット80の脱落が阻止されている。これにより、遊技盤ユニット80の重さ等による負荷が突起304や受け部275に集中することを好適に回避している。
以上詳述したように、遊技盤ユニット80を遊技機前方から装着可能とすることで、メンテナンス等の際の遊技盤ユニット80の着脱作業の容易化が図られている。そして、本実施の形態においては、更なる作業性の向上を図るべく遊技盤ユニット80を内枠13に対して着脱することで遊技盤ユニット80と内枠13とが電気的に接続/分離される構成が採用されている。以下、図14を参照して、遊技盤ユニット80と内枠13とを電気的に接続するための接続機構について説明する。図14は接続機構及びそれに関連する構成を示す水平断面図(図4のC−C線部分断面図)である。
<コネクタ接続機構>
図14に示すように、接続機構は、内枠13側に設けられた内枠側コネクタ401,402と、遊技盤ユニット80側に設けられた遊技盤側コネクタ451,452とを有し、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置されることで遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが接続され、遊技盤ユニット80が取り外されることで遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との接続が解除される構成となっている。
先ず、図15及び図16を参照して、内枠側コネクタ401,402にかかる構成について説明する。図15は内枠13から接続機構にかかる構成を取り外した状態を示す分解斜視図、図16は図4のD−D線部分断面図である。なお、図16においては説明の便宜上、遊技盤ユニット80にかかる構成を省略している。
図15に示すように、内枠側コネクタ401,402は、それら各内枠側コネクタ401,402に1対1で対応させて設けられたコネクタ用基板411,412に個別に取り付けられている。コネクタ用基板411,412は、一方の板面が内枠側コネクタ401,402の搭載面411a,412a、他方の板面が半田面となっており、搭載面411a,412aが遊技機正面側を向くようにして配設されている。
コネクタ用基板411,412の取付構造について説明すると、樹脂ベース70において遊技盤ユニット80の回動先端部に対応する部分(詳しくは下側壁部263と右側壁部265との境界付近)に、コネクタ用基板411,412を収容可能な基板取付ベース415が配設されている。
基板取付ベース415は、遊技機後方に開放された略箱状をなしており、その下側半分が樹脂ベース70の背面に後方から対向し、上側半分が周壁部261を越えて中央開口74側へ突出するようにして樹脂ベース70に固定されている。基板取付ベース415の前面部(底部416)において中央開口74側に突出している部分には、前後に開放された開放部417,418が左右横並びとなるようにして形成されている。これら各開放部417,418は内枠側コネクタ401,402に1対1で対応しており、コネクタ用基板411,412が底部416に対して遊技機背面側から取り付けられることで、内枠側コネクタ401,402がそれら開放部417,418を通じて遊技機前方に露出した状態となっている(図16参照)。
より詳しくは、底部416にはコネクタ用基板411を取り付けるための取付部421と、コネクタ用基板412を取り付けるための取付部422とが夫々設けられており、各コネクタ用基板411,412を個別に取り付け可能となっている。取付部422は、遊技機斜め前方(前扉枠14の回動先端側)を向くようにして傾斜する面状をなしており、これら取付部422に対してコネクタ用基板412が面当たりすることで、それら各コネクタ用基板411,412の向きが僅かに異なる構成となっている。かかる構成についての詳細は後述する。なお、各コネクタ用基板412については、遊技機斜め前方を向いているものの、その前後位置(詳しくは内枠側コネクタ401,402の前後位置)についてはほぼ同じになっている。これにより、遊技機におけるコネクタの占有領域が上下/左右に拡がることを抑制している。
上述したように、内枠側コネクタ401,402を斜め前方を向くように傾けつつ前後位置を揃えることで、詳細については後述するがそれら内枠側コネクタ401,402と対を成す遊技盤側コネクタ451,452についても同様の配置が実現できる。遊技盤ユニット80の背面には、遊技盤側コネクタ451,452以外にも可変表示ユニット88や制御装置143,162等の各種構成が搭載される。遊技盤80aの左右/上下の大きさに限りがある点を考慮すれば、上述したように遊技盤ユニット80の背面側にてコネクタの占有領域をできるだけ小さくすることができ、周辺構成とコネクタとを好適に共存させることができる。
コネクタ用基板411,412には、内枠側コネクタ401,402の下方に位置するようにして中継コネクタ403,404が併設されている。コネクタ用基板411,412が基板取付ベース415に取り付けられた状態では、内枠側コネクタ401,402が開放部417,418を通じて遊技機正面側に露出している一方で、中継コネクタ403,404は基板取付ベース415とコネクタ用基板411,412とによって囲まれることで同基板取付ベース415の外部への露出が抑えられている。中継コネクタ403,404については、遊技球発射機構110等から延びる配線に設けられたコネクタ(例えば発射機構側コネクタ)に接続されており、その接続箇所については、外部からのアクセスが妨げられている。これにより、防犯性の向上が図られている。
ここで、内枠側コネクタ401,402については、中継コネクタ403,404と比較して、露出している部分が多い。しかしながら、このような露出については、遊技盤ユニット80を装着完了位置に配置することで回避されるように工夫が施されている。
具体的には、図14に示すように、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置されて内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452が接続された状態では、遊技盤ユニット80(詳しくは後述する台座等)によって内枠側コネクタ401,402の露出部分が覆われることとなる。つまり、遊技盤ユニット80を装着することで、コネクタに対する防犯機能が飛躍的に向上することとなる。これにより、内枠側コネクタ401,402の露出を許容して遊技盤側コネクタ451,452との接続を許容したとしても、それに起因して防犯機能が低下することを抑制することができる。
内枠側コネクタ401,402は、全体として横長となるように形成された合成樹脂製のコネクタ本体406,407と、コネクタ本体406,407の長手方向(水平方向)に並べて設けられた複数の接続端子408,409とによって構成されている。ここで、図14、図17及び図18を参照して、内枠側コネクタ401,402(接続端子408,409)の向きについて補足説明する。図17は各コネクタの接続態様を示す概略図、図18は遊技盤ユニット80の着脱時のコネクタの移動経路を示す概略図である。
なお、以下の説明においては、両内枠側コネクタ401,402のうち遊技盤ユニット80が装着された状態にて同遊技盤ユニット80の回動先端部側(右側)に位置する一方を「第1内枠側コネクタ401」、回動基端部側(左側)となる他方を「第2内枠側コネクタ402」と称し、上記両遊技盤側コネクタ451,452のうち第1内枠側コネクタ401に対応するものを「第1遊技盤側コネクタ451」、第2内枠側コネクタ402に対応するものを「第2遊技盤側コネクタ452」と称する。
図17に示すように、第1内枠側コネクタ401は、遊技盤ユニット80の回動中心部を構成する受け部275よりも後方に配置されている。遊技盤ユニット80の回動中心部(受け部275)を中心として第1内枠側コネクタ401及び第1遊技盤側コネクタ451の接続箇所(以下、第1接続箇所CP1という)を通過する第1仮想円FC1を想定した場合には、当該第1接続箇所CP1の中央部分を通過する第1仮想円FC1の接線(以下、第1接線TL1という)が遊技機の斜め前方(右斜め前方)を向いている。これに合せて、コネクタ本体406の挿入口406aの向きと、第1内枠側コネクタ401の接続端子408の向きとが第1接線TL1と同じ方向となるように上記取付部421(図14等参照)が形成されている。
このように、第1内枠側コネクタ401が斜め前方を向くように配置したことに合せて、第1遊技盤側コネクタ451を斜め後方を向くように配置している。具体的には、第1遊技盤側コネクタ451のコネクタ本体456の挿入部456aの向きと、接続端子458の向きとが第1接線TL1と同じ方向となるようにして第1遊技盤側コネクタ451が配置されている。
第2内枠側コネクタ402についても第1内枠側コネクタ401と同様に、遊技盤ユニット80の回動中心部を構成する受け部275よりも後方に配置されている。遊技盤ユニット80の回動中心部(受け部275)を中心として第2内枠側コネクタ402及び第2遊技盤側コネクタ452の接続箇所(以下、第2接続箇所CP2という)を通過する第2仮想円FC2を想定した場合には、当該第2接続箇所CP2の中央部分を通過する第2仮想円FC2の接線(以下、第2接線TL2という)が遊技機の斜め前方(右斜め前方)を向いている。これに合せて、コネクタ本体407の挿入口407aの向きと、接続端子409の向きとが第2接線TL2と同じ方向となるように上記取付部422が形成されている。
このように、第2内枠側コネクタ402を斜め前方を向くように配置したことに合せて、第2遊技盤側コネクタ452を斜め後方を向くように配置している。具体的には、第2遊技盤側コネクタ452のコネクタ本体457の挿入部457aと接続端子459の向きとが第2接線TL2と同じ方向となるように上記取付部422(図14等参照)が形成されている。
つまり、第1内枠側コネクタ401と第1遊技盤側コネクタ451とが接続されるとともに、第2内枠側コネクタ402と第2遊技盤側コネクタ452とが接続された状況下にて、第1内枠側コネクタ401のコネクタ本体406と第1遊技盤側コネクタ451のコネクタ本体456との結合面が第1接線TL1と同じ方向を向き、第2内枠側コネクタ402と第2遊技盤側コネクタ452との結合面が第2接線TL2と同じ方向を向くように構成されている。
本実施の形態においては、遊技盤ユニット80を回動させて内枠13に対して着脱する構成となっている。このため、遊技盤ユニット80の回動時に遊技盤側コネクタ451,452が通過する軌道は円弧状をなす(図18参照)。上述したように、内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の向きを設定することにより、接続の円滑化を実現するだけでなく、接続時及び接続完了状態にて各コネクタ401,402,451,452に歪等が生じることを抑制している。
コネクタを横に並べて配置しているため、遊技盤ユニット80の回動中心部から各接続箇所CP1,CP2までの距離寸法に差が生じている。つまり、第1仮想円FC1の半径寸法R1と第2仮想円FC2の半径寸法R2とが相違している。このため、第1接線TL1と、第2接線TL2とは平行とならず、前後方向に対する傾きは第1接線TL1よりも第2接線TL2のほうが大きくなっている。これに合せて、第2内枠側コネクタ402の遊技機側方への傾きも第1内枠側コネクタ401の遊技機側方への傾きよりも大きくなっている。つまり、遊技盤ユニット80の回動中心部寄りに配置されている第2内枠側コネクタ402のほうが、より遊技機側方へ向いた状態となっている。
接続にかかる構成(コネクタ)を複数の組合せに分けて、各コネクタの向きを個々に設定することで、コネクタ接続時にコネクタ同士の強干渉が生じて同コネクタに歪等の不都合が生じることを回避している。特に、コネクタがある程度の横幅を有している場合には、接線からコネクタの端部までの距離が大きくなることで、理想的な接線の傾きと現実の接線の傾きとの差が大きくなる。このため、大型のコネクタを採用した場合には、上記干渉の発生を抑えることが困難になると想定される。この点、本実施の形態においては、コネクタを複数に分けてコネクタの大型化を抑えることで、そのような不都合の発生を抑制している。
また、第2内枠側コネクタ402の横幅W2が第1内枠側コネクタ401の横幅W1よりも小さく設定されている。上述したコネクタ同士の干渉度合いは、回動中心部に近づくにしたがって大きくなりやすい。そして、上述したようなコネクタの向きの調整を行った場合には、コネクタの左右の端部に生じる誤差が大きくなりやすい。そこで、横幅が相対的に小さい一方を回動中心部側、横幅が相対的に大きい他方を回動先端部側となるように配置することで、上記誤差の影響が強くなることを回避している。
<遊技盤側コネクタ451,452の取付構造>
次に、図19及び図20を参照して遊技盤側コネクタ451,452の取付構造について説明する。図19は遊技盤ユニット80から接続機構にかかる構成を取り外した状態を示す分解斜視図、図20(a)は遊技盤ユニット80の背面図、図20(b)は図20(a)のE−E線部分断面図、図20(c)は遊技盤側コネクタの動作を示す概略図である。
図19に示すように、遊技盤ユニット80の背面には、遊技盤側コネクタ451,452を遊技盤ユニット80に取り付けるための中間部材として台座461が設けられている。台座461は、遊技盤ユニット80の下側隅部、詳しくは遊技盤ユニット80の回動先端側の端部であって上述した右側可変入賞装置83の下方に位置し、回収通路151が形成された回収板150と横並びとなるようにして配設されている。
台座461は、遊技盤ユニット80の背面に隙間を隔てて対向する対向部462を有している。対向部462は、遊技盤ユニット80の幅方向に延びる長板状をなしており、同幅方向における一方の端部(回収板150とは反対側の端部)には、遊技盤ユニット80の背面側に延びる脚部463が形成さている。一方、対向部462の他方の端部(回収板150側の端部)には、回収板150から後方に突出した突出部152が挿入される挿入部464が形成されている。脚部463が遊技盤ユニット80にネジ止めされ、挿入部464と突出部152とが係合することで、台座461が遊技盤ユニット80に一体化されている。
対向部462には、第1遊技盤側コネクタ451が挿通される開口部466と、第2遊技盤側コネクタ452が挿通される開口部467とが夫々形成されており、対向部462に対して遊技盤ユニット80側(遊技機前方)から両遊技盤側コネクタ451,452が挿通されている。これにより、遊技盤側コネクタ451,452の接続部分が、遊技盤ユニット80の後方に露出した状態となっている。
図20(c1),(c2)の概略図に示すように、対向部462、脚部463、突出部152は撓み変形(弾性変形)可能に形成されており、それら各部位成が弾性変形することで、遊技盤側コネクタ451,452の位置や姿勢(向き)を変化させることが可能なっている。
このため、遊技盤ユニット80を着脱する際に、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが衝突した場合には、同衝突によって発生する衝撃が上記弾性変形によって緩和される。
また、遊技盤ユニット80が回動式となっているため、遊技盤側コネクタ451,452及び内枠側コネクタ401,402の接続が開始された初期(コネクタ本体同士の結合初期段階)と接続が完了する終期(コネクタ本体同士の結合完了段階)とでは理想となる接続方向と現実の接続方向との間にズレが生じる。より具体的には、上述したように遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との向きを遊技機斜め前方に傾けて、各接線TL1,TL2と一致させたとしても、それは接続が完了した状態でのことであり、接続が完了する前は遊技盤側コネクタ451,452の向きと、内枠側コネクタ401,402の向きとが完全に一致するものではない。つまり、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが接続を開始した初期は、それら各コネクタの向きに若干のズレが生じていることとなる。
この点、本実施の形態においては、図20(c3)の概略図に示すように対向部462等の弾性変形によって遊技盤側コネクタ451,452の姿勢(向き)を変化させることができる。故に、接続開始時に遊技盤側コネクタ451,452や内枠側コネクタ401,402に歪が発生することを回避可能となっている。これにより、利便性の向上を図りつつ、それに起因してコネクタ本来の接続機能が損なわれることを抑制することができる。
また、本実施の形態においては、遊技盤側コネクタ451,452が上述した接続方向と直交する方向、すなわち遊技盤側コネクタ451,452の接続端子458,459が向いている方向と直交する方向へ変位可能な状態で保持されている。つまり、遊技盤ユニット80に対して上下・左右への相対変位が許容された状態で遊技盤側コネクタ451,452が保持されている。
更に、遊技盤側コネクタ451,452において内枠側コネクタ401,402に挿入される先端部分(挿入部456a,457a)及び内枠側コネクタ401,402の挿入口406a,407aには、遊技盤ユニット80の装着完了位置への移動に伴って遊技盤側コネクタ451,452を適正な接続位置に向けて誘導する誘導傾斜部が形成されている。遊技盤ユニット80については回動可能となっているため、その回動先端側では、上下方向や左右方向での位置ばらつきが大きくなると想定される。そこで、遊技盤側コネクタ451,452を可変式とし、遊技盤ユニット80の移動に併せてコネクタ同士の位置調整を行う構成とすることで、そのような位置ばらつきを許容しやすくなっている。
遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置され、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との接続が完了した後、すなわちコネクタ本体406,407とコネクタ本体456,457の結合が完了した後は、各コネクタの向きと接続方向とが一致する。これにより、仮に接続(結合)初期にコネクタ間に歪等が発生している場合であっても接続(結合)完了位置への到達に伴い、両コネクタの向きが一致することで当該歪が解消されることとなる。このような歪を許容すべく上述した台座461の変形が生じている場合であっても、当該変形が不要となり、対向部462等に蓄えられた弾性力によって台座461等が元の状態に復帰することとなる。故に、対向部462と遊技盤ユニット80との隙間が元の大きさに戻ることとなる。
遊技盤側コネクタ451,452が可変式であるのに対して、内枠側コネクタ401,402については固定式となっている。つまり、少なくともコネクタ接続時に内枠側コネクタ401,402の位置や姿勢が変化することはない。コネクタ接続が完了した場合には、内枠側コネクタ401,402によって遊技盤側コネクタ451,452の位置や姿勢が規制されることとなるため、都度の接続時の遊技盤側コネクタ451,452の姿勢等にばらつきが生じることを抑制することができる。これにより、過度に大きな変形を許容する構造が不要となり、更には台座461にかかる負担を軽減することが可能となる。
本実施の形態においては、遊技盤側コネクタ451,452の上方には、上述した右側可変入賞装置83が位置しており、当該右側可変入賞装置83から排出された遊技球が対向部462と遊技盤ユニット80との間を通るようにして落下する構成となっている。つまり、上記隙間は遊技中には遊技球用の通路として機能し、遊技中以外(詳しくは遊技盤ユニット80の着脱時)には緩衝用の変形領域として機能する。これのように状況に応じて同じ隙間が異なる機能を発揮する構成とすることで、球通路とコネクタとを遊技盤ユニット80の背面という限られた領域内にて共存させることが可能となっている。
特に、上記隙間を過度に大きくして遊技球の通過領域を常に確保する必要がないため、遊技盤側コネクタ451,452にかかる構成(特に台座461)が無駄に大型化することを抑えることができる。
以上詳述したように、遊技盤ユニット80を着脱することで遊技盤ユニット80と内枠13とが電気的に接続される構成とすれば、作業者が遊技盤ユニット80を着脱する際に別途コネクタの接続/解除作業を行う必要がなくなる。これにより、作業性の向上が図られている。
しかしながら、遊技盤ユニット80の変位に基づいて遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが接続される構成においては、遊技盤ユニット80が勢いよく装着完了位置に向けて移動した場合に、コネクタ同士が接触すると、当該コネクタに加わる衝撃が大きくなる想定される。遊技盤ユニット80がある程度の重量があることを考慮すれば、このような衝撃については、無視できない大きさになり得る。そして、このような衝撃に耐えることができるようにコネクタの構造やその取付構造等を工夫しようとすれば、コネクタの小型化や配置領域の減縮等が難しくなると想定される。
そして、如何に上述した各種構成により、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とを円滑に接続させようとしても、コネクタ401,402,451,452やそれに付随する構成に変形や破損等が生じることで、当該円滑化機能が上手く発揮されなくなると想定される。そこで、本実施の形態においては、そのような不都合の発生を抑えるために幾つかの工夫が施されている。具体的には、(1)遊技盤ユニット80の装着時の姿勢を更に安定させることでコネクタ同士の相対位置のずれを抑える構成、(2)コネクタの接続が開始される前に遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた変位を抑えて遊技盤ユニット80の勢いを弱める構成が採用されている。以下、これらの構成について説明する。
<遊技盤用の姿勢制御>
先ず、図21を参照して工夫(1)にかかる構成について説明する。図21は、遊技盤ユニット80装着時の様子を示す概略図である。
樹脂ベース70において中央開口74の下端縁に沿う部分には、既に説明したように左右に延びる平面状の下側壁部263が形成されている。下側壁部263は上方を向いており、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置された状態では当該下側壁部263上に遊技盤ユニット80が載っている。つまり、下側壁部263には遊技盤ユニット80が載置される載置部としての機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の一端部を上記挿入部290へ挿入した状態では、遊技盤ユニット80が上記仮置き部135に載った状態となっており、下側壁部263と遊技盤ユニット80との接触が回避されている。遊技盤ユニット80の下面と切欠き部95の下面との高低差は、仮置き部135の上面と下側壁部263との高低差よりも大きく設定されている。このため、遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて回動させると、遊技盤ユニット80の下端部が下側壁部263に乗り上げた状態となり、これに併せて遊技盤ユニット80が仮置き部135から離間することとなる。
遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた回動を継続すると、遊技盤ユニット80の下面と下側壁部263との接触範囲が大きくなる。そして、内枠側コネクタ401,402の前方にて遊技盤ユニット80の下面と下側壁部263との接触が確保された後に遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402との接続が開始されることとなる。つまり、コネクタの接続が開始される時点では、少なくとも遊技盤ユニット80(詳しくは回動先端部)の上下位置のばらつきが抑えられた状態となり、コネクタ同士の接続が円滑に行われやすくなる。
<遊技盤用の減勢機構>
次に、同じく図21を参照して工夫(2)にかかる構成について説明する。
既に説明したように、樹脂ベース70には遊技盤ユニット80の取り外しを規制する規制手段として第1ロック装置79が設けられており、第1ロック装置79は遊技盤ユニット80の背面に当接する上記受け部材121を有している。遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて移動させる場合には、遊技盤ユニット80が受け部材121に当たる。受け部材121はコイルバネ124によって遊技機前方に付勢されており、更には当該受け部材121に連動するロック部材125が解除位置に存在している。このため、受け部材121に当たった遊技盤ユニット80に対してコイルバネ124の付勢力及びピン部材128と解除側係合部127aとの係合力が遊技盤ユニット80の移動を妨げる抗力として作用することとなる。つまり、遊技盤ユニット80の勢いが第1ロック装置79によって低減される。
特に、同抗力が十分に大きく設定されており、過度に大きな操作力が加わった場合を除き遊技盤ユニット80を受け部材121に当接した位置で一旦停止させることが可能となっている。なお、本実施の形態においては第1ロック装置79が「減勢機構」に相当する。
遊技盤ユニット80の勢いが弱められた後は、再び遊技盤ユニット80を上記抗力に逆らうようにして装着完了位置に向けて押すことで、徐々に当該抗力が大きくなる。そして、上記ピン部材128が凸部127cの頂部を乗り越える瞬間に抗力が最大となり、頂部を乗り越えることで、ピン部材128とロック時用係合部127bとが係合することとなる。
ここで、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とは、遊技盤ユニット80と受け部材121とが当たって遊技盤ユニット80の勢いが弱められた後に接続を開始することとなる。つまり、遊技盤ユニット80が装着完了位置へ向けて押し込まれる等した場合には、その勢いを保ったまま遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが当たることが回避され、少なくとも装着完了位置へ向けた遊技盤ユニット80の勢いを弱めた状態でコネクタ同士の接続が開始される。これにより、コネクタ同士が勢いよく衝突するといった不都合を生じにくくしている。
また、第1ロック装置79は遊技機正面視にてコネクタ401,402,451,452を挟んだ上下に配置されている。このため、遊技盤ユニット80の動きを妨げるたとしても、遊技盤ユニット80の姿勢が変化することを抑制可能となっている。このため、遊技盤側コネクタ451,452が上下に傾く等して、コネクタの接続方向にずれが生じることを抑制することができる。故に、減勢機能を発揮させることに起因して、コネクタの接続が難しくなることを抑えることができる。
<接続解除時の負荷低減>
本実施の形態に示した第1ロック装置79については、遊技盤ユニット80の取り付け時だけでなく、遊技盤ユニット80の取り外し時にもコネクタの保護を発揮することができる。具体的には、遊技盤ユニット80を取り外す際には、第1ロック装置79をアンロック状態に切り替える必要がある。そして、第1ロック装置79の操作部129を操作して同第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えることにより、遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出されることとなる。これにより、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との接続が解除されることとなる。
このように、作業者が操作すべき箇所を特定しておくことで、遊技盤ユニット80が取り外される際の姿勢を安定させることができる。特に、第1ロック装置79の数は2つに限定されており、作業者が2つの第1ロック装置79を同時に操作できるように設定しているため、当該姿勢安定化機能を発揮させやくなっている。
ここで、アンロック状態への切替操作を行った場合の第1ロック装置79の動作及び当該動作にかかる構成について補足説明する。ロック状態への切替操作を行った場合には受け部材121と押え部材122とが遊技盤80aが挿入される隙間を維持しながら一定の位置関係を保ったまま動作する構成であったのに対して、アンロック状態への切替操作を行った場合には受け部材121と押え部材122とが上記隙間の広がりを許容すべく受け部材121の動作を遅延させる遅延構造が採用されている。
かかる遅延構造を採用することにより、第1ロック装置79の操作部129を素早く操作したとしても、当該操作に追従してロック部材125及び押え部材122は素早く動作するものの、受け部材121についてはコイルバネ124の付勢力によってアンロック状態へと復帰しようとする。つまり、遊技盤ユニット80は作業者が操作を行った際の操作力によって遊技機前方へ引っ張られるのではなく、コイルバネ124の付勢力によって遊技機前方へ押し出されることとなる。このため、遊技盤ユニット80が急に動き出すことが回避される。
内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との間に生じる負荷については、接続時のみならず分離時においても発生し得る。そこで、上述の如く、遊技盤ユニット80の動きを規制して、過度に素早い動きを回避することで、上記負荷が大きくなることを抑制することが可能となっている。
仮に、作業者が遊技盤ユニット80を把持して遊技機前方に引っ張ることでコネクタの接続を解除しようとした場合には、作業者が遊技盤ユニット80のどの位置を把持するかによって遊技盤ユニット80の姿勢が変化し、更にはどのくらいの力で遊技盤ユニット80を引っ張るかが不確定となる。これらの不確定要素は、コネクタに生じる負荷を低減する上での障害になり得る。
そこで、上述したように、遊技盤ユニット80の取り外し時の不確定要素を減らすことで、コネクタの保護機能を好適に発揮させることができる。
本実施の形態における遊技盤側コネクタ451,452及び内枠側コネクタ401,402には、それぞれ複数の配線が取り付けられている。これら各配線のうち遊技盤側コネクタ451に取り付けられた配線H1については主制御装置162に、遊技盤側コネクタ452に取り付けられた配線H2については音声ランプ制御装置143等にそれぞれ接続されている。また、内枠側コネクタ401に接続された配線H3については電源・発射制御装置243に接続され、配線H4については払出制御装置242等に接続されている。これにより、電源・発射制御装置243からの遊技盤ユニット80への電力の供給経路や、樹脂ベース70側と遊技盤ユニット80側との間での各種信号の伝達経路が確保されている。
遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが結合されることにより、上述した電気的経路がまとめて形成される点に鑑みれば、これら各コネクタ401,402,451,452には遊技盤ユニット80と内枠13とを電気的に接続する上で作業効率の向上を図るための機能が付与されているといえる。
特に、上述したように遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対する装着完了位置へと配置する場合に、同装着完了位置へ向けた遊技盤ユニット80の回動(移動)に伴って遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが自動的に結合され、遊技盤ユニット80の装着完了位置から取り外し側に向けた回動(移動)に伴って遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが分離される構成を採用している。これにより、遊技盤ユニット80の着脱時に同遊技盤ユニット80と遊技機本体側との電気的な接続/解除のための別途作業を行う必要がなく、遊技盤ユニット80の着脱を行う際の作業性の向上が実現されている。
しかしながら、上述したように遊技盤ユニット80の動きに応じて結合/分離されるタイプのコネクタ401,402,451,452を採用し、遊技盤ユニット80(詳しくは主制御装置162,音声ランプ制御装置143,表示制御装置620,図柄表示装置96等)に電力の供給を行う構成においては、電力の供給がなされている最中に突如として遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが分離されることで、遊技盤ユニット80に搭載された上記各種電気部品に誤作動や故障等といった不都合が生じやすくなると想定される。
ここで、本実施の形態においては、遊技盤ユニット80の着脱作業時の作業性の低下を抑えつつ、突然の電力供給の停止に起因して遊技盤ユニット80側の各種電気部品に上述したような不具合が発生することを回避するための工夫が施されている。以下、図4及び図22を参照して、当該工夫に掛かる構成について説明する。図22(a)は図4に示す第2ロック装置500の正面図、図22(b)は図22(a)のF−F線部分断面図である。
図4に示したように、樹脂ベース70における遊技盤収容部73の隅部(図の右上であって、遊技盤ユニット80の回動先端部寄りとなる部分)には、樹脂ベース70(詳しくは装着完了位置)からの遊技盤ユニット80の取り外しを阻止可能な第1ロック装置79が配設されている。
樹脂ベース70の前面部分において上側の第1ロック装置79の側方には、当該第1ロック装置79に隣接するようにして、第2ロック装置500が並設されている。第2ロック装置500は、第1ロック装置79と同様に樹脂ベース70に固定されており、同樹脂ベース70からの遊技盤ユニット80の取り外しを不可とするロック状態と、遊技盤ユニット80の取り外しを許容するアンロック状態とに切り替え可能となっている。
但し、上記第1ロック装置79については、遊技機本体に対する遊技盤ユニット80の着脱に際して作業者が操作部129を操作することで、手動操作によるロック状態/アンロック状態への切り替えが可能となっているのに対し、第2ロック装置500については、手動操作によるロック状態/アンロック状態への切り替えが実質的に不可となっている。
以下、図22を参照して、第2ロック装置500について詳しく説明する。
<第2ロック装置500>
図22に示すように、第2ロック装置500は、遊技盤ユニット80が内枠13の樹脂ベース70に取り付けられた状態にて遊技機前方への移動を妨げるように機能するストッパ片501と、当該ストッパ片501を保持するホルダ502とを有している。
ホルダ502は、ストッパ片501を前後及び左右から挟むようにして保持しており、当該ストッパ片501の上下方向へのスライド移動を許容している。つまり、ホルダ502によってストッパ片501の移動方向が規定されている。
ホルダ502における下端部には、ホルダの内外に貫通するようにして開放部503が形成されており、この開放部503を通じてストッパ片501の一部が遊技盤ユニット80(遊技盤収容部73)側に突出している。そして、この突出している部分が遊技盤80aの前面に遊技機前方から当接することで遊技盤ユニット80の遊技機前方への移動が阻止されている。
ホルダ502において、ストッパ片501が配設されている領域を挟んで遊技盤ユニット80とは反対側には、ストッパ片501を遊技盤80aに当接する突出位置(阻止位置)と、遊技盤80aとの当接が回避される退避位置(阻止解除位置)とに移動させる駆動部505(詳しくはソレノイド)が設けられている。これらストッパ片501,ホルダ502,駆動部505によって第2ロック装置500が構成されている。
駆動部505は、下方に突出するようにして設けられた出力軸507を有しており、その先端端部(詳しくは遊技盤ユニット80側の端部)には、上記ストッパ片501が固定されている。
駆動部505は、電源・発射制御装置243に電気的に接続されており、この電源・発射制御装置243がON状態となっている場合には当該電源・発射制御装置243から駆動部505に駆動用の電力が供給され、駆動部505が励磁状態となる。これにより、ストッパ片501が突出位置に移動し、遊技盤80aの前面に当接することとなる。一方、電源・発射制御装置243がOFF状態となっている場合には、電源・発射制御装置243から駆動部505への駆動用の電力の供給が停止され、駆動部505が非励磁状態となる。
ここで、第2ロック装置500には、ストッパ片501を退避位置へと付勢する付勢手段としてコイルバネ508が内蔵されており、電源・発射制御装置243からの電力の供給が停止して駆動部505が非励磁状態となると、バネ付勢力によりストッパ片501が退避位置へと変位し、当該退避位置にて保持されるようになっている。なお、コイルバネ508としては、圧縮コイルバネ、引張コイルバネ等、任意のバネ部材を用いることが可能である。
ちなみに、駆動部505が励磁されることで発生する押出力(ストッパ片501を下方に押し出す力)については、作業者がストッパ片501を指等で押し上げた際に発生し得る操作力よりも十分に大きく設定されているため、上述したように手動操作によるストッパ片501の切替えが実質的に不可能となっている。
ここで、図23を参照して、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対して着脱する際の第2ロック装置500の動作について説明する。図23は遊技盤ユニット80を着脱する際の作業の流れを示す概略図である。
図23(1)群に示すように、樹脂ベース70に対して遊技盤ユニット80が装着されている状態、すなわち上記内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452とが接続されている状態にて、電源・発射制御装置243がONとなっている場合には、第2ロック装置500の駆動部505が励磁され、ストッパ片501が突出位置にて待機したままとなっている。
ストッパ片501が遊技盤ユニット80に対して取り外し側から当接しているため、遊技盤ユニット80の装着完了位置からの移動が妨げられ、例えば遊技盤ユニット80の取り外しが不可となるように規制されたままとなる。
なお、第2ロック装置500がロック状態となっている状況下にて第1ロック装置79をロック状態からアンロック状態に切り替えようとした場合には、遊技盤ユニット80の遊技機前方への回動が第2ロック装置500によって妨げられているため、第1ロック装置79の切り替え操作が第2ロック装置500によって規制されることとなる。
因みに、図4に示したように、両ロック装置79,500を互いに隣接させて配置したのは、作業者が第2ロック装置500を操作しようとした場合に、視覚的にそれができない状況であることを示唆するという機能だけでなく、第1ロック装置79が無理に操作された場合であっても、遊技盤ユニット80が撓む等して強制的にアンロック状態に切り替えられてしまうことを回避する機能を付与するための工夫である。
樹脂ベース70から遊技盤ユニット80を取り外す場合には、先ず電源・発射制御装置243に設けられた電源スイッチ247をOFFに切り替える。これにより、パチンコ機10における各制御装置では、それぞれ終了用の処理が実行されることとなる。本実施の形態においては、電源スイッチ247が遊技機の背面側に設けられており、一方、遊技盤ユニット80は遊技機正面側から取り外す構成となっている。電源スイッチ247をOFFに切り替えた後に、遊技盤ユニット80の取り外しが試みられるタイミングでは、上記終了用の処理が完了するようになっている。
電源スイッチ247がOFFに切り替えられると、第2ロック装置500の駆動部505への電力の供給が停止することとなる。これにより、駆動部505が非励磁状態となり、コイルバネ508の付勢力によって出力軸507が駆動部505のケース内に収容される。この結果、ストッパ片501が当接位置から退避位置へと移り、第2ロック装置500のロック状態からアンロック状態への切り替えが完了することとなる(図23(2)群参照)。
このように、第2ロック装置500がアンロック状態となった場合には、遊技盤ユニット80の取り外しが第1ロック装置79によってのみ規制されている状態となっており、未だ装着完了位置に留まっている。
ここで、作業者が第1ロック装置79をロック状態からアンロック状態に切り替えると、図23(3)群に示すように、第1ロック装置79の受け部材121によって遊技盤ユニット80が遊技機前方へ押し出され、装着完了位置から外れる。これにより、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452とが分離され、内枠13側と遊技盤ユニット80側との電気的な接続が解除されることとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
遊技盤ユニット80の着脱に伴って遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402が結合/分離されることで、遊技盤ユニット80と内枠13との電気的な接続/解除が実現される。かかる構成においては、遊技盤ユニット80を内枠13(樹脂ベース70)における装着完了位置に配置した場合に、電気的な接続を実現するための別途接続作業が不要となり、更には遊技盤ユニット80を内枠13(樹脂ベース70)から取り外す際の別途接続解除作業が不要となる。これにより、メンテナンス作業等に際して遊技盤ユニット80を着脱する際の作業性の低下を抑えることができる。
特に、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対して遊技機前方から取り付ける構成においては、電気的な接続にかかる構成が遊技盤80aの背面側に集約されているため、遊技盤ユニット80の装着が完了した後に、コネクタ等の接続部品へアクセスすることが困難になる。この点、上述したようなコネクタ同士の自動接続機構を採用すれば、目視でコネクタ同士の位置関係を気にしながら遊技盤ユニット80の装着作業を行う必要がなく、作業の容易化に貢献することもできる。
しかしながら、このように利便性を追求すべくコネクタ同士の自動接続機構を採用した場合には、自動接続機構の一部として電力の供給線が含まれていることで、以下の不都合が生じ得る。すなわち、電源・発射制御装置243の電源スイッチ247がONとなっており、内枠側コネクタ401,402、遊技盤側コネクタ451,452が分離されることで電力の供給が突如として途切れる可能性がある。この場合、主制御装置162や表示制御装置620等の各種制御装置においては、各種制御処理を実行している最中に電力の供給が停止されることで、制御処理が上手く終了しなくなる可能性がある。これは、制御装置の破損や誤作動等の要因になるため好ましくない。また、図柄表示装置96(液晶表示装置)においては、電力の供給が急に途絶えることで、画像表示機能に障害が発生する可能性がある。
ここで、本実施の形態においては、電源・発射制御装置243がON(オン状態)になっている場合に遊技盤ユニット80の装着完了位置からの変位を阻止する阻止手段(取り外し規制手段)として第2ロック装置500が設けられている。第2ロック装置500によって電力供給中の遊技盤ユニット80の変位を不可とすることで、突如として遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが分離されることを回避することができる。故に、遊技盤ユニット80が有する主制御装置162等の各種電気部品を保護することができる。
仮に、第2ロック装置500をそのままに、第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えようとした場合であっても、第2ロック装置500のストッパ片501が遊技盤80aの前面に対して当接したまま維持されており、第1ロック装置79の受け部材121がコイルバネ124の付勢力によって遊技盤80aを遊技機正面側へ押し出そうとしても、そのような遊技盤80aの動きが妨げられることとなる。これにより、操作手順を理解していない作業者が電源スイッチをOFFに切り替えることなく第1ロック装置79をアンロック状態にきりかえようとしても、遊技盤80aが装着完了位置から変位することがなく、電源・発射制御装置243からの電力の供給が突然途切れることを回避することができる。
特に、第1ロック装置79と第2ロック装置500とは、横並びとなるようにして並設されており、作業者の目にとまりやすくなっている。これは、遊技者に、両ロック装置79,500がアンロック状態に切り変わらなければ遊技盤ユニット80を動かすことができないことを示唆するための工夫である。
なお、既に説明したように、本実施の形態における第1ロック装置79については、ロック解除時の操作部129の動きと受け部材121の動きとが完全にリンクしているわけではなく、操作部129を操作してロック状態からアンロック状態に切り替えた場合であっても、操作部129の動きに遅れるようにして受け部材121が動作することとなる。より具体的には、受け部材121による遊技盤80aの押し出しは主にコイルバネ126の付勢力に依存している。このため、操作部129に対して加えられた操作力が遊技盤80aを解して第2ロック装置500に伝達されることが回避され、第2ロック装置500が保護されている。
また、電源・発射制御装置243がOFF(オフ状態)になっていれば、双方のコネクタが接続状態にあっても、遊技盤ユニット80の装着完了位置からの変位(遊技盤ユニット80の取り外し)が第2ロック装置500により規制されることはなく、かかる状態下において遊技盤ユニット80の取り外しを制限無く実施できる。これにより、メンテナンス等を実施するための遊技盤ユニット80の取り外しを行う場合において、その作業性が良好なものとなる。
電源・発射制御装置243は、電源スイッチ247のオン/オフの切替操作によりオン状態とオフ状態とのいずれかになるものであるため、メンテナンス等に際して遊技盤ユニット80を取り外す必要があれば、作業者が電源スイッチ247をオン→オフに切替操作すればよい。これにより、遊技盤ユニット80を取り外し可能な状態に移行させることができる。また、遊技盤ユニット80を再装着した後には、電源スイッチ247をオフ→オンに切替操作することにより、遊技盤ユニット80を取り外し不可な状態に戻すことができる。
第2ロック装置500は、電源・発射制御装置243がオン状態である場合に、駆動部505の駆動によってストッパ片501が当接位置に移動し、遊技盤ユニット80の取り外し規制の状態を維持する一方、電源・発射制御装置243がオフ状態である場合に、コイルバネ508の付勢力によってストッパ片501が非当接位置に移動し、遊技盤ユニット80の取り外し規制の状態を解除する構成を有する。したがって、電源・発射制御装置243がオフ状態になっている場合(電源スイッチ247がオフになっている場合)において、電力の供給がなくても、遊技盤ユニット80を取り外し可能状態に移行させることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、パチンコ機10(詳しくは樹脂ベース70)から遊技盤ユニット80を取り外す場合には、先ずパチンコ機10の背面に設けられた電源・発射制御装置243の電源スイッチ247をOFFに切り替える必要がある構成とすることにより、遊技盤ユニット80側に設けられた各種制御装置等の電気部品への電力の供給が突如として遮断されることを回避してそれら電気部品を保護する構成とした。しかしながら、第1の実施の形態に示す構成においては、例えば遊技盤ユニット80の背後で球詰まりが発生した場合等、少しだけ遊技盤ユニット80を動かしたい場合であっても、わざわざ遊技機主部12を開放し、事前に電源スイッチ247をOFFに切り替える必要があった。つまり、上述したような作業が行われる機会は、必ずしも遊技ホールの営業終了後に生じるとは限らず、営業中(遊技中)に生じる可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、遊技機背面にある電源スイッチ247をOFFに切り替えることなく、遊技盤ユニット80を取り外したとしても、上記電気部品を保護可能とする構成を採用することにより、遊技盤ユニット80を取り外す際の作業性の向上と利便性の向上との両立を図っている。
以下、図24を参照して、本実施の形態における特徴的な構成を第1の実施の形態との違いを中心に説明する。図24は第2の実施の形態における第2ロック装置500B及びそれに付随する構成を示す概略図である。
図24に示すように、本実施の形態における第2ロック装置500Bのストッパ片501Bについては、その形状が第1の実施の形態と一部相違している。具体的には、ストッパ片501Bにおいて遊技盤80a側とは反対を向いている部分(遊技機正面側を向いている部分)には、遊技機前方に凸となる操作つまみ511Bが形成されている。第2ロック装置500Bを構成するホルダ502には、操作つまみ511Bとの干渉を回避するようにして、切欠き部512Bが形成されており、この切欠き部512Bを通じた操作つまみ511Bへのアクセスが許容されている。
既に説明したように、上記第1の実施の形態においては、駆動部505に発生する押出力(ストッパ片501を下方に押し出す力)が大きく設定され、当接位置(ロック位置)に待機しているストッパ片501を作業者が指等で退避位置(アンロック位置)へ動かすことが実質的に不可能となっていた。本実施の形態における駆動部505Bについては見かけ上の差はないものの駆動部505Bに発生する押出力が第1の実施の形態のそれよりも小さく抑えられており、当接位置(ロック位置)に待機しているストッパ片501Bを、駆動部505Bの押出力に抗して、作業者が指等で退避位置(アンロック位置)へと動かすこと(手動操作)が実質的に許容されている。
また、ストッパ片501Bにおいて正面側を向いている部分には、遊技盤80aの背面部分が遊技機前方から当たることで、突出位置から退避位置へと誘導されるようにして誘導傾斜面513Bが形成されている。このため、仮にストッパ片501が突出位置に存在している状態にて遊技盤ユニット80を開位置から閉位置(装着完了位置)へと配置しようとした場合には、遊技盤80aが誘導傾斜面513Bに当たり、遊技盤ユニット80の装着完了位置への変位に伴ってストッパ片501Bが駆動部505Bによる押出力に抗して退避位置へ移動することとなる。つまり、遊技盤ユニット80については、電源・発射制御装置243がON/OFFの何れの状態であっても、装着完了位置へ向けた変位が許容されている。
樹脂ベース70には、第2ロック装置500Bのストッパ片501Bが退避位置へ到達したことを検知する位置検知センサ520が設けられている。位置検知センサ520は、電源・発射制御装置243に対して電気的に接続されており、当該位置検知センサ520からの検知情報は、電源・発射制御装置243から上記内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452を通じて主制御装置162に入力されることとなる。なお、位置検知センサ520の検知情報が、直接主制御装置162に入力される構成であってもよい。
主制御装置162(詳しくは後述する電源監視基板605)では、位置検知センサ520からの検知情報に基づいて、第2ロック装置500Bのストッパ片501Bが退避位置へ到達したか否かを判定する。
ここで、図25を参照して、本実施の形態における遊技盤ユニット80の着脱作業の様子について説明する。
電源・発射制御装置243がONになっている場合には、図25(1)群に示すように、第2ロック装置500Bが励磁状態となっており、ストッパ片501Bによって遊技盤ユニット80の遊技機前方への変位が妨げられた状態となっている。ここで、図25(b1)→図25(b2)に示すように、操作つまみ511Bを遊技機上方へ押し上げることにより、電源・発射制御装置243がONとなっている状況下であって駆動部505Bにて発生する押出力に抗してストッパ片501Bが退避位置へと移動することとなる。
図25(2)群に示すように、ストッパ片501Bが退避位置に到達すると、上記位置検知センサ520からその旨を示す検知情報が出力され、当該検知情報に基づいて、電源・発射制御装置243から第2ロック装置500Bへの動作電力の供給が所定期間(例えば30sec)に亘って停止される。
第2ロック装置500Bには、ストッパ片501Bを退避位置へと付勢する付勢手段としてコイルバネ508Bが内蔵されており、電源・発射制御装置243からの電力の供給が停止して駆動部505Bが非励磁状態となることで、ストッパ片501Bが退避位置へと変位し、当該退避位置にて保持されることとなる。つまり、第2ロック装置500Bによって樹脂ベース70からの遊技盤ユニット80の取り外しが規制されている状態から、遊技盤ユニット80の取り外しが許容された状態となる。
第2ロック装置500Bの切替操作が完了し、ストッパ片501Bが退避位置にて保持されている状態となった後は、第1ロック装置79(図4等参照)をロック状態からアンロック状態に切り替えることにより、遊技盤ユニット80が第1ロック装置79の受け部材121(図21等参照)によって遊技機前方へ押し出されることとなる。これにより、図25(3)群に示すように遊技盤ユニット80が装着完了位置から外れる。
第1の実施の形態にて既に説明したように、第1ロック装置79をロック状態からアンロック状態に切り替えた場合には、遊技盤ユニット80が開方向へ変位することで、遊技盤側コネクタ451,452と内枠側コネクタ401,402とが分離され、遊技機本体と遊技盤ユニット80との電気的な接続が解除されることとなる。この場合、電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80への電力の供給が突如として停止することが懸念される。
本実施の形態では、遊技盤ユニット80の変位に伴って同遊技盤ユニット80への電力供給が停止(以下「電断」ともいう)した場合において、遊技盤ユニット80に搭載された各種電気部品(例えば制御装置)に誤作動や破損等の不都合が生じることを回避し、それら電気部品を保護するべく、上記構成の第2ロック装置500Bを用いた工夫が施されている。以下、先ず図26を参照して、本実施の形態における電気的構成について説明し、その後、上記工夫について説明する。図26は、本実施の形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤ユニット80側に搭載された主制御装置162には、主制御基板601が設けられている。主制御基板601にはMPU602が搭載されており、MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた電源監視基板605、払出制御装置242、各種検知センサなどが接続されている。この場合に、電源監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には電源監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口81用の検知センサ、下作動口用の検知センサ、右作動口用の検知センサ、下側可変入賞装置用の検知センサ、右側可変入賞装置用の検知センサ、スルーゲート用の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下作動口84及び右作動口85への入賞に基づいて大当たり等の発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、電源監視基板605、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82,83への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口84への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口85への入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリアが参照される。
また、MPU602の出力側には、右作動口85に付随した電動役物91を駆動させる駆動部、下側可変入賞装置82の開閉扉82bを駆動させる可変入賞駆動部82c、右側可変入賞装置83の開閉扉83bを駆動させる可変入賞駆動部、主表示ユニット87の保留数用表示部や各種入球部用表示部等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82,83が開閉されるように、MPU602において可変入賞装置82,83における可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、右作動口85の電動役物91の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物用駆動部の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット87の主表示部Dにおける下作動口用表示部又は右作動口用表示部の表示制御が実行される。
さらに、MPU602の出力側には、外部端子板が接続されている。外部端子板には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
電源監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源・発射制御装置243には、内枠13の樹脂ベース70に取り付けられた前扉用開放検知センサ525が接続されている。電源・発射制御装置243は、前扉用開放検知センサ525から入力された検知情報を、内枠側コネクタ401及び遊技盤側コネクタ451を通じて主制御装置162へと出力する。
電源・発射制御装置243の電源・発射制御基板631には、アンロック状態維持部632が設けられている。アンロック状態維持部632は、電源スイッチ247がONとなっている状況下にて、位置検知センサ520から所定の検知情報、すなわち第2ロック装置500Bのストッパ片501Bが退避位置に到達したことに対応する検知情報が入力されることで、第2ロック装置500Bへの駆動電力の供給を所定期間に亘って停止する。これにより、第2ロック装置500Bのストッパ片501Bが一時的に退避位置にて保持される。そして、所定期間が経過した後は再び第2ロック装置500Bへの電力の供給が開始されることで、ストッパ片501Bが突出位置へと復帰することとなる。
既に説明したように、電源・発射制御装置243と遊技盤ユニット80とは遊技盤側コネクタ451,452と、内枠側コネクタ401,402とによって電気的に接続されている。上記位置検知センサ520からの検知情報は、電源・発射制御装置243→内枠側コネクタ401,402→遊技盤側コネクタ451,452を通じて、主制御装置162の基板ボックス163に主制御基板601とともに収容されている電源監視基板605に入力されることとなる。
主制御装置162にて後述するコネクタ分離時電断用の処理が実行された場合には、両コネクタ401,451を通じて電源・発射制御装置243からの電力の供給が再開された状況下にて、前扉用開放検知センサ525からの検知情報に基づいて前扉枠14が閉位置に配置されたことが主制御装置162(詳しくは電源監視基板605)にて確認された場合に、電源監視基板605から各種処理の復帰コマンドが主制御基板601のMPU602に出力され、MPU602においては当該復帰コマンドを受信したことにもとづいて、後述する通常処理やタイマ割込み処理等の各種処理を再開する。
なお、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、遊技盤ユニット80を装着完了位置から動かす場合に前に前扉枠14を開放させる必要があり、遊技盤ユニット80が装着完了位置に上手く配置されていない場合(装着完了位置の手前で止まっている場合等)には前扉枠14を閉じることが出来ないように構成されている。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部24〜26やスピーカ部27を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。
表示制御装置620はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM623、そのROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。
MPU622では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット88(詳しくは液晶表示装置としての図柄表示装置96)の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置96の表示内容について説明する。図柄表示装置96の表示画面96aには、上・中・下の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「0」〜「9」の10種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「0」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、11個の主図柄が配されて22個の図柄により構成されている。そして、表示画面96aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(左方)にスクロールするように変動表示される。また、表示画面96aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面96aには、5つの有効ライン、すなわち左ライン、中ライン、右ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態、又はいずれかの有効ラインに同一の数字が付された上図柄及び下図柄と「0」が付された中図柄との組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、後述する大当たり結果の発生として所定の動画等が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置96における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
<各種カウンタについて>
次に、図27を参照して上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。図27は当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち各種発光部DU,DL,DS,DHにおける発光態様の設定)、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置96にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部DL,DUび図柄表示装置96における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口84の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604には、下作動口用保留エリアRaと、右作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア604bが設けられている。そして、この保留球格納エリア604bに、下作動口84又は右作動口85への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置82,83の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の右作動口85の電動役物91におけるサポートモード、という3つの条件に差違が設定されている。これにより、大別して8つの大当たりが設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。
右作動口85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右作動口85の電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選(サポート抽選)における電役開放状態当選(サポート当選)となる確率が異なっている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては低頻度サポートモードよりもサポート抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、本実施の形態においては、高頻度サポートモード中にスルーゲート86への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は100%となっており、低頻度サポートモード中にスルーゲート86への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は20%となっている。
また、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードにおいては、サポート抽選に当選した場合に電動役物91が開放状態となる回数が同じ(詳しくは3回)となるように設定されている一方、1回当たりの開放時間に差が設定されている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が5secとなるように設定されているのに対して低頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が0.15secとなるように設定されている。
更には、高頻度サポートモードでは1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が2secであるのに対して、低頻度サポートモードでは同確保時間が12secとなるよう差が設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右作動口85よりも下作動口84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口84よりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えばサポート抽選に当選した場合の開放回数に差を設定してもよい。さらには、開放回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
再び図26の説明に戻り、既に説明したように主制御装置162にはハーネスを介して音声ランプ制御装置143が接続されている。音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部24〜26やスピーカ部27等を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。
音声ランプ制御装置143はMPU612が搭載された音声ランプ制御基板611を有してなり、MPU612には各種制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種データを一時的に記憶するためのメモリであるRAM614が内蔵されている。
MPU612には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU612の出力側には、上記ランプ部24〜26やスピーカ部27、可変表示ユニット88用の発光基板や上述した表示制御装置620等が接続されている。
MPU612では主制御装置162から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット88の表示制御を実行する。具体的には、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の詳細を決定し、その内容をコマンドとして表示制御装置620に出力する。
音声ランプ制御装置143は、電源・発射制御装置243に対して内枠側コネクタ402及び遊技盤側コネクタ452を通じて電気的に接続されており、電源・発射制御装置243から主制御装置162(電源監視基板605)を経由することなく電源の供給がなされる構成となっている。つまり、電源・発射制御装置243がONとなっている状態にて、遊技盤側コネクタ452と内枠側コネクタ402とが接続されている状態では電源・発射制御装置243から音声ランプ制御装置143に電力が供給可能となり、遊技盤側コネクタ452と内枠側コネクタ402とが接続されている状態では電源・発射制御装置243から音声ランプ制御装置143への電力の供給が不可となるように構成されている。
表示制御装置620はMPU612が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM623、そのROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。
表示制御装置620のMPU622では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット88(詳しくは図柄表示装置96)の表示制御を実行する。具体的には、音声ランプ制御装置143にて最終決定された変動表示の内容及び停止表示する図柄の組み合わせの種類に合わせて遊技回毎に変動表示を行う。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ等の読み込み処理を実行する。具体的には、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検知情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にてスルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて作動口84,85への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104のスルー用の入賞処理では、ステップS101にて保存した検知情報に基づいて遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、役物保留記憶数が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
遊技球がスルーゲート86に入賞し、且つ役物保留記憶数<4であることを条件に役物保留記憶数を1インクリメントする。そして、上記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM604の電役保留エリア604cの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。そして、保留記憶数と対応する保留数用表示部DHを点灯させた後、本入賞処理を終了する。
一方、スルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又は役物保留記憶数の値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
ステップS105の作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が下作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口84用の検知センサの検知状態、詳しくはステップS101にて保存した検知情報により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて下作動口用の保留ランプ部98の点灯処理を実行する。具体的には、保留ランプ部98において左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が右作動口85に入賞していないと判定した場合には、遊技球が右作動口85に入賞(始動入賞)したか否かを右作動口85用の検知センサの検知状態、詳しくはステップS101にて保存した検知情報により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定した場合には、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、右作動口85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、右作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該右作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、右作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて右作動口用の保留ランプ部99の点灯処理を実行する。具体的には、保留ランプ部99において左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、下作動口84及び右作動口85のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて払出制御装置242に対して送信される。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図29のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87(主表示部D)における作動口用表示部DU,DLなどの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、右作動口85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87(主表示部D)におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM604にコネクタ分離時電断用フラグがセットされているか否かを判定する。コネクタ分離時電断用フラグは、電源監視基板605において遊技盤側コネクタ451,452及び内枠側コネクタ401,40が分離され得る状況すなわち、電源・発射制御装置243からの電力の供給が停止され得る状況となった場合に主制御基板601のMPU602にてセットされるフラグである。
より詳しくは、電源監視基板605では、上記位置検知センサ520からの検知信号(実際には電源・発射制御装置243を経由して入力されるセンサ検知信号)に基づいて遊技盤ユニット80と内枠13との電気的な接続(電力供給)が停止され得る状況となったか否か、すなわち第2ロック装置500Bのストッパ片501Bが退避位置に変位したか否かを監視しており、当該状況となったと判定した場合に電断判定情報をMPU602に送信する。そして、MPU602では、電断判定情報に基づいてコネクタ分離時電断用フラグをセットする。なお、このコネクタ分離時電断用フラグは次回のメイン処理にて消去される。
コネクタ分離時電断用フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、コネクタ分離時電断用フラグがセットされていると判定した場合は、電力の供給が停止し得る状態となっているため、ステップS211以降の電断処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。この際、ステップS212での各種データの保持には、電源・発射制御装置243から都度供給される電力ではなく、電源監視基板605に設けられた電断時用電源部605a(詳しくは大容量コンデンサ)に蓄えられた電力が使用されることとなる。つまり、ステップS212では、バックアップ用のメモリ(例えば、電断時用電源部605aにより電源バックアップされているRAM)に各種遊技データが書き込まれる。
なお、電断時用電源部605aについては、電源・発射制御装置243がONとなっている状況下にて、両コネクタ401,451が接続されている場合に電源・発射制御装置243から主制御装置162に供給される電力によって充電される。また、その容量については、所定期間(例えば1日)に亘って上記各種データを保持可能となるように設定されている。
ステップS207にて、コネクタ分離時電断用フラグがセットされていると判定した場合に、その旨の信号が電源・発射制御装置243に出力され、電源・発射制御装置243では、第2ロック装置500Bへの電力供給を停止するとよい。これにより、第2ロック装置500Bが非規制状態のまま維持されることとなり、遊技盤ユニット80を取り外す際に第2ロック装置500Bが作業の邪魔になることを抑制することができる。
<表示制御装置620による電断処理>
本実施の形態では、主制御装置162だけでなく、表示制御装置620においてもコネクタ分離時の電断処理が実施されるようになっており、かかる処理について図30を用いて説明する。図30は、表示制御装置620のMPU622により実行される表示制御処理を示すフローチャートであり、本処理は例えば所定の時間周期で繰り返し実行される。
図30において、まずステップS301では、主制御装置162からコネクタ分離時電断用コマンドが送信されているか否かを判定する。コネクタ分離時電断用コマンドは、電源監視基板605において遊技盤側コネクタ451,452及び内枠側コネクタ401,40が分離され得る状況すなわち、電源・発射制御装置243からの電力の供給が停止され得る状況となった場合に主制御装置162から送信されるコマンドであり、より具体的には、図29のステップS207がYESとなった場合に送信されるコマンドである。
コネクタ分離時電断用コマンドが送信されていない場合は、ステップS302〜S310にて通常時の制御処理を実行する。通常時の制御処理を簡単に説明すると、ステップS302では、変動用コマンドを受信しているか否かを判定し、変動用コマンドを受信していれば、ステップS303にて変動開始用処理を実行する。変動開始用処理では、表示継続期間の情報を読み出し、リーチ発生の有無の把握、大当たり結果の有無の把握、大当たり結果の情報が含まれている場合においてその大当たり結果の種別の把握、遊技回用演出態様の設定などに関する処理を実行する。これにより、今回の遊技回における図柄の変動表示が図柄表示装置96にて開始される。
また、ステップS304では、1遊技回の実行中であるか否かを判定し、1遊技回の実行中であれば、ステップS305にて変動中用処理を実行する。変動中用処理では、都度の描画指示の要求に応じて適宜の描画処理を実行する。
また、ステップS306では、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定し、オープニングコマンドを受信していれば、ステップS307にてオープニング設定処理を実行する。当該設定処理では、オープニング演出用の描画指示タイミングにおいてそのタイミングに対応した描画リストの情報を出力し、図柄表示装置96にオープニング演出の画像を表示させる。
また、ステップS308では、デモ画像(開始待ち演出の画像)の開始タイミングであるか否かを判定し、デモ画像の開始タイミングであれば、ステップS309にて、デモ画像用処理を実行する。デモ画像用処理では、デモ画像用の描画指示タイミングにおいてそのタイミングに対応した描画リストの情報を出力し、図柄表示装置96にデモ画像を動画として表示させる。
その後、ステップS310では、その他の処理を実行する。その他の処理では、例えば各ラウンド演出やエンディング演出についての描画指示タイミングであるか否かを判定し、描画指示タイミングである場合に、当該描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を出力する。その他の処理を実行した後、本表示制御処理を終了する。
一方、コネクタ分離時電断用コマンドが送信されている場合は、ステップS311に進み、コネクタ分離時の電断処理を実行する。この電断処理では、コネクタ分離に関する報知のメッセージを情報を図柄表示装置96に表示させる。具体的には、「コネクタ分離のための準備作業をしております。」等のメッセージを表示したり、実際のコネクタ分離作業(ユニット取り外し作業)を遅延させる場合に「しばらくそのまま待ってください。」等のメッセージを表示させたりする。
かかる電断処理では、その他、各種データ情報(RAM値)をバックアップ領域に保存する処理や、図柄表示装置96においてメッセージを所定時間表示させた後に、その図柄表示装置96の電源をオフする処理等が実施される。なお、各種データ情報(RAM値)をバックアップ領域に保存することを想定すると、表示制御装置620に、コンデンサ等からなる電断時用電源部が設けられているとよい。
以上詳述した第2の実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
樹脂ベース70側及び遊技盤ユニット80側の双方のコネクタ(401,402,451,452)が、本パチンコ機10にとって前触れ無くいきなり接続解除(分離)されるのではなく、第2ロック装置500Bについて所定操作(ストッパ片501Bを退避位置に移動させる操作)が行われることを経由して接続解除されるようにした。つまり、所定操作が行われることで両コネクタの接続が解除され得る状況となり、その状況下で、遊技盤ユニット80の取り外しに伴い実際に両コネクタの接続解除が行われるようにした。この場合、主制御装置162において前記所定操作の有無を判定するようにしたため、メンテナンス作業等に際し、パチンコ機10への電源供給をオンしたまま遊技盤ユニット80を装着完了位置から変位させる場合(例えば少しだけ位置をずらしたり支持対象から取り外したりする場合)に、双方のコネクタ同士の接続が解除され得る状況となったことを、実際の接続解除前(装着完了位置からの遊技盤ユニット80の変位前)に判定することができる。そして、その接続解除前に、主制御装置162や表示制御装置620等において所定の電断処理を実行することができる。
この場合、電断処理として、実行中の制御の終了処理や各種情報の保存用処理が実行されるようになっており、その電断処理の実行により、各種遊技データの損失や、各機器の誤作動、破損等の不都合を抑制できる。これにより、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因を排除できる。
また、第2ロック装置500Bのロック状態からアンロック状態への切替操作を所定操作として検出する構成としている。この場合、実際の遊技盤ユニット80の取り外し時には、作業者が第2ロック装置500Bについてアンロック操作をし、その後に遊技盤ユニット80の取り外し作業を開始することを考えると、アンロック操作から次のユニット取り外しに移行する時間が、各制御装置で電断処理が実行される時間として利用できることとなる。したがって、同電断処理を実行する期間を確保することができる。
第2ロック装置500Bは、電源・発射制御装置243のオン状態では、駆動部505Bによりロック状態となり、かつ当該ロック状態からアンロック状態への手動による切替操作が可能となっており、一方で、電源・発射制御装置243のオフ状態では、コイルバネ508Bによりアンロック状態となるものである。そのため、遊技盤ユニット80側に電力供給がなされている状態下では、基本的には遊技盤ユニット80の取り外しが制限されつつも、作業者(ホール従業員等)によりアンロック切替操作が行われることで遊技盤ユニット80の取り外しが可能となっている。アンロック切替操作が行われた場合には、それに付随して電断処理が実行されるのは既述のとおりである。
また、電源・発射制御装置243のオフ状態では、第2ロック装置500Bがアンロック状態になっていることで、遊技盤ユニット80の取り外しを制限無く実施できる。
電断処理として、各制御装置162,620が有する電断時情報(遊技データ等)をバックアップ用のメモリに記憶する記憶処理(図29のステップS212)を実行するようにした。この場合、遊技盤ユニット80の取り外しが行われる場合には、その前に、電断時情報がバックアップ用のメモリに記憶されることとなる。これにより、遊技盤ユニット80が再装着されて(すなわち両コネクタが再接続されて)各制御装置の通常動作が再開される場合に、バックアップ用のメモリに記憶されている電断時情報を用いることで通常動作への復帰を適正に実施できる。
また、遊技盤ユニット80には、電断状態において各制御装置に電力を供給する電断時用電力供給手段としての電断時用電源部605aが設けられているため、両コネクタの分離に伴い電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側への電力供給が遮断されても、各制御装置において好適に電断処理を実施できる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対する装着完了位置から取り外し側に変位させる場合に、各コネクタ(コネクタ401&451、402&452)の接続状態を維持したまま遊技盤ユニット80の変位が可能となる構成としている。そしてそれにより、遊技盤ユニット80を取り外しのために変位させる場合に、意図せずコネクタ接続部における電気的な接続が解除されてしまうという不都合を抑制することとしている。
なお本実施の形態では、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し側に変位させても各コネクタ(コネクタ401&451、402&452)の接続状態を維持でき、コネクタ接続部の電気的な接続が突如として解除されることはない。そのため、上記第2の実施の形態で説明した、各制御装置(主制御装置162、表示制御装置320)での電断処理は不要となっている。
図31は、本実施の形態におけるコネクタ接続部における構成を示す図であり、(a)はコネクタ接続部の横断面、(b)はコネクタ接続部の縦断面を示している。なお、2つのコネクタ接続部(コネクタ401&451、402&452)はそれぞれ同様の構成を有しているため、図31には、第1内枠側コネクタ401及び第1遊技盤側コネクタ451の接続部について示しており(後述の図32も同様)、ここではコネクタ401&451について構成及び作用の説明を行うこととしている。
図31に示す構成では、既述した構成との相違点として、コネクタ用基板411が取り付けられている基板取付ベース415に、その基板取付ベース415に対するコネクタ用基板411の取付状態を保持及び解除することができるストッパ装置701を設けている。具体的には、ストッパ装置701は、基板取付ベース415の遊技盤80a側においてコネクタ用基板411の側方に設けられており、ストッパ片702をコネクタ用基板411に係合させることで、基板取付ベース415に対してコネクタ用基板411が取り付けられた状態を保持する一方(図示の状態)、ストッパ片702の係合を解除することで、基板取付ベース415に対してコネクタ用基板411を取り外せるようにしている。
これにより、ストッパ装置701においてストッパ片702のコネクタ用基板411に対する係合が解除されれば、第1内枠側コネクタ401は基板取付ベース415(樹脂ベース70)に対して変位できることとなる。したがって、両コネクタ401&451が接続状態にある場合に、遊技盤ユニット80が取り外し側に変位すると、遊技盤ユニット80に追従して、その変位方向に第1内枠側コネクタ401が変位することとなる。要するに、本実施の形態では、第1内枠側コネクタ401が可動コネクタとなっている(第2内枠側コネクタ402も同様)。
ストッパ装置701は、ストッパ片702を係合位置と非係合位置とで移動させる(図の左右方向に移動させる)ための駆動部を有しており、その駆動部は電源・発射制御装置243からの駆動信号に基づいて駆動される。また、ストッパ装置701には、ストッパ片702を図示の係合位置に保持するべく付勢する付勢手段(バネ等)が設けられている。そのため、ストッパ装置701のオフ時(駆動部の非通電時)にはストッパ片702が係合位置に保持され、ストッパ装置701のオン時(駆動部の通電時)にはストッパ片702が非係合位置に移動するようになっている。
基板取付ベース415には開口部415aが設けられており、コネクタ用基板411の裏面側から延びる配線H3は、開口部415aを挿通させて設けられている。配線H3は、一端がコネクタ用基板411、他端が制御装置(ここでは電源・発射制御装置243)に各々接続されるものであり、この配線H3が電源・発射制御装置243からの供給電力が流れる電力供給経路となっている。
ここで、配線H3は、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対する装着完了位置から取り外し側に変位させた場合に、第1内枠側コネクタ401と第1遊技盤側コネクタ451とを接続状態のまま維持できるようにするべく、それに必要な十分な長さ(第1内枠側コネクタ401の変位を想定した余長分)を有しており、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に装着した状態を考えると、電気配線が余剰となる。そのため、基板取付ベース415には、配線H3を巻き取るための配線巻取り装置705が設けられている。配線巻取り装置705は、配線H3を巻き取るための巻取り軸706と、この巻取り軸706に設けられ、配線H3を巻き取り側に付勢する付勢手段としてのバネ装置(図示略)とを備えている。具体的には、バネ装置は例えばゼンマイバネを有するものであり、そのゼンマイバネの一端に、巻回状態の配線H3が接続されている。したがって、遊技盤ユニット80の取り外し時には、ゼンマイバネの引張力に抗して配線H3が引き出され、遊技盤ユニット80の装着時には、その引張力により配線H3が再び巻き取られる。
なお、バネ装置の巻取りバネ力は、両コネクタ401,451が結合された状態で、その結合状態を解除する力(一方のコネクタを接続解除方向に引っ張ることで他方のコネクタから引き離す力)よりも小さい力となっている。これにより、第1遊技盤側コネクタ451を第1内枠側コネクタ401から引き離すべく同コネクタ451を引っ張った場合に、両コネクタ401,451の接続状態が維持されたまま、配線H3が配線巻取り装置705から引き出されるようになっている。
次に、遊技盤ユニット80(遊技盤80a)を樹脂ベース70に対する装着完了位置から取り外し側に変位させる場合におけるコネクタ接続状態について、図32を用いて説明する。なお、図32において(a1)、(a2)は、ストッパ装置701を非駆動状態にしたまま(すなわちストッパ片702を係合状態にしたまま)遊技盤ユニット80を取り外す場合を示し、(b1)、(b2)は、ストッパ装置701を駆動状態にして(すなわちストッパ片702を非係合状態に操作して)遊技盤ユニット80を取り外す場合を示している。
ここで、本パチンコ機に対して外部電源が供給されていない場合(電源スイッチ247=オフの場合)には、電源・発射制御装置243からストッパ装置701に駆動信号が送信されておらず、ストッパ装置701は図32(a1)、(a2)に示す状態となっている。この(a1)、(a2)の状態では、ストッパ片702によって基板取付ベース415に対するコネクタ用基板411の分離が規制されているため、すなわち第1内枠側コネクタ401が変位非許可状態となっているため、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し側に変位させると、第1内枠側コネクタ401が不動のまま、第1遊技盤側コネクタ451が第1内枠側コネクタ401から外れる。つまり、遊技盤ユニット80の変位に伴い直ちに両コネクタ401,451の接続が解除される。この場合、本パチンコ機に対する電源供給自体がオフされている状態なので、両コネクタ401,451の接続がいきなり解除されても問題は生じない。
一方、本パチンコ機に対して外部電源が供給されている場合(電源スイッチ247=オンの場合)には、電源・発射制御装置243からストッパ装置701に駆動信号が送信されており、ストッパ装置701は図32(b1)、(b2)に示す状態となっている。この(b1)、(b2)の状態では、基板取付ベース415に対するコネクタ用基板411の分離規制が解除されているため、すなわち第1内枠側コネクタ401が変位許可状態となっているため、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し側に変位させると、両コネクタ401,451の接続状態が維持されたまま、遊技盤ユニット80と一緒に両コネクタ401,451が変位する。つまり、第1内枠側コネクタ401からすると、この第1内枠側コネクタ401が、遊技盤ユニット80の変位に追従させて変位する。この場合、両コネクタ401,451の接続が解除されないため、遊技盤ユニット80の取り外し時のコネクタ遮断に起因する問題は生じない。
以上詳述した第3の実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側に電力が供給されている場合において、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し側に変位させる際に、ストッパ装置701により両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)を接続状態のまま維持するようにしたため、その遊技盤ユニット80の取り外し側への変位に伴い突如として電力の供給が停止されることを抑制できる。
また、遊技盤ユニット80側への電力供給が停止される場合に、その電力供給の停止に対応すべく例えば電気部品(制御装置)にて開始処理や終了処理等を行う構成を想定すると、このような処理が遊技の円滑な進行を妨げる要因となり得る。この点、コネクタ接続を維持したまま遊技盤ユニット80を変位させることが可能となれば、そのような不都合を生じにくくすることができる。
ストッパ装置701は、電源・発射制御装置243がオン状態になっている場合に、内枠側コネクタ401,402(可動コネクタ)を変位許可状態とし、電源・発射制御装置243がオフ状態になっている場合に、内枠側コネクタ401,402を変位非許可状態とするものである。そのため、電源オン状態では、遊技盤ユニット80の取り外しに際して、両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)を接続状態のまま維持することができ、電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側への電力供給を継続できる。また、電源オフ状態では、遊技盤ユニット80の取り外し時には両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)が互いに分離されることとなる。こうしてコネクタ分離の状況も想定していることから、遊技盤ユニット80のメンテナンス等に際して、同ユニットの取り外し作業性が低下することが回避される。
可変コネクタ(内枠側コネクタ401,402)が設けられる樹脂ベース70側に、配線H3の余長分を巻き取る配線巻取り装置705を設けたため、遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて変位させる場合(装着完了位置に復帰させる場合)において配線H3に生じる弛みが軽減される。したがって、配線H3の弛み(余り)に起因して配線H3が遊技盤ユニット80と樹脂ベース70との間に挟まる等の不都合の発生を抑えることができる。
樹脂ベース70に設けられた第1ロック装置79によれば、遊技盤ユニット80が装着完了位置に配置される場合にその移動途中の遊技盤ユニット80を減勢させることができる(遊技盤ユニット80の移動の勢いを、受け部材121及びコイルバネ124により減衰させることができる)。この場合、装着完了位置に向けた遊技盤ユニット80の移動速度を軽減することで、遊技盤ユニット80(可動コネクタ)の移動速度と、配線H3の巻取り速度との差を小さくし、上記弛みの発生を好適に抑えることができる。
本パチンコ機10は、遊技盤ユニット80の遊技盤80aの背後に案内通路を有し、案内通路から流出した遊技球が内枠13の背面側に設けられた回収通路で回収される構成となっており、かかる構成を考えると、遊技中において、それら各通路や、両通路の間にて球詰まりが発生する可能性がある。この点、本実施の形態の構成では、上記のとおりコネクタ接続を維持したまま遊技盤ユニット80を変位させることができるため、球詰まりの確認作業や解消作業等を行う上で作業の簡易化を実現できる。また、これらの作業を行うにあたり、パチンコ機10の背面を晒すことも無い。パチンコ機の背面には制御装置等の利益にかかる構成が配置されているので、このような構成が遊技者等の目にとまる機会を減らすことで、防犯機能を好適に向上させることができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、第3の実施の形態における構成(図31の構成)の一部を変更しており、図33は、本実施の形態におけるコネクタ接続部における構成を示す図である。図33では、図31と共通の構成については同じ符号を付しており、以下、図31との相違点を説明する。図33には示されていないが、本実施の形態では、第3の実施の形態と同様、図31(a)に示されているストッパ装置701を備えている。
なお、2つのコネクタ接続部(コネクタ401&451、402&452)はそれぞれ同様の構成を有しているため、図33には、第1内枠側コネクタ401及び第1遊技盤側コネクタ451の接続部について示しており(後述の図34も同様)、ここではコネクタ401&451について構成及び作用の説明を行うこととしている。
図33に示すように、遊技盤80aの背面側には、その遊技盤背面と基板取付ベース415との間の隙間部分に台座461(第1遊技盤側コネクタ451用の台座)に並べて結合装置711が設けられている。この結合装置711は、例えば本パチンコ機に対する電源供給時において、遊技盤80aに対して樹脂ベース70側のコネクタ用基板411を一体的に結合させておく、換言すれば両コネクタ401,451の接続状態を保持するためのコネクタ結合手段である。結合装置711は、遊技盤80aの背面側に固定される本体部712と、その本体部712から遊技機後方に向けて延びる係止部材713とを備えており、その係止部材713の先端部に形成された爪部713aがコネクタ用基板411に係止されることで、遊技盤80aに対してコネクタ用基板411が一体的に結合されるようになっている。
係止部材713は、本体部712に設けた軸部により回動可能となっており、係止部材713の回動によってコネクタ用基板411に対する係止が解除されるようになっている。
結合装置711は、係止部材713の回動位置を変化させるための駆動部を有しており、その駆動部は電源・発射制御装置243からの駆動信号に基づいて駆動される。また、結合装置711には、係止部材713を図示の係止位置に保持するべく付勢する付勢手段(バネ等)が設けられている。そのため、結合装置711のオフ時(駆動部の非通電時)には係止部材713が非係止位置に保持され、結合装置711のオン時(駆動部の通電時)には係止部材713が係止位置に回動するようになっている。なお、係止部材713が非係止位置にある状態が結合解除状態に相当し、係止部材713が係止位置にある状態が結合保持状態に相当する。
次に、遊技盤ユニット80(遊技盤80a)を樹脂ベース70に対する装着完了位置から取り外し側に変位させる場合におけるコネクタ接続状態について、図34を用いて説明する。なお、図34において(a)は、結合装置711を非駆動状態にしたまま(すなわち係止部材713を非係止状態にしたまま)遊技盤ユニット80を取り外す場合を示し、(b)は、結合装置711を駆動状態にして(すなわち係止部材713を係止状態に操作して)遊技盤ユニット80を取り外す場合を示している。
なお、本実施の形態では、コネクタ接続構造として、図33に示す結合装置711に加え、図31で説明したストッパ装置701を備える構成を想定しており、図34(a)の状態では、ストッパ装置701及び結合装置711が共に非駆動(オフ)の状態となっており、図34(b)の状態では、ストッパ装置701及び結合装置711が共に駆動(オン)の状態となっている。
ここで、本パチンコ機に対して外部電源が供給されていない場合(電源スイッチ247=オフの場合)には、電源・発射制御装置243から結合装置711に駆動信号が送信されておらず、結合装置711は図34(a)に示す状態となっている。この(a)の状態では、係止部材713がコネクタ用基板411に係止されておらず、両コネクタ401&451の分離が許容されている。また、ストッパ装置701に関して言えば、図32(a1)、(a2)に示すように、ストッパ片702によって基板取付ベース415に対するコネクタ用基板411の分離が規制されている。
そのため、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し側に変位させると、第1内枠側コネクタ401が不動のまま、第1遊技盤側コネクタ451が第1内枠側コネクタ401から外れる。つまり、遊技盤ユニット80の変位に伴い直ちに両コネクタ401,451の接続が解除される。この場合、本パチンコ機に対する電源供給自体がオフされている状態なので、両コネクタ401,451の接続がいきなり解除されても問題は生じない。
一方、本パチンコ機に対して外部電源が供給されている場合(電源スイッチ247=オンの場合)には、電源・発射制御装置243から結合装置711に駆動信号が送信されており、結合装置711は図34(b)に示す状態となっている。この(b)の状態では、係止部材713がコネクタ用基板411に係止されており、両コネクタ401&451の分離が阻止されている。また、ストッパ装置701に関して言えば、図32(b1)、(b2)に示すように、基板取付ベース415に対するコネクタ用基板411の分離規制が解除されている。
そのため、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し側に変位させると、両コネクタ401,451の接続状態が維持されたまま、遊技盤ユニット80と一緒に両コネクタ401,451が変位する。つまり、第1内枠側コネクタ401からすると、この第1内枠側コネクタ401が、遊技盤ユニット80の変位に追従させて変位する。この場合、両コネクタ401,451の接続が解除されないため、遊技盤ユニット80の取り外し時のコネクタ遮断に起因する問題は生じない。特に、結合装置711(係止部材713)によって両コネクタ401,451の接続状態が維持されるため、意図しないコネクタ遮断を抑制する上で一層好適な構成を実現できる。
以上詳述した第4の実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)を相互に結合させたままとする結合保持状態と、それら両コネクタの相互の結合を解除する結合解除状態とで切替可能である結合装置711を設ける構成とした。そして、その結合装置711を、電源オン状態で結合保持状態となり、電源オフ状態で結合解除状態となるようにした。したがって、電源オン状態では、遊技盤ユニット80の取り外しに際し、両コネクタ同士の接続が意に反して解除されてしまうことを抑制できる。つまり、両コネクタを確実に接続状態(結合状態)のまま維持することができ、電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側への電力供給を確実に継続できる。
この場合、接続状態維持手段としてのストッパ装置701を併せ備えている構成を考えると、遊技盤ユニット80の取り外し時において、内枠側コネクタ401,402(可動コネクタ)が遊技盤ユニット80の変位方向に変位する際に両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)を確実に接続状態のまま維持できることとなる。
また、電源オフ状態では、両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)を接続状態(結合状態)にしておく必要がないため、その接続状態を解除することができる。
ちなみに、配線巻取り装置705を備える構成では、その巻き取り力が大きいと、配線H3の弛みを軽減できる点で望ましいが、その反面、内枠側コネクタ401,402(可動コネクタ)が配線H3に過剰に引っ張られてしまい、コネクタ同士の結合が緩んで電気的な接続が切れてしまうこと等が懸念される。この点、上記の結合装置711を備える構成との組合せによれば、配線H3に生じる弛みを軽減しつつコネクタ接続状態を担保することができ、実用上好ましい構成が実現できる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対する装着完了位置から取り外し側に変位させる場合に、その装着完了位置からの変位開始当初の所定区間においては各コネクタ接続部(コネクタ401&451、402&452)の接続状態を一時的に維持できる構成としている。これにより、各コネクタ接続部における電気的な接続の解除を一時的に遅らせるようにしている。
また本実施の形態では、上記第2の実施の形態で説明したように、第2ロック装置500Bのロック状態からアンロック状態への切替操作を所定操作として、その所定操作の有無を判定するとともに、その所定操作が行われたと判定された場合に、主制御装置162及び表示制御装置620において所定の電断処理を実施するようにしている(図29及び図30の各フローチャート参照)。
図35は、本実施の形態におけるコネクタ接続部における構成を示す図である。図35では、図31と共通の構成については同じ符号を付しており、以下、図31との相違点を説明する。図35において(a)は、遊技盤ユニット80が装着完了位置にある状態を示し、(b)、(c)は、遊技盤ユニット80が装着完了位置から取り外し方向に変位した状態を示している。
なお、2つのコネクタ接続部(コネクタ401&451、402&452)はそれぞれ同様の構成を有しているため、図35には、第1内枠側コネクタ401及び第1遊技盤側コネクタ451の接続部について示しており、ここではコネクタ401&451について構成及び作用の説明を行うこととしている。
図35に示す構成では、樹脂ベース70側において、コネクタ用基板411が基板取付ベース415の背面側(遊技機背面側)から取り付けられており、基板取付ベース415に対して第1内枠側コネクタ401が遊技機前方に変位することが不可となっている。一方、遊技盤ユニット80側において、第1遊技盤側コネクタ451は、接続状態維持機構Xによって遊技機前後方向(遊技盤ユニット80の変位方向に相当)に変位可能な状態で設けられている。つまり、本実施の形態では、第1遊技盤側コネクタ451が可動コネクタとなっている。
接続状態維持機構Xについてより具体的に説明する。遊技盤80aの背面側に設けられた台座461の内側空間部には、第1遊技盤側コネクタ451と、そのコネクタ451を遊技機後方側(すなわち、第1内枠側コネクタ401に対する接続方向側)に向けて付勢する付勢手段としてのコイルバネ721とが設けられている。この場合、(a)に示す状態は、樹脂ベース70に対して遊技盤ユニット80が最も近づく状態となっており、かかる状態では、第1内枠側コネクタ401に対して第1遊技盤側コネクタ451が押しつけられることで、両コネクタ401,451が接続状態となっている。このとき、第1遊技盤側コネクタ451は、鍔部451a(張出部)が台座461の対向部462(遊技盤80aの背面に隙間を隔てて対向する部分)から離間した状態になるとともに、コイルバネ721が圧縮状態で保持されている。
要するに、第1遊技盤側コネクタ451は、遊技盤ユニット80が装着完了位置に装着されている状態で、遊技盤ユニット80の変位方向において遊技盤80a(本実施の形態ではこれがベース部材に相当)から離れる方向に変位可能な状態で設けられるものとなっている。また、台座461は、遊技盤80aの背面に対して所定寸法の空間を形成するものであり、台座461の脚部463の長さにより、第1遊技盤側コネクタ451の可動範囲が設定されている。
そして、遊技盤ユニット80を装着完了位置から取り外し方向に変位させる場合には、まず装着完了位置からの変位開始当初の所定区間において、図35(b)に示すように、コイルバネ721の付勢力によって両コネクタ401,451の接続状態が維持されたまま、遊技盤80aが遊技機前方に変位する。このとき、遊技盤ユニット80が、第1遊技盤側コネクタ451の鍔部451aが台座461の対向部462に当接する位置に変位するまでは、遊技盤80aからして当該遊技盤80aから離れる方向に第1遊技盤側コネクタ451が変位し、それにより両コネクタ401,451の接続状態が維持されることとなる。
そして、第1遊技盤側コネクタ451の鍔部451aが台座461の対向部462に当接した後、さらに遊技盤ユニット80を取り外し方向に変位させると、図35(c)に示すように、両コネクタ401,451の接続状態が解除される。
上記一連のコネクタ接続解除の過程を見ると、遊技盤ユニット80の取り外し方向への変位開始に伴い、直ちに両コネクタ401,451の接続状態の解除が開始されるのではなく、その接続解除の開始が一時的に遅延されるようになっている。このため、遊技盤ユニット80の取り外しに際し、当該取り外しの事前操作(第2ロック装置500Bのアンロック状態への切替操作)が行われてから実際にコネクタ接続が解除されるまでにはどうしても時間がかかることになり、各制御装置において電断処理が実施されるとしても、当該処理に要する時間を十分に確保できる。
ところで、上述したとおり本パチンコ機10は、遊技盤ユニット80を装着状態に保持するための第1ロック装置79を備えており、遊技盤ユニット80を取り外す際には、作業者は第1ロック装置79をアンロック状態に切替え操作する必要がある。そして、第1ロック装置79の操作部129を操作して同第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えることにより、遊技盤ユニット80が受け部材121により遊技機前方に押し出されることとなる(図6や図21参照)。
かかる構成において、第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えることにより遊技盤ユニット80が装着完了位置から遊技機前方に押し出される区間を、図35(b)のように第1遊技盤側コネクタ451の変位により両コネクタ401,451の接続状態が維持される区間とするとよい。この構成によれば、作業者が、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70から取り外すべく、操作部129を手動操作して第1ロック装置79をアンロック状態に切り替え操作した場合に、その切り替え操作に伴い遊技盤ユニット80の押し出しが生じる期間ではコネクタ接続状態が維持される。そして、その遊技盤ユニット80の押し出しに要する所要時間を利用して、主制御装置162においてコネクタ分離時電断用の処理が実施される。
なお、第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えることにより遊技盤ユニット80が装着完了位置から遊技機前方に押し出される区間よりも長い区間を、第1遊技盤側コネクタ451の変位により両コネクタ401,451の接続状態が維持される区間としてもよい。
以上詳述した第5の実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
遊技盤ユニット80を取り外し側に変位させる際において、接続状態維持機構Xにより、その装着完了位置から所定の変位位置(第1遊技盤側コネクタ451の鍔部451aが台座461の対向部462に当たる位置)に達するまでは両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)を接続状態のまま維持するようにした。これにより、遊技盤ユニット80の変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができ、ひいては上述した各電断処理を実行する期間を確保することができる。
接続状態維持機構Xにおいて、遊技盤側コネクタ451,452(可動コネクタ)の可動範囲が台座461により定められる。そのため、可動コネクタの可動範囲を台座461の大きさ(高さ寸法)で適宜決定することができ、両コネクタの接続維持期間を所望するとおりに設定できる。例えば、上記電断処理の実行期間として、比較的長めの時間を確保したい場合には、台座461の大きさ(高さ寸法)を大きくして可動コネクタの可動範囲を大きめにすればよい。
接続状態維持機構Xは、第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えることにより遊技盤ユニット80が装着完了位置から遊技機前方に押し出される区間を、遊技盤側コネクタ451,452の変位により両コネクタ(コネクタ401&451、402&452)の接続状態が維持される区間とするものである。そのため、遊技盤ユニット80の取り外しに際し、その変位開始当初においては、遊技盤ユニット80が所定の押出位置に押し出される期間を利用して、電断処理の実行時間を確保でき、ひいては電断処理の好適なる実行を担保できることとなる。
<別の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
・上記実施の形態では、「遊技ユニット」としての遊技盤ユニット80を「遊技機本体(支持対象)」としての樹脂ベース70に対して遊技機前方から取り付ける構成としたが、これを変更し遊技機後方から取り付ける構成とすることも可能である。
また、遊技盤ユニット80を樹脂ベース70に対して回動させることで着脱させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技盤ユニット80を遊技機前後方向や、遊技機前後方向に対して斜めになる方向にスライド移動させることで樹脂ベース70に対して着脱させる構成とすることも可能である。
これらの変更を行った場合であっても、「ユニット側コネクタ」としての遊技盤側コネクタ451,452と「支持対象側コネクタ」としての内枠側コネクタ401,402とを遊技盤ユニット80の着脱に基づいて接続/分離させる構成とすることが好ましい。
・上記実施の形態(図16や図20に示す構成)では、内枠側コネクタ401,402を固定式コネクタとするとともに、遊技盤側コネクタ451,452を、台座461等を撓み変形(弾性変形)可能に形成することで可変式コネクタとした(位置や姿勢(向き)を可変とした)が、これを逆にすることも可能である。つまり、遊技盤側コネクタ451,452を台座461に対して相対変位が不可となるように固定する一方で、内枠側コネクタ401,402(又はコネクタ用基板411,412)を接続端子458,459の向きと直交する方向に変位可能となるように構成してもよい。
但し、可変式のコネクタを採用した場合には、それらコネクタの初期位置のばらつきが生じることで、接続が上手く行われない可能性が生じやすく、このような不都合を解消すべくコネクタの変位範囲を大きくすることはコネクタの占有領域を無駄に拡げる要因となるため好ましくない。上記実施の形態に示すように、回動式の遊技盤ユニット80の回動先端部においては、遊技盤ユニット80を回動させた際の遠心力によって、可変式のコネクタの初期位置のばらつきが抑えられやすくなる。故に、上記実施の形態に示したように遊技盤ユニット80側のコネクタを可変式とすることが望ましい。
・上記実施の形態では、横長状をなす内枠側コネクタ401,402を左右に並べて配置したが、これを変更し、それら内枠側コネクタ401,402を縦に並べて配置してもよい。但し、遊技盤ユニット80の上下位置が、内枠13の下側壁部263によって規定される構成においては、下側壁部263からの距離が離れれば離れるほど、遊技盤ユニット80の姿勢のばらつきに起因した内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との上下位置のずれが生じやすくなると想定される。この点、上記実施の形態に示したように横長状のコネクタを左右に並べて配置すれば、遊技盤ユニット80の上下位置を規定する下側壁部263と内枠側コネクタ401,402との離れを小さくすることができ、遊技盤ユニット80の姿勢のばらつきによる影響をうけにくくすることができる。
また、例えばコネクタの接続端子の配列方向については水平方向ではなく、鉛直方向となるように構成することも可能である。つまり、縦長状のコネクタを採用することも可能である。
更には、各コネクタ401,402,451,452を遊技盤ユニット80が内枠13に装着された状態にて当該遊技盤ユニット80の回動先端部寄りとなるように配置したが、これに限定されるものではなく、例えば遊技盤ユニット80の回動基端部寄りに配置することも可能である。
・上記実施の形態では、「遊技ユニット」として遊技盤ユニット80を採用し、「遊技機本体(支持対象)」として内枠13を採用したが、これに限定されるものではない。例えば「遊技ユニット」として裏パックユニット15を採用し、「遊技機本体(支持対象)」として内枠13を採用してもよい。かかる構成においては、裏パックユニット15を着脱することで内枠13に設けられたコネクタと裏パックユニット15に設けられたコネクタとが結合し、それら裏パックユニット15及び内枠13が電気的に接続される構成とするとよい。
・上記実施の形態では、遊技盤ユニット80の回動時の姿勢を安定させる手段として、遊技盤ユニット80の突起304と内枠13の受け部275とを有する構成としたが、これら突起304及び受け部275に代えて軸部及び軸受け部を採用することも可能である。
また、上記安定させる手段に相当する構成を省略することも可能である。但し、当該手段を省略した場合には、遊技盤ユニット80の回動中心部が作業者の操作の仕方によってはばらつきやすくなると想定される。このようなばらつきは内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との接続を難しくする要因になる。故に、上記実施の形態に示したように、突起304及び受け部275に相当する構成を採用することが好ましい。
・上記実施の形態(図16や図20に示す構成)では、遊技盤側コネクタ451,452を台座461に対して相対変位可能とし、その相対変位方向を各コネクタ451,452の接続端子458,459の向きと直交する全方向としたが、これに限定されるものではなく、上下方向又は左右方向の何れかに相対変位可能とすることも可能である。
ここで、上記実施の形態に示したように、遊技盤ユニット80が回動可能に設けられている構成においては、遊技盤側コネクタ451,452の移動経路が円弧状になる。このため上述の如く変位方向を限定する場合には、当該変位方向を左右方向とすることが好ましい。
・上記実施の形態では、内枠側コネクタ401,402が挿入口406a,407aを有し、遊技盤側コネクタ451,452が挿入部456a,457aを有する構成としたが、これを逆にすることも可能である。
また、内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の両者にコネクタ同士の位置合せ用の誘導部を形成したが、これに限定されるものではない。誘導部については、内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の少なくとも一方に設けられていればよい。
・上記実施の形態では、遊技盤ユニット80が「載置部」としての下側壁部263に載って内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の接続箇所の前方にて遊技盤ユニット80と下側壁部263との当接が担保された状態にて、それら内枠側コネクタ401,402及び遊技盤側コネクタ451,452の接続が開始される構成としたが、これに限定されるものではない。下側壁部263については省略することも可能である。
・上記実施の形態では、「減勢機構」として第1ロック装置79を採用したが、これに代えて、コイルバネやゴムクッション等の緩衝材や摩擦等を利用して遊技盤ユニット80の減勢を行う構成とすることも可能である。
・上記実施の形態では、遊技盤ユニット80を内枠13に装着する際には、遊技盤ユニット80が装着完了位置に向けて回動する過程で同遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた勢いを弱める構成としたが、これに限定されるものではない。遊技盤ユニット80を装着完了位置に向けて回動する過程で必ず一旦停止させる構成としてもよい。
かかる構成を採用する場合には、例えば遊技盤ユニット80が所定の回動位置に到達した場合に一旦停止させるストッパ機構と、ストッパ機構による移動規制を解除する解除機構とを採用し、遊技盤ユニット80がストッパ機構によって一旦停止した後は解除機構を操作して移動規制を解除することで、遊技盤ユニット80の装着完了位置に向けた更なる移動が許容される構成とすればよい。
・上記実施の形態では、遊技盤ユニット80が内枠13に対する装着完了位置に到達した後は、遊技盤ユニット80の装着完了位置への移動を妨げる抗力が発生しない構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、「減勢機構」としてバネやゴムクッション等を採用している場合には、遊技盤ユニット80が装着完了位置に到達した後も抗力が作用し続けることとなるが、このような構成であっても、遊技盤ユニット80を装着完了位置から動かないようにする移動規制手を併用することで「減勢機構」が遊技盤ユニット80の位置の安定化の妨げになることを回避できる。
・上記実施の形態では、第1ロック装置79をロック状態からアンロック状態に切り替えることで、遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出される構成とし、これにより内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452の接続が解除される構成としたが、これに限定されるものではない。
第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えたとしても遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出されることなく装着完了位置にて待機する構成としてもよい。また、第1ロック装置79をアンロック状態に切り替えて遊技盤ユニット80が遊技機前方に押し出されたとしても内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452の接続が維持される構成とすることも可能である。
・上記実施の形態では、遊技盤側コネクタ451,452用の台座461及び回収板150の両者が「脚部」に相当する構成を有していたが、「脚部」については弾性変形可能であって遊技盤側コネクタ451,452の位置や姿勢を変化させることができれば足り、その配設対象は台座461および回収板150の何れであってもよい。
・上記実施の形態では、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452との向きを接続完了状態での接続箇所の中央を通過する接線TL1,TL2に合せたが、接線TL1,TL2が通過する位置は接続箇所の中央に限定されるものではない。但し、各コネクタ401,402,451,452がある程度の横幅を有していることを考慮すれば接線TL1,TL2を想定する場合にそれら各接線TL1,TL2が通過する位置は接続箇所の中央とすることが好ましい。
・上記実施の形態(図29に示す通常処理)では、第2ロック装置500Bのロック状態からアンロック状態への切替操作を「所定操作」として、その所定操作が行われたとの判定結果に基づいて所定の電断処理を実行する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、前扉枠14の開放操作を「所定操作」として、その所定操作が行われたとの判定結果に基づいて所定の電断処理を実行する構成としてもよい。
・第1ロック装置79において、押出部としての受け部材121を押出位置に移動させる操作を「所定操作」として、その所定操作が行われたとの判定結果に基づいて所定の電断処理を実行する構成としてもよい。
より具体的には、図36に示すように、第1ロック装置79Bは、作業者による遊技ユニット取り外しのための手動操作が可能な操作部129と、操作部129の手動操作が行われる場合に、遊技ユニットを装着完了位置から、その装着完了位置から離れた所定の押出位置に押し出す受け部材121(押出部)とを有している。この場合、受け部材121が押出位置にない状態((a)に示す状態)がロック状態であり、受け部材121が押出位置にある状態((b)に示す状態)がアンロック状態である。なお、第1ロック装置79Bの構成は、図6等に示す第1ロック装置79に準ずるものである。
この第1ロック装置79Bには、受け部材121が押出位置に移動されることをアンロック状態への切替操作として検出する位置検知センサ521が設けられている。この位置検知センサ521の検出結果は電源・発射制御装置243に逐次に入力される。位置検知センサ521は、例えば、受け部材121や操作部129の変位を検出する変位検出センサ、又はこれら受け部材121や操作部129の回動軸に設けられた回動検出センサである。かかる構成において、位置検知センサ521の検出結果に基づいて、受け部材121を押出位置に移動させる操作の有無を、所定操作の有無として判定し、所定操作が行われたと判定された場合に所定の電断処理を実行するとよい。
なお、上記のごとく第1ロック装置79Bを用いた構成では、第1ロック装置79Bの操作部129の手動操作に伴い遊技ユニットが装着完了位置から押出位置に押し出されるまでは両コネクタ(ユニット側コネクタ及び本体側コネクタ)を接続状態のまま維持する接続状態維持手段(接続状態維持機構X)を備えているとよい。これにより、遊技ユニットの押出による移動に際し、両コネクタを介しての電源装置から遊技ユニットへの電力供給の状態が維持でき、所定の電断処理を好適に実施できる。接続状態維持機構Xの構成については図35に示す構成等を参照されたい。
・図35に示す接続状態維持機構Xにおいて、可動コネクタである遊技盤側コネクタ451が遊技盤80a(ベース部材)から離れる方向に変位することを検出するコネクタ変位検出手段を設け、その遊技盤側コネクタ451の変位が検出された場合に、「所定操作」が行われたと判定する構成としてもよい。この場合、遊技盤側コネクタ451の変位検出に基づいて所定の電断処理が実行される。
コネクタ変位検出手段としては、接続状態維持機構Xの台座461に、遊技盤側コネクタ451の変位を検出する変位検出センサを設けるとよい。この変位検出センサは、遊技盤側コネクタ451が図35(a)に示す位置から変位した場合(図35(b)に示す位置側に変位した場合)にその変位を検出し、検出結果を電源・発射制御装置243に逐次に出力する。
かかる構成では、遊技盤ユニット80を遊技機本体から取り外す等する場合にその取り外し時において可動コネクタの変位が生じることを利用し、可動コネクタの変位検出によって、両コネクタの接続が解除され得る状況となったことを判定するようにしている。この場合、可動コネクタの変位期間の時間を、電気部品についての電断処理が実行される時間として利用できる。
・上記実施の形態では、パチンコ機に対する電源供給状態での遊技盤ユニット80の取り外しを規制する構成として第2ロック装置500,500Bを用いることとし、その第2ロック装置500,500Bが、電源・発射制御装置243がオン状態(電源オン状態)になっている場合に、遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制する規制状態となり、電源・発射制御装置243がオフ状態(電源オフ状態)になっている場合に、遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制しない非規制状態となる構成としたが、これを変更する。
例えば、取り外し規制手段の構成として、図36に示す第1ロック装置79Bを用いることとし、その第1ロック装置79Bが、電源・発射制御装置243がオン状態(電源オン状態)になっている場合に、遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制する規制状態となり、電源・発射制御装置243がオフ状態(電源オフ状態)になっている場合に、遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制しない非規制状態となる構成とする。
より具体的には、第1ロック装置79Bには、遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制すべく、操作部129の回動操作を実施不可とする電気的な規制機構が設けられている。この規制機構は、操作部129に係合することでその回動操作を実施不可とする係合部材(図示略)と、その係合部材を動かす駆動部522とを有している。そして、第1ロック装置79Bは、電源・発射制御装置243からの電力供給に伴う駆動部522の駆動により係合部材が係合状態(遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制する規制状態)となり、その電力供給がなくなると、駆動部522の駆動が停止され、係合部材の係合が解除される状態(遊技機本体からの遊技盤ユニット80の取り外しを規制しない非規制状態)に移行する。
上記構成によれば、両コネクタ(ユニット側コネクタ及び本体側コネクタ)が接続状態にあり、かつ電源・発射制御装置243がオン状態になっている場合には、第1ロック装置79Bによって遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)が規制されているため、突然コネクタが分離されて電力が供給されなくなることを抑制することができる。これにより、突然の電力カットに起因して電気部品に不都合が生じることを回避可能となる。
また、両コネクタが接続状態にあっても、電源・発射制御装置243がオフ状態になっていれば、遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)が第1ロック装置79Bにより規制されることはなく、かかる状態下において遊技ユニットの取り外しを制限無く実施できる。これにより、メンテナンス等を実施するための遊技ユニットの取り外しを行う場合において、その作業性が良好なものとなる。
・上記実施の形態(図22、図24に示す構成)では、第2ロック装置500(500B)を樹脂ベース70に設け、ストッパ片501(501B)を遊技盤80aに当接させることで遊技盤ユニット80の取り外しを規制する構成としたが、これを変更し、第2ロック装置500(500B)を遊技盤ユニット80に設け、ストッパ片501(501B)を樹脂ベース70に当接させることで遊技盤ユニット80の取り外しを規制する構成としてもよい。
・上記実施の形態では、遊技盤ユニット80の取り外し規制のための構成として第1ロック装置79及び第2ロック装置500(500B)を併用する構成を採用したが、これに限らず、これら各ロック装置79,500(500B)のいずれかを用いる構成であってもよい。この場合、例えば、第1ロック装置79のみを用いる構成において、第1ロック装置79の操作を規制する規制機構を手動操作可能な状態で設け、この規制機構を手動操作することで、第1ロック装置79をロック状態からアンロック状態に切替可能とする構成とし、さらに、規制機構が手動操作されて第1ロック装置79の切り替え操作が許容された状態となった場合に、その手動操作を検知する検知手段(検知センサ)と、当該検知センサからの検知情報に基づいて遊技盤ユニット80が有する各種制御装置に電断時用処理を実行させる処理実行手段とを採用することが可能である。
・上記実施の形態(図31や図33に示す構成)では、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452とのうち、内枠側コネクタ401,402を可動コネクタとする構成としたが、これを逆にし、遊技盤側コネクタ451,452を可動コネクタとしてもよい。又は、内枠側及び遊技盤側の両コネクタを可動コネクタとすることも可能である。この場合、可動コネクタをどれにするかに応じて、ストッパ装置701が適宜設けられる。要は、可動コネクタが設けられる方にストッパ装置701が設けられればよい。
また、樹脂ベース70と遊技盤ユニット80とのうちいずれに可動コネクタが設けられるかに応じて、配線巻取り装置705を適宜設けるとよい。要は、可動コネクタが設けられる方に配線巻取り装置705が設けられればよい。したがって、樹脂ベース70と遊技盤ユニット80との両方に可動コネクタが設けられる場合には、樹脂ベース70と遊技盤ユニット80との両方に配線巻取り装置705が設けられる。
・上記実施の形態(図35に示す構成)では、内枠側コネクタ401,402と遊技盤側コネクタ451,452とのうち、遊技盤側コネクタ451,452を可動コネクタとする構成としたが、これを逆にし、内枠側コネクタ401,402を可動コネクタとしてもよい。又は、内枠側及び遊技盤側の両コネクタを可動コネクタとすることも可能である。この場合、可動コネクタをどれにするかに応じて、接続状態維持機構Xが適宜設けられる。
・上記実施の形態(図31や図33に示す構成)では、配線H3の巻取りを行わせる構成として、配線巻取り装置705において、巻取り軸706に配線H3を巻き取り側に付勢する付勢手段(ゼンマイバネ等)を設ける構成としたが、これを以下のように変更してもよい。例えば、配線巻取り装置705が、配線H3を巻き取る巻取り軸(巻取り軸706)と、当該巻取り軸を配線巻取り方向に回転駆動させる駆動手段(モータ等)とを有する構成とする。そして、配線巻き取り制御の実施主体としての例えば電源・発射制御装置243が、遊技盤ユニット80が装着完了位置に向けて変位する場合において、駆動手段を駆動状態として所定の巻き取り速度で配線H3を巻き取らせるよう巻取り制御を実施する。上記構成によれば、遊技ユニットが装着完了位置に向けて変位する場合に、巻き取り制御が実施されることにより確実に配線H3の弛みが軽減される。
・上記実施の形態では、図26に示すように、主制御装置162の電源監視基板605に電断時用電源部605aを設け、この電断時用電源部605aにより、両コネクタ(ユニット側コネクタ及び本体側コネクタ)が分離されて電源・発射制御装置243から遊技ユニットへの電力供給が遮断されている電断状態において当該遊技ユニットに電力を供給する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、主制御装置162の電源監視基板605に電断時用電源部605aを設けない構成とする。この場合、バックアップ用の電源は、遊技盤ユニット80側ではなく遊技機本体側に設ける構成とする。
また、遊技盤ユニット80側にバックアップ用の電源(電断時用電力供給手段)を有していない構成では、パチンコ機への電源オン中に両コネクタが分離されることで遊技盤ユニット80側への電力供給が遮断されることを想定すると、遊技盤ユニット80側の制御装置(主制御装置162等)において遊技データのバックアップ保存が実施できなくなることが考えられるが、パチンコ機への電源オン中であっても保存すべき遊技データが存在していないことが生じ得ると考えられる。例えば、遊技者による遊技が長時間行われていない場合や、遊技者や遊技ホールに対する利益に関係するデータ(入賞口への遊技球入賞の有無、入賞保留数、抽選結果、払出に関する各データ)はなく、利益に無関係なデータのみが存在している場合がそれである。
この点を鑑みると、パチンコ機への電源オン中において、メモリ(例えば遊技機本体側のバックアップ用のメモリ)に保存すべきデータの有無を判定する判定手段と、メモリに保存すべきデータが無いと判定された場合に、両コネクタの分離(すなわち遊技盤ユニット80の取り外し側への変位)を許可する許可手段とを備える構成としてもよい。両コネクタの分離を許可する、とは、上述したロック手段(ロック装置79,500等)のロックを解除して遊技盤ユニット80の取り外しを許容する状態にすることを意味する。この場合、判定手段、許可手段は、例えば主制御装置162において通常処理の一部の位置として実施されるとよい。
・上記実施の形態では、電源スイッチ247をパチンコ機の背面側において電源・発射制御装置243に設け、遊技機本体(内枠13、裏パックユニット15等からなる本体部)を前方に回動させた状態で電源スイッチ247のオン/オフ操作を可能としたが、これを変更してもよい。例えば、電源スイッチ247を、遊技機本体(内枠13、裏パックユニット15等からなる本体部)を前方に回動させなくてもオン/オフ操作が可能となる構成としてもよい。より具体的には、内枠13の前面側であって、かつ前扉枠14の背後となる位置に電源スイッチ247を設ける構成とする。例えば、内枠13の前面部において遊技球発射機構110の近傍に電源スイッチ247を設けるとよい。この場合、前扉枠14を開放すれば、内枠13等を回動させなくても、電源スイッチ247の操作が可能となる。したがって、遊技盤ユニット80の取り外しを行うべくパチンコ機の電源オフを行おうとする場合にその電源オフの操作が簡単に実施でき、好適な構成を実現できる。
・第2の実施の形態において、パチンコ機への電源供給がなされている状態(電源スイッチ247=オンの状態)で、遊技盤ユニット80の取り外しを行うべく所定の取り外し操作が行われたことに基づいて、電源スイッチ247を強制的にオフする構成としてもよい。例えば、所定の取り外し操作の検出後、所定時間が経過した時点で電源スイッチ247をオフするようにしてもよい。
・第2の実施の形態において、主制御装置162が、電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側への電力の供給が実施されている状況下で、ロック手段(例えば第2ロック装置500B)がアンロック状態からロック状態に切替操作されたか否か(アンロック操作後、ロック状態に戻されたか否か)を判定するとともに、ロック状態への切替操作有りと判定されたことに基づいて、所定の電断処理が実行される前の状態に復帰させるとよい。かかる構成では、ロック手段がアンロック状態からロック状態に切り替えられることをトリガとして、所定の復帰処理が実施される。これにより、迅速な遊技の再開が可能となる。
ここで、電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側に電力供給されている状況下でロック手段(第2ロック装置500B)がアンロック状態になっていることは、それ以前に、作業者がロック手段をロック状態からアンロック状態に切替操作した可能性が高いと考えられる。この場合、作業者がロック手段を一旦アンロック状態に切り替えた後、遊技盤ユニット80の取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)を行うことなく再びロック状態に戻したとの事態も考えられるが、かかる場合においても上記のとおり迅速な遊技の再開が可能となる。
・第2の実施の形態において、主制御装置162が、電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側への電力の供給が継続されている状況下にて所定の電断処理を実行した後に(図29のステップS211〜S213の実行後に)、その処理実行から予め設定された待機期間が経過した時点で、電断処理で記憶したバックアップ用RAMの記憶データ(電断時情報)を参照して電断処理の実行前の状態に復帰する復帰処理を実行するとよい。又は、所定の電断処理を実行した後に、作業者によって所定の操作が行われた時点で、電断処理で記憶したバックアップ用RAMの記憶データ(電断時情報)を参照して電断処理の実行前の状態に復帰する復帰処理を実行するとよい。なお、作業者による所定の操作としては、例えば、第2ロック装置500Bのストッパ片501Bをロック位置に戻す操作等が考えられる。
要するに、作業者が遊技盤ユニット80を取り外そうと考えた後に、その考えを変えて遊技盤ユニット80を取り外すことなく作業を終了する可能性がある。かかる場合において、上記のとおり所定の電断処理が実行されてから予め設定された待機期間が経過した場合、又は作業者によって所定の操作が行われた場合に、主制御装置162による通常の制御を開始させるこよにより、迅速な遊技の再開が可能となる。
・第2の実施の形態において、一旦電断処理が実行された後は、両コネクタを通じた電源・発射制御装置243から遊技盤ユニット80側への電力供給が再開されたと判定されたとしても、直ちに各制御装置における各種通常処理を開始させるのではなく、パチンコ機として遊技可能な状態とし得る状況になるまで各種通常処理の開始タイミングを遅延させるようにしてもよい。例えば、遊技盤ユニット80の再装着以外に、遊技再開可能かどうかの許可条件に絡めて、各種通常処理への復帰条件を設定しておくとよい。
具体的には、主制御装置162において、電断処理が実行された後に、前扉枠14が開位置から閉位置に復帰したか否かを判定し、前扉枠14が開位置から閉位置に復帰したと判定された場合に、各種通常処理の開始を許可する構成とする。
例えば遊技盤ユニット80について取り外し状態から再装着される場合には、何らかの作業ミスが生じる可能性もあり、その作業ミスに作業者が気付くと、直ぐに遊技盤ユニット80の再取り外しが行われる。この場合、遊技盤ユニット80の装着が繰り返される度に無闇に開始処理が実施されてしまう。また、バックアップ電源(例えば図26に示す電断時用電源部605a)を備える構成では蓄電が間に合わない可能性が高くなる。
この点、電源・発射制御装置243からの電力供給が開始されたとしても直ちに各種通常処理が開始されるではなく、電力供給の再開以外に、遊技再開許可に絡む別の復帰条件を設定しておくことで、無闇に制御処理の開始終了が繰り返されることを抑制し、上述した不都合の発生を抑えることができる。
・遊技盤ユニット80の取り外しが可能である状況であるか否かを報知する報知手段を備える構成としてもよい。例えば、報知手段として、パチンコ機の前面側に、電光による報知を行う報知部を設ける構成とする。より具体的には、「取り外し可能」「取り外し不可」の二択の表示がなされた発光部を設け、いずれかをLED等の光源により発光(常時発光、点滅発光を含む)させる。
・上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)が搭載されてなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が支持対象(内枠13の樹脂ベース70)によって回動可能に支持されている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持対象に設けられ、前記遊技ユニットの閉位置への変位に基づいて前記ユニット側コネクタと接続され、前記遊技ユニットの閉位置から開側への変位に基づいて前記ユニット側コネクタと分離される支持対象側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と
を備え、
前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタは、当該ユニット側コネクタの接続端子(接続端子458,459)及び支持対象側コネクタの接続端子(接続端子408,409)が、前記遊技ユニットの回動中心部を中心として前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとの接続箇所を通過する仮想円(仮想円FC1,FC2)の接線方向に向くようにして構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技ユニットを支持対象に対して開閉させる際には、遊技ユニットの変位に基づいてユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが接続/分離されることとなる。これにより、両コネクタの接続/分離作業を別途行う必要がなくなったり、接続/分離時の作業用スペースの確保が不要となったりする等の優れた効果が期待できる。
しかしながら、遊技ユニットの開閉操作によってコネクタが自動的に接続される構成においては、上述した作業性の向上等の効果を発揮させることができる反面、遊技ユニットを開閉させる場合にコネクタに操作力等が直接伝わることとなる。特に、遊技ユニットを回動させることで着脱する構成においては、回動中心部からの距離が小さくなればなるほど仮想円の半径が小さくなるためコネクタ同士の干渉度合いが強くなり、開閉操作時にコネクタに対する上記操作力の影響が大きくなる。そして、接続後も歪等が残存することとなる。これらの理由から、回動式の遊技ユニットにコネクタの自動接続にかかる技術的思想を単に適用しただけでは、コネクタ本来の機能に支障をきたしやすくなると懸念される。
この点、本特徴においては、各コネクタの接続方向が遊技ユニットの回動中心部を中心として両コネクタの接続箇所を通過する仮想円の接線方向を向くように構成されている。これにより、コネクタを接続する際の上記干渉の度合いを小さくすることができ、遊技ユニットを開閉した際にコネクタ同士を円滑に接続/分離させることが可能となっている。故に、コネクタ同士が支える等して接続が上手く行われなくなったり、接続に要する力が大きくなる等してコネクタに生じる負荷が大きくなったりすることを抑えることができ、上述した各種効果を享受しつつそれに起因してコネクタの機能低下を抑制可能となっている。
なお、コネクタが接続端子と当該接続端子が取り付けられたコネクタ本体とを有する構成においては、「前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタは、それら各コネクタのコネクタ本体の結合面が前記遊技ユニットの回動中心部を中心として前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとの接続箇所を通過する仮想円の接線方向を向くようにして(接線と直交するようにして)構成」することも可能である。
特徴A2.前記遊技ユニット及び前記支持対象の一方に設けられた軸部(レールカバー300の突起304)と、
前記遊技ユニット及び前記支持対象の他方に設けられ、前記軸部と係合する軸受け部(ストッパ部271の受け部275)と
を備え、
前記遊技ユニットは、前記軸部と前記軸受け部とが係合することで、当該係合部分を中心として回動可能となることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示したように遊技ユニットが回動可能に支持されている構成においては、仮にその回動中心部が回動中心と交差する方向に変位してしまうと、コネクタ接続時のユニット側コネクタ(詳しくは接続端子)の向きと支持対象側コネクタ(詳しくは接続端子)の向きとが一致しない可能性が高くなる。これでは特徴A1に示した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように軸部と軸受け部とを係合させる構成とすれば、回動中心部のずれを抑えて、特徴A1に示した効果を上手く発揮させることができる。
なお、「遊技ユニット」としての遊技盤を「軸部」及び「軸受け部」によって回動可能とする構成においては、遊技ユニットの着脱時に、これら軸部及び軸受け部が見えづらくなることで作業性が低下すると懸念される。そこで、軸部及び軸受け部については、遊技盤の前面側に位置するようにして配置することが好ましい。この場合、コネクタの配置と回動中心部とには必然的に遊技盤の厚さ方向(前後方向)でのずれが生じることとなる。このような事情を考慮した場合にも、特徴A2に示したように、コネクタの向きを工夫しておくことが好ましい。かかる工夫によって、遊技盤を回動式とした場合であっても、コネクタの接続/分離を円滑に行うことが可能となる。
特徴A3.前記支持対象側コネクタは、前記回動中心部からの距離が異なるようにして複数設けられ、それら支持対象側コネクタに各々対応させて複数の前記ユニット側コネクタが設けられており、
前記各支持対象側コネクタは前記支持対象に個別に取り付けられており、前記各ユニット側コネクタは前記遊技ユニットに個別に取り付けられていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
コネクタがある程度の大きさを有することを考慮すると、コネクタにおける回動中心部に近い側の端部と遠い側の端部とでは、当該回動中心部を中心としてそれら各端部を通過する仮想円での上記接線の向きの違いが大きくなると想定される。
この点、本特徴に示すように回動中心部からの距離が異なるようにして配置された複数のコネクタを併用して電気的接続を行う構成とすれば、1の大きなコネクタを用いて電気的接続を行う場合と比較して、上記差を低減することができる。
この場合、各コネクタの向きを個々に設定することが好ましく、それら各コネクタを支持対象に個別に取り付ける構成とすることで、各コネクタの向きを個々に設定することが可能となる。故に、特徴A1に示した効果を好適に発揮させる上で、好ましい構成が実現できる。
特徴A4.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち少なくとも一方は、取付対象に前記接線と直交する方向に変位可能となるようにして取り付けられていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、コネクタ同士の位置関係のばらつきを許容しやすくなり、支持対象側コネクタとユニット側コネクタとの位置関係を目視で確認しながら遊技ユニットの取り付けを行う必要がなくなる。このようにして目視確認の必要性を抑えることで、作業性の低下を好適に回避することができる。
特徴A5.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち少なくとも一方は、前記遊技ユニットの回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能となっていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとを接続させる場合には、接続開始から接続完了まである程度のストロークが必要になる。このため、接続初期と接続完了時とでは、コネクタの向きが相違し、コネクタが直線移動する場合と比較して上記回動中心部の放射方向へ着脱軌道の拡がりが生じる。ここで、本特徴に示すように、ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとのうち少なくとも一方を回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能とすれば、そのような着脱軌道の拡がりを許容することができる。
特徴A6.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち少なくとも前記ユニット側コネクタが変位可能となっていることを特徴とする特徴A4又は特徴A5に記載の技機。
遊技ユニットを回動式とした場合には、ユニット側コネクタは遊技ユニットを回動させた際の遠心力で所定の位置に留まりやすくなる。これにより、支持対象側コネクタとのコンタクトを円滑なものとすることができる。
特徴A7.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成され、電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)が搭載されてなる遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技盤を着脱可能に支持する支持枠(内枠13の樹脂ベース70)と
を備え、
前記支持枠に対して前記遊技盤が遊技機前方から回動可能となるようにして取り付けられている遊技機において、
前記遊技盤の背面に設けられた遊技盤側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持枠に設けられ、前記遊技盤の取り付けに伴う当該遊技盤の変位により前記遊技盤側コネクタと接続され、前記遊技盤の取り外しに伴う当該遊技盤の変位により前記遊技盤側コネクタと分離される支持枠側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と
を備え、
前記遊技盤側コネクタ及び前記支持枠側コネクタは、前記遊技盤の回動中心部よりも遊技機後側に位置し、前記遊技盤の回動中心軸部を中心として前記支持枠側コネクタ及び前記支持枠側コネクタの接続箇所を通過する仮想円の接線方向に接続端子が向くようにして配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、特徴A1と同様の効果に加え以下の効果が期待できる。すなわち、遊技盤が支持枠によって回動可能に支持されており、各コネクタの接続方向が接続箇所を通過する仮想円の接線方向を向くように構成されている。これにより、遊技盤を開閉した際に、コネクタ同士を円滑に接続/分離させることが可能となっている。故に、コネクタ同士が支える等して接続が上手く行われなくなったり、接続に要する力が大きくなる等してコネクタに生じる負荷が大きくなったりすることを抑えることができ、上述した各種効果を享受しつつそれに起因してコネクタの機能低下を抑制可能となっている。
また、遊技機においては左右の幅にかかる制約が大きい構成となっている。ここで、コネクタを斜めに傾けて配置することにより、左右方向でのコネクタの占有領域を小さくすることができる。これにより、遊技機の設計自由度の向上に貢献することができる。
特徴A8.前記遊技盤及び前記支持枠の一方に設けられた軸部(レールカバー300の突起304)と、
前記遊技盤及び前記支持枠の他方に設けられ、前記軸部と係合する軸受け部(ストッパ部271の受け部275)と
を備え、
前記遊技盤は、前記軸部と前記軸受け部とが係合することで、当該係合部分を中心として回動可能となることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A7に示したように、遊技盤が回動可能に支持されている構成においては、仮にその回動中心部がぶれてしまうと、遊技盤側コネクタの向きと支持枠側コネクタの向きとが相違することになる。これでは特徴A2に示した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように軸部と軸受け部とを係合させる構成とすれば、回動中心部のぶれを抑えて、特徴A2に示した効果を上手く発揮させることができる。
なお、遊技盤を軸部及び軸受け部によって回動可能とする構成においては、遊技盤の着脱時に、これら軸部及び軸受け部が見えづらくなることで作業性が低下すると懸念される。そこで、軸部及び軸受け部については、遊技盤の前面側に位置するようにして配置することが好ましい。この場合、コネクタの配置と回動中心部とには必然的に遊技盤の厚さ方向(前後方向)でのずれが生じることとなる。このような事情を鑑みた場合にも、特徴A2に示したように、コネクタの向きを工夫しておくことで、回動式の遊技盤であっても、コネクタの接続/分離を円滑に行うことができる。
特徴A9.前記支持枠側コネクタは、前記回動中心部からの距離が異なるようにして複数設けられ、それら支持枠側コネクタに各々対応させて複数の前記遊技盤側コネクタが設けられており、
前記各支持枠側コネクタは前記支持枠に個別に取り付けられており、前記各遊技盤側コネクタは前記遊技盤に個別に取り付けられていることを特徴とする特徴A7又は特徴A8に記載の遊技機。
コネクタにもある程度の大きさがあることを考慮すると、回動中心ぶに近い側の端部と遠い側の端部とでは、各端部を通過する上記仮想円での上記接線の向きの差が大きくなると想定される。
この点、本特徴に示すように回動中心部からの距離が異なるようにして配置された複数のコネクタを併用すれば、1の大きなコネクタを用いる場合と比較して、上記差の低減を実現することができる。この場合、各コネクタの向きを個々に設定することが好ましく、それら各コネクタを支持枠に個別に取り付ける構成とすることで、各コネクタの向きを個々に設定することが可能となる。故に、特徴A2に示した効果を好適に発揮させる上で、好ましい構成が実現できる。
特徴A10.前記遊技盤側コネクタと前記支持枠側コネクタとのうち少なくとも一方は、取付対象に前記接線と直交する方向に移動可能となるようにして取り付けられていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、コネクタ同士の位置関係のばらつきを許容しやすくなり、支持枠側コネクタと遊技盤側子ネクタイとの位置関係を目視で確認しながら遊技盤の取り付けを行う必要がなくなる。これにより、作業性の低下を好適に回避することができる。
特徴A11.前記遊技盤側コネクタと前記支持枠側コネクタとのうち少なくとも一方は、前記遊技盤の回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能となっていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
遊技盤側コネクタと支持枠側コネクタとを接続させる場合には、接続開始から接続完了まである程度のストロークが必要になる。このため、接続初期と接続完了時とでは、コネクタの向きが相違し、着脱軌道の拡がりが生じる。ここで、本特徴に示すように、遊技盤側コネクタと支持枠側コネクタとのうち少なくとも一方を回動中心部に近づく側と遠ざかる側とに変位可能とすれば、そのような着脱軌道の拡がりを許容することができる。
特徴A12.前記遊技盤側コネクタが可動式であることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の技機。
遊技盤を回動式とした場合には、遊技盤側コネクタは遊技盤を回動させた際の遠心力で所定の位置に留まりやすくなる。これにより、支持枠側コネクタとのコンタクトを円滑なものとすることができる。
特徴A13.前記遊技盤は、前記支持枠に対して前方から取り付けられており、
前記支持枠側コネクタは、前記遊技盤が閉位置に配置されている状態にて、前記遊技盤の正面側且つ、当該遊技盤の回動先端側を向くようにして配置されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技盤を回動させた場合に、当該遊技盤を大きく開放しなくても支持枠側コネクタ(詳しくは接続端子等)の目視での確認作業が可能となる。これにより、確認作業の容易化を図ることができ、更には確認作業時に遊技盤を大きく開放させる必要がなくなることで遊技盤の背面側が露出する機会を減らして防犯性の向上に貢献することができる。
特徴A14.前記支持枠には、前記遊技盤の下端部と対向して設けられ、前記遊技盤が載置されることにより同遊技盤の上下位置を規定する載置部(下側壁部263)が形成されており、
前記支持枠側コネクタ及び前記遊技盤側コネクタは、少なくともそれらコネクタの前方にて前記載置部に前記遊技盤が載った状態にて接続又は分離されるように構成されていることを特徴とする特徴A7乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、遊技盤の姿勢が安定した状態にてコネクタ同士を接続/解除させることができる。これにより、コネクタ同士が衝突する等してコネクタに大きな負荷が加わることを抑制することができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、電気部品が搭載されてなる遊技盤等の遊技ユニットと、その遊技ユニットを着脱可能に支持する支持枠等の支持対象とを備えているものがある。遊技ユニットには電気部品に接続されたコネクタが取り付けられており、このコネクタを支持対象側のコネクタと接続することで、遊技ユニットと支持対象とが電気的に接続された状態となる。
近年では、遊技ユニットを支持対象に着脱する際の遊技ユニットの変位によって両コネクタが電気的に接続/分離されるものが提案されている(例えば特許文献1:特開2004−267695号公報参照)。かかる遊技機においては、例えば遊技ユニット装着後に手作業でコネクタの接続作業を行う必要が無く、作業性の向上等が実現される。
ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技ユニットの取り付けに伴ってコネクタ同士が当たる可能性がある。このようにコネクタ同士が当たった際に、遊技ユニットの自重や取り付け操作の勢いがコネクタへと伝わると、同コネクタに大きな衝撃(負荷)が発生すると懸念される。また、コネクタが移動する経路と予め設定された接続経路とがずれることにより、コネクタ接続時の負荷が大きくなったり、従来のように手動で接続していた場合には生じない応力等が発生したりすると想定される。これは、コネクタ本来の接続機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、接続作業の容易化を図りつつコネクタ本来の接続機能の低下を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴B群>
特徴B1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)が搭載されてなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が支持対象(内枠13の樹脂ベース70)によって支持されている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持対象に設けられ、当該支持対象への前記遊技ユニットの取り付けに伴う当該遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記遊技ユニットの取り外し操作に伴う当該遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと分離される支持対象側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と、
前記遊技ユニットが前記支持対象への取付完了位置へ配置されて前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとが接続される場合に、それら両コネクタの結合が開始される前に回動動作中の前記遊技ユニットを減勢させる減勢機構(第1ロック装置79)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技ユニットを支持対象へ取り付けることにより(詳しくは取付完了位置へ配置することにより)、ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが接続される。遊技ユニットの取付完了後に両コネクタを結合するための別途作業が必要なくなることで、作業性の向上に貢献することができる。
しかしながら、支持対象に遊技ユニットを取り付けることにより両コネクタが結合される構成においては、上述した作業性の向上等の効果を発揮させることができる反面、コネクタ同士が接触等した際に、遊技ユニットの重量や勢いがコネクタに伝わりやすくなると想定される。コネクタに衝突等に起因した大きな応力が発生することは、コネクタの変形や破損等を招いてコネクタ本来の機能に支障をきたす要因となり得る。
この点、本特徴においては、両コネクタの結合が開始される前に遊技ユニットの勢いを弱めることで、コネクタ同士が接触した場合に生じる応力を軽減することができる。これにより、勢いよく遊技ユニットが取付完了位置へ向けて押し込まれる等した場合であっても、それにより、コネクタに大きな負荷が加わるといった不都合を生じにくくすることができる。
なお、例えば遊技ユニットが取付完了位置へ配置される際に当該遊技ユニットが通過する全区間に、遊技ユニットの変位が容易な第1区間と、第1区間よりも変位が難しい第2区間(減勢区間)とを設け、遊技ユニットが第2区間に到達した後にユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが結合される構成とするとよい。
特徴B2.前記減勢機構は、前記遊技ユニットが前記取付完了位置に配置される場合に、当該遊技ユニットの取付方向における先側から当該遊技ユニットにおいて前記ユニット側コネクタ以外の部分に当接することで同遊技ユニットの変位を妨げるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技ユニットが取付完了位置に配置される場合に、ユニット側コネクタに対して遊技ユニットの自重や取付完了位置へ向けた勢い等が伝わることを回避することができ、特徴B1に示し効果を好適に発揮させることができる。
特徴B3.前記減勢機構は、前記支持対象側コネクタを挟んだ両側にて前記減勢を行うものであることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B1に示したように、遊技ユニットの減勢を行う構成においては、減勢時に遊技ユニットの姿勢が乱れることで、コネクタ同士が上手く結合されなくなるといった不都合が生じると想定される。つまり、減勢の態様には工夫の余地がある。
ここで、本特徴においては、支持対象側コネクタを挟んだ両側にて減勢を行うことで、少なくとも減勢時に支持対象側コネクタ付近での姿勢の乱れ等を抑えることができる。これにより、コネクタの結合が上手く行われなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
また、減勢後に遊技ユニットを取付完了位置へと押し込まれる等した場合であっても、当該操作によって遊技ユニットの姿勢が乱れることを抑制することができる。これにより、コネクタの結合に際して、過度に大きな負荷が生じることを抑制することができる。
なお、例えば減勢機構を構成する減勢部を上記支持対象側コネクタを挟んだ両側に配置するとよい。
特徴B4.前記減勢機構は、前記支持対象に設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す減勢機構を遊技ユニット側に設けた場合には、遊技ユニットの重量が嵩む等して遊技ユニットの持ち運びが難しくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように減勢機構を支持対象に設ける構成とすれば、上記不都合の発生を回避し、作業性の向上等に貢献することができる。
特徴B5.前記減勢機構は、前記コネクタ同士が接続される前に前記遊技ユニットの変位を規制することで同遊技ユニットの取付完了位置への変位を一旦停止させるものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技ユニットを一旦停止させることで、勢いよく押されてもその衝撃がコネクタに伝わることを抑制できる。一旦停止された位置から新たに押し込みを行う場合であっても、操作ストロークの残り代が小さくなっているため、遊技ユニットが過度に勢いよく押し込まれることを回避し、上記コネクタの保護機能を好適に発揮させることができる。
特徴B6.前記遊技ユニットを前記支持対象から取外可能とするアンロック状態と、当該遊技ユニットを当該支持対象から取外不可とするロック状態とに切替可能に設けられたロック装置(第1ロック装置79)を備え、
前記ロック装置は、前記遊技ユニットが前記取付完了位置へ向けて変位することにより前記アンロック状態から前記ロック状態に切り替わり、
前記減勢機構は、前記ロック装置の前記アンロック状態から前記ロック状態への切り替えを妨げる抗力を発生させることにより、上記減勢を行うものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、遊技ユニットを取り付ける場合には、当該遊技ユニットの取付位置へ向けた変位によりロック装置がアンロック状態からロック状態に切り替わる。この際、ロック装置のロック状態への切替えが減勢機構によって妨げられるため、作業者は、勢いよく又は勢いを保ったまま遊技ユニットを取付位置へと変位させることが困難になる。そもそも、ロック装置については、遊技ユニットの取り外しを妨げるものであり、ある程度の強度が要求される。このように、強度が担保されやすい構成によって、遊技ユニットの勢いを弱めることで、上述したコネクタの保護機能を好適に発揮させることができる。
なお、例えば「前記ロック装置は、前記遊技ユニットが取付方向とは反対側から当接する受け部(受け部材121)を有してなり、前記受け部が前記遊技ユニットによって押されることで前記ロック装置が前記アンロック状態からロック状態に切り替わる」構成とするとよい。
特徴B7.前記ロック装置は、
ロック解除操作に際して作業者により操作される操作部(操作部129)と、
前記操作部が操作されることで、前記遊技ユニットを取り外し方向へと変位させる作用部(受け部材121)と
を有し、
前記遊技ユニットが前記作用部によって取り外し方向へと押されることで、前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとの接続が解除されることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6に示したように、抗力によって減勢を行う構成においては、遊技ユニットを取り外す際に必要となる操作力が大きくなる可能性がある。仮に、遊技ユニットの何れかの箇所を持って遊技ユニットを取り外し方向へと引っ張る等した場合には、遊技ユニットが傾く等して、コネクタに過剰な応力が生じる可能性がある。
ここで、本特徴においては、ロック装置の解除操作を行うことで、コネクタの結合が解除される構成とすることで、作業者が任意で遊技ユニットを引っ張る箇所を選ぶ機会を減らすことができ、上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴B8.前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとのうち一方は、それら両コネクタの接続方向と直交する方向に変位可能となるようにして取り付けられ、前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタの他方に当接することで、前記遊技ユニットの前記取付完了位置へ向けた変位に伴って所定の接続位置へと誘導される構成となっており、
前記減勢機構は、前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタのうち一方が他方に誘導されている期間中は、前記遊技ユニットの前記取付完了位置への移動を妨げる抗力を発生する抗力発生状態に維持することを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、ユニット側コネクタ及び支持対象側コネクタのうち一方を可変式とすることで、両コネクタの位置ばらつきを許容することが可能となっている。しかしながら、このような構成においては作業性や利便性の向上を図ることができる反面、コネクタの耐久性が低下しやすい。
この点、本特徴によれば、コネクタの誘導期間中は負荷が増大したままとなるように構成することで、勢いよくコネクタ同士がぶつかったり押し付けられたりすることを回避し、コネクタの保護を図ることができる。
特徴B9.前記減勢機構は、少なくとも前記遊技ユニットの前記取付完了位置への移動を妨げる抗力を発生する抗力発生状態となった後は、その状態が前記遊技ユニットが取付完了位置に到達するまで維持されるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
減勢機構が抗力を生じさせた場合には、作業者は増大した負荷を考慮して遊技ユニットに加える力(操作力)を大きくすると想定される。この際、コネクタの接続が完了する前に、増大状態が解除されてしまうと、遊技ユニットが急に加速するようにして取付完了位置に到達することとなり、コネクタに大きな力が加わりやすくなると想定される。
この点、本特徴においては、少なくとも負荷増大状態となった後は遊技ユニットが取付完了位置に到達するまでその状態で維持されるため、上記不都合の発生を抑制することができる。これにより、コネクタの保護機能を一層好適に発揮させることができる。
上記特徴B群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、電気部品が搭載されてなる遊技盤等の遊技ユニットと、その遊技ユニットを着脱可能に支持する支持枠等の支持対象とを備えているものがある。遊技ユニットには電気部品に接続されたコネクタが取り付けられており、このコネクタを支持対象側のコネクタと接続することで、遊技ユニットと支持対象とが電気的に接続された状態となる。
近年では、遊技ユニットを支持対象に着脱する際の遊技ユニットの変位によって両コネクタが電気的に接続/分離されるものが提案されている(例えば特許文献1:特開2004−267695号公報参照)。かかる遊技機においては、例えば遊技ユニット装着後に手作業でコネクタの接続を行う必要が無く、作業性の向上等が実現される。
ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技ユニットの取り付けに伴ってコネクタ同士が当たる可能性がある。このようにコネクタ同士が当たった際に、遊技ユニットの自重や取り付け操作の勢いがコネクタへと伝わると、同コネクタに大きな衝撃(負荷)が発生すると懸念される。また、コネクタが移動する経路と予め設定された接続経路とがずれることにより、コネクタ接続時の負荷が大きくなる等して、従来のように手動で接続していた場合には生じない応力等が発生したりすると想定される。これは、コネクタ本来の接続機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、接続作業の容易化を図りつつコネクタ本来の接続機能の低下を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴C群>
特徴C1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)がユニット本体(遊技盤80a)に搭載されてなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)を備え、当該遊技ユニットが支持対象(内枠13の樹脂ベース70)によって支持されている遊技機であって、
前記遊技ユニットにおいて前記支持対象と対峙している部分に設けられ、台座(台座461)を介して前記遊技ユニットに取り付けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記支持対象に設けられ、当該支持対象における取付完了位置への前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記取付完了位置からの前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタとの接続が解除される支持対象側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と
を備え、
前記台座は、前記ユニット本体と前記ユニット側コネクタとの間に遊技球の通過が可能となる隙間(球通路FS)が生じるようにして形成されており、少なくとも当該隙間が小さくなる側へ変形可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技ユニットを支持対象への取付完了位置へ配置することにより、ユニット側コネクタと支持対象側コネクタとが接続される。遊技ユニットの取付完了後に両コネクタを結合するといった別途作業が必要なくなることで、作業性の向上に貢献することができる。
しかしながら、支持対象に遊技ユニットを取り付けることにより両コネクタが結合される構成においては、上述した作業性の向上等の効果を発揮させることができる反面、コネクタ同士が接触等した際に、遊技ユニットの重量や勢いがコネクタに伝わりやすくなると想定される。コネクタに衝突等に起因した大きな応力が発生することは、コネクタの変形や破損等を招いてコネクタ本来の機能に支障をきたす要因となり得る。
この点、本特徴によれば、ユニット本体とユニット側コネクタとの間に遊技球の通過が可能となる隙間が形成されており、この隙間を利用して台座が変形可能となっている。このため、例えば遊技ユニット取付時にコネクタ同士の位置が上手く合わない等して衝突したとしても、台座が変形することにより衝突に起因する衝撃を吸収したりコネクタ同士の位置ばらつきを吸収したりすることができる。これにより、コネクタの保護を図ることができる。
つまり、遊技球用の通り道を確保しつつ、当該通り道を利用してコネクタの保護を実現することが可能となっている。これにより、限られた領域にて、各種通路部やコネクタを配置する上での制約を抑えることができる。
特徴C2.前記遊技ユニットは、前記支持対象に対する取付完了位置に配置されることで位置決めがなされる構成となっており、
前記台座は、前記遊技ユニットの位置決めがなされた場合には、蓄えられた弾性力により変形が発生していない初期の状態に復帰するように構成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技ユニットの位置決めがなされることで、仮に台座に弾性変形が生じている場合であっても、当該台座は変形前の状態(初期状態)に復帰することとなる。かかる構成によれば、上記隙間を過度に大きくしなくても遊技球用の通路としての機能を担保することができる。
特徴C3.前記遊技ユニットは、前記支持対象に対する取付完了位置に配置されることで位置決めがなされる構成となっており、
前記ユニット側コネクタ及び前記支持対象側コネクタの少なくとも一方は、少なくとも前記遊技ユニットの位置決めがなされた状態では接続方向と交差する方向への変位が許容されており、
前記台座は、前記一方の前記交差する方向への変位が許容された場合に、前記遊技ユニットを前記取付完了位置に配置される過程で蓄えられた弾性力によって変形が発生していない初期の状態に復帰するように構成されていることを特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、遊技ユニットが取付完了位置に配置されることで、ユニット側コネクタ及び支持対象側コネクタの少なくとも一方の上記交差する方向への変位が許容される。この際、台座が遊技ユニットを取付完了位置に配置される過程で蓄えられた弾性力によって変形が発生していない初期の状態に復帰する。仮に遊技ユニットの配置過程にて台座に弾性変形が生じている場合であっても、当該台座はコネクタの接続が完了することで変形前の状態(初期状態)に復帰することとなる。かかる構成によれば、上記隙間を過度に大きくしなくても遊技球用の通路としての機能を担保することができる。
特徴C4.前記隙間は、前記遊技ユニットが前記支持対象に取り付けられている場合に遊技球用の通路として機能することを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
台座とユニット本体との隙間が遊技球用の通路として機能している場合に上記弾性変形が生じた場合には、その隙間における遊技球の通過が妨げられやすくなると想定される。
ここで、本特徴によれば、遊技ユニットを支持対象にとりつけることで初めて上記隙間が遊技球用の通路として機能することとなる。ここで、上記隙間が通路として機能していない場合に、当該隙間をコネクタ保護に利用する構成とすることで、それら両機能を好適に併存させることができる。
特徴C5.前記支持対象側コネクタは、前記支持対象に対して変位不可となるようにして固定されており、
前記支持対象側コネクタと前記ユニット側コネクタとが結合されることで、それら両コネクタの結合方向と交差する方向への前記ユニット側コネクタの変位が規制されることを特徴とする特徴C1乃至特徴C4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、前記ユニット側コネクタと前記支持対象側コネクタとが結合されることで、ユニット側コネクタの変位が規制されることとなる。これにより、都度のコネクタ結合時に上記隙間が大きくなったり小さくなったりすることを回避することができる。これにより、同隙間に付与された球通路としての機能を好適に担保することができる。
特に、台座については、衝撃吸収等の機能を考慮した場合、ある程度強度を低く設定することが好ましい。しかしながら、単に強度を低下させた場合には、上記通路としての機能を担保することが難しくなる。そこで、コネクタ同士が結合された後は、支持対象側コネクタによって強度を補うことで、実用上好ましい構成が実現される。
特徴C6.前記遊技ユニットは、前記支持対象によって回動可能に支持されており、
前記台座は、
前記ユニット本体と前記隙間を隔てて対峙するように形成されたコネクタ取付部(対向部462)と、
前記コネクタ取付部から前記ユニット本体へ延びる脚部(脚部463)と
を有し、
前記脚部は、第1脚部と当該第1脚部よりも前記遊技ユニットにおける回動基端側に位置する第2脚部とを有し、
それら第1脚部及び第2脚部によって挟まれた部分が、前記隙間となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技ユニットが回動式となっている。かかる構成においては、回動中心部がずれる等することでコネクタ同士の位置関係にずれが生じやすくなる。ここで、脚部を回動中心の放射方向に離間させて設けることで、両脚部が同じ側に倒れるようにして変形可能となり、コネクタの姿勢の変化を抑えつつ上記ずれを吸収することができる。
特徴C7.前記ユニット本体は前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)、前記支持対象は当該遊技盤を着脱可能に支持する枠体(内枠13の樹脂ベース70)であり、
発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射装置(遊技球発射機構110)と、
前記遊技盤に設けられ、遊技領域を流下する遊技球を当該遊技盤の背面側に案内する複数の案内通路部(一般入賞口81等)と、
前記遊技盤の背面に設けられ、前記案内通路部を通じて当該遊技盤の背面側に案内された遊技球を回収して遊技機外部へと排出するための排出通路部(回収板150の回収通路151)と
を備え、
前記ユニット側コネクタは前記台座を介して前記遊技盤の背面に取り付けられており、
前記隙間は、前記排出通路部の一部を構成していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C7によれば、遊技者が遊技球の発射操作を行うことで、遊技領域へと遊技球が発射される。遊技領域へ到達した遊技球は案内通路部を通じて遊技盤の背面側へと案内され、排出通路部を経由して遊技機外部へと排出される。メンテナンス等を目的として遊技ユニットの着脱を行っている際には、遊技球が上記隙間に到達する機会がない。そこで、通路としての機能が不要である場合に、その隙間をコネクタ結合時の衝撃緩和に利用することで、通路部とコネクタとを遊技盤の背面側にて併設した場合であっても、配置にかかる空間的な制約を抑えることができる。
上記特徴C群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、電気部品が搭載されてなる遊技盤等の遊技ユニットと、その遊技ユニットを着脱可能に支持する支持枠等の支持対象とを備えているものがある。遊技ユニットには電気部品に接続されたコネクタが取り付けられており、このコネクタを支持対象側のコネクタと接続することで、遊技ユニットと支持対象とが電気的に接続された状態となる。
近年では、遊技ユニットを支持対象に着脱する際の遊技ユニットの変位によって両コネクタが電気的に接続/分離されるものが提案されている(例えば特許文献1:特開2004−267695号公報参照)。かかる遊技機においては、例えば遊技ユニット装着後に手作業でコネクタの接続作業を行う必要が無く、作業性の向上等が実現される。
ここで、上述したタイプの遊技機においては、遊技ユニットの取り付けに伴ってコネクタ同士が当たる可能性がある。このようにコネクタ同士が当たった際に、遊技ユニットの自重や取り付け操作の勢いがコネクタへと伝わると、同コネクタに大きな衝撃(負荷)が発生すると懸念される。また、コネクタが移動する経路と予め設定された接続経路とがずれることにより、コネクタ接続時の負荷が大きくなったり、従来のように手動で接続していた場合には生じない応力等が発生したりすると想定される。これは、コネクタ本来の接続機能を低下させる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、接続作業の容易化を図りつつコネクタ本来の接続機能の低下を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴D群>
特徴D1.遊技に関する制御処理を行う電気部品(表示制御装置620や主制御装置162)を搭載してなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が遊技機本体(内枠13、裏パックユニット15等からなる本体部)に支持されており、前記遊技ユニットが前記遊技機本体に対して着脱可能となっている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記遊技機本体に設けられ、当該遊技機本体の装着完了位置へ向けた前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記装着完了位置から取り外し側へ向けた前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと分離される本体側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と、
前記遊技ユニット及び前記遊技機本体のうち前記遊技機本体側に設けられ、前記遊技ユニットに供給する電力を生成する電源装置(電源・発射制御装置243)と、
を備え、
前記ユニット側コネクタと前記本体側コネクタとは、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から変位させる際に所定操作が行われることで、それら両コネクタの接続が解除され得る状況となるものであり、
前記ユニット側コネクタ及び前記本体側コネクタを通じて前記電源装置から前記遊技ユニットに電力が供給されるようになっており、
前記所定操作が行われたか否かを判定する判定手段(ステップS207を実行する機能)と、
前記判定手段により前記所定操作が行われたと判定された場合に、前記電気部品において所定の電断処理を実行する電断処理実行手段(ステップS211〜S213を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1の遊技機では、ユニット側コネクタと本体側コネクタとが、遊技機にとって前触れ無くいきなり接続解除(分離)されるのではなく、所定操作が行われることを経由して接続解除される。つまり、所定操作が行われることで両コネクタの接続が解除され得る状況となり、その状況下で、遊技ユニットの取り外しに伴い実際に両コネクタの接続解除が行われる。この場合、所定操作の有無を判定することで、メンテナンス作業等に際し、遊技機への電源供給をオンしたまま遊技ユニットを遊技機本体における装着完了位置から変位させる場合(例えば少しだけ位置をずらしたり遊技機本体から取り外したりする場合)に、ユニット側コネクタと本体側コネクタとの接続が解除され得る状況となったことを、実際の接続解除前(装着完了位置からの遊技ユニットの変位によって両コネクタが分離される前)に判定することができる。そして、その接続解除前に、前記電気部品において所定の電断処理、例えば電力供給停止の事前処理である電断処理を実行することができる。
電気部品においては、その動作中(制御処理が行われている最中)に突如として電力の供給が停止すると、電気部品自身や同電気部品に接続された遊技機器等の誤作動や破損等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、コネクタが分離されて電源装置からの電力の供給が途絶える場合には、コネクタが分離されて電力の供給が停止する前に所定の電断処理を実行することが可能であり、その電断処理の実行により、電気部品にかかる上記各種不都合の発生を抑えることができる。例えば、電断処理として、実行中の制御の終了処理や各種情報の保存用処理を実行するとよい。
なお、「所定操作」とは、例えば遊技ユニットを装着完了位置から取り外し側に変位させる際(変位前を含む)において両コネクタの分離前に行われる事前操作を示し、より具体的には、遊技ユニットの脱落を阻止するロック装置を備えている遊技機において当該ロック装置の解除操作や、遊技ユニットの前方に扉体が設けられる遊技機において当該扉体の開放操作等を含む。
特徴D2.前記遊技ユニットの前記装着完了位置からの変位を許容するアンロック状態と、前記遊技ユニットの前記装着完了位置からの変位を不可とするロック状態とに切替可能なロック手段(第1ロック装置79B、第2ロック装置500B)と、
当該ロック手段がロック状態とアンロック状態とで切替操作されることを検出する切替操作検出手段(位置検知センサ520,521)と、
を備え、前記ロック手段のロック状態からアンロック状態への切替操作後に前記遊技ユニットが前記装着完了位置から取り外されるようになっており、
前記判定手段は、前記切替操作検出手段によりアンロック状態への切替操作が検出された場合に、前記所定操作が行われたと判定することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技ユニットを遊技機本体から取り外す等する場合には、その取り外しの前にロック手段(第1ロック装置79B、第2ロック装置500B)をロック状態からアンロック状態に切り替える必要がある。この場合、遊技ユニットの取り外し時にはロック手段の切替操作が介在することにより、両コネクタの接続が解除され得る状況となったことを、実際の接続解除前に確実に判定できる。また、作業者がアンロック操作をし、その後に遊技ユニットの取り外し作業を開始することを考えると、アンロック操作から次のユニット取り外しに移行する時間が、電気部品についての電断処理が実行される時間として利用できることとなる。したがって、同電断処理を実行する期間を確保することができる。
なお、切替操作検出手段は、ロック手段のロック状態からアンロック状態への切替が完了する前に、切替操作有りと判定するものであるとよい。これにより、切替操作有りと検出されてからアンロック状態への切替完了となるまでの時間が、電気部品についての電断処理が実行される時間として利用できる。そのため、同電断処理を実行する期間を確保する上で一層有利となる。
特徴D3.前記ロック手段(第2ロック装置500B)は、前記遊技ユニット及び前記遊技機本体のうちその一方に設けられ、その他方に対して当接する当接位置と当接しない非当接位置とで、作業者の手動操作による移動が可能である当接部材(ストッパ片501,501B)を備え、その当接部材が前記非当接位置にあることで前記アンロック状態になるものであり、
前記切替操作検出手段(位置検知センサ520)は、前記当接部材が前記当接位置から前記非当接位置に移動することを、前記アンロック状態への切替操作として検出することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、ロック手段をロック状態からアンロック状態に移行させるには、当接部材を移動させるという作業を要する。この場合、その当接部材の移動には時間を要し、その移動の作業によって、電断処理を実行する時間を確保することができる。
特徴D4.前記電源装置は、遊技機に外部電源が供給されている場合に前記電気部品に対して電力を供給するものであり、
前記ロック手段は、前記電源装置からの電力供給に応じて作動するものであり、当該電源装置から電力供給されている状態では、前記ロック状態となり、かつ当該ロック状態から前記アンロック状態への切替操作が可能となっており、前記電源装置からの電力供給が遮断されている状態では、前記アンロック状態となるものであることを特徴とする特徴D2又は特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、ロック手段は、遊技機への外部電源の供給状況に応じてロック状態とアンロック状態とのいずれかとなる。この場合、電源装置からロック手段に電力供給されている状態(外部電源がオンになっている状態)では、遊技ユニットの電気部品に対しても電力供給がなされており、かかる状態下ではロック手段がロック状態にされることで、遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)が制限されている。ただし、作業者(ホール従業員等)により所定の切替操作が行われることでロック手段がアンロック状態に切り替わるようになっている。このアンロック状態への切替操作に伴い、上記のとおり電気部品についての電断処理が実行される。
また、電源装置からロック手段に電力供給されていない状態(外部電源がオフになっている状態)では、遊技ユニットの電気部品に対しても電力供給がなされておらず、遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)を制限する必要がない。この場合、ロック手段がアンロック状態になっていることで、遊技ユニットの取り外しを制限無く実施できる。
特徴D5.前記ロック手段(第1ロック装置79B)は、作業者による遊技ユニット取り外しのための手動操作が可能な操作部(操作部129)と、前記操作部の手動操作が行われる場合に、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から、その装着完了位置から離れた所定の押出位置に押し出す押出部(受け部材121)と、を有し、前記押出部が前記押出位置にあることで前記アンロック状態になるものであり、
前記切替操作検出手段(位置検知センサ521)は、前記押出部が前記押出位置に移動されることを、前記アンロック状態への切替操作として検出することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D5によれば、ロック手段をロック状態からアンロック状態に移行させるには、操作部を手動操作して押出部を押出位置に移動させるという作業を要する。この場合、その押出部の移動には時間を要し、その移動の作業によって、電断処理を実行する時間を確保することができる。
なお、特徴D5においては、ロック手段の操作部の手動操作に伴い遊技ユニットが装着完了位置から押出位置に押し出されるまでは前記両コネクタ(ユニット側コネクタ及び本体側コネクタ)を接続状態のまま維持する接続状態維持手段(接続状態維持機構X)を備えているとよい。
これにより、遊技ユニットの押出による移動に際し、両コネクタを介しての電源装置から遊技ユニットへの電力供給の状態が維持でき、所定の電断処理を好適に実施できる。
特徴D6.前記電源装置から前記遊技ユニット側への電力の供給が実施されている状況下で、前記ロック手段がアンロック状態からロック状態に切替操作されたか否かを判定するロック操作判定手段と、
前記ロック操作判定手段により前記ロック状態への切替操作有りと判定されたことに基づいて、前記電気部品について前記電断処理が実行される前の状態に復帰させる状態復帰手段と、
を備えていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6においては、ロック手段がアンロック状態からロック状態に切り替えられることをトリガとして、所定の復帰処理が実施される。これにより、迅速な遊技の再開が可能となる。
ここで、電源装置から遊技ユニット側に電力供給されている状況下でロック手段がアンロック状態になっていることは、それ以前に、作業者がロック手段をロック状態からアンロック状態に切替操作した可能性が高いと考えられる。この場合、作業者がロック手段を一旦アンロック状態に切り替えた後、遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)を行うことなく再びロック状態に戻したとの事態も考えられるが、かかる場合においても上記のとおり迅速な遊技の再開が可能となる。
特徴D7.前記遊技ユニットを前記装着完了位置から取り外し側に変位させる際においてその装着完了位置から所定の変位位置に達するまでは両コネクタを接続状態のまま維持する接続状態維持手段(接続状態維持機構X)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D7によれば、遊技ユニットを取り外す際には、装着完了位置から所定の変位位置に達するまでの区間において一時的に両コネクタの接続状態が維持される。これにより、遊技ユニットの変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができ、ひいては上述した電気部品についての電断処理を実行する期間を確保することができる。
特徴D8.前記ユニット側コネクタと前記本体側コネクタとのうち少なくともいずれかは、前記遊技ユニットが前記装着完了位置に対して変位する際の変位方向に変位可能な可動コネクタであり、
前記接続状態維持手段として、
前記遊技ユニットと前記遊技機本体との両部材のうち前記可動コネクタの設置ベースとなるベース部材(例えば遊技盤側コネクタ451,452を可動コネクタとする場合、遊技盤80a)に設けられ、当該可動コネクタを、前記変位方向に定められた所定の可動範囲で変位可能に支持する支持部(台座461)と、
前記可動コネクタを、前記ユニット側コネクタ及び前記本体側コネクタの接続状態が維持される向きに付勢する付勢手段(コイルバネ721)と、
を備え、
前記遊技ユニットが前記装着完了位置に装着されている状態で、前記可動コネクタが、前記変位方向において前記ベース部材から離れる方向に変位可能な状態で設けられていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、可動コネクタが、支持部において付勢手段に付勢されている状態で、遊技ユニットの変位方向に定められた所定の可動範囲で変位可能となっている。そして、遊技ユニットの取り外しに際し、可動コネクタが、所定の可動範囲内で変位することにより、両コネクタが接続状態のまま維持され、これにより、遊技ユニットの変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができる。この場合、遊技ユニットが取り外し側に変位する際において両コネクタの接続状態が維持される期間は、可動コネクタの可動範囲により定まることになる。したがって、可動コネクタの可動範囲を適宜決定することで、両コネクタの接続維持期間を所望するとおりに設定できる。例えば、上記電断処理の実行期間として、比較的長めの時間を確保したい場合には、可動コネクタの可動範囲を大きめにすればよい。
特徴D9.前記可動コネクタが前記変位方向において前記ベース部材から離れる方向に変位することを検出するコネクタ変位検出手段を備え、
前記判定手段は、前記コネクタ変位検出手段により前記可動コネクタの変位が検出された場合に、前記所定操作が行われたと判定することを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
特徴D9では、遊技ユニットを遊技機本体から取り外す等する場合にその取り外し時において可動コネクタの変位が生じることを利用し、可動コネクタの変位検出によって、両コネクタの接続が解除され得る状況となったことを判定するようにしている。この場合、可動コネクタの変位期間の時間を、電気部品についての電断処理が実行される時間として利用できる。
なお、コネクタ変位検出手段は、遊技ユニットが装着完了位置から取り外し側に変位することに伴い可動コネクタが変位する際に、その可動コネクタの変位当初(所定の可動範囲の前半部分)で所定操作有りと判定するものであるとよい。これにより、所定操作有りと判定されてから可動コネクタの可動範囲終わり(両コネクタの分離)までの時間が、電気部品についての電断処理が実行される時間として利用できる。そのため、同電断処理を実行する期間を確保する上で一層有利となる。
特徴D10.前記電断処理実行手段は、前記電断処理として、前記両コネクタが分離されて前記電源装置から前記遊技ユニットへの電力供給が遮断されている電断時において前記電気部品が有する電断時情報をバックアップ用のメモリに記憶する記憶処理を実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至特徴D9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D10によれば、遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)が行われる場合には、その前に、電断時情報がバックアップ用のメモリに記憶される。これにより、遊技ユニットが再装着されて(すなわち両コネクタが再接続されて)電気部品の通常動作が再開される場合に、バックアップ用のメモリに記憶されている電断時情報を用いることで通常動作への復帰を適正に実施できる。
電断時情報をバックアップ用のメモリにて記憶保持する構成としては、例えば、遊技ユニットに、両コネクタが分離されて電源装置から遊技ユニットへの電力供給が遮断されている電断状態において当該遊技ユニットに電力を供給する電断時用電力供給手段(電断時用電源部605a)を備え、その電断時用電力供給手段によりメモリの電源を供給する構成が考えられる。
特徴D11.前記遊技ユニットは、前記両コネクタが分離されて前記電源装置から前記遊技ユニット側への電力の供給が遮断されている電断状態において前記電気部品に電力を供給する電断時用電力供給手段(電断時用電源部605a)を有し、
前記電気部品は、前記電源装置からの電力の供給が停止している場合に、前記電断時用電力供給手段からの電力によって動作可能になっていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D11によれば、電断時用電力供給手段を採用することにより、両コネクタの分離に伴い電源装置から遊技ユニット側への電力供給が遮断されても、電子部品で好適に電断処理を実施できる。
上記特徴D群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、制御装置や表示装置等の電気部品が遊技盤等のユニット本体に搭載されてなる遊技ユニット(例えば遊技盤ユニット)と、遊技ユニットを着脱可能に支持する遊技機本体とを備えているものがある。遊技機本体には電源装置が設けられており、遊技ホール等の島設備から供給された電力は電源装置を通じて遊技ユニット(詳しくは上記電気部品)に供給される。
近年では、遊技ユニット側にユニット側コネクタを設けるとともに遊技機本体側に本体側コネクタを設け、遊技ユニットを遊技機本体における所定の装着完了位置に配置することで両コネクタの接続が完了し、遊技ユニットを装着完了位置から取り外し側へ移動させることで両コネクタが分離されるタイプの遊技機が考えられている。かかる遊技機においては、遊技ユニットを着脱する際の電気的な接続を行うための作業が不要となり、メンテナンス等を行う際の作業性の向上が図られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この種の遊技機においては、電源装置が遊技機本体側に設けられているため、遊技ユニット電源ON時に遊技ユニットを取り外そうとした場合には、突如としてコネクタ同士が分離され、遊技ユニット(上記電気部品)への電力の供給が突如として行われなくなる可能性がある。例えば、電気部品が動作中であった場合には、突如として電力の供給が停止することにより、誤作動や故障等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技ユニットの着脱によって同遊技ユニットと遊技機本体との電気的な接続/解除が行われる遊技機において、遊技ユニットを動かした際に電力の供給が突如停止して電気部品に不都合が生じることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴E群>
特徴E1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)を搭載してなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が遊技機本体(内枠13、裏パックユニット15等からなる本体部)に支持されており、前記遊技ユニットが前記遊技機本体に対して着脱可能となっている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記遊技機本体に設けられ、当該遊技機本体の装着完了位置へ向けた前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記装着完了位置から取り外し側へ向けた前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと分離される本体側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と、
前記遊技ユニット及び前記遊技機本体のうち前記遊技機本体側に設けられ、前記遊技ユニットに供給する電力を生成する電源装置(電源・発射制御装置243)と、
を備え、
前記ユニット側コネクタ及び前記本体側コネクタを通じて前記電源装置から前記遊技ユニットに電力が供給されるようになっており、
前記電源装置は、電力の供給を行うオン状態と電力の供給を行わないオフ状態とのいずれかになるものであり、
前記電源装置がオン状態になっている場合に、前記遊技機本体からの前記遊技ユニットの取り外しを規制する規制状態となり、前記電源装置がオフ状態になっている場合に、前記遊技機本体からの前記遊技ユニットの取り外しを規制しない非規制状態となる取り外し規制手段(第1ロック装置79B、第2ロック装置500,500B)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、両コネクタが接続状態にあり、かつ電源装置がオン状態になっている場合には、電源装置から遊技ユニット側(電気部品)への電力供給が行われ、電気部品の動作が可能になっている。この場合、取り外し規制手段によって遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)が規制されているため、突然コネクタが分離されて電力が供給されなくなることを抑制することができる。これにより、突然の電力カットに起因して電気部品に不都合が生じることを回避可能となる。
また、両コネクタが接続状態にあっても、電源装置がオフ状態になっていれば、遊技ユニットの取り外し(すなわち、ユニット取り外しに伴うコネクタ接続解除)が取り外し規制手段により規制されることはなく、かかる状態下において遊技ユニットの取り外しを制限無く実施できる。これにより、メンテナンス等を実施するための遊技ユニットの取り外しを行う場合において、その作業性が良好なものとなる。
特徴E2.遊技機に対する外部電源のオン/オフを切り替えるべく手動操作される電源操作手段(電源スイッチ247)を備え、
前記電源装置は、前記電源操作手段のオン/オフの切替操作により前記オン状態と前記オフ状態とのいずれかになるものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、作業者の電源操作手段のオン/オフの切替操作によって、電源装置がオン状態(電力出力状態)とオフ状態(電力出力停止状態)とのいずれかとなる。この場合、メンテナンス等に際して遊技ユニットを遊技機本体から取り外す必要があれば、遊技ユニットが装着されている状態で作業者が電源操作手段をオン→オフに切替操作する。これにより、遊技ユニットを取り外し可能な状態に移行させることができる。また、遊技ユニットを再装着した後には、電源操作手段をオフ→オンに切替操作することにより、遊技ユニットを取り外し不可な状態に戻すことができる。
特徴E3.前記取り外し規制手段は、
前記遊技ユニット及び前記遊技機本体のうちその一方に設けられ、その他方に対して当接する当接位置と当接しない非当接位置とで移動可能であり、前記当接位置にあることで前記遊技ユニットの取り外しを規制する当接部材(ストッパ片501,501B)と、
前記当接部材を、前記非当接位置側に付勢する付勢手段(コイルバネ508,508B)と、
前記電源装置がオン状態となる場合に駆動状態になるとともに、前記電源装置がオフ状態となる場合に非駆動状態になり、前記駆動状態では、前記当接部材を、前記付勢手段の付勢力に抗して前記当接位置に移動させる駆動手段(駆動部505,505B)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、電源装置がオン状態になっている場合には、例えばソレノイド等からなる駆動手段の駆動によって当接部材が当接位置に移動し、遊技ユニットの取り外し規制の状態が維持される。一方、電源装置がオフ状態になっている場合には、付勢手段の付勢力によって当接部材が非当接位置に移動し、遊技ユニットの取り外し規制の状態が解除される。したがって、電源装置がオフ状態になっている場合(例えば電源スイッチがオフになっている場合)に、電力の供給がなくても、遊技ユニットを取り外し可能状態に移行させることができる。
また、遊技ユニットが遊技機本体に装着された状態で無理に遊技ユニットが取り外し側へ引っ張られる等した場合であっても、遊技ユニットの取り外し規制は、取り外し規制手段の当接部材によってなされており、コネクタによりなされているわけではない。したがって、上記構成とすることにより、遊技ユニットの取り外し時にコネクタに負荷が加わることを抑制し、コネクタの自動接続機能が上手く機能しなくなることを回避できる。
特徴E4.前記取り外し規制手段(第2ロック装置500B)は、前記駆動手段の駆動により前記当接部材が前記当接位置にある場合に、その駆動手段の駆動力に抗して、手動操作により前記当接部材を前記非当接位置に移動させることが可能なものであり、
前記手動操作による前記当接部材の前記非当接位置への移動が行われたか否かを判定する判定手段(ステップS207を実行する機能)と、
前記判定手段により前記当接部材の前記非当接位置への移動が行われたと判定された場合に、前記電気部品において所定の電断処理を実行する電断処理実行手段(ステップS211〜S213を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4においては、取り外し規制手段に対する手動操作により、電源装置がオン状態になっていても遊技機本体からの遊技ユニットの取り外しが可能となる。この場合、電源オフの作業をしなくても遊技ユニットの取り外し作業が実施できるため、その利便性が向上するが、その反面、各コネクタの接続が突如として解除されることにより、以下の不都合が生じ得る。すなわち、電気部品においては、制御処理を行っている最中(動作中)に突如として電力の供給が停止すると、電気部品自身や同電気部品に接続された遊技機器等の誤作動や破損等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、取り外し規制手段に対する手動操作が行われた場合には、コネクタ接続解除用の電断処理、例えば電力供給停止の事前処理である電断処理が実行されるため、突然の電力カットに起因して電気部品に不都合が生じることを回避可能となる。
なお、「コネクタ接続解除用の電断処理」は、電気部品にてそれまで実行されていた制御にかかる情報を保存するための処理や、各種デバイスの動作等を終了させるための処理を含む。
特徴E5.前記遊技ユニットは、前記両コネクタが分離されて前記電源装置からの電力供給が遮断されている電断状態において前記電気部品に電力を供給する電断時用電力供給手段(電断時用電源部605a)を有していることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、遊技ユニットが電断時用電力供給手段を有しているため、両コネクタを介しての電力供給が遮断された状態であっても、所望とする電断処理を好適に実施できる。
特徴E6.前記遊技ユニットを前記装着完了位置から取り外し側に変位させる際においてその装着完了位置から所定の変位位置に達するまでは両コネクタを接続状態のまま維持する接続状態維持手段(接続状態維持機構X)を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E6によれば、遊技ユニットを取り外す際には、装着完了位置から所定の変位位置に達するまでの区間において一時的に両コネクタの接続状態が維持される。これにより、遊技ユニットの変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができ、ひいては上述した電気部品についての電断処理を実行する期間を確保することができる。
特徴E7.前記ユニット側コネクタと前記本体側コネクタとのうち少なくともいずれかは、前記遊技ユニットが前記装着完了位置に対して変位する際の変位方向に変位可能な可動コネクタであり、
前記接続状態維持手段として、
前記遊技ユニットと前記遊技機本体との両部材のうち前記可動コネクタの設置ベースとなるベース部材(例えば遊技盤側コネクタ451,452を可動コネクタとする場合、遊技盤80a)に設けられ、当該可動コネクタを、前記変位方向に定められた所定の可動範囲で変位可能に支持する支持部(台座461)と、
前記可動コネクタを、前記ユニット側コネクタ及び前記本体側コネクタの接続状態が維持される向きに付勢する付勢手段(コイルバネ721)と、
を備え、
前記遊技ユニットが前記装着完了位置に装着されている状態で、前記可動コネクタが、前記変位方向において前記ベース部材から離れる方向に変位可能な状態で設けられていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7によれば、可動コネクタが、支持部において付勢手段に付勢されている状態で、遊技ユニットの変位方向に定められた所定の可動範囲で変位可能となっている。そして、遊技ユニットの取り外しに際し、可動コネクタが、所定の可動範囲内で変位することにより、両コネクタが接続状態のまま維持され、これにより、遊技ユニットの変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができる。この場合、遊技ユニットが取り外し側に変位する際において両コネクタの接続状態が維持される期間は、可動コネクタの可動範囲により定まることになる。したがって、可動コネクタの可動範囲を適宜決定することで、両コネクタの接続維持期間を所望するとおりに設定できる。例えば、上記電断処理の実行期間として、比較的長めの時間を確保したい場合には、可動コネクタの可動範囲を大きめにすればよい。
特徴E8.前記判定手段により前記当接部材の前記非当接位置への移動が行われたと判定された場合に、前記電源装置から前記取り外し規制手段への電力供給を停止する停止手段(電源・発射制御装置243)を備えていることを特徴とする特徴E4乃至特徴E7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E8によれば、例えば遊技ユニットが遊技機本体から取り外される場合に、作業者の手動操作によって、取り外し規制手段が非規制状態に切り替えられることに伴い、電源装置から取り外し規制手段への電力の供給が停止されることとなる。この結果、取り外し規制手段が非規制状態のまま維持されることとなり、遊技ユニットを取り外す際に取り外し規制手段が作業の邪魔になることを抑制することができる。
上記特徴E群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、制御装置や表示装置等の電気部品が遊技盤等のユニット本体に搭載されてなる遊技ユニット(例えば遊技盤ユニット)と、遊技ユニットを着脱可能に支持する遊技機本体とを備えているものがある。遊技機本体には電源装置が設けられており、遊技ホール等の島設備から供給された電力は電源装置を通じて遊技ユニット(詳しくは上記電気部品)に供給される。
近年では、遊技ユニット側にユニット側コネクタを設けるとともに遊技機本体側に本体側コネクタを設け、遊技ユニットを遊技機本体における所定の装着完了位置に配置することで両コネクタの接続が完了し、遊技ユニットを装着完了位置から取り外し側へ移動させることで両コネクタが分離されるタイプの遊技機が考えられている。かかる遊技機においては、遊技ユニットを着脱する際の電気的な接続を行うための作業が不要となり、メンテナンス等を行う際の作業性の向上が図られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この種の遊技機においては、電源装置が遊技機本体側に設けられているため、遊技ユニット電源ON時に遊技ユニットを取り外そうとした場合には、突如としてコネクタ同士が分離され、遊技ユニット(上記電気部品)への電力の供給が突如として行われなくなる可能性がある。例えば、電気部品が動作中であった場合には、突如として電力の供給が停止することにより、誤作動や故障等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技ユニットの着脱によって同遊技ユニットと遊技機本体との電気的な接続/解除が行われる遊技機において、遊技ユニットを動かした際に電力の供給が突如停止して電気部品に不都合が生じることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
<特徴F群>
特徴F1.電気部品(図柄表示装置96や主制御装置162)を搭載してなる遊技ユニット(遊技盤ユニット80)が遊技機本体(内枠13、裏パックユニット15等からなる本体部)に支持されており、前記遊技ユニットが前記遊技機本体に対して着脱可能となっている遊技機であって、
前記遊技ユニットに設けられたユニット側コネクタ(遊技盤側コネクタ451,452)と、
前記遊技機本体に設けられ、当該遊技機本体の装着完了位置へ向けた前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと接続され、前記装着完了位置から取り外し側へ向けた前記遊技ユニットの変位により前記ユニット側コネクタと分離される本体側コネクタ(内枠側コネクタ401,402)と、
前記遊技ユニット及び前記遊技機本体のうち前記遊技機本体側に設けられ、前記遊技ユニットに供給する電力を生成する電源装置(電源・発射制御装置243)と、
を備え、
前記ユニット側コネクタ及び前記本体側コネクタを通じて前記電源装置から前記遊技ユニットに電力が供給されるようになっており、
前記電源装置から前記遊技ユニット側に電力が供給されている場合において、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から取り外し側に変位させる際に両コネクタを接続状態のまま維持する接続状態維持手段(ストッパ装置701、接続状態維持機構X)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1の遊技機では、遊技ユニットを遊技機本体に対する装着完了位置へ配置することでそれら遊技ユニット及び遊技機本体が電気的に接続され、遊技ユニットを遊技機本体から取り外すことで電気的な接続が解除される。かかる構成によれば、遊技ユニットの着脱作業時に電気的な接続/解除を行うための別途作業が不要となり、作業性の向上が実現される。
しかしながら、このように遊技ユニットの着脱に応じて両コネクタの接続/解除が行われる構成では、遊技機への電源供給をオンしたまま遊技ユニットを少しの間だけ取り外したい場合や、装着完了位置から少しだけ動かしたい場合に、電気的な接続が解除されてしまう。電気部品においては、制御処理を行っている最中(動作中)に突如として電力の供給が停止すると、電気部品自身や同電気部品に接続された遊技機器等の誤作動や破損等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、電源装置から遊技ユニット側(電気部品)に電力が供給されている場合には、両コネクタの接続状態を維持したまま遊技ユニットを取り外し側へ変位可能とすることにより、突如として電力の供給が停止することを抑制可能となっている。
また、遊技ユニット側への電力供給が停止される場合に、その電力供給の停止に対応すべく例えば電気部品(制御装置)にて開始処理や終了処理等を行う構成を想定すると、このような処理が遊技の円滑な進行を妨げる要因となり得る。この点、コネクタ接続を維持したまま遊技ユニットを変位させることが可能となれば、そのような不都合を生じにくくすることができる。
特徴F2.前記ユニット側コネクタと前記本体側コネクタとのうち少なくともいずれかは、前記遊技ユニットが前記装着完了位置に対して変位する際の変位方向に変位可能な可動コネクタであり、
前記接続状態維持手段として、前記可動コネクタについて前記変位方向の変位を許可する変位許可状態と、許可しない変位非許可状態とで切替可能であるコネクタ変位規制手段(ストッパ装置701)を備え、
前記コネクタ変位規制手段は、前記電源装置が電力の供給を行うオン状態になっている場合に、前記可動コネクタが前記変位許可状態となり、前記電源装置が電力の供給を行わないオフ状態になっている場合に、前記可動コネクタが前記変位非許可状態となるものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、電源装置のオン状態(電力出力状態)では、可動コネクタが遊技ユニットの変位方向に変位可能な変位許可状態となっているため、遊技ユニットの取り外しに際して、両コネクタを接続状態のまま維持することができ、電源装置から遊技ユニット側への電力供給を継続できる。
また、電源装置のオフ状態(電力出力停止状態)では、可動コネクタが変位非許可状態となる。この場合、その変位非許可状態では、可動コネクタについて変位方向の変位が許可されないことにより、遊技ユニットの取り外し時には両コネクタが互いに分離されることとなる。こうしてコネクタ分離の状況も想定していることから、遊技ユニットのメンテナンス等に際して、同遊技ユニットの取り外し作業性が低下することが回避される。
特徴F3.前記可動コネクタには、前記電源装置からの電力の供給経路となる電気配線(配線H3)が接続されており、当該電気配線は、前記変位方向における前記可動コネクタの変位を許容する余長分を有しており、
前記遊技ユニット及び前記遊技機本体のうち少なくともいずれかには、前記電気配線の前記可動コネクタとは反対の端部側に、前記電気配線の余長分を巻き取る巻取り手段(配線巻取り装置705)が設けられていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
例えば、遊技機本体に可動コネクタが設けられている構成において、可動コネクタが遊技機本体から離れている状態から同可動コネクタを遊技機本体側に近づけると、電気配線の弛み(余り)が生じ、それに起因して、電気配線が遊技ユニットと遊技機本体との間に挟まる等の不都合が生じることが懸念される。具体的には、遊技ユニットを、コネクタ接続状態を維持したまま装着完了位置から変位させ、その後に再び装着完了位置に配置する場合には、電気配線に弛み等が生じ、上記不都合の発生が懸念される。
この点、本特徴F3においては、遊技ユニットを装着完了位置に向けて変位させる場合(装着完了位置に復帰させる場合)には、電気配線が巻取り手段によって巻き取られることで、電気配線に生じる弛みが軽減され、ひいては上記不都合の発生を抑えることができる。
特徴F4.前記巻取り手段は、前記電気配線を巻き取る巻取り軸(巻取り軸706)と、当該巻取り軸を配線巻取り方向に回転駆動させる駆動手段(モータ等)と、を有しており、
前記遊技ユニットが前記装着完了位置に向けて変位する場合に、前記駆動手段を駆動状態として前記電気配線を巻き取らせる巻取り制御手段を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、遊技ユニットが装着完了位置に向けて変位する場合に、巻き取り制御が実施されることにより確実に電気配線の弛みが軽減される。
なお、電気配線の巻取りを行わせる構成としては、上記の巻取り制御を実施する構成以外に、巻取り軸に、電気配線を巻き取り側に付勢する付勢手段(ゼンマイバネ等)を設け、その付勢手段の付勢力を利用する構成が考えられる。
特徴F5.前記遊技ユニットが前記装着完了位置に配置される場合にその移動途中の遊技ユニットを減勢させる減勢機構(第1ロック装置79)を備えていることを特徴とする特徴F3又は特徴F4に記載の遊技機。
特徴F5によれば、装着完了位置に向けた遊技ユニットの移動速度を軽減することで、遊技ユニット(コネクタ)の移動速度と、巻取速度との差を小さくし、上記弛みの発生を好適に抑えることができる。
特徴F6.前記接続状態維持手段(接続状態維持機構X)は、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から取り外し側に変位させる際においてその装着完了位置から所定の変位位置に達するまでは両コネクタを接続状態のまま維持するものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、遊技ユニットを取り外す際には、装着完了位置から所定の変位位置に達するまでの区間において両コネクタの接続状態が維持される。これにより、遊技ユニットの変位開始時からすれば、実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングが遅延されることになる。これを利用すれば、例えば、電気部品について電断対処のための電断処理を実行する場合において、その処理実行の期間を確保することができる。
特徴F7.前記ユニット側コネクタと前記本体側コネクタとのうち少なくともいずれかは、前記遊技ユニットが前記装着完了位置に対して変位する際の変位方向に変位可能な可動コネクタであり、
前記接続状態維持手段として、
前記遊技ユニットと前記遊技機本体との両部材のうち前記可動コネクタの設置ベースとなるベース部材(例えば遊技盤側コネクタ451,452を可動コネクタとする場合、遊技盤80a)に設けられ、当該可動コネクタを、前記変位方向に定められた所定の可動範囲で変位可能に支持する支持部(台座461)と、
前記可動コネクタを、前記ユニット側コネクタ及び前記本体側コネクタの接続状態が維持される向きに付勢する付勢手段(コイルバネ721)と、
を備え、
前記遊技ユニットが前記装着完了位置に装着されている状態で、前記可動コネクタが、前記変位方向において前記ベース部材から離れる方向に変位可能な状態で設けられていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、可動コネクタが、支持部において付勢手段に付勢されている状態で、遊技ユニットの変位方向に定められた所定の可動範囲で変位可能となっている。そして、遊技ユニットの取り外しに際し、可動コネクタが、所定の可動範囲内で変位することにより、両コネクタが接続状態のまま維持され、これにより、遊技ユニットの変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができる。この場合、遊技ユニットが取り外し側に変位する際において両コネクタの接続状態が維持される期間は、可動コネクタの可動範囲により定まることになる。したがって、可動コネクタの可動範囲を適宜決定することで、両コネクタの接続維持期間を所望するとおりに設定できる。例えば、上記電断処理の実行期間として、比較的長めの時間を確保したい場合には、可動コネクタの可動範囲を大きめにすればよい。
特徴F8.前記両コネクタを相互に結合させたままとする結合保持状態と、前記両コネクタの相互の結合を解除する結合解除状態とで切替可能であるコネクタ結合手段(結合装置711)を備え、
前記コネクタ結合手段は、前記電源装置が電力の供給を行うオン状態になっている場合に、前記両コネクタを相互に結合させたままとする結合保持状態となり、前記電源装置が電力の供給を行わないオフ状態になっている場合に、前記両コネクタの相互の結合を解除する結合解除状態となるものであることを特徴とする特徴F1乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F8によれば、電源装置のオン状態(電力出力状態)では、遊技ユニットの取り外しに際し、両コネクタ同士の接続が意に反して解除されてしまうことを抑制できる。つまり、両コネクタを確実に接続状態(結合状態)のまま維持することができ、電源装置から遊技ユニット側への電力供給を確実に継続できる。この場合、上記の接続状態維持手段との絡みで言えば、遊技ユニットの取り外し時において、可動コネクタが遊技ユニットの変位方向に変位する際に両コネクタを確実に接続状態のまま維持できることとなる。
また、電源装置のオフ状態(電力出力停止状態)では、両コネクタを接続状態(結合状態)にしておく必要がないため、その接続状態を解除することができる。
ちなみに、特徴F3,F4のように巻取り手段を備える構成では、その巻き取り力が大きいと、電気配線の弛みを軽減できる点で望ましいが、その反面、可動コネクタが電気配線に過剰に引っ張られてしまい、コネクタ同士の結合が緩んで電気的な接続が切れてしまうこと等が懸念される。この点、上記のコネクタ結合手段を備える構成との組合せによれば、電気配線に生じる弛みを軽減しつつコネクタ接続状態を担保することができ、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴F9.前記電気部品は、遊技にかかる制御を実行する制御装置であり、
前記ユニット側コネクタと前記本体側コネクタとは、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から変位させる際に所定操作が行われることで、それら両コネクタの接続が解除され得る状況となるものであり、
前記所定操作が行われたか否かを判定する判定手段(ステップS207を実行する機能)と、
前記判定手段により前記所定操作が行われたと判定された場合に、前記電気部品において所定の電断処理を実行する電断処理実行手段(ステップS211〜S213を実行する機能)と、
を備え、
前記接続状態維持手段は、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から取り外し側に変位させる際においてその装着完了位置から所定の変位位置に達するまでは前記両コネクタを接続状態のまま維持するものであることを特徴とする特徴F1乃至特徴F8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F9の遊技機では、ユニット側コネクタと本体側コネクタとが、遊技機にとって前触れ無くいきなり接続解除(分離)されるのではなく、所定操作が行われることを経由して接続解除される。つまり、所定操作が行われることで両コネクタの接続が解除され得る状況となり、その状況下で、遊技ユニットの取り外しに伴い実際に両コネクタの接続解除が行われる。この場合、所定操作の有無を判定することで、メンテナンス作業等に際し、遊技機への電源供給をオンしたまま遊技ユニットを遊技機本体における装着完了位置から変位させる場合(例えば少しだけ位置をずらしたり遊技機本体から取り外したりする場合)に、ユニット側コネクタと本体側コネクタとの接続が解除され得る状況となったことを、実際の接続解除前(装着完了位置からの遊技ユニットの変位によって両コネクタが分離される前)に判定することができる。そして、その接続解除前に、前記電気部品において所定の電断処理、例えば電力供給停止の事前処理である電断処理を実行することができる。
電気部品においては、その動作中(制御処理が行われている最中)に突如として電力の供給が停止すると、電気部品自身や同電気部品に接続された遊技機器等の誤作動や破損等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、コネクタが分離される場合には、そのコネクタ分離前に所定の電断処理を実行することが可能であり、その電断処理の実行により、電気部品にかかる上記各種不都合の発生を抑えることができる。例えば、電断処理として、実行中の制御の終了処理や各種情報の保存用処理を実行するとよい。
なお、「所定操作」とは、例えば遊技ユニットを装着完了位置から取り外し側に変位させる際(変位前を含む)において両コネクタの分離前に行われる事前操作を示し、より具体的には、遊技ユニットの脱落を阻止するロック装置を備えている遊技機において当該ロック装置の解除操作や、遊技ユニットの前方に扉体が設けられる遊技機において当該扉体の開放操作等を含む。
また、上記構成によれば、遊技ユニットを取り外す際には、装着完了位置から所定の変位位置に達するまでの区間において両コネクタの接続状態が維持される。これにより、遊技ユニットの変位開始後において実際に両コネクタの接続が解除されるタイミングを遅延させることができ、ひいては上述した電気部品についての電断処理を実行する期間を確保することができる。
特徴F10.前記遊技機本体には、前記遊技ユニットの取り外しを阻止又は許容するロック手段(第1ロック装置79)を備え、
前記ロック手段は、
作業者による遊技ユニット取り外しのための手動操作が可能な操作部(操作部129)と、
前記操作部の手動操作が行われる場合に、前記遊技ユニットを前記装着完了位置から、その装着完了位置から離れた所定の押出位置に押し出す押出部(受け部材121)と、
を有し、
前記接続状態維持手段は、少なくとも前記操作部の手動操作に伴い前記遊技ユニットが前記装着完了位置から前記押出位置に押し出されるまでは、前記両コネクタを接続状態のまま維持するものであることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
特徴F10によれば、遊技ユニットを遊技機本体の装着完了位置から動かす場合には、ロック手段の操作部を手動操作することで、遊技ユニットが所定の押出位置に押し出されることとなる。この場合、遊技ユニットの取り外しに際し、その変位開始当初においては、遊技ユニットが所定の押出位置に押し出される期間で両コネクタの接続状態が維持されるため、上記電断処理を好適に実施できる。
特徴F11.前記遊技ユニットは、前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成されたユニット本体としての遊技盤(遊技盤80a)に前記電気部品が搭載されてなる遊技盤ユニット(遊技盤ユニット80)であり、前記遊技機本体に対して遊技機前方から取り付けられており、
前記遊技盤には、前記遊技領域を流下した遊技球を前記遊技盤の背面側に誘導する誘導通路が形成されるとともに、その背面側に、前記誘導通路を通じて前記遊技盤の背面側に誘導された遊技球を案内する案内通路が形成されており、
前記遊技機本体の背面側には、前記遊技盤側の案内通路から流出した遊技球を回収する回収通路が形成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F11に示すように、遊技盤の背後に案内通路を有し、案内通路から流出した遊技球が遊技機本体に設けられた回収通路で回収される構成においては、遊技中において、それら各通路や、両通路の間にて球詰まりが発生する可能性がある。このような不都合が発生した場合には、遊技盤を装着完了位置から移動させることで球詰まりの発生箇所に容易にアクセスすることができる。このような対応をした場合に、毎度コネクタの接続が解除されることは、作業後の円滑な遊技進行を妨げる要因となるため好ましくない。
この点、上記各特徴に示した構成によれば、接続を維持したまま上記確認作業や球詰まりの解消作業等を行うことができる。これらの作業を行うにあたり、遊技機の背面を全て露出させる必要も無い。遊技機の背面には制御装置等の利益にかかる構成が配置されているので、このような構成が遊技者等の目にとまる機会を減らすことで、防犯機能を好適に向上させることができる。
上記特徴F群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、制御装置や表示装置等の電気部品が遊技盤等のユニット本体に搭載されてなる遊技ユニット(例えば遊技盤ユニット)と、遊技ユニットを着脱可能に支持する遊技機本体とを備えているものがある。遊技機本体には電源装置が設けられており、遊技ホール等の島設備から供給された電力は電源装置を通じて遊技ユニット(詳しくは上記電気部品)に供給される。
近年では、遊技ユニット側にユニット側コネクタを設けるとともに遊技機本体側に本体側コネクタを設け、遊技ユニットを遊技機本体における所定の装着完了位置に配置することで両コネクタの接続が完了し、遊技ユニットを装着完了位置から取り外し側へ移動させることで両コネクタが分離されるタイプの遊技機が考えられている。かかる遊技機においては、遊技ユニットを着脱する際の電気的な接続を行うための作業が不要となり、メンテナンス等を行う際の作業性の向上が図られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この種の遊技機においては、電源装置が遊技機本体側に設けられているため、遊技ユニット電源ON時に遊技ユニットを取り外そうとした場合には、突如としてコネクタ同士が分離され、遊技ユニット(上記電気部品)への電力の供給が突如として行われなくなる可能性がある。例えば、電気部品が動作中であった場合には、突如として電力の供給が停止することにより、誤作動や故障等の不都合が生じやすくなると懸念される。これは、遊技者や遊技ホールの利益担保を妨げる要因となり得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技ユニットの着脱によって同遊技ユニットと遊技機本体との電気的な接続/解除が行われる遊技機において、遊技ユニットを動かした際に電力の供給が突如停止して電気部品に不都合が生じることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110のソレノイド111)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(作動口84,85等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。