以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下においては、データベースを「DB」,リーダ/ライタを「R/W」,ステップSを「S」と略記する。
本発明に係る遊技用装置(各台計数ユニット50)は、図1,図2に示すように、遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、図5,図6に示すように、遊技媒体(パチンコ玉)を受け入れて計数する計数手段(玉カウンタ35)を有する計数部30と、該計数部30と通信可能な制御部(玉貸発券処理部20)とを備えるものである。
そして各台計数ユニット50は、図13(a)(b)に示すように、計数部30において、第1記憶値を記憶し、前記計数された遊技媒体数に基づいて、該第1記憶値を更新すると共に、玉貸発券処理部20においても、第2記憶値を記憶し、計数部30から送信されてくる計数情報の受信に基づいて、該第2記憶値を更新する。また玉貸発券処理部20において、第2記憶値の範囲内で遊技媒体を払い出して遊技者に返却するための持玉払出処理が行われたことに基づいて、該第2記憶値を更新し、計数部30においても、玉貸発券処理部20から送信されてくる払出情報の受信に基づいて、第1記憶値を更新する。これにより、第1記憶値と第2記憶値は、静電気等によるデータ異常や、玉貸発券処理部20又は計数部30の取り替えや、玉貸発券処理部20と計数部30との間におけるオフラインの発生等が無い限り、原則として同一の値となる。この各台計数ユニット50には、第1実施形態と第2実施形態とが含まれる。
ここで第1実施形態に係る各台計数ユニット50では、図13(a)に示すように、玉貸発券処理部20が記憶している第2記憶値が、計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理の対象となる主たる記憶値である一方、計数部30が記憶している第1記憶値が、前記第2記憶値が失われた場合に復旧するための従たる記憶値である。そして第1実施形態に係る各台計数ユニット50では、計数部30と玉貸発券処理部20とが(例えば両者の電源投入により)通信可能になったことに基づき、所定の復旧条件が成立したことを条件として、復旧元である計数部30により記憶している第1記憶値を、復旧先である玉貸発券処理部20に第2記憶値として記憶させる、復旧処理が行われる。なお確定処理(後述する図7(a)のS26cに示す持玉数更新処理)では、玉貸発券処理部20が記憶している第2記憶値と持玉数とカードIDとを含む持玉数更新要求が、該玉貸発券処理部20から上位装置である持玉管理装置62に対して送信される。
また第2実施形態に係る各台計数ユニット50では、図13(b)に示すように、計数部30が記憶している第1記憶値が、計数された遊技媒体数を景品交換又は他の遊技機での遊技に使用させるために確定させるための確定処理の対象となる主たる記憶値である一方、玉貸発券処理部20が記憶している第2記憶値が、前記第1記憶値が失われた場合に復旧するための従たる記憶値である。そして第2実施形態に係る各台計数ユニット50では、計数部30と玉貸発券処理部20とが(例えば両者の電源投入により)通信可能になったことに基づき、所定の復旧条件が成立したことを条件として、復旧元である玉貸発券処理部20により記憶している第2記憶値を、復旧先である計数部30に第1記憶値として記憶させる、復旧処理が行われる。なお確定処理(後述する図7(a)のS30a’に示す持玉数更新処理)では、計数部30が記憶している第1記憶値と玉貸発券処理部20から受信した持玉数とカードIDとを含む持玉数更新要求が、該計数部30から上位装置である持玉管理装置62に対して送信される。
さらに本発明に係る各台計数ユニット50及び遊技用システム1は、該各台計数ユニット50で故障(例えばカード返却不能)が発生した場合に、該各台計数ユニット50で記憶している計数値(持玉数+第2記憶値)と当該計数値に対応するカードIDとを含む故障情報を持玉管理装置62に対して送信することにより、該持玉管理装置62が記憶している計数値を更新できるものであると共に、該故障した各台計数ユニット50に代えて新たな各台計数ユニット50がセットされた場合に、故障した各台計数ユニット50から送信されてきた計数値を新たな各台計数ユニット50に対して返信することにより、該新たな各台計数ユニット50で遊技を続行できるものである。
以下、まず第1実施形態について説明し、次に第2実施形態について第1実施形態と異なる点のみを説明し、次に各台計数ユニット50で故障が発生した場合について説明し、最後に変形例について説明する。
[1.第1実施形態に係る各台計数ユニット50]
まず、図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る遊技用装置である各台計数ユニット50の構成について説明する。該各台計数ユニット50を含む遊技用システム1は、図1に示すように、遊技場内において、複数の遊技島の各々に設けられる島コンピュータ63と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10と、各遊技島に設けられる島コンピュータ63と通信可能であり、当該遊技島に配置される複数のパチンコ機10の各々に対応して設けられる各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20+計数部30)と、全ての島コンピュータ63と通信可能な残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70からなる。
この遊技用装置及び遊技用システム1では、図2(b)に示すように、会員カード2及びビジターカード3が使用される。以下、会員カード2及びビジターカード3を区別しない場合には、両者を単に「カード」と総称する。これらカードは、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、不揮発性のEEPROMを備える非接触式のICチップを記録領域として備えている。なお、ここでいうカードには、円形状を呈するコインも含まれる。
会員カード2は、遊技場において会員登録を行った遊技者(会員遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、会員遊技者を示す頭文字Mと、それに続く5桁のユニークな数字からなり、会員遊技者を個々に識別可能な情報でもある。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数及び貯玉数は記憶されていない。この会員カード2が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている暗証番号(図示外)の認証がとれたことを条件として、図1に示すように、該カードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されているプリペイド残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて会員管理装置61で管理されている貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理が可能となり、さらにカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数及び該カードIDに対応付けて玉貸発券制御部22のカードテーブル(図3)で記憶している第2記憶値を使用した持玉払出処理が可能となる。
ビジターカード3は、遊技場において遊技者(ビジタ遊技者)に対して発行される記録媒体であり、該記録媒体を個々に識別可能な情報であるカードIDがICチップに予め記録されている。このカードIDは、ビジタ遊技者を示す頭文字Vと、それに続く5桁のユニークな数字からなる。またICチップには、プリペイド残額も記憶されているが、持玉数は記憶されていない。このビジターカード3が玉貸発券処理部20のカードR/W23で受け付けられると、図1に示すように、ICチップに記録されているカードIDに対応付けて残額管理装置60で管理されている残額を使用した玉貸処理が可能となり、またカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されている持玉数及び該カードIDに対応付けて玉貸発券制御部22のカードテーブル(図3)で記憶している第2記憶値を使用した持玉払出処理が可能となる。なおビジタ遊技者は、会員遊技者と異なり、貯玉をしたり貯玉再プレイをしたりすることはできない。
ここで残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及び島コンピュータ63について、図1を参照して説明する。残額管理装置60は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が前払いしたプリペイド価値であるプリペイド残額を管理するコンピュータである。この残額管理装置60は、入金処理(図7(a)のS04,S22)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該入金処理に供された入金額とを含む加算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額に該入金額を加算して、加算完了通知を返信し、また玉貸処理(図7(a)のS21)を行う玉貸発券処理部20からカードIDと該玉貸処理に使用された使用額とを含む減算要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該使用額を減算して、減算完了通知を返信する。
会員管理装置61は、会員カード2のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を貯蓄してなる貯玉数を管理するコンピュータである。この貯玉数は、遊技者が獲得した当日のみならず、翌日以降も、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。また会員管理装置61は、図示しないが、カードIDに対応付けて、会員登録の際に登録された当該会員遊技者の個人情報(氏名,郵便番号,住所,及び電話番号等)と暗証番号も管理している。この会員管理装置61は、会員カード2を受け付けて管理貯玉数取得処理(図7(a)のS06)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと暗証番号とを含む貯玉数取得要求を受信すると、該受信した暗証番号が該受信したカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致する(即ち認証がとれた)ことを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また貯玉数更新処理(図7(a)のS26b)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を当該受信した貯玉数に更新する。また会員管理装置61は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数から景品交換に使用された玉数を減算し、また該POS端末からカードIDと貯玉する玉数とを含む貯玉要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数に貯玉する玉数を加算する。
持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3のカードIDに対応付けて、遊技者が所有する遊技用価値であって、該遊技者が遊技により獲得した獲得価値(賞球)を計数してなる持玉数を管理するコンピュータである。この持玉数は、遊技者が獲得した当日のみ、景品交換やパチンコ機10での遊技に使用可能である。この持玉管理装置62は、会員カード2又はビジターカード3を受け付けて管理持玉数取得処理(図7(a)のS07)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDを含む持玉数取得要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信し、また持玉数更新処理(図7(a)のS26c)を行う玉貸発券処理部20から、カードIDと払出可能玉数(即ち持玉数+第2記憶値)とを含む持玉数更新要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数を当該受信した払出可能玉数に更新する。また持玉管理装置62は、景品交換処理を行うPOS端末(図示外)からカードIDと景品交換に使用された玉数とを含む景品交換要求を受信すると、該カードIDに対応付けて管理している持玉数から景品交換に使用された玉数を減算する。
なお持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、会員カード2のカードID(即ち頭文字がMのカードID)に対応付けられている持玉数を消去すると共に、カードIDと該消去された持玉数とを含む振替要求を会員管理装置61に対して送信し、会員管理装置61は、該振替要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数に該振替要求に含まれる持玉数を加算更新する。即ち会員カード2のカードID対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に貯玉数に振り返られて、翌日以降も使用可能になる。また持玉管理装置62は、当日の営業終了後において、ビジターカード3のカードID(即ち頭文字がVのカードID)に対応付けられている持玉数を消去する。即ちビジターカード3のカードIDに対応付けられている持玉数は、当日の営業終了後に自動的に消去されて、無効になる。
さらに持玉管理装置62は、故障(例えばカード返却不能)が発生した各台計数ユニット50から、カードIDと計数値(持玉数+第2記憶値)とを含む故障情報を受信すると、持玉DBの持玉数を更新し、新たな各台計数ユニット50に対して該持玉数を送信するものであるが、これについては図14〜図18を参照して後述する。
島コンピュータ63は、接続される(即ち当該島コンピュータ63が設けられる遊技島に配置される)各パチンコ機10及び各台計数ユニット50と、残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70との間におけるデータ通信を中継する中継装置である。
次にパチンコ機10について説明する。パチンコ機10は遊技機の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、各台計数ユニット50に対応して(ここでは玉貸発券処理部20の右側に隣接して)設けられ、対応する各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20と通信することにより、該玉貸発券処理部20が行う玉貸処理に応じて当該パチンコ機10からパチンコ玉を払い出して貸与する、いわゆるCR式のパチンコ機である。このパチンコ機10は、遊技場内に設けられた遊技島において該パチンコ機10の機種等に従って配置されており、ユニークな台番号により個々に識別される。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、上皿に残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、玉貸発券処理部20の玉貸通信部21aと通信可能に接続されており、パチンコ機10と玉貸発券処理部20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理(図7(a)のS21),持玉払出処理(同S24),及び貯玉再プレイ処理(S25)において、玉貸発券処理部20との間で信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。玉払出装置13は、玉貸処理,持玉払出処理,及び貯玉再プレイ処理においてパチンコ玉を払い出すと共に、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。
残度数表示器14は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額(即ち図3に示すカードテーブルで記憶しているプリペイド残額)から特定される残度数を表示するための表示器であり、ここでは2桁の7セグメント表示器によって構成されている。この残度数表示器14では、該玉貸通信部21aから残度数を示す度数表示信号が入力されることによって、該残度数が表示される。この度数表示信号に含まれる残度数は、「プリペイド残額÷最小の単位有価価値(ここでは100円)」の式で演算された商である。この残度数表示器14で表示される残度数は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が更新される毎に、更新して表示される。
玉貸ボタン15は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)に記録されているプリペイド残額を使用した玉貸処理を行うための玉貸操作を受け付けるボタンである。この玉貸ボタン15が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている貸出入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに貸出入力信号が入力され、該検出回路が該貸出入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22が玉貸ボタン15が操作された旨を認識して、玉貸処理(図7(a)のS21)を行う。
カード返却ボタン16は、対応する玉貸発券処理部20のカードR/W23にて受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)を返却するための返却操作を受け付けるボタンである。このカード返却ボタン16が操作されたことにより、玉貸通信部21aとの間に図示しない検出回路を介して設けられている返却入力信号線を介して、該玉貸通信部21aに返却入力信号が入力され、該検出回路が該返却入力信号の入力を検出することによって、玉貸発券制御部22がカード返却ボタン16が操作された旨を認識して、カードの返却(図7(a)のS26a)を行う。
上記の残度数表示器14,玉貸ボタン15,及びカード返却ボタン16は、図2(a)に示すように、パチンコ機10の前面(ここでは上皿)に設けられているが、図1に示すように、玉貸発券処理部20と接続されているので、遊技用装置を構成する該玉貸発券処理部20に属するものでもある。
このパチンコ機10では、発射ハンドルが操作されると、上皿にあるパチンコ玉が遊技領域に打ち込まれて、遊技が行われる。そして遊技領域に打ち込まれた打込玉が始動入賞口に入賞すると、可変表示装置が変動を開始し、該可変表示装置に表示される図柄の表示結果が特定の態様になると、大当りが発生する。また打込玉が入賞口(始動入賞口,一般入賞口,又は大当りになると開放される大入賞口等)に入賞すると、払出制御基板12の制御により玉払出装置13から賞球が払い出され、該払い出された賞球は、まず上皿に導かれ、該上皿が満タンになると下皿に導かれる。そして下皿に導かれた賞球は、落下レバー(図示外)が操作されると、下皿から落下して、計数部30の玉載置部32に導かれる。なお打込玉は、図示しないが、当該パチンコ機10の背後に設けられたアウトタンクで収集されて打込玉カウンタでカウントされ、カウント後に遊技島に取り込まれる。
次に各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20について説明する。玉貸発券処理部20は遊技用装置を構成するものであって、図1及び図2(b)に示すように、遊技機であるパチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ26,紙幣挿入口25a,突出部20a,及びカード挿入口23a等を備え、図2(b)に示すように、その内部に紙幣識別機25,玉貸通信部21a,場内通信部21b,玉貸発券制御部22,カードR/W23,及びカードストッカ23b等を備え、突出部20aの右側面(即ち遊技者に向く側)にタッチパネル式のディスプレイ24を備え、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。なお玉貸発券処理部20の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されているが、これらについては後述する。この玉貸発券処理部20と計数部30とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成され、該各台計数ユニット50は、対応するパチンコ機10の台番号により個々に識別される。
また玉貸発券処理部20は、玉貸発券制御部22が記憶している制御部IDにより個々に識別され、計数部30は、計数制御部31が記憶している計数部IDにより個々に識別される。そして各台計数ユニット50は、任意の制御部IDの玉貸発券処理部20と、任意の計数部IDの計数部30との組み合わせからなり、玉貸発券処理部20又は計数部30の一方が故障等の場合には、該故障した玉貸発券処理部20又は計数部30を、記憶値が記憶されていない玉貸発券処理部20又は計数部30に取り替えることにより、残存する計数部30又は玉貸発券処理部20に記憶されている記憶値が、復旧処理によって、取り替えられた玉貸発券処理部20又は計数部30に記憶されて、使用可能となる。即ち各台計数ユニット50の玉貸発券処理部20と計数部30は着脱可能である。なお故障した玉貸発券処理部20又は計数部30を、記憶値が記憶されている玉貸発券処理部20又は計数部30に取り替えると、残存する計数部30又は玉貸発券処理部20にも記憶値が記憶されており、いずれの記憶値に基づいて復旧処理を行えば良いか判別できないため、エラーとなる。
なお第1実施形態では、図11に示すように、計数部30の計数制御部31が、現在装着されている組み合わせ先の玉貸発券処理部20の制御部IDを記憶していて、該記憶している制御部IDを含む接続確認応答を玉貸発券制御部22に対して送信し、玉貸発券制御部22は、自らが記憶している制御部IDと一致するか否かを判定することで(S321)、一致ならば、計数部30及び玉貸発券処理部20の取り替えが行われていない(即ち元の組み合わせのまま)と判定でき、不一致ならば、計数部30又は玉貸発券処理部20の取り替えが行われていると判定できる。
図1に戻り、玉貸通信部21aは、前述の如く、パチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。場内通信部21bは、島コンピュータ63を介して残額管理装置60,会員管理装置61,持玉管理装置62,及びホールコンピュータ70と通信可能に接続されており、それらと玉貸発券処理部20(各台計数ユニット50)との間における通信を司るものである。
玉貸発券制御部22は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、玉貸発券処理部20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
この玉貸発券制御部22は、電源が切れても記憶内容が保持される不揮発性のEEPROMで、図3に示すカードテーブルを記憶している。このカードテーブルでは、カードR/W23で受け付けたカード(会員カード2又はビジターカード3)から読み取ったカードIDと、当該カードIDに対応するプリペイド残額,持玉数,第2記憶値,及び貯玉数(ただし貯玉数は、受け付けたのが会員カード2の場合のみ)とが記憶されて更新される。
ここでプリペイド残額は、残額管理装置60から取得して記憶されて、入金処理により加算更新され、玉貸処理により減算更新される。また持玉数は、持玉管理装置62から取得して記憶され、持玉払出処理により減算更新される。また第2記憶値は、計数制御部31から送信されてくる動作指示応答に含まれる計数値の累積値が記憶され、持玉払出処理により減算更新される。また貯玉数は、会員管理装置61から取得して記憶され、貯玉再プレイ処理により減算更新される。これらプリペイド残額,持玉数,第2記憶値,及び貯玉数の記憶及び更新の詳細については、図7(a)〜図10を参照して後述する。
なお持玉数と第2記憶値とを合算した値が、持玉払出処理に使用可能な払出可能玉数であるが、該持玉払出処理では、第2記憶値が優先して減算(使用)され、該第2記憶値が減算(使用)されて零になると、持玉数が減算(使用)される。この玉貸発券制御部22のEEPROMは、第2記憶値を記憶する第2記憶手段として機能するものである。
また玉貸発券制御部22のEEPROMは、予め定められた所定期間内(例えば1日以内)に後述するS333又はS334の復旧処理を行った復旧回数を記憶する復旧回数記憶手段として機能するものである。
カードR/W23は、図2(b)に示すように、カード挿入口23aからカード(会員カード2又はビジターカード)の挿入を受け付けて、該カードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取るものである。カードストッカ23bは、カードR/W23の後方に設けられ、所定枚数(例えば10枚)のビジターカード3を貯留するものである。このカードストッカ23bには、玉貸処理が行われてプリペイド残額が零になり、かつ持玉数が零であるビジターカード3が取り込まれて貯留される(図7(a)のS21c)。またカードR/W23にてカードを受け付けていない状態で紙幣識別機25にて紙幣を受け付けた場合(図7(a)のS01でYES)に、カードストッカ23bで貯留しているビジターカード3(以下、「ストックカード」とも称する。)のうちの1枚が、該カードストッカ23bからカードR/W23に対して搬送されて、カードR/W23にセットされ、カードR/W23は、該セットされたビジターカード3のICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取る(図7(a)のS03)。
タッチパネル式のディスプレイ24は、各種の情報を表示する表示デバイスであると共に、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスである。このディスプレイ24では、図4に示すメイン画面が表示される。このメイン画面では、図3のカードテーブルで記憶している払出可能玉数が表示されると共に、該払出可能玉数を使用した持玉払出処理を行うための払出操作を受け付ける「払出」ボタンが表示される。またカードテーブルで貯玉数を記憶している場合(即ちカードR/W23にて会員カードを受け付けている場合)には、該貯玉数が表示されると共に、該貯玉数を使用した貯玉再プレイ処理を行うための再プレイ操作を受け付ける「再プレイ」ボタンが表示される。またメイン画面で表示される払出可能玉数や貯玉数は、カードテーブルで記憶している持玉数や第2記憶値や貯玉数が更新される毎に、更新して表示される。
紙幣識別機25は、図2(b)に示すように、紙幣挿入口25aから紙幣(1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,又は10000円紙幣)の挿入を受け付けて、該紙幣を識別するものである。なお識別された紙幣は、紙幣識別機25の後方に設けられる紙幣通路25b内を搬送されて遊技島に取り込まれ、遊技島内に設けられる搬送路を経て遊技島の端部に設けられる金庫に回収される。
多機能ランプ26は、様々な色で点灯及び/又は点滅して発光することにより、該発光態様に応じた報知を行うものであり、例えば図10のS204に示す通信異常報知や、図11のS314やS338に示すエラー処理におけるエラー報知等を行う。
次に各台計数ユニット50の計数部30について説明する。計数部30は遊技用装置の一部を構成するものであって、遊技媒体であるパチンコ玉を受け入れて計数する計数手段である玉カウンタ35を有するものである。なお玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、遊技島に取り込まれる。この計数部30は、図2(a)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において前面に配置される外部ユニット30aと、図2(b)に示すように、玉貸発券処理部20の下部において内部に配置される内部ユニット30bとからなり、この計数部30と前記玉貸発券処理部20とで、遊技用装置である各台計数ユニット50が構成される。以下、計数部30の構造について、図5及び図6を参照して説明する。
外部ユニット30aの内部には、図5(b)に示すように、パチンコ機10の下皿から落下されたパチンコ玉を受け入れて載置する玉載置部32と、該玉載置部32の下流側に設けられ、該玉載置部32上のパチンコ玉の玉カウンタ35への受入を可能又は不可能とするシャッタ33と、玉載置部32の下方に設けられる流出路40とが設けられている。ここでシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有ることを条件に開放され、該ストックカードが無くなると閉鎖される。またシャッタ33は、カードストッカ23bにストックカードが有っても、計数部30において計数が禁止されると閉鎖される。
また外部ユニット30aの前面には、図5(a)に示すように、LED(発光ダイオード)41が設けられ、さらに外部ユニット30aの下面には、流出路40の下流側の端部において、該流出路40内を流下したパチンコ玉を受け止める受皿40が設けられている。
また内部ユニット30bの内部には、図5(c)に示すように、玉載置部32の下流側の端部に連通する流入路34と、該流入路34の下流側の端部に設けられ、該流入路34内を流下するパチンコ玉を計数する玉カウンタ35と、流入路34の下方に設けられ、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉の一部を貯留し、その下流側の端部が前記流出路40の上流側の端部に連通する玉貯留部36と、流入路34の下流側の端部に連通し、玉カウンタ35にて計数されたパチンコ玉のうち玉貯留部36に貯留される以外のパチンコ玉を遊技島内に流すための排出路37と、玉貯留部36の下流側の端部に設けられ、該玉貯留部36から払い出されるパチンコ玉を計数する払出カウンタ38とが設けられている。ここで玉貯留部36には、予め定められた払出単位(例えば25玉)に満たない数のパチンコ玉を計数部30から払出可能なように、当該払出単位未満の最大数(即ち24玉)のパチンコ玉が貯留される。
そして図1に示すように、シャッタ33を駆動するソレノイド(図示外),玉カウンタ35に設けられる各計数センサ,払出カウンタ38に設けられる払出センサ,及びLED41は、計数部30の計数制御部31に接続されている。
計数制御部31は、CPU,RAM,ROM,EEPROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、計数部30に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
この計数制御部31は、電源が切れても記憶内容が保持される不揮発性のEEPROMで、第1記憶値を記憶している。この第1記憶値は、第1記憶値確定処理(本例では図7(a)のS26dに示す第1記憶値消去要求を受信したことに基づく第1記憶値の消去)以降の玉カウンタ35による計数に基づいて該計数値の累積値が記憶され、持玉払出処理が行われた玉貸発券制御部22から払出情報を受信したことに基づいて減算更新される。
また計数制御部31は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されており、両者の間では所定間隔(例えば500msec間隔)でポーリングによる通信が行われる。具体的には、後述する図9等に示すように、まず玉貸発券制御部22から計数制御部31に対して、500msec間隔で、動作指示が送信され、該動作指示に応じて、計数制御部31から玉貸発券制御部22に対して、動作指示応答が返信される。この両者の間における通信については図9等を参照して後述する。
ここで図6を参照して、流入路34及び玉カウンタ35の構造について説明する。流入路34は、平面視で並行する第1レーン341と第2レーン342からなる。玉カウンタ35は、第1レーン341の上流側に設けられる計数センサ351aと、第1レーン341の下流側に設けられる計数センサ351bと、第2レーン342の上流側に設けられる計数センサ352aと、第2レーン342の下流側に設けられる計数センサ352bからなる。以下においては、これら計数センサ351a,351b,352a,352bを、単に「計数センサ」と総称する。
これら計数センサはフォトセンサであり、第1レーン341において、パチンコ玉が上流側の計数センサ351aを通過した後に下流側の計数センサ351bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて計数制御部31に入力され、該計数制御部31においてプラスカウントが行われて第1記憶値が+1される。同様に第2レーン342において、パチンコ玉が上流側の計数センサ352aを通過した後に下流側の計数センサ352bを通過すると、両計数センサ間の通過時間に応じたパルス幅の計数パルスが出力されて計数制御部31に入力され、該計数制御部31においてプラスカウントが行われて第1記憶値が+1される。
図5に戻り、計数部30におけるパチンコ玉の流れについて説明する。後述する図9に示す待機中(即ちシャッタ33が開放中)に、パチンコ機10の下皿からパチンコ玉が落下されると、該パチンコ玉が玉載置部32上を流下して、シャッタ33を通過し、流入路34内を流下して、玉カウンタ35により計数される。該玉カウンタ35により計数されたパチンコ玉は、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされるまでは、図5(c)の矢印A方向に進んで玉貯留部36に貯留され、玉貯留部36がパチンコ玉で満たされた後は、矢印B方向に進み排出路37内を流下して、遊技島内に取り込まれる。なお玉カウンタ35による計数値は、計数制御部31で検知されて、計数制御部31において第1記憶値として記憶されると共に、該計数制御部31から玉貸発券制御部22に対して、該計数値の累積値を示す動作指示応答が送信され、該計数値の累積値が玉貸発券制御部22において第2記憶値として記憶されるように構成されているが、これについては図9等を参照して後述する。
次にホールコンピュータ70について説明する。ホールコンピュータ70は、図1に示すように接続される通信部71,制御部72,ハードディスク73,ディスプレイ74,及び入力装置75等を有するコンピュータである。
通信部71は、複数の島コンピュータ63の各々を介して、各島コンピュータ63の配下にある複数のパチンコ機10及び各台計数ユニット50(玉貸発券処理部20の場内通信部21b)の各々と通信可能に接続されている。制御部72は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROM及びハードディスク73に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、ホールコンピュータ70に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ハードディスク73は、各種の情報を記憶する記憶デバイスである。ディスプレイ74は、各種の情報を表示する表示デバイスであって、例えば液晶ディスプレイであり、入力装置75は、各種の情報の入力を受け付ける入力デバイスであって、例えばキーボードやマウスである。
次に、図7(a)〜図11を参照して、本発明の第1実施形態に係る遊技用装置である各台計数ユニット50の作用について説明する。各台計数ユニット50においては、図11の電源投入時処理が行われた後に、図7(a)の営業中処理及び図9の計数処理が行われるが、ここでは説明の便宜上、図番の順に従って説明する。
まず図7(a)は、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。まず玉貸発券制御部22は、S01で紙幣識別機25による紙幣の受付,又はS02でカードR/W23によるカード(会員カード2又はビジターカード3)の受付を待機している。ここでS01とS02は、当該遊技用装置に対応するパチンコ機10で遊技をする遊技者により行われる。
前記S01で紙幣の受付が有ると(YES)、紙幣識別機25は、該受け付けた紙幣を識別し、カードストッカ23bは、S03で、貯留しているビジターカード3のうちの1枚をカードR/W23に対して搬送し、カードR/W23は、搬送されたビジターカード3をセットしてICチップからカードID及びプリペイド残額(この場合には零)を読み取り、玉貸発券制御部22は、S04で入金処理を行う。
この入金処理において、玉貸発券制御部22は、S03で読み取ったカードIDとS01で識別した紙幣額(即ち入金処理に供された入金額)とを含む加算要求を残額管理装置60に対して送信する。該加算要求を受信した残額管理装置60は、該加算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額(この場合には零)に該加算要求に含まれる入金額を加算して、加算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該加算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S03で読み取ったカードIDに対応付けて、S01で識別した紙幣額をプリペイド残額に加算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のビジターカード3に該加算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、入金処理を終了して、S11に進む。
前記S02でカードの受付が有ると(YES)、カードR/W23は、該受け付けたカードのICチップからカードID及びプリペイド残額を読み取り、玉貸発券制御部22は、S05で、該読み取ったカードIDの頭文字(M又はV)に基づいて、受け付けたカードが会員カード2であるか否かを判定する。このS05で会員カード2である(YES)と判定された場合には、玉貸発券制御部22は、S06で貯玉数取得処理を行う。
この貯玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、ディスプレイ24に暗証番号入力画面(図示外)を表示する処理を行い、暗証番号の入力が有ると、S02で読み取ったカードIDと該入力された暗証番号とを含む貯玉数取得要求を会員管理装置61に対して送信する。該貯玉数取得要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数取得要求に含まれる暗証番号が該貯玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて記憶している暗証番号と一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該カードIDに対応付けて管理している貯玉数を含む貯玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該貯玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該貯玉数情報に含まれる貯玉数を記憶すると共に、メイン画面で貯玉数を表示し、貯玉数取得処理を終了して、S07で持玉数取得処理を行う。
この持玉数取得処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDを含む持玉数取得要求を持玉管理装置62に対して送信する。該持玉数取得要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数取得要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を含む持玉数情報を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該持玉数情報を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該持玉数情報に含まれる持玉数を記憶すると共に、メイン画面で払出可能玉数(ここでは第2記憶値が零なので、持玉数のみ)を表示し、持玉数取得処理を終了して、S08で残額確認処理を行う。
この残額確認処理において、玉貸発券制御部22は、S02で読み取ったカードIDとプリペイド残額とを含む残額確認要求を残額管理装置60に対して送信する。該残額確認要求を受信した残額管理装置60は、該残額確認要求に含まれるプリペイド残額と該残額確認要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額とが一致するか否かを判定し、一致することを条件として、該プリペイド残額を含む残額確認通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該残額確認通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、S02で読み取ったカードIDに対応付けて、該残額確認通知に含まれるプリペイド残額を記憶すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、残額確認処理を終了して、S11に進む。
前記S05で会員カード2でない(NO)、即ちビジターカード3であると判定された場合には、玉貸発券制御部22は、前記S07の持玉数取得処理と、前記S08の残額確認処理とを行って、S11に進む。
S04又はS08の処理が終了すると、玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、S11で玉貸ボタン15の操作の受付,S12で紙幣識別機25による紙幣の受付,S14でメイン画面に表示される払出ボタンの操作の受付,S15で会員カード2の受付中においてメイン画面に表示される再プレイボタンの操作の受付,又はS16でカード返却ボタン16の操作の受付を待機する。これらS11〜S16は、当該遊技用装置に対応するパチンコ機10で遊技をする遊技者により行われる。
このS11で玉貸ボタン15の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S21で玉貸処理を行う。この玉貸処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶しているプリペイド残額が予め設定された玉貸設定額(例えば5度数=500円)以上であるか否かを判定し、プリペイド残額が玉貸設定額以上であれば、該玉貸設定額を使用額として特定し、プリペイド残額が玉貸設定額未満であれば、該プリペイド残額を使用額として特定して、該特定した使用額分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、カードIDと使用額とを含む減算要求を残額管理装置60に対して送信する。該減算要求を受信した残額管理装置60は、該減算要求に含まれるカードIDに対応付けて管理しているプリペイド残額から該減算要求に含まれる使用額を減算して、減算完了通知を玉貸発券処理部20に対して返信する。そして該減算完了通知を受信した玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22は、カードテーブルで、使用額をプリペイド残額から減算更新すると共に、残度数表示器14に残度数を表示し、かつカードR/W23により受付中のカードに該減算更新後のプリペイド残額を記録する処理を行い、玉貸処理を終了して、S21bに進む。
このS21の処理を行う玉貸発券制御部22は、対応するパチンコ機10と通信することにより、遊技者が所有する遊技用価値の大きさ(プリペイド残額)に相当するパチンコ玉を該パチンコ機10から払い出して貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行う貸与処理手段として機能するものである。
次に玉貸発券制御部22は、S21bで、ビジターカード3を受付中かつカードテーブルで記憶しているプリペイド残額及び持玉数が零であるか否かを判定し、NOならば前記S11に戻り、YESならばS21cで当該ビジターカード3をカードストッカ23bに取り込んで、S26cで持玉数更新処理を行う。この持玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと払出可能玉数(持玉数+第2記憶値であり、ここでは零)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行う。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる払出可能玉数(ここでは零)に更新する。そしてS26cの処理が終了すると、S26dに進む。
前記S12で紙幣の受付が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S22で前記S04と同様の入金処理を行って、S11に戻る。
前記S14で払出ボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22及び計数部30は、S24で持玉払出処理を行う。この持玉払出処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している払出可能玉数(即ち持玉数+第2記憶値)が予め設定された払出設定数(例えば5度数分の125玉)以上であるか否かを判定する。そして払出可能玉数が払出設定数以上であれば、該払出設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、持玉払出処理を終了して、S24aの払出玉数減算処理に進む。
一方、払出可能玉数が払出設定数未満であれば、払出可能玉数のうち前記払出単位(25玉)の整数倍のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令する一方、払出可能玉数のうち該払出単位未満のパチンコ玉を計数部30から払い出す端数払出処理を行い、持玉払出処理を終了して、S24aの払出玉数減算処理に進む。具体的には、払出可能玉数が124玉である場合には、25玉×4=100玉はパチンコ機10から払い出し、残りの24玉は計数部30から払い出す。この端数払出処理が行われると、玉貸発券制御部22の制御により払出カウンタ38が開放され、玉貯留部36に貯留されているパチンコ玉が払出カウンタ38を通過して払出センサ(図示外)により計数され、該払出センサによる計数値が払出数に達すると、払出カウンタ38が閉鎖される。払出カウンタ38を通過したパチンコ玉は、流出路39内を流下して、受皿40により受け止められ、遊技者は、該パチンコ玉をパチンコ機10の上皿に供給することにより遊技に使用できる。
次に玉貸発券制御部22は、S24aで払出玉数減算処理を行う。この払出玉数減算処理では、図8に示すように、S51で、自らが記憶している払出可能玉数(即ち持玉数+第2記憶値)から、前記持玉払出処理で払い出された払出玉数を減算する。この減算では、前述の如く、第2記憶値から優先して減算(使用)され、該第2記憶値が減算(使用)されて零になると、持玉数から減算(使用)される。なお払出可能玉数が減算更新されると、メイン画面の払出可能玉数も更新表示される。ここでS51の処理を行う玉貸発券制御部22は、持玉払出処理に基づいて、第2記憶値を更新する第2更新手段として機能するものである。
次に玉貸発券制御部22は、S52で、第2記憶値からの減算が有ったか否かを判定する。このS52で第2記憶値からの減算が無い(NO)、即ち持玉数からの減算のみであると判定された場合(例えば持玉数が500玉,第2記憶値が0玉の状態で、125玉の持玉払出処理が行われた場合)には、払出玉数減算処理を終了して、図7(a)のS24bに進む。持玉数は計数制御部31では記憶していないので、持玉数のみの減算の場合には、次に述べる払出情報を送信する必要が無いからである。一方、S52で第2記憶値からの減算が有る(YES)と判定された場合(例えば図示のように、第2記憶値が500玉の状態で、125玉の持玉払出処理が行われた場合)には、S53で、第2記憶値からの減算値(即ち125玉)を示す払出情報を、計数制御部31に対して送信する。ここでS53の処理を行う玉貸発券制御部22は、持玉払出処理に基づいて、払出情報を計数部30に対して送信する払出情報送信手段として機能するものである。なおS53の送信は、後述するS104〜S105のポーリング通信の合間に行われる。
該払出情報を受信した計数制御部31は、S54で、自らが記憶している第1記憶値(ここでは500玉)から、該払出情報が示す減算値(ここでは125玉)を減算して、該第1記憶値を第2記憶値と同一(ここでは375玉)とし、S55で、減算後の第1記憶値を示す減算完了通知を、玉貸発券制御部22に対して返信する。ここでS54の処理を行う計数制御部31は、払出情報の受信に基づいて、該第1記憶値を更新する第1更新手段として機能するものである。なおS55の返信は、後述するS104〜S105のポーリング通信の合間に行われる。
前記減算完了通知を受信した玉貸発券制御部22は、S56で、該減算完了通知が示す第1記憶値と、自らが記憶している第2記憶値とが同一であることを確認して、確認OKならば、図7(a)のS24bに進む。
図7(a)に戻り、玉貸発券制御部22は、S24bで、前記S21bと同様に、ビジターカード3を受付中かつカードテーブルで記憶しているプリペイド残額及び持玉数が零であるか否かを判定し、NOならば前記S11に戻り、YESならばS24cで当該ビジターカード3をカードストッカ23bに取り込んで、S26cで持玉数更新処理を行う。この持玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと払出可能玉数(持玉数+第2記憶値であり、ここでは零)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行う。なお持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる払出可能玉数(ここでは零)に更新する。そしてS26cの処理が終了すると、S26dに進む。
前記S15で会員カード2の受付中において再プレイボタンの操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S25で貯玉再プレイ処理を行う。この貯玉再プレイ処理において、玉貸発券制御部22は、カードテーブルで記憶している貯玉数が予め設定された再プレイ設定数(例えば5度数分の125玉)+手数料玉数(例えば25玉)以上であるか否かを判定する。そして貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数以上であれば、該再プレイ設定数分のパチンコ玉の払出をパチンコ機10の払出制御基板12に対して指令し、該再プレイ設定数+手数料玉数をカードテーブルで記憶している貯玉数から減算更新すると共に、メイン画面で貯玉数を更新表示し、貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。なお貯玉数が再プレイ設定数+手数料玉数未満であれば、パチンコ玉の払出を行わずに貯玉再プレイ処理を終了して、S11に戻る。
前記S16でカード返却ボタン16の操作が有ると(YES)、玉貸発券制御部22は、S26aで、カードR/W23にて受付中のカードを返却する処理を行って、該返却したのが会員カード2ならば、S26bで貯玉数更新処理を行ってからS26cの持玉数更新処理に進み、返却したのがビジターカード3ならば、S26bを飛ばしてS26cの持玉数更新処理に進む。なおS26aのカード返却処理でカード返却不能な場合の処理については、図15を参照して後述する。
S26bの貯玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、会員カード2のカードIDと貯玉数とを含む貯玉数更新要求を会員管理装置61に対して送信する処理を行う。この貯玉数更新要求を受信した会員管理装置61は、該貯玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している貯玉数を該貯玉数更新要求に含まれる貯玉数に更新する。
S26cの持玉数更新処理において、玉貸発券制御部22は、カードIDと払出可能玉数(即ち持玉数+第2記憶値)とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行う。この持玉数更新要求を受信した持玉管理装置62は、該持玉数更新要求に含まれるカードIDに対応付けて管理している持玉数を該持玉数更新要求に含まれる払出可能玉数に更新する。このS26cの処理を行う玉貸発券制御部22は、第2記憶値を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(つまり第2記憶値を、受付中のカードのカードIDに対応付けて、該カードを返却する処理)を行う確定処理手段として機能するものである。
次に玉貸発券制御部22は、S26cの処理が終了すると、S26dで、第1記憶値消去要求を、計数制御部31に対して送信する。この第1記憶値消去要求を受信した計数制御部31は、図示しないが、自らが記憶している第1記憶値を消去する。このS26dの処理を行う玉貸発券制御部22は、確定処理(持玉数更新処理)に基づいて、確定情報(第1記憶値消去要求)を計数部30に対して送信する確定情報送信手段として機能するものである。また、該第1記憶値消去要求を受信した計数制御部31は、第1記憶値を確定させるための第1記憶値確定処理(ここでは該第1記憶値を消去する処理)を行い、該第1記憶値確定処理以降の計数に基づいて、新たな第1記憶値を更新する第1更新手段として機能するものであると共に、確定処理手段(玉貸発券制御部22)が記憶値情報(持玉数更新要求)を送信することに基づいて、復旧元が記憶している第1記憶値を消去する処理を行う消去処理手段として機能するものである。
最後に玉貸発券制御部22は、S26dの処理が終了すると、S26eで、カードテーブルの記憶内容(即ちカードID,プリペイド残額,持玉数,第2記憶値,及び貯玉数)を消去して、営業中処理を終了する。このS26eの処理を行う玉貸発券制御部22は、確定処理手段(玉貸発券制御部22)が記憶値情報(持玉数更新要求)を送信することに基づいて、復旧先が記憶している第2記憶値を消去する処理を行う消去処理手段として機能するものである。
このS26d及びS26eに示すように、前記確定処理である持玉数更新処理(即ち持玉数を管理する持玉管理装置62に対して復旧先である玉貸発券制御部22が記憶している第2記憶値を特定可能な持玉数更新要求を送信する処理)が行われたことに基づいて、復旧先である玉貸発券制御部22の第2記憶値及び復旧元である計数制御部31の第1記憶値が消去されることにより、該消去後は復旧処理を行う必要が無いので、処理負担を軽減できる。
次に図9は、各台計数ユニット50が行う計数処理の一例を表すフローチャートである。ここで玉貸発券制御部22と計数制御部31は、共に計数通番を記憶している。この計数通番は、計数の待機中において同一であり、計数が開始されてから次の待機中になるまでの間において1つずれる(具体的には、計数制御部31の計数通番が+1されてずれる)番号である。さらに計数制御部31は、計数状態として、玉カウンタ35による計数が行われていなければ「計数中でない」と記憶し、玉カウンタ35による計数が行われていれば「計数中」と記憶し、一連の計数が終了すると「計数終了検知」と記憶する。
図9において、玉貸発券制御部22は、S101で、カードR/W23によりカードを受け付けると(図7(a)のS02,S03)、S102で、計数許可,及び計数吸上げ可(即ちカードテーブルで記憶している持玉数への計数値の加算可)を示す動作指示Aを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Aを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中でない」と記憶しているので、S103で、エラーなし,及び計数中でない旨を示す動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。該動作指示応答Aを受信した玉貸発券制御部22は、S104で、指示なし,及び計数吸上げ可を示す動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、S105で、前記動作指示応答Aを、玉貸発券制御部22に対して返信する。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による計数が開始されるまで、S104〜S105を繰り返す。ここでS102〜S105の間が計数の待機中である。
該計数の待機中において、S111で、玉カウンタ35による計数が開始されると、計数制御部31は、該玉カウンタ35による計数値の計数開始からの累積値を第1記憶値として記憶すると共に、S112で、記憶している計数通番を+1し、記憶している計数状態を「計数中」に更新し、計数開始日時をセットする。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は、当該計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態となる。次に計数制御部31は、S113で、前記動作指示Bを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Bを受信した計数制御部31は、計数状態として「計数中」と記憶しているので、S114で、エラーなし,前記更新した計数通番,計数中である旨,計数値の計数開始からの累積値,及び前記セットした計数開始日時を示す動作指示応答Bを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
ここでS111の処理を行う計数制御部31は、第1記憶値を記憶する第1記憶手段として機能すると共に、玉カウンタ35による計数に基づいて、第1記憶値を更新する(即ち計数値を累積して記憶する)第1更新手段として機能するものである。またS114の処理を行う計数制御部31は、玉カウンタ35による計数に基づいて、計数情報(動作指示応答)を玉貸発券処理部20に対して送信する計数情報送信手段として機能するものである。
前記動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、S115で、該動作指示応答Bが示す計数値の累積値を、カードテーブルの第2記憶値として記憶する。このS115の処理を行う玉貸発券制御部22は、計数情報(動作指示応答B)の受信に基づいて、第2記憶値を更新する第2更新手段として機能するものである。そして玉貸発券制御部22と計数制御部31は、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過するまで、S113〜S115を繰り返す。なお所定時間は、任意に設定変更可能であり、例えば5秒間,10秒間等であっても良い。
次に計数制御部31は、S116で、玉カウンタ35による最終の計数から所定時間(例えば2秒間)が経過したと判定した後に、S117で、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示Bを受信すると、S118で、記憶している計数状態を「計数終了検知」に更新し、S119で、エラーなし,計数通番,計数終了検知した旨,及び計数値の累積値(即ち最終的な計数値)を示す動作指示応答Cを、玉貸発券制御部22に対して返信する。ここでS112〜S116の間が計数中である。
前記動作指示応答Cを受信した玉貸発券制御部22は、S120で、前記S115と同様に、該動作指示応答Cが示す計数値の累積値を、カードテーブルの第2記憶値として記憶し、S121で、前記動作指示応答Cが計数終了検知を示すことに基づいて、計数確定指示,及び計数吸上げ可を示す動作指示Cを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信し、該動作指示Cを受信した計数制御部31は、S122で、該動作指示Cが計数確定指示を示すことに基づいて、記憶している計数状態を「計数中でない」に更新し、S123で、エラーなし,計数通番,計数中でない旨を示す動作指示応答Dを、玉貸発券制御部22に対して返信する。
該動作指示応答Dを受信した玉貸発券制御部22は、S124で、該動作指示応答Dが計数中でない旨を示すことに基づいて、記憶している計数通番を+1する。ここで計数通番が+1されることにより、計数中は計数制御部31が記憶している計数通番と玉貸発券制御部22が記憶している計数通番とがずれた状態であったのが、一致することになる。そして玉貸発券制御部22は、計数通番を更新したことに基づいて、S125で、計数許可,該更新した計数通番,及び計数吸上げ可を示す動作指示Dを、ポーリングにより計数制御部31に対して送信する。なおS125の処理を行った後は、前記S104の処理を行う。該動作指示Dを受信した計数制御部31は、前記S104のポーリングを待機する状態となる。
なお、計数終了検知した旨を示す動作指示応答C(S119)の返信から計数確定指示を示す動作指示C(S121)の受信までの間に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、S122及びS123の処理は行わずに、動作指示応答Bを玉貸発券制御部22に対して返信し、該動作指示応答Bを受信した玉貸発券制御部22は、S124の処理は行わずに、S115の処理を行う。
また、玉貸発券制御部22が計数通番を更新中に計数部30で計数が発生した場合には、計数制御部31は、前記記憶している計数値を加算更新するが、前記記憶している計数通番は更新せず、玉貸発券制御部22からポーリングにより送信されてくる動作指示を受信すると、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致する(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われた)ことを条件に、該記憶している計数通番を更新して、以後の計数は該更新した計数通番で行う一方、前記記憶している計数通番と該動作指示が示す計数通番とが一致しない(即ち玉貸発券制御部22で計数通番の更新が行われていない)ことを条件に、前記S112〜S124の処理は前記記憶している(即ち更新前の)計数通番で行う。
次に図10は、計数処理においてポーリングの中断(例えばオフラインの発生)を検知した場合の一例を表すフローチャートである。前記図9で説明したS113〜S115の繰り返し中において、計数制御部31は、図10のS201に示すように、一定時間(例えば2秒間)経過してもS113の動作指示Bを受信しないと判定した場合には、S202で、シャッタ33を閉鎖して計数を停止すると共に、LED41を所定の態様で点滅して通信異常である旨を報知する。
ここでS201の処理を行う計数制御部31は、玉貸発券処理部20との通信の異常を判定する通信異常判定手段として機能するものであり、S202の処理を行う計数制御部31は、該通信異常判定手段により異常判定されたことに基づいて、玉カウンタ35による計数を停止するための計数停止処理(ここではシャッタ33の閉鎖)を行う計数停止処理手段として機能するものである。
これによれば、計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信が正常であれば該計数部30で計数が行われ、通信が異常であれば計数が停止されるので、通信異常の場合には、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数せずに残すことができて、遊技者に不利益(例えば計数しても動作指示応答が送信されないので計数値がカードテーブルの持玉数に加算されないという不利益や、計数しても計数値が誤った値になるという不利益等)が発生するのを防止できる。
また計数部30と玉貸発券処理部20との間における通信に異常がある場合に計数を停止することができるので、オフラインを発生させて不正を行うという行為を防止できる。この場合において、オフラインが発生しても計数を停止せず、オンライン復帰後に、計数制御部31が記憶している計数値を玉貸発券制御部22に対して送信するように構成すると、該計数制御部31が記憶している計数値に対して不正が行われる余地があるので、遊技者にとっては不便であるが、計数を停止して、遊技者の手元にパチンコ玉が残るようにしたのである。
なお玉貸発券制御部22も、S203で、動作指示Bに対応する動作指示応答Cを受信しないことに基づいて、S204で、多機能ランプ26を所定の態様で発光して通信異常である旨を報知する。
このように、計数処理においてポーリングの中断(例えばオフラインの発生)を検知した場合には、S202で計数が停止されるまで、第1記憶値は加算更新される一方、オフラインの発生以後は動作指示応答Bが送信されず、第2記憶値は加算更新されないため、第1記憶値>第2記憶値となって、両記憶値が不一致となる。また、前記図8のS53に示す払出情報が、オフラインの発生により計数制御部31に届かない場合には、第2記憶値が減算されているにも関わらず、第1記憶値が減算されないため、第2記憶値>第1記憶値となって、両記憶値が不一致となる。
次に図11は、第1実施形態に係る玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22及び計数部30の計数制御部31が行う電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。
ここで玉貸発券制御部22は、前述の如く、復帰回数を記憶している。また計数制御部31は、前述の如く、組み合わせ先の玉貸発券処理部20の制御部IDを記憶している。この制御部IDとしては、計数部30が取り替えられていない場合には、各台計数ユニット50に現在装着されている玉貸発券処理部20の制御部ID(例えば0001)が記憶されており、計数部30が取り替えられた場合には、該計数部30が以前に組み合わされていた(即ち現在装着されているのとは別の)玉貸発券処理部20の制御部ID(例えば0002)が記憶されていることになる。従って、計数部30が取り替えられていない場合には、計数制御部31が記憶している制御部IDと玉貸発券制御部22が記憶している制御部IDとが一致し、計数部30が取り替えられた場合には、計数制御部31が記憶している制御部IDと玉貸発券制御部22が記憶している制御部IDとが不一致となる。また計数部30は取り替えられていないが、玉貸発券処理部20が(例えば制御部IDが0001のものから0003のものに)取り替えられた場合にも、計数制御部31が記憶している制御部ID(即ち0001)と玉貸発券制御部22が記憶している制御部ID(即ち0003)とが不一致となる。
S300で、玉貸発券処理部20及び計数部30に電源が投入されると、玉貸発券制御部22は、S301で、接続機器確認信号を、計数制御部31に対して送信する。該接続機器確認信号を受信した計数部30は、自らが記憶している制御部IDと第1記憶値を示す接続機器確認応答を、玉貸発券制御部22に対して返信する。S301の処理を行った玉貸発券制御部22は、S302で、該接続機器確認信号を受信した計数制御部31から送信されてくる接続機器確認応答の受信を待機しており、該接続機器確認応答の受信が有ると(YES)、計数部30と玉貸発券処理部20とが通信可能になったものとして、復旧条件が成立したか否かを判定する。
具体的には、まずS303で、第1の復旧条件として、自らが記憶している復旧回数が予め定められた制限回数(例えば1回)に達しているか否かを判定し、達していないならば(NO)、S311で、第2の復旧条件として、受信した接続機器確認応答が示す第1記憶値のデータ及び自らが記憶している第2記憶値のデータが正常であるか否かを判定し、両記憶値のデータが正常であるならば(YES)、S321で、第3の復旧条件として、受信した接続機器確認応答が示す制御部IDと自らが記憶している制御部IDとが一致するか否かを判定し、制御部IDが一致するならば(YES)、S331で、第4の復旧条件として、受信した接続機器確認応答が示す第1記憶値と自らが記憶している第2記憶値とが一致するか否かを判定し、記憶値が一致するならば(YES)、いずれの復旧条件も成立しないものとして、復旧処理を行わずに、前記図7に示す営業中処理に移行する。復旧回数が制限回数に達しておらず、記憶値のデータに異常が無く、制御部IDが一致し(即ち玉貸発券処理部20及び計数部30の取り替えが行われておらず)、記憶値が一致する(即ちオフラインが発生していない)場合には、復旧処理を行う必要が無いからである。
前記S303で復旧回数が制限回数に達している(YES)と判定された場合には、S304で、多機能ランプ26を所定の発光態様で発光させることにより、復旧回数が制限回数に達している旨を報知するエラー処理を行って、電源投入時処理を終了し、店員によるエラー解除を待機する。これによれば、復旧回数が制限回数に達していない場合にのみ、復旧処理が行われるので、不正が行われたとしても制限回数以内に被害を抑えることができる。
前記S311で記憶値のデータに異常がある(NO)と判定された場合には、まずS312で、第1記憶値のデータが正常かつ第2記憶値のデータが異常であるか否かを判定する。このS312でYESと判定されると、復旧条件が成立したものとして、S333で、前記受信した接続機器確認応答が示す第1記憶値を第2記憶値として記憶する復旧処理を行って、S335に進む。これによれば、復旧先の第2記憶値のデータに異常が生じている場合に、復旧条件が成立して復旧処理が行われるので、復旧元の第1記憶値に基づいて復旧先の第2記憶値を復旧させることができる。S335では、復旧回数を加算記憶して、前記図7に示す営業中処理に移行する。
一方、S312でNOと判定された場合には、S313で、第2記憶値のデータが正常かつ第1記憶値のデータが異常であるか否かを判定する。このS313でYESと判定されると、復旧条件が成立したものとして、S334で、自らが記憶している第2記憶値を示す第2記憶値記憶要求を、計数制御部31に対して送信して、S335に進む。この第2記憶値記憶要求を受信した計数制御部31は、該第2記憶値記憶要求が示す第2記憶値を第1記憶値として記憶する復旧処理を行う。これによれば、第1記憶値のデータに異常が生じている場合にも、復旧条件が成立して復旧処理が行われるので、第1記憶値に基づいて第2記憶値を復旧させることができる。
一方、S313でNOと判定された場合、即ち第1記憶値のデータ及び第2記憶値のデータが共に異常である場合には、S304で、多機能ランプ26を所定の発光態様で発光させることにより、両記憶値のデータが異常である旨を報知するエラー処理を行って、電源投入時処理を終了し、店員によるエラー解除を待機する。両記憶値のデータが異常である場合には、復旧処理を行うことができないからである。
前記S321で制御部IDが一致しない(NO)と判定された場合には、玉貸発券処理部20又は計数部30のいずれかが取り替えられた場合なので、まずS322で、前記受信した接続機器確認応答が示す第1記憶値が有り(即ち零でなく)、かつ、自らが記憶している第2記憶値が零であるか否かを判定する。このS322でYESと判定された場合には、玉貸発券処理部20が取り替えられた場合なので、S325で、自らが記憶している制御部IDを示す制御部ID記憶要求を、計数制御部31に対して送信して、前記S333の復旧処理を行う。これによれば、予め通信可能であった計数部30と玉貸発券処理部20の組み合わせから玉貸発券処理部20が交換された場合において、復旧元の第1記憶値と復旧先の第2記憶値とを一致させることができる。また復旧条件が成立し、復旧元に記憶値が有り、復旧先に記憶値が無い場合に、復旧処理が行われるので、復旧先が復旧を必要とする場合にのみ復旧処理を行うことができる。
なおS325の制御部ID記憶要求を受信した計数制御部31は、自らが記憶している制御部ID(即ち取り替え前の玉貸発券処理部20の制御部ID)を、該受信した制御部ID記憶要求が示す制御部ID(即ち取り替え後の玉貸発券処理部20の制御部ID)に更新する。これにより、玉貸発券制御部22が記憶している制御部IDと計数制御部31が記憶している制御部IDが一致する。
一方、S322でNOと判定された場合には、S323で、自らが記憶している第2記憶値が有り(即ち零でなく)、かつ、前記受信した接続機器確認応答が示す第1記憶値が零であるか否かを判定する。このS323でYESと判定された場合には、計数部30が取り替えられた場合なので、S326で、自らが記憶している制御部IDを示す制御部ID記憶要求を、計数制御部31に対して送信して、前記S334の復旧処理を行う。これによれば、予め通信可能であった計数部30と玉貸発券処理部20の組み合わせから計数部30が交換された場合において、第1記憶値と第2記憶値とを一致させることができる。
なおS326の制御部ID記憶要求を受信した計数制御部31は、自らが記憶している制御部ID(即ち取り替え前に装着されていた玉貸発券処理部20の制御部ID)を、該受信した制御部ID記憶要求が示す制御部ID(即ち現在装着されている玉貸発券処理部20の制御部ID)に更新する。これにより、玉貸発券制御部22が記憶している制御部IDと計数制御部31が記憶している制御部IDが一致する。
一方、S323でNOと判定された場合には、S324で、前記受信した接続機器確認応答が示す第1記憶値が零であり、かつ、自らが記憶している第2記憶値が零であるか否かを判定する。このS324でYESと判定された場合には、玉貸発券処理部20又は計数部30のいずれか一方が取り替えられた場合であるが、両記憶値が零なので、復旧処理は行わず、S327で、自らが記憶している制御部IDを示す制御部ID記憶要求を、計数制御部31に対して送信して、前記図7に示す営業中処理に移行する。
一方、S324でNOと判定された場合、即ち第1記憶値及び第2記憶値が共に有る(零でない)場合には、取り替えた玉貸発券処理部20又は計数部30に記憶値が残っており、該記憶値と、残存する計数部30又は玉貸発券処理部20に残っている記憶値の、いずれの記憶値に基づいて復旧処理を行えば良いか判別できないため、S304で、多機能ランプ26を所定の発光態様で発光させることにより、取り替えた玉貸発券処理部20又は計数部30に記憶値が残っている旨を報知するエラー処理を行って、電源投入時処理を終了し、店員によるエラー解除を待機する。この場合には、記憶値が残っていない玉貸発券処理部20又は計数部30に再度取り替えて、電源を投入することにより、当該エラーは解消される。これによれば、復旧元及び復旧先に記憶値がある場合に、復旧処理を行わずにエラー報知処理が行われるので、両者の記憶値を担保して、他の玉貸発券処理部20又は計数部30への接続を促すことができる。
前記S331で記憶値が一致しない(NO)と判定された場合には、オフラインの発生により第1記憶値と第2記憶値とが不一致になった場合なので、まずS332で、第2記憶値<第1記憶値であるか否かを判定する。このS332でYESと判定された場合には、前記図9で説明したように、計数の途中にオフラインが発生した場合なので、前記S333の復旧処理を行う。これによれば、復旧元の第1記憶値と復旧先の第2記憶値とが一致しない場合に、復旧条件が成立して復旧処理が行われるので、復旧元の第1記憶値と復旧先の第2記憶値とを一致させることができる。一方、S332でNOと判定された場合、即ち第2記憶値>第1記憶値の場合には、前記図8に示すS53の払出情報の送信途中にオフラインが発生した場合なので、前記S334の復旧処理を行う。
以上に説明したように、第1実施形態に係る各台計数ユニット50によれば、復旧条件が成立すると、復旧元である計数部30の計数制御部31により記憶している第1記憶値を、復旧先である玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22により記憶している第2記憶値として記憶する、S333の復旧処理が行われるので、玉貸発券処理部20が故障したり第2記憶値のデータに異常が生じたりしても、計数された遊技媒体数が失われることがない。
[2.第2実施形態に係る各台計数ユニット50]
次に、図7(b),及び図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る遊技用装置である各台計数ユニット50について説明する。この第2実施形態に係る各台計数ユニット50の構成要素は、第1実施形態に係る各台計数ユニット50の構成要素と同じであるが、前述の如く、図13(b)に示すように、計数部30が記憶している第1記憶値が、確定処理の対象となる主たる記憶値である一方、玉貸発券処理部20が記憶している第2記憶値が、前記第1記憶値が失われた場合に復旧するための従たる記憶値である点が、第1実施形態と異なる。この点が異なるため、営業中処理において、前記図7(a)に示すS26b以降の処理に代えて、図7(b)に示すS26b’以降の処理が行われ、また電源投入時処理において、図11に示す処理に代えて、図12に示す処理が行われる。以下、第1実施形態と異なる処理について説明する。
まず図7(b)は、第2実施形態に係る玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22が行う営業中処理の一例を表すフローチャートである。玉貸発券制御部22は、S26bの処理を行った後、S26c’で、カードテーブルで記憶しているカードIDと持玉数とを示す持玉数確定要求を、計数制御部31に対して送信する。
該持玉数確定要求を受信した計数制御部31は、S30a’の持玉数更新処理(前記確定処理)において、該受信した持玉数確定要求が示すカードIDと、該受信した持玉数確定要求が示す持玉数と自らが記憶している第1記憶値との合算値である払出可能玉数とを含む持玉数更新要求を持玉管理装置62に対して送信する処理を行う。このS30a’の処理を行う計数部30は、第1記憶値を景品交換又は他のパチンコ機10での遊技に使用させるために確定させるための確定処理(つまり第2記憶値を、受付中のカードのカードIDに対応付けて、該カードを返却する処理)を行う確定処理手段として機能するものである。
次に計数制御部31は、S30a’の処理が終了すると、S30b’で、確定情報を、玉貸発券制御部22に対して送信する。このS30b’の処理を行う計数制御部31は、確定処理(持玉数更新処理)に基づいて、確定情報を玉貸発券制御部22に対して送信する確定情報送信手段として機能するものである。
次に計数制御部31は、S30b’の処理が終了すると、S30c’で、自らが記憶している第1記憶値を消去する。このS30c’の処理を行う計数制御部31は、確定処理手段(計数制御部31)が記憶値情報(持玉数更新要求)を送信することに基づいて、復旧先が記憶している第1記憶値を消去する処理を行う消去処理手段として機能するものである。
S26c’の処理を行った玉貸発券制御部22は、S26d’で、持玉数確定要求を受信した計数制御部31から送信されてくる確定情報の受信を待機しており、該確定情報の受信が有ると(YES)、前記S26eの処理を行う。このS26eの処理を行う玉貸発券制御部22は、確定情報を受信に基づいて、第2記憶値を確定させるための第2記憶値確定処理(ここでは該第2記憶値を消去する処理)を行い、該第2記憶値確定処理以降の計数情報(動作指示応答B,C)の受信に基づいて、新たな第2記憶値を更新する第2更新手段として機能するものであると共に、確定処理手段(計数制御部31)が記憶値情報(持玉数更新要求)を送信することに基づいて、復旧元が記憶している第2記憶値を消去する処理を行う消去処理手段として機能するものである。
この30c’及びS26eに示すように、前記確定処理である持玉数更新処理(即ち持玉数を管理する持玉管理装置62に対して復旧先である計数制御部31が記憶している第1記憶値を特定可能な持玉数更新要求を送信する処理)が行われたことに基づいて、復旧先である計数制御部31の第1記憶値及び復旧元である玉貸発券制御部22の第2記憶値が消去されることにより、該消去後は復旧処理を行う必要が無いので、処理負担を軽減できる。
次に図12は、第2実施形態に係る玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22及び計数部30の計数制御部31が行う電源投入時処理の一例を表すフローチャートである。この図12では、前記図11で玉貸発券制御部22が行っていた処理の大部分を計数制御部31が行うように構成されている。
ここで計数制御部31は、前記復帰回数を記憶している。また玉貸発券制御部22は、前述の如く、組み合わせ先の計数部30の計数部IDを記憶している。この計数部IDとしては、玉貸発券処理部20が取り替えられていない場合には、各台計数ユニット50に現在装着されている計数部30の計数部ID(例えば0001)が記憶されており、玉貸発券処理部20が取り替えられた場合には、該玉貸発券処理部20が以前に組み合わされていた(即ち現在装着されているのとは別の)計数部30の計数部ID(例えば0002)が記憶されていることになる。従って、玉貸発券処理部20が取り替えられていない場合には、玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDと計数部30が記憶している計数部IDとが一致し、玉貸発券処理部20が取り替えられた場合には、玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDと計数部30が記憶している計数部IDとが不一致となる。また玉貸発券処理部20は取り替えられていないが、計数部30が(例えば計数部IDが0001のものから0003のものに)取り替えられた場合にも、玉貸発券制御部22が記憶している計数部ID(即ち0001)と計数制御部31が記憶している計数部ID(即ち0003)とが不一致となる。
S400で、玉貸発券処理部20及び計数部30に電源が投入されると、玉貸発券制御部22は、自らが記憶している計数部IDと第2記憶値とを示す接続機器確認信号を、計数制御部31に対して送信する。計数制御部31は、S401で、玉貸発券制御部22から送信されてくる接続機器確認信号の受信を待機しており、該接続機器確認信号の受信が有ると(YES)、S402で、接続機器確認応答を、玉貸発券制御部22に対して返信して、計数部30と玉貸発券処理部20とが通信可能になったものとして、復旧条件が成立したか否かを判定する。
具体的には、まずS403で、第1の復旧条件として、自らが記憶している復旧回数が予め定められた制限回数(例えば1回)に達しているか否かを判定し、達していないならば(NO)、S411で、第2の復旧条件として、受信した接続機器確認指示が示す第2記憶値のデータ及び自らが記憶している第1記憶値のデータが正常であるか否かを判定し、両記憶値のデータが正常であるならば(YES)、S421で、第3の復旧条件として、受信した接続機器確認指示が示す計数部IDと自らが記憶している計数部IDとが一致するか否かを判定し、計数部IDが一致するならば(YES)、S431で、第4の復旧条件として、受信した接続機器確認指示が示す第2記憶値と自らが記憶している第1記憶値とが一致するか否かを判定し、記憶値が一致するならば(YES)、いずれの復旧条件も成立しないものとして、復旧処理を行わずに、前記図7に示す営業中処理に移行する。復旧回数が制限回数に達しておらず、記憶値のデータに異常が無く、制御部IDが一致し(即ち玉貸発券処理部20及び計数部30の取り替えが行われておらず)、記憶値が一致する(即ちオフラインが発生していない)場合には、復旧処理を行う必要が無いからである。
前記S403で復旧回数が制限回数に達している(YES)と判定された場合には、S404で、LED41を所定の発光態様で発光させることにより、復旧回数が制限回数に達している旨を報知するエラー処理を行って、電源投入時処理を終了し、店員によるエラー解除を待機する。これによれば、復旧回数が制限回数に達していない場合にのみ、復旧処理が行われるので、不正が行われたとしても制限回数以内に被害を抑えることができる。
前記S411で記憶値のデータに異常がある(NO)と判定された場合には、まずS412で、第1記憶値のデータが正常かつ第2記憶値のデータが異常であるか否かを判定する。このS412でYESと判定されると、復旧条件が成立したものとして、S433で、自らが記憶している第1記憶値を示す第1記憶値記憶要求を、玉貸発券制御部22に対して送信して、S435に進む。この第1記憶値記憶要求を受信した玉貸発券制御部22は、該第1記憶値記憶要求が示す第1記憶値を第2記憶値として記憶する復旧処理を行う。これによれば、第2記憶値のデータに異常が生じている場合にも、復旧条件が成立して復旧処理が行われるので、第2記憶値に基づいて第1記憶値を復旧させることができる。S435では、復旧回数を加算記憶して、前記図7に示す営業中処理に移行する。
一方、S412でNOと判定された場合には、S413で、第2記憶値のデータが正常かつ第1記憶値のデータが異常であるか否かを判定する。このS413でYESと判定されると、復旧条件が成立したものとして、S434で、前記受信した接続機器確認指示が示す第2記憶値を第1記憶値として記憶する復旧処理を行って、S435に進む。これによれば、復旧先の第1記憶値のデータに異常が生じている場合に、復旧条件が成立して復旧処理が行われるので、復旧元の第2記憶値に基づいて復旧先の第1記憶値を復旧させることができる。
一方、S413でNOと判定された場合、即ち第1記憶値のデータ及び第2記憶値のデータが共に異常である場合には、S404で、LED41を所定の発光態様で発光させることにより、両記憶値のデータが異常である旨を報知するエラー処理を行って、電源投入時処理を終了し、店員によるエラー解除を待機する。両記憶値のデータが異常である場合には、復旧処理を行うことができないからである。
前記S421で計数部IDが一致しない(NO)と判定された場合には、玉貸発券処理部20又は計数部30のいずれかが取り替えられた場合なので、まずS422で、自らが記憶している第1記憶値が有り(即ち零でなく)、かつ、前記受信した接続機器確認指示が示す第2記憶値が零であるか否かを判定する。このS422でYESと判定された場合には、玉貸発券処理部20が取り替えられた場合なので、S325で、自らが記憶している計数部IDを示す計数部ID記憶要求を、玉貸発券制御部22に対して送信して、前記S433の復旧処理を行う。これによれば、予め通信可能であった計数部30と玉貸発券処理部20の組み合わせから玉貸発券処理部20が交換された場合において、第1記憶値と第2記憶値とを一致させることができる。
なおS425の計数部ID記憶要求を受信した玉貸発券制御部22は、自らが記憶している計数部ID(即ち取り替え前に装着されていた計数部30の計数部ID)を、該受信した計数部ID記憶要求が示す計数部ID(即ち現在装着されている計数部30の計数部ID)に更新する。これにより、計数制御部31が記憶している計数部IDと玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDが一致する。
一方、S422でNOと判定された場合には、S423で、前記受信した接続機器確認指示が示す第2記憶値が有り(即ち零でなく)、かつ、自らが記憶している第1記憶値が零であるか否かを判定する。このS422でYESと判定された場合には、計数部30が取り替えられた場合なので、S426で、自らが記憶している計数部IDを示す計数部ID記憶要求を、玉貸発券制御部22に対して送信して、前記S434の復旧処理を行う。これによれば、予め通信可能であった計数部30と玉貸発券処理部20の組み合わせから計数部30が交換された場合において、復旧元の第2記憶値と復旧先の第1記憶値とを一致させることができる。また復旧条件が成立し、復旧元に記憶値が有り、復旧先に記憶値が無い場合に、復旧処理が行われるので、復旧先が復旧を必要とする場合にのみ復旧処理を行うことができる。
なおS426の制御部ID記憶要求を受信した玉貸発券制御部22は、自らが記憶している計数部ID(即ち取り替え前の計数部30の計数部ID)を、該受信した計数部ID記憶要求が示す計数部ID(即ち取り替え後の玉貸発券処理部20の制御部ID)に更新する。これにより、計数制御部31が記憶している計数部IDと玉貸発券制御部22が記憶している計数部IDが一致する。
一方、S423でNOと判定された場合には、S424で、自らが記憶している第1記憶値が零であり、かつ、前記受信した接続機器確認指示が示す第2記憶値が零であるか否かを判定する。このS424でYESと判定された場合には、玉貸発券処理部20又は計数部30のいずれか一方が取り替えられた場合であるが、両記憶値が零なので、復旧処理は行わず、S427で、自らが記憶している制御部IDを示す制御部ID記憶要求を、玉貸発券処理部20に対して送信して、前記図7に示す営業中処理に移行する。
一方、S424でNOと判定された場合、即ち第1記憶値及び第2記憶値が共に有る(零でない)場合には、取り替えた玉貸発券処理部20又は計数部30に記憶値が残っており、該記憶値と、残存する計数部30又は玉貸発券処理部20に残っている記憶値の、いずれの記憶値に基づいて復旧処理を行えば良いか判別できないため、S404で、LED41を所定の発光態様で発光させることにより、取り替えた玉貸発券処理部20又は計数部30に記憶値が残っている旨を報知するエラー処理を行って、電源投入時処理を終了し、店員によるエラー解除を待機する。この場合には、記憶値が残っていない玉貸発券処理部20又は計数部30に再度取り替えて、電源を投入することにより、当該エラーは解消される。これによれば、復旧元及び復旧先に記憶値がある場合に、復旧処理を行わずにエラー報知処理が行われるので、両者の記憶値を担保して、他の玉貸発券処理部20又は計数部30への接続を促すことができる。
前記S431で記憶値が一致しない(NO)と判定された場合には、オフラインの発生により第1記憶値と第2記憶値とが不一致になった場合なので、まずS432で、第2記憶値<第1記憶値であるか否かを判定する。このS432でYESと判定された場合には、前記図9で説明したように、計数の途中にオフラインが発生した場合なので、前記S433の復旧処理を行う。これによれば、復旧元の第2記憶値と復旧先の第1記憶値とが一致しない場合に、復旧条件が成立して復旧処理が行われるので、復旧元の第2記憶値と復旧先の第1記憶値とを一致させることができる。一方、S432でNOと判定された場合、即ち第2記憶値>第1記憶値の場合には、前記図8に示すS53の払出情報の送信途中にオフラインが発生した場合なので、前記S434の復旧処理を行う。
以上に説明したように、第2実施形態に係る各台計数ユニット50によれば、復旧条件が成立すると、復旧元である玉貸発券処理部20の玉貸発券制御部22により記憶している第2記憶値を、復旧先である計数部30の計数制御部31により記憶している第1記憶値として記憶する、復旧処理が行われるので、計数部30が故障したり第1記憶値のデータに異常が生じたりしても、計数された遊技媒体数が失われることがない。
また、これらの第1実施形態及び第2実施形態では、計数された遊技媒体数を、上位装置である持玉管理装置62に送信して、カードIDと対応付けて管理している。この場合において、計数された遊技媒体数の喪失を防止する観点からは、該遊技媒体数を持玉管理装置62に逐次送信して管理するのが好ましいが、多数(例えば数百台)の各台計数ユニット50から持玉管理装置62に対して遊技媒体数が逐次送信されると、システムの通信負担が過大になるという問題があるので、上記の実施形態に示すように、所定のタイミング(本例では確定処理が行われたとき)で遊技媒体数を持玉管理装置62に送信するのが現実的である。しかしながら、このように構成した場合には、遊技媒体数が持玉管理装置62に送信されるまでの間、該遊技媒体数が各台計数ユニット50で管理されることになり、その間に遊技媒体数が失われてしまうという問題がある。そこで本発明は、各台計数ユニット50の計数部30で第1記憶値を記憶すると共に玉貸発券処理部20でも第2記憶値を記憶して、該第1記憶値と第2記憶値との間で互いに復旧が可能なように構成したのである。
[3.各台計数ユニット50で故障が発生した場合]
次に図14〜図18を参照して、各台計数ユニット50で故障(例えばカード返却不能)が発生した場合の処理について説明する。なお各台計数ユニット50は、遊技島に複数設けられたホルダ(図示外)の各々にセットされており、各ホルダには該セットされた各台計数ユニット50に対して電力を供給するための電源BOX(図示外)が各々設けられており、各電源BOXに付された電源BOX番号が、各台計数ユニット50がセットされていた位置を特定可能な位置情報となる。
まず図14は、持玉管理装置62が記憶しているユニットテーブルの一例を表す図である。このユニットテーブルでは、パチンコ機10及び各台計数ユニット50の台番号に対応付けて、前記位置情報である電源BOX番号,各台計数ユニット50を個々に識別可能な遊技用装置識別情報であるユニットIDが記憶されると共に、カードIDと持玉数とが記憶される。ここでユニットIDは、各台計数ユニット50が交換された場合に変更される。またカードIDと持玉数とは、該交換された各台計数ユニット50から後述する故障情報を受信したことに基づいて記憶される。
次に図15は、カード返却処理でカードを返却不能な場合において各台計数ユニット及び持玉管理装置が行う管理持玉数復旧処理の一例を表すフローチャートである。各台計数ユニット50は、S501で、図7(a)のS26aに示すカード返却処理において故障が発生してカードを返却不能な場合(即ち故障の発生を検知した場合)に、S502で、エラーダウンし、S503で、遊技場の店員が操作するリモコンから故障情報送信要求を受信したり、遊技場の店員がディスプレイ24を操作することにより故障情報送信要求を受け付けると、S504で、図3に示すカードテーブルで記憶しているカードIDと持玉数+第2記憶値(即ち払出可能玉数)とを特定可能な故障情報を持玉管理装置62に対して送信する。
該故障情報を受信した持玉管理装置62は、S505で、持玉DBを更新する。具体的には、該受信した故障情報から特定されるカードIDに対応付けて持玉DBで記憶している持玉数を、該受信した故障情報から特定される持玉数+第2記憶値(即ち払出可能玉数)に更新する。これによれば、各台計数ユニット50が故障しても、払出可能玉数を特定可能な故障情報が持玉管理装置62に対して送信されて、該持玉管理装置62で記憶している持玉数が更新されるので、該持玉数が失われる等の不利益を遊技者が被ることがない。
次に持玉管理装置62は、S506で、ユニットテーブルを更新する。具体的には、前記受信した故障情報の送信元である各台計数ユニット50の電源BOX番号及びユニットIDに対応付けて、該受信した故障情報から特定されるカードIDを記憶すると共に、該受信した故障情報から特定される持玉数+第2記憶値(即ち払出可能玉数)を持玉数として記憶する。そして持玉管理装置62は、S507で、更新完了通知を前記各台計数ユニット50に対して返信する。
該更新完了通知を受信した各台計数ユニット50は、カードテーブルを更新する。具体的には、該カードテーブルで記憶しているカードID,プリペイド残額,持玉数,第2記憶値,及び貯玉数をゼロクリアする。
次に図16は、電源投入時処理後において各台計数ユニット50及び持玉管理装置62が行うユニット持玉数復旧処理の一例を表すフローチャートである。各台計数ユニット50は、図11又は図12に示す電源投入時処理が終了すると、S601で、当該各台計数ユニット50のユニットIDを特定可能な営業開始情報を持玉管理装置62に対して送信する。
該営業開始情報を受信した持玉管理装置62は、S602で、該受信した営業開始情報の送信元である各台計数ユニット50に対応する電源BOX番号に対応付けてユニットテーブルで記憶しているユニットIDが、該受信した営業開始情報から特定されるユニットIDと一致するか否かを判定する。
このS602でユニットIDが一致する(YES)と判定された場合(例えば当該ユニットIDの故障した各台計数ユニット50が、ホルダから一旦取り外されたが、カードの取り出し及び修理が行われて、再び当該ホルダにセットされた場合)には、S603で、ユニットテーブルを更新する。具体的には、当該ユニットIDに対応付けてユニットテーブルで記憶しているカードIDと持玉数とをゼロクリアする。次に持玉管理装置62は、S604で、営業開始応答を前記各台計数ユニット50に対して返信する。
該営業開始応答を受信した各台計数ユニット50は、図7(a)に示す営業中処理を開始する。この営業中処理において、前記故障した各台計数ユニット50から取り出されたカードが挿入されると、該カードのカードIDに対応付けて持玉DBで記憶された持玉数(図15のS505)を使用可能となる。
一方、S602でユニットIDが一致しない(NO)と判定された場合(即ち故障した各台計数ユニット50がホルダから取り外されて、新たな各台計数ユニット50が当該ホルダにセットされた場合)には、S611で、カードID要求を前記各台計数ユニット50に対して返信する。
該カードID要求を受信した各台計数ユニット50は、S612で、カードストッカ23bにビジタカード3のストックが有るか否かを判定し、ストックが有る(YES)と判定した場合にはS615に進み、ストックが無い(NO)と判定した場合には、S613で、多機能ランプ26を所定態様で点灯させることにより、ビジタカード3のストックが無い旨を報知して、S614で、該カードストッカ23bへのビジタカード3の補充を待機し、該補充が有ると(YES)、S615で、カードストッカ23bにストックされているビジタカード3の1枚をカードR/W23に移動して、当該ビジタカード3のカードIDを読み取り、S616で、該読み取ったカードIDを持玉管理装置62に対して送信する。
該カードIDを受信した持玉管理装置62は、S617で、持玉DBを更新する。具体的には、前記図15のS506で前記各台計数ユニット50の電源BOX番号に対応付けてユニットテーブルで記憶した持玉数(即ち故障した各台計数ユニット50から受信した持玉数)を、該受信したカードIDに対応付けて記憶する。
次に持玉管理装置62は、S618で、ユニットテーブルを更新する。具体的には、前記各台計数ユニット50の電源BOX番号に対応付けて、前記S601で受信したユニットIDを記憶すると共に、記憶しているカードID,及び持玉数をゼロクリアする。そして持玉管理装置62は、S619で、前記S617で記憶した持玉数を前記各台計数ユニット50に対して返信する。
該持玉数を受信した各台計数ユニット50は、カードテーブルを更新する。具体的には、前記S615で読み取ったカードIDと、該受信した持玉数を記憶すると共に、プリペイド残額,第2記憶値,及び貯玉数にゼロを記憶する。
これによれば、故障した各台計数ユニット50から持玉管理装置62に対して送信されてきて記憶された持玉数が新たな各台計数ユニット50に対して送信されて、該新たな各台計数ユニット50で持玉数が記憶されるので、各台計数ユニット50を交換した場合に、持玉数を新たな各台計数ユニット50に持ち越すことができて、遊技者は遊技を続行することができる。
また新たな各台計数ユニット50で返却操作を行うことにより、貯留されているビジタカード3から前記持玉数を特定可能にできるので、遊技者は台移動をして遊技を行うことができる。
次に図17は、持玉管理装置62が行う持玉数移動処理の一例を表すフローチャートである。持玉管理装置62は、持玉数移動モードを起動したディスプレイ,又はリモコンから、遊技場の店員の操作により、持玉数移動要求を受け付ける。具体的には、持玉数移動要求として、持玉数の移動元のカードIDの指定と、持玉数の移動先として事務所R/W又は各台計数ユニット50の台番号の指定を受け付ける。ここで事務所R/W(図示外)は、管理事務所に設置されて持玉管理装置62に接続され、ビジタカード3を貯留するカードストッカを備え、該ビジタカード3を発行する発行手段として機能するものである。また各台計数ユニット50も、カードストッカ23bで貯留しているビジタカード3を発行する発行手段として機能するものである。
持玉管理装置62は、S701で、持玉数移動要求を受け付けると、S702で、該S701で指定を受け付けた移動先の各台計数ユニット50又は事務所R/Wに対して、カードID要求を送信する。該カードID要求を受信した各台計数ユニット50又は事務所R/Wは、前記図16のS612〜S615と同様の処理を行って、S703で、カードIDを持玉管理装置62に対して返信する。
該カードIDを受信した持玉管理装置62は、S704で、持玉DBを更新する。具体的には、S701で指定を受け付けた移動元のカードIDに対応付けられている持玉数をゼロクリアすると共に、該ゼロクリアした持玉数を前記受信したカードIDに対応付けて記憶する。次に持玉管理装置62は、S705で、移動完了通知を各台計数ユニット50又は事務所R/Wに対して返信し、該移動完了通知を受信した各台計数ユニット50又は事務所R/Wは、S706で、前記ビジタカード3を排出する。
これによれば、持玉管理装置62で一のカードIDに対応付けて記憶している計数値を他のカードIDに対応付けて記憶させ、当該他のビジタカード3を発行できるので、遊技者は台移動をして遊技を行うことができる。
次に図18は、記憶値が破損した場合における破損時復旧処理一例を表す概念図であり、(a)は第1実施形態,(b)は第2実施形態である。前記図13で説明したように、本発明に係る各台計数ユニット50では、計数部30で第1記憶値を記憶していると共に、玉貸発券処理部20で第2記憶値を記憶しており、第1実施形態では、第1記憶値を第2記憶値として記憶させる復旧処理を行い、第2実施形態では、第2記憶値を第1記憶値として記憶させる復旧処理を行っているが、図18に示すように、いずれか一方の記憶値がデータ破損又は読み出し不良の場合にも、他方を計数値として特定可能な故障情報を持玉管理装置62に対して送信するように構成している。
具体的に、第1実施形態では、図18(a)に示すように、第1記憶値が破損等の場合には、玉貸発券処理部20が自ら記憶している第2記憶値を故障情報として、該玉貸発券処理部20から持玉管理装置62に対して送信する一方、第2記憶値が破損等の場合には、玉貸発券処理部20が、計数部30が記憶している第1記憶値を受信し、該第1記憶値を故障情報として、該玉貸発券処理部20から持玉管理装置62に対して送信する。また第2実施形態では、図18(b)に示すように、第1記憶値が破損等の場合には、計数部30が、玉貸発券処理部20が記憶している第2記憶値を受信し、該第2記憶値を故障情報として、該計数部30から持玉管理装置62に対して送信する一方、第2記憶値が破損等の場合には、計数部30が自ら記憶している第1記憶値を故障情報として、該計数部30から持玉管理装置62に対して送信する。
これによれば、計数部30で記憶している第1記憶値又は玉貸発券処理部20で記憶している第2記憶値の一方がデータ破損又は読み出し不良の場合には、他方を計数値として特定可能な故障情報が持玉管理装置62に対して送信されるので、計数値を確実に管理装置に対して送信できる。
[4.変形例]
次に、図19を参照して、本発明の変形例1について説明する。この変形例1では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20’と、前記計数部30と、持玉カードユニット50’とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20’は、前記玉貸発券処理部20と比較して、前記内部ユニット30bが配置されていない点のみが異なる。
持玉カードユニット50’は、図19(a)に示すように、玉貸発券処理部20’のさらに左側に隣接して設けられ、縦長の箱型の形状を呈するものであり、その前面に発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,持玉カード挿入口53a’等を備え、図19(b)に示すように、その内部に持玉カードR/W53’,持玉カードストッカ53b’を備え、発券ボタン51’,貯玉ボタン52’,及び持玉カードR/W53’は、玉貸発券処理部20’の玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている。なお持玉カードユニット50’の下部には、前面に計数部30の外部ユニット30aが配置され、内部に計数部30の内部ユニット30bが配置されている。
この変形例1の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、発券ボタン51’が操作されると、玉貸発券制御部22は、前記第1実施形態では、カードテーブルで記憶されている持玉数+第2記憶値(即ち払出可能玉数)が有るか否かを確認し、前記第2実施形態では、計数制御部31から第1記憶値を取得して、カードテーブルで記憶されている持玉数+該取得した第1記憶値(即ち払出可能玉数)が有るか否かを確認し、払出可能玉数が有れば、持玉カード5を貯留している持玉カードストッカ53b’から、該貯留している持玉カード5のうちの1枚を持玉カードR/W53’に対して搬送し、持玉カードR/W53’により、搬送された持玉カード5のIDに、前記払出可能玉数を持玉数として対応付ける処理(ここでは持玉カード5に払出可能玉数を持玉数として記録する処理)を行い、該持玉カード5を持玉カード挿入口53a’から排出して発行する。この変形例1では、該持玉カード5の発行が、前記確定処理に相当する。
このようにして発行された持玉カード5を、他のパチンコ機10に対応する持玉カードユニット50’の持玉カードR/W53’に挿入することにより、該持玉カード5のIDに対応付けられている持玉数を使用して前記持玉払出処理が可能となる。また該持玉数を使用してPOS端末にて景品交換が可能となる。なお玉貸発券処理部20’のカードR/W23にて受付中の会員カード2ビジターカード3は、カード返却ボタン16が操作されると返却される。
つまり変形例1では、持玉数が会員カード2やビジターカード3のカードIDに対応付けて持玉管理装置62で管理されるのではなく、該持玉数が持玉カード5のIDに対応付けられる。なお持玉カード5のIDと持玉数との対応付けは、持玉カード5に持玉数を記録する例には限らず、持玉カード5に持玉数を記録せずに、持玉管理装置62において持玉カード5のIDと持玉数とを対応付けて管理するものであっても良い。即ち持玉カード5に持玉数を記録するか否かは、特に限定されない。
次に、図20を参照して、本発明の変形例2について説明する。この変形例2では、パチンコ機10に対応して設けられる遊技用装置が、玉貸発券処理部20”と、前記計数部30とから構成されており、前記遊技用装置(即ち各台計数ユニット50=玉貸発券処理部20+計数部30)と比較して、確定処理の態様が異なる。ここで玉貸発券処理部20”は、前記玉貸発券処理部20と比較して、図20(a)に示すように、その前面に携帯電話近接部26aをさらに備え、図20(b)に示すように、その内部にICチップR/W26をさらに備え、該ICチップR/W26が玉貸発券制御部22と通信可能に接続されている点と、会員カード2及びビジターカード3が使用されず、カードR/W23はプリペイド残額を特定可能なプリペイドカード6を受け付ける点と、カードストッカ23bを備えていない点とが異なる。
この変形例2の遊技用装置において、遊技者が台移動又は景品交換を希望する場合には、ICチップを備える携帯電話7が携帯電話近接部26aに近接されて、ICチップR/W26により該携帯電話7のICチップから当該携帯電話7の識別情報(チップIDや電話番号等であり、以下「携帯ID」と称する。)が読み取られ、ディスプレイ24に表示される図示しない発行ボタンが操作されると、玉貸発券制御部22は、前記第1実施形態では、カードテーブルで記憶されている持玉数+第2記憶値(即ち払出可能玉数)が有るか否かを確認し、前記第2実施形態では、計数制御部31から第1記憶値を取得して、カードテーブルで記憶されている持玉数+該取得した第1記憶値(即ち払出可能玉数)が有るか否かを確認し、払出可能玉数が有れば、計数部IDと対応付けて、該払出可能玉数を持玉数として記憶(当該携帯電話7のICチップで記憶,又は管理装置で記憶等)するための記憶処理を行う。この変形例2では、該記憶処理が、前記確定処理に相当する。
最後に、本発明のその他の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図1に示すように、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、スロットマシンでも良く、またゲーム機であっても良い。
上記の実施形態では、図1に示すように、持玉管理装置62が持玉数を管理すると共に、会員管理装置61が貯玉数を管理する例について説明したが、これに限らず、1つの管理装置が持玉数及び貯玉数を管理するものであっても良い。
上記の実施形態では、カード(会員カード2又はビジターカード3)に持玉数が記録されない例について説明したが、これに限らず、カードに持玉数が記録されるものであっても良く、また会員カード2には持玉数が記録されないがビジターカード3には持玉数が記録されるものや、ビジターカード3には持玉数が記録されないが会員カード2には持玉数が記録されるものであっても良い。
上記の実施形態では、図7(a)のS05で、受け付けたのが会員カード2であると判定された場合に、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、S06の管理貯玉数取得処理,S07の管理持玉数取得処理,及びS08の残額確認処理が行われて、貯玉数,持玉数,及びプリペイド残額が使用可能になる例について説明したが、これに限らず、例えば受け付けたのが会員カード2であると判定された場合であっても、暗証番号の入力を受け付けずに、S07の管理持玉数取得処理及びS08の残額確認処理を行って、持玉数及びプリペイド残額を使用可能とすると共に、S15で再プレイボタンの操作が有ると、暗証番号の入力を受け付け、該入力された暗証番号の認証がとれたことを条件に、管理貯玉数取得処理を行って、貯玉数を使用可能とするようにしても良い。即ち持玉数及びプリペイド残額の使用については暗証番号の入力が不要であり、貯玉数の使用についてのみ暗証番号の入力が必要なものであっても良い。
上記の実施形態では、図7(a)に示すように、S07の持玉数取得処理を行った後にS08の残額確認処理を行う例について説明したが、これに限らず、残額確認処理を行った後に持玉数取得処理を行っても良く、また持玉数取得処理と残額確認処理とを同時並行で行っても良い。
上記の実施形態では、図7(a)のS21に示すように、遊技用価値を使用させるための使用処理が玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該使用処理は、遊技用価値をスロットマシンで使用させるためのメダル貸処理や、遊技用価値を得点に変換してゲーム機で使用させるための処理等であっても良い。
上記の実施形態では、図7(a)のS26b及びS26cに示すように、カード返却ボタン16の操作が有ると、貯玉数更新処理及び持玉数更新処理(確定処理)を行う例について説明したが、これに限らず、貯玉数の更新は貯玉再プレイ処理毎に行っておき、持玉数の更新は計数処理及び持玉払出処理毎に行っておく(確定させる)ように構成し、カード返却ボタン16の操作が有っても貯玉数更新処理及び持玉数更新処理を行わずにカードを返却するものであっても良い。このように、持玉数の更新を計数処理及び持玉払出処理毎に行っておく(確定させる)ように構成すれば、計数毎や払出毎の不具合に対応して、第1記憶値や第2記憶値の復旧処理を行うことができる。また貯玉数や持玉数の更新は、貯玉再プレイ処理,計数処理,持玉払出処理毎に行うのではなく、所定時間毎に行うものであっても良い。
上記の実施形態では、図7(a)のS26dやS26e,及び図7(b)のS30c’やS26e’に示すように、確定処理(持玉数更新処理)が行われると、第1記憶値及び第2記憶値を消去することにより、これらの記憶値を確定して、以後は新たな第1記憶値及び第2記憶値を更新する例について説明したが、これに限らず、確定処理が行われても、第1記憶値及び第2記憶値を消去せずに、確定値として記憶する(即ち復旧処理の対象外とする)ことにより、これら記憶値を確定して、以後は新たな第1記憶値及び第2記憶値を更新するものであっても良い。
上記の実施形態では、図7(a)のS26dやS26e,及び図7(b)のS30c’やS26e’に示すように、第1記憶値及び第2記憶値を、確定処理(持玉数更新処理)が行われると消去する例について説明したが、さらに営業終了時に残存している第1記憶値及び第2記憶値(例えばカードが返却されないことにより残存している第1記憶値及び第2記憶値)を、該営業終了時に消去するようにしても良い。
上記の実施形態では、図9のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を単位時間毎に玉貸発券制御部22に対して送信する例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が、一連の計数が終了した後に、計数値の累積値を示す計数情報を玉貸発券制御部22に対して送信するものであっても良く、また玉カウンタ35から計数パルスが出力される毎に、計数値として1を示す動作指示応答を玉貸発券制御部22に対して送信するものであっても良い。
上記の実施形態では、図9のS114等に示すように、計数制御部31が、計数情報(動作指示応答)として、計数値の累積値を示す計数情報を送信する例について説明したが、これに限らず、該計数情報として、前回送信した計数情報が示す計数値からの加算値を示す計数情報を送信するものであっても良く、この場合には、該計数情報を受信した玉貸発券制御部22が、該計数情報が示す加算値を累積して第2記憶値として記憶すれば良い。即ち計数情報送信手段(計数制御部31)は、玉カウンタ35による計数に基づいて、計数情報を送信するものであれば良く、第2更新手段(玉貸発券制御部22)は、計数情報の受信に基づいて、第2記憶値を更新するものであれば良い。
上記の実施形態では、図8のS53に示すように、玉貸発券制御部22が、払出情報として、第2記憶値からの減算値を一括して示す払出情報を1回だけ送信する例について説明したが、これに限らず、該払出情報として、第2記憶値からの減算値の一部を示す払出情報を複数回送信するものであっても良く、この場合には、該払出情報を受信した計数制御部31が、該複数の計数情報が示す値を累積して減算値を特定し、該特定した減算値を第1記憶値から減算するようにすれば良い。即ち排出情報送信手段(玉貸発券制御部22)は、持玉払出処理に基づいて、払出情報を送信するものであれば良く、第1更新手段(計数制御部31)は、払出情報の受信に基づいて、第1記憶値を更新するものであれば良い。
上記の第1実施形態では、図11に示すように、復旧条件が成立したか否かを、玉貸発券制御部22が判定する例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が判定するものであっても良い。また上記の第2実施形態では、図12に示すように、復旧条件が成立したか否かを、計数制御部31が判定する例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22が判定するものであっても良い。即ち復旧条件判定手段,記憶値一致判定手段(S331,S431),識別情報一致判定手段(S321,S421),異常判定手段(S311,S411),及び制限回数判定手段(S303,S403)は、各台計数ユニット50に備えられるものであって、玉貸発券制御部22又は計数制御部31のいずれに備えられていても良い。
上記の実施形態では、図11のS303,図12のS403に示すように、復旧回数が制限回数に達しているか否かを判定する例について説明したが、該判定に代えて、復旧処理を行った履歴(日時,制御部ID及び計数部ID,記憶値等)を上位装置(例えば持玉管理装置62やホールコンピュータ70)で管理するように構成し、復旧回数が異常に多い場合や、同じ制御部ID及び計数部IDで復旧処理が行われている場合等を不正として特定して、報知するように構成しても良い。
上記の第1実施形態では、図11に示すように、計数制御部31が組み合わせ先の制御部IDを記憶して、玉貸発券制御部22が制御部IDの一致を判定する例について説明したが、これに限らず、玉貸発券制御部22が組み合わせ先の計数部IDを記憶して、計数制御部31が計数部IDの一致を判定するものであっても良い。また上記の第2実施形態では、図12に示すように、玉貸発券制御部22が組み合わせ先の計数部IDを記憶して、計数制御部31が計数部IDの一致を判定する例について説明したが、これに限らず、計数制御部31が組み合わせ先の制御部IDを記憶して、玉貸発券制御部22が制御部IDの一致を判定するものであっても良い。さらに両実施形態において、計数制御部31が組み合わせ先の制御部IDを記憶すると共に、玉貸発券制御部22が組み合わせ先の計数部IDを記憶して、玉貸発券制御部22が制御部IDの一致を判定すると共に、計数制御部31が計数部IDの一致を判定するもの(即ち制御部ID時計のダブルチェックを行うもの)であっても良い。
上記の第1実施形態では、図11に示すように、S332で、第1記憶値が第2記憶値より大きいか否かを判定し、大きい場合に、S333で、該第1記憶値を第2記憶値として記憶し、小さい場合に、S334で、第2記憶値記憶要求を送信する例について説明したが、これに限らず、例えば第1記憶値と第2記憶値の更新時刻を記憶しておき、S332で、第1記憶値の更新時刻が第2記憶値の更新時刻よりも新しいか否かを判定し、新しい場合に、S333の処理を行い、古い場合に、S334の処理を行うようにしても良い。同様に、上記の第2実施形態でも、図12に示すように、S432で、第1記憶値が第2記憶値より大きいか否かを判定し、大きい場合に、S433で、第2記憶値記憶要求を送信し、小さい場合に、S434で、第1記憶値を第2記憶値として記憶する例について説明したが、これに限らず、例えば第1記憶値と第2記憶値の更新時刻を記憶しておき、S432で、第1記憶値の更新時刻が第2記憶値の更新時刻よりも新しいか否かを判定し、新しい場合に、S433の処理を行い、古い場合に、S434の処理を行うようにしても良い。
上記の実施形態では、図15のS501に示すように、各台計数ユニット50の故障が、カード返却不能である場合について説明したが、これに限らず、該故障には、カードへのデータ書込不能な場合や、カードの使用中に当該カードが使用停止された場合(例えば使用中のカードが盗難されたカードで、当該カードが使用停止された場合)や、持玉管理装置62以外の上位装置(残額管理装置60,会員管理装置61,ホールコンピュータ70)とオフラインになった場合や、不正操作を受けてエラーダウンした場合や、災害が発生してダウンした場合等も含まれる。
上記の実施形態では、図15に示すように、各台計数ユニット50は、S501で故障の発生を検知した場合に、S502でエラーダウンして、S503で故障情報送信要求を受け付けると、S504で故障情報を持玉管理装置62に対して送信する例について説明したが、これに限らず、例えば以下のようにして故障情報が送信されるものであっても良い。第1には、故障の発生を検知すると、エラーダウンや故障情報送信要求の受付をせずに、自動的に故障情報を送信するものであっても良い。第2には、故障の発生を検知すると、故障発生通知を持玉管理装置62に対して送信し、該故障発生通知を受信した持玉管理装置62から故障情報送信要求を受信すると、故障情報を送信するものであっても良い。第3には、故障の発生を検知すると、故障発生フラグを記憶し、持玉管理装置62からポーリング通信を受信した際に故障発生フラグの記憶が有れば、故障情報を送信するものであっても良い。その他、故障の発生に基づいて故障情報を送信するものであれば、その送信契機やタイミングは、特に限定されない。
上記の実施形態では、図16に示すように、各台計数ユニット50でビジタカード3のストックが有ることを条件に、持玉管理装置62から各台計数ユニット50に対してS619で持玉数が送信される例について説明したが、これに限らず、各台計数ユニット50でビジタカード3のストックが無くても、持玉管理装置62から各台計数ユニット50に対して持玉数が送信されるものであっても良く、この場合には、事後的にビジタカード3がストックされると、該ストックされたビジタカード3から全記憶持玉数が特定可能とされて排出される。
上記の実施形態では、図17に示すように、一のカードIDに対応付けられている持玉数の全数が他のカードIDに移動される例について説明したが、これに限らず、一のカードIDに対応付けられている持玉数の一部のみが他のカードIDに移動されるものであっても良く、この場合には持玉数が二つのカードIDに対応付けられることになる。