JP5865428B2 - ロッドを受けてそのロッドを骨固定要素に連結するための受け部、およびそのような受け部を有する骨固定装置 - Google Patents

Description

本発明は、ロッドを骨固定要素と結合するために該ロッドを受ける受け部、および、そのような受け部を有する骨固定装置に関するものである。受け部は、受け部本体と、この受け部本体の収容空間内の少なくとも一部に位置する圧力要素とを含む。圧力要素は、頭部を締め付ける可撓性部を有する。圧力要素は、受け部本体内において、頭部の導入および取外しを可能にする挿入状態、受け部本体内で頭部が固定される固定状態、および、圧力要素によって作用する予応力により頭部が締め付けられる予備固定状態の形態をとることができる。

骨ねじの回転位置を固定するために側方から頭部が締め付けられる、多軸骨ねじの種々の構造が知られている。

特許文献１（ＵＳ ５，６７２，１７６）には、円錐形の座部、および、頭部に上および側方から押圧力を加える円錐形の圧力要素を有する、骨ねじが記載されている。もし円錐面の角度が特定の範囲内の値であれば、受け部内の圧力要素の自動固定が生じ、それによって、受け部内における頭部の予備固定が可能になるが、その状態で、ロッドはその位置の調節できる程度に移動可能である。

特許文献２（ＷＯ ２００７／０３８３５０ Ａ２）は、コネクタ本体およびキャップを含む支持ロッドに骨固定具を接続するための装置を開示する。コネクタ本体は、骨固定具の挿入、角度調整、および移動のためのソケットを有する。コネクタ本体に嵌る形状のスリーブが、骨固定具の挿入を許容する仮の位置に設けられ、このスリーブは、骨固定具の角度調整を可能にするが移動が防止される仮固定状態まで移動し、さらに、骨固定具の角度調整および移動の両方を止める固定状態まで移動する。

特許文献３（ＵＳ ６，０６３，０９０）には、長手の支持部材を、その支持部材を収容するチャネルを有する収容ヘッドによって柄付きねじに接続するために用いられる装置が記載されている。その柄付きねじおよび収容ヘッドは、収容ヘッド内において、柄付きねじ上の球状ヘッドによって、円錐形のコレットチャックを介して接続されている。この装置によれば、柄付きねじを骨に挿入した後に、収納ヘッド内で柄付きねじを係合させることができる。

特許文献４（ＵＳ ６，１３２，４３２）には、ねじや、骨固定要素に作動的に接続されるロッド受け座のような骨固定部材を含む、脊椎インプラント固定用アセンブリが記載されている。１つの実施形態において、ねじ頭部受け挿入物が設けられ、これは、アセンブリ内において、ねじ頭部を封じ込める固定状態と、ねじ頭部を出し入れする非固定状態との間で移動可能である。

ＵＳ ５，６７２，１７６ ＷＯ ２００７／０３８３５０ Ａ２ ＵＳ ６，０６３，０９０ ＵＳ ６，１３２，４３２

本発明の目的は、骨固定要素にロッドを連結するためにロッドを受ける改良された受け部と、そのような受け部を有するとともに、部品点数が少なくかつ手術中の取り扱いが改良された、骨固定装置とを提供することである。

この目的は、請求項１に記載の受け部および請求項１５に記載の骨固定装置によって達成される。本発明のさらなる展開は、従属請求項に記載されている。

圧力要素は、受け部本体内において３つの位置で配置し得る。挿入状態においては、頭部は受け部本体内の収容空間に底から挿入できる。予備固定状態においては、圧力要素は収容空間内で頭部を予備固定し、それによって、受け部本体からの頭部の意図しない外れを防止するとともに、手術中における受け部本体に対する頭部の意図しない動きを防止する。これにより、手術中の骨固定装置の安全な取り扱いを可能にする。固定状態においては、頭部が受け部に最終的に固定される。圧力要素は、挿入状態および予備固定状態において取外し可能に保持される。これにより、取り扱い易くなる。

頭部の予備固定および最終的な固定は、同一の圧力要素によって成し遂げられる。よって、本発明による受け部および骨固定装置は、少ない要素により構成されるため、製造コストを低減するとともに、取り扱いを容易にする。この発明は、骨固定要素の頭部の外周を側面から締め付ける原理を利用しており、それにより、頭部を安全に締め付けるために必要な力が低減される。このような受け部の構造は、頭部を受け部の底から導入することを可能にすることから、モジュラーシステムが準備されて異なる受け部を有する種々の骨固定具を手術前に使用可能である場合に利点がある。

本発明のさらなる特徴および利点は、添付図面を用いた実施形態の説明により明らかにされる。

本発明の第１実施形態の骨固定装置の分解斜視図である。 図１に示した骨固定装置を組立てた状態の斜視図である。 第１実施形態による圧力要素の斜視図である。 図３の圧力要素の側面図である。 図４の圧力要素を、図４に示す状態からその中心軸まわりに９０°回転した側面図である。 図５の圧力要素の断面図である。 図３〜６に示す圧力要素の底面図である。 圧力要素が第１の位置にあり、骨固定要素がまだ挿入されていない状態の、骨固定装置のロッド軸と直交する断面の断面図である。 第１実施形態において、圧力要素が第１の位置にあり、骨固定要素が一部挿入された状態の骨固定装置の断面図である。 図９に示した骨固定装置の、骨固定要素が完全に挿入された状態を示す断面図である。 第１実施形態の骨固定装置の、圧力要素が予備固定された状態の断面図である。 図１１の一部を拡大して示す断面図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造の他の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造のさらに他の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造のさらに他の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造のさらに他の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造のさらに他の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造のさらに他の実施例を示す図である。 圧力要素の外側および受け部本体の内側のそれぞれの互いに協働する表面の構造のさらに他の実施例を示す図である。 図８に示した骨固定装置の、ロッドが挿入されて頭部が最終的に固定された状態を示す図である。 第２実施形態による骨固定装置の分解斜視図である。 第２実施形態による圧力要素の拡大側面図である。 図１６に示した圧力要素の断面図である。 図１６に示した圧力要素を９０°回転した側面を示す図である。 図１６の圧力要素の底面図である。 第２実施形態による骨固定装置の、圧力要素が挿入状態にあり、骨固定要素がまだ挿入されていない状態の、ロッド軸と直交する断面の断面図である。 図２０に示した骨固定装置の、骨固定要素が完全に挿入された状態を示す断面図である。 図２０に示した骨固定装置の、圧力要素が予備固定状態となる直前の状態を示す断面図である。 図２０に示した骨固定装置の、圧力要素が予備固定状態にある状態を示す断面図である。 図２３の一部を拡大して示す断面図である。 図２３の他の部分を拡大して示す断面図である。 図２０に示した骨固定装置の、圧力要素が固定状態にあり、頭部が最終的に固定された状態の断面図である。

図１および２に示すように、第１実施形態の骨固定装置は、ねじが切られたシャフト２および頭部３を有する骨ねじの形態の骨固定要素１を備え、頭部３は、この実施形態においては球形の部分の形状を有する。頭部３は、ねじ込み工具と係合するための凹部４を有する。この骨固定装置は、さらに、骨固定要素１にロッド６を接続するためにロッド６を受ける受け部本体５を備える。さらに、内部ねじの形態の閉塞要素７が、受け部本体５内に固定するために設けられている。この骨固定装置はさらに、頭部を受け部本体５内に固定するための圧力要素８を含む。圧力要素８は、たとえばピン９ａ，９ｂによって、受け部本体５内に保持される。

次に、受け部本体５について、図１および８〜１４を参照して説明する。受け部本体５は、第１端１０と、その反対側の第２端１１と、第１および第２端を通る対称軸Ｍとを備える。また、対称軸Ｍと同軸の穴１２が設けられる。第１端１０に隣接する第１領域において、受け部本体５は、対称軸Ｍに関して対象なＵ字形状の凹部１３を有し、この凹部１３は、第２端１１を向いた底部と、第１端１０に向かって延びる、開放端を持つ２つの脚部１４ａ，１４ｂを有する。脚部１４ａ，１４ｂの領域には、閉塞要素としての内側ねじ７と螺合する雌ねじ１５が設けられている。Ｕ字形状の凹部１３により形成される溝は、
複数の固定装置を接続するロッドを受けるような大きさを有する。第２端１１近傍の第２領域には、穴１２の円柱状部に続いて、円錐角をなして第２端１１に向かって先細になる第１テーパ状部分１６が設けられている。第１テーパ状部分１６に続いて、円錐角をなして第２端１１に向かって先細になる第２テーパ部分１７が設けられ、その円錐角は、第１テーパ部の円錐角よりも小さい。第２端には開口１８が設けられている。開口１８の直径は頭部３の直径よりも大きく、穴１２の内径よりも小さい。同軸の穴１２は、ねじの頭部３のための収容空間を提供する。

脚部１４ａ，１４ｂの各々には、脚部１４ａ，１４ｂを貫通する穴２０ａ，２０ｂが、ピン９ａ，９ｂを受けるために設けられている。これらの穴は、各脚部のほぼ中央に位置している。

図１および３〜７からわかるように、圧力要素８は本質的に、ほぼ円筒状で、圧力要素８が穴１２内を移動可能なように、穴１２の内径よりもわずかに小さい外径を有する、第１部分８１と、第１の部分よりも内側に窪み、穴１２の内径よりも小さい最大外径を有する第２の部分８２とを含む。第１の部分８１は、第２の部分８２とは反対側の端に、圧力要素８が受け部本体５内に位置するときにロッド６を受ける、Ｕ字状凹部８３を有する。Ｕ字状の凹部の両側面において、圧力要素は外壁に、互いに対向するように配置され、その長手方向が受け部本体５の対称軸Ｍと平行になるように配された、長手の凹部８４を備える。図４からわかるように、第１の部分８１の横幅は、自由端に向かって小さくなっている。

第２の部分８２はカラーと同様に形成され、第１の部分８１側に第１の部分に対して窪んだ第１端と、中に球状の頭部３を締め付けるためにほぼ球状をなす中空の内部８５とを備える。第２の部分８２の第２端には、頭部３を導入するための開口８６が設けられている。第２の部分８２の外壁は、先細になっている第２の部分の開口８６に近接する、球状をなす第１の部分８７を備える。テーパ状の第２の部分８８は、受け部本体の第２テーパ状部分１７と協働する。圧力要素の第１の部分８１はさらに、第２の部分８２を貫く開口８６から伸びる複数のスリット８９を備える。スリット８９の数および寸法は、第１の部分が、頭部３を挿入するときに頭部がスナップ嵌合するのに十分な可撓性を有するように設定される。さらに、圧力要素は、工具をねじに到達させるために設けられた同軸穴９０を備える。

図８〜１４からわかるように、圧力要素が穴１２の内径よりもわずかに小さい最大外径を有するので、圧力要素は第１端１０から受け部本体５に挿入することができる。圧力要素が一旦挿入されると、ピン９ａ，９ｂが穴２０ａ，２０ｂ内に導入されて、長手の凹部８３と係合し、それによって、受け部本体のＵ字状凹部１３と位置がそろうＵ字状凹部８３とともに圧力要素を保持し、圧力要素第１端を通って離脱することを防止する。圧力要素の第２の部分８２が穴１２の内径よりも小さい外径を有するため、また、圧力要素の第２の部分８２が可撓性を有する外壁を有するため、第２の部分は、ねじの頭部が導入されるときに、収容空間１９の範囲内で拡張可能である。

上述したすべての部品は、生体適合性のある材料、すなわち、たとえばステンレス鋼のような生体適合性のある金属、チタン、または、たとえばニチノールのような生体適合性のある金属合金により形成されるか、あるいは、たとえばＰＥＥＫのような生体適合性のある樹脂材料から形成される。

骨固定装置を組み立てるステップについて、以下、図８〜１４に基づいて説明する。まず、圧力要素８が受け部本体に導入され、ピン９ａ，９ｂによって保持されるとき、開口８６が受け部本体の第２端１１に向けられるように、圧力要素の方向が定められる。図８
に示すように、圧力要素８は、ねじの頭部３を挿入可能にする挿入状態である、最も上の位置にある。挿入状態においては、圧力要素の可撓性のある第２の部分が、収容空間１９内において自由に位置する。挿入状態は、上昇運動に対して、この実施形態ではピンを凹部８４の下端と係合して設けられた当接部(abutment)によって制限される。図９に示すように、次に、ねじの頭部３が開口１８を通して収容空間１９に収納され、その位置に、圧力要素８の第２の部分８２が配置される。ねじの頭部３は開口８６を通して、圧力要素の第２の部分８２の中空の内部８５に導入される。スリット８９により可撓性が付与される壁によって、第２の部分は図９に示すように収容空間１９内で拡張される。第２の部分は、ねじの頭部３を包囲するまでねじの頭部にスナップ嵌合する。ピンはまた、ねじの頭部が挿入されるときに、圧力要素８が開口する第２端１１を貫いて離脱することを防止する。挿入状態においては、ねじの頭部３は受け部において旋回可能であり、また、圧力要素がこの位置にとどまれば、ねじの頭部は取外し可能である。圧力要素を一時的に挿入状態に保持するための手段（図示せず）が設けられてもよい。それに代えて、圧力要素を工具（図示せず）により挿入状態に保持することも可能である。

図１１および１２は、圧力要素の予備固定状態を示す。ねじの頭部が挿入され圧力要素がわずかに押し下げられると、圧力要素の第２の部分８２の外壁が第１テーパ状部分１６によって案内され、それによって、第２の部分８２の外壁は受け部本体の第２テーパ状部分１７と接触する。圧力要素の外壁のテーパ状の第２の部分８８および第２テーパ状部分１７は互いに係合し、それによって、圧力要素の第２の部分８２がねじの頭部に対して予応力を作用し、頭部３を予備固定する。予備固定とは、手術中に生じる状態の下で、受け部本体５に対する骨固定要素１の角度位置が維持され、かつ、受け部本体またはねじ要素に付加的な力を作用させることのみで、緩めることができることを意味する。圧力要素の予備固定状態は圧力要素を手で押し下げることによって、あるいは、ロッドを挿入し内側ねじ７をねじ込むことによりロッドが圧力要素を押し下げて、圧力要素をわずかに下方に動かすことによって、達成され得る。

図１３ａ、１３ｂは、予備固定状態における、圧力要素の外側表面部分と受け部本体の内側表面部分との係合を示す。上述のように、表面１７，８８は、図１３ａに示すようにテーパ状にすることができる。それに代えて、表面８８′，１７′を、図１３ｂに示すように丸くしてもよい。受け部本体５の第１テーパ状部分１６は、案内のためのみに作用するものであり、省略してもよい。

図１３ｃにおいて、２つのテーパ状部分１７，８８は、ほぼ同じ角度で先細になっている。これにより、圧力要素の第２の部分８８と受け部本体の先細になった部分１７との間において、図中に矢印で示すようにほぼ均一な圧力分布が得られる。図１３ｄ，１３ｅは、部分がそれぞれ異なった角度で先細になっている２つの異なった構造を示す。図１３ｄは底部の主要接触領域を示し、図１３ｅは部分１７″′の上部の主要接触領域を示す。図１３ｆは、圧力要素のテーパ状の第２の部分８８″″と、受け部本体の丸くされた部分１７″″とが示され、この丸くされた部分１７″″の湾曲は、受け部本体の中央に向いている。そのような形状を有することにより、丸くされた部分に接触領域を位置させることができる。

図１３ｇ，１３ｈには、受け部本体５の変形例の先細になった部分１７０が、互いに重なり合う２つの湾曲部分１７０ａ，１７０ｂによって形成される二重の球状領域を有し、それらの間に溝１７０ｃが形成されている。その湾曲は、中心軸Ｍに向けられている。同様に、変形された圧力要素１８０は、その下端に、湾曲部分１７０ａ，１７０ｂに対応する２つの逆に湾曲した部分１８０ａ，１８０ｂを有し、それらの間には稜１８０ｃが形成され、圧力要素の曲がり易い外側端部に外側稜１８０ｄが形成されている。

図１３ｅに示すように、圧力要素１８０が下方へ移動すると、その最下端が溝１７０ｃを係合する。この部分において、頭部３の摩擦による締め付けが生じるが、それによってもなお、力が作用すると旋回させることができ、その力は、頭部３が挿入状態に導入されるときに頭部を旋回させるための力よりも大きい。これが予備固定状態である。図１３ｈに示すように、圧力要素１８０をさらに押し下げることにより、圧力要素１８０の湾曲部分は先細になった部分１７０の湾曲部分と係合し、頭部が最終的に固定される。

固定状態である第３の位置が、図１４に示される。固定状態は、ねじの頭部３が最終的に受け部本体内に固定されるときの、圧力要素の位置として定義される。この位置では、圧力要素の先細になった外側表面が、大きな領域にわたって、受け部本体の第２の先細になった部分と係合する。それによって、圧力要素の第２の部分の可撓性のある壁が頭部３に押し付けられ、その結果として頭部３が固定される。この位置は、最終的に内側ねじ７を締め付け、それによりロッド６を押し下げることによって達成される。

使用時には、骨固定装置は、たとえば、適切な骨固定要素１が選択され、挿入された圧力要素とともに受け部本体に導入されるというような態様によって、予備組立てを行なうことができる。圧力要素をわずかに押し下げることによっても、予備組立ての状態をもたらすことができる。その後、ねじ要素が骨にねじ込まれる。頭部３の凹部４に、同軸穴１２および穴９０を通して、ねじ工具を到達させることができる。受け部を、それに接続されるロッドに対して正確に位置をそろえるために、手で、あるいは道具を用いて、受け部に付加的な力が加えられる。ロッドの位置を他の骨固定装置に対して一旦正しく位置決めされると、内側ねじ７が締め付けられ、それによって、圧力要素を固定状態まで下降させる。内側ねじの最終的な締め付けにより、ロッドおよび頭部が同時に固定される。

骨固定装置は、製造者により、あるいは手術中またはその準備の際、あるいはその他のどのようなときにおいても、予備組み立てを行なうことができる。好都合なことに、外科医は、手術の前に、臨床用途に特有の要求にしたがって、骨固定要素に必要な受け部を選ぶことができる。このような骨固定装置の構造により、固定部分の直径、長さ、および他の形状の観点から、適切な骨固定要素を選ぶことができる。よって、複数の受け部および数個の骨固定要素を含むモジュラーシステムが提供され、それから個別に選んで適用することができる。

次に、第２実施形態の骨固定装置について、図１５〜２６に基づいて説明する。第１実施形態の部品と同一の部品については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する。第２実施形態の骨固定装置は、圧力要素およびピンの構造において、第１実施形態と異なる。圧力要素８′は、第１の部分において圧力要素８と異なる。圧力要素８′の第１の部分８１′には、ほぼ円柱の部分の形状を有する、ロッド６をガイドするための浅い窪み８３′が設けられている。圧力要素８′の第１の部分８１′はさらに、２つの直立する弾力のあるの指状部９１ａ，９１ｂを含み、これらは、窪み８３′の両側部側から受け部本体の第１端１０の方向に延びている。これらの直立する指状部は、それらの自由端のそれぞれに、外側を向く部分９２を有する。少なくとも指状部の領域においては、弾力のある指状部が移動可能であるように、第１の部分８１′の外径は、同軸穴１２の内径よりも小さくなっている。

ピン９ａ，９ｂはそれぞれ、平坦にされた部分９３を有し、その部分９３の幅は、弾力のある指状部の外側に延びる部分９２の幅とほぼ同じである。ピンが穴２０ａ，２０ｂに挿入されると、部分９３は図２０に示すように、受け部本体５の同軸穴１２の中まで延びている。この構造により、圧力要素８′のための当接部が提供される。

次に、第２実施形態による骨固定装置の組み立てについて、図２０〜２５に基づいて説
明する。まず図２０に示すように、圧力要素８′が第１端１０から受け部本体５に挿入される。その後、ピン９ａ′，９ｂ′が脚部の穴に挿入される。圧力要素８′は、弾力のある指状部の外側へ伸びる部分９２がピンの平坦にされた部分９３の上に配置するような位置にある。この位置において、圧力要素８′は挿入状態にある。その後、ねじの頭部が、圧力要素８′の第２の部分８２がねじの頭部３を包囲するまで、開口１８および８６を通して挿入される。その後、図２２に示すように、圧力要素８′がわずかに下降して、予備固定状態に入る。それによって、弾力のある指状部９１ａ，９１ｂは、外側に延びる部分９２がピンの平坦にされた部分９３の周りを動くことにより、内側に押し付けられる。図２３に示すように、外側に延びる部分９２が外側へ移動し、平坦にされた部分９３が圧力要素のための当接部を構成する。この予備固定状態において、第２の部分８２のテーパ状の外側表面部分が、受け部本体のテーパ状部分１７と係合する。ピンが止め部材として作用するため、予備固定状態が確実になる。

ロッドを挿入し、内側ねじ７をねじ込むことにより、圧力要素は、図２６に示すような最終的固定状態に達するまで、さらに圧力要素を下降させる。

骨固定装置の臨床用途は、第１実施形態のものと同じである。
示された実施形態をさらに変更することが可能である。たとえば、骨固定要素の頭部は、円柱形のような他の形状を有してもよい。頭部をたとえば円柱形にすることにより、単一の軸まわりに受け部に対してねじ要素を旋回可能にする単軸骨ねじが供給される。頭部３を、円錐形状にし、圧力要素の中空の内側部８５をこの形状に適合させることも可能である。さらなる変形例においては、受け部本体５または少なくとも圧力要素の第２の部分８２は、ある程度弾性を有する生体適合性のある樹脂材料で形成される。この場合、スリットは設けなくてもよい。

第２実施形態に代えて、圧力要素の部分と協働する受け部本体に弾力部が設けられてもよい。一般的には、ピンが、圧力要素の係止部の目的を果たす唯一の例であるが、スナップリングやその他の構造物を用いることも考えられる。

受け部本体は、一つの方向により大きな角度を付与可能にするために、傾斜した回後端を有してもよい。圧力要素の第２の部分８２の外側表面は、テーパ上であってもよく、また、受け部本体の第２の部分１７が内側に湾曲していてもよい。

今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

１ 骨固定要素、２ シャフト、３ 頭部、４ 凹部、５ 受け部本体、６ ロッド、７ 閉塞要素、８，８′ １８０ 圧力要素、９ａ，９ｂ ピン、１０ 第１端、１１ 第２端、１２ 穴、１３ 凹部、１４ａ，１４ｂ 脚部、１６ 第１テーパ状部分、１７
第２テーパ状部分，１８ 開口、１９ 収容空間、２０ａ，２０ｂ 穴、８１，８１′
第１の部分、８２ 第２の部分、８３ Ｕ字状凹部、８３′ 窪み、８６ 開口、８７
第１の部分、８８ 第２の部分、８９ スリット、９０ 同軸穴、９１ａ，９１ｂ 指状部、１７０ａ，１７０ｂ 湾曲部分、１７０ｃ 溝、１８０ｃ 稜、１８０ｄ 外側稜、Ｍ 対称軸。

Claims (19)

1. ロッドを骨固定要素に結合するためにロッドを受ける受け部であって、
   前記ロッド（６）を受ける溝（１３）を有する受け部本体（５）と、
   骨固定要素（１）の頭部（３）を導入する開口（１８）を有し、該頭部（３）を収容するための収容空間（１９）と、
   前記頭部を締め付けるための可撓性部（８２）を有する、前記収容空間（１９）の少なくとも一部に配置された圧力要素（８，８′）とを備え、
   前記圧力要素（８）は、前記受け部本体（５）内において、前記頭部の導入を可能にする挿入状態、前記頭部が前記受け部内において固定される固定状態、および、前記頭部が前記圧力要素によって作用する予応力により締め付けられる予備固定状態をとることができ、
   前記挿入状態は、前記圧力要素（８，８′）に作動する止め部材（９ａ，９ｂ）によって制限され、
   前記圧力要素（８，８′）は、前記ロッドを受けるための凹部（８３，８３′）を有するほぼ円筒状の部分（８１，８１′）を備え、前記止め部材は少なくとも１つのピン（９ａ，９ｂ）によって形成されるとともに前記圧力要素の凹部（８４）と係合し、それによって、前記受け部本体の前記溝（１３）と整列する前記ロッドを受けるための前記凹部（８３）を保持し、
   前記収容空間（１９）において、円錐角をなして前記開口（１８）に向かって先細になる第１の先細になった部分（１６）が設けられ、該第１の先細になった部分（１６）に続いて、円錐角をなして前記開口（１８）に向かって先細になるとともに前記開口（１８）に隣接する第２の先細になった部分（１７）を備え、該第２の先細になった部分（１７）の円錐角が前記第１の先細になった部分（１６）の円錐角よりも小さい、受け部。
2. 前記挿入状態において、前記圧力要素（８，８′）前記収容空間（１９）内において拡張し得る、請求項１に記載の受け部。
3. 前記予備固定状態において、前記頭部に作用する予応力が、前記受け部本体（５）の内壁の一部のみにより、前記圧力要素（８，８′）の外壁の一部（８８）を締め付けることによって発生する、請求項１または２に記載の受け部。
4. 前記圧力要素（８′）が弾性力によって前記予備固定状態に保持される、請求項１〜３のいずれか１項に記載の受け部。
5. 前記弾性力が、前記受け部本体（５）に設けられた係止部と協働する、前記圧力要素（８′）の弾力のある部分（９１ａ，９１ｂ，９２）、または、前記圧力要素（８′）に設けられた係止部（９３）と協働する、前記受け部本体（５）の弾力のある部分によって生じる、請求項４に記載の受け部。
6. 前記挿入状態において、前記頭部（３）が前記受け部本体（５）から取り外し可能である、請求項１〜５のいずれか１項に記載の受け部。
7. 前記収容空間（１９）が、前記開口近傍に前記第２の先細になった部分（１７，１７０）を有する略円柱状である、請求項１〜６のいずれか１項に記載の受け部。
8. 前記圧力要素（８，８′）が、その外壁に先細になった部分（８８，１８０）を備え、この先細になった部分（８８，１８０）は、テーパ状を有するか丸くなっており、かつ、前記収容空間（１９）において、該収容空間の前記第２の先細になった部分（１７）と協働する、請求項７に記載の受け部。
9. 前記受部の前記第２の先細になった部分（１７）および前記圧力要素（８，８′）の先細になった部分（８８）が、ほぼ同じ角度でテーパ状を有するか丸くなっている、請求項８に記載の受け部。
10. 前記圧力要素の前記可撓性部（８２）前記頭部（３）および該頭部を挿入するための開口（８６）を収容するための中空の部分（８５）を有する、請求項１〜９のいずれか１項に記載の受け部。
11. 前記可撓性部（８２）の外径が、前記収容空間（１９）の内径よりも小さい、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の受け部。
12. 前記受け部本体（５）が、ロッド（６）を受けるためのＵ字形状の凹部（１３）を有する部分を備える、請求項１〜１１のいずれか１項に記載の受け部。
13. 前記圧力要素が前記受け部本体内に、離脱しないように固定されている、請求項１〜１２のいずれか１項に記載の受け部。
14. 前記収容空間（１９）の前記第２の先細になった部分（１７）が、テーパ状を有するか丸くなっている、請求項７〜１３のいずれか１項に記載の受け部。
15. 前記圧力要素（８，８′）の前記先細になった部分（８８）が、テーパ状を有するか丸くなっている、請求項８〜１４のいずれか１項に記載の受け部。
16. 前記収容空間（１９）の前記先細になった部分（１７０）が、２つの湾曲部分（１７０ａ，１７０ｂ）によって形成された二重の球状領域を有し、該２つの湾曲部分の間に溝（１７０ｃ）が形成されている、請求項８〜１３のいずれか１項に記載の受け部。
17. 前記圧力要素の前記先細になった部分（１８０）が、前記受け部の前記２つの湾曲部分（１７０ａ，１７０ｂ）に対応する２つの逆に湾曲した部分（１８０ａ，１８０ｂ）を有し、該２つの湾曲部分の間に溝（１８０ｃ）が形成されている、請求項１６に記載の受け部。
18. 前記圧力要素の前記可撓性部（８２）が、前記ほぼ円筒状の部分（８１）よりも内側に窪んでいる、請求項１〜１７のいずれか１項に記載の受け部。
19. 請求項１〜１８のいずれか１項に記載の受け部と、シャフトおよび頭部を有する骨固定要素と、ロッドを受け部内に固定するための閉塞部材とを備える、骨固定装置。

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