JP5865137B2 - アルミニウム合金積層板 - Google Patents

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本発明は、アルミニウム合金熱交換器用の、強度と耐エロージョン性に優れたアルミニウム合金積層板(以下、アルミニウムをAlとも言う)に関するものである。ここで積層板とは、少なくとも心材アルミニウム合金板とアルミニウム合金犠牲防食材とをクラッドした積層板である。この積層板はろう付けによって熱交換器とされる熱交換器用の素材である。したがって、単にアルミニウム積層板(あるいは積層板)と言う場合は、ろう付け処理前あるいはろう付け相当の加熱処理前のアルミニウム合金積層板(単に積層板とも言う)のことを指す。
自動車の車体軽量化のため、従来から使用されている銅合金材に代わって、熱交部材にも、アルミニウム合金材の適用が増加しつつある。そして、これら熱交部材用アルミニウム合金材は、多層化させた積層板(クラッド板、クラッド材とも言う)からなる耐食性アルミニウム合金材が用いられている。
前記積層板は、ろう付けにより熱交換器として組み立てられる場合には、心材(板)の一方の面にアルミニウム合金犠牲防食材(板)と、他面にアルミニウム合金ろう付け材(板)とを各々クラッドした、積層板(ブレージングシート)として構成される。
図3にアルミニウム合金製自動車用熱交換器(ラジエータ)の例を示す。図3のように、ラジエータ100は、一般的には、複数本設けられた扁平管状のアルミニウム合金製チューブ111の間に、コルゲート状に加工したアルミニウム合金製放熱フィン112を一体に形成し、このチューブ111の両端はヘッダ113とタンク(図示しない)とで構成される空間にそれぞれ開口した構成となっている。かかる構成のラジエータ100は、一方のタンクの空間からチューブ111内を通して高温になった冷媒を、他方のタンク側の空間に送り、チューブ111および放熱フィン112の部分で熱交換して、低温になった冷媒を再び循環させる。
このアルミニウム合金材からなるチューブ111は、図4に断面を示す、アルミニウム合金製ブレージングシート101から構成される。この図4において、ブレージングシート101は、アルミニウム合金製心材102の一側面に、アルミニウム合金製犠牲陽極材(皮材とも言う)103を積層(クラッド)し、心材102の他側面に、アルミニウム合金製ろう材104を積層(クラッド)している。なお、この図4において、アルミニウム合金製クラッドシートの場合には、一方の面にアルミニウム合金犠牲防食材103のみをクラッドした積層板として構成される。
このようなブレージングシート101を、成形ロールなどによって偏平管状に形成し、電縫溶接することによって、あるいは、ろう付け加熱することによって、ブレージングシート101自体がろう付けされて前記図4のチューブ111の流体通路が形成されている。
ラジエータの冷媒(クーラント)は、水溶性媒体が主成分であり、これに市販の防錆剤などを適宜含んだ冷媒が使用されている。しかし、防錆剤などが経時劣化した場合に酸を生成し、前記犠牲材や心材などのアルミニウム合金材が、これらの酸により腐食されやすくなるという問題がある。このため、水溶性媒体に対する高耐食性を有するアルミニウム合金材の使用が必須となる。
したがって、ブレージングシートやクラッドシートの積層板に用いるアルミニウム合金として、心材102は、耐食性と強度の観点から、JISH4000に規定されている、例えば、Al−0.15質量%Cu−1.1質量%Mnなどの組成からなる、3003などのAl−Mn系(3000系)合金が用いられている。また、冷媒に常時触れている皮材103には、防食と心材102へのMg拡散による高強度化を狙って、Al−1質量%Znの組成などからなる7072などのAl−Zn系、または、Al−Zn−Mg系(7000系)合金が用いられている。更に、ろう材104には、低融点であるAl−10質量%Siなどの組成からなる4045などのAl−Si系(4000系)合金が用いられている。
ラジエータ100は、このようなブレージングシート101を用いて形成したチューブ111と、コルゲート加工を行った放熱フィン112と、その他の部材とを用いて、ブレージングにより一体に組み立てられる。ブレージングの手法としては、フラックスブレージング法、非腐食性のフラックスを用いたノコロックブレージング法などがあり、600℃前後の高温に加熱してろう付けされる。
このようにして組み立てられたラジエータ100内、特にチューブ111内は、高温から低温、かつ、高圧から常圧の、前記した液体冷媒が常時流通・循環することになる。すなわち、チューブ111には、これら繰り返しの内圧変動や、自動車自体の振動を含めて(加えて)、長時間にわたり、繰り返し応力がかかるため、これらに耐える強度が要求される。仮に、強度が低く、疲労破壊が生じた場合には、チューブ111のクラックとして発生、進展し、チューブ111を貫通すると、ラジエータからの液漏れの原因になる。このため、ラジエータチューブの強度改善は重要課題とされている。
従来から、このラジエータチューブの強度あるいは疲労特性の改善が種々提案されている。代表的には、アルミニウム合金ブレージングシートにおける心材の平均結晶粒径を制御して、チューブ111の繰り返し曲げによる疲労破壊性=自動車の振動下での耐振動疲労特性を改善しようとするものである。また、ろう付け後のブレージングシートの心材と犠牲材の界面近傍の心材側界面部で、特定の析出物( 金属間化合物) を分布させ、心材側界面部の強度を上げて、疲労特性を改善しようとしているものもある。
ただ、これら提案されている、従来の自動車のラジエータチューブの心材は、全て板厚が0.20mmをはるかに超える、比較的厚肉である。これに対して、地球環境問題から来る燃費向上のための自動車軽量化によって、ラジエータの軽量化が図られている。このため、ラジエータチューブ、即ちアルミニウム合金ブレージングシートのより一層の薄肉化が検討されている。
ラジエータチューブの心材が前記比較的厚肉である場合には、チューブ自体の剛性が比較的高い。これに対して、ラジエータチューブ、主には、ブレージングシートなどの積層板の板厚が薄肉化された場合には、チューブ自体の剛性が低くなる。一方、使用される冷媒の圧力は、従来よりも高く設定されることが多くなっている。したがって、これらの相乗効果によって、ブレージングシートなど積層板の板厚が薄肉化された場合には、前記繰り返し応力による疲労破壊に対する感受性が高くなり、疲労特性が低下してしまう傾向がある。このような疲労破壊が発生した場合には、ラジエータチューブに亀裂(クラック、割れ)が生じ、薄肉化された場合に、このような亀裂の発生は、チューブを貫通し、ラジエータの液漏れにつながる可能性が高く、より深刻なダメージとなる。
また、ブレージングシートなど積層板の板厚が薄肉化された場合には、前記ろう付けの際に、Al合金ブレージングシートのろう材が心材を侵食し、心材厚さを減少させる現象であるエロージョン現象が生じた場合には、やはり深刻なダメージとなる。
このように薄肉化されたラジエータチューブの強度あるいは疲労特性、更には耐エロージョン性の向上に対しては、これまでも改善策が種々提案されている。その代表例は、微細な析出物(金属間化合物)の制御である。例えば、特許文献1では、板厚が0.25mm程度ではあるが、心材の0.02〜0.2 μm程度の金属間化合物を数密度で10〜2000個/μm3 含有させる。そして、この金属間化合物の作用によって、分散硬化により強度を向上させ、ろう付け加熱中に生じる再結晶粒を粗大かつパンケーキ状にする。そして、粒子の界面に拡散元素がトラップされる作用により、心材の組成がブレージング中の拡散により変化するのを防止させる。
また、特許文献2では、心材の平均結晶粒径を50μm以下に微細化させるとともに、6万倍のTEMで観察される、0.01〜0.1μm(10〜100nm)の径のAlおよびMnを含有する化合物の数を規制して、前記した耐エロージョン性を向上させる。
更に、特許文献3では、0.25mm未満の薄肉である心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での50000倍のTEMにより観察される円相当直径の平均値が0.1〜0.5μm(100〜500nm)の範囲の析出物の平均数密度を150個/μm3 以下とした組織としている。これは、ブレージングシートの板厚が薄肉化された場合の、疲労特性における疲労破壊のメカニズムには2種類あり、疲労破壊による亀裂(クラック、割れ)の発生よりも、亀裂伝播(速度)が支配的な場合と、疲労破壊による亀裂(クラック、割れ)の伝播(速度)よりも、亀裂の発生が支配的な場合とであることを特許文献3が知見したためである。
すなわち、これら二つの疲労破壊のメカニズムに対して、疲労特性を向上させるための冶金的に有効な手段も各々異なり、疲労破壊による亀裂(クラック、割れ)の発生よりも、亀裂伝播(速度)の方が支配的な場合には、この疲労破壊の伝播(速度)は、熱交換器を構成する前記積層板の心材アルミニウム合金板の組織、即ち、平均結晶粒径と比較的微細な析出物の平均数密度とに大きく影響されるという。これに対して、疲労破壊による亀裂(クラック、割れ)の伝播(速度)よりも、亀裂の発生の方が支配的な場合には、この亀裂の発生のしやすさは、熱交換器を構成する前記積層板の心材アルミニウム合金板の組織、即ち、平均結晶粒径と比較的粗大な分散粒子の平均数密度とに大きく影響されるという。
特許文献3では、この内、疲労破壊による亀裂(クラック、割れ)の発生よりも、疲労破壊の伝播(速度)が支配的な場合の疲労特性を向上させるものであり、熱交換器用素材としての心材アルミニウム合金板の組織、あるいは、ろう付け相当の加熱した後の心材アルミニウム合金板の組織における、平均結晶粒径と微細な析出物の平均数密度を制御、規制して、疲労破壊の伝播を抑制し、疲労破壊の伝播が支配的な場合の疲労寿命(疲労特性)を向上させるものである。因みに、この特許文献3では、前記析出物とは、Si、Cu、Mn、Tiなどの合金元素あるいはFe、Mgなどの含有される元素同士の金属間化合物や、これら元素とAlとの金属間化合物であって、形成元素(組成)にはよらず、組織観察によって、上記大きさから識別できる金属間化合物の総称であるとする。
特開平8−246117号公報 特開2002−126894号公報 特開2009−191293号公報
ただ、これら従来のブレージングシートよりも、更に心材が0.20mm未満の薄肉化した厚み(板厚) で、しかも高強度で耐エロージョン性に優れた、ブレージングシートの要求も出始めている。
このような心材が0.17mm未満の薄肉化したブレージングシートに対して、前記従来技術における心材アルミニウム合金板の組織制御、すなわち、平均結晶粒径と微細な析出物の数密度の制御、規制のような改善策だけでは、要求される高強度化や耐エロージョン性に対応しきれないのが実情である。
このような問題に鑑み、本発明の目的は、心材がより薄肉なブレージングシートにおいても高強度化と耐エロージョン性の向上が可能な、アルミニウム合金熱交換器用のアルミニウム合金積層板を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明のアルミニウム合金積層板の要旨は、少なくとも心材アルミニウム合金板とアルミニウム合金犠牲防食材とをクラッドし、ろう付けによって熱交換器とされるアルミニウム合金積層板であって、前記心材アルミニウム合金板が、質量%で、Mn:0.5〜1.8%、Si:0.2〜1.5%、Cu:0.05〜1.2%、Ti:0.03〜0.3%を各々含有するとともに、Fe:1.0 %以下に規制し、更に、Cr:0.02〜0.4%、Zr:0.02〜0.4%、Ni:0.02〜0.4%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金組成を有し、更に、この心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度が30個/μm3 以上であり、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度が15個/μm3 以上であり、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度が1.5個/μm3 以上であり、かつ、この心材アルミニウム合金板が、前記ろう付けに相当する加熱処理を施された後の組織として、この心材アルミニウム合金板の圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径が100〜200μmであるとともに、この心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度が25個/μm 3 以上であり、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度が10個/μm 3 以上であり、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度が1.2個/μm 3 以上である組織を有することとする。
ここで、前記積層板における心材アルミニウム合金板が、更に、Zn:0.2〜1.0%を含有することが好ましい。また、前記積層板における心材アルミニウム合金板が、更に、Mgを0.5 質量%以下に規制することが好ましい。また、前記積層板における心材アルミニウム合金板の板厚が0.17mm未満の薄肉であることが好ましい。また、前記積層板の板厚が0.2mm未満の薄肉であることが好ましい。
本発明者らは、心材が0.17mm未満のより薄肉なブレージングシートにおいては、前記従来技術で規制されている、いわゆるサブミクロンレベルの大きさの析出物の粒度分布に影響されることを知見した。すなわち、心材が前記より薄肉なブレージングシートにおいても、その強度と耐エロージョン性とは、前記従来技術で規制されている、いわゆるサブミクロンレベルの大きさの析出物に影響される点では前記従来技術と共通する。しかし、本発明者らは、心材が前記より薄肉なブレージングシートでは、前記従来技術と同じく、円相当直径が100nm以下のサブミクロンレベルの大きさの析出物の、大括りなあるいは単なる密度や個数の規制だけでは、強度と耐エロージョン性とに大した効果がないことを知見した。
そして、更に検討を進めた結果、本発明者らは、心材が前記より薄肉なブレージングシートにおいては、従来の認識とは逆に、円相当直径が100nm以下のサブミクロンレベルの大きさの析出物(以下、分散粒子とも言う)が、強度と耐エロージョン性とに効果があり、規制するのではなく、組織中に積極的に多く存在させるべきものであることを知見した。
また、この際には、円相当直径が100nm以下の分散粒子(以下、微細分散粒子とも言う)の粒度分布、すなわち種々の大きさレベル(粒度)における各々の微細分散粒子の密度が、強度と耐エロージョン性とに大きく影響することも知見した。言い換えると、円相当直径が100nm以下の分散粒子の大括りな密度ではなく、このサブミクロンレベルを更に3段階に細かく分けた、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物(分散粒子)、10nm〜60nmの範囲の析出物(分散粒子)、10nm〜40nmの範囲の析出物(分散粒子)の各密度(平均数密度)のありよう、すなわち析出物の粒度分布(微細分散粒子の粒度分布)が、強度と耐エロージョン性とに大きく影響することも知見した。
本発明では、従来と違って、円相当直径が100nm以下の分散粒子の個数を、規制、規定するのではなく、その逆に、却って積極的に多く存在(分散)させる。また、本発明では、それだけでなく、更に、この積極的に多く存在させる微細分散粒子について、円相当直径が100nm以下のレベルで、析出物の大きさ毎に3段階に分け、これら各段階における平均数密度を規定して、その粒度分布を制御する。
したがって、本発明では、これら微細分散粒子の粒度分布を好適範囲内に制御した上で、組織内に積極的に多く存在(分散)させ、これら微細分散粒子の作用によって、強度と耐エロージョン性とを向上させることができる。
前記特許文献2のような0.01〜0.1μm(10〜100nm)の径の析出物の大括りな密度あるいは個数の規制では、本発明のような粒度分布を好適範囲内に制御された析出物は組織内に適当数存在(分散)せず、心材が0.17mm未満のより薄肉なブレージングシートにおいては、強度と耐エロージョン性とに大した効果がない。また、前記特許文献3のような円相当直径の平均値が0.1〜0.5μm(100〜500nm)の範囲の析出物の大括りな平均数密度の規制でも、やはり、本発明のような粒度分布を好適範囲内に制御された析出物は組織内に適当数存在(分散)せず、心材が0.20mm未満のより薄肉なブレージングシートにおいては、強度と耐エロージョン性とに大した効果がない。
本発明積層板を示す断面図である。 アルミニウム合金製熱交換器を示す断面図である。 一般的なアルミニウム合金製熱交換器を示す断面図である。 一般的なブレージングシートなどの積層板を示す断面図である。
本発明の積層板、ろう付け相当加熱実施後(熱履歴)の積層板およびこれらの心材アルミニウム合金板を実施するための最良の形態について、図1、2を用いて説明する。図1は、本発明の熱交換器用アルミニウム合金積層板の断面図であり、図2は、図1の積層板(熱交換器用アルミニウム合金製チューブ)を用いた、本発明の積層板(自動車用ラジエータチューブ)の要部断面図である。なお、この図1、2の基本的な構成、構造自体は、前記した図4、5と同じである。
(積層板)
本発明の積層板は、熱交換器に組み立てられる前に、先ず、図1に示すアルミニウム合金積層板1として、予め製造される。この積層板1は、ろう付けされる場合には、心材アルミニウム合金板2の一方の面にアルミニウム合金犠牲防食材(板)3と、他面にアルミニウム合金ろう付け材(板)4とをクラッドしたブレージングシートとして構成される。
上記心材アルミニウム合金板2は、後述する特徴的な組織や組成の3000系アルミニウム合金からなる。また、上記ブレージングシートとしては、この心材2の内側である冷媒に常時触れている側(図1の上側)には、後述する犠牲防食材(犠材、内張材、皮材)3として、例えば、Al−Zn組成の7000系などのアルミニウム合金がクラッドされる。更に、心材2の外側(図1の下側)には、例えば、Al−Si組成の4000系などのアルミニウム合金ろう材4がクラッドされる。
本発明の積層板とは、以上のような、心材アルミニウム合金板2を中心とする3層の圧延クラッド材(板)である。この心材アルミニウム合金板の板厚は、前記した熱交換器の軽量化のために、0.17mm未満の0.08〜0.16mmに薄肉化する。この場合、ろう材、犠牲防食材ともその厚さは通常20〜30μm程度の厚みとする。しかし、その被覆率は使われる熱交部材の板厚(用途の仕様)によって異なり、これらの値に限定するものではない。
但し、ブレージングシートなどの積層板1の板厚(主として心材アルミニウム合金板の板厚)は、前記した通り、熱交換器の軽量化の要となる。したがって、積層板の板厚は0.2mm未満の0.15〜0.19mm程度、心材は0.17mm未満の0.08〜0.16mm程度の薄板であることが好ましい。
これらブレージングシートは、均質化熱処理を施した心材アルミニウム合金板(鋳塊)の片面に、犠牲防食材(板)やろう材(板)を重ね合わせて熱間圧延し、次いで冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を順に施して、H14調質材などのシートを製造する。ここで、均質化熱処理を熱間圧延前に実施しても良い。
(熱交換器)
このブレージングシートなどのアルミニウム合金積層板1を、成形ロールなどにより幅方向に曲折して、管内面側に皮材3が配置されるように偏平管状に形成した後、これを電縫溶接等により、偏平管状のチューブを形成する。即ち、図2に示す、流体通路が形成された偏平管状のチューブ(積層部材)11とする。
このような偏平管状のチューブ(積層部材)11は、コルゲート加工を行った放熱フィン12や、ヘッダ13などの他の部材と、ブレージングにより一体に図2に示す、ラジエータ10などの熱交換器として作製される(組み立てられる)。チューブ(積層部材)11と放熱フィン12とが一体化された部分を熱交換器のコアとも言う。この際、ろう材4の固相線温度以上である590〜600℃の高温に加熱してろう付けされる。このブレージング工法としては、フラックスブレージング法、非腐食性のフラックスを用いたノコロックブレージング法等が汎用される。
図2の熱交換器において、偏平チューブ(積層部材)11の両端はヘッダー13とタンク(図示せず)とで構成される空間にそれぞれ開口している。そして、一方のタンク側の空間から偏平チューブ11内を通して、高温冷媒を他方のタンク側の空間に送り、チューブ11およびフィン12の部分で熱交換し、低温になった冷媒を再び循環させる。
(心材アルミニウム合金板組織)
ここで、積層板(ろう付け相当加熱前後)における心材アルミニウム合金板は、3000系アルミニウム合金組成からなる。本発明では、この心材アルミニウム合金板の強度と耐エロージョン性を高めるために、この心材アルミニウム合金板の圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径(ろう付け相当加熱後の積層板のみ規定)と、この心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での10000倍のTEM(透過型電子顕微鏡)により観察される、円相当直径が100nm以下の析出物(微細分散粒子)の粒度分布を規定する。
(結晶粒)
ろう付け相当加熱後の積層板、あるいは組み立て(熱履歴)前の素材積層板としての、心材アルミニウム合金板の前記平均結晶粒径が微細化した場合には、板の耐エロージョン性が低下する。したがって、ろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板の、圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径は100μm以上に粗大化させる。なお、ろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板をこのように粗大化させるためには、当然、素材積層板の心材アルミニウム合金板の平均結晶粒径を、70μm以上、好ましくは100μm以上に予めしておくことが必要となる。但し、素材積層板の心材アルミニウム合金板の前記平均結晶粒径を規定しても、ろう付け相当加熱後の積層板は、熱交換器製作時のろう付け処理などの加熱条件によって、平均結晶粒径が変化(粗大化)する。このため、素材積層板の段階で心材アルミニウム合金板の前記平均結晶粒径を規定しても、前記加熱条件によっては、上記規定を外れて粗大化する可能性もあり、素材積層板の段階では特に規定しないこととした。
なお、ここで言う結晶粒径とは、圧延方向の縦断面(圧延方向に沿って切断した板の断面)における圧延方向の結晶粒径である。この結晶粒径は、素材積層板やろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板(採取試料)における前記圧延方向の縦断面を、機械研磨、電解エッチングによって前処理した後に、50倍の光学顕微鏡を用いて観察する。この際、前記圧延方向に、直線を引き、この直線上に位置する個々の結晶粒の切片長さを、個々の結晶粒径として測定する切断法(ラインインターセプト法)で測定する。これを任意の10箇所で測定し、平均結晶粒径を算出する。この際、1 測定ライン長さは0.5mm以上とし、1 視野当たり測定ラインを各3本として、1測定箇所当たり、5視野を観察する。そして、測定ライン毎に順次測定した平均結晶粒径を、1 視野当たり(測定ライン3本)、5視野当たり/1測定箇所、10測定箇所当たりで順次平均化して、本発明で言う、平均結晶粒径とする。
(析出物)
心材アルミニウム合金板は、ブレージングシートにせよ、ろう付け相当加熱後の積層板に組み立てられる(組み込まれる)際には、ろう付けの際に、600℃付近の温度に必然的に加熱される。このような加熱履歴を受けても、本発明で規定する上記した化学成分組成などは変化しない。しかし、本発明で規定する析出物の平均数密度は、固溶や粗大化などによって、前記ろう付け相当加熱後の積層板では、前記素材積層板よりも少ない方に変化する。
本発明では、心材(板)の強度と耐エロージョン性を高めるために、前記素材積層板やろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板の、上記した円相当直径が100nm以下のサブミクロンレベルの大きさの析出物(微細分散粒子)の粒度分布を規定する。これによって、本発明では、これらサブミクロンレベルの大きさの析出物を、これらの粒度分布を好適範囲内に制御した上で、組織内に積極的に多く存在(分散)させ、これら分散した析出物の作用によって、強度と耐エロージョン性とを向上させる。
これら種々の大きさレベル(粒度)における析出物の密度が、強度と耐エロージョン性とに各々大きく影響する。この影響する析出物の粒度範囲は、円相当直径が100nm以下の析出物において、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物、10nm〜60nmの範囲の析出物、10nm〜40nmの範囲の、3段階の析出物である。
なお、ここで円相当直径とは、前記TEMで観察される不定形な粒状の析出物における「径」の特定で汎用される公知の規定である。円相当直径とは、粒状の析出物の投影面積と同じ面積を持つ円の直径(単位はnm)であり、Heywood径や重心直径とも呼ぶ。本発明では、この円相当直径をもって、析出物の大きさと、その粒度分布とを規定する。
本発明では、前記素材積層板(心材)やろう付けの際の上記600℃付近の温度での加熱履歴を受けた熱交換器部材としての心材の上記析出物の粒度分布を規定する。すなわち、従来と違って、円相当直径が100nm以下のサブミクロンレベルの大きさの析出物を規制するのではなく、その逆に、積極的に多く存在(分散)させる。その際、本発明では、この積極的に多く存在させるサブミクロンレベルの大きさの析出物について、円相当直径が100nm以下のレベルで、析出物の大きさ毎に3段階に分け、これら各段階における平均数密度を規定して、その粒度分布を制御する。
因みに、この3段階以上にサブミクロンレベルの大きさの析出物の粒度分布をより細かく規定することも可能である。しかし、例えば、4段階以上に粒度分布をより細かく規定しても、本発明で規定する3段階の粒度分布規定と、強度と耐エロージョン性の向上の点で、その相関性に大した違いはなく、測定に手間ひまを要するのみで、あまり意味がない。また、一方で、サブミクロンレベルの大きさの析出物の粒度分布を、もう少し大括りに2段階で規定することも可能である。しかし、それでは、円相当直径が100nm以下の析出物の数密度を大括りに(1段階で)規定する手法と大差なくなり、強度と耐エロージョン性の向上の点での相関性が損なわれる。このため、確実に、強度と耐エロージョン性とを向上できる保証ができない。
より具体的に、本発明では、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物、10nm〜60nmの範囲の析出物、10nm〜40nmの範囲の析出物の各密度(平均数密度)を規定する。すなわち、ろう付け相当加熱後の積層板では、この積層板における心材アルミニウム合金板の、圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度を25個/μm3 以上とし、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度を10個/μm3 以上とし、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度を1.2個/μm3 以上とした組織とする。
ろう付け相当加熱後の積層板の心材アルミニウム合金板の前記析出物の前記各サイズの平均数密度が前記各規定範囲の下限を下回った場合には、本発明のような粒度分布を好適範囲内に制御された析出物は組織内に適当数存在(分散)せず、心材が0.17mm未満のより薄肉なブレージングシートにおいては、強度と耐エロージョン性とに向上効果がない。
一方、本発明では、ろう付けの際の加熱履歴を受ける前の、素材積層板段階での心材アルミニウム合金板の上記析出物の粒度分布と平均数密度を規定する。この規定は、ろう付け相当加熱後の積層板の心材アルミニウム合金板組織中の上記析出物の粒度分布と平均数密度を保証するためである。具体的には、素材積層板段階での心材アルミニウム合金板の、圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度を30個/μm3 以上とし、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度を15個/μm3 以上とし、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度を1.5個/μm3 以上とした組織とする。
ろう付けの際の加熱履歴を受ける前の、素材積層板段階での積層板の心材アルミニウム合金板の、前記析出物の前記各サイズの平均数密度が、前記各規定範囲の下限を下回った場合には、ろう付け相当加熱後の積層板の心材アルミニウム合金板組織中の上記析出物の粒度分布と平均数密度が保証できない。したがって、ろう付け相当加熱後の積層板の心材アルミニウム合金板組織には、本発明のような粒度分布を好適範囲内に制御された析出物が適当数存在(分散)せず、心材が0.17mm未満のより薄肉なブレージングシートにおいては、強度と耐エロージョン性との向上効果がなくなる。
これらの析出物(微細分散粒子)は、Si、Cu、Mn、Tiなどの合金元素あるいはFe、Mgなどの含有される元素同士の金属間化合物や、これら元素とAlとの金属間化合物である。そして、本発明で、上記のようにそのサイズと平均数密度で規定するのは、析出物は、形成元素(組成)によらず、そのサイズと平均数密度とが、亀裂伝播(速度)が支配的な疲労における耐疲労破壊性に大きく影響するからである。したがて、本発明で言う析出物(微細分散粒子)とは、前記組成の金属間化合物であって、形成元素(組成)にはよらず、組織観察によって、上記大きさから識別できる金属間化合物の総称である。
これら析出物のサイズと平均数密度との測定は、前記圧延面板厚中心部における組織を、倍率10000倍のTEM(透過型電子顕微鏡) で10視野観察する。これを画像解析して、各円相当直径の範囲、10nm〜100nmの範囲、10nm〜60nmの範囲、10nm〜40nmの範囲、の各析出物の平均数密度(個/μm3 )を測定する。
(析出物の粒度分布、数密度制御)
これら規定した析出物(微細分散粒子)の平均数密度の制御は、均熱処理(均質化熱処理)において、鋳造過程で晶析出した析出物の数密度を制御することによって行う。因みに、前記従来技術でも均熱条件によって析出物の数密度を制御しているが、前記従来技術では、析出物を規制して少なくするために、均熱温度を500℃以上で、かつバーニングが生じないような、比較的高温とする。
これに対して、本発明では、350〜450℃の比較的低温の均熱処理(以下、低温均熱処理とも言う)によって、微細分散粒子を心材組織内に析出させ、微細分散粒子の粒度分布規定を満足するように積極的に分散存在させる。この均熱温度が350℃未満では鋳塊の均質化ができず、逆に、450℃を超えた場合には、微細分散粒子が減少して、微細分散粒子の粒度分布規定を満足できず、強度と耐エロージョン性とを向上させる微細分散粒子の数が不足する。
なお、350〜450℃の比較的低温の均熱処理によって、鋳塊の均質化や熱延開始温度が不足する場合には、この低温の均熱処理に続いて、450℃以上、550℃未満の温度に再加熱する、短時間の均熱処理を行っても良い。この際、この心材鋳塊に犠牲防食材やろう付け材をクラッドした後に、350〜450℃の比較的低温の均熱処理や、450℃以上、550℃未満の温度の再加熱を行っても良い。また、心材鋳塊のみを予め350〜450℃の比較的低温の均熱処理し、次いで、この心材鋳塊に犠牲防食材やろう付け材をクラッドした後に、このクラッド板を450℃以上、550℃未満の温度に再加熱して、短時間の均熱処理(以下、高温均熱処理とも言う)を行っても良い。
このような均熱処理後のクラッド板は、常法によって、熱間圧延され、更に、適宜中間焼鈍を施しながら、冷間圧延され、調質(熱処理)され、素材積層板(ブレージングシート)とされる。
(アルミニウム合金組成)
以下、本発明に係る積層板を構成する各部材のアルミニウム合金組成を説明する。先ず、本発明に係る心材アルミニウム合金板2は、前記した通り、3000系アルミニウム合金組成からなる。ただ、本発明心材アルミニウム合金板はチューブ材およびヘッダー材などの熱交換器用部材として、後述する本発明組織とするためだけでなく、それ以外にも、成形性、ろう付け性あるいは溶接性、強度、耐食性などの諸特性が要求される。
このため、本発明に係る心材アルミニウム合金板は、質量%で、Mn:0.5〜1.8%、Si:0.2〜1.5%、Cu:0.05〜1.2%、Ti:0.03〜0.3%を各々含有するとともに、Fe:1.0 %以下に規制し、更に、Cr:0.02〜0.4%、Zr:0.02〜0.4%、Ni:0.02〜0.4%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金組成とする。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%の意味である。
ここで、前記アルミニウム合金板が、更に、質量%で、Zn:0.2〜1.0%を含有しても良い。また、Mgを0.5 質量%以下に規制することが好ましい。
上記Fe、Mgおよび上記記載元素以外の元素は基本的には不純物である。ただ、アルミニウム合金板のリサイクルの観点から、溶解材として、高純度Al地金だけではなく、その他のアルミニウム合金スクラップ材、低純度Al地金などを溶解原料として使用した場合には、これらの元素が混入される。そして、これら元素を例えば検出限界以下に低減すること自体コストアップとなり、ある程度の含有の許容が必要となる。したがって、本発明目的や効果を阻害しない範囲での含有を許容する。例えば、B等、上記以外の元素はそれぞれ0.05%以下であれば含有されていてもかまわない。
Si:0.2〜1.5%
SiはFeと金属間化合物を形成して心材アルミニウム合金板の強度を高める。このため、前記積層板やろう付け相当加熱後の積層板としての必要な強度を確保するためには、下限0.2%以上含有させる。一方、Si含有量が多過ぎると、心材中に粗大な化合物を形成して、ろう付け加熱焼鈍時の再結晶粒を小さくし、そのためにろう付け時のろうの心材への拡散を促進するため、前記積層板のろう付け加熱時のろう付け性が低下する。また、ろう付け加熱時のSiの拡散も大きくなり、前記積層板やろう付け相当加熱後の積層板としての耐食性が低下する。したがって、上限は1.5%以下とする。したがって、Siの含有量範囲は0.2〜1.5%の範囲とする。
Cu:0.05〜1.2%
Cuは固溶状態にてアルミニウム合金板中に存在し、心材アルミニウム合金板の強度を向上させる。また、心材中の電位を貴にして耐食性を向上させる。このため、前記積層板やろう付け相当加熱後の積層板としての必要な強度を確保するためには、下限0.05%以上含有させる。一方、Cu含有量が多過ぎると、ろう付け加熱後の冷却時に粗大なCu系化合物が結晶粒界に析出して粒界腐食が起こりやすくなり、耐食性が低下するため、上限は1.2%以下とする。したがって、Cuの含有量範囲は0.05〜1.2%の範囲とする。
Mn:0.3〜1.8%
Mnは、規定している微細分散粒子をアルミニウム合金板中に分布させ、心材アルミニウム合金板の、耐食性を低下させることなく、強度を向上させるための元素である。また、耐振動疲労特性や耐疲労破壊性を高める効果もある。このため、前記積層板やろう付け相当加熱後の積層板としての必要な強度を確保し、耐疲労破壊性を高めるためには、下限0.3%以上含有させる。
一方、Mn含有量が多過ぎると、粗大な化合物の数密度が増大することで、逆に規定各粒度における析出物の数密度が規定よりも小さくなりすぎ、耐振動疲労特性や耐疲労破壊性を低下させる。また、粗大な化合物の数密度増大によって、アルミニウム合金積層板の成形性が低下し、部品形状への組付け等の加工時にアルミニウム合金積層板が割れてしまう恐れがある。このため、Mn含有量の上限は1.8%以下とする。したがって、Mnの含有量範囲は0.3〜1.8%の範囲とする。
Ti:0.03〜0.3%
Tiは、アルミニウム合金板中で微細な金属間化合物を形成し、心材アルミニウム合金板の耐食性を向上させる働きを有する。このため、前記積層板やろう付け相当加熱後の積層板としての必要な耐食性を確保するためには、下限0.03%以上含有させる。一方、Ti含有量が多過ぎると、粗大な化合物の数密度が増大し、アルミニウム合金積層板の成形性が低下し、部品形状への組付け等の加工時にアルミニウム合金積層板が割れてしまう恐れがある。このため、Ti含有量の上限は0.3%以下とする。したがって、Tiの含有量範囲は0.03〜0.3%の範囲とする。
Fe:1.0%以下(0%を含む)
Feは、不純物としてスクラップをアルミニウム合金溶解原料として使用する限り、心材アルミニウム合金板に必然的に含まれる。Feには、前述のようにSiと金属間化合物を形成して心材アルミニウム合金板の強度を高めるとともに、心材のろう付け性を高める効果もある。しかし、その含有量が多すぎると、心材中に粗大な化合物を形成して、ろう付け加熱焼鈍時の再結晶粒を小さくし、そのためにろう付け時のろうの心材への拡散を促進するため、前記積層板のろう付け加熱時のろう付け性が著しく低下するため、Fe含有量は1.0%以下(0%を含む)に規制する。
Mg:0.5%以下
Mgは心材アルミニウム合金板の強度を高める効果もあるが、その含有量が多いと、フッ化物系フラックスを用いるノコロックろう付け法などにおいて、ろう付け性が著しく低下する。このため、Mgによってろう付け性が低下するようなろう付け条件による熱交換器向けには、Mg含有量は0.5%以下に規制することが好ましい。
Cr:0.02〜0.4%、Zr:0.02〜0.4%、Ni:0.02〜0.4%のうちの1種または2種以上
Cr、Zr、Niは、規定している円相当直径が100nm以下のサブミクロンレベルの大きさの析出物(金属間化合物)をアルミニウム合金板中に分布させるための元素である。このうちでも、特にZrが、微細分散粒子を規定の粒度分布だけアルミニウム合金板中に分布させる効果が最も大きい。Cr、Zr、Niが各規定下限量未満では、微細分散粒子を充分分布させることができずに、強度と耐エロージョン性とを向上できない。また、Cr、Zr、Niが各規定上限量を超えて多すぎると、分散粒子(析出物)が粗大化するなど、却って、強度と耐エロージョン性、耐疲労破壊性などを阻害する。
Zn:0.2〜1.0%
Znは、心材アルミニウム合金板の耐振動疲労特性や、亀裂伝播が支配的な疲労における疲労特性を高める効果がある。ただし、Znは母相の電位を卑にして優先的に腐食する作用があるため、心材へのZnの含有量が多いと、優先腐食層として設けられた犠牲防食材と心材の電位差が小さくなり、耐食性が劣化する。従って、Zn含有量は0.2〜1.0%の範囲が好ましい。
(ろう材合金)
心材アルミニウム合金板2にクラッドされるろう材合金4は、従来から汎用されているJIS4043、4045、4047などの4000系のAl−Si系合金ろう材など公知のろう材アルミニウム合金が使用できる。ろう材合金は、一方の面にアルミニウム合金犠牲防食材(板)3と、他面にアルミニウム合金ろう付け材(板)4とをクラッドしたブレージングシートとして構成される。
(犠牲防食材)
心材アルミニウム合金板2にクラッドされる犠牲防食材合金3は、従来から汎用されているAl−1質量%Zn組成のJIS7072などの7000系アルミニウム合金等、Znを含む公知の犠牲防食材アルミニウム合金が使用できる。このような犠牲防食材は、冷却水がチューブ内面側に存在する自動車用熱交換器では必須となる。即ち、前記した冷却水が存在するチューブ内面側の腐食性に対する防食、耐蝕性確保のためには必須となる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。表1に示すA〜Tの組成の3000系アルミニウム合金心材2を有する積層板(ブレージングシート)1を作成して、心材2部分の組織を調査した。更に、この積層板1を、ろう付けを模擬して、600℃の温度に3分間ろう付け相当の加熱、保持を実施した後、平均冷却速度100℃/分で冷却し、このろう付け相当加熱後の積層板の心材部分の組織を調査した。これらの結果を表2に示す。また、このろう付け相当加熱後の積層板の機械的な特性と、耐エロージョン性を測定、評価した。これらの結果を表3に示す。
(積層板の製造)
積層板の製造は以下の通りとした。表1に示すA〜Tの組成の3000系アルミニウム合金組成を溶解、鋳造してアルミニウム合金心材鋳塊を製造とした。発明例は、この心材鋳塊のみを、表2に示す温度条件にて低温で、共通して10時間保持の均熱処理を行った。その後、犠牲防食材およびろう付け材を積層した後で、再加熱してより高温の2回目の均熱処理(共通して3時間)を行い、析出物の粒度分布を制御した。表2に示している「低温均熱処理温度」は心材鋳塊のみの均熱処理温度であり、「2回目の均熱処理温度」とは積層板(積層鋳塊)の均熱処理温度である。
前記心材鋳塊2への積層は、心材鋳塊2の一方の面にAl−1質量%Zn組成からなるJIS7072アルミニウム合金板を犠牲防食材として、他面にAl−10質量%Si組成からなるJIS4045アルミニウム合金板をろう付け材として、各々クラッドした。そして、前記2回目の均熱処理温度にて熱間圧延を開始した。この際、前記2回目の均熱処理終了後から熱延を開始するまでの時間を30分と一定とした。そして更に、適宜冷間圧延と仕上げ焼鈍を組み合わせて、心材アルミニウム合金板の板厚を0.17mm未満の0.11mmに薄肉化するとともに、H24調質材としての積層板(ブレージングシート)とした。各例とも共通して、積層板(ブレージングシート)は、心材アルミニウム合金板の板厚が0.11mmであり、この心材の各々の面に、それぞれ積層されたろう材、犠牲防食材ともに、その厚さは25〜35μmの範囲であった。
(組織)
前記した測定方法を各々用いて、上記冷延クラッド板である積層板の心材部分と、上記加熱後の各積層板の心材部分との組織を観察して、圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径(μm)、圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される、前記各規定範囲の円相当直径の析出物の平均数密度(個/μm3 )を測定した。これらの結果を表2に示す。なお、析出物の平均数密度に関しては、等厚干渉縞により、観察部位の試料膜厚を求め、試料の単位体積当たりの析出物の個数を測定した。ここで、素材であるろう付け相当加熱前の積層板の心材アルミニウム合金板の平均結晶粒径は、表2に示していないが、圧延による調質材では加工組織となっており、結晶粒の評価が光学顕微鏡では困難であるため、ここでは評価しなかった。
(機械的特性)
上記加熱後の各積層板の引張り試験を行い、引張強さ(MPa)、0.2%耐力(MPa)、伸び(%)を各々測定した。これらの結果を表3に示す。試験条件は、各積層板から圧延方向に対し垂直方向のJISZ2201の5号試験片(25mm×50mmGL×板厚)を採取し、引張り試験を行った。引張り試験は、JISZ2241(1980)(金属材料引張り試験方法)に基づき、室温20℃で試験を行った。また、クロスヘッド速度は、5mm/分で、試験片が破断するまで一定の速度で行った。
(耐エロージョン性)
耐エロージョン性は、エロージョン深さを測定して評価した。前記製作ブレージングシートに、10%の圧延を付与し、酸素濃度が200ppm以下の雰囲気中において600℃で5分以上保持し、ろう付け試験片を作製した。ろう付け後のブレージングシートの圧延方向に平行な断面を光学顕微鏡で観察し、ろう材の芯材への侵食深さ、すなわちエロージョン深さ(μm)を測定した。光学顕微鏡での観察倍率は100倍で、視野内のろう材側の粒界が心材へ侵食している部位において、その深さを測定して平均し、さらにそれを10視野で行い、その平均値をエロージョン深さとした。
表1、2に示す通り、発明例1〜13は、心材アルミニウム合金板(鋳塊)が本発明成分組成範囲内で、かつ、好ましい均熱条件範囲で、低温均熱処理および高温均熱処理を行い、製造している(発明例3は低温均熱処理のみで高温均熱処理を行っていない)。このため、表2に示す通り、積層板(ブレージングシート)の心材アルミニウム合金板は、規定する析出物の粒度分布が規定範囲内である組織を有する。すなわち、心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度が30個/μm3 以上であり、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度が15個/μm3 以上であり、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度が1.5個/μm3 以上である。また、前記ろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板の圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径も、100μm以上に粗大化されている。
この結果、発明例1〜13は、心材が0.17mm未満の0.11mmに薄肉化されても、ろう付け相当加熱後の積層板が、所定の強度を有した上で、エロージョン深さが50μm以下で、耐エロージョン性に優れている。すなわち、より薄肉なブレージングシートにおいても高強度化と耐エロージョン性の向上が可能であることが分かる。
但し、発明例の中でも、心材アルミニウム合金板(鋳塊)のMgの含有量が0.5%、0.8%と比較的高い、表1の合金例J、Kを用いた発明例11、12は、試験結果では示していないが、フッ化物系フラックスを用いるノコロックろう付け法を用いた場合には、ろう付け性が著しく低下する。このため、このようなMgによってろう付け性が低下するようなろう付け条件による熱交換器向けには、前記した通り、Mg含有量は0.5%以下に規制することが好ましい。
これに対して、比較例14〜16は、心材アルミニウム合金板(鋳塊)が本発明成分組成範囲内(B)ではあるが、低温均熱処理の均熱条件が好ましい範囲から外れている。このため、表2に示す通り、積層板の心材アルミニウム合金板は、本発明で規定する前記析出物の粒度分布を満たさず、前記10nm〜100nmの析出物平均数密度が30個/μm3 未満か、前記10nm〜60nmの析出物平均数密度が15個/μm3 未満か、前記10nm〜40nmの析出物平均数密度が1.5個/μm3 未満である。また、前記ろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板の圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径も100μm以上に粗大化されていない。この結果、表2に示す通り、比較例14〜16の前記ろう付け相当加熱後の積層板は強度が低く、エロージョン深さも50μmを超えており、耐エロージョン性が劣っている。
比較例14、16は2回目の高温均熱処理温度は適正であるが、1回目の低温均熱処理を施していない。また、比較例16は2回目の均熱処理温度が従来と同じ温度レベルであり、温度が高すぎる。比較例15は1回目の低温均熱処理の温度が300℃と低すぎる。
比較例17〜24は、好ましい均熱条件で製造しているものの(比較例23を除く)、心材アルミニウム合金板(鋳塊)が本発明範囲から外れる成分組成M、N、O、P、Q、R、S、T(表1)を有している。このため、やはり本発明で規定する前記析出物の粒度分布を満たさず、前記10nm〜100nmの析出物平均数密度が30個/μm3 未満か、前記10nm〜60nmの析出物平均数密度が15個/μm3 未満か、前記10nm〜40nmの範囲の析出物平均数密度が1.5個/μm3 未満である。また、前記ろう付け相当加熱後の積層板における心材アルミニウム合金板の圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径も100μm以上に粗大化されていない。この結果、表2に示す通り、比較例17〜24の前記ろう付け相当加熱後の積層板は強度が低く、耐エロージョン性が劣っている。
比較例17は、表1の合金略号Mのように、Si量が少なすぎる。
比較例18は、表1の合金略号Nのように、Cu量が少なすぎる。
比較例19は、表1の合金略号Oのように、Mn量が少なすぎる。
比較例20は、表1の合金略号Pのように、Fe量が多すぎる。
比較例21は、表1の合金略号Qのように、Ti量が少なすぎる。
比較例22、23は、表1の合金略号R、Sのように、Cr、Zr、Niを含有していない。また、比較例23は1回目の低温均熱処理温度も480℃と高すぎる。
比較例24は、表1の合金略号Tのように、Zn量が多すぎる。
したがって、以上の実施例の結果から、熱交換器用積層板あるいはろう付け相当加熱後の積層板としての、機械的な特性に優れるための、本発明各要件の持つ臨界的な意義乃至効果が裏付けられる。
Figure 0005865137
Figure 0005865137
本発明によれば、心材が0.2mm未満薄肉化されたブレージングシートにおいても、高強度化と耐エロージョン性の向上が可能である。したがって、アルミニウム合金ラジエータチューブなどのろう付け相当加熱後の積層板や、アルミニウム合金ブレージングシートなどの積層板の薄肉化が可能な、高強度化と耐エロージョン性とを向上させたアルミニウム合金積層板やろう付け相当加熱後の積層板を提供できる。このため、本発明は、ラジエータチューブの薄肉化とともに、疲労特性に優れることが求められる、自動車用などのアルミニウム合金製熱交換器に用いられて好適である。
1:熱交換器用アルミニウム合金積層板、2:心材、3:皮材、4:ろう材、10:ラジエータ(熱交換器)、11:チューブ(積層部材)、12:放熱フィン、13:ヘッダ

Claims (5)

  1. 少なくとも心材アルミニウム合金板とアルミニウム合金犠牲防食材とをクラッドし、ろう付けによって熱交換器とされるアルミニウム合金積層板であって、前記心材アルミニウム合金板が、質量%で、Mn:0.5〜1.8%、Si:0.2〜1.5%、Cu:0.05〜1.2%、Ti:0.03〜0.3%を各々含有するとともに、Fe:1.0 %以下に規制し、更に、Cr:0.02〜0.4%、Zr:0.02〜0.4%、Ni:0.02〜0.4%のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金組成を有し、更に、この心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度が30個/μm3 以上であり、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度が15個/μm3 以上であり、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度が1.5個/μm3 以上であり、かつ、この心材アルミニウム合金板が、前記ろう付けに相当する加熱処理を施された後の組織として、この心材アルミニウム合金板の圧延方向の縦断面における圧延方向の平均結晶粒径が100〜200μmであるとともに、この心材アルミニウム合金板の圧延面板厚中心部での10000倍のTEMにより観察される円相当直径が100nm以下の析出物の粒度分布として、円相当直径が10nm〜100nmの範囲の析出物の平均数密度が25個/μm 3 以上であり、円相当直径が10nm〜60nmの範囲の析出物の平均数密度が10個/μm 3 以上であり、円相当直径が10nm〜40nmの範囲の析出物の平均数密度が1.2個/μm 3 以上である組織を有することを特徴とするアルミニウム合金積層板。
  2. 前記積層板における心材アルミニウム合金板が、更に、Zn:0.2〜1.0%を含有する、請求項1に記載のアルミニウム合金積層板。
  3. 前記積層板における心材アルミニウム合金板が、更に、Mgを0.5%以下に規制した、請求項1または2に記載のアルミニウム合金積層板。
  4. 前記積層板における心材アルミニウム合金板の板厚が0.17mm未満の薄肉である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金積層板。
  5. 前記積層板の板厚が0.2mm未満の薄肉である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金積層板。
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