以下の詳細説明では、多数の具体的な詳細が、本発明の完全な理解を提供するために示されている。しかし、本発明は、それらの具体的な詳細なしに実施することができることは当業者には理解されるであろう。場合によっては、公知の方法、手順、及び構成要素は、本発明を曖昧にすることがないように特に説明されていない。
図示の図面及び説明では、同一の参照番号は、異なる実施形態又は構成に共通の構成要素を示している。
具体的に別に定めない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書にわたって「処理する」、「計算する」、「判断する」、「生成する」、「コンピュータで計算する」、又は「選択する」などのような用語を利用する説明は、データを他のデータ、例えば、電子量のような物理的量として表された上述のデータ、及び/又は物理的物体を表す上述のデータに操作及び/又は変形するコンピュータのアクション及び/又は処理を含むことが認められる。用語「コンピュータ」は、非限定的な例として、パーソナルコンピュータ、サーバ、コンピュータシステム、通信デバイス、プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DEP)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、その他)、いずれかの他の電子コンピュータデバイス、及び/又はあらゆるそれらの組合せを含むデータ処理機能を有するあらゆる種類の電子デバイスを包含するように広範に解釈すべきである。
本明細書の教示に従った作動は、望ましい目的に対して特別に構成されたコンピュータにより、又はコンピュータ可読ストレージ媒体に格納されたコンピュータプログラムにより望ましい目的に対して特別に構成された汎用コンピュータによって実施することができる。
本明細書で使用される場合、語句「例えば、」、「のような」、「例として」、及びそれらの変形は、本発明に開示する主題の非限定的な実施形態を説明する。本明細書において「1つの事例」、「一部の事例」、「他の事例」、又はそれらの変形への言及は、実施形態と共に説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明に開示する主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、語句「1つの事例」、「一部の事例」、「他の事例」、又はそれらの変形の出現は、必ずしも同じ実施形態を意味するとは限らない。
明確にするために別々の実施形態との関連で説明される本発明に開示する主題のある一定の特徴はまた、単一実施形態における組合せで提供することができることが認められる。反対に、簡略化のために単一の実施形態との関連で説明される本発明に開示する主題の様々な特徴も、別々に又はあらゆる好ましい部分的組合せで提供することができる。
本発明に開示する主題の実施形態において、図に示す1つ又はそれよりも多くのステージは、異なる順序で実行することができ、及び/又はステージの1つ又はそれよりも多くのグループは、同時に実行することができ、逆も同じである。図は、本発明に開示する主題の実施形態によるシステム構成の一般的な方式を含む。図の各モジュールは、本明細書で定めて説明する機能を実施するソフトウエア、ハードウエア、及び/又はファームウエアのあらゆる組合せで構成することができる。図のモジュールは、1つの位置に集中させるか又は1つよりも多くの位置にわたって分散させることができる。
図2は、本発明の実施形態によるウェーハのウェーハ検査に使用可能な較正情報を生成するためのシステム200を示している。システム200は、ウェーハを検査するのに使用される検査機械と組に合わせて(例えば、その製造の異なるステージ中に)、又はこのような機械に接続することができるが、これは必ずしもそうである必要はない。同様に、システム200は、以下に説明する修正及び/又は特徴の一部又は全てが一体化されている検査機械とすることができる。
以下でより詳細に説明するように、システム200の構成要素のうちの1つ又はそれよりも多くを使用して、ウェーハの異なる部分に対して判断された変位を含む較正情報を生成することができる。判断されたそれらの変位は、ウェーハの製造において及び/又はウェーハの検査の後のステージにおいて後で使用することができる。システム200が作動することができる方法の一部は、以下に説明する方法500に照らして考えるとより明確になるであろう。従って、システム200の説明の一部は、方法500が説明された後に提供されることになり、方法500の説明の以前のシステム200の説明は、従って部分的である。
当業者には明らかなように、用語「ウェーハ」を使用する場合はいつでも、類似の技術、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品をウェーハの製造に使用される光マスクに対して実施することができる点に注意すべきである。
何ら本発明の範囲を限定することなく、一部の可能な実施では、システム200は、ウェーハ全体又は少なくともダイ全体が潜在的欠陥を検出する段階のために走査される検査ツール(アプライド・マテリアルズ・インコーポレーテッドによるElite及びUVisionシステムなど)に、及び/又は潜在的な欠陥が本当に欠陥であるか否かを確認するのに使用される典型的にはより高い解像度のものである精査ツール(例えば、走査電子顕微鏡SEM)に使用することができる。このような精査ツールは、通常、ダイの断片を高解像度で一度に検査する。用語「検査」又はその派生語が本発明の開示で使用される場合はいつでも、このような検査は、被検査区域の解像度又はサイズ対して限定されることなく、一例として、精査ツール及びより低い解像度のウェーハ検査ツールに同様に適用することができる。
システム200は、ウェーハ100の異なる部分の走査において変位を判断する少なくとも変位解析モジュール210と、較正情報、並びに付加的な情報を生成する後続処理モジュール220とを含む。以下に説明する本発明の一部の実施形態で明らかにされるように、後続処理モジュールによって生成する情報を使用して、そのウェーハ又は類似のウェーハの後の走査を改善することができる。
変位解析モジュール210及び後続処理モジュール220(並びに場合によっては同じく画像処理モジュール250、相関器260、及び欠陥検出モジュール270)の各々は、他のモジュールのものとは独立し、又はそれらのうちの少なくとも1つと共有するかのいずれかによる1つ又はそれよりも多くのハードウエアプロセッサによって実施することができる。それらのモジュールはまた、ソフトウエア処理モジュール及び/又はファームウエア処理モジュールを含むことができる。例えば、それらのモジュールの一部又は全ては、ハードウエアプロセッサ290上に実施することができる。
ウェーハ100の走査は、あらゆる走査、画像、及び/又は検出装置によって実施することができ、それらのうちの多くは、当業技術で公知である。このような装置(「センサ230」と表示)は、システム200の一部とすることができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、2つは、直接に接続してもよいし直接に接続しなくてもよい。一例として、このような装置は、走査電子顕微鏡、光学検査システムなどとすることができる。ウェーハ100は、「背景技術」に説明した従来技術のウェーハ10に類似している場合がある。
一例として、ウェーハ100(又はいくつかのウェーハ)は、可動ステージ232上に置くことができる。このような実施では、ウェーハ100は、ウェーハ100の走査中に可動ステージ232に対して静止したままであり、ウェーハ100とセンサ230の間のそれぞれの移動は(ウェーハの異なる部分を撮像するのに必要な場合)、可動ステージ232を制御可能に移動することによって達成される。例えば、可動ステージ232は、X軸、Y軸、及び場合によっては同じくZ軸方向に沿って移動することができる(X及びY軸は、可動ステージ232の平面上で垂直軸であり、Z軸は、それらの軸の両方に垂直である)。代替的に(又はそれに加えて)センサ230は、ウェーハ100の異なる部分を撮像するために位置を変更することができる。
変位解析モジュール210は、ウェーハ100の区域120(このような走査区域120の例は、図9に示されている)の走査において集められた情報を受け取る。走査区域120は、単一連続矩形区域として示されているが、他の実施では、走査区域の幾何学形状及び/又はトポロジーは異なる場合がある点に注意すべきである。走査区域の走査は、センサ230によって実行することができ、走査レシピ(これはレシピデータベース234に格納することができる)から取り出された走査命令に基づく場合がある。
走査区域120は、本明細書では「走査フレーム130」と呼ぶ複数のサブ区域に分けられる。走査区域120のフレームへの分割は、区域130を走査するセンサ230により、走査データを処理する変位解析モジュール210により、又は別の装置によって実行することができる。フレーム130は、同一の形状及びサイズのものとすることができるが、これは必ずしもそうである必要はない。以下でより詳細に説明するように、一部の実施では、走査区域120を様々なサイズのフレーム130に分割することは、有益である場合がある。同様に、フレーム130は、重ならないこと及び走査区域120全体を網羅するように示されているが、これは必ずしもそうである必要はない。一部の実施では、走査区域120の1つ又はそれよりも多くの部分は、1つよりも多くのフレーム130によって覆われるか又は全く覆われない場合もある。以下で明らかにするように、変位は、それらの独立フレームの各々に対して変位解析モジュール210によって判断される。
複数ターゲット140は、フレーム130の各々内に形成される(例えば、図10Aに例示するように)。このようなターゲットを判断することができる方法の一部は、以下に説明する。例えば、ターゲットの各々は、その環境内で識別可能であるパターンを含むように(例えば、画像処理を使用して)選択することができる。ターゲット140の各々は、それに関連付けられた並びに位置情報に関連付けられた画像データを有する。関連位置情報は、評価位置とすることができ、その評価は、区域120の走査前にセンサ230(及び/又はステージ232)に対してウェーハのアラインメントによって容易にすることができる。このようなアラインメントは、アラインメントモジュール236によって実行及び/又は制御することができる。
変位解析モジュール210は、ウェーハ100の走査区域120に含まれる複数走査フレーム130において選択された複数ターゲット140から各ターゲット140に対する変位を計算するように構成される。必ずしもそうである必要はないが、いくつかのターゲット140は、走査フレーム130の各々において選択することができる。同様に、複数走査フレーム130は、走査区域120内に形成された複数のフレームの全てとすることができるが、より少数のフレーム130も使用することができる。
変位解析モジュール210は、(a)それぞれのターゲット140に関連付けられた画像(ウェーハ100の走査中に得られる画像)と(b)画像に対応する設計データとの相関に基づいてターゲット140の各々に対する変位を計算するように構成される。設計データは、例えば、コンピュータ支援設計(CAD)データとすることができ、これは、ウェーハ100の計画及び/又は製造に使用される。
明細書で使用する用語「設計データ」は、被検査物の物理的設計を示すあらゆるデータ、及び/又は物理的設計から導出された(例えば、複合シミュレーション、簡単な幾何学、及びブール演算などを通じて)データを含有するように広範に解釈すべきである。例えば、「コンピュータ支援設計(CAD)」データの様々なフォーマットは、設計データとして使用することができる。設計データは、非限定的な例として、GDSIIフォーマット、OASISフォーマットなどと異なるフォーマットで提供することができる。
以下に説明するように、ターゲット140に関連付けられた画像のフォーマット及び設計データのフォーマットが異なる実施では(例えば、前者は、グレースケールの強度画像フォーマットであるが、後者はベクトルフォーマットである場合)、それらのうちの少なくとも一方の中間処理が相関前に必要とされる場合がある。変位解析モジュール210が相関を実行することができる可能な方法の付加的な詳細及び変形は、方法500のステージ540に関して提供される。
複数ターゲットのそれぞれに対して計算された変位は、設計データによりあるべきところに対して対応するターゲット画像の変位を示している。ダイ区域の走査中に、画像のある基準位置(例えば、そのダイの最上部の最も左コーナ)に対する画像の各走査部分の推定位置は既知である。走査画像に対する推定位置は、設計データに対する想定位置に平行移動することができる。
変位解析モジュール210は、複数走査フレーム130の各々に対して変位(「フレーム変位」とも呼ばれる)を判断するように更に構成され、これは、それぞれの走査フレーム130において複数ターゲット140に対して計算された変位に基づいて判断される。
フレーム変位は、本発明の少なくとも一部の実施において物理的意味を有することができるが、これは、必ずしもそうではなく、他の実施では、その意味は、それぞれのターゲット変位に基づく(必ずしもこれだけに基づくのではないが)計算の結果として形成されているに過ぎない画像構成としてのみ存在する場合がある。
後続処理モジュール220は、変位解析モジュール210によって判断されたフレーム変位を利用する。後続処理モジュール210は、複数走査フレーム130に対して判断された少なくとも変位を含む較正情報を生成するように構成される。以下でより詳細に説明するように(例えば、方法500のステージ560に関して)、較正情報は、それらのフレーム130の各々の位置に関する情報のような付加的な情報を含むことができる。
較正情報は別として、後続処理モジュール220は、データベースターゲットのグループの各ターゲットのターゲット画像及び位置情報を含むターゲットデータベースを更に生成し、グループは、複数走査フレーム130の各々に複数ターゲットを含む。
較正情報及び/又はターゲットデータベースは、データストレージ240に格納し及び/又は出力インタフェース295を通じて外部システム(又はシステム200の別の装置)に送信することができる。
システム200及びその様々な構成要素の作動は、作動の処理の点から見てより良く理解することができる。必ずしもそうである必要はないが、システム200の作動の処理は、方法500のステージの一部又は全てに対応することができる。同様に、方法500及びその可能な実施は、場合によってはシステム200のようなシステムによって実施することができる。従って、方法500に関して説明する本発明の実施形態はまた、変更すべきところは変更し、システム200の様々な実施形態としてハードウエアに対応するものに実施することができ、逆も同じであることが注目される。
システム200は、別のウェーハの検査において位置情報を判断するために較正情報及びターゲットデータベースの利用を可能にすることができる。位置情報は、例えば、このような別のウェーハの検査画像において欠陥を検出するために使用することができる。
以下に説明するように、システム200はまた、このような検査において位置情報を判断するために、システム200が較正情報及びターゲットデータベースを利用することを可能にする構成要素を含むことができる(例えば、図5、図6、図7、及び図8の説明に関して例示するように)。本発明の一部の実施では、システム200は、欠陥検出以外の実施のために較正情報及び/又はターゲットデータベースの利用を可能にすることができ(別のウェーハの検査又は他の方法で位置情報を判断するなど)、例えば、システム200は、その検査のために使用する検査ビーム(例えば、電子ビーム)の位置の補正においてその位置情報を利用することを可能にすることができる。
図3及び図4は、本発明の実施形態によるウェーハ検査に使用可能な較正情報を生成するためのコンピュータ化方法500を示す.前の図で図示の例を参照すると、方法500は、システム200のようなウェーハ検査に使用可能な較正情報を生成するためのシステムによって実施することができる。
1つよりも多くの層を含むウェーハでは、方法500の開示ステージの一部又は全ては、同じ単一ウェーハ層に対して実施することができ、本方法は、異なる層(それぞれのウェーハの層の一部又は全て)に対して繰り返すことができる点(例えば、独立して)に注意すべきである。同様に、本方法は、ウェーハの製造において使用する光マスクに対して実施することができる。
図3を参照すると、方法500は、ウェーハの走査区域に含まれる複数走査フレームから各走査フレームに対して実施されるステージ540を含む。複数走査フレームは、ウェーハの走査区域に含まれる複数の走査フレームの全て又はその一部のみを含むことができる。
ウェーハの走査区域に含まれる複数走査フレームからの各走査フレームにおいて、ステージ540は、走査フレームにおいて選択された複数ターゲットから各ターゲットに対して、ターゲットに対する変位(本明細書では下で「ターゲット変位」とも呼ばれる)を測定する段階を含む。それらの走査フレームのターゲットの各々に対する変位の計算は、(a)ターゲットに関連し、ウェーハの走査中に得られる画像と(b)画像に対応する設計データとの相関に基づいている。設計データは、コンピュータ支援設計データ(すなわち、CADデータ)とすることができるが、必ずしもそうである必要はない。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ540は、変位解析モジュール210のような変位解析モジュールによって実施することができる。
何ら単一のダイに限定されるものではないが、ウェーハの走査区域は、ダイ全体又はその一部とすることができる。時々、用語「ダイ区域」又は「走査区域」は、用語「ウェーハの走査区域」と同義的に使用されると考えられる。用語「ダイ区域」又は「走査区域」を使用する時に、それは、単一ダイ又はその一部分に限定されない点に注意すべきである。ウェーハの走査区域はまた、この区域に基づいて判断された変位を後で使用して、ウェーハ(又は他の類似のウェーハ)の他の区域の変位誤差を補正することができる時に「基準区域」又は「基準ダイ」と呼ぶことができる。
例として図9を参照すると、走査区域は、複数走査フレーム(例えば、フレーム130)に分けられる。それらのフレームは、互いに対して隣接し及び/又は重ならないことを可能にすることができるが、それらの特性のいずれも必須ではない。このようなフレームを判断することができる方法の一部は、以下に説明する。必ずしもそうである必要はないが、明確にするために、全てのフレームは、矩形、互いに平行、及び走査区域が撮像される少なくとも1つの走査軸に実質的に平行であると仮定される。例えば、各フレームは、そのアンカー/開始点(X0、Y0)によって及びその寸法(dx、dy)によって定義することができる。以下でより詳細に説明するように、フレームは、同一のサイズのものとすることができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、意図的に明確なサイズのフレームは、ダイ区域内に形成することができる。一例として、フレームのサイズは、100マイクロメートル×100マイクロメートル(μm)とすることができる。
フレームは、ウェーハの具体的な走査画像に関して形成することができるが、それらは、ウェーハ及び/又はウェーハの設計詳細を含む設計データ(例えば、CADデータ)に関して形成された構成として単に見なすことができる。
複数ターゲット(例えば、ターゲット140)は、フレームの各々において形成される。このようなターゲットを判断することができる方法の一部は、以下に説明する。必ずしもそうである必要はないが、明確にするために、全てのターゲットは、矩形、互いに平行、及び走査区域が撮像される少なくとも1つの走査軸に実質的に平行であると仮定される。例えば、各ターゲットは、そのアンカー/開始/中心点(X0、Y0)によって及びその寸法(dx、dy)によって定義することができる。ターゲットは、同一のサイズのものとすることができる。以下に説明するように、ターゲットは、その内容に基づいて走査区域の走査中に入手した走査画像データの解析に基づいて選択することができる。具体的には、ターゲットの各々は、その環境内で識別可能なパターンを含むことができる。このような環境のサイズは、例えば、所定の画像シナリオにおいて予想転位誤差に基づいて異なる場合がある。他の実施では、ターゲットは、走査画像データの処理に加えて又はその代わりに設計データの解析に基づいて選択することができる点に注意すべきである。
図3及び図4、並びに複数ターゲットの各々に対する変位のステージ540における計算に戻る(ターゲットに対して計算されたこのような変位は、「ターゲット変位」とも呼ばれる)。複数ターゲットの各々に対するターゲット変位のステージ540の計算は、それぞれのターゲットに関連付けられた画像(ウェーハの走査中に得られる画像)の相関及び対応する設計データに基づいている。異なるターゲットの画像は、同一のサイズ(例えば、32×32ピクセル)のものとすることができるが、これは必ずしもそうである必要はない。
上述のように、ターゲットの殆ど又は全ては、それぞれのターゲットの環境内で識別可能なパターンを含むことができる。ターゲットのパターンの識別可能性は、走査画像に基づいてターゲットの選択(例えば、ステージ520において)の主要なファクタとすることができる。走査画像に基づいてターゲットの選択に影響を与える場合がある他のファクタの一部は、例えば、少なくとも1つの方向の位置及び/又は変位の判断に対する有用性である。
図11は、本発明の実施形態によるターゲットに対して選択することができるいくつかのパターンの表示である。図示の例では、ターゲット画像の各々は、16×16ピクセル二値画像である。明らかに、他の解像度及び色空間も実施することができる。ターゲットは、直接識別可能(例えば、図11に例示するように)又は1つ又はそれよりも多くの画像処理アルゴリズム又はフィルタ(例えば、閉鎖及び開放画像処理走査)の画像データへの実施後に識別可能のいずれかとすることができる。
ターゲット画像の相関に基づくターゲットの変位の計算及び対応する設計データに戻ると、様々なタイプの設計データを使用することができることが注目される。明細書で使用する用語「設計データ」は、被検査物の物理的設計を示すあらゆるデータ及び/又は物理的設計から導出された(例えば、複合シミュレーション、簡単な幾何学、及びブール演算などを通じて)データを含有するように広範に解釈すべきである。例えば、「コンピュータ支援設計(CAD)」データの様々なフォーマットは、設計データとして使用することができる。設計データは、非限定的な例として、GDSIIフォーマット、OASISフォーマットなどと異なるフォーマットで提供することができる。
ダイ区域の走査から得られるターゲット画像と設計データの対応する位置の間の一部の差は、様々な理由、すなわち、走査条件(例えば、照明)、並びに不完全性、走査処理におけるシフト及び明白な誤差、ウェーハ上に印刷された電子回路の製造誤差などに対して起こる可能性が高い。それにも関わらず、画像と設計データの間の統計的に有意な相関は、特に、その識別可能性に基づいて(少なくとも部分的に)選択される場合に検出することができる。
複数ターゲットの各々に対して計算された変位は、設計データによりあるべきところに対して対応するターゲット画像の変位を示している。ダイ区域の走査中に、画像のある基準位置(例えば、ダイの最上部の最も左コーナ)に対する画像の各走査部分の推定位置は既知である。走査画像に対する推定位置は、設計データに対する想定位置に平行移動することができる。
ターゲット画像と設計データの少なくとも一部分との間の相関は、次に、コンピュータで計算することができ、ターゲット画像に対するその相関が最も高い想定位置の環境の設計データの同様の大きさの区域を次に選択することができる。想定位置と選択区域の位置の間の距離は、次に判断されて、変位の判断のベースとして使用することができる(特に、変位は、その距離に等しくすることができる)。選択区域の選択は、一連の相関段階(例えば、「デジタル」画像相関(DIC)技術を実施する)に従うことができ、それらの段階の各々において、ターゲット画像は、同様のサイズを有する設計データの区域と相関性があり、2つの間の相関の程度を示す相関係数を提供し、ターゲット画像に対するその相関係数が最も大きい設計データの区域を次に選択することができる。
様々なターゲットのターゲット変位は、ベクトルとして判断することができる(特に、それらは、2次元ベクトルとして判断することができる)ことが注目されるが、これは必ずしもそうである必要はない。判断されたターゲット変位の一部又は全ては、1次元(スカラー)とすることができる。例えば、ターゲットの一部(又は全て)の一方向(例えば、X軸方向又はY軸方向)への変位のみを判断するように意図される場合、変位値(スカラー)をベクトルではなくてこのような各ターゲットに対して判断することができる。明らかに、たとえベクトル変位が判断される場合でも、あらゆる軸のそのベクトルの投射を判断することができ、後で更に別の計算において使用することができる。
ステージ540の計算は、必ずしもフレームの各々において選択された複数のターゲットの各々に対して実施されるとは限らない。例えば、所定のフレームにおいて選択されたターゲットの数は、方法500の将来ステージの正常実行に必要な有効なターゲット変位の数よりも多い場合がある。別の例では、ターゲット画像の一部は、設計データのあらゆる区域に確実に相関しない場合があり、従って、欠陥があると考えられ、方法500の後のステージでは使用することはできない。同様に、複数走査フレームの1つ又はそれよりも多くのターゲットに対するターゲット変位の計算はまた、上述のグループの複数ターゲット以外のターゲットに対して実施することができる。例えば、ターゲット変位を計算したターゲットの全てから複数ターゲットの選択は、選択後、例えば、判断のステージ550中に実施することができる。
方法500のステージ550は、複数走査フレームの各々に対して変位を判断する段階を含み、ステージ550の判断は、それぞれの走査フレームにおいて複数ターゲットに対して計算された変位に(すなわち、このようなターゲットのターゲット変位に)基づいている。走査フレームに対するステージ550で判断されたこのような変位はまた、「フレーム変位」と呼ばれる。以前の図で図示の例を参照すると、ステージ550は、変位解析モジュール210のような変位解析モジュールによって実施することができる。
ステージ540のフレーム変位の判断は、異なる方法で実施することができ、異なるタイプのフレーム変位を判断することができる(本発明の異なる実施において又は単一実施においてさえも)。例えば、変位の方向及びそのサイズの両方を示すベクトル(及び特に2次元ベクトル)変位を判断することができる。別の例では、スカラーは、変位のサイズのみ(既知の軸上の変位の投射、又はこのような軸に関係なくのいずれか)、その方向のみ、又は別の意味を示している。
フレーム変位は、本発明の少なくとも一部の実施において物理的意味を有するが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の実施では、その意味は、それぞれのターゲット変位に基づく(しかし、必ずしもこれにのみ基づくものではない)計算の結果として単に定められる想像上の構成と同じである可能性があるに過ぎない。
判断する段階は、例えば、ターゲット変位の平均化の結果に基づくフレーム変位のうちの少なくとも1つ(及び場合によっては全て)を判断する段階を含むことができる(異なるタイプの平均として、例えば、算術平均値、中央値、幾何中央値、幾何平均値、調和平均値、2次平均値、加重平均値、切断平均値、四分位間の平均値、中点値、ウィンザライズド平均値などを実施することができる)。
このようなフレーム変位はまた、別の軸(例えば、y軸)のターゲット変位の平均化とは独立して第1の軸(例えば、x軸)のターゲット変位を平均化することによって実施することができる。個別に(例えば、x軸成分及びy軸成分を独立して提供するために)フレーム変位の構成要素(「座標」)を提供するためのターゲット変位の平均化は、複数ターゲットの異なるサブグループに対して実行することができる。ステージ540に関して上で提供された例を続けると、スカラー変位値は、ベクトルではなくてフレームにおいて各ターゲットに対して判断され、次に、単一ターゲットの各このようなターゲット変位は、例えば、x軸フレーム変位値の判断のために又はy軸フレーム変位値の判断のためにそのいずれかで一度平均化することができるに過ぎない。
図10Aは、本発明の実施形態による走査フレーム130及び符号910で表示した設計データの対応する一部のグラフ表示を示している。それだけが可能な実施とは限らないが、設計データはまた、以下では「CADデータ」と呼ばれる。しかし、それは、別のタイプのデータ(例えば、コンピュータによるか又はコンピュータによらずに生成するベクトル又はグレースケール強度画像フォーマットデータのいずれか、その他)とすることができる。
設計データ(符号910で表示した)のグラフ表示の対応する一部の境界は、設計データに対する走査の予備位置合わせに基づいて(例えば、走査区域の走査が始まる前に、ダイ110又は別のダイのコーナの位置合わせに基づいて)選択される。2つの領域の間の変位により(かつ同じく線形伸張/圧縮、垂直、水平、又はその他のような他の変形により)、集積回路の異なる部分(符号910及び130で表示した区域の各々における背景パターンによって示す)は、走査フレーム130及び符号910で表示した設計データの対応する一部のグラフ表示に含まれることを見ることができる。走査フレーム130に対して判断することができる(例えば、ステージ550において)フレーム変位は、走査フレーム130の異なる部分の平均変位を示すことができる。上述のように、走査フレーム130の部分の全ては、必ずしも同様に変位するとは限らない。これは、例えば、走査中の線形伸張又は圧縮、走査誤差、及び製造誤差の結果とすることができる。
走査フレーム130は、その中で(例えば、ステージ520の中で)選択された複数ターゲット(正方形140で表される)を含む。ターゲット(それに対して概念140が明確にするために以下で使用されることになる)は、正方形ターゲットとして示されているが、上述のように、これは必ずしもそうである必要はない。異なるターゲット140の選択は、走査画像130において対応する区域の内容(これは、それぞれの正方形140内に閉じ込められて示されている)に基づく場合がある。
図10Bは、図10Bの走査フレーム130及び設計データ(符号910で表示した)の対応するグラフ表示を示している。後者には、2つの組の区域が示されている。符号942で表示し、単調に点に示す境界線で表された第1の組の区域は、ターゲット140として符号910で表示した区域に対して同様の位置に位置する。すなわち、符号942で表示した正方形は、CADデータに対するターゲットの仮定位置と考えることができる。
符号940で表示し、より広い交互に二点短鎖線境界線で表された第2の組の区域は、例示的な走査フレーム130に示すようにそれぞれのターゲット140のそれらのものに類似の内容を含む区域である。図示の例の各区域940は、対応する区域942に関して左に及び上部の方向に位置する。しかし、区域940の全てが、対応する区域942に対して同様の方向に変位するとは限らないと考えられる。
区域940の各々は、設計データを有するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて選択することができる。設計データがグレースケール強度画像フォーマットで提供される場合、それは、合理的に直接的方式で走査画像データと相関性がある可能性がある。しかし、設計データがベクトルフォーマットで提供される場合、相関は、付加的な交互段階を必要とする場合がある。例えば、相関に対してベクトル設計データの処理が先行し、対応するグレースケール強度フォーマット画像を提供することができ、この画像は、次に、それぞれのターゲット画像と相関性がある場合がある。代替的に、それぞれのターゲット画像(グレースケール強度画像フォーマットで提供される場合)は、ベクトルフォーマットに変換することができ、相関は、ベクトル空間で行われる。
対応するグレースケール強度フォーマット画像を提供するベクトル設計データの変換は、様々な方法で実施することができ、ターゲット画像ピクセルサイズ、走査機械特性及び作動パラメータ、照明パラメータ、光学パラメータ、ターゲット画像統計(例えば、平均階調レベル)など及びその他のような様々なファクタを考慮する(又はそうでなければ模擬する)ことができる。
対応する区域940が、複数ターゲット140の各々に対して選択された状態で(又はターゲットの一部に対して、例えば、ターゲット140の1つ又はそれよりも多くに対して対応する区域の選択が役に立たない場合は)、ターゲットの各々(例えば、区域942によって表されるように)と対応する区域940の間の距離(並びに1つ又はそれよりも多くの軸に対するこのような距離の投射、及び/又はあらゆる1つ又はそれよりも多くのこのような軸に対するその距離の方向)を判断することができる。例えば、このような距離は、対応する区域940及び942の各々のコーナピクセルの間で判断することができる。
それらのターゲットの各々に対するターゲット変位の計算(例えば、ステージ540において)は、上述のようなその距離及び/又は他のパラメータで判断することができる。
例えば、図10Cの例では、判断されたターゲット変位950は、各2つの区域940及び950の間の距離に、及びこのような変位の方向に対して等しい(又は少なくとも例えばその省略バージョンに基づいて)。表示の別の方法として、このような変位950は、x軸変位及びy軸変位(又は2つの軸に対するいずれかの他の好ましい2つの投射)によって表すことができる。
図10Dの例では、2つのタイプのターゲット変位952及び954が示されている。ターゲットの一部に対して、変位952は、y軸に沿って判断されるが、他のターゲットに対して、変位954は、x軸に沿って判断される。図示していないが、2つ(又はそれよりも多く)の軸に沿った変位は、ターゲットのうちの1つ又はそれよりも多くに対して判断することができる点に注意すべきである。ターゲット変位952及び/又は954は、対応するx又はy軸上の2対応する区域940及び942の間の距離の投射に等しくすることができ、その距離及び/又はこのようなその投射に基づいて計算することができる。
ターゲット変位(例えば、950、952、及び/又は954)が、走査フレーム130において複数ターゲットの各々に対して計算された状態で、対応するフレーム変位960は、それらのターゲット変位950の一部又は全てに基づいて判断することができる。上述のように、フレーム変位960の判断は、複数ターゲットから1つ又はそれよりも多くのグループのターゲットを平均化することによって実行することができる。
この判断は、それに対して判断された変位が、それらのターゲットが含まれる走査フレームのフレーム変位の判断のために使用されることになる複数ターゲットの選択を含む(又はそれが先行する)ことができる。例えば、判断は、ターゲット変位が計算されたターゲットの全てから複数ターゲットの選択を含む(又はそれが先行する)ことができ、選択(中央変位値を有するターゲットの80%を選択する)後に実施することができる。
フレーム変位は、ウェーハの走査区域の複数の走査フレームの全てに対してステージ540において判断することができるが、これは必ずしもそうである必要はない。例えば、一部の他の走査フレームに対するフレーム変位は、全く判断することができない場合があるが、例えば、それぞれのフレーム内のターゲットのターゲット変位に基づいてではなく、隣接する走査フレームに対して判断されたフレーム変位に基づいて他の方法で判断することができる。
走査フレームの各々に対するフレーム変位の判断は、その中の複数ターゲットのターゲット変位だけに基づく場合があるが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の実施では、判断はまた、付加的なパラメータ(例えば、このようなターゲットの数、ダイに対するフレームの位置、及び走査フレームに対応するウェーハの区域の物理特性など)に依存する場合があることが注目される。
ステージ550は、以下のステージ540として示されているが、ステージ550は、部分的に、ステージ540と同時に実施することができることが注目される。例えば、前に走査された第1の走査フレームに対するフレーム変位の判断は、ターゲット変位値が、第1の走査フレームよりも後で走査された第2の走査フレームのターゲットに対して判断される前に実施することができる。一般的に、ステージ540及び/又は550は、少なくとも部分的に走査区域が走査されている間に実施することができる。
図12は、本発明の実施形態による走査区域120内で走査された複数走査フレーム130に対して判断されたフレーム変位960を示している。
図3に戻ると、方法500は、(a)複数走査フレームに対して判断された変位を含む較正情報と、(b)複数走査フレームの各々において複数ターゲットを含むデータベースターゲットのグループの各ターゲットのターゲット画像及び位置情報を含むターゲットデータベースとを生成するステージ560を更に含む。それらのターゲットの各々の位置情報は、それが含まれるフレームのアンカー点に対して判断することができる(外部アンカー点に対するフレームの変位は、以前に説明した較正情報で言及されている)。
以前の図で図示の例を参照すると、ステージ560は、後続処理モジュール220のような処理モジュールによって実施することができる。
較正情報を生成する段階は、異なる走査フレームを識別する表、アレイ(又はいずれかの他の1つ又はそれよりも多くの好ましいデータ構造)を生成する段階を含むことができ、複数走査フレームに対して判断された少なくともフレーム変位を含むことができる。
例えば、表1は、本発明の実施形態によるステージ560で生成された較正情報を格納するデータ構造を示している。明らかに、これは、一例に過ぎず、他のデータ構造を実施することができる。同様に、フィールドの各々は任意的であり、別に実施することができ、又は全く実施されない場合がある。
フレームIDフィールドは、複数走査フレームの各々を識別する識別子を格納する。提供された例では、図12の例を参照すると、1の位は列を表し、10分の1の位は行を表している。
Xstart及びYstartフィールドは、各走査フレームが開始する位置(例えば、その左上コーナの位置)を示している。使用する単位は、マイクロメートル(μm)のような設計データ(例えば、CADデータ)のものとすることができ、走査画像のもの、例えば、ピクセルとすることができる。
Xlength及びYlengthフィールドは、例えば、異なる走査フレームが異なるサイズのものである場合には、各フレームの寸法を示している。使用する単位は、マイクロメートル(μm)のような設計データ(例えば、CADデータ)のものとすることができ、走査画像、例えば、ピクセルのものとすることができる。
Xdisp及びYdispフィールドは、それぞれの走査フレームのフレーム変位を示している。使用する単位は、マイクロメートル(μm)のような設計データ(例えば、CADデータ)のものとすることができ、走査画像、例えば、ピクセルのものとすることができる。変位の他の表示も使用することができる(例えば、変位のサイズ及び方向(R、θ))。
以下でより詳細に説明するように、較正情報(これはまた、「変位マップ」とも呼ぶことができる)は、ランタイムモード中のウェーハの他のダイ(又は他のウェーハの)の走査において後で使用することができる。
ターゲットデータベースに戻ると、ターゲットデータベースを生成する段階は、ステージ540の複数ターゲットの全てのターゲット画像及び位置情報を含むターゲットデータベースを生成する段階を含むことができるが、これは必ずしもそうである必要はない。ターゲット変位がそれぞれの1つ又はそれよりも多くのフレーム変位の判断のためにステージ550において使用されたターゲットの一部は、一部の実施では、データベースターゲットのグループに含めることはできない。データベースターゲットのグループに含めるべき走査フレームの各々からのターゲットの数は、例えば、レシピデータベース(これは、例えば、検査ツールの一部とすることができる)のメモリサイズ制限によって制限される場合がある。
ターゲットデータベースを生成する段階は、ステージ540の相関に使用するターゲット画像を含むターゲットデータベースを生成する段階を含むことができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の実施では、他の画像をデータベースターゲットの一部又は全てに使用することができる。例えば、異なるサイズ、解像度、色深度又は位置の画像は、データベースターゲットの一部又は全てのために保存することができる。
生成された位置情報は、判断されたフレーム変位に基づいて補正された補正位置情報とすることができる。位置情報は、それぞれのターゲットのターゲット変位に基づいて補正することができるが、それぞれのフレーム変位にのみ基づく補正が好ましい場合がある。
一部の実施では、データターゲットのグループは、後でX軸変位補正のために保存される少なくとも2つのターゲット画像を含み、少なくとも2つは、後で走査フレームの各々においてY軸変位補正のために保存される。他の最小数の画像は、明らかに選択することができ、最小数よりも多くのターゲットを保存することができる。保存すべきターゲットの選択(すなわち、データベースターゲットのグループの選択)は、設定走査ランタイム中に実施することができ、ターゲットの環境における一意性、十分な情報、及び十分なコントラストのような基準に基づく場合がある。選択されたターゲットの数は、レシピにおけるストレージによって制限することができる(これに対して、それらのターゲットは、変位マップと共に保存することができる)。
ステージ560は、較正及び/又はターゲットデータベースを1つ又はそれよりも多くのデータストレージ(例えば、RAM、ハードディスク、光学式ストレージなどのようなコンピュータメモリ)に保存する段階を含むことができる。保存は、マイクロメートルのような設計データ座標(例えば、CADデータ座標)にデータベースターゲットの位置情報を保存するステージ561を含むことができる。
ステージ560の後には、較正情報及び/又はデータベースターゲット又はその一部を送信するステージ565(図4に示す)が続くことができる。送信する段階は、このようなデータを1つ又はそれよりも多くのデータベース、同じシステムの他の1つ又はそれよりも多くの構成要素、又は1つ又はそれよりも多くの他の機械に送信する段階を含むことができる。
ステージ560の後には、別のウェーハの検査において位置情報を判断するために較正情報及びターゲットデータベースを利用することを可能にするステージ5400が続くことができる。位置情報は、例えば、このような別のウェーハの検査画像において欠陥を検出するために使用することができる。
以下に説明するように、方法500はまた、このような検査において位置情報を判断するために較正情報及びターゲットデータベースの実際の利用を含むことができる。欠陥検出に関する一部のこのような利用方法は、図5、図6、図7、及び図8の説明に関して例示されている。
しかし、方法500はまた、欠陥検出以外の実施のために較正情報及び/又はターゲットデータベースの利用(別のウェーハの検査又は他の方法における位置情報の判断など)を可能にする段階を含むことができることが注目される。例えば、方法500は、別のウェーハの検査においてこのような位置情報を判断するために較正情報及びターゲットデータベースの利用を可能にする段階と、その検査に使用する検査ビーム(例えば、電子ビーム)の位置の補正のその位置情報の利用を可能にする段階とを含むことができる。
図4は、本発明の実施形態によるウェーハ検査に使用可能な較正情報をより詳細に生成するためのコンピュータ化方法500を示している。図3でなくて図4に示されているステージは、任意的であり、それらのステージ及びステージ540、550、及び560の異なる可能な組合せは、本発明の異なる実施形態に実施することができる。
方法500は、走査画像データを提供するようにウェーハの走査区域を走査するステージ510を含むことができる。走査区域の走査は、更に大部分のウェーハの一部、例えば、1つのダイ、複数ダイ、又は更にウェーハ全体(又は電子回路部分を含むその少なくとも一部)とすることができる。走査は、電子ビーム走査及び光学式走査のような異なる技術で実施することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ510は、センサ230のようなあらゆる走査、撮像、及び/又は検出装置によって実施することができる。
走査は、長い処理である場合があるので、他のステージ(例えば、ステージ520、530、540、550、及び/又は560)の一部又は全ては、少なくとも部分的にステージ510のウェーハの走査区域の走査のようなウェーハの1つ又はそれよりも多くの部分の走査と同時に実施することができる。代替的に、ステージ510は、ステージ540、場合によっては方法500の他のステージ(例えば、ステージ520、530、550、560)に先行することができる。
方法500が、基準ダイ(又は他の走査区域)を走査する段階を含む場合、このような走査中に集められた情報を使用して、ウェーハの他のダイ(又は他のウェーハの)が走査される時に変位誤差を補正するのに後で使用することができる較正情報を生成することができる。
方法500はまた、ウェーハの少なくとも一部の走査前又はこのような走査の得られるいずれかで基準区域(図示せず)の選択を含むことができる。走査区域は、本発明の異なる実施の異なる方法で選択することができ、例えば、走査区域は、第1の列の第1のダイ(又はその列の最後のダイ)又は別の列の第1のダイとすることができ、走査区域は、実質的に中心基準ダイなどとすることができる。
方法500は、基準区域を走査することができるように、ウェーハアラインメント及びウェーハの平行移動のようなステージ510の走査区域の任意的走査に先行する付加的なステージを更に含むことができる。ウェーハのグローバルアラインメント(例えば、ウェーハが位置決めされたステージを整列することによる)は、例えば、設計データから粗いアンカー点を使用するCADに基づく場合がある。ウェーハの平行移動は、基準ダイを走査することができる位置へのウェーハの平行移動を含むことができる。
このような予備ステージの正常実行に必要な情報は、ウェーハの具体的な走査又は具体的な層に関するものでなく、むしろウェーハの製造直後に(又は走査すべきあらゆる具体的なターゲットのそれぞれを最終的に)実行する走査機械の構成に関する所定のレシピ(又はレシピパラメータ)から及び/又は構成ファイル(「コンフィグ」と呼ばれる)から取り出すことができる。
方法500は、走査画像データの画像処理に基づいて複数ターゲットの各々に対して画像を選択するステージ520を含むことができる。ターゲットに対して画像を選択することにより、ターゲット自体を選択することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ520は、画像処理モジュール250のような画像処理モジュールによって実施することができ、画像処理モジュール250は、上述の変位解析モジュールの一部とすることができ、又は一部でなくてもよい。他の実施では、ターゲットは、設計データの処理に基づいて選択することができることが注目される(走査画像データに基づいて選択することに加えて又はその代わりに)。異なるターゲットに対する画像の選択は、このような画像の内容及び設計データとの相関に対するその適合性に基づく場合がある。
ステージ520は、後で選択に基づいてステージ540で使用する複数画像を保存するステージ521を含む(又はそれが続く)ことができる。保存する段階は、走査データに関する複数ターゲット位置情報(例えば、ピクセルの位置)及び/又はそれらのターゲット画像の推定位置(設計データに対する)の各々に対して保存する段階を含むことができる。例えば、走査画像情報は、その推定位置で公知の(例えば、検査システムの位置情報に基づいて)多数のターゲット(例えば、ダイの100,000ターゲット、その各々は32×32ピクセルの大きさの)に対して格納することができる。上述のように、ステージ520の選択は、少なくとも部分的にステージ510の走査と同時にすることができる。
方法500はまた、走査画像データの画像処理に基づいて走査フレームを形成するステージ530を含むことができる。走査フレームの形成はまた、走査区域の走査に、ターゲット変位の計算に、及び/又はフレーム変位の判断などに使用する設計データ、将来走査の補正の必要な技量、機械の機能に基づく場合がある(加えて又は走査画像データの代わりに)。フレームを形成する段階は、その寸法及び/又はその位置を形成する段階を含むことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ530は、画像処理モジュール250のような画像処理モジュールによって実施することができる。
必ずしもそうである必要はないが、ステージ530の形成は、少なくとも部分的にステージ510の走査及び/又はステージ520の選択と同時にすることができる。本発明の実施形態により、フレームの形成は、ステージ540の計算の結果に基づく場合があることが注目される。例えば、各フレームは、その中に含まれる大部分のターゲットが実質的に類似のターゲット変位を有するように形成することができる。
フレームの形成が、設計データに基づくか又はそうでなければ走査データに無関係である場合(例えば、機械機能だけに基づく場合)、方法500は、所定のフレームの負荷定義(例えば、レシピ又はコンフィグからの)を含むことができる。
ステージ530で形成された(又はそうでなければ判断された)フレームの数を参照すると、それらの数は、単に一例として1スライス当たり100−200とすることができ、各ダイは、何らかの200スライスを保持することができる(ウェーハのあらゆるダイ又はその一部の走査は、実質的に互いに平行な細長スライスで実行することができ、細長スライスは、通常交互走査方向に連続的に走査される)。別の例では、例えば、実施されたピクセルサイズがより小さい時に、1スライス当たりの走査フレームの数は、300とすることができ、スライスの数は、500とすることができる。
方法500(ステージ530における)の一部又はそれに先行するもののいずれかとして(例えば、構成ファイルの生成の一部として)のフレームの形成は、様々な方法で実施することができる。第1の例では、フレーム(そのサイズ及び/又は位置)の判断は、機械走査機能と将来走査の補正の必要な技量の間の均衡の結果(これは、生じた歪みのタイプに関係する)とすることができる。特に、第1又は第2の方法のいずれかの実時間実施が望ましい場合、フレームが小さくなるほど必要な計算機能は高くなる。
ステージ530が走査のランタイム中にフレームを形成する段階を含む実施では、歪みレベルは、複数ターゲット窓のデータが保存された後の設定走査中に測定することができ、フレームは、次に、歪み解析に基づいて形成することができる。走査層の一部の区域がそれほど歪んでいない場合、形成されたフレームのターゲット窓の量(比較的大きい)は減少し、従って、データストレージ容量及び将来計算時間を節約することが注目される。
例えば、ステージ540は、固定サイズ(例えば、最小サイズ)のフレームに基づく場合があり、フレームの1つ又はそれよりも多くのターゲットに対して判断された変位に基づく場合があり、他のフレームを形成することもできる(例えば、予備フレームを分割、結合、又はそうでなければ修正することにより)。
ステージ540及び550に戻ると、ターゲット変位の計算及び/又はフレーム変位の判断は、例えば、図10Dに示すようにX軸変位に対して及びY軸変位に対して実施することができることが注目される。
走査フレームに対するフレーム変位ベクトル(実際にベクトルとして実施する場合)は、互いに独立して2つのスカラー成分を判断することによって判断することができる。例えば、X軸変位情報収集に対して選択されたターゲットのターゲット変位値は、X軸変位値の判断に使用することができ、Y軸変位情報収集に対して選択されたターゲットの値は、Y軸変位値の判断に使用することができ、それらの2つの値は、変位ベクトルとして(又は代替的に2つのスカラー値と同様に)保存することができる。
例えば、ステージ540は、複数走査フレームの各々において、走査フレームのターゲットの第1のサブグループに対してX軸変位のみを計算するステージ541と、走査フレームの他のターゲットの第2のサブグループに対してY軸変位のみを計算するステージ542とを含むことができる。X軸及びY軸変位の両方は、実施する場合には、更に他のターゲットの第3のサブグループに対して判断することができる。
同じ例を続けると、走査フレームのうちの少なくとも1つに対する変位の測定のステージ550は、フレームのターゲットの第1のサブグループの(及び本発明の実施形態により、第2のサブグループではなく、同様に第3のサブグループの)ターゲットに対して判断された変位に基づいてフレームに対するX軸変位値を走査フレームに対して判断するステージ551、及び/又は第2のサブグループの(及び本発明の実施形態により、同様に第3のサブグループの)ターゲットに対して判断された変位に基づいてフレームに対するY軸変位値を判断するステージ552を更に含むことができ、ステージ552のY軸変位値の判断は、第1のサブグループのターゲットに対して判断された変位に無関係である。
ステージ541及び/又は542は、実施される場合、複数フレームのうちの1つ又はそれよりも多くにおいて又はそれらの全てにおいてターゲットに対して実施することができる。
図5は、本発明の実施形態による方法500の付加的なステージを示している。図5に示すステージは、任意的であり、走査区域の走査フレームに対して計算された変位値を使用して、走査区域以外の第2のウェーハ区域において(同じウェーハ上か別のウェーハ上かを問わず)欠陥を検出するために実施することができる。
ステージ560後(及び場合によっては実施する場合ステージ565後)に実施することができるステージ570は、第2のウェーハ区域の走査を含む。必ずしもそうである必要はないが、第2の区域は、以前に説明する走査区域ではない。上述のように、第2のウェーハ区域は、同じウェーハ上(例えば、別のダイ、又は別のダイ内)又は、更に別のウェーハ上とすることができる。第2のウェーハ区域が別のウェーハ上に位置する場合、他のウェーハ及び最初に走査したウェーハは、通常類似の電子回路を含むと考えられる(例えば、同じ製品の場合によっては同じバッチからの生産のためのウェーハである)。第2のウェーハ区域は、通常、最初に走査した区域と同じ層に(又は第2のウェーハ区域が別のウェーハに属する場合、対応する層に)属すると考えられる。
第2のウェーハ区域の内容は、通常、最初に走査した区域の内容の一部又は全てに類似していると考えられる。例えば、ステージ510で走査された走査区域がダイ全体である場合、第2のウェーハ区域は、類似のダイ(同じウェーハ又は類似のウェーハのいずれかの上の)とすることができる。複数フレームは、第2のウェーハ区域内に形成することができ、それらのフレームの各々は、フレーム変位が判断された1つ又は走査フレームに対応することができる。代替的に、第2のウェーハ区域のフレームが、実質的に走査フレームと類似の内容を含有しない場合、一部の走査フレームの変位値は、平均化することができる。しかし、以下の説明では、第2のウェーハ区域において形成されたフレームの各々は、正確には走査フレームの1つに対応し、実質的に類似の内容(例えば、走査間違い誤差及び間違いの他の原因により存在する場合がある一部のゆとりによる)を含むと仮定されるであろう。
必ずしもそうである必要はないが、ステージ570の走査は、走査区域の走査に使用された同じ走査機械によって実行することができる(例えば、ステージ510において)。それらの2つのウェーハ区域の走査のために同じ走査機械を使用することで、取りわけその機械の特性である変位誤差(例えば、x−yステージ位置誤差、それが電子ビームスキャナである場合充電パターンなど)を補償することを可能にする。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ570は、センサ230のようなあらゆる走査、撮像、及び/又は検出装置によって実施することができる。
ステージ570の第2のウェーハ区域の及び場合によっては同じウェーハの他の区域の走査は、欠陥検出ランタイム中に実行することができる。欠陥検出ランタイム中に、多くのウェーハは、欠陥を検出する段階のために走査することができる。例えば、互いに製造されるウェーハのバッチ全体は、欠陥又は更に複数のこのようなバッチに対して検査することができる。多くのウェーハは、場合によっては欠陥検出ランタイム中に欠陥に対して検査されるので、長いランタイム欠陥検出処理は、製造工程を遅延させ、従って、ランタイム欠陥検出に必要な時間の短縮は、少なくとも一部のシナリオにおいては有用である。このようなシナリオでは、位置間違い及び変位を補償するための高速化技術を望ましいとすることができる。
しかし、多くの類似のウェーハの欠陥を検出する段階は、単一のフレーム変位の判断(例えば、ステージ560の単一事例において)に従って生成された較正情報(及びターゲットデータベース)を利用することができ、従って、ステージ560において及び/又はステージ560に先行するステージの1つ又はそれよりも多くにおいて費やされる時間を消費する処理は、ウェーハ当たりの欠陥検出時間全体(これに対して、変位評価の持続期間の相対的一部を加えることができる)に対する影響は比較的小さい。
従って、図5及び図6に示されているステージ570から5140の一部又は全ては、Nの異なるウェーハ区域を繰り返す(これは、「×N倍」表示によって示されている)ことができる点に注意すべきである。それらのNの異なるウェーハ区域は、単一ウェーハに又は1つよりも多くのウェーハにすることができる。例えば、25の類似のウェーハのバッチにおける各ダイ(その各々は、一部の150ダイを含む)の場合、単一ウェーハの走査区域に対して一度判断された変位結果は(ステージ560まで)、一部の3,750ダイ(=150*25)に対してランタイム欠陥検出に利用することができる。以下で更に説明するように、第2のウェーハ区域に使用する変位値は、同じウェーハのような別の区域に使用することができる。図5及び図6に関する以下の説明は、主に単一ウェーハ区域(すなわち、第2のウェーハ区域)への実施に着目することになる。
ステージ570の走査が始めまった後(及び場合によってはステージ570が行われる時)に開始されるステージ580は、第2のウェーハ区域の走査画像(又は場合によっては複数の画像)に検索窓を形成する段階を含む。ステージ580に形成された検索窓の各々は、データベースターゲットのうちの1つに対応する。対応する検索窓は、データベースターゲットの各々に対して形成することができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、より少ない検索窓も形成することができる。ステージ580の検索窓の各々を形成する段階は、対応するターゲットが含まれるそれぞれの走査フレームの判断された変位に基づいている。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ580は、相関器260のような相関器によって実施することができる。
上述のように、データベースターゲットのグループのステージ560で生成された位置情報は、判断されたフレーム変位に基づいて補正された補正位置情報とすることができる。このような補正は、(必ずしもそうである必要はないが)それぞれのフレーム変位だけに基づく場合がある。代替的に、ターゲットデータベースからの位置情報が補正されない場合、データベースターゲットの位置情報は、検索窓を形成するためにステージ580で補正することができる。
検索窓の形成は、各検索窓の位置及び場合によっては同じくそのサイズを形成する段階を含む。必ずしも全部ではないが、検索窓は、同じサイズのものである(例えば、所定の走査フレームのターゲットのターゲット変位の分散が高かった場合、このようなデータは、較正情報に保存することができ、より大きな検索窓は、第2のウェーハ区域の対応するフレームに形成することができる)ことが注目される。
形成された検索窓は、通常、対応するデータベースターゲットよりも大きく、対応するターゲット画像のものに類似する走査画像データ(及びウェーハの近くの区域の明確に付加的な画像データも)を含むことが予想される。例えば、ターゲット画像(例えば、図11の図のうちの1つに類似する)が32×32ピクセルである場合、ステージ580で形成された対応する検索窓は、例えば、100×100ピクセルとすることができる。
図13は、本発明の実施形態による1つのターゲット画像410(例えば、ターゲットデータベースに格納されたような)及びそのターゲット画像410によって形成された検索窓180の走査画像を示している。図示のように、形成された検索窓(及び対応する検索画像180)は、ピクセルサイズを比較する時に、検索窓が対応するターゲット画像410よりも有意に大きい。検索窓内の区域182(この区域は、太くて黒い境界によって取り囲まれている)は、サイズ及び内容がターゲット画像410に対応する。しかし、見ることができるように、ターゲット画像410及び区域182は、例えば、走査処理のうちの少なくとも1つにおける製造誤差又は間違い(一方はターゲット画像をもたらし、他方は検索窓画像をもたらす)により、このような走査処理の間の不一致(例えば、幾分異なる軽減)により、及び/又は対応するウェーハ区域のうちの少なくとも1つの製造誤差により必ずしも同一ではない。
図14は、本発明の実施形態によるウェーハの走査区域の走査画像のフレーム内に形成された2つの検索窓180を示している。区域184は、ターゲットの推定位置である。それらの区域184に基づいて、検索窓180を形成することができ、それぞれのターゲットに対応する区域184は、検索窓180内で識別することができる。
図5に戻ると、ステージ580には、複数ターゲット画像の各々(例えば、対応する検索窓がステージ580で形成された少なくともそれらのもの)を対応する検索窓の走査画像の少なくとも一部分に関連付けるステージ590が続く(又は少なくとも部分的に同時とする)ことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ590は、相関器260のような相関器によって実施することができる。
ターゲット画像の各々に対するステージ590の相関は、M×Nピクセルの大きさのターゲット画像(例えば、32×32の大きさの)の対応する検索窓の一連の同様の大きさのM×Nピクセル区域との一連の相関を実行する段階と、ターゲット画像と最良の相関を有するMA×N区域を選択する段階とを含むことができる。相関は、検索窓のM×Nピクセルの大きさの区域の全てとの相関を含むことができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、それらの一部のみが、相関性がある可能性がある。
ターゲット画像及び対応する検索窓の走査画像の1つ又はそれよりも多くの部分の相関は、X軸及びY軸に対して対称的とすることができるが、これは必ずしもそうである必要はない。例えば、X軸変位評価に対して選択されたターゲットは、X軸相関に対してより重要な意味を有する相関性がある場合があり、Y軸変位評価に対して選択されたターゲットは、Y軸相関に対してより重要な意味を有する相関性がある可能性がある。
検索窓の各々に対して、ステージ590の結果は、ターゲット画像に対するその相関が最良である検索窓の一部の指標、及び/又は検索窓の多数の部分について判断された相関結果とすることができる。
方法500は、複数データベースターゲットからの各々に対して(場合によってはそれらの全てに対して)ランタイム変位を計算するステージ5100を用いて継続し、複数ターゲットの各々に対する計算は、対応する検索窓の走査画像の少なくとも一部分に対するそれぞれのターゲット画像の相関(例えば、ステージ590の相関)に基づいている。走査ウェーハ区域のターゲット変位と同様に、複数データベースターゲットの各々に対して計算されたランタイム変位は、設計データによりそれが存在すべきところに対して対応するターゲット画像の変位を示している。
ランタイム変位は、検索窓の相関部分の位置(例えば、図13の区域182)と対応するデータベースターゲットの位置情報(例えば、ターゲットデータベースから取り出されたような)との間の距離に基づいて計算することができる。ランタイム変位はまた、軸(例えば、X軸及び/又はY軸)に沿ってそれらの2つの位置の間の距離に基づいて計算することができる。ランタイム変位は、ステージ540で計算されたターゲット変位と同様に、スカラー変位又はベクトル変位とすることができ、変位全体又は軸に沿った変位だけに関係することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5100は、相関器260のような相関器によって実施することができる。
ステージ580及び5100(及び場合によっては590も)により、方法500は、以下のアクション、すなわち、(a)ターゲットが含まれる走査フレームの判断された変位に基づいて対応する検索窓を形成する段階と(b)対応する検索窓によって形成された走査画像の区域の少なくとも一部分に対するターゲット画像の相関に基づいて、ターゲットに対してランタイム変位を計算する段階とをデータベースの複数ターゲットからの各々に対して実施する段階を含む。
ステージ5100後に実行される任意的なステージ5140は、第2のウェーハ区域において欠陥を検出する段階を含み、検出には、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つの助け、場合によってはそれらの全ての助けを提供する。前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5140は、欠陥検出モジュール270のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。
ステージ5140の後には、欠陥の一部又は全て(例えば、ステージ5150に示す検査結果の一部として)を報告するステージが続くことができ、報告する段階は、設計データの座標において(例えば、高い精度で、及びCAD原点又はその中で識別された別のアンカー点に対して)欠陥のうちの少なくとも1つ(及び場合によってはそれらの全て)の位置情報を報告する段階を含むことができる。ステージ5140を判断する段階は、設計データの座標において(例えば、CAD座標において)位置を検出された欠陥の各々に対して判断する段階を含むことができる点に注意すべきである。欠陥は、高い精度で設計データに関連付けることができ、設計データは、(以下に限定されるものではないが)設計ベース分類のような様々な利用を可能にすることができる。
ランタイム変位のうちの少なくとも1つへの依存性以外の欠陥を検出する段階は、公知の欠陥検出の実施に類似する場合がある。例えば、ステージ5140における欠陥を検出する段階は、第2のウェーハ区域の走査画像と基準データとの間で比較する段階を含むことができる。このような基準データは、ダイツーデータバース(D2DB)欠陥検出技術において設計データ(例えば、CADデータ)とすることができ、ダイ間(D2D)又はセル間(C2C)欠陥検出技術においてウェーハの他の部分の走査画像データとすることができる。このような他の部分は、第2のウェーハ区域又はウェーハの他の区域に属することができる。
更に、第2のウェーハ区域の一部の部分における欠陥が、D2DB検出を使用して検出することができ、一方、第2のウェーハ区域の他の部分における欠陥が、D2D及び/又はC2C検出を使用して検出することができるいくつかのこのような技術を実施することができる。
どの比較技術(例えば、D2DB、D2D、C2C)を第2のウェーハ区域の各区域で(及び場合によっては、ウェーハの他の区域で)使用するかに関する決断は、各ダイの異なる部分に異なる比較技術が割り当てられる所定の比較方式(「レイアウト」又は「ダイレイアウト」とも呼ばれる)に基づく場合がある。
ステージ5140の欠陥検出を、ステージ5100で計算されたランタイム変位のうちの1つ又はそれよりも多くの助けによって実行することができる方式の一部は、図6に関して詳述される。
図6は、本発明の実施形態による方法500の付加的なステージを示している。図6に示すステージは、任意的であり、ステージ5100で計算されたランタイム変位値のうちの1つ又はそれよりも多くの助けによって第2のウェーハ区域において欠陥を検出するために実施することができる。
方法500は、それぞれのランタイムフレームの複数ターゲットに対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、第2のウェーハ区域において走査された複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断するステージ5110を含むことができる。
ステージ5110におけるフレームランタイム変位の判断は、ステージ550におけるフレーム変位の判断と同様に実施することができる(これに対して、実施の一部の例が示されている)が、これは必ずしもそうである必要はない。
フレームランタイム変位は、第2のウェーハ区域においてフレームの全てに対してステージ5110において判断することができるが、必ずしもそうである必要はない。同様に、フレームランタイム変位は、ステージ550の複数走査フレームに対応するフレームの全てに対してステージ5110において判断することができるが、これは必ずしもそうである必要はない。
ランタイムフレーム変位は、本発明の少なくとも一部の実施において物理的意味を有することができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の実施では、その意味は、それぞれのターゲットに対して計算されたランタイム変位に基づく(しかし、必ずしもこれにのみ基づくものではない)計算の結果として単に定められる想像上の構成と単に同じである可能性があるに過ぎない。
方法500は、フレームランタイム変位のうちの少なくとも1つの助けによって第2のウェーハ区域の被検査ウェーハを含むウェーハに対して検査結果を提供するステージ5150を含むことができる。これは、中間段階としてステージ5140(及び場合によってはステージ5120及び5130のような他のステージも)を実行することによって容易にすることができるが、これは必ずしもそうである必要はない。任意的に、ステージ5150を提供する段階は、ステージ5140の欠陥検出の結果の一部又は全てを提供する段階を含むことができる。以前の図面に対して図示の例を参照すると、ステージ5150は、プロセッサ290のようなプロセッサによって実施することができる。
欠陥検出は別として、フレームランタイム変位はまた、被検査区域又はその部分の走査の精度の改善のような他の用途に利用することができる。例えば、被検査区域を走査する段階は、別のランタイムフレームに対して判断されたフレームランタイム変位に基づいてランタイムフレームのうちの少なくとも1つの走査の位置精度を改善する段階を含むことができる。これは、例えば、以前のフレームのランタイム変位に基づいて、所定のフレーム(又はその一部)の走査に使用される電子ビームの方向を補正することによって実施することができる。同様に、精度の改善は、以前のフレームのランタイム変位に基づいて所定のフレーム(又はその一部)の走査中にカメラ、センサ、又はウェーハを置くステージの方向及び/又は位置を補正することによって実施することができる。
方法500は、比較方式を修正するステージ5120を含むことができ、比較方式は、複数データベースターゲットに対して計算されたランタイム変位に基づいて欠陥を検出するために使用される。ステージ5120を修正する段階は、比較方式を更新する段階を含むことができる。一部の実施では、ステージ5100は、ステージ5100の計算に基づいて、ステージ5110(フレームランタイム変位を判断する段階)の中間計算に更に基づいて実行することができる。他の実施では、ステージ5110の計算以外の計算は、ステージ5120において更新するために使用することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5120は、欠陥検出モジュール270のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。
本発明の実施形態により、ステージ5120は、複数ランタイムフレームのフレームランタイム変位に基づいて比較方式を修正するステージ5121を含むことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5121は、欠陥検出モジュール270のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。
比較方式を修正する段階は、例えば、第2のウェーハ区域内の異なる区域に関係する欠陥検出命令を修正する段階(例えば、C2C比較の代わりにD2D比較を使用する)、及び/又はこのような命令が適用される区域の定義を修正する段階を含むことができる。このような区域の境界の再定義は、予めステージ5110及び/又は5120においてコンピュータで計算されたランタイム変位に基づく場合がある。
比較方式に含めることができる他のパラメータは、例えば、一部の区域において欠陥を招かない(例えば、「基準画像と比較しない」)命令、及び欠陥と見なすもの(例えば、閾値レベル)を示す感度レベル指標である。
方法500は、修正比較方式に基づいて、第2のウェーハ区域の少なくとも一部分の走査画像を基準データと比較するステージ5130を更に含むことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5130は、欠陥検出モジュール270のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。このような実施では、ステージ5140における欠陥を検出する段階は、ステージ5130の比較の結果に基づく場合がある。
上述のように、図5及び図6に示されているステージ570から5140の一部又は全ては、Nの異なるウェーハ区域に対して繰り返すことができる(これは、「×N倍」表示によって示されている)。それらのNの異なるウェーハ区域は、単一ウェーハ又は1つよりも多くのウェーハにすることができる。一部の実施では、それらのNの異なるウェーハ区域の各々における欠陥検出の処理は、ステージ560で生成された較正情報に直接基づく(元のウェーハの元の走査区域のデータに基づく)場合がある。しかし、他の実施では、それらのNの異なるウェーハ区域の一部における欠陥検出の処理は、予め処理したウェーハ区域に対して予め実施した較正処理に基づく場合がある。例えば、ウェーハのスライスの所定のダイにおける欠陥を検出する段階は、そのウェーハの同じスライスの予め処理したダイに使用された変位及び/又は較正計算に基づく場合がある。
図7は、本発明の実施形態による方法500の付加的なステージを示している。図7に示すステージは、任意的であり、一連の別の区域に対してコンピュータで計算されたランタイム変位値の助けによって一連のウェーハ区域の各ウェーハ区域において(1つ又はそれよりも多くのウェーハにおいて)欠陥を検出するために実施することができる。
図7に示すステージの各々は、実施される場合、ステージ560が完全に実行された後に実施される。
任意的なステージ5200は、同じウェーハの一連の複数の他のウェーハ区域(すなわち、ステージ540で示された最初に走査したウェーハの走査区域以外の)を走査する段階を含み、それらの他のウェーハ区域の各々は、同じウェーハの異なるダイ(ダイ全体又はその一部分)を網羅する。一連の他のウェーハ区域は、例えば、スライスの中のダイ区域の全てを含むことができ、各ダイ区域は、単一ダイ(必ずしもその全部ではないが)からの区域を網羅する(必ずしもその全部ではないが)。
図15A及び図15Bの例を参照すると、一連の灰色走査区域120(灰色区域として示す)は、ウェーハ10の単一列のダイ110の各々において単一スライス150の一部分を含む。走査された実際のスライス150は、図15Aに示すように必ずしも完全に線形ではなく、図15Bの例示は、ウェーハ検査の通常の状態に対して大きく見せている点に注意すべきである。通常、スライス150の線形性からの転換は、かなり小さく(例えば、最大数ピクセル、場合によってはサブピクセル)であり、図15Bのスケールでは見ることができない。
以前の図に関して説明した方法500のステージを参照すると、ステージ5200は、ステージ540の走査区域以外の異なるウェーハ区域に対して実行されたステージ570の複数の事例を含むことができることが注目される。特に、一連の他のウェーハ区域は、上述の第2のウェーハ区域を含むことができる。
ステージ5200の後には、実施される場合、ステージ5210が続くことができ、そこで、他のウェーハ区域(第2の走査区域以外の)の各々に対して、以下のステージ5211、5212、及び5213が実施される。
ステージ5211は、データベースターゲットの少なくとも一部を含むサブグループに対応する検索窓を形成する段階を含み、検索窓の各々を形成する段階は、一連の以前のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいている。例えば、第3のウェーハ区域のサブグループのための検索窓は、第2のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて形成することができ、第6のウェーハ区域のサブグループのための検索窓は、第5のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて(しかし、他の実施では、追加又は代替的のいずれかで、同じく第2及び/又は第3のウェーハ区域のような一連の別の1つ又はそれよりも多くの以前のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて)形成することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5211は、相関器260のような相関器によって実施することができる。ステージ5211の検索窓は、サブグループのそれらのものは別として、データベースターゲットの他のターゲットに対して形成することができる点に注意すべきである。
それぞれのウェーハ区域が、1つよりも多くのフレームを含む場合、検索窓は、対応するターゲットが含まれるフレームに対して以前のウェーハ区域において判断されたフレームランタイム変位に基づいて形成することができる。
一連の各走査区域に対して、検索窓は、一連の以前のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて形成されるので、1つの走査区域に対して判断される変位値を使用して、ターゲットの推定位置を改良し、それによって場合によってはターゲット位置の変位誤差を低減する。変位誤差は、補正なしに可能であると考えられるよりも小さくすることができ、従って、検索窓のサイズは、縮小することができる。
所定のターゲットのサイズ(例えば、32×32ピクセル大きさのターゲット)を仮定すると、ターゲットに対する一致を第2のウェーハ区域において探す検索窓(例えば、ステージ580において定められた窓のサイズ)は、有意に大きく(例えば、100×100の検索窓)することができる。しかし、より小さな検索窓は、場合によっては一連の連続検索区域に対して形成することができる(一部の精度は、第1の区域の検索窓内の区域へのターゲットの一致から獲得することができるので)。本発明の実施形態により、サブグループターゲットに対して形成された検索窓のうちの少なくとも1つのサイズは、第2のウェーハ区域において対応するターゲットに対して形成された検索窓のサイズよりも小さい。
ステージ5211で使用するターゲットのサブグループは、一連の異なるウェーハ区域の間で異なる場合がある点に注意すべきである。
ステージ5212は、対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算する段階を含む。必ずしもそうである必要はないが、ステージ5212におけるターゲット変位の計算は、ステージ540及び/又は5100の計算と同様に実施することができる。例えば、それは、サブグループのターゲットの各々のターゲット画像を対応する検索窓の走査画像の少なくとも一部分に関連付ける段階を含む(又はそれが先行する)ことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5212は、相関器260のような相関器によって実施することができる。
ステージ5213は、他のウェーハ区域において欠陥を検出する段階を含み、検出するステージは、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答する。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ5213は、欠陥検出モジュール270のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。ステージ5213における欠陥を検出する段階に、様々なステージが先行することができ、特にステージ5213に、ステージ5212のそれぞれの他のウェーハ区域の各々に対するターゲットランタイム変位の計算に基づくステージが先行することができる。必ずしもそうである必要はないが、このようなステージは、変更すべきところは変更し、ステージ5110、5120及び5130に類似している場合がある。
例えば、方法500は、以下のステージを実行する他のウェーハ区域の一部又は全てを含むことができ、以下のステージは、任意的であり、ステージ5212において計算されたランタイム変位値のうちの1つ又はそれよりも多くの助けによってそれぞれの他のウェーハ区域において欠陥を検出するために実施することができる。
・それぞれのランタイムフレームにおいて複数ターゲット対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、それぞれの他のウェーハ区域において走査された複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断するステージ。
・複数データベースターゲットに対して計算されたランタイム変位に基づいて、欠陥を検出するために使用される比較方式を修正するステージ。このような修正する段階は、比較方式を更新する段階を含むことができる。比較方式を修正する段階は、例えば、それぞれの他のウェーハ区域の異なる区域に関係する欠陥検出命令を修正する段階(例えば、C2C比較の代わりにD2D比較を使用する)、及び/又はこのような命令が適用される区域の定義を修正する段階を含むことができる。
・修正比較方式に基づいて、それぞれの他のウェーハ区域の少なくとも一部分の走査画像を基準データと比較するステージ。
上述のように、一部の実施では、ウェーハの区域の一部又は全ての走査は、実質的に互いに平行な細長スライスで実行することができ、細長スライスは、通常交互走査方向に連続的に走査される。スライスは、例えば、図15Aに示すように、複数ダイの一部分を、場合によってはウェーハのダイの列においてダイの全てから含むことができる。スライスの走査は、ウェーハが、スライスの細長軸線に沿って(例えば、Y軸方向に)位置決めされたステージ全体の移動によりウェーハ全体をシフトさせることによって実施することができる。一方向の第1のスライスの走査が終了した状態で、隣接するスライスは、反対方向に走査することができる(例えば、反対方向にステージを移動することによる)。
図4に戻ると、方法500は、交互走査方向に走査されたスライスでのウェーハの走査区域を走査するステージ511(例えば、ステージ510の一部として計算する前に)を含むことができる。走査方向は、互いに対向している(又は実質的に互いに対向している)場合があるが、これは必ずしもそうである必要はない。以下の説明は、スライスが反対方向に走査される状況を意味するが、それは、ウェーハの異なる部分が異なる方向に走査されるあらゆる状況に適用することができる(必要な修正により)。
図16は、本発明の実施形態による交互走査方向のスライス150におけるウェーハ100の走査を示している。符号150(1)で表示したスライスは、第1の方向に(図面の上部から下部に)走査されるが、符号150(2)で表示したスライスは、反対方向に(図面の下部から上部に)走査される。隣接するスライスの走査区域120は、従って、反対方向に走査される(それらの区域の一部は、符号120(1)及び120(2)それぞれとして表示されて強調されている)。
方法500に戻ると、ステージ560の生成は、このような実施では、第1の走査方向に走査された走査フレームのフレーム変位を含む第1の変位マップと、第2の走査方向に走査される走査フレームのフレーム変位を含む第2の変位マップとを生成するステージ562を含むことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ562は、後続処理モジュール220のような処理モジュールによって実施することができる。生成された変位マップの各々は、較正情報に類似している場合があるが、類似の走査方向に走査されたウェーハの区域に関係するに過ぎない。
このような実施形態において、ステージ565を送信する段階は、第1及び第2の変位マップを場合によっては別々のデータ構造として送信する段階を含むことができる。
第2のウェーハ区域(実施する場合は)の解析フレームにおける欠陥に対する欠陥を検出する段階は、走査ウェーハ区域のそれぞれの走査フレームに対して判断された変位に基づくことが上に開示された。しかし、解析フレームが、それぞれの走査フレームが走査されたものと実質的に異なる走査方向に走査される場合、その走査フレームに対して判断された変位情報は、場合によっては同じ方向に走査された隣接するフレームに対して判断された変位よりも精度が低い場合がある。一例として、電子ビーム走査では、各フレームの変位は、走査中に蓄積された電荷に依存する場合があり、2つのフレームが反対方向に走査され、従って、電荷の異なる蓄積後に走査される場合、それらのフレームに対する変位は、異なる場合がある。
図8は、本発明の実施形態による方法500の付加的なステージを示している。図8に示すステージは、任意的であり、そのフレームの少なくとも一部は、ウェーハの走査区域のそれぞれのフレームが走査された方向以外の方向に走査される場合、第2のウェーハ区域において欠陥を検出するために実施することができる。
ターゲットデータベースを生成するステージ560は、走査フレームからの解析フレームに複数ターゲットを含むサブグループのターゲット情報を生成するステージ563を含むことができ、解析フレームは、第1の走査方向に走査される。サブグループのターゲットの各々のターゲット情報は、ターゲット及び位置情報に関連付けられたターゲット画像を含む。
走査区域以外の第2のウェーハ区域の走査を含むステージ570は、解析フレームに対応するフレームを含み、第1の走査方向と反対の第2の走査方向に走査されるフレームを含む第2のウェーハ区域を走査するステージ571を含むことができる。
任意的に、ランタイムフレームの各々における(及び特に解析フレームに対応するフレームにおける)及び対応する走査フレームにおける走査ウェーハ特徴の一部又は全ては実質的に重なる。
このような実施における検索窓の形成には、解析フレームに隣接して第2の走査方向に走査される走査フレームのフレーム変位を平均化することによって平均変位をコンピュータで計算するステージ5300が先行することができる。コンピュータ計算は、第2のウェーハ区域の走査後に実施することができるが(図示のように)、他の実施では、コンピュータ計算は、例えば、ステージ560で生成する段階の一部として予め実行することができる。
検索窓の形成は、サブグループのターゲットに対応する検索窓を形成するステージ581として実施することができ、検索窓の各々を形成する段階は、平均変位に基づいている。
ステージ581の後には、上述のステージ590、5100、5110、5120、5130、及び5140のあらゆる組合せが続くことができる。例えば、ステージ581の後には、対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算する段階と、第2のウェーハ区域において欠陥を検出する段階とが続くことができ、検出する段階は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答する。
上述のシステム200が示されている図2に戻ると、レシピデータベース234は別として、システム200は、レシピを(例えば、ストレージから、外部システムから)取り出すための及び場合によっては同じくレシピに最新情報を送るためのレシピインタフェース238を含むことができる。同じ構成要素234及び238は、コンフィグを取り出し、格納し、及び/又は更新するために使用することができる。別の実施では、他のデータベース及び/又はインタフェースは、コンフィグを取り出し、格納し、及び/又は更新するために使用することができる。レシピ及び/又はコンフィグは、設計データを格納し及び/又は処理するのに使用されるCADサーバ(図17A及び図17Bに示す)のような外部機械から受け取ることができる点に注意すべきである。
システム200の多くの変形及び可能な実施は、方法500の点から見て当業者には明らかになると考えられ、それらの実施の一部のみを以下で明確に説明する。
例えば、後続処理モジュール220は、その後にCAD座標にデータベースターゲットの位置情報を保存するように構成することができることが注目される。
システム200は、走査画像データを受け取るための(例えば、センサ230から、外部センサ又は外部検査システムなどから)入力インタフェース280を含むことができる。入力インタフェース280は、ウェーハ100の走査区域120の走査画像データを受け取るように構成することができる。同様に、センサ230は、ウェーハ100の少なくとも走査区域120を走査するように構成され、対応する走査画像データを提供することができる。
システム200はまた、それが受け取る走査画像データを処理するように構成された画像処理モジュール250を含むことができる。画像処理モジュール250は、走査画像データの画像処理に基づいて、複数ターゲット140の各々に対して画像を選択するように構成することができる。画像処理モジュール250は、選択に基づいて複数画像を保存するように更に構成することができる。任意的に、画像処理モジュール250は、走査画像データの画像処理に基づいて走査フレームを形成するように構成することができる。
後続処理モジュール220は、走査フレームに対して、フレーム130のターゲット140の第1のサブグループのターゲット140に対して判断された変位に基づいてフレーム130に対するX軸変位値を判断し、かつ走査フレーム130の他のターゲット140の第2のサブグループのターゲット140に対して判断された変位に基づいてフレーム130に対してY軸変位値を判断することにより、走査フレーム130のうちの少なくとも1つに対して変位を判断するように構成することができる。必ずしもそうである必要はないが、後続処理モジュール220によるY軸変位値の判断は、第1のサブグループのターゲット140に対して処理モジュール220によって判断された変位に無関係である点に注意すべきである。
入力インタフェース280はまた、実施される場合、走査区域以外の第2のウェーハ区域の走査画像データを受け取るために使用することができる。第2のウェーハ区域は、同じウェーハ100上の別の区域又は別のウェーハ上の区域とすることができる。センサ230は、実施される場合、第2のウェーハ区域を走査するために使用することができる。第2のウェーハ区域が別のウェーハに属する場合、他のウェーハは、その走査前に可動ステージ232上に位置することができる。
本発明の一部の実施形態により、システム200は、相関情報及びターゲットデータベースの生成は別として、欠陥を検出するために使用することができる。
図2Bは、本発明の実施形態によるシステム200を示している。システム200はまた、相関器260を含むことができる。相関器260は、検索窓を形成するように構成することができ、その各々は、データベースターゲットのうちの1つに対応し、検索窓の各々を形成する段階は、対応するターゲットが含まれるそれぞれの走査フレームの判断された変位に基づいている。
相関器260は、対応する検索窓の走査画像の少なくとも一部分に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、複数データベースターゲットに対してランタイム変位を計算するように更に構成することができる。
相関情報に基づく欠陥検出が、システム200に実施される場合、欠陥を検出する段階は、符号20で表示したその欠陥検出モジュールによって実行することができる。欠陥検出モジュール270を使用して、かつ後続処理モジュール220によって生成された情報に基づいて、走査区域120以外のウェーハ区域において同じウェーハ100又は他の1つのウェーハ又は複数ウェーハのいずれかにおいて欠陥を検出することができる。特に、欠陥検出モジュール270は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つの助けによって第2のウェーハ区域において欠陥を検出するように構成することができる。
システム200は、欠陥の少なくとも一部を報告する(例えば、外部システムに、表示ユニットに、人間オペレータに、その他に)ように構成された出力インタフェース(出力インタフェース295又は別の出力インタフェースのいずれであれ)を更に含むことができる。任意的に、その報告する段階は、設計データの座標における欠陥のうちの少なくとも1つの位置情報を報告する段階を含むことができる。
相関器260は、実施される場合、それぞれのランタイムフレームにおいて複数ターゲットに対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、第2のウェーハ区域において走査された複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断するように構成することができ、このような実施における欠陥検出モジュール270は、複数ランタイムフレームのフレームランタイム変位に基づいて比較方式を修正するように更に構成することができる。システム200のこのような実施では、欠陥検出モジュール270は、修正比較方式に基づいて第2のウェーハ区域の少なくとも一部分の走査画像を基準データと比較し、比較の結果に基づいて第2のウェーハ区域において欠陥を検出するように更に構成することができる。
上述のように、一部の実施では、欠陥検出モジュールを使用して、いくつかの他のウェーハ区域(場合によっては複数ウェーハ、例えば、バッチのウェーハの全て)において欠陥を検出することができる。入力インタフェース280は、走査区域以外の一連の複数の他のウェーハ区域の走査画像データを受け取るように構成することができる(及び/又はセンサ230は、走査してそれに応じて生成するように構成することができる)。以下の説明では、この一連は第2のウェーハ区域を含み、他のウェーハ区域の各々は、同じウェーハの異なるダイを網羅することが仮定される。しかし、上述のように、これは必ずしもそうである必要はない。
このような実施では、相関器260は、第2の走査区域以外の他のウェーハ区域の各々に対して以下のアクションを実施するように構成することができる。
・データベースターゲットの少なくとも一部を含むサブグループに対応する検索窓を形成し、検索窓の各々を形成する段階は、一連の以前のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいており、検索窓のうちの少なくとも1つのサイズは、第2のウェーハ区域において対応するターゲットのように形成された検索窓のサイズよりも小さく、かつ
・対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算する。
このような実施における欠陥検出モジュール270は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答して他のウェーハ区域において欠陥を検出するように構成することができる。
図16の例を参照すると、ウェーハの走査は、実質的に反対方向のスライスにおいて実行することができることが注目される。入力インタフェース280は、交互走査方向に走査されたスライスにおいて走査されたウェーハ100の走査区域120、並びにその1つのウェーハの又は他の複数のウェーハの他の区域の走査の走査結果を受け取るために使用することができる。センサ230は、実施される場合、交互走査方向に走査されたスライスにおいてウェーハ100の走査区域120、並びにその1つのウェーハの又は他の複数のウェーハの他の区域を走査し、それぞれの走査結果を提供するように(例えば、入力インタフェース280を通じて)構成することができる。
後続処理モジュール220は、場合によっては、較正情報の一部として、第1の走査方向に走査された走査フレームのフレーム変位を含む第1の変位マップと、第2の走査方向に走査される走査フレームのフレーム変位を含む第2の変位マップとを生成するように構成することができる。
同様に、後続処理モジュール220は、ターゲットデータベースの一部として、走査フレームからの解析フレームに複数ターゲットを含むサブグループのターゲット情報を生成するように構成することができ、解析フレームは、第1の方向に走査され、サブグループのターゲットの各々のターゲット情報は、ターゲット及び位置情報に関連付けられたターゲット画像を含む。
同じ例を続けると、入力インタフェース280は、走査区域以外の第2のウェーハ区域の走査画像データを受け取るように構成することができ、第2のウェーハ区域は、解析フレームに対応するフレームを含み、第1の走査方向と反対の第2の走査方向に走査され、相関器260は、このような実施では、(a)解析フレームに隣接して第2の走査方向に走査される走査フレームのフレーム変位を平均化することによって平均変位をコンピュータで計算し、(b)サブグループのターゲットに対応する検索窓を形成し、検索窓の各々を形成する段階が平均変位に基づいており、かつ(c)対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算するように構成することができる。欠陥検出モジュール270は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答して第2のウェーハ区域において欠陥を検出するように構成することができる。
システム200は、単一システムとして説明するが、システム200は、互いに通信する2つ又はそれよりも多くのシステムに実施することができる点に注意すべきである。例えば、それは、検査機械及びCADサーバとして実施することができ、CADサーバは、設計データを格納して処理する。図17A及び図17Bは、互いに通信する(直接に又は間接的のいずれかで)検査機械2100及びCADサーバ2200として実施システム200の2つの実施を示している。明確にするために、システム200の様々な実施に関して上述した機能性及び構成要素の全てが、図17A及び図17Bで表されているとは限らない点に注意すべきである。
システム200は、ウェーハの走査のために、及び特に走査区域120かつ例えば同じ機械によって走査された場合に他の一連の区域のためにも使用されるレシピを判断する(及び場合によっては後で更新する)ように構成されたレシピ発生器2210を含むことができる。
CADサーバ2200の通信モジュール2220を使用して、生成したレシピを検査機械2100に移出することができ、検査機械2100は、その通信モジュール2120を使用してレシピを移入する。CADサーバ2200から検査機械2100へのレシピの送信を含む送信は、以下の情報の一部又はそれよりも多くの送信を含むことができる。
・各ダイの異なる部分に異なる比較技術が割り当てられた比較方式(「レイアウト」又は「ダイレイアウト」とも呼ばれる)。
・ウェーハレイアウト(これは、ウェーハ上の異なるダイのサイズ及びウェーハに対するそれらの位置を示す)。
・ウェーハのグローバルアラインメントに対する粗いアラインメントターゲット。
アラインメントモジュール236、並びに画像処理モジュール250は、検査機械の一部として実施することができ、例えば、設計データから粗いアンカー点に基づくアラインメントを使用してウェーハ100を整列させることができる。このような実施における画像処理モジュール250は、選択されたターゲット(例えば、画像及び位置)に関する情報をCADサーバ2200の設計データ処理モジュール2250に提供すると考えられ、CADサーバ2200は、検査システム2100によって選択されたターゲット画像に対応する設計データ画像を抽出すると考えられる。設計データ処理モジュール2250は、ターゲット画像との相関を可能にするために、ベクトル設計データからグレースケール強度画像フォーマットにそれらの画像を生成するように構成することができることが注目される。設計データ処理モジュール2250は、比較的小さな区域(「CADクリップ」とも呼ばれる)に関係する変位解析モジュール設計データを送信するように構成することができる。
図17A及び図17Bに示す2つの実施の間の有意な差は、変位解析モジュール210の位置であり、図17Aの実施では、それは、検査機械2100に位置するが、図17Bの実施では、それは、CADサーバ2200に位置する。
システム200を実施する方法に関係なく、システム200は、通常、取りわけデータを処理することができる1つ又はそれよりも多くの構成要素を含むと考えられる。例えば、変位解析モジュール210及び後続処理モジュール220の両方は、データを処理することができる。データ処理が可能な全てのこのようなユニットは、ハードウエア、ソフトウエア、又はファームウエア、又はあらゆるそれらの組合せに実施することができる。一部の実施では、このような処理機能は、汎用のプロセッサによって実行される専用ソフトウエアによって実施することができるが、本発明の他の実施は、特に、データの処理の容量及び速度が絶対不可欠な時には、専用ハードウエア又はファームウエアの利用を必要とする場合がある。
システム200に戻ると、本発明によるシステムは、適切にプログラムされたコンピュータとすることができることも理解されるであろう。同様に、本発明は、本発明の方法を実行するためのコンピュータによって可読であるコンピュータプログラムを考えている。本発明は、本発明の方法を実行するために機械によって実行可能な命令のプログラムを有形に具現化する機械可読メモリを更に考えている。
方法500に戻ると、方法500は、コンピュータ化方法であるので、命令のプログラムを実施することができ、これは、1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行する時に、方法500の上述の変形のうちの1つを実行することが注目される。
命令は、たとえこのような命令を含めることが明確に詳しく示されなかった場合でも、方法500のステージの一部又は全てを実行するための命令のプログラムに(上記で示唆された全ての可能な組合せに)含めることができることは当業者には明らかであると考えられる。
図18を参照すると、これは、本発明の実施形態による少なくとも1つのウェーハの位置ベースのウェーハ解析のためのコンピュータ化方法600を示している。以下の図面で図示の例を参照すると、方法600は、システム300のようなシステムによって実施することができる。必ずしもそうである必要はないが、システム300の作動の処理は、方法600のステージの一部又は全てに対応することができる。同様に、方法600及びその可能な実施は、場合によってはシステム300のようなシステムによって実施することができる。従って、方法600に関して説明する本発明の実施形態はまた、変更すべきところは変更し、システム300の様々な実施形態としてハードウエアに対応するもので実施することができることが注目され、逆も同じである。
方法500のそれぞれのステージ又はそれ以外の方法のいずれかにより較正情報及びターゲットデータベースが生成された状態で、欠陥を検出するこのデータの利用は、必ずしもこの情報を生成する処理に依存するとは限らないことは当業者には明らかであろう。例えば、フレーム変位を含む較正情報、並びにターゲット画像及び位置情報を含むターゲットデータベースは、場合によっては設計データと画像データとの間で相関することなく生成することができる。
方法600は、図5、図6、図7、及び図8に示す処理に類似すると考えることができる処理を開示するが、これは、較正情報及びターゲットデータベースを実施する方法には関係ない。説明を明確にするために、同様の付番が方法600の開示において使用され、各ステージの数の最初の桁は、5から6に変わる。すなわち、ステージ670は、ステージ570に類似する(しかし、必ずしも同一又は関係するとは限らない)などである。従って、開示の明確化及び簡略化のために、方法500及びその異なるステージに関係する異なる変形、実施、及び考察の一部は、必ずしも明確に完全に繰り返されるとは限らない。すなわち、方法600及びその様々なステージの各々は、たとえ明確に詳しく示されずとも、方法500の数値的に対応するステージに関して説明する変形に実施することができる。
方法600は、(a)基準ウェーハのウェーハ区域に含まれる複数フレームの変位を含む較正情報と、(b)複数フレームの各々における複数ターゲットからの各々に対するターゲット画像及び位置情報を含むターゲットデータベースとを取得するステージ601から始めることができる。以下の図面で図示の例を参照すると、ステージ601は、較正データ入力インタフェース301によって実施することができる。ステージ601には、それに対応する方法500の単一ステージがなく、その一部の実施では、取得する段階は、方法500のステージ510から560の一部又は全てを実行する段階を含むことができる。
必ずしもそうである必要はないが、複数フレームの変位を取得する段階は、それを含む較正情報を取得する段階の一部とすることができる。特に、この取得する段階は、方法500に対して指定された較正情報を取得する段階を含むことができる。例えば、取得する段階は、システム200のようなシステムに対して変位を取得する段階を含むことができる。
必ずしもそうである必要はないが、ターゲットの位置情報を取得する段階は、コンピュータ支援設計(CAD)座標において位置情報を取得する段階を含むことができる。
取得する段階は、方法600を実行するデータベースから、別の機械から、及び/又は同じ機械から変位及び/又はターゲットデータベースを取得する段階を含むことができる。変位及び/又はターゲットデータベースを受け取る機械は、システム200のようなシステムとすることができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、変位及び/又はターゲットデータベースは、方法500の処理と異なる処理で生成することができる。しかし、一例では、変位の生成は、あらゆる画像データを設計データに関連付けることに基づくのではなく、むしろ走査画像データを高解像度の基準画像データと比較することに基づく場合がある。
上述のように、方法600は、少なくとも1つのウェーハの位置ベースのウェーハ解析のためのコンピュータ化方法である。ステージ601の基準ウェーハ(これは、任意的に同じくデータベースのターゲット画像が撮像されるウェーハである)は、方法600で解析された1つ又はそれよりも多くのウェーハのうちの1つとすることができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、方法600は、基準ウェーハ以外の1つ又はそれよりも多くのウェーハの解析を含むことができる。
方法600は、被検査ウェーハ(これは、上述のように基準ウェーハ又は別のウェーハのいずれかとすることができる)の被検査区域を走査するステージ670を継続する。ステージ670の走査は、被検査区域の走査画像を提供する。
以下の図面で強調された例を参照すると、ステージ670は、センサ330によって実施することができる。走査は、光センサ、電子ビームセンサ、及びその他のようなあらゆるタイプの好ましいセンサによって実施することができる。
方法600のステージ680は、検索窓を形成する段階を含み、それらの各々は、データベースのターゲットのうちの1つに対応し、検索窓の各々を形成する段階は、対応するターゲットが含まれるそれぞれのフレームの変位(ステージ601で得られる変位)に基づいている。以下の図面で図示の例を参照すると、方法680は、相関器360のような相関器によって実施することができる。検索窓は、ステージ670で得られる被検査区域の走査画像データに対して形成することができる。
方法600のステージ6100は、対応する検索窓の走査画像の少なくとも一部分に対するそれぞれのターゲットのターゲット画像の相関に基づいて、ターゲットの各々に対してランタイム変位を計算する段階を含む。以下の図面で強調された例を参照すると、方法6100は、相関器360のような相関器によって実施することができる。
ステージ680及び6100により(及び場合によっては690も)、方法600は、以下のアクション、すなわち、(a)ターゲットが含まれるフレームの変位に基づいて対応する検索窓を形成する段階と、(b)対応する検索窓によって形成された走査画像の区域の少なくとも一部分に対するターゲットのターゲット画像の相関に基づいてターゲットに対してランタイム変位を計算する段階とをデータベースの複数ターゲットからの各々に対して実施する段階を含む。
対応するステージ5100のように、ステージ6100には、複数ターゲット画像の各々を対応する検索窓の走査画像(ステージ670の走査で得られる走査画像)の少なくとも一部分に関連付ける段階を含むステージ690が先行することができる。以下の図面で図示の例を参照すると、ステージ690は、相関器360のような相関器によって実施することができる。
以下でより詳細に説明するように、方法600の任意的なステージ6140は、被検査区域において欠陥を検出する段階を含み、検出する段階は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つの助けによって(及び場合によってはそれらの全ての助けにより)提供される。以下の図面で図示の例を参照すると、ステージ6140は、プロセッサ390のようなプロセッサにより、特に、欠陥検出モジュール370のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。
方法600は、検出段階の後に欠陥を報告するステージを更に含むことができる。任意的に、この報告する段階は、設計データの座標において(例えば、マイクロメートルのようなCAD座標において)欠陥のうちの少なくとも1つ(及び場合によってはそれらの全て)の位置情報を報告する段階を含むことができる。ステージ6140の判断する段階は、設計データの座標において(例えば、CAD座標において)位置を欠陥検出の各々に対して判断する段階を含むことができる点に注意すべきである。
ランタイム変位のうちの少なくとも1つへのその依存性以外の欠陥を検出する段階は、欠陥検出の公知の実施に類似している場合がある。例えば、ステージ6140において欠陥を検出する段階は、第2のウェーハ区域の走査画像と基準データとの間で比較する段階を含むことができる。このような基準データは、ダイツーデータバース(D2DB)欠陥検出技術において設計データ(例えば、CADデータ)とすることができ、ダイ間(D2D)又はセル間(C2C)欠陥検出技術においてウェーハの他の部分の走査画像データとすることができる。このような他の部分は、第2のウェーハ区域又はウェーハの他の区域に属することができる。
更に、第2のウェーハ区域の一部の部分における欠陥が、D2DB検出を使用して検出することができ、一方、第2のウェーハ区域の他の部分における欠陥が、D2D及び/又はC2C検出を使用して検出することができるいくつかのこのような技術を実施することができる。
どの比較技術(例えば、D2DB、D2D、C2C)が第2のウェーハ区域の各区域で(及び場合によってはウェーハの他の区域で)使用されることになるかに関する決断は、各ダイの異なる部分に異なる比較技術が割り当てられる所定の比較方式に基づく場合がある。
ステージ6140の欠陥検出をステージ5100で計算されたランタイム変位のうちの1つ又はそれよりも多くの助けによって実行することができる方式の一部は、図19に関して詳述されている。
図19は、本発明の実施形態による方法600の付加的なステージを示している。図19に示すステージは、任意的であり、ステージ6100で計算されたランタイム変位値のうちの1つ又はそれよりも多くの助けによって被検査区域において欠陥を検出するために実施することができる。
方法600は、それぞれのランタイムフレームの複数ターゲットに対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、第2のウェーハ区域において走査された複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断するステージ6110を含むことができる。
ステージ6110におけるフレームランタイム変位の判断は、方法500のステージ550におけるフレーム変位の判断と同様に実施することができるが(これに対して、実施の一部の例が示されている)、これは必ずしもそうである必要はない。
フレームランタイム変位は、被検査区域においてフレームの全てに対してステージ6110において判断することができるが、必ずしもそうである必要はない。同様に、フレームランタイム変位は、ステージ650の複数走査フレームに対応するフレームの全てに対してステージ6110において判断することができるが、これは必ずしもそうである必要はない。
ランタイムフレーム変位は、本発明の少なくとも一部の実施において物理的意味を有することができるが、これは必ずしもそうである必要はなく、他の実施では、その意味は、それぞれのターゲットに対して計算されたランタイム変位に基づく(しかし、必ずしもこれにのみ基づくものではない)計算の結果として単に定められる想像上の構成と同じである可能性があるに過ぎない。
方法600は、フレームランタイム変位のうちの少なくとも1つの助けによって被検査ウェーハに対する検査結果を提供するステージ6150を含むことができる。これは、中間段階としてステージ6140(及び場合によってはステージ6120及び6130のような他のステージも)を実行することによって容易にすることができるが、これは必ずしもそうである必要はない。任意的に、ステージ6150を提供する段階は、ステージ6140の欠陥検出の結果の一部又は全てを提供する段階を含むことができる。以前の図面に対して図示の例を参照すると、ステージ6150は、プロセッサ390のようなプロセッサによって実施することができる。
欠陥検出は別として、フレームランタイム変位はまた、被検査区域又はその部分の走査の精度の改善のような他の用途に利用することができる。例えば、被検査区域を走査する段階は、別のランタイムフレームに対して判断されたフレームランタイム変位に基づいてランタイムフレームのうちの少なくとも1つの走査の位置精度を改善する段階を含むことができる。これは、例えば、以前のフレームのランタイム変位に基づいて、所定のフレーム(又はその一部)の走査に使用される電子ビームの方向を補正することによって実施することができる。同様に、精度の改善は、以前のフレームのランタイム変位に基づいて所定のフレーム(又はその一部)の走査中にカメラ、センサ、又はウェーハを置くステージの方向及び/又は位置を補正することによって実施することができる。
方法600は、比較方式を修正するステージ6120を含むことができ、比較方式は、複数データベースターゲットに対して計算されたランタイム変位に基づいて欠陥を検出するために使用される。ステージ6120を修正する段階は、比較方式を更新する段階を含むことができる。一部の実施では、ステージ6100は、ステージ6100の計算に基づいて、ステージ6110(フレームランタイム変位を判断する段階)の中間計算に更に基づいて実行することができる。他の実施では、ステージ6110の計算以外の計算は、ステージ6120において更新するために使用することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ6120は、プロセッサ390のようなプロセッサにより、特に、欠陥検出モジュール370のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。
本発明の実施形態により、ステージ6120は、複数ランタイムフレームのフレームランタイム変位に基づいて比較方式を修正するステージ6121を含むことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ6121は、プロセッサ390のようなプロセッサにより、特に、欠陥検出モジュール270のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。
比較方式を修正する段階は、例えば、被検査区域の異なる区域に関係する欠陥検出命令を修正する段階(例えば、C2C比較の代わりにD2D比較を使用する)、及び/又はこのような命令が適用される区域の定義を修正する段階を含むことができる。このような区域の境界の再定義は、予めステージ6110及び/又は6120においてコンピュータで計算されたランタイム変位に基づく場合がある。
比較方式に含めることができる他のパラメータは、例えば、一部の区域において欠陥を招かない(例えば、「基準画像と比較しない」)命令、及び欠陥と見なすもの(例えば、閾値レベル)を示す感度レベル指標である。
方法600は、修正比較方式に基づいて、被検査区域の少なくとも一部分の走査画像を基準データと比較するステージ6130を更に含むことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ6130は、プロセッサ390のようなプロセッサにより、特に、欠陥検出モジュール370のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。このような実施では、ステージ6140における欠陥を検出する段階は、ステージ6130の比較の結果に基づく場合がある。
上述のように、図18及び図19に示すステージ670から6140の一部又は全ては、Nの異なるウェーハ区域に対して繰り返すことができる(これは、「×N倍」表示によって示されている)。それらのNの異なるウェーハ区域は、単一ウェーハ又は1つよりも多くのウェーハにすることができる。一部の実施では、それらのNの異なるウェーハ区域の各々における欠陥検出の処理は、ステージ601で得られる較正情報に直接基づく(基準ウェーハのデータに基づく)場合がある。しかし、他の実施では、それらのNの異なるウェーハ区域の一部における欠陥検出の処理は、予め処理したウェーハ区域に対して予め実施された較正処理に基づく場合がある。例えば、ウェーハのスライスの所定のダイにおける欠陥を検出する段階は、そのウェーハの同じスライスの予め処理されたダイに使用された変位及び/又は較正計算に基づく場合がある。
図20は、本発明の実施形態による方法600の付加的なステージを示している。図20に示すステージは、任意的であり、一連の別の区域に対してコンピュータで計算されたランタイム変位値の助けによって一連の被検査ウェーハ区域の各ウェーハ区域において(1つ又はそれよりも多くのウェーハにおいて)欠陥を検出するために実施することができる。図20に示すステージの各々は、実施される場合、ステージ601が完全に実行された後に実施される。
任意的なステージ6200は、一連の複数の被検査ウェーハ区域を含み、それらの各々は、同じウェーハの異なるダイ(ダイ全体、又はその一部分)を網羅する。一連の他のウェーハ区域は、例えば、スライスの中のダイ区域の全てを含むことができ、各ダイ区域は、単一ダイからの区域を網羅する(必ずしもその全部ではないが)。
図15A及び図15Bの例を参照すると、一連の灰色走査区域120(灰色区域として示す)は、ウェーハ10の単一列のダイ110の各々において単一スライス150の一部分を含む。以前の図に関して説明した方法600のステージを参照すると、ステージ6200は、異なる被検査区域に対して実行されたステージ670の複数の事例を含むことができることが注目される。特に、一連の他のウェーハ区域は、上述の被検査区域を含むことができる。
ステージ6200の後には、実施される場合、ステージ6210が続くことができ、そこで、一連の第1の被検査区域以外の被検査区域の各々に対して、以下のステージ6211、6212、及び6213が実施される。
ステージ6211は、データベースターゲットの少なくとも一部を含むサブグループに対応する検索窓を形成する段階を含み、検索窓の各々を形成する段階は、一連の以前の被検査ウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいている。例えば、第3のウェーハ区域のサブグループのための検索窓は、被検査区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて形成することができ、第6のウェーハ区域のサブグループのための検索窓は、第5のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて(しかし、他の実施では、追加的又は代替的のいずれかで、同じく第2及び/又は第3のウェーハ区域のような一連の別の1つ又はそれよりも多くの以前のウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて)形成することができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ6211は、相関器360のような相関器によって実施することができる。ステージ6211の検索窓は、サブグループのそれらのものは別として、データベースターゲットの他のターゲットに対して形成することができる点に注意すべきである。
それぞれのウェーハ区域が1つよりも多くのフレームを含む場合、検索窓は、対応するターゲットが含まれるフレームに対して以前の被検査ウェーハ区域において判断されたフレームランタイム変位に基づいて形成することができる。
一連の各被検査区域(第1を除いて)に対して、検索窓は、一連の以前の被検査ウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいて形成されるので、1つの被検査区域に対して判断される変位値を使用してターゲットの推定位置を改良し、それによって場合によってはターゲット位置の変位誤差を低減する。変位誤差は、補正なしに可能であると考えられるものよりも小さくなる場合があるので、検索窓のサイズは、縮小することができる。
例えば、上述の例における場合、100×100の検索窓は、32×32ピクセルの大きさのターゲットに対する第1の被検査区域に対して形成され(ステージ680において)、更に小さい窓は、場合によっては一連の連続被検査ウェーハ区域に対して形成することができる。本発明の実施形態により、サブグループターゲットに対して形成された検索窓のうちの少なくとも1つのサイズは、第1の被検査区域における対応するターゲットに対して形成された検索窓のサイズよりも小さい。ステージ6211で使用するターゲットのサブグループは、一連の異なるウェーハ区域の間で異なる場合がある点に注意すべきである。
ステージ6212は、対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算する段階を含む。必ずしもそうである必要はないが、ステージ6212におけるターゲット変位の計算は、ステージ6100の計算と同様に実施することができる。例えば、それは、サブグループのターゲットの各々のターゲット画像を対応する検索窓の走査画像の少なくとも一部分に関連付ける段階を含む(又はそれが先行する)ことができる。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ6212は、相関器360のような相関器によって実施することができる。
ステージ6213は、一連のその被検査ウェーハ区域において欠陥を検出する段階を含み、検出する段階は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答する。以前の図面で図示の例を参照すると、ステージ6213は、プロセッサ390のようなプロセッサにより、特に、欠陥検出モジュール370のような欠陥検出モジュールによって実施することができる。ステージ6213における欠陥を検出する段階には、様々なステージが先行することができ、特に、ステージ6213には、ステージ6212のそれぞれのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位の計算に基づくステージが先行することができる。必ずしもそうである必要はないが、このようなステージは、変更すべきところは変更し、ステージ6110、6120及び6130に類似している場合がある。
例えば、方法600は、以下のステージを実行する一連の被検査ウェーハ区域の一部又は全てを含むことができるが、以下のステージは、任意的であり、ステージ6212において計算されたランタイム変位値のうちの1つ又はそれよりも多くの助けによってそれぞれの他のウェーハ区域において欠陥を検出するために実施することができる。
・それぞれのランタイムフレームにおいて複数ターゲット対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、それぞれの被検査ウェーハ区域において走査された複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断するステージ。
・複数データベースターゲットに対して計算されたランタイム変位に基づいて、欠陥を検出するために使用される比較方式を修正するステージ。このような修正する段階は、比較方式を更新する段階を含むことができる。比較方式を修正する段階は、例えば、それぞれの被検査ウェーハ区域の異なる区域に関係する欠陥検出命令を修正する段階(例えば、C2C比較の代わりにD2D比較を使用する)、及び/又はこのような命令が適用される区域の定義を修正する段階を含むことができる。
・修正比較方式に基づいて、それぞれの被検査ウェーハ区域の少なくとも一部分の走査画像を基準データと比較するステージ。
比較方式(例えば、検査レイアウト)を参照すると、第1のダイに所属する所定の被検査ウェーハ区域をたとえダイ間欠陥検出に対して別のダイの対応する区域(例えば、一連の先行する他のウェーハ区域)と比較する必要がない場合でも、被検査ウェーハ区域は、任意的に、位置情報を更新するために依然としてこのような対応する区域と比較することができる点に注意すべきである。
上述のように、一部の実施では、ウェーハの区域の一部又は全ての走査は、実質的に互いに平行な細長スライスで実行することができ、細長スライスは、通常交互走査方向に連続的に走査される。スライスは、例えば、図15Aに示すように、複数ダイの各部分及び場合によってはウェーハのダイの列におけるダイの全てからを含むことができる。スライスの走査は、ウェーハがスライスの細長軸線に沿って(例えば、Y軸方向)位置決めされたステージ全体の移動によりウェーハ全体をシフトさせることによって実施することができる。一方向の第1のスライスの走査が終了した状態で、隣接するスライスは、反対方向に走査することができる(例えば、反対方向にステージを移動することによる)。
図21は、本発明の実施形態による方法600の付加的なステージを示している。図21に示すステージは、任意的であり、そのフレームの少なくとも一部は、ウェーハの走査区域のそれぞれのフレームが走査された方向以外の方向に走査される場合、被検査区域において欠陥を検出するために実施することができる。
ステージ601は、第1の走査方向に走査されたフレームの変位と第1の走査方向以外の第2の走査方向に走査されたフレームの変位とを取得するステージ602を含むことができる。第1の走査方向に走査されたフレームの変位は、第1の変位マップにおいて取得することができ、第2の走査方向に走査されたフレームの変位は、第2の変位マップにおいて取得することができる。生成された変位マップの各々は、較正情報に類似している場合があるが、類似の走査方向に走査されたウェーハの区域に関係するに過ぎない。
走査方向は、互いに対向している(又は実質的に互いに対向している)場合があるが、これは必ずしもそうである必要はない。以下の説明は、スライスが反対方向に走査される状況を意味するが、これは、ウェーハの異なる部分が反対方向に走査されるあらゆる状況に適用することができる(必要な修正により)。
上述のように、図16は、本発明の実施形態による交互走査方向のスライス150のウェーハ100の走査を示している。符号150(1)で表示したスライスは、第1の方向に(図面の上部から下部に)走査されるが、符号150(2)で表示したスライスは、反対方向に(図面の下部から上部に)走査される。
ステージ601はまた、解析フレームのターゲットのターゲット情報を取得するステージ603を含むことができ、ターゲット情報は、第1の走査方向の解析フレームの走査の結果に基づいている。
被検査区域の走査を含むステージ670は、解析フレームに対応するフレームを含んで第1の走査方向と反対の第2の走査方向に走査される被検査区域を走査するステージ671を含むことができる。任意的に、ランタイムフレームの各々における(及び特に解析フレームに対応するフレームにおける)及び対応する走査フレームにおける走査ウェーハ特徴の一部又は全ては実質的に重なる。
このような実施における検索窓の形成には、解析フレームに隣接して第2の走査方向に走査される走査フレームのフレーム変位を平均化することによって平均変位をコンピュータで計算するステージ6300が先行することができる。コンピュータ計算は、被検査区域の走査後に実施することができ(図示のように)、他の実施では、コンピュータ計算は、例えば、ステージ660で生成の一部として予め実行することができる。
検索窓の形成は、サブグループのターゲットに対応する検索窓を形成するステージ681として実施することができ、検索窓の各々を形成する段階は、平均変位に基づいている。
ステージ681の後には、上述のステージ690、6100、6110、6120、6130、及び6140のあらゆる組合せが続くことができる。例えば、ステージ681の後には、対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算する段階と、被検査区域において欠陥を検出する段階とが続くことができ、検出する段階は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答する。
図22は、本発明の実施形態による位置ベースのウェーハ解析のためのシステム300を示している。システム300は、ウェーハを検査するのに使用される検査機械と組み合わせることができ(例えば、その製造の異なるステージ中に)又はこのような機械に接続することができるが、これは必ずしもそうである必要はない。同様に、システム300は、以下に説明する修正及び/又は特徴の一部又は全てが一体化されている検査機械とすることができる。
当業者には明らかなように、用語「ウェーハ」を使用する場合はいつでも、類似の技術、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品をウェーハの製造に使用される光マスクに実施することができる点に注意すべきである。
システム300及びその様々な構成要素の作動は、作動の処理の点から見てより良く理解することができる。必ずしもそうである必要はないが、システム300の作動の処理は、方法600のステージの一部又は全てに対応することができる。同様に、方法600及びその可能な実施は、場合によってはシステム300のようなシステムによって実施することができる。従って、方法600に関して説明した本発明の実施形態はまた、変更すべきところは変更し、システム300の様々な実施形態としてハードウエアに対応するものに実施することができ、逆も同じであることが注目される。
システム300は、システム200の構成要素の一部に類似すると考えることができる構成要素を含み、これは、較正情報及びターゲットデータベースを実施又は生成する方法に関係なく作動する。説明を明確にするために、類似の付番は、システムの開示において使用され、各構成要素の数の最初の桁は、2から3に変わる。すなわち、構成要素360は、構成要素250に類似する(しかし、必ずしも同一又は関係しているわけではない)などである。従って、開示の明確化及び簡略化のために、システム200及びその異なる構成要素に関係する異なる変形、実施、及び考察の一部は、必ずしも明確に完全に繰り返されるとは限らない。すなわち、方法300及びその様々な構成要素の各々は、たとえ明確に詳しく示されずとも、システム200の数値的に対応する構成要素に関して説明する変形に実施することができる。
方法300は、較正データ入力インタフェース301(システム300の関連では「第1の入力インタフェース」とも呼ばれる)を含み、これは、(a)基準ウェーハのウェーハ区域に含まれる複数のフレームの一部又は全てから構成することができる複数フレームの少なくとも変位を含む較正情報と、(b)複数フレームの各々における複数ターゲットからの各々に対するターゲット画像及び位置情報を含むターゲットデータベースとを取得するように構成される。
システム300は、走査画像データ入力インタフェース302(システム300の関連では「第2の入力インタフェース」とも呼ばれる)を更に含み、これは、被検査ウェーハの被検査区域の走査の走査画像データを取得するように構成される。必ずしもそうである必要はないが、入力インタフェース302は、入力インタフェース280に類似している場合があり、及び/又は入力インタフェース280に類似している入力インタフェース380と組み合わせることができる。
システム300の相関器360は、(a)ターゲットが含まれるフレームの変位に基づいて、検索窓をデータベースの複数ターゲットからの各々に対して形成し、(b)対応する検索窓によって形成された走査画像の区域の少なくとも一部分に対するターゲットのターゲット画像の相関に基づいて、ランタイム変位を複数ターゲットからの各々に対して計算し、かつ(c)それぞれのランタイムフレームにおいて複数ターゲットに対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、走査された複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断するように構成される。
システム300は、プロセッサ390を更に含み、プロセッサ390は、フレームランタイム変位のうちの少なくとも1つの助けによって被検査ウェーハに対する検査結果を生成するように構成される。プロセッサ390は、検査結果を利用し、及び/又はそれらを別の構成要素及び/又は外部システム(例えば、別のプロセッサ、データストレージ装置、及びディスプレイなど)に提供することができる。
システム300は、被検査区域において欠陥を検出するように構成された欠陥検出モジュール370を含むことができ、検出する段階は、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つの助けによって提供される。本発明のこのような実施形態により、プロセッサ390は、検出された欠陥に応答して検査結果を生成するように構成することができる。
相関器360及び欠陥検出モジュール370の各々は、他のモジュールのそれらのものとは無関係又はそれと共有するかのいずれかで、1つ又はそれよりも多くのハードウエアプロセッサによって実施することができる。それらのモジュールはまた、ソフトウエア処理モジュール及び/又はファームウエア処理モジュールを含むことができる。例えば、それらのモジュールの一部又は全ては、ハードウエアプロセッサ390上に実施することができる。
較正データ入力インタフェース301は、コンピュータ支援設計(CAD)座標において位置情報を取得するように構成することができる。
欠陥検出モジュール370は、検出された欠陥を報告し、CAD座標における欠陥のうちの少なくとも1つの位置情報を報告するように構成することができる。
相関器360は、(a)それぞれのランタイムフレームの複数ターゲットに対して判断されたターゲットランタイム変位に基づいて、複数ランタイムフレームの各々に対してフレームランタイム変位を判断し、場合によっては同じく(b)複数ランタイムフレームのフレームランタイム変位に基づいて比較方式を修正し、かつ(c)修正比較方式に基づいて、走査で得られる画像を基準データと比較するように構成することができ、欠陥検出モジュールは、比較の結果に基づいて欠陥を検出するように構成される。
走査画像データ入力インタフェース302は、一連の被検査ウェーハ区域の走査画像データを受け取るように構成することができ、被検査ウェーハ区域の各々は、異なるダイを網羅し、相関器360は、第1以外の他のウェーハ区域の各々に対して以下のアクションを実施するように構成することができ、すなわち、それらは、、(a)データベースターゲットの少なくとも一部を含むサブグループに対応する検索窓を形成し、検索窓の各々を形成する段階が、一連の以前の被検査ウェーハ区域に対して判断されたフレームランタイム変位に基づいており、検索窓のうちの少なくとも1つのサイズが、検索区域において対応するターゲットに対して形成された検索窓のサイズよりも小さく、(b)対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、サブグループのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算し、かつ(c)被検査ウェーハ区域において欠陥を検出し、検出する段階が、ターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答することである。
較正データ入力インタフェース301は、(a)第1の走査方向に走査されたフレームの変位と、(b)第1の走査方向以外の第2の走査方向に走査されたフレームの変位と、(c)解析フレームのターゲットのターゲット情報とを取得するように構成することができ、ターゲット情報は、第1の走査方向に解析フレームの走査の結果に基づいている。走査画像データ入力インタフェース302は、解析フレームに対応して第2の走査方向に走査された被検査区域内に含まれるフレームの走査画像データを取得するように構成することができる。
このような実施では、相関器360は、(a)解析フレームに隣接して含まれるターゲットに関するそのターゲット情報が第2の走査方向の走査の結果に基づいているフレームの得られるフレーム変位を平均化することによって平均変位をコンピュータで計算し、(b)解析フレームのターゲットに対応する検索窓を形成し、検索窓の各々を形成する段階が、平均変位に基づいており、かつ(c)対応する検索窓の走査画像に対するそれぞれのターゲット画像の相関に基づいて、解析フレームのターゲットの各々に対するターゲットランタイム変位を計算し、欠陥検出モジュール370をターゲットランタイム変位のうちの少なくとも1つに応答して欠陥を検出するように構成することができるように更に構成することができる。
走査画像データ入力インタフェース302は、システム300の一部であるセンサ330から走査画像データを受け取ることができることが注目される。センサ330は、実施される場合、被検査区域を含む被検査ウェーハの1つ又はそれよりも多くの区域を走査するように構成することができる。
システム300は、プロセッサ(これは、プロセッサ390又は別のプロセッサとすることができる)を含むことができ、プロセッサは、別のランタイムフレームに対して判断されたフレームランタイム変位に基づいてランタイムフレームのうちの少なくとも1つの走査の位置精度を改善するように構成される(例えば、センサ330により、又は外部センサにより)。例えば、このようなプロセッサは、以前のフレームのランタイム変位に基づいて、所定のランタイムフレームの走査に使用される電子ビームの方向(又は他のパラメータ)を修正するための命令を生成するように構成することができる。
システム300を実施する方法に関係なく、システム300は、通常、取りわけデータを処理することができる1つ又はそれよりも多くの構成要素を含むと考えられる。例えば、相関器360及び欠陥検出モジュール370の両方は、データを処理することができる。データ処理が可能な全てのこのようなユニットは、ハードウエア、ソフトウエア、又はファームウエア、又はあらゆるそれらの組合せに実施することができる。一部の実施では、このような処理機能は、汎用のプロセッサによって実行される専用ソフトウエアによって実施することができるが、本発明の他の実施は、特に、データの処理の容量及び速度が絶対不可欠な時には専用ハードウエア又はファームウエアの利用を必要とする場合がある。
システム300に戻ると、本発明によるシステムは、適切にプログラムされたコンピュータとすることができることも理解されるであろう。同様に、本発明は、本発明の方法を実行するためのコンピュータによって可読であるコンピュータプログラムを考えている。本発明は、本発明の方法を実行するために機械によって実行可能な命令のプログラムを有形に具現化する機械可読メモリを更に考えている。
方法600に戻ると、方法600は、コンピュータ化方法であるので、命令のプログラムを実施することができ、これは、1つ又はそれよりも多くのプロセッサで実行する時に、方法600の上述の変形のうちの1つを実行することが注目される。
命令は、たとえこのような命令を含めることが、明確に詳しく示されていない場合でも、方法500のステージの一部又は全てを実行するための命令のプログラムに(上記で示唆された全ての可能な組合せに)含めることができることは当業者には明らかであると考えられる。
本発明のある一定の特徴を本明細書で図示して説明したが、多くの修正、置換、変更、及び均等物は、ここで当業者には想起されるであろう。従って、特許請求の範囲は、本発明の真の精神に該当する全てのこのような修正及び変形を含むことを意図していると理解すべきである。
上述の実施形態は、一例として引用され、その様々な特徴及びそれらの特徴の組合せは、変更して修正することができることは認められるであろう。
様々な実施形態を図示して説明したが、そのような開示によって本発明を制限する意図はなく、むしろ特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲に入る全ての修正及び代替の構成を含むことを意図していることは理解されるであろう。