JP5863184B2 - 光伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送路を介して光信号の送受信を行う光伝送システムに関する。
近年、インターネットの急激な普及に伴い、一本の光ファイバに複数の波長の光信号を一括して伝送する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)光伝送システムの開発・導入が進んでいる。現在、一波長当たりの伝送速度は2.4Gbpsから10Gbpsが主流であるが、さらに増え続ける情報伝送需要に対応するため、40Gbps等のより高速な伝送速度が採用され始めている。
このようなWDM光伝送システムは、信号を光のまま多段中継するシステムであるため、各ノードの光レベルをモニタすることにより、伝送区間における障害の有無を検出している。例えば特許文献1には、15分や1日などの一定期間での最大値や最小値とともに、その発生時刻を履歴として残すようにした光伝送装置が開示されている。
特開2009−213080号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された技術では、15分や1日などの一定期間での最大値、最小値およびそれらの発生時刻を履歴として保存しているので、光断が生じた後、それを確認するまでに時間を要する場合がある。また、特許文献1に記載された技術では、例えば数ミリ秒〜数百ミリ秒の間だけ光信号が断になる瞬断が生じたのか、あるいは継続的な光断が生じたのか判別できない。従って、上記従来技術には瞬断発生箇所の特定において改善の余地がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、瞬断発生箇所の特定を好適に行うことのできる光伝送システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光伝送システムは、複数のノードと、ノード間を接続する光伝送路と、ノードおよび光伝送路の状態を監視する監視装置とを備える。各ノードは、光伝送路から受信した光信号の光レベルを測定する光レベルモニタ部と、光レベルモニタ部により測定された光レベル情報に基づいて、光信号の瞬断を検出する瞬断検出部と、瞬断検出部により光信号の瞬断が検出された場合に、監視装置に対し瞬断発生情報および瞬断発生時刻を通知する通知部とを備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、瞬断が発生した場合に各ノードから瞬断発生情報が通知されるので、該瞬断発生情報に基づいて瞬断発生箇所の特定を好適に行うことができる。
本発明の実施形態に係る光伝送システムの概略構成を示す図である。 本実施形態に係る端局装置の詳細な構成を説明するための図である。 本実施形態に係る中継装置の詳細な構成を説明するための図である。 図4(a)および(b)は、光信号の瞬断の検出方法を説明するための図である。 各ノードにおける瞬断判定処理を説明するためのフローチャートである。 一般的な光伝送システムにおいて光伝送路の切替が生じた場合に生じる事象を説明するための図である。 本実施形態に係る光伝送システムの効果を説明するための図である。
図1は、本発明の実施形態に係る光伝送システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、光伝送システム100は、第1端局装置10と、第2端局装置20と、第1端局装置10と第2端局装置20とを接続する現用系光伝送路30および予備系光伝送路31と、現用系光伝送路30の中途に設けられた第1中継装置40aおよび第2中継装置40bと、予備系光伝送路31の中途に設けられた第3中継装置40cおよび第4中継装置40dと、監視装置50と、保守端末60とを備える。光伝送システム100は、異なる複数の波長の光信号を多重して、第1端局装置10と第2端局装置20との間で伝送するポイント・トゥ・ポイントのWDM光伝送システムである。この光伝送システム100を構成する端局装置や中継装置などの各種装置は、「ノード」とも呼ばれる。
第1端局装置10は、複数個のトランスポンダ(TRPN)11を備える。各トランスポンダ11の構成は略同一であるので、図1では1つのトランスポンダ11についてのみ内部構成を図示している。各トランスポンダ11は、光送信装置(Tx)16と、光受信装置(Rx)18と、カプラ(CPL)17と、光スイッチ(SW)19とを備える。また、第1端局装置10は、各トランスポンダ11のカプラ17と接続された第1合波器(MUX)12a第2合波器12bと、各トランスポンダ11の光スイッチ19と接続された第1分波器(DMUX)13aおよび第2分波器13bと、第1合波器12aと接続された第1送信アンプ(TxAMP)14aと、第2合波器12bと接続された第2送信アンプ14bと、第1分波器13aと接続された第1受信アンプ(RxAMP)15aと、第2分波器13bと接続された第2受信アンプ15bとを備える。
第2端局装置20は、複数個のトランスポンダ21を備える。各トランスポンダ21は、光送信装置26と、光受信装置28と、カプラ27と、光スイッチ29とを備える。また、第2端局装置20は、各トランスポンダ21のカプラ27と接続された第1合波器22aおよび第2合波器22bと、各トランスポンダ21の光スイッチ29と接続された第1分波器23aおよび第2分波器23bと、第1合波器22aと接続された第1送信アンプ24aと、第2合波器22bと接続された第2送信アンプ24bと、第1分波器23aと接続された第1受信アンプ25aと、第2分波器23bと接続された第2受信アンプ25bとを備える。
現用系光伝送路30は、第1端局装置10の第1送信アンプ14aと第1中継装置40aとを接続する現用系第1光ファイバ32aと、第1端局装置10の第1受信アンプ15aと第1中継装置40aとを接続する現用系第2光ファイバ32bと、第1中継装置40aと第2中継装置40bとを接続する現用系第3光ファイバ32cおよび現用系第4光ファイバ32dと、第2端局装置20の第1受信アンプ25aと第2中継装置40bとを接続する現用系第5光ファイバ32eと、第2端局装置20の第1送信アンプ24aと第2中継装置40bとを接続する現用系第6光ファイバ32fとを含む。
予備系光伝送路31は、第1端局装置10の第2送信アンプ14bと第3中継装置40cとを接続する予備系第1光ファイバ33aと、第1端局装置10の第2受信アンプ15bと第3中継装置40cとを接続する予備系第2光ファイバ33bと、第3中継装置40cと第4中継装置40dとを接続する予備系第3光ファイバ33cおよび予備系第4光ファイバ33dと、第2端局装置20の第2受信アンプ25bと第4中継装置40dとを接続する予備系第5光ファイバ33eと、第2端局装置20の第2送信アンプ24bと第4中継装置40dとを接続する予備系第6光ファイバ33fとを含む。
このように、光伝送システム100は、現用系光伝送路30と予備系光伝送路31とにより冗長構成された光伝送路を有する。
監視装置50は、第1端局装置10、第2端局装置20、第1〜第4中継装置40a〜40dと通信可能に接続されている。監視装置50は、第1端局装置10、第2端局装置20、第1〜第4中継装置40a〜40dの動作状態を監視しており、例えば各装置から通知される警報を取得したり、各装置が通知する各種の情報を取得する。また、監視装置50は、第1端局装置10、第2端局装置20、第1〜第4中継装置40a〜40dからの情報に基づいて、現用系光伝送路30および予備系光伝送路31における障害の有無を監視する。監視装置50には、保守端末60が通信可能に接続されている。光伝送システム100の保守者は、この保守端末60を用いて監視装置50にアクセスし、各装置および伝送路の状態を確認することができる。
次に、光伝送システム100の動作について説明する。まず、第1端局装置10から第2端局装置20に光信号が伝送される様子について説明する。第1端局装置10における複数のトランスポンダ11の光送信装置16は、それぞれ異なる波長の光信号を出力する。本実施形態において、各光送信装置16から出力される光信号は、例えば40Gbps等の高伝送速度の光信号である。光送信装置16から出力された光信号は、カプラ17により2つに分岐される。各トランスポンダ11のカプラ17で分岐された一方の光信号は第1合波器12aで合波され、他方の光信号は第2合波器12bで合波される。
第1端局装置10の第1合波器12aで合波された光信号(以下、現用系WDM光信号ともいう)は、第1送信アンプ14aで増幅された後、現用系第1光ファイバ32aに入射する。現用系第1光ファイバ32aを進む現用系WDM光信号は、第1中継装置40aで増幅された後、現用系第3光ファイバ32cに入射する。現用系第3光ファイバ32cを進む現用系WDM光信号は、第2中継装置40bで再度増幅された後、現用系第5光ファイバ32eに入射する。現用系第5光ファイバ32eを進む現用系WDM光信号は、第2端局装置20の第1受信アンプ25aに入射する。第1受信アンプ25aにより増幅された現用系WDM光信号は、第1分波器23aで分波され、分波された各光信号は、対応するトランスポンダ21の光スイッチ29に入射する。
一方、第1端局装置10の第2合波器12bで合波された光信号(以下、予備系WDM光信号ともいう)は、第2送信アンプ14bで増幅された後、予備系第1光ファイバ33aに入射する。予備系第1光ファイバ33aを進む予備系WDM光信号は、第3中継装置40cで増幅された後、予備系第3光ファイバ33cに入射する。予備系第3光ファイバ33cを進む予備系WDM光信号は、第4中継装置40dで再度増幅された後、予備系第5光ファイバ33eに入射する。予備系第5光ファイバ33eを進む予備系WDM光信号は、第2端局装置20の第2受信アンプ25bに入射する。第2受信アンプ25bにより増幅された予備系WDM光信号は、第2分波器23bで分波され、分波された各光信号は、対応するトランスポンダ21の光スイッチ29に入射する。
第2端局装置20における各トランスポンダ21の光スイッチ29は、現用系光伝送路30を経由した光信号および予備系光伝送路31を経由した光信号のいずれかを選択する。光スイッチ29により選択された光信号は、光受信装置28により受信され、光電変換、タイミング抽出、識別再生、誤り訂正などの所定の信号処理が行われる。
次に、第2端局装置20から第1端局装置10に光信号が伝送される様子について説明する。第2端局装置20における複数のトランスポンダ21の光送信装置26は、それぞれ異なる波長の光信号を出力する。光送信装置26から出力された光信号は、カプラ27により2つに分岐される。各トランスポンダ21のカプラ27で分岐された一方の光信号は第1合波器22aで合波され、他方の光信号は第2合波器22bで合波される。
第2端局装置20の第1合波器22aで合波された光信号(以下、現用系WDM光信号ともいう)は、第1送信アンプ24aで増幅された後、現用系第6光ファイバ32fに入射する。現用系第6光ファイバ32fを進む現用系WDM光信号は、第2中継装置40bで増幅された後、現用系第4光ファイバ32dに入射する。現用系第4光ファイバ32dを進む現用系WDM光信号は、第1中継装置40aで再度増幅された後、現用系第2光ファイバ32bに入射する。現用系第2光ファイバ32bを進む現用系WDM光信号は、第1端局装置10の第1受信アンプ15aに入射する。第1受信アンプ15aにより増幅された現用系WDM光信号は、第1分波器13aで分波され、分波された各光信号は、対応するトランスポンダ11の光スイッチ19に入射する。
一方、第2端局装置20の第2合波器22bで合波された光信号(以下、予備系WDM光信号ともいう)は、第2送信アンプ24bで増幅された後、予備系第6光ファイバ33fに入射する。予備系第6光ファイバ33fを進む予備系WDM光信号は、第4中継装置40dで増幅された後、予備系第4光ファイバ33dに入射する。予備系第4光ファイバ33dを進む予備系WDM光信号は、第3中継装置40cで再度増幅された後、予備系第2光ファイバ33bに入射する。予備系第2光ファイバ33bを進む予備系WDM光信号は、第1端局装置10の第2受信アンプ15bに入射する。第2受信アンプ15bにより増幅された予備系WDM光信号は、第2分波器13bで分波され、分波された各光信号は、対応するトランスポンダ11の光スイッチ19に入射する。
第1端局装置10における各トランスポンダ11の光スイッチ19は、現用系光伝送路30を経由した光信号および予備系光伝送路31を経由した光信号のいずれかを選択する。光スイッチ19により選択された光信号は、光受信装置18により受信され、光電変換、タイミング抽出、識別再生、誤り訂正などの所定の信号処理が行われる。
通常の運用状態において、第1端局装置10の各トランスポンダ11の光スイッチ19および第2端局装置20の各トランスポンダ21の光スイッチ29は、現用系光伝送路30を通った光信号を選択するよう設定されている。現用系光伝送路30に光断などの障害が発生した場合、各トランスポンダ11および21は、予備系光伝送路31を選択するよう光スイッチ19および29を切り替える。このように光伝送システム100においては、現用系光伝送路30と予備系光伝送路31とにより光伝送路を冗長に構成することにより、光伝送路の障害に対応できるようになっている。
図2は、本実施形態に係る端局装置の詳細な構成を説明するための図である。ここでは第2端局装置20を例として端局装置の構成を説明するが、第1端局装置10も同様の構成を有する。
第2端局装置20において、トランスポンダ21、第1合波器22a、第2合波器22b、第1分波器23a、第2分波器23b、第1送信アンプ24a、第2送信アンプ24b、第1分波器23aおよび第2分波器23bの構成は、図1で説明した通りである。本実施形態に係る第2端局装置20は、さらに、第1カプラ50aと、第2カプラ50bと、光レベルモニタ部51と、瞬断検出部52と、通知部53とを備える。
第1カプラ50aは、第1受信アンプ25aの前段に設けられており、現用系第5光ファイバ32eから直接光信号が入力される。第1カプラ50aは、現用系第5光ファイバ32eからの光信号を2つに分岐し、一方を主信号として第1受信アンプ25aに出力し、他方をモニタ用信号として光レベルモニタ部51に出力する。
第2カプラ50bは、第2受信アンプ25bの前段に設けられており、予備系第5光ファイバ33eから直接光信号が入力される。第2カプラ50bは、予備系第5光ファイバ33eからの光信号を2つに分岐し、一方を主信号として第2受信アンプ25bに出力し、他方をモニタ用信号として光レベルモニタ部51に出力する。
光レベルモニタ部51は、第1カプラ50a、第2カプラ50bから入力される各光信号の光レベルを測定する。光レベルモニタ部51は、例えばフォトダイオード、その駆動回路、プリアンプなどを用いて構成できる。光レベルモニタ部51により測定された光レベルは、瞬断検出部52に出力される。
瞬断検出部52は、光レベルモニタ部51により測定された光レベル情報に基づいて、光信号の瞬断を検出する。本実施形態において、光信号の「瞬断」とは例えば数ミリ秒〜数百ミリ秒といった非常に短い時間だけ光信号が断する状態を意味する。例えば数秒光信号が断するような状態は「瞬断」とは呼ばず、「継続的な光断」として扱う。また、瞬断検出部52は、瞬断発生時の光レベルの最小値と、瞬断発生前後の光レベルの最大値とを検出する。瞬断の検出方法については後述する。
通知部53は、瞬断検出部52により瞬断が検出された場合、監視装置50に対し瞬断発生情報、瞬断発生時刻、瞬断発生時の光レベルの最小値、および瞬断発生前後の光レベルの最大値を通知する。
本実施形態において、トランスポンダ21の光受信装置28は、光信号の瞬断を検出可能に構成されている。光受信装置28により光信号の瞬断が検出された場合、光スイッチ29は、現用系光伝送路30と予備系光伝送路31との間で運用する光伝送路を切り替える。通知部53は、トランスポンダ21の光スイッチ29にて光伝送路の切替が発生した場合、その切替発生情報および切替発生時刻を監視装置50に通知する。
図3は、本実施形態に係る中継装置の詳細な構成を説明するための図である。ここでは第1中継装置40aを例として中継装置の構成を説明するが、他の中継装置も同様の構成を有する。
第1中継装置40aは、入力された現用系WDM光信号を電気変換せずに増幅し、中継する機能を有する。図3に示すように、第1中継装置40aは、第1インラインアンプ(IL AMP)41aと、第2インラインアンプ41bと、第1カプラ42aと、第2カプラ42bと、光レベルモニタ部43と、瞬断検出部44と、通知部45とを備える。
第1カプラ42aは、第1インラインアンプ41aの前段に設けられており、現用系第1光ファイバ32aから直接光信号が入力される。第1カプラ42aは、現用系第1光ファイバ32aからの光信号を2つに分岐し、一方を主信号として第1インラインアンプ41aに出力し、他方をモニタ用信号として光レベルモニタ部43に出力する。
第2カプラ42bは、第2インラインアンプ41bの前段に設けられており、現用系第4光ファイバ32dから直接光信号が入力される。第2カプラ42bは、現用系第4光ファイバ32dからの光信号を2つに分岐し、一方を主信号として第2インラインアンプ41bに出力し、他方をモニタ用信号として光レベルモニタ部43に出力する。
光レベルモニタ部43は、第1カプラ42a、第2カプラ42bから入力される各光信号の光レベルを測定する。光レベルモニタ部43により測定された光レベルは、瞬断検出部44に出力される。
瞬断検出部44は、光レベルモニタ部43により測定された光レベル情報に基づいて、光信号の瞬断を検出する。また、瞬断検出部44は、瞬断発生時の光レベルの最小値と、瞬断発生前後の光レベルの最大値とを検出する。
通知部45は、瞬断検出部44により瞬断が検出された場合、監視装置50に対し瞬断発生情報、瞬断発生時刻、瞬断発生時の光レベルの最小値、および瞬断発生前後の光レベルの最大値を通知する。
図4(a)および(b)は、光信号の瞬断の検出方法を説明するための図である。瞬断の検出方法は、各ノード、すなわち端局装置および中継装置において共通であってよい。図4(a)および(b)において、縦軸は光レベルモニタ部において検出された光レベルを表し、横軸は時間を表す。
本実施形態において、各ノードにおける瞬断検出部は、光レベルが所定の閾値レベル以下になってから該閾値レベル以上に戻るまでの時間(以下、「光断継続時間」と呼ぶ)を測定する。そして、光断継続時間が所定の閾値時間以下である場合に瞬断が発生したと判定する。
図4(a)は、継続的な光断が生じたときの光レベルの時間変化を示している。図4(a)において、時刻t1において光レベルが所定の閾値レベル以下になり、その後時刻t2において最小となっている。しかしながら、その後光レベルは閾値以上に戻っていない。従って、この場合、瞬断検出部は瞬断ではなく、継続的な光断が発生したと判定する。
図4(b)は、瞬断が生じたときの光レベルの時間変化を示している。図4(b)においても、時刻t1において光レベルが所定の閾値レベル以下になり、その後時刻t2において最小となっている。図4(b)においては、その後、時刻t3において光レベルが閾値以上に戻っている。この場合、瞬断検出部は、光レベルが閾値レベル以下となった時刻t1から光レベルが閾値レベル以上に戻った時刻t3までの光断継続時間が所定の閾値時間以下であれば、瞬断が発生したと発生する。
図5は、各ノードにおける瞬断判定処理を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートは、所定の時間間隔で繰り返し実行される。
まず、光レベルモニタ部は、各ノードで受信した光信号の光レベルを測定する(S10)。
次に、瞬断検出部は、光レベルが一旦所定の閾値レベル以下となり、その後該閾値レベル以上に復旧したか否か判定する(S12)。光レベルが所定の閾値レベル以上となり、その後閾値レベル以上に復旧した場合(S12のY)、瞬断検出部は、光断続時間が所定の閾値時間以下であるか否か判定する(S14)。一方、S12の条件を満たさない場合、瞬断は発生していないとしてフローは一旦終了する(S12のN)。
S14において、光断続時間が所定の閾値時間以下である場合(S14のY)、瞬断検出部は、光信号の瞬断が発生したと判定する(S16)。また、通知部は、瞬断検出部により瞬断が検出された場合、監視装置に対し瞬断発生情報、瞬断発生時刻、瞬断発生時の光レベルの最小値、および瞬断発生前後の光レベルの最大値を通知する(S18)。一方、S14の条件を満たさない場合、瞬断は発生していないとしてフローは一旦終了する(S14のN)。
次に、本実施形態に係る光伝送システムの効果について説明する。本実施形態に係る光伝送システムの効果を説明する前に、図6を用いて一般的な光伝送システムにおいて光伝送路の切替が生じた場合に生じる事象について説明する。
図6に示す一般的な光伝送システム600は、図1に示す光伝送システム100と同様に、第1端局装置10と第2端局装置20との間で光信号を伝送するポイント・トゥ・ポイントの光伝送システムである。図6に示す光伝送システム600において、図1に示す光伝送システム100と対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図6では、簡略化のために、合波器やアンプなど一部の構成要素の図示を省略している。図6に示す光伝送システム600においては、各ノードは光レベルモニタ部、瞬断検出部などの構成要素を含んでいない。
図6に示す光伝送システム600において、現用系光伝送路30の現用系第3光ファイバ32cにおいて瞬断が生じたとする。現用系第3光ファイバ32cにおいて瞬断が生じると、この瞬断は第2中継装置40bを介して第2端局装置20に伝搬する。瞬断が検出されると、第2端局装置20のトランスポンダ21の光スイッチ29は、運用する光伝送路を現用系光伝送路30から予備系光伝送路31に切り替える。これにより、第2端局装置20の光受信装置28で受信される光信号は、第1端局装置10の光送信装置16から送信された後、予備系光伝送路31を伝搬したものとなる。図6において、太線矢印は、運用中の光信号の流れを表す。
一方、第1端局装置10の光スイッチ19は切り替えられていないので、第1端局装置10の光受信装置18で受信される光信号は、第2端局装置20の光送信装置26から送信された後、現用系光伝送路30を伝搬したものとなる。このように、一般的な光伝送システム600においては、光ファイバに瞬断が発生した場合に、第1端局装置10から第2端局装置20に向かう光信号が予備系光伝送路31を通り、第2端局装置20から第1端局装置10に向かう光信号が現用系光伝送路30を通るというような事象が生じ得る。このような状態が長く続くことは、光伝送システムの運用上好ましいことではない。
なお、瞬断ではない継続的な光断が現用系第3光ファイバ32cで生じた場合も光スイッチ29は自動的に切り替わるが、この場合、第2中継装置40bは光断を検出して逆方向に向かう(すなわち、第1中継装置40aに向かう)光信号を断とする。その結果、第1端局装置10の光スイッチ19も運用する光伝送路を現用系光伝送路30から予備系光伝送路31に切り替えるので、第1端局装置10から第2端局装置20に向かう光信号と、第2端局装置20から第1端局装置10に向かう光信号とが両方とも予備系光伝送路31を通ることになり、問題は生じない。一般的な光伝送システムにおいては、中継装置は通常、瞬断を適切に検出するよう構成されていないため、継続的な光断の場合のように逆方向に向かう光信号を自動的に断にすることが難しい。また、瞬断の検出ができないことにより、保守者による瞬断発生箇所の特定は容易ではない。
図7は、本実施形態に係る光伝送システム100の効果を説明するための図である。図6の場合と同様に、現用系第3光ファイバ32cにおいて瞬断が生じたとする。この場合、光受信装置28において瞬断が検出され、第2端局装置20のトランスポンダ21の光スイッチ29が現用系光伝送路30から予備系光伝送路31に切り替えられる。この光スイッチ29の切替発生情報は、第2端局装置20の通知部を介して監視装置50に送られる。光スイッチ29が切り替えられたことを保守者に通知するために、監視装置50は例えば保守端末60を介して警報を発出してもよい。
また、光伝送システム100の各ノードから監視装置50に対して瞬断発生を示す情報が送られる。図7に示す例では、現用系第3光ファイバ32cで瞬断が発生しているので、現用系第3光ファイバ32cの後に位置する第2中継装置40bおよび第2端局装置20の瞬断検出部にて瞬断発生が検出され、通知部を介して瞬断発生情報、瞬断発生時刻、瞬断発生時の光レベルの最小値、および瞬断発生前後の光レベルの最大値が監視装置50に送られる。一方、他のノードでは瞬断が検出されないので、監視装置50には特に情報が通知されない。
光伝送システム100の保守者は、光スイッチ29の切替が生じたことを確認した場合、保守端末60を用いて監視装置50にアクセスし、光スイッチ29の切替発生時刻付近における各ノードからの瞬断発生情報を確認する。本例においては、第2中継装置40bおよび第2端局装置20から瞬断発生情報が通知されており、他のノードから瞬断発生情報が通知されていないので、保守者は、第2中継装置40bの上流に位置する現用系第3光ファイバ32cにおいて瞬断が発生したと特定できる。瞬断発生箇所が特定できれば、例えば第2中継装置40bを制御して第1中継装置40aに向かう光信号を断とすることにより、第1端局装置10の光スイッチ19が現用系光伝送路30から予備系光伝送路31に切り替えられ、第1端局装置10から第2端局装置20に向かう光信号と、第2端局装置20から第1端局装置10に向かう光信号とが両方とも予備系光伝送路31を通る状態にすることができる。
このように、本実施形態に係る光伝送システム100によれば、光スイッチにより光伝送路が切り替えられた場合に、各ノードから通知された瞬断発生情報に基づいて瞬断の発生箇所を容易に特定することができる。各ノードは瞬断発生を確認した時点で監視装置50に通知するので、保守者は光伝送路が切り替えられてからそれほど時間を要することなく瞬断発生箇所を特定できる。これにより、光伝送システム100の保守者は、第1端局装置10から第2端局装置20に向かう光信号が予備系光伝送路31を通り、第2端局装置20から第1端局装置10に向かう光信号が現用系光伝送路30を通るというような状況を早急に解消できる。
上述の実施形態では、各ノードにおいてカプラを光アンプの前段に設けられており、光ファイバから各ノードに入力された直後の光信号の光レベルが光レベルモニタ部により測定される。例えばカプラが光アンプの後段などに設けられた場合、瞬断が検出されたときに該瞬断が光ファイバで生じたものなのか、光アンプで生じたものなのか判別できない。上述の実施形態のように、光レベルモニタ部が光ファイバからノードに入力された直後の光信号の光レベルを測定することにより、瞬断の発生箇所を確実に特定できる。
上述の実施形態では、光レベルモニタ部、瞬断検出部、および通知部を各ノードの内部に設けているが、これらは各ノードの外部に接続されてもよい。例えば、各ノードにカプラで分岐した光信号を外部に出力するモニタポートが設けられている場合には、光レベルモニタ部を該モニタポートに接続してもよい。この場合、既存のノードに対して本実施形態に係る瞬断検出機能を付加することができるので、各ノード全体を交換する必要が無く、コスト的に有利である。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 第1端局装置、 11、21 トランスポンダ、 16、26 光送信装置、 17 カプラ、 18、28 光受信装置、 19、29 光スイッチ、 20 第2端局装置、 30 現用系光伝送路、 31 予備系光伝送路、 43、51 光レベルモニタ部、 44、52 瞬断検出部、 45、53 通知部、 50 監視装置、 60 保守端末、 100、600 光伝送システム。

Claims (2)

  1. 複数のノードと、
    前記ノード間を接続する光伝送路と、
    前記ノードおよび前記光伝送路の状態を監視する監視装置と、
    を備える光伝送システムであって、
    各ノードは、
    前記光伝送路から受信した光信号の光レベルを測定する光レベルモニタ部と、
    前記光レベルモニタ部により測定された光レベル情報に基づいて、光信号の瞬断を検出する瞬断検出部と、
    前記瞬断検出部により光信号の瞬断が検出された場合に、前記監視装置に対し瞬断発生情報および瞬断発生時刻を通知する通知部と、
    を備え、
    前記瞬断検出部は、光レベルが所定の閾値レベル以下になってから前記閾値レベル以上に戻るまでの光断継続時間を測定し、前記光断継続時間が所定の閾値時間以下である場合に瞬断が発生したと判定し、
    前記光伝送路は、現用系光伝送路と予備系光伝送路とにより冗長構成されており、
    光信号の受信側ノードは、前記現用系光伝送路と前記予備系光伝送路との間で運用する光伝送路を切り替える光スイッチを備え、
    前記受信側ノードは、前記光スイッチによる光伝送路の切替が発生した場合、前記監視装置に光伝送路の切替発生情報および切替発生時刻を通知することを特徴とする光伝送システム。
  2. 前記光レベルモニタ部は、光伝送路から各ノードに入力された直後の光信号の光レベルを測定することを特徴とする請求項1に記載の光伝送システム。
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