JP5860716B2 - コンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート補強用合成樹脂製短繊維を減容梱包するための整列梱包方法および装置に関する。
コンクリート補強用合成樹脂製短繊維は、利用現場における通常のコンクリートの混練過程おいて、当該合成樹脂製短繊維が均質かつ容易にコンクリート材料に分散し得ることが好ましいが、その為には当該合成樹脂製短繊維を事前に水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせておくことが好ましい。
一方コンクリート補強用合成樹脂製短繊維には、その形状と固さゆえに無秩序に梱包すると大いに嵩張り、単位重量あたりの輸送コストに大きな無駄を発生させるという問題もある。
効率的な梱包の為に例えば圧縮梱包という方法が一般的に考えられるが、無秩序な配向状態のままで当該合成樹脂製短繊維を無理に圧縮梱包すると、当該合成樹脂製短繊維のコンクリート補強に寄与する形態的特徴等が棄損され好ましくない。また例えば当該合成樹脂製短繊維を予め束ねて後に短繊維状態にカットするなど合成樹脂製短繊維の整列状態を高める方法も提案されているがこの場合は、先述の水またはコンクリート混和剤水溶液によって湿潤状態にあれば当該合成樹脂製短繊維間の凝集力を高めてしまい、コンクリート混練過程における分散性に悪影響を与え、また乾燥状態での整列状態での梱包の場合はコンクリートへの濡れ性の欠如からやはりコンクリート混練過程における分散性に悪影響を与え、好ましくない。
このようにコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の梱包においては、コンクリートへの容易分散性と効率的な梱包状態で相容れないトレードオフ(二律背反)の関係に陥りやすい。
一方、特許文献1では、鋼繊維からなる短繊維の長さに相当する寸法の間隔で配列して整列部を構成した上下開放型の整列シュートを梱包箱の内側に上部から挿入し、整列シュートの上部から当該短繊維を投入する方法を提案している。この梱包方法は、当該短繊維の準整列梱包を実現する梱包方法であり、前述の提案よりも格段に好適なコンクリート補強用短繊維の梱包方法を提案するものであるが、特許文献1に記載の発明は、当該補強用短繊維の対象が鋼繊維であって補強用短繊維同士の凝集を考慮する必要が少なく、また、発錆等の懸念から事前に水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせておくこともないため、いかにして準整列梱包を実現するかに限定した発明であって、近年多用されるプラスチック系コンクリート補強用合成樹脂製短繊維の梱包に容易に利用できるものではなかった。
なお、モルタル・コンクリートの補強材等として用いられる炭素繊維においては、炭素繊維10〜400重量部に対して水またはコンクリート混和剤水溶液100重量部添加してなる炭素繊維の湿式梱包組成物が提案されている(特許文献2参照)。しかし、合成樹脂製補強用短繊維の梱包においては、単繊維が500〜5000dtexと高繊度であり、このような高比率の水またはコンクリート混和剤水溶液を添加することは、保水性等の観点から困難である。
特開昭61−093001号公報 特開昭59−030758号公報
本発明は、このような状況下になされたものであり、合成樹脂製補強用短繊維のかさ高さを低減して輸送コストを低減できる効率的な梱包方法およびそれに用いられる比較的簡素な構造の梱包装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(1)合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせる工程、(2)合成樹脂製短繊維の湿潤状態を、水分率で0.01%〜1.0%に制御する工程、(3)合成樹脂製短繊維を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突部に衝突させて解繊する工程、(4)整列シュートの上部から合成樹脂製短繊維を投入して整列堆積させ、堆積中あるいは堆積後に整列シュートを抜き出して梱包する工程、とするによって前記目的を達成できることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔4〕のコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法及び〔5〕〜〔8〕の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置を提供する。
〔1〕少なくとも次の工程(1)〜(4)を順次行うことを特徴とするコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
工程(1):合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせた後、切断して合成樹脂製短繊維とする工程
工程(2):合成樹脂製短繊維の湿潤状態を、水分率で0.01質量%〜1.0質量%に制御する工程
工程(3):合成樹脂製短繊維を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突部に衝突させて解繊する工程
工程(4):整列シュートの上部から合成樹脂製短繊維を投入して合成樹脂製短繊維を整列堆積させ、堆積中あるいは堆積後に整列シュートを抜き出して梱包する工程
〔2〕工程(4)の整列シュートが、合成樹脂製短繊維の長さ(L)の1.0倍〜2.0倍の間隔で配列した整列間隙を備える第一の隔壁と、その上端が第一の隔壁の上端から10mm〜200mm下方にあって、第一の隔壁と第二の隔壁及び/又は第二の隔壁同士の間隔が合成樹脂製短繊維の長さ(L)の0.33倍〜0.70倍であり、かつ、隣り合う第一の隔壁の同士の間隔とその間に存在する第二の隔壁により区画される間隔の比が2:1〜3:1となっている整列間隙を備える第二の隔壁を有する〔1〕に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
〔3〕工程(4)の整列シュートが、(i) 梱包箱の周壁内面と小間隔を隔てる上下開放周壁フレームの上部開放側周壁フレームに固定された第一の隔壁の上端をなす棒状物に、梱包箱の深さDに対応した寸法を備え、下端に棒状の錘を有する合成樹脂製の織布・不織布あるいはフィルムから選択される柔軟性シート材を固着する一方、
(ii)前記第一の隔壁の上端をなす棒状物の上端から10mm〜200mm下方の位置に固定された第二の隔壁の上端をなす棒状物に、前記同様の下端に錘を有する柔軟性シート材を、その下端が第一の隔壁の下端と揃うように固着し、第一の隔壁及び第二の隔壁の下部開放側の下端側を移動可能な自由端状に垂下してなる、
整列シュートである〔1〕に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
〔4〕工程(3)の解繊工程が、梱包箱の内周壁の大きさに対応した角筒状枠体に配設され、工程(2)に設けた逆台形状筒体の二稜辺の延長部がなす角θでその交点の位置に配された第1段目の中央衝突部に合成樹脂製短繊維の集積体を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突させ、これを起点として、その下方に複数の段数nで配置された衝突部列に順次衝突させて分散させ、角筒状枠体の最下方において開口部における合成樹脂製短繊維の密度を均一化する、〔1〕に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
〔5〕少なくとも次の(1)〜(4)の4つの装置を順次配置してなることを特徴とする合成樹脂製短繊維の整列梱包装置。
装置(1):合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせた後、切断して合成樹脂製短繊維とする手段を含む装置
装置(2):合成樹脂製短繊維の湿潤状態を、水分率で0.01%〜1.0%に制御する 手段を含む装置
装置(3):合成樹脂製短繊維を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突部に衝突させて 解繊する手段を含む装置
装置(4):整列シュートの上部から合成樹脂製短繊維を投入して合成樹脂製短繊維を整 列堆積させ、堆積中あるいは堆積後に整列シュートを抜き出して梱包する手段を 含む装置
〔6〕装置(4)の整列シュートの形状が、合成樹脂製短繊維の長さの1.0倍〜2.0倍の間隔で配列した整列間隙を備える第一の隔壁と、その上端が第一の隔壁の上端から10mm〜200mm下方にあって、第一の隔壁と第二の隔壁及び/又は第二の隔壁同士の間隔が合成樹脂製短繊維の長さの0.33倍〜0.70倍であり、かつ、隣り合う第一の隔壁の間隔とその間に存在する第二の隔壁により区画される間隔の比が2:1、あるいは3:1となっている整列間隙を備える〔5〕に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置。
〔7〕装置(4)の整列シュートが、プラスチック製の織布・不織布あるいはフィルムのようなフレキシブルな素材からなり、その下端に錘を配したことを特徴とする〔6〕に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置。
〔8〕装置(3)の解繊する手段が、梱包箱の内周壁の大きさに対応した角筒状枠体に配設され、装置(2)に設けた逆台形状筒体の二稜辺の延長部が角度θで交わる交点に配された第1段目の中央衝突部と、その下方に複数の段数nで配置された衝突部列を備え、該衝突部に合成樹脂製短繊維を順次衝突させて分散させ、角筒状枠体の最下方において開口部における合成樹脂製短繊維の密度を均一化する場合において、
梱包箱の幅Y、衝突部列の繰り返し段数n、第(n−1)段目において等間隔に(n−2)に区分された水平方向の間隔Xと、段数によらず一定とした場合の各段の高さ方向の間隔H、及び前記角度θによって、下記式(I)を満足する、〔6〕に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置。
Y=(n−1)×2H×tan(θ/2) 式(I)
本発明のコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法及び装置によれば、従来と比較して短繊維密度の高い梱包、いわゆる減容梱包が可能となり、輸送比の低減に寄与でき、モルタル或いはコンクリートの補強用短繊維のコストパフォーマンスを向上することができる。
本発明の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置の全体構成の概略説明図である。 本発明の工程(2)と工程(3)の連結部を示す、(A)正面斜視図、(B)側面図である。 本発明の工程(3)の解繊装置の一例の、(A)正面斜視図、(B)側面図である。 本発明の工程(4)において梱包箱に整列シュートが配置(セット)される状況を示す一部破断透視の斜視図である。 梱包箱に整列シュートが配置された状態を示す断面図である。 本発明の工程(4)の整列シュートにおいて第一の隔壁の間隔Wと第二隔壁の間隔wの比が、(A)2:1、(B)3:1の例を示す整列シュートの部分説明図である。 本発明の整列梱包方法において、投入された合成樹脂製短繊維が整列シュートの隔壁により整列する原理の説明図である。 本発明の整列梱包方法における梱包途中状態を示す断面図である。 本発明の整列梱包方法における関連する装置の配置例を示す説明図である。
本発明のコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の梱包方法は、コンクリート補強用合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせた後、切断して合成樹脂製短繊維とする工程(1)、合成樹脂製短繊維の湿潤状態を制御する工程(2)、当該合成樹脂製短繊維を解繊する工程(3)、準整列梱包する工程(4)の連続した4つの工程からなり、また、これらの工程は単純に独立しているわけではなく、前後の工程がそれぞれ特定の関連性を有するように設計されていることを特徴としている。
(工程(1))
本発明のコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法における工程(1)は、合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤で湿らせた後、切断して合成樹脂製短繊維とする工程である。
本発明の整列梱包方法の対象となるコンクリート補強用合成樹脂製短繊維としては、ポリプロピレン系樹脂からなる繊維が、セメントとの混和における耐アルカリ性と補強効果の観点から好適である。ポリプロピレン系モノフィラメントからなる場合、短繊維の繊度は、コンクリートの補強効果と混和のし易さ等の観点から500〜5000dtexが好ましく、750〜4000dtexがより好ましい。単糸繊度が500dtex未満では繊維が細すぎてコンクリート混和物中の分散が不均一でファイバーボールになり易く、施工性や補強効果の点で問題となり、単糸繊度が5000dtexを超えると繊維とコンクリート混和物との接触面積が減少し、補強効果が劣り好ましくない。
また、補強用合成樹脂製短繊維の繊維長(見かけ長さ)は、10〜80mm,好ましくは15〜70mm、さらに好ましくは20〜60mmである。繊維長が10mm以上であればコンクリート(セメント成形体)からの抜けが生じ難く、80mm以内であれば、分散性が不良となることがない。
本発明の工程(1)で用いる合成樹脂製繊維を湿らせるための水には、合成樹脂製繊維がポリプロピレン系モノフィラメントからなる場合には、疎水性であるポリプロピレン系モノフィラメントとセメントペーストとの親和性を向上させるため親水性の界面活性剤を使用するのが好ましい。ポリプロピレン系モノフィラメントに親水性を付与することにより分散性が向上し、繊維とセメントペーストが均質に混合されることによって繊維補強効果が向上する。
親水性の界面活性剤としては、セメント水和反応に悪影響しないものであれば、特に限定なく使用することができるが、なかでもポリエチレングリコールアルキルエステル系ノニオン界面活性剤、アルキルホスフェート系アニオン界面活性剤、多価アルコール型アマイドノニオン系界面活性剤などを好ましく使用できる。
ポリエチレングリコールアルキルエステルとしては、水分散液の安定性、繊維付着性の点から、それを構成する長鎖脂肪族アルキル基の炭素数が6〜18、好ましくは8〜16であるものが好ましい。好ましいポリエチレングリコールアルキルエステルの具体例としては、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールステアレートなどが挙げられる。
アルキルホスフェートは、平均炭素数18以下、好ましくは6〜16、より好ましくは8〜14のアルキル基を1分子中に1〜2個、好ましくは1個有するホスフェートであり、塩としてはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が挙げられる。
好ましいアルキルホスフェートの具体例としては、オクチルホスフェート、ラウリルホスフェート、ステアリルホスフェートのような高級アルコールの燐酸エステルのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの塩及びアミン塩が挙げられる。その中和は遊離水酸基の50%以上、特に完全中和物が好ましい。
多価アルコール型アマイドノニオンは、炭素数4〜18のアルキルアミンと、3〜13個の水酸基を持つポリグリセリンとの付加反応物が用いられ、好ましくは炭素数11〜17のアルキルアミンと、3〜6個の水酸基を持つポリグリセリンとの付加反応物が用いられる。
その他の好ましい界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルリン酸エステルなどが挙げられ、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、一種単独又は二種以上を混合して使用することができる。
上記界面活性剤の繊維に対する付着量は特に限定されないが、セメント配合時の泡の発生抑制の観点から、総繊維に対して、通常0.05〜2質量%の範囲で用いられる。繊維に対する付着量が、総繊維に対して0.05質量%未満ではポリオレフィン繊維に親水性が十分付与されないおそれがあり、また、2質量%を超えても親水性は頭打ちになり、かえって繊維混練時のフッレシュコンクリートを代表とする各種セメント系成形体中に気泡が発生し、セメント系成形体の圧縮強度、曲げ強度などの物性値を低下させるおそれがあるので好ましくない。0.5%以上の付着においてはセメント系のフレッシュ性状(空気量)に影響するため、後述する繊維配合時に公知の空気調整剤で調整することが必要である。
本発明の工程(1)で用いるコンクリート混和剤としては、空気連行剤(AE剤)、流動化剤、減水剤、増粘剤、保水剤、撥水剤、膨張剤等を挙げることができる。
合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせる方法は、特に限定はなく、浸漬法、スプレー法、ローラコーティング法(転写法)等のいずれの方法も採用することができる。合成樹脂製繊維に水またはコンクリート混和剤水溶液を付与した後、必要に応じて、絞りロールなどを用いて繊維の内部にまで浸透させることができる。
合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせるには、連続状長繊維のトウ状態で行うことが、繊維への均一付与(湿潤)の点で好ましく、しかる後、カッターを備えた繊維切断工程を経て所定の繊維長に切断されて、合成樹脂製短繊維とされる。
(工程(2))
カットされた合成樹脂製短繊維は、ランダム状の繊維塊として工程(2)に移行され、その湿潤状態を、水分率で0.01質量%〜1.0質量%、好ましくは0.1質量%〜1.0質量%、さらに好ましくは、0.1質量%〜0.5質量%とすることが好ましい。
湿潤状態が水分率で、0.01質量%未満では、以後の工程(3)や工程(4)で静電気が発生して工程トラブルが生じたり、準整列梱包ができないなどの問題が発生する。また、湿潤状態が水分率で、1.0質量%を超えると、以後の工程(3)の衝突部による解繊が不十分となるなどの問題が生じ易い。
湿潤状態を、水分率で0.01質量%〜1.0質量%に制御するには、カットされた短繊維をサイクロン等からなる工程(2)の主装置に移送するに際して、熱風を用い風乾するか、或いは熱風乾燥機中をコンベアベルトで移送するなどして、風温、乾燥温度、風量、乾燥処理時間等を適宜調整して、水分率を所定の範囲に制御すればよい。
当該水分率は、工程(2)が終了し、工程(3)へ移行する時点で達成されていればよい。
なかでも本発明では、風送しつつ風乾する方法が好ましい。これは、次に述べる工程(3)である解繊工程を効果的に行うために必要な工程(2)のもう一つの役割に起因する。
工程(2)の第二の役割は、適切な湿潤状態に制御された当該合成樹脂製短繊維を、ある特定の速度以上に加速して工程(3)である解繊工程に供給することにある。当該合成樹脂製短繊維の加速方法は様々提案することが可能であるが、最も好適なのは自重落下によって加速させる方法である。但し充分な加速を得るために風乾する為の風を当該合成樹脂製短繊維の加速方向に向けても良い。合成樹脂製短繊維の加速は、衝突部への衝突時の速度において、3.0m/秒〜10m/秒、好ましくは4.5m/秒〜10m/秒とするのが好ましい。
工程(2)の第三の役割は、加速された当該合成樹脂製短繊維を、工程(3)にある最上位の衝突部に適切に衝突させるために、その向きを揃えることにある。当該合成樹脂製短繊維の向きが揃えられるのであればその方法は特に制限されないが、最も好適な自重落下によって加速させる方法においては、当工程を配管(ダクト)内で行うこととし、その配管の形状を制御することで、当該合成樹脂製短繊維の収束方向を好適に揃えることができる。その形状は、工程(2)の長さや工程(3)の衝突部の位置によっても変わるため、一概に指定することはできないが、少なくとも工程(3)の衝突部への導入部は、例えば、図2に示すような上下が開口した逆台形状筒体の様な導入ダクト10とすると良い。
また、導入ダクト10の逆台形状筒体の稜線をなす面板11,12は、その2つの面板の下部開口14以降における仮想延長線の交点に工程(3)の第一の衝突部241が配置されるように解繊装置20と摺り合わせて配置される。さらに、2つの面板の仮想延長線上の頂角θが、次工程(3)の衝突部の配置に関与する。
(工程(3))
工程(3)は、当該合成樹脂製短繊維を解繊する工程であり、充分な運動エネルギーを有している当該合成樹脂製短繊維を、格子状に配置された衝突部に衝突させることで一部凝集状態にあった当該合成樹脂製短繊維を解繊すると同時に、逐次特定の範囲に均一に分散させつつ、落下させる工程である。当該合成樹脂製短繊維の衝突部への最初の衝突を、当該合成樹脂製短繊維の衝突時の速度において、3.0m/秒〜10m/秒、好ましくは4.5m/秒〜10m/秒とするのが好ましい。3.0m/秒未満の速度で当該合成樹脂製短繊維を衝突部に衝突させると確実な解繊が期待できなくなり、逆に10m/秒を超える速度で当該合成樹脂製短繊維を衝突部に衝突させると、例えば、X字断面を有するPP製合成樹脂製短繊維の断面形状が崩れたり折れ曲がったりする危惧がある。
また工程(3)では、衝突部への当該合成樹脂製短繊維の衝突を繰り返し行うことが好ましい。この第一の目的が、当該合成樹脂製短繊維の繊維長が例えば40mm以上と比較的長い場合、一度の衝突で完全に解繊しきらない場合があるためである。但し当該合成樹脂製短繊維は一度目の衝突でほぼ解繊に近い状態が得られているので、二度目以降の衝突では、一度目のような強いエネルギー(速い速度)をもって衝突させる必要はない。
また衝突部への当該合成樹脂製短繊維の衝突を繰り返し行うことの第二の目的として、工程(4)である準整列梱包する工程への単位時間単位面積あたりの供給量を平準化させることも目的とする。よって工程(3)での当該合成樹脂製短繊維の確実な解繊と供給の平準化をなさしめる衝突部の構造として、当該合成樹脂製短繊維の落下方向に棒状の衝突物を特定の間隔で配列させることが好ましい。
図3は、本発明の工程(3)で用いられる解繊装置の一例を示す。工程(2)で当該合成樹脂製短繊維が逆台形状筒体10の稜線をなす面板11,12により直線状に集積されていれば、工程(3)での最初(第1段目)の衝突部は直線棒形状のものが好ましい。また念のため、中央の直線棒形状衝突部241の両脇に、第3段目と同じ間隔で同様の直線棒形状の補助衝突部242、243を配しても良い。
第2段目の直線棒形状衝突部は、工程(2)で当該合成樹脂製短繊維を直線状に集積させた角度(θ)の対角延長線上に2カ所配置(図3の251、252)することが好ましい。その高さ位置については後記する。
第3段目の直線棒形状衝突部は、工程(2)で当該合成樹脂製短繊維を直線状に集積させた角度の延長線上に2カ所263、261とその中間の位置の1カ所262に配置することが好ましい。その高さ位置については後記する。
以降、第m段目の直線棒形状衝突部は、工程(2)で当該合成樹脂製短繊維を直線状に集積させた角度の延長線上に2カ所と、それらの直線棒形状衝突部の間隔を、等間隔に(m−1)に区分した位置に、(m−2)カ所配置することが好ましい。その高さ位置については後記する。
また最下段(第n段目)の直線棒形状衝突部は、その一段上にあたる第(n−1)段目と同じ水平位置に合計(n−1)カ所配置することが好ましい。その高さ位置については後記する。
なおこの繰り返し回数は、工程(4)である準整列梱包する工程への単位時間単位面積あたりの落下投入量が平準化されていれば特に限定はないが、一般的に4段以上(n≧4)が好ましい。
また各段の高さ方向の間隔は、これはまず、工程(4)で利用する梱包箱の幅Yによって決まる。すなわち、工程(3)が繰り返し回数nの衝突部を有する場合、第(n−1)段目において、等間隔に(n−2)に区分された水平方向の間隔Xと、上記Yの関係において、
Y=(n−1)×X 式(1)
が成立しなければならない。ここで、例えば各段の高さ方向の間隔が、段数によらず一定であったとすると、水平方向の間隔Xは、その高さ方向の間隔Hと、上記当該合成樹脂製短繊維を直線上に集積させた角度θによって、下記式(2)の様に記述できる。
X=2H×tan(θ/2) 式(2)
従って式(1)及び式(2)から、式(I)が導かれる。
Y=(n−1)×2H×tan(θ/2) 式(I)
つまり、梱包箱の幅:Yと衝突部の繰り返し回数:n、及び工程(2)での当該合成樹脂製短繊維の集積角度θで、高さ方向の間隔Hはほぼ一義的に決まることになる。
但し、この高さ方向の間隔Hは、当該合成樹脂製短繊維の長さをLとおけば、Hは1.2L以上であることが好ましく、1.5L以上であることがさらに好ましい。高さ方向の間隔Hをこれ以下の間隔に設定すると、工程(3)で該合成樹脂製短繊維が目詰まりを起こす可能性がある。また、衝突部の水平方向の間隔Xにおいても同様の理由から、1.2L以上、好ましくは1.5L以上であることが好ましい。
(工程(4))
工程(4)について図4〜図8を参照して説明する。工程(4)である準整列状態で梱包する工程では、図6に隔壁の部分を抜き出して示すように当該合成樹脂製短繊維の長さLに対応する寸法の間隔S1で配列して整列間隙を構成した第一の隔壁32と、当該合成樹脂製短繊維の準配向状態を決める寸法の間隔で配列して整列間隙S2又はS3を構成する第二の隔壁33とを備える、図4に示す整列シュート30を用いて、工程(3)より落下供給される合成樹脂製短繊維を準整列させて梱包する。同図に示す整列シュート30は、第一の隔壁32及び第二の隔壁33を、上部開口35、下部開口36を有する角筒状の周壁フレーム34に所定の間隔で配置されている。そして、図8に示すように、当該整列シュート30を梱包箱31の内側に上部から挿入し、整列シュート30の上部から当該合成樹脂製短繊維Fを投入する工程である。
第一の隔壁の好適な間隔S1は、当該合成樹脂製短繊維Fの長さで決まるため一概に決定することはできないが、通常、当該合成樹脂製短繊維の長さをLとおけば第一の隔壁の間隔は1.0L〜2.0L、好ましくは1.2L〜1.5Lに設定することが好ましい。この第一の隔壁32は、無秩序に落下してきた合成樹脂製短繊維Fを大まかに整列させる第一の整列過程であるが、最も重要なのは合成樹脂製短繊維の落下を阻害しないことである。それゆえ隔壁の間隔が合成樹脂製短繊維の繊維長Lよりも狭いことは好ましくない。また隔壁の間隔S1の上限については、次に述べる第二の隔壁の状態によっても異なるので一概に規定することは難しいが、合成樹脂製短繊維の繊維長Lの2倍以下、より好ましくは1.5倍以下であって、第二の隔壁の間隔S2又はS3の2倍ないし3倍とすることが好ましい。
一方、第二の隔壁33は、その上端が第一の隔壁32の上端の下方、すなわち、図6における距離hを10mm〜200mm、好ましくは20mm〜100mm、さらに好ましくは50mm〜100mmとするのがよい。また、図7に示すように、第二の隔壁33の好適な間隔S2又はS3は当該合成樹脂製短繊維の長さで決まるため一概に決定することはできないが、通常、当該合成樹脂製短繊維の長さをLとおけば第二の隔壁の間隔は0.33L(隔壁に対して短繊維の長手方向がなす角度θ1=20°)〜0.7L(同45°)、好ましくは0.5L(同30°)〜0.7L(同45°)とするのがよい。この第二の隔壁は、一次整列されて落下してきた合成樹脂製短繊維を所望の範囲に準整列させる第二の整列過程であるが、最も重要なのは準整列後に堆積した合成樹脂製短繊維同士が90°前後の角度で交叉しないことである。つまり第二の隔壁の間隔ではその上限の規定が最も重要で、合成樹脂製短繊維の長手方向と隔壁の平行方向のなす角度が±45°以下となり得ないようにすることが肝要となる。そうすることで堆積した合成樹脂製短繊維群は、次に続く整列シュート30の抜き取り過程でさらに整列が進み、好ましい準整列状態ができあがる。
また、第二の隔壁の間隔は、第一の隔壁の場合と同様、合成樹脂製短繊維の落下を阻害しないことにも配慮が必要となる。つまり、図6(A)に示すように第一の隔壁の間隔:第二の隔壁の間隔=2:1と設計することが最も好ましく、この条件であれば合成樹脂製短繊維が当該整列シュートの上端に不要に堆積することが全くなくなるので最も好適である。しかしながら第一の隔壁において当該合成樹脂製短繊維は大まかに整列されている状態で第二の隔壁に落下してくるので、図6(B)に示すように第一の隔壁の間隔:第二の隔壁の間隔=3:1と設計しても、当該合成樹脂製短繊維の隔壁上での不要な体積が起こることはほとんどない。
さらに、隔壁32,33を構成する素材としては、例えば各種プラスチックのシートや織布、不織布、フィルム等が好適に挙げられ、特にフレキシブルな織布、不織布やフィルムが、後記の整列シュートの抜き取り過程で、堆積した合成樹脂製短繊維の再整列がより進みやすく好適である。また、工程(3)で当該合成樹脂製短繊維の単位時間単位面積あたりの落下投入量を平準化させているが、この隔壁がフレキシブルな状態であれば、梱包の単位面積あたりの梱包量をより平準化させることができる。これは仮に当該合成樹脂製短繊維が一部に偏って梱包されたとしても、その重みによって当該隔壁が変形・移動し、その梱包状態をさらに平準化させることが可能となるためである。
一方、これらの素材はたわみやすく、整列シュートの間隔の一部が合成樹脂製短繊維の繊維長よりも狭くなる可能性もある。このような不具合を回避するために、第一の隔壁の間隔S1を繊維長Lの1.2倍に設定することが好ましい。
また、隔壁をなす素材に織布、不織布やフィルムのようなフレキシブルな素材を用いる場合は、整列シュートの抜き出しを好適に行うために、当該素材の上下方向に一定以上のテンションをかけておくことがさらに好ましい。フレキシブルな素材へのテンションのかけ方については特に限定はないが、例えば、フレキシブル素材の下端に錘となるロッドrを配しておくことが一例としてあげられる。錘となるロッドrは隔壁の幅方向に複数に分割して、隔壁の局部的移動に対応できるようにするのが好ましい。
この整列シュート30は、図8に示すように合成樹脂製短繊維を落下投入する速度Zに呼応する速度Vを以て梱包箱31に対して相対的に上昇させて抜き出しても良いし、合成樹脂製短繊維を所望重量投入した後に梱包箱から上昇させて抜き出しても良い。
また、本発明の梱包設備の一例として、梱包箱を運搬するベルトコンベア系の一部に配置せしめ、ベルトコンベア上に連続して並べられた空の梱包箱31の一つを、ベルトコンベアを駆動させることで本梱包装置の下方の定位置に移動させ、次に上記機構で整列シュート30を相対的に下降させて梱包箱に自動的に挿入し、次いで合成樹脂製短繊維を投入する速度に呼応する速度を以て梱包箱と相対的に上昇させて抜き出すか、あるいは合成樹脂製短繊維を所望重量投入した後に梱包箱と相対的に上昇させて抜き出し、次いで、ベルトコンベア40を駆動させることによって、合成樹脂製短繊維を梱包した箱を本梱包装置の下方から搬出し、同時に次の空の梱包箱を再び本梱包装置の下方に落下投入させる様にしても良い。
また、図9に示すように、ベルトコンベア40上に並べられた空の梱包箱31の1つを、上部にコンベア42を有する昇降台41上にセットし、上部に固定的にセットされた整列シュート30を梱包箱31に挿入すべく、昇降台41を上昇させ、次いで合成樹脂製短繊維を投入する速度に呼応する速度を以て梱包箱を相対的に下降させて、最終的に整列シュート30抜き出し、合成樹脂製短繊維を所定重量投入済の梱包箱をコロコンベア43上に搬出する様にしてもよい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
X字断面を有する見なし直径0.7mm、長さ48mmのポリプロピレン(PP)製短繊維(宇部日東化成株式会社製、シムロック(登録商標)LX)の梱包において、以下の方法で梱包した。
工程(1)である水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせる工程では、図1に示すように延伸された長繊維状のモノフィラメント束Tに、連続してエンボスローラー(図示省略)で成型したX字断面を有する見なし直径0.7mmのPP製合成樹脂製繊維の束Tに、所定の濃度で調整されたコンクリート混和剤(成分:1−ドデカノール、濃度:4.5%)の水溶液槽2に浸漬させたゴムロール3bに接触させ、対ロール3aで押圧することで、当該コンクリート混和剤水溶液をPP製合成樹脂製繊維の束Tに転写させつつ含浸し、0.2質量%付着させた。
コンクリート混和剤水溶液を付着された合成樹脂製繊維の束Tは、次いで切断刃5a、5bがセットされた繊維切断装置(カッター)4で48mmにカットした。カットされたモノフィラメントは、カッター下部の熱風送風機より85℃の熱風でダクト6中を風送され、サイクロン7を経て、工程(3)との連結ダクトとしての逆台形状筒体(導入ダクト)10に落下させた。この段階でのモノフィラメントの水分率は、0.1質量%であった。また、逆台形状筒体10において、図2(B)に示す稜辺11,12の仮想延長線上の収束角(傾斜角)θを45°とした。
前記逆台形状筒体10は、図2(B)に示すような位置関係で解繊装置20と連結されている。解繊装置20として、図3(A)において、正面部の幅Wが530mm、図3(B)における側面部の幅Yが330mm、高さが600mmの角筒体21に、θが45°、第一段目中央の衝突部241の左右に衝突部242,243、第二段目に2つの衝突部251,252、第三段目に3つの衝突部261〜263、第四段目に2つの衝突部271、272を有し、衝突部間の水平方向間隔Xを82.5mm、各段の間隔Hを100mmとして、5段の衝突部列を有する解繊装置を、衝突部に直径1mmの鋼線を使用して作製したものを用いた。
前記逆台形状筒体10を介して、2mの上方から、第一段目中央の衝突部241に大半を衝突させ、順次各段の衝突をさせ、底面側の開口部23においては、水平方向にほぼ均等に分散されているのが目視された。
次に整列シュートとして、図6(A)に示すように第一隔壁32、32の間隔S1が50mm、その中央に第二隔壁33が、第一隔壁32との間隔S2が25mm、第一隔壁32の上端と第二隔壁の上端との距離hが25mm、全幅が520mm、厚み150μmの低密度ポリエチレンシートからなる隔壁11枚によって、12の空間が形成された整列シュート30を前記解繊装置20の下側に取り付けた。なお、各隔壁の低密度ポリエチレンシートは上端部は直径1mmの鋼線を心材とし、下端側には、同じ心材を100mmにカットしたものを縦列させこれを錘として、各々シートで包んで、下端側の隔壁シートは自由に遊動可能な状態とした。
しかる後、図9に示す排出コンベア42を備える昇降台41に梱包箱31をセットし、昇降台41を梱包箱の底と隔壁シートの下部が接触するまで上昇させ、上部の解繊装置20より、当該整列シュート30に合成樹脂製短繊維を660g/分で落下供給した。なお、梱包箱は、55cm×35cm×55cmの大きさのものである。
昇降台41を3分おきに約10cmずつ下降させて整列シュート30を梱包箱より上昇させた(抜き出した)。
梱包箱には12kgの梱包が可能で、従来の設備を用いた梱包方法の比較例1と対比して2倍程度の梱包が可能となった。梱包された繊維中に凝集した合着繊維は認められなかった。
比較例1
実施例1において、工程(3)及び工程(4)を行うことなく、サイクロンの下から直接梱包箱に落下供給して充填する従来の方法では、5.9kgしか梱包できなかった。また繊維同士が凝集して解繊しにくい合着繊維の比率が1梱包(5.9kg)中7質量%であった。
比較例2
実施例1において整列シューターを用いない他は実施例1と同様にして梱包したところ、6.1kgしか梱包できなかった。合着繊維は認められなかった。
比較例3
実施例1において、解繊装置を用いることなく、逆台形供給部から直接整列シューターに落下供給して梱包したところ、6.5kgしか梱包できず、合着繊維の比率が1梱包(6.5kg)中3質量%であった。
以上の実施例、比較例のダンボールケース1個当たりの梱包重量、合着繊維率(質量%)をまとめて表1に示す。
なお、合着繊維率は、1梱包を解体して、手作業で凝集部分を選別し、当該凝集部分の重量を測定して、梱包重量全体に対する質量%で表した。
Figure 0005860716
本発明のコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法は、モルタル或いはコンクリートの補強用短繊維を高密度で梱包する方法として有効に利用できる。
本発明の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置は、補強用短繊維を高密度で梱包できる装置として有効に利用できる。
1. 水またはコンクリート混和剤付与装置
2. 水溶液槽
3a. 対ロール
3b. ゴムロール
4. 繊維切断装置
5a、5b. 切断刃
6. ダクト
7. サイクロン
10. 逆台形状筒体(導入ダクト)
11、12. 稜辺(面板)
20. 解繊装置
21. 角筒体(周壁フレーム)
22. 上部開口部
23. 下部開口部
241〜243. 第一段目衝突部
251、252. 第二段目衝突部
261〜263. 第三段目衝突部
271、272. 第四段目衝突部
30. 整列シュート
31. 梱包箱
32. 第一の隔壁
33. 第二の隔壁
34. 周壁フレーム
35. 上部開口
36. 下部開口
40. ベルトコンベア
41. 昇降台
42. コンベア
43. コロコンベア
100. 整列梱包装置
D. 梱包箱の深さ
F. 合成樹脂製短繊維
S1. 第一の隔壁間の間隔
S2. 第一の隔壁と第二の隔壁間及び/又は第二の隔壁間の間隔
T. 合成樹脂製繊維(モノフィラメント)束
W. 解繊装置の正面の幅
X. 衝突部間の水平方向の間隔
Y. 梱包箱の幅(解繊装置の側面の幅)
θ. 逆台形状筒体の二つ稜辺の仮想延長線の交点がなす角度
θ1. 整列間隙において合成樹脂製短繊維の単繊維が隔壁となす角度

Claims (5)

  1. 少なくとも次の工程(1)〜(4)を順次行うことを特徴とするコンクリート補強用合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
    工程(1):合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせた後、切断して合成樹脂製短繊維とする工程
    工程(2):合成樹脂製短繊維の湿潤状態を、水分率で0.01質量%〜1.0質量%に制御する工程
    工程(3):合成樹脂製短繊維を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突部に衝突させて解繊する工程
    工程(4):(i) 梱包箱の周壁内面と小間隔を隔てる上下開放周壁フレームの上部開放側フレームに固定された第一の隔壁の上端をなす棒状物に、梱包箱の深さDに対応した寸法を備え、下端に棒状の錘を有する合成樹脂製の織布・不織布あるいはフィルムから選択される柔軟性シート材を固着する一方、
    (ii) 上下開放周壁フレームの前記第一の隔壁の上端をなす棒状物の上端から10mm〜200mm下方の位置に固定された第二の隔壁の上端をなす棒状物に、前記同様の下端に錘を有する柔軟性シート材を、その下端が第一の隔壁の下端と揃うように固着し、
    第一の隔壁及び第二の隔壁の下部開放側の下端側を移動可能な自由端状に垂下してなる、
    整列シュートの上部から合成樹脂製短繊維を投入して合成樹脂製短繊維を梱包箱に整列堆積させ、堆積中あるいは堆積後に整列シュートを抜き出して梱包する工程
  2. 工程(4)の整列シュートが、合成樹脂製短繊維の長さ(L)の1.0倍〜2.0倍の間隔で配列した整列間隙を備える第一の隔壁と、その上端が第一の隔壁の上端から10mm〜200mm下方にあって、第一の隔壁と第二の隔壁及び/又は第二の隔壁同士の間隔が合成樹脂製短繊維の長さ(L)の0.33倍〜0.70倍であり、かつ、隣り合う第一の隔壁の間隔とその間に存在する第二の隔壁により区画される間隔の比が2:1、あるいは3:1となっている整列間隙を備える第二の隔壁を有する請求項1に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
  3. 工程(3)の解繊工程が、梱包箱の内周壁の大きさに対応した角筒状枠体に配設され、工程(2)に設けた逆台形状筒体の二稜辺の延長部がなす角θでその交点の位置に配された第1段目の中央衝突部に合成樹脂製短繊維の集積体を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突させ、これを起点として、その下方に複数の段数nで配置された衝突部列に順次衝突させて分散させ、角筒状枠体の最下方において開口部における合成樹脂製短繊維の密度を均一化する、請求項1に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包方法。
  4. 少なくとも次の(1)〜(4)の4つの装置を順次配置してなることを特徴とする合成樹脂製短繊維の整列梱包装置。
    装置(1):合成樹脂製繊維を水またはコンクリート混和剤水溶液で湿らせた後、切断して合成樹脂製短繊維とする手段を含む装置
    装置(2):合成樹脂製短繊維の湿潤状態を、水分率で0.01質量%〜1.0質量%に制御する手段を含む装置
    装置(3):合成樹脂製短繊維を3.0m/秒〜10m/秒の速さで衝突部に衝突させて解繊する手段を含む装置
    装置(4):整列シュートの上部から合成樹脂製短繊維を投入して合成樹脂製短繊維を梱包箱に整列堆積させ、堆積中あるいは堆積後に整列シュートを抜き出して梱包する手段を含み、該整列シュートの形状が、合成樹脂製短繊維の長さの1.0倍〜2.0倍の間隔で配列して整列間隙を備える第一の隔壁と、その上端が第一の隔壁の上端から10mm〜200mm下方にあって、第一の隔壁と第二の隔壁及び/又は第二の隔壁同士の間隔が合成樹脂製短繊維の長さの0.33倍〜0.70倍であり、かつ、隣り合う第一の隔壁の間隔とその間に存在する第二の隔壁により区画される間隔の比が2:1〜3:1となっており、かつ、プラスチック製の織布・不織布あるいはフィルムのようなフレキシブルな素材からなり、その下端に錘を配してなる装置
  5. 装置(3)の解繊する手段が、梱包箱の内周壁の大きさに対応した角筒状枠体に配設され、装置(2)に設けた逆台形状筒体の二稜辺の仮想延長部が交わる角度θで、その交点の位置に配された第1段目の中央衝突部と、その下方に複数の段数nで配置された衝突部列を備え、該衝突部に合成樹脂製短繊維を順次衝突させて分散させ、角筒状枠体の最下方において開口部における合成樹脂製短繊維の密度を均一化する場合において、
    梱包箱の幅Y、繰り返し段数n、第(n−1)段目において等間隔に(n−2)に区分された水平方向の間隔Xと、段数によらず一定とした場合の各段の高さ方向の間隔H、及び前記角度θによって、下記式(I)を満足する、請求項に記載の合成樹脂製短繊維の整列梱包装置。
    Y=(n−1)×2H×tan(θ/2) 式(I)
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