JP5860175B2 - 気中物質検知装置及びそれに用いるカートリッジ - Google Patents

気中物質検知装置及びそれに用いるカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、呼気中または大気中に含まれる微粒子を検出する気中物質検知装置及びそれに用いるカートリッジに関する。
感染症の拡大を防止するために、医療現場ではさまざまな診断及び防止手法が使用されている。例えば、インフルエンザなどの呼吸器系の感染症の場合には、簡便・迅速に診断できることから、簡易キットが多用されている。簡易キットを用いた診断では、患者の鼻腔内に綿棒を挿入して鼻腔内の体液を採取したのち、免疫クロマトグラフィ法により体液に含まれるウイルスや菌などの微生物の抗原を検知する
上記簡易キットを用いた診断は簡便ではあるものの、患者の体内から直接微生物の抗原を採取する必要があるので医療診断技術として扱われ、医療従事者以外は作業を制限される。そこでより簡易的に微生物を検知する方法が求められている。この要求に対しては、空気中に漂うウイルスや菌などの微生物を呼気から直接捕集し、遺伝子増幅や画像処理により検知する方法が提案されている。
呼気から微生物を検知する例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の微生物検知システムでは、微生物検知チップの捕集部表面に大気中の微生物をインパクション法により捕集し、捕集した微生物を液体中に溶離させている。その後、微生物を含む液体を別のチップに移し、遺伝子増幅法により微生物を検知する。
他の微生物検知例が特許文献2に記載されている。この公報では、膜法により微生物を捕捉し検知するシステムを用いている。具体的には、上面パーツと底面パーツの2個の部材間に細孔を有する膜を配置し、この膜で細孔よりも大きな流体中に含まれる微生物を捕捉する。その後、捕捉した微生物を可視化試薬で染色して、CCDカメラで撮像し画像処理、または電子顕微鏡等を用いて観察及び分析している。
特開2006−345727号公報 特表2005−533502号公報
感染症の診断を簡便・迅速に実施するには、簡易キットは有効な方法である。しかしながら、簡易キットを用いる際には患者の鼻腔内に綿棒を挿入し体液を採取する必要があり、幼い患者では苦痛による拒否反応を示す場合もある。また、一般に簡易キットは感度が低く、感染初期の患者の場合には十分な微生物の抗原量を確保できない場合もある。さらに、採取した微生物の抗原量が少ないと陰性判定となる場合がある。これらにより、必ずしも予防効果を発揮し得ない。さらにまた、患者の鼻腔内に綿棒を挿入する行為は医療行為なので、医療従事者に制限される。
これに対して、特許文献1や特許文献2に記載されたインパクション法やろ過捕集を用いて空気中の微生物を直接捕集する方法は、患者に苦痛を与えずに微生物を採取することが可能であり、また医療行為ではないため医療従事者以外も実施することができる。しかし、特許文献1記載の方法では、捕集と検知を異なるチップで実施するので、微生物を含む液体を移し替える必要がある。さらに、遺伝子増幅法を利用する検知方法であるので、微生物からの遺伝子の精製と遺伝子の増幅に数時間必要であり、検査結果を迅速に取得することが難しい。
特許文献2に記載の微生物検知方法は、膜上に捕集した微生物を直接検知するので、捕集と検知を自動かつ連続的に実施することが可能である。また、対象物の大きさや形状、可視化試薬による染色、光強度の情報から微生物と埃などの微粒子を判別し、正確な測定をすることも可能である。
しかしながらこの特許文献2に記載の方法は、上部パーツと空洞を介してフィルタ面に励起光を照射して画像を取得するので、上部パーツと空洞の境界間での屈折やフィルタ面での反射光もしくは散乱光の影響により、取得した画像が不鮮明になるおそれがある。また、大きさ数μmの微生物の形状を判別するには高倍率で拡大した画像を取得する必要があるが、数mmの膜面の全面の画像を取得し微生物を判別するには長時間必要になる。その結果、検査結果を迅速に取得することが困難になる。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、呼気バッグ等のガス密封体とカートリッジを着脱可能に取り付ける気中物質検知装置において、呼気中または大気中から微生物を、簡便にかつ高精度で検出することにある。また、他の目的は、気中物質検知装置に使用する使い捨てのカートリッジにより、上記微粒子検出を容易かつ高精度化することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、気中物質検知装置用カートリッジが、微粒子を含む気体が流入する微細孔が形成された導入板と、微細孔に対向配置され微細孔に対向する表面に微粒子を捕捉可能な捕集板と、導入板と捕集板とが付設され微粒子を含む気体を微細孔に導く流路が形成された本体とを備え、捕集板の捕集面を内側にして最外面側に配置しかつ捕集板を光透過性部材で構成したことにある。
また本発明の他の特徴は、上記気中物質検知装置用カートリッジと、捕集板に捕捉された微粒子を光学的に検知するための光学検知器とを気中物質検知装置が備え、捕集板をカートリッジの最外面側に配置しかつ捕集板を光透過性部材で構成し、光学検出器を捕集板の捕集面の背面側に配置したことにある。
本発明によれば、呼気バッグ等の密封体とカートリッジを着脱可能に取り付ける気中物質検知装置において、カートリッジが備える捕集板の背面から光学的に微粒子を検出するようにしたので、気中物質検知装置は呼気中から微生物を、簡便にかつ高精度で検出できる。また、カートリッジの捕集板を透光性としたので、上記背面からの検出が可能になる。
本発明に係る呼気中微生物検知装置の原理を示す模式図である。 本発明に係るカートリッジの一実施例の斜視図であり、正面視図である。 図2Aに示したカートリッジの斜視図であり、裏面視図である。 図2AのA−A’線断面図である。 図3Aに示したB部の拡大図である。 図3Bに示したC部の拡大図である。 図2Aに示したカートリッジの分解斜視図である。 図2Aに示したカートリッジを有する呼気中微生物検知装置の斜視図である。 図5に示した呼気中微生物検知装置の配管系統図である。 呼気中微生物検知装置を用いた微生物検知のフローチャートである。 図2Aに示したカートリッジの動作を説明する図であり、微生物を捕集する工程の図である。 図2Aに示したカートリッジの動作を説明する図であり、微生物を標識する工程の図である。 図2Aに示したカートリッジの動作を説明する図であり、洗浄工程の図である。 図5に示した呼気中生物検知装置が備える光学検出器の模式図である。 本発明に係るカートリッジの他の実施例の斜視図である。 図10に示したカートリッジを有する呼気中微生物検知装置の配管系統図である。 図10に示したカートリッジの動作を説明する図であり、微生物を捕集する工程の図である。 図10に示したカートリッジの動作を説明する図であり、微生物を標識する工程の図である。 図10に示したカートリッジの動作を説明する図であり、洗浄工程の図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るいくつかの実施例を説明する。なお、本発明では、検知対象となる「空気中もしくは呼気中に含まれる微生物」は、一般的な定義の微生物より広い範囲であり、ウイルスや細菌、酵母、原生動物、菌類、胞子、花粉をも含む。
図1に、本発明に係る気中物質検知装置の一種である呼気中微生物検知装置1を、模式的に示す。呼気中微生物検知装置1は、部分断面図で示されている。呼気中微生物検知装置1では、箱状に形成された検知装置本体の一側面に、カートリッジ10を着脱可能に付設している。呼気中微生物検知装置1が配設された場所または遠隔地で採取された患者の呼気を封入した呼気バッグ121を、カートリッジ10に連結管1281を介して接続する。
カートリッジ10は、扁平な直方体状または厚みのあるカード状をしており、直方体状の本体110内に、複数の微細孔115が形成された多孔板(導入板)112と、この多孔板112と僅かな間隔をおいてほぼ平行に配置された捕集板114とを保持している。本体110の扁平な側面の中央部には、呼気バッグ121に連結する連結管1281を着脱するために、吸気口100が形成されている。
呼気中微生物検知装置1は、呼気バッグ121内の呼気を吸引するため図示しないポンプを備えており、ポンプは呼気バッグ121内の呼気を矢印1222のようにカートリッジ10側へ吸引する。本体110の吸気口100から導入された呼気バッグ121内の呼気は、多孔板112に形成された微細孔115を通過し、光透過性の捕集板114の表面に噴流として衝突し、捕集板114の表面付近で流れ方向を変える。このとき、呼気に含まれる微生物粒子150は、慣性力により気流から外れ、捕集板114の表面に衝突し捕集される。一方、微細孔115から流出して微生物粒子150を取り除かれた呼気は、捕集板114の端面と本体110の内周面間に形成された隙間を通気口116として流通し、カートリッジ10の外部へ排出される。この方法は、インパクション法と呼ばれている。
捕集板114に捕集された微生物粒子150を光学的に検出するため、呼気中微生物検知装置1の本体内部であって捕集板114の背面側に、光学検出器124が配置されている。光学検出器124は、捕集板114の表面に捕集された微生物粒子150に励起光1241を照射する。その際、微生物粒子150が発生した蛍光1242を光学検出器124が検出して、呼気中の微生物粒子150の存在を検知する。ここで、光学検出器124と微生物粒子150の間には光透過性の捕集板114しか配置されていないので、光の屈折や反射、散乱の影響を可能な限り排除できる。その結果、微生物粒子150が発生する微弱な蛍光でも検出可能となる。
ここで、微生物粒子150が蛍光を発生できるように、呼気中微生物検知装置1は捕集した微生物粒子150を特定の蛍光色素で標識する。インフルエンザウイルスや結核などの特定の微生物を検知する場合、これらの特定の微生物に特異的に結合する蛍光色素を使用して、検知感度や判別性能を向上させている。例えばインフルエンザウイルスに対しては、蛍光標識した抗インフルエンザウイルス抗体を使用し、結核菌に対しては蛍光標識した抗結核菌抗体を使用する。
呼気バッグ121とカートリッジ10の本体110間を接続する連結管1281の途中に液体を霧化する噴霧器123が連結している。噴霧器123には蛍光色素液が貯蔵されており、噴霧器123は貯蔵されている蛍光色素液を霧化して、蛍光色素を含むミスト153を発生させる。
捕集板114に微生物粒子150を捕集した状態で、噴霧器123で生成したミスト153を、複数の微細孔115から捕集板114の表面に噴射する。微細孔115から噴射され捕集板114に衝突したミスト153に含まれる蛍光色素と、捕集板114の表面に捕集された微生物粒子150は、特異的に結合して標識される。標識された微生物粒子150では、この微生物粒子150に特異的に結合した蛍光色素が、光学検出器124から発せられた励起光1241により励起されて蛍光1242を発生する。発生した蛍光1242は、光学検出器124で検知される。
ここで、呼気中微生物検知装置1には、カートリッジ10と一体または別体で、試薬1061を貯蔵する試薬容器106と使用後の試薬1061を貯留する廃液容器103が設けられている。試薬1061は、例えば洗浄液や蛍光色素液である。洗浄液の場合には、微生物粒子150の標識に寄与せず捕集板114付近に残存した蛍光色素を取り除く、もしくは光学検出器124での検知を終え次のカートリッジ10での検知作業を円滑に進めるのに使用される。試薬1061が蛍光液の場合には、微生物粒子150への蛍光色素の標識に使用される。
図示しないポンプを作動させて、試薬容器106から捕集板114の表面に試薬1061を供給して捕集板114の表面を洗浄もしくは微生物粒子への標識をした後、供給した試薬1061を廃液容器103に廃棄する。
本発明に係る呼気中微生物検知装置1を用いた微生物検知においては、検査者は、患者の呼気を収納した呼気バッグ121を呼気中微生物検知装置1に接続するだけで、以後の処理は自動的に実行される。つまり、呼気バッグ121を接続すると、ポンプが起動されて、呼気中の微生物粒子150が自動的にカートリッジ10の捕集板114の表面に捕集される。捕集された微生物粒子150には噴霧器123または試薬容器106から蛍光色素が供給され、供給された蛍光色素が微生物粒子150に特異的に結合する。特異的に結合した蛍光色素からの蛍光を光学検出器124が自動的に検知して、微生物粒子150を検知する。
なお図1では、試薬1061の試薬容器106及び廃液容器103をカートリッジ10と別体にし、ミスト153を発生する噴霧器153内に蛍光色素液を貯蔵している。しかし、後述するように試薬容器106に蛍光色素を貯蔵し、廃液容器103とともにカートリッジ10内にこれらの容器106、103を形成してもよい。
次に、具体的なカートリッジ10の詳細を、図2Aないし図4を用いて説明する。
図2Aは、カートリッジ10の正面側の斜視図であり、図2Bはカートリッジ10の背面側の斜視図である。図3Aは、図2AにおけるA−A’線断面図であり、図3Bは図2AのB部拡大図、図3Cは図3BのC部拡大図である。
カートリッジ10は、液体を内部に保持し、呼気中もしくは空気中の微生物を捕集および検知するのに必要ないくつかの工程を行うための機構を内部に備えている。カートリッジ10の大部分を占める本体110の正面中央部には、呼気バッグ121に連通する連結管1281が着脱自在に接続される吸気口100が形成されている。呼気バッグ121から微生物を含む呼気もしくは大気が吸気口100へ流入する。カートリッジ10の周縁部には、複数の通気口1011〜1014が形成されており、カートリッジ10の内部に形成された詳細を以下に説明する複数の流路1051、1052、…内の圧力を変化させて、呼気や試薬、洗浄液等の流動を制御するのに用いられる。
本体110の背面側であって中央部には、図2Bに示すように、吸気口100に対応する位置に、微生物粒子を捕集・検知するための捕集・検知部104が付設されている。本体110の一方の側(図2Bでは左側)には、捕集・検知部104を洗浄するのに用いる洗浄液1021が貯蔵された洗浄液容器102が形成されている。また、本体110の他方の側(図2Bでは右側)であって、捕集・検知部104を挟んで洗浄液容器102と反対側には、捕集・検知部104を通過した洗浄液1021を収容するための廃液容器103が形成されている。
洗浄液容器102と捕集・検知部104は、本体110に形成した洗浄液容器102と捕集・検知部104との連通流路1051により連結されている。また、廃液容器103と捕集・検知部104とは、本体110に形成した廃液容器103と捕集・検知部104との連通流路1052により連結されている。なお、以下の記載においては、洗浄液1021の流れに沿って洗浄液容器102の側を上流側、廃液容器103の側を下流側と呼ぶ。
本体110の上部中央に設けた通気口1012は、洗浄液容器102と捕集・検知部104とを連通する連通流路1051に連通している。同様に、通気口1013は、洗浄液容器102の上部に連通し、通気口1014は廃液容器103の上部に連通する。通気口1011は、本体110の下部中央に設けられており、廃液容器102と捕集・検知部104との連通流路1052に連通している。
洗浄液容器102と捕集・検知部104との連通流路1051の末端側は、2つに分岐した分岐流路1048を形成しており、一方は上記通気口1012を端部とし、他方は捕集・検知部104まで延びて捕集・検知部104への連結部1046を形成している。同様に、廃液容器103と捕集・検知部104との連通流路1052の末端側も2つに分岐した分岐流路1047を形成しており、一方が通気口1011を端部とし、他方が捕集・検知部104まで延びて捕集・検知部104への連結部1045を形成している。
図4に、カートリッジ10を分解斜視図で示す。上述したように本体110には、各容器102、103および各流路1047、1048、1051、1052と通気口1011〜1014、1045、1046が形成されている。これら容器102、103および流路1047、1048、1051、1052等が作成容易なように、加工性や製造コストをも考慮して、本体110には耐水性の樹脂材料を用いる。耐水性樹脂材料として、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステル等を使用する。これら材料を用いて、容器102、103や流路1047、1048、1051、1052を本体110に射出成型で形成する。
本体110に多孔板112を接着するために、両面に接着剤が塗布されたシート状の粘着層111が、多孔板112の背面側に接着されている。これにより、密閉状の各容器102、103および各流路1047、1048、1051、1052が形成される。粘着層111の中央部には、吸気口100に対応する位置に連通孔100bが、連結部1045、1046に対応する位置に連通孔1043、1044が、それぞれ形成されている。
粘着層111は、本体110と多孔板112を接着させるための部品であるから、接着剤が塗布されたシートの代わりに、アクリル系やシリコーン系の粘着剤を使用することもできる。また、超音波溶着などの方法で本体110と多孔板112とを接合する場合には、不要である。
粘着層111の背面側には、複数の微細孔115が中央部に形成された多孔板112が接着されている。多孔板112の微細孔115よりも周辺部であって、粘着層111の連通孔1043、1044に対応する位置に、連通孔1041、1042が形成されている。
多孔板112には、微生物粒子150に標識した蛍光色素154からの蛍光検知の際のノイズとならないように、迷光や自家蛍光が発生しにくいポリエチレンテレフタレートやポリメタクリル酸メチルエステル、シクロオレフィンポリマーなどの光透過性の樹脂材料を使用する。多孔板112に形成する微細孔115は、機械加工や超音波加工、エッチング、レーザーなどの微細加工法により形成する。
インパクション法を用いて微生物粒子150を捕集するときは、捕集する微生物粒子150の粒径が小さくなるほど微細孔115の直径を小さくする。また、吸引量が多いほど、微細孔115の数を増やす必要がある。そのため、測定対象によって微細孔115の最適な直径や微細孔115の数は変化する。
例えば直径0.3μmのウイルス粒子から直径数10μmの花粉を検知対象とし、0.001m/min〜1m/minの範囲の吸引量で検査を実施する場合には、微細孔115の直径は0.01m〜3mm、微細孔115の間隔は0.05mm〜15mm、微細孔115の数は1〜10,000個程度である。典型的には、直径0.3μm以上のウイルス粒子を含む呼気を、0.003m/minの吸引量で吸引する場合に、微細孔115の直径を0.1mm、微細孔115の間隔を0.6mm、微細孔115の個数を100個としている。
多孔板112の背面側であって微細孔115が形成された部分の周囲に、中央部に開口1131が形成されたリング状のスペーサ113を接着する。スペーサ113は、両面に接着剤が塗布されたシート状をしており、スペーサ113の表面にはスペーサ113とほぼ同外径の捕集板114が接着剤により接着されている。スペーサ113は、多孔板112と捕集板114間に介在して、これら2種の板112、114間に所定の隙間δを形成する (図3B参照)。
スペーサ113は耐水性の樹脂材料製であり、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステル等の樹脂を使用可能である。インパクション法により微生物粒子を捕集する場合には、スペーサ113の厚さは微細孔115の直径の1〜10倍程度であり、例えば微細孔115の直径が0.1mmのときはスペーサ113の厚さを0.1mm〜1mmとしている。
捕集板114は、微生物粒子150を捕集する際の受け板として機能するだけでなく、光学検出器124で蛍光検知をする際に、励起光1241および蛍光1242の光導通路としても作用する。そのため、近紫外から近赤外の波長域、すなわち300nm〜800nmにおける一部波長域にて、光透過率が80%以上でかつ自家蛍光が小さい材料を使用する。捕集板114には、ガラスや石英の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチルエステル、シクロオレフィンポリマー、ポリジメチルシロキサンなどの光透過性樹脂を用いる。もしくは、上記各材料で構成された部材を貼り合わせて使用してもよい。また、捕集板114の厚さは、0.1mm〜10mm程度である。
衝突した微生物粒子150を確実に捕集するために、捕集板114の表面には粘着性の物質を塗布もしくは貼りつけてもよい。または、特定の微生物粒子と特異的に結合する抗体もしくは人工抗体などの物質を、物理的結合や化学的結合により修飾することも可能である。
このように構成したカートリッジ10の幅方向(x方向)及び高さ方向(z方向)の長さLx、Lzは、ともに10mm〜300mm程度であり、厚さ方向(y方向)の長さLyは3mm〜100mm程度である。吸気口100の直径φdは、1mm〜100mm程度である。また洗浄液容器102の容積Lwは、0.1ml〜100ml程度の洗浄液1021を内部に貯蔵できる大きさである。洗浄液容器102と捕集・検知部104との連結流路1051や捕集・検知部104と廃液容器103との連結流路1014の深さ及び流路幅は0.1mm〜10mm程度である。典型的には、Lx、Lzは60mm程度であり、Lyは10mm程度である。
図5は、上記カートリッジ10を収容した呼気中微生物検知装置1の斜視図である。呼気中微生物検知装置1では、患者の呼気を吹き込んだ呼気バッグ121を着脱自在とするために、呼気バッグ121の取付口1282が上面に形成されている。この取付口1282には、呼気中微生物検知装置1の内部を這うように設けられた連結管1281が連結されている。連結管1281の端部は、カートリッジ10の中央部に形成した吸気口100に嵌合可能になっている。
呼気中の微生物を捕集・検知するカートリッジ10は、呼気中微生物検知装置1の一側面の上部に形成した窓部1283の近傍に設けたカートリッジホルダ127に収容される。カートリッジ10をカートリッジホルダ127に収容した後に呼気中微生物検知装置1を封止するため、窓部1283には開閉可能なふた128が取り付けられている。ふた128には、連結管1281が取り付けられている。したがって、ふた128が窓部1283を閉じると、L字状に曲げられた連結管1281の先端がカートリッジ10の吸気口100に自動的に嵌合する。
呼気中微生物検知装置1の背面側には、カートリッジ10に捕集された微生物粒子を蛍光検知するための光学検出器124が配置されている。光学検出器124の背面側には、カートリッジ10に形成された各流路1051、1052等を減圧して、呼気バッグ121中の呼気や噴霧器128により霧化された蛍光色素のミストをカートリッジ10に吸引するポンプ122が配置されている。
呼気中微生物検知装置1の内部であってカートリッジホルダ127の側部には、呼気中の微生物に特異的に結合する蛍光色素を含む液体を霧化する噴霧器123が配置されている。また、カートリッジホルダ127の下方には、呼気中微生物検知装置1の動作を制御する制御部125と、検査内容や検査結果を表示する表示部126とが配置されている。図5では、制御部125と表示部126を呼気中微生物検知装置1に組み込んでいるが、外部接続したパーソナル・コンピュータ等で代用してもよい。
図6は、呼気バッグ121及び噴霧器123からカートリッジ10間に形成された各流路の配管系統図である。呼気バッグ121には、呼気を収集した後に収集した呼気が漏れるのを防止する図示しないバルブが形成されており、このバルブは呼気中微生物検知装置1に呼気バッグ121を取り付けると自動的に開放する。
呼気中微生物検知装置1では、呼気バッグ121の連結管1281にバルブ1311が、この連結管1281から分岐した噴霧器123用の配管の途中にバルブ1312が、それぞれ設けられている。上述したように、連結管1281の先端部は、カートリッジ10の吸気口100に連結する。
一方、ポンプ122の吸気配管131は複数の配管系に分岐しており、その一つの配管系132はカートリッジ10の廃液容器103に連通する通気口1014に、他の一つの配管系133は洗浄液容器102に連通する通気口1012及び廃液容器103に連通する通気口1011に連結する。配管132にはバルブ1315が、配管133にはバルブ1313が介在されている。カートリッジ10の洗浄容器102に連通する通気口1013には、大気開放される配管134が連結する。この配管134には、バルブ1314が取り付けられている。なお、上記各バルブは、呼気中微生物検知装置1の内部に設けられている。
図7〜図8Cを用いて、呼気中微生物検知装置1の各工程および各工程における各バルブ1311〜1315の開閉状態を説明する。ここで、図7は、呼気中微生物検知装置1を用いて呼気中の微生物粒子を検知するフローチャートであり、準備および捕集、標識、洗浄、検出の各工程を示す図である。また、図8A〜図8Cは捕集および標識、洗浄の各工程におけるカートリッジ10内の流動の状態と、捕集板114での微生物粒子150や蛍光色素154の流動状態を示す図である。
(0)準備工程
呼気中の微生物を検知する作業が開始されると、検査者は、患者の呼気を吹き込んだ呼気バッグ121とカートリッジ10を呼気中微生物検知装置1に装着し、ふた128を閉じる。その後、制御部125に設けた入力手段から検査内容を指定し、検査する。これらの情報は、表示部126に表示される。呼気中微生物検知装置1に必要道具もしくはカートリッジ10や呼気バッグ121が装着されているか否かを制御部125が、ステップS310でチェックする。必要道具が設置もしくは装着されていないときには、表示部126に警告が表示される(ステップS300)。準備が完了したら捕集工程が開始される(ステップS320)。
なお、本実施例では患者の呼気を検査対象としているが、呼気バッグ121の代わりに生活環境の大気等が封入されたバッグを用いれば、生活環境の大気中の微生物粒子や、動物の皮膚の破片、ダニの糞や死骸、ハウスダストなどのアレルゲンの他、排ガス粒子、アスベストなどの鉱石粒子を検知することも可能である。
表1に、各工程における各バルブ1311〜1315及びポンプ122、光学検出器124の状態を示す。以下、この表1と図7、図8A〜図8Cを参照しながら、捕集および標識、洗浄、検出の各工程について説明する。
Figure 0005860175
(1)捕集工程
捕集工程では、呼気バッグ121とカートリッジ10の吸気口100間を接続する連結管1281に設けたバルブ1311を開状態にする。また、カートリッジ10の廃液容器103の流入側に連通する通気口1011及び洗浄液容器102の流出側に連通する通気口1012とポンプ122間を接続する配管133に設けたバルブ1313も開状態にする。これにより、ポンプ121が吸引動作をすると、図8Aに示すように、呼気バッグ121中の呼気は、カートリッジ10の吸気口100と上記通気口1011、1012に流入する。
また、洗浄液容器1013の上端部に形成した通気口1013に連結する配管134に設けたバルブ1314及び廃液容器103の上端部に形成した通気口1014に連結する配管132に設けたバルブ1315を閉状態にする。これにより、カートリッジ10の洗浄液容器102内の洗浄液1021は、洗浄液容器102内に留まる。
この状態では、呼気中に含まれる微生物粒子150は多孔板112の微細孔115を通過し、捕集板114に衝突する。衝突した微生物粒子150は、捕集板114の表面に結合している抗体151と特異的に結合し、捕集板114表面に捕集される。
(2)標識工程
設定した捕集時間ta(min)が経過したか否かを、制御部125が判断する(ステップS330)。捕集時間ta(min)が経過したら、標識工程を開始する(ステップS340)。
標識工程では、連結管1281から分岐し噴霧器123に接続する配管に設けたバルブ1312を開状態にする。また、廃液容器103の流入側に連通する通気口1011及び洗浄液容器102の流出側に連通する通気口1012とポンプ122間を接続する配管133に設けたバルブ1313も開状態にする。
その結果、ポンプ121を吸引動作させると、図8Bに示すように、噴霧器123で発生した蛍光色素154を含むミスト153は、カートリッジ10の吸気口100を経由してカートリッジ10内に捕集される。このとき、ミスト153は多孔板112の微細孔115を通過して、捕集板114に衝突する。衝突したミスト153は、捕集板114の表面に捕集されている微生物粒子150と衝突し、ミスト153内の蛍光色素154と微生物粒子150は特異的に結合する。
(3)洗浄工程
設定した標識時間tb(min)が経過したか否かを、制御部125が判断する(ステップS350)。標識時間tb(min)が経過したら、洗浄工程を開始する(ステップS360)。
洗浄工程では、洗浄液容器102の上端部に連通する通気口1013に接続する配管134に設けたバルブ1314と、廃液容器103の上端部に連通する通気口1014に接続する配管132に設けたバルブ1315を開状態にする。
ポンプ122の吸引動作により、図8Cに示すように、洗浄液容器102内の洗浄液1021は、洗浄液容器102と捕集・検知部104を連結する流路1051を経て、捕集・検知部104へ流入する。次いで、捕集検知部104と廃液容器103とを連結する流路1052を経由して廃液容器103に流入する。このとき、捕集板114に非特異的に吸着した蛍光色素154は、水流155(図8C参照)とともに除去される。捕集板114に非特異的に吸着した蛍光色素154は微生物検知の障害となるので、検知精度を向上させるために、非特異的に吸着した蛍光色素154を可能な限り除去する。
(4)検出工程
設定した洗浄時間tc(min)が経過したか否かを制御部125が判断する(ステップS370)。洗浄時間tc(min)が経過したら、検出工程を開始する(ステップS380)。検出工程では、カートリッジ10の捕集板114に光学検出器124から励起光を照射し、微生物粒子150に結合した蛍光色素154で発生した蛍光を検出することで、微生物粒子150を検知する。
図9に、光学検出器124の光学系の一例を、模式図で示す。光学検出器124は、光源143および励起光集光レンズ1412、ダイクロイックミラー1421、対物レンズ1411、バンドパスフィルタ1422、ミラー1423、蛍光集光レンズ1413、光検出器144を備える。
光源143は、励起光を発生する。励起光集光レンズ1412は、光源143から発せられた励起光を集光する。ダイクロイックミラー1421は、励起光の波長域の光を反射し、微生物粒子150に結合した蛍光色素からの蛍光の波長域の光を透過する。対物レンズ1411は、励起光を捕集板114に照射し、微生物粒子150に結合した蛍光色素からの蛍光を集光する。バンドパスフィルタ1422は、蛍光の波長域の光のみを透過する。ミラー1423は、蛍光の光路を変えるために用いられる。蛍光集光レンズ1413は、蛍光を光検出器144に集光する。光検出器144は、蛍光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
光源143には、レーザーおよびLED、水銀ランプ、ハロゲンランプのいずれかを使用する。光検出器144としては、光電子増倍管や半導体光センサを使用する。捕集板114に捕集された微生物粒子150の形状を知りたいときには、光検出器144の代わりにCCDなどの画像取得装置を用いる。
励起光には、波長300nm〜800nmの光を利用する。長波長の励起光を使用するほど、捕集板114や多孔板112から発生する自家蛍光を抑えることができる。そのため、600nm以上の波長の光を利用するのが好ましい。蛍光の波長は、使用する蛍光色素の種類にもよるが、励起光の波長よりも長波長である。
検出工程では、捕集板114に捕集された微生物粒子150からの蛍光を、光検出器144が電圧値で取得する(ステップS390)。そして、光検出器144の出力値を予め定めた値Y(mV)と制御部125が比較する(ステップS400)。値Yは、捕集された微生物粒子がない状態で、捕集板114から発せられる蛍光を光検出器144で測定した電圧値である。この値Yを、捕集工程から標識工程に移行する直前のある時点で測定する。光検出器144の検出値が予め定めた値Y(mV)より大きければ、「Positive」を(ステップS410)、予め定めた値Y(mV)以下であれば、「Negative」を、表示部126等に出力する。
上記実施例1に記載の標識工程では、捕集した微生物粒子に蛍光色素を含むミストを衝突させて、微生物粒子と蛍光色素を結合させている。しかしながら、微生物粒子を捕集した捕集板表面に蛍光色素を含む液体を流動させても、微生物粒子と蛍光色素を結合させることが可能である。本実施例では、捕集板表面に蛍光色素を含む液体を流動させて、標識する場合を示す。
図10に、本発明に係るカートリッジの他の例を示す。カートリッジ20は、液体を内部に保持し、呼気中もしくは空気中の微生物を捕集・検知するのに必要な工程を実行するための機構を内部に備える。図10は、カートリッジ20を背面側から見たときの斜視図であり、図2Bに対応する図である。
本実施例では、実施例1に示したカートリッジ10の構成に加え、試薬溶液としての色素液容器206、及びこの色素液容器206と洗浄液容器102とを接続する流路2051が、洗浄液容器102と捕集・検知部104を連結する流路1051から分岐して形成されている。色素液容器206は、捕集・検知部104の上方に配置されており、微生物に特異的に結合する蛍光色素液2061を貯蔵する。流路2051は、色素液容器206と捕集・検知部104を連通し、蛍光色素液2061が内部を流動する。
図11は、本実施例に示した呼気中微生物検知装置1の配管系統図である。廃液容器103の流入側に連通する通気口1011に連結する配管133aは、もはや洗浄液容器102の流出側に連通する通気口1046には連通していない。代わりに、色素液容器1206の上端部に連通する通気口1012に連結する配管135が設けられている。配管135にはバルブ1317が介在されており、配管135の端部は大気に開放されている。また、呼気バッグ121と吸気口100を連結する配管1281は、噴霧器に分岐する分岐配管を有しておらず、吸気口100に直接連結している。
本実施例でも、実施例1と同様に、図7に示したフローチャートに従がって呼気中の微生物粒子を検知する。図12A〜図12Cは、呼気中の微生物粒子を検出する上記フローにおいて、捕集および標識、洗浄の各工程を取り上げた図である。これらの図では、カートリッジ20内の流動の状態と捕集板114での微生物粒子150や蛍光色素154の流動状態を示している。
呼気中の微生物を検出する図7に示すフローの中で、捕集および標識、洗浄、検出の各工程におけるバルブ1311〜1317の開閉状態、およびポンプ122と光学検知器124の動作状態を、表2に示す。
Figure 0005860175
(1)捕集工程
呼気バッグ121とカートリッジ20の吸気口100を接続する配管1281に設けたバルブ1311は、開状態とする。廃液容器10の流入側に連通する通気口1011とポンプ122を接続する配管133aに設けたバルブ1312も、開状態とする。ポンプ121を吸引動作させると、図12Aに示すように、呼気バッグ121中の呼気は、カートリッジ20の吸気口100と通気口1011に流入する。
色素液容器206の上端部に連通する通気口1012に連結する配管135に設けたバルブ1317を、閉状態にする。洗浄液容器102の上端に連通する通気口1013に連結する配管134に設けたバルブ1314も、閉状態にする。さらに、廃液容器103の上端に連通する通気口1014に連結する配管132に設けたバルブ1315も、閉状態にする。これにより、カートリッジ20の色素液容器206内の色素液2061と洗浄液容器102内の洗浄液1021は、それぞれの容器206、102内に留まる。
このとき、呼気中に含まれる微生物粒子150は、多孔板112の微細孔115を通過して捕集板114に衝突する。衝突した微生物粒子150は、捕集板114の表面に結合している抗体151と特異的に結合し、捕集板114の表面に捕集される。
(2)標識工程
設定した捕集時間ta(min)が経過したら、標識工程に移行する。標識工程では、色素液容器206の上端に連通する通気口1012に連結する配管135に設けたバルブ1317と、廃液容器103の上端に連通する通気口1014に連結する配管132に設けたバルブ1315を開状態にする。
ポンプ222が吸引動作すると、図12Bに示すように、カートリッジ20の色素液容器206内の色素液2061は、色素液容器206と捕集・検知部104とを連結する流路2051を経て捕集・検知部104に流入する。そして、捕集・検知部104と廃液容器103とを連結する流路1052を経由して、廃液容器103に流入する。このとき、蛍光色素154を含む液体は捕集板114上を水流255として流れる。その際、捕集板114の表面に捕集されている微生物粒子150と蛍光色素154が、特異的に結合する。
(3)洗浄工程
設定した捕集時間tb(min)が経過したら、洗浄工程に移行する。洗浄工程では、洗浄液容器102の上端に連通する通気口1013に連結する配管134に設けたバルブ1314と、廃液容器103の上部に連通する通気口1014に接続する配管132に設けたバルブ1315の双方を開状態にする。
ポンプ222が吸引動作すると、図12Cに示すように、洗浄液容器102内の洗浄液1021は、洗浄液容器102と捕集・検知部104とを連結する流路1051を経由して、捕集・検知部104に流入する。そして、捕集・検知部104と廃液容器103とを連結する流路1052を経由して廃液容器103に流入する。このとき、捕集板114に非特異的に吸着した蛍光色素154は、水流256とともに除去される。
(4)検出工程
設定した洗浄時間tc(min)が経過したら、検出工程に移行する。検出工程では、光学検出器124からカートリッジ10に取り付けた捕集板114に励起光を照射する。励起光により、微生物粒子150に結合した蛍光色素154は蛍光を発生する。光学検出器124は発生した蛍光を検出して、微生物粒子150を検知する。
以上説明したように本発明の各実施例によれば、ディスポーザブルなカートリッジにインパクタとなる多孔板及び捕集板を設けているので、呼気中微生物検知装置の本体側の汚染を極力低減できる。これにより、多数回の使用においても誤検出が少なくなる。また、カートリッジのインパクタとして使用する捕集面側と反対側に検出面を構成し、検出面側を透明にしたので、背面側からの光学的検出が可能になり、呼気中微生物検知置のコンパクト化が可能になる。さらに、検査者は呼気バッグを取り付けるだけであり、医療行為に該当せず、短時間で自動的に微生物を検出できる。
なお、上記実施例では多孔板を使用しているが、検出対象物質が比較的大きな物質の場合には微細孔を1個にして検出対象物質を検出するようにしてもよい。この場合、検出対象物質をより正確に特定できる。
1…呼気中微生物検知装置(気中物質検知装置)、10、20…カートリッジ、100…吸気口、102…洗浄液容器、103…廃液容器、104…捕集・検知部、106…試薬容器、110…本体、111…粘着層、112…多孔板(導入板)、113…スペーサ、114…捕集板、115…微細孔、116…通気口、120…筐体、121…呼気バッグ、122…ポンプ、123…噴霧器、124…光学検出器、125…制御部、126…表示部、127…カートリッジホルダ、128…ふた、131…吸気配管、132〜135…配管、143…光源、144…光検出器、150…微生物粒子、151…抗体、153…ミスト、154…蛍光色素、155…水流、206…色素液容器(試薬容器)、255、256…水流、1011〜1014…通気口、1021…洗浄液、1041〜1044…連通孔、1045、1046…連結部、1051、1052…連絡流路、1061…試薬、1101…溝、1131…開口、1222…矢印、1241…励起光、1242…蛍光、1281…連結管、1282…取付口、1283…窓、1311〜1317…バルブ、1411…対物レンズ、1412…励起光集光レンズ、1413…蛍光集光レンズ、1421…ダイクロイックミラー、1422…バンドバスフィルタ、1423…ミラー、2051、2052…連結流路、2061…色素液、ta〜tc…時間、Lx〜Lz…寸法。

Claims (13)

  1. 微粒子を含む気体が流入する微細孔が形成された導入板と、前記微細孔に対向配置され前記微細孔に対向する表面に微粒子を捕捉可能な捕集板と、前記導入板と前記捕集板とが付設され微粒子を含む気体を前記微細孔に導く流路が形成された本体とを備え、前記捕集板の捕集面を内側にして最外面側に配置しかつ前記捕集板を光透過性部材で構成したことを特徴とする気中物質検知装置用カートリッジ。
  2. 対向配置される前記導入板と前記捕集板間には隙間が形成されており、前記本体に、液体を貯蔵する少なくとも1つの貯蔵容器と、前記貯蔵容器から流出した液体が前記導入板と前記捕集板間に形成される隙間を流動した後に貯留する廃液容器と、前記隙間と前記廃液容器を連結する流路及び前記隙間と前記貯蔵容器を連結する流路を形成したことを特徴とする請求項1に記載の気中物質検知装置用カートリッジ。
  3. 前記捕集板の微粒子を捕捉する面に、粘着性物質もしくは微粒子と特異的に結合可能な物質を結合または吸着させたことを特徴とする請求項2に記載の気中物質検知装置用カートリッジ。
  4. 捕捉可能な前記微粒子は、ウイルス、細菌、酵母、原生動物、菌類、胞子、花粉、動物の皮膚の破片、ダニの糞や死骸、ハウスダスト、排ガス粒子、鉱石粒子の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の気中物質検知装置用カートリッジ。
  5. 前記導入板には複数の微細孔が形成されており、前記導入板が光透過性であることを特徴とする請求項2に記載の気中物質検知装置用カートリッジ。
  6. 微粒子を含む気体が流入する微細孔が形成された導入板と、前記微細孔に対向配置され前記微細孔に対向する表面に微粒子を捕捉可能な捕集板と、前記導入板と前記捕集板とが付設され気体を前記微細孔に導く流路が形成された本体とを有するカートリッジと、前記捕集板に捕捉された前記微粒子を光学的に検知するための光学検出器を備え、前記捕集板を前記カートリッジの最外面側に配置しかつ前記捕集板を光透過性部材で構成し、前記光学検出器を前記捕集板の捕集面の背面側に配置したことを特徴とする気中物質検知装置。
  7. 前記カートリッジ内の流路を、微粒子を含む気体が流動可能とするポンプを設けたことを特徴とする請求項6に記載の気中物質検知装置。
  8. 液体を霧化する噴霧器を備え、前記噴霧器により発生した液体のミストを、前記ポンプにより前記微細孔を通過させて前記捕集板表面に衝突させることを特徴とする請求項7に記載の気中物質検知装置。
  9. 前記噴霧器が噴霧する噴霧液体は、微粒子に特異的に結合する蛍光色素を含む液体であることを特徴とする請求項8に記載の気中物質検知装置。
  10. 対向配置される前記導入板と前記捕集板間には隙間が形成されており、前記本体に、液体を貯蔵する少なくとも1つの貯蔵容器と、前記貯蔵容器から流出した液体が前記導入板と前記捕集板間に形成される隙間を流動した後に貯留する廃液容器と、前記隙間と前記廃液容器を連結する流路および前記隙間と前記貯蔵容器を連結する流路とを形成し、前記ポンプは前記貯蔵容器内の液体を前記導入板と前記捕集板間に形成される前記隙間を経由して前記廃液容器まで流動させることを特徴とする請求項7に記載の気中物質検知装置。
  11. 前記貯蔵容器に貯蔵される液体は、微粒子に特異的に結合する蛍光色素を含む液体または前記捕集板に付着させた蛍光色素を前記捕集板から洗い流す液体の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の気中物質検知装置。
  12. 患者の呼気を封じ込めた呼気バッグが接続可能な流路と、この流路に介在させた弁と、前記弁および前記ポンプを制御する制御手段とを設け、前記導入板には複数の微細孔が形成されており、前記制御手段は前記弁および前記ポンプを制御して呼気バッグ中の微粒子を、前記複数の微細孔に対向配置される前記捕集板の前記複数の微細孔に対向する表面捕捉することを特徴とする請求項7に記載の気中物質検知装置。
  13. 環境中の空気を封じ込めた空気バッグが接続可能な流路と、この流路に介在させた弁と、前記弁および前記ポンプを制御する制御手段とを設け、前記制御手段は前記弁および前記ポンプを制御して空気バッグ中の微粒子を前記カートリッジの前記捕集板に捕集し検知することを特徴とする請求項7に記載の気中物質検知装置。
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