JP2016045056A - 気中特定粒子の固定装置、気中特定粒子検知装置、マスク及び特定粒子検知方法 - Google Patents

気中特定粒子の固定装置、気中特定粒子検知装置、マスク及び特定粒子検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
従来の技術では、対象物質の濃度が低い場合には検知することが難しいとの問題があった。本発明の目的は、簡便・迅速に微少数の微生物の等の検知を行うことにある。
【解決手段】
空気中の目的粒子をろ過捕集する親水性フィルタと、親水性フィルタに接触配置され、目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を保持する試薬保持部と、試薬保持部に接触配置され、目的粒子に由来する物質に結合する物質が固定されたメンブレンと、メンブレンに接触配置された吸水性フィルタと、親水性フィルタの下面かつ吸水性フィルタの上面に配置された疎水性フィルタで構成することで、目的粒子を濃縮検知することが可能になり、微少な目的粒子を高感度に検知することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、気中特定粒子の固定装置、気中特定粒子検知装置、マスク及び特定粒子検知方法に係り、特に、呼気中または大気中に含まれる微粒子をフィルタに捕集したのち、特異的に結合する物質を標識して検知するのに好適な気中特定粒子の固定装置、気中特定粒子検知装置、マスク及び特定粒子検知方法に関する。
安心・安全な社会生活を送る上で、インフルエンザや結核などの感染症の感染拡大を防ぐことは非常に重要である。これらの感染症は、患者体内から大気中に放出された菌やウイルスなどの微生物を含む飛沫が他者の体内に吸引されることで感染拡大すると考えられている。感染症の感染拡大を防止する有力な手段は感染者の早期発見及び隔離であり、医療現場ではさまざまな診断方法が使用されている。
例えば、インフルエンザなどの呼吸器系の感染症の診断には、簡便・迅速であることから、簡易キットがよく使用されている。この方法は、患者の鼻腔内に綿棒を挿入し鼻腔内の体液を採取したのち、免疫クロマトグラフィ法により体液に含まれているウイルスや菌などの微生物の抗原を検知する方法である。
簡易キットを用いた診断では患者の体内から微生物の抗原を採取する医療行為を伴う作業が必要であるため、より簡易的に微生物を検知する方法として、空気中に漂うウイルス、菌などの微生物や花粉、ハウスダストなどのアレルゲンを直接捕集し、検知する方法が注目されている。
例えば、特許文献1記載には、捕集されたアレルゲン量を検出する技術が記載されており、アレルゲン捕集部材にアレルゲンを捕集したのち、アレルゲンの抗原を溶出させ、抗原の検出を検知する技術が記載されている。
特開2000-88848号公報
一方、上記従来技術では、被検者に苦痛を与えずにアレルゲンを採取することが可能であるものの、しかしながら、捕集物質の多くが固定されずに外部にでてしまい、そのため、捕集された物質のごく一部しか検知することができない。そのため対象物質の濃度が低い場合には検知することが難しいとの問題があった。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、その目的は、簡便・迅速に微少数の微生物の等の検知を行うための気中特定粒子の固定装置、気中特定粒子検知装置、マスク及び特定粒子検知方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、気中の目的粒子を捕集する捕集部と、前記目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を前記捕集された目的粒子に結合する試薬保持部と、前記標識が結合された目的粒子に由来する物質を固定する固定部とを有して、前記捕集部の前記目的粒子を捕集するため表面面積よりも、前記試薬保持部の前記捕集部と連通する部分の面積が小さく形成されており、さらに、前記捕集部に隣接して前記目的粒子に由来する物質が前記試薬保持部に移動するようにガイドする疎水性のガイド部を有するように構成した。
具体的な例としては、気中の目的粒子をろ過捕集する親水性フィルタと、前記親水性フィルタに接触配置され、前記目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を保持する試薬保持部と、前記試薬保持部に接触配置され、目的粒子に由来する物質に結合する物質が固定されたメンブレンと、前記メンブレンに接触配置された吸水性フィルタと、前記親水性フィルタの下面かつ前記吸水性フィルタの上面に配置された疎水性フィルタで構成される気中粒子の検知用フィルタカートリッジであって、前記親水性フィルタの面積よりも前記メンブレンの面積が小さいことを特徴とするフィルタカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、前記に記載したフィルタカートリッジにおいて、前記親水性フィルタと、前記試薬保持部と、前記疎水性フィルタは環状のフィルタであり、かつ前記メンブレンと前記吸水性フィルタは円状のフィルタで構成され、前記親水性フィルタの外周よりも内側に前記メンブレンの外周が位置することを特徴としたフィルタカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、前記に記載したフィルタカートリッジにおいて、前記親水性フィルタと、前記試薬保持部と、前記メンブレンと、前記疎水性フィルタと、前記吸水フィルタは二つの環部材の間に挟まれた構造を特徴とし、かつ前記二つの環部材のうち、前記親水性フィルタに接する環部材は三重環であることを特徴としたフィルタカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、前記に記載したフィルタカートリッジにおいて、前記三重環の外側の環と中間の環の間は液体の注入口であり、前記三重環の中間の環と内側の環の間は気中の目的粒子が通過するための窓であり、前記三重環の内側の環の中心は前記メンブレンの観察用の窓であることを特徴としたフィルタカートリッジが提供される。
また、本発明によれば、前記に記載したフィルタカートリッジと、気体を吸引する吸引ポンプと、前記フィルタカートリッジを保持し、吸引ポンプと連結するホルダで構成された気中特定粒子検知装置が提供される。
また、本発明によれば、前記に記載した気中特定粒子検知にて、気中の目的粒子を前記親水性フィルタに捕捉したのち、前記三重環の外側の環と中間の環の間に前記目的粒子に由来する物質を溶出させる液体を注入することで、前記目的粒子に由来する物質を前記メンブレンの中心に濃縮し検知する特定粒子検知方法が提供される。
また、本発明によれば、前記粒子は、ウイルス、細菌、酵母、原生動物、菌類、胞子、花粉、動物の皮膚の破片、ダニの糞や死骸、ハウスダスト、排ガス粒子、鉱石粒子のいずれかの粒子であり、これらの微粒子を捕集するフィルタカートリッジが提供される。
本発明によれば、大気中もしくは呼気中の微生物等の捕集・濃縮・検出を迅速に行うことにより、検査者の技量の有無にかかわらず、簡便・迅速・高感度に検出が可能になるという極めて優れた効果を発揮する。
本発明の実施例1になる気中微生物検知装置の基本構成を示すための図である。 本発明の実施例1になるフィルタカートリッジの組図を示すための図である。 本発明の実施例1になるフィルタカートリッジの効果を示すための図である。 本発明の実施例1になるフィルタカートリッジの効果を示すための図である。 本発明の実施例1になるフィルタカートリッジの効果を示すための図である。 本発明の実施例1になるフィルタカートリッジの効果を示すための図である。 本発明の実施例1になる検知方法の一例を示すための図である。 本発明の実施例1になる検知方法の一例を示すための図である。 本発明の実施例1になる検知方法の一例を示すための図である。
前述したように、感染症の拡大を防ぐには患者の早期発見及び隔離が重要である。そのためには、微生物を簡便に採取し、さらに微生物を簡便・迅速・高感度に検知することが求められる。そこで本願発明の発明者らは空気中もしくは呼気中の微少数の微生物を捕集・検知するための方法及び装置を種々検討した結果。本願発明に至った。以下その好ましい実施例について説明する。
なお、本明細書において、検知対象となる空気中もしくは呼気中に含まれる微生物とは、通常の微生物の概念より広く、ウイルス、細菌、酵母、原生動物、菌類、胞子、花粉の検査方法及び検査装置を意味する。また、本明細書では、表記を簡単にするため、一般的に定義されている微生物(細菌、酵母、原生動物、菌類)の他、ウイルス、胞子、花粉を含め単に「微生物」と表記した。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。なお、後述する実施の形態は一例であって、各実施例同士の組み合わせ、公知又は周知の技術との組み合わせや置換による他の態様も可能であることは言うまでもない。
始めに、図1を用い本発明における気中微生物検知装置1の基本構成について説明する。
図1は、気中微生物検知装置1の概略構成を示す図である。気中微生物検知装置1は、気中の微生物150を捕集・検知するためのカートリッジ10と、微生物150を含んだ空気もしくは呼気を吸引するためのポンプ100で構成される。カートリッジ100は、気中の微生物150をろ過捕集し、かつ免疫クロマトグラフィ法により検知する機能を備えたフィルタ11と、フィルタ11を保持したポンプ100に連結するホルダ12で構成される。図1では、カートリッジ10の構成を明確にするためにカートリッジ10を断面図で表現し、かつフィルタ11の拡大断面図を引き出し内に記載した。
フィルタ11は、微生物150を含んだ空気もしくは呼気を通過させることでろ過捕集する微生物捕集フィルタ111(或いは捕集部とも称する)と、捕集した微生物150由来の物質に特異的に結合する物質を含有する試薬パット112(或いは試薬保持部とも称する)と、捕集した微生物150由来の物質に特異的に結合する物質が表面に固定されている微生物検知用メンブレン113(或いは固定部とも称する)と、通気性かつ疎水性の性質を備えた疎水性フィルタ114(或いはガイド部とも称する)と、通気性かつ吸水性の性質を備えた吸水パット115と、これらの部材を間に挟む上枠110と下枠116で構成される。
ホルダ12は、ホルダ上部121とホルダ下部122で構成され、ホルダ上部121とホルダ下部122の間にフィルタ11を挟み保持する。
微生物捕集フィルタ111と試薬パット112は環状であり、微生物捕集フィルタ111の内周部と試薬パット112の外周部、試薬パット112の内周部と微生物検知用メンブレン113の外周部が接触配置される。微生物捕集フィルタ111と吸水パット115は間に疎水性フィルタ114を挟む三層構造で、微生物捕集フィルタ111と吸水パットは互いに接触しないように配置される。疎水性フィルタ114は中心部に貫通穴があり、微生物検知用メンブレン113と吸水パット115の中心部が接触する。また、図から明らかなように、微生物捕集フィルタ111の面積は微生物検知用メンブレン113よりも大きい。
図2は、フィルタ11の組図である。フィルタ11は、上から上枠110、微生物捕集フィルタ111、試薬パット112、微生物検知用メンブレン113、疎水性フィルタ114、吸水パット115、下枠116の順番に同心円状に積層した構造である。
次に各構成部品について必要な性能及び材質について説明する。
上枠110は、三つの環が連結した構造であり、液体を注入するための溶解液注入口1101を円周側に備え、微生物検知用メンブレン113に表示される検知結果を観察するための観察窓1103を中心に備え、空気もしくは呼気が通過するための吸気窓1102を溶解液注入口1101と観察窓1102の間に備える。
微生物捕集フィルタ111は通気性かつ親水性の性質を備えたフィルタであり、微生物150を含む空気もしくは呼気をろ過した際に、フィルタの孔径よりも大きい粒子を捕捉する。測定対象の微生物150の粒径が細菌やウイルスなど粒径数μm以下の粒子である場合は対象物をフィルタ表面で捕集するメンブレンフィルタを使用し、測定対象の微生物150が花粉やカビなど粒径10μm以上の粒子である場合は対象物を内部で捕集するデプスフィルタを使用することが好ましい。
また、空気もしくは呼気に測定対象の微生物よりも大きい粒子が多く含まれる場合には、メンブレンフィルタにデプスフィルタを重ねた構造のフィルタを微粒子捕集用フィルタ111として使用してもよい。この場合、測定対象ではない大きい粒子はデプスフィルタに捕集され、測定対象の微生物はメンブレンフィルタに捕集される。
試薬パット112は、測定対象の微生物150に由来する物質に特異的に結合する標識物質を乾燥状態で内部に保持するデプスフィルタである。ここでの標識物質とは測定対象の微生物150に特異的に結合する目印となる物質であり、具体的には測定対象の微生物150の抗体と結合した金微粒子(金微粒子標識抗体とする)や蛍光色素(蛍光色素標識抗体とする)である。
微生物検知用メンブレン113は、測定対象の微生物150に由来する物質に特異的に結合する物質を表面に固定したメンブレンフィルタである。具体的には、表面に測定対象の微生物150の抗体を結合させたメンブレンフィルタを使用する。
疎水性フィルタ114は、中心部に貫通穴1141を備えた疎水性かつ通気性の特性を備えたフィルタである。微生物粒子150の捕集時の圧力損失を低減させるためには通気性に優れたデプスフィルタが好ましい。
吸水パット115は、中心部に突起1151を備えた通気性かつ吸水性に優れた特性を備えたフィルタである。突起1151は疎水性フィルタ114の貫通穴1141を通過し微生物検知用メンブレン113に接する。吸水パットは吸水性に優れたデプスフィルタが好ましい。
使用するメンブレンフィルタの材質の候補としては、ポリビニリデンフロライド、ポリエーテルスルホン、セルロース混合エステル、ポリカーボネイト、ポリテトラフルオロエチレンがあげられ、デプスフィルタとしては、ナイロン、ポリプロピレン、グラスファイバー、紙があげられ、これらのフィルタを撥水処理することにより疎水性になる。また吸水パット115のように吸水性を必要とする場合には、吸水性ポリマーを内部に保持させたフィルタを使用してもよい。
図3〜6は検知工程を説明するためのフィルタ11の断面図である。図3〜6に沿って本発明による微生物150の検知工程を説明する。
本発明の気中微生物検知装置1は、空気中もしくは呼気中の微生物150をろ過捕集する捕集工程(図3)、フィルタ11の表面もしくは内部に液体を流動させることで捕集した微生物150を濃縮する濃縮工程(図4、図5)、濃縮した微生物150を免疫クロマトグラフィ法により検知する検知工程(図6)を経ることで空気中もしくは呼気中の微生物150を検知する。
(1)捕集工程
始めに図3に示す捕集工程について説明する。捕集工程では、ポンプ100(図1記載)によって空気もしくは呼気を吸引する。空気もしくは呼気中は気流160に沿って流れ、微生物捕集フィルタ111、疎水性フィルタ114、吸水パット115の順に通過するが、空気もしくは呼気に含まれる微生物150は微生物捕集フィルタ111にてろ過捕集される。
(2)濃縮工程
次に図4と図5に示す濃縮工程ついて説明する。図4は捕集工程の終了後にホルダ上部121(図1)を取り外し、フィルタ11の溶解液注入口1101にスポイトなどの注水器具を用いて溶解液151を注いだ直後の様子を示す図である。溶解液注入口1101はフィルタ11の外周部にあり、溶解液151はフィルタ11の外周部に沿って保持される(図4)。溶解液151は微生物150に由来する抗原を液中に溶出させる効果のある液体で、免疫クロマトグラフィ法にて微生物150に由来する抗原や試薬パット112に保持される標識物質(ここでは金微粒子結合抗体)を運搬する機能を備える。
図5は溶解液注入口1101に注入された溶解液151の流動の様子を示す図である。注入された溶解液151は表面張力により微生物捕集フィルタ111、試薬パット112、微生物検知用メンブレン113の順にフィルタ11の円周から中心方向に流動する。微生物検知用メンブレン113まで到達した溶解液151は、微生物検知用メンブレン113に接触している吸水パット115により吸水されるため、吸水パット115の吸水が止まるまでフィルタ11の円周から中心方向に向かって溶解液151は流動する。一方、微生物捕集フィルタ111と吸水パット115の間にある疎水性フィルタ114には溶解液151は浸透しないため、溶解液151は微生物捕集フィルタ111から吸水パット115に直接流動することはない。
図5内の引き出しの図((a)(b))は、微生物150由来の抗原153に起こる反応を溶解液151の流動に沿って(a)から(b)の順に示した図である。
始めに、微生物捕集フィルタ111に捕集された微生物150が溶解液151に触れると、溶解液151により微生物150に由来する抗原153が溶解液151中に溶出する(図(a))。
次に、溶解液151が試薬パット112まで流動すると、試薬パット112に保持されていた標識物質(金微粒子標識抗体154)は溶解液151に溶出し、抗原153と結合し抗原-金微粒子標識抗体複合体155を形成する(図(b))。
円周側から中心に向う溶解液151の流動のため、微生物捕集フィルタ111の全面に捕集された微生物150の抗原153は、微生物検知用メンブレン113の中心に濃縮される。
(3)検知工程
最後に図6に示す検知工程について説明する。図6内の引き出しの図(c)は微生物150由来の抗原153に起こる反応を示した図である。濃縮工程にて微生物検知用メンブレン113の中心に濃縮された抗原-金微粒子標識抗体複合体155は微生物検知用メンブレン113の表面に固定された抗体156と結合し抗体-抗原-金微粒子標識抗体複合体を形成する。この反応により、微生物検知用メンブレン113上には金微粒子が密集し、赤紫色の発色1131を示す。観察窓1103より発色を目視確認することで測定対象の微生物150の有無を確認することができる。
本実施例のフィルタ11は、フィルタ11の円周から中心に向かう溶解液151の流動を利用した濃縮工程があるため、捕集した微生物150が少ない場合でも微生物150の抗原153を濃縮し検知することが可能になる。
また、本実施例では溶解液151は表面張力により流動させたが、溶解液151の注入後にポンプ100によって吸引することで、溶解液151の流動を促進してもよい。
図7は、目視確認以外の検知方法である。前述の実施例では、金微粒子標識抗体を使用したが、蛍光色素を抗体に結合させた蛍光色素標識抗体を使用してもよい。検知工程にて、励起光172を光源171から観察窓1103に照射すると微生物検知用メンブレン113上に密集した蛍光色素は蛍光174を発する。この蛍光174を光検知器173で検知することで、微生物150の有無を確認することができる。蛍光検知は目視確認よりも高感度の検知方法であるため、数少ない微生物の有無を確認することができる。また、蛍光量によって捕集した微生物150の数を推定することも可能である。
図8は、測定対象の空気もしくは患者の呼気を封入した袋に含まれる微生物の検知方法を示す図である。測定対象の気体を封入した袋13をカートリッジ10に連結することで、袋13に含まれる微生物150をフィルタ11上に捕集することができる。捕集後は前述の工程により微生物150を検知する。気中微生物検知装置1を持ち運ばなくとも、測定対象の空気もしくは患者の呼気を封入した袋を回収することで検査することが可能になる。
図9は、フィルタ11を組み込んだマスク14の図である。患者がマスク14を長時間使用することにより患者の呼気に含まれる微生物がフィルタ11表面に吸着する。検査時にはマスク14からフィルタ11を取り出し、前述の工程によりフィルタ11に吸着した微生物を検知することができる。非常に簡便な方法であるため、感染の可能性を自己診断すること可能になる。
1…気中微生物検知装置、10…カートリッジ、11…フィルタ、12…ホルダ、100…ポンプ、111…微生物捕集フィルタ、112…試薬パット、113…微生物検知用メンブレン、114…疎水性フィルタ、115…吸水パット

Claims (11)

  1. 気中の目的粒子を捕集する捕集部と、前記目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を前記捕集された目的粒子に結合する試薬保持部と、前記標識が結合された目的粒子に由来する物質を固定する固定部とを有して、前記捕集部の前記目的粒子を捕集するため表面面積よりも、前記試薬保持部の前記捕集部と連通する部分の面積が小さく形成されており、さらに、前記捕集部に隣接して設けられ前記目的粒子に由来する物質が前記試薬保持部に移動するようにガイドする疎水性のガイド部を有することを特徴とする気中特定粒子の固定装置。
  2. 請求項1において、前記固定部に隣接して吸水部が配置されることを特徴とする気中特定粒子の固定装置。
  3. 請求項1において、前記目的粒子に由来する物質は前記捕集部から前記試薬保持部に移動することを特徴とする気中特定粒子の固定装置。
  4. 請求項2において、前記吸水部は親水性フィルタとして構成され、前記ガイド部は疎水性フィルタとして構成され、前記固定部はメンブレンとして構成され、前記親水性フィルタと、前記試薬保持部と、前記疎水性フィルタは環状のフィルタであり、かつ前記メンブレンと前記吸水性フィルタは円状のフィルタで構成され、前記親水性フィルタの外周よりも内側に前記メンブレンの外周が位置することを特徴とした気中特定粒子の固定装置。
  5. 請求項2において、前記吸水部と、前記試薬保持部と、前記捕集部と、前記ガイド部は二つの環部材の間に挟まれ、かつ前記二つの環部材のうち、前記吸水部に接する環部材は三重環であることを特徴とした気中特定粒子の固定装置。
  6. 請求項3において、前記三重環の外側の環と中間の環の間は液体の注入口であり、前記三重環の中間の環と内側の環の間は気中の目的粒子が通過するための窓であり、前記三重環の内側の環の中心は前記固定部の観察用の窓であることを特徴とした気中特定粒子の固定装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記粒子は、ウイルス、細菌、酵母、原生動物、菌類、胞子、花粉、動物の皮膚の破片、ダニの糞や死骸、ハウスダスト、排ガス粒子、鉱石粒子のいずれかの粒子であることを特徴とした気中特定粒子の固定装置。
  8. 気中の目的粒子を捕集する捕集部と、前記目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を前記捕集された目的粒子に結合する試薬保持部と、前記標識が結合された目的粒子に由来する物質を固定する固定部とを有して、前記捕集部の前記目的粒子を捕集するため表面面積よりも、前記試薬保持部の前記捕集部と連通する部分の面積が小さく形成されており、さらに、前記捕集部に隣接して前記目的粒子に由来する物質が前記試薬保持部に移動するようにガイドする疎水性のガイド部と、気体を吸引する吸引ポンプと、吸引ポンプと連結するホルダを有することを特徴とする気中特定粒子検知装置。
  9. 請求項6において、測定対象の粒子を含む気体を封入した袋を前記気中特定粒子検知装置に連結することで、前記測定対象の粒子を検知することを特徴とする気中特定粒子検知装置。
  10. 固定装置を組み込んだマスクにおいて、前記固定装置は、気中の目的粒子を捕集する捕集部と、前記目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を前記捕集された目的粒子に結合する試薬保持部と、前記標識が結合された目的粒子に由来する物質を固定する固定部とを有して、前記捕集部の前記目的粒子を捕集するため表面面積よりも、前記試薬保持部の前記捕集部と連通する部分の面積が小さく形成されており、さらに、前記捕集部に隣接して前記目的粒子に由来する物質が前記試薬保持部に移動するようにガイドする疎水性のガイド部を有することを特徴とするマスク。
  11. 気中の目的粒子を捕集部で捕集し、前記目的粒子に由来する物質に特異的に結合する標識を前記捕集された目的粒子に試薬保持部で結合させ、前記標識が結合された目的粒子に由来する物質を固定部で固定する方法であって、前記捕集部の前記目的粒子を捕集するため表面面積よりも、前記試薬保持部の前記捕集部と連通する部分の面積が小さく形成されており、前記捕集部に隣接して設けられ前記目的粒子に由来する物質が前記試薬保持部に移動するように疎水性のガイド部でガイドする特定粒子検知方法。
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