JP5857120B2 - 運動用の指標値算出装置、運動用の指標値算出方法、運動用の指標値算出プログラム及び運動用の指標値算出プログラムを記録可能な記録媒体 - Google Patents

運動用の指標値算出装置、運動用の指標値算出方法、運動用の指標値算出プログラム及び運動用の指標値算出プログラムを記録可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、運動用の指標値算出装置、運動用の指標値算出方法、運動用の指標値算出プログラム及び運動用の指標値算出プログラムを記録可能な記録媒体に関する。
従来、運動時に使用する計測装置として、自転車に装着され、自転車の走行時に現在地から目的地までの複数の経路を検索することが可能なパーソナルナビゲーションデバイスと称されるものがある。例えば、特許文献1に示すパーソナルナビゲーションデバイスは、GPS衛星から送出されるGPS信号等に基づいて、走行時間及び走行距離を計測すると共に、これらの計測値に加えて過去の実績データ等に基づいて到着予想時刻等などの指標(目安)を算出する。
特開2011−112479号公報
上記のパーソナルナビゲーションデバイスは、例えば、「1kmあたり2分30秒かかる」という過去の実績データに基づいて指標を算出する。しかしながら、このような平均速度は、走行距離や走行環境によって変動するため、指標が現実と異なる場合がある。そのため、指標の精度を向上させる必要がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題を解決することを課題の一例とするものであり、これらの課題を解決することができる指標値算出装置、指標値算出方法、指標値算出プログラム及び指標値算出プログラムを記録可能な記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る運動用の指標値算出装置は、所定の運動に係る固有情報を取得する固有情報取得手段と、前記固有情報取得手段により取得された固有情報に基づいて、当該運動に要する時間と当該運動に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である第1の仕事率−時間関係式を算出する第1算出手段と、当該運動者についての所定の時間間隔と当該時間間隔における仕事率との関係式である第2の仕事率−時間関係式を算出するための所定情報を取得する所定情報取得手段と、前記所定情報取得手段により取得された所定情報に基づいて、前記第2の仕事率−時間関係式を算出する第2算出手段と、前記第1算出手段により算出された第1の仕事率−時間関係式と、前記第2算出手段により算出された第2の仕事率−時間関係式とに基づいて、これらの関係式の交点を構成する仕事率及び時間の双方又はいずれか一方を指標値として算出する指標値算出手段と、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る運動用の指標値算出方法は、所定の運動に係る固有情報を取得する固有情報取得手段により取得された固有情報に基づいて、当該運動に要する時間と当該運動に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である第1の仕事率−時間関係式を算出する第1算出工程と、当該運動者についての所定の時間間隔と当該時間間隔における仕事率との関係式である第2の仕事率−時間関係式を算出するための所定情報を取得する所定情報取得手段により取得された所定情報に基づいて、前記第2の仕事率−時間関係式を算出する第2算出工程と、前記第1算出工程において算出された第1の仕事率−時間関係式と、前記第2算出工程において算出された第2の仕事率−時間関係式とに基づいて、これらの関係式の交点を構成する仕事率及び時間の双方又はいずれか一方を指標値として算出する指標値算出工程と、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る運動用の指標値算出プログラムは、コンピュータに、所定の運動に係る固有情報を取得する固有情報取得手段により取得された固有情報に基づいて、当該運動に要する時間と当該運動に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である第1の仕事率−時間関係式を算出する第1算出機能と、当該運動の運動者についての所定の時間間隔と当該時間間隔における仕事率との関係式である第2の仕事率−時間関係式を算出するための所定情報を取得する所定情報取得手段により取得された所定情報に基づいて、前記第2の仕事率−時間関係式を算出する第2算出機能と、前記第1算出機能によって算出された第1の仕事率−時間関係式と、前記第2算出機能によって算出された第2の仕事率−時間関係式とに基づいて、これらの関係式の交点を構成する仕事率及び時間の双方又はいずれか一方を指標値として算出する指標値算出機能と、を実現させることを特徴とする。
(a)はサイクルコンピュータが取り付けられた自転車の側面図、(b)はサイクルコンピュータが取り付けられた自転車の正面図である。 図1のサイクルコンピュータの本体の外観図である。 (a)は図1のサイクルコンピュータの右側仕事率検出装置が右クランクに取り付けられている様子を現す図、(b)は図1の左側仕事率検出装置が左クランクに取り付けられている様子を表す図である。 クランク回転角度検出ユニットの正面図ある。 (a)は右ペダル作用力検出装置の平面図、(b)は右ペダル作用力検出装置の背面図、(c)は右ペダル作用力検出装置の部分断面図である。 (a)は推進力用の歪みセンサユニットが右クランクシャフトに貼り付けられている様子を模式的に表した斜視図、(b)は損失力用の歪みセンサユニットが右クランクシャフトに貼り付けられている様子を模式的に表した斜視図である。 (a)は右ペダル作用力検出装置の推進力用ブリッジ回路、(b)は右ペダル作用力検出装置の損失力用ブリッジ回路である。 サイクルコンピュータの機能的なブロック図である。 サイクルコンピュータの本体によるメイン処理を示すフローチャートである。 平均仕事率曲線の算出方法を説明するグラフである。 最適仕事率及びベストタイムの算出方法を説明するグラフである。 情報表示部における表示内容の一例を表す図である。 実施の形態2におけるサイクルコンピュータの本体によるメイン処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1(a)は、所定のコースを走行するのに要する最適な時間(ベストタイム)及び最適な仕事率を算出し、表示するサイクルコンピュータ100が自転車Bに取り付けられている様子を表す側面図、図1(b)はサイクルコンピュータ100が自転車Bに取り付けられている様子を表す正面図である。
自転車Bは、基体となるフレームB1と、当該自転車Bの前後においてフレームB1で回転自在に軸支されることにより、フレームB1を移動自在に支持する二つの車輪B2(前輪B21及び後輪B22)と、自転車Bを推進させるための推進力を後輪B22に伝える駆動機構B3と、運転者が操縦するためのハンドルB4と、運転者が着座するためのサドルB5とを有する。
駆動機構B3は、一端に回動軸(クランク軸)を有し、斯かる回動軸がフレームB1に対して回転自在に軸支されるアルミ製のクランクB31、クランクB31の他端において回転自在に軸支されると共に、運転者等から力を受けるペダルB32、クランクB31の上記一端にあるクランク軸を共通の回動軸としてクランクB31に接続され、クランクB31と一体的に回動するチェーンリングB34、及び、後輪B22の回動軸を共通の回動軸として後輪B22と一体的に回転するように配されたリアスプロケット(図示せず)とチェーンリングB34と連結されることでペダルB32に作用する力(以下、「ペダル作用力」という)を後輪B22に伝達するチェーンB33を具備する。
クランクB31は、自転車Bの進行方向を向いて右側に配置される右クランクシャフトB311と、自転車Bの進行方向を向いて左側に配置される左クランクシャフトB312とを有し、これら左右のクランクシャフトB311、B312は、上記クランク軸を対称点とする点対称となる位置で固着されている。また、ペダルB32は、右クランクシャフトB311の先端部で回転自在に支持される右ペダルB321と、左クランクシャフトB312の先端部で回転自在に支持される左ペダルB322とを有する。
サイクルコンピュータ100は、クランクB31の回転角度を検出するクランク回転角度検出装置2、右クランクシャフトB311に作用する力(以下、「右ペダル作用力」という)を検出する右ペダル作用力検出装置3、左クランクシャフトB312に作用する力(以下、「左ペダル作用力」という)を検出する左ペダル作用力検出装置4、クランクB31の回転速度を検出するケイデンス検出装置5及び温度センサ8を備える。なお、右ペダル作用力検出装置3及び左ペダル作用力検出装置4は、それぞれクランクB31の回転に寄与する力(以下、「推進力」という)とクランクB31の回転に寄与しない力(以下、「損失力」という)とを分けて検出する。
また、サイクルコンピュータ100は、クランク回転角度検出装置2、右ペダル作用力検出装置3、左ペダル作用力検出装置4及びケイデンス検出装置5により出力される検出値を示す検出信号に基づいて、運転者の右ペダル作用力による仕事率(以下、「右側仕事率」という)を算出する右側仕事率検出装置6、運転者の左ペダル作用力による仕事率(以下、「左側仕事率」)を算出する左側仕事率検出装置7、及び、サイクルコンピュータ100の全体を統括し、制御する本体1を備える。なお、検出装置2、3、5と右側仕事率検出装置6及び検出装置2、4、5と左側仕事率検出装置7は有線形式で接続されている。
左側仕事率検出装置7は、算出した左側仕事率を示す左側仕事率データを右側仕事率検出装置6に送信する。一方、右側仕事率検出装置6は、左側仕事率検出装置7から受信した左側仕事率データが示す左側仕事率と、算出した右側仕事率とを合算して全体の仕事率(以下、「全体仕事率」という)を算出し、全体仕事率を示す全体仕事率データを本体1に送信する。そして、本体1は右側仕事率検出装置6から受信した全体仕事率データに基づいて、走行を開始してから現時点までの仕事率の平均(以下、「平均仕事率」という)を算出し、当該平均仕事率に基づいて当該コースを走行するのに要する時間(以下、「予想タイム」という)を算出し、表示する。
なお、図2に示すように、本体1はハンドルB4に固定され、図3(a)に示すように、右側仕事率検出装置6はチェーンリングB34に固定され、図3(b)に示すように左側仕事率検出装置7は左クランクシャフトB312に固定されている。また、本体1、右側仕事率検出装置6及び左側仕事率検出装置7は図示しない発信機を備えており、相互に無線方式で接続されている。
また、温度センサ8は、自転車Bの所定位置に取り付けられており、本体1と有線方式で接続されている。
図4に示すように、クランク回転角度検出装置2は、複数の磁石21a〜21nが所定間隔をおいて円周状に配された磁石群が設けられている被センシング部21と、被センシング部21を構成する磁石21a〜21nを検出可能なセンシング部22とからなる。被センシング部21はチェーンリングB34に対向する様に、具体的には、フレームB1のボトムブラケット(図示なし)のチェーンリングB34に対向する側の端部に、クランク軸と同軸状に固定され、センシング部22はチェーンリングB34に固定され、クランクB31と共に回転する。よって、クランクB31が回転すると、センシング部22が被センシング部21の磁石群(磁石21a〜21n)の外側を旋回することとなる。なお、本実施の形態においてセンシング部22は右側仕事率検出装置6の中に組み込まれて、一体化されている。
被センシング部21は14個の磁石21a〜21nで構成されており、0時〜10時方向までの第1範囲においては11個の磁石21a〜21kが30度間隔で配され、10時〜0時方向までの第2範囲においては5個の磁石21k〜21aが7.5度間隔で配されている。また、磁石21a〜21nは、各軸方向(磁極)が放射方向を向くように配されており、且つ、周方向に磁極の向きが外向きと内向きとが交互になるように配されている。また、センシング部22は、S極とN極とを検出可能な磁気センサで構成されており、センシング部22は回転しながら、磁石群の各磁石21a〜21nを検出することができる。センシング部22は、磁石21a〜21nを検出すると、磁界の強さ及び磁界の向きを示すクランク回転角度検出信号を右側仕事率検出装置6及び左側仕事率検出装置7に送信する。
次に、右ペダル作用力検出装置3及び左ペダル作用力検出装置4について説明する。右ペダル作用力検出装置3は、全体的にシート状となっており、図3(a)に示すように、右クランクシャフトB311に巻き付くように取り付けられている。一方、左ペダル作用力検出装置4も、全体的にシート状となっており、図3(b)に示すように、左クランクシャフトB312に巻き付くように取り付けられている。右ペダル作用力検出装置3の構成と左ペダル作用力検出装置4の構成とは同様であるため、以下、右ペダル作用力検出装置3について説明する。
右ペダル作用力検出装置3は、図5に示すように、検出対象の歪みを検出する歪みセンサユニット30〜33、各歪みセンサユニット30〜33の下敷きとなって右クランクシャフトB311に直接貼り付けられる下敷きシート34〜37、歪みセンサユニット30〜33をまとめて全体的に歪みセンサユニット30〜33の表面側から覆う上側防水シート38、及び、上側防水シート38の底面と右クランクシャフトB311の表面との間に形成される隙間と歪みセンサユニット30〜33とを遮断する下側防水シート39を具備する。
下敷きシート34〜37は伸縮性(弾性)を有するアルミ板で構成され、一方の面(以下、「表面」という)で歪みセンサユニット30〜33に接着されており、他方の面(以下、「裏面」という)で右クランクシャフトB311の歪み検出箇所に接着される。なお、各下敷きシート34〜37の表面は、それぞれの対応する歪みセンサユニット30〜33より大きく、歪みセンサユニット30〜33が貼り付けられると、表面の一部が露出する。この露出している部分に下側防水シート39が接着されている。そして、上側防水シート38が歪みセンサユニット30〜33及び下側防水シート39を覆った状態で下側防水シート39に接着されている
このように、右ペダル作用力検出装置3は、歪みセンサユニット30〜33、下敷きシート34〜37、上側防水シート38及び下側防水シート39が一体化してなり、下敷きシート34〜37が裏面で右クランクシャフトB311の歪み検出箇所(後述する前面、後面、外側面及び内側面)に接着された状態で、右クランクシャフトB311に取り付けられる。
上述したように、右ペダル作用力検出装置3及び左ペダル作用力検出装置4は、それぞれ推進力と損失力とを分けて検出する。ここで、歪みセンサユニット30、31が推進力を検出するために用いられ、歪みセンサユニット32、33が損失力を検出するために用いられている。歪みセンサユニット30、31は、クランクB31の回転方向に対応する右クランクシャフトB311の前面及び後面に貼り付けられている。一方、歪みセンサユニット32、33は、クランクB31の回転方向に直交する右クランクシャフトB311の外側面及び内側面に貼り付けられている。歪みセンサユニット30〜33は、ひずみを検出すると、ひずみに応じたひずみ検出信号を右側仕事率検出装置6に送信する。
図6(a)に示すように、歪みセンサユニット30は、矢羽型で、一対のひずみセンサ30a・30bで構成されており、右ペダルB321が真下(6時方向)に位置するとき、右クランクシャフトB311の進行方向に対して前方を向く面(以下、「前面」という)に貼り付けられている。一方、歪みセンサユニット31も矢羽型で、一対のひずみセンサ31a・31bで構成されており、同様に後方を向く面(以下、「後面」という)に貼り付けられる。各歪みセンサユニット30、31は矢羽型の矢羽の向きが右クランクシャフトB311の長さ方向に沿って右ペダルB321を向いた状態で貼り付けられている。
このように、右クランクシャフトB311の前後面、すなわち、右クランクシャフトB311の回転方向に力を受ける面に貼り付けられた歪みセンサユニット30、31によって、ペダル作用力の回転方向成分である推進力が検出される。そして、これらの一対のひずみセンサ30a、30b及び一対のひずみセンサ31a、31bにより、図7(a)に示す推進力用ブリッジ回路3Aが構成されている。具体的に、各歪みセンサユニット30、31を構成する一対のひずみセンサ30a、30b及びひずみセンサ31a、31bがそれぞれ推進力用ブリッジ回路3Aの対辺に配置されている。これにより、右クランクシャフトB311のねじれのひずみ(内外方向から受ける力の影響)を相殺(キャンセル)することができる。
図6(b)に示すように、歪みセンサユニット32は、矢羽型で、一対のひずみセンサ32a・32bで構成されており、右クランクシャフトB311の進行方向に直交する方向に対して自転車Bの外側を向く面(以下、「外側面」という)に貼り付けられている。一方、歪みセンサユニット33も、矢羽型で、一対のひずみセンサ33a・33bで構成されており、進行方向に直交する方向に対して自転車Bの内側を向く面(以下、「内側面」という)に貼り付けられる。各歪みセンサユニット32、33は矢羽型の矢羽の向きが右クランクシャフトB311の長さ方向に沿って右ペダルB321を向いた状態で貼り付けられている。
このように、右クランクシャフトB311の内外側面、すなわち、右クランクシャフトB311の回転方向に直交する面に貼り付けられた歪みセンサユニット32、33によって、ペダル作用力の動径方向成分である損失力が検出される。そして、これらの一対のひずみセンサ32a、32b及び一対のひずみ33a、33bにより、図7(b)に示す損失力用ブリッジ回路3Bが構成されている。具体的に、各歪みセンサユニット32、33を構成する一対のひずみセンサ32a、32b及びひずみセンサ33a、33bがそれぞれ損失力用ブリッジ回路3Bの対辺に配置されている。これにより、右クランクシャフトB311のねじれのひずみ(回転方向から受ける力の影響)を相殺(キャンセル)することができる。
そして、歪みセンサユニット30、31で構成される推進力用ブリッジ回路3Aは右側仕事率検出装置6に接続され、右側仕事率検出装置6は推進力用ブリッジ回路3Aからの出力値X1に基づいて右ペダル作用力に係る推進力(回転方向成分)Fx1を算出する。一方、歪みセンサユニット32、33で構成される損失力用ブリッジ回路3Bも右側仕事率検出装置6に接続され、右側仕事率検出装置6は損失力用ブリッジ回路3Bからの出力値Y1に基づいて、右ペダル作用力の損失力(動径方向成分)Fy1を算出する。なお、左側仕事率検出装置7についても同様に、左ペダル作用力の推進力(回転方向成分)Fx2を算出すると共に、左ペダル作用力の損失力(動径方向成分)Fy2を算出する。
また、ケイデンス検出装置5は、左クランクシャフトB312に固定されたマグネットと、フレームB1の所定位置に装着されたマグネット検出器とで構成され、単位時間当たり(1分間)にマグネットがマグネット検出器の正面を通過する回数n(rpm)を検出することで、単位時間当たりのクランクB31の回転数を検出する。そして、ケイデンス検出装置5は、単位時間当たりのクランクB31の回転数に応じたケイデンス検出信号を各仕事率検出装置6、7に送信する。
また、温度センサ8は、例えば、白金測温抵抗体で構成され、気温T(℃)を検出し、気温に応じた温度検出信号を本体1の本体検出信号受信部17に送信する。
次に、図8を用いて、サイクルコンピュータ100の構成について構成する。上述したように、サイクルコンピュータ100は、検出装置2〜5、温度センサ8、各検出装置2〜5から出力される検出信号に基づいて右側仕事率を算出する右側仕事率検出装置6、各検出装置2〜5から出力される検出信号に基づいて左側仕事率を算出する左側仕事率検出装置7及びサイクルコンピュータ100の全体を統括し、制御する本体1を有する。
最初に、左側仕事率検出装置7について説明する。左側仕事率検出装置7は、左側検出信号受信部71、左側制御部72、左側情報記憶部73及び左側仕事率データ送信部74を有する。
左側検出信号受信部71は、クランク回転角度検出装置2、左ペダル作用力検出装置4、及び、ケイデンス検出装置5から送信された各検出信号を受信するインターフェースである。
左側制御部72は、CPU72a、ROM72b及びRAM72c等を具備するマイクロコンピュータからなり、左側検出信号受信部71が受信した検出信号に基づいて左側仕事率を算出する。具体的に、左側制御部72は、左ペダル作用力を算出すると共に、ケイデンス検出装置5からのケイデンス検出信号に基づいてクランクB31の回転数を算出して、これらに基づいて左側仕事率を算出する。また、左側制御部72は、クランク回転角度検出信号に基づいて、クランク回転角度を検出する。なお、左側制御部72のROM72bには、CPU72aが実行する左側仕事率の検出及びクランク回転角度の検出等を実行するためのプログラムコードが予め記憶されている。RAM72cは、CPU72aが左側仕事率の算出処理を実行する際に行う演算処理において、データ等のワーキングエリアとして機能する。
左側情報記憶部73は、RAMからなり、左側制御部72によって算出された左側仕事率を示す左側仕事率データ等の所定情報を記憶する。
左側仕事率データ送信部74は、左側制御部72によって算出された左側仕事率を示す左側仕事率データを右側仕事率検出装置6の左側仕事率データ受信部64に送信するインターフェースである。
次に、右側仕事率検出装置6について説明する。右側仕事率検出装置6は、右側検出信号受信部61、右側制御部62、右側情報記憶部63、左側仕事率データ受信部64、及び、全体仕事率データ送信部65を有する。
右側検出信号受信部61は、クランク回転角度検出装置2、右ペダル作用力検出装置3、及び、ケイデンス検出装置5から送信された各検出信号を受信するインターフェースである。
右側制御部62は、CPU62a、ROM62b及びRAM62c等を具備するマイクロコンピュータからなり、各種検出信号に基づいて右側仕事率を算出する。具体的に、右側制御部62は、上述の推進力用ブリッジ回路3Aからの出力値X1及び損失力用ブリッジ回路3Bからの出力値Y1に基づいて右ペダル作用力を算出すると共に、ケイデンス検出装置5からのケイデンス検出信号に基づいてクランクB31の回転数を算出して、これらに基づいて右側仕事率を算出する。また、右側制御部62は、クランク回転角度検出信号に基づいて、クランク回転角度も検出する。なお、右側制御部62のROM62bには、CPU62aが実行する右側仕事率の算出及びクランク回転角度の検出等を実行するためのプログラムコードが予め記憶されている。RAM62cは、CPU62aが右側仕事率の算出処理を実行する際に行う演算処理において、データ等のワーキングエリアとして機能する。
左側仕事率データ受信部64は、左側仕事率検出装置7から送信された左側仕事率データを受信するインターフェースである。
右側情報記憶部63は、RAMからなり、右側制御部62が算出した右側仕事率を示す右側仕事率データ及び左側仕事率データ受信部64が受信した左側仕事率データ等の所定情報を記憶する。
また、右側制御部62は、右側情報記憶部63に記憶されている右側仕事率データが示す右側仕事率と左側仕事率データが示す左側仕事率とを合算して、全体仕事率を算出する。
全体仕事率データ送信部65は、右側制御部62によって算出された全体仕事率を示す全体仕事率データを本体1の全体仕事率データ受信部11に送信するインターフェースである。
次に、本体1について説明する。本体1は、全体仕事率データ受信部11、本体制御部12、本体情報記憶部13、情報入力部14、情報表示部15、警告報知部16、本体検出信号受信部17及びGPS信号受信部18を有する。
全体仕事率データ受信部11は、右側仕事率検出装置6の全体仕事率データ送信部65から送信された全体仕事率データを受信するインターフェースである。
本体制御部12は、CPU12a、ROM12b及びRAM13c等を具備するマイクロコンピュータからなり、受信された全体仕事率データに基づいて、走行が開始されてから現時点までの仕事率の代表値を算出する。本実施の形態において、本体制御部12は、代表値として、走行が開始されてから現時点までの仕事率を算出する。
情報入力部14は、操作可能な操作部14a〜14cを備え(図2参照)、操作部14a〜14cが受けた操作に伴う入力信号を操作に対応する制御情報に変換して本体制御部12へ送信する。なお、本実施の形態において、操作部14a、14cは押下操作可能なボタン構造からなり、14bは十字キー構造からなる。運転者は、これら操作部14a〜14cの操作の組み合わせによって、所定の情報の入力が可能となる。
本体制御部12は、情報入力部14により入力された所定の情報に基づいて、当該運転者についての所定の時間間隔と時間間隔において発揮し得る最大の仕事率の平均との関係式である平均仕事率曲線(第2の仕事率−時間関係式)を算出して情報表示部15にグラフで表示する。また、本体制御部12は、情報入力部14により入力された所定の情報に基づいて、当該運転者が自転車Bによる当該コースの走行に要する時間と当該走行に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である予想タイム曲線(第1の仕事率−時間関係式)を算出して情報表示部15にグラフで表示する。さらに、本体制御部12は、算出した平均仕事率曲線と予想タイム曲線とに基づいて、当該運転手が当該コースを走行するのにあたって指標値となる最適な仕事率Pbest(以下、「最適仕事率Pbest」という)及び当該コースを走行するのに要する最適な時間tbest(以下、「ベストタイムtbest」という)を算出して情報表示部15に表示する。
また、本体制御部12は、平均仕事率を算出し、当該算出値と予想タイム曲線とに基づいて、予想タイムを算出し、情報表示部15に表示する。さらに、本体制御部12は、現在の平均仕事率(最新の平均仕事率の算出値)と平均仕事率の指標値(基準値)となる最適仕事率Pbestとの差分(以下、「平均仕事率差分」という)の絶対値が予め設定された閾値以上となる場合、すなわち、現在の平均仕事率が最適仕事率から遠ざかったときに、所定の態様で警告報知を行う。
なお、本体制御部12のROM12bには、CPU12aが実行するサイクルコンピュータ100としての基本処理及び上述の予想タイム曲線、及び、予想タイム曲線に基づく予想タイムの算出等を実行するためのプログラムコードが予め記憶されている。RAM12cは、CPU12aがサイクルコンピュータ100としての基本処理等を実行する際に行う演算処理において、データ等のワーキングエリアとして機能する。
本体情報記憶部13は、RAMからなり、情報入力部14によって入力された平均仕事率曲線を算出するための情報並びに予想タイム曲線を算出するための情報、本体制御部12によって算出された平均仕事率曲線を示す平均仕事率曲線データ並びに予想タイム曲線を示す予想タイム曲線データ、及び予想タイムを示す予想タイムデータ等を記憶する。
情報表示部15は、液晶ディスプレイで構成されており、平均仕事率曲線を表すグラフ(以下、「平均仕事率グラフ」という)並びに予想タイム曲線を表すグラフ(以下、「予想タイム曲線グラフ」という)、及び、最適仕事率並びにベストタイム等を表示する。なお、情報表示部15をタッチパネル方式にして、情報入力部14と一体化することも可能である。
警告報知部16は、スピーカーで構成されており、上述の通り、平均仕事率の算出値と指標値との差分の絶対値が閾値以上である場合、所定のアラートを鳴動する。
本体検出信号受信部17は、温度センサ8から送信された温度検出信号を受信するインターフェースである。一方、GPS信号受信部18は、所定のGPS衛星から送信された温GPS信号を受信するインターフェースである。
次に、図9を用いて、本体1の本体制御部12によるメイン処理を説明する。なお、当該メイン処理は登り続けるコースを走行する場合に適用される。
まず、本体制御部12は、所定の電源切換スイッチ(図示無し)の操作により電源が投入されると、ステップS1において、平均仕事率曲線を算出するための所定情報(以下、「平均仕事率曲線情報」という)の入力を受け付ける。平均仕事率曲線情報は、所定期間において持続することができる最大の仕事率で構成される。なお、本実施の形態においては、所定期間が180sec(=t)、300sec(=t)及び1200sec(=t)に設定されており、所定期間t〜tに対する最大仕事率P〜Pが平均仕事率曲線情報として設定されている。
本体制御部12は、ステップS2において、予想タイム曲線を算出するための所定情報(以下、「予想タイム曲線情報」という)の入力を受け付ける。予想タイム曲線情報は、当該運転者及び自転車Bに固有のユーザプロフィール及び走行するコースに固有のコースプロフィールで構成される。
ユーザプロフィールは、運転者の体重M[kg]、装備品を含む自転車Bの総重量M[kg]、所定係数(空気抵抗係数×前面投影面積)CdA[m]及びタイヤB2の転がり抵抗係数Crrを含む。一方、コースプロフィールは、コースの走行距離(コースに沿ったスタート地点からゴール地点までの距離)D[m]、スタート地点からゴール地点までの標高差(ゴール地点の標高−スタート地点の標高)h[m]及びコースの気温T[℃]を含む。
そして、本体制御部12は、例えばステップS2において所定の情報入力処理の完了を示す操作が行われる等して、ステップS1及びステップS2の入力処理が完了すると、ステップS3において、ステップS1で入力された平均仕事率曲線情報に基づいて平均仕事率曲線を算出して本体情報記憶部13に記憶すると共に、情報表示部15にグラフで表示する。
ここで、本体制御部12は、平均仕事率曲線を以下のように算出する。まず、図10(a)に示すように、平均仕事率曲線情報である最大仕事率P〜Pのそれぞれに各対応する所定期間t〜tを掛けた最大仕事W〜WをW成分、所定期間t〜tをt成分とするWt座標上の点{WAE1(t、W)、WAE2(t、W)及びWAE3(t、W)}に基づいて最小二乗法で最大仕事Wと所定期間tとの関係を表す近似直線を算出する。ここで、近似直線の傾きをCP[W]、切片をAWC[J]とすると、当該関係式は次の式(1)で与えられる。

[数1]
W=F(t)=CP×t+AWC ・・・(1)
そして、最大仕事Wと所定期間tとの関係を表す関係式(W=F(t))の両辺を時間で微分すると、図10(b)に示すような最大仕事率Pと所定期間tとの関係を表す次の式(2)が得られる。

[数2]
P=F(t)’=f(t)=CP+AWC/t ・・・(2)
また、本体制御部12は、ステップS4において、ステップS2で入力された予想タイム曲線情報に基づいて予想タイム曲線を算出し、本体情報記憶部13に記憶すると共に、情報表示部15にグラフで表示する。
ここで、本体制御部12は、予想タイム曲線を以下のように算出する。まず、コースを走行するのに必要な全仕事量Wを算出する。全体仕事量Wは、スタート地点からゴール地点までの標高差による位置エネルギーの変化量(W1)と、空気抵抗に逆らってする仕事(W2)と、転がり抵抗に逆らってする仕事(W3)とを加算することで算出される。なお、W1〜W3は以下の式(3)〜式(5)で与えられる。

[数3]
W1[J]=(M+M)gh ・・・(3)

[数4]
W2[J]=0.5×空気密度(ρ/(1+εT))×CdA×(速度[m/s])×D ・・・(4)
=0.5×空気密度(ρ/(1+εT))×CdA×D/(時間t[sec])

[数5]
W3[J]=(M+M)g×Crr×D ・・・(5)
そして、当該全仕事量W(=W1+W2+W3)と時間tとの関係式の両辺を時間tで微分すると、予想タイム曲線{P=g(t)}となる。なお、式(3)〜式(5)で用いられている「g」は重力加速度、「ρ」は空気密度、「ε」は空気の膨張率を表している。
なお、本体制御部12は、平均仕事率曲線及び予想タイム曲線を情報表示部15にグラフで表示するにあたり、情報表示部15に、縦軸が仕事率P[W]であり、横軸が時間t[sec]の対数からなる座標を表示し、その座標上に両曲線をグラフで表示する(図12参照)。
本体制御部12は、ステップS5において平均仕事率曲線(P=f(t))と予想タイム曲線(P=g(t))との交点の座標、すなわち、平均仕事率曲線情報及び予想タイム曲線情報に基づく当該運転手及びコースに対する最適仕事率Pbestとベストタイムtbestとを算出する(図11参照)。なお、f(t)=g(t)は非線形方程式であり、解析的に求めることが困難であるため、Newton−Raphson法による反復計算などの既存技術を用いて数値的にベストタイムtbestを算出する。そして、算出されたベストタイムtbestを用いて、ベストタイムtbestのときの仕事率である最適仕事率{f(tbest)=g(tbest)=Pbest}が算出される。
本体制御部12は、ステップS6において、ゴール地点まで走行する予想タイムを算出するための計測をスタートする。具体的に、RAM12cに設けられたタイマカウンタにより計測を開始させる。なお、本実施の形態において、タイマカウンタは4ミリ秒毎に更新されるものとする。
本体制御部12は、ステップS7において、全体仕事率データ受信部11により受信された全体仕事率データを本体情報記憶部13に記憶する。
本体制御部12は、ステップS8において、上記タイマカウンタが示すカウンタ値を確認して、当該カウンタ値を時間データとして取得して情報表示部15に表示すると共に、走行開始(計測開始)から現時点までの平均仕事率Pnowを算出し、本体情報記憶部13に記憶する。
本体制御部12は、ステップS9において、ステップS8で算出された平均仕事率Pnowに基づいて、予想タイムtexp(ゴール地点に到着する時間)を算出する。具体的に、本体制御部12は、ステップS8で算出された平均仕事率Pnowを予想タイム曲線に代入することで、予想タイムtexpを算出する。
本体制御部12は、ステップS10において、ステップS9で算出された予想タイムtexpを情報表示部15に表示する。具体的に、本体制御部12は、情報表示部15の所定領域に予想タイムtexpを数字で表示する(図12参照、図12において「現在のペースでの予測ゴールタイム」)と共に、現在の平均仕事率Pnowを水平線で表し、当該水平線と予想タイム曲線との交点を通る垂直線を予想タイムとして図示する。また、本体制御部12は、ステップS10において、最適仕事率Pbest及び現在の平均仕事率Pnow等の所定情報も情報表示部15に表示する(図12参照)。
本体制御部12は、ステップS11において、現在の平均仕事率Pnowから最適仕事率Pbestを減算することで仕事率差分を算出し、当該仕事率差分の絶対値が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。本体制御部12は、閾値以上ではないと判定するとステップS13に処理を移し、閾値以上であると判定するとステップS12において警告報知を行い、ステップS13に処理を移す。なお、本実施の形態では、警告報知はスピーカーで構成される警告報知部16によりアラート音が鳴動されるが、警告報知の態様はこれに限られない。
本体制御部12は、ステップS13において、所定の計測終了操作があったか否かを判定する。本体制御部12は、所定の計測終了操作がなかったと判定すると、ステップS7に処理を移し、所定の計測終了操作があったと判定すると、当該メイン処理を終了する。
このように運転者に固有な平均仕事率曲線情報に基づいて平均仕事率曲線が算出され、当該運動に係る予想タイム曲線情報(コース、運転者及び自転車Bに関する情報)に基づいて予想タイム曲線が算出され、これらの曲線に基づいて最適仕事率及びベストタイムが算出されるので、当該運転者の当該コースに対する指標値の精度が向上する。これにより、運転者は、効率良く運動又は適切にトレーニングを行うことができる。さらに、現在の平均仕事率(ペース)での予想タイム及びベストタイムの双方が算出され、表示されることで、理想と現状との隔たりが運転者に提供されることとなる。その結果、運転者はペース配分を調整することができ、さらに効率良く運動又は適切にトレーニングを行うことができる。
また、現在の平均仕事率と最適仕事率との差分が所定の閾値以上である場合、アラート音の鳴動により警告報知がなされるので、運転者は走行(運動)に集中しながら、ペース配分を調整することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、予想タイム曲線が一定であったが、予想タイム曲線を、走行開始後の現時点におけるコースの未走行部分に係る所定情報に基づいて変更させることができる。この場合の本体制御部12によるメイン処理について図13を用いて説明する。なお、「ステップS」の番号は異なるが、実施の形態1と同一内容のステップS1〜ステップS2、ステップS4〜ステップS6、ステップS13〜ステップS14、及びステップS17〜ステップS19については説明を省略する。
本体制御部12は、ステップS3において、予想タイム曲線を変更させるか否かの判定において用いられる判定値(以下、「予想タイム曲線変更判定値」という)に係る所定情報(以下、「判定値情報」という)の入力を受け付ける。本体制御部12は、判定値情報が入力されると、本体情報記憶部13の判定値情報データ領域に当該判定値情報を示す判定値データを記憶する。本実施の形態において、予想タイム曲線変更判定値はスタート地点から現時点までの距離(Dj:以下、「判定距離D」という)で構成され、判定値情報も判定距離Dで構成される。そして、本体制御部12は、例えばS3において所定の情報入力処理の完了を示す操作が行われる等して、S1〜S3の所定情報の入力処理が完了すると、S4に処理を移す。
本体制御部12は、ステップS8において、予想タイム更新判定データを取得する。予想タイム更新判定データは、予想タイム曲線を変更させるか否かを判定するために、判定値情報と比較するための実測値である。本体1は、GPS信号受信部18を備え、GPS衛星からのGPS信号の受信が可能であるため、現時点の位置情報P(Px、Py)を実測値として計測する。そして、S7における計測開始処理と同時にスタート地点の位置情報Pを取得し、その位置情報を示すスタート地点位置データを本体情報記憶部13のスタート地点位置データ記憶領域に記憶しておき、ステップS8の処理が行われる度に、スタート地点から現地点までの走行距離D(=Σ((Px−Pxk−1+(Py−Pyk−11/2)を算出し、予想タイム更新判定データとして取得する。
本体制御部12は、ステップS9において、走行距離Dが予想タイム曲線変更判定値となる判定距離D以上である、すなわち、予想タイム曲線を更新するか否かを判定する。なお、判定距離Dが複数設定されている場合、例えば、S9で「YES」と判定された判定距離Dを所定のフラグ等で判別可能にしておき、そのフラグに基づいて今回用いる判定距離Dを選択する。
本体制御部12は、予想タイム曲線を更新しないと判定すると、ステップS13に処理を移し、予想タイム曲線を更新すると判定すると、ステップS10において予想タイム曲線を更新するための所定情報(以下、「予想タイム曲線更新情報」という)を取得して本体情報記憶部13の所定領域に記憶し、ステップS11において、取得した予想タイム曲線更新情報に基づいて予想タイム曲線を更新する。
なお、本実施の形態において、予想タイム曲線更新情報は、現地点からゴール地点までの標高差h、現在の気温T及び現地点からゴール地点までの走行距離Dで構成される。現地点からゴール地点までの標高差h及び現地点からゴール地点までの走行距離Dは、例えばGPS信号に基づき算出する。また、本体制御部12は、ステップS10において取得した予想タイム曲線更新情報を新たに予想タイム曲線に代入することで、予想タイム曲線を更新することができる。
本体制御部12は、ステップS12において、ステップS11で更新した新たな予想タイム曲線と平均仕事率曲線との交点を算出し、最適仕事率及びベストタイムを更新する。
本体制御部12は、ステップS15において、ステップS14で算出した平均仕事率に基づいて、具体的には、新たな予想タイム曲線に平均仕事率を代入して予想タイムを算出し、当該予想タイムを示す予想タイムデータを本体情報記憶部13の予想タイムデータ記憶領域に記憶する。
本体制御部12は、ステップS16において、更新し又は算出し、本体情報記憶部13に記憶した新たな予想タイム曲線、最適仕事率・ベストタイム、予想タイム及びゴールまでの予測残り時間を情報表示部15に新たに表示する。
このように、予想タイム曲線が、現時点におけるコースの未走行部分に係る所定情報に基づいて更新され、表示されるため、現時点に応じた静的な指標値を運転者に提供することができる。特に、コースの勾配が変化することで、走行ペースが変化し易い場合には当該効果は有効となる。
なお、本実施の形態では、予想タイム曲線変更判定値に係る所定情報は、コースに沿ったスタート地点からの距離で構成されているが、位置情報で構成させることも可能である。この場合、ステップS9においては、GPS信号が示す位置情報が、予想タイム曲線変更判定値として位置情報であるか否かで予想タイム曲線を変更するか否かを判定することができる。
また、予想タイム曲線変更判定値は運転者が具体的に数字で入力することによって本体制御部12が取得するが、情報表示部15をタッチパネルで構成させ、少なくともステップS3において情報表示部15に当該コースの地図を表示させて、運転者が当該表示された地図をタッチすることで本体制御部12がその位置情報を検出し、予想タイム曲線変更判定値として本体情報記憶部13に記憶するようにすることも可能である。
また、本実施の形態では、予想タイム曲線変更判定値と予想タイム更新判定データとを比較することで、予想タイム曲線の変更の可否を決定しているが、予め設定された操作部(例えば、操作部14c)の操作の有無で予想タイム曲線の変更の可否を決定する、すなわち、遊技者が予め設定された操作部を操作したときに予想タイム曲線を変更するようにすることもできる。
また、本実施の形態では、平均仕事率曲線が一定であるが、実測値に応じて変更するようにすることも可能である。例えば、本実施の形態のように、平均仕事率曲線情報として、P〜Pが入力されるが、P〜Pに係る所定時間における平均仕事率を算出し、当該算出値に基づいて平均仕事率曲線を更新、又は、新たに算出し、表示することもできる。これにより、正確な指標値を運転者に提示することができる。
(その他の実施の形態)
実施の形態1及び実施の形態2では、平均仕事率差分が閾値以上になると警告報知としてアラート音が鳴動するが、警告報知として情報表示部15の背景色又は所定の文字・グラフ等が通常とはことなる特別な態様に変化するようにすることも可能である。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、平均仕事率曲線情報として、所定期間t〜tに対する最大仕事率平均P〜Pが設定されているが、所定期間の内容はこれに限らない。異なる所定期間に設定し、又は、所定期間の数を変更することも可能である。また、所定期間の内容を自由に設定することも可能である。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、メイン処理のステップS1において平均仕事率曲線情報の入力を受け付けることで平均仕事率曲線情報が取得される。しかしながら、平均仕事率曲線情報の取得方法はこれに限られない。例えば、メイン処理を実行する度に(自転車Bの走行毎に)、複数の所定期間に対する平均仕事率を算出し、記憶しておき、ステップS1において、記憶されている過去の複数の所定期間に対する平均仕事率を当該メイン処理においての平均仕事率曲線情報として用いることも可能である。このように平均仕事率曲線情報を過去の実績に基づいて取得することで、算出される指標値が一層正確になる。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、平均仕事率曲線情報として複数の所定期間に対する最大仕事率が設定されているが、例えば、平均仕事率曲線を算出するためのクリティカルパワー(CP:理論的に疲労を引き起こさないで持続される仕事率(パワー)の最大値)及び再生不可能な無酸素作業容量(AWC)に設定することもできる。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、当該メイン処理は登り続けるコースを走行する場合に適用されているが、下りが介在するコースに適用することも可能である。さらに、登り専用の予想タイム曲線と下り専用の予想タイム曲線をROM12b等に記憶しておき、操作部14a〜14c等の操作による手動で、又は、GPS信号から計測される傾斜若しくは位置等により自動で、予想タイム曲線を切り換えることもできる。
また、本実施の形態では、本発明の指標値算出装置がサイクルコンピュータ100で構成され、自転車Bに対して適用されているが、これに限られず、設置式のトレーニング用自転車やスワンボートに適用することも可能である。また、平均仕事率を検出できるのであれば、水泳やマラソンなどに適用することも可能である。
また、平均仕事率の算出や特定期間差分の算出等の処理はサイクルコンピュータ100の本体1の本体制御部12のROM12bに内蔵されたプログラムに基づいて実行されるが、SDカード等の当該プログラムが記録された記録媒体を挿入可能にしておき、記録媒体カードを挿入して用いることもできる。また、当該プログラムは、予めROM12bに記憶させておくことも、ダウンロードして取得することも可能である。さらに、本体1を所定のサーバと通信可能にさせておき、当該サーバ上のプログラムを利用して平均仕事率の算出や予想タイムの算出等の処理を実行することも可能である。
1 本体
2 クランク回転角度検出装置
3 右ペダル作用力検出装置
4 左ペダル作用力検出装置
5 ケイデンス検出装置
6 右側仕事率検出装置
7 左側仕事率検出装置
12 本体制御部
13 本体情報記憶部
14 情報入力部
15 情報表示部
21 被センシング部
22 センシング部
100 サイクルコンピュータ
B 自転車
B3 駆動機構
B31 クランク
B311 右クランクシャフト
B312 左クランクシャフト
B32 ペダル
B321 右ペダル
B322 左ペダル
B33 チェーン
B34 チェーンリング
B4 ハンドル

Claims (7)

  1. 所定の運動に係る固有情報を取得する固有情報取得手段と、
    前記固有情報取得手段により取得された固有情報に基づいて、当該運動に要する時間と当該運動に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である第1の仕事率−時間関係式を算出する第1算出手段と、
    当該運動者についての所定の時間間隔と当該時間間隔における仕事率との関係式である第2の仕事率−時間関係式を算出するための所定情報を取得する所定情報取得手段と、
    前記所定情報取得手段により取得された所定情報に基づいて、前記第2の仕事率−時間関係式を算出する第2算出手段と、
    前記第1算出手段により算出された第1の仕事率−時間関係式と、前記第2算出手段により算出された第2の仕事率−時間関係式とに基づいて、これらの関係式の交点を構成する仕事率及び時間の双方又はいずれか一方を指標値として算出する指標値算出手段と、を有することを特徴とする運動用の指標値算出装置。
  2. 前記指標値算出手段によって算出された指標値を表示する指標値表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の指標値算出装置。
  3. 前記運動者の仕事率を検出する仕事率検出手段と、
    前記仕事率検出手段によって検出された仕事率と前記指標値算出手段によって算出された指標値としての仕事率とを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較の結果が所定の結果である場合、当該結果を報知する報知手段と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の指標値算出装置。
  4. 前記仕事率検出手段によって検出された仕事率に基づいた場合の当該運動に要する時間と、前記指標値算出手段によって算出された指標値としての時間との差分を算出する差分算出手段と、
    前記差分算出手段によって算出された差分を表示する差分表示手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載の指標値算出装置。
  5. 所定の運動に係る固有情報を取得する固有情報取得手段により取得された固有情報に基づいて、当該運動に要する時間と当該運動に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である第1の仕事率−時間関係式を算出する第1算出工程と、
    当該運動者についての所定の時間間隔と当該時間間隔における仕事率との関係式である第2の仕事率−時間関係式を算出するための所定情報を取得する所定情報取得手段により取得された所定情報に基づいて、前記第2の仕事率−時間関係式を算出する第2算出工程と、
    前記第1算出工程において算出された第1の仕事率−時間関係式と、前記第2算出工程において算出された第2の仕事率−時間関係式とに基づいて、これらの関係式の交点を構成する仕事率及び時間の双方又はいずれか一方を指標値として算出する指標値算出工程と、を有することを特徴とする運動用の指標値算出方法。
  6. コンピュータに、
    所定の運動に係る固有情報を取得する固有情報取得手段により取得された固有情報に基づいて、当該運動に要する時間と当該運動に要する仕事量に基づく仕事率との関係式である第1の仕事率−時間関係式を算出する第1算出機能と、
    当該運動の運動者についての所定の時間間隔と当該時間間隔における仕事率との関係式である第2の仕事率−時間関係式を算出するための所定情報を取得する所定情報取得手段により取得された所定情報に基づいて、前記第2の仕事率−時間関係式を算出する第2算出機能と、
    前記第1算出機能によって算出された第1の仕事率−時間関係式と、前記第2算出機能によって算出された第2の仕事率−時間関係式とに基づいて、これらの関係式の交点を構成する仕事率及び時間の双方又はいずれか一方を指標値として算出する指標値算出機能と、を実現させることを特徴とする運動用の指標値算出プログラム。
  7. 請求項6に記載の運動用の指標値算出プログラムを記録した記録媒体。
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