JP5855778B2 - 自己洗浄槽保有型膜ろ過装置 - Google Patents

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Description

本発明は、膜モジュールを備えた膜ろ過装置であって、より詳しくは装置内に物理洗浄に使用する洗浄水槽を一体に設け、効率良く膜ろ過処理を継続できる自己洗浄槽保有型膜ろ過装置に関するものである。
本願出願人は、この種の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置を既に提案している(以下の特許文献1参照)。この既に提案している自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成され、洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設された構成とされている。そして、当該自己洗浄槽保有型膜ろ過装置においては、ろ過処理時には、膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が通水路空間の上部から下部に向けて流入し、連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、物理洗浄時には、逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を連通孔を通って通水路空間の下部から上部に向けて逆流させて、膜ろ過水を膜モジュールに供給することにより、膜モジュール内を逆流洗浄するように構成されている。
特開2011−272104号公報
上記特許文献1記載の膜ろ過装置は、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間を形成し、ろ過処理時及び物理洗浄時には通水路空間を膜ろ過水の通水路として利用することにより、コンパクトな装置で且つ効率良く、膜モジュールから逆洗計量槽への流入や、逆洗計量槽から膜モジュールへの流出を行うことが可能である。
しかし、上記特許文献1記載の膜ろ過装置では、物理洗浄時に、原水の水温の変化による水の粘性特性から、膜モジュール内の膜透過特性が変化することから、膜モジュールの逆流洗浄に際しては、最適な洗浄流量が供給されていない。
そこで、上記特許文献1記載の膜ろ過装置において、原水の水温に応じて膜透過性が変化する膜モジュールに対して、最適な洗浄流量により洗浄を行うことが要望されていた。
本発明は、上記課題に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、原水の水温に応じて膜透過性が変化する膜モジュールに対して、最適な洗浄流量により洗浄を行うことを可能にした自己洗浄槽保有型膜ろ過装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、
逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成されるように構成され、
前記洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設されており、
前記逆洗計量槽と前記洗浄水槽とは同心状に配置されており、且つ前記連通孔は前記逆洗計量槽底部の中央位置に形成されており、
ろ過処理時には、前記膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が前記通水路空間の上部から下部に向けて流入し、前記連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、
物理洗浄時には、前記逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を前記連通孔を通って前記通水路空間の下部から上部に向けて逆流させ膜ろ過水を膜モジュールに供給するように構成され、
更に、前記物理洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の流量を調整するエア供給弁と、
前記逆洗計量槽に貯留されている膜ろ過水の液面レベルを計測する液面レベル計測手段と、
前記逆洗計量槽液面に圧縮空気が供給されることにより、逆洗計量槽液面が下降する際の液面下降速度を計測して洗浄流量を算出し、次回の物理洗浄時において前記算出された洗浄流量になるようにエア供給弁の開度を調整する弁制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、原水の水温に応じて膜透過性が変化する膜モジュールに対して、最適な洗浄流量により洗浄を行うことが可能となる。
本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の全体構成の概念図。 膜モジュールの取付状態を示す斜視図。 自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の平面図。 図3のa−a線矢視断面図。 図3のb−b線矢視断面図。 自己洗浄槽保有型膜ろ過装置に備えられている膜破断検出及び薬液洗浄に必要な構成部材・配管構造等の模式図。 配管部材49の構成を示す図であり、そのうち図7(1)は配管部材49の平面図、図7(2)は配管部材49の断面図。 実施の形態2におけるエア供給に関する配管構造等の模式図。
本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の最良の形態について説明する。なお、本発明の概念的な構成について説明した後に、具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
本発明のうちの第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、
逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成されるように構成され、
前記洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設されており、
前記逆洗計量槽と前記洗浄水槽とは同心状に配置されており、且つ前記連通孔は前記逆洗計量槽底部の中央位置に形成されており、
ろ過処理時には、前記膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が前記通水路空間の上部から下部に向けて流入し、前記連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、
物理洗浄時及び薬液洗浄時には、前記逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を前記連通孔を通って前記通水路空間の下部から上部に向けて逆流させ膜ろ過水を膜モジュールに供給するように構成され、
更に、前記逆洗計量槽内の略中央部には、薬液を注入する薬液注入管と、膜ろ過水濁度測定のため前記連通孔を通って逆洗計量槽内に流入する膜ろ過水をサンプリングする膜ろ過水サンプリング管とが配設されていることを特徴とする自己洗浄槽保有型膜ろ過装置である。
上記構成によれば、膜ろ過水のサンプリングに際しては、膜ろ過水サンプリング管が逆洗計量槽内の略中央部に配設されているので、各膜モジュールから通水路空間を通って集められ、逆洗計量槽内に流入する膜ろ過水は、各膜モジュールから均等に流入することになる。従って、いずれかの膜モジュールに偏った状態で膜ろ過水のサンプリングが行われることはなく、各膜モジュールに均等な状態で膜ろ過水のサンプリングを行うことができる。
また、薬液注入に際しては、薬液注入管が逆洗計量槽内の略中央部に配設されているので、通水路空間から各膜モジュールに供給される薬液は各膜モジュールに対して均等に流入することになる。従って、1つの薬液注入管による薬液注入により全ての膜モジュールに対して薬液を供給することができるので薬液注入の効率が良い。加えて、各膜モジュールに均等に薬液が供給されるので、洗浄が不十分である膜モジュールが存在せず、各膜モジュールは常に均等な高品質の洗浄がなされることになる。
なお、本願発明は、逆洗計量槽内の略中央部に、薬液注入管と膜ろ過水サンプリング管とが配設されていればよく、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管が、薬液注入管の内側に膜ろ過水サンプリング管が配置された2重管構造で構成されている場合であってもよく、また、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管としてそれぞれ使用する2個の管を個別に設けるような構成であってもよい。
また、本発明に係る第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、前記薬液注入管及び前記膜ろ過水サンプリング管は、薬液注入管の内側に膜ろ過水サンプリング管が配置された2重管構造で構成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、1つの2重管を設置すればよく、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管それぞれの個別の設置作業が不要となる。従って、設置作業が容易となり、また、設置のための作業時間が短くなる。更に、1つの2重管を用いることにより、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管の逆洗計量槽内中央部ヘの設置精度が高まるので、(1)各膜モジュールにより均等に薬液が供給され、(2)また、各膜モジュールからより均等な状態で膜ろ過水のサンプリングを行うことができる。
また、本発明に係る第3の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置又は第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、前記膜ろ過水サンプリング管からサンプリングした膜ろ過水の濁度を測定する濁度測定手段と、前記濁度測定手段による測定濁度値が第1設定値以上になった場合は、濁度測定手段に供給されるサンプリング水を、逆洗計量槽内に流入して貯留される膜ろ過水から膜モジュール毎の膜ろ過水に切替える配管切替手段と、を備え、前記濁度測定手段により、前記膜モジュール毎に膜ろ過水の濁度測定を行い、測定濁度値が第2設定値以上になった場合は、第2設定値以上になった当該膜モジュールを膜破断した膜モジュールと判定し、当該膜モジュールの使用を停止することを特徴とする。
上記構成によれば、膜ろ過水サンプリング管からサンプリングした膜ろ過水の濁度を測定することにより、各膜モジュールに均等な状態で膜ろ過水のサンプリングを行うことができるので、膜ろ過水の濁度測定による膜破断の精度が向上する。
また、本発明に係る第4の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置又は第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、前記膜モジュールの膜破断を検出する膜破断検出手段として、膜ろ過水濁度の異常検出により膜破断を検出する第1膜破断検出手段と、圧力保持試験により膜破断を検出する第2膜破断検出手段とを備え、通常時は前記第1膜破断検出手段によって膜破断検出を行い、定期的に前記第1膜破断検出手段に代えて前記第2膜破断検出手段によって膜破断検出を行うように構成されていることを特徴とする。
濁度測定による方法のみでは、原水があまり汚れていない場合には膜モジュールの膜破断を検出できない。そこで、通常は濁度を監視し、定期的に圧力保持試験による方法により膜破断検出を行うことにより、原水があまり汚れていない場合にも膜破断を検出することが可能となる。また、物理洗浄に圧縮空気による動力を用いていることから、その空気源を利用して圧力保持試験を行うことができる。従って、圧力保持試験のために、特別に空気源を設ける必要がなく、コストの低減を図ることができる。
なお、「圧力保持試験」とは、膜モジュールの膜ろ過水流出側から空気圧を掛け、その圧力が一定時間保持されるか否かを確認し、保持されない場合は膜破断が存在しているものと判断する試験を意味する。
また、本発明に係る第5の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置又は第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、前記膜ろ過水サンプリング管からサンプリングした膜ろ過水の濁度を測定する濁度測定手段を備え、前記濁度測定手段による測定濁度値が第1設定値以上になった場合において、膜破断を生じている膜モジュールを特定する手段として、膜ろ過水サンプルを各膜モジュール毎に切替える手段と、エアリーク試験により特定する手段のいずれかを選択できるように構成されていることを特徴とする。
上記の如く、膜破断を生じている膜モジュールを特定する手段を2種類設け、いずれかを選択できるように構成することにより、膜破断を生じている膜モジュールを効率よく特定することが可能となる。
なお、「エアリーク試験」とは、膜モジュールの原水側から空気圧を掛け、膜破断が存在している膜モジュールでは膜ろ過水側に気泡が生じることにより、膜破断検出器の液面を押し下げ、これにより異常を検出することによって膜破断を生じている膜モジュールを特定する試験を意味する。
また、本発明に係る第6の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置又は第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、薬液を貯留する薬液貯留タンクと、前記薬液貯留タンク内の薬液を前記薬液注入管に供給する薬液供給手段と、前記薬液洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の流量を調整するエア供給弁と、を備え、前記エア供給弁の開度を最小とし、前記薬液供給手段の駆動力を最大として、薬液による浸漬洗浄を行うことを特徴とする。
上記の如く、エア供給弁の開度を最小とし、前記薬液供給手段の駆動力を最大とすることで高濃度の薬液による浸漬洗浄を行うことが可能となる。
また、本発明に係る第7の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置又は第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、前記物理洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の流量を調整するエア供給弁と、前記逆洗計量槽に貯留されている膜ろ過水の液面レベルを計測する液面レベル計測手段と、前記逆洗計量槽液面に圧縮空気が供給されることにより、逆洗計量槽液面が下降する際の液面下降速度を計測して洗浄流量を算出し、次回の物理洗浄時において前記算出された洗浄流量になるようにエア供給弁の開度を調整する弁制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、原水の水温に応じて膜透過性が変化する膜モジュールに対して最適な洗浄流量により洗浄を行うことが可能となる。
また、本発明に係る第8の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置は、第1の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置又は第2の自己洗浄槽保有型膜ろ過装置であって、薬液を貯留する薬液貯留タンクと、前記薬液貯留タンク内の薬液を前記薬液注入管に供給する薬液供給手段と、前記薬液洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の前記逆洗計量槽液面への供給・遮断を行う逆洗エア開閉弁と、薬液排出水を原水で希釈化すべく、薬液排出水を排水する排水管に原水を供給する原水配管と、前記原水配管に設けられ、原水の前記排水管への供給・遮断を行う原水ドレン弁と、前記膜モジュール内に薬液を浸漬させて洗浄を行う浸漬洗浄完了後に、前記原水ドレン弁を開状態にし、この原水ドレン弁の開状態を維持したまま、前記逆洗エア開閉弁を第1設定時間だけ開状態とし、第1設定時間終了後は第2設定時間だけ閉状態とし、この逆洗エア開閉弁の開状態と閉状態とを所定回数繰り返し、浸漬洗浄後の薬液排出水の希釈比率を実質的に変化させて排出する希釈化制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、浸漬洗浄完了後、薬液排出水を排水するに際して、原水ドレン弁を開状態にして薬液排出水を原水で希釈して放流するが、原水流量の上限が制限されているため、薬液排出水を所定濃度まで希釈化できない。そこで、原水ドレン弁の開状態を維持したまま、逆洗エア開閉弁を第1設定時間だけ開状態とし、第1設定時間終了後は第2設定時間だけ閉状態とし、この逆洗エア開閉弁の開状態と閉状態とを所定回数繰り返す。これにより、単位時間当たりの薬液排出水の排水量が制限されるので、浸漬洗浄後の薬液排出水の希釈比率を実質的に変化させて排出することができる。この結果、薬液排出水の放流全体としてみると、所定濃度まで希釈化されて排水されたことになる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の全体構成の概念図、図2は膜モジュールの取付状態を示す斜視図、図3は自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の平面図、図4は図3のa−a線矢視断面図、図5は図3のb−b線矢視断面図である。尚、図1は本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の概念構成を示すものであり、該膜ろ過装置を構成する各構成部品や配管系統等の具体的な構成は図2〜図5に示されている。
膜ろ過装置1は、装置中央部に配置された返送・排水槽2、洗浄水槽3、及び逆洗計量槽4を有する。これら返送・排水槽2、洗浄水槽3、及び逆洗計量槽4は、下方から上方向に向けてこの順序で一体的に形成されている。より詳しくは、逆洗計量槽4が洗浄水槽3内に収納され、洗浄水槽3の内壁と逆洗計量槽4の外壁との間に通水路空間60が形成されている。尚、逆洗計量槽4の底部には、逆洗計量槽4と通水路空間60とを連通する連通孔4aが形成されている。また、逆洗計量槽4と洗浄水槽3とは同心状に配置されており、且つ連通孔4aは逆洗計量槽4底部の中央位置に形成されている。従って、洗浄水槽3内に流入した膜ろ過水は通水路空間60を通り、逆洗計量槽4の底部から逆洗計量槽4内に流入するようになっている。
膜ろ過装置1の下部には円盤状の原水供給ブロック5が配置され、膜ろ過装置1の上部には円盤状の膜ろ過水集水ブロック6が配置され、原水供給ブロック5の外方側端部と膜ろ過水集水ブロック6の外方側端部との間には複数個(本実施の形態では10個)の膜モジュール7a〜7j(膜モジュールを総称するときは参照符号7で示し、各膜モジュールを個別に示すときは参照符号7に添字a〜jを付して示す。)が介在されている。これら膜モジュール7は、図2に示すように、膜ろ過装置1の中心部を中心とした円周上に立設されている。従って、各膜モジュール7と膜ろ過装置1の中心部との距離は、等しい。ここで、本発明で使用する膜モジュール7は、旭化成ケミカルズ(株)のケーシング収納型加圧型MF膜モジュールを選定しているが、メーカー、型式、膜種を限定するものではなく、加圧型MF膜モジュールであれば使用することができる互換性を有する構造としている。尚、図1においては図面の簡略化を図るため、1つの膜モジュール7のみが描かれている。
原水供給ブロック5は中央孔8を備えている。この中央孔8には、図4及び図5に示すように、排水管9及び排水管9の下端部付近を外装する外装管30が挿通している。排水管9の上端は返送・排水槽2の底部と連通している。また、外装管30は図4及び図5に示すように原水流入配管L10と接続されており、後述するように原水が外装管30を介して原水供給ブロック5の原水流入口5aから流入可能となっている。更に、外装管30は図3及び図4に示すように循環水配管L2と連通しており、後述するように循環水が外装管30を介して原水供給ブロック5の原水流入口5aから流入可能となっている。
原水供給ブロック5には、原水流入口5aと、原水流入口5aから放射線状に延び各膜モジュール7に至る原水供給流路11(図4及び図5参照)とが形成されている。原水流入口5aから原水供給ブロック5内に流入した原水は、各原水供給流路11を通って各膜モジュール7の下部に供給されるようになっている。
膜ろ過水集水ブロック6は中央孔12を備えている。この中央孔12には逆洗計量槽4の上部が嵌り込み、逆洗計量槽4を収納する洗浄水槽3の上方開口を塞ぐようにして配置されている。膜ろ過水集水ブロック6は、各膜モジュール7の上部に連通し且つ洗浄水槽3に向けて延びる複数の膜ろ過水集水流路13(図4及び図5参照)が形成されている。このような構成により、各膜モジュール7でろ過された膜ろ過水は、各膜ろ過水集水流路13を通って洗浄水槽3に集水されることになる。
また、各膜モジュール7と返送・排水槽2との間には連通管14が設けられている。この連通管14は、ろ過時には循環水を膜モジュール7から返送・排水槽2に導く働きをし、逆洗浄時には洗浄水槽3内の膜ろ過水を、膜ろ過水集水流路13から膜モジュール7を経て返送・排水槽2に導く働きをする。
また、返送・排水槽2の下方には空気槽15が設けられており、この空気槽15にはコンプレッサ16が接続されている。空気槽15は配管L1を介して逆洗計量槽4の上部に接続されている。
また、返送・排水槽2と原水供給ブロック5とは、排水管9、循環水配管L2及び外装管30を介して連通されている。この循環水配管L2には循環ポンプP1が設けられている。循環ポンプP1の駆動により、循環水は、返送・排水槽2→排水管9→循環水配管L2→外装管30→原水供給ブロック5→膜モジュール7→連通管14→返送・排水槽2の経路を経て循環されるようになっている。
また、膜モジュール7の上部には膜モジュール点検口20及び膜破断検出器21が備えられている。膜モジュール点検口20は膜モジュール7と同一径であり、従来例のような絞り込む形状のコネクタを用いていないので、装置から膜モジュールを取り外すことなく膜モジュールを修繕することが可能という利点がある。尚、膜モジュールの修繕は、破断した膜チューブを専用の補修ピンで塞ぐことにより行われる。
また、膜ろ過水集水流路13には緊急遮断弁ASVが設けられている。後述するように、膜モジュール7の膜破断が膜破断検出器21によって検出されたときは、緊急遮断弁ASVは「閉」状態となり、膜モジュール点検口20から膜を修繕することができるようになっている。
また、逆洗計量槽4の上部開口は天板22によって閉止されており、この天板22には、逆洗計量槽4内の液面レベルを計測する逆洗計量槽レベル計A1が設けられている。レベル計A1は、液面レベルがハイレベル位置Hからローレベル位置Lまでのレベルを連続的に計測可能となっている。このレベル計A1は逆洗浄時に逆洗計量槽4の液面下降速度を計測する際に使用される。
また、天板22には膜ろ過水流出管41が接続されている。原水供給ブロック5内の各原水供給流路11には、膜モジュール供給元弁V20が設けられている。
尚、図1において、V1は原水流入弁、V2はろ過水流出弁、V3は循環水弁、V4はエア供給弁、V5は洗浄排水弁、V6は返送・排水槽エア抜弁、V7はエアスクラビング弁である。
また、図5において、L40は原水配管であり、この原水配管L40は排水管9に原水を供給するための配管であって、薬液洗浄工程において排水管9から排出される薬液排出水を原水で希釈化するため等に用いられる。また、図5において、V40は原水ドレン弁であり、この原水ドレン弁V40は原水配管9に設けられ排水管9への供給・遮断を行う開閉弁である。尚、原水貯留槽(原水貯留タンク)内の原水は、原水ポンプ(図示せず)の駆動によって膜ろ過装置1に供給される。但し、原水貯留槽が膜ろ過装置1の上方に存在する場合は、原水が自然に供給され得ることから、強制的に供給する原水ポンプを省略する構成(実施の形態2)としてもよい。
更に、図1、図5及び図6に示すように、膜破断検出及び薬液洗浄に必要な構成部材・配管構造等が備えられている。即ち、逆洗計量槽4内には、配管部材49が設けられている。この配管部材49は、図7に示すように、円盤状基台50と、円盤状基台50の下面から下方に延びる管体51とを備える。管体51は、薬液を注入する薬液注入管51aの内側に膜ろ過水をサンプリングする膜ろ過水サンプリング管51bが配置された2重管構造をなしている。この管体51の下端部は、図4及び図5に示すように、連通孔4aの近傍に位置するように配設されている。薬液注入管51aの上端は円盤状基台50の下面に接触している。この薬液注入管51aの下端部には、その下端部を覆おうゴム状の閉止体58から構成されるチャッキ弁59が設けられている。このチャッキ弁59は、薬液注入時には注入圧で閉止体58が開状態となり、薬液注入時でないときは膜ろ過水の水圧で閉止体58が閉状態となるように構成されている。これにより、薬液注入時のみ薬液が注入され、それ以外のときに膜ろ過水が薬液注入管51a内に流入することが防がれている。
また、管体51に形成された、薬液注入管51aと膜ろ過水サンプリング管51bとの間の薬液注入路52は、円盤状基台50に形成されている薬液注入路53と連通している。一方、膜ろ過水サンプリング管51bは、その上端が薬液注入路53を通って円盤状基台50内に貫入している。円盤状基台50には、配管接続口54,55が形成されている。この配管接続口54には配管L3の一端が接続され、この配管L3の他端は濁度計45に接続されている。これにより、膜ろ過水サンプリング管51bは配管L3を介して濁度計45に接続され、逆洗計量槽4内の膜ろ過水は膜ろ過水サンプリング管51bからサンプリングされて濁度計45に与えられ、濁度計45によって濁度が測定される。なお、配管L3には開閉弁V30が設けられている。
一方、円盤状基台50の配管接続口55には、配管L20の一端が接続されている。この配管L20の他端は、後述する注入ポンプ101を介して洗浄用薬液(次亜塩素酸ナトリウム)を貯留する貯留槽100に接続されている。これにより、貯留槽100に貯留されている洗浄用薬液は、注入ポンプ101によって、配管L20、薬液注入路53、及び薬液注入路52を経て逆洗計量槽4の底部連通孔4aに注入される。
このように、上記構造の配管部材49を逆洗計量槽4に設けることにより、膜破断検出及び薬液洗浄に必要な構成部材・配管構造等を容易に配設することができる。
また、濁度計45は、配管L4、各膜モジュール7a〜7jに対応して設けられた開閉弁V32a〜32j(開閉弁を総称するときは参照符号V32で示し、各開閉弁を個別に示すときは参照符号V32に添字a〜jを付して示す。)を介して各膜モジュール7a〜7jに個別に接続されている。配管L4には、開閉弁V31が設けられている。
また、洗浄用薬液(次亜塩素酸ナトリウム)を貯留する貯留槽100及び薬液注入用の注入ポンプ101が設けられている。薬液洗浄に際しては、注入ポンプ101駆動によって貯留槽100内の薬液が薬液注入管51aから逆洗計量槽4の底部連通孔4aに注入されるようになっている。また、図6に明瞭に示すように、通水路空間60の上部で且つ膜ろ過水集水ブロック6出口側近傍には、膜モジュール出口圧力計A2が設けられている。この膜モジュール出口圧力計A2によって膜モジュールろ過水側の圧力を計測することができる。
また、本発明に係る膜ろ過装置1は、図1に示すように制御装置80を備えている。制御装置80は、膜ろ過装置1に備えられた各種の計測器等からの計測信号を受け、各弁の開閉制御や開度調整等を行い、また、各種のポンプやコンプレッサの駆動/停止を制御する。また、制御装置80は、膜ろ過装置1の運転動作に関連する種々の工程(例えば、ろ過工程、物理洗浄工程、膜破断検出工程、薬液洗浄工程等)の処理を制御する。
上記構成の膜ろ過装置では、原水供給ブロック5に供給された原水は各膜モジュール7に対して均一に分配供給され、また、各膜モジュール7からの膜ろ過水は膜ろ過水集水ブロック6を通って中心部に配置された洗浄水槽3に均一に集水され、更に、循環水は各膜モジュール7から各連通管14を介して中心部に配置された返送・排水槽2に均一に集水されることになる。このことは、各膜モジュール7に対して均一な原水の供給、膜ろ過水および循環水の流出、逆洗水の供給を行うことができることを意味する。従って、従来の直管配置方式に比べると、膜モジュール間に生じていた不均一なファウリングを解消することができ、低動力で稼動することが可能となる。
尚、本発明に係る膜ろ過装置ではストレーナ40を設け、膜モジュールでろ過する前段処理としてストレーナ40によって原水を予めろ過しておくことが好ましい。
次いで、上記構成の膜ろ過装置の運転動作について説明する。
A.ろ過工程
原水流入弁V1及びろ過水流出弁V2を「開」状態とする。これにより、原水は、原水供給ブロック5の原水供給流路11を経て膜モジュール7の下部に供給される。そして、原水は膜モジュール7を通過する際に膜ろ過処理される。膜ろ過水は、膜モジュール7の上部から膜ろ過水集水ブロック6の膜ろ過水集水流路13を通って洗浄水槽3に流入する。また、ろ過処理時においては、循環ポンプP1を「運転」状態とし、循環水弁V3を「開」状態とする。これにより、返送・排水槽2に貯留されている循環水が、原水供給ブロック5の原水供給流路11に流入し、膜モジュール7の膜表面を通り、連通管14から返送・排水槽2に戻る循環経路を巡る。そして、循環水が膜モジュール7の膜表面を通過することにより、クロスフローによるファウリング防止が行われる。このようなろ過工程が所定時間行われた後、物理洗浄工程に移る。
B.物理洗浄工程
物理洗浄工程はろ過継続時間30〜90分毎に1回当たり1〜2分間行われる。
原水流入弁V1、ろ過水流出弁V2及び循環水弁V3を「閉」状態とし、循環ポンプP1を「停止」する。また、エア供給弁V4及び洗浄排水弁V5を「開」状態とする。循環水弁V3を「閉」状態とし、循環ポンプP1を「停止」することにより、循環水の流れを停止する。また、エア供給弁V4を「開」状態とすることにより、逆洗計量槽4内のろ過水が洗浄水槽3上部から逆流して、膜ろ過水集水ブロック6の膜ろ過水集水流路13を通って膜モジュール7に供給され、膜モジュール7内が逆流洗浄されることになる。
ここで、原水の水温の変化による水の粘性特性から、膜モジュール7内の膜透過特性が変化する(具体的には水温が高ければ膜透過性は高くなり、水温が低ければ膜透過性も低くなる。当該選定膜モジュールでは、水温25℃のときの透過性を1としたとき、0℃では0.5となる。)ことから、膜モジュール7の逆流洗浄に際しては以下のような制御を行っている。即ち、逆洗計量槽4の液面下降速度を計測して洗浄流量を演算し、原水の水温に応じて膜透過性が変化する膜モジュール7に対して最適な洗浄流量により洗浄を行うように制御している。以下、具体的に説明する。
先ず、物理洗浄工程時には、エア供給弁V4の開度が初期値Q%(全開に対してQ%を意味する。本実施の形態では80%とする。)に設定され、且つ、エア供給弁V4の開度Q%で逆洗計量槽4内の全ての膜ろ過水を通水路空間側に排出するのに要する時間(換言すれば、逆洗計量槽4の液面がハイレベル位置Hからローレベル位置Lに達するまでの時間)を所定時間T(逆洗計量槽4の容量が800Lの場合である本実施の形態では30秒)に予め設定されている。
そして、運転当初の逆流洗浄に際しては、エア供給弁V4の開度を80%、エア供給弁V4による圧縮空気の供給時間を30秒として、逆洗計量槽4内の膜ろ過水を連通孔4aを通って通水路空間60の下部から上部に向けて逆流させて、膜ろ過水を膜モジュール7に供給する。一方、この逆流洗浄時において、レベル計A1によって、逆洗計量槽4の液面の変化(ハイレベル位置Hからローレベル位置Lまでのレベル変化)が計測されている。そして、レベル計A1による計測によって、ハイレベル位置Hから30秒経過してもローレベル位置Lに達していない場合は、原水の温度が低く膜モジュール7内の膜透過性が低く、そのため充分な洗浄流量が供給できていないと判定し、次回の逆流洗浄に際しては、エア供給弁V4の開度をアップする。本実施の形態では、エア供給弁V4の開度を、80%に0.1%を付加した(80+0.1)%に設定する。
一方、レベル計A1による計測によって、ハイレベル位置Hから30秒経過前にローレベル位置Lに達した場合は、原水の温度が高く膜モジュール7内の膜透過性が高く、そのため過剰な洗浄流量を供給していると判定し、次回の逆流洗浄に際しては、エア供給弁V4の開度をダウンする。本実施の形態では、エア供給弁V4の開度を、80%に0.1%を減じた(80−0.1)%に設定する。
そして、次回以降の逆流洗浄に際しても、上記と同様のエア供給弁V4の開度調整が行われる。即ち、レベル計A1による計測によって、ハイレベル位置Hから30秒経過してもローレベル位置Lに達していない場合は、エア供給弁V4の開度を、現在の開度(80.1)%に0.1%を付加した(80.1+0.1)%に設定する。レベル計A1による計測によって、ハイレベル位置Hから30秒経過前にローレベル位置Lに達した場合は、エア供給弁V4の開度を、現在の開度(80.1)%に0.1%を減じた(80.1−0.1)%に設定する。
こうして、レベル計A1による計測結果に応じてエア供給弁V4の開度調整を行うことにより、膜モジュール7に対して最適な洗浄流量により洗浄を行うことが可能となる。
尚、後述するように膜破断検出工程により膜破断している膜モジュール7が特定された場合は、その膜破断している膜モジュール7に関する緊急遮断弁ASVを「閉」状態とし、当該膜モジュール7の使用を停止し、その他の膜モジュール7によって通常運転を続行するようになっている。従って、この場合には、全ての膜モジュール7に対する洗浄流量は、使用停止した膜モジュール7に対する洗浄流量分だけ減じられた流量で充分である。そのため、膜破断している膜モジュール7が検出された場合には、残りの膜モジュール7の本数に応じたローレベル位置Lを設定し(例えば、全本数(10本)の膜モジュール7に対しての初期値Lを−600mmとする場合において、1本の膜モジュール7に膜破断が検出されると、初期値Lを−600×(9/10)=−540mmと設定し)、エア供給弁V4の開度についても初期値Q%を設定し(同様に、初期値Q%を80×(9/10)=72%と設定し)上記初期値Q%が80%である場合と同様にレベル計A1による計測結果に応じてエア供給弁V4の開度調整を行い、膜モジュール7に対して最適な洗浄流量により洗浄を行うようになっている。
尚、逆流洗浄時には、膜モジュール7からの流出水は、連通管14を通り返送・排水槽2に導かれ、洗浄排水弁V5を介して系外に排出される。この逆流洗浄処理と同時にエアスクラビング処理が実行される。即ち、エアスクラビング弁V7の「開」状態により、空気槽15内の圧縮空気が膜モジュール7の下部から流入し、膜モジュール7内の中空糸膜を振動させて膜面付着物を剥離・除去する。そして、所定時間経過後に、エアスクラビング弁V7を「閉」状態とし、エアスクラビング処理が終了する。このようにして、逆流洗浄処理及びエアスクラビング処理が終了した後は、フラッシング処理が実行される。
フラッシング処理においては、原水流入弁V1を「開」状態とする。これにより、膜モジュール7に供給された原水はろ過膜を透過することなく膜表面をリンスし、返送・排水槽2に流入される。そして、フラッシング処理時間経過後は、洗浄排水弁V5を「閉」状態とする。
こうして、物理洗浄工程が行われた後は原則的にはろ過工程に戻り、ろ過工程と物理洗浄工程とが繰り返し行われる。但し、2〜3日に1回程度、物理洗浄の逆流洗浄及びエアスクラビング処理が終了した後に、膜破断検出工程(膜破断が検出された場合に、膜破断を生じている膜モジュールを特定する処理工程を含む)が行われる。
C.膜破断検出工程
本実施の形態においては、膜破断検出及び膜膜破断が検出された場合に膜破断モジュールを特定する方法としては、大別して、(1)膜ろ過水の濁度測定による方法(膜ろ過水の濁度測定により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合は膜モジュール毎の濁度測定により膜破断モジュールを特定する)と、(2)圧縮空気を利用した膜モジュールに対する圧力保持試験により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合はエアリーク試験により膜破断モジュールを特定する方法を用いている。
通常は上記(1)の濁度測定による方法によって濁度を監視している。しかし、原水があまり汚れていない場合には濁度監視のみでは、膜モジュールの膜破断を検出できない。そこで、本実施の形態では、通常は濁度を監視し、定期的(例えば10日間隔)に上記(2)の圧力保持試験及びエアリーク試験による方法により膜破断検出(膜破断モジュールの特定を含む)を行っている。
(1)膜ろ過水の濁度測定による方法による膜破断検出(膜破断が検出された場合に、膜破断を生じている膜モジュールを特定する処理工程を含む)
先ず、通常時は、濁度計45により膜モジュール7の濁度を監視している。即ち、開閉弁V30及び開閉弁V31の開閉状態を、開閉弁V30を「開」、開閉弁V31を「閉」に設定する。これにより、膜ろ過水サンプリング管51bから膜ろ過水をサンプリングし、濁度計45により濁度の測定が行われる。この膜ろ過水のサンプリングに際しては、膜ろ過水サンプリング管51bの下端部が逆洗計量槽4の底部中央位置に存在する連通孔4a近傍に位置しているので、各膜モジュール7から通水路空間60を通って集められ、逆洗計量槽4内に流入する膜ろ過水は各膜モジュール7から均等に流入することになる。従って、いずれかの膜モジュール7に偏った状態で膜ろ過水のサンプリングが行われることはなく、各膜モジュール7に均等な状態で膜ろ過水のサンプリングを行うことができる。これにより、膜ろ過水の濁度測定による膜破断の精度が向上する。
次いで、濁度計45によって、サンプリング水の濁度が所定値X1より大きいか否かが判断され、サンプリング水の濁度が所定値X1未満の場合は膜破断が発生していないと判断され、この場合は次回の濁度測定に移り、濁度監視が継続される。尚、所定値X1(第1設定値に相当)は1本の膜モジュール7に関する膜破断発生と判断し得る基準値(後述する所定値X2(第2設定値に相当))を膜モジュール7の総本数に対応して希釈化した値である。例えば、膜モジュール7の総本数が10本の場合には、所定値X1は当該基準値(後述する所定値X2)の(1/10)倍となっている。
一方、サンプリング水の濁度が所定値X1以上の場合は膜破断が発生していると判断され、膜破断している膜モジュール7の特定処理が行われる。先ず、膜モジュール7の特定処理のために開閉弁V30及び開閉弁V31の開閉状態の切替えが行われる。即ち、開閉弁V30を「閉」、開閉弁V31を「開」に設定する。これにより、膜モジュール7毎に、膜モジュール7上部→膜モジュール7に対応する開閉弁V32→配管L3→開閉弁V31→濁度計45に至る膜ろ過水サンプリング配管経路が構成され、膜モジュール7毎に濁度の測定を行い、膜破断している膜モジュール7の特定を行うことが可能となる。尚、各膜モジュール7の濁度測定に際しては、濁度測定すべき選択された膜モジュール7に対応した開閉弁V32を「開」状態とし、その他の開閉弁V32は「閉」状態とする。(例えば、膜モジュール7aを選択する場合は、開閉弁V32aを「開」状態とし、その他の開閉弁V32b〜V32jを「閉」状態とする。そして、各膜モジュールに対して、濁度計45によって、サンプリング水の濁度が所定値X2より大きいか否かが判断され、サンプリング水の濁度が所定値X2未満の場合は当該膜モジュール7に膜破断が発生していないと判断され、次の膜モジュール7に関して測定を行う。
一方、サンプリング水の濁度が所定値X2以上の場合は、当該膜モジュール7に膜破断が発生していると判断され、当該膜モジュール7に関する緊急遮断弁ASVを「閉」状態とし、当該膜モジュール7の使用を停止し、その他の膜モジュール7によって通常運転を続行する。
(2)圧力保持試験及びエアリーク試験による方法により膜破断検出
本装置において、物理洗浄に圧縮空気による動力を用いていることから、その空気源を利用した圧力保持試験を行うことが可能である。ここで、圧力保持試験は、膜モジュール7で使用されている中空糸膜が空気を透過させないことを利用し、膜ろ過水流出側から空気圧を掛け、その圧力が保持されるか否かを確認することにより膜破断の存在を判断するものである。また、圧力保持試験により膜破断が発生していると判断した場合は、破断した膜モジュールを特定するためにエアリーク試験を行う。
以下、圧力保持試験及びエアリーク試験について具体的に説明する。
物理洗浄での逆流洗浄終了後、引き続いて、エア供給弁V4の開度を調整して圧縮空気を流量を加減して送り続ける。これにより、逆洗計量槽4内に供給され溢れた空気は通水路空間60を通り膜モジュール7上部に供給される。そして、膜モジュール7のろ過水側(中空糸膜の内側)にあるろ過水は、圧縮空気により膜を透過し、原水側に流出する。尚、この時、原水側は排水弁V5を「開」とし大気圧の状態となっている。
供給された圧縮空気は、中空糸膜を透過できないことから、膜モジュールろ過水側が空気で満たされ、圧力が徐々に上昇する。そして、膜モジュール出口圧力計A2により圧力が確認され、200KPaまで昇圧したらエア供給弁V4を「閉」状態とし、圧縮空気の供給をストップし、膜モジュール出口圧力計A2により当該圧力が3分間保持されるか確認する。
圧力が保持されれば、膜破断はないものと判定する。圧力の低下が確認されれば、膜破断が生じているものと判定し、破断膜モジュールを特定するためにエアリーク試験に移行する。
エアリーク試験では、膜モジュール7を一旦膜ろ過水で満水とした後に、膜ろ過水側を大気圧に開放し、膜モジュール原水側(中空糸膜の外側)にエアスクラビン弁V7から圧縮空気を供給することにより開始する。
膜モジュール原水側が空気で満たされ、圧力が徐々に上昇するが、膜破断を生じている箇所から空気がリークし、膜モジュールの膜ろ過水側に気泡が生じる。
気泡は、膜モジュール上方に装備された膜破断検出器21(具体的にはフロートスイッチ)に空気溜りを生じさせ、フロートスイッチが液面の低下により通常のON状態からOFF状態になり、こうして、膜破断検出器21により膜破断を生じている膜モジュール7を特定することができることになる。
尚、膜破断検出器21で膜破断が特定された膜モジュール7は、緊急遮断弁ASVで分離され、その他の膜モジュール7で膜ろ過が再開される。
D.薬液洗浄工程
有機系の汚染によりろ過能力が低下した場合、次亜塩素酸ナトリウムによる簡易薬液洗浄を行う。
洗浄用薬液貯留槽100内の次亜塩素酸ナトリウムは、注入ポンプ101の駆動によって薬液配管L20を通って薬液注入管51aから逆洗計量槽4の底部連通孔4aに注入される。そして、注入された次亜塩素酸ナトリウムは通水路空間60を通り各膜モジュール7に供給され、これにより薬液洗浄が行われる。ここで、注目すべきは、逆流洗浄時に逆洗水の流量をコントロールするエア供給弁V4の開度を調整することにより、逆洗水流量を微妙にコントロールすることが可能な機能を利用する。
即ち、洗浄用エアの供給を最少で、注入ポンプ101の駆動を最大とすることで高濃度次亜塩素酸ナトリウムによる浸漬洗浄を行う。ここで、エア供給弁V4の開度は、通常の物理洗浄では70〜90%開度で、50m3/hr、薬液洗浄では5〜6%開度で0.3m3/hrと160倍の流量制御が可能である。
また、浸漬洗浄中は原水をそのまま排水し、高濃度次亜塩素酸ナトリウム廃液を通常の浄水残留塩素濃度迄希釈し排水する。尚、浸漬洗浄後は、リンス洗浄を行い通常のろ過工程に復帰する。
尚、薬液注入に際しては、薬液注入管51aの下端部が逆洗計量槽4の底部中央位置に存在する連通孔4a近傍に位置しているので、通水路空間60から各膜モジュール7に供給される薬液は各膜モジュール7に対して均等に流入することになる。従って、1つの薬液注入管51aによる薬液注入により全ての膜モジュール7に対して薬液を供給することができるので、薬液注入の効率が良い。加えて、各膜モジュール7に均等に薬液が供給されるので、洗浄が不十分である膜モジュール7が存在せず、各膜モジュール7は常に均等な高品質の洗浄がなされることになる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る膜ろ過装置は、簡易薬液洗浄工程において使用する薬液(原液)を所定濃度まで希釈化して放流することを特徴とするものである。
本実施の形態2に係る膜ろ過装置は、基本的には上記実施の形態1に係る膜ろ過装置と同様の構成を有しており、対応する構成部材・構成要素については同一の番号を付す。実施の形態1と相違する構成としては、原水ポンプが省略されており、また、図1に示すエア供給弁V4に代えて、図8に示すように、エア流量を調整する逆洗流量調節弁V60と逆洗エア開閉弁V61を備えていることである。
次いで、制御装置80による具体的な簡易薬液洗浄の制御処理を説明する。
先ず、制御装置80の入力部(例えばタッチパネル)の操作によって、簡易薬液洗浄制御処理に必要な所定の設定値を入力する。所定の設定値としては、使用する薬液濃度M1(次亜塩素酸ナトリウム原液濃度M1)、薬液洗浄のために膜ろ過装置内に浸漬する浸漬次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度M2、注入ポンプ101の最大注入量M3、注入ポンプ101の運転可動域M4、逆洗流量調節弁V60の初期開度M5、浸漬時間M6、放流水残留塩素濃度M7、放流時「開」時間M8、原水捨水流量M9、リンス洗浄繰返し回数M10が挙げられる。M1〜M10の入力値に応じて、具体的な処理時間等が変化する。
本実施の形態においては、所定の設定値M1〜M10は具体的には以下の値に設定される。次亜塩素酸ナトリウム原液濃度M1は12%、浸漬次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度M2は1800mg/L、注入ポンプ101の最大注入量M3は50mL/min、注入ポンプ101の運転可動域M4は100%、逆洗流量調節弁V60の初期開度M5は6.0%、浸漬時間M6は240min、放流水残留塩素濃度M7は5mg/L、放流時「開」時間M8は5sec、原水捨水流量M9は10.0m3/hr、リンス洗浄繰返し回数M10は5回である。
次いで、簡易薬液洗浄の制御処理工程について説明する。なお、逆洗計量槽4の水位Hの変化に応じて制御処理工程が進行するように制御装置80にプログラムされている。また、簡易薬液洗浄の制御処理工程の開始に際しては、緊急遮断弁ASVが「開」に、洗浄排水弁V5が「開」に設定される。
先ず、逆洗計量槽4の上部凹凸部等により、逆洗計量槽4が満杯の時の水位Hにバラツキがあるため、逆洗流量調節弁V60の初期開度を6.0%、逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、逆洗計量槽4の水面を押下げ、水位H=H1(希釈水流量調整開始水位、本実施の形態ではH1=800mmに設定)になった時、希釈水流量調整工程を開始する。
(希釈水流量調整工程)
実施の形態1において述べたように、原水の温度に応じて膜モジュール7内の膜透過性が変化するので、設定した希釈水流量(本実施の形態では0.20m3/hrに設定)とならない場合がある。そのため、希釈水流量調整工程では、未だ次亜塩素酸ナトリウムを注入せず、この状態において希釈水流量を調整して、希釈水流量の補正を行う。
具体的な処理としては、水位Hが5mm毎に低下する到達時間を計測し、29.8secより早い場合は逆洗流量調節弁V60の開度を「0.1%」閉じる制御行い、29.8secより遅い場合は逆洗流量調節弁V60の開度を「0.1%」開く制御行う。
このような希釈水流量調整を、水位H=H2(浸漬次亜塩調整送液開始水位、本実施の形態ではH2=750mmに設定)に到達するまで行う。従って、水位が800mmから750mmに到達するまで、希釈水流量の調整処理を10回行うことができ、最大1%の補正を行うことができ、設定された希釈水流量により近似した希釈水流量が得られることになる。
なお、このような希釈水流量調整は、水位750mm到達後の次亜塩素酸ナトリウム注入時も行われ、後述する原水捨水併用工程まで継続する。
(浸漬次亜塩調整送液工程)
注入ポンプ101の運転を開始する。これにより、次亜塩素酸ナトリウムが薬液注入管51aの下端部から注入され、逆洗計量槽4から通水路空間60に流れ込む膜ろ過水(洗浄水に相当)と混合され希釈化され、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液の調整が行われる。このような浸漬次亜塩調整送液工程は、水位H=H3(原水捨水開始水位、本実施の形態ではH3=550mmに設定)に到達するまで行う。なお、水位が550mmに到達するまでは、単なる水である洗浄水は排出されるけれども、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液は膜ろ過装置内に留まっており、外部に排出されない。
(原水捨水併用工程)
水位がH3(550mm)に到達すると、原水捨水併用工程に進む。即ち、水位が550mmを過ぎると、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液が排出される可能性がある。かかる浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液は高濃度であるため、このまま放流することは環境上の制約等でできない。そこで、原水の供給により希釈化して放流することとしている。
具体的には、原水ドレン弁V40を「開」にする。これにより、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液は原水により希釈化される。但し、原水の流量が限られている(100m3/hr)ため、放流水残留塩素濃度を5mg/Lとすることができない。そこで、希釈比率の調整処理を行って、放流水残留塩素濃度を5mg/Lとして放流するようにしている。具体的には、逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、この「開」状態を5sec(第1設定時間に相当)維持し、5sec経過すれば逆洗エア開閉弁V61を「閉」とし、この「閉」状態を30.7sec(第2設定時間に相当)維持し、30.7sec経過すれば、再び逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、このような処理を繰り返し行う。なお、注入ポンプ101も逆洗エア開閉弁V61の開閉に応じて運転/停止を行う。このような逆洗エア開閉弁V61の開閉及び注入ポンプ101の運転/停止を繰り返し行うことにより、放流時「開」時間を5sec、放流時インターバル時間を30.7sec、つまり、5sec間放流、30.7sec停止が繰り返えされ、送液量の制限によって全体として希釈比率の調整処理が行われる。そして、このような原水捨水工程は、水位H=H4(浸漬次亜塩調整送液停止水位、本実施の形態ではH4=400mmに設定)に到達するまで行う。
(浸漬次亜塩調整送液停止工程)
水位がH4(400mm)に到達すると、浸漬次亜塩調整送液停止・原水捨水停止・次亜塩浸漬開始工程に進む。具体的には、浸漬次亜塩調整送液停止工程として逆洗エア開閉弁V61を「閉」とし、原水捨水停止工程としては原水ドレン弁V40を「閉」とし、次亜塩浸漬開始工程としては逆洗流量調節弁V60を初期開度に固定し注入ポンプ101を停止する。そして、この状態を240min維持する。つまり、浸漬時間240minとする。この浸漬時間内に膜モジュール7の固着物が薬液洗浄されることになる。
(浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液排出工程)
浸漬時間240minが経過すると、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液の排出処理が開始される。即ち、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液を所定濃度に希釈化して放流が行われる。
具体的には、原水ドレン弁V40を「開」にする。逆洗流量調節弁V60は、初期開度に固定したままである。そして、上記原水捨水工程の希釈比率の調整処理と同様に、逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、この「開」状態を5sec(第1設定時間に相当)維持し、5sec経過すれば逆洗エア開閉弁V61を「閉」とし、この「閉」状態を30.7sec(第2設定時間に相当)維持し、30.7sec経過すれば、再び逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、このような処理を繰り返し行う。
このような浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液排出工程は、水位H=H5(浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液排出停止水位、本実施の形態ではH5=50mmに設定)に到達するまで行う。水位が50mmに到達すれば、実質的には浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液が全て排出されたものとみなされる。
(リンス洗浄工程)
水位が50mmに到達すると、リンス洗浄工程に進む。リンス洗浄工程における具体的な処理としては、水位が50mmから800mmまでろ過処理を行い、水位が800mmに到達すると、ろ過処理を停止して逆流洗浄処理を開始し、水位が50mmに到達すると、逆流洗浄処理を停止する。そして、このようなろ過処理及び逆流洗浄処理を所定繰り返し回数(本実施の形態では5回)繰り返す。
こうして、リンス洗浄工程が終了すると、簡易薬液洗浄処理が完了することになる。その後は、通常のろ過処理等が行われることになる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態では、物理洗浄時の圧力供給はコンプレッサで行なっていたが、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、加圧給水ポンプ等を用いてもよい。
(2)上記実施の形態では、逆洗計量槽4内の中央部に、管体51が備えられており、この管体51は、薬液を注入する薬液注入管51aの内側に膜ろ過水をサンプリングする膜ろ過水サンプリング管51bが配置された2重管構造をなした構成とされていたが、本発明はこれに限定されず、逆洗計量槽4内の中央部に、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管としてそれぞれ使用する2個の管を個別に設けるような構成であってもよい。
(3)上記実施の形態1のエア供給弁V4は、物理洗浄時及び薬液洗浄時のいずれの時おいても、圧縮空気の流量を調整するように構成されたが、注入ポンプ101から逆洗計量槽4に至る配管を途中で2経路に分岐し、一方の経路に物理洗浄用エア供給弁を設け、他方の経路に薬液用エア供給弁を設けるように構成してもよい。
(4)上記実施の形態1では、通常は濁度を監視し測定濁度値が所定値X1(第1設定値に相当)以上になった場合には膜ろ過水サンプルを膜モジュール毎に切替え、濁度測定を行い測定濁度値が所定値X2(第2設定値に相当)以上になった膜モジュールを膜破断と特定し、このような測定濁度値による膜破断検出・膜モジュール特定を行い、定期的に圧力保持試験による膜破断検出及びエアリーク試験による膜破断した膜モジュールの特定を行うように構成していた。本発明はこれに限定されず、測定濁度値が所定値X1以上になった場合において、膜破断を生じている膜モジュールを特定する手段として、膜ろ過水サンプルを膜モジュール毎に切替える手段と、エアリーク試験により特定する手段のいずれかを選択するような構成であってもよい。なお、圧力保持試験により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合には膜ろ過水サンプルを膜モジュール毎に切替えて膜破断した膜モジュールの特定を行うように構成してもよいが、このような構成では膜破断した膜モジュールの特定までに時間(30分程度)を要するため、その間に高濁度ろ過水が供給される懸念があることから、圧力保持試験により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合にはエアリーク試験により膜破断した膜モジュールの特定する構成とするのが好ましい。
本発明は、装置内に物理洗浄に使用する洗浄水槽を一体に設け、効率良く膜ろ過処理を継続できる自己洗浄槽保有型膜ろ過装置に適用される。
1:膜ろ過装置 2:返送・排水槽
3:洗浄水槽 4:逆洗計量槽
4a:連通孔 5:原水供給ブロック
6:膜ろ過水集水ブロック 7a〜7j:膜モジュール
15:空気槽 16:コンプレッサ
21:膜破断検出器 30,31:開閉弁
45:濁度計 49:配管部材
50:円盤状基台 51:管体
51a:薬液注入管 51b:膜ろ過水サンプリング管
52,53:薬液注入路 54,55:配管接続口
58:閉止体 59:チャッキ弁
60:通水路空間 100:貯留槽
101:注入ポンプ A1:逆洗計量槽レベル計
A2:膜モジュール出口圧力計 V4:エア供給弁
V7:エアスクラビング
V30,V31,V32a〜SV32j:開閉弁
ASV:緊急遮断弁 V40:原水ドレン弁
V60:逆洗流量調節弁 V61:逆洗エア開閉弁

Claims (1)

  1. 逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成されるように構成され、
    前記洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設されており、
    前記逆洗計量槽と前記洗浄水槽とは同心状に配置されており、且つ前記連通孔は前記逆洗計量槽底部の中央位置に形成されており、
    ろ過処理時には、前記膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が前記通水路空間の上部から下部に向けて流入し、前記連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、
    物理洗浄時には、前記逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を前記連通孔を通って前記通水路空間の下部から上部に向けて逆流させ膜ろ過水を膜モジュールに供給するように構成され、
    更に、前記物理洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の流量を調整するエア供給弁と、
    前記逆洗計量槽に貯留されている膜ろ過水の液面レベルを計測する液面レベル計測手段と、
    前記逆洗計量槽液面に圧縮空気が供給されることにより、逆洗計量槽液面が下降する際の液面下降速度を計測して洗浄流量を算出し、次回の物理洗浄時において前記算出された洗浄流量になるようにエア供給弁の開度を調整する弁制御手段と、
    を備えたことを特徴とする自己洗浄槽保有型膜ろ過装置。
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