JP5855778B2 - 自己洗浄槽保有型膜ろ過装置 - Google Patents
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Description
逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成されるように構成され、
前記洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設されており、
前記逆洗計量槽と前記洗浄水槽とは同心状に配置されており、且つ前記連通孔は前記逆洗計量槽底部の中央位置に形成されており、
ろ過処理時には、前記膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が前記通水路空間の上部から下部に向けて流入し、前記連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、
物理洗浄時には、前記逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を前記連通孔を通って前記通水路空間の下部から上部に向けて逆流させ膜ろ過水を膜モジュールに供給するように構成され、
更に、前記物理洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の流量を調整するエア供給弁と、
前記逆洗計量槽に貯留されている膜ろ過水の液面レベルを計測する液面レベル計測手段と、
前記逆洗計量槽液面に圧縮空気が供給されることにより、逆洗計量槽液面が下降する際の液面下降速度を計測して洗浄流量を算出し、次回の物理洗浄時において前記算出された洗浄流量になるようにエア供給弁の開度を調整する弁制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成されるように構成され、
前記洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設されており、
前記逆洗計量槽と前記洗浄水槽とは同心状に配置されており、且つ前記連通孔は前記逆洗計量槽底部の中央位置に形成されており、
ろ過処理時には、前記膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が前記通水路空間の上部から下部に向けて流入し、前記連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、
物理洗浄時及び薬液洗浄時には、前記逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を前記連通孔を通って前記通水路空間の下部から上部に向けて逆流させ膜ろ過水を膜モジュールに供給するように構成され、
更に、前記逆洗計量槽内の略中央部には、薬液を注入する薬液注入管と、膜ろ過水濁度測定のため前記連通孔を通って逆洗計量槽内に流入する膜ろ過水をサンプリングする膜ろ過水サンプリング管とが配設されていることを特徴とする自己洗浄槽保有型膜ろ過装置である。
また、薬液注入に際しては、薬液注入管が逆洗計量槽内の略中央部に配設されているので、通水路空間から各膜モジュールに供給される薬液は各膜モジュールに対して均等に流入することになる。従って、1つの薬液注入管による薬液注入により全ての膜モジュールに対して薬液を供給することができるので薬液注入の効率が良い。加えて、各膜モジュールに均等に薬液が供給されるので、洗浄が不十分である膜モジュールが存在せず、各膜モジュールは常に均等な高品質の洗浄がなされることになる。
なお、本願発明は、逆洗計量槽内の略中央部に、薬液注入管と膜ろ過水サンプリング管とが配設されていればよく、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管が、薬液注入管の内側に膜ろ過水サンプリング管が配置された2重管構造で構成されている場合であってもよく、また、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管としてそれぞれ使用する2個の管を個別に設けるような構成であってもよい。
なお、「圧力保持試験」とは、膜モジュールの膜ろ過水流出側から空気圧を掛け、その圧力が一定時間保持されるか否かを確認し、保持されない場合は膜破断が存在しているものと判断する試験を意味する。
なお、「エアリーク試験」とは、膜モジュールの原水側から空気圧を掛け、膜破断が存在している膜モジュールでは膜ろ過水側に気泡が生じることにより、膜破断検出器の液面を押し下げ、これにより異常を検出することによって膜破断を生じている膜モジュールを特定する試験を意味する。
上記構成によれば、浸漬洗浄完了後、薬液排出水を排水するに際して、原水ドレン弁を開状態にして薬液排出水を原水で希釈して放流するが、原水流量の上限が制限されているため、薬液排出水を所定濃度まで希釈化できない。そこで、原水ドレン弁の開状態を維持したまま、逆洗エア開閉弁を第1設定時間だけ開状態とし、第1設定時間終了後は第2設定時間だけ閉状態とし、この逆洗エア開閉弁の開状態と閉状態とを所定回数繰り返す。これにより、単位時間当たりの薬液排出水の排水量が制限されるので、浸漬洗浄後の薬液排出水の希釈比率を実質的に変化させて排出することができる。この結果、薬液排出水の放流全体としてみると、所定濃度まで希釈化されて排水されたことになる。
図1は本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の全体構成の概念図、図2は膜モジュールの取付状態を示す斜視図、図3は自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の平面図、図4は図3のa−a線矢視断面図、図5は図3のb−b線矢視断面図である。尚、図1は本発明に係る自己洗浄槽保有型膜ろ過装置の概念構成を示すものであり、該膜ろ過装置を構成する各構成部品や配管系統等の具体的な構成は図2〜図5に示されている。
膜ろ過装置1は、装置中央部に配置された返送・排水槽2、洗浄水槽3、及び逆洗計量槽4を有する。これら返送・排水槽2、洗浄水槽3、及び逆洗計量槽4は、下方から上方向に向けてこの順序で一体的に形成されている。より詳しくは、逆洗計量槽4が洗浄水槽3内に収納され、洗浄水槽3の内壁と逆洗計量槽4の外壁との間に通水路空間60が形成されている。尚、逆洗計量槽4の底部には、逆洗計量槽4と通水路空間60とを連通する連通孔4aが形成されている。また、逆洗計量槽4と洗浄水槽3とは同心状に配置されており、且つ連通孔4aは逆洗計量槽4底部の中央位置に形成されている。従って、洗浄水槽3内に流入した膜ろ過水は通水路空間60を通り、逆洗計量槽4の底部から逆洗計量槽4内に流入するようになっている。
原水供給ブロック5には、原水流入口5aと、原水流入口5aから放射線状に延び各膜モジュール7に至る原水供給流路11(図4及び図5参照)とが形成されている。原水流入口5aから原水供給ブロック5内に流入した原水は、各原水供給流路11を通って各膜モジュール7の下部に供給されるようになっている。
また、膜モジュール7の上部には膜モジュール点検口20及び膜破断検出器21が備えられている。膜モジュール点検口20は膜モジュール7と同一径であり、従来例のような絞り込む形状のコネクタを用いていないので、装置から膜モジュールを取り外すことなく膜モジュールを修繕することが可能という利点がある。尚、膜モジュールの修繕は、破断した膜チューブを専用の補修ピンで塞ぐことにより行われる。
また、膜ろ過水集水流路13には緊急遮断弁ASVが設けられている。後述するように、膜モジュール7の膜破断が膜破断検出器21によって検出されたときは、緊急遮断弁ASVは「閉」状態となり、膜モジュール点検口20から膜を修繕することができるようになっている。
また、天板22には膜ろ過水流出管41が接続されている。原水供給ブロック5内の各原水供給流路11には、膜モジュール供給元弁V20が設けられている。
また、図5において、L40は原水配管であり、この原水配管L40は排水管9に原水を供給するための配管であって、薬液洗浄工程において排水管9から排出される薬液排出水を原水で希釈化するため等に用いられる。また、図5において、V40は原水ドレン弁であり、この原水ドレン弁V40は原水配管9に設けられ排水管9への供給・遮断を行う開閉弁である。尚、原水貯留槽(原水貯留タンク)内の原水は、原水ポンプ(図示せず)の駆動によって膜ろ過装置1に供給される。但し、原水貯留槽が膜ろ過装置1の上方に存在する場合は、原水が自然に供給され得ることから、強制的に供給する原水ポンプを省略する構成(実施の形態2)としてもよい。
このように、上記構造の配管部材49を逆洗計量槽4に設けることにより、膜破断検出及び薬液洗浄に必要な構成部材・配管構造等を容易に配設することができる。
また、洗浄用薬液(次亜塩素酸ナトリウム)を貯留する貯留槽100及び薬液注入用の注入ポンプ101が設けられている。薬液洗浄に際しては、注入ポンプ101駆動によって貯留槽100内の薬液が薬液注入管51aから逆洗計量槽4の底部連通孔4aに注入されるようになっている。また、図6に明瞭に示すように、通水路空間60の上部で且つ膜ろ過水集水ブロック6出口側近傍には、膜モジュール出口圧力計A2が設けられている。この膜モジュール出口圧力計A2によって膜モジュールろ過水側の圧力を計測することができる。
尚、本発明に係る膜ろ過装置ではストレーナ40を設け、膜モジュールでろ過する前段処理としてストレーナ40によって原水を予めろ過しておくことが好ましい。
A.ろ過工程
原水流入弁V1及びろ過水流出弁V2を「開」状態とする。これにより、原水は、原水供給ブロック5の原水供給流路11を経て膜モジュール7の下部に供給される。そして、原水は膜モジュール7を通過する際に膜ろ過処理される。膜ろ過水は、膜モジュール7の上部から膜ろ過水集水ブロック6の膜ろ過水集水流路13を通って洗浄水槽3に流入する。また、ろ過処理時においては、循環ポンプP1を「運転」状態とし、循環水弁V3を「開」状態とする。これにより、返送・排水槽2に貯留されている循環水が、原水供給ブロック5の原水供給流路11に流入し、膜モジュール7の膜表面を通り、連通管14から返送・排水槽2に戻る循環経路を巡る。そして、循環水が膜モジュール7の膜表面を通過することにより、クロスフローによるファウリング防止が行われる。このようなろ過工程が所定時間行われた後、物理洗浄工程に移る。
物理洗浄工程はろ過継続時間30〜90分毎に1回当たり1〜2分間行われる。
原水流入弁V1、ろ過水流出弁V2及び循環水弁V3を「閉」状態とし、循環ポンプP1を「停止」する。また、エア供給弁V4及び洗浄排水弁V5を「開」状態とする。循環水弁V3を「閉」状態とし、循環ポンプP1を「停止」することにより、循環水の流れを停止する。また、エア供給弁V4を「開」状態とすることにより、逆洗計量槽4内のろ過水が洗浄水槽3上部から逆流して、膜ろ過水集水ブロック6の膜ろ過水集水流路13を通って膜モジュール7に供給され、膜モジュール7内が逆流洗浄されることになる。
尚、後述するように膜破断検出工程により膜破断している膜モジュール7が特定された場合は、その膜破断している膜モジュール7に関する緊急遮断弁ASVを「閉」状態とし、当該膜モジュール7の使用を停止し、その他の膜モジュール7によって通常運転を続行するようになっている。従って、この場合には、全ての膜モジュール7に対する洗浄流量は、使用停止した膜モジュール7に対する洗浄流量分だけ減じられた流量で充分である。そのため、膜破断している膜モジュール7が検出された場合には、残りの膜モジュール7の本数に応じたローレベル位置Lを設定し(例えば、全本数(10本)の膜モジュール7に対しての初期値Lを−600mmとする場合において、1本の膜モジュール7に膜破断が検出されると、初期値Lを−600×(9/10)=−540mmと設定し)、エア供給弁V4の開度についても初期値Q%を設定し(同様に、初期値Q%を80×(9/10)=72%と設定し)上記初期値Q%が80%である場合と同様にレベル計A1による計測結果に応じてエア供給弁V4の開度調整を行い、膜モジュール7に対して最適な洗浄流量により洗浄を行うようになっている。
こうして、物理洗浄工程が行われた後は原則的にはろ過工程に戻り、ろ過工程と物理洗浄工程とが繰り返し行われる。但し、2〜3日に1回程度、物理洗浄の逆流洗浄及びエアスクラビング処理が終了した後に、膜破断検出工程(膜破断が検出された場合に、膜破断を生じている膜モジュールを特定する処理工程を含む)が行われる。
本実施の形態においては、膜破断検出及び膜膜破断が検出された場合に膜破断モジュールを特定する方法としては、大別して、(1)膜ろ過水の濁度測定による方法(膜ろ過水の濁度測定により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合は膜モジュール毎の濁度測定により膜破断モジュールを特定する)と、(2)圧縮空気を利用した膜モジュールに対する圧力保持試験により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合はエアリーク試験により膜破断モジュールを特定する方法を用いている。
通常は上記(1)の濁度測定による方法によって濁度を監視している。しかし、原水があまり汚れていない場合には濁度監視のみでは、膜モジュールの膜破断を検出できない。そこで、本実施の形態では、通常は濁度を監視し、定期的(例えば10日間隔)に上記(2)の圧力保持試験及びエアリーク試験による方法により膜破断検出(膜破断モジュールの特定を含む)を行っている。
先ず、通常時は、濁度計45により膜モジュール7の濁度を監視している。即ち、開閉弁V30及び開閉弁V31の開閉状態を、開閉弁V30を「開」、開閉弁V31を「閉」に設定する。これにより、膜ろ過水サンプリング管51bから膜ろ過水をサンプリングし、濁度計45により濁度の測定が行われる。この膜ろ過水のサンプリングに際しては、膜ろ過水サンプリング管51bの下端部が逆洗計量槽4の底部中央位置に存在する連通孔4a近傍に位置しているので、各膜モジュール7から通水路空間60を通って集められ、逆洗計量槽4内に流入する膜ろ過水は各膜モジュール7から均等に流入することになる。従って、いずれかの膜モジュール7に偏った状態で膜ろ過水のサンプリングが行われることはなく、各膜モジュール7に均等な状態で膜ろ過水のサンプリングを行うことができる。これにより、膜ろ過水の濁度測定による膜破断の精度が向上する。
一方、サンプリング水の濁度が所定値X2以上の場合は、当該膜モジュール7に膜破断が発生していると判断され、当該膜モジュール7に関する緊急遮断弁ASVを「閉」状態とし、当該膜モジュール7の使用を停止し、その他の膜モジュール7によって通常運転を続行する。
本装置において、物理洗浄に圧縮空気による動力を用いていることから、その空気源を利用した圧力保持試験を行うことが可能である。ここで、圧力保持試験は、膜モジュール7で使用されている中空糸膜が空気を透過させないことを利用し、膜ろ過水流出側から空気圧を掛け、その圧力が保持されるか否かを確認することにより膜破断の存在を判断するものである。また、圧力保持試験により膜破断が発生していると判断した場合は、破断した膜モジュールを特定するためにエアリーク試験を行う。
物理洗浄での逆流洗浄終了後、引き続いて、エア供給弁V4の開度を調整して圧縮空気を流量を加減して送り続ける。これにより、逆洗計量槽4内に供給され溢れた空気は通水路空間60を通り膜モジュール7上部に供給される。そして、膜モジュール7のろ過水側(中空糸膜の内側)にあるろ過水は、圧縮空気により膜を透過し、原水側に流出する。尚、この時、原水側は排水弁V5を「開」とし大気圧の状態となっている。
エアリーク試験では、膜モジュール7を一旦膜ろ過水で満水とした後に、膜ろ過水側を大気圧に開放し、膜モジュール原水側(中空糸膜の外側)にエアスクラビン弁V7から圧縮空気を供給することにより開始する。
気泡は、膜モジュール上方に装備された膜破断検出器21(具体的にはフロートスイッチ)に空気溜りを生じさせ、フロートスイッチが液面の低下により通常のON状態からOFF状態になり、こうして、膜破断検出器21により膜破断を生じている膜モジュール7を特定することができることになる。
尚、膜破断検出器21で膜破断が特定された膜モジュール7は、緊急遮断弁ASVで分離され、その他の膜モジュール7で膜ろ過が再開される。
有機系の汚染によりろ過能力が低下した場合、次亜塩素酸ナトリウムによる簡易薬液洗浄を行う。
洗浄用薬液貯留槽100内の次亜塩素酸ナトリウムは、注入ポンプ101の駆動によって薬液配管L20を通って薬液注入管51aから逆洗計量槽4の底部連通孔4aに注入される。そして、注入された次亜塩素酸ナトリウムは通水路空間60を通り各膜モジュール7に供給され、これにより薬液洗浄が行われる。ここで、注目すべきは、逆流洗浄時に逆洗水の流量をコントロールするエア供給弁V4の開度を調整することにより、逆洗水流量を微妙にコントロールすることが可能な機能を利用する。
また、浸漬洗浄中は原水をそのまま排水し、高濃度次亜塩素酸ナトリウム廃液を通常の浄水残留塩素濃度迄希釈し排水する。尚、浸漬洗浄後は、リンス洗浄を行い通常のろ過工程に復帰する。
本実施の形態2に係る膜ろ過装置は、簡易薬液洗浄工程において使用する薬液(原液)を所定濃度まで希釈化して放流することを特徴とするものである。
本実施の形態2に係る膜ろ過装置は、基本的には上記実施の形態1に係る膜ろ過装置と同様の構成を有しており、対応する構成部材・構成要素については同一の番号を付す。実施の形態1と相違する構成としては、原水ポンプが省略されており、また、図1に示すエア供給弁V4に代えて、図8に示すように、エア流量を調整する逆洗流量調節弁V60と逆洗エア開閉弁V61を備えていることである。
先ず、制御装置80の入力部(例えばタッチパネル)の操作によって、簡易薬液洗浄制御処理に必要な所定の設定値を入力する。所定の設定値としては、使用する薬液濃度M1(次亜塩素酸ナトリウム原液濃度M1)、薬液洗浄のために膜ろ過装置内に浸漬する浸漬次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度M2、注入ポンプ101の最大注入量M3、注入ポンプ101の運転可動域M4、逆洗流量調節弁V60の初期開度M5、浸漬時間M6、放流水残留塩素濃度M7、放流時「開」時間M8、原水捨水流量M9、リンス洗浄繰返し回数M10が挙げられる。M1〜M10の入力値に応じて、具体的な処理時間等が変化する。
実施の形態1において述べたように、原水の温度に応じて膜モジュール7内の膜透過性が変化するので、設定した希釈水流量(本実施の形態では0.20m3/hrに設定)とならない場合がある。そのため、希釈水流量調整工程では、未だ次亜塩素酸ナトリウムを注入せず、この状態において希釈水流量を調整して、希釈水流量の補正を行う。
このような希釈水流量調整を、水位H=H2(浸漬次亜塩調整送液開始水位、本実施の形態ではH2=750mmに設定)に到達するまで行う。従って、水位が800mmから750mmに到達するまで、希釈水流量の調整処理を10回行うことができ、最大1%の補正を行うことができ、設定された希釈水流量により近似した希釈水流量が得られることになる。
なお、このような希釈水流量調整は、水位750mm到達後の次亜塩素酸ナトリウム注入時も行われ、後述する原水捨水併用工程まで継続する。
注入ポンプ101の運転を開始する。これにより、次亜塩素酸ナトリウムが薬液注入管51aの下端部から注入され、逆洗計量槽4から通水路空間60に流れ込む膜ろ過水(洗浄水に相当)と混合され希釈化され、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液の調整が行われる。このような浸漬次亜塩調整送液工程は、水位H=H3(原水捨水開始水位、本実施の形態ではH3=550mmに設定)に到達するまで行う。なお、水位が550mmに到達するまでは、単なる水である洗浄水は排出されるけれども、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液は膜ろ過装置内に留まっており、外部に排出されない。
水位がH3(550mm)に到達すると、原水捨水併用工程に進む。即ち、水位が550mmを過ぎると、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液が排出される可能性がある。かかる浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液は高濃度であるため、このまま放流することは環境上の制約等でできない。そこで、原水の供給により希釈化して放流することとしている。
水位がH4(400mm)に到達すると、浸漬次亜塩調整送液停止・原水捨水停止・次亜塩浸漬開始工程に進む。具体的には、浸漬次亜塩調整送液停止工程として逆洗エア開閉弁V61を「閉」とし、原水捨水停止工程としては原水ドレン弁V40を「閉」とし、次亜塩浸漬開始工程としては逆洗流量調節弁V60を初期開度に固定し注入ポンプ101を停止する。そして、この状態を240min維持する。つまり、浸漬時間240minとする。この浸漬時間内に膜モジュール7の固着物が薬液洗浄されることになる。
浸漬時間240minが経過すると、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液の排出処理が開始される。即ち、浸漬次亜塩酸ナトリウム溶液を所定濃度に希釈化して放流が行われる。
具体的には、原水ドレン弁V40を「開」にする。逆洗流量調節弁V60は、初期開度に固定したままである。そして、上記原水捨水工程の希釈比率の調整処理と同様に、逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、この「開」状態を5sec(第1設定時間に相当)維持し、5sec経過すれば逆洗エア開閉弁V61を「閉」とし、この「閉」状態を30.7sec(第2設定時間に相当)維持し、30.7sec経過すれば、再び逆洗エア開閉弁V61を「開」とし、このような処理を繰り返し行う。
水位が50mmに到達すると、リンス洗浄工程に進む。リンス洗浄工程における具体的な処理としては、水位が50mmから800mmまでろ過処理を行い、水位が800mmに到達すると、ろ過処理を停止して逆流洗浄処理を開始し、水位が50mmに到達すると、逆流洗浄処理を停止する。そして、このようなろ過処理及び逆流洗浄処理を所定繰り返し回数(本実施の形態では5回)繰り返す。
こうして、リンス洗浄工程が終了すると、簡易薬液洗浄処理が完了することになる。その後は、通常のろ過処理等が行われることになる。
(1)上記実施の形態では、物理洗浄時の圧力供給はコンプレッサで行なっていたが、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、加圧給水ポンプ等を用いてもよい。
(2)上記実施の形態では、逆洗計量槽4内の中央部に、管体51が備えられており、この管体51は、薬液を注入する薬液注入管51aの内側に膜ろ過水をサンプリングする膜ろ過水サンプリング管51bが配置された2重管構造をなした構成とされていたが、本発明はこれに限定されず、逆洗計量槽4内の中央部に、薬液注入管及び膜ろ過水サンプリング管としてそれぞれ使用する2個の管を個別に設けるような構成であってもよい。
(3)上記実施の形態1のエア供給弁V4は、物理洗浄時及び薬液洗浄時のいずれの時おいても、圧縮空気の流量を調整するように構成されたが、注入ポンプ101から逆洗計量槽4に至る配管を途中で2経路に分岐し、一方の経路に物理洗浄用エア供給弁を設け、他方の経路に薬液用エア供給弁を設けるように構成してもよい。
(4)上記実施の形態1では、通常は濁度を監視し測定濁度値が所定値X1(第1設定値に相当)以上になった場合には膜ろ過水サンプルを膜モジュール毎に切替え、濁度測定を行い測定濁度値が所定値X2(第2設定値に相当)以上になった膜モジュールを膜破断と特定し、このような測定濁度値による膜破断検出・膜モジュール特定を行い、定期的に圧力保持試験による膜破断検出及びエアリーク試験による膜破断した膜モジュールの特定を行うように構成していた。本発明はこれに限定されず、測定濁度値が所定値X1以上になった場合において、膜破断を生じている膜モジュールを特定する手段として、膜ろ過水サンプルを膜モジュール毎に切替える手段と、エアリーク試験により特定する手段のいずれかを選択するような構成であってもよい。なお、圧力保持試験により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合には膜ろ過水サンプルを膜モジュール毎に切替えて膜破断した膜モジュールの特定を行うように構成してもよいが、このような構成では膜破断した膜モジュールの特定までに時間(30分程度)を要するため、その間に高濁度ろ過水が供給される懸念があることから、圧力保持試験により膜破断を検出し、膜破断が検出された場合にはエアリーク試験により膜破断した膜モジュールの特定する構成とするのが好ましい。
3:洗浄水槽 4:逆洗計量槽
4a:連通孔 5:原水供給ブロック
6:膜ろ過水集水ブロック 7a〜7j:膜モジュール
15:空気槽 16:コンプレッサ
21:膜破断検出器 30,31:開閉弁
45:濁度計 49:配管部材
50:円盤状基台 51:管体
51a:薬液注入管 51b:膜ろ過水サンプリング管
52,53:薬液注入路 54,55:配管接続口
58:閉止体 59:チャッキ弁
60:通水路空間 100:貯留槽
101:注入ポンプ A1:逆洗計量槽レベル計
A2:膜モジュール出口圧力計 V4:エア供給弁
V7:エアスクラビング
V30,V31,V32a〜SV32j:開閉弁
ASV:緊急遮断弁 V40:原水ドレン弁
V60:逆洗流量調節弁 V61:逆洗エア開閉弁
Claims (1)
- 逆洗計量槽が洗浄水槽内に収納され、洗浄水槽の内壁と逆洗計量槽の外壁との間に通水路空間が形成されると共に、逆洗計量槽の底部には逆洗計量槽と前記通水路空間とを連通する連通孔が形成されるように構成され、
前記洗浄水槽の外側には複数の膜モジュールが立設されており、
前記逆洗計量槽と前記洗浄水槽とは同心状に配置されており、且つ前記連通孔は前記逆洗計量槽底部の中央位置に形成されており、
ろ過処理時には、前記膜モジュールによってろ過された膜ろ過水が前記通水路空間の上部から下部に向けて流入し、前記連通孔を通って前記逆洗計量槽内に流入して貯留され、
物理洗浄時には、前記逆洗計量槽内に貯留されている膜ろ過水の液面に圧縮空気を供給して、逆洗計量槽内の膜ろ過水を前記連通孔を通って前記通水路空間の下部から上部に向けて逆流させ膜ろ過水を膜モジュールに供給するように構成され、
更に、前記物理洗浄時に前記逆洗計量槽液面に供給される圧縮空気の流量を調整するエア供給弁と、
前記逆洗計量槽に貯留されている膜ろ過水の液面レベルを計測する液面レベル計測手段と、
前記逆洗計量槽液面に圧縮空気が供給されることにより、逆洗計量槽液面が下降する際の液面下降速度を計測して洗浄流量を算出し、次回の物理洗浄時において前記算出された洗浄流量になるようにエア供給弁の開度を調整する弁制御手段と、
を備えたことを特徴とする自己洗浄槽保有型膜ろ過装置。
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