JP5854871B2 - 免震構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、免震構造体に関する。
ビル等の構造物の支承部として、ゴム板と剛板を交互に積層した積層ゴムによる免震構造体が用いられている。しかしながら、積層ゴムを構成する高減衰ゴムは、高減衰ゴムの温度が高くなると軟らかくなり、高減衰ゴムの温度が低くなると硬くなる温度依存性を有している。
このため、天然ゴムを主成分とし、カーボンブラックと、軟化点が135℃以上の粘着付与剤とが配合された高減衰ゴムを用いた免震構造体が知られている(特許文献1)。
特開2003−306578号公報
本発明は上記事実を考慮し、材料面ではなく構造面に注目して、積層ゴムの温度変化に伴う免震性能の変動を抑制する等の免震性能を調整できる免震構造体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の免震構造体は、支持体と被支持体との間に配置され、ゴム板と剛板とが交互に積層された積層ゴムと、前記積層ゴムの積層方向に移動して、前記積層ゴムのせん断変形する領域を変化させる拘束部材と、前記拘束部材を前記積層方向へ移動させるアクチュエータと、前記積層ゴムの温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段が測定した前記積層ゴムの温度が高いとき、前記積層ゴムのせん断変形する領域が減少する方向へ前記拘束部材を移動させ、前記温度測定手段が測定した前記積層ゴムの温度が低いとき、前記積層ゴムのせん断変形する領域が増加する方向へ前記拘束部材を移動させるように前記アクチュエータを制御する制御部と、を有する。
請求項1に記載の免震構造体では、ゴム板と剛板とが交互に積層された積層ゴムの温度が高いとき、積層ゴムを構成するゴム板が軟らかくなり、積層ゴムの水平剛性が低くなる。一方で、制御部は、温度測定手段が測定した積層ゴムの温度を取得して、積層ゴムの温度上昇分だけアクチュエータによって拘束部材を積層ゴムのせん断変形する領域が減少する方向へ移動させる。これにより、積層ゴムの水平剛性の変化が相殺され、免震性能の変動を抑制できる。
また逆に、積層ゴムの温度が低いとき、積層ゴムを構成するゴム板が硬くなり、積層ゴムの水平剛性が高くなる。一方で、制御部は、温度測定手段が測定した積層ゴムの温度を取得して、積層ゴムの温度低下分だけアクチュエータによって拘束部材を積層ゴムのせん断変形する領域が増加する方向へ移動させる。これにより、積層ゴムの水平剛性の変化が相殺され、免震性能の変動を抑制できる。
請求項2に記載の免震構造体は、請求項1に記載の免震構造体であって、前記制御部は、前記積層ゴムの使用年数に応じて、前記積層ゴムのせん断変形する領域が増加する方向へ前記拘束部材を移動させる
請求項2に記載の免震構造体では、積層ゴムの経年劣化によってゴム板が硬くなり、積層ゴムの水平剛性が高くなるが、積層ゴムの使用年数に応じて拘束部材の移動量を補正することで、経年劣化による積層ゴムの水平剛性の変化を相殺する。
具体的には、積層ゴムの使用年数と積層ゴムの水平剛性の推移との関係から、使用年数に応じて、拘束部材の温度変化に対する移動量をどれだけ補正させるかについてのデータを制御部に予め記憶させておき、制御部は、このデータに基づいて、年月の経過と共に拘束部材の移動量を補正することで、積層ゴムの経年劣化による免震性能の変動を抑制できる。
請求項3に記載の免震構造体は、請求項1又は2に記載の免震構造体であって、前記積層ゴムの積層方向の両端には、前記支持体及び前記被支持体へ固定されるフランジが設けられ、前記フランジの少なくとも一方には、凹状の収納部が形成され、前記拘束部材は、前記収納部に一部が収納された状態で前記積層ゴムの積層方向へ移動して、前記積層ゴムのせん断変形する領域を変化させることを特徴とする。
請求項3に記載の免震構造体では、フランジに形成された凹状の収納部に、拘束部材の一部が収納された状態で積層ゴムの積層方向へ移動して、積層ゴムのせん断変形する領域を変化させるため、簡単な構成で積層ゴムの水平方向の移動を拘束することができる。
請求項4に記載の免震構造体は、請求項に記載の免震構造体であって、前記積層ゴムの内部には、前記フランジの中央に設けられた前記収納部と連通する中空部が形成され、前記拘束部材は、前記収納部と前記中空部に跨って設けられた柱体である。
請求項に記載の免震構造体では、柱体は、積層ゴムの内部に設けられているので、免震構造体をコンパクトに設計できる。
請求項5に記載の免震構造体は、請求項に記載の免震構造体であって、前記収納部は、前記フランジの外周部に形成され、前記アクチュエータは、前記拘束部材を前記積層ゴムの外周面に沿って移動させる。
請求項5に記載の免震構造体では、拘束部材の位置を目視で確認することができるので、管理やメンテナンス等を容易に行うことができる。
本発明は、上記の構成としたので、積層ゴムの温度変化に伴う免震性能の変動を抑制する等の免震性能を調整できる免震構造体を提供できる。
第1実施形態に係る免震構造体の一部破断斜視図である。 第1実施形態に係る常温の免震構造体がせん断変形している状態を示す断面図である。 第1実施形態に係る温度計が測定した積層ゴムの表面温度と、円柱の高さとの関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る免震構造体を設置してからの使用年数と、基準高さのシフト量との関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る高温の免震構造体がせん断変形している状態を示す断面図である。 第2実施形態に係る免震構造体の断面図である。 第3実施形態に係る免震構造体の一部破断斜視図である。 第3実施形態に係る常温の免震構造体の断面図である。 第3実施形態に係る常温の免震構造体がせん断変形している状態を示す断面図である。 第3実施形態に係る高温の免震構造体がせん断変形している状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
図を参照しながら第1実施形態に係る免震構造体について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る免震構造体10は、円柱状の積層ゴム12と、積層ゴム12の積層方向の両端に設けられた上フランジ14及び下フランジ16とによって構成されている。
積層ゴム12は、高減衰ゴム製のゴム板18と剛板20とが上下方向に交互に積層され、加硫接着されて一体となっており、ゴム板18及び剛板20の厚みは、1枚あたり3〜10mmとなっている。また、ゴム板18及び剛板20の外形寸法は、免震構造体10の設置環境によって適宜設定される。本実施形態では、一例として、ゴム板18、及び剛板20の厚みを共に5mmとしており、外形寸法を200mmとしている。また、積層ゴム12が劣化を抑制するため、積層ゴム12の外周面を被覆ゴム21で被覆している。
積層ゴム12の上端に設けられた上フランジ14は、2段構造となっており、積層ゴム12の上面に加硫接着された小径部14Aと、小径部14Aの上部に形成され、小径部14Aよりも大径の大径部14Bとによって構成されている。大径部14Bは円板状であり、大径部14Bの外周部には、上フランジ14を貫通して複数のボルト孔15が形成されている。
積層ゴム12の下端に設けられた下フランジ16は、円板状の部材で、積層ゴム12の下面に加硫接着されている。下フランジ16の外周部には、上フランジ14の大径部14Bと同様に複数のボルト孔15が形成されており、上フランジ14及び下フランジ16に形成されたボルト孔15にボルト17が挿通され、免震構造体10を上部構造体42及び下部構造体44へ固定する(図2参照)。
なお、上フランジ14及び下フランジ16は、積層ゴム12の直径より大きければ、外形の形状を円形に限定しない。例えば、矩形や多角形に形成してもよい。また、上フランジ14又は下フランジ16と積層ゴム12との接着は、加硫接着に限らず、接着剤等で接着してもよい。
積層ゴム12の内部には、積層ゴム12の中央部を積層方向に貫通した中空部22が形成されており、上フランジ14の小径部14Aに形成された収納部23と連通している。図2に示すように、収納部23は、上フランジ14の小径部14Aの下面を大径部14B側へ凹ませて形成されており、収納部23の径は、中空部22と同一の径となっている。
また、上フランジ14には、大径部14Bの上面を小径部14A側へ凹ませて載置部24が形成されている。載置部24は、収納部23と同軸的に形成されており、載置部24の底部24Aに形成された貫通孔26を介して収納部23と連通している。
載置部24には、アクチュエータとしてのシリンダ28が載置されている。シリンダ28としては、油圧式のシリンダが用いられる。また、シリンダ28は、筒状のシリンダ本体30と、シリンダ本体30から収納部23側に突出したロッド32とで構成されており、シリンダ本体30の底面の外周部は、載置部24の底面24Aに支持されている。
ロッド32の先端には、拘束部材としてスチール製の円柱34が取付けられている。円柱34は、一部が収納部23に収納された状態で、中空部22と収納部23に跨っており、円柱34の下端部は、積層ゴム12の最上層の剛板20Aの下面と同一の高さに位置している。また、円柱34の直径は、中空部22と収納部23を摺動可能な大きさに形成されている。なお、円柱34の摩擦抵抗を小さくするため、円柱34の外周面に潤滑油等の潤滑剤をコーティングしてもよい。
下フランジ16には、積層ゴム12の温度を測定する温度測定手段としての赤外線温度計36が設けられている。赤外線温度計36のセンサヘッドは、積層ゴム12に向けられており、非接触で積層ゴム12の表面温度を測定している。
赤外線温度計36は、上フランジ14の小径部14Aの外周面に取り付けられた制御部40と接続している。制御部40は、積層ゴム12の温度を測定するように赤外線温度計36に命令し、赤外線温度計36が測定した積層ゴム12の表面温度を取得する。また、制御部40は、圧力ポンプ41に接続されており、赤外線温度計36から取得した積層ゴム12の表面温度に応じて圧力ポンプ41を駆動させ、シリンダ28に送り込むオイルの量を調整して、シリンダ28のロッド32に取り付けられた円柱34を積層方向に移動させる。
制御部40によるシリンダ28の制御方法の一例について、図3のグラフを用いて説明する。グラフの縦軸は、基準高さHを0mmとした場合の円柱34の下面の高さを示しており、正の数字であれば、円柱34が基準高さHより上方に位置していることになる。ここで、基準高さHは、積層ゴム12の最上層から2層目の剛板20Bの下面の高さに設定されている(図2参照)。
図3のグラフの横軸は、制御部40が赤外線温度計36から取得した積層ゴム12の表面温度を示している。ここで、積層ゴム12の温度が20℃〜24℃の範囲にあるとき、円柱34が基準高さHに位置するように設定されており、制御部40は、積層ゴム12の表面温度が19℃以下になると、円柱34を上方へ移動させ、積層ゴム12の表面温度が25℃以上になると、円柱34を下方へ移動させる。
ここで、例えば、積層ゴム12の表面温度が13℃であった場合、図3のグラフから、円柱34の下面は、基準高さHより10mm上方の高さに位置していることになる。つまり、円柱34は、図2に示す高さに位置している。次に、積層ゴム12の温度が上昇して15℃になると、制御部40は、シリンダ28を作動させて円柱34を基準高さHより5mm上方の高さになるまで移動させる(図3参照)。つまり、円柱34は、図2の高さから5mmだけ下方へ移動される。
また、制御部40は、図4のグラフに示すように、積層ゴム12の使用年数に応じて基準高さHをシフトして、円柱34の移動量の補正を行う。本実施形態では、使用年数が5年未満であれば、基準高さHをシフトしないが、免震構造体10を使用して5年が経過すると、制御部40は、基準高さHを5mmだけ上方へシフトし、円柱34の移動量を補正する。
なお、本実施形態では、赤外線温度計36によって積層ゴム12の表面温度を測定したが、他の方法で積層ゴム12の温度を測定してもよい。例えば、熱起電力を利用して温度を測定する熱電対やサーミスタ等の接触式の温度センサを用いられてもよい。
また、積層ゴム12の温度を直接測定せずに、積層ゴム12の周辺の外気温を測定する方法を用いてもよい。この場合、外気温が変化してから一定時間後に積層ゴム12の温度が変化するので、制御部40は、赤外線温度計36から外気温を取得した後、一定時間後に円柱34を移動させるようにシリンダ28を制御する。
また、本実施形態では、制御部40は、積層ゴム12の温度が5℃変化する度に円柱34を5mm移動させたが、温度変化に対する円柱34の移動量は、免震構造体10の設置環境や積層ゴム12の劣化度合い、又はゴム板18や剛板20の厚みに応じて適宜設定される。例えば、温度が1℃変化する度に、円柱34を1mm移動するように設定してもよい。
また、本実施例では、積層ゴム12の温度が0℃以下にならない場所に免震構造体10が設置されているので、図3では積層ゴム12の温度が0℃より低くなったときの円柱34の高さが示されていないが、免震構造体10を設置する場所によっては、積層ゴム12の温度範囲をさらに広げてもよい。
次に、本実施形態に係る免震構造体10の作用について説明する。図2に示すように、免震構造体10の付近で地震が発生すると、地震力により下部構造体44が矢印Aの方向に上部構造体42と相対移動して、積層ゴム12を水平方向にせん断変形させる。このように積層ゴム12がせん断変形することで、振動が上部構造体42へ伝わるのを抑制する。
このとき、円柱34の下端部は、積層ゴム12の最上層の剛板20Aの下面と同一高さに位置しているので、基準高さHより10mm上方の高さに位置していることになる。また、制御部40が赤外線温度計36から取得した積層ゴム12の表面温度は13℃であった。
ここで、積層ゴム12の最上層のゴム板18Aと最上層の剛板20Aの内周壁は、円柱34に係止されているので、最上層のゴム板18Aと最上層の剛板20Aは、上フランジ14と一体に移動する。従って、せん断変形している積層ゴム12の領域は、積層ゴム12の最上層から2層目のゴム板18B以下の領域だけとなっている。
次に、図2の状態から積層ゴム12の温度が上昇して、制御部40が赤外線温度計36から取得した積層ゴム12の表面温度が30℃に到達したとき、制御部40は、圧力ポンプ41を駆動させ、シリンダ28に送り込むオイルの量を調整して、シリンダ28のロッド32に取り付けられた円柱34を基準高さHから下方へ10mmの高さまで移動させる(図3参照)。従って、円柱34は、シリンダ28によって基準高さHより1層分(10mm)だけ下方の高さまで移動し、図5の状態となる。
このとき、積層ゴム12の最上層のゴム板18Aから3層目の剛板20Cまでの領域の水平方向の移動が拘束される。これによって、積層ゴム12が水平方向へせん断変形する領域は減少し、最上層から4層目のゴム板18Dより下の領域だけが、せん断変形可能となる。
一方で、温度の上昇に伴ってゴム板18が軟らかくなるため、積層ゴム12の水平剛性が低くなり、ゴム板18の水平方向の移動量が増加する。
従って、下部構造体44が矢印Bの方向に往復運動(振動)したとき、積層ゴム12の最上層から4層目のゴム板18Dより下の領域だけしかせん断変形しないが、温度の上昇に伴ってゴム板18の水平剛性が低くなっているので、積層ゴム12の水平剛性の変化が相殺される。これにより、温度の上昇による免震構造体10の免震性能の変動が抑制される。
また逆に、図4の状態から積層ゴム12の温度が低下したときは、ゴム板18が硬くなって、積層ゴム12の水平剛性が高くなり水平方向の移動量が減少する。一方で、積層ゴム12の表面温度を取得した制御部40は、円柱34を上方へ移動させて、せん断変形する積層ゴム12の領域を増やす。これにより、積層ゴム12の水平剛性の変化が相殺される。
次に、免震構造体10を使用してから年月が経過すると、積層ゴム12を構成するゴム板18は、経年劣化によって硬くなり、積層ゴム12の水平剛性が高くなる。ここで、積層ゴム12の使用年数が5年を経過した状態における免震構造体10の作用について以下に説明する。
図4に示すように、積層ゴム12の使用年数が5年を経過すると、制御部40は、基準高さHを5mm上方へシフトする。これにより、シフト後の基準高さH1は、図5に示すように、積層ゴム12の最上層から2層目のゴム板18Bの下面の高さとなる。このため、制御部40が赤外線温度計36から取得した積層ゴム12の表面温度が30℃であれば、円柱34の高さは、図5の状態から5mm上方へ移動して、円柱34の下端部が3層目のゴム板18Cの下面と同一の高さになる。このように、円柱34の移動量を補正することで、積層ゴム12のせん断変形する領域を増加させ、積層ゴム12の経年劣化による水平剛性の増加を相殺する。
なお、本実施形態に係る中空部22は、積層ゴム12を貫通して形成されているが、必ずしも積層ゴム12を貫通している必要はなく、少なくとも円柱34の長さと同様の長さの中空部22が形成されていればよい。換言すれば、円柱34は、積層ゴム12と収納部23に跨って移動するので、円柱34の長さと同様の高さまでしか移動しない設定とされている。
また、本実施形態に係る円柱34は、積層ゴム12の一部を拘束可能な柱体であれば、柱体の形状は特に制限しない。例えば、断面が矩形や多角形角の柱体であってもよい。この場合、中空部22及び収納部23の形状は、円柱34と対応する形状に形成される。
さらに、円柱34の長さは、免震構造体10を設置する環境などによって適宜設定される。例えば、温度変化の激しい環境で免震構造体10を使用する場合、円柱34の長さを長くして、積層ゴム12を拘束できる領域を増やし、逆に温度変化が少ない場所では、積層ゴム12を拘束できる領域は少なくて済むので、円柱34の長さを短くする。以下の第2実施形態、第3実施形態においても同様である。
また、本実施形態では、シリンダ28が上フランジ14の内部に設けられていたが、シリンダ28を上部構造体42の内部に設けてもよい。この場合、上フランジ14の厚みが減少し、免震構造体10がコンパクトになる。
また、本実施形態では、円柱34を上下へ移動させて、せん断変形する積層ゴム12の領域を変化させたが、例えば、積層ゴム12の外周面に沿って複数の円弧部材を配設し、シリンダ等で拘束部材を積層ゴム12の径方向に移動させて、円弧部材で積層ゴム12を挟んで拘束してもよい。この場合、ゴム板18又は剛板20と同じ厚みの円弧部材を積層方向に配設して、各円弧部材にシリンダを接続することで、任意のゴム板18又は剛板20の水平方向の移動を拘束できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る免震構造体50について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成のものは同一の符号を付すと共に、適宜説明を省略する。図6に示すように、本実施形態に係る免震構造体50は、積層ゴム12と、積層ゴム12の積層方向の上端及び下端に設けられた上フランジ52及び下フランジ54とで構成されている。
下フランジ54は、2段構造となっており、積層ゴム12の下面に加硫接着された小径部54Bと、小径部54Bの下部に形成され、小径部54Bよりも大径の大径部54Aとによって構成されている。大径部54Aの外周部には、複数のボルト孔15が形成されており、免震構造体50は、ボルト孔15に挿通されたボルト17によって下部構造体44へ固定されている。
積層ゴム12の内部には、積層ゴム12の中央部を積層方向に貫通した中空部22が形成されており、下フランジ54に形成された収納部23と連通している。収納部23は、下フランジ54を貫通しており、中空部22と同一の径で形成されている。
収納部23には、シリンダ本体30とロッド32からなるシリンダ28が収納されており、シリンダ本体30は、下部構造体44に接している。また、シリンダ本体30から上方に突出したロッド32には円柱34が取り付けられている。円柱34は、一部が収納部23に収納された状態で、中空部22と収納部23に跨っている。
下フランジ54の小径部54Bの上面には、赤外線温度計36が設けられており、赤外線温度計36のセンサヘッドは、積層ゴム12に向けられている。また、下フランジ54の大径部54Aには、制御部40が設けられており、圧力ポンプ41及び赤外線温度計36と接続している。
次に、本実施形態に係る免震構造体50の作用について説明する。本実施形態に係る制御部40は、赤外線温度計36から取得した積層ゴム12の表面温度が上昇すると、圧力ポンプ41を駆動させ、シリンダ28に送り込むオイルの量を調整して、シリンダ28のロッド32に取り付けられた円柱34を上方へ移動させる。これにより、せん断変形する積層ゴム12の領域が減少する。一方で、積層ゴム12の温度が上昇すると、ゴム板18が軟らかくなり、積層ゴム12の水平剛性が低くなる。このため、積層ゴム12の水平剛性の変化が相殺され、免震構造体50の免震性能の変動が抑制される。
また、逆に、積層ゴム12の表面温度が低下すると、圧力ポンプ41を駆動させ、シリンダ28に送り込むオイルの量を調整して、シリンダ28のロッド32に取り付けられた円柱34を下方へ移動させる。これにより、せん断変形する積層ゴム12の領域を増加させる。一方で、積層ゴム12の温度が低下すると、ゴム板18が硬くなり、積層ゴム12の水平剛性が高くなる。このため、積層ゴム12の水平剛性の変化が相殺され、免震構造体50の免震性能の変動が抑制される。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る免震構造体60について説明する。なお、第1実施形態と同じ構成のものは同一の符号を付すとともに、説明を省略する。図7に示すように、本実施形態に係る免震構造体60は、円柱状の積層ゴム62と、積層ゴム62の積層方向の両端に設けられた上フランジ64及び下フランジ66とによって構成されている。
積層ゴム62は、高減衰ゴム製のゴム板68と剛板70とが上下方向に交互に積層され、加硫接着されて一体となっている。ゴム板68及び剛板70の厚みは、1枚あたり3〜10mmであり、ゴム板68及び剛板70の外形寸法は、免震構造体60の設置環境によって適宜設定される。本実施形態では、一例として、ゴム板68、及び剛板70の厚みを共に5mmとしており、外形を200mmとしている。また、積層ゴム62が劣化するのを抑制するため、積層ゴム62の外周面を被覆ゴム63で被覆している。
積層ゴム12の上端に設けられた上フランジ64は、円板状の部材で、積層ゴム62の下面に加硫接着されている。上フランジ64の外周部には、上フランジ64を貫通して複数のボルト孔65が形成されている。
積層ゴム62の下端に設けられた下フランジ66は、2段構造となっており、積層ゴム62の下面に加硫接着された小径部66Aと、小径部66Aの下部に形成され、小径部66Aよりも大径の大径部66Bとによって構成されている。大径部66Bの外周部には、複数のボルト孔65が形成されている。
下フランジ66を構成する小径部66Aの外周部には、積層ゴム12の周方向に等間隔で3つの収納部72が形成されている。それぞれの収納部72は、積層ゴム12の外周に沿って形成されており、大径部66Bまで延びている。
それぞれの収納部72の底部72Aには、シリンダ74が設けられている。シリンダ74は、筒状のシリンダ本体76と、シリンダ本体76から上方に突出したロッド78とで構成されており、ロッド78の先端には、積層ゴム12の外周面に沿って湾曲した拘束板80が取り付けられている。
図8に示すように、拘束板80は、収納部72に一部が収納された状態で、上方に突出しており、拘束板80の上端部は、積層ゴム62の最下層の剛板70Aの高さに位置している。また、3つの収納部72に収納された拘束板80は、全て同じ高さに位置している。
下フランジ66を構成する小径部66Aの上面には、積層ゴム62の温度を測定する赤外線温度計82が設けられている。赤外線温度計82のセンサヘッドは、積層ゴム62に向けられており、積層ゴム62の表面温度を非接触で測定する。
また、小径部66Aの外周面には、制御部86が取り付けられており、赤外線温度計82、及び圧力ポンプ87と接続している。制御部86は、赤外線温度計82から定期的に積層ゴム62の表面温度を取得する。また、制御部86は、第1実施形態と同様に、赤外線温度計82から取得した積層ゴム62の表面温度に応じて、圧力ポンプ87を駆動させ、3つのシリンダ74のロッド78に取り付けられた各拘束板80を積層ゴム62の外周面に沿って積層方向に移動させる。
次に、本実施形態に係る免震構造体60の作用について説明する。図8の免震構造体60の付近で地震が発生したとき、図9に示すように、地震力により下部構造体44が矢印Cの方向に上部構造体42と相対移動して、積層ゴム62を水平方向にせん断変形させる。このように積層ゴム12がせん断変形することで、振動が上部構造体42へ伝わるのを抑制している。
このとき、拘束板80の上端は、積層ゴム62の最下層の剛板70Aの上面の高さに位置しており、制御部86が温度計82から取得した積層ゴム62の表面温度が13℃であったとする。
ここで、積層ゴム62の最下層のゴム板68Aと最下層の剛板70Aの外周壁は、3つの拘束板80に係止されているので、最下層のゴム板68Aと最下層の剛板70Aは、下フランジ66と一体に移動する。従って、せん断変形している積層ゴム62の領域は、積層ゴム62の最下層から2層目のゴム板68Bより上の部分だけとなっている。
次に、積層ゴム62の温度が上昇して、制御部86が赤外線温度計82から取得した積層ゴム62の表面温度が30℃に到達したとき、制御部86は、圧力ポンプ87を駆動させることにより、3つのシリンダ74を同時に作動させて拘束板80を20mmだけ上方へ移動させる。ここで、ゴム板68及び剛板70の厚みは共に5mmであるため、拘束板80は、図9の高さから2層分だけ上方へ移動し、図10に示す高さとなる。
このとき、積層ゴム62の最下層のゴム板68Aから3層目の剛板70Cまでの領域の水平方向の移動が拘束板80によって拘束される。このため、積層ゴム62が水平方向へせん断変形する領域は減少し、最下層から4層目のゴム板68Dより上の領域だけが、せん断変形可能となる。
一方で、温度の上昇に伴ってゴム板68が軟らかくなるため、積層ゴム62の水平剛性が低くなり、ゴム板68の水平方向の移動量が増加する。
従って、下部構造体44が矢印Dの方向に往復運動(振動)したとき、積層ゴム62の最下層から4層目のゴム板68Dより上の領域しかせん断変形しないが、温度の上昇に伴ってゴム板68の水平剛性が低くなっているので、積層ゴム62の水平剛性の変化が相殺される。これにより、温度の上昇による免震構造体60の免震性能の変動が抑制される。
また、拘束板80が積層ゴム62より外側に形成されているので、拘束板80の管理やメンテナンス等を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、拘束板80を積層ゴム62の外周に沿って3つ設けたが、拘束板80の数、及び隣り合う拘束板80の間隔は、ゴム板68と剛板70の水平方向の移動が拘束できれば、自由に設定される。例えば、1つの拘束板80で積層ゴム62の外周面を取り囲んでもよい。
以上、本発明の第1実施形態〜第3実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、図2の免震構造体10において、積層ゴム12の両端に円柱34を設け、2つの円柱34を同時に移動させてもよい。
10 免震構造体
12 積層ゴム
14 上フランジ(フランジ)
16 下フランジ(フランジ)
18 ゴム板
18A ゴム板
18B ゴム板
18C ゴム板
18D ゴム板
20 剛板
20A 剛板
20B 剛板
20C 剛板
22 中空部
23 収納部
28 シリンダ(アクチュエータ)
34 円柱(拘束部材)
36 赤外線温度計(温度測定手段)
40 制御部
42 上部構造体(支持体)
44 下部構造体(被支持体)
50 免震構造体
52 上フランジ(フランジ)
54 下フランジ(フランジ)
60 免震構造体
62 積層ゴム
64 上フランジ(フランジ)
66 下フランジ(フランジ)
68 ゴム板
68A ゴム板
68B ゴム板
68C ゴム板
68D ゴム板
70 剛板
70A 剛板
70C 剛板
72 収納部
74 シリンダ(アクチュエータ)
80 拘束板(拘束部材)
82 赤外線温度計(温度測定手段)
86 制御部

Claims (5)

  1. 支持体と被支持体との間に配置され、ゴム板と剛板とが交互に積層された積層ゴムと、
    前記積層ゴムの積層方向に移動して、前記積層ゴムのせん断変形する領域を変化させる拘束部材と、
    前記拘束部材を前記積層方向へ移動させるアクチュエータと、
    前記積層ゴムの温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度測定手段が測定した前記積層ゴムの温度が高いとき、前記積層ゴムのせん断変形する領域が減少する方向へ前記拘束部材を移動させ、前記温度測定手段が測定した前記積層ゴムの温度が低いとき、前記積層ゴムのせん断変形する領域が増加する方向へ前記拘束部材を移動させるように前記アクチュエータを制御する制御部と、
    を有する免震構造体。
  2. 前記制御部は、前記積層ゴムの使用年数に応じて、前記積層ゴムのせん断変形する領域が増加する方向へ前記拘束部材を移動させる請求項1に記載の免震構造体。
  3. 前記積層ゴムの積層方向の両端には、前記支持体及び前記被支持体へ固定されるフランジが設けられ、前記フランジの少なくとも一方には、凹状の収納部が形成され、前記拘束部材は、前記収納部に一部が収納された状態で前記積層ゴムの積層方向へ移動して、前記積層ゴムのせん断変形する領域を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の免震構造体。
  4. 前記積層ゴムの内部には、前記フランジの中央に設けられた前記収納部と連通する中空部が形成され、前記拘束部材は、前記収納部と前記中空部に跨って設けられた柱体であることを特徴とする請求項に記載の免震構造体。
  5. 前記収納部は、前記フランジの外周部に形成され、前記アクチュエータは、前記拘束部材を前記積層ゴムの外周面に沿って移動させる請求項に記載の免震構造体。
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