JP5854558B2 - 矩形掘進機 - Google Patents

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信一 水田
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政隆 榊原
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Description

本発明は、矩形断面の管路を構築するための密閉型の矩形掘進機に関し、詳しくは掘進中の地盤の緩みを防止して掘進頂部の地盤を早期に安定させる技術に関する。
密閉型の矩形掘進機で連続して地山掘削を行う場合、切羽圧力の保持や進捗に伴った排土量の確認(掘削地山土量+切羽添加材注入量)の掌握が一番重要である。そのためには、施工による人的ミスでの対応の遅れ、機械的・電気的トラブルや掘進地盤の土粒子構成の変化への対策、及び一度掘削して地盤を乱した開削箇所の掘進や軟弱地盤との遭遇への対応のため、地山の安定を常に確保する対策や安全装置が必要となる。
ところで、従来の矩形掘進機は、回転カッターが外殻の前端より前方へ突出しており、外殻と地盤の隙間に充填して地盤を安定させる固結型充填材の吐出口は掘進機外殻の後方に形成された構造が一般的である。したがって、緩みやすい地盤では、回転カッターが掘削した後、外殻がその掘削位置に推進する前に回転カッターの上方の地盤の緩みが土質条件によっては発生しやすく、固結型充填材の注入が間に合わないことがあった。
特開2009−2069号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、緩みやすい地盤でも土粒子の崩落を確実に防止して地盤を早期に安定させることにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 矩形断面の外殻を有し地盤を矩形断面に掘削する掘進機の後部に矩形断面の推進函渠を接続して元押しし、外殻の前方に備えた複数の回転カッターを自転公転させて地盤を矩形断面に掘進しながら掘削土砂を機内に取り込んで後方へ排出し、推進函渠の追加と元押しを繰り返して地中に矩形断面の管路を構築する矩形掘進機において、前記外殻の前端上辺に回転カッターの上方を覆う長さのフードを取り付け、そのフードの先端に掘削刃を取り付け、しかも同掘削刃の先端位置を回転カッターのカッター前端位置より後方になるように配置し、フードの内部にフードとその上方の地盤との間の隙間に充填する固結型充填材を供給するための充填材供給管を配管し、その充填材供給管で供給される固結型充填材の吐出口をフード上面に開口し、更にフードの前端部又は下面に掘削土砂を塑性流動化させる泥水の吐出口を開口し、その吐出口に泥水を供給する泥水供給管をフードの内部に配管したことを特徴とする、矩形掘進機
2) フードの先端に複数の小幅の掘削刃を凹凸状に配列されるように所定間隔おいて取り付け、その凹凸によって掘進時の貫入抵抗を低減できるようにした、前記1)記載の矩形掘進機
3) 固結型充填材が二液硬化型であって、その二液を別々に吐出してフードの外側で反応させて硬化させ、掘削後の上方の地盤を固結させて地盤沈下や緩みを防止できるようにした、前記1)又は2)記載の矩形掘進機
にある。
本発明によれば、矩形掘進機を推進させると、回転カッターが地盤を掘削するとともにフードが地盤に貫入し、掘削直後の回転カッターの上方の地盤が崩落する間もなくフードで直ぐに支えられる。したがって、緩みやすい地盤でも崩落を確実に防止できるようになる。しかも、固結型充填材の吐出口をフードに形成したから、隔壁より前方の位置で注入・固結・充填され、従来技術と比較して地盤を早期に安定させることができる。
実施例の矩形掘進機の正面図である。 実施例の矩形掘進機の側面図である。 実施例の矩形掘進機の平面図である。 実施例の矩形掘進機の断面図である。 実施例のフードの拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を実施例と図面に基づいて具体的に説明する。
図1〜4に示すように、外殻1は前後に分割された矩形断面で、その前後の外殻1の内側同士を4体の方向修正ジャッキ2で連結し、その方向修正ジャッキ2を個別に伸縮させることで、外殻1が中折れして前側の外殻1が所定角度に傾斜できるようにしている。
前側の外殻1の前部には排土口3a付きの隔壁3を取り付け、排土口3aの後部に掘削土砂を後方へ排出する排土装置4を取り付けている。図中、4aは排土バルブ、4bはスクリューコンベヤ、4cは排土ゲート、4dはモーターである。排土口3aの周囲位置には自転公転しながら地盤Gを矩形断面に掘削する3体の回転カッター5を設け、その回転カッター5を自転公転させる駆動部6を隔壁3に取り付けている。図中、6aはモーターである。
フード7は、回転カッター5の上方をほぼ覆う長さで、前側の外殻1の前端上辺の位置に外殻1の外面と連続するように取り付けている。そのフード7の先端には複数の小幅の掘削刃7aを凹凸状に配列されるように所定間隔おいて取り付けている。外殻1は、回転カッター5がフード7に干渉しないように、回転カッター5の公転中心位置よりやや上方へ縦長に形成されている。
フード7の内部には、図5に示すように、固結型充填材Aを供給する逆止弁8a付きの充填材供給管8bと、高濃度泥水安定液を供給する逆止弁9a付きの泥水供給管9bを配管し、固結型充填材Aの吐出口8をフード7の上面に開口し、高濃度泥水安定液の吐出口9をフード7の前端部と下面に開口している。固結型充填材Aは二液硬化型で、その二液を別々の充填材供給管8bで供給して吐出させ、フード7の外側で反応させるようにしている。
本実施例では、外殻1の後端に矩形断面のコンクリート製の推進函渠10を接続し、推進函渠10の後端を元押しして矩形掘進機を推進させると、3体の回転カッター5が地盤Gを矩形断面に掘削するとともにフード7が地盤Gに貫入し、掘削直後の回転カッター5の上方の地盤Gが崩落する間もなくフード7で直ぐに支えられる。これによって、緩みやすい地盤Gでも崩落が確実に防止される。また、フード7が地盤Gに貫入する際、先端の凹凸形状によって地盤Gとの接触箇所が減少して貫入抵抗が低減し、推進力の増大やフード7への負荷が軽減される。
前記掘進と並行して、固結型充填材Aと高濃度泥水安定液がポンプ(図示は省略)で送り出される。フード7の上面の吐出口8から吐出された固結型充填材Aの二液は、フード7とその上方の地盤Gとの間の隙間に充填されながら反応して硬化する。このように、隔壁3より前方の位置で固結型充填材Aが吐出されるから、従来技術の矩形掘進機と比較して隙間が早期に充填されて地盤Gが安定する。
高濃度泥水安定液は、フード7の前端部と下面に有する吐出口9から前方及び斜め下方に向けて吐出され、回転カッター5で掘削土砂と攪拌されて掘削土砂が塑性流動化し、排土口3aから取り込まれてスクリューコンベヤ4bで後方へ排出される。以上のようにして推進函渠10の追加と元押しを繰り返しながら地中を掘進し、矩形断面の管路が構築される。
本発明の技術は、軟弱な地盤や崩落しやすい自立性のない地盤、空隙の多い地盤の掘進に有用である。
1 外殻
2 方向修正ジャッキ
3 隔壁
3a 排土口
4 排土装置
4a 排土バルブ
4b スクリューコンベヤ
4c 排土ゲート
4d モーター
5 回転カッター
6 駆動部
6a モーター
7 フード
7a 掘削刃
8 吐出口(固結A・B管)
8a 逆止弁
8b 充填材供給管
9 吐出口
9a 逆止弁
9b 泥水供給管(切羽注入材)
10 推進函渠
A 固結型充填材
G 地盤

Claims (3)

  1. 矩形断面の外殻を有し地盤を矩形断面に掘削する掘進機の後部に矩形断面の推進函渠を接続して元押しし、外殻の前方に備えた複数の回転カッターを自転公転させて地盤を矩形断面に掘進しながら掘削土砂を機内に取り込んで後方へ排出し、推進函渠の追加と元押しを繰り返して地中に矩形断面の管路を構築する矩形掘進機において、前記外殻の前端上辺に回転カッターの上方を覆う長さのフードを取り付け、そのフードの先端に掘削刃を取り付け、しかも同掘削刃の先端位置を回転カッターのカッター前端位置より後方になるように配置し、フードの内部にフードとその上方の地盤との間の隙間に充填する固結型充填材を供給するための充填材供給管を配管し、その充填材供給管で供給される固結型充填材の吐出口をフード上面に開口し、更にフードの前端部又は下面に掘削土砂を塑性流動化させる泥水の吐出口を開口し、その吐出口に泥水を供給する泥水供給管をフードの内部に配管したことを特徴とする、矩形掘進機。
  2. フードの先端に複数の小幅の掘削刃を凹凸状に配列されるように所定間隔おいて取り付け、その凹凸によって掘進時の貫入抵抗を低減できるようにした、請求項1記載の矩形掘進機。
  3. 固結型充填材が二液硬化型であって、その二液を別々に吐出してフードの外側で反応させて硬化させ、掘削後の上方の地盤を固結させて地盤沈下や緩みを防止できるようにした、請求項1又は2記載の矩形掘進機。
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