JP5854401B2 - 有機薄膜光電変換素子及びこれを用いた有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極の間にp型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを含む光電変換層を備えた有機薄膜光電変換素子及びこれを用いた有機薄膜太陽電池に関する。
シリコン系や無機化合物系の光電変換素子及びこれを用いた太陽電池と比べて有機薄膜光電変換素子及びこれを用いた太陽電池は、低コスト・低温プロセスが可能であること、色素による着色が可能であること、作製が容易である等の利点から、非常に盛んに研究されている。
有機薄膜光電変換素子では、p型有機半導体材料の上にn型有機半導体材料を乗せる平面ヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子が一般的であったが、近年、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合したバルクヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子が盛んに研究されるようになってきた(図1参照)。これは、有機分子は一般的に励起子拡散長が小さいと言われているが、バルクヘテロ接合構造を用いることにより、pn接合界面が増えることで励起子拡張長の範囲内に、pn接合界面を作り出すことができるからであり、バルクヘテロ接合構造は有機薄膜光電変換素子において非常に有用な構造である。
特許第4783958号公報
Jun Sakai,Tetsuya Taima,and Kazuhiro Saito,"Efficient oligothiophene:fullerene bulk heterojunction organicphotovoltaic cells",Organic Electronics,vol.9,2008,pp582-590. Jun Sakai,Tetsuya Taima,Toshihiro Yamanari,and Kazuhiro Saito,"Annealing effect in the sexithiophene:C70 small molecule bulk heterojunction organic photovoltaiccells",Solar Energy Materials & Solar Cells,Vol.93,2009,pp1149-1153.
有機薄膜光電変換素子の材料に関して、p型有機半導体材料の開発は盛んに行われており、様々な材料が報告されている。しかしながら、高特性な高分子材料に比べて低分子材料の開発については数が非常に少なく、特性の改善も今後の課題である。その理由の一つとして、有機薄膜光電変換素子のバルクヘテロ接合層における凝集のコントロールの難しさが挙げられる。
有機薄膜光電変換素子に用いられる低分子材料は、結晶性が高く凝集がしやすい傾向がある。このような分子の凝集が起こると、pn接合界面の接触面積(電荷分離界面の面積)が小さくなると共に、表面粗さも増して綺麗な積層構造の形成が困難となって、有機薄膜光電変換素子の光電変換特性の低下へと繋がる。
また、このような凝集しやすい材料をバルクヘテロ接合型の有機薄膜光電変換素子に用いる場合に、バルクヘテロ接合層において分子の凝集を抑えて良好な光電変換特性を得るには、例えば特許文献1に記載されているように、フラーレン過多な状態にしなければならないことがすでに見出されている。
凝集しやすい低分子材料の代表的な例が、オリゴチオフェンの一種であるα−セキシチオフェン(以下、α-6Tと記載する。)である。特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2に記載されているように、α-6Tをp型有機半導体材料、フラーレンをn型有機半導体材料として用いられたバルクヘテロ接合(BHJ)型対応電池は、非常に高い開放電圧(〜0.7V)を有する。しかしながら、最も光電変換効率を高くするには、バルクヘテロ接合層の(α-6T:フラーレン)の割合を1:5とフラーレン過多にする必要がある。これよりもp型有機半導体材料の割合が多い場合、p型有機半導体材料はミクロな繊維状の凝集体を形成してしまう。このような状態では、電荷分離界面に到達できる励起子が減少することや、表面のラフネスが大きいためにBCP(bathocuprone:バソクプロイン)等のホールブロック効果を持つバッファ層や背面電極層を綺麗に形成できないことなどに起因して、光電変換効率の低下が起こる。
さらに、バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料を減らしてしまうことは、電荷分離界面の分布を減らすことや、有機薄膜光電変換素子中のp型有機半導体材料の光吸収性能を低下させることの原因となる。したがって、有機薄膜光電変換素子の光電変換特性を改善させるためには、バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の混合比率を高める必要がある。
よって、本願発明の目的は、従来技術に存する課題を解消して、高い結晶性を有する低分子材料をp型有機半導体材料として使用する光電変換素子において、p型有機半導体材料の凝集を抑制しつつ光電変換特性を向上させることにある。
上記目的に鑑み、本発明は、一対の電極の間にp型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合したバルクヘテロ接合層を含む光電変換層を備えた有機薄膜光電変換素子において、前記光電変換層の前記p型有機半導体材料が、オリゴチオフェン主鎖部よりも嵩高い置換基を有するオリゴチオフェンである有機薄膜光電変換素子を提供する。
上記有機薄膜光電変換素子では、嵩高い置換基を有したオリゴチオフェンをp型有機半導体材料として用いることによって、n型有機半導体材料の凝集を抑制しつつ、ラフネスの低い高品質なバルクヘテロ接合層を形成することを可能とさせている。さらに、これにより、バルクヘテロ接合層におけるn型有機半導体材料の体積混合比率を低下させることが可能となる。
上記有機薄膜光電変換素子では、前記嵩高い置換基は、ターシャリーブチル基又はオルトビフェニル基であることが好ましい。
また、前記n型有機半導体材料は例えばフラーレンとすることができる。
さらに、前記バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の混合体積比率が25〜50%であることが好ましい。
また、本発明は、上記有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池を提供する。
なお、本願における「嵩高い置換基」とは、オリゴチオフェン主鎖部よりも嵩高い置換基を意味する。
本発明の有機薄膜光電変換素子及びこれを用いた有機薄膜太陽電池によれば、嵩高い置換基を有するオリゴチオフェンをp型有機半導体材料として用いることによって、p型有機半導体材料の凝集を抑制し、ラフネスの低い高品質なバルクヘテロ接合層を形成して電荷分離界面の面積を増加させると共に、バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の混合体積比率を増加させることができる。この結果、p型有機半導体材料の凝集を抑制しつつ有機薄膜光電変換素子の光電変換効率を向上させることが可能となる。
有機薄膜光電変換素子の構造の模式図を示しており、(a)は平面ヘテロ接合型のものであり、(b)はバルクヘテロ接合型のものである。 本発明に係る有機薄膜光電変換素子のp型有機半導体材料として用いられるオリゴチオフェンの一般構造と、そこに含まれるアリール基の例とを示す模式図である。 実験に用いられた化合物の構造を示す模式図であり、(a)はtert-ブチルフェニル基含有α-クォーターチオフェン(t-BuPh4T)、(b)はortho-ビフェニル基含有α-クォーターチオフェン(o-BiPh4T)、(c)はフェニル基含有α-クォーターチオフェン(Ph4T)、(d)はα-セキシチオフェン(6T)をそれぞれ示している。 t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tについて、それぞれ、ITO基板上に形成した単一成分膜のイオン化ポテンシャルの測定結果を示すグラフである。 t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tについて、それぞれ、ITO基板上に形成した単一成分膜の吸収スペクトルの測定結果を示すグラフである。 t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tについて、それぞれ、ITO基板上に形成した単一成分膜のAFM像を示している。 t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tについて、それぞれ、ITO基板上に単一成分膜として形成した蒸着膜の(a)面内及び(b)面内のX線回折(XRD)パターンを示すグラフである。 ITO基板上に形成した6Tとフラーレン(C60)との共蒸着膜のAFM像を示している。 ITO基板上に形成したPh4Tとフラーレン(C60)との共蒸着膜のAFM像を示している。 ITO基板上に形成したt-BuPh4Tとフラーレン(C60)との共蒸着膜のAFM像を示している。 ITO基板上に形成したo-BiPh4Tとフラーレン(C60)との共蒸着膜のAFM像を示している。 p型有機半導体材料として、それぞれ、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを使用して作製した平面ヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池の太陽電池特性を比較した表である。 p型有機半導体材料として、それぞれ、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを使用して作製した平面ヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池の分光感度特性(IPCE)を示すグラフである。 p型有機半導体材料として、それぞれ、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを使用して作製したバルクヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池の太陽電池特性を比較した表である。 p型有機半導体材料として、それぞれ、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを使用して作製したバルクヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池の分光感度特性(IPCE)を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明による有機薄膜光電変換素子及びこれを用いた有機薄膜太陽電池を説明する。
最初に、図1を参照して、本発明による有機薄膜光電変換素子の一実施形態の全体構成を説明する。
有機薄膜光電変換素子10は、対向する一対の電極12と、一対の電極12の間に設けられる光電変換層14とを備える。光電変換効率を増加させるために、一対の電極12と光電変換層14との間に光電変換層14を挟むようにホールブロッキング層16と電子ブロッキング層18とを設けることが好ましい。ホールブロッキング層16の材料としては例えばBCPなどを用いることができ、電子ブロッキング層18の材料としては例えばTPD(トリフェルアミン誘導体)、α-NPD(ジフェニルナフチルジアミン)、MoOx(酸化モリブデン:x=2〜4)などを用いることができる。しかしながら、ホールブロッキング層16及び電子ブロッキング層18の材料は上記に限定されるものではない。
一対の電極12の電極材料は特に限定されないが、例えば、Al、Au、Ag、Cu、Cr、Ni、Mo、Ptなどの金属、Mg/Ag混合物などの金属混合物、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)、FTO(Fluorine-doped Tin Oxide:フッ素ドープ酸化スズ)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウムドープ酸化亜鉛)、AZO(Aluminium-doped Zinc Oxide:アルミニウムドープ酸化亜鉛)、ZnO(酸化亜鉛)などの金属酸化物、カーボンナノチューブ、Si(シリコン)などによって作製された導電膜が一対の電極として用いられる。入射する光を内部へ透過させるために、一対の電極12は、透明電極12aと背面電極12bとによって構成されることが好ましい。この場合、透明電極12aは、例えば、ITO、IZO、FTOなどによって形成し、背面電極12bは、例えば、Al、Au,Ag、Cr、Al/LiF混合物などの金属材料によって形成することができる。
光電変換層14は、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とによって構成される。詳細には、図1(a)に示されている平面ヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子では、p型有機半導体材料層とn型有機半導体材料層とを積層して光電変換層を形成するのに対して、本発明の有機薄膜光電変換素子10では、図1(b)に示されているように、p型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合したバルクヘテロ接合層によって光電変換層14を構成している。
n型有機半導体材料としては、一般的な有機薄膜光電変換素子と同様に、フラーレンC60、フラーレンC70、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体などを用いることができる。一方、p型有機半導体材料としては、分子の凝集を抑えるために、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基を導入したオリゴチオフェンを用いる。ここで、「嵩高い」とは、オリゴチオフェン主鎖部よりも置換基が嵩高いことを意味する。
嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基には、例えば、アントラセニル(anthracenyl)基、ナフチル(naphtyl)基、ターシャリーブチル(tert-butyl)基、o-メチルフェニル(o-methylphenyl)基、o-ビフェニル(o-biphenyl)基、アニシル(anisil)基などがある。これらを導入されたオリゴチオフェンの一般構造が図2に示されている。
チオフェン環を直線状に結合したオリゴチオフェンなどの分子は、凝集しやすく、フラーレンなどのn型有機半導体材料と十分に混和しにくいため、p/n接合界面の面積が小さくなると共に、表面の粗さも増して、光電変換特性の低下を招くことが知られている。本発明の発明者は、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基をオリゴチオフェンに導入することによって、(1)分子間相互作用が弱まることにより凝集を抑制すること、及び(2)立体的に分子間に空間が生じるため、分子の結晶性が崩れるのと同時にフラーレンなどのn型有機半導体材料と混ざりやすくなる作用が得られると考え、このような作用を利用することで、バルクヘテロ接合層を形成する際に、フラーレン等のn型有機半導体材料がp型有機半導体材料だけでは生じてしまう空間に入りこむと共に、p型有機半導体材料の凝集を抑制する効果も得られることを見出した。この結果、バルクヘテロ接合層において、n型有機半導体材料とp型有機半導体材料とが均一に混和した状態が得られ、有機薄膜光電変換素子の光電変換効率を向上させることが可能となる。また、オリゴチオフェンをp型有機半導体材料として用いる場合、オリゴチオフェンの凝集を抑制するためにフラーレンなどのn型有機半導体材料を過多にしてバルクヘテロ接合層を形成していたが、本発明では、p型有機半導体材料の凝集が抑制されるので、バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の混合体積比率を低くすることができる。この結果、バルクヘテロ接合層におけるp/n接合界面の面積が増加し、光電変換効率をさらに向上させることが可能となる。さらに、バルクヘテロ接合層の表面の粗さも小さくなるので、ホールブロック層や背面電極層をきれいに形成することができ、さらに光電変換効率を向上させることが可能となる。
以下では、本発明の有機薄膜光電変換素子で用いられる嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基の例として、ターシャリーブチル基(tert-butyl基)、オルトビフェニル基(ortho-biphenyl基)を導入したオリゴチオフェンを用いた場合の効果を確認した実験結果について説明する。
以下の実験では、ターシャリーブチル基(tert-butyl基)、オルトビフェニル基(ortho-biphenyl基)を導入したオリゴチオフェンとして、それぞれ、tert-ブチルフェニル基含有α-クォーターチオフェン(以下、t-BuPh4Tと記載する。)、o-ビフェニル基含有α-クォーターチオフェン(以下、o-BiPh4Tと記載する。)を用いた。t-BuPh4T、o-BiPh4Tのように、チオフェン主鎖骨格の両末端にベンゼン環を導入した材料では、ベンゼン環の導入により、分子の最高被占軌道(HOMO)準位を下げることができるため、これらをp型有機半導体材料として用いた有機薄膜光電変換素子では、従来のようにα-セキシチオフェン(以下、6Tと記載する。)をp型有機半導体材料として用いた有機薄膜光電変換素子よりも、高い開放電圧が期待できる。さらに、6Tとt-BuPh4T、o-BiPh4Tは分子構造が大きく異なりすぎるため、t-BuPh4T及びo-BiPh4Tと分子構造が比較的近く且つバルクヘテロ接合膜における凝集性が高い材料であるフェニル基含有α-クォーターチオフェン(以下、Ph4Tと記載する。)を比較対象として評価した。図3(a)〜(d)は、それぞれ、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、6Tの構造を示している。
実験で用いられたPh4T、t-BuPh4T、o-BiPh4Tは、5,5'-2,2'-ビチオフェン(5,5'-dibromo-2,2'-bithiophene)を出発物質として適当な有機スズ試薬との間でStilleカップリング反応を行うことにより、それぞれ合成し、精製は繰り返し昇華精製することで、純度を高めた。一般的に用いられるp型有機半導体材料の例である6Tは、東京化成工業株式会社から購入し、昇華精製を行ったものを用いた。
実験では、原子間力顕微鏡(AFM)及びX線回折(XRD)を用いて、単一成分膜及び共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)の性質を検討すると共に、単一成分膜及び共蒸着膜の状態を観察した。さらに、実際にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池を作成して、評価を行い、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基をオリゴチオフェン化合物へ導入したことによるバルクヘテロ接合層の状態(例えば、結晶性、凝集性、グレインサイズ等)及びその太陽電池特性への影響を評価した。
(薄膜評価〜単一成分膜〜)
単一成分膜は、酸素プラズマ洗浄したITO基板上に図3(a)〜(d)に示されている各オリゴチオフェンを蒸着法によって製膜し、形成された蒸着膜のイオン化ポテンシャル及び吸収スペクトルを測定した。図4は、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、6Tをそれぞれ用いて単一成分膜として形成した蒸着膜のイオン化ポテンシャルを光電子分光法により測定した結果を示しており、図5は、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、6Tをそれぞれ用いて単一成分膜として形成した蒸着膜のクロロホルム中における紫外可視吸収スペクトルの測定結果を示している。
図4に示されている測定結果から、イオン化ポテンシャルは、t-BuPh4Tの場合が5.37eV、o-BiPh4Tの場合が5.50eV、Ph4Tの場合が5.26eV、6Tの場合が5.11eVであることが分かった。期待どおりに、ベンゼン環を主鎖末端に持つ材料t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4Tが6Tよりも深いHOMO準位を有することが確認された。
図5を参照すると、クロロホルム中における紫外可視吸収スペクトルの測定結果から、化合物t-BuPh4T及びo-BiPh4Tの紫外可視吸収はPh4や6Tと比べるとわずかに短波長シフトしていることが分かる。吸収末端から見積もったHOMO-LUMOギャップ(Eg)は、t-BuPh4Tの場合が2.49eV、o-BiPH4Tの場合が2.53eV、Ph4Tの場合が2.51eVであり、6Tの場合の2.45eVよりもHOMO-LUMOギャップ(Eg)がわずかに広がっていた。さらに、HOMO準位とEgから見積もったLUMO準位は、t-BuPh4Tの場合が2.88eV、o-BiPH4Tの場合が2.97eV、Ph4Tの場合が2.75eV、6Tの場合が2.66eVであった。
図6は、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを用いて、それぞれ、ITO基板上に単一成分膜として形成した蒸着膜のAFM像を示している。各単一成分膜はITO基板上に0.2Å/sの蒸着速度で真空蒸着にて製膜した。各単一成分膜のAFM表面粗さ解析の結果から、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tの各々により形成した単一成分膜の表面粗さ(RMS)は、それぞれ、5.12nm、24.06nm、7.49nm、7.97nmであった。各単一成分膜の形状像においては、o-BiPh4Tの薄膜構造がPh4T及び6Tと比べて最も著しく異なっており、グレインサイズ(凝集体サイズ)が大きくなっていた。
図7は、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを用いて、それぞれ、ITO基板上に単一成分膜として形成した蒸着膜について、X線回折(XRD)パターンを測定した結果であり、(a)は各単一成分膜の面外のXRDパターンの測定結果、(b)は各単一成分膜の面内のXRDパターンの測定結果を示している。
図7(a)に示されている面外XRDの測定結果を参照すると、Ph4Tを用いた単一成分膜だけでなく、t-BuPh4T、o-BiPh4Tを用いた単一成分膜でもピークが出現していることから、面外方向への結晶性を有していることが分かる。面外XRDの第一回折ピークの2θ/θ(d-spacing)は、t-BuPh4Tの場合が3.90°(22.63Å)、o-BiPh4Tの場合が4.13°(21.4Å)、Ph4Tの場合が3.46°(25.51Å)、6Tの場合が3.62°(24.38Å)であった。今回合成した材料の分子長は、DFT(離散フーリエ変換)計算により求めると約21〜25Å程度であることから、d-spacingの値と非常に類似しており、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tは、図7(c)に示されているように、分子の長軸方向を基板面に対して向けて薄膜成長していることが示唆された。
面外XRDの第一回折ピークの半値幅は、t-BuPh4Tの場合が0.266°、o-BiPh4Tの場合が0.243°、Ph4Tの場合が0.0980°、6Tの場合が0.124°であり、半値幅の小さなPh4Tが最も高い結晶性を有し、続いて6T、o-BiPh4T、t-BuPh4Tの順に結晶性が下がっていることが分かった。
また、図7(b)に示されている面内XRDの測定結果から、t-BuPh4Tの面内方向の膜の結晶性が低いことが明らかとなった(図7(c)に示されているように分子が直立していることから、πスタック方向には秩序性が乏しいものと考えられる)。一方で、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tは面内XRDでピークが観測され、第一回折ピークの半値幅は、o-BiPh4Tの場合が0.63°、Ph4Tの場合が0.64°、6Tの場合が1.1°であった。
面外XRDの測定結果から、図7(c)に示されているように分子がほぼ直立していることが示唆されており、面内XRDの測定結果にも回折ピークが存在することから、これらの薄膜はπスタック方向には秩序性が存在することが示唆された。
(薄膜評価〜共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)〜)
バルクヘテロ接合層は、酸素プラズマ洗浄したITO基板上に、図3(a)〜(d)に示されている各オリゴチオフェン(p型有機半導体材料)とフラーレン(C60)(n型有機半導体材料)とを共蒸着することによって作製し、それぞれの場合において、混合比率をp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5の割合でそれぞれ製膜し、AFM測定を行った。図8は、ITO基板上にバルクヘテロ接合層として形成した6Tとフラーレンとの共蒸着膜のAFM像であり、図9は、ITO基板上にバルクヘテロ接合層として形成したPh4Tとフラーレンとの共蒸着膜のAFM像であり、図10は、ITO基板上にバルクヘテロ接合層として形成したt-BuPh4Tとフラーレンとの共蒸着膜のAFM像であり、図11は、ITO基板上にバルクヘテロ接合層として形成したo-BiPh4Tとフラーレンとの共蒸着膜のAFM像である。
図8に示されているAFM像から分かるように、p型有機半導体材料として6Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3の場合において、p型有機半導体材料である6Tのミクロな繊維状の凝集が確認された。また、図9に示されているAFM像から分かるように、p型有機半導体材料としてPh4Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3の場合だけでなく、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:5の場合においても、ミクロな繊維状の凝集の形状像が現れていた。すなわち、Ph4Tは凝集性の高い材料であることが単一成分膜のAFM像やXRDだけでなく、バルクヘテロ接合膜のAFM像からも示唆された。さらに、図8及び図9に示されているように、p型有機半導体材料として6Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5のときのRMS値がそれぞれ42.12nm,21.73nm,1.55nmであり、p型有機半導体材料としてPh4Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5のときのRMS値がそれぞれ41.0nm,28.3nm,14.6nmとなった。このように、p型有機半導体材料としてPh4T及び6Tを用いた場合には、p型有機半導体材料の混合比率が高い共蒸着膜において表面粗さ解析によるRMS値が高くなっていた。これは凝集体の存在に由来する。
一方、図10及び図11に示されているAFM像から分かるように、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基を導入したt-BuPh4T、o-BiPh4Tをp型有機半導体材料として用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5の場合でも、p型有機半導体材料由来のミクロな繊維状の凝集は確認されなかった。また、図10及び図11に示されているように、p型有機半導体材料としてt-BuPh4Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5のときのRMS値がそれぞれ2.90nm,1.23nm,2.78nmであり、p型有機半導体材料としてo-BiPh4Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5のときのRMS値がそれぞれ1.06nm,1.22nm,1.27nmとなった。このように、バルクヘテロ接合層の形成にあたってフラットな薄膜形成が可能なt-BuPh4Tやo-BiPh4Tをp型有機半導体材料として用いた場合には、p型有機半導体材料の混合比率が高い共蒸着膜においてもRMS値が低いことが分かった。
さらに、図6に示されている単一成分膜のAFM像と比較すると、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基を導入した材料t-BuPh4T、o-BiPh4Tをp型有機半導体材料として用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)では、単一成分膜で見られたような凝集体(グレイン)は観測されなかった。また、p型有機半導体材料としてPh4Tや6Tを用いた共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)の凝集体の形状も単一膜とは大きく異なっていた。これらのことから、凝集体の形成はフラーレンとの相互作用で共蒸着膜形成時に特異的に起こる事象として捉えることができる。
(セル評価)
p型有機半導体材料のオリゴチオフェンとして、それぞれ、t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tを使用して、図1(a)に示されるような平面ヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子を用いた太陽電池及び図1(b)に示されるようなバルクヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池を作成した。何れの有機薄膜光電変換素子でも、透明電極材料としてITO、背面電極材料としてAl、電子ブロッキング層材料としてMoOx、ホールブロッキング層材料としてBCP、p型有機半導体材料としてオリゴチオフェン(t-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、又は6T)、n型有機半導体材料としてフラーレン(C60)を用いた。詳細には、平面ヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子の構造は、ITO/MoOx(15nm)/オリゴチオフェン(25nm)/C60(70nm)/BCP(6nm)/Al(80nm)とした(括弧内は各層の厚さ)。また、バルクヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子における共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)の混合比率は、蒸着レート比率により制御し、その構造はITO/MoOx(15nm)/オリゴチオフェン:C60(50nm)/C60(30nm)/BCP(6nm)/Al(80nm)とした(括弧内は各層の厚さ)。上記の構造の有機薄膜光電変換素子を有した有機薄膜太陽電池をソーラーシュミレータ(AM1.5G)で100mW/cm2の光照射下で測定を行い、各層におけるフラーレン(C60)との混合比率を変えて太陽電池特性を調査した。一般に太陽電池の光電変換効率(PCE)は次の式で求めることが出来る。

PCE(%)=電流密度(Jsc)×開放電圧(Voc)×形状因子(FF)/入射エネルギー
(1)
p型有機半導体材料としてt-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tをそれぞれ用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の太陽電池特性及び分光感度特性(IPCE:Incident Photon to Current Conversion)の測定結果をそれぞれ図12及び図13に示し、p型有機半導体材料としてt-BuPh4T、o-BiPh4T、Ph4T、及び6Tをそれぞれ用いたバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の太陽電池特性及び分光感度特性(IPCE)の測定結果をそれぞれ図14及び図15に示す。なお、図15(a)は、p型有機半導体材料として用いるo-BiPh4T、Ph4T、及び6Tの共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)における混合比率をp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5に変えたときの分光感度特性を表すグラフであり、図15(b)は、p型有機半導体材料として用いるt-BuPh4Tの共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)における混合比率をp型有機半導体材料:フラーレン=1:1,1:3,1:5に変えたときの分光感度特性を表すグラフである。
図12から分かるように、p型有機半導体材料としてt-BuPh4T、o-BiPh4Tを用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の開放電圧Vocは、それぞれ、0.64V,0.65Vであり、p型有機半導体材料として6TやPh4Tを用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の0.35V,0.44Vと比べて非常に高い。この理由は化合物t-BuPh4T、o-BiPh4Tのイオン化ポテンシャルが高いことが主な要因である。その結果、p型有機半導体材料としてt-BuPh4T、o-BiPh4Tをそれぞれ用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の光電変換効率(PCE)はそれぞれ1.0%,0.80%となり、p型有機半導体材料として6TやPh4Tを用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の光電変換効率の0.51%,0.66%よりも高くなっている。また、図13に示されている分光感度特性(IPCE)の測定結果から分かるように、400〜600nmにおいて、o-BiPh4T由来のピークが他のオリゴチオフェン由来のピークと比べて高い。そのために、p型有機半導体材料としてo-BiPh4Tを用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の短絡電流密度(Jsc)はp型有機半導体材料として他のオリゴチオフェン誘導体を用いた平面ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池の短絡電流密度よりも高くなっている。
一方、図14及び図15に示されている太陽電池特性及び分光感度特性(IPCE)の測定結果から、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基であるターシャリーブチル(tert-butyl)基、オルトビフェニル(ortho-Biphenyl)基を導入した化合物t-BuPh4T、o-BiPh4Tをp型有機半導体材料として用いた有機薄膜太陽電池では、共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)におけるp型有機半導体材料の混合比率を増やすことができることが示された。p型有機半導体材料としてオリゴチオフェンを用い且つn型有機半導体材料としてフラーレンを用いた従来のバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池では、最適な混合比率はp型有機半導体材料:フラーレン=1:5であり、p型有機半導体材料の混合比率が高いバルクヘテロ接合層においては非常に低い光電変換特性しか得ることができなかった。これに対して、本発明に従って、嵩高く、構造的にフレキシブル性な置換基を導入したt-BuPh4T、o-BiPh4Tをp型有機半導体材料として用いたバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池では、図14及び図15に示されているように、結晶性の高いPh4Tや6Tをp型有機半導体材料として用いたものと比べて、バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の混合比率が高い場合でも高い光電変換特性を得ることができることが分かる。このような結果が得られたのは、嵩高く構造的にフレキシブル性を有した置換基を用いることにより、分子間相互作用が弱まる効果や、立体的に分子間に距離が生じるため空間が生じるといった効果が表れ、バルクヘテロ接合層を形成した際にp型有機半導体材料の凝集を起こさずに、p型有機半導体材料とフラーレンが均一に混合したラフネスの少ないバルクヘテロ接合層を形成できるためである。
本発明では、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基(例えばターシャリーブチル基、オルトビフェニル基)を有するオリゴチオフェンを合成し、有機薄膜太陽電池の光電変換素子のp型有機半導体材料に適用した。その結果、従来まで問題とされていたミクロ繊維状構造の形成を抑制し、ラフネスの低い高品質なバルクヘテロ接合層の作製に成功したものである。オリゴチオフェンをp型有機半導体材料として用いたバルクヘテロ接合型有機薄膜光電変換素子において、このミクロ繊維状の凝集体の発生は、バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の体積混合比率を大きく低下させる原因であった。p型有機半導体材料としてオリゴチオフェン系材料を用いたバルクヘテロ型有機薄膜光電変換素子では、一般的に、体積混合比率がp型有機半導体材料:フラーレン=1:5のようにフラーレン過多な条件でのみフラットで高品質な薄膜が形成できたが、本発明で提案した分子構造を有するオリゴチオフェンを用いることにより、p型有機半導体材料とフラーレンの体積混合比率を1:1〜1:3へと飛躍的に増大させる効果が得られた。これは、嵩高く、構造的にフレキシブル性を有した置換基を有するオリゴチオフェンを用いることにより、バルクヘテロ接合層中のp型有機半導体材料の凝集を抑えることができるため、ナノメートルの間隔で分子を混ぜることができたからと考えられる。本発明は、上記の予測から、オリゴチオフェンをp型有機半導体材料として用いたバルクヘテロ接合型光電変換素子やこれを用いた有機薄膜太陽電池において、効率の良い電荷分離界面の分布や形状を形成できることを見出したものである。
さらに、本発明ではオリゴチオフェンの構造修飾に伴う単一成分膜や共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)における結晶性や凝集性の変化を観察することによって、共蒸着膜(バルクヘテロ接合層)における凝集体の形成過程を追跡し、これらの結果から、p型有機半導体材料の凝集体の形成はフラーレンが存在するバルクヘテロ接合層形成時に特異的に起こる事象であることを見出した。
10 有機薄膜光電変換素子
12 電極
12a 透明電極
12b 背面電極
14 光電変換層
16 ホールブロッキング層
18 電子ブロッキング層

Claims (5)

  1. 一対の電極の間にp型有機半導体材料とn型有機半導体材料とを混合したバルクヘテロ接合層を含む光電変換層を備えた有機薄膜光電変換素子において、
    前記光電変換層の前記p型有機半導体材料が、オリゴチオフェン主鎖部よりも嵩高い置換基を有するオリゴチオフェンであることを特徴とする有機薄膜光電変換素子。
  2. 前記嵩高い置換基は、ターシャリーブチル基又はオルトビフェニル基である、請求項1に記載の有機薄膜光電変換素子。
  3. 前記n型有機半導体材料はフラーレンである、請求項1又は請求項2に記載の有機薄膜光電変換素子。
  4. 前記バルクヘテロ接合層におけるp型有機半導体材料の混合体積比率が25〜50%である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の有機薄膜光電変換素子。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の有機薄膜光電変換素子を用いた有機薄膜太陽電池。
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