JP5853748B2 - 基板接合構造、当該基板接合構造を備える無線機、及び、当該基板接合構造を用いた基板接合方法 - Google Patents

基板接合構造、当該基板接合構造を備える無線機、及び、当該基板接合構造を用いた基板接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、半田によって部材(以下、「取付部材」と称する)をプリント配線基板に接合する場合の、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させるとともに、取付部材とプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させる基板接合構造に関する。また、本発明は、当該基板接合構造を備える無線機、及び、当該基板接合構造を用いた基板接合方法に関する。
様々な電子装置では、取付部材をプリント配線基板に固定したり、また、取付部材とプリント配線基板との間で電気的な導通を確保したりするために、半田によって取付部材をプリント配線基板に接合する基板接合構造が用いられている。その基板接合構造としては、金属ピンを介して、取付部材をプリント配線基板に接合する構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
従来の基板接合構造は、例えば、取付部材として同軸コネクタを用いた場合に、同軸コネクタに設けられた金属ピンの先端部分をプリント配線基板の板面に設けられた孔に挿通させ、その後に、半田によって、取付部材の金属ピンの先端部分とプリント配線基板の孔の周囲に設けられた接合部とを接合する構造になっている。
なお、「接合部」は、半田が接合される部位である。「接合部」は、例えば、銅箔等の導電性の金属材によって構成されている。以下、接合部を「銅箔」と称する。プリント配線基板は、配線パターンが板面上に設けられており、その配線パターンが銅箔に接続されている。これにより、配線パターンは、銅箔を介して取付部材と電気的に接続される。なお、接合部以外の部分は、レジストが塗布されるのが通常である。
特開平7−263882号公報
しかしながら、従来の基板接合構造は、取付部材の金属ピンの先端部分をプリント配線基板の孔に挿通させる必要がある。したがって、従来の基板接合構造は、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度が低い構成になっている。そのため、従来の基板接合構造は、取付部材の金属ピンの先端部分とプリント配線基板の孔の中心位置とを正確に位置合わせする必要がある。
その結果、従来の基板接合構造は、例えば、作業者が手作業で接合を行う場合に、位置合わせに手間がかかるため、低い作業効率しか得られなかったり、また、工作機械が自動的に接合を行う場合に、取付部材とプリント配線基板とを正確に位置合わせするための精密な設備が必要であったりしていた。
したがって、従来の基板接合構造は、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることが望まれている、という課題があった。そして、この課題は、取付部材のサイズが小型になるほど、特に、深刻になっていた。
また、一般的なプリント配線基板は、端部の強度を強化したり、基板を加工する際に基板の端部に発生するバリ(突起)による銅箔と金属ピンとの半田付け不良の発生を低減させたりするために、銅箔が、孔の外周端から一定のクリアランスを確保した位置に離間して設けられている。
従来の基板接合構造は、一般的なプリント配線基板の銅箔が孔の外周端から離間して設けられているため、取付部材の金属ピンの先端部分の側面とプリント配線基板の銅箔とが離間した構成になる。
このような従来の基板接合構造は、取付部材の金属ピンの先端部分の側面とプリント配線基板の銅箔との間の離間距離分(レジスト部分)を埋めるように、大量に半田付けする必要がある。そのため、従来の基板接合構造は、取付部材の金属ピンの先端部分に対して半田を良好に接合できない現象や、プリント配線基板の銅箔に対して半田を良好に接合できない現象、取付部材とプリント配線基板との間で半田が破断する現象等が発生し易い。
すなわち、従来の基板接合構造は、比較的大量の半田を必要とするため、取付部材の金属ピンの先端部分とプリント配線基板の銅箔とを良好に半田付けすることができずに、取付部材とプリント配線基板との間で接合不良が発生し易い。
したがって、従来の基板接合構造は、取付部材とプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させることが望まれている、という課題もあった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させるとともに、取付部材とプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させる基板接合構造を提供することを主な目的とする。また、本発明は、当該基板接合構造を備える無線機、及び、当該基板接合構造を用いた基板接合方法を提供することも主な目的とする。
前記目的を達成するため、第1発明は、基板接合構造であって、フランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材と、前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを有し、前記支持部材には、前記金属ピンの軸方向に沿って、前記取付部材が取り付けられる取付孔が形成されており、前記固定部材は、前記取付孔に挿通された前記取付部材を所定の位置で固定し、前記取付部材の前記金属ピンは、前記フランジの外周面が前記プリント配線基板の前記銅箔に接合されている構成とする。
この基板接合構造は、切欠部が、プリント配線基板の外周の一部に形成されている。プリント配線基板の切欠部は、外部に開放された形状になっている。そして、支持部材には、金属ピンの軸方向に沿って、取付部材が取り付けられる取付孔が形成されている。固定部材は、取付孔に挿通された取付部材を所定の位置で固定する構成になっている。そのため、この基板接合構造は、プリント配線基板を切欠部の開放方向に沿って移動させて、切欠部の側面を取付部材の金属ピンの胴体部分の外周面に当接させることによって、取付部材とプリント配線基板とを容易に位置合わせすることができる。したがって、この基板接合構造は、従来の基板接合構造よりも、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることができる。この基板接合構造は、取付部材のサイズが小型になっても、好適に位置合わせすることができる。
また、この基板接合構造は、プリント配線基板の切欠部の側面と金属ピンの胴体部分の外周面とを当接させることなく、フランジとプリント配線基板の銅箔とを接合することもできる。このため、この基板接合構造は、取付部材及びプリント配線基板が予め位置決めされている場合であっても、プリント配線基板に加わる応力や撓みが少なくなる。
しかも、この基板接合構造は、フランジが、取付部材の金属ピンの先端部分に形成されている。そのため、取付部材の金属ピンは、たとえ、プリント配線基板の銅箔が切欠部の外周端から離間して設けられていても、先端部分のフランジが、プリント配線基板の銅箔に近接した状態、又は、銅箔に当接した状態になる。したがって、この基板接合構造は、取付部材の金属ピンの先端部分とプリント配線基板の銅箔とが近接又は当接した構成になる。その結果、この基板接合構造は、従来の基板接合構造と異なり、比較的短い距離分だけ半田付けすればよく、大量に半田付けする必要がない。したがって、この基板接合構造は、取付部材の金属ピンの先端部分とプリント配線基板の銅箔とを良好に半田付けすることができ、従来の基板接合構造よりも、取付部材とプリント配線基板との間での接合不良の発生を低減させることができる。
よって、この基板接合構造は、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材とプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させることができる。
また、第2発明は、基板接合構造であって、フランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材と、前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを有し、前記金属ピンは、前記フランジが断面視T字状に形成されており、前記フランジの外周面が前記プリント配線基板の前記銅箔に接合されている構成とする。
また、第発明は、同軸コネクタを介して、アンテナによって受信された無線信号をプリント配線基板に入力する無線機であって、前記同軸コネクタを取付部材とし、第1発明に係る基板接合構造を備える構成とする。
この無線機は、同軸コネクタを取付部材とし、第1発明に係る基板接合構造を備えている。そのため、この無線機は、取付部材としての同軸コネクタとプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材としての同軸コネクタとプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させることができる。
また、第発明は、フランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材で、かつ、前記金属ピンの軸方向に沿って取付孔が形成された前記支持部材と、前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを用いて、半田によって前記取付部材の前記金属ピンと前記プリント配線基板の銅箔とを接合する基板接合方法であって、前記取付部材が、前記支持部材の前記取付孔に挿通されることによって前記金属ピンの軸方向に沿って移動可能に支持された状態で、前記固定部材によって前記金属ピンの軸方向上の所定の位置に位置決めされる前記取付部材の位置決め工程と、前記プリント配線基板が、前記支持部材によって前記切欠部の開放方向に沿って移動可能な状態で支持されて、前記切欠部の開放方向上の所定の位置に位置決めされる前記プリント配線基板の位置決め工程と、前記取付部材の前記金属ピンの前記フランジと前記プリント配線基板の前記銅箔とが、前記半田によって接合される半田付け工程とを含む構成とする。
なお、プリント配線基板の位置決め工程における「切欠部の開放方向上の所定の位置」とは、具体的には、取付部材の金属ピンの胴体部分の外周面とプリント配線基板の切欠部の側面とが密着する位置である。
この基板接合方法は、取付部材の位置決め工程とプリント配線基板の位置決め工程とを実行することにより、取付部材とプリント配線基板とを所定の位置に位置決めする。そして、この基板接合方法は、その状態で、半田付け工程を実行することにより、取付部材の金属ピンの先端部分に設けられたフランジとプリント配線基板の接合部とを半田付けして、取付部材とプリント配線基板とを固定する。
この基板接合方法は、第1発明に係る基板接合構造と同様に、取付部材としての同軸コネクタとプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材としての同軸コネクタとプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させることができる。
また、第発明は、断面視T字状に形成されたフランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材と、前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを用いて、半田によって前記取付部材の前記金属ピンと前記プリント配線基板の銅箔とを接合する基板接合方法であって、前記取付部材が、前記支持部材によって前記金属ピンの軸方向に沿って移動可能に支持された状態で、前記固定部材によって前記金属ピンの軸方向上の所定の位置に位置決めされる前記取付部材の位置決め工程と、前記プリント配線基板が、前記支持部材によって前記切欠部の開放方向に沿って移動可能な状態で支持されて、前記切欠部の開放方向上の所定の位置に位置決めされる前記プリント配線基板の位置決め工程と、前記取付部材の前記金属ピンの前記フランジと前記プリント配線基板の前記銅箔とが、前記半田によって接合される半田付け工程とを含む構成とする。
なお、プリント配線基板の位置決め工程における「切欠部の開放方向上の所定の位置」とは、具体的には、取付部材の金属ピンの胴体部分の外周面とプリント配線基板の切欠部の側面とが密着する位置である。また、取付部材の位置決め工程における「金属ピンの軸方向上の所定の位置」とは、具体的には、取付部材の金属ピンの先端部分に設けられたフランジの裏面とプリント配線基板の表面(接続部が設けられた側の面)とが密着する位置である。
この基板接合方法は、取付部材の位置決め工程とプリント配線基板の位置決め工程とを実行することにより、取付部材の金属ピンの胴体部分とプリント配線基板の切欠部の側面とを密着させた状態にするとともに、取付部材の金属ピンの先端部分に設けられたフランジの裏面とプリント配線基板の表面とを密着させた状態にする。そして、この基板接合方法は、その状態で、半田付け工程を実行することにより、取付部材の金属ピンの先端部分に設けられたフランジとプリント配線基板の接合部とを半田付けする。
この基板接合方法は、第発明に係る基板接合方法と同様に、取付部材としての同軸コネクタとプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材としての同軸コネクタとプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させることができる。
しかも、この基板接合方法は、取付部材の金属ピンの胴体部分とプリント配線基板の切欠部の側面とを密着させた状態にするとともに、取付部材の金属ピンの先端部分に設けられたフランジの裏面とプリント配線基板の表面とを密着させた状態にすることにより、取付部材とプリント配線基板とを好適な位置に位置決めすることができるとともに、取付部材の金属ピンとプリント配線基板の銅箔とを良好に半田付けすることができる。
本発明によれば、取付部材とプリント配線基板との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材とプリント配線基板との間の接合不良の発生を低減させることができる。
実施形態1に係る基板接合構造の全体構成を示す図である。 実施形態1に係る基板接合構造の部分的な構成を示す図である。 実施形態1に用いる支持部材の構成を示す図である。 実施形態1に用いる取付部材の構成を示す図(1)である。 実施形態1に用いる取付部材の構成を示す図(2)である。 実施形態1に用いるプリント配線基板の構成を示す図である。 実施形態1に係る基板接合方法の一例を示す図である。 比較例に係る基板接合構造の欠点を説明するための図である。 実施形態1に係る基板接合構造の利点を説明するための図である。 実施形態2に係る基板接合構造の全体構成を示す図である。 実施形態2に係る基板接合構造の部分的な構成を示す図である。 実施形態2に用いる支持部材の構成を示す図である。 実施形態2に用いる取付部材の構成を示す図である。 実施形態2に係る基板接合方法の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<基板接合構造の構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係る基板接合構造の構成につき説明する。なお、図1は、実施形態1に係る基板接合構造2の全体構成を示す図である。図2は、実施形態1に係る基板接合構造2の部分的な構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る基板接合構造2は、フレーム10、取付部材20、ナット22、及び、プリント配線基板30を有する構成になっている。
フレーム10は、取付部材20及びプリント配線基板30を支持する支持部材である。
取付部材20は、プリント配線基板30に取り付けられる部材である。取付部材20は、金属ピン26が先端部分に設けられている。
ナット22は、取付部材20をフレーム10に固定する固定部材である。
プリント配線基板30は、配線パターン33(図2(b)参照)が板面上に形成された部材である。プリント配線基板30は、切欠部31(図2参照)がその外周の一部に形成されている。また、プリント配線基板30は、銅箔32(図2参照)が切欠部31の周囲の板面上に形成されている。銅箔32は、半田40(図6(c)参照)が接合される接合部として機能する。配線パターン33は、その接合部としての銅箔32に連続する銅箔により構成されている。銅箔32は、半田付けされることにより、取付部材20をプリント配線基板30に支持・連結したり、取付部材20の金属ピン26とプリント配線基板30との間で電気的な導通を確保したりする。
基板接合構造2は、フレーム10が、取付部材20の金属ピン26をプリント配線基板30の板面に対して交差させた状態で、取付部材20及びプリント配線基板30を支持するとともに、ナット22が、取付部材20をフレーム10に固定する構成になっている。
図2は、フレーム10によって支持された取付部材20とプリント配線基板30との位置関係を、フレーム10及びナット22を除外して示している。図2(a)は、斜め上方向から見た取付部材20とプリント配線基板30との位置関係を示しており、また、図2(b)は、正面方向から見た取付部材20とプリント配線基板30との位置関係を示している。
図2に示すように、フレーム10(図1参照)は、取付部材20の金属ピン26の胴体部分の外周面とプリント配線基板30の切欠部31の側面とが当接するように、取付部材20とプリント配線基板30とを支持する。
これにより、基板接合構造2は、取付部材20の金属ピン26の先端部分とプリント配線基板30の切欠部31の周囲に設けられた銅箔32とを半田付けすることが可能になる。
基板接合構造2は、様々な電子装置1に用いられる。ここでは、電子装置1が無線機として構成されており、また、取付部材20がアンテナコネクタ用の同軸コネクタとして構成されている場合を想定して説明する。以下、電子装置1を「無線機1」と称する。また、取付部材20を「同軸コネクタ20」と称する。
図1に示す例では、無線機1は、アンテナ90を、取付部材としての同軸コネクタ20の後端部分に装着する構成となっている。無線機1は、アンテナコネクタとしての同軸コネクタ20を介して、アンテナ90によって受信された無線信号をプリント配線基板30に入力する。
<基板接合構造の各構成要素の構成>
(フレームの構成)
以下、図3を参照して、フレーム10の構成につき説明する。なお、図3は、実施形態1に用いるフレーム10の構成を示す図である。
図3に示す例では、フレーム10は、同軸コネクタ20の取付対象となる第1フレーム部11と、プリント配線基板30の取付対象となる第2フレーム部12とを備える構成となっている。第1フレーム部11は、図面垂直方向に延伸して設けられており、一方、第2フレーム部12は、図面水平方向に延伸して設けられている。すなわち、第1フレーム部11と第2フレーム部12とは、互いに垂直に延伸して設けられている。第2フレーム部12は、その先端部分が第1フレーム部11の板面から突出するように配置されている。したがって、第1フレーム部11及び第2フレーム部12は、T字状に配置された構成になっている。
フレーム10は、第1フレーム部11に同軸コネクタ20を取り付けるための孔(以下、「取付孔11a」と称する)を備えており、第2フレーム部12に後記するねじ37(図1参照)を取り付けるためのねじ穴12aを備えている。
取付孔11aは、第1フレーム部11の一方の面から他方の面に貫通するように設けられている。取付孔11aは、その内部に、同軸コネクタ20の先端部分が挿入される。これにより、同軸コネクタ20が、フレーム10の第1フレーム部11に取り付けられる。
また、取付孔11aは、図示せぬ係合部が設けられている。係合部は、同軸コネクタ20の先端部分に設けられた後記するねじ部21(図4(b)参照)に形成された図示せぬ被係合部に係合する。これにより、係合部は、同軸コネクタ20が取付孔11aに挿入されたときに、同軸コネクタ20が取付孔11aの内部で回転するのを規制する。
同軸コネクタ20は、その先端部分が、第1フレーム部11の一方の面(裏面)から他方の面(表面)に貫通するように取付孔11aの内部に挿入される。その後、ナット22(図1参照)が、同軸コネクタ20の先端部分に設けられたねじ部21(図4(b)参照)に取り付けられる。これにより、第1フレーム部11は、ナット22と同軸コネクタ20の先端部分に設けられた後記する固定部24(図4(b)参照)の大径の段差部分とに挟まれる。その結果、同軸コネクタ20は、フレーム10の第1フレーム部11に固定される。
他方、ねじ穴12aは、取付孔11aの上方に位置する、第2フレーム部12の先端部分に設けられている。ねじ穴12aは、その内部に、ねじ37(図1参照)が嵌め合わされる雌ねじが形成されている。ねじ37は、プリント配線基板30の裏面側に設けられたねじ取付部36の挿通孔36a(図5(b)参照)を通って、ねじ穴12aに嵌め合わされる。ねじ37は、ねじ穴12aに嵌め合わされることにより、プリント配線基板30を切欠部31(図2参照)の開放方向の所定の位置に固定する。
(取付部材の構成)
以下、図4A及び図4Bを参照して、取付部材としての同軸コネクタ20の構成につき説明する。なお、図4A及び図4Bは、それぞれ、実施形態1に用いる取付部材(ここでは、同軸コネクタ20)の構成を示す図である。図4A(a)は、正面方向(先端方向)から見た同軸コネクタ20の構成を示しており、図4A(b)は、側面方向から見た同軸コネクタ20の構成を示しており、図4A(c)は、背面方向(後端方向)から見た同軸コネクタ20の構成を示している。図4Bは、同軸コネクタ20の先端に設けられた金属ピン26の構成を拡大して示している。
本実施形態では、同軸コネクタ20は、TNC(Threaded Neill−Concelman)型のバルクヘッドタイプのレセプタクルを用いている。同軸コネクタ20は、TNC型以外に、BNC(Bayonet Neill−Concelman)型や、SMA(Sub−Miniature−type−A)型、SMB(Sub−Miniature−type−B)型、N型等のコネクタとして構成することもできる。また、アンテナ90は、TNC型のプラグに波長λ(例えば、200MHz)の二分の一の長さ(λ/2)や四分の一の長さ(λ/4)の導体が接続されて構成されている。
同軸コネクタ20は、黄銅又はダイカストにより形成されたシェル23を備え、そのシェル23の先端に金属ピン26を備えている。金属ピン26は、導電性の高い部材(例えば、黄銅等の金属材に金メッキされた部材)によって構成されている。金属ピン26は、プリント配線基板30と電気的に導通されるオス端子として機能する。
また、同軸コネクタ20は、その後端にアンテナ装着部29(図4A(c)参照)を備えている。アンテナ装着部29は、アンテナ90のプラグと機械的に接続される。
同軸コネクタ20は、シェル23の内部に図示せぬ芯線及び絶縁物を収容している。芯線は、その先端が金属ピン26の後端付近に接続されており、その周囲が絶縁物(例えば、フッ素樹脂)によって覆われている。
シェル23は、その先端部分から金属ピン26を突出させた構成になっている。また、シェル23は、その軸方向の外周面の金属ピン26の後方に位置する部分に、ねじ部21が形成されている。ねじ部21は、外周面の一部に、前記した図示せぬ被係合部が設けられている。被係合部は、取付孔11aに設けられた図示せぬ係合部と係合することにより、同軸コネクタ20が取付孔11aの内部で回転するのを規制する。
シェル23は、ねじ部21の後端に、シェル23と一体に成形された固定部24を備えている。固定部24は、同軸コネクタ20をフレーム10の第1フレーム部11に突き当て、電気的に導通させる部位であり、先端側の面に段差を有する構成になっている。固定部24は、同軸コネクタ20がフレーム10の第1フレーム部11(図3参照)に取り付けられる際に、先端側の面の小径の段差部分のみが取付孔11aの内部に入り込み、先端側の面の大径の段差部分がフレーム10の第1フレーム部11の板面に突き当たる。
なお、固定部24の小径の段差部分は、同軸コネクタ20を取付孔11aに円滑に挿入することができるように、取付孔11aの内周面との間に許容誤差(例えば、公差+0.1mm,−0mm)が設けられている。すなわち、取付孔11aは、金属ピン26の軸に対する垂直面内で、同軸コネクタ20との間に許容誤差が設けられている。そのため、基板接合構造2は、金属ピン26の軸に対する垂直面内で、同軸コネクタ20を若干移動させることができる構成になっている。
ただし、固定部24の小径の段差部分と取付孔11aの内周面との間の許容誤差は、同軸コネクタ20の金属ピン26の側面とプリント配線基板30の銅箔32とを半田付けするのみで、余分なテンション(撓み)をプリント配線基板30に加えることなく、吸収させることができる。
本実施形態1では、ナット22(図1参照)が、ねじ部21に取り付けられる。ナット22は、取付孔11aに挿入された同軸コネクタ20のねじ部21の先端側に取り付けられることにより、同軸コネクタ20の固定部24の大径の段差部分との間で、フレーム10の第1フレーム部11を挟み込む。その結果、ナット22は、フレーム10の第1フレーム部11を取付対象のパネルとして、同軸コネクタ20をフレーム10の第1フレーム部11に固定する。
同軸コネクタ20の金属ピン26は、フランジ26aがその先端部分に形成されている。すなわち、同軸コネクタ20の金属ピン26は、フランジ26aが断面視T字状に形成されている。
フランジ26aは、図4Bに示すように、円柱状に形成された母材に対し、先端部分を残して、胴体部分を円柱状に切削加工することによって形成されている。したがって、フランジ26aは、先端側の面が円形になっており、後端側の面が環状になっている。以下、フランジ26aの先端側の面を「円形面26aa」と称し、後端側の面を「環状面26ab」と称する。
円形面26aaは、同軸コネクタ20をフレーム10の第1フレーム部11に取り付ける際に、外部に露出する側の面となる。一方、環状面26abは、同軸コネクタ20をフレーム10の第1フレーム部11に取り付ける際に、プリント配線基板30の表面に対向するため、外部から隠れる面となる。
切削加工後の金属ピン26の胴体部分は、同軸コネクタ20の内部に収容された図示せぬ芯線の径と同じ径になっている。以下、切削加工後の金属ピン26の胴体部分を「芯線径部26b」と称する。また、金属ピン26の切削加工により切削された部分を「切削加工部26c」と称する。
金属ピン26は、フランジ26aがその先端部分に形成されているため、先端部分の径が胴体部分の径よりも大きい形状になっている。以下、フランジ26aの径を「フランジ径Ra(図4B参照)」と称する。また、芯線径部26bの径を「芯線径Rb(図4B参照)」と称する。
フランジ26aは、当然ながら、金属ピン26の軸に対する垂直面内で、芯線径部26bから外側に突出している。その突出量を「t」とし、フランジ26aの半径を「ra」とし、芯線径部26bの半径を「rb」とする場合に、フランジ26aの突出量tは、フランジ26aの半径raと芯線径部26bの半径rbとの差分になる。したがって、フランジ26aの突出量tは、「t=(ra−rb)=((Ra−Rb)/2)」となる。
フランジ26aは、好ましくは、芯線径部26bからの突出量tが、プリント配線基板30の切欠部31と銅箔32との間の離間距離(具体的には、プリント配線基板30の切欠部31の外周端から銅箔32の外周端までの離間距離)よりも大きな値に設定されているとよい。
基板接合構造2は、フランジ26aの突出量tがこのような値に設定されている場合に、同軸コネクタ20の金属ピン26のフランジ26aをプリント配線基板30の銅箔32に当接させることができる。そのため、基板接合構造2は、この場合に、同軸コネクタ20の金属ピン26とプリント配線基板30の銅箔32とを確実に電気的に導通させることができる。
(プリント配線基板の構成)
以下、図5を参照して、プリント配線基板30の構成につき説明する。なお、図5は、実施形態1に用いるプリント配線基板30の構成を示す図である。図5(a)は、表面方向(銅箔32が形成された側の面方向)から見たプリント配線基板30の構成を示しており、図5(b)は、側面方向から見たプリント配線基板30の構成を示しており、図5(c)は、裏面方向(銅箔32が形成されていない側の面方向)から見たプリント配線基板30の構成を示している。
プリント配線基板30は、切欠部31がその外周の一部に形成されているとともに、半田40(図6(c)参照)を接合するための接合部としての銅箔32が切欠部31の周囲の板面上に形成されている。また、プリント配線基板30は、銅箔32に接続された配線パターン33を板面上に備えている。
プリント配線基板30の表面(銅箔32が形成された側の面)は、外部に露出する面となる。半田40(図6(c)参照)は、その表面に設けられた銅箔32に接合される。一方、プリント配線基板30の裏面(銅箔32が形成されていない側の面)は、フレーム10の第1フレーム部11(図3参照)に対向する面となる。以下、プリント配線基板30の表面を「接合面30a」と称する。また、プリント配線基板30の裏面を「非接合面30b」と称する。
非接合面30bには、ねじ37(図1参照)が取り付けられるねじ取付部36が設けられている。ねじ取付部36は、非接合面30bから垂直方向に突出する板面を備えている。その板面には、ねじ37を挿通させるための挿通孔36a(図5(b)参照)が、設けられている。
なお、プリント配線基板30とフレーム10との固定は、ねじ取付部36を使用することなく、ビス止めを行ってもよい。この場合には、プリント配線基板30に取付孔が設けられ、この取付孔の径はビスの径よりも大きく設定される。このため、プリント配線基板30の固定位置は、金属ピン26の軸方向に対して垂直方向に許容誤差がある。
プリント配線基板30は、ねじ37(図1参照)がねじ取付部36の挿通孔36aを介してフレーム10のねじ穴12a(図3参照)に嵌め合わされることにより、フレーム10の第2フレーム部12(図3参照)に固定される。
なお、プリント配線基板30の切欠部31は、同軸コネクタ20の金属ピン26と対向する位置に設けられている。切欠部31は、その側面が同軸コネクタ20の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b(図4A(b)参照))の外周面に当接する。金属ピン26の芯線径部26bは、半径rb(図4B参照)の円柱状に形成されている。プリント配線基板30の切欠部31は、その側面が、約90度の角度で、金属ピン26の芯線径部26bの半径rbと同径の円弧状に形成されている。
<実施形態1に係る基板接合方法>
以下、図6を参照して、基板接合構造2を用いた、実施形態1に係る基板接合方法につき説明する。なお、図6は、実施形態1に係る基板接合方法の一例を示す図である。実施形態1に係る基板接合方法は、作業者の手作業によって、又は、図示せぬ工作機械の作業によって、実行される。
(1)「取付部材の位置決め」工程
実施形態1に係る基板接合方法では、まず、図6(a)に示すように、「取付部材の位置決め」工程が行われる。「取付部材の位置決め」工程では、取付部材としての同軸コネクタ20の先端部分が、フレーム10の第1フレーム部11の裏面側から、第1フレーム部11に設けられた取付孔11aに挿入される。
このとき、同軸コネクタ20は、第1フレーム部11の裏面に対して前進移動する。その結果、同軸コネクタ20は、先端部分に設けられたねじ部21が、取付孔11aを通って外部に突出した状態になる。また、このとき、同軸コネクタ20は、ねじ部21の後端に設けられた固定部24の小径の段差部分が、取付孔11aの内部に入り込む。そして、同軸コネクタ20は、固定部24の大径の段差部分が、フレーム10の第1フレーム部11の板面と当接した状態になる。これにより、固定部24は、同軸コネクタ20が取付孔11aの奥にそれ以上進入するのを規制する。
同軸コネクタ20は、その状態で、ナット22が、ねじ部21に取り付けられる。したがって、ナット22は、ねじ部21上の第1フレーム11の表面側の位置(第1フレーム部11とプリント配線基板30との間の位置)に取り付けられる。その結果、同軸コネクタ20が、軸方向上の所定の位置に位置決めされる。
(2)「プリント配線基板の位置決め」工程
次に、図6(b)に示すように、「プリント配線基板の位置決め」工程が行われる。「プリント配線基板の位置決め」工程では、ねじ37が、プリント配線基板30の裏面に設けられたねじ取付部36の上方から、ねじ取付部36に設けられた挿通孔36aに挿入され、さらに、フレーム10の第2フレーム部12に設けられたねじ穴12aに嵌め合わされる。
プリント配線基板30は、ねじ穴12aに嵌め合わされたねじ37が締め付け方向に回転されることにより、切欠部31を同軸コネクタ20の金属ピン26に接近させる方向(図6(b)に示す例では、下降方向)に、スライド移動される。
その結果、フレーム10(図1参照)は、同軸コネクタ20の金属ピン26aをプリント配線基板30の板面に対して交差させた状態で、同軸コネクタ20及びプリント配線基板30を支持する。
このとき、同軸コネクタ20の金属ピン26aは、切欠部31を通って、非接合面30b(図5(b)参照)から接合面30a(図5(b)参照)に貫通するように、プリント配線基板30に並設した状態になる。
プリント配線基板30は、スライド移動されることにより、切欠部31の側面が同軸コネクタ20の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b)の外周面に当接(密着)した状態になる。その結果、プリント配線基板30は、切欠部31の開放方向上の所定の位置に位置決めされる。
なお、本実施形態1では、このとき、同軸コネクタ20の金属ピン26のフランジ26aの後端側の面(環状面26ab)とプリント配線基板30の表面(接合面30a)とが密着した状態又は非常に接近した状態になるように、フレーム10の第1フレーム部11の厚さが、所定の寸法に設定されているものとする。
プリント配線基板30は、切欠部31の側面が同軸コネクタ20の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b)の外周面に当接(密着)した状態になることにより、移動し難く(ずれ難く)なる。そのため、その状態は、良好な接合を行う上で、好ましい状態になる。したがって、プリント配線基板30のスライド移動(すなわち、ねじ37の取付方向の回転)は、好ましくは、プリント配線基板30の切欠部31の側面が同軸コネクタ20の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b)の外周面に当接(密着)した状態になるまで行われるとよい。
なお、ナット22は、好ましくは、当初、同軸コネクタ20のねじ部21に緩めに取り付けておき、プリント配線基板30の切欠部31の側面が同軸コネクタ20の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b)の外周面に当接(密着)する状態になった時点で、強く締め付けるようにするとよい。
(3)「半田付け」工程
次に、図6(c)に示すように、「半田付け」工程が行われる。「半田付け」工程では、半田40が、同軸コネクタ20の金属ピン26の先端部分に設けられたフランジ26aの外周面(特に、環状面26ab)とプリント配線基板30の表面(接合面30a)に設けられた銅箔32とを接合する。
この後、アンテナ90のプラグが、同軸コネクタ20のアンテナ装着部29に装着(接続)される。
以上により、本実施形態1に係る基板接合方法が実行される。
<実施形態1に係る基板接合構造の利点>
以下、本実施形態1に係る基板接合構造2の利点につき説明する。ここでは、まず、図7を参照して、比較例としての基板接合構造602の構成及びその欠点を説明する。その後に、図8を参照して、本実施形態1に係る基板接合構造2の利点を、比較例としての基板接合構造602の欠点に対比させて説明する。
(比較例に係る基板接合構造の欠点)
図7は、比較例に係る基板接合構造602の欠点を説明するための図である。図7(a)は、正面側の斜め下方向から見た基板接合構造602の構成を示しており、図7(b)は、側面方向から見た基板接合構造602の構成を示しており、図7(c)は、図7(b)に示すA部の構成を拡大して示している。
図7に示すように、比較例に係る基板接合構造602は、本実施形態1に係る基板接合構造2と比較すると、取付部材20の代わりに、取付部材620を用い、プリント配線基板30の代わりに、プリント配線基板630を用いる構成になっている。なお、比較例に係る基板接合構造602は、本実施形態1に係る基板接合構造2と同様に、フレーム10(図1及び図3参照)を有している。比較例に係る基板接合構造602は、ナット622によって、取付部材620をフレーム10の第1フレーム部11に固定する構成になっている。ただし、図7は、そのフレーム10を除外した状態の構成を示している。
基板接合構造602の取付部材620は、フランジが金属ピン626の先端部分に設けられていない構成になっている。また、プリント配線基板630は、孔631が板面に設けられており、接合部としての銅箔632がその孔631の周囲に設けられた構成になっている。なお、図7(c)に示す矢印は、銅箔632が設けられた範囲を示している。
比較例に係る基板接合構造602は、取付部材620の金属ピン626の先端部分をプリント配線基板630の孔631に挿通させ、その後に、半田640(図7(c)参照)によって、取付部材620の金属ピン626の先端部分とプリント配線基板630の銅箔632とを接合する構造になっている。
このような比較例に係る基板接合構造602は、図7(a)に示すように、取付部材620の金属ピン626の先端部分をプリント配線基板630の孔631に挿通させる必要がある。したがって、比較例に係る基板接合構造602は、取付部材620とプリント配線基板630との間の位置決めの自由度が低い構成になっている。そのため、比較例に係る基板接合構造602は、取付部材620の金属ピン626の先端部分とプリント配線基板630の孔631の中心位置とを正確に位置合わせする必要がある、という欠点を有する。
その結果、比較例に係る基板接合構造602は、例えば、作業者が手作業で接合を行う場合に、位置合わせに手間がかかるため、低い作業効率しか得られなかったり、また、工作機械が自動的に接合を行う場合に、取付部材620とプリント配線基板630とを正確に位置合わせするための精密な設備が必要になったりする。このような欠点は、取付部材620が小型になるほど、特に、深刻になる。
また、比較例に用いるプリント配線基板630は、端部の強度を強化したり、また、基板を加工する際に基板の端部に発生するバリ(突起)による銅箔632と金属ピン626との半田付け不良の発生を低減させたりするために、銅箔632が、孔631の外周端から一定のクリアランスを確保した位置に離間して設けられる必要がある。
比較例に係る基板接合構造602は、プリント配線基板630の銅箔632が孔631の外周端から離間して設けられる必要があるため、図7(c)に示すように、取付部材620の金属ピン626の先端部分の側面とプリント配線基板630の銅箔632とが離間した構成になる。
このような比較例に係る基板接合構造602は、取付部材620の金属ピン626の先端部分の側面とプリント配線基板630の銅箔632との間の離間距離分(レジスト部分)を埋めるように、大量に半田付けする必要がある。そのため、比較例に係る基板接合構造602は、取付部材620の金属ピン626の先端部分に対して半田640を良好に接合できない現象や、プリント配線基板630の銅箔632に対して半田640を良好に接合できない現象、取付部材620とプリント配線基板630との間で半田640が破断する現象等が高頻度に発生し易くなる。
すなわち、比較例に係る基板接合構造602は、比較的大量の半田640を必要とするため、取付部材620の金属ピン626の先端部分とプリント配線基板630の銅箔632とを良好に半田付けすることができずに、取付部材620とプリント配線基板630との間で接合不良が高頻度に発生し易くなる、という欠点を有する。
これに対し、本実施形態1に係る基板接合構造2(図2(a)参照)は、取付部材20とプリント配線基板30との間の位置決めの自由度が、比較例に係る基板接合構造602の取付部材620とプリント配線基板630との間の位置決めの自由度よりも高い構成になっている。
また、本実施形態1に係る基板接合構造2は、フランジ26aの後端側の面(環状面26ab)が、プリント配線基板30の銅箔32と当接(密着)した状態になるので、比較例で用いる半田640よりも少量の半田40しか必要とせず、半田付け不良が発生しない構成になっている。
(実施形態1に係る基板接合構造の利点)
図8は、実施形態1に係る基板接合構造2の利点を説明するための図である。図8(a)は、正面側の斜め下方向から見た基板接合構造2の構成を示しており、図8(b)は、側面方向から見た基板接合構造2の構成を示しており、図8(c)は、図8(b)に示すB部の構成を拡大して示している。
図8に示すように、本実施形態1に係る基板接合構造2は、比較例に係る基板接合構造630と比較すると、取付部材620の代わりに、取付部材20を用い、プリント配線基板630の代わりに、プリント配線基板30を用いる構成になっている。
基板接合構造2の取付部材20は、比較例に係る取付部材620と比較すると、フランジ26aが金属ピン26の先端部分に設けられた構成になっている。また、プリント配線基板30は、比較例に係るプリント配線基板630と比較すると、孔631の代わりに、切欠部31がその外周の一部に設けられており、接合部としての銅箔32がその切欠部31の周囲に設けられた構成になっている。なお、図8(c)に示す矢印は、銅箔32が設けられた範囲を示している。
本実施形態1に係る基板接合構造2は、プリント配線基板30の切欠部31が取付部材20の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b)に当接するように、プリント配線基板30をスライド移動させ、その後に、半田40(図8(c)参照)によって、取付部材20の金属ピン26の先端部分に設けられたフランジ26aとプリント配線基板30の切欠部31の周囲に設けられた銅箔32とを接合する構造になっている。
このような本実施形態1に係る基板接合構造2は、比較例に係る基板接合構造602が取付部材620の金属ピン626の先端部分をプリント配線基板630の孔631に挿通させる必要があるのに対して、そのような必要がない。したがって、本実施形態1に係る基板接合構造2は、図8(a)に示すように、取付部材20とプリント配線基板30との間の位置決めの自由度が高い構成になっている。そのため、本実施形態1に係る基板接合構造2は、比較例に係る基板接合構造602よりも容易に、取付部材20とプリント配線基板30とを位置合わせすることができる、という利点を有する。
その結果、本実施形態1に係る基板接合構造2は、例えば、作業者が手作業で接合を行う場合に、位置合わせに手間がかからないため、高い作業効率を得ることができ、また、工作機械が自動的に接合を行う場合に、精密な設備を用いなくても取付部材20とプリント配線基板30とを位置合わせすることができる。このような利点は、取付部材20のサイズが小型になるほど、顕著になる。
また、本実施形態1に用いるプリント配線基板30は、端部の強度を強化したり、また、基板を加工する際に基板の端部に発生するバリ(突起)による銅箔32と金属ピン26との半田付け不良の発生を低減させたりするために、銅箔32が、切欠部31の外周端から一定のクリアランスを確保した位置に離間して設けられている。
本実施形態1に係る基板接合構造2は、プリント配線基板30の銅箔32が切欠部31の外周端から離間して設けられているため、図8(c)に示すように、取付部材20の金属ピン26の先端付近の胴体部分(芯線径部26b)とプリント配線基板30の銅箔32とが離間した構成になる。
しかしながら、本実施形態1に係る基板接合構造2は、フランジ26aが取付部材20の金属ピン26の先端部分に形成されている。そのため、取付部材20の金属ピン26は、たとえ、プリント配線基板30の銅箔32が切欠部31の外周端から離間して設けられていても、先端部分のフランジ26aが、プリント配線基板30の銅箔32に近接した状態、又は、銅箔32に当接した状態になる。
したがって、本実施形態1に係る基板接合構造2は、取付部材20の金属ピン26の先端部分とプリント配線基板30の銅箔32とが近接又は当接した構成になる。その結果、本実施形態1に係る基板接合構造2は、比較例に係る基板接合構造602と異なり、フランジ26aの後端側の面(環状面26ab)とプリント配線基板30の銅箔32との間の接触面だけ半田付けすればよく、大量に半田付けする必要がない。そのため、本実施形態1に係る基板接合構造2は、比較例に係る基板接合構造602よりも、強固に半田付けすることができる。
このような本実施形態1に係る基板接合構造2は、取付部材20の金属ピン26の環状面26abとプリント配線基板30の銅箔32とを良好に半田付けすることができ、比較例に係る基板接合構造602よりも、取付部材20とプリント配線基板30との間での接合不良の発生を低減させることができる、という利点を有する。このことは、製品の落下、振動、及び、衝撃に対する接合部分の強度のアップにもつながるため、製品の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態1に用いる取付部材20の金属ピン26は、図4Bに示すように、円柱状に形成された母材に対して、先端部分を残して、胴体部分の切削加工部26cを円柱状に切削加工することによって、フランジ26aと、丸型の図示せぬ芯線と同じ径の芯線径部26bとを備える形状に形成されている。本実施形態1に係る基板接合構造2は、取付部材20を構成する部材として、このような金属ピン26を用いているため、加工の容易性の向上や、材料の共通化等の利点を有する。
また、一般に、無線機1では、プリント配線基板30に接合される構成要素(ここでは、金属ピン)は、プリント配線基板30の板面から大きく突出していたり、角張っていたりすると、ノイズを受け易くなり、また、ノイズを輻射し易くなる。そのため、プリント配線基板30に接合される構成要素は、プリント配線基板30の板面から大きく突出せず、また、角張っていない方が、耐ノイズ性の向上や輻射ノイズの軽減等の観点で優れている。この点について、取付部材20の金属ピン26は、フランジ26aが先端部分に設けられているため、プリント配線基板30の板面(接合面30a(図5(b)参照))から大きく突出させる必要がない。また、取付部材20の金属ピン26は、フランジ26aが先端部分に設けられているため、先端部分の角張った部分が目立たなくなる。そのため、本実施形態1に係る基板接合構造2は、無線機1の耐ノイズ性の向上や輻射ノイズの軽減等の利点を有する。
以上の通り、本実施形態1に係る基板接合構造2によれば、取付部材20とプリント配線基板30との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材20とプリント配線基板30との間の接合不良の発生を低減させることができる。
[実施形態2]
実施形態1に係る基板接合構造2は、取付部材としての同軸コネクタ20の軸方向の位置が、フレーム10の第1フレーム部11の厚さ、及び、同軸コネクタ20のねじ部21の長さ(ねじ部21の先端から固定部24までの距離)によって規定される。そのため、実施形態1に係る基板接合構造2は、軸方向における同軸コネクタ20の位置合わせの自由度が低い構成になっている。このような実施形態1に係る基板接合構造2は、フレーム10の第1フレーム部11の厚さや同軸コネクタ20のねじ部21の長さを所定の値に設定する必要がある。
これに対して、本実施形態2に係る基板接合構造102は、軸方向における取付部材としての同軸コネクタ120の位置合わせの自由度を向上させた構成とする。
<基板接合構造の構成>
以下、図9及び図10を参照して、本実施形態2に係る基板接合構造102の構成につき説明する。なお、図9は、実施形態2に係る基板接合構造102の全体構成を示す図である。図10は、実施形態2に係る基板接合構造102の部分的な構成を示す図である。
図9に示すように、本実施形態2に係る基板接合構造102は、フレーム110、取付部材120、ナット122、及び、プリント配線基板30を有する構成になっている。ここでは、実施形態1と同様に、本実施形態2に係る電子装置101が無線機として構成されており、また、取付部材120が同軸コネクタとして構成されている場合を想定して説明する。以下、電子装置101を「無線機101」と称する場合がある。また、取付部材120を「同軸コネクタ120」と称する場合がある。
フレーム110は、取付部材120及びプリント配線基板30を支持する支持部材である。
取付部材120は、プリント配線基板30に取り付けられる部材である。取付部材120は、実施形態1に係る取付部材20と同様に、金属ピン26が先端部分に設けられている。
ナット122は、取付部材120をフレーム110に固定する固定部材である。
基板接合構造102は、フレーム110が、取付部材120の金属ピン26をプリント配線基板30の板面に対して交差させた状態で、取付部材120及びプリント配線基板30を支持する。図10は、フレーム110によって支持された取付部材120とプリント配線基板30との位置関係を、フレーム110を除外して示している。図10(a)は、斜め上方向から見た取付部材120とプリント配線基板30との位置関係を示しており、また、図10(b)は、正面方向から見た取付部材120とプリント配線基板30との位置関係を示している。
図10に示すように、フレーム110(図9参照)は、取付部材120の金属ピン26の胴体部分の外周面とプリント配線基板30の切欠部31の側面とが当接するように、取付部材120とプリント配線基板30とを支持する。
これにより、基板接合構造102は、取付部材120の金属ピン26の先端部分とプリント配線基板30の切欠部31の周囲に設けられた銅箔32とを半田付けすることが可能になる。
<基板接合構造の各構成要素の構成>
(フレームの構成)
以下、図11を参照して、フレーム110の構成につき説明する。なお、図11は、実施形態2に用いるフレーム110の構成を示す図である。
本実施形態2に用いるフレーム110は、実施形態1に用いるフレーム10(図3参照)と比較すると、第1フレーム部11(以下、「第1フレーム部111」と称する)の厚さを厚くして、第1フレーム部111のプリント配線基板30の非接合面30bに対向する側の面と第2フレーム部12(以下、「第2フレーム部112」と称する)のプリント配線基板30の非接合面30bに対向する側の面とが同一平坦面になるように構成した点で相違している。
フレーム110は、第1フレーム部111に取付部材としての同軸コネクタ120を取り付けるための取付孔111aを備えており、また、実施形態1に係るフレーム10と同様に、第2フレーム部112にねじ37(図9参照)を取り付けるためのねじ穴12aを備えている。なお、取付孔111aは、実施形態1の取付孔11aと異なり、ねじ孔として構成されており、同軸コネクタ120に形成されたねじ部121(図12(b)参照)に対応する雌ねじが内周面に形成されている。また、取付孔111aは、実施形態1の取付孔11aと異なり、取付孔11aに設けられていた図示せぬ係合部が設けられていない。
(取付部材の構成)
以下、図12を参照して、取付部材としての同軸コネクタ120の構成につき説明する。なお、図12は、実施形態2に用いる取付部材(ここでは、同軸コネクタ120)の構成を示す図である。図12(a)は、正面方向(先端方向)から見た同軸コネクタ120の構成を示しており、図12(b)は、側面方向から見た同軸コネクタ120の構成を示しており、図12(c)は、背面方向(後端方向)から見た同軸コネクタ120の構成を示している。
同軸コネクタ120は、実施形態1に係る同軸コネクタ20と同様に、その先端に金属ピン26を備えており、さらに、その後端にアンテナ装着部29(図12(c)参照)を備えている。
同軸コネクタ120は、実施形態1に係る同軸コネクタ20と同様に、内部に図示せぬ芯線を収容している。芯線は、その先端が金属ピン26の後端付近に接続されており、その周囲が図示せぬ絶縁物及びカバー部材としてのシェル123(図12(b)参照)によって覆われている。
シェル123は、その先端部分から金属ピン26を突出させた構成になっている。また、シェル123は、その軸方向の外周面の金属ピン26の後方に位置する部分に、ねじ部121が形成されている。なお、ねじ部121は、実施形態1のねじ部21と異なり、ねじ部21に設けられていた図示せぬ被係合部が設けられていない。
ねじ部121には、ナット122が取り付けられる。ナット122は、同軸コネクタ120をフレーム110の第1フレーム部111に取り付ける際に、同軸コネクタ120が取付孔111aの奥に進入し過ぎるのを規制するとともに、同軸コネクタ120の軸方向における位置を調整する部材である。
同軸コネクタ120は、ナット122がねじ部121に取り付けられると、先端部分が、第1フレーム部111の一方の面から他方の面に貫通するように取付孔111aの内部にねじ込められる。これにより、同軸コネクタ120は、フレーム110の第1フレーム部111に取り付けられる。
したがって、実施形態1では、実施形態1に係るナット22がねじ部21上の第1フレーム11の表面側の位置(第1フレーム部11とプリント配線基板30との間の位置)に取り付けられるのに対して、本実施形態2では、ナット122がねじ部121上の第1フレーム111の裏面側の位置にねじ込められる。
ナット122は、先端側の面に段差を有する構成になっている。ナット122は、同軸コネクタ120がフレーム110の第1フレーム部111にねじ込められる際に、先端側の面の小径の段差部分のみが取付孔111aの内部に入り込み、先端側の面の大径の段差部分がフレーム110の第1フレーム部111(図11参照)の板面に突き当たる。
なお、ナット122の小径の段差部分は、同軸コネクタ120を取付孔111aに円滑に取り付けることができるように、取付孔111aの内周面との間に許容誤差(例えば、公差+0.1mm,−0mm)が設けられている。すなわち、取付孔111aは、金属ピン26の軸に対する垂直面内で、同軸コネクタ120との間に許容誤差が設けられている。そのため、基板接合構造102は、金属ピン26の軸に対する垂直面内で、同軸コネクタ120を若干移動させることができる構成になっている。
ただし、ナット122の小径の段差部分と取付孔111aの内周面との間の許容誤差は、同軸コネクタ120の金属ピン26の環状面26abとプリント配線基板30の銅箔32との接合面を半田付けするのみで、余分なテンション(撓み)をプリント配線基板30に加えることなく、吸収させることができる。
<実施形態2に係る基板接合方法>
以下、図13を参照して、基板接合構造102を用いた、実施形態2に係る基板接合方法につき説明する。なお、図13は、実施形態2に係る基板接合方法の一例を示す図である。実施形態2に係る基板接合方法は、作業者の手作業によって、又は、図示せぬ工作機械の作業によって、実行される。
(1)「取付部材の仮位置決め」工程
実施形態2に係る基板接合方法では、まず、図13(a)に示すように、「取付部材の仮位置決め」工程が行われる。なお、同軸コネクタ120は、ナット122が、ねじ部121に予め取り付けられた状態になっている。「取付部材の仮位置決め」工程では、取付部材としての同軸コネクタ120の先端部分が、フレーム110の第1フレーム部111の裏面側から、第1フレーム部111に設けられた取付孔111aに挿入される。
このとき、同軸コネクタ120は、第1フレーム部111の裏面からねじ入れされる。その結果、同軸コネクタ120は、先端部分に設けられたねじ部121が、取付孔111aを通って外部に突出した状態になる。また、このとき、ねじ部21に取り付けられたナット122は、先端側の面の小径の段差部分が、取付孔111aの内部に入り込む。そして、ナット122は、先端側の面の大径の段差部分が、フレーム110の第1フレーム部111の板面と当接した状態になる。これにより、ナット122は、同軸コネクタ120が取付孔111aの奥にそれ以上進入するのを規制する。その結果、同軸コネクタ120が、軸方向上の仮の位置に位置決めされる。
(2)「プリント配線基板の位置決め」工程
次に、図13(b)に示すように、「プリント配線基板の位置決め」工程が行われる。「プリント配線基板の位置決め」工程では、ねじ37が、プリント配線基板30の裏面に設けられたねじ取付部36の上方から、ねじ取付部36に設けられた挿通孔36aに挿入され、さらに、フレーム110の第2フレーム部112に設けられたねじ穴12aに嵌め合わされる。
プリント配線基板30は、ねじ穴12aに嵌め合わされたねじ37が締め付け方向に回転されることにより、切欠部31を同軸コネクタ120の金属ピン26に接近させる方向(図13(b)に示す例では、下降方向)に、スライド移動される。
その結果、フレーム110(図9参照)は、同軸コネクタ120の金属ピン26aをプリント配線基板30の板面に対して交差させた状態で、同軸コネクタ120及びプリント配線基板30を支持する。
このとき、同軸コネクタ120の金属ピン26aは、プリント配線基板30の切欠部31を通って、非接合面30b(図5(b)参照)から接合面30a(図5(b)参照)に貫通した状態になる。
プリント配線基板30は、スライド移動されることにより、切欠部31の側面が同軸コネクタ120の金属ピン26の胴体部分(芯線径部26b)の外周面に当接(密着)した状態になる。その結果、プリント配線基板30は、切欠部31の開放方向上の所定の位置に位置決めされる。
(3)「取付部材の本位置決め」工程
次に、図13(c)に示すように、「取付部材の本位置決め」工程が行われる。「取付部材の本位置決め」工程では、取付部材としての同軸コネクタ120は、同軸コネクタ120が後退方向に回転されることにより、後退移動する。
その結果、同軸コネクタ120は、金属ピン26の先端部分に設けられたフランジ26aの後端側の面(環状面26ab)が、プリント配線基板30の表面(接合面30a)と当接(密着)した状態になる。すなわち、フレーム110は、同軸コネクタ120のフランジ26aの後端側の面(環状面26ab)がプリント配線基板30の接合面30aに当接(密着)した状態で、同軸コネクタ120及びプリント配線基板30を支持する。その結果、同軸コネクタ120が、軸方向上の所定の位置に位置決めされる。
なお、同軸コネクタ120及びプリント配線基板30は、同軸コネクタ120のフランジ26aの後端側の面(環状面26ab)がプリント配線基板30の接合面30aに当接(密着)した状態になることにより、互いに移動し難く(ずれ難く)なる。そのため、その状態は、良好な接合を行う上で、特に好ましい状態になる。したがって、同軸コネクタ120の後退移動(すなわち、同軸コネクタ120の後退方向の回転)は、好ましくは、同軸コネクタ120のフランジ26aの後端側の面(環状面26ab)がプリント配線基板30の表面(接合面30a)と密着した状態になるまで行われるとよい。
この後、ねじ部121に取り付けられたナット122が、締め付け方向に回転される。これにより、同軸コネクタ120が、軸方向上の所定の位置に固定される。
(4)「半田付け」工程
次に、図13(d)に示すように、「半田付け」工程が行われる。「半田付け」工程では、半田40が、同軸コネクタ120の金属ピン26の先端部分に設けられたフランジ26aの外周面(特に、環状面26ab)とプリント配線基板30の表面(接合面30a)に設けられた銅箔32とを接合する。
この後、アンテナ90のプラグが、同軸コネクタ120のアンテナ装着部29に装着(接続)される。
以上により、本実施形態2に係る基板接合方法が実行される。
<実施形態2に係る基板接合構造の利点>
本実施形態2に係る基板接合構造102は、実施形態1に係る基板接合構造2と同様の利点を有する。
しかも、本実施形態2に係る基板接合構造102は、実施形態1に係る基板接合構造2よりも、軸方向における同軸コネクタ120の位置合わせの自由度を向上させることができる、という利点を有する。そのため、本実施形態2に係る基板接合構造102は、軸方向における同軸コネクタ120の位置を自由に調整することができる。このような本実施形態2に係る基板接合構造102は、フレーム110の第1フレーム部111の厚さや同軸コネクタ120のねじ部121の長さの設定範囲を広げることができる。
以上の通り、本実施形態2に係る基板接合構造102によれば、実施形態1に係る基板接合構造2と同様に、取付部材120とプリント配線基板30との間の位置決めの自由度を向上させることができるとともに、取付部材120とプリント配線基板30との間の接合不良の発生を低減させることができる。
しかも、本実施形態2に係る基板接合構造102によれば、実施形態1に係る基板接合構造2よりも、軸方向における同軸コネクタ120の位置合わせの自由度を向上させることができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、実施形態1では、無線機1に用いる同軸コネクタ120を取付部材とし、同軸コネクタ120対プリント配線基板30の半田接合を行う場合を例にして説明した。しかしながら、本発明は、取付部材120として、同軸コネクタ120の代わりに、フランジが先端部分に形成された金属ピンを備えかつその金属ピンが配線パターンに接続されたプリント配線基板(図示せず)を用いることにより、基板対基板の半田接合を行うことができる。
1,101 電子装置(無線機)
2,102 基板接合構造
10,110 フレーム(支持部材)
11,111 第1フレーム部
11a,111a 取付孔
12,112 第2フレーム部
12a ねじ穴
20,120 同軸コネクタ(取付部材)
21,121 ねじ部
22,122 ナット(固定部材)
23,123 シェル
24 固定部
26 金属ピン
26a フランジ
26aa 円形面
26ab 環状面
26b 芯線径部
26c 切削加工部
29 アンテナ装着部
30 プリント配線基板
30a 接合面
30b 非接合面
31 切欠部
32 銅箔(接合部)
33 配線パターン
36 ねじ取付部
36a 挿通孔
37 ねじ
40 半田
90 アンテナ

Claims (9)

  1. フランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、
    切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、
    前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材と、
    前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを有し、
    前記支持部材には、前記金属ピンの軸方向に沿って、前記取付部材が取り付けられる取付孔が形成されており、
    前記固定部材は、前記取付孔に挿通された前記取付部材を所定の位置で固定し、
    前記取付部材の前記金属ピンは、前記フランジの外周面が前記プリント配線基板の前記銅箔に接合されてい
    ことを特徴とする基板接合構造。
  2. 請求項に記載の基板接合構造において、
    前記取付孔は、前記金属ピンの軸に対する垂直面内で、前記取付部材との間に、許容誤差が設けられている
    ことを特徴とする基板接合構造。
  3. フランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、
    切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、
    前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材と、
    前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを有し、
    前記取付部材の前記金属ピンは、前記フランジが断面視T字状に形成されており、前記フランジの外周面が前記プリント配線基板の前記銅箔に接合されている
    ことを特徴とする基板接合構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の基板接合構造において、
    前記プリント配線基板は、前記切欠部と前記銅箔との間が、離間して設けられており、
    前記フランジは、前記金属ピンの軸に対する垂直面内の、前記金属ピンの胴体部分からの突出量が、前記切欠部と前記銅箔との間の離間距離よりも大きい
    ことを特徴とする基板接合構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の基板接合構造において、
    前記取付部材は、前記フランジの先端側の面を円形面とし、前記フランジの後端側の面を環状面とし、
    前記支持部材は、半田が前記取付部材の前記フランジと前記プリント配線基板の前記銅箔とを接合する前の状態時に、前記環状面が前記プリント配線基板の前記銅箔が形成されている側の面に当接している状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板が支持されている
    ことを特徴とする基板接合構造。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の基板接合構造において、
    前記取付部材の前記金属ピンは、その胴体部分が円柱状に形成されており、
    前記プリント配線基板の前記切欠部は、前記金属ピンの胴体部分の半径と同径の円弧状に形成されている
    ことを特徴とする基板接合構造。
  7. 同軸コネクタ及びプリント配線基板を備えた無線機において、
    前記同軸コネクタを取付部材とし、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の基板接合構造を備える
    ことを特徴とする無線機。
  8. フランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持し、かつ、前記金属ピンの軸方向に沿って取付孔が形成された支持部材と、前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを用いて、半田によって前記取付部材の前記金属ピンと前記プリント配線基板の銅箔とを接合する基板接合方法であって、
    前記取付部材が、前記支持部材の前記取付孔に挿通されることによって前記金属ピンの軸方向に沿って移動可能に支持された状態で、前記固定部材によって前記金属ピンの軸方向上の所定の位置に位置決めされる前記取付部材の位置決め工程と、
    前記プリント配線基板が、前記支持部材によって前記切欠部の開放方向に沿って移動可能な状態で支持されて、前記切欠部の開放方向上の所定の位置に位置決めされる前記プリント配線基板の位置決め工程と、
    前記取付部材の前記金属ピンの前記フランジと前記プリント配線基板の前記銅箔とが、前記半田によって接合される半田付け工程とを含む
    ことを特徴とする基板接合方法。
  9. 断面視T字状に形成されたフランジが先端部分に形成された金属ピンを備える取付部材と、切欠部がその外周の一部に形成されているとともに、少なくとも当該切欠部の周囲の板面上に銅箔が形成されているプリント配線基板と、前記取付部材の前記金属ピンを前記プリント配線基板の前記板面に対して交差させた状態で、前記取付部材及び前記プリント配線基板を支持する支持部材と、前記取付部材を前記支持部材に固定する固定部材とを用いて、半田によって前記取付部材の前記金属ピンと前記プリント配線基板の銅箔とを接合する基板接合方法であって、
    前記取付部材が、前記支持部材によって前記金属ピンの軸方向に沿って移動可能に支持された状態で、前記固定部材によって前記金属ピンの軸方向上の所定の位置に位置決めされる前記取付部材の位置決め工程と、
    前記プリント配線基板が、前記支持部材によって前記切欠部の開放方向に沿って移動可能な状態で支持されて、前記切欠部の開放方向上の所定の位置に位置決めされる前記プリント配線基板の位置決め工程と、
    前記取付部材の前記金属ピンの前記フランジと前記プリント配線基板の前記銅箔とが、前記半田によって接合される半田付け工程とを含む
    ことを特徴とする基板接合方法。
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