JP5852712B1 - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズによるモータドライバの故障を抑制する。【解決手段】パチンコ遊技機は、可動役物115を動作させる駆動モータ46と、駆動モータ46の動作を制御するモータドライバ427と、駆動モータ46およびモータドライバ427を接続する接続線にアノードを接続し、所定の電圧をカソードに印加した第1ダイオード621と、駆動モータ46およびモータドライバ427を接続する接続線にカソードを接続し、アノードを接地した第2ダイオード622とを備えている。【選択図】図40

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技球が始動口等の役物に入賞することにより大当たりの抽選が行われる。そして、大当たりに当選した場合には、遊技機は、大入賞口が開放されて、多くの賞球を獲得し得る大当たり遊技状態となる。また、遊技機では、遊技者による遊技球の遊技に伴って、画像表示部での表示や各種のランプの点灯、スピーカによる音響等の各種の演出が行われる。
そして、例えば演出に用いられる演出部材には、回転動作や移動動作等を行うためのモータが設けられる。そして、モータの動作を制御するモータドライバが設けられ、モータドライバによって所定のタイミングや所定の動作量にてモータが動作する。
例えば特許文献1には、遊技機に関する以下の構成が記載されている。プリスケーラおよびパルス発生器は、基本回路からの表示制御コマンドデータに応じた周波数のパルス信号を出力する。また、モータコントロール回路は、マイクロステップ駆動のための電流値を示す信号を生成する。そして、PWM変換器は、駆動電流値を示す信号をPWM変換し、ブリッジドライバは、ステッピングモータの各相にマイクロステップ駆動による駆動電流を流す。
特開平11−019298号公報
ところで、例えば静電気やモータの逆起電力などのノイズが、モータを制御するモータドライバに伝送されるおそれがあった。このような場合に、モータドライバの耐圧を越えるような電圧のノイズがモータドライバにかかることによって、モータドライバが故障する可能性があった。
本発明は、ノイズによるモータドライバの故障を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機100は、可動部材(例えば、可動役物115)を動作させるモータ(例えば、駆動モータ46)と、前記モータ(例えば、駆動モータ46)の動作を制御するモータドライバ(例えば、モータドライバ427)と、前記モータ(例えば、駆動モータ46)および前記モータドライバ(例えば、モータドライバ427)を接続する接続線にアノードを接続し、所定の電圧をカソードに印加した第1ダイオード(例えば、第1ダイオード621)と、前記モータ(例えば、駆動モータ46)および前記モータドライバ(例えば、モータドライバ427)を接続する接続線にカソードを接続し、アノードを接地した第2ダイオード(例えば、第2ダイオード622)と、前記モータ(例えば、駆動モータ46)および前記モータドライバ(例えば、モータドライバ427)を接続する接続線に対して、前記第1ダイオード(例えば、第1ダイオード621)および前記第2ダイオード(例えば、第2ダイオード622)よりも前記モータドライバ(例えば、モータドライバ427)に近い位置に接続するチップビーズ(例えば、チップビーズ63)と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記モータドライバ(例えば、モータドライバ427)、前記第1ダイオード(例えば、第1ダイオード621)、前記第2ダイオード(例えば、第2ダイオード622)および前記チップビーズ(例えば、チップビーズ63)が実装されるとともに、前記可動部材とは別に構成される基板(例えば、第2基板421)を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、ノイズによるモータドライバの故障を抑制することができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 (a)は遊技盤の右下に配設された表示器の一例を示す拡大図であり、(b)はパチンコ遊技機の部分平面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態の遊技制御部の機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態の遊技制御部の主要動作を示すフローチャートである。 始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。 特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大当たり判定処理の内容を示すフローチャートである。 変動パターン選択処理の内容を示すフローチャートである。 停止中処理の内容を示すフローチャートである。 客待ち設定処理の内容を示すフローチャートである。 普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。 大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。 遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。 電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)はリーチ乱数の構成例を示す図であり、(d)は当たり乱数の構成例を示す図である。 変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。 演出制御部の動作を示すフローチャートであり、(a)はメイン処理を示す図、(b)は割り込み処理を示す図である。 コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 モードフラグの設定例を示す図である。 図20の演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の変動演出終了中処理の内容を示すフローチャートである。 図20の当たり演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20のエンディング演出選択処理の内容を示すフローチャートである。 図20の客待ちコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。 演出ボタン処理の内容を示すフローチャートである。 遊技制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 演出制御部のRAMの構成例を説明するブロック図であり、(a)は保留記憶領域の構成を示すブロック図であり、(b)は(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。 事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図であり、(a)は事前判定処理での大当たり乱数の構成例を示す図であり、(b)は事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例を示す図であり、(c)は事前判定処理でのリーチ乱数の構成例を示す図である。 事前判定処理の内容を示すフローチャートである。 演出制御部による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。 本実施の形態の可動役物の全体構成図である。 実施の形態1のパチンコ遊技機の動作の一例を示す図である。 変形例1のパチンコ遊技機を示す図である。 変形例2のパチンコ遊技機を示す図である。 変形例3の可動役物を示す図である。 実施の形態2のパチンコ遊技機を説明するための図である。 実施の形態3の第2基板の回路構成を示す図である。 実施の形態4の第2基板の回路構成を示す図である。 実施の形態5の第2基板の回路構成を示す図である。 本実施の形態のモータドライバに対する管理制御を説明するブロック図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
なお、以下の説明において、図1に示すパチンコ遊技機100の紙面上側と紙面下側との方向を上下方向と称し、紙面左側と紙面右側との方向を左右方向と称する。さらに、図1に示すパチンコ遊技機100に対して遊技者が遊技をする側を前側と称し、その逆側を後側と称する。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面114aを備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
また、遊技盤110は、遊技くぎや風車などの種々の役物等が直接取り付けられる板状の部材である遊技板部材110aを有している。遊技板部材110aには、例えばベニヤなどの木材や樹脂材料を用いることができる。
本実施の形態では、遊技板部材110aとして例えばポリカーボネート(PC)やアクリルなどの合成樹脂を用いている。さらに、本実施の形態では、図1に示すように、遊技板部材110aの中央部には開口部110Hを形成している。そして、開口部110Hには、主に画像表示部114の表示画面114aが対向するように設けられる。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件において低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い時短状態とを有している。そして、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていても良い。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給されたAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。なお、本実施の形態において、パチンコ遊技機100の電源電圧は35Vに設定している。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図2(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図2(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、第2始動口122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部330各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップ123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図3に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部234による判定に用いられる。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、図17に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば15回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の開放動作を制御する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部200により行われる。そして、この遊技制御部200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部330により賞球の払い出しの制御が行われる。
図5は、遊技制御部200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図4を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)501〜S506)。
乱数更新処理(S501)では、遊技制御部200の乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200の乱数取得部231は、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200の普通図柄判定部232は、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、所定の条件に基づいて電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S505)では、遊技制御部200の賞球処理部239は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S506)では、遊技制御部200の出力制御部240は、演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、S505までの各処理において生成され、RAM203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図6は、図5のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S602でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S603)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S604)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちS605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。S605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図6を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S607)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S608)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S608でYes)、次に遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S609)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S610)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(S611)。この事前判定処理の内容は、上記のS605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部200は、S609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。S611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S702でYes)、次に遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S703)。そして、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S704)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
S704で乱数値が取得された後、遊技制御部200は、S703による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S705)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図8は、図5のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(S801でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S802)。特別図柄変動中でない場合(S802でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図6参照)に関する処理を行う(S803〜S806)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S803)。保留数U2が1以上である場合(S803でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S804)。一方、保留数U2=0である場合は(S803でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S805)。保留数U1が1以上である場合(S805でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S806)。一方、保留数U1=0である場合は(S805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S816)。
S804またはS806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S816、図12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S808、S809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図2に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S811)。S811でセットされた変動開始コマンドは、図5のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S802で特別図柄変動中と判断された場合(S802でYes)、またはS811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S812)。すなわち、S810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S812でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S815)。停止中処理の内容については後述する。S814でセットされた変動停止コマンドは、図5のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS604またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
S901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S902でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たり、短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図6のS604またはS610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図17(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S904)。
S901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S902でNo、S905でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S906)。
S901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S902、S905でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1001)。そして、大当たりだった場合(S1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1002)。
一方、大当たりしなかった場合(S1001でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1003)。リーチ演出を行うか否かは、図6のS604またはS610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1005)。また、リーチ演出を行わない場合(S1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図6のS604またはS610で取得した変動パターン乱数値およびS1002、1005、1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1007)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1008)。S1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図8のS811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図5のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1101でNo)またはS1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(S1103でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(S1105でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1107)。そして、抽選回数X=0であれば(S1107でYes)、確変フラグをOFFにする(S1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(S1105でNo)またはS1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(S1107でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1109)。そして、大当たりだった場合(S1109でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(S1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図17(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1109でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1110でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1111)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1110でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1112)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1111またはS1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1113)。また、遊技制御部200は、S1101において時短フラグがONであって、S1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1114)。同様に、S1105において確変フラグがONであって、S1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(S1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1109でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1115)。小当たりでなかった場合は(S1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
S1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1117)。ここで、オープニング動作の内容は、S1111、S1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1202)、客待ちフラグをONにする(S1203)。S1202でセットされた客待ちコマンドは、図5のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図13は、図5のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図16)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1301でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1302)。普通図柄変動中でない場合(S1302でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図7参照)が1以上か判断する(S1303)。保留数G=0である場合は(S1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1303でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算し(S1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1305)。当選したか否かは、図7のS704で取得した当たり乱数の値が、後述する図17(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1307)。この変動時間は、図11におけるS1104、S1114、後述の図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1307の設定内容に基づき、図2(a)および図3に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1308)。
S1308で普通図柄の変動を開始した後、またはS1302で普通図柄変動中と判断された場合(S1302でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1309)。すなわち、S1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1309でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1310)。そして、普通図柄変動制御部236は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1311)。当選したならば(S1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1312)。一方、抽選にはずれたならば(S1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図14は、図5のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1402でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1403でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1405)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1406)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1407)。
S1404の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を15回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が15回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1408)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1408でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1409でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1410)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1411でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1411でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1417でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1402で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1402でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1415)。そして、エンディング中であるならば(S1415でYes)、上記S1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1415でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1416)。そして、作動中でないならば(S1416でNo)、上記S1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1416でYes)、上記S1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、1502でYes、S1503でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502でNo、S1506でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、確変フラグをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1501、S1502、S1506でNo)、遊技制御部200は、確変フラグのみをONにし(S1509)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1510)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図16は、図5のS504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1602)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1602でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1603)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1604)。ここで、作動パターンは、図11におけるS1104、S1114、図15におけるS1504、S1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
S1602で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1602でYes)、またはS1604で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1605でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図17(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
図17(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(低確率時短遊技状態)、低確率図柄Bは短当たり(低確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは、高確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち高確率図柄Aは長当たり(高確率時短遊技状態)、高確率図柄Bは短当たり(高確率時短無遊技状態)をそれぞれ表す。潜確図柄は、高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として75個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、75/250(=3/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
以上のように、図17(b)に示す例では、第1始動口121に入賞した場合の大当たりは、高確率時短無遊技状態の大当たり(高確率図柄B、潜確図柄)となる確率が高く、第2始動口122に入賞した場合の大当たりは、高確率時短遊技状態の大当たり(高確率図柄A)となる確率が高い。このように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図5に示す乱数更新処理(S501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図6)およびゲートスイッチ処理(図7)で取得され、特別図柄処理(図8)や普通図柄処理(図13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば図17(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1001でYesの場合)の変動パターンとして、3種類の変動パターンA〜Cが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1001でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、6種類の変動パターンD〜Iが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、変動パターンDが60秒、変動パターンEが30秒、変動パターンFが15秒、変動パターンGが13秒、変動パターンHが7秒、変動パターンIが3秒にそれぞれ設定されている。すなわち、特別図柄の変動パターンは、特別図柄抽選における判定結果および特別図柄の変動時間を定める。
また、変動パターンD〜Fは、リーチ演出が行われる場合(図10のS1004でYesの場合)に選択される変動パターンであり、変動パターンG〜Iは、リーチ演出が行われない場合(図10のS1004でNoの場合)に選択される変動パターンとして設定されている。なお、特別図柄抽選の判定結果が大当たりのときには必ずリーチ演出を行うように構成しているため、変動パターンA〜Cが選択される場合においてリーチ演出の有無は参照されない。
さらに、変動パターンG〜Iのうち、変動パターンGは保留数が0個であるとき、変動パターンHは保留数が1個または2個であるとき、変動パターンIは保留数が3個または4個であるときにそれぞれ選択される変動パターンとして設定されている。すなわち、特別図柄抽選における判定の保留数が多いほど、特別図柄変動の平均時間が短くなるように設定されている。
遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図6のS604、S610参照)と、図18の設定例に示す判定結果、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
なお、図示はしていないが、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合に選択される変動パターンA〜Cのうち、最も高い割合で変動パターンAが選択され、次に高い割合で変動パターンBが選択され、最も低い割合で変動パターンCが選択されるように設定することができる。
また、図18に示した例では、遊技球が第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とを区別していないが、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞したかに応じて変動パターンの設定を異ならせることもできる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19(a)に示すメイン処理と、図19(b)に示す割り込み処理とからなる。図19(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S1902で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図19(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S1911)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S1912)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S1913)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図20は、コマンド受信処理(図19(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(S2001)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S612)、図5に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(S2001でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(S2002)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(S2003)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(S2001でNo)、またはS2003の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2004)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S811)、図5に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2004でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2005)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(S2001およびS2004でNo)、またはS2005の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2006)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図8に示した特別図柄処理においてセットされ(S814)、図5に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2006でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2007)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2001、S2004およびS2006でNo)、またはS2007の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2008)。このオープニングコマンドは、図11に示した停止中処理においてセットされ(S1118)、図5に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2008でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(S2009)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006およびS2008でNo)、またはS2009の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2010)。このエンディングコマンドは、図14に示した大入賞口処理においてセットされ(S1413)、図5に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2010でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2011)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2001、S2004、S2006、S2008およびS2010でNo)、またはS2011のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2012)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図21は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図22は、図20の演出選択処理(S2005)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(S2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2202)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2203)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(S2204)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(S2205)。
詳述しないが、S2204における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図19のS1903において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図23は、図20の変動演出終了中処理(S2007)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(S2303)。何らかの当たりである場合は(S2303でYes)、その当たりの種類に応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(S2303でNo)、次に演出制御部300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(S2305)。モードフラグが0でない場合(S2305でNo)、演出制御部300は、パラメータMを1減算し(S2306)、Mの値が0になったか否かを調べる(S2307)。Mの値が0になったならば(S2307でYes)、演出制御部300は、モードフラグを0に設定する(S2308)。
S2305でモードフラグが0であった場合(S2305でYes)、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合(S2307でNo)、またはS2308でモードフラグを0に設定した後、あるいはS2304でモードフラグを変更した後、演出制御部300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(S2309)。ここで、図21を参照すると、S2304でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、S2305でモードフラグが0であった場合およびS2308でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、S2307でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図24は、図20の当たり演出選択処理(S2009)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図25は、図20のエンディング演出選択処理(S2011)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
図26は、図20の客待ちコマンド受信処理(S2012)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S2604でYesまたはS2603でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(S2605)。タイムアップしていない場合(S2605でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S2605でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S2606)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S2607)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図27は、演出ボタン処理(図19(b)のS1912)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S2701でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S2702)。
この後、演出制御部300は、図19(b)のコマンド送信処理(S1913)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のS808、S809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図6のS605、S611参照)。
また、本実施の形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に示唆する予告演出(示唆演出)を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図6参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図28(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図28(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部204a〜204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部204a〜204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図6のS605、S611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図29は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図29(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図29(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図29(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図6のS605、S611および後述の図30参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAM203およびRAM303は、遊技制御部200および演出制御部300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部300は、事前判定結果を予告(示唆)するための予告演出を行う演出制御手段である。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図6のS605、S611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図30は、本実施の形態における事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図30(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図30(b)には事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例、図30(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図30(a)を参照すると、事前判定処理での大当たり乱数は、図17(a)に示した大当たり判定処理における大当たり乱数と同様の構成となっている。すなわち、パチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの2種類が設定されている。乱数の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。事前判定における当選確率は、低確率状態では1/300であり、高確率状態では10/300(=1/30)である。
また、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定についても、図17(a)に示した乱数と同様の構成となっている。すなわち、小当たりの当選確率は、低確率状態か高確率状態かに関わらず、3/300(=1/100)である。
図30(b)を参照すると、事前判定処理での大当たり図柄乱数は、図17(b)に示した大当たり判定処理における大当たり図柄乱数と同様の構成となっている。すなわち、第1始動口121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たり、潜確図柄の大当たりの5種類が用意されている。また、第2始動口122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、低確率図柄Aの大当たり、低確率図柄Bの大当たり、高確率図柄Aの大当たり、高確率図柄Bの大当たりの4種類が用意されている。
乱数値の範囲は、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞した場合も0〜249の250個である。また、高確率図柄Aおよび高確率図柄Bについては、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とで異なる当選値が設定されており、当選確率が異なっている。
図30(c)を参照すると、事前判定処理でのリーチ乱数は、図17(c)に示した変動パターン選択処理におけるリーチ乱数と同様の構成となっている。すなわち、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。したがって、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、事前判定により、8.8/100(=22/250)の確率でリーチ演出が行われると判定される。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図31は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S611)の内容を示すフローチャートである。
図31に示すフローチャートでは、遊技制御部200は、内部状態が高確率状態か否かを判断し(S3101)、高確率状態であると判断すると(S3101でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態となる大当たり(図30(b)に示す例では、高確率図柄Aの大当たりおよび高確率図柄Bの大当たり)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、高確率図柄Aの大当たりに当選した場合には、RAM203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率時短遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率時短遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、遊技制御部200が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(S3102)。
そして、遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(S3103)。ここでいう所定回数Xというのは、高確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、例えば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる場合を考える。この場合、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率図柄Aの大当たり(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確率時短率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留BはS3103で「YES」と判断され、保留CはS3103で「NO」と判断される。
このように、S3102およびS3103の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
遊技制御部200は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(S3103でYes)、次に、大当たり遊技後の内部状態を低確率状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3104)。なぜなら、このような保留球が先に保留されているとなれば、始動口スイッチ処理(図6参照)において保留された保留球を消化するときに、遊技状態が低確率状態になってしまうからである。
したがって、S3104でNoと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3106)、S3104でYesと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3107)。
一方、現在の遊技状態が低確率状態である場合(S3101でNo)や、現在の遊技状態が高確率状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(S3103でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、遊技制御部200は、RAM203の記憶領域204(図28参照)に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(S3105)。例えば、始動口スイッチ処理(図6参照)のS605において、記憶領域204の第6記憶部204f(図28参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部204a〜第5記憶部204e(図28参照)に高確率状態となる大当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)において今回生じた保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高確率状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に存在するとなれば、始動口スイッチ処理において今回生じた保留球を消化するときに、内部状態が高確率状態になってしまうからである。
したがって、S3105でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3107)、Yesと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3106)。
なお、詳しくは図示しないが、S3104およびS3105において、仮に、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に変更する大当たりと、大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態に変更する大当たりとが記憶領域204(図28参照)に記憶されている場合には、遊技制御部200は、これら2つの大当たりのうち、後に消化される保留球に係る事前判定情報に基づいて上記の判断(S3104、S3105)を行う。
このように、S3104およびS3105の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと内部状態が変化する場合や、低確率状態から高確率状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
この後、遊技制御部200は、選択した判定用テーブルに基づいて各乱数の判定を行い(S3108)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域204(図28参照)に記憶する(S3109)。そして、その判定結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(S3110)、大当たりまたは小当たりであった場合には(S3110でYes)、先読み結果の報知コマンド(図では単に報知コマンドと記載)をセットし(S3111)、また、ハズレであった場合(S3110でNo)には、通常コマンドをセットして(S3112)、事前判定処理が終了する。通常コマンドとは、後述の保留表示演出において事前判定(先読み)の結果を報知せず保留数の表示のみを行わせるためのコマンドである。セットされたこれらのコマンドは、保留数増加コマンド(図6のS606、S612参照)に含まれ、出力処理(図5のS506参照)において演出制御部300に送信される。
なお、事前判定処理において、図31に図示されていない制御を採用することも考えられる。例えば、ハズレであった場合(S3110でNo)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定し、リーチ演出が行われると判定したときはリーチコマンドをセットする。また、大当たりであると事前判定された場合には(S3110でYes)、大当たりの種類が事前判定される。
〔演出制御部による予告演出〕
パチンコ遊技機100では、特別図柄の変動中にさらに始動口へ遊技球が入賞して保留球が発生した場合に、表示器130(図1、2(a)参照)の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219により保留数に応じた表示が行われる。また、この表示器130による表示に加えて、演出表示の一部として、画像表示部114に保留球に関する情報(有無、保留数等)を表示する演出(保留表示演出)を行うパチンコ遊技機100がある。さらに、上記のように保留球に関して事前判定を行った場合、判定結果を報知または示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出を行うために、演出制御部300により上記の報知コマンドの受け付け処理が行われる。
上述したように、報知コマンドおよび通常コマンドは、保留数増加コマンドに含まれて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。したがって、コマンド受信処理(図19(b)のS1911および図20参照)において、保留数増加コマンドを受信した場合に、演出制御部300は、保留数の加算および保留数コマンドをセット(S2001〜S2003参照)するだけでなく、保留数増加コマンドから報知コマンドまたは通常コマンドを抽出し、RAM303に格納する。
〔報知コマンドの受け付け処理〕
図32は、演出制御部300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンドがRAM303に記憶されているか否かを判断する(S3201)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(S3201でYes)、演出制御部300は、RAM303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグをONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(S3202)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(S3201でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
次に、演出制御部300は、RAM303の第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれかにおいて、報知フラグがONとなっているか否かを判断する(S3203)。記憶部305a〜305d、306a〜306dのいずれかにおいて報知フラグがONとなっていると判断した場合(S3203でYes)、次に演出制御部300は、変動時間Tが所定値Kよりも大きいか否かを判断する(S3204)。そして、変動時間Tが所定値Kよりも大きいと判断した場合には(S3204でYes)には、予告演出(報知演出)を行うための報知演出コマンドをセットし(S3205)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
一方、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいても報知フラグがONとなっていないと判断した場合(S3203でNo)および変動時間Tが所定値K以下であると判断した場合(S3204でNo)、演出制御部300は、先読み結果を報知しない通常演出を行うための通常演出コマンドをセットし(S3206)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、保留球ごとの個別情報(第1始動口121および第2始動口122のいずれ係る保留球か、各始動口における何番目の保留球か等)を有している。また、報知演出コマンドには、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっているのかという情報も含まれている。
より詳しくは、ここにいう変動時間Tとは、大当たり判定処理(図9参照)による特別図柄が変動する時間であり、当該変動に係る変動時間ということもできる。また、所定値Kは、予告演出を行うのに必要な時間(尺)よりも大きな値である。例えば、実行しようとする予告演出の尺が3秒である場合、所定値Kとして4秒の値を採用することが考えられる。これは、変動時間Tが実行しようとする予告演出の尺よりも長くなければ、図柄変動中に予告演出を行うことができないためである。したがって、第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっている場合であっても、変動時間Tが所定値K以下である場合には、報知演出コマンドではなく通常演出コマンドがセットされる(S3203、S3204、S3206参照)。
なお、変動時間Tは、必ずしも、1回の特別図柄の変動時間(1個の入賞球(保留球)に係る特別図柄の変動が行われる時間)に限定しない。すなわち、変動時間Tとして、複数回(保留数の上限が4個である場合は2回または3回)の図柄変動が行われる時間を設定することができる。言い換えれば、複数回の変動時間を加算した時間がHの値となる。この場合、演出は、複数回の図柄変動にまたがって行われる予告演出(いわゆる連続予告)として行われる。
予告演出が複数回の図柄変動にまたがる場合は、図31のS3104に示したように全体の変動時間Tの下限値を保証するだけでなく、予告演出(連続予告)の尺に対して全体の変動時間Tの長さが余り過ぎないように、予告演出の対象となる図柄変動における変動時間を制限する必要がある。
<実施の形態1>
次に、本実施の形態の可動役物115について詳細に説明する。
ところで、例えば光を用いた演出を行う際に、インパクトのある遊技演出を行うことができれば、遊技の興趣性を高めることが可能になる。そこで、本実施の形態では、光源の光を用いて遊技演出を効果的に行う構成を採用している。
具体的には、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、遊技演出を実行する第1演出実行手段(例えば、画像表示部114,回転リール51)と、少なくとも一部が光を透過するとともに遊技者に向けて発光する発光素子(例えば、LED414,LED532)が実装されている透明基板(例えば、透明基板411,透明基板531)を有し、前記第1演出実行手段(例えば、画像表示部114,回転リール51)と重なる位置にて遊技演出を実行する第2演出実行手段(例えば、可動役物115,透明基板部53)と、を備えている。
また、遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)は、遊技演出を実行する演出実行手段(例えば、可動役物115,透明基板部53)を備える遊技機であって、前記演出実行手段(例えば、可動役物115,透明基板部53)は、遊技者に向けて発光する発光素子(例えば、LED414,LED532)が実装されている第1基板(例えば、透明基板411,透明基板531)と、前記第1基板(411,531)とは別体に設けられ、前記第1基板(例えば、透明基板411,透明基板531)と電気的に接続し、前記第1基板(例えば、透明基板411,透明基板531)に実装される前記発光素子(例えば、LED414,LED532)の発光に係わる電子部品(例えば、制限抵抗424,制限抵抗534)が実装されている第2基板(例えば、第2基板421,第2基板533)と、を備えている。
以下、これらの構成について詳細に説明する。
図33は、本実施の形態の可動役物115の全体構成図である。
可動役物115は、第1基板部41と、第1基板部41とは別体に構成された第2基板部42と、第1基板部41と第2基板部42とを機械的に接続する接続部43と、第1基板部41と第2基板部42とを電気的に接続する第1ケーブル44と、第2基板部42とランプ制御基板(不図示)とを電気的に接続する外部ケーブル45と、可動役物115を動作させる駆動モータ46と、駆動モータ46と第2基板部42とを電気的に接続するモータケーブル47を有する。
可動役物115は、本実施の形態では、上下方向において移動可能に設けられている。そして、可動役物115は、移動することによって、遊技板部材110aの後側に位置する待機状態と、画像表示部114の表示画面114aに重なる出現状態との2つの状態をとることができるように構成している(図1参照)。
(第1基板部41)
第1基板部41は、透明基板411と、透明基板411に形成される配線パターン412と、配線パターン412に電気的に接続する第1コネクタ413と、透明基板411に実装されるLED414とを有する。
透明基板411は、本実施の形態では遊技者の可視光に対して透明な樹脂材料を用いることができる。そして、透明基板411は、接続部43によって遊技機の上下方向における下側から支持された状態にて、自立できる程度のサイズおよび厚みを有している。
配線パターン412は、透明基板411の表面に設けられる。配線パターン412は、例えば銅などの導電性材料によって形成することができる。また、配線パターン412は、LED414を発光させる電気経路のパターンを形成する。
第1コネクタ413は、配線パターン412に接続する。そして、第1コネクタ413は、第1基板部41と第1ケーブル44との電気的な接続箇所を形成する。
また、本実施の形態では、第1コネクタ413は、上下方向における下側に配置される。第1基板部41は、画像表示部114の表示画面114aに重なるように構成されている。そこで、本実施の形態では、第1基板部41の端部側に第1コネクタ413を配置し、表示画面114aに第1基板部41が重なった際に、第1コネクタ413が遊技者に見えにくくなるようにしている。
LED414は、発光する半導体素子をパッケージ化したものである。LED414には、例えば白色や青色など各種の色を発光するもの用いることができる。さらに、LED414は、静電気などのノイズによる高電圧から半導体素子を保護する保護素子(不図示)が予めパッケージ化されている。従って、本実施の形態では、保護素子が、LED414とは別に透明基板411の配線パターン412上に配置されない。これによって、本実施の形態では、後述するように、透明基板411が透過する光の面積をより広くしている。
そして、本実施の形態では、LED414の光を拡散させ、面的に発光させて遊技者に見せるように構成していない。すなわち、本実施の形態では、LED414を点的に発光させ、所謂「点光り」するようにしている。LED414は、その構造上、指向性が比較的高い光源である。そして、本実施の形態では、LED414は、遊技者に向けて発光するように、発光方向が遊技者の位置する前側を向くように設定している。これによって、本実施の形態では、LED414の発光光が、遊技者に向けて直接的に到達するようにしている。
(第2基板部42)
第2基板部42は、台板420と、台板420に取り付けられる第2基板421と、第2基板421に形成される第2基板配線パターン422と、第2基板配線パターン422に電気的に接続する第2コネクタ423と、第2基板421上に実装される制限抵抗424と、第2基板配線パターン422に電気的に接続する第3コネクタ425と、台板420を移動可能に支持するスライド機構部426と、駆動モータ46の動作を制御するモータドライバ427と、第2基板配線パターン422に電気的に接続する第4コネクタ428とを有する。
台板420は、本実施の形態では略矩形状に形成された樹脂製の板部材である。つまり、本実施の形態では、台板420は不導体である。そして、台板420は、第2基板421、スライド機構部426および駆動モータ46を直接保持する。また、台板420は、接続部43を介して、第1基板部41を支持する。
第2基板421は、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた材料を用いることができる。なお、本実施の形態の第2基板421は、第1基板部41の透明基板411とは異なり、可視光を透過しないものである。ただし、第2基板421として、透明な基板を用いても構わない。
第2基板配線パターン422は、第2基板421の表面に設けられる。また、第2基板配線パターン422は、例えば銅などの導電材料によって形成することができる。そして、第2基板配線パターン422は、第1基板部41のLED414を発光させる電気経路、および駆動モータ46を動作させる電気経路のパターンを形成する。
なお、以下では、駆動モータ46を動作させる第2基板配線パターン422のうち、モータドライバ427と第4コネクタ428との間を接続する4本の接続線を、それぞれ第1接続線L1、第2接続線L2、第3接続線L3、第4接続線L4と称して区別して説明する場合がある。
第2コネクタ423は、第2基板配線パターン422に接続する。そして、第2コネクタ423は、第2基板部42と第1ケーブル44との電気的な接続箇所を形成する。
制限抵抗424は、透明基板411に実装されるLED414に流れる電流が所定以上にならないように制御するための電子部品である。制限抵抗424は、第2基板配線パターン422、第2コネクタ423および第1基板部41の第1コネクタ413を介して、第1基板部41のLED414が接続する配線パターン412と電気的に接続する。
なお、LED414に流れる電流を制御するための電子部品としては、制限抵抗424の他に、例えば定電流ダイオード(CRD:Current Regulative Diode)を用いることができる。
第3コネクタ425は、第2基板配線パターン422に接続する。そして、第3コネクタ425は、第2基板部42と外部ケーブル45との電気的な接続箇所を形成する。
第4コネクタ428は、第2基板配線パターン422に接続する。そして、第4コネクタ428は、第2基板部42と駆動モータ46との電気的な接続箇所を形成する。
スライド機構部426は、ガイド4261と、ガイド4261に設けられるラックギア4262と、ラックギア4262に対向して設けられるピニオンギア4263とを有している。
ガイド4261は、台板420の左右方向における端部に位置して、上下方向に延びて設けられる。また、ガイド4261は、不図示の固定部材によって遊技板部材110a(図1参照)に対して位置が固定されている。そして、ガイド4261は、台板420の上下方向の移動を案内する。
ラックギア4262は、ガイド4261の長手方向に沿って形成される。ラックギア4262は、ピニオンギア4263に接続する。
ピニオンギア4263は、台板420に回転可能に固定される。そして、ピニオンギア4263の歯は、ラックギア4262の歯に噛み合うように設けられる。また、ピニオンギア4263は、駆動モータ46によって回転駆動される。
モータドライバ427は、本実施の形態では、ランプ制御部320による制御に基づいて動作する。そして、モータドライバ427は、駆動モータ46に対して、電流供給や制御信号の伝送を行う。本実施の形態のように、駆動モータ46としてステッピングモータを用いる場合、モータドライバ427は、駆動モータ46に対して励磁駆動のためのパルス信号を出力する。
(接続部43)
接続部43は、第1接続部材431と、第2接続部材432とを有している。第1接続部材431および第2接続部材432は、第1基板部41と第2基板部42との間に設けられる。そして、第1接続部材431は、左右方向において透明基板411の左側の端部を支持する。一方、第2接続部材432は、左右方向において透明基板411の右側の端部を支持する。本実施の形態では、接続部43を介して、第2基板部42によって第1基板部41が支持される。
(第1ケーブル44)
第1ケーブル44は、第1基板部41の配線パターン412と、第2基板部42の第2基板配線パターン422とを電気的に接続する。そして、第1ケーブル44は、LED414に対する電力供給のための経路を形成する。
(外部ケーブル45)
外部ケーブル45は、第2基板部42の第2基板配線パターン422と、ランプ制御基板(不図示)とを電気的に接続する。そして、外部ケーブル45は、第2基板部42を介して第1基板部41のLED414に対する電力の供給、および駆動モータ46に対する電力供給と駆動信号の伝送のための経路を形成する。
(駆動モータ46)
本実施の形態の駆動モータ46には、ステッピングモータを用いることができる。駆動モータ46は、アルミダイキャストなどの金属製の筐体461と、筐体461の内部に収容される永久磁石が設けられたロータ、複数(例えば4つ)の巻線が周方向に等間隔に配置されたステータを有している。そして、本実施の形態では、筐体461が台板420に保持されている。また、本実施の形態では、筐体461は、導電性を有する。
そして、駆動モータ46は、モータドライバ427から入力されるパルス信号に基づいて、所定のタイミングで各巻線に電流が流れ、巻線が励磁される。そして、駆動モータ46は、所定のタイミングにて、所定の回転角度に回転する。本実施の形態では、駆動モータ46は、ピニオンギア4263を回転させる。
なお、駆動モータ46として用いるモータの種類は、本実施の形態のステッピングモータに限定されるものではなく、DCモータなどの各種モータを用いることができる。また、採用するモータの種類に対応させてモータドライバ427によるモータの制御を構成すれば良い。
(モータケーブル47)
モータケーブル47は、第2基板421の第2基板配線パターン422と駆動モータ46の内部回路(巻線等)とを電気的に接続する。そして、モータケーブル47は、駆動モータ46に対する電力供給と駆動信号の伝送のための経路を形成する。
〔実施の形態1のパチンコ遊技機100の動作〕
図34は、実施の形態1のパチンコ遊技機100の動作の一例を示す図である。
上記のように構成される可動役物115を用いた、遊技演出について具体的に説明する。以下の説明では、例えば画像表示部114の表示画面114aにおいて表示する装飾図柄の図柄変動に関する遊技演出について説明する。
図34(a)に示す場面では、装飾図柄画像である左装飾図柄i11、中装飾図柄i12および右装飾図柄i13のうち、左装飾図柄i11および右装飾図柄i13が揃い、中装飾図柄i12が変動している状態である。なお、この場面においては、第1基板部41は、表示画面114aとは重ならない待機状態に位置している。
そして、図34(b)に示すように、中装飾図柄i12が、既に揃っている左装飾図柄i11および右装飾図柄i13と同じ図柄にて停止しそうになるタイミングにて、第1基板部41を出現状態に移行させて第1基板部41を表示画面114aに重ねる。
本実施の形態では、図33を参照しながら説明したように、駆動モータ46によってピニオンギア4263を回転させる。ラックギア4262は、固定されたガイド4261に設けられる。そのため、ピニオンギア4263が回転することによって、ピニオンギア4263が回転可能に固定される台板420が、本実施の形態では上下方向(この場合には上側)に移動する。
本実施の形態において第1基板部41は、透明基板411を有している。そのため、第1基板部41が表示画面114aに重なった状態であっても、表示画面114aに表示される画像をそのまま透過させて遊技者に見せることができる。
その後、中装飾図柄i12の動きに対応させて、第1基板部41のLED414を発光させる。本実施の形態では、例えば中装飾図柄i12である数字の「7」の周囲にて複数のLED414を発光させて、数字の「7」の移動を引き留めるかのような遊技演出を行う。このように、本実施の形態では、可動役物115によって、装飾図柄画像の3つの装飾図柄(i11〜i13)が揃う際の遊技演出を盛り上げることができる。
なお、複数のLED414を用いて、例えば装飾図柄画像として表示される例えば数字などと同じ形状を描くように複数のLED414を発光させても良い。また、画像表示部114の表示画面114aに表示する装飾図柄画像に代えて、第1基板部41のLED414そのものによって装飾図柄を表示させても良い。
特に、本実施の形態では、LED414の発光光を直接的に遊技者に見せることで、インパクトのある光の演出を行うことができる。例えば、画像表示部114として用いられる液晶表示装置などの表示デバイスにおいて、光の強さは、表示画面114aにて一様となる。従って、画像表示部114のみによって、本実施の形態のようにLED414を用いるような比較的に輝度の高い光を用いた演出を行うことは難しい。これに対して、本実施の形態では、第1基板部41のLED414による輝度の高い光を用いた演出を行いつつ、第1基板部41の後側に配置される演出部(本実施の形態では画像表示部114)による遊技演出も両立させることで、光を用いた遊技演出を効果的に行うことができる。
そして、以上のように構成される可動役物115では、第1基板部41にLED414が実装されているものの、第1基板部41にはLED414の発光に係わる電子部品(本実施の形態では制限抵抗424)は実装されていない。一方で、第1基板部41のLED414の発光に係わる電子部品は、第1基板部41とは分離され別体に構成される第2基板部42に設けている。
これによって、本実施の形態では、例えば第1基板部41側において、第1基板部41における部品の配置の自由度を高め、また、第1基板部41の軽量化や小型化を図っている。このように、LED414を用いた遊技演出を行う際の構造的な制約を排除することで、光を用いた遊技演出を効果的に行うことが可能になる。
また、特に、本実施の形態では、透明基板411に「LED414の発光に係わる電子部品」を実装しないことによって、透明基板411を透過する光の面積を、その電子部品の分だけでも大きく確保している。従来では通常、「LED」に流れる電流を制御する電子部品は、「LED」と同じ基板に実装される。これに対して、本実施の形態では、敢えて、LED414が実装される基板とは別の他の基板に実装する。これによって、本実施の形態では、透明基板411を光が透過な範囲をより広く確保している。
なお、本実施の形態では、可動役物115は、上下方向に移動するように構成されているが、移動方向については上下方向に限定するものではない。例えば、可動役物115は、左右方向や斜め方向に移動しても構わない。
また、本実施の形態では、移動する可動役物115に第1基板部41を設け、第1基板部41が移動可能に構成される例を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、第1基板部41の位置を固定し、第1基板部41(透明基板411)が画像表示部114の表示画面114aに常に重ねられた状態で配置されてもよい。さらにまた、第1基板部41は、表示画面114aの他、遊技演出等を行う他の構造体に重なるように配置されてもよい。
さらにまた、本実施の形態では、透明基板411は、例えば配線パターン412、第1コネクタ413およびLED414が配置されていない部分において透明であって、必ずしも透明基板411の全ての領域が透明であることを限定するものではない。
さらに、本実施の形態において、透明とは、少なくとも遊技者の可視光を透過するものであることを意味する。さらに、本実施の形態では、透明基板411は、全領域のうち、例えば配線パターン412、第1コネクタ413およびLED414が形成されない残りの領域について透明に構成しているが、残りの領域について全てを透明にすることに限定されず、残りの領域の一部のみを透明に構成しても構わない。
<変形例1>
図35は、変形例1のパチンコ遊技機100を示す図である。
変形例1のパチンコ遊技機100は、基本構成が上述の実施の形態とは同様であるが、第1基板部41の構成が上述した実施の形態とは異なる。また、変形例1のパチンコ遊技機100では、前後方向において、画像表示部114と可動役物115との間に第2可動役物115Bが設けられる。すなわち、後側から前側に向けて、画像表示部114、第2可動役物115B、可動役物115、遊技板部材110aの順にそれぞれ配置される。
まず、本実施の形態の第2可動役物115Bは、図35(a)に示すように、複数の星型の部材によって構成される。また、第2可動役物115Bは、画像表示部114の表示画面114aの下側に設けられる。そして、第2可動役物115Bは、不図示の駆動モータによって、表示画面114aとは前後方向に重ならない待機状態と、表示画面114aの前側にて表示画面114aに重なる出現状態とに移動可能に設けられる。なお、第2可動役物115Bの動作は、演出制御部300のランプ制御部320によって制御される。
そして、可動役物115は、第1基板部41の配線パターン412Bの形状が、上述した実施の形態とは異なる。具体的には、図35(b)に示すように、配線パターン412Bは、星形の形状に形成される。本実施の形態の配線パターン412Bは、後側に設けられる第2可動役物115Bの概形に類似させている。
なお、配線パターン412Bは、後側に設けられる構成部材の形状や模様と同一または類似していれば、本実施の形態の星形に限定されず、各種形状に構成して構わない。
実際に、図35(c)に示すように、可動役物115および第2可動役物115Bが出現状態となり、第2可動役物115Bと重なった状態において、配線パターン412Bの形状が第2可動役物115Bの概形と類似しているため、可動役物115の配線パターン412Bが目立ち難くなっている。
変形例1の可動役物115では、第1基板部41の配線パターン412Bを銅などの可視材料によって構成している。このような場合において、変形例1の可動役物115では、配線パターン412Bの形状を、第1基板部41の後側の構造物(本実施の形態では第2可動役物115B)の形状に類似させることによって、配線パターン412Bを遊技者が認識し難くし、遊技者が配線パターン412Bを邪魔に感じないようにしている。従って、変形例1の可動役物115では、可動役物115による光の演出の効果をより高めることができる。
なお、配線パターン412(配線パターン412B)において、例えば銀メッキを施すなどによって、配線パターン412自体を目立ち難く構成してもよい。さらには、配線パターン412を透明な導電性材料をによって形成することにより、配線パターン412そのものを目立たないように形成しても構わない。
<変形例2>
図36は、変形例2のパチンコ遊技機100を示す図である。
変形例2のパチンコ遊技機100は、基本構成は上述の実施の形態とは同様であるが、第1基板部41のサイズが表示画面114aと略同等に形成される点で上述した実施の形態とは異なる。
そして、第1基板部41の透明基板411は、図36に示すように、表示画面114aの前側に配置され表示画面114aに重ねて設けられる。
続いて、変形例2が適用されるパチンコ遊技機100の演出例を説明する。
例えば表示画面114aに図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示しながら、大当たりを期待させる演出を説明する。ここでは、表示画面114aには、背景画像i1上に、表示画面114aの対角線上に沿って閃光画像i2と、装飾図柄画像i3とがそれぞれ表示されている。
ここで、変形例2のパチンコ遊技機100では、第1基板部41のLED414を、閃光画像i2の位置と表示タイミングに対応させて発光させる。具体的には、閃光画像i2が左上から右下に移動するように画像が動く場合に、複数のLED414についても左上から右下に順に移動させる。こうすることで、閃光画像i2などの表示画面114aの映像による演出と、第1基板部41におけるLED414の発光光との相乗効果で、インパクトのある演出を行うことが可能になる。
以上のように、変形例2のパチンコ遊技機100では、表示画面114aの全面にわたって透明基板411を形成し、さらに複数のLED414を表示画面114aの全体にわたって配置することによって、光の演出をさらに効果的に行うことができる。
<変形例3>
図37は、変形例3の可動役物115を示す図である。
変形例3の可動役物115は、基本構成が上述の実施の形態とは同様であるが、第1基板部41が導光板416を有している点で上述の実施の形態とは異なる。また、導光板416の端部には、可動役物115の第1基板部41に向けて光を照射する光源417が設けられる。
導光板416は、図37に示すように、透明基板411と略同じ大きさに形成される。そして、導光板416は、光源417によって、導光板416の側方から導光板416の主面と平行に入射した光を、主面に対して垂直な方向に反射させて出射させる。このように、導光板416は、光源417の光を、第1基板部41において面的に発光させる。
変形例3の可動役物115では、透明基板411は、導光板416の上に設けられる。このように構成される変形例3の可動役物115は、点光源であるLED414の点的な光の演出と、面光源である導光板416の面的な光の演出とを行うことができる。
特に、本実施の形態では、可動役物115の第1基板部41は、画像表示部114に重なるように設けられる。従って、上記の面的な光の演出および点的な光の演出に加えて、画像表示部114における表示画面114aの光の演出によって、さらに効果的な演出を行うことができる。
<実施の形態2>
図38は、実施の形態2のパチンコ遊技機100を説明するための図である。
実施の形態2のパチンコ遊技機100は、図38(a)に示すように、画像表示部114Bにおいて装飾図柄を表示する。具体的には、画像表示部114Bは、回転リールを用いて装飾図柄の表示を行うものである。
なお、画像表示部114Bは、上述したパチンコ遊技機などの弾球遊技機の他、スロットマシンなどの回胴式遊技機にも適用することができる。
画像表示部114Bは、回転リール51と、回転リール51の後側に設けられるバックライト装置52と、透明基板部53とを有する。
回転リール51は、図38(b)に示すように、無端状の帯511と、帯511に形成された装飾図柄512とを有している。帯511は、不図示の回転機構によって回転可能に設けられる。また、装飾図柄512には、回転方向において、数字、文字、絵柄等が予め定められた順序で配列されている。
そして、回転リール51は、バックライト装置52および透明基板部53によって後側から照らされることによって、バックライト装置52および透明基板部53との対向箇所が明るく見えるように構成される。具体的には、回転リール51は、帯511に形成される装飾図柄512が、透明基板部53によって照らされることによって明るく見えるように構成されている。また、回転リール51は、透明基板部53の後述するLED532によって照らされることでも、装飾図柄512が光って見えるように構成されている。
バックライト装置52は、ランプ521と、ランプ521の前側に配置される拡散板522とを有している。ランプ521は、複数(本実施の形態では3つ)設けられる。また、拡散板522は、ランプ521の光を拡散させる。これによって、バックライト装置52は、ランプ521の光が所謂「点光り」しないように構成し、面的に発光するようにしている。
透明基板部53は、透明な透明基板531と、透明基板531上に実装されるLED532と、透明基板531とは別体に設けられる第2基板533と、第2基板533上に実装される制限抵抗534と、透明基板531と第2基板533とを電気的に接続する第1ケーブル535と、第2基板533に接続する第2ケーブル536とを有する。
透明基板531は、少なくともバックライト装置52の発光光に対して透明に形成される。また、透明基板531には、図示しない配線パターンが形成される。
そして、透明基板531(LED532)は、回転リール51の帯511とバックライト装置52との間に挟まれて配置される。すなわち、透明基板531は、前後方向において帯511と重なるように設けられる。
LED532は、複数(本実施の形態では9個)設けられる。LED532の発光方向は、遊技者側である前側を向くように配置される。また、各LED532は、予め定められた位置に配置される。本実施の形態では、透明基板531の2本の対角線上に沿って並べて配置している。さらに、複数のLED532は、1つの装飾図柄512のサイズに対応し、1つの装飾図柄512を全体的に照らすことができるように配置される。
なお、本実施の形態では、透明基板部53と回転リール51との間には、例えばLED532の光を拡散させる拡散板などは設けておらず、LED532の光が回転リール51に直接届くようにしている。これによって、遊技者が、回転リール51を介して、LED532の光が点的に見えるようにしている。
第2基板533は、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた材料を用いることができる。また、第2基板533には、不図示の配線パターンが形成される。なお、第2基板533は、透明基板531とは異なり可視光を透過しないものである。
そして、第2基板533は、前後方向において回転リール51とバックライト装置52とが重なる位置とは別の領域に配置される。すなわち、第2基板533は、透明基板531とは異なる位置に設けられる。そして、第2基板533は、バックライト装置52や透明基板部53による回転リール51に対する光の照射を阻害しないように構成される。
制限抵抗534は、透明基板531に実装されるLED532に流れる電流が所定以上にならないように制御するための電子部品である。制限抵抗534は、第1ケーブル535を介して、透明基板531のLED532が接続する配線パターン(不図示)に接続する。このように、制限抵抗534は、第2基板533に実装され、透明基板531には実装されていない。
なお、LED532に流れる電流を制御するための電子部品としては、制限抵抗534の他に、例えば定電流ダイオード(CRD:Current Regulative Diode)を用いることができる。
第1ケーブル535は、透明基板531と第2基板533とを電気的に接続する。
第2ケーブル536は、第2基板533とランプ制御部320のランプ制御基板(不図示)とを電気的に接続する。
以上のように構成される実施の形態2の遊技機の動作を説明する。
図38(c)に示すように、回転リール51が回転する際などにおいては、図38(b)に示すようにバックライト装置52が点灯することによって、回転リール51の装飾図柄512を照らす。
そして、図38(c)に示すように複数の装飾図柄512が揃うような局面において、図38(b)に示すように透明基板部53のLED532を発光させる。LED532の発光光は、回転リール51において点的に見えるようにしている。実施の形態2では、LED532が複数設けられているため、図38(c)に示すように、回転リール51において複数の光の点が見える。そして、このLED532を予め定めたパターンで光らせることによって、本実施の形態では、例えば装飾図柄512の数字の「7」が対向した状態で、装飾図柄512に対して斜めに閃光が走るように複数のLED532を光らせる。
以上のように、実施の形態2では、回転リール51の装飾図柄512を照らして光らせる際に、バックライト装置52によって装飾図柄512を全体的に光らせるのみならず、透明基板部53によって装飾図柄512を部分的に光らせることができる。これによって、遊技者は、光によるインパクトのある遊技演出を楽しむことができる。
また、透明基板部53において、透明基板531は、バックライト装置52からの光を透過する透明に構成されているため、バックライト装置52による回転リール51の光の照射を阻害することがなく、バックライト装置52と透明基板部53との遊技演出を両立させることができる。
<実施の形態3>
ところで、例えば上述した実施の形態1などにおいて、可動役物115を動作させる駆動モータ46を制御するモータドライバ427に、例えば静電気や駆動モータ46の逆起電圧などのノイズが伝送され、モータドライバ427が故障する可能性があった。そこで、実施の形態3では、ノイズによるモータドライバ427の故障を抑制する構成を採用した。
図39は、実施の形態3の第2基板421の回路構成を示す図である。
なお、実施の形態3において、上述した実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態3においては、第2基板部42の第2基板421は、第2モータケーブル611と、第5コネクタ612と、抵抗素子613と、グランド線G0とを更に備えている。
第2モータケーブル611は、一方が駆動モータ46の筐体461に電気的に接続し、他方が第5コネクタ612に電気的に接続する。
第5コネクタ612は、第2モータケーブル611と第2基板421との電気的な接続箇所を形成する。
抵抗素子613は、一方が第5コネクタ612に接続し、他方がグランド線G0に接続している。
グランド線G0は、一方が抵抗素子613に接続し、他方がグランドに接続している。従って、本実施の形態のグランド線G0は、接地されており電位が0Vになっている。
以上のように構成される実施の形態3の第2基板部42において、例えば駆動モータ46において逆起電力が発生したり、駆動モータ46に対して外部から静電気が進入したりして、モータドライバ427にノイズが進入する可能性が想定される。このような場合であっても、実施の形態3では、第2モータケーブル611を介して、ノイズがグランド線G0に流れる。すなわち、駆動モータ46からモータドライバ427へのノイズの流れが防止される。その結果、ノイズがモータドライバ427に進入することに伴うモータドライバ427の故障が抑制される。
なお、実施の形態3では、グランド線G0には、抵抗素子613が設けられている。この抵抗素子613は、グランド線G0にノイズによる電流が流れる際の電流量を制限する。そして、実施の形態3では、グランド線G0に急激に電流が流れて、グランド線G0が損傷しないようにしている。
<実施の形態4>
図40は、実施の形態4の第2基板421の回路構成を示す図である。
実施の形態4の第2基板421の基本構成は、実施の形態3と同様である。ただし、実施の形態4では、第2基板421が、第1ダイオード621と、第2ダイオード622と、グランド線(第1グランド線G1,第2グランド線G2,第3グランド線G3,第4グランド線G4)とを有している点で実施の形態3とは異なる。
第1ダイオード621は、図40に示すように、第1接続線L1〜第4接続線L4にそれぞれ1つずつ設けられる。各第1ダイオード621は、各々のカソード側にて所定の電圧が印可され、アノード側にて第1接続線L1〜第4接続線L4にそれぞれ接続している。本実施の形態では、第1ダイオード621のカソード側に印可する所定の電圧は、パチンコ遊技機100において一般的に用いられる電源電圧である35Vに設定している。つまり、パチンコ遊技機100の電源電圧である35Vよりも大きい電圧は、パチンコ遊技機100内の各構成部には印可されない。そのため、パチンコ遊技機100の電源電圧よりも高い電圧は、例えばノイズの電圧とみなすことができる。そこで、本実施の形態では、第1ダイオード621のカソード側に印可する所定の電圧を、パチンコ遊技機100の電源電圧に設定している。
第2ダイオード622は、図40に示すように、第1接続線L1〜第4接続線L4にそれぞれ1つずつ設けられる。各第2ダイオード622は、各々のアノード側にて接地(0V)されている。また、第2ダイオード622は、カソード側にて第1接続線L1〜第4接続線L4にそれぞれ接続している。
第1グランド線G1〜第4グランド線G4は、それぞれ第1接続線L1〜第4接続線L4に接続する第2ダイオード622のアノードに接続している。そして、第1グランド線G1〜第4グランド線G4は、各第2ダイオード622のアノード側を接地させる。本実施の形態では、接地によって、第2ダイオード622のアノード側の電位を0Vにしている。
以上説明したとおり、実施の形態4では、例えば第1接続線L1〜第4接続線L4の各接続線に対して、一組の第1ダイオード621および第2ダイオード622が設けられるように構成している。
以上のように構成される実施の形態4の第2基板部42において、例えば駆動モータ46において逆起電力に基づくノイズが発生したり、駆動モータ46に対して外部から静電気に基づくノイズが進入したりする場合が想定される。このような場合であっても、ノイズがモータドライバ427に進入することに伴うモータドライバ427の故障が抑制される。以下、静電気に基づくノイズからのモータドライバ427の保護について具体的に説明する。なお、本実施の形態において、モータドライバ427の耐圧は約40Vとし、ノイズの電圧を+1000V/−1000Vと想定している。
例えば、第1接続線L1に対して、駆動モータ46側から例えば+1000Vのノイズが進入する場合を想定する。この場合に、+1000Vのノイズは、第1ダイオード621のカソード側に印可される+35Vに対して、相対的に高い電位となる。従って、ノイズは、第1ダイオード621が設けられる経路を流れる。その結果、+1000Vのノイズがモータドライバ427に進入することが抑制される。
また、第1接続線L1に対して、駆動モータ46側から例えば−1000Vのノイズが進入する場合を想定する。この場合に、−1000Vのノイズは、第2ダイオード622の接地されたアノードの電位0Vに対して相対的に低くなる。従って、ノイズは、第2ダイオード622が設けられる経路を流れる。その結果、−1000Vのノイズがモータドライバ427に進入することが抑制される。
本実施の形態では、第2ダイオード622のアノード側が接地(0V)されている。そのため、上記の例のように−1000Vでなくても、モータドライバ427に逆電圧がかかることが防止され、モータドライバ427の破壊が抑制されるようになっている。
なお、モータドライバ427から駆動モータ46に対して伝送される信号や電流については、第1ダイオード621および第2ダイオード622が設けられる経路を介して伝送されないように構成される。
本実施の形態では、モータドライバ427から駆動モータ46に対して伝送される信号や電流の電圧は、パチンコ遊技機100の電源電圧(一般には35V)以下となる。ここでは、モータドライバ427から出力される制御信号の電圧が仮に+5Vである場合を想定する。
モータドライバ427の制御信号は、第1ダイオード621を通る経路上において、第1ダイオード621のカソード側の電圧が相対的に高いため、第1ダイオード621のアノードからカソードの方向には流れない。一方で、第2ダイオード622を通る経路上において、モータドライバ427の制御信号は、カソードからアノードへの流れとなるため、ダイオードの機能上、流れることはない。
以上のように、実施の形態4の第2基板部42では、モータドライバ427から駆動モータ46への制御信号は伝送し、駆動モータ46側からモータドライバ427への静電気などのノイズは遮断するように構成されている。
<実施の形態5>
図41は、実施の形態5の第2基板421の回路構成を示す図である。
実施の形態5の第2基板421の基本構成は、実施の形態4と同様である。ただし、実施の形態5では、第2基板421が、チップビーズ63を有している点で実施の形態4とは異なる。
チップビーズ63は、本実施の形態では、フェライトにリード線を貫通させた素子を用いることができる。チップビーズ63は、電流が流れることによって、フェライトに磁束が発生し、磁束がインダクタとして作用する。特に、チップビーズ63は、ノイズなどの高周波である場合において抵抗成分が大きくなる。
そして、チップビーズ63は、図41に示すように、第1接続線L1〜第4接続線L4にそれぞれ1つずつ設けられる。また、実施の形態5では、チップビーズ63は、第1ダイオード621および第2ダイオード622よりもモータドライバ427に近い位置に設けている。
以上のように構成される実施の形態5の第2基板部42において、例えば駆動モータ46において逆起電力に基づくノイズが発生したり、駆動モータ46に対して外部から静電気に基づくノイズが進入したりする場合が想定される。このような場合であっても、実施の形態5では、第1接続線L1〜第4接続線L4に設けられるチップビーズ63によって、ノイズが減衰され、ノイズの電圧が低下する。その結果、ノイズがモータドライバ427に進入することに伴うモータドライバ427の故障が抑制される。
なお、本実施の形態では、第1ダイオード621および第2ダイオード622よりもモータドライバ427に近い位置に、チップビーズ63を設けている。この場合、例えば第1ダイオード621および第2ダイオード622よりもモータドライバ427に遠い位置にチップビーズ63を設けた場合と比較して、より効果的にノイズの電圧を低下させることができる。
例えば第1ダイオード621および第2ダイオード622よりもモータドライバ427に遠い位置にチップビーズ63を設けた場合、ノイズの電圧が依然として高い状態にて、チップビーズ63がノイズを減衰するため、その効果が限定的になる。
実施の形態4にて説明したように、ノイズは、第1ダイオード621または第2ダイオード622によって抑制される。ただし、第1ダイオード621または第2ダイオード622によっても抑制しきれない場合が想定される。そして、実施の形態5では、電圧が低下したノイズに対して、チップビーズ63により減衰を行うため、電圧を効果的に低減することができる。
以上のように、実施の形態3〜実施の形態5のパチンコ遊技機100では、ノイズによるモータドライバ427の故障を抑制することができる。なお、例えば、実施の形態4では実施の形態3の構成を含み、実施の形態5では実施の形態3および実施の形態4の構成を含むかたちで説明しているが、これに限定しなければノイズによるモータドライバ427の故障を抑制できないというものではない。すなわち、例えば実施の形態4においては、第1ダイオード621または第2ダイオード622を用いた対策のみであっても、ノイズによるモータドライバ427の故障が抑制できる。また、例えば実施の形態5においては、チップビーズ63を用いた対策のみであってもノイズによるモータドライバ427の故障が抑制できる。
なお、実施の形態3〜実施の形態5では、可動役物115に設けられるモータドライバ427を例に用いているが、モータドライバ427に限定するものではない。パチンコ遊技機100に設けられる各種の駆動モータのモータドライバに対して、実施の形態3〜実施の形態5に記載したノイズ対策を施すことで、モータドライバの故障を抑制することができる。
また、本実施の形態では、遊技板部材110aとして樹脂製の材料を用いている。樹脂製などの材料を用いた場合、金属の遊技球が移動した際に、静電気が発生しやすい。そのため、遊技板部材110aに樹脂製の材料を用いた場合に、実施の形態3〜実施の形態5を適用することで、モータドライバ427の故障に対する対策が有効となる。
さらにまた、本実施の形態では、可動役物115は、パチンコ遊技機100の上下方向において下側に配置される。図1に示すように、一般的に、パチンコ遊技機100の上下方向において下側には、皿153が配置される。皿153においては、遊技球同士が擦れ合って、静電気が特に発生し易い。そのため、パチンコ遊技機100の下側に可動役物115が配置される場合に、実施の形態3〜実施の形態5を適用することで、モータドライバ427の故障に対する対策が有効となる。
さらには、本実施の形態では、可動役物115は、スライド機構部426を有している。そして、スライド機構部426に近接して、駆動モータ46が設けられる。そのため、スライド機構部426における台板420とガイド4261(図33参照)とのスライド移動によって、より静電気が発生し易い。そのため、部材同士がスライドするような可動役物115にモータドライバ427が設けられる構成においては、実施の形態3〜実施の形態5のモータドライバ427の故障に対する対策が特に有効となる。
ところで、可動役物115の駆動力を供給するための駆動制御系が正常に作動しないと、抽選結果等を報知示唆する可動役物115による演出内容を実行することができず、好ましくない。そこで、本実施の形態では、可動役物115の駆動制御系の異常状態をより確実に検出することが可能な構成を採用している。
具体的には、所定の演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、駆動源(例えば、駆動モータ712,722,46)により動きの演出を行う演出体(例えば、可動役物115)と、前記駆動源(例えば、駆動モータ712,722,46)に対応して設けられ、当該対応する駆動源(例えば、駆動モータ712,722,46)を制御信号(例えば、駆動モータ712,722,46の制御信号)に応じて駆動制御する駆動制御手段(例えば、モータドライバ711,721,427)と、前記駆動制御手段(例えば、モータドライバ711,721,427)に対応して設けられ、前記制御信号(例えば、駆動モータ712,722,46の制御信号)が順次入力され、入力された制御信号(例えば、駆動モータ712,722,46の制御信号)のうち自身に対応する前記駆動制御手段(例えば、モータドライバ711,721,427)に渡す制御信号(モータ712,722,46の制御信号)を所定のタイミングで取得する取得手段(例えば、シフトレジスタ部711a,721a,427a)と、前記制御信号(例えば、駆動モータ712,722,46の制御信号)とは別の前記取得手段(例えば、シフトレジスタ部711a,721a,427a)に向けて出力される第1の信号(SRS信号)を当該取得手段711a,721a,427aを介して受信する場合に前記駆動制御手段(例えば、モータドライバ711,721,427)に対する指示を行うための第2の信号(例えば、リセット信号)の送信を保留し、第1の信号(例えば、SRS信号)を受信しない場合に第2の信号(例えば、リセット信号)の送信を行う送信部(例えば、モータドライバ管理回路部730)と、を備えている。
<SRS信号を用いるモータドライバの管理制御について>
次に、モータドライバを搭載する各種の基板、例えば上述の第2基板421に対するモータドライバ427(例えば図33参照)の管理制御について説明する。なお、第2基板部42の第2基板421を以下、中継基板421ということがある。
図42は、本実施の形態のモータドライバ427,711,721に対する管理制御を説明するブロック図である。
図42に示す演出制御基板300Bは、演出制御部300のCPU301(図3参照)、画像/音響制御部310のCPU311(同図参照)およびランプ制御部320のCPU321(同図参照)等が搭載されている基板である。
また、図42に示すベース基板710は、駆動モータ712を駆動制御するモータドライバ(モータドライブIC)711を備え、また、同図に示す中継基板720は、駆動モータ722を駆動制御するモータドライバ(モータドライブIC)721を備えている。
図42に示すように、中継基板(第2基板に相当するもの)421は、上述したように、駆動モータ46を駆動制御するモータドライバ(モータドライブIC)427を備えている。
なお、駆動モータ712,722,46はいずれも、ステッピングモータである。
演出制御基板300Bとベース基板710,720,421(同図参照)との間の通信は、マスターICとスレーブICとの間の通信を行うためのクロック同期式のシリアル通信の規格であるSPI(Serial Peripheral Interface)で行われる。
なお、かかるSPIの監視に伴い、SRS信号が出力信号(SO)に含まれている。付言すると、本実施の形態では、シリアル通信を採用するが、パラレル通信を採用することも考えられる。
これらベース基板710、中継基板720,421には、演出制御基板300Bからのクロック信号(SCLK)、ラッチ信号(SLAT)および出力信号(SO)が入力される。
モータドライバ711,721,427の各々は、出力信号(SO)の制御信号が回路内を順次移動していくように構成された論理回路を持つシフトレジスタ部711a,721a,427aを持つ。そして、モータドライバ711,721,427の各々は、ラッチ信号(SLAT)の受信時に保持する制御信号で駆動モータ712,722,46を駆動制御する。
出力信号(SO)は、演出制御基板300BからHIとLOWを交互に出力するものであり、モータドライバ管理信号(モータドライバ監視信号)が含まれる。
ここにいうモータドライバ管理信号は、モータドライバ711,721,427がノイズ等の原因によってハングアップしていることを把握するための信号であるSRS信号(SPIエラー信号)である。
より具体的に説明する。このSRS信号は、所定のタイミングで、基板710,720,421のうち最下流に位置する中継基板421のモータドライバ427がモータドライバ管理回路部730に送信する。
なお、モータドライバ711のシフトレジスタ部711aに出力信号(SO)の駆動モータ712に対する制御信号が保持され、モータドライバ721のシフトレジスタ部721aに出力信号(SO)の駆動モータ722に対する制御信号が保持され、モータドライバ427のシフトレジスタ部427aに出力信号(SO)の駆動モータ46に対する制御信号が保持された後に、ラッチ信号(SLAT)が演出制御基板300Bにより送信されると、シフトレジスタ部711a,721a,427aが保持する制御信号は、駆動モータ712,722,46に出力される。
モータドライバ管理回路部730は、所定時間内にSRS信号を受信しないとリセット信号(クリア信号)を出力するものである。より具体的には、モータドライバ管理回路部730は、タイムアップするとハードウェアをリセットするタイマを持つものであり、正常な状態(通常)ではタイマがタイムアップする前にSRS信号を受信する回路構成内に位置する。そして、タイムアップ前にSRS信号を受信するとタイマが再スタートされ、その一方で、SRS信号を受信することなくタイムアップすると、正常状態から異常状態になった場合である。そのため、モータドライバ管理回路部730は、ハードウェアを正常状態に戻すべく、リセット信号を送信する。
モータドライバ711,721,427の各々には、モータドライバ管理回路部730から出力されるリセット信号が入力される。付言すると、モータドライバ管理回路部730からのリセット信号は、モータドライバ711,721,427の各々のRESET端子に入力される。すなわち、モータドライバ管理回路部730からリセット信号が出力されると、モータドライバ711,721,427がリセットされるように構成されている。
このように、モータドライバ711,721,427のいずれも正常に作動している場合であれば、モータドライバ管理回路部730は、所定時間内にSRS信号を受け取る。そして、SRS信号を受け取った場合には、モータドライバ管理回路部730によるモータドライバ711,721,427のリセットが行われないことから、演出制御が継続されることになる。すなわち、演出制御基板300Bから次の出力信号(SO)やラッチ信号(SLAT)が送信され、これに伴う演出が実行される。
その一方で、モータドライバ711,721,427の少なくとも一つが正常に作動していない場合には、モータドライバ管理回路部730は、SRS信号を受け取ることができない。一定周期でHI/LOWを繰り返すSRS信号を受け取らない場合(一定時間信号の変化がない場合)、モータドライバ管理回路部730においてタイマがタイムアップし、リセット信号がモータドライバ711,721,427に送信される。
モータドライバ711,721,427の各々は、モータドライバ管理回路部730から送信されたリセット信号を受信すると、対応する駆動モータ712,722,46を停止させる。言い換えると、リセット信号は、駆動モータ712,722,46を停止させる信号であるということができる。
なお、演出制御基板300Bは、モータドライバ711,721,427の少なくとも一つが正常に作動していないことを認識できず、また、モータドライバ管理回路部730からリセット信号が出力されたことも認識できない。このため、演出制御基板300Bは、次の出力信号(SO)の送信やラッチ信号(SLAT)の送信等の演出制御を継続する。
しかしながら、モータドライバ711,721,427のいずれも、リセット信号により停止しており、駆動モータ712,722,46が誤作動することはない。
付言すると、リセット信号でいったん停止したモータドライバ711,721,427は、電源再投入を行うことにより復旧する。
このように、モータドライバ711,721,427のいずれも正常に作動している場合であれば、モータドライバ管理回路部730は、所定のタイミングでSRS信号を受け取る。SRS信号を受け取った場合には、モータドライバ管理回路部730は、リセット信号を出力しない。これにより、モータドライバ711,721,427は、駆動モータ712,722,46の駆動制御を継続する。
その一方で、モータドライバ711,721,427の少なくとも一つが正常に作動していない場合には、モータドライバ管理回路部730は、所定のタイミングでSRS信号を受け取ることができない。一定周期でHI/LOWを繰り返すSRS信号を受け取らない場合(一定時間信号の変化がない場合)、モータドライバ管理回路部730はリセット信号を出力する。これにより、モータドライバ711,721,427は停止し、駆動モータ712,722,46の駆動制御を行わない。
なお、クロック信号(SCLK)に同期して、出力信号(SO)が送信され、また、ラッチ信号(SLAT)が送信される。
この出力信号(SO)には、上述したようにSRS信号が含まれる。そして、SRS信号は、出力信号(SO)の先頭部分に位置するものである。すなわち、SRS信号は、出力信号(SO)として演出制御基板300Bから最初に送信されるものである。
付言すると、出力信号(SO)において、SRS信号は1ビットであるものの、SPIは8ビット単位でデータ送信されることから、3ビットをブランク信号としている。このブランク信号は、HIでもLOWでも演出制御に影響されないものである。
なお、出力信号(SO)の一部を空データ(LOW)とすることで、出力信号(SO)が非作動指示を含む場合がある。すなわち、出力信号(SO)には、動作指示のほかに非動作指示をも含ませることができる。これにより、モータドライバが正常状態であることを確認することが可能になる。
また、出力信号(SO)には、SRS信号に続いて駆動モータ712,722,46に対する信号が設定されている。すなわち、駆動モータ46の制御信号、駆動モータ722の制御信号および駆動モータ712の制御信号の順番で出力順が予め設定されている。
このような順番は、出力信号(SO)がモータドライバ711,721,427の順にシフトされていくということによるものである。すなわち、モータドライバ管理回路部730にSRS信号が送信される時点で、モータドライバ427が駆動モータ46の制御信号を保持し、また、モータドライバ721が駆動モータ722の制御信号、モータドライバ711が駆動モータ712の制御信号をそれぞれ保持(格納)することになる。
なお、本実施の形態では、出力信号(SO)として、駆動モータ712,722,46に対する制御信号がSRS信号に続いて送信される。本実施の形態では、出力信号(SO)において、駆動モータ712,722,46に対する制御信号に続くものはないが、他の制御信号をこれに続けて送信する変形例も考えられる。
<SRS信号を用いるモータドライバの管理制御の意義>
ここで、送信した出力信号(SO)を順次受け取る複数のモータドライバのうち途中のモータドライバ(例えば図42のモータドライバ721)が何らかの理由で停止してしまっている場合には、最後のモータドライバ(同図のモータドライバ427)まで出力信号(SO)が届かない。そのような事態(異常状態の発生)を演出制御基板300Bが把握できないと、例えばモータ駆動が正常に行われず、予定どおりの動きの演出が行われない。
このような異常状態の発生を検出するために、追加のセンサ等を設けることが考えられるが、異常状態の発生を確実に把握できるとは限らず、さらには、設置スペースを確保する必要性やコストダウンの実現が困難になる等の新たな問題点が生じ得る。
そこで、本実施の形態は、駆動モータ712,722,46を駆動制御するモータドライバ711,721,427のいずれかがハングアップ状態(異常状態)になっているか否かを、SRS信号の受け取りの有無によって検出する構成を採用する。
所定のタイミングでSRS信号の受け取りがない場合、モータドライバ管理回路部730は、ハングアップ状態が発生したとして、モータドライバ711,721,427のすべてに対してリセット信号を送信する。これにより、モータドライバ711,721,427に関する異常状態から正常状態へと移行することが可能になる(正常状態の復帰)。
このように、異常状態有無の検出と異常状態検出時の対処が、モータドライバ管理回路部730というハードウェアにより実現される。すなわち、本実施の形態では、かかる検出および対処をソフトウエアにより実現するものではない。
さらに説明すると、本実施の形態における監視対象は、モータドライバ711,721,427である。仮にモータドライバ711,721,427のうち製品としての信頼性が同じではなく、例えばモータドライバ711やモータドライバ427の信頼性が他のモータドライバ721に比べて低い場合について以下説明する。
この場合、監視対象をモータドライバ711,427とすることが考えられる。また、モータドライバ427により駆動される駆動モータ46がモータドライバ711により駆動される駆動モータ712よりも演出上の重要性が低い場合には、監視対象からモータドライバ427を除外する構成が考えられる。
そこで、以下の説明では、監視対象がモータドライバ711のみであるとする。なお、監視対象が、例えばモータドライバ711,721,427である場合には、以下の説明をそのように読み替えることにより適用可能である。
監視対象であるモータドライバ711の後段に、リセット信号をモータドライバ711に送信するモータドライバ管理回路部730を配置する。すなわち、モータドライバ管理回路部730は、演出制御基板300Bからの出力信号(SO)に含まれるSRS信号が順次渡される順番における後側に配置されている。言い換えると、本実施の形態では、出力信号(SO)のSRS信号がモータドライバ711に渡された後にモータドライバ管理回路部730に渡される配置構成を採用している。
付言すると、本実施の形態では、SRS信号が監視対象であるモータドライバ711から他のモータドライバ等を介してモータドライバ管理回路部730に渡されるものであるが、監視対象からモータドライバ管理回路部730に直接渡される変形例も考えられる。
このように、モータドライバ管理回路部730は、演出制御基板300Bにより送信されたSRS信号受信があればリセット信号を出力せず、なければモータドライバ711,721,427に対してリセット信号を一斉に出力するという論理回路を含む。リセット信号の受信により、モータドライバ711,721,427の制御信号がクリアされ、これにより、例えば監視対象に対応するモータが動作していたとしても、そのモータは停止する。こうして、異常状態から正常状態への復帰動作が行われる。
本実施の形態では、上述した制御を行うことから、SRS信号を含む出力信号(SO)およびラッチ信号(SLAT)を送信することで異常状態が検出されることから、実際にモータ駆動の演出が行われたことを別のセンサで検出する構成を採用する必要がなく、かつ、モータ駆動の演出を行わなくても異常状態が検出される。
また、監視対象に対応するモータで励磁状態が継続されている状態が発生しても、クリア信号(CLR)により励磁状態が停止される。言い換えると、モータ制御に対応する出力信号(SO)の部分がノイズ等によって消えてしまう事態のほかに、モータ制御に対応する出力信号(SO)の部分がノイズ等によって変わってしまう事態にも対応することが可能である。
〔SRS信号を用いるモータ制御の変形例〕
なお、モータドライバ管理回路部730を基板710,720,421のいずれかに搭載することが考えられるが、工場出荷時の検査工程の作業性を考慮すると、ベース基板710にモータドライバ管理回路部730を搭載する例が考えられる。
また、本実施の形態では、出力信号(SO)の先頭部分にSRS信号を設定した上で、出力信号(SO)が順次渡されるモータドライバ711,721,427の後側に、モータドライバ管理回路部730を配置する構成を採用するが、モータドライバ管理回路部730の位置は監視対象よりも出力信号(SO)のシフト方向後ろであれば足りる。このため、モータドライバ管理回路部730のシフト方向前側に監視対象を配置し、シフト方向後側に非監視対象を配置する変形例が考えられる。
また、本実施の形態では、SRS信号を用いてモータドライバ711,721,427の異常状態を検出する構成例や制御例を採用し、可動役物115が備える不図示のLEDドライバの異常状態の検出をしていないが、LEDドライバの異常を検出する変形例が考えられる。
本書にて可動役物115における種々の構造や制御等について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
ここで、パチンコ遊技機100(図1参照)は遊技機の一例である。
可動役物115(図33参照)は、可動部材の一例であり、モータ46(図39〜図41参照)は、モータの一例である。
モータドライバ427(図39〜図41参照)は、モータドライバの一例である。
チップビーズ63(図41参照)は、チップビーズの一例である。
第1ダイオード621(図39〜図41参照)は、第1ダイオードの一例である。
第2ダイオード622(図39〜図41参照)は、第2ダイオードの一例である。
46…駆動モータ、63…チップビーズ、100…パチンコ遊技機、115…可動役物、427…モータドライバ、621…第1ダイオード、622…第2ダイオード

Claims (2)

  1. 可動部材を動作させるモータと、
    前記モータの動作を制御するモータドライバと、
    前記モータおよび前記モータドライバを接続する接続線にアノードを接続し、所定の電圧をカソードに印加した第1ダイオードと、
    前記モータおよび前記モータドライバを接続する接続線にカソードを接続し、アノードを接地した第2ダイオードと、
    前記モータおよび前記モータドライバを接続する接続線に対して、前記第1ダイオードおよび前記第2ダイオードよりも前記モータドライバに近い位置に接続するチップビーズと、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記モータドライバ、前記第1ダイオード、前記第2ダイオードおよび前記チップビーズが実装されるとともに、前記可動部材とは別に構成される基板を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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