以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.プロジェクターの光学系
図1は、本発明の第1実施形態のプロジェクター500を示す説明図である。プロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ330R、330G、330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投写光学系350とを有している。
光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置10と、を有している。光源ユニット210は、主反射鏡112と副反射鏡50と放電灯90とを有している。放電灯点灯装置10は、放電灯90に電力を供給して、放電灯90を点灯させる。主反射鏡112は、放電灯90から放出された光を、照射方向Dに向けて反射する。照射方向Dは、光軸AXと平行である。光源ユニット210からの光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310に入射する。この平行化レンズ305は、光源ユニット210からの光を、平行化する。
照明光学系310は、光源装置200からの光の照度を液晶ライトバルブ330R、330G、330Bにおいて均一化する。また、照明光学系310は、光源装置200からの光の偏光方向を一方向に揃える。この理由は、光源装置200からの光を液晶ライトバルブ330R、330G、330Bで有効に利用するためである。照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学系320は、入射光を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの色光に分離する。3つの色光は、各色に対応付けられた液晶ライトバルブ330R、330G、330Bによって、それぞれ変調される。液晶ライトバルブ330R、330G、330Bは、液晶パネル560R、560G、560Bと、液晶パネル560R、560G、560Bのそれぞれの光入射側及び出射側に配置される偏光板を備える。変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340によって合成される。合成光は、投写光学系350に入射する。投写光学系350は、入射光を、図示しないスクリーンに投写する。これにより、スクリーン上には画像が表示される。
なお、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、クロスダイクロイックプリズム340と、投写光学系350とのそれぞれの構成としては、周知の種々の構成を採用可能である。
図2は、光源装置200の構成を示す説明図である。光源装置200は、光源ユニット210と放電灯点灯装置10とを有している。図中には、光源ユニット210の断面図が示されている。光源ユニット210は、主反射鏡112と放電灯90と副反射鏡50とを有している。
放電灯90の形状は、第1端部90e1から第2端部90e2まで、照射方向Dに沿って延びる棒形状である。放電灯90の材料は、例えば、石英ガラス等の透光性材料である。放電灯90の中央部は球状に膨らんでおり、その内には、放電空間91が形成されている。放電空間91内には、希ガス、金属ハロゲン化合物、水銀等を含む放電媒体であるガスが封入されている。
また、放電空間91内には、2つの電極92、93が、放電灯90から突き出している。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側に配置され、第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側に配置されている。これらの電極92、93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒形状である。放電空間91内では、各電極92、93の電極先端部(「放電端」とも呼ぶ)が、所定距離だけ離れて向かい合っている。なお、これらの電極92、93の材料は、例えば、タングステン等の金属である。
放電灯90の第1端部90e1には、第1端子536が設けられている。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を通る導電性部材534によって電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2には、第2端子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を通る導電性部材544によって電気的に接続されている。各端子536、546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。また、各導電性部材534、544としては、例えば、モリブデン箔が利用される。
これらの端子536、546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電灯点灯装置10は、これらの端子536、546に、交流電流を供給する。その結果、2つの電極92、93の間でアーク放電が起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置から全方向に向かって放射される。
放電灯90の第1端部90e1には、固定部材114によって、主反射鏡112が固定されている。主反射鏡112の反射面(放電灯90側の面)の形状は、回転楕円形状である。主反射鏡112は、放電光を照射方向Dに向かって反射する。なお、主反射鏡112の反射面の形状としては、回転楕円形状に限らず、放電光を照射方向Dに向かって反射するような種々の形状を採用可能である。例えば、回転放物線形状を採用してもよい。この場合は、主反射鏡112は、放電光を、光軸AXにほぼ平行な光に変換することができる。したがって、平行化レンズ305を省略することができる。
放電灯90の第2端部90e2側には、固定部材522によって、副反射鏡50が固定されている。副反射鏡50の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電空間91の第2端部90e2側を囲む球面形状である。副反射鏡50は、放電光を、主反射鏡112に向かって反射する。これにより、放電空間91から放射される光の利用効率を高めることができる。
なお、固定部材114、522の材料としては、放電灯90の発熱に耐える任意の耐熱材料(例えば、無機接着剤)を採用可能である。また、主反射鏡112及び副反射鏡50と放電灯90との配置を固定する方法としては、主反射鏡112及び副反射鏡50を放電灯90に固定する方法に限らず、任意の方法を採用可能である。例えば、放電灯90と主反射鏡112とを、独立に、プロジェクターの筐体(図示せず)に固定してもよい。副反射鏡50についても同様である。
2.第1実施形態に係る放電灯点灯装置
(1)放電灯点灯装置の構成
図3は、本実施形態に係る放電灯点灯装置の回路図の一例である。
放電灯点灯装置10は、電力制御回路20を含む。電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源80を入力とし、当該入力電圧を降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23及びコンデンサー24を含んで構成することができる。スイッチ素子21は、例えばトランジスターで構成することができる。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子及びコイル23の一端に接続されている。また、コイル23の他端にはコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子及び直流電源80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には制御部40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。
ここで、スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。
放電灯点灯装置10は、極性反転回路30を含む。極性反転回路30は、電力制御回路20から出力される直流電流Idを入力し、所与のタイミングで極性反転することにより、制御された時間だけ継続する直流であったり、任意の周波数をもつ交流であったりする駆動電流Iを生成出力する。本実施形態においては、極性反転回路30はインバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。
極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどの第1乃至第4のスイッチ素子31乃至34を含んで構成され、直列接続された第1及び第2のスイッチ素子31及び32と、直列接続された第3及び第4のスイッチ素子33及び34を、互いに並列接続して構成される。第1乃至第4のスイッチ素子31乃至34の制御端子には、それぞれ制御部40から極性反転制御信号が入力され、第1乃至第4のスイッチ素子31乃至34のON/OFFが制御される。
極性反転回路30は、第1及び第4のスイッチ素子31及び34と、第2及び第3のスイッチ素子32及び33を交互にON/OFFを繰り返すことにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性を交互に反転し、第1及び第2のスイッチ素子31及び32の共通接続点及び第3及び第4のスイッチ素子33及び34の共通接続点から、制御された時間だけ継続する直流であったり、任意の周波数をもつ交流であったりする駆動電流Iを生成出力する。
すなわち、第1及び第4のスイッチ素子31及び34がONの時には第2及び第3のスイッチ素子32及び33をOFFにし、第1及び第4のスイッチ素子31及び34がOFFの時には第2及び第3のスイッチ素子32及び33をONにするように制御する。したがって、第1及び第4のスイッチ素子31及び34がONの時には、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。また、第2及び第3のスイッチ素子32及び33をONの時には、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。
本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせて放電灯駆動部に対応する。
放電灯点灯装置10は、制御部40を含む。制御部40は、電力制御回路20及び極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数等を制御する。制御部40は、極性反転回路30に対して駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。また、制御部40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行う。
制御部40の構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、制御部40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42及び極性反転回路コントローラー43含んで構成されている。なお、制御部40は、その一部又は全てを半導体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42及び極性反転回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20及び極性反転回路30を制御する。システムコントローラー41は、後述する放電灯点灯装置10内部に設けた電圧検出部60により検出した駆動電圧Vla及び駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42及び極性反転回路コントローラー43を制御してもよい。
本実施形態においては、システムコントローラー41は記憶部44を含んで構成されている。なお、記憶部44は、システムコントローラー41とは独立に設けてもよい。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20及び極性反転回路30を制御してもよい。記憶部44には、例えば駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形、変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。
電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。
極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を制御する。
なお、制御部40は、専用回路により実現して上述した制御や後述する処理の各種制御を行うようにすることもできるが、例えばCPU(Central Processing Unit)が記憶部44等に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。すなわち、図4に示すように、制御部40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成してもよい。
放電灯点灯装置10は、動作検出部を含んでもよい。動作検出部は、例えば放電灯90の駆動電圧Vlaを検出し、駆動電圧情報を出力する電圧検出部60や、駆動電流Iを検出し、駆動電流情報を出力する電流検出部を含んでもよい。本実施形態においては、電圧検出部60は、第1及び第2の抵抗61及び62を含んで構成されている。
電圧検出部60は、本発明における放電灯90の第1及び第2電極92,93の状態を検出する手段に対応する。すなわち、駆動電圧Vlaは第1電極92と第2電極93の先端間の距離の指標となるため、電極の劣化状態の程度を表す値として駆動電圧Vlaを検出する。
本実施形態において、電圧検出部60は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1及び第2の抵抗61及び62で分圧した電圧により駆動電圧Vlaを検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。
放電灯点灯装置10は、イグナイター回路70を含んでもよい。イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作し、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よりも高い電圧)を放電灯90の電極間に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されている。
図5(A)乃至図5(D)は、放電灯90に供給する駆動電流の極性と電極の温度との関係を示す説明図である。図5(A)及び図5(B)は、2つの電極92、93の動作状態を示している。図中には、2つの電極92、93の先端部分が示されている。電極92、93の先端には突起552p、562pがそれぞれ設けられている。放電は、これらの突起552p、562pの間で生じる。本実施例では、突起が無い場合と比べて、各電極92、93における放電位置(アーク位置)の移動を抑えることができる。ただし、このような突起を省略してもよい。
図5(A)は、第1電極92が陽極として動作し、第2電極93が陰極として動作する第1極性状態P1を示している。第1極性状態P1では、放電によって、第2電極93(陰極)から第1電極92(陽極)へ電子が移動する。陰極(第2電極93)からは、電子が放出される。陰極(第2電極93)から放出された電子は、陽極(第1電極92)の先端に衝突する。この衝突によって熱が生じ、そして、陽極(第1電極92)の先端(突起552p)の温度が上昇する。
図5(B)は、第1電極92が陰極として動作し、第2電極93が陽極として動作する第2極性状態P2を示している。第2極性状態P2では、第1極性状態P1とは逆に、第1電極92から第2電極93へ電子が移動する。その結果、第2電極93の先端(突起562p)の温度が上昇する。
このように、陽極時の電極の温度は、陰極時の電極の温度と比べて高くなりやすい。ここで、一方の電極の温度が他方の電極と比べて高い状態が続くことは、種々の不具合を引き起こし得る。例えば、高温電極の先端が過剰に溶けた場合には、意図しない電極変形が生じ得る。その結果、アーク長が適正値からずれる場合がある。また、低温電極の先端の溶融が不十分な場合には、先端に生じた微少な凹凸が溶けずに残り得る。また、同様に低温電極の先端の溶融が不十分な場合には、突起が中途半端な温度にさらされ、扁平化する。その結果、いわゆるアークジャンプあるいはフリッカーと呼ばれる現象が生じる場合がある。
このような不具合を抑制する技術として、各電極の極性を繰り返し交替させる交流駆動を利用可能である。図5(C)は、放電灯90(図2)に供給される駆動電流Iの一例を示すタイミングチャートである。横軸は時間Tを示し、縦軸は駆動電流Iの電流値を示している。駆動電流Iは、放電灯90を流れる電流を示す。正値は、第1極性状態P1を示し、負値は、第2極性状態P2を示す。図5(C)に示す例では、矩形波交流電流が利用されている。そして、第1極性状態P1と第2極性状態P2とが交互に繰り返される。ここで、第1極性区間Tpは、第1極性状態P1が続く時間を示し、第2極性区間Tnは、第2極性状態P2が続く時間を示す。また、第1極性区間Tpの平均電流値はIm1であり、第2極性区間Tnの平均電流値は−Im2である。なお、放電灯90の駆動に適した駆動電流Iの周波数は、放電灯90の特性に合わせて、実験的に決定可能である(例えば、30Hz〜1kHzの範囲の単一または複数の値が採用される)。他の値Im1、−Im2、Tp、Tnも、同様に実験的に決定可能である。
図5(D)は、第1電極92の温度変化を示すタイミングチャートである。横軸は時間Tを示し、縦軸は温度Hを示している。第1極性状態P1では、第1電極92の温度Hが上昇し、第2極性状態P2では、第1電極92の温度Hが降下する。また、第1極性状態P1と第2極性状態P2状態が繰り返されるので、温度Hは、最小値Hminと最大値Hmaxとの間で周期的に変化する。なお、図示は省略するが、第2電極93の温度は、第1電極92の温度Hとは逆位相で変化する。すなわち、第1極性状態P1では、第2電極93の温度が降下し、第2極性状態P2では、第2電極93の温度が上昇する。
第1極性状態P1では、第1電極92(突起552p)の先端が溶融するので、第1電極92(突起552p)の先端が滑らかになる。これにより、第1電極92での放電位置の移動を抑制できる。また、第2電極93(突起562p)の先端の温度が降下するので、第2電極93(突起562p)の過剰な溶融が抑制される。これにより、意図しない電極変形を抑制できる。第2極性状態P2では、第1電極92と第2電極93の立場が逆である。したがって、2つの状態P1、P2を繰り返すことによって、2つの電極92、93のそれぞれにおける不具合を抑制できる。
また、比較的低い周波数の交流電流が供給されると、陽極時は電極が広い範囲にわたり加熱されすぎる(アークスポット(アーク放電に伴う電極表面上のホットスポット)が大きくなる)。それに伴い過剰な溶融により電極の形状が崩れ、同時に電極材料の飛散も増加する。逆に、電極が冷えすぎる(アークスポットが小さくなる)と電極の先端が十分に溶融できず、先端を滑らかに戻せない。また、低い周波数を供給する場合、陰極時には中途半端でありながら粒子衝突にさらされる期間が長くなる。すなわち、これらの要因によって電極の先端が変形しやすくなる。一方、高い周波数で交流駆動を行うと、アークスポットが小さくなるため、微弱な突起しか形成されず、アーク輝点となる電極突起が不明確となるため、複数の電極突起が形成され、その複数の突起間でアークジャンプを発生しやすくなる。したがって、電極に対して一様な交流駆動処理を継続すると、電極の先端(突起552p、562p)が意図しない形状に変形する、あるいはフリッカー現象が生じやすくなる。
(2)放電灯点灯装置の制御例
次に、第1実施形態に係る放電灯点灯装置10の制御の具体例について説明する。
第1実施形態に係る放電灯点灯装置10の制御部40は、第1区間の直流駆動処理では、駆動電流Iとして第1極性から始まって第1極性成分で構成される第1直流電流を供給する制御を行い、第1区間の交流駆動処理では、駆動電流Iとして第1周波数で第1極性成分と第2極性成分とを繰り返す第1交流電流を供給する制御を行う。
制御部40は、第2区間の直流駆動処理では、駆動電流Iとして第2極性から始まって第2極性成分で構成される第2直流電流を供給する制御を行い、第2区間の交流駆動処理では、駆動電流Iとして第2周波数で第1極性成分と第2極性成分とを繰り返す第2交流電流を供給する制御を行う。
制御部40は、第1区間では、第1区間の直流駆動処理と第1区間の交流駆動処理とを交互に行う。第1区間には少なくとも1つの小区間1が含まれ、その小区間1は、3種類の異なる第1区間の直流駆動処理である第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3と、3種類の周波数、または周期数、もしくは両方が異なる第1区間の交流駆動処理である第1区間第1〜第1区間交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3によって構成される。
次いで制御部40は、第1区間とは異なる第2区間では、第2区間の直流駆動処理と第2区間の交流駆動処理とを交互に行う。第2区間には少なくとも1つの小区間2が含まれ、その小区間2は、3種類の異なる第2区間の直流駆動処理である第2区間第1〜第2区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3と、3種類の周波数、または周期数、もしくは両方が異なる第2区間の交流駆動処理である第2区間第1〜第2区間第3交流駆動処理A2−1、A2−2、A2−3によって構成される。
図6(A)及び図6(B)は、第1区間及び第2区間について説明するための図である。
図6(A)に示す例では、制御部40は、第1区間において複数の小区間1を繰り替えし行う。制御部40は、各小区間1において、第1直流電流を放電灯90に供給する直流駆動を行う第1区間第1直流駆動処理D1−1に次いで、第1交流電流を放電灯90に供給する第1区間第1交流駆動処理A1−1で交流駆動を行い、それに次いで第1区間第1直流駆動処理D1−1とは第1直流電流を放電灯90に供給する期間の異なる第1区間第2直流駆動処理D1−2で直流駆動を行い、次いで第1区間第1交流駆動処理A1−1での第1交流電流の周波数と異なる周波数の第1交流電流を放電灯90に供給する第1区間第2交流駆動処理A1−2で交流駆動を行い、次いで第1区間第1及び第1区間第2直流駆動処理D1−1、D1−2とは第1直流電流を供給する期間の異なる第1区間第3直流駆動処理D1−3で直流駆動を行い、次いで第1区間第1及び第1区間第2交流駆動処理A1−1、A1−2での第1交流電流の周波数と異なる周波数の第1交流電流を放電灯90に供給する第1区間第3交流駆動処理A1−3で交流駆動を行う。制御部40は、小区間1を少なくとも一工程以上含む第1区間を行う。
次いで、第1区間のあと、制御部40は、第2区間において複数の小区間2を繰り替えし行う。制御部40は、各小区間2において、第2直流電流を放電灯90に供給する直流駆動を行う第2区間第1直流駆動処理D2−1に次いで、第2交流電流を放電灯90に供給する第2区間第1交流駆動処理A2−1で交流駆動を行い、それに次いで第2区間第1直流駆動処理D2−1とは第2直流電流を放電灯90に供給する期間の異なる第2区間第2直流駆動処理D2−2で直流駆動を行い、次いで第2区間第1交流駆動処理A2−1での第2交流電流の周波数と異なる周波数の第2交流電流を放電灯90に供給する第2区間第2交流駆動処理A2−2で交流駆動を行い、次いで第2区間第1及び第2区間第2直流駆動処理D2−1、D2−2と第2直流電流を放電灯90に供給する期間の異なる第2区間第3直流駆動処理D2−3で直流駆動を行い、次いで第2区間第1及び第2区間第2交流駆動処理A2−1、A2−2での第2交流電流の周波数と異なる周波数の第2交流電流を放電灯90に供給する第2区間第3交流駆動処理A2−3で交流駆動を行う。制御部40は、小区間2を少なくとも一工程以上含む第2区間を行う。制御部40は、第1区間と第2区間とが交互に現れるように放電灯駆動部を制御している。
このようにして、制御部40は、第1区間では、第1区間の直流駆動処理と第1区間の交流駆動処理とを交互に行い、第2区間では、第2区間の直流駆動処理と第2区間の交流駆動処理とを交互に行うことができる。また、制御部40は、第1区間に少なくとも1つ含まれる小区間1において、それぞれ駆動条件の異なる第1区間の直流駆動処理とそれぞれ駆動条件の異なる第1区間の交流駆動処理とを所定の順番で行い、第2区間に少なくとも1つ含まれる小区間2において、それぞれ駆動条件の異なる第2区間の直流駆動処理とそれぞれ駆動条件の異なる第2区間の交流駆動処理とを所定の順番で行うことができる。
なお、本実施の形態では、制御部40は、小区間1を10回繰り返して第1区間として放電灯駆動部を制御した後、小区間2を10回繰り返して第2区間として制御し、その後は同様に第1区間と第2区間を繰り返すように放電灯駆動部を制御する。
なお、制御部40は、図6(B)に示すように、第1区間に少なくとも1つ含まれる小区間1において、小区間1−1、小区間1−2及び小区間1−3が含まれるように制御し、次いで第2区間に少なくとも1つ含まれる小区間2において、小区間2−1、小区間2−2及び小区間2−3が含まれるように制御することもできる。
制御部40は、第1区間の小区間1では、第1区間第1直流処理D1−1と第1区間第1交流駆動処理A1−1との繰り返し複数回(例えば10回など)からなる小区間1−1を行い、その後第1区間第2直流処理D1−2と第1区間第2交流駆動処理A1−2との繰り返し複数回含からなる小区間1−2を行い、次いで第1区間第3直流処理D1−3と第1区間第3交流駆動処理A1−3との繰り返し複数回からなる小区間1−3を行い、次いで第2区間の小区間2では、第2区間第1直流処理D2−1と第2区間第1交流駆動処理A2−1との繰り返し複数回からなる小区間2−1を行い、その後第2区間第2直流処理D2−2と第2区間第2交流駆動処理A2−2との繰り返し複数回からなる小区間2−2を行い、次いで第2区間第3直流処理D2−3と第2区間第3交流駆動処理A2−3との繰り返し複数回からなる小区間2−3を行うように放電灯駆動部を制御してもよい。
この場合も、制御部40は、第1区間では、第1区間の直流駆動処理と第1区間の交流駆動処理とを交互に行い、第2区間では、第2区間の直流駆動処理と第2区間の交流駆動処理とを交互に行うことができる。また、制御部40は、第1区間に少なくとも1つ含まれる小区間1において、それぞれ駆動条件の異なる第1区間の直流駆動処理とそれぞれ駆動条件の異なる第1区間の交流駆動処理とを所定の順番で行い、第2区間に少なくとも1つ含まれる小区間2において、それぞれ駆動条件の異なる第2区間の直流駆動処理とそれぞれ駆動条件の異なる第2区間の交流駆動処理とを所定の順番で行うことができる。
なお、制御部40は、第1区間及び第2区間とは異なる第3区間が現れるように放電灯駆動部を制御してもよい。例えば、制御部40は、第1区間と第2区間との間に、第3区間の交流駆動処理のみを行う第3区間が現れるように放電灯駆動部を制御してもよい。
その場合、制御部40は、第3区間の交流駆動処理では、駆動電流Iとして第1区間の交流駆動処理の第1交流電流の第1周波数及び第3区間の交流駆動処理の第2交流電流の第2周波数とは異なる第3周波数で第1極性成分と第2極性成分とを繰り返す第3交流電流を供給する制御を行ってもよい。
次に、放電灯90を直流駆動した場合と交流駆動した場合との第1電極92及び第2電極93に与えられる影響について説明する。
駆動電流Iが直流である直流駆動の期間には同一極性で電流が流れる。例えば、第1区間の直流駆動処理を行っている場合、第1電極92が高温となるため、不要な突起等を含めて電極先端部を滑らかに溶かすことができる。
駆動電流Iが交流である交流駆動の期間には第1極性と第2極性とを交互に繰り返す電流が流れるため、陽極時の突起溶融と陰極時の冷却、および粒子衝突が生じ、放電起点として必要な電極先端部の突起の成長を促進することができる。
ここで、本実施形態では、第1区間の小区間1において、それぞれ駆動条件の異なる第1区間の直流駆動処理とそれぞれ駆動条件の異なる第1区間の交流駆動処理とを直流駆動と交流駆動とが交互になるように所定の順番で行い、第2区間の小区間2において、それぞれ駆動条件の異なる第2区間の直流駆動処理とそれぞれ駆動条件の異なる第2区間の交流駆動処理とを直流駆動と交流駆動とが交互になるように所定の順番で行っている。
第1区間の1つの小区間1の中で行われる直流駆動は、第1区間第1直流駆動処理D1−1、第1区間第2直流駆動処理D1−2、第1区間第3直流駆動処理D1−3の順に行われ、それぞれの第1直流電流が放電灯90に供給される期間はこの順に短くなるように制御部40が放電灯駆動部を制御する。
第2区間の1つの小区間2の中で行われる直流駆動は、第2区間第1直流駆動処理D2−1、第2区間第2直流駆動処理D2−2、第2区間第3直流駆動処理D2−3の順に行われ、それぞれの第2直流電流が放電灯90に供給される期間はこの順に短くなるように制御部40が放電灯駆動を制御する。
第1区間の1つの小区間1の中で行われる交流駆動は、第1区間第1交流駆動処理A1−1、第1区間第2交流駆動処理A1−2、第1区間第3交流駆動処理A1−3の順に行われ、それぞれの放電灯90に供給される第1交流電流の周波数がこの順に高くなるように制御部40が放電灯駆動部を制御する。
第2区間の1つの小区間2の中で行われる交流駆動は、第2区間第1交流駆動処理A2−1、第2区間第2交流駆動処理A2−2、第2区間第3交流駆動処理A2−3の順に行われ、それぞれの放電灯90に供給される第2交流電流の周波数がこの順に高くなるように制御部40が放電灯駆動を制御する。
なお、このような直流駆動の期間の長さを変化は、第1区間の直流駆動処理と第2区間の直流駆動処理とのうち少なくとも一方にのみ行うように制御部40が放電灯駆動部を制御してもよい。また、交流駆動の駆動条件を変化させるほうより良好に電極先端の形状を維持できるため好ましいが、直流駆動の期間の長さの変化がされていれば、交流駆動の駆動条件はすべて同一となるように制御部40が放電灯駆動部を制御してもよい。
このように、本実施形態では、第1区間の直流駆動処理を行う期間及び第2区間の直流駆動処理を行う期間の少なくとも一方の長さが1つの小区間1又は1つの小区間2内において実行される順に段階的に短くなるように変化させるため、例えば第1電極92の場合、放電灯の電極先端における溶融度合いが第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3となるのに伴って段階的に限定されていく。
また、本実施形態では、直流駆動と交流駆動とが交互に行われておりこの操作によって、直流電流で駆動する期間が長い直流駆動処理の後交流電流で駆動することで電極先端に太い突起の土台が形成され、次いで行われる直流駆動処理の直流駆動の期間の長さが先に行われた直流駆動処理での直流駆動の期間より減少することで溶融される領域が減少し、次いで行われる交流駆動処理で供給される交流電流によってその溶融された領域部分に突起を成長させ、その後行われる直流駆動処理において最終的に最も短い期間の直流駆動によりさらに溶融領域が限定され、その後行われる交流駆動処理に供給される交流電流で安定したアーク輝点となる電極突起の先端を成長させる。
なお、上記の説明した実施例では、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3を小区間1で行われる順にその期間をより短くし、第2区間第1〜第2区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3を小区間2で行われる順にその期間をより短くしていたが、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3及び第2区間第1〜第2区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3のいずれか一方を、全て同じ期間にする、若しくは実行される順にその期間がより短くなる以外の変化をさせることも可能である。しかし、両電極の対称性が図れるように、第1区間と第2区間の駆動条件に対称性をもたせることが望ましい。
表1(A)は、本実施形態の第1区間の直流駆動処理、第1区間の交流駆動処理、第2区間の直流駆動処理及び第2区間の交流駆動処理について、記憶部44に記憶された駆動条件のテーブルの一例を示している。第1区間の直流駆動処理としての第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3それぞれで直流駆動を行う期間と、第2区間の交流駆動処理における第2区間第1〜第2区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3それぞれで直流駆動を行う期間、第1区間の交流駆動処理における第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3それぞれで行う交流駆動での第1交流電流の周期数、および周波数と、第2区間の交流駆動処理における第2区間第1〜第2区間第3交流駆動処理A2−1、A2−2、A2−3それぞれで行う交流駆動での第2交流電流の周期数、および周波数についての具体的な数値を表1(A)は示している。ここで、第1区間の交流駆動処理は第1極性で始まり、第2極性で終わる交流電流を供給し、第2区間の交流駆動処理は第2極性で始まり、第1極性で終わる交流電流を供給する。
なお、表1(A)では、第1区間の直流駆動処理における第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3それぞれで行う直流駆動の期間と、第2区間の直流駆動処理における第2区間第1〜第2区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3それぞれで行う直流駆動の期間とを等しく設定し、第1区間の交流駆動処理における第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3それぞれで行う交流駆動の周期数、および周波数と、第2区間の交流駆動処理における第2区間第1〜第2区間第3交流駆動処理A2−1、A2−2、A2−3それぞれで行う交流駆動の周期数、および周波数とを等しく設定したが、第1区間の交流駆動処理、および第2区間の交流駆動処理ともに第1極性で始まり、第2極性で終わる交流電流を供給しても、表1(B)に示されるような駆動条件のテーブルを用いることにより必要に応じて電極の熱負荷をそろえることもできる。
表1(B)には、第1区間の交流駆動処理、および第2区間の交流駆動処理は表1(A)と同じで、第1区間の直流駆動処理、および第2区間の直流駆動処理が表1(A)とは異なる駆動条件のテーブルが示されている。表1(B)に示される駆動条件のテーブルでは、第2区間第1〜第3区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3での直流駆動の期間の長さを変更することで、その後に続いて行われる交流駆動の極性との組み合わせによる電極にかかる熱負荷を調整した例について示している。
図7(A)は、表1(A)の第1区間における駆動電流Iの波形例を示し、図7(B)は、表1(A)の第2区間における駆動電流Iの波形例を示すタイミングチャートである。図7(A)及び図7(B)においては、第1極性の駆動電流Iを正値、第2極性の駆動電流Iを負値としている。
図7(A)に示す例では、制御部40は、時刻t0から時刻t1までの期間においては第1区間第1直流駆動処理D1−1を、時刻t1から時刻t2までの期間においては第1区間第1交流駆動処理A1−1を、時刻t2から時刻t3までの期間においては第1区間第2直流駆動処理D1−2を、時刻t3から時刻t4までの期間においては第1区間第2交流駆動処理A1−2を、時刻t4から時刻t5までの期間においては第1区間第3直流駆動処理D1−3を、時刻t5から時刻t6までの期間においては第1区間第3交流駆動処理A1−3をそれぞれ行う、小区間1を2回分示している。
図7(B)に示す例では、制御部40は、時刻t0から時刻t1までの期間においては第2区間第1直流駆動処理D2−1を、時刻t1から時刻t2までの期間においては第2区間第1交流駆動処理A2−1を、時刻t2から時刻t3までの期間においては第2区間第2直流駆動処理D2−2を、時刻t3から時刻t4までの期間においては第2区間第2交流駆動処理A2−2を、時刻t4から時刻t5までの期間においては第2区間第3直流駆動処理D2−3を、時刻t5から時刻t6までの期間においては第2区間第3交流駆動処理A2−3をそれぞれ行う、小区間2を2回分示している。
また、図7(B)に示す例では、制御部40は、第2区間第1〜第2区間第3交流駆動処理A2−1、A2−2、A2−3においては、第2区間第1〜第2区間第3直流駆動処理D2−1、D2−2、D2−3と同一極性(第2極性)となる位相から開始する矩形波交流となる駆動電流Iを供給する制御を行っている。
上記のように本実施形態では、第1区間の直流駆動処理を行う期間及び第2区間の直流駆動処理を行う期間が1つの小区間1又は1つの小区間2内で段階的に短くなるのに伴い、第1区間の直流駆動処理と交互に行われる第1区間の交流駆動処理及び第2区間の直流駆動処理と交互に行われる第2区間の交流駆動処理での、前記第1交流電流または前記第2交流電流の周波数を、1つの小区間1又は1つの小区間2内でその行われる順に相対的に高くなるように時間的に変化させている。この操作によって、小区間内で直流駆動の期間が最も長い直流駆動処理の直後に、小区間内で比較的低い周波数の交流電流で交流駆動する交流駆動処理を行うことで、直流駆動処理中に比較的電極突起が溶融されている場合に、交流駆動処理中にゆっくりと極性反転を行うことで太い突起を形成することができる。
次いで行われる直流駆動処理での直流駆動の期間の長さが先に行われた直流駆動処理での直流駆動の期間より減少することで電極先端部の溶融される領域が減少すると、次いで行われる交流駆動処理で供給される交流電流によってその部分の突起を成長させることができる。最終的に小区間の中で最も短い直流駆動期間の直流駆動処理を行った後に、小区間の中で最も高い周波数の交流駆動を行う交流駆動処理を行うことで電極の突起の限定された溶融領域に対し、相対的に速い極性反転を行うことで、先端を成長させる効果をより効果的に行うことができる。また、溶融性の低い部分に対し、低周波の交流駆動処理を行わないことで、電極成分の飛散を抑制することもできる。
すなわち、図7(A)に示す制御方法の場合は、第1電極92において、直流駆動の期間が1つの小区間1内で行われる第1区間の直流駆動処理のうち相対的に長い第1区間第1直流駆動処理D1−1の後に、1つの小区間1内で行われる第1区間の交流駆動処理のうち相対的に周波数が低い第1交流電流が供給される第1区間第1交流駆動処理A1−1を行うことで効果的に太い突起の土台を形成し、直流駆動の期間が1つの小区間1内で行われる直流駆動処理のうち相対的に短い第1区間第3直流駆動処理D1−3の後に、1つの小区間1内で行われる第1区間の交流駆動処理のうち相対的に周波数の高い交流電流が供給される第1区間第3交流駆動処理A1−3を行うことで電極先端部分のうち限られた突起の溶融部分を引き伸ばす効果がある。
したがって、このような駆動処理を施すことにより電極先端で段階的な溶融−伸長サイクルを繰り返すことで、過度な電極の溶融による発光管の黒化を抑制しながら、良好な形状の電極突起を形成、保持することができ、放電灯90を安定して点灯することができる。
なお、本実施形態では、直流駆動処理、および交流駆動処理は第1区間、および第2区間でそれぞれ3種類ずつにしているが、電極などの状態に応じて種類数は適宜設定できる。
また、本実施形態では、小区間1又は小区間2内において、最も長い期間直流電流を放電灯90に供給する直流駆動処理を小区間の最初に行う直流駆動処理とし、最も短い期間直流電流を放電灯90に供給する直流駆動処理を小区間の最後に行う直流駆動処理としたが、多数種類の直流駆動処理を用いる場合は、最も長い期間直流駆動を放電灯90に供給する直流駆動処理を小区間の最初に行う必要はなく、多数種類の直流駆動処理のうち比較的長い期間直流電流を放電灯90に供給する直流駆動処理を小区間内の前半で行い、多数種類の直流駆動処理のうち比較的短い期間直流電流を放電灯90に供給する直流駆動処理を小区間内の後半で行う制御としてもよい。
また、交流駆動処理期間における交流電流の周波数はそれぞれの期間において単一でなくてもよく、例えば第1区間第1交流駆動処理A1−1に間に周波数を変化させてもよい。その場合、第1区間第1交流駆動処理A1−1の平均周波数、第1区間第2交流駆動処理A1−2の平均周波数、第1区間第3交流駆動処理A1−3の平均周波数が、この順に段階的に高くなるように制御部40で制御できる。第2区間においても同様の制御としても構わない。
3.第2実施形態に係る放電灯点灯装置
次に、第2実施形態に係る放電灯点灯装置10の制御の具体例について説明する。
第1実施形態の放電灯点灯装置10では、制御部40が第1区間と第2区間との所定の駆動処理を繰り返すように制御していたが、第2実施形態の放電灯点灯装置10では、制御部40が、放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行、ここでは駆動電圧Vlaの上昇に伴って、第1区間の交流駆動処理行う期間及び第2区間の交流駆動処理を行う期間のうち、少なくとも一方の相対的に低い周波数で交流駆動処理での交流電流の周期数少なくしてそれを行う期間の長さを短くし、相対的に高い周波数で交流駆動処理での交流電流の周期数を多くしてそれを行う期間の長さを長くするように制御する。それ以外については第1実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
第1実施形態に示した手段によって放電灯90の寿命は改善されるものの、第1電極92、および第2電極93は点灯時間の経過とともに、突起先端の成分が電極の根元に移動することは避けられないため、第1電極92、および第2電極93の電極先端間の距離の増加は進行する。電極先端間の距離が増加すると、放電灯点灯装置10は定電力駆動を行うため駆動電流Iが減少し、電極突起の溶融性が低下し、放電灯90の光出射特性が低下するとともに、フリッカーなどの現象を生じやすくなる。
放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態が進行すると、第1電極92と第2電極93との距離(電極間距離)が大きくなる。電極間距離が大きくなると駆動電圧Vlaは上昇する。すなわち、劣化状態の進行に伴って駆動電圧Vlaは上昇する。
そこで、本実施形態では、例えば駆動電圧Vlaの100Vを閾値として、この閾値と検出された駆動電圧Vlaとを比較して、放電灯90の駆動条件を切り替えるように制御部40は放電灯駆動部を制御する。
表2は、第1区間の直流駆動処理期間、および第1区間の交流駆動処理期間についての記憶部44に記憶された駆動条件のテーブルの一例を示しており、駆動電圧Vlaと、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3の各直流駆動期間、および第1区間第1〜第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の各交流電流の周波数及び交流電流の周期数との組み合わせた例である。
表2に示す例では、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満から100V以上となったことを電圧検出部60が検出した場合、制御部40は、下記のように第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の駆動条件を切り替える。
第1区間第1交流駆動処理A1−1では、供給される交流電流の周波数を高くするとともにその周期数を減少させている。つまり、放電灯90の第1及び第2電極92,93の劣化が進行したと判断された場合、1つの小区間1内で行われる第1区間の交流駆動処理での最低周波数を高くするとともにその周期数を少なくして、1つの小区間1内で最も低い周波数の交流電流が放電灯90に供給される期間を短くしている。
第1区間第2交流駆動処理A1−2では、供給される交流電流の周波数は変更しないがその周期数を減少させてその期間の長さを短くしている。
第1区間第3交流駆動処理A1−3では、供給される交流電流の周波数は変更しないがその周期数を増加させている、つまり、放電灯90の第1及び第2電極92,93の劣化が進行したと判断された場合、1つの小区間内で行われる第1区間の交流駆動処理で最も高い周波数が供給される期間を長くしている。
第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3のそれぞれの駆動条件は、駆動電圧Vlaの値によって変化しない。
なお、第2区間の直流駆動処理期間及び第2区間の交流駆動処理期間についての駆動条件のテーブルも第1区間のものと同様に記憶部44に記憶されており、その駆動条件は、放電灯90に供給される駆動電流Iの極性が第1区間とは反対であるが、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3における直流電流の供給時間及び第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3での交流電流の周波数及び周期数と同様である。
駆動条件のテーブルは、第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3を行う期間及び第2区間第1〜第2区間第3交流駆動処理A2−1、A2−2、A2−3を行う期間の少なくとも一方が変化すれば、他の駆動条件テーブルも採用可能である。
表2に示す例では、第1区間第1及び第1区間第2交流駆動処理A1−1、A1−2を行う期間及び第2区間第1及び第2区間第2交流駆動処理A2−1、A2−2を行う期間の両方の長さを短くし、第1区間第3交流駆動処理A1−3、および第2区間第3交流駆動処理A2−3を行う期間の両方の長さを長くする。すなわち、1つの小区間1内において、交流駆動における最低周波数を高くするとともに、最低周波数での周期数を少なくすることでその期間を短くし、最高周波数での周期数を増やすことでその期間を長くするように制御している。なお、第2実施形態の放電灯点灯装置10の回路構成、及び他の開始極性や区間の繰り返し数などの制御については、第1実施形態の放電灯点灯装置10と同様である。
図8は、放電灯90の駆動電圧Vlaが100Vを越えた場合について、第1の電極92に流れる駆動電流Iのタイミングチャートを表したものである。放電灯90の駆動電圧Vlaが100V未満の場合の第1の電極92に流れる駆動電流Iの条件は第1実施形態と同様であるから、その駆動電流Iのタイミングチャートは図7(A)に相当する。図8に示した第1区間の直流駆動処理おいて、図7(A)に示した各第1直流駆動処理に対して変化はないが、図7(A)に示した第1区間の交流駆動処理に比べて、図8に示した第1区間の交流駆動処理での交流電流の周波数が高くなるとともに、A1−1からA1−2、A1−3となるにつれて周期数が多くなる、すなわちその順番で期間が長くなるように駆動処理を行う。
そこで、表2の例では、駆動電圧Vlaの値において100Vを閾値として、駆動電圧Vlaが100V未満では1つの小区間1内での第1区間の交流駆動処理におけるA1−1からA1−2、A1−3となるにつれてその期間が短くなるように駆動処理を行うのに対し、駆動電圧Vlaが100V以上では1つの小区間1内の第1区間の交流駆動処理における各期間がA1−1からA1−2、A1−3となるにつれて長くなるように駆動処理を行う。第2区間の交流駆動処理についても同様に変化させる。
図9は、第2実施形態の放電灯点灯装置10の制御例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートでは、放電灯90が安定に点灯した後から消灯までの制御について示している。
まず、電圧検出部60が駆動電圧Vlaを検出する(ステップS100)。次に、制御部40が、ステップS100で検出した駆動電圧Vlaに対応する駆動条件を、記憶部44に記憶されたテーブルから選択する(ステップS102)。
図9のステップS102で駆動条件を選択した後に、制御部40は、駆動条件を変更する必要があるか否かを判定する(ステップS104)。制御部40が、駆動条件を変更する必要があるものと判定した場合(ステップS104でYESの場合)には、ステップS102で選択した駆動条件に変更して放電灯90を駆動する(ステップS106)。制御部40が、駆動条件を変更する必要がないものと判定した場合(ステップS104でNOの場合)には、従前の駆動条件で放電灯90を駆動し続ける。
ステップS104でNOの場合及びステップS106の後に、制御部40は、放電灯90の消灯命令があるか否かを判定する(ステップS108)。制御部40が、消灯命令があるものと判定した場合(ステップS108でYESの場合)には、放電灯90の点灯を終了(消灯)する。制御部40が、消灯命令がないものと判定した場合(ステップS108でNOの場合)には、消灯命令があるまでステップS100〜ステップS108までの制御を繰り返す。
第2実施形態の放電灯点灯装置10では、駆動電圧Vlaの上昇(第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行)に伴って、電圧検出部60が、駆動電圧Vlaの値が100V以上になったことを検出すると、制御部40は表2に基づいて第1区間の交流駆動処理を行う期間及び第2区間の交流駆動処理を行う期間の少なくとも一方の長さを時間的に変化させる。1つの小区間1内で比較的低い周波数の交流電流を供給する第1区間第1及び第1区間第2交流駆動処理A1−1、A1−2を行う期間及び1つの小区間2内で比較的低い周波数の交流電流を供給する第2区間第1及び第2区間第2交流駆動処理A2−1、A2−2を行う期間の両方の長さを短くし、1つの小区間1内で比較的高い周波数の交流電流を供給する第1区間第3交流駆動処理A1−3、および1つの小区間2内で比較的高い周波数の交流電流を供給する第2区間第3交流駆動処理A2−3を行う期間の両方の長さを長くする。これにより、放電灯90の有する第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行に伴って溶融されにくくなる電極でも、突起を段階的に形成することができ、放電灯90の第1電極92及び第2電極93の変形やフリッカーを抑制することができる。
電極突起の溶融性が低下してくるのに伴い、低い周波数で相対的に長い時間の交流電流処理を行うと突起が扁平化するようになってしまい、フリッカー現象が生じやすくなってくるのに対し、1つの小区間1内で相対的に高い周波数の交流電流を供給する交流駆動処理である第1区間第3交流駆動処理A1−3の時間を長くすることによって、より長期に渡って突起を確保することが可能となる。
なお、上述の例では、駆動条件を切り替える閾値を駆動電圧Vlaの100Vとしたが、これに限らず、放電灯90の特性に応じた他の閾値を用いても良い。また、表2に用いた閾値は1つで駆動条件は2種類であったが、閾値を複数用いてそれに対応した複数の駆動条件を用いても構わない。また、用いる直流駆動処理の期間、および交流駆動処理の周波数、および周期数は放電灯90の特性に応じて、適宜設定することが可能である。
なお、本実施の形態では放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化の検出手段としてランプの駆動電圧Vlaを用いているが、それ以外に、累積点灯時間、発光強度の劣化、あるいはアークジャンプなどによる駆動電圧Vlaや照明強度の変化などを検知して判断するようにしめても構わない。
4.第3実施形態に係る放電灯点灯装置
次に、第3実施形態に係る放電灯点灯装置10の制御の具体例について説明する。
第3実施形態の放電灯点灯装置10では、第2実施形態の放電灯点灯装置と基本構成、及び放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行に応じて各直流駆動処理期間と各交流駆動処理期間の駆動条件を変化させる点では同じあるが、各直流駆動処理期間と各交流駆動処理期間の駆動条件の変化のさせ方が相違している例を示している。以下の例では、制御部40が、第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行に伴って、第1区間の直流駆動処理期間が相対的に長い場合には、その後に行う交流駆動では相対的に高い周波数の交流電流を用いた第1区間の交流駆動処理を行い、第1区間の直流駆動処理期間が相対的に短い場合には、その後に行う交流駆動は相対的に高い周波数の交流電流を用いた第1区間の交流駆動処理を行う。
すなわち、第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行におうじて、第2実施形態では、第1区間の直流駆動処理のうち相対的に長い直流駆動の期間の後には第1区間の交流駆動処理のうち相対的に低い周波数の交流電流での交流駆動の交流駆動が行われるように制御部40が制御していたが、本実施形態では、第1区間の直流駆動処理のうち相対的に長い直流駆動の期間の後には第1区間の交流駆動処理のうち相対的に高い周波数の交流電流を用いる交流駆動が行われるように制御部40が制御する点が異なっている。なお、第3実施形態の放電灯点灯装置10の回路構成、及び他の開始極性や区間の繰り返し数などの制御については、第2実施形態の放電灯点灯装置10と同様である。
第1実施形態に示した手段によって放電灯90の寿命は改善されるものの、第1電極92、および第2電極93は点灯時間の経過とともに、突起先端の成分が電極の根元に移動することは避けられないため、第1電極92、および第2電極93の電極先端間の距離の増加は進行する。電極先端間の距離が増加すると、放電灯点灯装置10は定電力駆動を行うため駆動電流Iが減少し、電極突起の溶融性が低下し、光出射特性が低下するとともに、フリッカーなどの現象を生じやすくなる。
そこで、本実施形態では、例えば駆動電Vlaの100Vを閾値として、この閾値と検出された駆動電圧Vlaとを比較して放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行を検出し、それに応じて各直流駆動処理期間と各交流駆動処理期間を変化させる。
表3は、第1区間の直流駆動処理期間、および第1区間の交流駆動処理期間についての記憶部44に記憶された駆動条件のテーブルの一例を示しており、駆動電圧Vlaと、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3の各直流駆動期間、および第1区間第1〜第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の各交流周波数及び交流周期数との組み合わせを示した例である。
表3に示す駆動条件の制御パラメーター例では、駆動電圧Vlaが100V未満では直流駆動処理及び交流駆動処理は第1及び第2実施形態と同様に制御されるが、駆動電圧Vlaが100V以上では交流駆動処理の駆動条件の制御パラメーターが第2実施形態と異なっている。すなわち、駆動電圧Vlaが100V以上の場合に、1つの小区間1において第1区間の交流駆動処理に用いる第1交流電流の周波数は変更がないが、第1区間の交流駆動処理における第1交流電流の周波数がA1−1からA1−2、A1−3となるにつれて相対的に高い周波数から低い周波数に檀家的に変化するように駆動処理を行う。また、第2実施形態と同様に高い周波数の交流駆動処理期間のほうが長くなる。すなわち、A1−1、A1−2、A1−3となるのに伴い交流駆動処理期間が短くなる。
言い換えると、駆動電圧Vlaが100V未満では、1つの小区間1内において、第1区間の交流駆動処理で供給される交流電流の周波数は、第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3この実行される順に段階的に高く、駆動電圧Vlaが100V以上では、1つの小区間1内で行われる第1区間の交流駆動処理での最低周波数を高くするとともに、1つの小区間1内において、第1区間の交流駆動処理で供給される交流電流の周波数は、第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3この実行される順に段階的に低くなるように制御部40は放電灯駆動部を制御する。
また、駆動電圧Vlaが100V未満では、1つの小区間1内において、第1区間の交流駆動処理で供給される交流電流の周期数は同数であり、第1区間の交流駆動処理の中でより高い周波数の期間ほど短く、駆動電圧Vlaが100V以上では、1つの小区間1内において、第1区間の交流駆動処理で供給される交流電流の周期数は、その交流電流の周波数が高いほど多くして、第1区間の交流駆動処理の中でより高い周波数の期間がより長くなるように制御部40は放電灯駆動部を制御する。
さらに詳細に説明すると、表3に示す例では、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満から100V以上となったことを電圧検出部60が検出した場合、制御部40は、下記のように第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の駆動条件を切り替える。
第1区間第1交流駆動処理A1−1では、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満の場合は交流駆動処理で用いられる交流周波数のうち最も低い交流周波数の交流電流を供給するが、駆動電圧Vlaが閾値の100V以上の場合は交流駆動処理で用いられる交流周波数のうち最も高い交流周波数の交流電流を供給しその周期数を増加させる。この結果、駆動電圧Vlaが閾値の100V以上の場合の最も高い交流周波数の交流駆動処理期間が、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満の場合の最も高い交流周波数の交流駆動処理期間より長くなる。
第1区間第2交流駆動処理A1−2では、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満の場合との場合と駆動電圧Vlaが閾値の100V以上の場合とで供給される交流電流の周波数は変更しないがその周期数を減少させてその期間の長さを短くしている。
第1区間第3交流駆動処理A1−3では、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満の場合は交流駆動処理で用いられる交流周波数のうち最も高い交流周波数の交流電流を供給するが、駆動電圧Vlaが閾値の100V以上の場合は交流駆動処理で用いられる交流周波数のうち最も低い交流周波数の交流電流を供給しその周期数を減少させる。この結果、駆動電圧Vlaが閾値の100V以上の場合の最も低い交流周波数の交流駆動処理期間が、駆動電圧Vlaが閾値の100V未満の場合の最も低い交流周波数の交流駆動処理期間より短くなる。
なお、第2区間の直流駆動処理期間及び第2区間の交流駆動処理期間についての駆動条件のテーブルも同様に記憶部44に記憶されており、その駆動条件は、放電灯90に供給される駆動電流Iの極性が第1区間とは反対であるが、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3における直流電流の供給時間及び第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3での交流電流の周波数及び周期数と同様である。
図10は、放電灯90の駆動電圧Vlaが100Vを越えた場合について、第1の電極92に流れる駆動電流Iのタイミングチャートを表したものである。放電灯90の駆動電圧Vlaが100V未満の場合の第1の電極92に流れる駆動電流Iの条件は第1実施形態と同様であるから、その駆動電流Iのタイミングチャートは図7(A)に相当する。
ここで、駆動電圧Vlaが閾値の100V以上になった場合の駆動波形について、第2実施形態と本実施形態とを比較する。図10に示した本実施形態と、図8に示した第2実施形態とでは、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3については変わっていないが、第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3については、図8に示した第2実施形態の第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3はこの順に交流周波数がより高いのに比べて、本実施形態の第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3はこの順に交流周波数がより低くなるように駆動処理を行う。すなわち、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3の期間がこの順に短くなるのに伴い、これらの直流駆動処理のあとに行われる第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の期間における周波数がこの順に低下する。なお、本実施例では、第2実施形態と比較して、各周波数に対応する周期数は同じにしている。
放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態が進行して電極突起の溶融性が低下してくるのに伴い、低い周波数で相対的に長い時間の交流電流処理を行うと突起が扁平化するようになってしまい、フリッカー現象が生じやすくなってくる。このような場合に、直流駆動処理期間が長い場合は、該直流駆動処理期間において陽極となっている電極の先端部を効果的に要求できる一方で、陰極側となるもう一方の電極先端部ではよりフリッカーが発生しやすい状態になっている。
それに対し、本実施形態では、放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態が進行したことを駆動電圧Vlaが100Vを越えたことで検知した場合、直流駆動処理のうち相対的に長い直流電流が放電灯90に供給される第1区間第1直流駆動処理D1−1の期間の後に、交流駆動処理のうち相対的に高い周波数の交流電流を供給する第1区間第1交流駆動処理A1−1の時間を長くしているため、陰極側の電極のフリッカー現象を抑制することが可能となる。
また、陽極側の電極では、直流駆動処理において最も長い期間直流電流が放電灯90に供給される第1区間第1直流駆動処理D1−1の期間において電極先端を溶融させるとともに、その後に第1区間第1交流駆動処理A1−1の期間において高い周波数の交流電流を放電灯90に供給して駆動させることでアークの輝点を保持し、ついで第1区間第1直流駆動処理D1−1よりも相対的に短い第1区間第2及び第1区間第3直流駆動処理D1−2、D1−3の後に、第1区間第1交流駆動処理A1−1よりも相対的に低い周波数の交流電流が放電灯90に供給される第1区間第2及び第1区間第3交流駆動処理A1−2、A1−3でそれぞれ駆動することで突起を太くし、比較的頑丈な突起を保持することが可能となる。
なお、駆動電圧Vlaが100V以上の場合に第2実施形態で説明した駆動電圧Vlaが100V以上の場合に行われる駆動条件で放電灯90を駆動し、駆動電圧Vlaがさらに上昇し、例えば110V以上になった場合に本実施形態の駆動電圧Vlaが100V以上の場合に行われる駆動条件で放電灯90を駆動するように制御部40に放電灯駆動部を制御させることも可能である。
5.第4実施形態に係る放電灯点灯装置
次に、第4実施形態に係る放電灯点灯装置10の制御の具体例について説明する。
第4実施形態の放電灯点灯装置10では、第3実施形態の放電灯点灯装置と基本構成、及び各直流駆動処理期間、各交流駆動処理期間およびその周波数の変化のさせ方は同じあるが、第3実施形態の変形例として、第3実施形態を示す表3に加えて、さらに表4に示すように、駆動電圧Vlaが120V以上になった場合に各直流駆動処理の期間、各交流駆動処理の期間での交流電流の周期数と周波数とを変化させる制御を行う例について示している。なお、第4実施形態の放電灯点灯装置10の回路構成及び他の制御については、第3実施形態の放電灯点灯装置10と同様である。
本実施形態では、第3実施形態と同様に駆動電圧Vlaの100Vを第1の閾値として、この第1の閾値と検出された駆動電圧Vlaとを比較して放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態の進行を検出し、それに応じて第1区間の交流駆動処理及び第2区間の交流駆動処理の駆動条件を変化させる。これにより放電灯90の寿命は改善されるものの、第1電極92、および第2電極93は点灯時間の経過とともに、放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態がさらに進行し、電極間の距離の増加し駆動電圧Vlaがさらに上昇すると、放電灯点灯装置10は定電力駆動を行うため駆動電流Iが減少するとともに、電極突起自体の溶融性も低下しさらに電極先端の形状を良好な状態に維持することが困難となる。
そこで、本実施形態では、例えば駆動電圧Vlaの120Vを第2の閾値として、この第2の閾値と検出された駆動電圧Vlaとを比較して、放電灯90の駆動条件をさらに切り替えるように制御部40は放電灯駆動部を制御する。
表4は、第1区間の直流駆動処理期間、および第1区間の交流駆動処理期間についての記憶部44に記憶された駆動条件のテーブルの一例を示しており、駆動電圧Vlaと、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3の各直流駆動期間、および第1区間第1〜第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の各交流周波数及び交流周期数との組み合わせた例である。
本実施形態では、表4に示す一例のように、例えば120Vを第2の閾値として、駆動電圧Vlaが120V未満では第3実施形態と同じように駆動処理を行うようになっているが、駆動電圧Vlaが120V以上では、さらに直流駆動処理及び交流駆動処理の駆動条件を変化させている。
表4に示す例では、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V未満から120V以上となったことを電圧検出部60が検出した場合、制御部40は、下記のように第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3の駆動条件を切り替える。
図11は、放電灯90の駆動電圧Vlaが120Vを越えた場合について、第1の電極92に流れる駆動電流Iのタイミングチャートを表したものである。放電灯90の駆動電圧Vlaが100V未満の場合の第1の電極92に流れる駆動電流Iの条件は第1実施形態と同様であるから、その駆動電流Iのタイミングチャートは図7(A)に相当する。また、放電灯90の駆動電圧Vlaが100V以上であって120V未満の場合の第1の電極92に流れる駆動電流Iの条件は第2実施形態の駆動電圧Vlaが100V以上の場合と同様であるから、その駆動電流Iのタイミングチャートは図10に相当する。
図10、図11及び表4を参照して、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V以上になった場合の駆動波形と、駆動電圧Vlaが第1の閾値の100V以上であって第2の閾値の120V未満の場合の駆動波形とを比較する。
駆動電圧Vlaが120V以上となった場合、第1区間第1直流駆動処理D1−1、および第1区間第2直流駆動処理D1−2での直流電流を放電灯90に供給する時間は、駆動電圧Vlaが120V未満の場合と比較してそれぞれ7.7msから11.1ms、4.8から6.0msと長くなっており、一方で第1区間第3直流駆動処理D1−3の期間が3.7msから3.0msに短くなっている。
駆動電圧Vlaが120V以上となった場合、第1区間第1交流駆動処理A1−1は、駆動電圧Vlaが120V未満の場合と比較して、放電灯90に供給する交流電流の周波数を220Hzから280Hzと増加させるとともにその周期数を8サイクルから2倍の16サイクルに増加する。駆動電圧Vlaが120V以上となった場合、第1区間第3交流駆動処理A1−3は、駆動電圧Vlaが120V未満の場合と比較して、放電灯90に供給する交流電流の周期数は変えずに周波数を増加させる。第1区間第2交流駆動処理A1−2については駆動電圧Vlaが120V以上になっても駆動条件は変化していない。
この結果、第1区間の直流駆動処理については、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V以上の場合の第1区間の直流駆動処理のうち最も長く直流電流を供給する時間が、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V未満の場合の第1区間の直流駆動処理のうち最も長く直流電流を供給する時間より長くなるとともに、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V以上の場合の第1区間の直流駆動処理のうち最も短く直流電流を供給する時間が、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V未満の場合の第1区間の直流駆動処理のうち最も短く直流電流を供給する時間より短くなる。
第1区間の交流駆動処理については、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V以上の場合の第2区間の交流駆動処理で供給される第1交流電流のうちの最高周波数は、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V未満の場合の第1区間の交流駆動処理で供給される第1交流電流のうちの最高周波数より高くなるとともに、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V以上の場合の第1区間の交流駆動処理で供給される第1交流電流のうちの最低周波数は、駆動電圧Vlaが第2の閾値の120V未満の場合の第1区間の交流駆動処理で供給される第1交流電流のうちの最低周波数より高くなる。
1つの小区間1内において第1区間の直流駆動処理で直流電流が供給される時間は、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3のこの行われる順に段階的に短くなる。1つの小区間1内において第1区間の交流駆動処理で供給される交流電流の周波数は、第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3のこの行われる順に段階的に低くなる。
また、このような駆動条件の変化の結果、より長くなった最長の直流駆動処理である第1区間第1直流駆動処理D1−1の後に、より高周波となりその周期数が増加した最高周波数の交流電流が供給される交流駆動処理である第1区間第1交流駆動処理A1−1が行われる。また、より短くなった最短の直流駆動処理である第1区間第3直流駆動処理D1−3の後に引き上げられた最低周波数の交流電流が供給される交流駆動処理である第1区間第3交流駆動処理A1−3が行われる。
なお、第2区間の直流駆動処理期間及び第2区間の交流駆動処理期間についての駆動条件のテーブルも同様に記憶部44に記憶されており、その駆動条件は、放電灯90に供給される駆動電流Iの極性が第1区間とは反対であるが、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3における直流電流の供給時間及び第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3での交流電流の周波数及び周期数と同様である。
放電灯90の第1電極92及び第2電極93の劣化状態が進行し、電極間の距離の増加し駆動電圧Vlaがさらに上昇した状態では、電極先端の溶融性はさらに低下した状態となっている。そのため、良好な突起を保持するために、第3実施形態における表2に示した駆動電圧Vlaが100V以上での駆動条件のパラメーターをさらに変更することが必要となる。
本実施形態では、駆動電圧Vlaが例えば120V以上に上昇した場合に、第1区間第1直流駆動処理期間D1−1で放電灯90に供給される直流電流の供給時間を駆動電圧Vlaが120V未満の場合よりも長くし、電極先端の溶融性をさらに高め、かつその後の第1区間第1交流駆動処理期間A1−1で放電灯90に供給される交流電流の周波数を高くして周期数を多くすることで、突起を確保することが効果的である。
さらに駆動電圧Vlaが低い、例えば120V未満の場合よりも、第1区間第1〜第1区間第3直流駆動処理D1−1、D1−2、D1−3の期間の長さをこの順に段階的に短くする差分を大きくして溶融部分を限定し、それとともに第1区間第1〜第1区間第3交流駆動処理A1−1、A1−2、A1−3のうち最低周波数となる交流電流を供給する交流駆動処理期間における周波数を高くすることで、適度に突起を太くして、フリッカー現象の抑制や、突起が小さくなることによる突起移動の問題を抑制することができる。以上のように、劣化に伴う電極先端の溶融性の差異によって駆動制御を変更することで、より効果的に突起を保持することが可能となる。
なお、本実施例では交流駆動処理のうち最低周波数を用いる第1区間第1交流駆動処理A1−3の期間において、駆動電圧Vlaが120V未満の場合に対して駆動電圧Vlaが120V以上となった場合に、周期数はそのままで周波数を増加させるように駆動条件を変化させているが、最低周波数を増加させる駆動条件の変化と最低周波数の交流電流の周期数を減少させる駆動条件の変化とのうち少なくともいずれか一方の変化を行う駆動条件の変化としてもよい。
6.プロジェクターの回路構成
図12は、本実施の形態に係るプロジェクターの回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、先に説明した光学系の他に、画像信号変換部510、直流電源装置520、放電灯点灯装置10、放電灯90、液晶パネル560R、560G、560B、画像処理装置570を含む。
画像信号変換部510は、外部から入力された画像信号502(輝度−色差信号やアナログRGB信号など)を所定のワード長のデジタルRGB信号に変換して画像信号512R、512G、512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。
画像処理装置570は、3つの画像信号512R、512G、512Bに対してそれぞれ画像処理を行い、液晶パネル560R、560G、560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R、572G、572Bを出力する。
直流電源装置520は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換し、トランス(図示しないが、直流電源装置520に含まれる)の2次側にある画像信号変換部510、画像処理装置570及びトランスの1次側にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。
放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間に高電圧を発生して絶縁破壊させて放電路を形成し、以後放電灯90が放電を維持するための駆動電流Iを供給する。
液晶パネル560R、560G、560Bは、それぞれ駆動信号572R、572G、572Bにより、先に説明した光学系を介して各液晶パネルに入射する色光の輝度を変調する。
CPU(Central Processing Unit)580は、プロジェクターの点灯開始から消灯に至るまでの動作を制御する。例えば、点灯命令や消灯命令を、通信信号582を介して放電灯点灯装置10に出力してもよい。また、CPU580は、放電灯点灯装置10から放電灯90の点灯情報を、通信信号532を介して受け取ってもよい。
このように構成したプロジェクター500は、放電灯90内における定常的な対流の形成をより抑えて、電極の偏った消耗や電極材料の偏った析出を防止することができる。
上記各実施形態においては、3つの液晶パネルを用いたプロジェクターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。
上記各実施形態においては、透過型のプロジェクターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射型のプロジェクターにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶パネル等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶パネルやマイクロミラー型光変調装置などのように光変調手段としての電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。マイクロミラー型光変調装置としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス;Texas Instruments社の商標)を用いることができる。反射型のプロジェクターにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクターと同様の効果を得ることができる。
本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも可能である。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
例えば、上述の実施形態においては、駆動電流Iとして供給する交流電流として、第1極性の所定電流値が継続する期間と第2極性の所定電流値が継続する期間とを交互に繰り返す交流電流(矩形波交流電流)を例にとり説明したが、駆動電流Iとして供給する交流電流は、第1極性又は第2極性が継続する期間中に電流値が変化する交流電流としてもよい。
また例えば、第1区間での直流駆動処理、第2区間での直流駆動処理、第1区間での交流駆動処理及び第2区間での交流駆動処理の駆動条件において、直流電流を供給する長さ、並びに交流電流の周波数及び周期数を変化させる段階数や段階の時間は、放電灯の仕様等に合わせて任意に設定することが可能である。また、第1区間での直流駆動処理、第2区間での直流駆動処理、第1区間での交流駆動処理及び第2区間での交流駆動処理おいて、直流電流を供給する長さ、並びに交流電流の周波数及び周期数を各段階において連続的に変化させることも可能である。また、第1区間と第2区間とで変化する段階数や段階の時間、あるいは区間の繰り返し数が異なっていてもよい。