以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。具体的には、図1を参照して第1実施形態を説明し、次に図2〜11を参照して第2実施形態について説明する。その後、図12を参照して第3実施形態について説明し、さらに図13を参照して第4実施形態について説明する。最後に、その他の変形例についていくつか説明する。
図1は、第1実施形態の電力供給装置の構成図である。図1の電力供給装置1は、複数の出力タップ2−1〜2−nと(n≧2)、測定部3と、電力制御部4を有する。電力供給装置1は、具体的には例えばテーブルタップでもよい。電力供給装置1は、不図示のプラグを介して外部(例えば商用交流電源のコンセント)から電力の供給を受け、外部から供給された電力を、各出力タップ2−i(1≦i≦n)から、各出力タップ2−iに接続された機器に供給する。
測定部3は、複数の出力タップ2−1〜2−nのそれぞれからの供給電力を測定する。測定部3は、具体的には、電流センサと電圧センサのペアをn組含んでいてもよい。
あるいは、電圧センサは省略されてもよい。なぜなら、不図示のプラグを介して電力供給装置1に供給される電力の電圧値は、誤差を無視すれば所定の値だからである。
例えば、測定部3がn個の電流センサを含むとすると、1≦i≦nの各iについて、i番目の電流センサは、出力タップ2−iからの電流を測定する。出力タップ2−iから供給される電力は、所定の電圧値と、i番目の電流センサが測定した電流値から、計算されてもよい。計算は、電力制御部4により行われてもよい。各電流センサは、電力供給路上に挿入される電流測定回路であってもよいし、ホール素子などを用いた非接触式の電流センサであってもよい。
ここで、説明の便宜上、複数の出力タップ2−1〜2−nのうちの、ある出力タップを、「第1の出力タップ」という。また、複数の出力タップ2−1〜2−nのうちの、別のある1つ以上の出力タップを、「第2の出力タップ」という。電力制御部4は、第1の出力タップからの供給電力と、1つ以上の第2の出力タップからの供給電力の関係に基づき、1つ以上の第2の出力タップからの電力供給に応じ、第1の出力タップからの電力供給を制御する。
上記のような制御の対象である第1の出力タップが、具体的には出力タップ2−1〜2−nのいずれであるかは、測定部3による測定結果に基づいて、電力制御部4により判定される。また、各第2の出力タップが具体的には出力タップ2−1〜2−nのいずれであるかも、測定部3による測定結果に基づいて、電力制御部4により判定される。第2の出力タップの数も、測定部3による測定結果に基づいて、電力制御部4により判定される。
換言すれば、第1実施形態では、第1と第2の出力タップが動的に決められる。そのため、第1実施形態によれば、電力供給装置1の使われ方に応じて柔軟に電力供給を制御することが可能となる。なお、第1の出力タップと第2の出力タップは、それぞれ、後述の第2〜第4実施形態における、従属タップと主タップに対応する。
利用者が実際に電力供給装置1のどの出力タップにどのような機器を接続するかは、場合による。例えば、ある利用者は電力供給装置1に出力タップ2−1にPCを接続し、出力タップ2−2にプリンタを接続するかもしれない。しかし、同じ種類の電力供給装置1を使う別の利用者は、出力タップ2−1にデスクライトを接続し、出力タップ2−2にPCを接続するかもしれない。また、あるとき利用者が今までの電力供給装置1の使い方を変えるかもしれない。
このように、電力供給装置1の実際の使われ方は様々である。よって、例えば「出力タップ2−1からの電力供給に応じ、出力タップ2−2からの電力供給を制御する」などというように、出力タップ間の従属関係を固定的に定めたポリシにしたがった制御は、電力供給装置1の実際の使われ方に適合しないことがある。
しかし、第1実施形態では、測定部3による測定結果から、電力制御部4が動的に出力タップ2−1〜2−n間の関係を判定する。そして、電力制御部4は、判定した関係に基づいて、具体的にはどの出力タップを第1の出力タップとして扱うかを決めるとともに、具体的にはどの1つ以上の出力タップを第2の出力タップとして扱うかを決める。そして、電力制御部4は、1つ以上の第2の出力タップからの電力供給に応じ、第1の出力タップからの電力供給を制御する。
なお、電力制御部4は、場合によっては、出力タップ2−1〜2−nの中の1つまたは複数を、「第1の出力タップにも該当せず、第2の出力タップにも該当しない」と判定することもある。
つまり、第1の出力タップと1つ以上の第2の出力タップとの間に成立する関係が、1つ以上の第2の出力タップとの間において成立しないような第3の出力タップが、出力タップ2−1〜2−nの中に存在する場合があり得る。このような場合、電力制御部4は、1つ以上の第2の出力タップからの供給電力が変化しても、第3の出力タップからの電力供給を制御しない。
例えば、他の機器が使用されているか否かとは関係なく常に使用されるような機器が接続されている出力タップは、電力制御部4によって第3の出力タップと判定され、制御の対象から除外される。第3の出力タップは、後述の第2〜第4実施形態における独立タップに対応する。
測定部3による測定結果は、利用者による実際の電力供給装置1の使われ方を反映している。よって、測定結果に基づいて電力制御部4が制御を実行する第1実施形態によれば、電力供給装置1の使われ方に応じた柔軟な制御が可能である。
より具体的には、測定部3は、ある長さの測定期間にわたって、複数の出力タップ2−1〜2−nのそれぞれからの供給電力を測定してもよい。そして、電力制御部4は、測定期間の終了後に、上記のような制御を実行してもよい。つまり、電力制御部4による制御は、測定期間における、第1の出力タップからの供給電力と、1つ以上の第2の出力タップからの供給電力の関係に基づく。
電力制御部4は、具体的には、1つ以上の第2の出力タップからの供給電力がいずれも閾値以下になるのに応じて、第1の出力タップからの電力供給を遮断してもよい。また、電力制御部4は、1つ以上の第2の出力タップのいずれかからの供給電力が閾値を超えるのに応じて、第1の出力タップからの電力供給を開始してもよい。
例えば、閾値としては、出力タップ2−1〜2−nに接続され得る各種機器の平均的な待機電力より大きく、各種機器の通常使用時の平均的な消費電力よりは小さい電力を示すような、固定的な値が使われてもよい。あるいは、測定期間中の測定結果に応じて、出力タップ2−1〜2−nのそれぞれに応じた閾値を、電力制御部4が決定してもよい。
例えば、出力タップ2−1〜2−nのうちの1つにはPCが接続されており、別の1つには周辺機器が接続されているとする。この場合、PCの消費電力(すなわちPCが接続された出力タップからの供給電力)は、PCの使用中にはあるレベルを超えるが、PCがシャットダウンされている間は、待機電力のレベルである。また、周辺機器の消費電力(すなわち周辺機器が接続された出力タップからの供給電力)は、周辺機器の使用中にはあるレベルを超える。
一方で、多くの場合、周辺機器が使用される期間は、PCが使用される期間の一部である。よって、PCが使用されていない(つまりPCがシャットダウンされている)間は、周辺機器への電力供給を遮断することにより、無駄な待機電力を削減することができる。
例えば上記のような状況では、電力制御部4は、周辺機器の接続された出力タップを第1の出力タップと判定し、PCの接続された出力タップを第2の出力タップと判定してもよい。電力制御部4は、測定期間における測定部3の測定結果に基づいて、このような判定を下すことができる。そして、電力制御部4は、上記のように測定期間の後は、第2の出力タップからの電力供給に応じ、第1の出力タップからの電力供給を制御してもよい。
電力制御部4は、測定部3による測定結果から、ある出力タップからの供給電力の変化と別の出力タップからの供給電力の変化との間の時間的関係を判定することにより、第1と第2の出力タップを適宜決定することができる。例えば、周辺機器の接続された出力タップからの供給電力の変化と、PCの接続された出力タップからの供給電力の変化との間の時間的関係から、電力制御部4は、第1の出力タップと第2の出力タップを決定する。
また、電力供給装置1は、測定期間中の測定部3による測定結果を記憶する不図示のメモリを有していてもよい。そして、電力制御部4は、メモリに記憶された測定結果に基づいて第1と第2の出力タップを決定してもよい。つまり、電力制御部4は、メモリに蓄積された測定結果を参照することにより、出力タップ2−1〜2−nそれぞれからの供給電力の変化の時間的関係を認識することができる。
なお、測定期間の開始は、例えば、「出力タップ2−1〜2−nのうち少なくとも1つからの供給電力が所定の閾値を超えた時点を測定期間の開始とする」などの所定の規則に基づいて決められてもよい。あるいは、測定期間の開始を指示するためのボタン等の部品を電力供給装置1が有していてもよい。
また、電力供給装置1は、測定期間の終了を指示するためのボタン等の部品を有していてもよい。あるいは、測定期間の長さが予め決められていてもよい。
以上のように、第1実施形態によれば、測定結果に応じた動的な制御が行われるので、固定的なポリシを予め定める必要がなく、様々な使用環境において電力供給の制御が可能である。また、結果として、節電のための制御が適用可能な条件が緩和されるので、第1実施形態は、省エネルギー活動の実効性を高めるうえでも効果的である。
続いて、図2〜11を参照して第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態のテーブルタップの構成図である。図2では便宜上、電力供給ラインを実線で表し、制御信号線を破線で表している。
図2のテーブルタップ100は、複数の出力タップ(以下単にタップともいう)から並列に電力を供給する電力供給装置である。テーブルタップ100は、外部(例えば商用交流電源のコンセント)から電力の供給を受けるためのプラグ101と、電力を供給するための複数のタップ102a〜102dを有する。図2の例ではタップの数は4だが、タップの数は実施形態に応じて任意である。
テーブルタップ100はさらに、タップ102a〜102dのそれぞれに対応するリレー103a〜103dと測定部104a〜104dを有する。テーブルタップ100は、図2に示すように、タップ102a〜102dのそれぞれに対応する物理スイッチ105a〜105dをさらに有していてもよいが、物理スイッチ105a〜105dはなくてもよい。
例えば、タップ102aに対応するリレー103a、測定部104a、および物理スイッチ105aについて説明すると、以下のとおりである。
リレー103aは、タップ102aに直列に接続されている。リレー103aは、リレー103aに入力される制御信号にしたがって、プラグ101から延びる電力供給ライン間の接続・切断を切り換える。つまり、リレー103aは、制御信号にしたがって、タップ102aからの給電のオン・オフを切り換える。
測定部104aは、タップ102aに流れる電流を測定することにより、タップ102aから供給される電力(換言すれば、タップ102aに接続される機器の消費電力)を測定する。測定部104aは、例えば、タップ102aおよびリレー103aと直列に接続された電流センサを含んでいてもよいし、さらに電圧センサを含んでいてもよい。
なお、図2では図示の便宜上、測定部104aは、タップ102aおよびリレー103aと直列に接続されているように描かれている。しかし、電力供給ラインには接続されない非接触式の電流センサが、測定部104aとして利用されてもよい。
物理スイッチ105aは、テーブルタップ100の筐体の表面上に設けられた、利用者が操作可能なスイッチである。例えば、押しボタンスイッチやロッカスイッチなどが、物理スイッチ105aとして利用可能である。図2に破線で示すように、物理スイッチ105aはリレー103aと接続されており、物理スイッチ105aの状態に応じて、リレー103aが給電回路の接続・切断を切り換える。
つまり、リレー103aが電力供給ライン間を接続している場合に物理スイッチ105aの状態が変化すると、リレー103aは電力供給ライン間の接続を切断する。その結果、タップ102aからの電力供給は遮断される。
逆に、電力供給ライン間が接続されていない場合に物理スイッチ105aの状態が変化すると、リレー103aは電力供給ライン間を接続する。その結果、タップ102aから電力が供給される。
他のタップ102b〜102dに対応するリレー103b〜103d、測定部104b〜104d、および物理スイッチ105b〜105dも、リレー103a、測定部104a、および物理スイッチ105aと同様である。そして、図2に示すとおり、直列に接続されたタップとリレーのペア同士は、並列に接続されている。
テーブルタップ100は、さらにコントローラ106を有する。コントローラ106は、プロセッサ107と、RAM(Random Access Memory)108と、フラッシュメモリ109を含む。プロセッサ107は、例えば、フラッシュメモリ109に格納されたファームウェアプログラムにしたがって動作する汎用のCPU(Central Processing Unit)でもよい。汎用のCPUの代わりに(あるいは、汎用のCPUとともに)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が使われてもよい。
図2に破線で示すように、測定部104a〜104dの各々は、測定結果をコントローラ106に出力する。詳しくは図6とともに後述するが、ある測定期間の間、測定結果は、RAM108に蓄積される。また、例えば図7に例示するように、測定期間が経過した後は、コントローラ106(より具体的にはプロセッサ107)が、測定結果に応じた制御を実行する。
具体的には、第2実施形態におけるコントローラ106は、物理スイッチの状態を制御することで、リレーによる接続・切断の切り換えを制御する。実施形態によっては、コントローラ106が直接リレーに制御信号を与えて、リレーに接続・切断を切り換えさせてもよい。
例えば、コントローラ106は、タップ102aからの電力供給を制御するために、タップ102aに対応する物理スイッチ105aに制御信号を出力する。その結果、物理スイッチ105aの状態が切り換わる。そして、物理スイッチ105aの状態の変化に応じて、リレー103aは、電力供給ライン間の接続・切断を切り換える。もちろん、コントローラ106は、他のタップ102b〜102dからの電力供給についても、同様にして制御することができる。
なお、図2のテーブルタップ100は図1の電力供給装置1に対応し、図2のタップ102a〜102dは図1の出力タップ2−1〜2−nに対応する。そして、図2の測定部104a〜104dは図1の測定部3に対応する。
また、第2実施形態では、コントローラ106が、タップ102a〜102dそれぞれからの供給電力の関係を判定して、制御信号を適宜出力する。そして、制御信号に応じて物理スイッチ105a〜105dとリレー103a〜103dが電力供給ライン間の接続・切断を切り換えることで、タップ102a〜102dそれぞれからの電力供給がオンまたはオフに制御される。よって、図2のリレー103a〜103d、物理スイッチ105a〜105d、およびコントローラ106が、図1の電力制御部4に対応する。
さて次に、図2のテーブルタップ100が実行する処理について説明する。第2実施形態のテーブルタップ100は、以下の(a1)〜(a3)の処理を実行する。
(a1)測定期間の間、タップ102a〜102dそれぞれから供給される電力を測定し、測定結果を例えばRAM108に記録する処理。
(a2)測定期間の終了後、RAM108に記録した測定結果から、タップ102a〜102dそれぞれの種別を判定する(換言すればタップ102a〜102d間の関係を判定する)処理。
(a3)判定した種別と、ある特定の種別のタップからの供給電力の変動に応じて、他のタップからの電力供給を制御する(具体的には給電のオン・オフを制御する)処理。
以下では、まず図3〜4を参照して、(a1)の処理において記録される測定結果の例と、(a2)の処理で判定される種別の具体例について説明する。そして、図5を参照して、(a1)と(a2)の処理の概要を説明し、図6を参照して、(a1)と(a2)の処理の結果として得られる情報について説明する。その後、図7を参照して(a3)の制御の例を説明してから、図8〜11を参照して、図5中に示した(a2)の処理の詳細を説明する。
さて、図3は、各タップからの電力供給状況の第1の例を示すグラフである。図3のグラフ200は、ある測定期間201の測定結果を示す。
具体的には、図3のグラフ200には、図2の4つのタップ102a〜102dそれぞれからの供給電力を示す4本の線202a〜202dが含まれる。また、図3の例は、タップ102aにディスプレイが接続されており、タップ102bにPCが接続されており、タップ102cに周辺機器が接続されており、タップ102dにスイッチングハブが接続されている場合の例である。
線202dが示すように、スイッチングハブの消費電力は、測定期間201中、ほぼ一定である。つまり、スイッチングハブは、PC、ディスプレイ、周辺機器などの使われ方とは無関係に、ほぼ一定の電力を使う。
他方、ディスプレイと周辺機器は、PCが使われるのにともなって使われる。具体的には以下のとおりである。
線202bが示すように、タップ102bからPCに供給される電力は、PCが起動されると増加し、ある閾値を超える。当該閾値は、具体的には、PCの待機電力と通常使用時のPCの消費電力とを弁別する適宜の値である。そして、タップ102bからPCに供給される電力は、PCの使用中は当該閾値を超えたレベルにあり、PCがシャットダウンされるのにともなって低下して当該閾値を下回る。
また、ディスプレイは、PCの使用にともなって使用される。よって、線202aのとおり、タップ102aからディスプレイに供給される電力も、PCの起動のタイミングと近いタイミングで増加し、ある閾値を超える。当該閾値は、具体的には、ディスプレイの待機電力と通常使用時のディスプレイの消費電力とを弁別する適宜の値である。そして、タップ102aからディスプレイに供給される電力は、ディスプレイが使用されている間は当該閾値を超えたレベルにあり、PCのシャットダウンのタイミングと近いタイミングで低下して当該閾値以下になる。
より具体的には、PCの起動直後(つまりPCの稼働開始直後)にディスプレイが稼働を開始するので、線202aが示す電力は、線202bが示す電力の増加にわずかに遅れて増加する。また、何らかの理由(例えば、稼働終了の命令を受けた後の内部処理にかかる時間などの理由)から、図3に示すように、ディスプレイの稼働終了がPCの稼働終了よりも後のこともあり得るし、PCの方がディスプレイより遅く稼働を終了することもあり得る。しかし、いずれにせよ、線202aが示す電力が閾値以下になるタイミング(つまりディスプレイが稼働を終了するタイミング)と、線202bが示す電力が閾値以下になるタイミング(つまりPCが稼働を終了するタイミング)は近い。
すなわち、線202aと202bが示すとおり、PCの稼働期間とディスプレイの稼働期間は互いにほぼ全体が重なり合っている。それに対して、周辺機器の稼働期間は、PCの稼働期間と重なるものの、PCの稼働期間よりも短い。
例えば、図3の例では、線202bと202cが示すように、PCが稼働を開始してしばらくしてから、周辺機器が稼働を開始する。稼働の開始にともなって、線202cに示すように、タップ102cから周辺機器に供給される電力は増加し、ある閾値(具体的には、周辺機器の待機電力と通常使用時の周辺機器の消費電力とを弁別する適宜の値)を超える。
図3の例では、周辺機器は、その後、PCがシャットダウンされるまで使われ続ける。つまり、タップ102cから周辺機器に供給される電力は、PCのシャットダウンのタイミングと近いタイミングで低下して当該閾値を下回る。なお、ディスプレイについて説明したのと同様に、何らかの理由から、図3に示すように、周辺機器の稼働終了がPCの稼働終了よりも後のこともあり得るし、逆に、PCの方が周辺機器より遅く稼働を終了することもあり得る。
ところで、ある1つのタップTaに接続された機器Daの使用にともなって、他のタップTbに接続された機器Dbが使用される場合、機器Dbは機器Daに従属していると見なせる。そして、もし機器Dbが機器Daに従属するならば、機器Daが使用されていない間はタップTbから機器Dbへの電力供給を断つことにより、機器Dbにおける無駄な待機電力の消費を回避することができる。例えば、タップ102bに接続されたPCが使用されていない間は、タップ102aからディスプレイへの電力供給とタップ102cから周辺機器への電力供給を断つことにより、節電効果が得られる。
第2実施形態では、コントローラ106が、例えばグラフ200により表されるような測定結果から、どのタップからの電力供給に応じてどのタップからの電力供給を制御するかを判定する。より具体的には、プロセッサ107は、RAM108に記憶されている測定結果から各タップの種別を判定し、判定結果にしたがって電力供給を制御する。
以下では、説明の便宜上、上記のように機器Dbが機器Daに従属していると見なせる場合における、機器Daの接続されたタップTaを「主タップ」といい、機器Dbの接続されたタップTbを「従属タップ」という。また、主タップでも従属タップでもないタップを以下では「独立タップ」という。
プロセッサ107は、具体的には、各タップが主タップと従属タップと独立タップのいずれであるのかを判定する(つまり各タップの種別を判定する)。図3の例の場合、グラフ200により表される測定結果から、プロセッサ107は、「タップ102bが主タップであり、タップ102aと102cが従属タップであり、タップ102dが独立タップである」と判定する。
主タップ、従属タップ、および独立タップのより詳細な定義や、当該定義にしたがった判定方法の詳細については図8〜11とともに後述するが、プロセッサ107による判定の概要について説明すれば以下のとおりである。
グラフ200の例から理解されるように、稼働終了時刻が互いに近い機器が複数ある場合、それらの機器のうちの特定の1つの機器に残りの機器が従属していると推定される。また、複数の機器間にこのような従属関係がある場合、上記の特定の1つの機器の稼働開始が、従属する残りの機器に稼働を開始させるトリガとなり得ると考えられる。
したがって、稼働終了時刻が互いに近い複数の機器のうち、稼働開始が最も早い機器に、残りの機器が従属していると推定される。なお、詳しくは後述するとおり、後述の図4の状況を考慮に入れるために第2実施形態ではこの推定にさらに前提条件が設けられるが、ここでは前提条件についての説明は省略して、概要を先に説明することにする。
ここで、「各機器の稼働開始時刻は、当該機器が接続されたタップからの供給電力が、ある閾値を超えた時刻である」と見なすことができる。また、「各機器の稼働終了時刻は、当該機器が接続されたタップからの供給電力が、当該閾値以下になった時刻である」と見なすことができる。閾値は、実施形態に応じて、機器によらず一律に予め決められた値であってもよいし、測定期間での測定結果から機器ごとに算出される値であってもよい。
図3の例では、線202a〜202cが示すように、タップ102a〜102cそれぞれに接続された機器の稼働終了時刻は互いに近い。また、線202a〜202cの中で線202bの立ち上がりが1番早い。したがって、プロセッサ107は、タップ102bを主タップと判定し、タップ102aと102cを従属タップと判定する。また、プロセッサ107は、残りのタップ102d(すなわち、他のタップ102a〜102cからの供給電力の変動と関係なくほぼ一定の電力を供給し続けるタップ)を、独立タップと判定する。
なお、タップ102aと102cはどちらも従属タップだが、従属タップに接続された機器の稼働開始時刻は、必ずしも主タップに接続された機器の稼働開始時刻に近いとは限らない。例えば、線202bと202cが示すように、周辺機器の稼働開始時刻は、PCが稼働し始めてから、ある程度長い時間が経過した後の時刻である。よって、周辺機器への電力供給を止めることで一層の節電を行うために、コントローラ106は、「タップ102bからPCへの供給電力が閾値を超えても、タップ102cから周辺機器への電力供給をすぐには開始しない」という方針にしたがってもよい。
他方、ディスプレイは、PCの稼働開始とほぼ同じタイミングで稼働を開始する。そこで、コントローラ106は、「タップ102bからPCへの供給電力が閾値を超えたら、タップ102aからディスプレイへの電力供給を開始する」という方針にしたがうことが好ましい。
以上のように、コントローラ106は、従属タップ102aと102cに関して、異なる方針にしたがって電力供給を制御してもよい。そのために、具体的に第2実施形態においては、従属タップがさらに2種類に分類される。以下では便宜上、2種類の従属タップの一方を「完全従属タップ」といい、他方を「部分従属タップ」という。
具体的には、ある従属タップに接続された機器の稼働開始時刻が、当該従属タップに対応する主タップに接続された機器の稼働開始時刻と近い場合、当該従属タップは完全従属タップである。例えば、図3の線202aと202bに示すように、従属タップ102aに接続されたディスプレイの稼働開始時刻は、主タップ102bに接続されたPCの稼働開始時刻と近い。よって、コントローラ106は、タップ102aを完全従属タップと判定する。
逆に、ある従属タップに接続された機器の稼働開始時刻が、当該従属タップに対応する主タップに接続された機器の稼働開始時刻と近くない場合、当該従属タップは部分従属タップである。例えば、図3の線202bと202cに示すように、従属タップ102cに接続された周辺機器の稼働開始時刻は、主タップ102bに接続されたPCの稼働開始時刻とは近くない。よって。コントローラ106は、タップ102cを部分従属タップと判定する。
なお、コントローラ106は、例えば、2つの機器の稼働開始時刻の差を、予め決められた閾値と比較することにより、2つの機器の稼働開始時刻同士が近いか否かを判定することができる。
また、コントローラ106は、独立タップと判定したタップ102dに関しては、他のタップからの電力供給に応じた制御を行わない。同様に、コントローラ106は、主タップと判定したタップ102bに関しても、他のタップからの電力供給に応じた制御を行わない。
ところで、図2のテーブルタップ100は、以上説明した図3の例のような使われ方をされるとは限らない。テーブルタップ100は様々な方法で使われ得る。
例えば、テーブルタップ100が図3のように使われる場合、コントローラ106は、「ある1台の機器に他の1台以上の機器が従属していると見なせるか否か」に応じてタップの種別を判定すれば、適切に電力供給を制御することができる。しかし、テーブルタップ100が他の使われ方をする場合、テーブルタップ100は、さらに他の判定基準にしたがってタップの種別を判定することが好ましい。それにより、テーブルタップ100は、一層適切に電力供給を制御することができるようになるからである。
具体的には、コントローラ106は、「ある複数台の機器に他の1台以上の機器が従属していると見なせるか否か」に応じた種別の判定をさらに行うことが好ましい。そのような判定が効果的な具体的状況について、以下、図4を参照して説明する。
図4は、各タップからの電力供給状況の第2の例を示すグラフである。図4のグラフ300は、ある測定期間301の測定結果を示す。
具体的には、図4のグラフ300には、図2の4つのタップ102a〜102dそれぞれからの供給電力を示す4本の線302a〜302dが含まれる。また、図4の例は、3台のPCがタップ102a〜102cにそれぞれ接続されており、タップ102dにはこれら3台のPCから利用される共有機器(以下、説明の便宜上プリンタとする)が接続されている場合の例である。
線302a〜302cに示すように、3台のPCは、互いに独立したタイミングで、稼働を開始する。また、3台のPCは、互いに独立したタイミングで、稼働を終了する。図4の例は、たまたま以下の(b1)〜(b6)の順序で3台のPCが使われた場合を示している。
(b1)タップ102bに接続されたPCが稼働を開始する。
(b2)タップ102aに接続されたPCが稼働を開始する。
(b3)タップ102cに接続されたPCが稼働を開始する。
(b4)タップ102bに接続されたPCが稼働を終了する。
(b5)タップ102aに接続されたPCが稼働を終了する。
(b6)タップ102cに接続されたPCが稼働を終了する。
他方、プリンタのような共有機器は、3台のPCのうちの少なくとも1台が使用されているときに、使用される可能性がある。図4の例では、少なくとも1台のPCが使用されている期間とは、上記(b1)のタイミングから上記(b6)のタイミングまでである。
ここで、何らかの理由から、どのPCも使用されなくなった少し後までプリンタの稼働が続く可能性はあり得る。例えば、あるPCがページ数の多い印刷ジョブを実行し、印刷ジョブの実行直後にシャットダウンした場合、PCが稼働を終了してから少しの間、プリンタが印刷を続けているかもしれない。
しかし、プリンタが稼働を終了するタイミングは、少なくとも1台のPCが稼働している状態からどのPCも稼働していない状態へと状態が変化するタイミングよりも大幅に遅くなることはない、と考えられる。例えば、図4の例では、線302cと302dが示すように、タップ102cに接続されたPCが稼働を終了した直後に、タップ102dに接続されたプリンタが稼働を終了する。
以上説明したような図4の状況には、例えば、「少なくとも1台のPCが稼働していれば、タップ102dからプリンタに電力を供給し、どのPCも稼働していなければプリンタへの電力供給を遮断する」のような方針にしたがった制御が好適である。そして、このような好適な制御を実現するためには、「複数台の機器に他の1台以上の機器が従属している」という従属関係に基づいて、コントローラ106が主タップと従属タップを判定すればよい。具体的には以下のとおりである。
ある複数のタップTa1,……,Tax(x>1)にそれぞれ接続された複数の機器Da1,……,Daxのうち少なくとも1つの使用にともなって、上記複数のタップTa1,……,Taxとは別のタップTbに接続された機器Dbが使用されるとする。この場合、機器Dbは、複数の機器Da1,……,Daxに従属している(あるいは、複数の機器Da1,……,Daxを含む1つのグループに従属している)と見なせる。そして、もし機器Dbが複数の機器Da1,……,Daxに従属しているならば、複数の機器Da1,……,Daxのうち1つも使用されていない間は機器Dbへの電力供給を断つことにより、機器Dbにおける無駄な待機電力の消費を回避することができる。
そこで、コントローラ106は、機器Dbが複数の機器Da1,……,Daxに従属していると見なせる場合における、機器Da1,……,Daxがそれぞれ接続された複数のタップTa1,……,Taxのそれぞれを、主タップと判定する。また、コントローラ106は、この場合における機器Dbが接続されたタップTbを、従属タップと判定する。
なお、上記のような機器Dbの条件に当てはまる機器が2台以上存在する可能性もある。しかし、コントローラ106は、それら2台以上の機器がそれぞれ接続されたタップについて、個別に従属タップと判定して、それらのタップからの電力供給を個別に制御すればよい。よって、上記および下記の説明では、主タップTa1,……,Taxに対応する従属タップとして、単純に1つのタップTbのみを挙げて説明している。
また、以下では説明の便宜上、図3を参照して説明したように1つだけで主タップと判定されるタップを「第1種主タップ」ともいう。逆に、図4を参照して今説明しているように、ある機器Dbの従属先の複数の機器Da1,……,Daxが接続された複数のタップTa1,……,Taxの各々のことは、「第2種主タップ」ともいう。
コントローラ106は、例えば以下のようにして、第1種主タップとその従属タップだけでなく、第2種主タップとその従属タップも判定することができる。
第1種主タップに関して、上記の説明では前提条件を省略して、「稼働終了時刻が互いに近い複数の機器のうち、稼働開始が最も早い機器に、残りの機器が従属している」という推定に基づいて各タップの種別が判定されるものと説明した。以下、説明の便宜上、この推定における「稼働開始が最も早い機器」を「機器D0」と表記することにする。上記の説明において省略された前提条件は、具体的には「機器D0の稼働終了よりも早いタイミングで稼働が終了し、稼働期間が機器D0の稼働開始をまたぐような他の機器が存在しない」という条件である。
換言すれば、あるタップTに接続された機器Dの稼働開始が、下記(c1)と(c2)のどの機器の稼働開始よりも早い場合、「当該タップTに接続された当該機器Dに、(c1)のすべての機器が従属している」と判定される。図3の説明において省略されていた前提条件は、下記(c2)に対応する条件である。
(c1)当該タップTに接続された当該機器Dの稼働終了と近いタイミングで稼働が終了する他のすべての機器。
(c2)当該タップTに接続された当該機器Dの稼働期間中に稼働が終了する他のすべての機器。
例えば、図3の例では、上記の「稼働終了時刻が互いに近い複数の機器」は、線202a〜202cに示すとおり、ディスプレイとPCと周辺機器である。よって、「機器D0」に該当するのは、稼働開始が最も早いPCである。
図3の例では、PCの稼働期間中に稼働が終了するような機器が存在しない。よって、図3の例では、上記前提条件の有無によらず、コントローラ106は、PCの接続されたタップ102bを主タップと適切に判定するとともに、タップ102aと102cを従属タップと適切に判定する。
ところが、仮に上記前提条件がないとすると、図4の例では、プリンタの接続されたタップ102dが誤って主タップと判定され、プリンタと稼働終了のタイミングが近いPCが接続されたタップ102cが誤って従属タップと判定されてしまう。なぜなら、プリンタの方が、タップ102cに接続されたPCよりも早く稼働を開始するからである。
そこで、誤判定を防ぐため、上記前提条件が使われる。図4の例では、上記「機器D0」に該当するのは、タップ102dに接続されたプリンタである。また、図4によれば、プリンタの稼働終了よりも早いタイミングで稼働が終了している機器は、タップ102a〜102cにそれぞれ接続された3台のPCである。
線302aと302dから分かるように、タップ102aに接続されたPCの稼働期間はプリンタの稼働開始をまたいでいる。また、線302bと302dから分かるように、タップ102bに接続されたPCの稼働期間もプリンタの稼働開始をまたいでいる。したがって、図4の例では上記前提条件が成立しない。以上のとおり、上記前提条件を導入することにより、「機器D0」に該当するプリンタを主タップと誤判定することは防止される。
例えば、機器D0の稼動開始前に稼働を既に終了している機器は、仮にあったとしても、そのような機器と機器D0の間には従属関係はないと考えられるから、無視して差し支えない。また、機器D0の稼動開始後に稼働を開始して、機器D0の稼働終了よりもずっと早く稼働を終了してしまう機器は、仮にあったとしても、「機器D0の接続されたタップが主タップである」という判定に矛盾するものではないから、無視して差し支えない。
なお、機器D0の定義から明らかなように、機器D0の稼働終了に近いタイミングで稼働を終了する他の機器は、機器D0の稼働開始よりも遅く稼働を開始する。よって、機器D0の稼働終了に近いタイミングで稼働を終了する他の機器は、機器D0の稼働開始をまたいで稼働することはない。
ところが、機器D0の稼動開始をまたいで稼働するような機器があるとすると、「当該機器の使用にともなって機器D0が使用され出した」という可能性がある。つまり、機器D0の稼動開始をまたいで稼働するような機器の存在は、「機器D0の接続されたタップが主タップである」という判定と矛盾する可能性がある。上記前提条件は、そのような矛盾のある判定を避けるための条件である。
さて、以上説明したように前提条件が導入されると、図3の例とは異なり、図4の例では、どのタップも第1種主タップとは判定されないことになる。しかし、上述のとおり、もし、コントローラ106が「3つのタップ102a〜102cが第2種主タップでありタップ102dが従属タップである」と判定することができれば、効果的な電力供給制御が可能となる。
そこで、第1種主タップまたは従属タップと判定されたタップ以外の、あるタップTa1に関して、以下の条件(d1)と(d2)がともに成立する場合、コントローラ106は、タップTa1,……,Tax(x≧2)のそれぞれを第2種主タップと判定し、タップTbを従属タップと判定する。
(d1)タップTa1に接続された機器Da1の稼働開始よりも早く稼働を開始し、機器Da1の稼働終了と近いタイミングで稼働が終了するような機器Dbが接続されたタップTbが存在する。ただし、タップTbは、既に第1種主タップと判定されたタップではない。
(d2)機器Da1の稼働開始をまたいで稼働しており、かつ、機器Dbの稼働開始よりも早く稼働を開始する1つ以上の機器Da2,……,Dax(x≧2)がそれぞれ接続されたタップTa2,……,Taxが存在する。ただし、タップTa2,……,Taxはいずれも、既に第1種主タップと判定されたタップではない。
なお、条件(d1)が成立するタップTbが2つ以上存在する場合もあり得る。その場合は、個々のタップTbについて、それぞれ、条件(d2)が成立するようなタップTa2,……,Taxの存否をコントローラ106が判定すればよい。
図4の例において、コントローラ106は、例えば以下のような順序で判定を行ってもよい。
まず、コントローラ106は、タップ102aを仮にタップTa1と見なして、条件(d1)と(d2)が成立するか否かをチェックする。この場合、条件(d1)を満たすタップTbが存在しないので、第2種主タップは見つからない。
次に、コントローラ106は、タップ102bを仮にタップTa1と見なして、条件(d1)と(d2)が成立するか否かをチェックする。この場合も、条件(d1)を満たすタップTbが存在しないので、第2種主タップは見つからない。
続いて、コントローラ106は、タップ102cを仮にタップTa1と見なして、条件(d1)と(d2)が成立するか否かをチェックする。この場合、条件(d1)を満たすタップTbとして、タップ102dが見つかる。さらに、条件(d2)を満たすタップTa2およびTa3として、タップ102aおよび102bが見つかる。
よって、コントローラ106は、タップ102a〜102cを第2種主タップと判定し、タップ102dを従属タップと判定する。以上により、タップ102a〜102dすべての種別が判定される。
なお、もし仮にタップ102aに接続されたPCがプリンタよりも後に稼働を開始するならば、タップ102aは第2種主タップとは判定されない。なぜなら、タップ102cをタップTa1と見なした場合に、タップ102aは条件(d2)を満たさないことになるからである。
さて、次に図5を参照して、上記(a1)と(a2)の処理の概要を説明する。図5は、タップ種別判定処理のフローチャートである。
ステップS101に示すように、テーブルタップ100は、測定期間の間、タップごとに、当該タップからの供給電力を測定する。具体的には、タップ102aからの供給電力を測定部104aが測定し、測定部104aは測定結果をコントローラ106に出力する。コントローラ106は、測定部104aから出力された測定結果を、時刻と対応づけてRAM108に記憶する。同様に、タップ102b〜102dそれぞれからの供給電力も、測定部104b〜104dによりそれぞれ測定され、測定結果は時刻と対応づけられてRAM108に記憶される。
なお、ステップS101の測定期間は、換言すれば、テーブルタップ100が初期モニタリングモードで動作する期間であり、タップ102a〜102dそれぞれからの供給電力の変化のパターンをテーブルタップ100が学習する期間である。測定期間は適宜決められていてよい。
例えば、テーブルタップ100は、図2には不図示のボタンをさらに有していてもよい。そして、利用者が当該ボタンを押下することにより測定期間の開始が指示されてもよい。つまり、コントローラ106は、当該ボタンの押下を検出するまでは、測定部104a〜104dからの出力を無視し、当該ボタンの押下を検出したら、測定部104a〜104dからの出力をRAM108に記憶してもよい。
あるいは、テーブルタップ100の使用開始に応じて、ステップS101の測定期間が開始されてもよい。つまり、タップ102a〜102dのうち少なくとも1つから電力が供給され出したら(あるいは、少なくとも1つのタップからの供給電力が所定の閾値を超えたら)、測定期間が開始されてもよい。具体的には、コントローラ106は、測定部104a〜104dからの出力を監視することで、少なくとも1つのタップから電力が供給され出したか否か(あるいは、少なくとも1つのタップからの供給電力が所定の閾値を超えたか否か)を判定してもよい。
測定期間の長さは、予め決められていてもよい。例えば、利用者による通常の使用パターンの繰り返し周期は、24時間と想定されるかもしれない。この場合、利用者が各種機器を通常どおり使用するだけでテーブルタップ100が使用状況を学習することができるようにするために、測定期間の長さは、24時間と決められていてもよい。
あるいは、測定期間の長さは、利用者による通常の使用パターンの繰り返し周期より短い時間に決められていてもよい。例えば、測定期間は、1〜3時間程度でもよいし、これより短くても長くてもよい。
上記のように繰り返し周期よりも測定期間が短い場合、利用者は、タップ102a〜102dにそれぞれ接続された機器を通常と同様の標準的な順序で利用することにより、テーブルタップ100に標準的な使用状況を学習させることが好ましい。
測定期間の長さは、予め決められていなくてもよい。例えば、テーブルタップ100は、図2には不図示のボタン(例えば押しボタンスイッチ)をさらに有していてもよい。そして、利用者が当該ボタンを押下することにより測定期間の終了が指示されてもよい。
測定期間の終了を指示するためのボタンは、物理的には、測定期間の開始を指示するためのボタンと同じであってもよいし、別のボタンであってもよい。コントローラ106は、測定期間の終了を指示するためのボタンが押下されるまでは、測定部104a〜104dからの出力をRAM108に記憶し続け、当該ボタンの押下を検出したら、測定結果のRAM108への蓄積をやめてもよい。
なお、コントローラ106のプロセッサ107は、タイマ回路を有していてもよく、プロセッサ107は、測定期間中は所定の間隔でタップ102a〜102dからの出力を取り込んでRAM108に記憶してもよい。上記間隔は実施形態に応じて任意である。また、RAM108の記憶領域の節約のために、プロセッサ107は、どのタップについても前回の測定結果と今回の測定結果の差が所定の範囲内の場合、今回の測定結果を破棄してもよい。
いずれにせよ、測定期間中は、タップ102a〜102dそれぞれからの供給電力を測定部104a〜104dが測定し、測定結果が時刻と対応づけられてRAM108に記憶される。そして、ステップS101に示すように、測定期間の終了後、プロセッサ107は、さらに、RAM108に記憶した測定結果に基づいて、各タップに接続された機器について稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定する。なお、プロセッサ107は、後で参照するために、各タップに接続された機器の稼働開始時刻と稼働終了時刻をRAM108に記憶しておく。
例えば、タップ102a〜102dに共通に適用される閾値が予め決められていてもよい。当該閾値は、多くの機器において待機電力と通常使用時の電力を弁別することができる値であることが好ましい。
この場合、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が当該閾値を超えた時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働開始時刻と判定する。また、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が当該閾値以下になった時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働終了時刻と判定する。プロセッサ107は、他のタップ102b〜102dに接続された機器についても、同様にして稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定する。
しかし、機器によって待機電力は多少異なる。また、機器によって通常使用時の使用電力の範囲も異なる。よって、上記のような共通の閾値の代わりに、タップごとに異なる閾値が使われてもよい。
例えば、プロセッサ107は、RAM108に記憶した測定結果から、測定期間におけるタップ102aからの供給電力について、何らかの代表値(つまり何らかの統計量)を取得または計算してもよい。代表値の具体例は、例えば、以下の(e1)〜(e3)などである。
(e1)タップ102aからの供給電力の、測定期間における最大値。
(e2)タップ102aからの供給電力の、測定期間における平均値。
(e3)測定期間のうち、タップ102aからの供給電力が所定の閾値を超える期間での、タップ102aからの供給電力の平均値。
なお、上記(e3)における「所定の閾値」は、どのタップにも共通の値でもよく、例えば、種々の機器での平均的な待機電力よりやや大きな値であることが好ましい。また、タップ102aからの供給電力が所定の閾値を超える期間は、時間的に複数に分散している場合もあり得る。
プロセッサ107は、取得または計算した代表値に、所定の割合を乗ずることによって、タップ102aについての閾値を計算する。プロセッサ107は、以上のようにして計算した閾値をタップ102aからの供給電力が超えた時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働開始時刻と判定する。また、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が当該閾値以下になった時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働終了時刻と判定する。プロセッサ107は、他のタップ102b〜102dに接続された機器についても、同様にして稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定する。
実施形態によっては、プロセッサ107は、上記のような所定の割合を使う代わりに、ヒストグラムを使ってもよい。例えば、プロセッサ107は、RAM108に記憶された測定結果から、タップ102aからの供給電力のヒストグラムを作成し、ヒストグラムに基づいて、タップ102aについての閾値を計算してもよい。
あるいは、プロセッサ107は、タップ間で共通の閾値と、タップごとに異なる閾値を、組み合わせて利用してもよい。
例えば、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が、共通の閾値またはタップ102aについて計算した閾値のうち少なくとも一方を越えた時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働開始時刻と判定してもよい。この場合、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が、共通の閾値以下かつタップ102aについて計算した閾値以下になった時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働終了時刻と判定する。
あるいは、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が、共通の閾値とタップ102aについて計算した閾値の双方を超えた時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働開始時刻と判定してもよい。この場合、プロセッサ107は、タップ102aからの供給電力が、共通の閾値以下またはタップ102aについて計算した閾値以下になった時刻を、タップ102aに接続された機器の稼働終了時刻と判定する。
なお、どのような閾値が使われるにせよ、以上のような判定方法によれば、あるタップに接続された機器について稼働開始時刻がない場合と、1つの稼働開始時刻が見つかる場合と、2つ以上の稼働開始時刻が見つかる場合がある。つまり、測定期間の開始時点で既に稼働中の機器については、稼働開始時刻が見つからないことがある。また、一旦稼働を終了してから再稼働する機器については、2つ以上の稼働開始時刻が見つかることがある。
同様に、あるタップに接続された機器について稼働終了時刻がない場合と、1つの稼働終了時刻が見つかる場合と、2つ以上の稼働終了時刻が見つかる場合がある。つまり、測定期間の終了時にも稼働中の機器については、稼働終了時刻が見つからないことがある。また、稼働の終了と再稼働を繰り返す機器については、2つ以上の稼働終了時刻が見つかることがある。
以下では説明の簡単化のため、どのタップに接続された機器に関しても、当該機器の稼働期間は測定期間内の連続した1つの期間だけであると仮定する。しかし、場合によっては、測定期間内に含まれる不連続な2つ以上の期間において稼働する機器(すなわち、測定期間中に少なくとも1回は稼働を終了して再度稼働を開始する機器)も存在し得る。そのような機器に関しては、プロセッサ107は、当該2つ以上の期間のうちの最初または最後の1つの期間だけを当該機器の稼働期間と見なしてもよい。あるいは、そのような機器に関しては、プロセッサ107は、無条件に(すなわち他のタップの稼働開始時刻や稼働終了時刻によらず)独立タップと判定してもよい。
なお、以上のステップS101の説明においては、プロセッサ107が稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定するものとしたが、必ずしも時刻が使われなくてもよい。図3〜4に関する説明から明らかなように、主タップや従属タップなどの種別の判定には、稼働開始や稼働終了のタイミングについて、前後関係や時間的な近さが使われるが、時刻そのものは判定には不要だからである。
プロセッサ107が測定部104a〜104dそれぞれからの出力を所定間隔でRAM108に記憶する場合、時刻の代わりに、例えば、測定回数を示すカウンタ値などの別の値が使われてもよい。例えば、2つのカウンタ値の差の絶対値が所定の値(例えば1)以下のとき、プロセッサ107は、当該2つのカウンタ値に対応する2つの時刻同士が近い、と判定してもよい。
さて、以上のようにしてステップS101で初期モニタリングモードでの測定が行われ、さらに各タップに接続された機器の稼働開始時刻および稼働終了時刻が判定された後、ステップS102でプロセッサ107は、独立タップ検出処理を行う。独立タップ検出処理の詳細は図8とともに後述するが、ステップS102では、主タップの定義にも従属タップの定義にも当てはまらないことが自明なタップを、プロセッサ107が先に独立タップと判定する。
次に、ステップS103でプロセッサ107は、第1種主タップ検出処理を行う。第1種主タップ検出処理の詳細は図9とともに後述する。
そして、次のステップS104でプロセッサ107は、ステップS103の結果として第1種主タップと判定したタップがあるか否かを判定する。プロセッサ107が第1種主タップと判定したタップがある場合、図5のタップ種別判定処理はステップS105へと移行する。逆に、プロセッサ107が第1種主タップと判定したタップがない場合、図5のタップ種別判定処理はステップS106へと移行する。
ステップS105でプロセッサ107は、第1の従属関係判定処理を行う。詳細は図10とともに後述するが、第1の従属関係判定処理は、検出した第1種主タップに対応する従属タップ(具体的には完全従属タップまたは部分従属タップ)を検出し、第1種主タップでも従属タップでもない残りのタップを独立タップと判定する処理である。ステップS105の第1の従属関係判定処理が完了すると、全タップの種別が決まるので、図5のタップ種別判定処理も終了する。
他方、ステップS106でプロセッサ107は、第2の従属関係判定処理を行う。詳細は図11とともに後述するが、第2の従属関係判定処理は、第2種主タップおよび第2種主タップに対応する従属タップ(具体的には部分従属タップ)を検出し、第2種主タップでも従属タップでもない残りのタップを独立タップと判定する処理である。もちろん、場合によっては、第2種主タップの条件に当てはまるタップが存在せず、結果的に全タップが独立タップと判定されることもあり得る。ステップS106の第2の従属関係判定処理が完了すると、全タップの種別が決まるので、図5のタップ種別判定処理も終了する。
さて、図6は、テーブルタップ100に記憶される情報の例を示す図である。具体的には、RAM108が測定結果テーブル401を記憶し、フラッシュメモリ109が種別テーブル402または403のような種別テーブルを記憶する。なお、図6では説明の便宜上テーブル形式の情報が例示されているが、実施形態によっては、テーブル形式以外のデータ形式が使われてもよい。
図6では、図示の便宜上、タップ102a〜102dを「第1タップ」〜「第4タップ」と表記してある。また、図6では、便宜上、各タップの種別を言葉で表現しているが、もちろん、種別はコードや数字などで表されていてもよい。
具体的には、図6の例では、図5のステップS101の測定の結果として、測定結果テーブル401にはM個(M>1)の時刻とそれぞれ対応づけられて、当該時刻におけるタップ102a〜102dそれぞれからの供給電力がワット(W)単位で記憶されている。例えば、図6によれば、時刻t2において、第1タップ102aからの供給電力は3.2Wであり、第2タップ102bからの供給電力は5.0Wであり、第3タップ102cからの供給電力は0.0Wであり、第4タップ102dからの供給電力は2.5Wである。
種別テーブルは、図5のタップ種別判定処理の結果(すなわち、各タップの種別と、当該タップが従属タップの場合は従属先のタップを示す情報)を保持するためのテーブルである。なお、各タップの種別の初期値は、「未決定」を示す値であり、従属先のタップを示す情報の初期値も無効な値(図6ではハイフンにより示される)であるものとする。
具体的には、図5のステップS101の測定期間において、図3のグラフ200のような測定結果が得られた場合、フラッシュメモリ109の種別テーブルには、種別テーブル402に示すように判定結果が書き込まれる。あるいは、図5のステップS101の測定期間において、図4のグラフ300のような測定結果が得られた場合、フラッシュメモリ109の種別テーブルには、種別テーブル403に示すように判定結果が書き込まれる。
種別テーブル402によれば、第1タップ102aは完全従属タップであり、第1タップ102aの従属先は第2タップ102bである。また、種別テーブル402によれば、第2タップ102bは第1種主タップであり、第3タップ102cは第2タップ102bに従属する部分従属タップである。そして、種別テーブル402によれば、第4タップ102dは独立タップである。
他方、種別テーブル403によれば、第1タップ102aと第2タップ102bと第3タップ102cはいずれも第2種主タップであり、第4タップ102dが部分従属タップである。そして、第4タップ102dの従属先は、第1タップ102a〜第3タップ102cである。
なお、図5のタップ種別判定処理の終了後、プロセッサ107は測定結果テーブル401を参照する必要はない。また、測定結果テーブル401にデータが蓄積される測定期間は、プラグ101からテーブルタップ100に電力が供給されている。そのため、測定結果テーブル401は揮発性のRAM108に記憶されていても構わない。もちろん、実施形態によっては、測定結果テーブル401がフラッシュメモリ109に記憶されても構わない。
また、第2実施形態では、種別テーブルは揮発性のRAM108ではなく、不揮発性のフラッシュメモリ109に記憶される。例えば、部屋の掃除などのために一旦プラグ101を抜いた後に、再度今までと同じようにテーブルタップ100が使われることもあるので、第2実施形態では、種別の判定結果を保持し続けるために、種別テーブルはフラッシュメモリ109に記憶される。
しかし、実施形態によっては、種別テーブルがRAM108に記憶されても構わない。その場合は、プラグ101が抜かれるたびに、テーブルタップ100は図5のタップ種別判定処理を実行すればよい。
さて、以上の図5のタップ種別判定処理の結果、例えば図6の種別テーブル402または403のような判定結果が得られると、その後、テーブルタップ100は、各タップからの電力供給を種別に応じて制御する。図7は、電力供給制御方法の例を示す状態遷移図である。なお、コントローラ106は、測定期間が終わった後も、適宜のタイミングで(例えば所定の間隔で)測定部104a〜104dからの出力を受け取ることで、タップ102a〜102dそれぞれからの供給電力を監視し続ける。
第2実施形態では、主タップ(より具体的には、第1種主タップもしくは第2種主タップ)または独立タップからの電力供給は、状態遷移図410にしたがって制御される。そして、完全従属タップからの電力供給は、状態遷移図420にしたがって制御され、部分従属タップからの電力供給は、状態遷移図430にしたがって制御される。
状態遷移図410と420と430に示す状態は、「接続」と「切断」の2種類である。接続状態は、リレーが電力供給ライン間を接続している状態であり、すなわち、タップから電力が供給される状態である。切断状態は、電力供給ライン間の接続が切断されている状態であり、タップから電力が供給されない状態である。以下では説明の便宜上、タップ102aからの電力供給の制御を例にして、状態遷移図410と420と430について説明する。
プロセッサ107がタップ102aを主タップまたは独立タップと判定した場合、タップ102aからの電力供給は状態遷移図410にしたがって制御される。なお、状態遷移図410における初期状態は接続状態であるものとするが、実施形態によっては切断状態が初期状態であってもよい。
タップ102aが接続状態のときに物理スイッチ105aが利用者により操作されると、物理スイッチ105aの状態が切り換わる。そして、物理スイッチ105aはリレー103aに制御信号を出力し、リレー103aは制御信号にしたがって電力供給ライン間の接続を切断する。その結果、タップ102aからの電力供給は遮断される。状態遷移図410では、以上の変化が接続状態から切断状態への遷移として示されている。
他方、タップ102aが切断状態のときに物理スイッチ105aが利用者により操作されると、物理スイッチ105aの状態が切り換わる。そして、物理スイッチ105aはリレー103aに制御信号を出力し、リレー103aは制御信号にしたがって電力供給ライン間を接続する。その結果、タップ102aから電力が供給される。状態遷移図410では、以上の変化が切断状態から接続状態への遷移として示されている。
以上のように、主タップからの電力供給も、独立タップからの電力供給も、対応する物理スイッチに対する操作に応じて制御されることはあるが、他のタップからの電力供給に応じては制御されない。逆に、従属タップからの電力供給は、以下に説明するように、他の1つまたは複数のタップからの電力供給に応じて制御される。
プロセッサ107がタップ102aを完全従属タップと判定した場合、タップ102aからの電力供給は状態遷移図420にしたがって制御される。なお、状態遷移図420における初期状態も接続状態であるものとするが、実施形態によっては切断状態が初期状態であってもよい。なお、タップの種別の定義から明らかなように、完全従属タップには1個の第1種主タップが対応する。
物理スイッチ105aの操作に応じた接続状態と切断状態の間の遷移は、状態遷移図410と420で同様である。よって、詳しい説明を省略する。
また、タップ102aが接続状態のときに、タップ102aの従属先の第1種主タップからの供給電力が閾値以下になると、コントローラ106(具体的にはプロセッサ107)は、物理スイッチ105aの状態を変えるための制御信号を出力する。すると、制御信号にしたがって物理スイッチ105aの状態が変化し、状態変化にともなって物理スイッチ105aはリレー103aに制御信号を出力する。そして、リレー103aは、物理スイッチ105aからの制御信号にしたがって電力供給ライン間の接続を切断する。その結果、タップ102aからの電力供給は遮断される。状態遷移図420では、以上の変化が接続状態から切断状態への遷移として示されている。
例えば、説明の便宜上、仮に、タップ102bが第1種主タップであり、タップ102aがタップ102bに従属する完全従属タップだとする。この場合、プロセッサ107は、タップ102bからの供給電力を測定する測定部104bからの出力を監視する。
そして、タップ102bからの供給電力(すなわち測定部104bからの出力値)が閾値以下になると、プロセッサ107は、完全従属タップ102aに対応する物理スイッチ105aに制御信号を出力する。なお、ここでの閾値は、具体的には、タップ102bに接続された機器に関して、図5のステップS101で稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に用いられた閾値である。
以上例示したように、タップ102aが接続状態のときにタップ102aの従属先の第1種主タップからの供給電力が閾値以下になると、タップ102aの状態は切断状態に変化し、タップ102aからの電力供給は遮断される。
逆に、タップ102aが切断状態のときに、タップ102aの従属先の第1種主タップからの供給電力が閾値を超えると、プロセッサ107は、物理スイッチ105aの状態を変えるための制御信号を出力する。すると、制御信号にしたがって物理スイッチ105aの状態が変化し、状態変化にともなって物理スイッチ105aはリレー103aに制御信号を出力する。そして、リレー103aは、物理スイッチ105aからの制御信号にしたがって電力供給ライン間を接続する。その結果、タップ102aから電力が供給される。状態遷移図420では、以上の変化が切断状態から接続状態への遷移として示されている。
例えば、タップ102bが第1種主タップであり、タップ102aがタップ102bに従属する完全従属タップだとする。この場合、プロセッサ107は、タップ102bからの供給電力(すなわち測定部104bからの出力値)を監視する。そして、タップ102bからの供給電力が閾値(具体的には、タップ102bに接続された機器に関して、稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に用いられた閾値)を超えると、プロセッサ107は制御信号を物理スイッチ105aに出力する。
以上例示したように、タップ102aが切断状態のときにタップ102aの従属先の第1種主タップからの供給電力が閾値を超えると、タップ102aの状態は接続状態に変化する。
以上説明したように、第2実施形態では、完全従属タップの状態は、利用者による物理スイッチの操作がなくても、自動的に切断状態と接続状態の間で切り換えられる。よって、状態遷移図420にしたがって完全従属タップに関してプロセッサ107が実行する制御には、「無駄な待機電力の消費が防止可能」という効果だけでなく、「物理スイッチを利用者が操作する手間が不要なので、利便性が向上する」という効果もある。
さて、プロセッサ107がタップ102aを部分従属タップと判定した場合、タップ102aからの電力供給は状態遷移図430にしたがって制御される。なお、状態遷移図430の初期状態も接続状態であるものとするが、実施形態によっては切断状態が初期状態であってもよい。また、部分従属タップは、1個の第1種主タップに従属しているかもしれないし、複数個の第2種主タップに従属しているかもしれない。つまり、部分従属タップの従属先の主タップの数は1以上の任意の数であり得る。
物理スイッチ105aの操作に応じた接続状態と切断状態の間の遷移は、状態遷移図410と430で同様である。よって、詳しい説明を省略する。
また、タップ102aが接続状態のときに、タップ102aの従属先の主タップ(具体的には1個の第1種主タップまたは複数個の第2種主タップ)のいずれからの供給電力も閾値以下になると、コントローラ106(具体的にはプロセッサ107)は、物理スイッチ105aの状態を変えるための制御信号を出力する。すると、制御信号にしたがって物理スイッチ105aの状態が変化し、状態変化にともなって物理スイッチ105aはリレー103aに制御信号を出力する。そして、リレー103aは、物理スイッチ105aからの制御信号にしたがって電力供給ライン間の接続を切断する。その結果、タップ102aからの電力供給は遮断される。状態遷移図430では、以上の変化が接続状態から切断状態への遷移として示されている。
例えば、タップ102aは、ある1つの第1種主タップに従属しているかもしれない。説明の便宜上、仮に、タップ102bが第1種主タップであり、タップ102aがタップ102bに従属しているとする。この場合、プロセッサ107は、タップ102bからの供給電力を測定する測定部104bからの出力を監視する。
そして、タップ102bからの供給電力(すなわち測定部104bからの出力値)が閾値以下になると、プロセッサ107は、制御信号を物理スイッチ105aに出力する。なお、ここでの閾値は、具体的には、タップ102bに接続された機器に関して、図5のステップS101で稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に用いられた閾値である。
あるいは、タップ102aは、複数の第2種主タップに従属しているかもしれない。説明の便宜上、仮に、タップ102b〜102dがいずれも第2種主タップであり、タップ102aがタップ102b〜102dに従属しているとする。
この場合、プロセッサ107は、タップ102b〜102dからの供給電力を測定する測定部104b〜104dからの出力を監視する。そして、下記の条件(f1)〜(f3)がすべて成立すると、プロセッサ107は制御信号を物理スイッチ105aに出力する。
(f1)タップ102bからの供給電力(すなわち測定部104bからの出力値)が閾値(具体的には、タップ102bに接続された機器に関して稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に用いられた閾値)以下になった。
(f2)タップ102cからの供給電力(すなわち測定部104cからの出力値)が閾値(具体的には、タップ102cに接続された機器に関して稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に用いられた閾値)以下になった。
(f3)タップ102dからの供給電力(すなわち測定部104dからの出力値)が閾値(具体的には、タップ102dに接続された機器に関して稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に用いられた閾値)以下になった。
以上例示したように、タップ102aが接続状態のときにタップ102aの従属先の主タップのいずれからの供給電力も閾値以下になると、タップ102aの状態は接続状態に変化する。
ところで、状態遷移図430に示すとおり、部分従属タップからの電力供給は、プロセッサ107の制御にしたがって遮断された後は、利用者が物理スイッチを操作するまで再開されない。このような方針が採用される理由は、部分従属タップに接続された機器は主タップに接続された機器の使用中であっても必ずしも使用されるとは限らないためである。
例えば、図3の線202bと202cに示すように、PCが使用中であっても周辺機器が必ず使用されるとは限らない。換言すれば、PCが稼働を開始したとしても、周辺機器はすぐに使われるとは限らない。よって、周辺機器による無駄な待機電力を削減するためには、PCが稼働を開始しても、周辺機器への給電を自動的には開始しないことが好ましい。つまり、周辺機器の接続されたタップ102cに対応する物理スイッチ105cを利用者が明示的に操作してはじめて周辺機器への電力供給が再開されるように、プロセッサ107が制御を行うことが好ましい。
状態遷移図430は、以上例示したような好ましい制御の例を示す。状態遷移図430に示す制御方法によれば、利用者の手間はやや増えてしまうが、節電の観点からは、このような制御方法が好ましいのである。
また、「手間が増える」とは言っても、利用者は単に、使いたい機器が接続された部分従属タップに対応する物理スイッチを操作するだけである。よって、利用者に大きな負担が生じるわけではない。つまり、状態遷移図430による制御は、利便性と省エネルギー性を両立させた制御と言える。
ところで、もし物理スイッチ105a〜105dがなければ、部分従属タップの状態を切断状態から接続状態へと遷移させるために、部分従属タップの状態も完全従属タップと同様に状態遷移図420にしたがってプロセッサ107が制御することも可能である。しかし、第2実施形態では、物理スイッチ105a〜105dを設けることにより、部分従属タップの状態を切断状態から接続状態へと遷移させることを可能にしている。つまり、第2実施形態では、物理スイッチ105a〜105dを設けることにより、部分従属タップに関して、状態遷移図430による制御(すなわち状態遷移図420による制御よりも高い節電効果の得られる制御)が実行可能となっている。
なお、上記の説明では便宜上、主にタップ102aからの電力供給の制御について説明したが、他のタップ102b〜102dからの電力供給も、同様に、状態遷移図410または420にしたがって制御される。
続いて、図8〜11を参照して図5のステップS102、S103、S105およびS106の詳細について説明する。図8は、図5のステップS102で実行される独立タップ検出処理のフローチャートである。なお、初期状態における種別テーブルでは、各タップの種別は「未決定」を示す値に設定されており、各タップの従属先は無効な値に設定されている。
図8のステップS201で、プロセッサ107は、テーブルタップ100が有する複数のタップ102a〜102dのうち1番目のタップに注目する。以下では説明の便宜上、ステップS201または後述のステップS205でプロセッサ107が注目したタップを「注目タップ」という。なお、プロセッサ107がどのような順序でタップ102a〜102dに注目するかは実施形態に応じて任意である。
次にステップS202でプロセッサ107は、次の(g1)または(g2)の条件が成立するか否かを判断する。なお、条件(g1)と(g2)における閾値は、具体的には、注目タップに関して図5のステップS101で稼働開始時刻と稼働終了時刻の判定に使われた閾値である。
(g1)注目タップからの供給電力は、測定期間中ずっと閾値を超えている。
(g2)注目タップからの供給電力は、測定期間中ずっと閾値未満である。
プロセッサ107は、測定結果テーブル401を参照することによりステップS202の判断を行ってもよい。あるいは、プロセッサ107は、ステップS202における注目タップに関して、図5のステップS101で稼働開始時刻と稼働終了時刻のどちらも検出されないことと、条件(g1)または(g2)が成立することが同値だと見なしてもよい。
そして、条件(g1)と(g2)のいずれかが成立する場合、図8の独立タップ検出処理はステップS203へと移行する。逆に、条件(g1)と(g2)のどちらも成立しない場合、図8の独立タップ検出処理はステップS204へと移行する。
ステップS203でプロセッサ107は、注目タップを独立タップと判定する。具体的には、プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、注目タップの種別として、独立タップを示す値を書き込む。そして、図8の処理はステップS204に移行する。
ステップS204でプロセッサ107は、未注目のタップが残っているか否かを判断する。テーブルタップ100が有するタップ102a〜102dのすべてにプロセッサ107が既に注目していれば、図8の処理は終了する。逆に、未注目のタップがまだあれば、図8の処理はステップS205に移行する。
そして、ステップS205でプロセッサ107は、次のタップ(つまり未注目のタップのうちの1つ)に注目する。そして図8の処理はステップS202へと戻る。
以上の図8の処理によれば、例えば、図3の例において、タップ102dが独立タップと判定される。しかし、図3の例において、タップ102a〜102cの種別は未決定のままである。また、図4の例においては、図8の処理の終了後も、すべてのタップ102a〜102dの種別は未決定のままである。
さて、図9は、図5のステップS103で実行される第1種主タップ検出処理のフローチャートである。
図9のステップS301でプロセッサ107は、テーブルタップ100が有する複数のタップ102a〜102dのうち1番目のタップに注目する。以下では説明の便宜上、ステップS301または後述のステップS306でプロセッサ107が注目したタップを「注目タップ」という。なお、プロセッサ107がどのような順序でタップ102a〜102dに注目するかは実施形態に応じて任意である。
次にステップS302でプロセッサ107は、注目タップが独立タップか否かを判断する。プロセッサ107は、フラッシュメモリ109の種別テーブルを参照することで、ステップS302の判断を行うことができる。
注目タップが独立タップの場合、図9の処理はステップS305に移行する。注目タップが独立タップではない場合(すなわち、注目タップの種別が未決定の場合)、図9の処理はステップS303に移行する。
ステップS303でプロセッサ107は、次の条件(h1)と(h2)がともに成立するか否かを判定する。なお、プロセッサ107は、各タップに対応して検出した稼働開始時刻と稼働終了時刻を上記のとおりRAM108に記憶しているので、ステップS303の判定を下すことができる。
(h1)注目タップに接続されている機器(以下、説明の便宜上「注目機器」という)の稼働終了時刻との差が所定の閾値以内の時刻に稼働を終了している他の機器が1つ以上ある。
(h2)当該1つ以上の機器と、注目機器の稼働中に稼働を終了する他のすべての機器のどれよりも早く、注目機器が稼働を開始する。
条件(h1)と(h2)がともに成立する場合とは、換言すれば、下記の条件(i1)と(i2)がともに成立する場合である。
(i1)稼働終了のタイミングが近い複数の機器の中で、注目機器が1番早く稼働を開始する。
(i2)注目機器の稼働終了よりも早いタイミングで稼働が終了し、稼働期間が注目機器の稼働開始をまたぐような他の機器が存在しない。
そして、条件(h1)と(h2)がともに成立する場合、図9の処理はステップS304に移行する。逆に、条件(h1)と(h2)のどちらか一方でも成立しない場合は、図9の処理はステップS305に移行する。
ステップS304でプロセッサ107は、注目タップを第1種主タップと判定する。具体的には、プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、注目タップの種別として、第1種主タップを示す値を書き込む。そして、図9の処理はステップS305に移行する。
ステップS305でプロセッサ107は、未注目のタップが残っているか否かを判断する。テーブルタップ100が有するタップ102a〜102dのすべてにプロセッサ107が既に注目していれば、図9の処理は終了する。逆に、未注目のタップがまだあれば、図9の処理はステップS306に移行する。
そして、ステップS306でプロセッサ107は、次のタップ(つまり未注目のタップのうちの1つ)に注目する。そして図9の処理はステップS302へと戻る。
以上の図9の処理によれば、例えば、図3の例において、タップ102bが第1種主タップと判定される。他方、図4の例においては、どのタップも第1種主タップとは判定されず、図9の処理の終了後も、タップ102a〜102dのどれもが、種別が未決定のままである。
さて、図10は、図5のステップS105で実行される第1の従属関係判定処理のフローチャートである。
図10のステップS401でプロセッサ107は、テーブルタップ100が有する複数のタップ102a〜102dのうち1番目のタップに注目する。以下では説明の便宜上、ステップS401または後述のステップS409でプロセッサ107が注目したタップを「注目タップ」という。なお、プロセッサ107がどのような順序でタップ102a〜102dに注目するかは実施形態に応じて任意である。
次にステップS402でプロセッサ107は、注目タップが独立タップまたは第1種主タップか否かを判断する。プロセッサ107は、フラッシュメモリ109の種別テーブルを参照することで、ステップS402の判断を行うことができる。
注目タップが独立タップまたは第1種主タップの場合、図10の処理はステップS408に移行する。注目タップが独立タップでも第1種主タップでもない場合(すなわち、注目タップの種別が未決定の場合)、図10の処理はステップS403に移行する。
ステップS403でプロセッサ107は、次の条件(j1)と(j2)がともに成立するか否かを判定する。なお、プロセッサ107は、各タップに対応して検出した稼働開始時刻と稼働終了時刻を上記のとおりRAM108に記憶しているので、ステップS403および後述のステップS405の判定を下すことができる。
(j1)注目タップに接続されている機器の稼働開始は、第1種主タップに接続された機器の稼働開始との時間差が閾値以内である。
(j2)注目タップに接続されている機器の稼働終了は、第1種主タップに接続された機器の稼働終了との時間差が閾値以内である。
なお、条件(j1)と(j2)における閾値は、予め決められているものとする。また、条件(j1)と(j2)における閾値同士は同じでもよいし、異なっていてもよい。
また、場合によっては2個以上のタップが第1種主タップと判定されていることもあり得る。その場合、プロセッサ107は、2個以上の第1種主タップのうちで、注目タップに関して条件(j1)と(j2)がともに成立するような第1種主タップがあるか否かを判定する。そして、条件(j1)と(j2)がともに成立するような第1種主タップが1つでもあれば、プロセッサ107は、条件(j1)と(j2)がともに成立すると判定する。
そして、ステップS403の判定の結果、もし条件(j1)と(j2)がともに成立すれば、図10の処理はステップS404に移行する。逆に、注目タップに関して条件(j1)と(j2)がともに成立するような第1種主タップが1つもなければ、図10の処理はステップS405に移行する。
ステップS404でプロセッサ107は、注目タップを完全従属タップと判定する。具体的には、プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、注目タップの種別として、完全従属タップを示す値を書き込む。また、プロセッサ107は、種別テーブルにおいて、注目タップの従属先タップとして、上記(j1)と(j2)の条件がともに成立することが確認された上記の第1種主タップを記録する。そして、図10の処理はステップS408に移行する。
ステップS405でプロセッサ107は、上記(j2)の条件だけなら成立するのか否かを判定する。なお、ステップS403に関して述べたとおり、2個以上のタップが第1種主タップと判定されている場合もあり得る。このような場合、上記(j2)の条件が成立するような第1種主タップが1つでもあれば、プロセッサ107は、上記(j2)の条件が成立する、と判定する。
そして、ステップS405の判定の結果、もし上記(j2)の条件が成立すれば、図10の処理はステップS406に移行する。逆に、上記(j2)の条件が成立しない場合は、図10の処理はステップS407に移行する。
ステップS406でプロセッサ107は、注目タップを部分従属タップと判定する。具体的には、プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、注目タップの種別として、部分従属タップを示す値を書き込む。また、プロセッサ107は、種別テーブルにおいて、注目タップの従属先タップとして、上記(j2)の条件が成立することが確認された上記の第1種主タップを記録する。そして、図10の処理はステップS408に移行する。
さて、ステップS407が実行されるのは、注目タップが主タップの定義にも従属タップの定義にも当てはまらない場合である。したがって、プロセッサ107はステップS407で注目タップを独立タップと判定する。プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、注目タップの種別として、独立タップを示す値を書き込む。そして、図10の処理はステップS408へと移行する。
ステップS408でプロセッサ107は、未注目のタップが残っているか否かを判断する。テーブルタップ100が有するタップ102a〜102dのすべてにプロセッサ107が既に注目していれば、図10の処理は終了する。逆に、未注目のタップがまだあれば、図10の処理はステップS409に移行する。
そして、ステップS409でプロセッサ107は、次のタップ(つまり未注目のタップのうちの1つ)に注目する。そして図10の処理はステップS402へと戻る。
以上の図10の処理によれば、例えば、図3の例において、タップ102aが完全従属タップと判定され、タップ102cが部分従属タップと判定される。その結果、タップ102a〜102dすべての種別が判定済みとなり、種別テーブルは図6の種別テーブル402のようになる。他方、図4の例では、図9に関して説明したように第1種主タップと判定されるタップは1つもないので、図10の処理は実行されない。
さて、図11は、図5のステップS106で実行される第2の従属関係判定処理のフローチャートである。
図11のステップS501でプロセッサ107は、テーブルタップ100が有する複数のタップ102a〜102dのうち1番目のタップに注目する。以下では説明の便宜上、ステップS501または後述のステップS507でプロセッサ107が注目したタップを「注目タップ」といい、注目タップに接続された機器を「注目機器」という。プロセッサ107がどのような順序でタップ102a〜102dに注目するかは実施形態に応じて任意である。
なお、図11の処理は、注目タップを前述の条件(d1)と(d2)におけるタップTa1と見なした場合に、条件(d1)を満たすタップTbと条件(d2)を満たすタップTa2,……,Tax(x≧2)が存在するか否かを確認するステップを含む。そのため、以下の説明においては、条件(d1)および(d2)と同様の表記法にしたがって、「注目タップTa1」、「注目機器Da1」などと表記することもある。
さて、ステップS501の次のステップS502において、プロセッサ107は、注目タップの種別が未決定か否かを判断する。プロセッサ107は、フラッシュメモリ109の種別テーブルを参照することで、ステップS502の判断を行うことができる。
注目タップの種別が未決定の場合、図11の処理はステップS503に移行する。逆に、注目タップの種別が決定済みの場合、図11の処理はステップS506に移行する。
ステップS503では、「注目タップTa1に接続された注目機器Da1の稼働開始よりも早く稼働を開始し、注目機器Da1の稼働終了と閾値以内の時間差で稼働を終了する機器Dbが接続されたタップTbがあるか否か」を、プロセッサ107が判断する。なお、ステップS503の判断に使われる閾値は、予め決められた値である。ステップS503で使われる閾値は、図10のステップS403で稼働終了時刻に関して使われる閾値と同じでもよいし、違っていてもよい。また、プロセッサ107は、各タップに対応して検出した稼働開始時刻と稼働終了時刻を上記のとおりRAM108に記憶しているので、ステップS503および後述のステップS504の判断を下すことができる。
なお、図5から明らかなように、図11の第2の従属関係判定処理が実行されるのは第1種主タップが見つからなかった場合である。よって、ステップS503で仮に上記のようなタップTbが見つかる場合、タップTbは第1種主タップではない。
すなわち、プロセッサ107は、ステップS503の判断を実行することにより、意味的には上述の条件(d1)が成立するか否かを判断している。
ステップS503において、上記のようなタップTbが1つ以上存在すると判断された場合、図11の処理はステップS504へと移行する。逆に、注目タップTa1に関して上記のようなタップTbが見つからなかった場合には、図11の処理はステップS506へと移行する。
ステップS504でプロセッサ107は「注目機器Da1の稼働開始をまたいで稼働しており、かつ、機器Dbよりも早く稼働を開始する1つ以上の機器Da2,……,Dax(x≧2)がそれぞれ接続されたタップTa2,……,Taxがあるか否か」を判断する。
なお、ステップS503で2つ以上のタップTbが見つかった場合、プロセッサ107は、ステップS503で見つかった各タップTbについて個別に、上記のようなタップTa2,……,Taxを探す。また、図11の第2の従属関係判定処理が実行されるのは第1種主タップが見つからなかった場合なので、ステップS504で仮に上記のようなタップTa2,……,Taxが見つかる場合、タップTa2,……,Taxは第1種主タップではない。
すなわち、プロセッサ107は、ステップS504の判断を実行することにより、意味的には上述の条件(d2)が成立するか否かを判断している。
ステップS504での判断の結果、少なくとも1つのタップTbについて上記のようなタップTa2,……,Taxが見つかった場合、図11の処理はステップS505へと移行する。逆に、ステップS503で見つかった1つ以上のタップTbのいずれについても、上記のようなタップTa2,……,Taxが見つからなければ、図11の処理はステップS506へと移行する。
ステップS505でプロセッサ107は、ステップS503で見つかったタップTbを部分従属タップと判定する。より正確には、プロセッサ107は、ステップS503で見つかった1つ以上のタップTbのうち、ステップS504において当該タップTbに対応して1つ以上のタップTa2,……,Taxが見つかったものを、部分従属タップと判定する。
具体的には、プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、当該タップTbの種別として、部分従属タップを示す値を書き込む。そして、プロセッサ107は、種別テーブルにおいて、当該タップTbの従属先タップとして、注目タップTa1と、ステップS504で当該タップTbに対応して見つかったタップTa2,……,Taxとを記録する。
ステップS505でプロセッサ107はさらに、注目タップTa1と、ステップS504で見つかったタップTa2,……,Taxを第2種主タップと判定する。
なお、場合によっては、ステップS503で見つかった2つ以上のタップTbのそれぞれに対応して、ステップS504で1つ以上のタップが見つかることもあり得る。ステップS505では、ステップS503で見つかった少なくともいずれか1つのタップTbに対応してステップS504で見つかったタップは、どれも第2種主タップと判定される。
具体的には、プロセッサ107は、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、注目タップTa1の種別として、第2種主タップを示す値を書き込む。また、プロセッサ107は、上記のようにしてステップS504で見つかった各タップについて、種別テーブルにおいて、当該タップの種別として、第2種主タップを示す値を書き込む。
そして、以上のようにしてプロセッサ107が種別テーブルを更新すると、図11の処理はステップS506に移行する。
ステップS506でプロセッサ107は、未注目のタップが残っているか否かを判断する。テーブルタップ100が有するタップ102a〜102dの中に、未注目のタップがまだあれば、図11の処理はステップS507に移行する。逆に、タップ102a〜102dのすべてにプロセッサ107が既に注目していれば、図11の処理はステップS508に移行する。
ステップS507でプロセッサ107は、次のタップ(つまり未注目のタップのうちの1つ)に注目する。そして図11の処理はステップS502へと戻る。
また、ステップS508でプロセッサ107は、種別が未決定の全タップを独立タップと判定する。なお、もしすべてのタップの種別が既に決定されていれば、ステップS508では特に何も行われない。種別が未決定のタップが1つ以上残っていれば、プロセッサ107は、種別が未決定の各タップについて、フラッシュメモリ109上の種別テーブルにおいて、当該タップの種別として、独立タップを示す値を書き込む。そして、図11の処理は終了する。
以上の図11の処理によれば、図4の例において、例えば以下のようにして各タップの種別が判定される。
プロセッサ107は、ステップS501で最初に例えばタップ102aに注目する。この場合、ステップS503で何のタップも見つからない。
よって、図11の処理はステップS506に移行し、プロセッサ107は、次にステップS507で例えばタップ102bに注目する。この場合も、ステップS503で何のタップも見つからない。
よって、図11の処理はステップS506に移行し、プロセッサ107は、次にステップS507で例えばタップ102cに注目する。この場合、ステップS503でタップ102dがタップTbとして見つかる。そして、プロセッサ107は次にステップS504でタップ102aと102bをタップTa2,Ta3として見つける。
その結果、プロセッサ107はステップS505でタップ102dを部分従属タップと判定し、タップ102a〜102cを第2種主タップと判定する。その後、プロセッサ107はステップS507で最後のタップ102dに注目するが、タップ102dの種別は既に上記のごとく決定している。そのため、図11の処理は、ステップS502からステップS506へ、そしてステップS506からステップS508へと進む。図4の例では、ステップS508の実行時にはすべてのタップ102a〜102dの種別が既に決定されているので、ステップS508で独立タップと判定されるタップはない。
以上説明した第2実施形態によれば、タップ102a〜102dのそれぞれにどのような機器が接続され、それらの機器がどのように使われるかという状況(例えば、図3や図4に例示したような状況)に応じた、柔軟な電力供給のオン/オフ制御が実現される。
また、図10のステップS407や図11のステップS508のとおり、プロセッサ107は、他のタップとの間に従属関係が推定されないタップを独立タップと判定する。そして、図7の状態遷移図410に示すように、独立タップから供給される電力は、他のタップから供給される電力の変化に応じて制御されることはない。
よって、第2実施形態によれば、必ずしも他の機器と連動して稼働するわけではない機器がテーブルタップ100の任意の位置の任意の個数のタップにそれぞれ接続されている場合にも、適切な電力供給制御が実現される。
ところで、第1実施形態に関して説明した「第1の出力タップ」と「1つ以上の第2の出力タップ」は、それぞれ、第2実施形態の従属タップと1つ以上の主タップ(つまり、1つの第1種主タップまたは複数の第2種主タップ)に対応する。そして、第1実施形態では、第1の出力タップと1つ以上の第2の出力タップの関係に基づき、電力制御部4が第1の出力タップからの電力供給を制御する。同様に、第2実施形態では、従属タップと主タップの関係に基づき、プロセッサ107が従属タップからの電力供給を制御する。第2実施形態における当該関係についてまとめると、以下のとおりである。
当該関係は、従属タップからの供給電力が第1の閾値以下になるタイミングと、当該従属タップに対応する1つ以上の主タップのいずれからの供給電力も第2の閾値以下になるタイミングとの間の時間差に関する時間的関係である。なおここで、第1の閾値は、固定されているか、または当該従属タップに応じて決められる閾値であり、第2の閾値は、固定されているか、または各主タップに応じて決められる閾値である。
第2実施形態では、完全従属タップと部分従属タップのどちらに関しても、主タップに接続された機器の稼働終了時刻との時間差に着目した判定が行われる(ステップS303、S403、S405、およびS503を参照)。このような時間差に着目した判定の結果に基づく電力制御は、すなわち、上記のごとき時間的関係に基づく制御である。
また、上記の時間的関係は、より詳しく言えば、従属タップからの供給電力が第1の閾値を超えるタイミングと、1つ以上の主タップの各々からの供給電力が第2の閾値を超えるタイミングとの間の時間差および前後関係にも関する時間的関係である。このことは、ステップS303、S403、S503、およびS504で稼働開始時刻に着目した判定が行われることに対応する。
また、上記の時間的関係が、第2種主タップと部分従属タップの間の関係である場合は、上記の時間的関係は、より具体的には、以下の3つのことが成り立つような関係である。
第1に、部分従属タップからの供給電力が第1の閾値以下になるタイミングと、ある1つの第2種主タップからの供給電力が第2の閾値以下になるタイミングの時間差が、所定範囲内である。第2に、部分従属タップからの供給電力が第1の閾値を超えるタイミングが、上記のある1つの第2種主タップからの供給電力が第2の閾値を超えるタイミングよりは早いものの、残りの第2種主タップからの供給電力が第2の閾値を超えるタイミングよりは遅い。第3に、上記の残りの第2種主タップ各々からの供給電力が第2の閾値以下になるタイミングは、上記のある1つの第2種主タップからの供給電力が第2の閾値を超えるタイミングより遅い。
続いて、図12を参照して第3実施形態について説明する。なお、第2実施形態との共通点については適宜説明を省略する。
図12は、第3実施形態のテーブルタップの構成図である。図12のテーブルタップ500は、図2のテーブルタップ100と同様に、下記(k1)〜(k4)に示す構成要素を有する(ただし、図12では、紙幅の都合上、図2に示したのと同様の破線は省略されている)。
(k1)プラグ501。
(k2)複数個(例えば図12の例では4個)のタップ502a〜502d。
(k3)タップ502a〜502dにそれぞれ対応するリレー503a〜503d、測定部504a〜504d、および物理スイッチ505a〜505d。
(k4)コントローラ506(プロセッサ507とRAM508とフラッシュメモリ509を含む)。
また、テーブルタップ500はさらに、タップ502a〜502dにそれぞれ対応する表示部510a〜510dを有する。例えば、表示部510aは、対応するタップ502aの種別を表示する。表示部510aは、例えば、以下の(l1)〜(l3)のような複数のインジケータの組み合わせであってもよい。
(l1)タップ502aが主タップか否かを示すLED(Light-Emitting Diode)インジケータ。
(l2)タップ502aが従属タップか否かを示すLEDインジケータ。
(l3)タップ502aが独立タップか否かを示すLEDインジケータ。
インジケータの数は、上記のように3でもよいし、第1種主タップと第2種主タップを区別したり完全従属タップと部分従属タップを区別したりするために、より多くのインジケータが使われてもよい。
あるいは、表示部510aは、具体的には多色LED表示灯であってもよい。その場合、表示部510aは、タップ502aの種別を色の違いで表示する。例えば、表示部510aは、主タップと従属タップと独立タップを異なる3つの色で表してもよいし、さらに第1種主タップと第2種主タップを区別して別の色で表示してもよいし、完全従属タップと部分従属タップを区別して別の色で表示してもよい。
また、表示部510aは、タップ502aの種別だけでなく、さらに、物理スイッチ505aの状態(換言すれば、物理スイッチ505aの状態に応じて切り換えられるリレー503aの状態)を示してもよい。例えば、表示部510aは、リレー503aが接続状態か切断状態かを示すLEDインジケータをさらに含んでもよい。
LED以外にも、小型液晶ディスプレイなどが表示部510aとして利用可能である。また、他の表示部510b〜510dについても同様である。
表示部510a〜510dそれぞれの表示内容は、コントローラ506のプロセッサ507が制御する。具体的には、第3実施形態でも第2実施形態と同様に図5のタップ種別判定処理が実行される。その結果、フラッシュメモリ509にも図6の種別テーブル402や403と同様の形式の種別テーブルが記憶される。タップ種別判定処理の終了後、プロセッサ507は、種別テーブルに記録されたタップ502a〜502dそれぞれの種別に応じて、表示部510a〜510dを制御する。例えば、プロセッサ507は、タップ502aを第1種主タップと判定した場合は、タップ502aが第1種主タップであることを表示部510aに表示させるための制御信号を出力する。
テーブルタップ500はさらに、開始スイッチ511と終了スイッチ512と消去スイッチ513を有する。開始スイッチ511と終了スイッチ512と消去スイッチ513は、テーブルタップ500の筐体の表面上に設けられた、利用者が操作可能なスイッチである。例えば、押しボタンスイッチやロッカスイッチなどが、開始スイッチ511、終了スイッチ512および消去スイッチ513として利用可能である。
開始スイッチ511は、図5のステップS101に関して説明した測定期間の開始を指示するためのスイッチである。また、終了スイッチ512は、測定期間の終了を指示するためのスイッチである。そして、消去スイッチ513は、フラッシュメモリ509の種別テーブル(例えば図6の種別テーブル402または403)に記録された判定結果の消去を指示するためのスイッチである。
利用者が開始スイッチ511を操作すると、コントローラ506(より具体的にはプロセッサ507)は、測定期間の開始が指示されたことを検出し、図5の処理を開始する。すなわち、開始スイッチ511が操作されると、プロセッサ507は、測定結果テーブル401と種別テーブルを初期化し、その後、測定部504a〜504dからの出力を測定結果テーブル401に蓄積し始める。
また、利用者が終了スイッチ512を操作すると、プロセッサ507は、測定期間の終了が指示されたことを検出し、測定部504a〜504dからの出力を測定結果テーブル401に蓄積するのをやめる。そして、プロセッサ507は、タップ502a〜502dそれぞれに接続された機器の稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定する。
なお、テーブルタップ500は、図12に示すように開始スイッチ511と終了スイッチ512の双方を有していてもよいし、一方のみを有していてもよい。例えば、開始スイッチ511が省略される場合、プロセッサ507は、測定部504a〜504dのいずれかからの供給電力が所定の閾値を超えたときから、図5のステップS101の処理を開始してもよい。
また、終了スイッチ512が省略される場合、プロセッサ507は、測定期間の開始から所定時間が経過したら、測定期間が終了したと見なしてもよい。なお、テーブルタップ500が終了スイッチ512を有する場合も、プロセッサ507は、測定期間の開始から所定時間が経過してもまだ終了スイッチ512が操作されないときには、測定期間が終了したと見なしてもよい。
さて、利用者が消去スイッチ513を操作すると、プロセッサ507は、種別テーブルに記憶された判定結果の消去が指示されたことを検出する。そして、プロセッサ507は、種別テーブルを初期化する(すなわち、現在種別テーブルに記憶されている判定結果を消去する)。
例えば、利用者は、あるとき、今までの使い方とは異なる使い方でテーブルタップ500を使いたくなるかもしれない。例えば、利用者は、今までとは別の部屋で、今までとは別の機器をテーブルタップ500に接続して、テーブルタップ500を使いたくなるかもしれない。
その場合、現在種別テーブルに記録されている判定結果に基づく電力供給制御が今後も引き続き行われることは好ましくない。そこで、第3実施形態では、消去スイッチ513を設けることにより、種別テーブルに記憶された判定結果を利用者の意思にしたがって任意のタイミングでクリアすることができるようにしている。
実施形態によっては、消去スイッチ513が操作された場合、プロセッサ507は、さらに、測定期間の開始があわせて指示されたものと見なしてもよい。つまり、消去スイッチ513が操作された場合、プロセッサ507は、さらに測定結果テーブル401を初期化して図5の処理を開始してもよい。このように、消去スイッチ513の操作にともなって新たな測定期間が開始される場合、開始スイッチ511は省略されてもよい。
テーブルタップ500はさらに、例えばPCなどの外部のコンピュータと通信するための通信インタフェイス514を有する(なお図12では紙幅の都合上「インタフェイス」を「I/F」と略している)。通信インタフェイス514は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェイスでもよいし、有線LAN(Local Area Network)インタフェイスでもよい。あるいは、通信インタフェイス514は、無線LANインタフェイスでもよいし、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線インタフェイスであってもよい。
通信インタフェイス514を介してテーブルタップ500に接続されたコンピュータからの要求に応じて、プロセッサ507は、通信インタフェイス514を介して種別テーブルのデータをコンピュータに送信するための処理を行う。あるいは、プロセッサ507は、通信インタフェイス514を介した接続を検出し、接続の検出に応じて、通信インタフェイス514を介して種別テーブルのデータをコンピュータに送信するための処理を行ってもよい。種別テーブルのデータは、タップ502a〜502d間の関係を表す関係情報の具体例である。
ところで、コンピュータには、テーブルタップ500から受信した種別テーブルのデータを画面に表示し、当該データを編集し、編集結果をテーブルタップ500に送信するための特定のプログラムがインストールされている。よって、コンピュータは、当該特定のプログラムにしたがって、テーブルタップ500から受信した種別テーブルのデータを画面に表示する。
コンピュータは、例えばキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置を介して入力される利用者からの指示にしたがって、種別テーブルのデータを編集する。そして、コンピュータは、編集後のデータを画面に表示する。
例えば、コンピュータが、テーブルタップ500から図6の種別テーブル403のデータを受信したとする。種別テーブル403によれば、第1タップ502aの種別は第2種主タップと判定されている。
しかし、利用者は、「タップ502aは独立タップであり、第2種主タップではない」と判断するかもしれない。この場合、利用者は入力装置を介して、第1タップ502aの種別を独立タップに書き換えるための更新指示を入力する。
すると、コンピュータは、入力された更新指示にしたがって、種別テーブルのデータを編集し、編集後のデータを画面に表示する。また、コンピュータは、編集後のデータをテーブルタップ500に送信するための送信指示(例えば、画面上に表示されたボタンに対するクリック操作による指示)を入力装置から受け取る。そして、コンピュータは、送信指示を受け取ると、編集後のデータをテーブルタップ500に送信する。
すると、テーブルタップ500は、通信インタフェイス514を介して編集後のデータを受信する。編集後のデータは、換言すれば、フラッシュメモリ509上の種別テーブルのデータをどのように更新するのかをプロセッサ507に指示するための更新指示である。プロセッサ507は、受信したデータを、フラッシュメモリ509上の種別テーブルに書き込む。
以上のようにして種別テーブルは更新される。そして、プロセッサ507は、更新後の種別テーブルにしたがって、1つ以上の主タップから供給される電力の変化に応じて、従属タップからの電力供給を制御する。
以上のように、第3実施形態によれば、プロセッサ507によって自動的に判定された種別が仮に機器の実際の使用状況に適合しないとしても、利用者からの入力に基づいて種別を修正することができる。よって、第3実施形態のテーブルタップ500は、様々な使用状況に適用可能であり、第3実施形態は、より柔軟な制御を実現するものである。
また、通信インタフェイス514を介した上記のような種別の更新機能は、タップ間の従属関係に基づく電力供給の制御から除外することが望ましい機器がある場合にも、役に立つ。なぜなら、図7の状態遷移図410に示したように、プロセッサ507は、独立タップからの電力供給を、他のタップからの供給電力の変化に応じた制御の対象から除外しているからである。
仮に、タップ間の従属関係に基づく電力供給の制御から除外することが望ましい機器(例えば、常に通電していることが望ましい機器)があり、しかも、当該機器の接続されたタップが、プロセッサ507により従属タップと判定されたとする。測定期間中における各機器の稼働期間によっては、たまたま、そのような判定結果が得られることもあり得る。
この場合、利用者は、当該タップの種別を独立タップと修正するための更新指示と送信指示を上記コンピュータの入力装置から入力すればよい。すると、当該機器の接続された当該タップの種別は、独立タップへと更新される。その結果、「当該タップから当該機器への電力供給が、他のタップに接続された他の機器の消費電力に応じて遮断される」という事態は生じなくなる。
また、第3実施形態においても第2実施形態と同様に、図7に示す方針にしたがって電力供給のオン/オフの切り換えをプロセッサ507が制御する。ここで、図7の状態遷移図430に示すように、部分従属タップからの電力供給は、プロセッサ507の制御にしたがって遮断された後は、自動的には再開されない(具体的には、利用者が物理スイッチを操作するまで再開されない)。
しかし、場合によっては、多少節電効果を犠牲にしてでも、部分従属タップと判定されたタップに接続された機器への給電も自動的に開始することで、利用者の手間(つまり物理スイッチを操作する手間)を減らすことが好ましいかもしれない。その場合、第3実施形態によれば、部分従属タップという判定結果を完全従属タップと修正することが可能なので、利用者の事情に応じた、より柔軟な電力供給制御が可能となる。
なお、第3実施形態のテーブルタップ500は、表示部510a〜510dと、開始スイッチ511と、終了スイッチ512と、消去スイッチ513と、通信インタフェイス514を有するが、これらのうちの一部が省略されてもよい。例えば、表示部510a〜510dが省略されてもよいし、通信インタフェイス514が省略されてもよいし、3つのスイッチのうちの1つ、2つ、または3つが省略されてもよい。
続いて、図13を参照して第4実施形態について説明する。なお、第2実施形態との共通点については適宜説明を省略する。
第2実施形態では、テーブルタップ100が有するタップ102a〜102dからの電力供給を、テーブルタップ100自体のコントローラ106(より詳しくはプロセッサ107)が制御する。しかし、第4実施形態では、ある1台のテーブルタップ(以下では「親テーブルタップ」ともいう)のコントローラが、他の1台以上のテーブルタップ(以下では「子テーブルタップ」ともいう)が有するタップからの電力供給についても制御する。このような制御を実現するため、第4実施形態ではテーブルタップ同士が通信可能なように接続される。以下、図13を参照して第4実施形態について詳しく説明する。
図13は、第4実施形態におけるテーブルタップ間の親子関係を説明する図である。図13には3台のテーブルタップ600、610および620が示されている。これらのテーブルタップ600、610、および620は、通信路630を介して互いに接続されている。通信路630の種類は任意である。通信路630の具体的種類については、後で例示する。
テーブルタップ600は、プラグ601とタップ602a〜602dを有する。紙幅の都合上、図示は省略しているが、テーブルタップ600は、図2のテーブルタップ100と同様に、タップ602a〜602dにそれぞれ対応するリレーと測定部と物理スイッチを有する。また、テーブルタップ600は、コントローラ106と同様のコントローラも有する。さらに、テーブルタップ600は、親子指定スイッチ603と通信インタフェイス604を有する。
親子指定スイッチ603は、テーブルタップ600を親テーブルタップとして動作させるのか、それとも子テーブルタップとして動作させるのかを指定するためにテーブルタップ600の筐体の表面上に設けられた、利用者が操作可能なスイッチである。例えば、押しボタンスイッチやロッカスイッチなどが、親子指定スイッチ603として利用可能である。
通信インタフェイス604は、通信路630を介して他のテーブルタップと通信を行うためのインタフェイス回路である。例えば、通信路630は、シリアル通信による通信路でもよい。例えば、RS−485やRS−422などのカスケード接続が可能な規格にしたがったシリアル通信が利用されてもよいし、USB接続が利用されてもよい。あるいは、通信路630は、有線または無線のLANによる通信路でもよいし、PLC(Power Line Communications)通信による通信路でもよいし、Bluetooth(登録商標)などによる無線通信路でもよい。
テーブルタップ610は、プラグ611とタップ612a〜612dを有する。紙幅の都合上、図示は省略しているが、テーブルタップ610も、図2のテーブルタップ100と同様に、タップ612a〜612dにそれぞれ対応するリレーと測定部と物理スイッチを有し、さらにコントローラ106と同様のコントローラを有する。また、テーブルタップ610は、テーブルタップ600と同様に、親子指定スイッチ613と通信インタフェイス614を有する。
そして、テーブルタップ620は、プラグ621とタップ622a〜622dを有する。紙幅の都合上、図示は省略しているが、テーブルタップ620も、図2のテーブルタップ100と同様に、タップ622a〜622dにそれぞれ対応するリレーと測定部と物理スイッチを有し、さらにコントローラ106と同様のコントローラを有する。また、テーブルタップ620はテーブルタップ600と同様に、親子指定スイッチ623と通信インタフェイス624を有する。
なお、テーブルタップ600は、通信インタフェイス604を介してさらにコンピュータと接続されていてもよい。あるいは、テーブルタップ600は、コンピュータと通信するための図12の通信インタフェイス514をさらに有していてもよい。
テーブルタップ600がコンピュータと通信可能な場合、テーブルタップ600を親テーブルタップとして動作させるのか、それとも子テーブルタップとして動作させるのかが、親子指定スイッチ603からではなくコンピュータから指定されてもよい。他のテーブルタップ610と620についても同様である。
また、以下では説明の簡単化のため、親テーブルタップが1台であり子テーブルタップが1台以上であることが、何らかの方法により保証されるものとする。例えば、2台以上のテーブルタップが親テーブルタップとして指定されているか否かが、通信路630を介したテーブルタップ間の通信によりチェックされてもよい。
2台以上のテーブルタップが親テーブルタップとして指定されている場合、各親テーブルタップは、不図示のランプ(例えばLEDインジケータ)の点灯または点滅により、エラーの発生を利用者に通知してもよい。エラーが解消されない間は、どのテーブルタップのプロセッサも、タップ間の従属関係に基づく電力供給制御を行わなくてもよい。
以下では説明の便宜上、テーブルタップ600が親テーブルタップであり、テーブルタップ610と620が子テーブルタップであるものとする。つまり、以下では次の(m1)〜(m3)のように仮定する。
(m1)利用者は、親子指定スイッチ603を操作することで、テーブルタップ600を親テーブルタップとして指定した。そして、テーブルタップ600のプロセッサは、親子指定スイッチ603の操作を検出し、テーブルタップ600の動作モードを、親テーブルタップとして動作するモード(以下では「親モード」ともいう)に設定した。
(m2)利用者は、親子指定スイッチ613を操作することで、テーブルタップ610を子テーブルタップとして指定した。そして、テーブルタップ610のプロセッサは、親子指定スイッチ613の操作を検出し、テーブルタップ610の動作モードを、子テーブルタップとして動作するモード(以下では「子モード」ともいう)に設定した。
(m3)利用者は、親子指定スイッチ623を操作することで、テーブルタップ620を子テーブルタップとして指定した。そして、テーブルタップ620のプロセッサは、親子指定スイッチ623の操作を検出し、テーブルタップ620の動作モードを子モードに設定した。
ところで、第4実施形態における電力供給制御には、3種類の方法があり得る。以下では説明の便宜上、3種類の方法を「単純並列型制御方法」、「階層型制御方法」、および「非階層集約型制御方法」という。これらの方法の概要は以下の通りである。
単純並列型制御方法では、親テーブルタップが、親テーブルタップ自身が有するタップと子テーブルタップが有するタップをすべて平等に扱って、それらすべてのタップを有する仮想テーブルタップにおけるタップ間の関係を判定する。
例えば、図13の仮想テーブルタップ640は、親テーブルタップ600が有するタップ602a〜602dと、子テーブルタップ610が有するタップ612a〜612dと、子テーブルタップ620が有するタップ622a〜622dを有する。なお、図13では、仮想テーブルタップ640のタップのうち、子テーブルタップのタップを網点パターンで示している。
単純並列型制御方法によれば、親テーブルタップ600のプロセッサは、仮想テーブルタップ640におけるこれら12個のタップ間の関係を判定する。単純並列型制御方法では、親テーブルタップが、以上のようにして判定した関係に基づいて、従属タップからの電力供給を制御する。
しかし、子テーブルタップは、タップ間の関係について何も判定を行わない。子テーブルタップは、単に、親テーブルタップから指示を受ければ、指示に基づいて子テーブルタップ自身のタップからの電力供給を制御する。
なお、単純並列型制御方法では、親テーブルタップのタップが従属タップと判定されることもあり得るし、子テーブルタップのタップが従属タップと判定されることもあり得る。
階層型制御方法では、タップ間の従属関係に基づく制御が階層的に行われる。換言すれば、親テーブルタップと1つ以上の子テーブルタップのいずれもが、タップ間の関係を判定し、判定結果に基づく電力供給制御を行う。
具体的には、各子テーブルタップが、当該子テーブルタップ自身が有するタップ間の関係を判定し、判定した関係に基づいて、当該子テーブルタップ内の従属タップからの電力供給を制御する。さらに、親テーブルタップは、個々の子テーブルタップを1つの仮想タップと見なして、仮想タップと、親テーブルタップ自身が有する複数のタップとを有する仮想テーブルタップにおけるタップ間の関係を判定する。
例えば、図13の仮想テーブルタップ650は、親テーブルタップ600が有するタップ602a〜602dと、子テーブルタップ610に対応する仮想タップ651と、子テーブルタップ620に対応する仮想タップ652を有する。階層型制御方法によれば、親テーブルタップ600のプロセッサは、仮想テーブルタップ650におけるこれら6個のタップ間の関係を判定する。
そして、階層型制御方法では、親テーブルタップが、以上のようにして判定した関係に基づいて、従属タップからの電力供給を制御する。階層型制御方法の場合、各従属タップは、親テーブルタップ自身の実際のタップの場合もあり得るし、いずれかの子テーブルタップ全体に対応する仮想タップの場合もあり得る。
ある子テーブルタップ全体に対応する仮想タップ従属タップと判定された場合、当該子テーブルタップは、親テーブルタップからの指示に基づいて、当該子テーブルタップ自身の全タップからの電力供給を制御する。
非階層集約型制御方法は、子テーブルタップが子テーブルタップ自身のタップ間の関係を判定しない(したがって当該判定に基づく制御も行わない)という点以外は、階層型制御方法と同様である。したがって、非階層集約型制御方法では、階層型制御方法と同様に、各子テーブルタップが有する複数のタップが1つの仮想タップに集約される。
以上の3種類のうちどの方法が採用されるかは、予め固定的に決められていてもよいし、動的に指定可能であってもよい。例えば、各テーブルタップが、方法を指定するための不図示のスイッチ等の入力装置をさらに有していてもよい。または、第3実施形態の通信インタフェイス514のように外部のコンピュータと接続するための通信インタフェイスを、各テーブルタップが有していてもよい。そして、外部のコンピュータから3種類のうちどの方法を採用するかを指示する入力が与えられてもよい。
単純並列型制御方法と階層型制御方法と非階層集約型制御方法のうちいずれの方法が採用されるにせよ、上記(m1)〜(m3)の仮定のもとでは、次の(n1)〜(n5)の処理が行われる。
(n1)子テーブルタップ610が、タップ612a〜612dからの電力供給の状況を示す情報を、通信路630を介して、親テーブルタップ600に適宜のタイミングで(例えば定期的に)送信する処理。
(n2)子テーブルタップ620が、タップ622a〜622dからの電力供給の状況を示す情報を、通信路630を介して、親テーブルタップ600に適宜のタイミングで(例えば定期的に)送信する処理。
(n3)親テーブルタップ600により実行される、図5および8〜11と類似の処理。
(n4)図7の状態遷移図にしたがった電力供給制御のための処理のうち、タップ間の関係に応じて親テーブルタップ600により実行される処理。
(n5)図7の状態遷移図にしたがった電力供給制御のための処理のうち、物理スイッチの操作に応じて当該物理スイッチを有するテーブルタップ自身により実行される処理。
ただし、(n1)と(n2)の処理で送信される情報の粒度は、単純並列型制御方法と残りの2つの方法との間で、同じでもよいし、違っていてもよい。
具体的には、単純並列型制御方法における(n1)と(n2)の処理では、子テーブルタップのタップ別の供給電力を示す情報(以下、便宜上「タップ別電力情報」という)が送信される。
他方、階層型制御方法と非階層集約型制御方法の各々における(n1)と(n2)の処理では、タップ別電力情報が送信されてもよいし、子テーブルタップの複数のタップからの供給電力の和を示す情報(以下、便宜上「集約電力情報」という)が送信されてもよい。集約電力情報は、換言すれば、子テーブルタップ全体から供給される電力を集約的に示す情報である。
また、第2実施形態では、図5および8〜11の処理は、テーブルタップ100が有する実際のタップ102a〜102dに関して行われるが、第4実施形態における(n3)の処理は、仮想テーブルタップが有する複数のタップに関して行われる。そして、仮想テーブルタップが有する複数のタップの定義は、上記のとおり、階層型制御方法と非階層集約型制御方法では同じだが、単純並列型制御方法では異なる。
また、(n4)の制御の粒度も、階層型制御方法と非階層集約型制御方法では同じだが、単純並列型制御方法では異なる。つまり、親テーブルタップが子テーブルタップからの電力供給を制御する場合に、階層型制御方法と非階層集約型制御方法では子テーブルタップ全体が制御対象であるのに対して、単純並列型制御方法では子テーブルタップ中の個々のタップが制御対象である。
以上のように、詳細においては違いがあるものの、3種類の方法のいずれにおいても、上記(n1)〜(n5)の処理が行われる。そして、階層型制御方法が採用される場合は、さらに下記(o1)〜(o4)の処理も行われる。
(o1)子テーブルタップ610が、子テーブルタップ610自身のタップ612a〜612dに関して行う、図5および8〜11の処理。
(o2)子テーブルタップ610が、子テーブルタップ610自身のタップ612a〜612dに関して行う、図7の状態遷移図にしたがった電力供給制御のための処理。
(o3)子テーブルタップ620が、子テーブルタップ620自身のタップ622a〜622dに関して行う、図5および8〜11の処理。
(o4)子テーブルタップ620が、子テーブルタップ620自身のタップ622a〜622dに関して行う、図7の状態遷移図にしたがった電力供給制御のための処理。
さて、以上概要を説明した3種類の方法のさらなる詳細について、以下に説明する。
上記(n1)の処理において、子テーブルタップ610は、タップ別電力情報または集約電力情報を親テーブルタップ600に送信する。
例えば、通信路630がシリアル通信による通信路である場合、親テーブルタップ600がホスト局となり、子テーブルタップ610に対してシリアルケーブル上(すなわち通信路630上)にパケットを送信してもよい。子テーブルタップ610は、パケットの受信に応じて、受信したパケットに対する応答パケットを返信する。
以上のようなパケットの送受信により、親テーブルタップ600と子テーブルタップ610の間での通信が実現されてもよい。つまり、子テーブルタップ610は、タップ別電力情報または集約電力情報を応答パケットに含めることにより、タップ別電力情報または集約電力情報を親テーブルタップ600に通知してもよい。
例えば、親テーブルタップ600は定期的にパケットを子テーブルタップ610に送信することにより、定期的に子テーブルタップ610からタップ別電力情報または集約電力情報を得てもよい。
子テーブルタップ610のコントローラは、親テーブルタップ600からパケットを受信したら、タップ612a〜612dに対応する4つの測定部それぞれの出力値を含む応答パケットを生成し、通信インタフェイス614から応答パケットを送信してもよい。この場合の応答パケットは、タップ別電力情報の具体例である。
あるいは、子テーブルタップ610のコントローラは、親テーブルタップ600からパケットを受信したら、タップ612a〜612dに対応する4つの測定部それぞれの出力値の和を計算してもよい。そして、コントローラは、計算した和を含む応答パケットを生成し、通信インタフェイス614から応答パケットを送信してもよい。この場合の応答パケットは、集約電力情報の具体例である。
また、親テーブルタップ600からのパケット送信に応じて子テーブルタップ610がタップ別電力情報または集約電力情報を送信するのではなく、子テーブルタップ610自身が、タップ別電力情報または集約電力情報を送信するタイミングを制御してもよい。
例えば、通信路630が有線または無線のLANである場合、子テーブルタップ610は、定期的にタップ別電力情報または集約電力情報を含むパケットを生成し、生成したパケットを通信インタフェイス614からマルチキャストしてもよい。もちろん、実施形態に応じて、パケットは、マルチキャストされるのではなく、親テーブルタップ600宛にユニキャストされてもよい。
例えば以上例示したように、親テーブルタップ600は、子テーブルタップ610から適宜のタイミングで(例えば定期的に)、タップ別電力情報または集約電力情報を受信することができる。そして、タップ別電力情報または集約電力情報の送受信は、通信路630の具体的な種類にもよらず、また、親テーブルタップ600と子テーブルタップ610のいずれがタップ別電力情報または集約電力情報の送信タイミングを制御するかにもよらず、可能である。
そして、具体的な通信の方法がどのようであっても、子テーブルタップ610のコントローラは、タップ612a〜612dに対応する4つの測定部それぞれの出力値に基づいて、タップ別電力情報を含むパケットを生成することができる。また、具体的な通信の方法がどのようであっても、子テーブルタップ610のコントローラは、タップ612a〜612dに対応する4つの測定部それぞれの出力値の和を計算して、集約電力情報を含むパケットを生成することができる。
上記(n2)の処理も、(n1)の処理と同様である。つまり、具体的な通信の方法がどのようであっても、子テーブルタップ620のコントローラは、タップ622a〜622dに対応する4つの測定部それぞれの出力値に基づいて、タップ別電力情報を含むパケットを生成することができる。また、具体的な通信の方法がどのようであっても、子テーブルタップ620のコントローラは、タップ622a〜622dに対応する4つの測定部それぞれの出力値の和を計算して、集約電力情報を含むパケットを生成することができる。そして、親テーブルタップ600は、テーブルタップ620から適宜のタイミングで(例えば定期的に)、タップ別電力情報または集約電力情報を受信することができる。
ところで、上記(n3)のとおり、第4実施形態の親テーブルタップ600は、第2実施形態の図5および8〜11と類似の処理を行う。図5および8〜11の処理に関する第2実施形態と第4実施形態の違いは、図5のステップS101の測定期間の動作と、図6の測定結果テーブルおよび種別テーブルのエントリの数にある。
具体的には、単純並列型制御方法が採用される場合、親テーブルタップ600のコントローラは、ステップS101で、以下の(p1)〜(p3)の処理を行う。それにより、親テーブルタップ600のコントローラのRAMには、仮想テーブルタップ640の12個のタップに対応する12個のエントリを持った測定結果テーブルが作成される。
(p1)親テーブルタップ600自身のタップ602a〜602dからの供給電力を測定する不図示の4つの測定部からの出力を、タップ602a〜602dにそれぞれ対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。
(p2)通信インタフェイス604を介して子テーブルタップ610からタップ別電力情報を受信し、受信したタップ別電力情報をタップ612a〜612dにそれぞれ対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。
(p3)通信インタフェイス604を介して子テーブルタップ620からタップ別電力情報を受信し、受信したタップ別電力情報をタップ622a〜622dにそれぞれ対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。
測定期間の終了後、親テーブルタップ600は、仮想テーブルタップ640の12個のタップについての測定結果が記憶された測定結果テーブルを用いて、12個のタップそれぞれに接続された機器の稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定する。さらに、親テーブルタップ600は、12個のタップについての測定結果が記憶された測定結果テーブルを用いて、図8に相当するステップS102と、図9に相当するステップS103の処理を実行する。
また、親テーブルタップ600は、第1種主タップが見つかったか否かをステップS104で判定する。そして、仮想テーブルタップ640の12個のタップの中に第1種主タップがあれば、親テーブルタップ600は、図10に対応するステップS105の処理を実行する。逆に、仮想テーブルタップ640の12個のタップの中に第1種主タップがなければ、親テーブルタップ600は、図11に対応するステップS106の処理を実行する。
ところで、上記の(n1)と(n2)の処理は、具体的には、図5のステップS101の測定期間中だけでなく、測定期間が終わった後も行われる。
もしタップ612a〜612dの中に主タップがあれば、親テーブルタップ600は、(n1)の処理によって子テーブルタップ610から送信されるタップ別電力情報に基づいて、主タップからの供給電力の変化を検出することができる。同様に、もしタップ622a〜622dの中に主タップがあれば、親テーブルタップ600は、(n2)の処理によって子テーブルタップ620から送信されるタップ別電力情報に基づいて、主タップからの供給電力の変化を検出することができる。
また、もし親テーブルタップ600自身の中に主タップがあれば、親テーブルタップ600は、親テーブルタップ600内の測定部からの出力に基づいて、主タップからの供給電力の変化を検出することができる。したがって、仮想テーブルタップ640の12個のタップのいずれが主タップ(つまり第1種主タップまたは第2種主タップ)であろうとも、親テーブルタップ600は、主タップからの供給電力の変化を検出することができる。
また、もしタップ612a〜612dの中に従属タップがあれば、図7の状態遷移図420または430にしたがって従属タップの状態を変化させるために、親テーブルタップ600は、子テーブルタップ610へ指示を送信する。つまり、親テーブルタップ600のコントローラは、従属タップの状態を変化させるための指示を含むパケットを、通信インタフェイス604と通信路630を介して子テーブルタップ610に送信する。
パケットを受信した子テーブルタップ610は、指示に応じて、例えば当該従属タップに対応する物理スイッチの状態を変化させることにより、当該従属タップの状態を接続状態から切断状態へ(あるいは逆に切断状態から接続状態へ)と変化させる。
同様に、もしタップ622a〜622dの中に従属タップがあれば、図7の状態遷移図420または430にしたがって従属タップの状態を変化させるために、親テーブルタップ600は、子テーブルタップ620へ指示を送信する。つまり、親テーブルタップ600のコントローラは、従属タップの状態を変化させるための指示を含むパケットを、通信インタフェイス604と通信路630を介して子テーブルタップ620に送信する。
パケットを受信した子テーブルタップ620は、指示に応じて、例えば当該従属タップに対応する物理スイッチの状態を変化させることにより、当該従属タップの状態を接続状態から切断状態へ(あるいは逆に切断状態から接続状態へ)と変化させる。
なお、もしタップ602a〜602dの中に従属タップがあれば、図7の状態遷移図420または430にしたがって従属タップの状態を変化させるために、親テーブルタップ600は、当該従属タップに対応する物理スイッチの状態を変化させる。
他方、利用者がテーブルタップ600の物理スイッチを操作した場合は、操作された物理スイッチに対応するタップ(つまりタップ602a〜602dのいずれか)の状態が切り換わる。同様に、利用者が子テーブルタップ610の物理スイッチを操作した場合は、操作された物理スイッチに対応するタップ(つまりタップ612a〜612dのいずれか)の状態が切り換わる。また、利用者がテーブルタップ620の物理スイッチを操作した場合は、操作された物理スイッチに対応するタップ(つまりタップ622a〜622dのいずれか)の状態が切り換わる。
以上のとおり、主タップがテーブルタップ600、610、620のいずれにあろうとも、また、従属タップがテーブルタップ600、610、620のいずれにあろうとも、図7の状態遷移図410〜430にしたがった制御が可能である。
さて、階層型制御方法または非階層集約型制御方法が採用される場合、親テーブルタップ600のコントローラは、ステップS101で、以下の(q1)〜(q3)の処理を行う。それにより、親テーブルタップ600のコントローラのRAMには、仮想テーブルタップ650の6個のタップに対応する6個のエントリを持った測定結果テーブルが作成される。
(q1)親テーブルタップ600自身のタップ602a〜602dからの供給電力を測定する不図示の4つの測定部からの出力を、タップ602a〜602dにそれぞれ対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。
(q2)通信インタフェイス604を介して子テーブルタップ610からタップ別電力情報を受信し、タップ612a〜612dからの供給電力の和をタップ別電力情報から計算し、計算結果を仮想タップ651に対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。または、通信インタフェイス604を介して子テーブルタップ610から集約電力情報を受信し、集約電力情報を仮想タップ651に対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。
(q3)通信インタフェイス604を介して子テーブルタップ620からタップ別電力情報を受信し、タップ622a〜622dからの供給電力の和をタップ別電力情報から計算し、計算結果を仮想タップ652に対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。または、通信インタフェイス604を介して子テーブルタップ620から集約電力情報を受信し、集約電力情報を仮想タップ652に対応づけて測定結果テーブルに記憶する処理。
測定期間の終了後、親テーブルタップ600は、仮想テーブルタップ650の6個のタップについての測定結果が記憶された測定結果テーブルを用いて、6個のタップそれぞれに接続された機器の稼働開始時刻と稼働終了時刻を判定する。さらに、親テーブルタップ600は、6個のタップについての測定結果が記憶された測定結果テーブルを用いて、図8に相当するステップS102と、図9に相当するステップS103の処理を実行する。
また、親テーブルタップ600は、第1種主タップが見つかったか否かをステップS104で判定する。そして、仮想テーブルタップ650の6個のタップの中に第1種主タップがあれば、親テーブルタップ600は、図10に対応するステップS105の処理を実行する。逆に、仮想テーブルタップ650の6個のタップの中に第1種主タップがなければ、親テーブルタップ600は、図11に対応するステップS106の処理を実行する。
ところで、上記の(n1)と(n2)の処理は、具体的には、図5のステップS101の測定期間中だけでなく、測定期間が終わった後も行われる。
仮想タップ651が主タップと判定された場合、親テーブルタップ600は、(n1)の処理によって子テーブルタップ610から送信されるタップ別電力情報または集約電力情報に基づいて、仮想タップ651からの供給電力の変化を検出することができる。同様に、仮想タップ652が主タップと判定された場合、親テーブルタップ600は、(n2)の処理によって子テーブルタップ620から送信されるタップ別電力情報または集約電力情報に基づいて、仮想タップ652からの供給電力の変化を検出することができる。
また、もし親テーブルタップ600自身の中に主タップがあれば、親テーブルタップ600は、親テーブルタップ600内の測定部からの出力に基づいて、主タップからの供給電力の変化を検出することができる。したがって、仮想テーブルタップ650の6個のタップのいずれが主タップ(つまり第1種主タップまたは第2種主タップ)であろうとも、親テーブルタップ600は、主タップからの供給電力の変化を検出することができる。
また、仮想タップ651が従属タップと判定された場合、図7の状態遷移図420または430にしたがって従属タップの状態を変化させるために、親テーブルタップ600は、子テーブルタップ610へ指示を送信する。つまり、親テーブルタップ600のコントローラは、従属タップの状態を変化させるための指示を含むパケットを、通信インタフェイス604と通信路630を介して子テーブルタップ610に送信する。
パケットを受信した子テーブルタップ610は、指示に応じて、タップ612a〜612dにそれぞれ対応する4つの物理スイッチの状態を適宜制御する。つまり、子テーブルタップ610は、指示に応じて、タップ612a〜612dのすべてが接続状態となるように、あるいは逆に、タップ612a〜612dのすべてが切断状態となるように、4つの物理スイッチの状態を適宜制御する。
同様に、仮想タップ652が従属タップと判定された場合、図7の状態遷移図420または430にしたがって従属タップの状態を変化させるために、親テーブルタップ600は、子テーブルタップ620へ指示を送信する。つまり、親テーブルタップ600のコントローラは、従属タップの状態を変化させるための指示を含むパケットを、通信インタフェイス604と通信路630を介して子テーブルタップ620に送信する。
パケットを受信した子テーブルタップ620は、指示に応じて、タップ622a〜622dにそれぞれ対応する4つの物理スイッチの状態を適宜制御する。つまり、子テーブルタップ620は、指示に応じて、タップ622a〜622dのすべてが接続状態となるように、あるいは逆に、タップ622a〜622dのすべてが切断状態となるように、4つの物理スイッチの状態を適宜制御する。
なお、もしタップ602a〜602dの中に従属タップがあれば、図7の状態遷移図420または430にしたがって従属タップの状態を変化させるために、親テーブルタップ600は、当該従属タップに対応する物理スイッチの状態を変化させる。
また、利用者がテーブルタップ600の物理スイッチを操作した場合は、操作された物理スイッチに対応するタップ(つまりタップ602a〜602dのいずれか)の状態が切り換わる。同様に、利用者が子テーブルタップ610の物理スイッチを操作した場合は、操作された物理スイッチに対応するタップ(つまりタップ612a〜612dのいずれか)の状態が切り換わる。また、利用者がテーブルタップ620の物理スイッチを操作した場合は、操作された物理スイッチに対応するタップ(つまりタップ622a〜622dのいずれか)の状態が切り換わる。
以上のとおり、主タップがテーブルタップ600、610、620のいずれにあろうとも、また、従属タップがテーブルタップ600、610、620のいずれにあろうとも、図7の状態遷移図410〜430にしたがった制御が可能である。
ところで、上記に説明した単純並列型制御方法と階層型制御方法と非階層集約型制御方法のいずれが採用されるにせよ、第4実施形態によれば、複数のテーブルタップをまたいだ制御が可能である。具体的には、第4実施形態によれば、例えば以下の(r1)や(r2)のような制御が実現され得る。
(r1)オフィス内のすべてのPCへの給電が停止されたら、オフィス内の共用機器(例えばプリンタやルータなど)への給電を停止する制御。
(r2)オフィス内のいずれかのPCへの給電が開始されたら、オフィス内の共用機器への給電を開始する制御。
以上説明したように、第4実施形態によれば、1台のテーブルタップが有するタップの数(例えば図13の例では4個)よりも多い機器間の従属関係の判定が可能である。そして、それら多数の機器への電力供給が適宜制御される。すなわち、第4実施形態によれば、適宜の数の子テーブルタップを利用することにより、任意の数の機器への電力供給を使用状況に応じて柔軟に制御することが可能となる。
なお、以上の説明から理解されるとおり、第4実施形態における通信インタフェイス604、614、および624は、いずれも、場合に応じて、タップ別電力情報または集約電力情報の少なくとも一方を他のテーブルタップから受信する受信部として動作し得る。
また、第4実施形態において、従属タップからの電力供給の制御のために親テーブルタップから子テーブルタップに送信されるパケットは、下記(s1)と(s2)の制御情報の具体例である。
(s1)単純並列型制御方法において1つ以上の従属タップが子テーブルタップに存在する場合に、当該1つ以上の従属タップからの電力供給を個々に制御するために親テーブルタップが送信する制御情報。
(s2)階層型制御方法または非階層集約型制御方法において仮想タップが従属タップと判定された場合に、当該仮想タップに対応する子テーブルタップの複数のタップからの電力供給をまとめて制御するために親テーブルタップが送信する制御情報。
そして、通信インタフェイス604、614、および624は、いずれも、場合に応じて、制御情報(s1)と(s2)のうち少なくとも一方を他のテーブルタップ(つまり子テーブルタップ)へ送信する送信部として動作し得る。もちろん、通信インタフェイス604、614、および624は、いずれも、場合に応じて、制御情報(s1)と(s2)のうち少なくとも一方を他のテーブルタップ(つまり親テーブルタップ)から受信する受信部としても動作し得る。
第4実施形態における親テーブルタップのコントローラは、親テーブルタップによる測定結果と、タップ別電力情報に応じて、制御情報(s1)を生成し、生成した制御情報(s1)を通信インタフェイスに送信させることもある。また、親テーブルタップのコントローラは、親テーブルタップによる測定結果と、タップ別電力情報もしくは集約電力情報に応じて、制御情報(s2)を生成し、生成した制御情報(s2)を通信インタフェイスに送信させることもある。親テーブルタップのコントローラは、親テーブルタップによる測定結果と、タップ別電力情報もしくは集約電力情報に応じて、親テーブルタップ自身の1つ以上のタップからの電力供給を制御することもある。
制御情報(s1)が生成されるのは、例えば以下のような場合である。親テーブルタップの1つ以上のタップからの電力供給の変化に応じて、子テーブルタップのいずれかのタップからの電力供給が変化することを、親テーブルタップによる測定結果とタップ別電力情報とが示す場合がある。この場合、親テーブルタップの上記1つ以上のタップが主タップであり、子テーブルタップの上記タップが従属タップである。よって、この場合、親テーブルタップのプロセッサは、上記の制御情報(s1)を、親テーブルタップが有する上記1つ以上の主タップからの電力供給の変化に応じて生成する。
逆に、子テーブルタップの1つ以上のタップからの電力供給の変化に応じて、親テーブルタップのいずれかのタップからの電力供給が変化することを、親テーブルタップによる測定結果とタップ別電力情報とが示す場合がある。この場合、子テーブルタップの上記1つ以上のタップが主タップであり、親テーブルタップの上記タップが従属タップである。よって、この場合、親テーブルタップのプロセッサは、新たに通信インタフェイスがタップ別電力情報を受信するのに応じて、適宜、親テーブルタップ自体が有する従属タップからの電力供給を制御する。
また、親テーブルタップの1つ以上のタップからの電力供給の変化に応じて、子テーブルタップの複数のタップからの合計の電力供給が変化することを、親テーブルタップによる測定結果と、タップ別電力情報または集約電力情報が示す場合がある。この場合、親テーブルタップの上記1つ以上のタップが主タップであり、子テーブルタップに対応する仮想タップが従属タップである。よって、この場合、親テーブルタップのプロセッサは、上記の制御情報(s2)を、親テーブルタップが有する上記1つ以上の主タップからの電力供給の変化に応じて生成する。
逆に、子テーブルタップの複数のタップからの合計の電力供給の変化に応じて、親テーブルタップのいずれかのタップからの電力供給が変化することを、親テーブルタップによる測定結果と、タップ別電力情報または集約電力情報が示す場合がある。この場合、子テーブルタップに対応する仮想タップが主タップであり、親テーブルタップの上記タップが従属タップである。よって、この場合、親テーブルタップのプロセッサは、新たに通信インタフェイスがタップ別電力情報を受信するのに応じて、適宜、親テーブルタップ自体が有する従属タップからの電力供給を制御する。
ところで、図13のテーブルタップ600と610と620は同じように構成されているが、もちろん、テーブルタップごとにタップの数は異なっていてもよい。
また、図13のテーブルタップ600と610と620のいずれも、親子指定スイッチによる指定に応じて、親テーブルタップにもなり得るし、子テーブルタップにもなり得る。このようなテーブルタップを、以下では便宜上「両用テーブルタップ」という。
しかし、実施形態によっては、両用テーブルタップの代わりに、親テーブルタップ専用のテーブルタップ(以下「専用親テーブルタップ」という)や、子テーブルタップ専用のテーブルタップ(以下「専用子テーブルタップ」という)が使われてもよい。専用親テーブルタップや専用子テーブルタップには、親子指定スイッチは不要である。
また、子テーブルタップのコントローラが行う処理の負荷は、親テーブルタップのコントローラが行う処理の負荷よりも低い。大まかな傾向としては、親テーブルタップと子テーブルタップの間での処理負荷の差は、単純並列型制御方法の場合に最も大きく、次に非階層集約型制御方法の場合に大きい。また、親テーブルタップと子テーブルタップがそれぞれ有するタップの数が同じであれば、階層型制御方法の場合にも、子テーブルタップの方が親テーブルタップより処理負荷が低い。
以上のように処理負荷に差があるため、専用子テーブルタップのプロセッサは、専用親テーブルタップのプロセッサよりも処理能力の低いものでも構わない。また、専用子テーブルタップのRAMの容量は、専用親テーブルタップのRAMの容量よりも小さくて構わない。特に、単純並列型制御方法または非階層集約型制御方法が採用される場合、専用子テーブルタップは、測定期間中に測定結果テーブルに測定結果を蓄積する必要がないため、専用子テーブルタップのRAMは小容量で構わない。
したがって、専用子テーブルタップは、専用親テーブルタップよりも安価に製造することが可能である。また、両用テーブルタップには、専用親テーブルタップと同等の処理能力が求められる。よって、専用子テーブルタップは、両用テーブルタップと比べても、より安価に製造することが可能である。
そして、専用子テーブルタップを安価に提供することができれば、たとえ多少専用親テーブルタップが高価であっても、例えばある会社全体で保有する複数のテーブルタップの総額を抑えることが可能である。つまり、利用者にとっては、すべて両用テーブルタップで買い揃えるよりも、少数の専用親テーブルタップと、それより多い専用子テーブルタップの組み合わせを買う方が、導入コストが低くて済む。
そして、導入コストが低いものほど利用者は導入しやすい。専用親テーブルタップと専用子テーブルタップの組み合わせが導入されれば、もちろん、上記のような動的な電力供給制御によって節電効果が見込める。つまり、安価に製造可能な専用子テーブルタップは、省エネルギー推進に有益である。
なお、上記の第1〜第4実施形態に関する説明においてもいくつかの変形例に言及したが、本発明は上記実施形態やその変形例に限られるものではない。例えば、第3実施形態と第4実施形態の組み合わせも可能である。さらに、上記実施形態は、例えば以下に例示するようないくつかの観点から様々に変形することが可能である。上記実施形態(その変形例を含む)と下記変形例は、相互に矛盾しない限り、任意に組み合わせることが可能である。
上記実施形態におけるいくつかの処理(例えば、稼働開始時刻や稼働終了時刻の判定や、稼働終了時刻同士が近いか否かの判定など)は、閾値との比較を含む。閾値との比較は、実施形態により「比較対象の数値が、閾値を超えるか否か」を判定する処理でもよいし、「比較対象の数値が、閾値以上か否か」を判定する処理でもよい。また、上記の説明では様々な用途の閾値を例示したが、各閾値の具体的な値は、実施形態に応じて適宜任意に決められてよい。
また、図7には、完全従属タップの制御に関する状態遷移図420と、部分従属タップの制御に関する状態遷移図430を示したが、実施形態によっては、完全従属タップと部分従属タップは区別されなくてもよい。その場合、図10のステップS403〜S404は省略され、ステップS406では注目タップが単に従属タップと判定される。また、完全従属タップと部分従属タップを区別しない実施形態においては、すべての従属タップが状態遷移図420にしたがって制御されてもよいし、すべての従属タップが状態遷移図430にしたがって制御されてもよい。
なお、図7の状態遷移図420と430によれば、従属タップの状態は、1つまたは複数の主タップからの供給電力の変化に応じて、従属タップ自体からの現在の供給電力とは関係なく、接続状態から切断状態へと遷移することがある。しかし、実施形態によっては、従属タップからの電力供給を遮断するのは、当該従属タップから現在供給されている電力が閾値以下のとき(つまり当該従属タップに接続されている機器が現在稼働していないと推定されるとき)だけに限られてもよい。なお、ここでの閾値は、例えば、稼働開始時刻の判定に使われる閾値と同じでもよい。
また、物理スイッチ(例えば図2の物理スイッチ105a〜105dや図12の物理スイッチ505a〜505d)は省略されてもよい。例えば、物理スイッチ105a〜105dが省略された実施形態において、仮にプロセッサ107がタップ102aを従属タップと判定したとする。
この場合、プロセッサ107は、従属タップ102aの状態を接続状態から切断状態に遷移させるために、(物理スイッチ105aの状態を制御することで間接的にリレー103aを制御するのではなく)リレー103aに直接制御信号を出力する。また、プロセッサ107は、従属タップ102aの状態を切断状態から接続状態に遷移させる場合にも、同様にリレー103aに直接制御信号を出力する。
ところで、第2実施形態では、リレー103a〜103dを用いることにより、タップ102a〜102dからの電力供給のオン/オフ制御が可能である。しかし、接続と切断を切り換えることの可能な他の種類の回路が、リレー103a〜103dの代わりに使われてもよい。また、実施形態によっては、2値的なオン/オフ制御ではなく、3段階以上の切り換え制御が行われてもよい。つまり、リレー103a〜103dは、電流を3段階以上に切り換えることの可能な他の種類の回路に置き換えられてもよい。
また、各タップの種別を判定するための手順は実施形態に応じて任意であり、図5および8〜11に示した手順は一例である。
図5に示すように、第2〜4実施形態では、より確実な判定のために、他のタップとの関連性を調べるまでもなく明らかに独立タップであるタップが先にステップS102で検出される。その後、第1種主タップに関する判定が、第2種主タップに関する判定に先行して、ステップS103で行われる。
第1種主タップに関する判定は、第2種主タップに関する判定と比べると、判定に関わる条件がより簡潔なぶん、自動判定の間違いも少ないと期待される。そこで、第2〜第4実施形態では、タップ種別判定処理全体での種別の正解率を高めるため、より確実な判定が期待される処理が先に行われる。
第2種主タップに関する判定は、どの2つ以上のタップの組み合わせならばそれら2つ以上のタップが第2種主タップの定義に当てはまるのかを調べる処理を含む。そのため、1つのタップだけで主タップになり得る第1種主タップに関する判定よりも、第2種主タップに関する判定の方が複雑である。
判定に関わる条件が複雑だと、測定期間内における各機器の稼働期間同士の偶然的な時間的関係に判定結果が左右される余地も多少増えてしまう。よって、判定に関わる条件が簡潔な方が、判定の正確性がより高いと期待される。
したがって、第2〜第4実施形態では図5および8〜11に示した手順で各タップの種別が判定される。しかし、実施形態によっては、異なる手順で各タップの種別が判定されてもよい。
また、実施形態によっては、第1種主タップのみが検出の対象であってもよく、第2種主タップの検出は行われなくてもよい。つまり、第2種主タップおよび第2種主タップに従属する部分従属タップを、プロセッサが独立タップと判定するような実施形態も可能である。
ところで、図1の電力制御部4のうち少なくとも一部、図2のプロセッサ107、図12のプロセッサ507、および図13の各テーブルタップにおける不図示のプロセッサは、プログラム(例えばファームウェアプログラム)にしたがって動作してもよい。プログラムは、例えば図2のフラッシュメモリ109や図12のフラッシュメモリ509のような、不揮発性の記憶装置に予め記憶されていてもよい。あるいは、プログラムは、外部からテーブルタップ(換言すれば電力供給装置)へとダウンロードされてもよい。プログラムのダウンロードは、何らかの通信インタフェイス(例えば、図12の通信インタフェイス514または図13の通信インタフェイス604)を介して実現可能である。
テーブルタップにインストールするためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよい。例えば、コンピュータが通信インタフェイス514を介してテーブルタップ500に接続されている場合、記憶媒体に記憶されたプログラムは、コンピュータにより読み取られ、コンピュータからテーブルタップ500へとダウンロードされてもよい。
記憶媒体としては、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどが利用可能である。なお、これらの記憶媒体は、有形の(tangible)媒体であり、信号搬送波のような一時的な(transitory)媒体ではない。
以上、変形例を含めて様々な実施形態について説明したが、いずれの実施形態でも、使用されていない機器への電力供給を停止することにより、無駄な待機電力を削減することができ、節電を実現することができる。しかも、テーブルタップ等の電力供給装置の実際の使われ方に応じて、柔軟に電力供給が制御される。よって、様々な状況で、確実に節電を実現することができる。つまり、どのタップにどのような機器が接続されるかが予め決められていなくても、上記の各種実施形態によれば、従属タップからの電力供給が適切に制御される。
また、主タップの数、従属タップの数、および独立タップの数は、測定期間における測定結果に応じて、プロセッサにより判断される。したがって、主タップの数、従属タップの数、および独立タップの数について、何らかの前提条件(換言すれば制約条件)を設ける必要もない。つまり、上記の各種実施形態によれば、予め決められた前提条件に適合する使用環境においてのみ節電が実現されるのではなく、様々な使用環境において適宜の電力供給制御により節電が実現される。
最後に、上記の種々の実施形態に関して、さらに下記の付記を開示する。
(付記1)
複数の出力タップと、
前記複数の出力タップのそれぞれからの供給電力を測定する測定手段と、
前記複数の出力タップのうち第1の出力タップからの前記供給電力と、前記複数の出力タップのうち1つ以上の第2の出力タップからの前記供給電力の関係に基づき、前記1つ以上の第2の出力タップからの電力供給に応じ、前記第1の出力タップからの電力供給を制御する電力制御手段、
を備える電力供給装置。
(付記2)
前記測定手段は、ある長さの測定期間にわたって、前記複数の出力タップのそれぞれからの前記供給電力を測定し、
前記関係は、前記測定期間における、前記第1の出力タップからの前記供給電力と、前記1つ以上の第2の出力タップからの前記供給電力の関係であり、
前記電力制御手段は、前記測定期間の終了後に、前記関係に基づき、前記1つ以上の第2の出力タップからの電力供給に応じ、前記第1の出力タップからの前記電力供給を制御する
ことを特徴とする付記1に記載の電力供給装置。
(付記3)
前記測定期間の開始を指示する開始手段をさらに備える
ことを特徴とする付記2に記載の電力供給装置。
(付記4)
前記測定期間の終了を指示する終了手段をさらに備えるか、または、
前記測定期間の前記長さが予め決められている
ことを特徴とする付記2または3に記載の電力供給装置。
(付記5)
前記測定期間中の前記測定手段による測定結果を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記関係は、前記第1の出力タップからの前記供給電力の変化と、前記1つ以上の第2の出力タップからの前記供給電力の変化の間の時間的関係であり、
前記電力制御手段は、前記1つ以上の第2の出力タップからの前記電力供給に応じて前記第1の出力タップからの前記電力供給を制御することを、前記記憶手段に記憶された前記測定結果に基づいて決定する
ことを特徴とする付記2から4のいずれか1項に記載の電力供給装置。
(付記6)
前記関係は、
前記第1の出力タップからの前記供給電力が、固定されているかまたは前記第1の出力タップに応じて決められる第1の閾値以下になるタイミングと、
前記1つ以上の第2の出力タップのいずれからの前記供給電力も、固定されているかまたは各第2の出力タップに応じて決められる第2の閾値以下になるタイミングと
の間の時間差に関する時間的関係である
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の電力供給装置。
(付記7)
前記関係は、さらに、
前記第1の出力タップからの前記供給電力が前記第1の閾値を超えるタイミングと、
前記1つ以上の第2の出力タップの各々からの前記供給電力が前記第2の閾値を超えるタイミングと
の間の時間差および前後関係にも関する時間的関係であることを特徴とする付記6に記載の電力供給装置。
(付記8)
前記第2の出力タップの数は2以上であり、
前記関係は、
前記第1の出力タップからの前記供給電力が前記第1の閾値以下になるタイミングと、ある1つの前記第2の出力タップからの前記供給電力が前記第2の閾値以下になるタイミングの時間差が所定範囲内であり、かつ、
前記第1の出力タップからの前記供給電力が前記第1の閾値を超えるタイミングが、前記ある1つの前記第2の出力タップからの前記供給電力が前記第2の閾値を超えるタイミングよりは早く、残りの前記第2の出力タップからの前記供給電力が前記第2の閾値を超えるタイミングよりは遅く、かつ、
前記残りの第2の出力タップ各々からの前記供給電力が前記第2の閾値以下になるタイミングは、前記ある1つの前記第2の出力タップからの前記供給電力が前記第2の閾値を超えるタイミングより遅い、
という時間的関係である
ことを特徴とする付記6または7に記載の電力供給装置。
(付記9)
前記第1の出力タップと前記1つ以上の第2の出力タップとの間に成立する前記関係が、前記1つ以上の第2の出力タップとの間において成立しないような第3の出力タップが前記複数の出力タップの中に存在する場合、前記電力制御手段は、前記1つ以上の第2の出力タップからの前記供給電力が変化しても、前記第3の出力タップからの電力供給を制御しない
ことを特徴とする付記1から8のいずれか1項に記載の電力供給装置。
(付記10)
前記電力制御手段は、前記1つ以上の第2の出力タップからの前記供給電力がいずれも閾値以下になるのに応じて、前記第1の出力タップからの前記電力供給を遮断する
ことを特徴とする付記1から9のいずれか1項に記載の電力供給装置。
(付記11)
前記電力制御手段は、前記1つ以上の第2の出力タップのいずれかからの前記供給電力が閾値を超えるのに応じて、前記第1の出力タップからの前記電力供給を開始する
ことを特徴とする付記10に記載の電力供給装置。
(付記12)
他の電力供給装置が備える複数の出力タップのそれぞれからの供給電力を示す第1の電力情報と、前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップのそれぞれからの前記供給電力の和を示す第2の電力情報のうち、少なくとも一方を、前記他の電力供給装置から受信する受信手段と、
前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップのうちの1つ以上について個々に当該出力タップからの電力供給を制御するための第1の制御情報と、前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップからの電力供給をまとめて制御するための第2の制御情報のうち、少なくとも一方を、前記他の電力供給装置に送信する送信手段
をさらに備え、
前記電力制御手段は、
前記測定手段による測定結果と前記第1の電力情報に応じて、前記第1の制御情報を生成し、生成した前記第1の制御情報を前記送信手段に送信させるか、
前記測定結果と前記第1もしくは第2の電力情報とに応じて、前記第2の制御情報を生成し、生成した前記第2の制御情報を前記送信手段に送信させるか、または、
前記測定結果と前記第1もしくは第2の電力情報とに応じて、当該電力供給装置の前記複数の出力タップのうちの1つ以上の出力タップからの前記電力供給を制御する
ことを特徴とする付記1から11のいずれか1項に記載の電力供給装置。
(付記13)
当該電力供給装置の前記複数の出力タップのうち、1つ以上の第4の出力タップからの前記電力供給の変化に応じて、前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップのうち第5の出力タップからの電力供給が変化することを、前記測定結果と前記第1の電力情報とが示す場合、前記電力制御手段は、前記他の電力供給装置の前記第5の出力タップからの電力供給を制御するための前記第1の制御情報を、当該電力供給装置の前記1つ以上の第4の出力タップからの前記電力供給の変化に応じて生成する
ことを特徴とする付記12に記載の電力供給装置。
(付記14)
前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップのうち、1つ以上の第6の出力タップからの前記電力供給の変化に応じて、当該電力供給装置の前記複数の出力タップのうち第7の出力タップからの前記電力供給が変化することを、前記測定結果と前記第1の電力情報とが示す場合、前記電力制御手段は、前記受信手段が新たに前記第1の電力情報を受信するのに応じて、前記第7の出力タップからの前記電力供給を制御する
ことを特徴とする付記12に記載の電力供給装置。
(付記15)
当該電力供給装置の前記複数の出力タップのうち、1つ以上の第8の出力タップからの前記電力供給の変化に応じて、前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップからの合計の電力供給が変化することを、前記測定結果と前記第1または第2の電力情報とが示す場合、前記電力制御手段は、当該電力供給装置の前記1つ以上の第8の出力タップからの前記電力供給の変化に応じて前記第2の制御情報を生成する
ことを特徴とする付記12に記載の電力供給装置。
(付記16)
前記他の電力供給装置の前記複数の出力タップからの合計の前記電力供給の変化に応じて、当該電力供給装置の前記複数の出力タップのうち第9の出力タップからの前記電力供給が変化することを、前記測定結果と前記第1または第2の電力情報とが示す場合、前記電力制御手段は、前記受信手段が新たに前記第2の電力情報を受信するのに応じて、前記第9の出力タップからの前記電力供給を制御する
ことを特徴とする付記12に記載の電力供給装置。
(付記17)
前記電力供給装置に直接的または間接的に接続されるコンピュータに、前記関係を表す関係情報を送信し、前記関係情報を更新するための更新指示を前記コンピュータから受信する通信手段をさらに備え、
前記通信手段が前記更新指示を受信すると、前記電力制御手段は、
前記更新指示に基づいて前記関係情報を更新し、
更新後の前記関係情報が表す新たな関係に基づき、ある1つ以上の出力タップからの電力供給に応じ、他の出力タップからの電力供給を制御する
ことを特徴とする付記1から16のいずれか1項に記載の電力供給装置。
(付記18)
複数の出力タップを備える電力供給装置が実行する制御方法であって、
前記複数の出力タップのそれぞれからの供給電力を測定し、
前記複数の出力タップのうち第1の出力タップからの前記供給電力と、前記複数の出力タップのうち1つ以上の第2の出力タップからの前記供給電力の関係に基づき、前記1つ以上の第2の出力タップからの電力供給に応じ、前記第1の出力タップからの電力供給を制御する
ことを特徴とする制御方法。