JP5849644B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
この撓み変形が起きるとそのロール体の重心位置が軸心線上からずれるので、該ロール体を一回転したときの回転負荷が大きく変化し、記録媒体を精度良く送ることができない問題につながる。
このように負荷変動曲線24の変動幅は小さいので、前記1/4回転のメジャーメント実行で問題なく、精度良く測定できていた。
しかし、単純にロール体を一回転させてメジャーメントを実行すると、大型化によってロール径も大きくなっているので、一回転分を繰り出すと相当の長さになる。例えば直径が30cmのロール体では、記録媒体が約1mも繰り出されることになる。この繰り出された1mの記録媒体は、メジャーメント実行時はPFモーターが停止しているので、下流に進むことができず、ロール体回りに大きく垂れ下がる状態となる。
ユーザーが印刷開始前に、上記の状態を目にすると記録装置にトラブルが発生したと勘違いし易いと共に、大きく垂れ下がった部分が周囲の部材に接触して記録面を損傷する虞がある。
加えて、ロール体を一回転させてメジャーメントを実行する際に、大きな垂れ下がりは抑制しつつ記録面の損傷の虞も低減でき、更にロール体を一回転させる必要のない場合にも無駄なく対処できるようにすることにある。
第1の態様は、少し限定を加えて、記録媒体にインクを吐出するインク吐出部と、前記インク吐出部に向けて記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置と、前記インク吐出部及び前記記録媒体搬送装置の各動作を制御する制御部とを備え、前記記録媒体搬送装置は、帯状の記録媒体が巻かれたロール体が回転可能に装着される回転駆動部と、前記回転駆動部の動力源となる第1モーターと、前記記録媒体の供給方向における前記ロール体の位置よりも下流側に位置し前記記録媒体に搬送力を付与する搬送駆動ローラーと、前記搬送駆動ローラーの動力源となる第2モーターと、前記第1モーターと第2モーターの駆動状態を制御するモーター制御部とを備え、前記制御部は、前記記録媒体への記録実行に関する動作を制御する第1制御モードと、ロール体が前記回転駆動部に装着されている状態で回転停止状態が設定時間を経過したら、前記モーター制御部を介して前記ロール体を設定された条件の下で回転させる動作を実行する第2制御モードと、を備えているものでもよい。
また、「記録媒体への記録実行に関する動作」とは、記録媒体を搬送してインク吐出ヘッドで記録を実行する動作の他に、その前準備の動作、例えば第1モーターのメジャーメント動作等を含む意味で使われている。
また、「第2制御モード」を実行する場合としては、例えばロール体を交換した後にその状態で設定時間を経過した場合や第1制御モードによる一つの動作が終了し次の動作が開始されるまでの間に前記ロール体が巻き戻された状態となり且つ回転停止後に設定時間を経過した場合等が挙げられる。
また、「ロール体を設定された条件の下で回転させる動作」における「設定された条件」とは、ロール体の回転量、回転方向、回転速度など回転状態に関係する物理量を設定することで決まる条件を意味する。ここで、前記「設定時間」と「設定された条件」はユーザーの使い勝手を向上させるために、可変に構成されることが好ましい。
すなわち、第1駆動部に対応する前記第1モーターはPWM制御で速度制御されており、前記第2制御モードでのロール体の回転は、前記第1モードでのロール体の回転よりも低デューティー比で行われることを特徴とするものである。
ここで、PWM制御とは「Pulse Width Modulation」の頭文字をとって称される制御である。PWMは日本語に訳すと「パルス幅変調」という。この制御は、パルス波のデューティー比を変化させて変調する変調方法を利用している。
すなわち、前記制御部は、前記第1モーターと第2モーターの駆動状態を制御し、且つ、前記第1モーターが前記第2モーター停止の状態で記録媒体を供給する際の負荷と駆動速度との関係を測定するメジャーメントとして、前記ロール体の一回転について実行し、且つ前記一回転を複数に分割して実行する第1メジャーメントモードと、前記ロール体を1回転させない範囲で実行する第2メジャーメントモードと、を備えていることを特徴とするものである。
1回のメジャーメントが済むと第1モーターは停止する。その停止状態のときにそれまで停止していた第2モーターを駆動させることで前記繰り出された部分が第2モーターの下流側に送られてロール体回りから無くなる、これにより、次のメジャーメントの実行による繰り出し分の受入スペースが確保できる。そして、前回のすなわち1回目の繰り出し分と2回目の繰り出し分がロール体周りで累積されないので、ユーザーに目立ちにくい。
以上説明したように、本態様によれば、前記各態様の効果に加えて、ロール体を一回転させてメジャーメントを実行する際に、大きな垂れ下がりは抑制しつつ記録面の損傷の虞を低減することができ、更にロール体を一回転させる必要のない場合にも無駄なく対処することができる。
本態様によれば、ロール体が交換された等の第2制御モードの実行後の最初のメジャーメントは前記第1メジャーメントモードで行うように構成されているので、前記各態様の効果に加えて、適切なメジャーメントの実行を実現することができる。
本態様によれば、残りの1/2回転は逆転させてメジャーメントを行う構成であるので、前記各態様の効果に加えて、ロール体の一回転によるトータルの繰り出し量を半分に減らすことができ、その点からも大きな垂れ下がりを抑制しつつ記録面の損傷の虞を一層効果的に低減することができる。
すなわち、第1駆動部に対応する前記第1モーターはPWM制御で速度制御されており、前記ロール体の一回転を遇数回に分割し、前記第1メジャーメントモードの実行は、分割された回転の奇数回目と偶数回目に分けて、一方では第1モーターを低速駆動させて行い、他方では前記一方よりも高速駆動させて行う構成である。
そして、前記記録媒体搬送装置30は、帯状の記録媒体Pが巻かれたロール体1が回転可能に装着される回転駆動部9と、前記回転駆動部9の動力源となる第1モーター2と、前記記録媒体Pの供給方向における前記ロール体1の位置よりも下流側に位置し前記記録媒体Pに搬送力を付与する搬送駆動ローラー3と、前記搬送駆動ローラー3の動力源となる第2モーター4と、前記第1モーター2と第2モーター4の駆動状態を制御するモーター制御部5とを備えている。
更に、前記制御部19は、前記記録媒体Pへの記録実行に関する動作を制御する第1制御モード31と、ロール体1が前記回転駆動部9に装着されている状態で回転停止状態が設定時間を経過したら、前記モーター制御部5を介して前記ロール体1を設定された条件の下で回転させる動作を実行する第2制御モード32とを備えている。
図1に示されているように、前記インク吐出部17は、キャリッジ16に搭載されている。そして、キャリッジ16が制御部19から送られる制御信号を受けてキャリッジガイド軸18にガイドされて記録媒体1の搬送方向に交差する方向である記録媒体幅方向に往復移動するように構成されている。
先ず、ステップS1で、ロール体1が回転駆動部9に装着されているかどうかが判断される。この判断は、ユーザーがパソコン20を介して入力する印刷データに含まれる装着情報に基づいて、或いは当該記録装置の図示しない操作パネルから直接入力された装着情報に基づいて行われる。ロール体1が回転駆動部9に装着された後、外されたとの情報が送られるまでは、装着状態であると判断される。
これにより、ロール体1を半回転するので該半回転の前後で当該ロール体1の上下の関係が逆になる。従って、撓み変形を効果的に矯正することができる。更に、停止保持時間を可変に構成されているので、そのロール体1に適した効果的な撓み変形の矯正、或いは撓み変形の発生自体の効果的な抑制を実現することができる。
これにより、低デューティー比のPWM制御で第2制御モード32が行われるので、少ない電気量で前記効果を得ることが可能である。
本実施例では、前記モーター制御部5は、前記搬送される記録媒体Pが所定のテンションTが与えられた状態で搬送されるように前記第1モーター2と第2モーター4の駆動状態を制御し、且つ、該モーター制御部5は、前記第1モーター2が前記第2モーター4停止の状態で記録媒体Pを供給する際の負荷Dと駆動速度Vとの関係を測定するメジャーメントとして、前記ロール体1の一回転について実行し、且つ前記一回転を複数に分割して実行する第1メジャーメントモードと、前記ロール体1を1回転させない範囲で実行する第2メジャーメントモードとを備えている.
更に、前記モーター制御部5は、前記第1メジャーメントモードの実行で得られた前記負荷の変動幅が設定値以下であるときは、次のメジャーメントは第2メジャーメントモードで行うように構成されている。
本実施例では、前記ロール体の一回転を8回に分割し、前記メジャーメントの実行は、前記ロール体1の1/2回転は一方向に回転させて行い、残りの1/2回転は逆転させて行う構成である。
そして前記第1モーター2はPWM制御で速度制御されており、前記メジャーメントの実行は、分割された回転の奇数回目となる1回目、3回目、5回目、7回目と偶数回目となる2回目、4回目、6回目、8回目に分けて、奇数回目の方では第1モーター2を低速VL駆動(図5のL1、L2、L3、L4)させて行い、偶数回目の方では前記奇数回目の方よりも高速VH駆動(図5のH2、H4、H6、H8)させて行う構成である。
第2モーター4が停止した状態で、第1モーター2が1/8回転だけ低速VL駆動した状態が図3(B)である。ロール体1周りに1/8回転の繰り出し分の垂れ下がり22が発生している。しかし、一回転ではなく、1/8回転の繰り出し分であるので、その量は少なくユーザーには目立たない。そして、この動作により、ロール体1の1/8回転分についての第1モーター2のメジャーメントが実行される。具体的には、その低速VL駆動に対応したデューティー比DL1が得られる。
次に、第1モーター2が停止した状態のまま、第2モーター4を回転駆動させて前記垂れ下がり22を下流側に送った状態が図3(C)である。
次に、3回目の1/8回転分のメジャーメントが低速VL駆動(2回目)で行われ、その低速VL駆動に対応したデューティー比DL2が得られる。
次に、4回目の1/8回転分のメジャーメントが高速VH駆動(2回目)で行われ、その高速VH駆動に対応したデューティー比DH2が得られる。
第1モーター2が停止した状態で、第2モーター4が1/8回転相当分だけ駆動した状態が図4(F)である。ロール体1周りに1/8回転の繰り出し分の垂れ下がり22が発生している。
次に、第2モーター4が停止した状態のまま、第1モーター2を低速VL駆動(3回目)させて前記垂れ下がり22をロール体内に巻き取った状態が図4(G)である。その低速VL駆動に対応したデューティー比DL3が得られる。
次に、逆転の3回目の1/8回転分のメジャーメントが低速VL駆動(4回目)で行われ、その低速VL駆動に対応したデューティー比DL4が得られる。
次に、逆転の4回目の1/8回転分のメジャーメントが高速VH駆動(4回目)で行われ、その高速VH駆動に対応したデューティー比DH4が得られる。
従って第1メジャーメントモードによれば、分割された1回分の繰り出し長さは短くなるので、ロール体周りに大きな垂れ下がり22はできず、ユーザーに目立たなくすることができる。
ステップS5で、ロール体1の一回転について分割メジャーメント(本実施例では8分割)を上記したように実行する。これにより、図6に示した第2モーター4停止の状態で記録媒体Pを供給する際の負荷Dと第1モーターの駆動速度Vとの関係を示す直線23が得られる。
本発明の係る記録装置は、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
例えば第1モーター2の制御はPWM制御ではなく、負荷変動に対して電圧制御で対応してもよい。
5 モーター制御部、6 回転検出器、9 回転駆動部、11 回転検出器、
13 ギア輪列、16 キャリッジ、17 インク吐出部、
18 キャリッジガイド軸、19 制御部、20 パソコン、
21 搬送従動ローラー、22 垂れ下がり、24 負荷変動曲線、25 平均値、
26 1/4回転の範囲、27 負荷変動曲線、28 平均値、29 1回転の範囲、
30 記録媒体搬送装置、31 第1制御モード、32 第2制御モード
Claims (7)
- 記録媒体にインクを吐出するインク吐出部と、
前記記録媒体が巻かれたロール体が回転可能に装着される回転駆動部と、前記回転駆動部を駆動させる第1駆動部と、前記記録媒体の搬送方向において前記ロール体よりも下流側に位置し前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部を駆動させる第2駆動部と、を有し、前記記録媒体を搬送する搬送装置と、
前記インク吐出部及び前記搬送装置の各動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体への記録実行に関する前記インク吐出部及び前記搬送装置の動作を制御する第1制御モードと、
前記ロール体が前記回転駆動部に装着されている状態で回転停止状態が設定時間を経過した場合に、前記ロール体を回転させる動作を実行する第2制御モードと、を備え、
前記第2制御モードは、前記ロール体の半回転、停止保持、半回転、停止保持の繰り返しで実行されることを特徴とする記録装置。 - 記録媒体にインクを吐出するインク吐出部と、
前記記録媒体が巻かれたロール体が回転可能に装着される回転駆動部と、前記回転駆動部を駆動させる第1駆動部と、前記記録媒体の搬送方向において前記ロール体よりも下流側に位置し前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部を駆動させる第2駆動部と、を有し、前記記録媒体を搬送する搬送装置と、
前記インク吐出部及び前記搬送装置の各動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体への記録実行に関する前記インク吐出部及び前記搬送装置の動作を制御する第1制御モードと、
前記ロール体が前記回転駆動部に装着されている状態で回転停止状態が設定時間を経過した場合に、前記ロール体を回転させる動作を実行する第2制御モードと、を備え、
前記第1駆動部はPWM制御で制御されており、
前記第2制御モードでの前記ロール体の回転は、前記第1制御モードでのロール体の回転よりも低デューティー比で行われることを特徴とする記録装置。 - 記録媒体にインクを吐出するインク吐出部と、
前記記録媒体が巻かれたロール体が回転可能に装着される回転駆動部と、前記回転駆動部を駆動させる第1駆動部と、前記記録媒体の搬送方向において前記ロール体よりも下流側に位置し前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部を駆動させる第2駆動部と、を有し、前記記録媒体を搬送する搬送装置と、
前記インク吐出部及び前記搬送装置の各動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記記録媒体への記録実行に関する前記インク吐出部及び前記搬送装置の動作を制御する第1制御モードと、
前記ロール体が前記回転駆動部に装着されている状態で回転停止状態が設定時間を経過した場合に、前記ロール体を回転させる動作を実行する第2制御モードと、を備え、
前記制御部は、前記第2駆動部を停止させた状態で前記第1駆動部を駆動させ、前記記録媒体を搬送する際の負荷と駆動速度との関係を測定するメジャーメントとして、
前記メジャーメントを前記ロール体の一回転について実行し、且つ前記一回転を複数に分割して実行する第1メジャーメントモードと、
前記メジャーメントを、前記ロール体を1回転させない範囲で実行する第2メジャーメントモードと、を備えていることを特徴とする記録装置。 - 請求項3に記載された記録装置において、
前記制御部は、前記第2制御モードの実行後の最初の前記メジャーメントは前記第1メジャーメントモードで行うことを特徴とする記録装置。 - 請求項3又は4に記載された記録装置において、
前記制御部は、前記第1メジャーメントモードの実行で得られた前記負荷の変動幅が設定値以下である場合は、次の前記メジャーメントは第2メジャーメントモードで行うことを特徴とする記録装置。 - 請求項3から5のいずれか一項に記載された記録装置において、
前記制御部は、前記第1メジャーメントを、前記ロール体の一回転を偶数回に分割し、かつ前記ロール体の1/2回転は一方向に回転させて行い、残りの1/2回転は逆転させて行うことを特徴とする記録装置。 - 請求項3から6のいずれか一項に記載された記録装置において、
前記第1駆動部はPWM制御で速度制御されており、
前記制御部は、前記第1メジャーメントを、前記ロール体の一回転を遇数回に分割し、かつ分割された回転の奇数回目と偶数回目に分けて、一方では前記第1駆動部を第1の速度で駆動させて行い、他方では前記第1駆動部を前記第1の速度よりも速い速度で駆動させて行うことを特徴とする記録装置。
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