JP5849493B2 - 防火複層ガラス及び防火複層ガラスユニット - Google Patents

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本発明は、防火複層ガラス及び防火複層ガラスユニットに関する。
複層ガラスのうち、防火複層ガラスと称されるものは、防火複層ガラスを構成するガラス板の少なくとも一枚に網入りガラス、耐熱強化ガラス、低膨張強化ガラス、透明結晶化ガラス等の耐熱防火性ガラス板が使用されたものをいう。
また、一般的な複層ガラスは、対向する少なくとも二枚のガラス板を、スペーサを介して隔置し、これらの二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面を一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着し、一次シール材の外側を二次シール材によって封止することにより構成される。
前記一次シール材は、複層ガラスの中空層の乾燥状態を保つ上で不可欠な構成部材であり、ガラス板との接着性が良好で、かつ透湿抵抗が高い有機系のブチル系シーリング材(ブチルゴム)が一般的に使用される。また、上述した防火複層ガラスにおいても、同様のブチル系シーリング材が一次シール材として使用される。
ところで火災時に、防火複層ガラスを構成するガラス板のうち、火災発生側(以下、加熱面側とする)ではない側(以下、非加熱面側とする)のガラス板が高熱によって割れると、高温になった一次シール材から可燃性ガスが発生して一次シール材自身が発炎する場合があり、非加熱面側に火炎が生じるというおそれがある。
そこで、特許文献1の防火複層ガラスは、一次シール材の内側に内面シール材層を形成し、内面シール材層によって耐火難燃性能を高めている。
また、特許文献2の防火複層ガラスは、難燃性テープの層からなる一次シール材と難燃性の二次シール材との間に、防湿性シール材を介在させることによって耐火難燃性能を高めている。
特開平7−237941号公報 特開2001−12157号公報
しかしながら、特許文献1の防火複層ガラスの内面シール材層、及び特許文献2の防火複層ガラスの防湿性シール材は、一次シール材の発炎を積極的に抑制するものではなく、一次シール材の発炎温度(発炎に至る時点の温度)を大幅に上げることができないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、一次シール材の発炎を積極的に抑制することで、一次シール材の発炎温度を大幅に上げることができる耐火難燃性能の高い防火複層ガラス及び防火複層ガラスユニットを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止され、少なくとも一枚のガラス板が耐熱防火性ガラス板によって構成された防火複層ガラスにおいて、前記防火複層ガラスの前記スペーサの中空部に、加熱により熱分解して不活性ガスを発生する粉末消火薬剤が備えられていることを特徴とする防火複層ガラスを提供する。
また、本発明は、前記目的を達成するために、対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止された複層ガラスであって、少なくとも一枚のガラス板が耐熱防火性ガラス板によって構成された防火複層ガラスと、該防火複層ガラスが装着される枠体と、からなる防火複層ガラスユニットにおいて、前記枠体の中空部に、加熱により熱分解して不活性ガスを発生する粉末消火薬剤が備えられていることを特徴とする防火複層ガラスユニットを提供する。
本発明によれば、消火剤が防火複層ガラス、及び防火複層ガラスユニットに備えられているので、火炎時に、前記消火剤による燃焼の反応を抑える抑制作用、あるいは前記消火剤が熱分解して発生した不活性ガスの窒息作用で一次シール材の発炎を抑制できる。すなわち、一次シール材から発生した可燃性ガスが、前記不活性ガスによって希釈され、また前記不活性ガスの発生によって一次シール材近傍の酸素濃度が抑制されるので、一次シール材の発炎を積極的に抑制できる。よって、本発明によれば、消火剤を備えない防火複層ガラス、及び防火複層ガラスユニットと比較して、発炎温度が大幅に上がる。
前記消火剤は、防火複層ガラスの構成部材であって一次シール材の近傍にあるスペーサの中空部に備えることが好ましく、また、一次シール材に配合させてもよい。更に、防火複層ガラスユニットの場合には、防火複層ガラスの枠体の中空部に消火剤を備えることが好ましい。すなわち、消火剤は一次シール材の近傍に配置すること、及び一次シール材に配合することが好ましい。
前記消火剤は粉末消火薬剤であることが好ましい。これに対して液体消火薬剤の場合には、液体消火薬剤を封入する袋体が必要になり、この袋体が火炎時以外の平常時に破損すると液体消火薬剤が防火複層ガラスから漏出するので好ましくない。本発明の如く、消火剤が粉末消火薬剤であれば、スペーサの中空部に粉末消火薬剤を容易に充填できるとともに、スペーサ自体が粉末消火薬剤の袋体となるので、粉末消火薬剤が防火複層ガラスから漏れ出ることはない。
また、前記粉末消火薬剤の主成分が炭酸水素ナトリウム(NaHCO)であることが好ましい。炭酸水素ナトリウム(重曹)は、約270℃で熱分解し、熱分解によって生成されたナトリウム金属イオンが燃焼反応で生じる遊離基(OH・、H・)と結合することで燃焼の継続を抑制する。また、不活性ガスである炭酸ガスや水蒸気(2NaHCO→NaCO+CO+HO)を発生する。一方、炭酸水素ナトリウム水溶液は、約65℃以上で急速に分解するので、盛夏時等に太陽熱によって防火複層ガラスが加熱されて65℃以上になると炭酸水素ナトリウム水溶液が分解する。すなわち、炭酸水素ナトリウム水溶液は、火炎時のみその機能(燃焼抑制機能)を発揮するものではないので好ましくない。
よって、消火剤としては粉末消火薬剤を使用することが好ましく、粉末消火薬剤としては炭酸水素ナトリウムを使用することが好ましい。これにより、防火複層ガラス、及び防火複層ガラスユニットの耐火難燃性能をより一層高めることができる。なお、粉末消火薬剤としては、前記炭酸水素ナトリウムの他、リン酸アンモニウム、炭酸水素カリウム等も挙げることができる。
本発明によれば、火炎時に燃焼の抑制作用あるいは窒息作用を有する消火剤が防火複層ガラス、及び防火複層ガラスユニットに備えられているので、防火複層ガラス、及び防火複層ガラスユニットの耐火難燃性能が向上する。
実施の形態の防火複層ガラスの要部拡大断面図 簡易試験装置の全体斜視図 簡易試験装置においてバーナーを使用して試料を加熱している説明図
以下、添付図面に従って本発明に係る防火複層ガラス及び防火複層ガラスユニットの好ましい実施の形態を詳説する。
図1の断面図に示す実施の形態の防火複層ガラスユニット10は、防火複層ガラス12と枠体30とから構成される。防火複層ガラス12は、枠体30の溝32にセッティングブロック34を介して載置されるとともに、枠体30の両壁面36A、36Bに、気密、水密機能のあるグレージングガスケット38A、38Bを介して嵌合されている。枠体30は、アルミニウム材等からなる金属製のユニット枠であり、このユニット枠を介して防火複層ガラス12が、建物の壁部の開口部に取り付けられる。枠体30は、アルミニウム材等の押し出し成形によって製造される。
防火複層ガラス12は、対向する二枚のガラス板14A、14Bがスペーサ16を介して隔置されるとともに、二枚のガラス板14A、14Bと対向するスペーサ16の各側面16A、16Bが一次シール材18A、18Bによって二枚のガラス板14A、14Bにそれぞれ接着されている。これにより、二枚のガラス板14A、14B間に中空層20が形成される。また、一次シール材18A、18Bの外側が二次シール材22によって封止されている。
スペーサ16としては、アルミニウムを主材質とする金属製のスペーサが用いられる場合が多いが、ステンレス材や硬質樹脂からなるものも使用される場合がある。スペーサ16はその内部に中空部24を有し、中空部24には粒状ゼオライト等の乾燥剤26が充填されている。スペーサ16には、中空部24を中空層20に連通させる貫通孔28が開口されており、この貫通孔28を介して中空層20の空気が乾燥される。
このように構成された防火複層ガラス12は、一方のガラス板14Aが耐熱防火性ガラス板である網入りガラス板であり、他方のガラス板14Bが一般的なソーダライムガラスに代表される非耐熱防火性ガラス板である。なお、ガラス板14Aとして耐熱強化ガラス、低膨張強化ガラス、透明結晶化ガラス等の別の耐熱防火性ガラス板を使用してもよい。
また、本発明の防火複層ガラス12の一次シール材18A、18Bは、ガラス板との接着性が良好で透湿抵抗の高いブチル系シーリング材である。二次シール材22は、ポリサルファイド、シリコーン、ウレタンなどの硬化性エラストマをベースとし、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたものなどが好適である。
実施の形態の防火複層ガラスユニット10には、消火剤40が備えられている。この消火剤40は、粉末消火薬剤であり、その主成分が炭酸水素ナトリウムである。
消火剤40は、防火複層ガラス12のスペーサ16の中空部24に備えられるとともに、防火複層ガラス12の一次シール材18A、18B、及び二次シール材22に配合され、また、防火複層ガラスユニット10の枠体30の中空部42に備えられている。スペーサ16の中空部24に備えられた消火剤40は、貫通孔28を介して一次シール材18A、18Bに連通される。また、枠体30の中空部42に備えられ消火剤40は、枠体30の両壁面36A、36Bの貫通孔44を介して防火複層ガラス12に連通される。
なお、消火剤40の配置箇所は、上記箇所に限定されるものではなく、消火剤40は一次シール材18A、18Bの近傍に備えられていればよい。また、消火剤40は、上記箇所のうち、少なくとも1箇所に備えられていればよい。
炭酸水素ナトリウム等の消火剤40は、火炎により熱分解してナトリウム金属イオンや不活性ガス(炭酸ガス)を発生する。このような消火剤40が防火複層ガラス12、及び防火複層ガラスユニット10に備えられているので、火炎時に消火剤40から発生した前記ナトリウム金属イオンの抑制作用、あるいは前記不活性ガスの窒息作用で一次シール材18A、18Bの発炎を抑制できる。すなわち、一次シール材18A、18Bの燃焼反応で生じる遊離基(OH・、H・)と前記ナトリウム金属イオンが結合することで燃焼の継続が抑制される。また一次シール材18A、18Bから発生した可燃性ガスが、前記不活性ガスによって希釈され、また前記不活性ガスの発生によって一次シール材近傍の酸素濃度が抑制されるので、一次シール材18A、18Bの発炎を積極的に抑制できる。
よって、実施の形態の防火複層ガラス12、及び防火複層ガラスユニット10によれば、消火剤を備えない防火複層ガラス、及び防火複層ガラスユニットと比較して、一次シール材18A、18Bの発炎温度が大幅に上がり、耐火難燃性能が向上する。
消火剤40は、液体消火薬剤であってもよいが、実施の形態の如く粉末消火薬剤であることが好ましい。前記液体消火薬剤の場合には、液体消火薬剤を封入する袋体が必要になり、この袋体が火炎時以外の通常時に破損すると液体消火薬剤が防火複層ガラス12から漏出するので好ましくない。
実施の形態の如く、消火剤40が粉末消火薬剤であれば、スペーサ16の中空部に消火剤40を容易に充填できるとともに、スペーサ16自体が消火剤40の袋体となるので、消火剤40が防火複層ガラス12から漏れ出ることはない。
また、前記粉末消火薬剤の主成分が炭酸水素ナトリウム(NaHCO)であることが好ましい。炭酸水素ナトリウムは、約270℃で熱分解し、熱分解によって生成されたナトリウム金属イオンが燃焼反応で生じる遊離基(OH・、H・)と結合することで燃焼の継続を抑制する。また、不活性ガスである炭酸ガス(2NaHCO→NaCO+CO+HO)を発生する。一方、炭酸水素ナトリウム水溶液は、約65℃以上で急速に分解するので、盛夏時等に太陽熱によって防火複層ガラスが加熱されて65℃以上になると炭酸水素ナトリウム水溶液が分解する。すなわち、炭酸水素ナトリウム水溶液は、火炎時のみその機能(燃焼抑制機能)を発揮するものではないので好ましくない。
よって、消火剤40としては粉末消火薬剤を使用することが好ましく、粉末消火薬剤としては炭酸水素ナトリウムを使用することが好ましい。これにより、防火複層ガラス12、及び防火複層ガラスユニット10の耐火難燃性能をより一層高めることができる。なお、粉末消火薬剤としては、前記炭酸水素ナトリウムの他、リン酸アンモニウム、炭酸水素カリウム等も挙げることができる。
なお、図1では二枚のガラス板14A、14Bを備えた防火複層ガラス12を例示したが、3枚以上のガラス板を備えた防火複層ガラスであってもよい。
また、防火複層ガラスユニット10、及び防火複層ガラス12の耐火難燃性をより一層高めるために、一次シール材18A、18Bに難燃剤を配合してもよい。すなわち、一次シール材18A、18Bを、ブチル系シーリング材の主成分であるポリイソブチレン、又はブチルゴムと難燃剤とが配合されたブチル系(ポリイソブチレン系、又はブチルゴム系)組成物としてもよい。この一次シール材18A、18Bには、前記のゴム成分の他に、一般にゴム成形に用いられる加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤等の架橋剤、加硫遅延剤が配合され得る。更に、その効果を阻害しない範囲で、その他の添加剤等も配合され得る。前記添加剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤(フィラー)、ワックス、シランカップリング剤、活性剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、酸化防止剤、滑剤、顔料、紫外線吸収剤、分散剤、脱水剤、粘着付与剤、帯電防止剤、加工助剤等が挙げられる。これらの添加剤は、ゴム組成物用の一般的なものを挙げることができる。それらの配合量も特に制限されず、任意に選択される。
また前記のように一次シール材18A、18Bに難燃剤を配合する場合、一次シール材18A、18Bに配合される難燃剤の種類は特に限定されず、公知のものが使用でき、例えば、無機系難燃剤、有機系難燃剤等が挙げられる。前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)、アンチモン系化合物(三酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等)、その他無機系化合物(ホウ素化合物、モリブデン系化合物、赤リン系化合物等)が挙げられる。中でも毒性が比較的低いという点で、金属水酸化物が好ましい。前記有機系難燃剤としては、例えば、ハロゲン系化合物(塩素化パラフィン、臭素化芳香族トリアジン化合物、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA誘導体等)、リン系化合物(ポリリン酸アンモニウム類、リン酸メラミン等)、窒素系化合物(メラミンシアヌレート等)等が挙げられる。
一次シール材18A、18Bに対する難燃剤の配合量は、ベースになるブチル系成分100質量部に対して添加した難燃剤の量で表す(単位を質量部(phr)と表す)。すなわち、前記の難燃剤を配合した一次シール材18A、18Bにおける難燃剤の含有量は、ベースのブチル系成分100質量部に対して5〜200質量部であり、好ましくは10〜150質量部、更に好ましくは20〜60質量部である。難燃剤が5質量部以上配合されていることにより、防火試験の基準を安定して満たすことができる。また、200質量部以下に配合量を抑えることにより、加工性や粘着性等が適度なものになるという利点がある。
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、防火複層ガラス12を構成するガラス板14Bとして、通常のフロートガラス板を用いるほか、強化ガラス、合わせガラス、熱線吸収ガラス、更には、熱線反射ガラス、低反射率ガラスなどのように、表面に金属や他の無機物を薄くコーティングしたガラス板などであり、特に限定されない。また、防火複層ガラス12は中空層20をアルゴンやクリプトン等の断熱ガスで置換したものでもよい。その他の構成についても、同様である。
〔簡易試験装置、簡易試験方法、及び試験結果〕
図2に示す簡易試験装置50は、550℃まで昇温可能な市販のセラミックホットプレート(アズワン社製:CHP−250DN)52を備えている。このセラミックホットプレート52の加熱面54の略中央部に、試料56であるブチル系シーリング材を載せた鉄板(100×150mm:厚さ3mm)58が載置される。
鉄板58の上面には、試料56の周囲を囲む4本の耐火ボード(高さ20mm)60、60…が載置されるとともに、試料56の上面を覆うように図3の複数本の耐火ボード62、62…が耐火ボード60、60…に載置される。また、中央の2本の耐火ボード62、62の間には、幅10mm、長さ50mmのスリット64が備えられている。
上記の如く簡易試験装置50が構成されるが、この簡易試験装置50には、試料56を加熱する市販のバーナー66も備えられている。
以下、簡易試験方法について説明する。
まず、セラミックホットプレート52のスイッチ68を入れて加熱面54の昇温を開始する。
次に、セラミックホットプレート52の表示部70に表示された温度が300℃を超えた時点で、図3の如くバーナー66を点火して、その炎72を、試料56に直接当たらないように、スリット64を介して試料56の上部にかざし、その状態で試料56の昇温を継続する。なお、バーナー66の炎72の中心から試料56までの距離は約65mmである。
試料56が昇温すると、試料56から発生した分解ガスが着火し、継続的な「発炎」が発生し始めたときに表示部70に表示された温度を読み取り、その値を試料56が発炎した温度として記録する。
簡易試験結果として、ブチル系シーリング材(横浜ゴム社製SM488)及びその近傍に炭酸水素ナトリウムを配置した試料の発炎温度は、519℃以上であり、炭酸水素ナトリウムの配合量が増えるに従って発炎温度が上昇する傾向にあった。また、炭酸水素ナトリウムを配置しないブチル系シーリング材(横浜ゴム社製SM488)の試料では、発炎温度が508℃であった。よって、炭酸水素ナトリウムを配置しない試料よりも、炭酸水素ナトリウムを近傍に配置したブチル系シーリング材の発炎温度が高いことを確認できた。
この方法により、複層ガラスに使用するブチル系シーリング材に消火剤を混入した場合、ブチル系シーリング材に消火剤を混入した方が、発炎温度が改善されことが分かった。
〔実大防火試験の規格、及び試験方法〕
ユニットフレームに防火複層ガラスを組み付けた試験体を、鉄及び耐火材からなる枠体で保持し、国土交通大臣に認可を受けた性能評価機関が定める「防耐火性能試験・評価業務方法書」に規定される「遮炎・準遮炎性能試験・評価方法」に準拠した防火試験(加熱試験)を実施した。加熱面は、耐熱強化ガラス側とした。
下記の表1に試験体である実施例品と比較例品の防火複層ガラスの仕様を示す。
試験体の縦辺左右のどちらか中央に位置する炉内側ガラス端部に熱電対を事前に貼り付け、複層ガラス封着部のシール材付近から最初に発炎が生じたときの温度を記録した。
Figure 0005849493
上記発炎時ガラス端部温度に示すように、比較例品の発炎温度は415℃であったのに対し、実施例品の発炎温度は492℃であった。よって、双方を比較すると、実施例品の発炎温度が大幅に上がることが確認できた。
なお、本発明は、防火複層ガラスのガラス板構成に限定を加えるものではない。つまり、本発明は、火炎による加熱によって破損する非耐熱防火性ガラスと、耐熱防火性ガラス板とを組み合わせた防火複層ガラスに特に有効であるが、防火複層ガラスを構成する全てのガラス板を耐熱防火性ガラス板とした防火複層ガラスでも有効である。
10…防火複層ガラスユニット、12…防火複層ガラス、14A…ガラス板(網入りガラス板等の耐熱防火性ガラス板)、14B…ガラス板(ソーダライムガラス等の非耐熱防火性ガラス板)、16…スペーサ、16A、16B…スペーサの側面、18A、18B…一次シール材、20…中空層、22…二次シール材、24…中空部、26…乾燥剤、28…貫通孔、30…枠体、32…溝、34…セッティングブロック、36A、36B…両壁面、38A、38B…グレージングガスケット、40…消火剤、42…中空部、44…貫通孔、50…簡易試験装置、52…セラミックホットプレート、54…加熱面、56…試料、58…鉄板、60…耐火ボード、62…耐火ボード、64…スリット、66…バーナー、68…スイッチ、70…表示部、72…炎

Claims (4)

  1. 対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止され、少なくとも一枚のガラス板が耐熱防火性ガラス板によって構成された防火複層ガラスにおいて、
    前記防火複層ガラスの前記スペーサの中空部に、加熱により熱分解して不活性ガスを発生する粉末消火薬剤が備えられていることを特徴とする防火複層ガラス。
  2. 前記粉末消火薬剤の主成分が炭酸水素ナトリウムである請求項1に記載の防火複層ガラス。
  3. 対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止された複層ガラスであって、少なくとも一枚のガラス板が耐熱防火性ガラス板によって構成された防火複層ガラスと、該防火複層ガラスが装着される枠体と、からなる防火複層ガラスユニットにおいて、
    前記枠体の中空部に、加熱により熱分解して不活性ガスを発生する粉末消火薬剤が備えられていることを特徴とする防火複層ガラスユニット。
  4. 前記粉末消火薬剤の主成分が炭酸水素ナトリウムである請求項3に記載の防火複層ガラスユニット
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