JP2006101902A - 浮屋根式油貯蔵タンクの消火方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浮屋根式油貯蔵タンクが全面火災になって、火勢でタンクの上部に強烈な上昇気流が生じても、また、強風の影響があっても、消火剤が容易に火源面に到着し、消火活動を行うことができる。
【課題手段】
消火剤82を予め所定の容器81の中に封入して、パッケージ消火剤8として着火されている浮屋根式油貯蔵タンク1の可燃性液体の液面に投入する。パッケージ消火剤8は一定の重さがあるので、その重みは火の熱上昇気流または強風の影響を抗して火源面10に到着することができる。また、前記容器81は熱溶融性を有するものであり、前記消火剤82は粉末タイプの消火物質を有するものであるため、火源面10の熱で容器81が溶解されて、続いて消火剤82が火源面10に散布されることができる。その結果、前記タンク1の火災を消火することができる。
【選択図】 図1
【課題手段】
消火剤82を予め所定の容器81の中に封入して、パッケージ消火剤8として着火されている浮屋根式油貯蔵タンク1の可燃性液体の液面に投入する。パッケージ消火剤8は一定の重さがあるので、その重みは火の熱上昇気流または強風の影響を抗して火源面10に到着することができる。また、前記容器81は熱溶融性を有するものであり、前記消火剤82は粉末タイプの消火物質を有するものであるため、火源面10の熱で容器81が溶解されて、続いて消火剤82が火源面10に散布されることができる。その結果、前記タンク1の火災を消火することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、浮屋根式油貯蔵タンクが火災発生する際、投入された消火剤が火の熱気流や風の威力を抗して容易に火源面に到着し、消火できる方法に関する内容である。
図6に示すように、浮屋根式油貯蔵タンク1は、タンクの側板11と浮屋根2の外周21との間にいわゆるリング火災RHが発生する際、自動消火設備5は該リングに例えば泡消火剤50を投入して消火を行う。通常は浮屋根2が丈夫で簡単に沈まないように設置されているが、例えば大地震が発生し、浮屋根2のバランスが崩れて点線の如く油面9の下に沈下してしまい、このときにはタンク1が図示しない全面火災となってしまう。そして、前記自動消火設備5は前記リング火災RHにしか対応できず、消火能力が不足で消火は不可となる。このとき、消防自動車を出動し大量の消火剤、例えば泡や化学粉末消火剤をタンクに向けて散布して、消火を図る(例えば、特許文献1)。
特表2001−500397号公報
ところで、前記特許文献1に開示された従来の消火方法は、タンクが全面火災となると、火勢でタンクの上部に強烈な熱上昇気流が生じ、軽い物質の泡や化学粉末消火剤を投入しても弾き返されてしまうことが多いので、消火は極めて難しい。また、浮屋根式油貯蔵タンクは臨海地区の石油コンビナートに設置されていることが多いため、強い海風の影響で消火剤がなかなか火源面に到着することができず、消火活動は一層困難となってしまう。
本発明は、上記の問題点をかがみ、消火剤を有効的に火源面に到着されるためには、消火剤の重量を増やせばよいことに気づいた。ただし、消火剤は重くしすぎると油面の下に沈下してしまい、消火作用ができなくなる虞があるので、消火剤は油より軽いとする必要がある。このバランスを取れた消火剤を浮屋根式油貯蔵タンクの火源面に投入すれば、火災を消すことができる。
そこで、この発明は、消火剤を予め所定の容器の中に封入して、パッケージ消火剤として、着火されている浮屋根式油貯蔵タンクの可燃性液体の液面に投入することを特徴とする。
また、前記容器は、熱溶融性を有するものであることを特徴とする。
また、前記消火剤は、粉末タイプの消火物質であることを特徴とする。
また、前記パッケージ消火剤は、その比重が油の比重より小さいものであることを特徴とする。
本発明の第1発明によれば、消火剤を予め所定の容器の中に封入しパッケージ消火剤として、着火されている浮屋根式油貯蔵タンクの可燃性液体の液面に投入する。前記パッケージ消火剤は容器の重さと消火剤の重さを有するため、その重みで火災の熱上昇気流及び強風の影響を抗して火源面に到着することができる。
本発明の第2発明によれば、前記容器は熱溶融性を有し、例えばポリエチレン(溶融点:125〜135℃)、ポリプロピレン(溶融点:165〜173℃)等のプラスチック系の材料で作られたもので、火源面に到着すると、該容器が熱の高温で溶かされ、中に封入した消火剤が放出され、火源面に散布されることができる。
本発明の第3発明によれば、前記消火剤は粉末タイプの消火物質で、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸アンモニウム等を主成分とする化学粉末消火剤を使用するため、火源面にこれらの化学粉末消火剤を覆蓋すれば、消火剤が分解し不燃性ガスを発生し、その窒息作用によって容易に消火することができる。
本発明の第4発明によれば、前記パッケージ消火剤の容器が溶かされる前に油面に到着しても、油の下に沈むことがなく、油面の上に漂着することができ、そして火源の高温で溶かされて消火する。
この発明を利用する設備とその消火方法は図1から図5までで示され、説明のため図6は参考図として使用する。以下にその実施例を簡単に説明する。
図6に示すように、浮屋根式油貯蔵タンク1は、油面9の上に浮いている浮屋根2と、タンク1の側板11と浮屋根の外周21との間に充填されたシール材3と、雨水防止用ウェザーシールド4とを有している。通常の場合、自動泡消火設備5が設置され、前記リング火災RHが発生するときにこの自動泡消火設備5から泡消火剤50を放出し、消火活動を行う。
ところで、大地震など大きな振動が発生する際、浮屋根2が激しく揺れて浮屋根そのものが破損して、浮屋根2が油面9の下に沈んでしまったことがある。そのとき、引火点が高い油が直接空気と接しているので、何らかの原因で油面は着火され、全面火災AHとなってしまう(図1)。
そこで、図1に示すように、全面火災AHになったタンク1の上に、消火剤が封入されたパッケージ消火剤8を図示しない放射砲またはヘリコプター等放射装置によって大量に投入すれば、パッケージ消火剤8は容器81の重さおよび消火剤82の重さを有しているので、その重みで火勢の熱上昇気流または強風の影響を抗して全面火災AHの火源面10に到着することができる。続いて火源面10の熱で熱溶融性がある容器81が溶かされて、中の粉末消火剤82が火源面10に散布することができ、消火することができる(図2)。
ここで、図3に示すように、パッケージ消火剤8は容器81と、消火剤82と、充填ガス83とで構成している。なお、空気を充填ガス83として使用してもよいが、消火効果を考えると空気の代わりに窒素ガス等の不活性ガスを封入することが好ましい。
また、このような充填ガス83を使用するもう一つの目的は、パッケージ消火剤8の全体の比重を油の比重より小さくすることにある。パッケージ消火剤8を貯蔵タンク1の火源面10に投下する際、たとえ容器81は火源の熱で一時的に溶かされなくても、パッケージ消火剤8は充填ガスの浮力で油面の下に沈むことがなく、油面9の上に漂着して油と空気の接触面積(揮発面)を減らせ、その後火源の熱で容器81が溶かされ、中の消火剤82が油面9に散布して消火することができる。
また、容器81の外形はボールのような形だけではなく、例えば図4に示したような円筒の形でもよい。
また、全面火災AHの火勢は非常に強く、各々のパッケージ消火剤8を投入しても弾き返されてなかなか火源面10に到着することは難しい場合、図5に示すように、一定数量のパッケージ消火剤8をさらにネット100で纏めて投入すれば、パッケージ消火剤8の重み効果がさらに大きくなり、容易に火源面10に到着することができる。
さらに、このパッケージ消火剤8を使用して浮屋根式油貯蔵タンク1の火災を消火するとき、大きな炎がなくなれば、その残り火を消すのに、該貯蔵タンクに設置されている自動消火設備5を利用し、例えば泡をパッケージ消火剤8の上に被せることで、消火効果が一層向上することができる。
この実施形態1における浮屋根式油貯蔵タンクの消火方法は、消火剤82を予め所定の容器81の中に封入して、パッケージ消火剤8として着火されている浮屋根式油貯蔵タンク1の可燃性液体の液面に投入する。パッケージ消火剤8は一定の重さがあるので、その重みは火の熱上昇気流または強風の影響を抗して火源面10に到着することができる。また、容器81は熱溶融性を有するものであり、消火剤82は粉末タイプの消火物質を有するものであるため、火源面10の熱で容器81が溶解されて、続いて消火剤82が火源面10に散布されることができる。その結果、前記タンク1の火災を消火することができる。
1 浮屋根式油貯蔵タンク
11 タンクの側板
2 浮屋根
21 浮屋根の外周
3 シール材
4 ウェザーシールド
5 自動泡消火設備
8 パッケージ消火剤
81 容器
82 消火剤
83 充填ガス
9 油面
10 火源面
100 ネット
RH リンク火災
AH 全面火災
11 タンクの側板
2 浮屋根
21 浮屋根の外周
3 シール材
4 ウェザーシールド
5 自動泡消火設備
8 パッケージ消火剤
81 容器
82 消火剤
83 充填ガス
9 油面
10 火源面
100 ネット
RH リンク火災
AH 全面火災
Claims (4)
- 浮屋根式油貯蔵タンクの消火方法であって、
着火されているタンクの可燃性液体の液面に、消火剤を予め封入した容器からなるパッケージ消火剤を投入する消火方法。 - 前記容器は、熱溶融性を有する特徴とする請求項1記載の消火方法。
- 前記消火剤は、粉末タイプの消火物質を有する特徴とする請求項1記載の消火方法。
- 前記パッケージ消火剤の比重は、油の比重より小さいものを特徴とする請求項1から3までの何れか記載の消火方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004288480A JP2006101902A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 浮屋根式油貯蔵タンクの消火方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004288480A JP2006101902A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 浮屋根式油貯蔵タンクの消火方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006101902A true JP2006101902A (ja) | 2006-04-20 |
Family
ID=36372299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004288480A Pending JP2006101902A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 浮屋根式油貯蔵タンクの消火方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006101902A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009066348A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-02 | Morita Holdings Corp | 石油タンクの消火方法、石油タンクの消火システム、消火ノズル及び消火設備付き石油タンク |
JP2013023988A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Asahi Glass Co Ltd | 防火複層ガラス及び防火複層ガラスユニット |
CN110871967A (zh) * | 2018-09-03 | 2020-03-10 | 中国石油化工股份有限公司 | 新型浮顶罐储罐浮盘 |
-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004288480A patent/JP2006101902A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009066348A (ja) * | 2007-09-18 | 2009-04-02 | Morita Holdings Corp | 石油タンクの消火方法、石油タンクの消火システム、消火ノズル及び消火設備付き石油タンク |
JP2013023988A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Asahi Glass Co Ltd | 防火複層ガラス及び防火複層ガラスユニット |
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