JP5848750B2 - モデルベースのqPCRのためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年4月11日出願の米国特許仮出願第61/322,895号の優先権の恩典を主張するものであり、該仮出願はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
背景
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)計装により、生体試料に関してDNAまたはRNAレベルでの信頼性のある定量を行うことが可能になった。市販のPCR機器ならびに関連データ獲得・分析ソフトウェアにより、生体試料から生成されたqPCRアッセイデータが処理される。これらのシステムは、レポーターシグナルが閾値セットを上回る際のフラクショナルな(fractional)PCRサイクル数としてのサイクル閾値(CTまたはCRT)を、人が手動でまたはソフトウェアが自動で算出することにより、定量的結果を報告する。決定されたCT値を使用して、DNA材料の初期量を推定することができる。
当技術分野において公知のPCR増幅曲線の解析のための様々なアプローチは、少なくとも一部は、PCR増幅曲線の一部分について線形指数範囲を定義して試料についてのサイクル閾値を決定することに依存し得る。PCR増幅曲線のモデル化を用いて試料についてのサイクル閾値を決定するアプローチは、そのような曲線のモデル化が複雑であるため、用いることが難しい場合がある。PCR増幅曲線についての様々なモデルは、PCR増幅曲線を近似的にモデル化するために少なくとも約15またはそれより多いパラメータを必要とする。さらに、増幅曲線の開始点および後の点は、ノイズが大きく、パラメータの変化に対する感度が低い場合がある。
概要
一つの例示的態様において、PCR増幅曲線についてのサイクル閾値を決定する方法を提供する。この方法は、複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する段階を含む。データセットは、複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線は、この複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応する。この方法は、非線形最適化を行う段階をさらに含み、該非線形最適化は、モデル化効率曲線および対応するモデル化増幅曲線についてのベストフィットパラメータセットを決定するために、各増幅曲線を相補的モデル化増幅曲線に適合させることを含む。モデル化増幅曲線は、モデル化効率曲線に基づく。この方法は、モデル化効率曲線とモデル化増幅曲線の相補的関係に基づいて各生体試料についてのサイクル閾値を決定する段階を含む。様々な態様において、非線形最適化は、制約付き非線形最適化である。
以下に、本発明の基本的な諸特徴および種々の態様を列挙する。
[1]
複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する段階であって、該データセットが複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線が該複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応するものである、段階;
非線形最適化を行う段階であって、各増幅曲線をモデル化増幅曲線に適合させて、モデル化効率曲線および該増幅曲線についてのベストフィットパラメータセットを決定することを含み、該モデル化増幅曲線がモデル化効率曲線に基づくものである、段階;ならびに
該モデル化効率曲線と該モデル化増幅曲線の相補的関係に基づいて各生体試料についてのサイクル閾値を決定する段階
を含む、PCR増幅曲線についてのサイクル閾値を決定する方法。
[2]
非線形最適化が制約付き非線形最適化である、[1]記載の方法。
[3]
ベストフィットパラメータセットに基づいてモデル化効率曲線を生成する段階;および
該モデル化効率曲線に基づいて対応する増幅曲線を生成する段階
をさらに含む、[1]記載の方法。
[4]
前記モデル化効率曲線が明示的にモデル化され、該明示的にモデル化された効率曲線に基づいて前記モデル化増幅曲線が暗黙的にモデル化される、[1]記載の方法。
[5]
前記サイクル閾値の決定が、予め決められた効率パラメータ値に基づく、[3]記載の方法。
[6]
非増幅試料を特定する段階をさらに含む、[1]記載の方法。
[7]
非増幅試料の特定が、閾値増幅、モデル曲線適合、ノイズ閾値、最大サイクル、最小サイクル、エンドポイント増幅、モデル効率閾値、最小ノイズ、相対ノイズ、相対スケール調整、またはドロップオフから成る群より選択される試験の遂行を含む、[6]記載の方法。
[8]
ベストフィットパラメータセットに基づいて、ベースラインとするモデル増幅曲線を生成する段階をさらに含み、前記サイクル閾値を決定する段階が、該ベースラインとするモデル増幅曲線と対応する効率曲線との相補的関係に基づく、[1]記載の方法。
[9]
前記モデル化効率曲線についての前記ベストフィットパラメータセットが、3つのパラメータを含む、[1]記載の方法。
[10]
3つのベストフィットパラメータのセットが、曲線シフトパラメータ、曲線屈曲パラメータ、および曲線シフト調整パラメータである、[9]記載の方法。
[11]
前記モデル化効率曲線と前記モデル化増幅曲線との相補的関係に基づいて最大PCRサイクル数を超える推定Cqの突出を生じさせる段階をさらに含む、[1]記載の方法。
[12]
PCR増幅曲線についてのサイクル閾値を決定するための、プロセッサにより実行可能な命令が符号化されたコンピュータ可読媒体であって、
該命令が、
複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する命令であって、該データセットが複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線が該複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応するものである、命令;
非線形最適化を行う命令であって、各増幅曲線をモデル化増幅曲線に適合させて、モデル化効率曲線および該増幅曲線についてのベストフィットパラメータセットを決定する命令を含み、該モデル化増幅曲線がモデル化効率曲線に基づくものである、命令;ならびに
該モデル化効率曲線と該モデル化増幅曲線の相補的関係に基づいて各生体試料についてのサイクル閾値を決定する命令
を含む、コンピュータ可読媒体。
[13]
前記非線形最適化が、制約付き非線形最適化である、[12]記載のコンピュータ可読媒体。
[14]
前記命令が、
前記ベストフィットパラメータセットに基づいて前記モデル化効率曲線を生成する命令;および
該モデル化効率曲線に基づいて前記対応する増幅曲線を生成する命令
をさらに含む、[12]記載のコンピュータ可読媒体。
[15]
前記モデル化効率曲線が明示的にモデル化され、該明示的にモデル化された効率曲線に基づいて前記モデル化増幅曲線が暗黙的にモデル化される、[12]記載のコンピュータ可読媒体。
[16]
前記サイクル閾値の決定が、予め決められた効率パラメータ値に基づく、[15]記載のコンピュータ可読媒体。
[17]
前記命令が、非増幅試料を特定する命令をさらに含む、[12]記載のコンピュータ可読媒体。
[18]
非増幅試料の特定が、閾値増幅、モデル曲線適合、ノイズ閾値、最大サイクル、最小サイクル、エンドポイント増幅、モデル効率閾値、最小ノイズ、相対ノイズ、相対スケール調整、またはドロップオフから成る群より選択される試験の遂行を含む、[17]記載のコンピュータ可読媒体。
[19]
前記命令が、ベストフィットパラメータセットに基づいて、ベースラインとするモデル増幅曲線を生成する命令をさらに含み、前記サイクル閾値の決定が、該ベースラインとするモデル増幅曲線と対応する効率曲線との相補的関係に基づく、[12]記載のコンピュータ可読媒体。
[20]
PCR増幅曲線についてサイクル閾値を決定するためのシステムであって、
プロセッサ、および
該プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリ
を具備し、
該命令が、
複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する命令であって、該データセットが複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線が該複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応するものである、命令;
非線形最適化を行う命令であって、各増幅曲線をモデル化増幅曲線に適合させて、モデル化効率曲線および該増幅曲線についてのベストフィットパラメータセットを決定する命令を含み、該モデル化増幅曲線がモデル化効率曲線に基づくものである、命令;ならびに
該モデル化効率曲線と該モデル化増幅曲線の相補的関係に基づいて各生体試料についてのサイクル閾値を決定する命令
を含む、システム。
[21]
前記非線形最適化が制約付き非線形最適化である、[20]記載のシステム。
[22]
前記メモリが、
前記ベストフィットパラメータセットに基づいてモデル化効率曲線を生成する命令;および
該モデル化効率曲線に基づいて前記対応する増幅曲線を生成する命令
をさらに記憶する、[20]記載のシステム。
[23]
前記モデル化効率曲線が明示的にモデル化され、該明示的にモデル化された効率曲線に基づいて前記モデル化増幅曲線が暗黙的にモデル化される、[20]記載のシステム。
[24]
前記サイクル閾値の決定が、予め決められた効率パラメータ値に基づく、[22]記載のシステム。
[25]
前記メモリが、非増幅試料を特定する命令をさらに記憶する、[20]記載のシステム。
[26]
非増幅試料の特定が、閾値増幅、モデル曲線適合、ノイズ閾値、最大サイクル、最小サイクル、エンドポイント増幅、モデル効率閾値、最小ノイズ、相対ノイズ、相対スケール調整、またはドロップオフから成る群より選択される試験の遂行を含む、[25]記載のシステム。
[27]
前記メモリが、前記ベストフィットパラメータセットに基づいて、ベースラインとするモデル増幅曲線を生成する命令をさらに記憶し、前記サイクル閾値の決定が、該ベースラインとするモデル増幅曲線と対応する効率曲線との相補的関係に基づく、[20]記載のシステム。
[28]
前記モデル化効率曲線についての前記ベストフィットパラメータセットが、3つのパラメータを含む、[20]記載のシステム。
[29]
前記3つのベストフィットパラメータのセットが、曲線シフトパラメータ、曲線屈曲パラメータ、および曲線シフト調整パラメータである、[28]記載のシステム。
qPCR試料増幅曲線データの解析のためのシステムおよび方法の様々な態様を図示するフローチャートである。 試料のPCR増幅の際に使用することができるPCR機器のブロック線図である。 PCR計装の制御装置およびインターフェースに利用することができる例示的コンピュータシステムの構成要素を図解するブロック線図である モデルベースのqPCRのシステムおよび方法の様々な態様による、実際の増幅曲線、ならびにモデル化効率曲線および対応するモデル化されスケール調整された増幅曲線のグラフ表示である。 モデルベースのqPCRのシステムおよび方法の様々な態様に関する、Xshiftパラメータを変動させるグラフ表示である。 モデルベースのqPCRのシステムおよび方法の様々な態様に関する、αbendパラメータを変動させるグラフ表示である。 モデルベースのqPCRのシステムおよび方法の様々な態様に関する、x0'相対パラメータを変動させるグラフ表示である。 モデルベースのqPCRのシステムおよび方法の様々な態様に関する、αampを変動させ、ベースラインパラメータを上昇させるグラフ表示である。 非増幅試料の検出のために遂行した試験の様々な態様の表にまとめた要約である。 様々な態様による様々な増幅および非増幅曲線/ウェルについての調整Xshift値に対するノイズ正規化増幅曲線の振幅のグラフ表示である。
詳細な説明
本教示は、複数の生体試料のPCR増幅曲線の解析のための方法およびシステムの態様に関する。
MIQEガイドラインに記載されているように、様々な代替方法(付随する学名を伴う)によってコンピュータ計算されたフラクショナルなサイクル値が、文献に発表されている。(Bustin SA,Benes V,Garson JA,Hellemans J,Huggett J,Kubista M,Mueller R,Nolan T,Pfaffl MW,Shipley GL,Vandesompele J,Wittwer,CT:The MIQE guidelines:minimum information for publication of quantitative real-time PGR experiments.Clin Chem 2009,55:61 1-622)。MIQE推奨基準に従って、本書は、一般にフラクショナルなqPCRサイクル値を指すときにCQを用いる。しかし、本発明者らがベースライン閾値(CT)法と相対閾値(CRT)法を具体的に区別する必要があるときには、CTおよびCRTをそれぞれ用いるであろう。
サイクル閾値をモデルベースで決定するための本教示のシステムの様々な態様によると、反応効率のモデルをベースとして用い、このモデルからモデル増幅曲線を作成することができる。様々な態様について、増幅モデルの制約付き非線形最適化を行って、試料増幅曲線についてのベストフィットパラメータセットを決定することができる。その後、様々な態様は、ベストフィットパラメータセットを使用して、モデル化効率曲線およびモデル化増幅曲線を作成することができ、それらからサイクル閾値を決定することができる。様々な態様によると、増幅曲線の一部分を選択し、利用して、制約付き非線形最適化適合を得ることができる。
様々な態様について、データの前処理としては、例えばスパイクなどのランダムノイズを除去するための消去、系統的ノイズを減少させるための平滑化、ならびに各増幅曲線の正規化スケールへの再スケール調整を挙げることができる。様々な態様において、データに関して少なくとも1回の試験を遂行して、非増幅試料を特定することができる。様々な態様によると、各生体試料について決定された各サイクル閾値に品質値を割り当てることができる。
図1は、本教示のPCR増幅曲線の解析のための方法およびシステムに従う、段階10〜40を有する方法100を示す。方法100は、図3に示すようなコンピューティングシステムによって実施することができる。詳細には、本明細書に記載する態様に従う方法は、メモリ306に記憶されたコンピュータ命令を実行するプロセッサ304によって実施ことができる。図1の段階10では、PCR試料増幅曲線のデータセットを受信することができる。
方法およびシステムの様々な態様は、アッセイについて遂行される多数の増幅サイクル全体にわたって収集されるPCR増幅データのデータセットを利用し得る。そのようなシグナルを、様々なコンピュータ可読媒体に記憶させ、後でより詳細に論じるように、解析中に動的にまたは解析後に解析することができる。PCR増幅データの解析のための方法およびシステムの態様の特徴を実証するために使用される一つのそのようなタイプのアッセイは、TAQMAN(登録商標)蛍光プローブ試薬を用いる場合があり、FAM色素およびVIC色素標識を使用することもある。しかし、本教示の方法およびシステムの様々な態様に従って解析することができるデータを生成するために、標識プローブ試薬を含む様々なアッセイを用いることができることは、当業者には認識されるであろう。
用語「標識プローブ」は、一般に、様々な態様に従って、典型的には定量的またはリアルタイムPCR解析ならびにエンドポイント解析のための、増幅反応において使用される分子を指す。そのような標識プローブを使用して、標的ポリヌクレオチドの増幅をモニターすることができる。幾つかの態様において、増幅反応に存在するオリゴヌクレオチドプローブは、時間の関数として生成されるアンプリコンの量のモニタリングに適する。そのようなオリゴヌクレオチドプローブとしては、本明細書において説明する5'-エキソヌクレアーゼアッセイTAQMAN(登録商標)蛍光プローブ(米国特許第5,538,848号も参照)、様々なステム-ループ分子ビーコン(例えば、米国特許第6,103,476号および同第5,925,517号ならびにTyagi and Kramer,1996,Nature Biotechnology 14:303-308参照)、ステムレスまたはリニアビーコン(例えば、国際公開第99/21881号参照)、PNA MOLECULAR BEACONS(商標)(例えば、米国特許第6,355,421号および同第6,593,091号参照)、線形PNAビーコン(例えば、Kubista et al.,2001,SPIE 4264:53-58参照)、非FRETプローブ(例えば、米国特許第6,150,097号参照)、SUNRISE(登録商標)/AMPLIFLUOR(登録商標)プローブ(米国特許第6,548,250号)、ステム-ループおよびデュプレックスScorpion(商標)プローブ(Solinas et al.,2001,Nucleic Acids Research 29:E96および米国特許第6,589,743号)、バルジ・ループ・プローブ(米国特許第6,590,091号)、プソイド・ノット・プローブ(米国特許第6,589,250号)、サイクリコン(米国特許第6,383,752号)、MGB ECLIPSE(商標)プローブ(Epoch Biosciences)、ヘアピンプローブ(米国特許第6,596,490号)、ペプチド核酸(PNA)ライトアッププローブ、自己集合ナノ粒子プローブ、ならびに例えば米国特許第6,485,901号;Mhlanga et al.,2001,Methods 25:463-471;Whitcombe et al.,1999,Nature Biotechnology.17:804-807;Isacsson et al.,2000,Molecular Cell Probes.14:321-328;Svanvik et al.,2000,Anal Biochem.281:26-35;Wolffs et al.,2001,Biotechniques 766:769-771;Tsourkas et al.,2002,Nucleic Acids Research.30:4208-4215;Riccelli et al.,2002,Nucleic Acids Research 30:4088-4093;Zhang et al.,2002 Shanghai.34:329-332;Maxwell et al.,2002,J.Am.Chem.Soc.124:9606-9612;Broude et al.,2002,Trends Biotechnol.20:249-56;Huang et al.,2002,Chem Res.Toxicol.15:1 18-126;およびYu et al.,2001,J.Am.Chem.Soc 14:11155-11161に記載されているフェロセン修飾プローブが挙げられるが、これらに限定されない。標識プローブは、ブラック・ホール・クエンチャ(Biosearch)、Iowa Black(IDT)、QSYクエンチャ(Molecular Probes)ならびにダブシルおよびダブセルスルホナート/カルボキシラートクエンチャ(Epoch)も含み得る。標識プローブは、2つのプローブを含む場合もあり、この場合、例えば、蛍光体が一方のプローブ上にあり、クエンチャが他方のプローブ上にあり、これら2つのプローブが一緒に標的にハイブリダイズすることによってシグナルがクエンチされる、または標的にハイブリダイズすることによって蛍光の変化によりシグナルシグネチャが改変される。標識プローブは、カルボキシラート基の代わりにスルホン酸基を有するフルオレセイン色素のスルホナート誘導体、ホスホルアミダイト形のフルオレセイン、ホスホルアミダイト形のCY5(例えばAmershamから入手可能)を含み得る。
本教示によるPCR増幅曲線の解析のための方法およびシステムの様々な態様は、図2に示すブロック線図で示すようなサーマルサイクラ機器の様々な態様を用いることできる。図2に示すように、サーマルサイクリング機器は、加熱されたカバー214を含み、これは、試料支持デバイス内に収容されている複数の試料216の上に位置する。様々な態様において、試料支持デバイスは、複数の試料領域を有するガラスまたはプラスチックスライドであり得、試料領域は、試料領域と加熱されたカバー214の間にカバーを有する。試料支持デバイスの幾つかの例としては、マルチウェルプレート、例えば標準マイクロタイター96ウェル、384ウェルプレート、またはマイクロカード、または実質的に平面の支持体、例えばガラスもしくはプラスチックスライドが挙げられるが、これらに限定されない。サンプル支持デバイスの様々な態様における試料領域は、支持体の表面に形成された、規則的または不規則な配列で型押しされた、くぼみ、へこみ、リッジおよびこれらの組合せを含み得る。サーマルサイクラ機器の様々な態様において、試料ブロック218、加熱および冷却用の素子220、および熱交換器222を含む。
図2において、サーマル・サイクリング・システム200の様々な態様は、アッセイのために遂行される多数の増幅サイクル全体にわたって複数の生体試料の中の各試料についてのシグナルをリアルタイムで獲得するための検出システムを提供する。検出システムは、電磁エネルギーを放射する照明源と、試料支持デバイス内の試料216から電磁エネルギーを受信するための検出器またはイメージャ210とを有し得る。制御システム224を使用して、検出、加熱されたカバー、およびサーマルブロック集成装置の機能を制御することができる。制御システムは、サーマルサイクラ機器200のユーザーインターフェース226によってエンドユーザーにアクセスすることができる。図3に図示するようなコンピュータシステム300は、サーマルサイクラ機器の機能およびユーザーインターフェース機能の制御をもたらすものとして役立ち得る。加えて、コンピュータシステム300は、データ処理、表示およびレポート作成機能をもたらすことができる。すべてのそのような機器制御機能をローカルにサーマルサイクラ機器専用にすることができ、またはコンピュータシステム300は、後でより詳細に論じるように、制御、解析および報告機能の一部またはすべての遠隔制御をもたらすことができる。
ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせを適宜用いて様々な態様のオペレーションを実施できることが、当業者に認識されよう。例えば、幾つかのプロセスは、ソフトウェア、ファームウェアまたはハードワイヤードロジックの制御下のプロセッサまたは他のデジタル回路を使用して行うことができる。(本明細書における用語「ロジック」は、固定ハードウェア、プログラム可能ロジックおよび/またはこれらの適切な組み合わせを指し、列挙された機能を果たすためのものであることが当業者に認知されているであろう。)ソフトウェアおよびファームウェアをコンピュータ可読媒体に記憶させることができる。幾つかの他のプロセスは、当業者に周知のアナログ回路を使用して実施することができる。加えて、メモリまたは他の記憶装置ならびに通信構成要素を本発明の態様において利用することができる。
図3は、図2のサーマルサイクラシステム200の態様に基づく様々な態様に従って処理機能性を果たすために用いることができるコンピュータシステム300を図解するブロック線図である。コンピューティングシステム300は、プロセッサ304などの1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサ304は、例えばマイクロプロセッサ、コントローラまたは他の制御ロジックなどの、汎用または専用処理エンジンを用いて実装され得る。この例において、プロセッサ304は、バス302または他の通信媒体に接続されている。
さらに、図3のコンピューティングシステム300を多数の形態、例えばラックマウントコンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、サーバー、クライアント、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、テーブルコンピュータ、携帯式コンピューティングデバイス(例えば、PDA、携帯電話、スマートフォン、パームトップなど)、クラスタグリッド、ネットブック、組み込み型システム、または所与の用途もしくは環境に望ましいものであり得るもしくは適切であり得るような任意の他のタイプの専用もしくは汎用コンピューティングデバイス、のいずれかで具現化することができる。加えて、コンピューティングシステム300は、クライアント/サーバー環境と1つもしくは複数のデータベースサーバーとを含む従来のネットワークシステム、またはLIS/LIMSインフラストラクチャとの統合を含み得る。ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含めて、ならびに無線および/または有線構成要素を含めて、多数の従来のネットワークシステムが当技術分野において公知である。加えて、クライアント/サーバー環境、データベースサーバーおよびネットワークは、当技術分野において十分に文献に記載されている。
コンピューティングシステム300は、情報を通信するためのバス302または他の通信機構、および情報を処理するためにバス302と連結されているプロセッサ304を含む。
コンピューティングシステム300は、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的メモリであり得るメモリ306も含み、該メモリは、プロセッサ304によって実行される命令を記憶させるためのものであり、バス302に連結されている。メモリ306は、プロセッサ304によって実行される命令の実行中に一時的数値変数または他の中間情報を記憶させるためにも使用することができる。コンピューティングシステム300は、バス302と連結されている、静的情報およびプロセッサ304に対する命令を記憶させるための読み出し専用メモリ(ROM)308または他の静的記憶デバイスをさらに含む。
コンピューティングシステム300は、情報および命令を記憶させるために備えられている、バス302に連結されている記憶デバイス310(例えば磁気ディスク、光学ディスク、またはソリッドステートドライブ(SSD))を含んでいてもよい。記憶デバイス310は、メディアドライブおよびリムーバブルストレージインターフェースを含み得る。メディアドライブは、固定記憶媒体または取外し可能な記憶媒体をサポートするドライブまたは他の機構(例えばハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CDもしくはDVDドライブ(RもしくはRW)、フラッシュドライブ、または他のリムーバブルメディアドライブもしくは固定メディアドライブ)を含み得る。これらの例の実例を挙げるとすれば、記憶媒体には、特定のコンピュータソフトウェア、命令、またはデータが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を挙げることができる。
代替態様において、記憶デバイス310は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータのコンピューティングシステム300へのローディングを可能にするための他の類似の手段を含み得る。そのような手段としては、例えば、リムーバブルストレージユニットおよびインターフェース、例えばプログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース、リムーバブルメモリ(例えば、フラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリースロット、ならびに記憶デバイス310からコンピューティングシステム300へのソフトウェアおよびデータの転送を可能にする他のリムーバブルストレージユニットおよびインターフェースを挙げることができる。
コンピューティングシステム300はまた、通信インターフェース318を含み得る。通信インターフェース318を使用して、コンピューティングシステム300と外部デバイスの間のソフトウェアおよびデータの転送を可能にすることができる。通信インターフェース318の例としては、モデム、ネットワークインターフェース(例えば、イーサネットまたは他のNICカード)、通信ポート(例えば、USBポート、RS-232Cシリアルポートなど)、PCMCIAスロットおよびカード、ブルートゥース、ならびにこれらに類するものを挙げることができる。通信インターフェース318によって転送されるソフトウェアおよびデータは、通信インターフェース318によって受信可能な、電気シグナル、電磁シグナル、光学シグナルまたは他のシグナルであり得るシグナル形態のものである。これらのシグナルは、無線媒体、電線もしくはケーブル、光ファイバーまたは他の通信媒体などのチャネル経由で通信インターフェース318によって転送および受信され得る。チャネルの幾つかの例としては、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、ネットワークインターフェース、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワーク、および他の通信チャネルが挙げられる。
コンピュータユーザーに情報を表示するために、コンピューティングシステム300をバス302によって表示装置312、例えばブラウン管(CRT)または液晶表示装置(LCD)に連結することができる。英数字キーおよび他のキーをはじめとする入力デバイス314は、例えば、情報およびコマンド選択をプロセッサ304に伝達するためにバス302に接続される。入力デバイスは、タッチスクリーン入力機能を用いて設定されている、LCD表示装置などの表示装置であってもよい。別のタイプのユーザー入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ304に伝達するための、ならびに表示装置312上でのカーソルの動きを制御するためのカーソルコントロール316、例えばマウス、トラックボールまたはカーソル方向キーである。この入力デバイスは、第一の軸(例えばx)および第二の軸(例えばy)の2つの軸における2つの自由度を典型的に有し、それによってデバイスによる平面内の位置の特定が可能になる。コンピューティングシステム300は、データ処理を提供すると共に、そのようなデータに対する信頼レベルを提供する。本教示の態様の一定の実施と一致して、メモリ306に収録されている、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行するプロセッサ304に応答して、コンピューティングシステム300がデータ処理および信頼値を提供する。そのような命令を記憶デバイス310などの別のコンピュータ可読媒体からメモリ306に読み込むことができる。メモリ306に収録されている命令のシーケンスの実行は、本明細書において説明するプロセス状態をプロセッサ304に遂行させる。あるいは、ソフトウェア命令の代わりにハードワイヤード回路を使用して、またはハードワイヤード回路をソフトウェア命令と併用して、本教示の態様を実施することができる。従って、本教示の態様の実施は、ハードウェア回路とソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
本明細書において用いる場合の用語「コンピュータ可読媒体」および「コンピュータプログラム製品」は、実行のためにプロセッサ304に1つもしくは複数の命令の1つもしくは複数のシーケンスを与えることに関与する任意の媒体を一般に指す。そのような命令は、一般に「コンピュータプログラムコード」(これは、コンピュータプログラムまたは他の分類形態に分類することができる)と呼ばれ、実行されるとコンピューティングシステム300が本発明の態様の特徴または機能を遂行することができるようにする。これらおよび他の形態のコンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体および伝送媒体をはじめとする(しかしこれらに限定されない)多くの形態をとり得る。不揮発性媒体としては、例えば、ソリッドステート、光学または磁気ディスク、例えば記憶デバイス310が挙げられる。揮発性媒体としては、メモリ306などの動的メモリが挙げられる。伝送媒体としては、バス302を構成するワイヤをはじめとする、同軸ケーブル、銅線および光ファイバーが挙げられる。
一般的な形態のコンピュータ可読媒体としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープもしくは任意の他の磁気媒体、CD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリーチップもしくはカートリッジ、本明細書において後で説明するような搬送波、またはコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体が挙げられる。
様々な形態のコンピュータ可読媒体が、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを、実行するためにプロセッサ304に搬送することに関与し得る。例えば、命令は、最初に遠隔コンピュータの磁気ディスクに搬送され得る。遠隔コンピュータは、その動的メモリに命令をロードし、モデムを使用して電話線を通じて命令を送信することができる。コンピューティングシステム300にローカルなモデムは、電話線にてデータを受信し、赤外送信機を使用してデータを赤外シグナルに変換することができる。バス302に連結された赤外検出器は、赤外シグナルで搬送されたデータを受信し、バス302にデータを配置することができる。バス302はデータをメモリ306に搬送し、そのメモリ306からプロセッサ304が命令を引きだして実行する。メモリ306によって受信された命令は、プロセッサ304による実行の前または後に、任意で記憶デバイス310に記憶させることができる。
上の説明は、明瞭さのために様々な機能ユニットおよびプロセッサに関して本発明の態様を説明したものであることは理解されるであろう。しかし、本発明を損なうことなく、様々な機能ユニット、プロセッサまたはドメイン間において、任意の適切な機能配分を利用できることは、明白であろう。例えば、複数の別々のプロセッサまたはコントローラによって実行されるように説明された機能を、一つの同じプロセッサまたはコントローラによって実行することができる。それ故、特定の機能ユニットに対する言及は、厳密な論理的または物理的な構造または編成を示すのではなく、単に、記載された機能を提供するために適切な手段に対する言及であると見なされるべきである。
一部の態様では、複数の試料増幅曲線のそれぞれについて前処理を行ってもよい。そのような前処理は、データ解析段階によるデータの有効な処理に干渉し得る、PCR増幅曲線における不適当な性質の影響を、除去する、低減させる、さもなければ少なくするために行われることがある。方法およびシステムの様々な態様において、データの前処理は、例えば、様々な前処理方法を用いてスパイク、ノッチおよびノイズを除去することができる。様々な態様によると、スパイクおよびノッチのフィルタリングのための様々な方法を用いてPCR増幅曲線のクリーニングを行うことができる。様々な態様において、PCR増幅曲線の平滑化を行ってノイズを低減させる。様々な態様について、平滑化は、当技術分野において公知の複数の平滑化窓のいずれかを利用することができる窓かけ(windowed)平滑化関数を使用して行うことができる。様々な態様によると、PCR増幅曲線の再スケール調整を行って、複数の曲線を共通スケールに合わせることができる。様々な態様において、試料PCR増幅曲線を0〜1のドメイン間でスケール調整することができる。
図1の段階20に関して、本教示によるPCR増幅曲線の解析のための様々な方法およびシステムのために、リアルタイムRT-PCR効率についての解析方程式によって、PCR増幅曲線データをモデル化するためのベースを得ることができる。様々な態様のために、リアルタイムRT-PCR効率のための3パラメータ解析方程式によって、PCR増幅曲線データをモデル化するためのベースを得ることができる。様々な態様において、前記3パラメータとしては、曲線シフトパラメータ、曲線屈曲パラメータ、および曲線シフト調整パラメータを挙げることができる。次に、効率についての式を使用して、サイクルごとに、反復的におよび帰納的にPCR増幅曲線を生成することができ、そのようにして生成された増幅曲線は、定められたベースラインを有することができる。本教示の様々な態様によると、効率モデルの様々な態様に基づいて、対応するPCR増幅曲線モデルを作成することができる。これは、サイクルごとにPCR効率曲線の明示的モデルをベースとして、PCR増幅曲線が暗黙的にモデル化されることを意味する。このようにして、大部分のデータに適合するモデル化曲線を生成するために、より少ないパラメータが必要とされ、それによって制約付き最適化を行うことがより容易になる。
効率モデルに基づく増幅曲線モデルの様々な態様について、そのモデルを規定する追加のパラメータを加えることができる。様々な態様において、5パラメータ増幅曲線モデルは、増幅曲線ベースラインについての傾きパラメータと、相対増幅パラメータを含み得る。様々な態様において、増幅曲線モデルについてのベストフィットパラメータセットを各増幅曲線について決定することができる、制約付き非線形最適化を用いることができる。
態様が3つまたは5つのパラメータに限定されないことは認識されるはずである。例えば、一部の態様によると、4つまたはそれより多いパラメータを使用して、効率曲線または増幅曲線をモデル化することができる。
図1の段階20に示すように、かつ図4に関して、本教示のシステムおよび方法の様々な態様について、各試料増幅曲線についてのベストフィットパラメータセットを決定すれば、モデル化効率曲線およびモデル化増幅曲線を作成することができる。図4において、曲線Iはモデル化効率曲線であり、曲線IIは試料増幅曲線であり、曲線IIIはモデル化増幅曲線である。(曲線IIIと曲線IIとの差の10倍を示す)プロットIVに示すように、5パラメータ増幅曲線モデルを使用する方法およびシステムの様々な態様は、モデル化増幅曲線と試料増幅曲線とがぴったり適合することを可能にし得る。適合度の尺度として、試料増幅曲線データとモデル化増幅曲線データの間の残差の式を、曲線全体にわたって複数の点のそれぞれについて生成することができる。プロットIVは、適合度のそのような尺度をグラフ表示したものであり、曲線IIとIIIの間の残差を観察するために当該残差を10倍にしたものである。
n番目の個別の(フラクショナルな)サイクル段階での効率nΔxを、典型的には(しかし必然的にではなく)(フラクショナルなサイクル段階n=1についての)1から出発し、(サイクル段階n=∞についての)0に向かって延びる、平滑単調減少関数であると仮定する。それ故、サイクル段階サイズ分布は、Δxによって与えられる。典型的なケースでは、Δxが1である場合にnΔxはn番目のサイクルになることに留意すべきである。様々な態様において、効率は、蛍光曲線シフトパラメータ(Xshift)、蛍光曲線屈曲パラメータ(αbend)、およびシフト調整パラメータ(x0)によってモデル化される。
図1の段階20のシステムおよび方法の様々な態様に従って、3パラメータ効率モデルを次のとおり与えることができる:
Figure 0005848750
式中、
nΔx=n番目の個別サイクル段階;
Xshift=増幅曲線シフトパラメータ;
αbend=増幅曲線屈曲パラメータ;
x0=相対シフト調整パラメータ。
並び換えると、このモデルを次のように記述することができる:
Figure 0005848750
式中、
Figure 0005848750
は、正規化相対シフト調整パラメータである。
サイクル数の増加につれて効率がゼロに近づく速度が、遺伝子発現レベルによってスケール調整されることに注目することができる。言い換えると、遺伝子発現レベルが高いとき、効率は相対的に小さいサイクル数でゼロに近づく。逆に、遺伝子発現が低いとき、効率は相対的に大きいサイクル数でゼロに近づく。従って、遺伝子発現プロキシパラメータ、すなわち遺伝子発現と強い相関関係があるパラメータは、反応サイクル数についてのスケール調整係数としての役割を果たすことができる。
nΔx=Xshift+x0の場合、効率はちょうど0.5になることは認識されるはずである。従って、この合計(Xshift+x0)は、フラクショナルな「半効率」サイクルである。従って、効率について上で与えた等式において、Xshift+X0は、遺伝子発現プロキシの役割を果たす。実際の遺伝子発現は、他の技術を用いて決定される。
この効率の等式の重要な部分は、分母における
Figure 0005848750
ベキ指数である。これは、このベキ指数がXshiftの関数であることを表す。このように、αbendは、この等式ではデータセットによって変わることは殆どない。従って、この非線形最適化は、よりロバストなものである。
定義すると、
Figure 0005848750
図1の工程20のシステムおよび方法の様々な態様に従って、5パラメータ増幅モデルを次のとおりに与えることができる:
Figure 0005848750
この式中のPCR増幅曲線モデルについての2つの追加のパラメータは、以下である:
Θrising baseline=増幅曲線立ち上がりベースライン傾きパラメータ;および
αamp=増幅曲線相対増幅パラメータ。
このモデルは、5より多くのパラメータに容易に拡張することができ、例えば、rising baseline項に加えて定数項を加えることにより、6パラメータモデルを導くことができる。さらなる明らかな拡張は、PCR反応プロセスの早期または後期における5パラメータモデルからのずれの説明を含み、追加のXshift、αbend、x0および/またはαampパラメータを使用することによって次のような9パラメータモデルを導く。
Figure 0005848750
同様の類似拡張としては、6パラメータモデル(定数項c0を使用する)、例えば、
Figure 0005848750
7パラメータモデル、例えば、
Figure 0005848750
8パラメータモデル、例えば、
Figure 0005848750
10パラメータモデル、例えば、
Figure 0005848750
およびモデルのパラメータ表示の他の同様の組み合わせが挙げられる。
5未満のパラメータを有するモデルを作成することもできる。制約:
Figure 0005848750
を課すことにより、一つの独立パラメータを削除して4パラメータモデル、例えば
Figure 0005848750
を作成することができる。
同様に、3パラメータモデルを作成することができ、αbendを0.67などの公称値に設定することにより、例えば、
Figure 0005848750
を導くことができる。
2パラメータモデルを同様に作成することができ、x0を0.0などの公称値に設定することにより、例えば
Figure 0005848750
を導くことができる。
このように、モデル化蛍光曲線は、各サイクルの効率の効果の対数積分として決定される。
上記の曲線増幅モデルにおけるベストフィットパラメータについての非線形制約付き最適化パラメータ解は、非線形ベースライン決定段階と等価である。当業者には理解されるように、例えば制約付き最適化は、信頼領域をニュートンタイプの非線形探索の手法と共に用いるMatlabのlsqnonlinなどのルーチンによって行うことができる。
明示的に定められる効率モデルによって暗黙的に定められる増幅蛍光曲線の利点は、相対的に少数のモデルパラメータを使用してより多くのサイクル数にわたってより良い適合を可能にする点である。この結果、より安定した制約付き非線形パラメータ最適化/反転となる。制約付き非線形最適化の使用は、解のより安定したセットをもたらす。より一般的に用いられている制約なし最適化技術は、時として不安定である解をもたらす場合があり、または明らかに正しくない最小値を生じさせる結果となることがある。モデルベースqPCRのシステムおよび方法の態様におけるパラメータのスケール調整された性質は、制約付き最適化に求められるパラメータ制約の設定をより容易にする。
アルゴリズムが、効率曲線を特徴づける非線形パラメータを見つけると、相対閾値設定が遂行される。閾値設定は、すべての曲線について共通の反応進行/相対的臨界反応資源利用性レベルに関連して行われる。様々な態様に従って、曲線の集団を解析して蛍光閾値を見つけ出し、それを使用して、各曲線についての遺伝子発現レベル(Cq<->CT)を決定することができる。
増幅曲線の蛍光レベルがこの閾値に達したときフラクショナルなサイクルとしてCTが決定される。結果として、この蛍光閾値は集団値であり、集団外れ値を扱うために特別な尺度を使わなければならない。一部の態様によると、現行のアルゴリズムでは、RT-PCR反応進行/相対的臨界反応資源利用性の尺度を用いて、各曲線についての蛍光閾値を選択する。パラメータ表現効率曲線
Figure 0005848750
は、反応進行/相対的臨界反応資源利用性の尺度であり得る。簡単にするために、効率を
Figure 0005848750
と記載すると、反応進行/相対的臨界反応資源利用性の好ましい尺度を以下のように近似することができるので以下の式を用いることができる:
Figure 0005848750
正のx0(相対シフト調整パラメータ)について、効率が反応開始時には1であり、サイクル数nが大きくなるにつれて0へと減少することに注意すべきである。x0の負の値を許すことは、効率がサイクル0で1未満になる原因となる。これは、汚染のまたは非特異的PCR増幅の指標であり得る。結果として、反応進行/相対的臨界反応資源利用性を、解析する曲線の集団の中の他の曲線とは無関係に、各曲線について決定することができる。共通の反応進行/相対的臨界反応資源利用性レベルに関連して曲線閾値を設定することにより、異なるプレート上のウェルから生成される曲線および一定のタイプの条件の差をことによると比較することが、より容易になる。
図5には、Xshiftパラメータがモデル化効率曲線およびモデル化増幅曲線に対して及ぼし得る影響を明示する一連のグラフを表示する。当業者には理解されるように、サイクル閾値は、試料中の標的オリゴヌクレオチドの初期濃度またはコピー数に関係づけられる。様々な態様について、図5は、モデル化効率曲線および対応するモデル化増幅曲線が、Xshiftパラメータの関数としてどのように変動するかを表示する。
図6は、αbendパラメータがモデル化効率曲線およびモデル化増幅曲線に対して及ぼし得る影響をグラフ描写するものである。方法およびシステムの様々な態様によると、αbendパラメータは、約0.15と約2.0の間で変動し得る。図6に示すように、αbendは、モデル化効率曲線とモデル化増幅曲線の相補的セットについて約0.6から約1.0の間で様々である。
x0'相対シフトパラメータがモデル化効率曲線およびモデル化増幅曲線に対して及ぼし得る影響のグラフ描写を図7に示す。様々な態様によると、x0'は、約-2から約0.3の間であり得る。x0'項は、初期サイクル、x0、ならびにXshiftと関連するので、初期濃度またはコピー数と関連する。図7は、一部の態様に従ってx0'相対シフトパラメータが約0から約-1.36まで変動するにつれて、モデル効率曲線とモデル増幅曲線との対応するセットがどのように変動するかを図示するものである。
図8は、αampおよびΘrising baselineパラメータがモデル化増幅曲線に対して及ぼす影響をグラフ描写するものである。本教示の方法およびシステムの様々な態様によると、αampおよびΘrising baselineパラメータの合計は、おおよそ1である。例えば、当該制限内において、増幅を有さないαamp=0の試料については、rising baseline項がおおよそ1であるだろう。図8には、0.6から0の値にわたって減少するΘrising baselineパラメータおよび0.4から1にわたって増加するαampについての1セットのモデル化増幅曲線を示す。
図1の段階30において示す方法およびシステムの様々な態様については、モデル化効率曲線とモデル化増幅曲線の相補的セットを試料増幅曲線のために作成した後、サイクル閾値を決定することができる。様々な態様について、モデル化試料増幅曲線からのサイクル閾値を、対応するモデル化効率曲線に関する選択値に基づいて決定することができる。様々な態様において、そのようにして決定されたサイクル閾値をサイクル相対閾値、またはCRTと呼ぶことがある。
前に述べたように、図4に関して、曲線I、IIおよびIIIは、モデル化効率曲線、実際の試料増幅曲線、およびモデル化増幅曲線にそれぞれ対応する。モデル化効率曲線および対応するモデル化増幅曲線からのCRT値の決定についての様々な態様によると、モデル化増幅曲線に関する第一の基準閾値は、モデル化効率曲線に関する選択効率に基づいて決定される。様々な態様において、約0.275の選択効率は、例えば、基準閾値を決定するために用いられる値である。図4の例示的表示において、曲線I上の点Aは、効率=0.275であるモデル化効率曲線上の交点に対応する。その基準閾値レベルを曲線III上の点Bとして示す。基準閾値の決定後、様々な態様において、相対閾値フラクション値を決定することができる。様々な態様によると、この相対閾値フラクションは、約0.67の相対閾値フラクションを用いて設定される。図4では、基準閾値に相対閾値フラクションを掛けて、曲線III上の点Cによって示す相対閾値フラクションを決定する。様々な態様によると、未調整CRT値は、相対閾値フラクションの設定に対応するサイクル交差点であり、これを図4にベースライン上の点Dとして示す。様々な態様について、試料増幅曲線について決定されるCRT値は、未調整CRT値から、約1.5サイクルであるCRT値調整係数を引いたものである。多数の「同一の」生体試料に関するAutoCt IDウェルからの平均Ct測定値。「同一の」生体試料の同じデータベースについての平均CRT測定値が得られる。この調整係数は、この平均CRT値と平均CT値との差として得られる。図4では、決定された試料CRTを横座標上に点Eとして示す。
選択効率、相対閾値フラクションおよびCRT調整係数の値の様々な態様を、解析する試料曲線のデータベースに基づいて経験的に決定することができる。方法およびシステムの様々な態様において、選択効率の値は約0.5以下の範囲であり得る。効率閾値の好適な出発値は、PCR反応が開始して感知できるほどに減速すると、0.5未満の値になるだろう。「同一の」生体試料に関するIDウェルの測定値のデータベースが、効率閾値フラクションと相対増幅フラクションの最良の組合せを決定するために必要とされる。当業者には理解されるように、効率閾値フラクション値と相対閾値フラクション値との、低い測定標準偏差をもたらす組合せを、手作業の最適化を用いて選択することができる。一般に、このプロセスは、目的関数が標準偏差である2パラメータ制約付き最適化プロセスに従うはずである。この制約付き最適化プロセスを用いて、効率閾値フラクションパラメータと相対増幅フラクションパラメータの最良のペアを選択することができる。様々な態様について、選択効率を約0.15から0.5の間から選択することができる。様々な態様において、相対閾値フラクションは約0.1から約1.25の間であり得る。様々な態様によると、CRT調整係数は、約-2から約2の間で変動し得る。
様々な態様において、追加のバイアス調整により、モデル化増幅曲線の線形性が改善されることがある。パラメータ表現モデル化増幅曲線を作成する能力を用いて、遺伝子発現プロキシXshift+X0の関数としてモデル化増幅曲線の詳細データベースを作成することができる。一つの態様では、モデル化増幅曲線のデータベースを0.1きざみで0.5と50の間の値Xshift+X0について作成することができる。この場合、Xshift+X0をCqのプロキシとして使用することとなる。これらのモデル化曲線を作成するために使用するパラメータの値をわずかにランダム化することができ、各曲線にノイズを付加することができる。各公称パラメータレベルで、64倍まで曲線を生成することができる。この結果、Cqプロキシの公称値が公知である曲線の非常に大きなデータベースが得られる。データベース内の曲線についてのCRT値を得たら、その既知Cqプロキシ値に関するCRT「バイアス」を計算することができる。結果として、CRT対CRT「バイアス」についてのバイアステーブル。これにより、0.5〜50Cqサイクルの範囲でより線形であるようにCRT値をバイアス調整することが可能になる。このCRTアルゴリズムはモデル化曲線および制約付き最適化に基づくため、使用する最大PCR増幅サイクル数(典型的には40サイクル)を超えて突出したCq測定値を作成することができる点に注意すべきである。例えば、増幅曲線を40〜50サイクルに突出させることができる。様々な態様において、バイアス調整は、+/-0.00〜1.5Cqの間であり得るが、典型的には0.5Cq未満であるだろう。
様々な態様によるCRTアルゴリズムが、(それらの結果と他のCq測定値の平均値とを整列させるように適切にバイアスをシフトさせた後)Cq測定についてのバイアスとして使用することができる幾つかのパラメータを生成させることは、当業者には認識されるであろう。効率曲線に関する基準効率閾値から生成される増幅曲線に関する基準閾値(基準サイクル)に対応するフラクショナルなサイクル値は、Cqについての良好な代替バイアスである。これは、好ましいバージョンのCRTアルゴリズムでは相対閾値フラクションを1.0に設定することと等価であり、非常に良好な結果を生じさせる。あるいは、前に説明したCq「プロキシ」、Xshift+x0、もCq測定値についてのバイアスとして使用することができるだろう。ベストフィット効率曲線を使用して、効率補正バージョンのCRT、基準サイクル、またはXshift+x0を生じさせることができることおよびそれらの補正バージョンをCq測定値についてのバイアスとして使用することも当業者には認識されるであろう。効率補正は、例えば、効率が変数ではなく1.0(または他の値)の定数であった場合に等価のサイクルを見つけることであるだろう。
図1の段階40に関しては、前に述べたように、および当業者が容易に認識するように、非常に多くのデバイスを使用して様々な形式でサイクル閾値情報、例えば効率および増幅曲線データ、最終サイクル閾値、およびサイクル閾値品質スコア(しかしこれらに限定されない)をエンドユーザーに出力する様々なやり方がある。例えば、効率および増幅曲線データの形式に関しては、データをグラフ形式で、報告書として、またはこれらの組合せで提供することができる。出力デバイスに関しては、サイクル閾値情報を、プリンタ、ブラウン管(CRT)表示装置、液晶表示装置(LCD)および発光ダイオード(LED)表示装置などの(しかしこれらに限定されない)デバイスに出力することができる。
本教示のPCR増幅曲線データの解析のための方法およびシステムの様々な態様によると、試料データを用いて複数の試験を行って非増幅試料を特定することができる。様々な態様について、試料増幅曲線の特徴、各試料増幅曲線の制約付きパラメータ反転の特徴、および解析する曲線の集団の特徴を用いて、試料が非増幅試料であるかどうかを評定することができる。様々な態様において、正規化モデル化曲線の振幅、重みつきRMS(二乗平均平方根)曲線モデルフィッティング誤差および個々の試料増幅曲線RMSノイズレベルなどの特徴は、曲線が増幅されたウェルに由来するか、または増幅されていないウェル、また場合によると、汚染されたウェルに由来するかの決定に役立ち得る。
図9には、試料が増幅されていないのか否かを評価するために用いることができる様々な試験をリスト表示している。これらの試験を図3に示すようなプロセッサ304によって実施することができる。様々な態様によると、試料増幅データは、増幅されたと分類されるためにすべての試験に合格しなければならないことがある。他の態様では、少なくとも一つの試験を用いて、試料増幅データが増幅されたと分類され得るのか、または増幅されていないと分類され得るのかを評価することができる。
閾値増幅試験は、ノイズ正規化増幅曲線の振幅が一定の閾値より上であるかどうかを示すことができる。増幅曲線が閾値より上である場合、これは増幅されていることを示し得る。閾値は、ノイズが多い曲線ほど高く、CRT値が小さいほど高い。
モデル曲線適合試験は、実際の増幅曲線がベストフィットパラメータ蛍光曲線モデルに対してよく適合するかどうかを示すことができる。一部の態様において、モデル曲線適合試験は、0.075のRMS値を有し得る。実際の増幅曲線が、モデル化増幅曲線によく適合する場合、これは増幅されていることを示し得る。
ノイズ閾値試験は、曲線のノイズが大き過ぎるかどうかを示すことができる。一部の態様において、使用される閾値は0.0625であり得る。増幅曲線がノイズ閾値より上である場合、それはノイズが大きく、増幅されていないことを示し得る。
最大サイクル試験は、予測CRT値が最大サイクル数より上であるかどうかを示すことができ、それによって増幅されていることを示す。ある態様において、この試験についての閾値は、最大サイクル数を超えて(約8〜10サイクル)拡大されるであろう。これは、そのアルゴリズムが最大サイクル数を超えてCRT値を予測することを可能にするであろう。
最小サイクル試験は、予測CRT値が最小サイクル数より下であるかどうかを示すことができ、それによって増幅されていることを示す。一部の態様において、最小サイクル数は1.25であり得る。
エンドポイント増幅試験は、曲線の最終値が、その最大値より下の一定の閾値量より大きいかどうかを示すことができる。曲線が、最大値より下の閾値量より小さい場合、これは増幅されていることを示し得る。一部の態様において、閾値は、その最大値より約20%下に設定され得る。
モデル効率閾値試験は、初期モデル化効率値が一定の閾値より上であるかどうかを示すことができ、それによって増幅を示す。一部の態様において、閾値は0.65に設定され得る。初期効率値は、ほぼ常に1である。しかし一定の場合、例えばウェルが汚染されている場合、この初期効率は、1より下に落ちることがある。それ故、この試験は、試料またはウェルが汚染されてしまったかどうかを示すことができ、または非特異的PCR増幅の指標に成り得る。
相対ノイズ試験は、解析する集団の中のすべての曲線の最小ノイズレベルの、今処理している曲線ノイズに対する比が、一定の閾値より上であるかどうかを示す。一部の態様において、閾値は0.015であり得る。曲線がこの閾値より上の比を有する場合、それは増幅されていることを示し得る。ノイズの大きい曲線は、他の試料ウェルからの干渉を示し得る。
相対スケール調整試験は、曲線の蛍光値の範囲の、解析集団の中のすべての曲線についての蛍光値の最大範囲に対する比が、一定の閾値より上であるかどうかを示すことができる。一部の態様において、効率閾値は0.275である。閾値より上の比は、増幅されていることを示し得る。
ドローダウン試験は、蛍光曲線が、その曲線内の任意の位置において前の最大値からの一定のドロップオフより大きいドロップオフ、または一定のドローダウンより大きいドローダウンを有するかどうかを示すことができる。増幅曲線が、閾値ドロップオフより大きい場合、これは増幅されていないことを示し得る。一部の態様において、ドロップオフは、前の最大値から20%である。
直線試験は、増幅曲線が直線によって最高に特徴づけられるかどうかを判定するための閾値を示すことができる。一部の態様において、直線モデルについてのR2が0.99より上である場合、その増幅曲線は、非増幅ウェルに対応すると見なされる。同様に、この直線モデルを使用して、その線が増幅曲線を交差する回数を数えることができる。交差数が多過ぎる場合、その増幅曲線を、非増幅ウェルに対応すると見なすことができる。
それに関して言えば、試験の一部は、試料データが増幅されたか否かについてのより強い指標であり得る。様々な態様によると、試料データが増幅されたか否かのより強い指標として閾値増幅試験を利用することができる。様々な態様において、閾値増幅試験は、ノイズ正規化増幅曲線の振幅が一定の閾値より上であるかどうかを示すことができる。概念的には、当業者に理解されるように、閾値は定められたノイズレベルを超えるシグナルとして概して定められるので、ノイズが閾値の決定に影響を及ぼすことは公知である。閾値増幅試験の様々な態様について、ノイズについての式に対するαampの比から導出されるノイズ正規化増幅率を使用することができる。様々な態様に従って、そのように決定されたノイズ正規化増幅率についての閾値レベルを設定することができ、この閾値により、試料データが増幅されたか否かを決定する限界を設定することができる。
例えば、図10に関して、各増幅曲線について、その曲線のノイズが大きいほど、その曲線が小さいCRTを有するほど、および/または小さいαbend値を有するほど閾値を高く設定すべきであると、経験的に判定した。好ましい態様では、より小さいCRTおよび/またはαbend値を有する、よりノイズの大きい増幅曲線についての閾値をより高くするのではなく、閾値を変えずにノイズ正規化増幅曲線の振幅を元の増幅曲線の振幅より小さくなるようにスケール調整する。従って、曲線の調整Xshift値の関数として閾値曲線の値を定めることができるだろう。閾値試験は、増幅曲線のノイズ正規化振幅がこの閾値曲線より上である場合に当てはまる。この閾値は、曲線の調整Xshift値に基づいて決定される。この試験についての偽値は、その曲線/ウェルが増幅されていないことの指標である。
図10は、様々な増幅されたおよび増幅されていない曲線/ウェルについての調整Xshift値に対するノイズ正規化増幅曲線の振幅のプロットを示すものである。調整Xshiftの関数としての閾値曲線は、この態様については、図10中の閾値曲線1010によって明確に示され定められる。閾値より小さい調整Xshift値を有する曲線/ウェルは増幅されていないとコールされることに留意しなければならない。一部の態様において、調整Xshiftについての閾値は、2.250である。
図10において、増幅曲線1020およびそれらの対応するウェルは、「増幅された」と判定される。増幅曲線1030およびそれらの対応するウェルは、「増幅されていない」と判定される。増幅曲線1040およびそれらの対応するウェルは、増幅されたまたは増幅されていないと不正確に判定されたことが人によって注釈された。
この実施例におけるデータセットは、7700を超えるウェルを示している。このデータセットでは、8つの見逃しコールがあった。これらの見逃しコールのうちの一つは偽陽性(FP)であり、これは、曲線/ウェルが増幅されたとコールされたが、増幅されていないと注釈されたことを意味する。他の7つの見逃しコールは、偽陰性(FN)あり、これは、曲線/ウェルが増幅されていないとコールされたが、増幅さたと注釈されたことを意味する。それらのFNコールのうちの少数は、CRT値が最大サイクル数より大きかったため、増幅されていないとコールされた。そうでなければ、それらのケースにおいて、アルゴリズムは、対応する増幅曲線を増幅されたと正しくコールしたであろう。
別の実施例では、様々な態様に従って、基準ノイズ値に対する増幅曲線の近似的RMSノイズの比の平方根によってノイズについての式を導出することができる。様々な態様について、そのように決定されたノイズの式に対する試料増幅曲線についてのαampの比からノイズ正規化増幅率を導出することができる。そこで、閾値増幅試験の様々な態様によると、基準ノイズ値より上の近似的RMSノイズ値を有する、よりノイズの大きい増幅曲線については、ノイズ正規化増幅曲線の振幅が元の増幅曲線の振幅よりも小さくなる。様々な態様において、そのような結果は、増幅曲線が増幅されたとコールされる可能性を低くし得る。逆に、様々な態様について、基準ノイズ値より下の近似的RMSノイズ値を有する、よりノイズの小さい増幅曲線については、ノイズ正規化曲線が元の増幅曲線の振幅より大きくなる。様々な態様によると、そのような結果は、曲線が増幅されたとコールされる可能性をより高くし得る。
PCR増幅曲線データの解析のための方法およびシステムの様々な態様について、各試料について決定された各サイクル閾値についての品質値を決定することができる。様々な態様によると、各試料について決定されたサイクル閾値が正しいサイクル閾値である確率を立てることができる。従って、エンドユーザーが試料についての決定されたサイクル閾値を評価するための追加情報として、品質値を使用することができる。
PCR増幅曲線データの解析のための様々な方法およびシステムの様々な態様の原理を特定の態様に関連して記載したが、これらを単に例として記載したこと、およびこれらの記載が本発明の範囲を限定することを意図したものでないことをはっきりと理解すべきである。本明細書の開示内容は、例証および説明のために提供したものである。それは網羅的であることを意図したものではなく、開示内容を記載したまさにその形態に限定することを意図したものでもない。多くの修飾および変形が当業者には明らかであろう。記載した技術の開示した態様の原理および実際の応用を最良に説明し、それによって他の当業者が予期される個々の使用に適している様々な態様および様々な修飾を理解できるようにするために、開示内容を選択して記載した。開示内容の範囲を後続の請求項およびそれらの等価物によって定めることを意図している。

Claims (13)

  1. 複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する段階であって、該データセットが複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線が該複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応するものである、段階;
    非線形最適化を行う段階であって、各増幅曲線をモデル化増幅曲線に適合させて、モデル化効率曲線および該増幅曲線についての少なくとも3つのベストフィットパラメータを含むベストフィットパラメータセットを決定することを含み、該少なくとも3つのベストフィットパラメータのセットが、曲線シフトパラメータ、曲線屈曲パラメータ、および曲線シフト調整パラメータである、段階;
    該ベストフィットパラメータセットに基づいて、下記式:
    Figure 0005848750
    (式中、
    nΔxは、n番目の個別サイクル段階;
    X shift は、増幅曲線シフトパラメータ;
    α bend は、増幅曲線屈曲パラメータ;
    x 0 は、相対シフト調整パラメータ;および
    x 0 'は、式:
    Figure 0005848750
    で表される正規化相対シフト調整パラメータである。)
    によりモデル化効率曲線を生成する段階;
    該モデル化効率曲線から、下記式:
    Figure 0005848750
    (式中、nΔx、X shift 、α bend 、およびx 0 は、それぞれ前記定義と同意義であり;Θ rising baseline は、増幅曲線立ち上がりベースライン傾きパラメータであり;ならびにα amp は、増幅曲線相対増幅パラメータである。)
    により、対応するモデル化増幅曲線を生成する段階;ならびに
    該モデル化効率曲線と該モデル化増幅曲線から、各生体試料についてのサイクル閾値を決定する段階
    を含む、PCR増幅曲線についてのサイクル閾値を決定する方法。
  2. 非線形最適化が制約付き非線形最適化である、請求項1記載の方法。
  3. 非増幅試料を特定する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 非増幅試料の特定が、閾値増幅、モデル曲線適合、ノイズ閾値、最大サイクル、最小サイクル、エンドポイント増幅、モデル効率閾値、最小ノイズ、相対ノイズ、相対スケール調整、またはドロップオフから成る群より選択される試験の遂行を含む、請求項3記載の方法。
  5. 最大PCRサイクル数を超える推定Cqの突出を生じさせる段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  6. PCR増幅曲線についてのサイクル閾値を決定するための、プロセッサにより実行可能な命令が符号化されたコンピュータ可読媒体であって、
    該命令が、
    複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する命令であって、該データセットが複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線が該複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応するものである、命令;
    非線形最適化を行う命令であって、各増幅曲線をモデル化増幅曲線に適合させて、モデル化効率曲線および該増幅曲線についての少なくとも3つのベストフィットパラメータを含むベストフィットパラメータセットを決定する命令を含み、該少なくとも3つのベストフィットパラメータのセットが、曲線シフトパラメータ、曲線屈曲パラメータ、および曲線シフト調整パラメータである、命令;
    該ベストフィットパラメータセットに基づいて、下記式:
    Figure 0005848750
    (式中、
    nΔxは、n番目の個別サイクル段階;
    X shift は、増幅曲線シフトパラメータ;
    α bend は、増幅曲線屈曲パラメータ;
    x 0 は、相対シフト調整パラメータ;および
    x 0 'は、式:
    Figure 0005848750
    で表される正規化相対シフト調整パラメータである。)
    によりモデル化効率曲線を生成する命令;
    該モデル化効率曲線から、下記式:
    Figure 0005848750
    (式中、nΔx、X shift 、α bend 、およびx 0 は、それぞれ前記定義と同意義であり;Θ rising baseline は、増幅曲線立ち上がりベースライン傾きパラメータであり;ならびにα amp は、増幅曲線相対増幅パラメータである。)
    により、対応するモデル化増幅曲線を生成する命令;ならびに
    該モデル化効率曲線と該モデル化増幅曲線の相補的関係から、各生体試料についてのサイクル閾値を決定する命令
    を含む、コンピュータ可読媒体。
  7. 前記非線形最適化が、制約付き非線形最適化である、請求項6記載のコンピュータ可読媒体。
  8. 前記命令が、非増幅試料を特定する命令をさらに含む、請求項6記載のコンピュータ可読媒体。
  9. 非増幅試料の特定が、閾値増幅、モデル曲線適合、ノイズ閾値、最大サイクル、最小サイクル、エンドポイント増幅、モデル効率閾値、最小ノイズ、相対ノイズ、相対スケール調整、またはドロップオフから成る群より選択される試験の遂行を含む、請求項8記載のコンピュータ可読媒体。
  10. PCR増幅曲線についてサイクル閾値を決定するためのシステムであって、
    プロセッサ、および
    該プロセッサによって実行可能な命令を記憶するメモリ
    を具備し、
    該命令が、
    複数の生体試料についてのPCR増幅反応のデータセットを受信する命令であって、該データセットが複数の増幅曲線を含み、各増幅曲線が該複数の生体試料のうちの一つの生体試料に対応するものである、命令;
    非線形最適化を行う命令であって、各増幅曲線をモデル化増幅曲線に適合させて、モデル化効率曲線および該増幅曲線についての少なくとも3つのベストフィットパラメータを含むベストフィットパラメータセットを決定する命令を含み、該少なくとも3つのベストフィットパラメータのセットが、曲線シフトパラメータ、曲線屈曲パラメータ、および曲線シフト調整パラメータである、命令;
    該ベストフィットパラメータセットに基づいて、下記式:
    Figure 0005848750
    (式中、
    nΔxは、n番目の個別サイクル段階;
    X shift は、増幅曲線シフトパラメータ;
    α bend は、増幅曲線屈曲パラメータ;
    x 0 は、相対シフト調整パラメータ;および
    x 0 'は、式:
    Figure 0005848750
    で表される正規化相対シフト調整パラメータである。)
    によりモデル化効率曲線を生成する命令;
    該モデル化効率曲線から、下記式:
    Figure 0005848750
    (式中、nΔx、X shift 、α bend 、およびx 0 は、それぞれ前記定義と同意義であり;Θ rising baseline は、増幅曲線立ち上がりベースライン傾きパラメータであり;ならびにα amp は、増幅曲線相対増幅パラメータである。)
    により、対応するモデル化増幅曲線を生成する命令;ならびに
    該モデル化効率曲線と該モデル化増幅曲線から、各生体試料についてのサイクル閾値を決定する命令
    を含む、システム。
  11. 前記非線形最適化が制約付き非線形最適化である、請求項10記載のシステム。
  12. 前記メモリが、非増幅試料を特定する命令をさらに記憶する、請求項10記載のシステム。
  13. 非増幅試料の特定が、閾値増幅、モデル曲線適合、ノイズ閾値、最大サイクル、最小サイクル、エンドポイント増幅、モデル効率閾値、最小ノイズ、相対ノイズ、相対スケール調整、またはドロップオフから成る群より選択される試験の遂行を含む、請求項12記載のシステム。
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